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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】模型部品
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/16 20060101AFI20241015BHJP
   A63H 3/48 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
A63H3/16
A63H3/48
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024037374
(22)【出願日】2024-03-11
【審査請求日】2024-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(73)【特許権者】
【識別番号】598088620
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコクラフト
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲吉 太郎
(72)【発明者】
【氏名】魚崎 亮太
【審査官】三村 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-022666(JP,A)
【文献】特開2012-131529(JP,A)
【文献】特開2016-209559(JP,A)
【文献】特開2003-033584(JP,A)
【文献】特開2014-097217(JP,A)
【文献】特開2021-045968(JP,A)
【文献】特開2002-274516(JP,A)
【文献】登録実用新案第3188843(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
模型部品であって、
複数のパーツが接続されて形成されるランナーと、
前記複数のパーツそれぞれに貼付される複数のシール部材を含む粘着シートと
を備え、
前記ランナーには、前記粘着シートを前記ランナーに貼付する際の位置決めを行う複数の突起部が形成され、
前記粘着シートには、前記ランナーに形成された複数の突起部とそれぞれ対応する位置に複数の穴部が形成されることを特徴とする模型部品。
【請求項2】
前記粘着シートは、前記ランナーに貼り付けられる際に、該ランナーの各突起部が対応する各穴部に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の模型部品。
【請求項3】
前記複数の突起部及び前記複数の穴部は、それぞれ少なくとも2つずつ形成されることを特徴とする請求項2に記載の模型部品。
【請求項4】
前記複数の突起部及び前記複数の穴部は、前記ランナーの四辺で形成される外縁のうち、所定の一辺の両端の位置に対応して形成されることを特徴とする請求項3に記載の模型部品。
【請求項5】
前記複数の突起部及び前記複数の穴部は、さらに、前記所定の一辺に対向する辺を接続する2つの辺の中間位置にそれぞれ対応して形成されることを特徴とする請求項4に記載の模型部品。
【請求項6】
前記複数の突起部及び前記複数の穴部は、さらに、前記所定の一辺に対向する辺の両端の位置にそれぞれ対応して形成されることを特徴とする請求項4に記載の模型部品。
【請求項7】
前記複数の突起部及び前記複数の穴部は、さらに、前記所定の一辺に対向する辺の中間位置に対応して形成されることを特徴とする請求項4に記載の模型部品。
【請求項8】
前記複数の突起部は、前記ランナーの四辺で形成される外縁よりも内側のランナーに形成されることを特徴とする請求項3に記載の模型部品。
【請求項9】
前記ランナーは、
前記複数のパーツの少なくとも1つを取り囲むように形成される第1ランナーと、
前記第1ランナーから枝分かれして前記複数のパーツの何れかのパーツに至る第2ランナーとから形成され、
前記複数の突起部は、前記第2ランナーに形成されることを特徴とする請求項8に記載の模型部品。
【請求項10】
前記粘着シートは、前記複数のシール部材を含む両面テープと、前記両面テープの両面をそれぞれ保護する2つの保護シートとで形成され、
前記粘着シートが前記ランナーに貼付される際に、前記2つの保護シートのうち一方の保護シートが剥がされることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の模型部品。
