(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】サーバシステム、印刷装置、制御方法、及び通信システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241015BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20241015BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241015BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
G06F3/12 323
G06F3/12 307
G06F3/12 310
G06F3/12 334
G06F3/12 359
G06F3/12 385
G06F3/16 620
G06F3/16 630
G06F3/16 650
G06F3/16 690
H04N1/00 127A
B41J29/38 301
B41J29/38 204
(21)【出願番号】P 2023217665
(22)【出願日】2023-12-25
(62)【分割の表示】P 2022100211の分割
【原出願日】2018-06-15
【審査請求日】2024-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】冨岡 有
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-519805(JP,A)
【文献】特開2002-140189(JP,A)
【文献】特開2003-058360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09 - 3/12
G06F 3/16
H04N 1/00
B41J 29/00 -29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1サーバシステムと通信可能な第2サーバシステムと、音声制御デバイスとを含む通信システムであって、
前記音声制御デバイスは、
前記音声制御デバイスに対して音声で所定の指示が行われたことに基づいて前記第2サーバシステムに情報を送信する第1送信手段と、
を有し、
前記第2サーバシステムは、
前記音声制御デバイスに対して音声で前記所定の指示が行われたことに基づいて前記音声制御デバイスが前記第2サーバシステムに送信した情報に対応する所定の情報を、前記第1サーバシステムに送信する第2送信手段と、
前記所定の情報を前記第1サーバシステムが受信したことに基づいて前記第1サーバシステムから送信される情報であり、印刷部により記録剤を記録媒体に付加することで印刷処理を実行する印刷装置に関する第1メッセージを前記音声制御デバイスに音声で通知させるための情報である第1通知情報を受信する第1受信手段と、
前記所定の情報を前記第1サーバシステムが受信したことに基づいて前記第1サーバシステムから送信される情報であり、前記第1メッセージに含まれないメッセージを含み且つ前記印刷装置に関する第2メッセージを前記音声制御デバイスの外部の端末装置に通知画面で通知させるための情報である第2通知情報を受信する第2受信手段と、
前記第1通知情報が受信された場合、前記第1通知情報に対応する情報を、前記音声制御デバイスに送信する第3送信手段と、
前記第2通知情報が受信された場合、前記第2通知情報に対応する情報を、前記端末装置に送信する第4送信手段と、
を有し、
前記音声制御デバイスは、さらに、
前記第1通知情報に対応する情報が前記第2サーバシステムから受信された場合、前記第1通知情報に対応する情報に基づいて、前記第1メッセージを音声で通知する第1通知手段と、
を有し、
前記端末装置が前記音声制御デバイス用の所定のアカウントにログインした後、前記第2通知情報に対応する情報が前記端末装置に送信され、
前記端末装置が前記所定のアカウントにログインしたことで前記所定のアカウントと前記端末装置とが前記第2サーバシステムにより紐づけられて管理されていることにより、前記端末装置が前記第2通知情報に対応する情報の送信先として制御される、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第1メッセージ及び前記第2メッセージには、前記印刷装置に前記印刷処理を実行させる機能又は、前記印刷装置の状態を確認する機能に関するメッセージが含まれることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1メッセージに含まれず、前記第2メッセージに含まれるメッセージは、前記印刷装置に前記印刷処理を実行させる機能によって印刷可能なコンテンツを示すメッセージであることを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1メッセージ及び、前記第2メッセージには、前記印刷装置による前記印刷処理の実行を示すメッセージが含まれることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第1メッセージ及び前記第2メッセージには、前記印刷装置において発生しているエラーに関するメッセージが含まれることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】
前記印刷装置において発生しているエラーに関するメッセージは、前記印刷装置が保持している記録剤において発生しているエラーを示すメッセージを含むことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記第1メッセージに含まれず、前記第2メッセージに含まれるメッセージは、前記印刷装置が保持しており且つエラーが発生している記録剤の識別情報を示すメッセージであることを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
エラーが発生している記録剤の識別情報を示すメッセージは、エラーが発生している記録剤の型番を示すメッセージであることを特徴とする請求項7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記印刷装置において複数のエラーが発生している場合、前記複数のエラーのうち第1のエラーに関するメッセージが前記複数のエラーのうち第2のエラーに関するメッセージより優先的に、前記第1メッセージとして、前記第1通知情報に対応する情報に基づいて前記音声制御デバイスによって音声で通知されることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項10】
前記複数のエラーが発生している場合、前記第1メッセージに含まれず、前記第2メッセージに含まれるメッセージは、前記第2のエラーに関するメッセージであることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記複数のエラーには、前記印刷装置が備えるカバーが開いているエラーと、前記印刷装置が備える前記記録媒体が無いエラーと、前記印刷装置が備える前記記録媒体が搬送経路内で詰まっているエラーと、前記印刷部に電力が供給されていないエラーと、のうち少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項9又は10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記印刷装置に前記印刷処理を実行させるための印刷指示が前記音声制御デバイスに対して音声で行われたことに基づいて、前記印刷装置に前記印刷処理を実行させるための情報が、前記第1サーバシステムから前記印刷装置に送信され、
前記印刷装置に前記印刷処理を実行させるための情報が送信された場合、前記印刷装置によって前記印刷処理が実行されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項13】
前記所定の指示は、前記印刷指示であることを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項14】
前記所定の指示は、前記印刷指示と異なる指示である、前記印刷装置の状態を確認するための指示であることを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項15】
前記端末装置が前記所定のアカウント及び、前記所定のアカウントと異なる他のアカウントにログインしたことで、前記所定のアカウントと前記端末装置とが前記第2サーバシステムにより紐づけられて管理されており、且つ、前記所定のアカウントと前記他のアカウントとが前記第2サーバシステムにより紐づけられて管理されていることで、前記端末装置が前記第2通知情報に対応する情報の送信先として制御されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項16】
前記第2サーバシステムは、1又は複数のサーバによって構成されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項17】
前記音声制御デバイスは、スマートスピーカであることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項18】
前記第2メッセージは、前記第1メッセージに含まれないメッセージと、前記第1メッセージとを含むメッセージであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項19】
前記通信システムはさらに前記端末装置を含み、
前記端末装置は、
前記所定のアカウントにログインするログイン手段と、
前記端末装置が前記所定のアカウントにログインした後、前記第2通知情報に対応する情報が前記第2サーバシステムから受信された場合、前記第2通知情報に対応する情報に基づいて、前記第2メッセージを前記通知画面で通知する第2通知手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項20】
