IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メリクス,インク.の特許一覧 ▶ ザ ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒルの特許一覧 ▶ ベータ ファーマシューティカルズ カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7571354キナーゼ阻害剤の多形体、このような化合物を含有する医薬組成物、調製方法、および適用
<>
  • 特許-キナーゼ阻害剤の多形体、このような化合物を含有する医薬組成物、調製方法、および適用 図1
  • 特許-キナーゼ阻害剤の多形体、このような化合物を含有する医薬組成物、調製方法、および適用 図2
  • 特許-キナーゼ阻害剤の多形体、このような化合物を含有する医薬組成物、調製方法、および適用 図3
  • 特許-キナーゼ阻害剤の多形体、このような化合物を含有する医薬組成物、調製方法、および適用 図4
  • 特許-キナーゼ阻害剤の多形体、このような化合物を含有する医薬組成物、調製方法、および適用 図5
  • 特許-キナーゼ阻害剤の多形体、このような化合物を含有する医薬組成物、調製方法、および適用 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】キナーゼ阻害剤の多形体、このような化合物を含有する医薬組成物、調製方法、および適用
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20241016BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
C07D487/04 140
A61K9/20
A61K9/48
A61K31/519
A61K45/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 105
A61P43/00 111
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021560457
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 US2020026167
(87)【国際公開番号】W WO2020205967
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】62/828,055
(32)【優先日】2019-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521441146
【氏名又は名称】メリクス,インク.
(73)【特許権者】
【識別番号】501345323
【氏名又は名称】ザ ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF NORTH CAROLINA AT CHAPEL HILL
(73)【特許権者】
【識別番号】521439121
【氏名又は名称】ベータ ファーマシューティカルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シャオドン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ウェイへ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シャンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,チャンロン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ゾンクアン
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/157128(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/062797(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/006548(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/052417(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0354970(US,A1)
【文献】Katherine A. MINSON et al.,The MERTK/FLT3 inhibitor MRX-2843 overcomes resistance-conferring FLT3 mutations in acute myeloid leukemia,JCI Insight,2013年03月17日,Vol. 1, No. 3
【文献】Bipul SARMA et al.,Solid forms of pharmaceuticals: Polymorphs, salts and cocrystals,Korean Journal of Chemical Engineering,2011年01月31日,Vol. 28, No. 2,p.315-322
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/04
A61K 9/20
A61K 9/48
A61K 31/519
A61K 45/00
A61P 35/00
A61P 35/02
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、その水和物、および/またはその溶媒和物の結晶形態、
【化1】
【請求項2】
前記結晶形態が、5.7±0.2°、17.7±0.2°、19.7±0.2°、22.7±0.2°、および23.2±0.2°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項3】
前記結晶形態が、以下の図1に示される前記X線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶形態。
【数1】

【請求項4】
前記結晶形態が、9.0±0.2°、16.6±0.2°、24.2±0.2°、24.6±0.2°、および24.8±0.2°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項5】
前記結晶形態が、以下の図2に示される前記X線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項4に記載の結晶形態。
【数2】

【請求項6】
前記結晶形態の純度が、≧85%である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項7】
前記結晶形態が、以下の図3に示されるDSC-TGAパターンによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶形態。
【数3】

【請求項8】
前記結晶形態が、以下の図4に示されるDSC-TGAパターンによって特徴付けられる、請求項4に記載の結晶形態。
【数4】

【請求項9】
請求項1に記載の結晶形態、ならびに医薬的に許容される賦形剤、アジュバント、および/または担体を含む、医薬組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの追加の治療剤をさらに含む、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
患者の疾患、症状、または状態を治療するための医薬組成物であって、前記医薬組成物が、請求項1に記載の結晶形態、ならびに医薬的に許容される賦形剤、アジュバント、および/または担体を含み、前記疾患、症状、または状態が、Merおよび/またはFLT3によって媒介される、医薬組成物。
【請求項12】
前記疾患、症状、または状態が、骨髄性白血病、リンパ芽球性白血病、黒色腫、乳がん、肺がん、結腸がん、肝臓がん、胃がん、腎臓がん、卵巣がん、子宮がん、および脳がんからなる群から選択されるがんおよび/または増殖性疾患である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
請求項1に記載の式Iの化合物の調製のための方法であって、前記方法が、
a)化合物M-1を化合物M-2と接触させて、化合物M-3を得ることと、
b)化合物M-3をパラジウム触媒の存在下で化合物M-4と接触させて、化合物M-5を得ることと、
c)結晶化法を実施して、
前記式Iの化合物を得ることと、を含む、方法。
【化2】
【請求項14】
請求項1に記載の結晶形態を調製するための方法であって、前記方法が、
a)M-5、HOAc、活性炭、およびSi-チオールを反応フラスコ内で混合することと、
【化3】