【請求項11】
前記2つの保護シートのうちの他方の保護シート及び前記両面テープには、前記複数のパーツのそれぞれの形状に沿って切れ込みを有することを特徴とする請求項10に記載の模型部品。
【請求項12】
前記他方の保護シートを剥がすと、前記複数のパーツの裏面においては、前記両面テープと前記他方の保護シートとが残留することを特徴とする請求項11に記載の模型部品。
【請求項13】
前記2つの保護シートのうち一方の保護シートは、1つ以上の切れ込みが形成されていることを特徴とする請求項10に記載の模型部品。
【請求項14】
前記2つの保護シートのうち一方の保護シートは、他方の保護シート及び前記両面テープよりもサイズが大きいことを特徴とする請求項10に記載の模型部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型部品に関する。
【背景技術】
【0002】
模型玩具には、組立完成後においてディテールを向上させるためにカスタマイズを行うパーツを取り付けることが知られている。このようなカスタムパーツは、完成品に形成された穴部に差し込んだり、完成品に穴部を開けて差し込んだり、接着剤を使用して貼り付けたりすることにより取り付けられるものである。しかし、穴部にパーツを差し込む場合には取り付け位置が限定されるものであり、接着剤で貼り付ける場合は失敗した場合にやり直すことが困難であるという問題がある。
【0003】
一方でカスタマイズを両面テープなどで貼り付けることも考えられる。その場合、パーツの裏面にパーツサイズにカットした両面テープを貼り付ける必要があり、小さなカスタムパーツに対しては両面テープを貼り付けることは非常に大変な作業となる。特許文献1には、複雑な形状のシール貼付位置であっても、指定位置に容易にシールを貼付することができるシール貼付治具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-131529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術ではパーツに対してシール部材を容易に貼り付ける技術が提案されているが、そもそも一つ一つのパーツに対してシール部材を貼り付ける必要があり、複数のパーツへ貼り付ける必要がある場合には手間の掛かる作業となっていた。したがって、ランナーに接続されている複数のパーツに対してまとめてシール部材を貼付することができれば非常に作業効率を向上させることができる。また、そもそもランナーに接続された状態のパーツに対してシールを貼り付ける技術については提案されておらず、新規な仕組みが求められていた。
【0006】
本発明は、例えば、ランナーに接続されているパーツに対してシール部材を好適に貼付する新規な仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば、模型部品であって、複数のパーツが接続されて形成されるランナーと、前記複数のパーツそれぞれに貼付される複数のシール部材を含む粘着シートとを備え、前記ランナーには、前記粘着シートを前記ランナーに貼付する際の位置決めを行う複数の突起部が形成され、前記粘着シートには、前記ランナーに形成された複数の突起部とそれぞれ対応する位置に複数の穴部が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、ランナーに接続されているパーツに対してシール部材を好適に貼付する新規な仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る模型玩具の全体正面を示す図。
図2】一実施形態に係る模型部品が接続されたランナーを示す図。
図3】一実施形態に係る模型部品が接続されたランナーに貼付される粘着シートを示す図。
図4】一実施形態に係る粘着シートをランナーに貼付する様子を示す図。
図5】一実施形態に係るランナーに形成される突起部の配置パターンの変形例を示す図。
図6】一実施形態に係る粘着シートに形成される切り込みを示す図。
図7】一実施形態に係る模型部品が接続されたランナーの変形例を示す図。
図8】一実施形態に係る模型部品が接続されたランナーに貼付される粘着シートの変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<第1の実施形態>
