(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】アンテナシステム
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/06 20060101AFI20241016BHJP
H01Q 3/04 20060101ALI20241016BHJP
H01Q 3/30 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01Q21/06
H01Q3/04
H01Q3/30
(21)【出願番号】P 2023531016
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 CN2021132065
(87)【国際公開番号】W WO2022111408
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】202011328945.8
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】プゥ,タオ
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ,ジア
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジエンピーン
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,ゥルンシヤオ
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-523708(JP,A)
【文献】特開2012-054793(JP,A)
【文献】特開2008-011104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 21/06
H01Q 3/04
H01Q 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナシステムであって、第1アンテナ、第2アンテナ、無線周波数ユニット、第1調整器、第2調整器、及び分路器を含み、前記第1アンテナは第1回転軸の周りを回転して前記第1アンテナの第1機械ダウンチルトを調整することができ、前記第2アンテナは第2回転軸の周りを回転して前記第2アンテナの第2機械ダウンチルトを調整することができ、
前記無線周波数ユニットは送信されるべき第1無線周波数信号を生成するように構成され、
前記分路器は、前記第1無線周波数信号を第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号に分割するように構成され、
前記第1調整器は、前記第1無線周波数サブ信号に対して第1処理を実行して、前記第1無線周波数サブ信号の第1電気ダウンチルトを調整するように構成され、前記第1電気ダウンチルトは、前記第1無線周波数信号に対応する目標ダウンチルトと前記第1機械ダウンチルトに基づいて決定され、
前記第2調整器は、前記第2無線周波数サブ信号に対して第2処理を実行して、前記第2無線周波数サブ信号の第2電気ダウンチルトを調整するように構成され、前記第2電気ダウンチルトは、前記第1無線周波数信号に対応する目標ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトに基づいて決定され、
前記第1アンテナは、前記第1処理が実行される第1無線周波数サブ信号を送信するように構成され、
前記第2アンテナは、前記第2処理が実行される第2無線周波数サブ信号を送信するように構成され
、
前記アンテナシステムは、第1制御部と第2制御部を更に含み、
前記第1制御部は、前記第1無線周波数信号に対応する前記目標ダウンチルトと前記第1機械ダウンチルトに基づいて、前記第1処理を実行するよう前記第1調整器を制御するように構成され、
前記第2制御部は、前記第1無線周波数信号に対応する前記目標ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトに基づいて、前記第2処理を実行するよう前記第2調整器を制御するように構成される、アンテナシステム。
【請求項2】
前記第1アンテナ上に配置された
アクティブアンテナである第3アンテナ、及び/又は、
前記第2アンテナ上に配置された
アクティブアンテナである第4アンテナ、
を更に含む請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項3】
前記第1アンテナがパッシブアンテナであり、及び/又は、
前記第2アンテナがパッシブアンテナである、
請求項
1又は2に記載のアンテナシステム。
【請求項4】
前記アンテナシステムは、
第1センサであって、前記第1制御部に通信接続され、前記第1機械ダウンチルトを検出し、前記第1機械ダウンチルトの指示情報を前記第1制御部に送信するように構成される、第1センサ、及び/又は、
第2センサであって、前記第2制御部に通信接続され、前記第2機械ダウンチルトを検出し、前記第2機械ダウンチルトの指示情報を前記第2制御部に送信するように構成される、第2センサ、
を更に含む請求項
1~3のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
【請求項5】
前記アンテナシステムは、第3調整器を更に含み、
前記第3調整器は、目標無線周波数サブ信号に第3処理を実行して、前記第1無線周波数サブ信号と前記第2無線周波数サブ信号との間の位相差Pを調整するように構成され、前記目標無線周波数サブ信号は、前記第1無線周波数サブ信号と前記第2無線周波数サブ信号のうちの少なくとも1つである、請求項
1~4のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
【請求項6】
前記位相差Pは第1情報に基づいて決定され、前記第1情報は、以下:
前記目標ダウンチルト、前記第1無線周波数信号の波長λ、前記第1機械ダウンチルトφ1、前記第2機械ダウンチルトφ2、前記第1電気ダウンチルトθ1、前記第2電気ダウンチルトθ2、目標アンテナの長さM、前記第1機械ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトの両方が0の場合の重力方向における前記第1アンテナと前記第2アンテナとの距離L、又は前記第1機械ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトの両方が0の場合の水平方向における前記第1アンテナと前記第2アンテナとの距離N、の少なくとも1つを含む、請求項
5に記載のアンテナシステム。
【請求項7】
前記第1アンテナと前記第2アンテナを重力方向に上下に配置した場合、前記目標無線周波数サブ信号は、前記目標アンテナを用いて送信される前記第1無線周波数サブ信号と前記第2無線周波数サブ信号のうちの1つであり、前記目標アンテナは、前記第1アンテナと前記第2アンテナのうち重力方向で下側のアンテナである、請求項
6に記載のアンテナシステム。
【請求項8】
前記第1機械ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトの両方が0であるとき、前記第1アンテナと前記第2アンテナは同一平面上にある、請求項
1~7のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
【請求項9】
アンテナシステムであって、第1アンテナ、第2アンテナ、無線周波数ユニット、第1調整器、及び第2調整器を含み、前記第1アンテナは第1回転軸の周りを回転して前記第1アンテナの第1機械ダウンチルトを調整することができ、前記第2アンテナは第2回転軸の周りを回転して前記第2アンテナの第2機械ダウンチルトを調整することができ、
前記無線周波数ユニットは送信されるべき第1無線周波数信号と第2無線周波数信号を生成するように構成され、
前記第1無線周波数信号と前記第2無線周波数信号は、同じ波長を有し、前記第1無線周波数信号と前記第2無線周波数信号は、同じデータを運び、前記第1無線周波数信号と前記第2無線周波数信号は、同じ目標ダウンチルトを有し、
前記第1調整器は、前記第1無線周波数信号に対して第1処理を実行して、前記第1無線周波数信号の第1電気ダウンチルトを調整するように構成され、前記第1電気ダウンチルトは、前記目標ダウンチルトと前記第1機械ダウンチルトに基づいて決定され、
前記第2調整器は、前記第2無線周波数信号に対して第2処理を実行して、前記第2無線周波数信号の第2電気ダウンチルトを調整するように構成され、前記第2電気ダウンチルトは、前記目標ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトに基づいて決定され、
前記第1アンテナは、前記第1処理が実行される第1無線周波数サブ信号を送信するように構成され、
前記第2アンテナは、前記第2処理が実行される第2無線周波数サブ信号を送信するように構成され
、
前記アンテナシステムは、第1制御部と第2制御部を更に含み、
前記第1制御部は、前記第1無線周波数信号に対応する前記目標ダウンチルトと前記第1機械ダウンチルトに基づいて、前記第1処理を実行するよう前記第1調整器を制御するように構成され、
前記第2制御部は、前記第1無線周波数信号に対応する前記目標ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトに基づいて、前記第2処理を実行するよう前記第2調整器を制御するように構成される、アンテナシステム。
【請求項10】
前記第1アンテナ上に配置された
アクティブアンテナである第3アンテナ、及び/又は、
前記第2アンテナ上に配置された
アクティブアンテナである第4アンテナ、
を更に含む請求項
9に記載のアンテナシステム。
【請求項11】
前記第1アンテナがパッシブアンテナであり、及び/又は、