b)混合物を室温でブレンドすることと、
c)ステップbからの前記混合物を濾過することと、
d)0℃±5℃の温度で、ステップcからの濾液に3NのHCl CPMEを添加することと、
e)ステップdからの前記混合物を濾過して、
請求項1に記載の結晶形態を得ることと、を含み、
又は
a)M-5および酢酸を溶解するまで反応容器内で混合することと、
b)Si-チオールおよび活性炭を添加することと、
c)温度が15~20℃で制御されている間に、得られた混合物を一定期間撹拌することと、
d)ステップcからの前記混合物を濾過することと、
e)ステップdからの濾液に3NのHCL CPMEを添加することと、
f)ステップeからの前記混合物にメチルtert-ブチルエーテルを添加することと、
g)ステップfからの前記混合物を濾過して固体を得ることと、
h)ステップgで得られた前記固体に酢酸エチルを添加することと、
i)得られた前記混合物を濾過して、
請求項1に記載の結晶形態を得ることと、を含む、方法。
【請求項15】
請求項4に記載の結晶形態を調製する方法であって、前記方法が、
a)請求項1に記載の結晶形態をエタノール中で混合することと、
b)混合物を濾過して固体試料を得ることと、
c)前記固体試料をエタノール水溶液に添加することと、
d)前記混合物を、粉砕しながら撹拌することと、
e)得られた前記固体を濾過して、
請求項4に記載の結晶形態を得ることと、を含み、
又は
a)請求項1に記載の式Iの化合物を7.5%v/vエタノール水溶液と混合することと、
b)混合物を一定期間加熱することと、
c)前記混合物をおよそ室温に冷却することと、
d)得られた前記混合物を濾過して、
請求項4に記載の結晶形態を得ることと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、医薬結晶形態の分野の範囲内であり、具体的には、キナーゼ阻害剤の多形体、このような化合物を含有する医薬組成物、その調製方法、および適用に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)は、リン酸基をタンパク質チロシン残基に転移するように機能する酵素の主要なファミリーであり、したがって、フェノール性ヒドロキシル基を活性化する。PTKは、細胞増殖および悪性腫瘍のプロセスにおいて重要な役割を果たす。PTKとしては、受容体PTK(受容体チロシンキナーゼ、RTK)および非受容体PTKが挙げられる(Zhang,Z.Y.,“Functional studies of protein tyrosine phosphatases with chemical approaches,”Biochim Biophys Acta,2005,1754(1-2):100-107を参照されたい)。
【0003】
RTKファミリーは、内因性PTK活性を有するシングルパス受容体である。これまでに、主に、肝細胞増殖因子受容体、上皮増殖因子受容体、血小板由来増殖因子受容体、インスリンおよびインスリン様増殖因子-1受容体、神経成長因子受容体、線維芽細胞増殖因子受容体、ならびに血管内皮増殖因子受容体を含む、20のサブファミリーに属する50種超のRTKが同定されている。これらは、細胞増殖、アポトーシス、分化、および代謝に関連するシグナル伝達経路の調節において重要な役割を果たす。RTKファミリーメンバーは、リガンドに結合する細胞外部分、膜貫通部分、ならびにPTK活性および下流シグナルタンパク質結合部位を有する細胞内部分を含む、3つの構成要素からなる。
【0004】
Merチロシンキナーゼ(Mer TK)は、TAM(Axl/Tyro-3/Mer)RTKファミリーに属する。ヒトのMer遺伝子は、1994年にGrahamによって見出された(Graham,D.K.et al.,“Cloning and mRNA expression analysis of a novel human proto-oncogene,c-mer,”Cell Growth Differ.,1994,5(6):647-657を参照されたい)。遺伝子は2q14.1に位置し、全長は130,755kbであり、コード中に999アミノ酸を含む19個のエクソンを含有し、相対分子量は約109,000である。Merタンパク質は、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内キナーゼドメインからなる。細胞外ドメインは、2つの免疫グロブリンドメインおよび2つのフィブロネクチンドメインからなる。免疫グロブリンドメインは、増殖停止特異的遺伝子6(Gas6)でコードされるタンパク質産物の組み合わされたドメインであり、一方、フィブロネクチンドメインは、MerおよびGas6の組み合わせにおいて調節的な役割を果たす。受容体PTKサブファミリーの細胞内キナーゼドメイン固有のKWIAIES配列は、3つの任意選択的なチロシン残基(Y-749、Y-753およびY-754)を有し、これは、自己リン酸化部位としてMerを調節し、下流シグナル分子(ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)/ポルテインキナーゼB(PKB)およびマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK))と相互作用することができる。Merキナーゼの活性化は、3つのチロシン残基の完全なリン酸化を必要とする(Ling,L.et al.,“Identification of the major autophosphorylation sites of Nyk/Mer,an NCAM-related receptor tyrosine kinase,”Biol.Chem.,1996,271(31):18355-18362を参照されたい)。
【0005】
Merは、正常なTおよびBリンパ球ならびに顆粒球では発生しないが、いくつかの悪性血液学的疾患細胞株、例えば、Jurkat、PEER、K562、およびRajiにおいてMerの異常発現が報告されている(Graham,D.K.,et al.,“Cloning and mRNA expression analysis of a novel human proto-oncogene,c-mer,”Cell Growth Differ.,1994,5(6):647-657を参照されたい)。これは、Merがいくつかの悪性血液疾患に関連することを示す。Mer TKはまた、リンパ芽球の薬物耐性を増加させる。ヒト急性リンパ芽球性白血病(ALL)細胞株の研究において、Mer TKの発現はまた、ALLの治療における薬物の薬物耐性を増加させることができることが見出されている(Linger,R.M.,et al.,“Mer receptor tyrosine kinase is a novel therapeutic target in pediatric B-cell acute lymphoblastic leukemia,”Blood,2009,114(13):2678-2687を参照されたい)。インビボ実験はさらに、Mer TKの阻害が、白血病細胞の生存率を低下させることができ、他の化学療法との相乗効果を有することができることを証明した(Lee-Sherick,A.B.,et al.,“Targeting pediatric acute lymphoblastic leukemia:novel therapies currently in development,”Br.J.Haematol.,2010,151(4):295-311、Nguyen,K.et al.,“Factors influencing survival after relapse from acute lymphoblastic leukemia:a children’s oncology group study,”Leukemia,2008,22(12):2142-2150、Scott,R.S.et al.,“Phagocytosis and clearance of apopotic cells is mediated by Mer,”Nature,2001,411(6834):207-211を参照されたい)。したがって、Merチロシンキナーゼ阻害剤(Mer TKI)は、ALLの治療における有効な薬物である。
【0006】
FMS様チロシンキナーゼ(FLT3)は、III型受容体PTKファミリーに属する。FLT3の遺伝子は、染色体13q12に位置し、全長は約100kbであり、コード中に993アミノ酸を含む24個のエクソンを含有する。相対分子量は130,000であり、その相対分子量は非グリコシル化形態で160,000である。FLT3は、5つの免疫グロブリン様ドメインを含むN末端細胞外ドメイン、1つの膜貫通ドメイン、および1つの細胞内キナーゼドメイン(膜近傍ドメインおよびキナーゼ触媒ドメインを含む)からなる。細胞内キナーゼドメインのキナーゼ触媒ドメインは、N末端、活性化ループを含有するC末端、およびATPについての結合部位を含有するフレキシブルなキナーゼ挿入ドメインからなる(Liao,J.J.,“Molecular recognition of protein kinase binding pockets for design of potent and selective kinase inhibitor,”J.Med.Chem.,2007,50(3):409-424を参照されたい)。
【0007】
FLT3変異は、FLT3の異常活性化の主な原因である。3つの主要な変異型である、膜近傍ドメインの内部縦列重複(ITD)、TKD変異、および膜近傍ドメイン点変異が存在する。FLT3の異常活性化は、ALL、急性骨髄性白血病(AML)、および慢性骨髄性白血病(CML)を引き起こす場合がある(Hatzimichael,E.et al.,“Profile of pacritinib and its potential in the treatment of hematologic disorder,”J.Blood Med.,2014,5:143-152を参照されたい)。研究により、AML患者およびALL患者の70%超が、FLT3を高発現することが示されている(Smith,C.C.,et al.,“Validation of ITD mutations in FLT3 as a therapeutic target in human an acute myeloid leukaemia,”Nature,2012,485(7397):260-263を参照されたい)。したがって、FLT3を使用して、白血病を標的として治療することができる。
【0008】
現在、多くのMer PTK阻害剤およびFLT3 PTK阻害剤が報告されている。例えば、Wangらによって設計され、開発されたピロロピリミジン化合物MRX-2843は、TAM PTKおよび他の関連PTKのAxl/Tyro-3などの他のファミリーメンバーの阻害を示すことに加えて、Mer PTKおよびFLT3 PTKの二重の高効率阻害剤である。MRX-2843の構造は、WO2013/052417A1およびCN103958510Aに開示されており、以下に示される:
【化1】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特定の有機薬物化合物の多形体は、それらの固有の三次元構造により、溶解度、吸湿性、および安定性などの異なる物理特性を有する。しかしながら、一般的に、特定の有機薬物化合物が異なる結晶形態を形成するかどうかを予測することは不可能であり、結晶形態自体の構造および特性を予測する可能性は低い。医薬的に許容される化合物の新規の結晶形態または多形形態を調査することは、製剤科学者が利用可能な材料の多様性を拡大しながら、医薬製品の全体的な性能を改善する機会を提供する。有用な化合物の新規の結晶形態を発見することによって、製剤の多様性を拡大することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】式Iの化合物の結晶形態1のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
図2】式Iの化合物の結晶形態2のX線粉末回折パターンを示す。
図3】式Iの化合物の結晶形態1の示差熱-熱重量分析(DSC-TGA)パターンを示す。
図4】式Iの化合物の結晶形態2のDSC-TGAパターンを示す。
図5】式Iの化合物の結晶形態1の13C-NMRパターンを示す。式Iの化合物および結晶形態2の試料の13C-NMRパターンは、図5のものと一致する。
図6】式Iの化合物の結晶形態2のH-NMRパターンを示す。式Iの化合物および結晶形態1の試料のH-NMRパターンは、図6のものと一致する。
【0012】
発明の概要
本開示の発明は、式Iの化合物:(トランス)-4-((2-シクロプロピルエチル)アミノ)-5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンゼン-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロヘキサノール三塩酸塩を対象とする。
【化2】


