(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】車両制御装置及び速度制限信号生成方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20241015BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
G08G1/09 D
G08G1/16 C
(21)【出願番号】P 2023516625
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 EP2021075228
(87)【国際公開番号】W WO2022053713
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-05-02
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512308720
【氏名又は名称】ジャガー ランド ローバー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Jaguar Land Rover Limited
【住所又は居所原語表記】Abbey Road Whitley Coventry CV3 4LF UNITED KINGDOM
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】カラカイス,アディル
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/115563(WO,A1)
【文献】特開2016-212693(JP,A)
【文献】特開2019-172253(JP,A)
【文献】特開2017-067464(JP,A)
【文献】特開2019-212189(JP,A)
【文献】特開2018-047795(JP,A)
【文献】国際公開第2019/039106(WO,A1)
【文献】特開2009-075933(JP,A)
【文献】特開2020-020602(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111401255(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G09B 29/00 - 29/10
G06T 1/00 - 1/40
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要道路(PR)上にある車両
(200)の速度制限信号を生成するための制御システム
(130)であって、前記制御システム
(130)は、1つまたは複数のコントローラを含み、前記1つまたは複数のコントローラは、
前記車両
(200)に関連する1つまたは複数の撮像装置から、前記車両
(200)の環境を示す画像データを受信し、
前記画像データに
基づいて、
前記環境内の交通標識
(300)によって示される速度制限と、前記環境内の道路特徴に対する前記交通標識
(300)の位置とを決定し、
前記画像データに基づいて、前記主要道路(PR)から分岐する側道(SR)への入口スタブ(700)から前記交通標識(300)までのスタブ距離(710)を決定し、
決定された前記スタブ距離(710)に基づいて、前記車両(200)に対する前記交通標識(300)によって示される速度制限の関連性を決定し、
決定された前記関連性に
基づいて、前記交通標識
(300)によって示される
前記速度制限を示す標識速度制限信号を生成し、
生成された前記標識速度制限信号を
出力する、ように構成されている、制御システム。
【請求項2】
前記1つまたは複数のコントローラは、
前記車両
(200)が位置する
前記主要道路(PR)の道路セグメントに関連付けられた地図上の速度制限の表示を含むデジタル地図データを受信し、
前記交通標識
(300)によって示される速度制限は
前記車両に関係ないと判断された場合、前記地図上の速度制限を示す地図上の速度制限信号を生成し、
前記地図上の速度制限信号を出力するように構成された、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記交通標識
(300)によって示される速度制限が関連すると判断された場合、前記1つまたは複数のコントローラは、前記標識速度制限信号を
出力するように構成された、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記交通標識
(300)の位置を決定することは、前記交通標識
(300)から前記道路特徴までの
交通標識距離
(610)を決定することを含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数のコントローラは、前記
交通標識距離
(610)が所定の基準を満たすかどうかに依存して、前記交通標識
(300)によって示される速度制限と
前記車両(200)との関連性を決定するように構成されている、請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記道路特徴は、前記交通標識(300)と前記車両(200)との間にある前記主要道路(PR)の道路縁(600)で、
前記交通標識距離(610)は、前記交通標識(300)から前記車両(200)までの距離(620)から、前記道路縁(600)から前記車両(200)までの距離(630)を引いた距離である、請求項4に記載の制御システム。
【請求項7】
前記1つまたは複数のコントローラは、決定された前記
主要道路(PR)の前記道路縁(600)までの距離が所定の閾値より大きい場合、前記交通標識
(300)によって示される速度制限が前記車両に関連しないと決定するように構成される、請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記1つまたは複数のコントローラは、
前記側道(SR)に関連付けられた地図上の速度制限を示すデジタル地図データを受信し、
前記交通標識(300)によって示される速度制限が前記側道(SR)に関連付けられた前記地図上の速度制限と一致し、かつ、前記スタブ距離(710)が所定のスタブ距離閾値未満である場合に、前記交通標識(300)によって示される速度制限は前記主要道路(PR)の前記車両(200)とは関係ないと判定するように構成された、請求項7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記道路特徴は、速度制限を示す更なる交通標識(800)を含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項10】
