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特許75712972つの動力源の駆動による平行移動フレームおよびそれに基づく貨物下ろし装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】2つの動力源の駆動による平行移動フレームおよびそれに基づく貨物下ろし装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/90 20060101AFI20241015BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
B65G47/90 A
B65G1/04 503
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023528461
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 CN2021100353
(87)【国際公開番号】W WO2022174538
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】202110194574.7
(32)【優先日】2021-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518238469
【氏名又は名称】浙江立▲ビアオ▼机器人有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG LIBIAO ROBOTS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朱建強
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211109292(CN,U)
【文献】特開昭48-091766(JP,A)
【文献】特開昭48-078675(JP,A)
【文献】特開2002-293405(JP,A)
【文献】特開昭47-008419(JP,A)
【文献】実開平02-145208(JP,U)
【文献】実開昭59-008998(JP,U)
【文献】実開昭56-036607(JP,U)
【文献】国際公開第2018/172892(WO,A1)
【文献】特開2020-138842(JP,A)
【文献】国際公開第2017/179528(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0119040(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0133416(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/90
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム本体(1)と、上部横バー(22)、下部横バー(62)と、縦バー(31)と、制御手段、とを備え、
前記上部横バー(22)は、両端のそれぞれが前記フレーム本体(1)に固定され、前記上部横バー(22)に上部スライドブロック(21)および上部駆動手段(2)が固定され、前記上部駆動手段(2)が、前記上部スライドブロック(21)を、前記上部横バー(22)のみに沿って往復移動するように制御するものであり、
前記下部横バー(62)は、両端のそれぞれが前記フレーム本体(1)に固定され、前記下部横バー(62)が前記上部横バー(22)に対してほぼ平行に設置され、前記下部横バー(62)に下部スライドブロック(61)および下部駆動手段が固定され、前記下部駆動手段が、前記下部スライドブロック(61)を、前記下部横バー(62)のみに沿って往復移動するように制御するものであり、
前記縦バー(31)は、頂部が上部調整手段を介して前記上部スライドブロック(21)と連結し、底部が下部調整手段を介して前記下部スライドブロック(61)と連結し、
前記制御手段は、前記上部駆動手段(2)および前記下部駆動手段のそれぞれのモータと電気的に接続され、
前記上部スライドブロック(21)および前記下部スライドブロック(61)により前記縦バー(31)を同じ方向に移動させるとき、前記上部調整手段により、前記縦バー(31)を前記上部横バー(22)に対して回転させることができ、前記下部調整手段により、前記縦バー(31)を前記下部横バー(62)に対して回転させることができ、前記上部調整手段により、前記縦バー(31)を前記上部横バー(22)に対して上下に移動させることができ、および/または、前記下部調整手段により、前記縦バー(31)を前記下部横バー(62)に対して上下に移動させることができる