<模型玩具の外観>
以下では本発明の第1の実施形態について説明する。まず図1を参照して、本実施形態に係る模型玩具について説明する。図1は模型玩具の外観正面を示す。なお、x,y,zの矢印はそれぞれ模型玩具における上、左、前方向の向きを示す。
【0012】
模型玩具100は、本体部を構成する頭部101、胴体部102、腕部103a、103b、及び脚部104a、104bを備える。本実施形態では模型玩具の一例として人型ロボットを例に説明するが、本発明を限定する意図はなく、本発明は人、動物、ロボット、昆虫、恐竜、武具、装飾具等、様々な模型に適用することができる。頭部101は、胴体部102に連結される。胴体部102には、さらに側部において右腕部103b及び左腕部103aが連結部材によって連結され、下部において右脚部104b及び左脚部104aが連結される。
【0013】
本実施形態に係る模型玩具100は、組立完成後において、さらに、ディテールを向上させるカスタムパーツを取り付けることができる。図1に示すように、例えば組立完成後の模型玩具100に対してカスタムパーツ111、112、113を取り付けることができる。本実施形態によれば、このようなカスタムパーツをシール部材によって組立完成後の模型玩具100へ貼り付けるものである。ここではシール部材として両面テープを適用する例について説明するが、模型玩具本体とカスタイマイズパーツとの両方に貼付可能な機能を有する部材であれば適用可能である。
【0014】
<模型部品(ランナー)の構成>
次に図2を参照して、本実施形態に係るランナーの構成例について説明する。なお、x,y,zの矢印はそれぞれ複数のパーツが接続されたランナーにおける上、左、前方向の向きを示す。ここで、ランナーとは、プラモデル等の模型玩具において組立前の複数のパーツが接続され、取り囲むように配置されたプラスチックの棒状の部分を示す。また、接続された複数のパーツを含めて全体をランナーと称する場合もある。ここでは、複数のパーツを含むランナー全体を示す場合は「模型部品」と称する。
【0015】
図2(a)は、模型部品200の表面を示す。模型部品200は、ランナー201、ゲート202、及びパーツ203を含んで構成される。複数のパーツ(カスタムパーツ)203は、ランナー201に取り囲まれ、ゲート202を介してランナー201に接続されている。ランナー201、ゲート202、及びパーツ203は同じ材料(プラスチック)を金型に流し込んで成形される。ゲート202は、ランナー201とパーツ203を接続する部分であり、金型に流れ込んだプラスチックがランナーを流れてパーツの部分に流れ込む入口となる。ゲート202はランナー201と比較して幅が細くなっているため、パーツ203をランナー201から容易に切り離すことができる。なお、図2(a)に示す模型部品200の表面においては、各パーツについてもそれぞれが表面を向けて接続されている。
【0016】
図2(b)は、模型部品200の裏面を示す。なお、図2(b)によれば、各パーツ203が裏面であることを示すために、網掛けで示している。模型部品200の裏面では、各パーツ203についてもそれぞれが裏面を向いている。本実施形態によれば、模型部品200の裏面に粘着シートが貼付される。つまり、各パーツ203の裏面に粘着シートが貼付されることになる。模型部品200の裏面には、突起部211~214が設けられる。
【0017】
各突起部211~214は、模型部品200のランナー201のうち四辺で形成される外縁に設けられる。本実施形態によれば、突起部211、212は、上記四辺で形成される外縁のうち、所定の異変の両端の位置に対応して形成される。さらに、突起部213、214は、所定の一辺に対向する辺を接続する2つの辺の中間位置にそれぞれ対応して形成される。
【0018】
なお、各突起部の形成位置は一例であり、本発明を限定する意図はない。他の配置パターンについては図5を用いて後述する。これらの突起部は、後述する粘着シート300に設けられた対応する穴部に挿入されることにより、粘着シート300を模型部品200へ貼付する際の位置決めをサポートする。本実施形態では、複数のパーツ203がランナー201に接続された状態で、まとめてシール部材である粘着シート300を貼付する。これにより、各パーツへのシール部材の貼付という大変な作業を一括で行うことができ、より効率的にカスタムパーツの取り付けを行うことができる。一方で、比較的大きな範囲にシール部材を貼付するため、一部分の位置がずれてしまうと、当該位置から離れた部分はさらに大きくずれが発生してしまう。よって粘着シート300を模型部品200へ貼付する際の位置決めは重要であり、それをサポートするために上記突起部を設けている。