前記第2アンテナがパッシブアンテナである、
請求項
9又は10に記載のアンテナシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、参照により全体がここに組み込まれる、中国特許出願番号2020113289458号、中国国家知識産権局に2020年11月24日に出願、名称「ANTENNA SYSTEM」の優先権を主張する。
【0002】
[技術分野]
本願の実施形態は、通信分野、より具体的にはアンテナシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
通信技術の発達により通信事業者が増え、アンテナパネルは希少資源となっている。
【0004】
考えられる解決策としては、2つ以上のアンテナを同一パネル上に統合し、異なる信号を送受信するプロセスで異なるアンテナを使用することで、パネル資源を節約することができる。
【0005】
ただし、この構成では、同じアンテナパネル上に統合されたアンテナのダウンチルトが一貫している必要がある。そのため、同じアンテナパネル上のアンテナの信号カバレッジを個別に調整することができず、通信の柔軟性に大きな影響を与える。
【0006】
そのため、アンテナパネルのリソースを節約することを前提として、通信の柔軟性を向上させる技術を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本願は、アンテナパネルのリソースを節約することを前提として、通信の柔軟性を向上させるアンテナシステムを提供する。
【0008】
第1態様によれば、第1アンテナ、第2アンテナ、無線周波数ユニット、第1調整器、第2調整器、及び分路器を含むアンテナシステムが提供される。第1アンテナは、第1アンテナの第1機械ダウンチルトを調整するために第1回転軸の周りを回転することができ、第2アンテナは、第2アンテナの第2機械ダウンチルトを調整するために第2回転軸の周りを回転することができる。無線周波数ユニットは、送信されるべき第1無線周波数信号を生成するように構成される。分路器は、第1無線周波数信号を第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号に分割するように構成される。第1調整器は、第1無線周波数サブ信号に対して第1処理を行い、第1無線周波数サブ信号の第1電気ダウンチルトを調整するように構成されており、第1電気ダウンチルトは、第1無線周波数信号に対応する目標ダウンチルトと第1機械ダウンチルトに基づいて決定される。第2調整器は、第2無線周波数サブ信号に対して第2処理を行い、第2無線周波数サブ信号の第2電気ダウンチルトを調整するように構成されており、第2電気ダウンチルトは、第2無線周波数信号に対応する目標ダウンチルトと第2機械ダウンチルトに基づいて決定される。第1アンテナは、第1処理が実行される第1無線周波数サブ信号を送信するように構成されている。第1アンテナは、第2処理が実行される第2無線周波数サブ信号を送信するように構成されている。
【0009】
本願で提供されるソリューションによると、同じ信号を送信するための2つのアンテナが別々に構成され(具体的には、アンテナの機械ダウンチルトは、調整によって個別に設定できる)、各アンテナの電気ダウンチルトを調整するための調整器がアンテナごとに別々に配置される。そのため、第1アンテナと第2アンテナの少なくとも一方が別のアンテナと同じアンテナパネルを共有している場合でも、電気ダウンチルトを調整することにより、2つのアンテナを使用して送信される信号のカバレッジを調整できるため、アンテナパネルのリソースを節約することを前提として通信の柔軟性を向上させることができる。
【0010】
限定ではなく、例として、アンテナシステムは更に、第1機械ダウンチルトを検出するように構成された第1センサと、第2機械ダウンチルトを検出するように構成された第2センサを含む。
【0011】
実装では、アンテナシステムは更に、第1アンテナに配置された第3アンテナを含む。
【0012】
別の実装では、アンテナシステムは更に、第2アンテナに配置された第4アンテナを含む。
【0013】
例えば、第3アンテナがアクティブアンテナであり、第4アンテナがアクティブアンテナである。
【0014】
更に、第1アンテナはパッシブアンテナであり、第2アンテナはパッシブアンテナである。
【0015】
別の例では、第3アンテナがパッシブアンテナであり、第4アンテナがパッシブアンテナである。
【0016】
更に、第1アンテナがアクティブアンテナであり、第2アンテナがアクティブアンテナである。
【0017】
本願では、第1回転軸と第2回転軸は並列に配置される。
【0018】
更に、第1回転軸は、第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。
【0019】
更に、第2回転軸第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。これは、本願において特に限定されない。
【0020】
本願では、第1調整器は、位相調整機能を持つ回路又は機械ユニットであってもよい。
【0021】
可能な実装では、第1調整器は、第1無線周波数サブ信号の振幅を更に調整することができる。
【0022】
限定ではなく、例として、第1調整器は分路器と移相器を含む。
【0023】
具体的には、分路器を用いて第1無線周波数サブ信号を2つの信号に分割し、移相器を用いて2つの信号の位相差を調整することで、第1電気ダウンチルトを調整する。
【0024】
同様に、本願では、第2調整器は、位相調整機能を持つ回路又は機械ユニットであってもよい。
【0025】
可能な実装では、第2調整器は、第2無線周波数サブ信号の振幅を更に調整することができる。
【0026】
例えば、第2調整器は分路器と移相器を含む。
【0027】
具体的には、分路器を用いて第2無線周波数サブ信号を2つの信号に分割し、移相器を用いて2つの信号の位相差を調整することで、第2電気ダウンチルトを調整する。
【0028】
実装では、アンテナシステムは更に第1制御部と第2制御部を含む。第1制御部は、第1無線周波数信号に対応する目標ダウンチルトと第1機械ダウンチルトに基づいて、第1処理を実行するよう第1調整器を制御するように構成される。第2制御部は、第1無線周波数信号に対応する目標ダウンチルトと第2機械ダウンチルトに基づいて、第2処理を実行するよう第2調整器を制御するように構成される。
【0029】
別の実装では、第1制御部を第1調整器に配置又は統合したり、第2制御部を第2調整器に配置又は統合したりすることができる。
【0030】
可能な実装では、アンテナシステムは更に第1センサであって、第1制御部に通信接続され、第1機械ダウンチルトを検出し、第1機械ダウンチルトの指示情報を第1制御部に送信するように構成される第1センサを含む。
【0031】
別の可能な実装では、アンテナシステムは更に第2センサであって、第2制御部に通信接続され、第2機械ダウンチルトを検出し、第2機械ダウンチルトの指示情報を第2制御部に送信するように構成される第2センサを含む。
【0032】
限定ではなく、例として、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0の場合、第1アンテナと第2アンテナは同一平面上にある。
【0033】
代替として、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0であるとき、第1アンテナと第2アンテナは同一平面上にない。
【0034】
限定ではなく、例として、アンテナシステムは更に第3調整器を含む。第3調整器は、第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号との位相差を調整するために、目標無線周波数サブ信号に対して第3処理を行うように構成される。目標無線周波数サブ信号は、第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号の少なくとも1つである。
【0035】
そのため、第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号の送信時の時間間隔は、第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号の位相差を調整することで調整でき、アンテナから送信されて受信端に到達するまでの第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号の伝送期間のずれ、及び第1アンテナと第2アンテナの異なるダウンチルトによるずれを補正することで、受信端が第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号を同期受信できるようになり、通信の精度と信頼性が向上する。
【0036】
実装では、位相差Pは第1情報に基づいて決定され、第1情報には、第1無線周波数信号の波長λ、第1機械ダウンチルトφ1、第2機械ダウンチルトφ2、第1電気ダウンチルトθ1、又は第2電気ダウンチルトθ2の少なくとも1つが含まれる。
【0037】
例えば、第1アンテナと第2アンテナが重力方向に上下に配置された場合、目標無線周波数サブ信号は、目標アンテナを用いて送信される第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号のうちの1つである。目標のアンテナは、第1アンテナと第2アンテナのうち重力方向で下側のアンテナである。
【0038】
この場合、第1情報は更に、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0のときの、目標のアンテナの長さMと重力方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Lを含む。
【0039】
限定ではなく、例として、位相差Pは次式に基づいて決定される:
【数1】
【0040】
別の実装では、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0のときに、第1アンテナと第2アンテナが同一平面上にない場合、第1情報には、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0のときに、水平方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Nが更に含まれる。
【0041】
上記では、第1態様のアンテナシステムと、例として信号を送信するときのコンポーネントの機能を使用した第1態様の可能な実装について説明していることを理解する必要がある。しかしながら、本願はそれらに限定されない。第1態様のアンテナシステム及び第1態様の可能な実装は、信号受信プロセスにも適用できる。例えば、第1アンテナで受信された信号は信号1として示され、第2アンテナで受信された信号は信号2として示され、信号1と信号2は同じ波長を持ち、同じデータを伝送する。第1調整器は信号1を処理するように構成され(前述の第1処理、例えば位相シフト処理に対応する)、第2調整器は信号2を処理するように構成される(前述の第2処理、例えば位相シフト処理に対応する)。更に、分路器は信号受信プロセスにおいてコンバイナの機能を実装してもよい。具体的には、分路器は調整器で処理される信号1と信号2を結合し、結合した信号を無線周波数ユニットに送るように構成される。なお、上記の信号受信処理は説明のための一例であり、本願では特に限定されない。信号受信処理は、信号送信処理の逆処理である。繰り返しを避けるため、詳細な説明は省略される。
【0042】
第2態様によれば、第1アンテナ、第2アンテナ、無線周波数ユニット、第1調整器、及び第2調整器を含むアンテナシステムが提供される。第1アンテナは、第1アンテナの第1機械ダウンチルトを調整するために第1回転軸の周りを回転することができ、第2アンテナは、第2アンテナの第2機械ダウンチルトを調整するために第2回転軸の周りを回転することができる。無線周波数ユニットは、送信されるべき第1無線周波数信号と第2無線周波数信号を生成するように構成されており、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号は同じ波長を持ち、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号は同じデータを運び、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号は同じ目標ダウンチルトを持つ。第1調整器は、第1無線周波数信号に対して第1処理を行い、第1無線周波数信号の第1電気ダウンチルトを調整するように構成されており、第1電気ダウンチルトは、目標ダウンチルトと第1機械ダウンチルトに基づいて決定される。第2調整器は、第2無線周波数信号に対して第2処理を行い、第2無線周波数サブ信号の第2電気ダウンチルトを調整するように構成されており、第2電気ダウンチルトは、目標ダウンチルトと第2機械ダウンチルトに基づいて決定される。第1アンテナは、第1処理が実行される第1無線周波数サブ信号を送信するように構成されている。第1アンテナは、第2処理が実行される第2無線周波数サブ信号を送信するように構成されている。
【0043】
本願で提供されるソリューションによると、同じ波長を持ち同じデータを伝送する信号を送信するように構成された2つのアンテナが別々に構成され(具体的には、アンテナの機械ダウンチルトは、調整によって個別に設定できる)、各アンテナの電気ダウンチルトを調整するための調整器がアンテナごとに別々に配置される。そのため、第1アンテナと第2アンテナの少なくとも一方が別のアンテナと同じアンテナパネルを共有している場合でも、電気ダウンチルトを調整することにより、2つのアンテナを使用して送信される信号のカバレッジを調整できるため、アンテナパネルのリソースを節約することを前提として通信の柔軟性を向上させることができる。
【0044】
限定ではなく、例として、アンテナシステムは更に、第1機械ダウンチルトを検出するように構成された第1センサと、第2機械ダウンチルトを検出するように構成された第2センサを含む。
【0045】
実装では、アンテナシステムは更に、第1アンテナに配置された第3アンテナを含む。
【0046】
別の実装では、アンテナシステムは更に、第2アンテナに配置された第4アンテナを含む。
【0047】
例えば、第3アンテナがアクティブアンテナであり、第4アンテナがアクティブアンテナである。
【0048】
更に、第1アンテナはパッシブアンテナであり、第2アンテナはパッシブアンテナである。
【0049】
別の例では、第3アンテナがパッシブアンテナであり、第4アンテナがパッシブアンテナである。
【0050】
更に、第1アンテナがアクティブアンテナであり、第2アンテナがアクティブアンテナである。
【0051】
本願では、第1回転軸と第2回転軸は並列に配置される。
【0052】
更に、第1回転軸は、第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。
【0053】
更に、第2回転軸第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。これは、本願において特に限定されない。
【0054】
本願では、第1調整器は、位相調整機能を持つ回路又は機械ユニットであってもよい。
【0055】
可能な実装では、第1調整器は、第1無線周波数信号の振幅を更に調整することができる。
【0056】
限定ではなく、例として、第1調整器は分路器と移相器を含む。
【0057】
具体的には、分路器を用いて第1無線周波数信号を2つの信号に分割し、移相器を用いて2つの信号の位相差を調整することで、第1電気ダウンチルトを調整する。
【0058】
同様に、第2調整器は、位相調整機能を持つ回路又は機械ユニットであってもよい。
【0059】
可能な実装では、第2調整器は、第2無線周波数信号の振幅を更に調整することができる。
【0060】
例えば、第2調整器は分路器と移相器を含む。
【0061】
具体的には、分路器を用いて第2無線周波数信号を2つの信号に分割し、移相器を用いて2つの信号の位相差を調整することで、第2電気ダウンチルトを調整する。
【0062】
任意的に、アンテナシステムは更に第1制御部と第2制御部を含む。第1制御部は、第1無線周波数信号に対応する目標ダウンチルトと第1機械ダウンチルトに基づいて、第1処理を実行するよう第1調整器を制御するように構成される。第2制御部は、第1無線周波数信号に対応する目標ダウンチルトと第2機械ダウンチルトに基づいて、第2処理を実行するよう第2調整器を制御するように構成される。
【0063】
別の実装では、第1制御部を第1調整器に配置又は統合したり、第2制御部を第2調整器に配置又は統合したりすることができる。
【0064】
任意的に、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0であるとき、第1アンテナと第2アンテナは同一平面上にある。
【0065】
本願では、無線周波数ユニットによって生成される第1無線周波数信号と第2無線周波数信号の間に位相差Pがある。
【0066】
そのため、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号の送信時の時間間隔は、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号の位相差を調整することで調整でき、アンテナから送信されて受信端に到達するまでの第1無線周波数信号と第2無線周波数信号の伝送期間のずれ、及び第1アンテナと第2アンテナの異なるダウンチルトによるずれを補正することで、受信端が第1無線周波数信号と第2無線周波数信号を同期受信できるようになり、通信の精度と信頼性が向上する。
【0067】
実装では、位相差Pは第1情報に基づいて決定され、第1情報には、第1無線周波数信号の波長λ、第1機械ダウンチルトφ1、第2機械ダウンチルトφ2、第1電気ダウンチルトθ1、又は第2電気ダウンチルトθ2の少なくとも1つが含まれる。
【0068】
更に、第1アンテナと第2アンテナが重力方向に上下に配置されている場合、第1情報は更に、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0のときの、目標のアンテナの長さMと重力方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Lを含む。目標のアンテナは、第1アンテナと第2アンテナのうち重力方向で下側のアンテナである。
【0069】
任意的に、位相差Pは次式に基づいて決定される:
【数2】
【0070】
更に、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0のときに、第1アンテナと第2アンテナが同一平面上にない場合、第1情報には、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0のときに、水平方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Nが更に含まれる。
【0071】
上記では、第2態様のアンテナシステムと、例として信号を送信するときのコンポーネントの機能を使用した第2態様の可能な実装について説明していることを理解する必要がある。しかしながら、本願はそれらに限定されない。第2態様のアンテナシステム及び第2態様の可能な実装は、信号受信プロセスにも適用できる。例えば、第1アンテナで受信された信号は信号3として示され、第2アンテナで受信された信号は信号4として示され、信号3と信号4は同じ波長を持ち、同じデータを伝送する。第3調整器は信号1を処理するように構成され(前述の第1処理、例えば位相シフト処理に対応する)、第4調整器は信号2を処理するように構成される(前述の第2処理、例えば位相シフト処理に対応する)。更に、分路器は信号受信プロセスにおいてコンバイナの機能を実装してもよい。具体的には、分路器は調整器で処理される信号3と信号4を結合し、結合した信号を無線周波数ユニットに送るように構成される。なお、上記の信号受信処理は説明のための一例であり、本願では特に限定されない。信号受信処理は、信号送信処理の逆処理である。繰り返しを避けるため、詳細な説明は省略される。