ことを特徴とする2つの動力源の駆動による平行移動フレーム。
【請求項2】
前記上部調整手段または前記下部調整手段は、調整板(71)と調整柱(72)とを含み、
前記調整板(71)に調整孔(711)が設けられ、前記調整板(71)の一端が前記上部スライドブロック(21)または前記下部スライドブロック(61)に固定され、
前記調整柱(72)の周面に円環状溝が設けられ、前記調整孔(711)が前記円環状溝に外挿されて前記調整柱(72)回りに回動することができ、前記調整柱(72)が前記縦バー(31)に固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の2つの動力源の駆動による平行移動フレーム。
【請求項3】
前記上部調整手段または前記下部調整手段は、可撓性隔離柱(73)をさらに含み、
前記可撓性隔離柱(73)に円環状収容部および貫通孔が設けられ、前記可撓性隔離柱(73)が前記調整柱(72)の前記円環状溝に外挿され、前記調整板(71)の一部が前記円環状収容部に外挿され、前記可撓性隔離柱(73)により前記調整板(71)と前記調整柱(72)とを隔てる
ことを特徴とする請求項2に記載の2つの動力源の駆動による平行移動フレーム。
【請求項4】
前記可撓性隔離柱(73)は、プラスチック製のものであり、前記プラスチックとして、ポリテトラフルオロエチレン材料またはポリプロピレンを選択する
ことを特徴とする請求項3に記載の2つの動力源の駆動による平行移動フレーム。
【請求項5】
前記上部横バー(22)および前記下部横バー(62)は、アルミニウム合金製のプロファイル材を使用する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の2つの動力源の駆動による平行移動フレーム。
【請求項6】
前記調整柱(72)が2つの部分により構成され、
前記調整柱(72)の前記2つの部分は、前記可撓性隔離柱(73)の取付および交換を容易にするように締め付け部材により締め付けられる
ことを特徴とする請求項3または4に記載の2つの動力源の駆動による平行移動フレーム。
【請求項7】
前記上部調整手段および前記下部調整手段の少なくとも一方の前記調整板(71)の前記調整孔(711)が長尺状孔であり、前記調整柱(72)が前記長尺状孔内に上下移動することができる
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の2つの動力源の駆動による平行移動フレーム。
【請求項8】
前記上部駆動手段(2)は、前記上部横バー(22)と、第1タイミングプーリ(86)および第2タイミングプーリと、タイミングベルト(85)と、モータ(81)と、前記上部スライドブロック(21)とを含み、
前記上部横バー(22)は、中空構造であり、前記上部横バー(22)に開口部(83)が設けられ、前記上部横バー(22)の上側面および下側面の2つの側面に凹溝(87)が設けられ、
前記第1タイミングプーリ(86)および前記第2タイミングプーリは、前記上部横バー(22)の両端部内にそれぞれ回動可能に固定され、
前記タイミングベルト(85)は、前記第1タイミングプーリ(86)および前記第2タイミングプーリに巻き掛けられ、
前記モータ(81)は、ハウジングが前記上部横バー(22)に固定され、回転軸が前記第1タイミングプーリ(86)または前記第2タイミングプーリの中心軸に固定され、前記モータ(81)が前記制御手段と電気的に接続され、
前記上部スライドブロック(21)に突出ブロック(84)および2つのスライドレール(82)が設けられ、前記突出ブロック(84)が前記上部横バー(22)の前記開口部(83)に嵌入されるとともに前記タイミングベルト(85)に固定され、前記スライドレール(82)が前記凹溝(87)のみに沿って往復移動することができ、
前記下部駆動手段が前記上部駆動手段(2)と同じ構造を有し、前記上部横バー(22)の代わりに下部横バー(62)を使用し、前記上部スライドブロック(21)の代わりに下部スライドブロック(61)を使用する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の2つの動力源の駆動による平行移動フレーム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の2つの動力源の駆動による平行移動フレームと下ろし装置(4)とを備え、
前記縦バー(31)に縦方向駆動手段および縦方向スライドブロック(32)が固定され、前記縦方向駆動手段の構造が前記上部駆動手段(2)の構造と同じであり、前記上部横バー(22)の代わりに前記縦バー(31)を使用し、前記上部スライドブロック(21)の代わりに前記縦方向スライドブロック(32)を使用し、前記縦方向駆動手段のモータが前記制御手段と電気的に接続され、