本発明はまた、式Iの化合物、その水和物、および/またはその溶媒和物の複数の実質的に純粋な結晶形態に関する。
【0013】
本発明では、式Iの化合物、その化合物の水和物、および/または溶媒和物は、1つ以上の結晶形態で存在する。
【0014】
一実施形態では、式Iの化合物、その水和物、および/またはその溶媒和物の結晶形態が提供される。一実施形態では、X線粉末回折パターンが、5.7±0.2°、17.7±0.2°、19.7±0.2°、22.7±0.2°および23.2±0.2°の特徴的なピークで2θの回折角を有する。便宜上の目的のために、このXRPDパターンによって特徴付けられる結晶形態は、結晶形態1と称される。
【0015】
別の実施形態では、結晶形態1のX線粉末回折パターンは、5.7±0.2°、11.3±0.2°、17.1±0.2°、17.7±0.2°、19.7±0.2°、20.2±0.2°、22.7±0.2°および23.2±0.2°の特徴的なピークで回折角2θを有する。
【0016】
別の実施形態では、結晶形態1のX線粉末回折パターンは、5.7±0.2°、11.3±0.2°、12.3±0.2°、12.7±0.2°、17.1±0.2°、17.7±0.2°、19.7±0.2°、20.2±0.2°、21.9±0.2°、22.7±0.2°、23.2±0.2°および25.2±0.2°の特徴的なピークで回折角2θを有する。
【0017】
別の実施形態では、上記結晶形態1は、図1に示すようなX線粉末回折パターンを有する。
【0018】
ピークの相対強度が10%超である結晶形態1のX線粉末回折スペクトルの特徴的なピークを表1に示す。
【表1】

【0019】
一実施形態では、この結晶形態の純度は、≧85%である。別の実施形態では、この結晶形態の純度は、≧95%である。別の実施形態では、この結晶形態の純度は、≧99%である。別の実施形態では、この結晶形態の純度は、≧99.5%である。
【0020】
さらに、結晶形態1は、図3に示すような示差走査熱量測定-熱重量分析(DSC-TGA)マップを有する。
【0021】
代替的な実施形態では、本明細書に記載される本発明は、式Iの化合物を、その水和物、および/またはその溶媒和物の別の結晶形態でさらに含む。この実施形態では、結晶形態のX線粉末回折スペクトルは、9.0±0.2°、16.6±0.2°、24.2±0.2°、24.6±0.2°、および24.8±0.2°において回折角2θで特徴的なピークを有する。便宜上、本発明は結晶形態2と称される。
【0022】
一実施形態では、結晶形態2のX線粉末回折スペクトルは、9.0±0.2°、12.6±0.2°、16.6±0.2°、16.9±0.2°、19.0±0.2°、24.2±0.2°、24.6±0.2°、および24.8±0.2°において回折角2θで特徴的なピークを有する。
【0023】
別の実施形態では、結晶形態2のX線粉末回折スペクトルは、5.7±0.2°、9.0±0.2°、11.3±0.2°、12.6±0.2°、16.6±0.2°、16.9±0.2°、19.0±0.2°、20.0±0.2°、22.7±0.2°、24.2±0.2°、24.6±0.2°、および24.8±0.2°において回折角2θで特徴的なピークを有する。
【0024】
別の実施形態では、結晶形態2は、図2に示すようなX線粉末回折スペクトルを有する。
【0025】
ピークの相対強度が10%超である結晶形態2のX線粉末回折スペクトルの特徴的なピークを表2に示す。
【表2】