【0019】
図2(c)は模型部品200の側面図を示す。図中上側が模型部品200の裏面であり、図中下側が模型部品200の表面となる。図2(c)に示すように、突起部212、214はランナー201から模型部品200の裏面方向に突起して形成される。突起部211、213についても同様である。
【0020】
<粘着シートの構成>
図3を参照して、本実施形態に係る粘着シートの構成例を説明する。なお、x,y,zの矢印はそれぞれ粘着シートにおける上、左、前方向の向きを示す。図3(a)は、粘着シート300の裏面から見た図を示す。図3(b)は粘着シート300の側面図を示す。
【0021】
図3(a)及び図3(b)に示すように、粘着シート300は、保護シート301、302と、両面テープ303とを含んで構成される。両面テープ303の表面、裏面の接着面には、それぞれ保護シート301、302が貼り付けられている。保護シート301が両面テープ303の表面に貼付され、保護シート302が両面テープ303の裏面に貼付される。また、2つの保護シート301、302のうち一方の保護シート301は、他方の保護シート302及び両面テープ303よりもサイズが大きく形成される。粘着シート300を模型部品200へ貼り付ける際に、まず保護シート301を剥がす必要があるが、上記サイズの違いにより容易に剥がすことができる。
【0022】
保護シート302及び両面テープ303には、複数のパーツ203のそれぞれの形状に沿って切れ込み304を有する。図中では、一例として所定のパーツに対応する切れ込みに対して参照符号(304)を付しており、他のパーツに対応する切れ込みついては参照符号を付していない。また、図3(b)では、説明を容易にするため、切れ込み304のみ示しており、他のパーツに対応する切れ込みついては省略して示している。このように、本実施形態によれば、各パーツ203に対応して保護シート302及び両面テープ303に切れ込みを形成することにより、粘着シート300を模型部品200へ貼り付けた後に保護シート302を剥がすことにより、各パーツに対してそれぞれ保護シート302の一部と両面テープ303の一部とをシール部材として残留させることができる。これにより、所望のパーツをランナー201から取り外して、当該裏面に貼付されているシール部材の保護シート302を剥がして、カスタムパーツとして模型玩具100へ容易に取り付けることができる。
【0023】
また、保護シート302及び両面テープ303には、それぞれ穴部311~314が設けられる。これらの穴部は模型部品200の裏面に形成された突起部211~214に対応した位置に形成される。したがって、粘着シート300を模型部品200へ貼り付ける際には、突起部211~214がそれぞれ穴部311~314に挿入され、正確に位置決めを行うことができる。図3(b)に示すように、穴部311~314は保護シート302及び両面テープ303に渡って貫通孔として形成される。
【0024】
図6は粘着シートの変形例を示す。図6に示すように、保護シート301には1以上の切れ込み601、602、603が形成されてもよい。切れ込み601~603は図中下部に向けて保護シート301を横断するように形成される。このような切れ込みを設けることにより、容易に保護シート301を剥がすことができる。また、模型部品200への貼り付けに合わせて、順に剥がすようにすることも可能である。例えば、保護シート301全体を一度に剥がしてしまうと、貼付作業の際に指等に粘着する虞があり、そのような煩わしさを解消することができる。
【0025】
<粘着シートのランナーへの貼付>
図4を参照して、本実施形態に係るランナーに粘着シートを貼付する作業について説明する。図4(a)は、粘着シート300の保護シート301を剥がした後に模型部品200に対して貼り付けている様子を示す。この際、模型部品200の裏面に形成された突起部211~214に対して、粘着シート300に形成された穴部311~314が嵌まるように貼り付けられる。図4(a)は粘着シート300を貼り付けている途中の様子を示しており、まず各突起部に各穴部を嵌め込むように貼り付け、その後に残りの部分を矢印方向に貼り付けている様子を示す。このように突起部及び穴部を利用して正確に位置決めしつつ貼り付け作業を容易に行うことができる。