前記下ろし装置(4)は、前記縦方向スライドブロック(32)に固定され、受けた貨物を所定の貨物棚(5)に下ろすように構成される
ことを特徴とする2つの動力源の駆動による平行移動フレームに基づく貨物下ろし装置。
【請求項10】
前記下ろし装置(4)は、
前記縦方向スライドブロック(32)に固定される下ろしサポータ(41)と、
第1減速機(44)と、
ハウジングが前記第1減速機(44)のハウジングに固定され、回転軸が前記第1減速機(44)の入力軸に固定され、前記制御手段と電気的に接続される反転モータ(43)と、
前記第1減速機(44)の出力軸に固定される反転サポータ(42)と、
前記反転サポータ(42)に固定され、貨物を収容するように構成される反転トレー(40)と、
ハウジングが前記下ろしサポータ(41)に固定される第2減速機(46)と、
ハウジングが前記第2減速機(46)のハウジングに固定され、回転軸が前記第2減速機(46)の入力軸に固定され、前記制御手段と電気的に接続される揺動モータ(47)と、
一端が前記第2減速機(46)の出力軸に固定され、他端が前記第1減速機(44)のハウジングに固定される揺動バー(45)と、を含み、
前記揺動モータ(47)が回転することにより前記第2減速機(46)を介して前記揺動バー(45)を回転駆動して、貨物が収容される前記反転トレー(40)を貨物棚(5)の外部から所定の貨物箱(51)の上に揺動させ、前記反転モータ(43)が回転することにより前記第1減速機(44)を介して前記反転サポータ(42)を回転駆動して、貨物を前記貨物棚(5)内に下ろすように構成される
ことを特徴とする請求項9に記載の2つの動力源の駆動による平行移動フレームに基づく貨物下ろし装置。
【請求項11】
前記貨物棚(5)が2列設置され、2列の前記貨物棚(5)が前記フレーム本体(1)の両側にそれぞれ位置し、
前記下ろし装置(4)は、前記揺動モータ(47)および前記第2減速機(46)を利用して前記反転トレー(40)を両側の前記貨物棚(5)のうちの所定側の前記貨物棚(5)の上に回動させて、貨物をそのうちの1つの前記貨物箱(51)内に下ろすように構成される
ことを特徴とする請求項10に記載の2つの動力源の駆動による平行移動フレームに基づく貨物下ろし装置。
【請求項12】
前記貨物棚(5)が積層構造として構成され、各層に2本の横桟が設置され、前記2本の横桟により複数の前記貨物箱(51)を載置することができ、前記貨物箱(51)を前記2本の横桟から取り出すことができる
ことを特徴とする請求項11に記載の2つの動力源の駆動による平行移動フレームに基づく貨物下ろし装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2つの動力源の駆動による平行移動フレームおよびそれに基づく貨物下ろし装置に関する。
【0002】
関係出願の相互参照
本開示は、2021年02月21日に中国専利局に提出された、出願番号がCN202110194574.7であり、名称が「2つの動力源の駆動による平行移動フレームおよびそれに基づく貨物下ろし装置」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
ガイドレールとスライドブロック構造とにより物体を移動することは、機械分野の常用の技術である。安定性を向上させるため、ダブルガイドレール構造を選択するのが一般的であり、スライドブロックを、2本のガイドレールにそれぞれ沿って往復移動するように制御するには、動力駆動手段が必要である。ダブルガイドレール間の距離が比較的大きい場合、一般的に、機械的同期構造を使用してスライドブロックを同期移動させるようにすることができる。ガイドレールおよびスライドブロック構造により高さの異なる貨物棚に貨物を下ろす場合、貨物棚がとても高いことがあり、このとき、機械的同期構造を選択すると、コストがとても高く、機械的同期構造がとても重いため、2つの動力源によりスライドブロックの移動をそれぞれ駆動する方式のほうがよりよいである。しかしながら、2つの動力源の駆動による構造に非常に優れる同期性が要求される。高精度のモータによりタイミングプーリおよびタイミングベルトを駆動してスライドブロックを移動駆動させるとき、多少誤差があり、該誤差を有するため、2つのスライドブロックと連結バーとの間にねじり力が生じる。合理的に設計しなければ、スライドブロックまたはスライドブロックと連結する連結バーなどの関連構造が壊れることがある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、上記の要求に応えて、2つの動力源の駆動による平行移動フレームおよびそれに基づく貨物下ろし装置を提供する。