【0026】
上記の結晶形態は、主要ピークの概要のみを使用して特徴付けることができる。これらの主要ピークは、±0.2の誤差の範囲内で再現可能である。
【0027】
本明細書で使用される場合、「図1に示すようなX線粉末回折パターンを有する」または「図2に示されるようなX線粉末回折パターンを有する」という語句は、X線粉末回折パターンの主要ピークが図1または図2に示されることを意味し、その主要ピークは、図1または図2の最高ピークと比較して、10%超、好ましくは30%超の相対強度値を有するピークを意味する(相対強度は100%と指定される)。
【0028】
一実施形態では、結晶形態2の純度は、≧85%である。別の実施形態では、結晶形態2の純度は、≧95%である。別の実施形態では、結晶形態2の純度は、≧99%である。別の実施形態では、結晶形態2の純度は、≧99.5%である。
【0029】
さらに、結晶形態2は、図4に示すような示差熱-熱重量分析(DSC-TGA)マップを有する。
【0030】
一実施形態では、本発明はまた、上記のような治療有効量の結晶形態1および/または結晶形態2を含む医薬組成物を提供する。
【0031】
本発明はまた、上記のような医薬組成物の実施形態を提供する。
【0032】
一実施形態では、記載される医薬組成物は、治療有効量の結晶形態1または結晶形態2、ならびに医薬的に許容される賦形剤、アジュバント、または担体を含有する。
【0033】
別の実施形態では、記載される医薬組成物は、治療有効量の本発明によって提示される結晶形態1および結晶形態2、ならびに医薬的に許容される賦形剤、アジュバント、または担体を含有する。
【0034】
別の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の結晶形態1または結晶形態2、ならびに少なくとも1つの他の治療剤を含有する。
【0035】
別の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の結晶形態1および結晶形態2、ならびに少なくとも1つの他の治療剤を含有する。
【0036】
一実施形態では、医薬組成物は、経口調製物である。
【0037】
一実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルである。
【0038】
一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの賦形剤、アジュバント、および/または担体と共に、約50mg~800mgの総量で製剤化される、5~150mgの結晶形態1および/または結晶形態2を含む。
【0039】
一実施形態では、医薬組成物中の賦形剤、アジュバント、および/または担体は、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、セルロース乳糖、クロスポビドン、微粒子シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、および/またはヒドロキシプロピルセルロースである。
【0040】
一実施形態では、医薬組成物は、0.01重量%~99重量%の結晶形態1または結晶形態2を含有する。他の実施形態では、医薬組成物は、0.01重量%~70重量%、1重量%~70重量%、1重量%~50重量%、1重量%~30重量%、または10重量%~30重量%の結晶形態1または結晶形態2を含有する。
【0041】
一実施形態では、記載される医薬組成物は、0.01重量%~99重量%の本発明の結晶形態1および結晶形態2を含有する。他の実施形態では、医薬組成物は、0.01重量%~70重量%、1重量%~70重量%、1重量%~50重量%、1重量%~30重量%、または10重量%~30重量%の結晶形態1および結晶形態2を含有する。
【0042】
本発明はまた、患者の疾患、症状、または状態を治療するための医薬の製造における記載される結晶形態1および/または結晶形態2の使用法を提供し、その疾患、症状、または状態は、Merおよび/またはFLT3によって媒介される。
【0043】
本発明はまた、疾患、症状、または状態の治療において結晶形態1および/または結晶形態2を使用するための実施形態を提供する。
【0044】
一実施形態では、記載される疾患、症状、または状態は、がんおよび/または増殖性疾患である。
【0045】
一実施形態では、記載される疾患、症状、または状態は、骨髄性白血病、リンパ芽球性白血病、黒色腫、乳がん、肺がん、結腸がん、肝臓がん、胃がん、腎臓がん、卵巣がん、子宮がん、および/または脳がんである。さらなる実施形態では、記載される疾患、症状、または状態は、骨髄性白血病および/またはリンパ芽球性白血病である。
【0046】
一実施形態では、本発明はまた、本明細書に提供される結晶形態1および/または結晶形態2を有する式Iの化合物を患者に投与することによって、患者の疾患、症状、または状態を治療する方法を提供する。
【0047】
本発明は、記載される結晶形態1および/または結晶形態2を使用することによって、患者の疾患、症状、または状態を治療する上述の方法の実施形態をさらに提供する。
【0048】
一実施形態では、疾患、症状、または状態は、Merおよび/またはFLT3によって媒介される。
【0049】
一実施形態では、記載される疾患、症状、または状態は、がんおよび/または増殖性疾患である。
【0050】
一実施形態では、記載される疾患、症状、または状態は、骨髄性白血病、リンパ芽球性白血病、黒色腫、乳がん、肺がん、結腸がん、肝臓がん、胃がん、腎臓がん、卵巣がん、子宮がん、および/または脳がんである。さらなる実施形態では、記載される疾患、症状、または状態は、骨髄性白血病および/またはリンパ芽球性白血病である。
【0051】
本発明は、式Iの化合物の調製のためのプロセスをさらに提供する。
【化3】

【0052】
一実施形態では、式Iの化合物の調製のための方法は、以下のステップ、
a)化合物M-1を化合物M-2と接触させて、化合物M-3を得ることと、
b)化合物M-3をパラジウム触媒の存在下で化合物M-4と接触させて、化合物M-5を得ることと、
c)結晶化法を実施して、式Iの化合物を得ることと、を含む。
【0053】
本発明は、式Iの化合物の調製における中間体をさらに提供する。このような中間体には、以下に図示するM-3が含まれる:
【化4】