【0026】
図4(b)は粘着シート300を模型部品200の裏面に貼り付けた後の様子を示す。このように、模型部品200の裏面の全体に渡って粘着シート300が貼り付けられる。この状態において、粘着シート300の保護シート302が図中最上面に位置している。
【0027】
図4(c)は図4(b)の状態から保護シート302を剥がした状態を示す。保護シート302を剥がすと、各パーツ203の部分は両面テープの一方の面が接着しているため、パーツ以外の部分が剥がれる。この際、パーツの形状に沿った切り込みは保護シート302に加えて両面テープ303にも形成されているため、パーツ以外の部分においては両面テープ303も保護シート302に従って剥がれる。従って、図4(c)の状態では、各パーツ203の部分についてのみ保護シート302及び両面テープ303が残留している。
【0028】
<突起部の配置パターン>
図5を参照して、本実施形態に係るランナーにおける突起部の配置パターンについて説明する。上記実施形態では、突起部211~214と穴部311~314の所定の配置パターンについて説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、位置決め可能な配置パターンであれば任意の配置パターンを適用することができる。より詳細には、位置決めするためには模型部品200上で粘着シート300が回転しないよう制限することができればよい。そのためには、突起部及び穴部がそれぞれ少なくとも2つずつ形成されることが必要である。なお、以下で説明する突起部の配置パターンの何れかを適用する場合、粘着シート300に形成される穴部の配置パターンも対応して配置される。
【0029】
配置パターン501、502は、2つの突起部を有する配置パターンを示す。配置パターン501では、ランナーの四辺で形成される外縁のうち、所定の一辺の両端の位置に対応して形成される。配置パターン502では、ランナーの四辺で形成される外縁のうち、所定の頂点付近と、該頂点付近と対角に位置する頂点付近とに対応して形成される。
【0030】
配置パターン503、504は3つの突起部を有する配置パターンを示す。配置パターン503では、配置パターン501の配置に加えて、上記所定の一辺に対向する辺上に1つの突起部が形成される。配置パターン503では、当該辺上の中間位置に突起部が形成される例を示すが、任意の位置でよい。例えば当該辺上の両端のうち一方の端部でもよい。配置パターン504では、異なる三辺にそれぞれ1つの突起部を形成する例を示す。なお、3つの突起部が一直線上に配置されないことが望ましい。
【0031】
配置パターン505、506は4つの突起部を有する配置パターンを示す。配置パターン505では、配置パターン501の配置に加えて、上記所定の一辺に対応する辺上の両端に突起部が形成される。言い換えれば、配置パターン505では、ランナーの四辺で形成される外縁のうち4つの頂点にそれぞれ突起部が形成される。配置パターン506では、配置パターン501に加えて、上記所定の一辺に対向する辺に1つの突起部が形成され、さらに、上記所定の一辺と上記対向する辺とを接続する2つの辺のうちの一方の辺の中間位置に1つの突起部が形成される。
【0032】
配置パターン507、508はそれぞれ5つの突起部と6つの突起部とを有する配置パターンを示す。配置パターン507では、図2(b)の配置パターンに加えて、記所定の一辺と対向する辺上の任意の位置に1つの突起部を形成する。配置パターン508では、図2(b)の配置パターンに加えて、記所定の一辺と対向する辺の両端にそれぞれ突起部を形成する。
【0033】
このように、本発明においては種々の配置パターンで突起部及び穴部を設けることが可能である。このように、本発明によれば、模型部品のサイズや形状に応じて、種々の配置パターンで突起部及び穴部を設けることができ、粘着シートの位置決めを容易に行うことができる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る模型部品は、複数のパーツが接続されて形成されるランナーと、複数のパーツそれぞれに貼付される複数のシール部材を含む粘着シートとを備える。ランナーには、粘着シートをランナーに貼付する際の位置決めを行う複数の突起部が形成され、粘着シートには、ランナーに形成された複数の突起部とそれぞれ対応する位置に複数の穴部が形成される。このように、本実施形態によれば、ランナーに接続されている複数のパーツに対してまとめてシール部材を好適に貼付することができる。