【0005】
本開示の実施形態による2つの動力源の駆動による平行移動フレームは、フレーム本体と、上部横バーと、下部横バーと、縦バーと、制御手段とを備え、上部横バーは、両端のそれぞれがフレーム本体に固定され、上部横バーに上部スライドブロックおよび上部駆動手段が固定され、上部駆動手段が、上部スライドブロックを、上部横バーのみに沿って往復移動するように制御するものであり、下部横バーは、両端のそれぞれがフレーム本体に固定され、下部横バーが上部横バーに対してほぼ平行に設置され、下部横バーに下部スライドブロックおよび下部駆動手段が固定され、下部駆動手段が、下部スライドブロックを、下部横バーのみに沿って往復移動するように制御するものであり、縦バーは、頂部が上部調整手段を介して上部スライドブロックと連結し、底部が下部調整手段を介して下部スライドブロックと連結し、制御手段は、上部駆動手段および下部駆動手段のそれぞれのモータと電気的に接続され、上部スライドブロックおよび下部スライドブロックにより縦バーを同じ方向に移動させるとき、上部調整手段により、縦バーを上部横バーに対して回転させることができ、下部調整手段により、縦バーを下部横バーに対して回転させることができ、上部調整手段により、縦バーを上部横バーに対して上下に移動させることができ、および/または、下部調整手段により、縦バーを下部横バーに対して上下に移動させることができる。
【0006】
任意で、前記上部調整手段または下部調整手段は、調整板と調整柱とを含み、調整板に調整孔が設けられ、調整板の一端が前記上部スライドブロックまたは下部スライドブロックに固定され、調整柱の周面に円環状溝が設けられ、調整板の一部が該円環状溝に外挿されて調整板が調整柱回りに回動することができ、調整柱が前記縦バーに固定される。
【0007】
任意で、前記上部調整手段または下部調整手段は、可撓性隔離柱をさらに含み、可撓性隔離柱に円環状収容部および貫通孔が設けられ、可撓性隔離柱が調整柱の円環状溝に外挿され、調整板の一部が円環状収容部に外挿され、可撓性隔離柱により調整板と調整柱とを隔てる。
【0008】
任意で、前記可撓性隔離柱は、プラスチック製のものであり、前記プラスチックとして、ポリテトラフルオロエチレン材料またはポリプロピレンを選択する。
【0009】
任意で、前記上部横バーおよび前記下部横バーは、アルミニウム合金製のプロファイル材を使用する。
【0010】
任意で、前記調整柱が2つの部分により構成され、前記調整柱の前記2つの部分は、前記可撓性隔離柱の取付および交換を容易にするように締め付け部材により締め付けられる。
【0011】
任意で、前記上部調整手段および下部調整手段の少なくとも一方の調整板の調整孔が長尺状孔であり、前記調整柱が長尺状孔内に上下移動することができる。
【0012】
任意で、前記上部駆動手段は、前記上部横バーと、第1タイミングプーリと、第2タイミングプーリと、タイミングベルトと、モータと、前記上部スライドブロックとを含み、前記上部横バーは、中空構造であり、上部横バーに開口部が設けられ、上部横バーの上側面および下側面の2つの側面に凹溝が設けられ、第1タイミングプーリおよび第2タイミングプーリは、上部横バーの両端部内にそれぞれ回動可能に固定され、タイミングベルトは、第1タイミングプーリおよび第2タイミングプーリに巻き掛けられ、モータは、ハウジングが上部横バーに固定され、回転軸が第1タイミングプーリまたは第2タイミングプーリの中心軸に固定され、モータが前記制御手段と電気的に接続され、前記上部スライドブロックに突出ブロックおよび2つのスライドレールが設けられ、突出ブロックが上部横バーの開口部に嵌入されるとともにタイミングベルトに固定され、スライドレールが凹溝のみに沿って往復移動することができ、前記下部駆動手段が上部駆動手段と同じ構造を有し、上部横バーの代わりに下部横バーを使用し、上部スライドブロックの代わりに下部スライドブロックを使用する。
【0013】
2つの動力源の駆動による平行移動フレームに基づく貨物下ろし装置は、2つの動力源の駆動による平行移動フレームと下ろし装置とを備え、前記縦バーに縦方向駆動手段および縦方向スライドブロックが固定され、前記縦方向駆動手段の構造が前記上部駆動手段の構造と同じであり、前記上部横バーの代わりに前記縦バーを使用し、前記上部スライドブロックの代わりに縦方向スライドブロックを使用し、前記縦方向駆動手段のモータが前記制御手段と電気的に接続され、下ろし装置は、縦方向スライドブロックに固定され、受けた貨物を所定の貨物棚に下ろすように構成される。
【0014】