前記1つまたは複数のコントローラは、前記更なる交通標識(800)に対する前記交通標識(300)の位置に依存して、前記交通標識(300)および前記更なる交通標識(800)が前記側道(SR)を挟んで対向するかどうかを決定するように構成された、請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記1つまたは複数のコントローラは、前記交通標識(300)および前記更なる交通標識(800)が前記側道(SR)を挟んで対向する場合、前記交通標識(300)によって示される速度制限は前記主要道路(PR)とは関係ないと判断するように構成されている、請求項10に記載の制御システム。
【請求項12】
前記1つまたは複数のコントローラは、
前記画像データを示す電気信号を受信するための電気入力と、
前記交通標識(300)によって示される速度制限を示す電気信号を出力するための電気出力と、
前記交通標識(300)によって示される速度制限の関連性を決定するためのコンピュータ読み取り可能な命令を動作的に実行するための1つまたは複数の電子プロセッサと、を備えた請求項1に記載の制御システム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の制御システムを含む車両。
【請求項14】
主要道路(PR)を走行中の車両(200)の速度制限信号を生成するためのコンピュータ実装方法であって、
前記車両(200)に関連する1つまたは複数の撮像装置から、前記車両(200)の環境を示す画像データを受信するステップと、
前記画像データに基づいて、前記環境内の交通標識(300)によって示される速度制限と、前記環境内の道路特徴に対する前記交通標識(300)の位置とを決定し、
前記画像データに基づいて、前記主要道路(PR)から分岐する側道(SR)への入口スタブ(700)から前記交通標識(300)までのスタブ距離(710)を決定するステップと、
決定された前記スタブ距離(710)に基づいて、前記車両(200)に対する前記速度制限の関連性を決定するステップと、
決定された前記関連性に基づいて、前記速度制限を示す標識速度制限信号を生成するステップと、
生成された前記標識速度制限信号を出力するステップとを含む方法。
【請求項15】
実行されると、請求項14に記載の方法を実行させるコンピュータソフトウェアを含むコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、速度制限信号の生成に関する。本発明の形態は、速度制限信号を生成するための制御システム、車両、および速度制限信号を生成するためのコンピュータ実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交通標識認識(Traffic Sign Recognition: TSR)システムは、近づきつつある交通標識を認識し、それに応じて車両システムを更新または制御するように設計されている。交通標識には、速度制限標識も含まれる。速度制限標識の認識は、一時的な速度制限が存在する場合等、地図データから抽出された速度制限を更新または上書きするために使用することができる。また、速度制限標識の認識は、例えば、車両が地図データに存在しない道路セグメントを走行しているため、地図データから速度制限が利用できない場合に、速度制限情報を提供するために使用されることがある。
【0003】
TSRシステムは、車両前方の環境を示す画像映像やビデオデータ中のすべての交通標識を可能な限り認識することで動作する。しかし、認識された交通標識の中には、車両が走行中の道路に適用されないものもある。対向する速度制限標識が正しく識別されないと、車両の運転者にとって不都合な場合がある。
【0004】
本発明の目的は、先行技術に関連する1つまたは複数の欠点に対処することである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の形態および実施例は、添付の特許請求の範囲に記載の制御システム、車両、およびコンピュータ実装方法を提供する。
【0006】
本発明の一側面によれば、車両を制御するための速度制限信号を生成するための制御システムが提供され、この制御システムは、1つ以上のコントローラを含む。制御システムは、車両に関連する1つ以上の撮像装置から、車両の環境を示す画像データを受信し、画像データに依存して、交通標識によって示される速度制限および交通標識の位置を決定し、決定された交通標識の位置および決定された車両の位置に依存して、車両に対する速度制限の関連性を決定し、決定した関連性に依存して速度制限を示す符号速度制限信号を選択的に発生するように構成されている。制御システムは、選択的に生成された信号を少なくとも1つの車両制御システムに出力してもよい。
【0007】
更なる態様によれば、車両を制御するための速度制限信号を生成するための制御システムが提供され、制御システムは、1つまたは複数のコントローラを含む。制御システムは、車両に関連する1つ以上の撮像装置から、車両の環境を示す画像データを受信し、画像データに依存して、交通標識によって示される速度制限と、車両が位置する道路の端に対する交通標識の位置とを決定し、道路の端に対する交通標識の決定された位置及び車両の決定された位置に依存して、車両に対する速度制限の関連性を決定し、決定された関連性に依存して、速度制限を示す標識速度制限信号を選択的に発生し、選択的に発生した信号を少なくとも一つの車両制御システムへ出力する。有利な点としては、交通標識が道路の端に近いかどうかによって、その標識がその車両が走行している道路に適用されるかどうかを判断できることである。したがって、関連性のない速度制限標識は、フィルタリングされる可能性がある。
【0008】
更なる態様によれば、車両を制御するための速度制限信号を生成するための制御システムが提供され、この制御システムは、1つ以上のコントローラを含む。制御システムは、車両に関連する1つ以上の撮像装置から、車両の環境を示す画像データを受信し、画像データに依存して、交通標識によって示される速度制限と、側道への入口スタブに対する交通標識の位置とを決定し、入口スタブに対する交通標識の決定された位置および車両の決定された位置に依存して、車両に対する速度制限の関連性を決定し、決定された関連性に依存して、速度制限を示す標識速度制限信号を選択的に発生し、選択的に発生した信号を少なくとも一つの車両制御システムへ出力する。有利な点としては、交通標識が道路の側道入口に近いかどうかによって、その交通標識がその車両が位置する道路に適用されるかどうかを判断できることである。したがって、関連性のない速度制限標識がフィルタリングされることがある。