第1サーバシステムと通信可能な第2サーバシステムと、音声制御デバイスとを含む通信システムの制御方法であって、
前記音声制御デバイスの制御方法は、
前記音声制御デバイスに対して音声で所定の指示が行われたことに基づいて前記第2サーバシステムに情報を送信する第1送信手段と、
を有し、
前記第2サーバシステムの制御方法は、
前記音声制御デバイスに対して音声で前記所定の指示が行われたことに基づいて前記音声制御デバイスが前記第2サーバシステムに送信した情報に対応する所定の情報を、前記第1サーバシステムに送信する第2送信手段と、
前記所定の情報を前記第1サーバシステムが受信したことに基づいて前記第1サーバシステムから送信される情報であり、印刷部により記録剤を記録媒体に付加することで印刷処理を実行する印刷装置に関する第1メッセージを前記音声制御デバイスに音声で通知させるための情報である第1通知情報を受信する第1受信手段と、
前記所定の情報を前記第1サーバシステムが受信したことに基づいて前記第1サーバシステムから送信される情報であり、前記第1メッセージに含まれないメッセージを含み且つ前記印刷装置に関する第2メッセージを前記音声制御デバイスの外部の端末装置に通知画面で通知させるための情報である第2通知情報を受信する第2受信手段と、
前記第1通知情報が受信された場合、前記第1通知情報に対応する情報を、前記音声制御デバイスに送信する第3送信手段と、
前記第2通知情報が受信された場合、前記第2通知情報に対応する情報を、前記端末装置に送信する第4送信手段と、
を有し、
前記音声制御デバイスの制御方法は、さらに、
前記第1通知情報に対応する情報が前記第2サーバシステムから受信された場合、前記第1通知情報に対応する情報に基づいて、前記第1メッセージを音声で通知する第1通知手段と、
を有し、
前記端末装置が前記音声制御デバイス用の所定のアカウントにログインした後、前記第2通知情報に対応する情報が前記端末装置に送信され、
前記端末装置が前記所定のアカウントにログインしたことで前記所定のアカウントと前記端末装置とが前記第2サーバシステムにより紐づけられて管理されていることにより、前記端末装置が前記第2通知情報に対応する情報の送信先として制御される、
ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバシステム、印刷装置、制御方法、及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置に関するメッセージを通知する通知システムが知られている。特許文献1には、情報処理装置から送信された印刷ジョブに基づく印刷中に、プリンタにおいてエラーが発生した場合、情報処理装置の表示部に、プリンタに関する状態を通知するためのトーストが表示される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、印刷装置に関するメッセージを通知する通知システムが普及するにあたり、よりユーザビリティの高い通知方法が要望されている。
【0005】
本発明は、印刷装置に関するメッセージの通知におけるユーザビリティを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1サーバシステムと通信可能な第2サーバシステムと、音声制御デバイスとを含む通信システムであって、前記音声制御デバイスは、前記音声制御デバイスに対して音声で所定の指示が行われたことに基づいて前記第2サーバシステムに情報を送信する第1送信手段と、を有し、前記第2サーバシステムは、前記音声制御デバイスに対して音声で前記所定の指示が行われたことに基づいて前記音声制御デバイスが前記第2サーバシステムに送信した情報に対応する所定の情報を、前記第1サーバシステムに送信する第2送信手段と、前記所定の情報を前記第1サーバシステムが受信したことに基づいて前記第1サーバシステムから送信される情報であり、印刷部により記録剤を記録媒体に付加することで印刷処理を実行する印刷装置に関する第1メッセージを前記音声制御デバイスに音声で通知させるための情報である第1通知情報を受信する第1受信手段と、前記所定の情報を前記第1サーバシステムが受信したことに基づいて前記第1サーバシステムから送信される情報であり、前記第1メッセージに含まれないメッセージを含み且つ前記印刷装置に関する第2メッセージを前記音声制御デバイスの外部の端末装置に通知画面で通知させるための情報である第2通知情報を受信する第2受信手段と、前記第1通知情報が受信された場合、前記第1通知情報に対応する情報を、前記音声制御デバイスに送信する第3送信手段と、前記第2通知情報が受信された場合、前記第2通知情報に対応する情報を、前記端末装置に送信する第4送信手段と、を有し、前記音声制御デバイスは、さらに、前記第1通知情報に対応する情報が前記第2サーバシステムから受信された場合、前記第1通知情報に対応する情報に基づいて、前記第1メッセージを音声で通知する第1通知手段と、を有し、前記端末装置が前記音声制御デバイス用の所定のアカウントにログインした後、前記第2通知情報に対応する情報が前記端末装置に送信され、前記端末装置が前記所定のアカウントにログインしたことで前記所定のアカウントと前記端末装置とが前記第2サーバシステムにより紐づけられて管理されていることにより、前記端末装置が前記第2通知情報に対応する情報の送信先として制御される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、印刷装置に関するメッセージの通知におけるユーザビリティを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】音声制御デバイスのハードウェア構成図を示すブロック図である。
【
図3】管理サーバおよび中継サーバのハードウェア構成図を示すブロック図である。
【
図4】印刷装置のハードウェア構成図を示すブロック図である。
【
図5】端末装置のハードウェア構成図の概略を示すブロック図である。
【
図6】管理サーバが各装置を紐づけて管理するための登録処理を示すシーケンス図である。
【
図7】印刷サービス実行処理を示すシーケンス図である。
【
図8】音声制御デバイスを用いた印刷処理を示すシーケンス図である。
【
図9】音声制御デバイスと関連付けられた印刷装置の状態情報を確認する状態確認処理を示すシーケンス図である。
【
図10】状態確認処理において中継サーバが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図11】エラー状態の優先度が定義付けられている優先度テーブルの一例である。
【
図12】インク状態の優先度が定義付けられている優先度テーブルの一例である。
【
図13】表示部に表示される通知画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
(第1実施形態)
<システム構成>
図1に、本実施形態に係る通信システムの構成図の一例を示す。本実施形態のシステムは、例えば、音声制御デバイス101、音声制御デバイス管理サーバ(以下、管理サーバ)102、中継サーバ103、印刷装置104、端末装置105、アクセスポイント(AP)106等で構成される。音声制御デバイス101は、例えば、スマートスピーカなどである。端末装置105は、例えば、スマートフォン、PC(Personal Computer)、タブレット端末、携帯電話、PDA(Personal DigitalAssistant)等の任意の端末装置である。なお、以下では、端末装置105はスマートフォンである。印刷装置104は、本実施形態における通信装置であり、インク等の記録剤を紙等の記録媒体に付加することで、記録媒体上に画像を形成する(印刷する)プリンタである。印刷装置104は、複写機能、FAX機能、印刷機能等の複数の機能を備える複合機であってもよい。なお、本実施形態では、印刷装置104は、インクジェット方式によって印刷を行う装置であるものとするが、この形態に限定されず、例えば、電子写真方式や熱昇華方式によって印刷を行う装置であっても良い。なお、通信装置として、本実施形態では、印刷装置104を例示しているが、これに限定されない。例えば、複写機やファクシミリ装置、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、PDA、デジタルカメラ、音楽再生デバイス、ストレージ、プロジェクタ、PC等、印刷以外のサービスを提供可能な装置であっても良い。AP106は、例えば、無線LANルータである。AP106に接続している装置は、AP106を介してインターネットを利用可能となる。本実施形態では、音声制御デバイス101、印刷装置104、端末装置105は、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線LANの無線通信方式に従ってAP106に無線接続する。
【0011】
音声制御デバイス101、端末装置105は、AP106およびインターネットを介して管理サーバ102と通信可能である。印刷装置104は、AP106およびインターネットを介して中継サーバ103と通信可能である。また、音声制御デバイス101と端末装置105は、AP106を介して互いに接続可能(通信可能)である。なお、
図1に示すシステム図では、音声制御デバイス101と印刷装置104、端末装置105は、同一のAPに接続してインターネットを利用可能な状態となっているが、この形態に限定さない。例えば、音声制御デバイス101と印刷装置104、端末装置105は、それぞれ異なるAPに接続してインターネットを利用可能な状態となっても良い。また、APを利用せずに、例えばLTEや4G等の移動体通信網によって、インターネットを利用可能な状態となっても良い。
【0012】