任意で、前記下ろし装置は、前記縦方向スライドブロックに固定される下ろしサポータと、第1減速機と、ハウジングが第1減速機のハウジングに固定され、回転軸が第1減速機の入力軸に固定され、前記制御手段に電気的に接続される反転モータと、第1減速機の出力軸に固定される反転サポータと、反転サポータに固定され、貨物を収容するように構成される反転トレーと、ハウジングが前記下ろしサポータに固定される第2減速機と、ハウジングが第2減速機のハウジングに固定され、回転軸が第2減速機の入力軸に固定され、前記制御手段と電気的に接続される揺動モータと、一端が第2減速機の出力軸に固定され、他端が第1減速機のハウジングに固定される揺動バーと、を含み、揺動モータが回転することにより前記第2減速機を介して前記揺動バーを回転駆動して、貨物が収容される反転トレーを貨物棚の外部から所定の貨物箱の上に揺動させ、反転モータが回転することにより第1減速機を介して前記反転サポータを回転駆動して、貨物を前記貨物棚内に下ろすように構成される。
【0015】
任意で、前記貨物棚が2列設置され、2列の貨物棚が前記フレーム本体の両側にそれぞれ位置し、下ろし装置は、前記揺動モータおよび第2減速機を利用して前記反転トレーを両側の貨物棚のうちの所定側の貨物棚の上に回動させて、貨物をそのうちの1つの貨物箱内に下ろす。
【0016】
前記貨物棚が積層構造として構成され、各層に2本の横桟が設置され、2本の横桟により複数の貨物箱を載置することができ、貨物箱を2本の横桟から取り出すことができる。
【0017】
従来技術に比べて、本開示は少なくとも下記の利点を有する。アルミニウム合金製のプロファイル材を使用して上部横バー、下部横バーおよび縦バーを製造することができ、コストが大幅に削減される。縦バーがとても長くすることができ、異なる高さの貨物棚に適用することができる。貨物の積み、下ろしがスムーズに実施可能であり効率的である。上部横バーと、下部横バーと、縦バーとの比較的大きい合わせ誤差が許容されるようになり、移動フレームの取付要求が低くなり、2つの動力源により駆動される際の同期精度の要求も下げられ、全体の使用寿命が顕著に延ばされる。
【0018】
本開示は、少なくとも、構造が合理的で、取り付けが容易で、使用寿命が長く、異なる高さの貨物棚に対する貨物下ろしに適用することができ、貨物下ろしの効率が高いという有益な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示に係るものの全体構造を示す模式図である。
図2】本開示に係る上部横バーと縦バーとの連結状態を示す模式的構成図である。
図3】本開示に係る下ろし装置の一状態での模式的構成図である。
図4】本開示に係る下ろし装置の他の状態での模式的構成図である。
図5】本開示に係る上部調整手段および下部調整手段の模式的構成図である。
図6】本開示に係る上部調整手段の部分断面図である。
図7】本開示に係る上部駆動手段および下部駆動手段の模式的構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本開示を説明する。
【0021】
図1図2および図3に示すように、2つの動力源の駆動による平行移動フレームは、フレーム本体1と、上部横バー22と、下部横バー62と、縦バー31と、制御手段とを備える。
【0022】
上部横バー22は、両端のそれぞれが端部固定部材によりフレーム本体1に調整可能に固定され、上部横バー22に上部スライドブロック21および上部駆動手段2が固定される。上部駆動手段2は、上部スライドブロック21を、上部横バー22のみに沿って往復移動するように駆動するものである。
【0023】
下部横バー62は、両端のそれぞれがフレーム本体1に調整可能に固定され、下部横バー62が上部横バー22に対してほぼ平行に設置され、下部横バー62に下部スライドブロック61および下部駆動手段が固定される。下部駆動手段は、下部スライドブロック61を、下部横バー62のみに沿って往復移動するように駆動するものである。
【0024】
縦バー31は、頂部が上部調整手段を介して上部スライドブロック21と連結し、底部が下部調整手段を介して下部スライドブロック61と連結する。
【0025】
制御手段は、上部駆動手段2および下部駆動手段のそれぞれのモータに電気的に接続される。
【0026】
上部スライドブロック21および下部スライドブロック61により縦バー31を同じ方向に移動させるとき、上部調整手段により、縦バー31を上部横バー22に対して回転させることができ、下部調整手段により、縦バー31を下部横バー62に対して回転させることができ、上部調整手段により、縦バー31を上部横バー22に対して上下に移動させることができ、および/または、下部調整手段により、縦バー31を下部横バー62に対して上下に移動させることができる。
【0027】