【0009】
更なる態様によれば、車両を制御するための速度制限信号を生成するための制御システムが提供され、この制御システムは、1つ以上のコントローラを含む。制御システムは、車両に関連する1つ以上の撮像装置から、車両の環境を示す画像データを受信し、画像データに依存して、交通標識によって示される速度制限と、速度制限を示す更なる交通標識に対する交通標識の位置とを決定し、更なる交通標識に対する交通標識の決定された位置および車両の決定された位置に依存して、車両に対する速度制限の関連性を決定し、決定された関連性に依存して、速度制限を示す速度制限信号を選択的に生成し、選択的に生成した信号を少なくとも一つの車両制御システムへ出力する。有利には、交通標識と別の交通標識とのペアリング、及び前記ペアの位置は、交通標識が車両が位置する道路に適用可能であるかどうかを決定するために使用され得る。したがって、関連性のない速度制限標識は、フィルタリングされる可能性がある。
【0010】
更なる態様によれば、車両を制御するための速度制限信号を生成するための制御システムが提供され、この制御システムは、1つまたは複数のコントローラを含む。制御システムは、車両に関連する1つ以上の撮像装置から、車両の環境を示す画像データを受信し、画像データに依存して、交通標識によって示される速度制限と、環境内の道路特徴に対する交通標識の位置とを決定し、交通標識の決定された位置および車両の決定された位置に依存して、車両に対する速度制限の関連性を決定し、決定された関連性に依存して、速度制限を示す標識速度制限信号を選択的に発生し、選択的に発生した信号を少なくとも一つの車両制御システムへ出力する。有利なことに、交通標識が車両が位置する道路に適用可能かどうかを判断するために、識別された道路特徴を使用することができる。したがって、関連性のない速度制限標識は、フィルタリングされることがある。
【0011】
選択的に生成された信号は、関連する速度制限をユーザに知らせるために、ユーザに表示されるように出力されてもよい。選択的に生成された信号は、車両のクルーズコントロールシステムを調整するために出力されることがある。さらに、または代替的に、選択的に生成された信号は、例えば、関連する速度制限を超えていることを運転者に警告するために、警告システムに出力される場合がある。
【0012】
関連性を決定することは、速度制限を車両に関連する又は関連しないとして分類することを含んでよい。決定された関連性は、交通標識が、車両が位置する道路セグメント又は車両の予測経路に基づいて車両が位置することになる道路セグメントに関連する可能性を示すものであってもよい。速度制限は、交通標識が車両が位置しない側道に適用される可能性に依存して、関連性がないと分類される場合がある。速度制限信号は、速度制限が関連すると判定されることに依存して、選択的に出力されることがある。任意で、標識速度制限信号は、速度制限が車両の特性に関連すると決定されることに依存して選択的に出力されることがある。例えば、交通標識は、車両が位置する道路セグメントに適用されるが、ある大きさを超える車両などの特定の特性を有する車両にのみ関連すると決定される場合がある。
【0013】
オプションとして、制御システムは、車両が位置する道路セグメントに関連する地図上の速度制限の表示を含むデジタル地図データを受信するように構成される。交通標識によって示される速度制限が関連性がないと判断されることに依存して、制御システムは、地図速度制限を示す地図速度制限信号を生成し、地図速度制限信号を少なくとも1つの車両制御システムに出力するように構成され得る。交通標識によって示される速度制限が関連すると決定された場合、制御システムは、標識速度制限信号を優先的に出力するように構成され得る。有益な点として、関連する道路標識によって示される速度制限のみが、地図データによって示される速度制限よりも優先され得る。
【0014】
任意選択で、交通標識の位置を決定することは、交通標識から道路特徴までの距離を決定することを含んでいる。速度制限の関連性は、距離が最小距離または最大距離などの所定の基準を満たすかどうかに依存して決定されてもよい。
【0015】
実施形態によれば、道路特徴は、車両が位置する道路の端を含む。車両が位置する道路及び/又は車両がその軌跡から位置すると予測される道路は、以後、主要道路と称されることがある。主要道路以外の道路は、以後、側道と呼ばれることがある。側道は、車両が配置されていない道路であってもよい。側道は、例えば、主要道路から分岐する道路、主要道路と交差する道路、主要道路に接しない道路であってもよい。例えば、側道は、主要道路に実質的に平行な道路を含んでもよい。制御システムは、交通標識から主要道路の端までの距離を決定するように構成されることがある。任意選択で、距離は横方向の距離である。横方向の距離は、道路縁に対して実質的に垂直にとられた距離として定義されることがある。有益なことに、交通標識が道路縁から配置される横方向の距離は、所定の地理的領域、例えば、所定の国についてほぼ標準化されている。
【0016】
制御システムは、道路の端までの決定された距離が所定の閾値よりも大きい場合、速度制限が車両に関連していないと決定するように構成され得る。所定の閾値は、車両が位置する地理的領域の標準化された距離に依存して設定され得る。有利なことに、横方向の距離がこの閾値を超える交通標識をフィルタリングすることにより、道路の端から遠すぎる位置にあり、したがって車両が位置する道路に適用される可能性が低い交通標識を効果的にフィルタリングする。
【0017】
実施形態によれば、少なくとも1つの道路特徴は、側道への入口スタブを含んでいる。入口スタブは、側道が主要道路から分岐又は逸脱する地点として定義することができる。入口スタブは、分岐点、ラウンドアバウト出口、又は交差点などの任意の分岐点であってもよい。
【0018】
制御システムは、交通標識から側道の入口スタブまでのスタブ距離を決定することによって、交通標識の位置を決定するように構成され得る。有益なことに、入口スタブへの近接は、交通標識が側道に適用され、したがって車両に関連しない可能性を示す。
【0019】
任意選択で、制御システムは、側道に関連する地図上の速度制限を示すデジタル地図データを受信し、速度制限が側道に関連する地図上の速度制限と一致し、スタブ距離が所定のスタブ距離閾値未満である場合に関連性がないと判定するように構成される。有益なことに、交通標識は、速度制限がデジタル地図データに基づいて側道に適用されると予想されるものと一致する場合にのみ、関連性がないとして無視されることがある。このように、側道の入口スタブの近傍で偶然発生した、主要道路に適用される交通標識が、誤って関連性がないと判断されることはない。