【0072】
第3態様によれば、第1アンテナ、第2アンテナ、及び無線周波数ユニットを含むアンテナシステムが提供される。第1アンテナは、第1アンテナの第1機械ダウンチルトを調整するために第1回転軸の周りを回転することができ、第2アンテナは、第2アンテナの第2機械ダウンチルトを調整するために第2回転軸の周りを回転することができる。無線周波数ユニットは、送信されるべき第1無線周波数信号、第2無線周波数信号、第3無線周波数信号、及び第4無線周波数信号を生成するように構成されている。第1無線周波数信号、第2無線周波数信号、第3無線周波数信号及び第4無線周波数信号は同じ波長を持ち、第1無線周波数信号、第2無線周波数信号、第3無線周波数信号及び第4無線周波数信号は同じデータを伝送し、第1無線周波数信号、第2無線周波数信号、第3無線周波数信号及び第4無線周波数信号は同じ目標ダウンチルトを持つ。第1無線周波数信号と第2無線周波数信号との間に第1位相差があり、第3無線周波数信号と第4無線周波数信号との間に第2位相差がある。第1位相差は目標ダウンチルトと第1機械ダウンチルトに基づいて決定され、第2位相差は目標ダウンチルトと第2機械ダウンチルトに基づいて決定される。第1アンテナは、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号を送信するように構成されている。第2アンテナは、第3無線周波数信号と第4無線周波数信号を送信するように構成されている。
【0073】
本願で提供されるソリューションによると、同じ波長を持ち同じデータを伝送する信号を送信するように構成された2つのアンテナは別々に構成され(具体的には、アンテナの機械ダウンチルトは、調整によって個別に設定できる)、第1アンテナの電気ダウンチルトは、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号の位相差を使用して調整され、第2アンテナの電気ダウンチルトは、第3無線周波数信号と第4無線周波数信号の位相差を使用して調整される。そのため、第1アンテナと第2アンテナの少なくとも一方が別のアンテナと同じアンテナパネルを共有している場合でも、電気ダウンチルトを調整することにより、2つのアンテナを使用して送信される信号のカバレッジを調整できるため、アンテナパネルのリソースを節約することを前提として通信の柔軟性を向上させることができる。
【0074】
限定ではなく、例として、アンテナシステムは更に、第1機械ダウンチルトを検出するように構成された第1センサと、第2機械ダウンチルトを検出するように構成された第2センサを含む。
【0075】
実装では、アンテナシステムは更に、第1アンテナに配置された第3アンテナを含む。
【0076】
別の実装では、アンテナシステムは更に、第2アンテナに配置された第4アンテナを含む。
【0077】
例えば、第3アンテナがアクティブアンテナであり、第4アンテナがアクティブアンテナである。
【0078】
更に、第1アンテナはパッシブアンテナであり、第2アンテナはパッシブアンテナである。
【0079】
別の例では、第3アンテナがパッシブアンテナであり、第4アンテナがパッシブアンテナである。
【0080】
更に、第1アンテナがアクティブアンテナであり、第2アンテナがアクティブアンテナである。
【0081】
本願では、第1回転軸と第2回転軸は並列に配置される。
【0082】
更に、第1回転軸は、第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。
【0083】
更に、第2回転軸第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。これは、本願において特に限定されない。
【0084】
任意的に、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0であるとき、第1アンテナと第2アンテナは同一平面上にある。
【0085】
任意的に、第5無線周波数信号と第6無線周波数信号の間に第3位相差Pがある。第5無線周波数信号は、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号のうち位相が遅れている信号である。第6無線周波数信号は、第3無線周波数信号と第4無線周波数信号のうち位相が遅れている信号である。
【0086】
任意的に、第3位相差Pは第1情報に基づいて決定され、第1情報には、第1無線周波数信号の波長λ、第1機械ダウンチルトφ1、第2機械ダウンチルトφ2、第1電気ダウンチルトθ1、又は第2電気ダウンチルトθ2の少なくとも1つが含まれる。
【0087】
任意的に、第1アンテナと第2アンテナが重力方向に上下に配置されている場合、第1情報は更に、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0のときの、目標のアンテナの長さMと重力方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Lを含む。目標のアンテナは、第1アンテナと第2アンテナのうち重力方向で下側のアンテナである。
【0088】
任意的に、第3位相差Pは次式に基づいて決定される:
【数3】
【0089】
任意的に、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0のときに、第1アンテナと第2アンテナが同一平面上にない場合、第1情報には、第1機械ダウンチルトと第2機械ダウンチルトの両方が0のときに、水平方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Nが更に含まれる。
【0090】
上記では、第3態様のアンテナシステムと、例として信号を送信するときのコンポーネントの機能を使用した第3態様の可能な実装について説明していることを理解する必要がある。しかしながら、本願はそれらに限定されない。第3態様のアンテナシステム及び第3態様の可能な実装は、信号受信プロセスにも適用できる。例えば、第1アンテナで受信された信号は信号3として示され、第2アンテナで受信された信号は信号4として示され、信号3と信号4は同じ波長を持ち、同じデータを伝送する。第3調整器は信号1を処理するように構成され(前述の第1処理、例えば位相シフト処理に対応する)、第4調整器は信号2を処理するように構成される(前述の第2処理、例えば位相シフト処理に対応する)。更に、分路器は信号受信プロセスにおいてコンバイナの機能を実装してもよい。具体的には、分路器は調整器で処理される信号3と信号4を結合し、結合した信号を無線周波数ユニットに送るように構成される。なお、上記の信号受信処理は説明のための一例であり、本願では特に限定されない。信号受信処理は、信号送信処理の逆処理である。繰り返しを避けるため、詳細な説明は省略される。
【0091】
第4の態様によれば、第1アンテナ、第2アンテナ、無線周波数ユニット、第1調整器、第2調整器、及び分路器を含むアンテナシステムが提供される。第1アンテナは、第1アンテナの第1機械方位角を調整するために第1回転軸の周りを回転することができ、第2アンテナは、第2アンテナの第2機械方位角を調整するために第2回転軸の周りを回転することができる。無線周波数ユニットは、送信されるべき第1無線周波数信号を生成するように構成される。分路器は、第1無線周波数信号を第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号に分割するように構成される。第1調整器は、第1無線周波数サブ信号に対して第1処理を行い、第1無線周波数サブ信号の第1電気方位角を調整するように構成されており、第1電気方位角は、第1無線周波数信号に対応する目標方位角と第1機械方位角に基づいて決定される。第2調整器は、第2無線周波数サブ信号に対して第2処理を行い、第2無線周波数サブ信号の第2電気方位角を調整するように構成されており、第2電気方位角は、第2無線周波数信号に対応する目標方位角と第2機械方位角に基づいて決定される。第1アンテナは、第1処理が実行される第1無線周波数サブ信号を送信するように構成されている。第1アンテナは、第2処理が実行される第2無線周波数サブ信号を送信するように構成されている。
【0092】
本願で提供されるソリューションによると、同じ信号を送信するための2つのアンテナが別々に構成され(具体的には、アンテナの機械方位角は、調整によって個別に設定できる)、各アンテナの電気方位角を調整するための調整器がアンテナごとに別々に配置される。そのため、第1アンテナと第2アンテナの少なくとも一方が別のアンテナと同じアンテナパネルを共有している場合でも、電気方位角を調整することにより、2つのアンテナを使用して送信される信号のカバレッジを調整できるため、アンテナパネルのリソースを節約することを前提として通信の柔軟性を向上させることができる。
【0093】
限定ではなく、例として、アンテナシステムは更に、第1機械方位角を検出するように構成された第1センサと、第2機械方位角を検出するように構成された第2センサを含む。
【0094】
実装では、アンテナシステムは更に、第1アンテナに配置された第3アンテナを含む。
【0095】
別の実装では、アンテナシステムは更に、第2アンテナに配置された第4アンテナを含む。
【0096】
例えば、第3アンテナがアクティブアンテナであり、第4アンテナがアクティブアンテナである。
【0097】