図2は、音声制御デバイス101のハードウェア構成図の概略を示すブロック図である。音声制御デバイス101は、スピーカ201、CPU202、ROM203、マイクロフォン204、RAM205、外部記憶装置206、通信部207、近距離無線通信部208を有する。なお、
図2乃至
図4に示すブロックは、例えば内部バスを用いて相互に接続される。また、CPUはCentral Processing Unitの、ROMはRead Only Memoryの、RAMはRandom Access Memoryの頭字語である。なお、これらの構成は一例であり、各装置は、図示された以外のハードウェアを含んでもよい。また、
図2乃至
図4における複数のブロックが1つのブロックにまとめられてもよいし、1つのブロックが2つ以上のブロックに分割されてもよい。すなわち、各装置は、後述するような処理を実行可能な範囲で任意の構成をとることができる。
【0013】
スピーカ201は、後述する処理により音声を発する。CPU202は、システム制御部であり、音声制御デバイス101の全体を制御するプロセッサーである。ROM203は、CPU202が実行する制御プログラムやデータテーブル、組み込みOS(Operating System)プログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM203に格納されている各制御プログラムは、ROM203に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウェア実行制御を行うために用いられる。マイクロフォン204は、音声制御デバイスの周囲の音声を受信する。例えば、ユーザが発した声を受信する。RAM205は、例えば、バックアップ電源を必要とするSRAM(Static RAM)等で構成される。なお、RAM205は、不図示のデータバックアップ用の一次電池によってデータが保持されるため、プログラム制御変数等のデータを揮発させずに格納することができる。また、音声制御デバイス101の設定情報や管理データ等を格納するメモリエリアもRAM205に設けられている。また、RAM205は、CPU202の主メモリ及びワークメモリとしても用いられる。外部記憶装置206は、アプリケーションソフトウェアを記憶する。
【0014】
通信部207は、所定の無線通信方式に従って通信を行うための回路やアンテナを含んで構成される。例えば、通信部207はアクセスポイントに無線接続することができる。また、通信部207は、一時的に使用されるアクセスポイントとして動作することもある。本実施形態で使用される無線通信は、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線LANの無線通信方式(Wi-Fi)に従って動作する能力を有してもよいし、他の無線通信方式に従って動作する能力を有してもよい。
【0015】
近距離無線通信部208は、音声制御デバイス101と一定の近距離範囲内に存在する他の装置と近距離無線通信を実行する。なお、近距離無線通信部208は、通信部207と異なる無線通信方式によって通信を行う。本実施形態では、近距離無線通信部208は、Bluetooth(登録商標)規格に従って動作するものとする。
【0016】
図5は、端末装置105のハードウェア構成図の概略を示すブロック図である。端末装置105は、一例として、入力インタフェース501、CPU502、ROM503、表示部504、RAM505、外部記憶装置506、通信部507、近距離無線通信部508を有する。なお、これらのブロックは、例えば内部バスを用いて相互に接続される。
【0017】
CPU502は、システム制御部であり、装置の全体を制御する。RAM505は、例えばRAM205と同様に、バックアップ電源を必要とするDRAM(Dynamic RAM)等で構成される。RAM505は、CPU502の主メモリとワークメモリとしても用いられる。ROM503は、CPU502が実行する制御プログラムやデータテーブル、OSプログラム等の固定データを格納する。なお、本実施形態では、端末装置105は、音声制御デバイス101用のアプリケーションプログラム(以下、音声制御アプリケーション)をインストールして、ROM503に格納しているものとする。
【0018】
表示部504は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、各種データに基づく画面を表示する。なお、表示部504は、タッチディスプレイ等で構成されることにより、ユーザから各種入力を受け付ける機能を有していても良い。すなわち、表示部504は、ユーザからのデータ入力や動作指示を受け付けるためのインタフェースであり、物理キーボードやボタン、タッチパネル等で構成される操作パネルであっても良い。通信部507は、上述の通信部207と同様の機能を有し、AP106を介して他の装置と無線接続することができる。近距離無線通信部508は、近距離無線通信部208と同じ無線通信方式を用いて、近距離無線通信部208との間で近距離無線通信を行うことができる装置である。
【0019】
図3は、管理サーバ102および中継サーバ103のハードウェア構成図の概略を示すブロック図である。なお、本実施形態では、管理サーバ102および中継サーバ103がそれぞれ1台のサーバで構成されているが、複数台のサーバが連携して動作することで管理サーバ102や中継サーバ103に対応するサーバシステムが構築される形態であっても構わない。
【0020】
CPU301は、以下の各部を制御するためのプロセッサーである。ディスク装置302は、CPU301が読み出すアプリケーションプログラム312やデータベース313やOSのほか各種ファイルを格納する。外部記憶メディア読取装置303は、SDカードなどの外部記憶媒体に格納されたファイルなどの情報を読み出すための装置である。メモリ304は、RAMなどで構成され、CPU301が必要に応じてデータの一時的格納やバッファリング等を行う。表示部305は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、各種データに基づく画面を表示する。操作部306は、ユーザが各種の入力操作を行うためのキーボードやマウスなどからなる。ネットワーク通信部307は、ネットワーク接続部308を介してインターネット等のネットワークと接続され、各種の通信を行う。なお、ネットワーク通信部307は有線LANや無線LANによって通信する。ネットワーク通信部307が有線LAN対応の場合のネットワーク接続部308は有線LANのケーブルを接続するためのコネクタであり、ネットワーク通信部307が無線LAN対応の場合のネットワーク接続部308はアンテナとなる。なお、ネットワーク接続部308が、有線LANおよび無線LANの両者に対応していても良い。USB(Universal Serial Bus)通信部310は、各種周辺装置とUSB接続部311を介して接続され、USB規格によって各種通信を行う。そして、上述の各部はバス309で相互に接続される。また、後述する管理サーバ102および中継サーバ103の処理は、CPU301が、処理に必要なプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0021】
図4は、印刷装置104のハードウェア構成図の概略を示すブロック図である。
【0022】
印刷装置104において、印刷機能はプリンタ部401で、スキャナー機能はスキャナー部402で、ストレージ機能はメモリカード装着部403及びメモリカード404で実現される。
【0023】
プリンタ部401は、外部から受信した画像データやメモリカード404に格納されている画像データに基づいて印刷を実行する。また、プリンタ部401は、インク残量等のインク情報や用紙残量等の用紙情報も管理している。
【0024】
スキャナー部402は、原稿台(不図示)にセットされた原稿を光学的に読み取って電子データに変換し、更に指定されたファイル形式に変換した画像データを、ネットワーク経由で外部装置に送信、或いはHDD等の保存領域(不図示)に格納する。また、コピー機能は、原稿台に置かれた原稿をスキャナー部402で読み取って生成した画像データをプリンタ部401へ転送し、プリンタ部401が印刷用紙にその画像データに基づく画像を印刷することで実現される。
【0025】
メモリカード装着部403に装着されたメモリカード404には、各種ファイルデータが格納される。このファイルデータは、ネットワークを介した外部装置から読み出して編集されることもある。また、外部装置からメモリカード404にファイルデータを格納することも可能である。
【0026】
更に、印刷装置104は、CPU405、プログラムメモリ406、ワークメモリ407、表示部408、操作部409、ネットワーク通信部410、ネットワーク接続部411、フラッシュメモリ412を備える。CPU405は、印刷装置104内の各部を制御するためのプロセッサーである。プログラムメモリ406は、ROMなどで構成され、各種のプログラムコードや、中継サーバ103と通信するためのアプリケーション415が格納されている。またアプリケーション415はプリンタ部401にアクセスしてインク情報や用紙情報を取得する。ワークメモリ407は、RAMなどで構成され、各サービス実行時に画像データなどを一時格納したり、バッファリングしたりする。表示部408は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、各種データに基づく画面を表示する。操作部409は、ユーザが各種の入力操作を行うためのスイッチ等からなる。ネットワーク通信部410は、ネットワーク接続部411を介してインターネット等のネットワークと接続され、各種の通信を行う。なお、ネットワーク通信部410は有線LANや無線LANによって通信する。ネットワーク通信部410が有線LAN対応の場合のネットワーク接続部411は有線LANのケーブルを接続するためのコネクタであり、ネットワーク通信部410が無線LAN対応の場合のネットワーク接続部411はアンテナとなる。なお、ネットワーク接続部411が、有線LANおよび無線LANの両者に対応していても良い。本実施形態では、ネットワーク通信部410は、無線LANに対応しており、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線LANの無線通信方式に従ってAP106と接続するものとする。