【0054】
本発明は、化合物、その水和物、および/またはその溶媒和物の結晶形態1および結晶形態2を調製するための方法をさらに提供する。
【0055】
一実施形態では、結晶形態1の調製方法は、以下の通りである。
M-5、HOAc、活性炭、およびSi-チオールを反応フラスコに添加し、室温で14時間(パラジウムを除く)撹拌し、次いで50gの珪藻土で濾過する。濾液を反応フラスコに移して冷却し、3NのHCl CPME溶液を0℃±5℃で添加する。最初に、3NのHCl CPMEの全体積の1/2を添加し、残りの1/2を固体が沈殿するまで混合物に滴下する。添加が完了した後、混合物にMTBEを添加する。滴下プロセス全体は、0℃±5℃で温度を制御する。MTBEを滴下により添加した後、断熱材を使用して温度を0℃±5℃に維持し、混合物を1時間撹拌し、結晶化させる。得られた固体を濾過し、濾過ケーキをMTBEですすぎ、混合物を45℃で真空乾燥させる。次いで、室温で500mLのエタノールを添加し、混合物を濾過し、45℃で乾燥させて結晶形態1を得る。
【0056】
代替の方法では、M-5および7Lの酢酸を反応ケトルに添加し、混合物を撹拌し、溶解させる。溶解後、Si-チオールおよび活性炭を添加する。プロセス全体を15~20℃で温度を制御しながら、混合物を16時間撹拌する。この混合物に500gの珪藻土を添加し、混合物を濾過し、2.1Lの酢酸を使用して濾過ケーキをすすぐ。濾液を反応ケトルに移し、3NのHCl CPME溶液を15~20℃の温度で滴下により添加する。添加が完了した後、メチルtert-ブチルエーテルを添加し、混合物を1時間撹拌する。次いで、結晶化生成物を濾過する。濾過ケーキを1Lのメチルtert-ブチルエーテルですすぎ、その濾過ケーキを、20℃~45℃の勾配加熱で、真空下で15時間乾燥させる。得られた試料を破砕し(crushed)、反応ケトルに添加する。室温において15Lの酢酸エチルを添加し、次いで混合物を撹拌し、粉砕して(beaten)濾過する。濾過ケーキを45℃で、真空下で乾燥させる。上記試料を反応ケトルに添加し、15Lの酢酸エチルを添加し、2回粉砕し、濾過しながら、室温で撹拌する。濾過ケーキを45℃で、真空下で3時間乾燥させ、次いで80℃に加熱し、真空下で15.5時間乾燥させて、結晶形態1である、黄色の固体を得る。
【0057】
一実施形態では、結晶形態1の調製は、以下のステップ、
a)M-5、HOAc、活性炭、およびSi-チオールを反応フラスコ内で混合することと、
b)混合物を室温でブレンドすることと、
c)ステップbからの混合物を濾過することと、
d)0℃±5℃の温度で、ステップcからの濾液に3NのHCl CPMEを添加することと、
e)ステップdからの混合物を濾過して、
結晶形態1を得ることと、を含む。
【0058】
別の実施形態では、結晶形態1の調製は、以下のステップ、
a)M-5および酢酸を溶解するまで反応容器内で混合することと、
b)Si-チオールおよび活性炭を添加することと、
c)温度が15~20℃に制御されている間に、得られた混合物を一定期間撹拌することと、
d)ステップcからの混合物を濾過することと、
e)ステップdからの濾液に3NのHCL CPMEを添加することと、
f)ステップeからの混合物にメチルtert-ブチルエーテルを添加することと、
g)ステップfからの混合物を濾過して固体を得ることと、
h)ステップgで得られた固体に酢酸エチルを添加することと、
i)得られた混合物を濾過して、
結晶形態1を得ることと、を含む。
【0059】
結晶形態2は、以下のように調製することができる。
結晶形態1(約80g)を室温で500mLのエタノールで2.5時間粉砕し、濾過し、濾過ケーキを45℃で乾燥させて、75.01gの固体試料を得る。この試料を使用して、1500mLの7.5%水溶液を作製する。混合物を50℃に維持し、撹拌し、16.5時間粉砕する。混合物を室温に冷却して濾過し、濾過ケーキを45℃で乾燥させて結晶形態2を得る。
【0060】
代替の方法では、ガラス底部を備える80Lのジャケット付き反応器に、2つのシングルチャネルチャートレコーダおよび熱制御ユニットを装備する。窒素ガスを反応器に15分間適用する。7.5%v/vエタノール水溶液を、清浄なガラスバイアル内で調製する。インラインフィルタ(10ミクロン)および式Iの化合物を備えた移送ラインを、7.5%v/vエタノール水溶液(12.5L)を有する80L反応器に組み込む。温度を50±5℃に調整し、反応器の内容物を17時間撹拌する。バッチ温度を140分にわたって20±5℃に上昇させ、次いで20±5℃で1時間撹拌する。バッチ材料を濾過し、予め濾過したエタノール水溶液(2.1L)で洗浄する。濾過ケーキを窒素ガス中に1時間維持し、次いでHPLC分析のためにサンプリングする。濾過ケーキを45±5℃で約87時間にわたって一定重量に真空中で乾燥させ、次いで残留EtOHをサンプリングする。バッチ材料をさらに24時間乾燥させて1967gの結晶形態2を得る。
【0061】
一実施形態では、結晶形態2を調製するための方法は、以下のステップ、
a)結晶形態1をエタノール中で混合することと、
b)混合物を濾過して固体試料を得ることと、
c)固体試料をエタノール水溶液に添加することと、
d)混合物を、粉砕しながら撹拌することと、
e)得られた固体を濾過して、
結晶形態2を得ることと、を含む。
【0062】
別の実施形態では、結晶形態2を調製するための方法は、以下のステップ、
a)式Iの化合物を7.5%v/vエタノール水溶液と混合することと、
b)混合物を一定期間加熱することと、
c)混合物をおよそ室温に冷却することと、
d)得られた混合物を濾過して、
結晶形態2を得ることと、を含む。
【0063】
本発明の全ての結晶形態は実質的に純粋である。本明細書で使用される場合、「実質的に純粋」という用語は、式Iの化合物の少なくとも85重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%、最も好ましくは少なくとも99.5重量%が、本発明の結晶形態、特に結晶形態1および/または結晶形態2で存在することを意味する。
【0064】
本明細書で使用される場合、結晶形態1または結晶形態2の調製方法に関与する用語である「メタノール/アセトンを添加する」などは、まずメタノールを添加し、その後、調製方法においてアセトンを添加することを意味する。同様に、「エタノール/水」は、まずエタノールを添加し、その後、水を添加することを意味し、「トリフルオロエタノール/酢酸エチル」は、まずトリフルオロエタノールを添加し、その後、酢酸エチルを添加することを意味する。同様に、「溶媒1/溶媒2」とは、まず溶媒を添加し、その後、溶媒2を添加することを意味し、「溶媒2/溶媒1」とは、まず溶媒2を添加し、その後、溶媒1を添加することを意味する。
【0065】
定義
本特許において使用される「発明」、「その発明」、「この発明」、および「本発明」という用語は、本特許の主題および以下の特許請求の範囲の全てを広く指すことが意図される。これらの用語を含有する記述は、本明細書に記載される主題を限定するものではなく、または以下の特許請求の範囲の意味もしくは範囲を限定するものではないと理解されるべきである。その主題は、本特許の明細書全体の適切な部分、任意または全ての図面、および各請求項を参照することによって理解されるべきである。
【0066】
「患者」または「対象」という用語は、ヒトなどの霊長類、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含むが、これらに限定されない、哺乳動物などの動物を指す。本発明の一実施形態では、「患者」または「対象」は、ヒトであることを指す。