更に、第1アンテナはパッシブアンテナであり、第2アンテナはパッシブアンテナである。
【0098】
別の例では、第3アンテナがパッシブアンテナであり、第4アンテナがパッシブアンテナである。
【0099】
更に、第1アンテナがアクティブアンテナであり、第2アンテナがアクティブアンテナである。
【0100】
本願では、第1回転軸と第2回転軸は並列に配置される。
【0101】
更に、第1回転軸は、第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。
【0102】
更に、第2回転軸第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。これは、本願において特に限定されない。
【0103】
本願では、第1調整器は、位相調整機能を持つ回路又は機械ユニットであってもよい。
【0104】
可能な実装では、第1調整器は、第1無線周波数サブ信号の振幅を更に調整することができる。
【0105】
限定ではなく、例として、第1調整器は分路器と移相器を含む。
【0106】
具体的には、分路器を用いて第1無線周波数サブ信号を2つの信号に分割し、移相器を用いて2つの信号の位相差を調整することで、第1電気方位角を調整する。
【0107】
同様に、本願では、第2調整器は、位相調整機能を持つ回路又は機械ユニットであってもよい。
【0108】
可能な実装では、第2調整器は、第2無線周波数サブ信号の振幅を更に調整することができる。
【0109】
例えば、第2調整器は分路器と移相器を含む。
【0110】
具体的には、分路器を用いて第2無線周波数サブ信号を2つの信号に分割し、移相器を用いて2つの信号の位相差を調整することで、第2電気方位角を調整する。
【0111】
実装では、アンテナシステムは更に第1制御部と第2制御部を含む。第1制御部は、第1無線周波数信号に対応する目標方位角と第1機械方位角に基づいて、第1処理を実行するよう第1調整器を制御するように構成される。第2制御部は、第1無線周波数信号に対応する目標方位角と第2機械方位角に基づいて、第2処理を実行するよう第2調整器を制御するように構成される。
【0112】
別の実装では、第1制御部を第1調整器に配置又は統合したり、第2制御部を第2調整器に配置又は統合したりすることができる。
【0113】
可能な実装では、アンテナシステムは更に第1センサであって、第1制御部に通信接続され、第1機械方位角を検出し、第1機械方位角の指示情報を第1制御部に送信するように構成される第1センサを含む。
【0114】
別の可能な実装では、アンテナシステムは更に第2センサであって、第2制御部に通信接続され、第2機械方位角を検出し、第2機械方位角の指示情報を第2制御部に送信するように構成される第2センサを含む。
【0115】
限定ではなく、例として、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0の場合、第1アンテナと第2アンテナは同一平面上にある。
【0116】
代替として、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0であるとき、第1アンテナと第2アンテナは同一平面上にない。
【0117】
限定ではなく、例として、アンテナシステムは更に第3調整器を含む。第3調整器は、第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号との位相差を調整するために、目標無線周波数サブ信号に対して第3処理を行うように構成される。目標無線周波数サブ信号は、第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号の少なくとも1つである。
【0118】
そのため、第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号の送信時の時間間隔は、第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号の位相差を調整することで調整でき、アンテナから送信されて受信端に到達するまでの第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号の伝送期間のずれ、及び第1アンテナと第2アンテナの異なる方位角によるずれを補正することで、受信端が第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号を同期受信できるようになり、通信の精度と信頼性が向上する。
【0119】
実装では、位相差Pは第1情報に基づいて決定され、第1情報には、第1無線周波数信号の波長λ、第1機械方位角φ1、第2機械方位角φ2、第1電気方位角θ1、又は第2電気方位角θ2の少なくとも1つが含まれる。
【0120】
例えば、第1アンテナと第2アンテナが水平方向に左右に配置された場合、目標無線周波数サブ信号は、目標アンテナを用いて送信される第1無線周波数サブ信号と第2無線周波数サブ信号のうちの1つである。目標アンテナは、第1アンテナと第2アンテナのうち、水平方向の目標方位角の向きに近い方である。
【0121】
この場合、第1情報は更に、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0のときの、目標アンテナの長さMと第1方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Lを含む。第1方向は、機械方位角が両方とも0であるときに、アンテナのアンテナパネルが配置されている平面と平行である。
【0122】
限定ではなく、例として、位相差Pは次式に基づいて決定される:
【数4】
【0123】
別の実装では、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0のときに、第1アンテナと第2アンテナが同一平面上にない場合、第1情報には、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0のときに、第2方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Nが更に含まれる。第2方向は、機械方位角が両方とも0であるときに、アンテナのアンテナパネルが配置されている平面と垂直である。
【0124】
上記では、第4の態様のアンテナシステムと、例として信号を送信するときのコンポーネントの機能を使用した第4の態様の可能な実装について説明していることを理解する必要がある。しかしながら、本願はそれらに限定されない。第4の態様のアンテナシステム及び第4の態様の可能な実装は、信号受信プロセスにも適用できる。例えば、第1アンテナで受信された信号は信号1として示され、第2アンテナで受信された信号は信号2として示され、信号1と信号2は同じ波長を持ち、同じデータを伝送する。第1調整器は信号1を処理するように構成され(前述の第1処理、例えば位相シフト処理に対応する)、第2調整器は信号2を処理するように構成される(前述の第2処理、例えば位相シフト処理に対応する)。更に、分路器は信号受信プロセスにおいてコンバイナの機能を実装してもよい。具体的には、分路器は調整器で処理される信号1と信号2を結合し、結合した信号を無線周波数ユニットに送るように構成される。なお、上記の信号受信処理は説明のための一例であり、本願では特に限定されない。信号受信処理は、信号送信処理の逆処理である。繰り返しを避けるため、詳細な説明は省略される。
【0125】
第5の態様によれば、第1アンテナ、第2アンテナ、無線周波数ユニット、第1調整器、及び第2調整器を含むアンテナシステムが提供される。第1アンテナは、第1アンテナの第1機械方位角を調整するために第1回転軸の周りを回転することができ、第2アンテナは、第2アンテナの第2機械方位角を調整するために第2回転軸の周りを回転することができる。無線周波数ユニットは、送信されるべき第1無線周波数信号と第2無線周波数信号を生成するように構成されており、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号は同じ波長を持ち、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号は同じデータを運び、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号は同じ目標方位角を持つ。第1調整器は、第1無線周波数信号に対して第1処理を行い、第1無線周波数信号の第1電気方位角を調整するように構成されており、第1電気方位角は、目標方位角と第1機械方位角に基づいて決定される。第2調整器は、第2無線周波数信号に対して第2処理を行い、第2無線周波数サブ信号の第2電気方位角を調整するように構成されており、第2電気方位角は、目標方位角と第2機械方位角に基づいて決定される。第1アンテナは、第1処理が実行される第1無線周波数サブ信号を送信するように構成されている。第1アンテナは、第2処理が実行される第2無線周波数サブ信号を送信するように構成されている。
【0126】
本願で提供されるソリューションによると、同じ波長を持ち同じデータを伝送する信号を送信するように構成された2つのアンテナが別々に構成され(具体的には、アンテナの機械方位角は、調整によって個別に設定できる)、各アンテナの電気方位角を調整するための調整器がアンテナごとに別々に配置される。そのため、第1アンテナと第2アンテナの少なくとも一方が別のアンテナと同じアンテナパネルを共有している場合でも、電気方位角を調整することにより、2つのアンテナを使用して送信される信号のカバレッジを調整できるため、アンテナパネルのリソースを節約することを前提として通信の柔軟性を向上させることができる。
【0127】
限定ではなく、例として、アンテナシステムは更に、第1機械方位角を検出するように構成された第1センサと、第2機械方位角を検出するように構成された第2センサを含む。
【0128】