【0020】
実施形態によれば、道路特徴は、速度制限を示す更なる交通標識を含んでいる。制御システムは、更なる交通標識に対する交通標識の位置に依存して、交通標識および更なる交通標識が側道をまたぐかどうかを決定するように構成され得る。側道にまたがるとは、交通標識及び更なる交通標識がそれぞれ所定の位置で側道のいずれかの側に位置することを意味する。制御システムは、交通標識および更なる交通標識が側道にまたがっている場合、速度制限は関係ないと判断するように構成され得る。有利なことに、道路の両側に標識が存在することは、その標識がそれらの間を走る道路に関連していることを示す。したがって、標識と更なる標識が側道にまたがっている場合、標識は主要道路に関連しないものとして効果的にフィルタリングされる可能性がある。
【0021】
任意選択で、交通標識および更なる交通標識は、交通標識および更なる交通標識がそれぞれ車両の経路の第1の側にオフセットされている場合、側道にまたがっていると判定されることがある。任意選択で、交通標識および更なる交通標識は、交通標識と更なる交通標識との間の距離が所定の最小距離より大きい場合にのみ、側道にまたがっていると判定される。任意選択で、交通標識および更なる交通標識は、交通標識と更なる交通標識との間の距離が所定の最大距離未満である場合にのみ、側道にまたがるように決定され得る。
【0022】
任意選択で、該または各コントローラは、画像データを示す電気信号を受信するための電気入力と、速度制限を示す電気信号を出力するための電気出力と、速度制限の関連性を決定するためにコンピュータ可読命令を動作的に実行するための1つまたは複数の電子プロセッサとを含む。
【0023】
本発明の別の態様によれば、上記のような制御システムを含む車両が提供される。
【0024】
更なる側面によれば、車両の制御のための速度制限信号を生成するためのコンピュータ実装方法が提供され、この方法は、車両に関連する1つまたは複数の撮像装置から、車両の環境を示す画像データを受け取り、画像データに依存して、交通標識によって示される速度制限と、環境内の道路特徴に対する交通標識の位置とを決定し、決定された交通標識の位置と決定された車両の位置とに依存して、車両に対する速度制限の関連性を決定し、決定された関連性に依存して、速度制限を示す速度制限信号を選択的に発生し、選択的に発生した信号を少なくとも一つの車両制御システムへ出力する。
【0025】
任意選択で、本方法は、車両が位置する道路セグメントに関連する地図速度制限の表示を含むデジタル地図データを受信することと、交通標識によって示される速度制限が関連性がないと決定された場合、地図速度制限を示す地図速度制限信号を生成し、地図速度制限信号を少なくとも1つの車両制御システムに出力することと、を備える。本方法は、交通標識が関連すると判断されたことに依存して、標識速度制限信号を優先的に出力することを含み得る。
【0026】
任意選択で、交通標識の位置を決定することは、交通標識から道路特徴までの距離を決定することを含んでいる。
【0027】
道路特徴は、車両が位置する道路の縁を含んでいてもよく、交通標識の位置を特定することは、交通標識から道路の縁までの距離を決定することを含んでおり、方法は、道路の縁までの決定された距離が所定の閾値より大きい場合、車両に関連しない速度制限を決定することを含んでいてよい。
【0028】
任意選択で、少なくとも1つの道路特徴は、側道の入口スタブを含んでよく、交通標識の位置を決定することは、交通標識から側道の入口スタブまでのスタブ距離を決定することを含んでよく、交通標識の位置を決定することは、側道の入口スタブまでの距離を決定することを含んでよい。
【0029】
任意選択で、本方法は、側道に関連する千尋上の速度制限を示すデジタル地図データを受信することと、速度制限が側道に関連する地図上の速度制限と一致し、スタブ距離が所定のスタブ距離閾値未満である場合に速度制限が関連しないと判定することとを含んでいてもよい。
【0030】
任意選択で、道路特徴は、速度制限を示す更なる交通標識を含んでいてもよく、方法は、更なる交通標識に対する交通標識の位置に依存して、交通標識および更なる交通標識が側道をまたぐかどうかを決定することを含んでいてもよい。
【0031】
任意選択で、または各コントローラは、交通標識および更なる交通標識が側道にまたがっていることに依存して、速度制限が関連しないと決定するように構成され得る。
【0032】
更なる態様によれば、実行されると、上記方法の実行を引き起こすコンピュータソフトウェアを含むコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。
【0033】
本願の範囲内において、前の段落、特許請求の範囲および/または以下の説明および図面に記載された様々な側面、実施形態、例および代替案、特にその個々の特徴は、独立してまたは任意の組み合わせで取ることができることが明示的に意図される。すなわち、すべての実施形態および/または任意の実施形態の特徴は、そのような特徴が両立しない場合を除き、任意の方法および/または組み合わせで組み合わせることが可能である。本出願人は、元々そのように請求されていないが、他の請求項の特徴に依存し、及び/又はそれを取り込むために、元々提出された請求項を修正する権利を含め、それに応じて元々提出された請求項を変更する権利又は新しい請求項を提出する権利を有する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
次に、本発明の1つまたは複数の実施形態が、添付の図面を参照しながら、例示的にのみ説明される:
【0035】
【
図1】
図1は、実施形態による制御システムの第1の概略図である。
【
図3】
図3は、車両が主要道路を走行する様子を示す。
【
図4A】
図4Aは、主要道路に隣接する第1のタイプの側道を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、主要道路に隣接しない第2のタイプの側道を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による方法を示す図である。
【
図6】
図6は、交通標識から一次側道路の道路縁までの距離を示す図である。
【
図7】
図7は、側道への入口スタブの近傍にある交通標識を示す図である。
【
図8】