【0027】
フラッシュメモリ412は、ネットワーク通信部410が受信した画像データなどを格納するための不揮発性のメモリである。そして、上述した各部は、バス413で相互に接続される。また、後述する印刷装置104の処理は、CPU405が、処理に必要なプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0028】
<音声制御デバイス101を用いた印刷処理>
図1で示したシステムにおいて、音声制御デバイス101を用いた印刷処理が実行される。まず、音声制御デバイス101を用いた印刷処理が実行されるために、管理サーバ102が各装置を紐づけて管理するための登録処理が実行される必要がある。登録処理について
図6のシーケンス図を用いて説明する。なお、本シーケンスにおいて各装置が実行する処理は、各装置のCPUが、各装置のROM等に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。なお、端末装置105によって実行されるプログラムは、音声制御アプリケーションである。
【0029】
まず、管理サーバ102が、各装置を紐づけて管理するための登録処理について説明する。
【0030】
登録処理が実行される前に、ユーザは、管理サーバ102が管理する、音声制御デバイス101用のユーザアカウント(以下、第1のアカウント)に、端末装置105の音声制御アプリケーションを用いてログインしておく。これにより、管理サーバ102は、端末装置105と、第1のアカウントとを紐づけて管理する。ひいては、管理サーバ102は、第1のアカウントに紐づけられている端末装置105の音声制御アプリケーションに関する情報を認識する。また、端末装置105は、第1のアカウントに関する情報(アカウント名やID、パスワード等)を認識する。
【0031】
その後、S601において、音声制御デバイス101は、ユーザからの所定の操作を受け付けて、登録処理を実行するモードに移行する。具体的には、音声制御デバイス101は、自身が有するアクセスポイントを有効化する。
【0032】
次にS602において、端末装置105は、音声制御アプリケーションが表示する画面に対する入力により、ユーザから登録処理の実行指示を受け付ける。
【0033】
次にS603において、端末装置105は、音声制御デバイス101が有するアクセスポイントにWi-Fiによって接続する。
【0034】
次にS604において、端末装置105は、音声制御デバイス101に接続させる外部アクセスポイントを特定する。具体的には、端末装置105は、周囲の外部アクセスポイントを検索して、発見された外部アクセスポイントのリストを表示する。そして、端末装置105は、リストのうちユーザから選択された外部アクセスポイントを特定する。なお、外部アクセスポイントの特定方法は、この形態に限定されない。例えば、端末装置105は、音声制御デバイス101が実行した検索により発見された外部アクセスポイントのリストを、音声制御デバイス101からWi-Fi接続を介して受信し、そのリストからユーザに選択された外部アクセスポイントを特定しても良い。また、例えば、端末装置105は、ユーザから登録処理の実行指示を受け付けた時に端末装置105が接続していた外部アクセスポイントを特定しても良い。
【0035】
次にS605において、端末装置105は、S604で特定した外部アクセスポイントに関する情報や、上述した第1のアカウントに関する情報を、Wi-Fi接続を介して音声制御デバイス101に送信する。なお、端末装置105は、S605において情報を送信した後、音声制御デバイス101とのWi-Fi接続を切断して、S604で特定した外部アクセスポイントとのWi-Fi接続を確立しても良い。
【0036】
なお、上述において、音声制御デバイス101は、第1登録処理に必要な情報をWi-Fiによって受信していたが、この形態に限定されない。例えば、音声制御デバイス101は、第1登録処理を実行するモードにおいて、Bluetooth機能を有効化し、端末装置105とのBluetooth接続によって、第1登録処理に必要な情報を受信しても良い。
【0037】
次にS606において、音声制御デバイス101は、自身が有するアクセスポイントを無効化して、端末装置105とのWi-Fi接続を切断する。そして、音声制御デバイス101は、端末装置105から受信した外部アクセスポイントに関する情報に基づいて、当該外部アクセスポイントとWi-Fiによって接続する。なお、音声制御デバイス101は、外部アクセスポイントとのWi-Fi接続が成功した場合、その旨を音声で通知しても良い。
【0038】
次にS607において、音声制御デバイス101は、外部アクセスポイントを介して管理サーバ102にアクセスし、管理サーバ102に、端末装置105から受信した第1のアカウントに関する情報及び、自身の識別情報を送信する。
【0039】
次にS608において、管理サーバ102は、受信した情報に基づいて、音声制御デバイス101と第1のアカウントと紐づけて管理する。なお、既に管理サーバ102は、端末装置105と、第1のアカウントとを紐づけて管理している。そのため、S608により、音声制御デバイス101と端末装置105と、第1のアカウントとが紐づけられる。
【0040】
次にS609において、端末装置105は、音声制御デバイス101を用いて利用するサービス(スキル)の登録を行う。本実施形態では、音声制御デバイス101を用いた印刷サービスが利用されるため、印刷装置104に対応する印刷サービスが登録されるものとする。そのため、端末装置105は、印刷装置104に対応する印刷サービスがユーザによって選択されたことを示す情報を、管理サーバ102に送信する。
【0041】
次にS610において、管理サーバ102は、受信した情報に基づいて、印刷装置104に対応する印刷サービスと第1のアカウントと紐づけて管理する。すなわち、印刷装置104に対応する印刷サービスが登録される。
【0042】
次にS611において、端末装置105は、印刷サービスに紐づいている中継サーバ103が管理するユーザアカウント(以下、第2のアカウント)に、ログインするためのログイン画面を表示する。端末装置105は、ログイン画面を表示するための情報を、例えば、印刷サービスに紐づいている中継サーバ103にアクセスすることで取得する。なお、印刷装置104を制御するPC等による第2アカウントへのログインが実行されていることで、予め中継サーバ103は、第2のアカウントと印刷装置104とを紐づけて管理しているものとする。
【0043】
次にS612において、端末装置105は、ログイン画面に対して入力されたログイン情報(ID、パスワード等)、第1のアカウントに関する情報及び、管理サーバ102に関する情報を、中継サーバ103に送信する。
【0044】
次にS613において、中継サーバ103は、受信したログイン情報が正しいか否かを判定する。そして、受信したログイン情報が正しく、第2のアカウントへのログインが成功した場合、受信した管理サーバ102に関する情報に基づいて、管理サーバ102にアクセスする。そして、中継サーバ103は、第1のアカウントによるアクセスを許可するためのアクセストークン及び、第2のアカウントに関する情報を管理サーバ102に送信する。
【0045】
次にS614において、管理サーバ102は、受信した情報に基づいて、第1のアカウントと第2のアカウントを紐づけて管理する。
【0046】
これにより、管理サーバ102は、各装置と各アカウントを紐づけて管理することが可能となり、本実施形態における通知処理において、いずれの情報をいずれの装置に送信すればよいかを認識できるようになる。
【0047】
なお、上述において、端末装置105が実行する処理は、音声制御アプリケーションではなく、例えば端末装置105が備えるWebブラウザ等を介して実行されても良い。
【0048】
音声制御デバイス101を用いた印刷サービスを利用するための、印刷サービス実行処理について説明する。印刷サービス実行処理のシーケンス図を
図7に示す。なお、本シーケンスにおいて各装置が実行する処理は、各装置のCPUが、各装置のROM等に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。また、本シーケンスにおいて各装置が実行する処理は、
図6で説明した登録処理が完了している状態で、実行されるものとする。
【0049】
まずユーザは、音声制御デバイス101の近辺で、音声制御デバイス101に対応する第1ウェイクワードを音声で発する。これにより、音声制御デバイス101は、ユーザからの音声指示を受け付けるモードに移行する。その後、ユーザは、登録されている印刷サービスを実行するための印刷サービス実行指示として、第2ウェイクワードを音声で発する。
【0050】
そのため、まずS701にて、音声制御デバイス101は、マイクロフォン204によってユーザの音声を受信することで、印刷サービス実行指示(第2ウェイクワード)を受け付ける。
【0051】
次に、S702にて、音声制御デバイス101は、インターネットを介して、管理サーバ102に、S701で受け付けた音声に基づく音声データを送信する。音声データを送信するとき、音声制御デバイス101は、マイクロフォン204によって受信したユーザの音声をそのまま音声データとして送信しても良いし、ユーザの音声をテキストデータに変換して、テキストデータを音声データとして送信しても良い。
【0052】
次に、S703にて、管理サーバ102は、受信した音声データを解析する。具体的には、管理サーバ102は、第2ウェイクワードに対応する音声データを解析して、登録されている印刷サービス及び、当該印刷サービスに紐づいている中継サーバ103、当該印刷サービスに紐づいている第2アカウントを特定する。