実装では、アンテナシステムは更に、第1アンテナに配置された第3アンテナを含む。
【0129】
別の実装では、アンテナシステムは更に、第2アンテナに配置された第4アンテナを含む。
【0130】
例えば、第3アンテナがアクティブアンテナであり、第4アンテナがアクティブアンテナである。
【0131】
更に、第1アンテナはパッシブアンテナであり、第2アンテナはパッシブアンテナである。
【0132】
別の例では、第3アンテナがパッシブアンテナであり、第4アンテナがパッシブアンテナである。
【0133】
更に、第1アンテナがアクティブアンテナであり、第2アンテナがアクティブアンテナである。
【0134】
本願では、第1回転軸と第2回転軸は並列に配置される。
【0135】
更に、第1回転軸は、第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。
【0136】
更に、第2回転軸第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。これは、本願において特に限定されない。
【0137】
本願では、第1調整器は、位相調整機能を持つ回路又は機械ユニットであってもよい。
【0138】
可能な実装では、第1調整器は、第1無線周波数信号の振幅を更に調整することができる。
【0139】
限定ではなく、例として、第1調整器は分路器と移相器を含む。
【0140】
具体的には、分路器を用いて第1無線周波数信号を2つの信号に分割し、移相器を用いて2つの信号の位相差を調整することで、第1電気方位角を調整する。
【0141】
同様に、第2調整器は、位相調整機能を持つ回路又は機械ユニットであってもよい。
【0142】
可能な実装では、第2調整器は、第2無線周波数信号の振幅を更に調整することができる。
【0143】
例えば、第2調整器は分路器と移相器を含む。
【0144】
具体的には、分路器を用いて第2無線周波数信号を2つの信号に分割し、移相器を用いて2つの信号の位相差を調整することで、第2電気方位角を調整する。
【0145】
任意的に、アンテナシステムは更に第1制御部と第2制御部を含む。第1制御部は、第1無線周波数信号に対応する目標方位角と第1機械方位角に基づいて、第1処理を実行するよう第1調整器を制御するように構成される。第2制御部は、第1無線周波数信号に対応する目標方位角と第2機械方位角に基づいて、第2処理を実行するよう第2調整器を制御するように構成される。
【0146】
別の実装では、第1制御部を第1調整器に配置又は統合したり、第2制御部を第2調整器に配置又は統合したりすることができる。
【0147】
任意的に、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0であるとき、第1アンテナと第2アンテナは同一平面上にある。
【0148】
本願では、無線周波数ユニットによって生成される第1無線周波数信号と第2無線周波数信号の間に位相差Pがある。
【0149】
そのため、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号の送信時の時間間隔は、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号の位相差を調整することで調整でき、アンテナから送信されて受信端に到達するまでの第1無線周波数信号と第2無線周波数信号の伝送期間のずれ、及び第1アンテナと第2アンテナの異なる方位角によるずれを補正することで、受信端が第1無線周波数信号と第2無線周波数信号を同期受信できるようになり、通信の精度と信頼性が向上する。
【0150】
実装では、位相差Pは第1情報に基づいて決定され、第1情報には、第1無線周波数信号の波長λ、第1機械方位角φ1、第2機械方位角φ2、第1電気方位角θ1、又は第2電気方位角θ2の少なくとも1つが含まれる。
【0151】
更に、第1アンテナと第2アンテナが水平方向に左右に配置されている場合、第1情報は更に、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0のときの、目標アンテナの長さMと水平方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Lを含む。目標アンテナは、第1アンテナと第2アンテナのうち、水平方向の目標方位角の向きに近い方である。
【0152】
任意的に、位相差Pは次式に基づいて決定される:
【数5】
【0153】
更に、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0のときに、第1アンテナと第2アンテナが同一平面上にない場合、第1情報には、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0のときに、第2方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Nが更に含まれる。第2方向は、第1機械方位角が0であるときに、第1アンテナが配置されている平面と垂直である。
【0154】
上記では、第5の態様のアンテナシステムと、例として信号を送信するときのコンポーネントの機能を使用した第5の態様の可能な実装について説明していることを理解する必要がある。しかしながら、本願はそれらに限定されない。第5の態様のアンテナシステム及び第5の態様の可能な実装は、信号受信プロセスにも適用できる。例えば、第1アンテナで受信された信号は信号3として示され、第2アンテナで受信された信号は信号4として示され、信号3と信号4は同じ波長を持ち、同じデータを伝送する。第3調整器は信号1を処理するように構成され(前述の第1処理、例えば位相シフト処理に対応する)、第4調整器は信号2を処理するように構成される(前述の第2処理、例えば位相シフト処理に対応する)。更に、分路器は信号受信プロセスにおいてコンバイナの機能を実装してもよい。具体的には、分路器は調整器で処理される信号3と信号4を結合し、結合した信号を無線周波数ユニットに送るように構成される。なお、上記の信号受信処理は説明のための一例であり、本願では特に限定されない。信号受信処理は、信号送信処理の逆処理である。繰り返しを避けるため、詳細な説明は省略される。
【0155】
第6の態様によれば、第1アンテナ、第2アンテナ、及び無線周波数ユニットを含むアンテナシステムが提供される。第1アンテナは、第1アンテナの第1機械方位角を調整するために第1回転軸の周りを回転することができ、第2アンテナは、第2アンテナの第2機械方位角を調整するために第2回転軸の周りを回転することができる。無線周波数ユニットは、送信されるべき第1無線周波数信号、第2無線周波数信号、第3無線周波数信号、及び第4無線周波数信号を生成するように構成されている。第1無線周波数信号、第2無線周波数信号、第3無線周波数信号及び第4無線周波数信号は同じ波長を持ち、第1無線周波数信号、第2無線周波数信号、第3無線周波数信号及び第4無線周波数信号は同じデータを伝送し、第1無線周波数信号、第2無線周波数信号、第3無線周波数信号及び第4無線周波数信号は同じ目標方位角を持つ。第1無線周波数信号と第2無線周波数信号との間に第1位相差があり、第3無線周波数信号と第4無線周波数信号との間に第2位相差がある。第1位相差は目標方位角と第1機械方位角に基づいて決定され、第2位相差は目標方位角と第2機械方位角に基づいて決定される。第1アンテナは、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号を送信するように構成されている。第2アンテナは、第3無線周波数信号と第4無線周波数信号を送信するように構成されている。
【0156】
本願で提供されるソリューションによると、同じ波長を持ち同じデータを伝送する信号を送信するように構成された2つのアンテナは別々に構成され(具体的には、アンテナの機械方位角は、調整によって個別に設定できる)、第1アンテナの電気方位角は、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号の位相差を使用して調整され、第2アンテナの電気方位角は、第3無線周波数信号と第4無線周波数信号の位相差を使用して調整される。そのため、第1アンテナと第2アンテナの少なくとも一方が別のアンテナと同じアンテナパネルを共有している場合でも、電気方位角を調整することにより、2つのアンテナを使用して送信される信号のカバレッジを調整できるため、アンテナパネルのリソースを節約することを前提として通信の柔軟性を向上させることができる。
【0157】
限定ではなく、例として、アンテナシステムは更に、第1機械方位角を検出するように構成された第1センサと、第2機械方位角を検出するように構成された第2センサを含む。
【0158】
実装では、アンテナシステムは更に、第1アンテナに配置された第3アンテナを含む。
【0159】
別の実装では、アンテナシステムは更に、第2アンテナに配置された第4アンテナを含む。
【0160】
例えば、第3アンテナがアクティブアンテナであり、第4アンテナがアクティブアンテナである。
【0161】
更に、第1アンテナはパッシブアンテナであり、第2アンテナはパッシブアンテナである。
【0162】
別の例では、第3アンテナがパッシブアンテナであり、第4アンテナがパッシブアンテナである。
【0163】
更に、第1アンテナがアクティブアンテナであり、第2アンテナがアクティブアンテナである。
【0164】
本願では、第1回転軸と第2回転軸は並列に配置される。
【0165】
更に、第1回転軸は、第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。
【0166】
更に、第2回転軸第1アンテナの端又は中心などの任意の位置に配置することができる。これは、本願において特に限定されない。
【0167】
任意的に、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0であるとき、第1アンテナと第2アンテナは同一平面上にある。