図8は、側道にまたがる2つの交通標識を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態による関連性を決定する方法を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る制御システムの第2の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態に係る制御システム110について、添付の図を参照しながら説明する。実施形態に係る制御システム110は、交通標識認識(TSR:Traffic Sign Recognition)システムである。交通標識認識システムは、これから説明するように、認識された交通標識の関連性に依存して、車両を制御するための速度制限信号を生成するためのシステムである。
図2に示すように、制御システム110は、車両200に搭載される。本実施形態における車両200は、自動車などの車輪付き車両であるが、制御システム110は、他のタイプの陸上車両および速度制限制御水路で動作する水上車両に使用することができることが理解されるであろう。
【0037】
図1を参照すると、制御システム110は、車両200に関連するセンサユニット120に通信可能に結合される。本実施形態におけるセンサユニット120は、車両200の前方の前方に延びる視野を有する光学カメラを有する。センサユニット120は、1つ以上の光学カメラ、例えばステレオカメラを有する。代替的に、または追加的に、センサユニット120は、車両200の前方の領域の表示を捕捉するために、レーダシステムまたはLIDARシステムなどの他のタイプのセンサから構成されてもよい。本実施形態におけるセンサユニット120は、車両200のフロントウィンドシールドの上部に設けられたバックミラー(不図示)の背後に配置される。他の取り付け位置も可能である。例えばセンサユニット120は、車両200のフロントグリルの後方またはフロントグリル内に設けられてもよい。制御システム110は、少なくとも車両200の前方の領域を示すセンサユニット120からの画像データ125を受信するように構成される。
【0038】
制御システムは、処理手段111と記憶手段114とを備える。処理手段は、1つまたは複数の電子処理装置111であってもよい。記憶手段114は、1つまたは複数の記憶装置114であってもよい。メモリ手段114は、処理手段111に電気的に結合される。メモリ手段114は、命令を記憶するように構成され、処理手段111は、メモリ手段114にアクセスし、その上で命令を実行するように構成される。
【0039】
図3に示されるように、車両200は、以後主要道路PRと呼ばれる道路上に配置される。制御システム110は、主要道路PRを示すデジタル地図データ140を受信するように構成される。デジタル地図データ140は、制御システム110にアクセス可能なメモリ114に格納されてもよいし、車両200が主要道路PRに沿って走行する際に、例えばリモート地図サーバから制御システム110に送信されてもよい。デジタル地図データ140は、車両が位置する主要道路PRのセグメントに関連する地図上の速度制限の表示を有する。例えば、デジタル地図データ140は、車両200が時速40kmの速度制限を有する主要道路PRのセグメントに位置することを示すことができる。主要道路のセグメントは、地図データの第1ノードと第2ノードとの間に定義される場合がある。 地図の速度制限は、1つ以上の更なる車両制御システム130によって利用されてもよい。車両制御システム130は、車両200の速度を動作的に調節するように配置されたクルーズ制御システム130を含んでもよい。代替的または追加的に、更なる車両制御システム130は、速度制限を運転者に警告するための速度制限表示システムまたは運転者警告システム、または車両が速度制限を超えたときに運転者に警告するための速度制限表示システムを有することができる。
【0040】
いくつかの実施例では、デジタル地図データ140は不正確である可能性がある。例えば、デジタル地図データ140が古くなっていたり、例えば道路工事により一時的な速度制限の規制が行われていたりする場合がある。したがって、制御システム110は、受信した画像データ125において交通標識300を特定し、交通標識300によって示される標識速度制限を決定するように構成される。そして、制御システム110は、1つまたは複数の更なる車両制御システム130に、標識速度制限すなわち道路標識によって伝達または指示される道路セグメントの速度制限を示す標識速度制限信号135を出力し得る。
図3に示される実施形態では、制御システム110は、決定された30km/hの速度制限を示す標識速度制限信号135を出力することができる。したがって、標識速度制限信号は、標識速度制限が地図速度制限と一致しない状況において、地図速度制限を上書きまたは優先させることができる。その後、更なる制御システム130は、デジタル地図データによって示される40km/hではなく、更新された例の30km/hの速度制限を利用することができる。
【0041】
このようにして、センサユニット120によって検出された交通標識300によって示される標識速度制限は、地図速度制限を上書きすることができる。そして、クルーズコントロールシステム130などの車両制御システム130は、デジタル地図データ140にまだ反映されていない最近変更された速度制限や一時的な速度制限を考慮することができる場合がある。さらに、交通標識300によって示される標識速度制限は、例えば、車両がデジタル地図データ140に存在しない道路セグメント上にある場合など、地図速度制限情報が利用できない場合に速度制限情報を提供することができる。
【0042】
しかしながら、センサユニット120によって検出された全ての交通標識が車両200に関連しているわけではない。交通標識300は、車両が位置する主要道路PRすなわち道路上に関連する場合、車両200に関連するものとして定義することができる。
【0043】
図4Aおよび
図4Bは、車両200に関連しない交通標識300の2つの例を示す。交通標識300は、主要道路PRに近接する別の道路に関連付けられ、別の道路に関連付けられた道路標識がセンサユニット120に見えるようにすることができる。 例えば、交通標識300は、側道SRに関連付けられてもよい。主要道路とは別の任意の道路は、以後、側道SRと呼ばれることがある。側道SRは、車両が配置されていない任意の道路であってもよい。
図4Aでは、側道SRは、主要道路PRから分岐する道路である。側道SRは、ラウンドアバウトやロータリなどの分岐点で、主要道路と交差する道路や主要道路PRから分岐する道路であってもよい。いくつかの例では、側道SRは、主要道路に全く接しない道路であってもよい。
図4Bでは、側道SRは、主要道路に実質的に平行な別個の道路である。
【0044】
図4A及び