【0053】
次に、S704にて、管理サーバ102は、当該印刷サービスに紐づいている中継サーバ103に、印刷サービス実行指示が受け付けられたことを通知する。なお、このとき送信される情報には、登録されている印刷サービスに紐づいている第2のアカウントを示す情報が含まれる。
【0054】
次に、S705にて、中継サーバ103は、印刷サービスの実行が要求されていることを特定する。また、登録されている印刷サービスに紐づいている第2のアカウントを特定し、いずれの印刷装置104を用いて印刷サービスを実行するかを特定する。
【0055】
次に、S706にて、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能を通知するための通知情報を、管理サーバ102に送信する。なお、本実施形態では、音声制御デバイス101による通知と、端末装置105による通知の両方が行われるため、中継サーバ103は、音声制御デバイス101用の通知情報と端末装置105用の通知情報のそれぞれを送信する。なお本実施形態において、音声制御デバイス101によって音声で通知されるメッセージの内容は、音声制御デバイス101用の通知情報によって決定される。すなわち、中継サーバ103が、音声制御デバイス101によって音声で通知されるメッセージの内容を制御している。また、同様に、端末装置105によって画面で通知されるメッセージや図の内容は、端末装置105用の通知情報によって決定される。すなわち、中継サーバ103が、端末装置105によって画面で通知されるメッセージや図の内容を制御している。
【0056】
次に、S707にて、管理サーバ102は、受信した通知情報に基づいて、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能を音声で通知するための音声通知情報を、音声制御デバイス101に送信する。
【0057】
次に、S708にて、音声制御デバイス101は、受信した音声通知情報に基づいて、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能を、スピーカ201を用いて音声で通知する。本実施形態では、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能は、印刷装置104に印刷を実行させる印刷機能と、印刷装置104の状態を確認する状態確認機能とを含む。そのため、音声制御デバイス101は、印刷機能と状態確認機能を利用可能であることを、音声でユーザに通知する。
【0058】
次に、S709にて、管理サーバ102は、受信した通知情報に基づいて、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能を画面表示によって通知するための画面通知情報を、第1のアカウントに紐づいている端末装置105に送信する。なお、S707よりも前にS709が実行されても良い。
【0059】
次に、S710にて、端末装置105は、受信した画面通知情報に基づいて、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能を通知するための通知画面を、表示部504に表示する。具体的には例えば、
図13(a)に示すような通知画面1300を表示する。なお本実施形態では、端末装置105は、音声制御デバイス101が音声で通知する内容よりも詳細な内容を、通知画面によってユーザに通知する。通知画面1300において、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能を通知するための領域1301と、印刷機能によって印刷可能なコンテンツの種類を通知するための領域1302が含まれる。本実施形態では、領域1301に含まれるメッセージは、S708における音声通知によっても通知される。しかしながら、領域1302に含まれるメッセージは、S708における音声通知によっては通知されず、S710における画面通知によってのみ通知される。なお通知画面には、領域1301や領域1302に表示されるメッセージのような、印刷装置104に関する情報を通知するためのメッセージに限らず、印刷装置104に関する情報を通知するための図が含まれても良い。
【0060】
これにより、ユーザは、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能を把握し、印刷サービスの利用を開始することができる。
【0061】
次に、音声制御デバイス101を用いた印刷処理について説明する。音声制御デバイス101を用いた印刷処理のシーケンス図を
図8に示す。なお、本シーケンスにおいて各装置が実行する処理は、各装置のCPUが、各装置のROM等に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。また、本シーケンスにおいて各装置が実行する処理は、
図7で説明した印刷サービス実行処理が完了し、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能をユーザが把握している状態で、実行されるものとする。
【0062】
まずユーザは、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能のうち、印刷機能を利用するために、印刷指示として、印刷機能に対応する第3ウェイクワードを音声で発する。
【0063】
そのため、まずS801にて、音声制御デバイス101は、マイクロフォン204によってユーザの音声を受信することで、印刷指示(第3ウェイクワード)を受け付ける。
【0064】
次に、S802にて、音声制御デバイス101は、インターネットを介して、管理サーバ102に、S801で受け付けた音声に基づく音声データを送信する。
【0065】
次に、S803にて、管理サーバ102は、中継サーバ103に、受信した音声データに基づく情報を送信する。
【0066】
次に、S804にて、中継サーバ103は、S803で受信した情報を解析して、印刷機能の実行が要求されていることを特定する。
【0067】
次に、S805にて、中継サーバ103は、印刷機能によって印刷可能なコンテンツの種類を音声によって通知するための、音声制御デバイス101用の通知情報を、管理サーバ102に送信する。なお、本実施形態では、印刷機能によって印刷可能なコンテンツの種類は、音声制御デバイス101による音声通知によってしか通知されないが、端末装置105による画面通知によって通知されても良い。すなわち、中継サーバ103は、印刷機能によって印刷可能なコンテンツの種類を画面表示によって通知するための、端末装置105用の通知情報をさらに送信しても良い。
【0068】
次に、S806にて、管理サーバ102は、受信した通知情報に基づいて、印刷機能によって印刷可能なコンテンツの種類を音声で通知するための音声通知情報を、音声制御デバイス101に送信する。
【0069】
次に、S807にて、音声制御デバイス101は、受信した音声通知情報に基づいて、印刷機能によって印刷可能なコンテンツの種類を、スピーカ201を用いて音声で通知する。
【0070】
これにより印刷機能によって印刷可能なコンテンツの種類を把握したユーザは、コンテンツの名前を発することで、印刷機能によって印刷するコンテンツを選択する。なお、このとき、ユーザは、コンテンツの印刷における印刷設定(印刷部数、印刷の色設定等)を音声で発しても良い。
【0071】
そのため、S808にて、音声制御デバイス101は、マイクロフォン204によってユーザの音声を受信することで、印刷機能によって印刷するコンテンツの選択や印刷設定を受け付ける。
【0072】
次に、S809にて、音声制御デバイス101は、インターネットを介して、管理サーバ102に、S808で受け付けた音声に基づく音声データを送信する。
【0073】
次に、S810にて、管理サーバ102は、中継サーバ103に、受信した音声データに基づく情報を送信する。
【0074】
次に、S811にて、中継サーバ103は、S810で受信した情報を解析して、印刷機能によって印刷するコンテンツを特定する。
【0075】
次に、S812にて、印刷対象のコンテンツを印刷するためのバイナリ形式の印刷データ、及び第2のアカウントに紐づいている印刷装置104に印刷対象のコンテンツの印刷を実行させるための印刷ジョブを生成する。生成された印刷データは、中継サーバ103の所定の格納領域に保存される。また、生成された印刷ジョブには、中継サーバ103の所定の格納領域に保存された印刷データを取得するための情報(URL等)が含まれる。
【0076】
次に、S813にて、中継サーバ103は、生成した印刷ジョブを、インターネットを介して、第2のアカウントに紐づいている印刷装置104に送信する。
【0077】
次に、S814にて、印刷装置104は、受信した印刷ジョブに基づいて、中継サーバ103の所定の格納領域に保存された印刷データを取得するための要求を、中継サーバ103に送信する。
【0078】
次に、S815にて、中継サーバ103は、S814で受信した要求に応答して、S812で生成した印刷データを印刷装置104に送信する。なお、中継サーバ103は、印刷ジョブと印刷データとを別々に印刷装置104に送信するのではなく、印刷データを含めた印刷ジョブを、S813にて送信しても良い。
【0079】
次に、S816にて、印刷装置104は、受信した印刷ジョブ及び印刷データに基づく印刷の実行を開始する。なお、印刷装置104は、印刷中にエラーが発生した場合は、印刷装置104がエラー状態であることを示す状態情報を、中継サーバ103に送信する。
【0080】
次に、S817にて、中継サーバ103は、印刷装置104による印刷が開始されると、選択されたコンテンツが印刷装置104によって印刷されていることを通知するための通知情報を、管理サーバ102に送信する。なお、本実施形態では、音声制御デバイス101による通知と、端末装置105による通知の両方が行われるため、中継サーバ103は、音声制御デバイス101用の通知情報と端末装置105用の通知情報のそれぞれを送信する。