【0067】
「約」という用語は、記載される値が、本発明の技術的提案を実施するために、その発明による特定の値の±20%、例えば±10%、例えば±5%、±1%、±0.5%、または±0.1%を含んでもよいことを意味する。
【0068】
本明細書で使用される場合、「結晶形態」という用語は、「結晶型」または「結晶構造」を意味するだけでなく、「結晶形態」は、「特定の結晶構造を有する物質」または「特定の結晶型を有する結晶」としてより理解される。
【0069】
本明細書で使用される場合、「結晶形態」は、その代表的なX線回折パターンによって特徴付けられ得る。当該分野の技術者は、実験誤差が機器の状態、試料の調製、および試料の純度に依存することを理解することができる。通常、X線回折パターンは、機器の条件によって変化することが当該分野において理解されている。さらに、ピーク角の実験誤差は、通常5%以下であり、これらの角度の誤差も考慮しなければならず、一般的に±0.2°の誤差を許容する。試料の高さなどの実験的要因の影響により、ピーク角の全体的なずれが発生し、通常、一定のオフセットが許容される。したがって、同じまたは類似の特徴的なピークを有する結晶形態は、本発明の範囲内である。
【0070】
本明細書で使用される場合、「室温」という用語は、従来の室温、一般的に10~30℃を指す。
【0071】
本明細書で使用される場合、「医薬的に許容される」という用語は、投与される対象に悪影響を及ぼさない形態または量で存在することを意味する。
【0072】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、1つの化合物が疾患、病気、または疾患の症状を治療するのに十分な量を指す。「治療有効量」は、化合物、疾患、病気、および/または疾患もしくは病気の症状、疾患、状態の症状、および/または疾患もしくは病気の重症度、治療される患者の年齢、および/または治療される患者の体重によって変化し得る。任意の特定の状態において、好適な量は、当該分野の技術者に明白であり得るか、または日常的な実験によって決定され得る。併用療法の場合、「治療有効量」は、対象の疾患、病気、または症状を効果的に治療するための総量を意味する。
【0073】
本発明における医薬組成物の剤形の全ては、医薬分野における従来の方法によって調製することができる。例えば、活性成分を1つ以上の賦形剤と混合し、次いで所望の剤形に調製することができる。
【0074】
本明細書で使用される場合、「医薬的に許容される担体」という用語は、所望の医薬調製物に好適な従来の医薬担体、例えば、希釈剤および賦形剤、例えば、水、種々の有機溶媒など;充填剤、例えば、デンプン、アルファ化デンプン、スクロース、マンニトール、ラクトース、噴霧乾燥ラクトース、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、およびセルロース乳糖;結合剤、例えば、セルロース誘導体、アルギネート、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、およびポリビニルピロリドン(PVP);湿潤剤、例えば、グリセリン;崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウム;吸収促進剤、例えば、四級アンモニウム化合物;界面活性剤、例えば、セチルアルコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびtween;吸収担体、例えば、カオリンおよびベントナイト;滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、微粉シリカゲル、およびポリエチレングリコールを意味する。分散剤、安定剤、増粘剤、錯化剤、緩衝剤、浸透促進剤、ポリマー、香料、甘味料、または染料などの他の医薬的に許容される賦形剤を医薬組成物に添加することも可能である。所望の剤形および所望の投与様式に好適な賦形剤を使用することが好ましい。
【0075】
本明細書で使用される場合、「疾患」、「病気」、または「症状」という用語は、任意の疾患、不快感、病気、症状、または徴候を指す。
【0076】
本明細書で使用される場合、「追加の治療剤」という用語は、治療される疾患、病気、または症状において治療応答を誘発する薬剤を指す。追加の治療剤の非限定的な例としては、化学療法剤、抗炎症剤、免疫調節剤、向神経性因子、心血管疾患を治療するための薬剤、肝疾患を治療するための薬剤、抗ウイルス剤、血液障害を治療するための薬剤、および糖尿病を治療するための薬剤、および免疫不全障害を治療するための薬剤が挙げられる。
【実施例
【0077】
本発明は、本発明の範囲を限定することを意図しない以下の実施形態によってさらに例示される。特に指定のない限り、本発明の特定の実施形態では、技術または方法は、当該分野における日常的な技術または方法である。
【0078】
特に明記しない限り、以下の実施形態および効果的な実施形態では、使用される試験機器および試験方法パラメータに関する情報は、以下の通りである。
(1)X線粉末回折計(XRD)、Bruker D8 Advance回折計、技術仕様:1.54Åの銅標的波長でKα照射(40Kv、40mA)、θ-2θゴニオメータ、Moモノクロメータ、Lynxeyeプローブ、標準材料:Al、収集ソフトウェア:Diffrac Plus XRD Commander、分析ソフトウェア:MDI Jade 6、
方法パラメータ:試験角度、3~40° 2θ/3-30° 2θ(サーマルテーブルXRD)、ステップサイズ、0.02° 2θ、速度、0.15秒/ステップ、試験試料の量>2mg。
(2)Synchronous熱分析計(DSC-TGA)、STA 449F3、試料トレイ:アルミニウムるつぼ、試験試料投与量:0.5~5mg、遮蔽ガス:窒素、ガス流量:20mL/分、パージガス:60mL/分、試験方法:加熱速度10℃/分、30℃で平衡化し、次いで最大400℃まで温度を上昇させる。詳細については、GB/T 19267.12-2008,Section 12,physical and chemical examination of trace evidence of forensic technology:thermal analysisを参照のこと。
(3)核磁気共鳴分光計(NMR)、Agilent DD2 600MHz、試験の種類:プロトンNMRスペクトルおよび炭素スペクトル、試験方法:核磁気共鳴スペクトルの超伝導パルスフーリエ変換のためのJY/T 007-1996の一般的原理。
【0079】
略語:
API:医薬品有効成分
13C-NMR:13C核磁気共鳴、
CPME:シクロペンチルメチルエーテル、
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン、
DSC-TGA:示差熱-熱重量分析、
EtOH:エタノール、
hまたはhours:時間、
H-NMR:H核磁気共鳴、
HOAc:酢酸、
HPLC:高速液体クロマトグラフィー、
IPA:イソプロパノール、
LC-MS:液体クロマトグラフィー-質量分析、
Minまたはmins:分、
MTBE:メチルtert-ブチルエーテル、
Pd(PhP):テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、
PO:経口、
RH:相対湿度、
XRD:X線粉末回折。
【0080】
実施態様例1:式Iの化合物の合成。
【化5】