図4Bの各例において、交通標識300は、主要道路PRを走行する車両200の制御システム110によって検出され得る。しかし、図示された各交通標識300は、主要道路PRではなく、側道SRに関連している。したがって、制御システム110が30km/hの速度制限を示す標識速度制限信号を出力すると、これがデジタル地図データによって示される主要道路PRの正しい40km/hの速度制限を誤って上書きし、車両システムが車両200の制御を不必要に調整する原因となり得る。
【0045】
制御システム110の実施形態は、このように、交通標識300がセンサユニット120によって検出された時点で、交通標識300が車両200に関連しているかどうかを判断するようになっている。車両200に関連するとは、交通標識300が主要道路PRに関連しているかどうかを意味する。交通標識300が、例えば側道SRに関連付けられていることにより、車両200に関連していないと判断された場合、制御システム110は、標識速度制限信号135の生成を抑制または控えることができる。
【0046】
本発明の実施形態による制御システム110の動作の方法500が
図5に示されている。
【0047】
方法500は、車両200の環境を示す画像データを受信するためのブロック510を備える。制御システム110は、議論されたように、センサユニット120から画像データ125を受信するように構成されることがある。画像データ125は、車両200の前方の領域を示すものであってもよく、画像データ内に存在する1つまたは複数の交通標識300の表現を含んでいてもよい。
【0048】
方法500は、画像データ125内の少なくとも1つの交通標識300を特定するブロック520を備える。交通標識300は、当業者には理解されるように、画像データ125を処理して、既知の交通標識基準に一致する画像内の所定の形状、色および/またはテクスチャを検索することによって特定することができる。ブロック520は、交通標識300によって示される標識速度制限を決定することをさらに含む。速度制限は、例えば、ピクトグラムの輪郭を使用するなど、任意の既知の画像処理技法を使用して決定することができる。例えば、ブロック520は、30km/hの標識速度制限を示す画像データ125内の1つの交通標識300を識別することを含んでいてもよい。
【0049】
方法500は、車両200に対する標識速度制限の関連性を決定するブロック530を含んでいる。関連性を決定することは、車両200に対して速度制限を関連または関連しないのうちの1つに分類することを含んでいてもよい。決定された関連性は、交通標識が主要道路PRに関連する可能性を示すものであってもよい。速度制限は、交通標識が側道SRに該当する可能性が高いと判定された場合、関連性がないと分類される場合がある。
【0050】
標識速度制限は、環境中の道路特徴に対する交通標識300の位置に応じて、関連するまたは関連しないとして決定される場合がある。異なる実施形態では、道路特徴は、説明されるように、主要道路の端、側道への入口スタブ、または更なる交通標識のうちの1つまたは複数であってよい。道路特徴に対する交通標識の位置は、交通標識が側道SRに関連している可能性を示すことがある。
【0051】
図6を参照すると、いくつかの実施形態によれば、ブロック530は、主要道路PRの道路縁600を特定することを備える。道路縁600は、例えば、道路縁600を示す可能性のある画像データ125のコントラスト及び/又は色の変化を特定することによって、画像データ125において特定することができる。例えば、比較的滑らかであってもよい路面(例えば、アスファルト、コンクリートまたは他の表面処理材料によって規定される)と、比較的粗い(例えば、草、泥、砂利、砂および雪のうちの1つまたは複数で構成される)隣接表面との間の移行または境界が特定される場合がある。他の例では、道路縁600は、主要道路PR上で識別される道路標示、または縁石などの物理的な区切りまたは境界線に依存して識別されることがある。
【0052】
次いで、制御システムは、道路縁600と交通標識300との間の距離610を決定するように構成されることがある。距離は、横方向の距離610、すなわち、道路縁600に実質的に垂直な距離であってもよい。距離610は、車両200と道路縁600との間の横方向距離630と、車両200と交通標識300との間の横方向距離620とを決定することによって、画像データ125から決定されてもよい。各決定された距離620、630は、既知の画像処理技術を使用して、画像データ125における交通標識300および道路縁600のサイズおよび/または位置から推測され得る。
【0053】
ブロック530において、制御システム110は、道路縁600と交通標識300との間の決定された横方向距離610が所定の基準を満たす場合、速度制限が車両に関連しないと決定してもよい。所定の基準は、距離610が所定の閾値以上であることであってもよい。所定の閾値は、車両200が地理的にどこに位置しているかに依存して、例えば、車両200がどの国の中に位置しているかに依存して、定義されることがある。地域の規制は、交通標識300と道路縁600との間の距離の標準化された範囲を定義することができる。距離610が標準化された範囲の上限よりも大きい場合、交通標識300は道路縁600から離れすぎているため、主要道路PRと関連付けられていないと判断されることがある。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、道路特徴は、側道SRへの入口スタブを構成することができる。
図7を参照すると、入口スタブ700は、側道SRが主要道路PRに合流する領域であってもよい。入口スタブ700は、ターンオフ、交差点、スリップレーン、または任意の他の接合部であってもよい。いくつかの実施形態において、ブロック530は、画像データ125において入口スタブ700を特定することを含んでよい。例えば、入口スタブ700は、道路縁600のギャップまたは分岐を特定することによって画像データ125において特定され得る。代替的に、又は追加的に、制御システム110は、デジタル地図データ140に依存して、車両200に対する入口スタブ700の位置を特定することができる。デジタル地図データ140は、側道SRのセグメントが、車両200が位置する主要道路PRのセグメントから分岐するノードの位置を示していてもよい。
【0055】