【0035】
<第2の実施形態>
以下では本発明の第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態では、パーツを囲むように配置されているランナー201の外枠部分に突起部211~214を設ける形態について説明した。この場合、粘着シート300に形成される穴部311~314についても突起部211~214と対応する位置に形成されるため粘着シート300の外縁付近に形成されることとなる。また、穴部311~314を設けるためには、粘着シート300の外縁部分から所定幅のクリアランス(余裕)が必要となる。したがって、上記第1の実施形態では粘着シート300のサイズは模型部品200のサイズよりも大きく形成されることとなる。製品によって粘着シートのサイズに制限を設ける必要があり、その場合には模型部品を小型化する必要があり十分なパーツ数を確保できない可能性もある。
【0036】
そこで、本実施形態では、模型部品の外側を囲むように形成されたランナーよりも内側に位置するランナーに突起部を設ける形態について説明する。これにより、粘着シートのサイズを低減することができ、模型部品をより大きく設計することが可能となる。
【0037】
<模型部品(ランナー)の構成>
図7を参照して、本実施形態に係るランナーの構成例について説明する。なお、x,y,zの矢印はそれぞれ複数のパーツが接続されたランナーにおける上、左、前方向の向きを示す。図2に示すランナーと同様の構成については同一の参照符号を付し説明を省略する。
【0038】
図7(a)は、本実施形態に係る模型部品700の裏面を示す。模型部品700の裏面には、突起部701~704が設けられる。突起部701~704はランナーのうち外枠部分ではなくランナーの内側部分に設けられている。ここで、ランナーにはパーツを囲むように配置されるランナー(第1ランナーと称する。)と、上記第1ランナーから枝分かれしてパーツまで至るランナー(第2ランナーと称する。)とが含まれる。上記第1の実施形態では、第1ランナーのうち最外の位置に設けられたランナーに突起部211~214を設ける例を示した。
【0039】
一方で、本実施形態に係る模型部品700では、パーツに至る部分の第2ランナーに突起部701~704が設けられる。言い換えれば、各突起部701~704はランナーの外縁よりも内側に設けられる。より詳細には、各突起部701~704は、ランナーの外縁よりも5mm以上内側に設けられることが望ましい。これにより、粘着シートのサイズが模型部品のサイズを超えることがなくなり、模型部品700のサイズを設計する際に、粘着シートのサイズを考慮して制限する必要がなくなる。なお、各突起部の形成位置は一例であり、本発明を限定する意図はない。上記第1の実施形態において図5を用いて説明したように、突起部の形成位置及びその数は一例であり、他の形成位置や数を除外するものではない。
【0040】
図7(b)は模型部品700の側面図を示す。図中上側が模型部品700の裏面であり、図中下側が模型部品700の表面となる。図7(b)に示すように、突起部702、704はランナー201から模型部品700の裏面方向に突起して形成される。突起部701、703についても同様である。
【0041】
<粘着シートの構成>
図8を参照して、本実施形態に係る粘着シートの構成例を説明する。なお、x,y,zの矢印はそれぞれ粘着シートにおける上、左、前方向の向きを示す。図8(a)は、粘着シート800の裏面から見た図を示す。図8(b)は粘着シート800の側面図を示す。
【0042】
図8(a)及び図8(b)に示すように、保護シート302及び両面テープ303には、それぞれ穴部801~804が設けられる。これらの穴部は模型部品700の裏面に形成された突起部701~704に対応した位置に形成される。したがって、粘着シート800を模型部品700へ貼り付ける際には、突起部701~704がそれぞれ穴部801~804に挿入され、正確に位置決めを行うことができる。図8(b)に示すように、穴部801~804は保護シート302及び両面テープ303に渡って貫通孔として形成される。
【0043】
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。例えば模型玩具の形状は、特に限定されるものではなく、人、動物、ロボット、昆虫、恐竜等、様々な形状を含むものである。