【0081】
化合物M-3の合成:
ガラス底を備えた80Lのジャケット付き反応器に、2つのシングルチャネルチャートレコーダおよび熱制御ユニットを装備する。窒素ガスを反応器に75分間適用し、次いでイソプロパノール、M-1、M-2およびジイソプロピルエチルアミンを反応器内に添加する。バッチ温度を97±5℃に調整し、反応器の内容物を85時間撹拌する。バッチ材料をHPLC分析のためにサンプリングする。バッチ温度を20±5℃に調整し、バッチ材料を一晩撹拌する。純水を約30分かけて反応器内に添加する。バッチ温度が20±5℃のとき、メチルtert-ブチルエーテルを反応器に添加し、内容物を25分間撹拌する。層を分離し、水相をMTBEで抽出する。有機層を純水で洗浄し、次いでバッチ温度≦40℃を維持しながら、真空下で5.5Lの体積まで蒸留させる。ジャケット温度を20±5℃に調整した後、アセトニトリルを反応器に添加する。バッチ温度を0±5℃に調整し、反応器の内容物を一晩撹拌する。濾液を補助濾過バッチとして使用し、濾過ケーキをアセトニトリルで洗浄する。濾過ケーキを窒素ガス下に4時間維持し、次いでHPLC分析のためにサンプリングする。濾過ケーキを、一定重量が約21時間になるまで、40±5℃の真空オーブン中で乾燥させる。
LC-MS[M+H]:379.1。
【0082】
化合物M-5(MRX-2843遊離塩基)の合成:
ガラス底を備えた80Lのジャケット付き反応器に、2つのシングルチャネルチャートレコーダおよび熱制御ユニットを装備する。反応器を、一晩窒素流下で維持する。M-3、M-4、および炭酸カリウムを、エチルアルコールおよび水の混合物を有する反応器に添加し、窒素ガスを、混合物中で1時間泡立てる。
【0083】
テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウムを添加し、バッチ温度を40℃に調整する。反応器の内容物を40±5℃で2時間撹拌する。バッチ温度を58±5℃まで上昇させ、混合物を18時間撹拌する。次いでHPLC分析のためにバッチサンプリングを採用し、M-3は検出されない。バッチ材料を、バッチ温度を≦60℃に維持しながら、真空下で10Lの体積まで蒸留させる。バッチ温度を58±5℃に調整し、反応器に酢酸エチルを添加している間、この温度に維持する。混合物を29分間撹拌する。層を分離し、有機層を58±5℃で純水で洗浄する。バッチ温度を20±5℃に調整し、M-5種晶を反応器に添加し、内容物を一晩撹拌する。バッチ材料を、ジャケット温度を≦40℃に維持しながら、真空下で8Lの体積まで蒸留させる。ジャケット温度を20±5℃に調整した後、アセトニトリルを反応器に添加する。混合物を、10±5℃に冷却し、約1.5時間撹拌する。濾液を補助濾過バッチとして使用し、濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄する。濾過ケーキを窒素ガス下に1時間維持し、30±5℃の真空オーブン中で一定重量まで乾燥させる。
LC-MS[M+H]:489.3。
【0084】
式Iの化合物の合成:
ガラス底を備えた22Lのジャケット付き反応器に、2つのシングルチャネルチャートレコーダおよび熱制御ユニットを装備する。窒素ガスを反応器に1時間適用する。M-5および氷酢酸を反応器内に添加し、溶解が見出されるまで撹拌する。バッチ温度を25±5℃に調整する。活性炭およびSi-チオールを反応器に添加し、内容物を25±5℃で19時間撹拌する。混合物をCelite(登録商標)フィルタパッドに通し、いかなる緩いCelite(登録商標)も、氷酢酸およびインラインフィルタでパルプ化する。濾過ケーキを氷酢酸で洗浄し、濾液を、2つのシングルチャネルチャートレコーダおよびインラインフィルタを介して熱制御ユニットが装備されたガラス底を備えた80リットルのジャケット付き反応器に移す。バッチ温度を5±5℃に調整し、3NのHClをCPMEに添加している間、この温度に維持する。バッチ温度を0±5℃に調整し、MTBEを、この温度で40分にわたってインラインフィルタを介して添加する。反応器の内容物を0±5℃で1時間撹拌し、濾過し、予め濾過したMTBEで洗浄する。濾過ケーキを窒素ガス下で14.5時間乾燥させ、45±5℃の真空オーブン中で一定重量まで乾燥させる。これにより、27,279gの粗生成物が得られる。粗生成物およびエチルアルコールを80L反応器に添加し、内容物を20±5℃で18.5時間撹拌する。バッチ材料を濾過し、濾過ケーキを予め濾過したエチルアルコールで洗浄する。濾過ケーキを窒素ガス下に3.5時間維持し、45±5℃の真空下で一定重量まで乾燥させる。H NMRおよび13C NMRパターンは、図5および6に示されるものと一致する。LC-MS[M+H]:597.3。
【0085】
実施形態2:結晶形態1の調製方法
方法1
M-5、HOAc、活性炭、およびSi-チオールを反応フラスコに添加し、室温で14時間(パラジウムを除く)撹拌し、次いで50gの珪藻土で濾過する。濾液を反応フラスコに移して冷却し、3NのHCl CPME溶液を0℃±5℃で添加する。まず、全体積の1/2を添加し、残りの1/2を固体が沈殿するまで添加し続ける。添加が完了した後、MTBEをこの系に添加し、滴下プロセス全体の温度を0℃±5℃に制御する。MTBEを添加した後、断熱材を0℃±5℃で採用する。混合物を撹拌し、濾過しながら1時間結晶化させ、濾過ケーキをMTBEですすぐ。濾過ケーキを45℃で、真空下で乾燥させた後、500mLのエタノールで室温で粉砕し、混合物を濾過し、濾過ケーキを45℃で乾燥させて結晶形態1を得る。1H NMRおよび13C NMRパターンは、図5および6に示されるものと一致する。
【0086】
方法2
M-5および7Lの酢酸を反応ケトルに添加して撹拌し、溶解する。溶解後、Si-チオールおよび活性炭を添加し、プロセス全体を15~20℃で温度を制御しながら、混合物を16時間撹拌する。500gの珪藻土を濾過助剤として添加し、2.1Lの酢酸を使用して濾過ケーキをすすぎ、濾液を反応ケトルに移す。次いで3NのHCl CPME溶液を15~20℃の温度で添加する。添加が完了した後、メチルtert-ブチルエーテルを添加し、混合物を撹拌し、1時間結晶化させ、濾過する。濾過ケーキを1Lのメチルtert-ブチルエーテルですすぎ、濾過ケーキを、20~45℃で勾配加熱しながら、真空下で15時間乾燥させる。得られた試料を破砕し、反応ケトルに添加する。室温で15Lの酢酸エチルを添加する。混合物を撹拌し、粉砕し、濾過し、次いで濾過ケーキを45℃で、真空下で乾燥させる。上記試料を反応ケトルに添加し、15Lの酢酸エチルを添加し、2回粉砕し、濾過しながら室温で撹拌する。濾過ケーキを45℃の真空下で3時間乾燥させ、次いで80℃まで加熱し、真空下で15.5時間乾燥させて、黄色の固体、すなわち、結晶形態1を得る。H NMRおよび13C NMRパターンは、図5および6に示されるものと一致する。
【0087】
実施形態3:結晶形態2の調製方法
方法1
結晶形態1(約80g)を室温で500mLのエタノールで2.5時間粉砕し、濾過し、濾過ケーキを45℃で乾燥させて、75.01gの固体試料を得る。得られた試料を1500mLの7.5%水溶液中に添加し、50℃に維持し、撹拌し、16.5時間粉砕する。混合物を室温まで冷却して濾過し、濾過ケーキを45℃で乾燥させて、結晶形態2を得る。1H NMRおよび13C NMRパターンは、図5および6に示されるものと一致する。
【0088】
方法2
ガラス底を備えた80Lのジャケット付き反応器に、2つのシングルチャネルチャートレコーダおよび熱制御ユニットを装備する。窒素ガスを反応器に15分間適用する。7.5%v/vエタノール水溶液を、清浄なガラスバイアル内で調製する。インラインフィルタ(10ミクロン)および式Iの化合物を備えた移送ラインを、7.5%v/vエタノール水溶液(12.5L)を有する80L反応器に組み込む。バッチ温度を50±5℃に調整し、反応器の内容物を17時間撹拌する。バッチ温度を140分かけて20±5℃に上昇させ、次いで20±5℃で1時間撹拌する。バッチ材料を濾過し、予め濾過したエタノール水溶液(2.1L)で洗浄する。濾過ケーキを窒素ガス下に1時間維持し、次いでHPLC分析のためにサンプリングする。濾過ケーキを、約87時間、45±5℃で一定重量まで真空中で乾燥させ、次いで残留EtOHをサンプリングする。バッチ材料をさらに24時間乾燥させて、1967gの結晶形態2を得る。H NMRおよび13C NMRパターンは、図5および6に示されるものと一致する。
【0089】
実施形態4:結晶形態の安定性の決定
結晶形態1を、25℃/60%RHおよび40℃/75%RHで1、3および6カ月間保存する。これらの条件下では、結晶形態は未変化のままである。
【0090】
結晶形態2を、5℃で18および24ヶ月間保存し、結晶形態は未変化のままである。それを、1、3、6、9、12、18、および24ヶ月間、25℃/60%RHで保存し、結晶形態は未変化のままである。それを、1、3、および6ヶ月間、40℃/75%RHで保存し、結晶形態は未変化のままである。
【0091】
実施形態5:飽和溶解度の決定
化合物の適切な量の試料を、1~8のpHで水中で過飽和し、撹拌器で37℃で4時間振盪する。化合物をサンプリングし、遠心分離し、次いで上清を希釈し、HPLCにより試験する。計算は、外部標準と比較する。
【0092】
37℃で異なるpH値における式Iの化合物の結晶形態1および結晶形態2の化合物ならびにMRX-2843遊離塩基の飽和溶解度を表3に示す。
【表3】