ブロック530において、制御システム110は、交通標識300から入口スタブ700までのスタブ距離710を決定してもよい。入口スタブ700の縁を定義する1つ以上の境界線705、706の位置は、画像データ125またはデジタル地図データ140から特定されてもよい。次に、スタブ距離710は、交通標識300と交通標識に最も近い境界線705、706との間の距離として決定されてもよい。図示の実施形態では、交通標識300は、車両200の進行方向に関して主要道路PRに沿って入口スタブ300の後に配置され、最も近い境界は、境界705である。しかし、交通標識300が入口スタブ700の前に配置される場合、交通標識300に最も近い境界は、境界706であってもよい。いくつかの実施形態によれば、スタブ距離710は、交通標識300から入口スタブ700上の代替点、例えば入口スタブ700の中点までの距離として定義されてもよい。
【0056】
デジタル地図データ140は、側道SRに関連する地図上の速度制限を示すことができる。ブロック540において、制御システム110は、側道に関連する地図上の速度制限が標識速度制限と一致するか否かを判定してもよい。側道に関連する地図上の速度制限が標識速度制限と一致する場合、これは、交通標識300が側道SRに関連し、したがって、車両200に関連しないことを示す可能性がある。
【0057】
交通標識300が側道SRと関連付けられていることをより正確に確認するために、制御システム110は、スタブ距離710が所定のスタブ距離閾値よりも小さいかどうか、すなわち交通標識300が入口スタブ700に十分に近い位置にあるかどうかを判定するように構成されてもよい。スタブ距離710がスタブ距離閾値未満であり、側道に関連する地図速度制限が標識速度制限と一致する場合、制御システム110は、交通標識300が側道SRに関連し、したがって車両200に関連しないと判断することができる。
【0058】
図8を参照すると、いくつかの実施形態によれば、制御システム110は、更なる交通標識800に対するその位置に依存して、交通標識300が車両200に関連しないと決定するように構成されてもよい。第1の交通標識300および第2の交通標識800がそれぞれ制御システム110によって識別される場合、ブロック530において、制御システム110は、第1の交通標識300および第2の交通標識800が側道SRにまたがっているかどうかを判定することができる。
【0059】
図8では、第1の交通標識300および第2の交通標識800は側道SRにまたがっていることが図示されている。側道SRにまたがっているということは、第1の交通標識300および第2の交通標識800が、側道SRの対向する側に位置し、側道SRに垂直な軸に沿って概ね整列していることを意味する。図示されるような一対の交通標識300、800は、ゲート式標識と称されることがある。このようなゲート式標識は、速度制限の変更を示すために使用されることが多く、道路の両側に交通標識を設けることにより、運転者は、交通標識がどの道路に関係しているかを容易に推論することができる。第1および第2の交通標識300、800が側道にまたがっていると判断することにより、第1および第2の交通標識300、800の各々は側道SRに関連し、したがって車両200に関連しないことが推論され得る。
【0060】
第1交通標識300及び第2交通標識800は、1つ以上のスパニング基準が満たされた場合に、側道SRをスパニングすると判定される。第1のスパニング基準は、第1の交通標識300と第2の交通標識800とが同じ速度制限を示していることであってもよい。第2のスパニング基準は、第1の交通標識300及び第2の交通標識800の各々が、車両200の同じ側に位置することであってもよい。第3のスパニング基準は、第1の交通標識300と第2の交通標識800との間の距離が閾値以下であること、すなわち、交通標識300、800が十分に接近していることである場合がある。
【0061】
車両200に対する交通標識300の関連性を決定するために上述した方法は、単独で実行されてもよいし、組み合わせて実行されてもよい。実施形態によるブロック530の間の制御システム110の例示的な動作が
図9に示されている。図示された実施形態では、制御システム110は、交通標識300と車両200との関連性を決定するために、上述の方法のそれぞれを順番に実行する。
【0062】
ステップ531では、標識速度制限が側道SRに関連付けられた地図上の速度制限と一致するか否かが判定される。標識速度制限が地図上の速度制限と一致する場合、ステップ532において、側道SRの入口スタブ700までのスタブ距離710が閾値未満であるか否かが判断される。スタブ距離710がスタブ距離閾値未満である場合、交通標識300はスタブ入口の側道SRに関連し、したがって車両に関連しないと判断される。交通標識300がスタブ入口700に関連すると決定されない場合、制御システム110はステップ533に進む。ステップ533では、交通標識300と主要道路の道路縁600との間の距離610が閾値より大きいか否かが判定される。距離610が閾値より大きい場合、交通標識300は車両200に関連しないと判定され得る。交通標識が道路縁600に十分に近い場合、制御システム110は、ステップ534に進む。ステップ534では、交通標識300が更なる交通標識800を有する側道SRにまたがっているかどうかが判断される。交通標識300が側道にまたがる対の一部を形成すると判定された場合、交通標識300は車両200に関連しないと判定される。ステップ531~534のいずれかにおいて、交通標識300が側道SRに関連付けられない、または道路縁600から離れすぎていないと判定された場合、交通標識300が主要道路PRに関連付けられる可能性が高いと判定され、交通標識300は車両200に関連すると判定されることがある。
いくつかの実施形態において、ステップ531から534は、代替的な順序で実行されてもよいことが理解されよう。さらに、いくつかの実施形態では、ステップ531から534のうちの1つまたは複数が省略されてもよい。例えば、一実施形態では、ブロック530において、制御システムはステップ533のみを実行してもよく、交通標識300は、道路縁600に十分に近い場合に関連すると判断されてもよい。
【0063】
方法500は、交通標識300の速度制限を示す標識速度制限信号を選択的に生成するためのブロック540を含む。標識速度制限信号は、交通標識300がブロック530において車両200に関連すると判定されたことに依存して、選択的に生成され得る。交通標識300が車両に関連しない場合、ブロック540において、制御システム110は、信号を生成しないことを決定してもよい。あるいは、制御システム110は、デジタル地図データ140に示された主要道路PRの地図速度制限を示す地図速度制限信号を生成してもよい。方法500は、生成された信号を1つまたは複数の更なる車両制御システム130に出力するためのブロック550を備える。つ以上の車両制御システム130は、クルーズ制御システム、速度制限を運転者に知らせるための表示または警告システムからなることができる。