なお、2つの動力源の駆動による平行移動フレームの構造において、上部横バー22、下部横バー62および縦バー31の変形、取り付け誤差および同期誤差などの少なくとも一方が存在しているため、縦バーが常に完全に平行移動することができなく、縦バー31の片側(例えば、左側または右側)が上部横バー22および下部横バー62の少なくとも一方に対して少し回転することがある。すなわち、縦バー31の片側が上部横バー22および下部横バー62の少なくとも一方に対してなす角度は理想的な90度ではない。例えば、偏向角度が正方向への偏差であり、すなわち縦バー31の片側の部分が上部横バー22および下部横バー62の少なくとも一方に対してなす角度は例えば90度を越える。該偏向角度が負方向への偏差であることがあり、すなわち縦バー31の片側の部分が上部横バー22および下部横バー62の少なくとも一方に対してなす角度は例えば90度未満である。また、該偏向角度が常に変化している。縦バーそれ自体の長さが比較的長い場合、その両端が2つの駆動手段によりそれぞれ駆動されて運動するときに生じたトルクがとても大きく、該トルクにより縦バー31の、上部横バー22と下部横バー62との剛性連結部材が壊れやすくなる。また、偏向角度の存在により、縦バー31の上部横バー22との連結部分と、縦バー31の下部横バー62との連結部分との間の縦バー31の長さが変化する傾向があり、上部調整手段および下部調整手段の設置によれば、縦バー31が上部横バー22および下部横バー62の少なくとも一方に対して適宜に回転し、上下に移動することができ、これによって、トルクと応力をなくし、スライドブロックなどの損壊を防ぐことができる。
【0028】
任意で、図5および図6に示すように、上部調整手段または下部調整手段は、調整板71と調整柱72とを含む。
【0029】
調整板71に調整孔711が設けられ、調整板71の一端が上部スライドブロック21または下部スライドブロック61に固定され、上部調整手段が上部スライドブロック21に対応し、下部調整手段が下部スライドブロック61に対応する。
【0030】
調整柱72の周面に円環状溝が設けられ、調整孔711が円環状溝に外挿されて調整柱72回りに回動することができ、調整柱72が縦バー31と固定される。
【0031】
本発明の実施例は、調整手段により回転させる具体的な方式を提供する。
【0032】
部品の構成材料の硬度が近く、かつ部品同士の相対的運動が生じる場合があるので、摩擦が生じて縦バー31、上部スライドブロック21および下部スライドブロック61の損壊を招くことがある。このため、上部調整手段または下部調整手段は、可撓性隔離柱73をさらに含む。
【0033】
可撓性隔離柱73に円環状収容部および貫通孔が設けられ、可撓性隔離柱73が調整柱72の円環状溝に外挿され、調整板71の一部が円環状収容部に外挿され、可撓性隔離柱73により調整板71と調整柱72とを隔てることができる。可撓性隔離柱73の設置によれば、縦バー31、上部スライドブロック21および下部スライドブロック61を効果的に保護することができる。通常、可撓性隔離柱73は、消耗部品であり、交換することができる。
【0034】
任意で、調整柱72が2つの部分により構成され、調整柱72の2つの部分が締め付け部材により締め付けられ、これによって、可撓性隔離柱73の取付および交換を容易にする。
【0035】
任意で、可撓性隔離柱73は、プラスチック製のものであり、ポリテトラフルオロエチレン材料またはポリプロピレンなどをプラスチックとして選択することができる。それらは、滑らかで硬度が適当である。上部横バー22および下部横バー62は、アルミニウム合金製のプロファイル材を選択することができ、可撓性隔離柱73よりも硬い。
【0036】
任意で、上部調整手段および下部調整手段の少なくとも一方の調整孔711が長尺状孔であり、調整柱72が長尺状孔内に上下移動することができる。これによって、選択可能な実施例として、縦バー31が上下に移動できる構造を実現する。
【0037】
任意で、図7に示すように、上部駆動手段2は、上部横バー22と、第1タイミングプーリ86と、第2タイミングプーリと、タイミングベルト85と、モータ81と、上部スライドブロック21とを含む。
【0038】
上部横バー22は、中空構造であり、上部横バー22に開口部83が設けられ、上部横バー22の上側面および下側面の2つの側面に凹溝87が設けられる。
【0039】
第1タイミングプーリ86および第2タイミングプーリは、上部横バー22の両端部内にそれぞれ回動可能に固定される。
【0040】
タイミングベルト85は、第1タイミングプーリ86および第2タイミングプーリに巻き掛けられる。
【0041】
モータ81は、ハウジングが上部横バー22に固定され、回転軸が第1タイミングプーリ86または第2タイミングプーリの中心軸に固定され、モータ81が制御手段に電気的に接続され、モータ81としてサーボモータまたはステッピングモータなどを選択することができる。