【0168】
任意的に、第5無線周波数信号と第6無線周波数信号の間に第3位相差Pがある。第5無線周波数信号は、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号のうち位相が遅れている信号である。第6無線周波数信号は、第3無線周波数信号と第4無線周波数信号のうち位相が遅れている信号である。
【0169】
任意的に、第3位相差Pは第1情報に基づいて決定され、第1情報には、第1無線周波数信号の波長λ、第1機械方位角φ1、第2機械方位角φ2、第1電気方位角θ1、又は第2電気方位角θ2の少なくとも1つが含まれる。
【0170】
任意的に、第1アンテナと第2アンテナが水平方向に左右に配置されている場合、第1情報は更に、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0のときの、目標アンテナの長さMと水平方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Lを含む。目標アンテナは、第1アンテナと第2アンテナのうち、水平方向の目標方位角の向きに近い方である。
【0171】
任意的に、第3位相差Pは次式に基づいて決定される:
【数6】
【0172】
任意的に、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0のときに、第1アンテナと第2アンテナが同一平面上にない場合、第1情報には、第1機械方位角と第2機械方位角の両方が0のときに、第2方向の第1アンテナと第2アンテナの間の距離Nが更に含まれる。第2方向は、第1機械方位角が0であるときに、第1アンテナのアンテナパネルが配置されている平面と垂直である。
【0173】
上記では、第6の態様のアンテナシステムと、例として信号を送信するときのコンポーネントの機能を使用した第6の態様の可能な実装について説明していることを理解する必要がある。しかしながら、本願はそれらに限定されない。第6の態様のアンテナシステム及び第6の態様の可能な実装は、信号受信プロセスにも適用できる。例えば、第1アンテナで受信された信号は信号3として示され、第2アンテナで受信された信号は信号4として示され、信号3と信号4は同じ波長を持ち、同じデータを伝送する。第3調整器は信号1を処理するように構成され(前述の第1処理、例えば位相シフト処理に対応する)、第4調整器は信号2を処理するように構成される(前述の第2処理、例えば位相シフト処理に対応する)。更に、分路器は信号受信プロセスにおいてコンバイナの機能を実装してもよい。具体的には、分路器は調整器で処理される信号3と信号4を結合し、結合した信号を無線周波数ユニットに送るように構成される。なお、上記の信号受信処理は説明のための一例であり、本願では特に限定されない。信号受信処理は、信号送信処理の逆処理である。繰り返しを避けるため、詳細な説明は省略される。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【
図1】本願によるアンテナ配置方法の例の正面図の概略図である。
【0175】
【
図2】本願によるアンテナ配置方法の別の例の側面図の概略図である。
【0176】
【
図3】本願によるアンテナ配置方法の更に別の例の側面図の概略図である。
【0177】
【
図4】本願によるアンテナ配置方法の更に別の例の正面図の概略図である。
【0178】
【
図5】本願によるアンテナ配置方法の更に別の例の側面図の概略図である。
【0179】
【
図6】本願によるアンテナ配置方法の更に別の例の側面図の概略図である。
【0180】
【
図7】本願によるアンテナ配置方法の更に別の例の正面図の概略図である。
【0181】
【
図8】本願によるアンテナ配置方法の更に別の例の側面図の概略図である。
【0182】
【
図9】本願によるアンテナ配置方法の更に別の例の側面図の概略図である。
【0183】
【
図10】本願によるアンテナ配置方法の更に別の例の側面図の概略図である。
【0184】
【
図11】本願によるアンテナシステムの例の概略図である。
【0185】
【
図12】本願によるアンテナシステムの別の例の概略図である。
【0186】
【0187】
【
図14】
図13に示した配置における、本願によるアンテナ位相調整方法の概略図である。
【0188】
【
図15】本願によるアンテナシステムの更に別の例の概略図である。
【0189】
【
図16】本願によるアンテナシステムの更に別の例の概略図である。
【0190】
【
図17】本願によるアンテナ配置方法の別の例の上面図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0191】
以下は、添付の図面を参照して、本願の技術的ソリューションを説明する。
【0192】
本願の実施形態の技術的ソリューションは、種々の通信システム、例えば、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(global system for mobile communications, GSM)、符号分割多元接続(code division multiple access, CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(wideband code division multiple access, WCDMA)システム、汎用パケット無線サービス(general packet radio service, GPRS)システム、ロングタームエボリューション(long term evolution, LTE)システム、LTE周波数分割復信(frequency division duplex, FDD)システム、LTE時分割復信(time division duplex, TDD)システム、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(universal mobile telecommunications system, UMTS)、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(worldwide interoperability for microwave access, WiMAX)通信システム、第5世代(5th generation, 5G)システム、又は新無線(new radio, NR)システムに適用されてよい。
【0193】
本願で提供されるアンテナシステムは、ネットワーク装置に適用することができ、特に、異なるデータを送信するために構成された(又は異なるオペレータに属する)複数の(2つ以上の)アンテナ(又はアンテナアレイ)を同じパネル上に配置する必要があるシナリオに適用することができる。
【0194】
本願の実施形態におけるネットワーク装置は、端末装置と通信するよう構成される装置であってよい。ネットワーク装置は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(Global System of Mobile communication, GSM)システム又は符号分割多元接続(Code Division Multiple Access, CDMA)システムにおける基地トランシーバ局(Base Transceiver Station, BTS)、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access, WCDMA)システムにおけるNodeB(NodeB, NB)、LTEシステムにおける進化型NodeB(evolved NodeB, eNB又はeNodeB)、又はクラウド無線アクセスネットワーク(Cloud Radio Access Network, CRAN)シナリオにおける無線制御部であってよい。代替として、ネットワーク装置は、中継局、アクセスポイント、車載装置、ウェアラブル装置、将来の5Gネットワークにおけるネットワーク装置、将来の進化型PLMNネットワークにおけるネットワーク装置、等であってよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0195】
本願のアンテナシステムは、複数(又は少なくとも2つ)のアンテナを含む。
【0196】
本願では、アンテナはアンテナパネル又はアンテナアレイと呼ばれることもあり、つまり、アンテナは平面状(又は板状)に形成される。
【0197】
本願では、複数のアンテナのうちの任意の2つの間の配置が同じであっても、類似していてもよい。理解及び説明を簡単にするために、複数のアンテナにおけるアンテナ#Aとアンテナ#Bの間の配置を例に説明する。
【0198】
アンテナ#Aとアンテナ#Bは、機械ダウンチルトを別々に調整できるように配置されている。
【0199】
具体的には、アンテナ#Aとアンテナ#Bは、異なる回転軸の周りを回転することができる。理解及び説明を簡単にするために、アンテナ#Aの回転軸を回転軸#a、アンテナ#Bの回転軸を回転軸#bと表記する。実装上、回転軸#aと回転軸#bは水平方向に伸びている場合があるので、アンテナ#Aとアンテナ#Bの各々の回転軸の周りの回転角を調整することで、アンテナ#Aとアンテナ#Bのダウンチルト(具体的には、機械ダウンチルト)を調整することができる。なお、
図1~
図3に示した回転軸#aとアンテナ#Aとの位置関係は単なる説明例であり、本願はこれに限定されないことに注意する。回転軸#aとアンテナ#Aとの位置関係は、アンテナ#Aが回転軸#aの周りを回転できることを条件として、実際の要件に応じて当業者がランダムに設定することができる。同様に、
図1~
図3に示した回転軸#bとアンテナ#Bとの位置関係は単なる説明例であり、本願はこれに限定されないことに注意する。回転軸#bとアンテナ#Bとの位置関係は、アンテナ#Bが回転軸#bの周りを回転できることを条件として、実際の要件に応じて当業者がランダムに設定することができる。