【0064】
したがって、方法500を実施することにより、交通標識認識システムは、識別された交通標識が車両に関連すると判断された場合にのみ、デジタル地図データから取り出された速度制限を上書きすることができる。車両200が走行していない側道に関連する交通標識は効果的にフィルタリングされ、クルーズコントロールシステム130などの更なる車両システム130への速度制限入力における誤った調整が緩和される可能性がある。
【0065】
図10を参照すると、本明細書に記載の方法を実施するために適合され得るような制御システム110の簡略化された例が図示されている。制御システム110は、1つまたは複数のコントローラ1000を備え、車両200を制御するための速度制限信号135を生成するように構成される。制御システム110は、車両に関連する1つまたは複数の撮像装置120から、車両の環境を示す画像データ125を受信するように構成されている。制御システム110は、画像データ125に依存して、交通標識300によって示される速度制限と、環境中の道路特徴に対する交通標識の位置とを決定するように構成されている。制御システム110は、交通標識300の決定された位置および車両200の決定された位置に依存して、車両に対する速度制限の関連性を決定し、決定された関連性に依存して、速度制限を示す標識速度制限信号135を選択的に生成し、選択的に生成された信号135を少なくとも一つの車両制御システム130に出力するよう構成される。
【0066】
または各コントローラ1000は、1つまたは複数の電子プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)等)を有する制御ユニットまたは計算デバイスを構成することができ、単一の制御ユニットまたは計算デバイスを構成してもよく、または代替的に、または各コントローラ1000の異なる機能が異なる制御ユニットまたは計算デバイスで具体化またはホストされてもよいことは理解されるものとする。本明細書で使用する場合、「コントローラ」、「制御ユニット」、または「計算デバイス」という用語は、単一のコントローラ、制御ユニット、または計算デバイス、および必要な制御機能を提供するために集合的に動作する複数のコントローラ、制御ユニット、または計算デバイスを含むと理解される。実行されると、コントローラ1000に本明細書に記載の制御技術(本明細書に記載の方法に必要な機能の一部または全部を含む)を実施させる一組の命令が提供され得る。命令のセットは、コントローラ1000の前記1つ以上の電子プロセッサに埋め込まれ得る、または代替的に、命令のセットは、コントローラ1000において実行されるソフトウェアとして提供され得る。第1のコントローラまたは制御ユニットは、1つまたは複数のプロセッサ上で実行されるソフトウェアで実装され得る。1つまたは複数の他のコントローラまたは制御ユニットは、1つまたは複数のプロセッサ、任意選択で第1のコントローラまたは制御ユニットと同じ1つまたは複数のプロセッサ上で実行されるソフトウェアで実装されてもよい。他の配置も有用である。
【0067】
図10に示される例では、または各コントローラ1000は、1つまたは複数の入力信号を受信するための1つまたは複数の電気入力(複数可)112と、1つまたは複数の出力信号を出力するための1つまたは複数の電気出力(複数可)113とを有する少なくとも1つの電子プロセッサ111からなる。または各コントローラ1000は、少なくとも1つの電子プロセッサ111に電気的に結合され、そこに格納された命令115を有する少なくとも1つのメモリデバイス114をさらに備える。少なくとも1つの電子プロセッサ111は、少なくとも1つのメモリデバイス114にアクセスし、その上で命令115を実行するように構成される。
【0068】
電子プロセッサ111、または各電子プロセッサ111は、電子命令を実行するように構成された任意の適切な電子プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ASICなど)で構成され得る。電子メモリデバイス114、または各電子メモリデバイスは、任意の適切なメモリデバイスから構成されてよく、様々なデータ、情報、閾値(複数可)、ルックアップテーブルまたは他のデータ構造、および/または命令をそこまたはその上に格納することができる。一実施形態では、メモリデバイス114は、本明細書に記載される方法論の全てまたは一部を支配し得る、そこまたはその上に格納されたソフトウェア、ファームウェア、プログラム、アルゴリズム、スクリプト、アプリケーションなどのための情報および命令を有する。プロセッサ、または各、電子プロセッサ111は、メモリデバイス114にアクセスし、そのまたはそれらの命令および情報を実行および/または使用して、本明細書に記載される機能性および方法論の一部または全部を遂行または実行し得る。
【0069】
少なくとも1つのメモリデバイス114は、機械または電子プロセッサ/計算機によって読み取り可能な形態で情報を記憶するための任意の機構を含み得るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、非一過性または非一過性の記憶媒体)を含んでよく、限定されないが、磁気記憶媒体(e. 磁気記憶媒体(例えば、フロッピーディスク);光学記憶媒体(例えば、CD-ROM);光磁気記憶媒体;読み取り専用メモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM);消去可能プログラマブルメモリ(例えば、EPROM ad EEPROM);フラッシュメモリ;または電気または他のタイプの媒体であってこのような情報/命令を記憶するためのものである。
【0070】
例示的なコントローラ1000は、少なくとも1つのメモリデバイス114内に記憶された電子命令を実行するように構成された少なくとも1つの電子プロセッサ111を含み、この電子命令が実行されると、電子プロセッサ(複数可)111に、本明細書に記載したような方法を実施させることが説明されてきた。しかしながら、本発明は、プログラム可能な処理デバイスの方法で実施されることに限定されず、本発明の機能性およびまたは方法ステップの少なくともいくつか、およびいくつかの実施形態ではすべてが、非プログラマブルASIC、ブール論理回路などの方法のような非プログラマブルハードウェアの方法で同様に実施され得ることが企図される。
【0071】
本願の範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更および修正を加えることができることが理解されよう。