【0042】
上部スライドブロック21に突出ブロック84および2つのスライドレール82が設けられ、突出ブロック84が上部横バー22の開口部83に嵌入されるとともにタイミングベルト85に固定され、スライドレール82が凹溝87のみに沿って往復移動することができる。
【0043】
下部駆動手段は、上部駆動手段2と同じ構造を有し、上部横バー22の代わりに下部横バー62を使用し、上部スライドブロック21の代わりに下部スライドブロック61を使用する。
【0044】
図1図4に示すように、2つの動力源の駆動による平行移動フレームに基づく貨物下ろし装置は、本発明の実施例による2つの動力源の駆動による平行移動フレームと下ろし装置4とを備える。
【0045】
縦バー31に縦方向駆動手段および縦方向スライドブロック32が固定される。該縦方向駆動手段の構造が上部駆動手段2の構造と同じであり、この場合、上部横バー22の代わりに縦バー31を使用し、上部スライドブロック21の代わりに縦方向スライドブロック32を使用する。縦方向駆動手段のモータが制御手段に電気的に接続される。
【0046】
下ろし装置4は、縦方向スライドブロック32に固定され、受けた貨物を所定の貨物棚5に下ろすように構成される。貨物を受けるとき、下ろし装置4は、フレーム本体1の縁部に移動して、ロボットにより下ろされる貨物を受けることができる。
【0047】
任意で、図1図3に示すように、下ろし装置4は、下ろしサポータ41と、第1減速機44と、反転モータ43と、反転サポータ42と、反転トレー40と、第2減速機46と、揺動モータ47と、揺動バー45とを含む。
【0048】
下ろしサポータ41は、縦方向スライドブロック32に固定される。
【0049】
反転モータ43は、ハウジングが第1減速機44のハウジングに固定され、回転軸が第1減速機44の入力軸に固定され、制御手段に電気的に接続される。
【0050】
反転サポータ42は、第1減速機44の出力軸に固定される。
【0051】
反転トレー40は、反転サポータ42に固定され、貨物を収容するように構成される。
【0052】
第2減速機46は、ハウジングが下ろしサポータ41に固定される。
【0053】
揺動モータ47は、ハウジングが第2減速機46のハウジングに固定され、回転軸が第2減速機46の入力軸に固定され、制御手段に電気的に接続される。
【0054】
反転モータ43および揺動モータ47として、サーボモータを選択することができる。
【0055】
揺動バー45は、一端が第2減速機46の出力軸に固定され、他端が第1減速機44のハウジングに固定される。
【0056】
揺動モータ47が回転することにより第2減速機46を介して揺動バー45を回転駆動して、貨物が収容される反転トレー40を貨物棚2の外部から所定の貨物箱51の上に揺動させることができ、反転モータ43が回転することにより第1減速機44を介して反転サポータ42を回転駆動して、貨物を貨物棚5内に下ろす。
【0057】
貨物の収容量を高めるため、貨物棚5が2列設置され、2列の貨物棚5がフレーム本体1の両側にそれぞれ位置する。下ろし装置4は、揺動モータ47および第2減速機46を利用して反転トレー40を両側の貨物棚5のうちの所定側の貨物棚5の上に回動させて、貨物をそのうちの1つの貨物箱51内に下ろすことができる。
【0058】
各貨物箱51に対してアドレスが付けられ、制御手段は、必要に応じて貨物を指定された貨物箱51内に下ろすことができる。
【0059】
貨物をより多く収容するとともに貨物の取り出しを容易にするため、貨物棚5を積層構造にすることができ、各層に2本の横桟が設置され、2本の横桟により複数の貨物箱51を載置することができ、また貨物箱51を2本の横桟から取り出すことができる。
【0060】
貨物棚5は、移動できるものであり、柔軟に利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本開示の実施例に係る2つの動力源の駆動による平行移動フレームおよびそれに基づく貨物下ろし装置は、調整手段により、縦バーが上部横バーおよび下部横バーに対して適宜に回転し、上下に移動することができ、これによって、トルクと応力をなくし、スライドブロックなどの損壊を防ぐことができる。本開示の実施例に係る2つの動力源の駆動による平行移動フレームおよびそれに基づく貨物下ろし装置は、構造全体がアルミニウム合金製のプロファイル材により構成され、各部分がユニットの形態で形成され、調整可能に組み立てられることが可能であるので、取り付けや調整が柔軟で容易であり、具体的な使用環境に応じて取り付け、調整することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7