【0093】
実施形態例6.カプセル製剤および調製
カプセル製剤を表4に示す。
【表4】

【0094】
カプセルの製造プロセスは、以下の通りである。
1)API破砕/スクリーニング
原薬を破砕し、20メッシュのスクリーンで1回ふるいにかける。
2)混合
微結晶性セルロースPH-102、アルファ化デンプン1500、およびふるいにかけた原薬をV型ミキサー中に20分間添加する。
3)40mgサイズのカプセル充填
30%の混合物を取り、それを4番目の白色の円錐形のゼラチンカプセルに充填する。
4)100mgサイズのカプセル充填
30%の混合物を取り、それを1番目の白色の円錐形のゼラチンカプセルに充填する。
5)10mgサイズのカプセル充填
混合物の50%の割合の微結晶性セルロースPH102、および混合物の10%の割合のアルファ化デンプン1500、および残りの材料を取り、20分間混合する。それを5番目の白色の円錐形のゼラチンカプセルに充填する。
6)最終パッケージング
カプセルを100mlの高密度ポリエチレンボトルに充填し、乾燥剤を添加し、ホイル型誘導シーリングガスケットおよび子供用安全カバーを密封のために使用する。
【0095】
実施形態7:錠剤の製剤化および調製
錠剤製剤を表5に示す。
【表5】

【0096】
錠剤の製造プロセスは、以下の通りである。
1)API破砕/スクリーニング
結晶形態1を破砕し、80メッシュのスクリーンで1回ふるいにかける。
2)プレミックス
セルロース乳糖をホッパーミキサーに添加し、次いで原薬を破砕し、ふるいにかけ、クロスポビドンおよびヒドロキシプロピルセルロースを添加し、最後にアルファ化デンプンを添加し、10分間混合する。
3)材料の処理
混合した材料を、振動造粒機(24メッシュのふるい)に2回通過させる。
4)中間混合
材料をホッパーミキサーに移し、微粉シリカゲルを40メッシュのふるいに通し、30分間ミキサーにそれを添加する。
5)全混合
ステアリン酸マグネシウムを40メッシュのふるいでふるいにかけ、混合物と5分間混合する。
6)錠剤化
最終的な混合製品を、楕円形(100mg)または円形のコア(10mg、40mg)にプレスし、錠剤の重量、厚さ、および硬度を、このプロセスにおいて検査する。
7)被覆
コアを被覆し、高効率コーティングパンで乾燥させ、錠剤温度を38℃~42℃に制御する。緩い錠剤を二重層ジッパーバッグに詰め、密封し、アルミニウム-プラスチック複合フィルムバッグに入れる。25gの乾燥剤を層間に配置し、ラベルを、マーキング後、パッケージングプロセスにおいて保存する。
8)最終パッケージング
錠剤を、二重アルミニウムパッケージング機械でパッケージングし、コードスプレーでマークする。パッケージ材料は、ポリアミド/アルミニウム/ポリ塩化ビニルおよび医薬品用アルミホイルのコールドスタンピング固体医薬複合硬質錠剤である。
【0097】
実施形態8:薬物動態データ
9匹のオスのビーグル犬を、各グループで3匹の3つのグループに分ける。それらの各々に、それぞれ、式Iの化合物の結晶形態1、結晶形態2および遊離塩基の5mg/kg経口カプセル(PO)を投与する(用量は遊離塩基の用量に従って計算する)。投与前ならびに投与後、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、および24時間に血液を頸静脈から採取し、血漿を分離し、-80℃で冷蔵庫に保存する。その後、LC-MSを分析のために使用する。
【0098】
実験データを表6に示す。
【表6】

【0099】
上記の結果から、式Iの化合物の結晶形態1および結晶形態2は、式Iの化合物の遊離アルカリよりも体内で吸収されやすいことが示唆される。
【0100】
本開示の主題は、様々な方法および参照図の実施態様を通じて完全に説明されているが、変更および修正は、当業者には明白であることに留意されたい。そのような変更および修正は、本発明の添付の特許請求の範囲内であるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6