【0081】
次に、S818にて、管理サーバ102は、受信した通知情報に基づいて、選択されたコンテンツが印刷装置104によって印刷されていることを音声で通知するための音声通知情報を、音声制御デバイス101に送信する。
【0082】
次に、S819にて、音声制御デバイス101は、受信した音声通知情報に基づいて、選択されたコンテンツが印刷装置104によって印刷されていることを、スピーカ201を用いて音声で通知する。
【0083】
次に、S820にて、管理サーバ102は、受信した通知情報に基づいて、選択されたコンテンツが印刷装置104によって印刷されていることを画面表示によって通知するための画面通知情報を、第1のアカウントに紐づいている端末装置105に送信する。なお、S818よりも前にS820が実行されても良い。
【0084】
次に、S821にて、端末装置105は、受信した画面通知情報に基づいて、選択されたコンテンツが印刷装置104によって印刷されていることを通知するための通知画面を、表示部504に表示する。具体的には例えば、
図13(b)に示すような通知画面1303を表示する。なお本実施形態では、端末装置105は、音声制御デバイス101が音声で通知する内容よりも詳細な内容を、通知画面によってユーザに通知する。通知画面1303において、選択されたコンテンツが印刷装置104によって印刷されていることを通知するための領域1304と、印刷指示を実行するための、第3ウェイクワードと異なるウェイクワードを通知するための領域1305が含まれる。本実施形態では、領域1304に含まれるメッセージは、S819における音声通知によっても通知されている。しかしながら、領域1305に含まれるメッセージは、S819における音声通知によっては通知されず、S821における画面通知によってのみ通知される。
【0085】
その後、印刷ジョブに基づく印刷が完了したならば、S822にて、印刷装置104は、印刷が完了した状態であることを示す印刷完了状態情報を、中継サーバ103に送信する。
【0086】
このようにして、印刷装置104は、音声制御デバイス101に対する音声での印刷指示をトリガーに、印刷を実行することができる。
【0087】
なお、S822の後、中継サーバ103は、印刷完了状態情報に基づいて、印刷が完了したことを通知するための通知情報を、音声制御デバイス101や端末装置105に送信しても良い。
【0088】
続いて、音声制御デバイス101と関連付けられた印刷装置104の状態情報を確認する状態確認処理について説明する。状態確認処理のシーケンス図を
図9に示す。なお、本シーケンスにおいて各装置が実行する処理は、各装置のCPUが、各装置のROM等に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。なお、端末装置105によって実行されるプログラムは、音声制御アプリケーションである。また、本シーケンスにおいて各装置が実行する処理は、
図7で説明した印刷サービス実行処理が完了し、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能をユーザが把握している状態で、実行されるものとする。
【0089】
まずユーザは、印刷サービスにおいて印刷装置104を用いて実行可能な機能のうち状態確認機能を利用するために、印刷装置104の状態の確認指示(印刷装置104の状態情報の取得指示)として、状態確認機能に対応する第4ウェイクワードを音声で発する。
【0090】
そのため、まずS901にて、音声制御デバイス101は、マイクロフォン204によってユーザの音声を受信することで、印刷装置104の状態の確認指示(第4ウェイクワード)を受け付ける。
【0091】
次に、S902にて、音声制御デバイス101は、インターネットを介して、管理サーバ102に、S901で受け付けた音声に基づく音声データを送信する。
【0092】
次に、S903にて、管理サーバ102は、中継サーバ103に、受信した音声データに基づく情報を送信する。
【0093】
次に、S904にて、中継サーバ103は、S803で受信した情報を解析して、状態確認機能の実行が要求されていることを特定する。
【0094】
本実施形態において、印刷装置104は、印刷装置104自体の状態や、印刷装置104が備えるインクの状態が変化する毎に、中継サーバ103に、自身の状態に関する情報(状態情報)を送信する。本実施形態では、状態情報には、印刷装置104がエラー状態であることを示すエラー情報と、印刷装置104が備えるインクの状態を示すインク情報(記録剤情報)が含まれる。
【0095】
例えば、印刷装置104は、印刷装置104の状態が、エラーが発生していない正常状態から、エラー状態に変化する毎に、中継サーバ103に、印刷装置104がエラー状態であることを示す状態情報を送信する。また例えば、印刷装置104の状態が、エラー状態から、正常状態に変化する毎に、中継サーバ103に、印刷装置104が正常状態であることを示す状態情報を送信する。
【0096】
また例えば印刷装置104は、印刷装置104が備えるインクの状態が、インクが十分にある状態である正常状態からインクが少ない状態であるインク少状態に変化する毎に、中継サーバ103に、印刷装置104が備えるインクの状態を示す状態情報を送信する。
【0097】
そして、中継サーバ103は、状態情報を受信する毎に、保持している状態情報を更新し、第2のアカウントに紐づいている印刷装置104の最新の状態について特定する。
【0098】
そのため、S905にて、中継サーバ103は、保持している状態情報に基づいて通知情報を生成する。なお、本実施形態では、音声制御デバイス101による通知と、端末装置105による通知の両方が行われるため、中継サーバ103は、音声制御デバイス101用の通知情報と端末装置105用の通知情報のそれぞれを生成する。
【0099】
なお、中継サーバ103は、通知情報の要求を受信したことに応じて、印刷装置104に、最新の状態情報を要求し、新たに状態情報を取得しても良い。その場合、新たに取得された状態情報に基づいて、通知情報が生成される。
【0100】
なお、本実施形態では、印刷装置104の状態が、印刷装置104に複数のエラーが発生している状態であることが、状態情報に基づいて中継サーバ103により特定された場合、各エラーに設定された優先度に応じて、生成される通知情報が異なる。通知情報の具体的な生成方法については後述する。
【0101】
次に、S906にて、中継サーバ103は、生成した通知情報を、管理サーバ102に送信する。
【0102】
次に、S907にて、管理サーバ102は、受信した通知情報に基づいて、印刷装置104の状態を音声で通知するための音声通知情報を、音声制御デバイス101に送信する。
【0103】
次に、S908にて、音声制御デバイス101は、受信した音声通知情報に基づいて、印刷装置104の状態を、スピーカ201を用いて音声で通知する。具体的な通知方法については後述する。
【0104】
次に、S909にて、管理サーバ102は、受信した通知情報に基づいて、印刷装置104の状態を画面表示によって通知するための画面通知情報を、第1のアカウントに紐づいている端末装置105に送信する。なお、S907よりも前にS909が実行されても良い。
【0105】
次に、S910にて、端末装置105は、受信した画面通知情報に基づいて、印刷装置104の状態を通知するための通知画面を、表示部504に表示する。具体的な通知方法については後述する。
【0106】
このようにして、ユーザは、音声制御デバイス101に対する音声での指示をトリガーに、印刷装置104の状態を確認することができる。
【0107】
図10は、状態確認処理において、中継サーバ103が実行する処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートが示す処理は、中継サーバ103のCPU301が、中継サーバ103のディスク装置302等に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。
【0108】
まず、S1001にて、CPU301は、音声制御デバイス101に対する音声による状態確認指示に基づいて送信された情報を、管理サーバ102から受信する。
【0109】
次に、S1002にて、CPU301は、現在保持している印刷装置104の状態情報を解析して、印刷装置104の状態を特定する。印刷装置104の状態には、例えば、エラーが発生しているエラー状態や、エラーが発生していない正常状態、印刷ジョブに基づいて印刷を実行している状態等が含まれる。本実施形態では、エラー状態とは、印刷装置104が印刷を実行できない状態である。また、エラー状態には、例えば、カバーオープン状態、紙ジャム状態、用紙無し状態、ビジー状態、オフライン状態が含まれる。カバーオープン状態は、印刷装置104が備える印刷ヘッドにインクカートリッジが取り付けられる際に開放される不図示のカバーが開いている状態である。紙ジャム状態は、用紙(記録媒体)が搬送経路内で詰まっている状態である。用紙無し状態は、印刷装置104が保持する用紙が無い状態である。ビジー状態は、印刷装置104が、印刷以外の処理(例えば、原稿を読み取って画像データを生成するスキャン処理)を実行している状態である。オフライン状態は、プリンタ部401に電力が供給されていない(又は電力の供給が制限されている)状態である。なお、エラー状態には他にも例えば、印刷装置104が保持するインク(記録剤)が少ないインク少状態、印刷装置104が保持するインクが無いインク無し状態、印刷装置104が保持する用紙が少ない用紙少状態等が含まれても良い。また、印刷装置104に複数のエラーが発生している場合は、S1004において、複数のエラー状態が特定される。
【0110】
次に、S1003にて、CPU301は、S1002で特定した印刷装置104の状態がエラー状態か否かを判定する。CPU301は、判定結果がYESの場合は、S1004に進み、判定結果がNOの場合は、S1008に進む。