【0044】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の模型玩具、及び可動構造体を少なくとも開示する。
(1)
模型部品であって、
複数のパーツが接続されて形成されるランナーと、
前記複数のパーツそれぞれに貼付される複数のシール部材を含む粘着シートと
を備え、
前記ランナーには、前記粘着シートを前記ランナーに貼付する際の位置決めを行う複数の突起部が形成され、
前記粘着シートには、前記ランナーに形成された複数の突起部とそれぞれ対応する位置に複数の穴部が形成されることを特徴とする模型部品。
(2)
前記粘着シートは、前記ランナーに貼り付けられる際に、該ランナーの各突起部が対応する各穴部に挿入されることを特徴とする(1)に記載の模型部品。
(3)
前記複数の突起部及び前記複数の穴部は、それぞれ少なくとも2つずつ形成されることを特徴とする(2)に記載の模型部品。
(4)
前記複数の突起部及び前記複数の穴部は、前記ランナーの四辺で形成される外縁のうち、所定の一辺の両端の位置に対応して形成されることを特徴とする(3)に記載の模型部品。
(5)
前記複数の突起部及び前記複数の穴部は、さらに、前記所定の一辺に対向する辺を接続する2つの辺の中間位置にそれぞれ対応して形成されることを特徴とする(4)に記載の模型部品。
(6)
前記複数の突起部及び前記複数の穴部は、さらに、前記所定の一辺に対向する辺の両端の位置にそれぞれ対応して形成されることを特徴とする(4)に記載の模型部品。
(7)
前記複数の突起部及び前記複数の穴部は、さらに、前記所定の一辺に対向する辺の中間位置に対応して形成されることを特徴とする(4)に記載の模型部品。
(8)
前記複数の突起部は、前記ランナーの四辺で形成される外縁よりも内側のランナーに形成されることを特徴とする(3)に記載の模型部品。
(9)
前記ランナーは、
前記複数のパーツの少なくとも1つを取り囲むように形成される第1ランナーと、
前記第1ランナーから枝分かれして前記複数のパーツの何れかのパーツに至る第2ランナーとから形成され、
前記複数の突起部は、前記第2ランナーに形成されることを特徴とする(8)に記載の模型部品。
(10)
前記粘着シートは、前記複数のシール部材を含む両面テープと、前記両面テープの両面をそれぞれ保護する2つの保護シートとで形成され、
前記粘着シートが前記ランナーに貼付される際に、前記2つの保護シートのうち一方の保護シートが剥がされることを特徴とする(1)乃至(9)の何れか1つに記載の模型部品。
(11)
前記2つの保護シートのうちの他方の保護シート及び前記両面テープには、前記複数のパーツのそれぞれの形状に沿って切れ込みを有することを特徴とする(10)に記載の模型部品。
(12)
前記他方の保護シートを剥がすと、前記複数のパーツの裏面においては、前記両面テープと前記他方の保護シートとが残留することを特徴とする(11)に記載の模型部品。
(13)
前記2つの保護シートのうち一方の保護シートは、1つ以上の切れ込みが形成されていることを特徴とする(10)乃至(12)の何れか1つに記載の模型部品。
(14)
前記2つの保護シートのうち一方の保護シートは、他方の保護シート及び前記両面テープよりもサイズが大きいことを特徴とする(10)乃至(13)の何れか1つに記載の模型部品。
【0045】
100:模型玩具、101:頭部、102:胴体部、103a、103b:腕部、104a、104b:脚部、111、112、113:カスタムパーツ、200:模型部品、201:ランナー、202:ゲート、203:パーツ、211~214:突起部、300:粘着シート、301、302:保護シート、303:両面テープ、311~314:穴部
【要約】
【課題】本発明は、例えばランナーに接続されているパーツに対してシール部材を好適に貼付する新規な仕組みを提供する。
【解決手段】本模型部品は、複数のパーツが接続されて形成されるランナーと、複数のパーツそれぞれに貼付される複数のシール部材を含む粘着シートとを備える。ランナーには、粘着シートをランナーに貼付する際の位置決めを行う複数の突起部が形成され、粘着シートには、ランナーに形成された複数の突起部とそれぞれ対応する位置に複数の穴部が形成される。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
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図8