【0111】
S1004にて、CPU301は、印刷装置104に複数のエラーが発生している(S1002で複数のエラー状態が特定された)か否かを判定する。CPU301は、判定結果がYESの場合は、S1005に進み、判定結果がNOの場合は、S1007に進む。
【0112】
S1005にて、CPU301は、S1002で特定した複数のエラー状態の優先度を特定する。具体的には、まずCPU301は、
図11に示すような優先度テーブルを参照する。優先度テーブルは、データベース313に格納されている。優先度テーブルには、エラー状態の優先度が定義付けられており、CPU301は、優先度テーブルによって示される優先度に基づいて、S1002で特定した複数のエラー状態の優先度を特定する。本実施形態では、カバーオープン状態>紙ジャム状態>用紙無し状態>ビジー状態>オフライン状態の順で優先度が高いものとする。そのため例えば、複数のエラー状態が、カバーオープン状態と用紙無し状態、オフライン状態である場合、カバーオープン状態の優先度が一番高く、インク無し状態の優先度が二番目に高く、オフライン状態の優先度が一番低いことが特定される。なお、優先度テーブルに定義づけられている優先度やエラー状態の内容は上述の形態に限定されず、任意に定義づけられて良い。
【0113】
次に、S1006にて、CPU301は、S1002で特定した印刷装置104の状態及び、S1005で特定された各エラー状態の優先度に基づいて、印刷装置104のエラー状態に関する通知情報を生成する。具体的には、CPU301は、より優先度が高いエラー状態が、音声制御デバイス101や端末装置105においてより優先的に通知されるように、通知情報を生成する。より具体的には、CPU301は、S1002で特定した複数のエラー状態のうち、一番優先度が高いエラー状態のみ通知され、一番優先度が高いエラー状態以外のエラー状態が通知されないように、通知情報を生成する。なお上述したように、本実施形態では、通知情報に基づいて、音声制御デバイス101による通知と、端末装置105による通知の両方が行われる。そのため、CPU301は、印刷装置104の状態を音声で通知するための、音声制御デバイス101用の通知情報と、印刷装置104の状態を画面表示によって通知するための、端末装置105用の通知情報と、を生成する。また、
図10のテーブルに示すように、通知されるエラー状態に対して、当該エラー状態をユーザに通知するためのメッセージが定義されている。音声制御デバイス101用の通知情報は、当該メッセージを、音声制御デバイス101によって音声で発するための通知情報である。また、端末装置105用の通知情報は、当該メッセージを含む通知画面を、印刷装置104によって表示するための通知情報である。なお、当該メッセージには例えば、印刷装置104のエラー状態を通知するためのメッセージだけでなく、印刷装置104のエラー状態を解消するためのメッセージ等が含まれていても良い。また、例えば、音声制御デバイス101によって音声で発されるメッセージと、端末装置105によって表示されるメッセージとが異なっていても良い。次に、CPU301は、S1008に進む。
【0114】
なおこの形態に限定されず、より優先度が高いエラー状態が、音声制御デバイス101や端末装置105においてより優先的に通知されれば、全てのエラー状態が通知される形態でも良い。具体的には例えば、優先度が高いエラー状態が、優先度が低いエラー状態よりも先に音声で通知されたり、優先度が高いエラー状態を示す画面が、優先度が低いエラー状態を示す画面よりも先に表示されたりするように、通知情報が生成されても良い。
【0115】
S1004の判定結果がNOの場合に実行されるS1007では、CPU301は、S1002で特定した印刷装置104の状態に基づいて、印刷装置104のエラー状態に関する通知情報を生成する。このとき、印刷装置104には1つのエラーしか発生していないため、当該1つのエラーに関するエラー状態が通知されるように、音声制御デバイス101用の通知情報と、端末装置105用の通知情報とが生成される。次に、CPU301は、S1009に進む。
【0116】
S1003の判定結果がNOの場合に実行されるS1008では、CPU301は、S1002で特定した印刷装置104の状態に基づいて、印刷装置104のエラー状態に関する通知情報を生成する。このとき、印刷装置104にはエラーが発生していないため、印刷装置104がエラー状態でないこと(印刷装置104が正常状態であること)が通知されるように、音声制御デバイス101用の通知情報と、端末装置105用の通知情報とが生成される。次に、CPU301は、S1009に進む。
【0117】
本実施形態では、印刷装置104がエラー状態である場合、まず、印刷装置104がいずれのエラー状態であるかが音声で通知された後、印刷装置104が備えるインクに関する情報が音声で通知される。そして、本実施形態では、印刷装置104は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを備えているものとする。そのため、印刷装置104が備えるインクに関する情報は、色毎に通知される。
【0118】
そこで、S1009にて、CPU301は、印刷装置104が備える各色のインクの状態(インク状態)を特定する。インク状態には、インク無し状態、インク少状態1、インク少状態2、正常状態が含まれる。インク無し状態は、インクが第1の量より少ない状態である。インク少状態1は、インクが第1の量より多く、第2の量より少ない状態である。インク少状態2は、インクが第2の量より多く、第3の量より少ない状態である。正常状態は、インクが第3の量より多い状態である。すなわち、印刷装置104が備えるインクの量は、正常状態>インク少状態2>インク少状態1>インク無し状態の順で多い。インク無し状態、インク少状態1、インク少状態2は、インクに関する印刷装置104のエラー状態ともいえる。
【0119】
次に、S1010にて、CPU301は、各色のインクの優先度を特定する。具体的には、まずCPU301は、
図12に示すような優先度テーブルを参照する。優先度テーブルは、データベース313に格納されている。優先度テーブルには、インク状態の優先度が定義付けられており、CPU301は、優先度テーブルによって示される優先度に基づいて、各色のインクの優先度を特定する。本実施形態では、インク無し状態>インク少状態1>インク少状態2>正常状態の順で優先度が高いものとする。そのため例えば、ブラックのインクがインク空状態、シアン、マゼンタのインクがインク無し状態、イエローのインクが正常状態であるとする。その場合、ブラックのインクの優先度が一番高く、シアン、マゼンタのインクの優先度が二番目に高く、イエローのインクの優先度が一番低いことが特定される。なお、優先度テーブルに定義づけられている優先度やエラー状態の内容は上述の形態に限定されず、任意に定義づけられて良い。また、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー以外の色のインクが印刷装置104によって保持される場合には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー以外の色のインクについても、優先度が特定される。
【0120】
次に、S1011にて、CPU301は、各色のインクに関するインク状態及び、S1007で特定した優先度に基づいて、印刷装置104が備える各色のインクに関する通知情報を生成する。具体的には、CPU301は、より優先度が高い色のインクのインク状態が、音声制御デバイス101や端末装置105においてより優先的に通知されるように、通知情報を生成する。より具体的には、CPU301は、より優先度が高い色のインクのインク状態が、優先度が低い色のインクのインク状態よりも先に音声で通知されるように、通知情報を生成する。また、CPU301は、より優先度が高い色のインクのインク状態が、優先度が低い色のインクのインク状態よりも、通知画面において上方に表示されるように、通知情報を生成する。なお、CPU301は、一番優先度が高い色のインクのインク状態のみ通知され、一番優先度が高い色のインクのインク状態以外のインク状態が通知されないように、通知情報が生成しても良い。また、各色のインクに関する通知情報についても、音声制御デバイス101用の通知情報と、端末装置105用の通知情報とが生成される。また、
図11のテーブルに示すように、通知されるインク状態に対して、当該インク状態をユーザに通知するためのメッセージが定義されている。音声制御デバイス101用の通知情報は、当該メッセージ及びインクの色を、音声制御デバイス101によって音声で発するための通知情報である。また、端末装置105用の通知情報は、当該メッセージ及びインクの色を含む通知画面を、印刷装置104によって表示するための通知情報である。なお、当該メッセージには例えば、印刷装置104のインク状態を通知するためのメッセージだけでなく、インクの型番等の識別情報を通知するためのメッセージ等が含まれていても良い。また、例えば、音声制御デバイス101によって音声で発されるメッセージと、端末装置105によって表示されるメッセージとが異なっていても良い。本実施形態では、音声制御デバイス101によって音声で発されるメッセージには、インクの型番を通知するためのメッセージが含まれないが、端末装置105によって表示されるメッセージには、インクの型番を通知するためのメッセージが含まれる。これは、インクの型番は、アルファベットや数字が羅列された情報であることが多く、ユーザは、インクの型番を音声で通知されても、内容を正確に把握できないことが多いためである。
【0121】
なおこの形態に限定されず、より優先度が高い色のインクのインク状態のみ通知され、優先度が低い色のインクのインク状態が通知されないように、通知情報が生成されても良い。
【0122】
また、CPU301は、本実施形態では、全ての色のインクに関するインク状態が正常状態である場合、全ての色のインクに関するインク状態が正常状態であることが通知されるように、通知情報を生成する。そして、CPU301は、いずれかの色のインクに関するインク状態が正常状態以外の状態である場合、正常状態である色のインクに関するインク状態については通知されないように、通知情報を生成する。しかしこの形態に限定されず、CPU301は、いずれかの色のインクに関するインク状態が正常状態以外の状態である場合でも、正常状態である色のインクに関するインク状態が通知されるように、通知情報を生成しても良い。
【0123】
次に、S1012にて、CPU301は、これまでに生成した印刷装置104のエラー状態に関する通知情報及び、各色のインクに関する通知情報を、管理サーバ102に送信する。
【0124】
通知情報を受信した管理サーバ102は、音声制御デバイス101用の通知情報を、第1のアカウントに紐づいている音声制御デバイス101に送信する。そして、音声制御デバイス101は、受信した通知情報に基づいて、音声で通知を行う。具体的には、音声制御デバイス101は、まず、印刷装置104のエラー状態に関する通知情報に基づく音声通知を行った後に、各色のインクに関する通知情報に基づく音声通知を行う。例えば、通知情報に印刷装置104がカバーオープン状態であることを通知するための通知情報とイエロー及びマゼンタのインクのインク状態を通知するための通知情報が含まれるとする。その場合、音声制御デバイス101は例えば、「プリンタのカバーが開いています。閉じてください。次のインクが完全になくなりました。マゼンタ。次のインクが少なくなっています。イエロー。」と音声で発する。また例えば、通知情報に印刷装置104が正常状態であることを通知するための通知情報と全てのインクのインク状態が正常状態であることを通知するための通知情報が含まれるとする。その場合、音声制御デバイス101は例えば、「プリンタは正常状態です。全てのインクが十分にあります。」と音声で発する。
【0125】
また、通知情報を受信した管理サーバ102は、端末装置105用の通知情報を、第1のアカウントに紐づいている端末装置105に送信する。そして端末装置105は、受信した通知情報に基づく通知画面を、表示部504に表示する。なお本実施形態では、端末装置105は、音声制御デバイス101が音声で通知する内容よりも詳細な内容を、通知画面によってユーザに通知する。
図13(c)は、通知情報に印刷装置104がカバーオープン状態であることを通知するための通知情報とイエロー及びマゼンタのインクのインク状態を通知するための通知情報が含まれる場合に、表示部504に表示される通知画面の一例である。通知画面1306において、印刷装置104のエラー状態を通知するための領域1307と、印刷装置104が備えるインクのインク状態を通知するための領域1308が含まれる。本実施形態では、領域1307に含まれるメッセージは、音声制御デバイス101による音声通知によっても通知される。しかしながら、領域1302に含まれるメッセージは、音声制御デバイス101による音声通知によっては通知されず、端末装置105による画面通知によってのみ通知される。なお通知画面には、印刷装置104に関する情報を通知するためのメッセージに限らず、印刷装置104に関する情報を通知するための図が含まれても良い。
【0126】
このように本実施形態では、音声制御デバイス101に対する音声でのユーザ指示に応じて、ユーザに、印刷装置104に関するメッセージを通知することができる。
【0127】
また本実施形態では、音声制御デバイス101によって印刷装置104に関するメッセージを音声で通知しつつ、端末装置105によって印刷装置104に関するメッセージを通知画面で通知する。音声で通知が行われることで、ユーザは例えば、他の作業を行いながらも、印刷装置104に関するメッセージを把握することができる。また、通知画面によって通知が行われることで、ユーザは、音声だけでなく、画面によっても印刷装置104の状態を確認することができる。すなわち例えば、音声制御デバイス101の近くにいるユーザにも、音声制御デバイス101から離れた場所にいるユーザ等にも、印刷装置104に関するメッセージを通知することができる。また例えば、音声制御デバイス101によって発される音声を聞き逃したユーザや、音声制御デバイス101によって音声が発された後に再度通知を確認したいユーザにも、通知画面を確認させることで印刷装置104に関するメッセージを通知することができる。
【0128】
また一般に、ユーザにはできるだけ詳細な情報を通知すべきであるが、一方で、音声で通知される情報の量が多ければ、ユーザは音声の聞き逃し等により通知される情報を正しく認識できないことがある。しかしながら、画面表示によって通知される内容が多くとも、ユーザは正しくそれを認識することができる。そこで、本実施形態では、音声によって印刷装置104に関するメッセージをユーザに通知しつつ、音声では通知されないメッセージを通知画面によって通知する。本実施形態の制御により、音声で通知する情報を最低限に抑え、ユーザが正しく情報を認識できるようにすることができる。さらに、詳細な情報については、ユーザが通知画面によって確認できるようにすることができる。すなわち、音声で通知される情報をユーザに正しく認識させつつ、詳細な情報を通知画面でユーザに通知することができる。
【0129】
また、本実施形態では、印刷装置104に複数のエラーが発生している場合、音声通知情報によって、当該複数のエラー全てが音声で通知されるのではなく、優先度の高いエラーのみ音声で通知される。これにより、重要な情報のみユーザに音声で通知することができ、ユーザは音声で通知される内容を正しく認識することができる。
【0130】
(その他の実施形態)
なお、上述の実施形態では、ユーザによる状態確認指示に応じて、印刷装置104のエラー状態と、印刷装置104が備えるインクのインク状態の両方を通知していたが、この形態に限定されない。例えば、印刷装置104のエラー状態と、印刷装置104が備えるインクのインク状態のうち、いずれかのみを通知しても良い。また、例えば、印刷装置104のエラー状態を確認するためのワードと、印刷装置104が備えるインクのインク状態を確認するためのワードがそれぞれ区別されているものとする。その場合、印刷装置104のエラー状態と、印刷装置104が備えるインクのインク状態のうち、ユーザによる状態確認指示において発されたワードに応じた状態を通知する形態であっても良い。
【0131】
また、上述では、音声制御デバイス101によって音声で通知される情報に含まれず、端末装置105が表示する通知画面によって通知される情報に含まれる情報(以下、特定情報)として、状態が通知されているインクの識別情報を示すメッセージを例示した。しかし、これに限定されず、例えば、特定情報は、状態が通知されているインクを購入するための画面を表示すための情報(当該画面へのリンク)であっても良い。また例えば、特定情報は、状態が通知されているインクの残量を詳細に示すメッセージであっても良い。また例えば、特定情報は、インクに関する情報に限らず、印刷装置104のエラー状態に関する情報であっても良い。具体的には例えば、特定情報は、印刷装置104のエラー状態を解除するための方法を示すメッセージや図であっても良い。また例えば、上述では、優先度の低いエラー状態やインク状態に関する情報については通知されない構成を説明したが、この形態に限定されない。例えば、優先度の低いエラー状態やインク状態に関する情報が音声で通知されず、優先度の低いエラー状態やインク状態に関する情報が通知画面で通知される構成とすることで、優先度の低いエラー状態やインク状態に関する情報が特定情報として扱われても良い。
【0132】
上述では、印刷装置104は複数のインクを有しているものとしたが、この形態に限定されない。例えば、印刷装置104がモノクロプリンタである場合には、印刷装置104は、1種類(ブラック)のインクのみ有していても良い。その場合、インクに関する情報は、ブラックのインクに関してのみ通知される。また例えば、印刷装置104が、電子写真方式により印刷を行うプリンタである場合には、インクに関する情報の代わりに、トナーに関する情報が通知されても良い。
【0133】
上述では、音声制御デバイス101は、表示部を有しないものとしたが、この形態に限定されない。音声制御デバイス101は、印刷装置104から送信される通知の内容を提示するための、高性能な表示部や面積の大きい表示部を有しないが、簡単な情報をユーザに提示するための、表示性能の低い表示部や面積の小さい表示部を有していても良い。また、音声制御デバイス101が高性能な表示部や面積の大きい表示部を有している場合は、印刷装置104から送信される通知に関する画面を自身が備える当該表示部に表示しても良い。
【0134】
上述では、音声制御デバイス101によって音声で通知される内容を決定する通知情報や、端末装置105によって画面で通知される内容を決定する通知情報が、中継サーバ103によって生成される形態を説明したが、この形態に限定されない。例えば、当該通知情報が、印刷装置104や、管理サーバ102で生成され、当該通知情報が、印刷装置104や、管理サーバ102から送信されても良い。
【0135】
上述した実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU、MPU、プロセッサ等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムは、1つのコンピュータで実行させても、複数のコンピュータで連動させて実行させるようにしてもよい。また、上記した処理の全てをソフトウェアで実現する必要はなく、処理の一部または全部をASIC等のハードウェアで実現するようにしてもよい。また、CPUも1つのCPUで全ての処理を行うものに限らず、複数のCPUが適宜連携をしながら処理を行うものとしてもよい。
【符号の説明】
【0136】
101 音声制御デバイス
103 中継サーバ
104 印刷装置
105 端末装置