【0200】
図1に示すように、実装ではアンテナ#Aとアンテナ#Bを上下に配置する。
【0201】
本願では、「上下に配置する」とは、垂直方向(又は直交方向、又は重力方向)に上下に配置することと理解してよい。
【0202】
また、例えば回転軸#aと回転軸#bは垂直方向に同一平面上にある。つまり、
図2に示すように、アンテナ#Aとアンテナ#Bの機械ダウンチルトが0でない場合、アンテナ#Aとアンテナ#Bは同一平面上にある。
【0203】
なお、本願では、角度が0であることを、角度が0°であると理解してもよい。
【0204】
別の例では、回転軸#aと回転軸#bは垂直方向に同一平面上にない。つまり、
図3に示すように、アンテナ#Aとアンテナ#Bの機械ダウンチルトが0でない場合、アンテナ#Aとアンテナ#Bは同一平面上にない。具体的には、アンテナ#Aとアンテナ#Bの機械ダウンチルトが0でない場合、アンテナ#Aがある面とアンテナ#Bがある面との間にNと表記されるギャップがある。
【0205】
図4に示すように、別の実装ではアンテナ#Aとアンテナ#Bを左右に配置する。
【0206】
本願では、「左右に配置する」とは、水平方向に平行に配置されたものと理解してよい。
【0207】
また、例えば回転軸#aと回転軸#bは水平方向に同一平面上にある。つまり、
図5に示すように、アンテナ#Aとアンテナ#Bの機械ダウンチルトが同じ場合、アンテナ#Aとアンテナ#Bは同一平面上にある。
【0208】
別の例では、回転軸#aと回転軸#bは水平方向に同一平面上にない。つまり、
図6に示すように、アンテナ#Aとアンテナ#Bの機械ダウンチルトが同じ場合、アンテナ#Aとアンテナ#Bは同一平面上にない。具体的には、アンテナ#Aとアンテナ#Bの機械ダウンチルトが同じ場合、アンテナ#Aがある面とアンテナ#Bがある面との間にTと表記されるギャップがある。
【0209】
なお、アンテナ#Aとアンテナ#Bとの前述の配置は単なる説明例であり、本願はこれに限定されないことに注意する。例えば、
図7に示すように、アンテナ#Aとアンテナ#Bを上下に配置した場合、アンテナ#Aとアンテナ#Bの水平方向の位置にずれが生じることがある。別の例では、
図8に示すように、アンテナ#Aとアンテナ#Bを左右に配置した場合、アンテナ#Aとアンテナ#Bの垂直方向の位置にずれが生じることがある。
【0210】
可能な実装では、アンテナ#Aとアンテナ#Bは、同じデータ(データ#1として示される)を送信するように設定される。
【0211】
可能な実装では、アンテナ#Aとアンテナ#Bは、同じ波長を有する信号を送信するように設定される。
【0212】
可能な実装では、別のアンテナをアンテナ#Aとアンテナ#Bの少なくとも1つに配置することができる。
【0213】
例えば、
図9に示すように、アンテナ#Cはアンテナ#Aとアンテナ#Bのいずれか(例えば、アンテナ#A)に配置され、アンテナ#Cが送信するデータ(データ#2と表記される)はデータ#1とは異なる。
【0214】
別の例では、
図10に示すように、アンテナ#Cはアンテナ#Aに配置され、アンテナ#Cが送信するデータ(データ#2と表記される)はデータ#1とは異なる。更に、アンテナ#Dはアンテナ#Bに配置され、アンテナ#Dが送信するデータ(データ#3と表記される)はデータ#1とは異なる。また、データ#2とデータ#3は同一の場合と異なる場合がある。これは、本願において特に限定されない。
【0215】
実装では、アンテナ#Aとアンテナ#Bの両方がパッシブアンテナ(Passive Antenna)である場合がある。
【0216】
この場合、アンテナ#C及び/又はアンテナ#Dはアクティブアンテナ、つまりアクティブアンテナユニット(Active Antenna Unit, AAU)である場合がある。AAUは、トランシーバに関連するアクティブユニット(増幅器、デジタル-アナログ変換器、又はアナログ-デジタル変換器など)とパッシブアンテナを組み合わせて、ユニット全体を形成する。
【0217】
代替として、アンテナ#C及び/又はアンテナ#Dがパッシブアンテナである場合もある。
【0218】
別の実装では、アンテナ#Aとアンテナ#Bの両方がアクティブアンテナである場合がある。この場合、アンテナ#C及び/又はアンテナ#Dはアクティブアンテナである場合があり、又はアンテナ#C及び/又はアンテナ#Dはパッシブアンテナである場合がある。
【0219】
また、本願では、アンテナ#Aとアンテナ#Bが送信する信号のカバレッジは同じ(又はほぼ同じ)である。つまり、アンテナ#Aとアンテナ#Bの目標ダウンチルトは同じである。
【0220】
ここでは、上記の配置のアンテナシステムと、アンテナが同じ目標ダウンチルトを持つことができるソリューションについて詳しく説明する。
【0221】
図11は、本願によるアンテナシステムの例の概略図である。
図11に示すように、アンテナシステムは、無線周波数ユニット110、分路器120、調整器130(第1調整器の例)、調整器140(第2調整器の例)、アンテナ150(第1アンテナの例)、アンテナ160(第2アンテナの例)を含む。
【0222】
以下は、前述のコンポーネントの機能及び構造を詳細に個別に説明する。
【0223】
A.アンテナ
【0224】
アンテナシステムは、少なくとも2つのアンテナを含む。少なくとも2つのアンテナのうちの任意の2つのアンテナ間の配置は、アンテナ#Aとアンテナ#Bの間の前述の配置と同様である。理解を容易にするために、アンテナシステムにアンテナ150とアンテナ160の2つのアンテナが含まれている場合を説明に使用する。
【0225】
アンテナ150及びアンテナ160の機械ダウンチルトは異なる場合がある。
【0226】
例えば、アンテナ150がパッシブアンテナである場合、アンテナ150に配置されたアクティブアンテナの信号カバレッジ要件に応じて、アンテナ150の機械ダウンチルトを決定することができる。
【0227】
別の例では、アンテナ160がパッシブアンテナである場合、アンテナ160に配置されたアクティブアンテナの信号カバレッジ要件に応じて、アンテナ160の機械ダウンチルトを決定することができる。
【0228】
また、本願では、アンテナ150が送信する信号とアンテナ160が送信する信号は同じデータを伝送し、信号の波長は同じであり、アンテナ150とアンテナ160の目標ダウンチルトは同じである。
【0229】
理解を容易にするために、アンテナ150とアンテナ160の目標ダウンチルトを以下ではδと表記する。
【0230】
B.無線周波数ユニット110
【0231】
無線周波数ユニット110は、無線周波数信号(信号#Aとして示される)を生成するように構成されており、無線周波数ユニットはリモート無線ユニット(Remote Radio Unit, RRU)であってもよい。また、無線周波数ユニットが無線周波数信号を生成するプロセスは、従来の技術と同様であってもよい。繰り返しを避けるため、ここでは詳細な説明は省略される。
【0232】
更に、無線周波数ユニット110は、信号#Aを出力するように構成された出力端を更に含む。
【0233】
C.分路器120
【0234】
分路器120の入力端は、無線周波数ユニット110の出力端に結合されており、無線周波数ユニット110から信号#Aを得て、信号#Aに対して分割処理を行い、信号#Bと信号#Cを生成するように構成されている。また、分路器が信号を分割するプロセスは、従来の技術と同様であってもよい。繰り返しを避けるため、ここでは詳細な説明は省略される。信号#Bと信号#Cの電力は同一の場合と異なる場合がある。これは、本願において具体的に限定されない。
【0235】
なお、アンテナシステムがK個のアンテナ(K≧3)を含む場合、分路器120は信号#AをK個の信号に分割することがあり、各信号は1つのアンテナに対応する。具体的には、信号に対応するアンテナを用いて1つの信号を送信する。
【0236】
理解を容易にするため、アンテナ150を用いて信号#Bを送信し、アンテナ160を用いて信号#Cを送信する場合を例に説明する。
【0237】
更に、分路器120は更に2つの出力ポートを含む(つまり、K=2)。一方の出力ポートは信号#Bを出力するように構成され、もう一方の出力ポートは信号#Cを出力するように構成される。
【0238】
D.調整器
【0239】
アンテナシステムは、少なくとも2つの調整器を含む。具体的には、調整器の数はアンテナの数と同じである。つまり、少なくとも2つの調整器は、少なくとも2つのアンテナと1対1で対応しており、各調整器は、その調整器に対応するアンテナを用いて送信された信号を処理するように構成されている。理解を容易にするために、アンテナシステムに調整器130(第1調整器の例)と調整器140(第2調整器の例)の2つの調整器がある場合を用いて説明する。
【0240】
理解を容易にするため、調整器130がアンテナ150で送られた信号(信号#B)を処理するように構成され、調整器140がアンテナ160で送られた信号(信号#C)を処理するように構成されている場合を用いて説明する。
【0241】
この場合、信号#Bを出力する分路器の出力ポートには調整器130の入力ポートが接続され、信号#Cを出力する分路器の出力ポートには調整器140の入力ポートが接続される。
【0242】
本願では、調整器130は、アンテナ150(又は信号#B)の目標ダウンチルトδとアンテナ150の機械ダウンチルト(第1機械ダウンチルトφ1の例)に基づいて、アンテナ150(又は信号#B)の電気ダウンチルト(第1電気ダウンチルトθ1の例)を調整するように構成される。
【0243】
限定ではなく、例として、調整器130は、次式を満たすように、アンテナ150の電気ダウンチルトを調整することができる:
【数7】
【0244】
可能な実装では、調整器130は、分路器と位相調整器を含むことができる。分路器は、信号#Bに対して分割処理を行い、信号#Bを2つ(又はそれ以上)の信号に分割するように構成される。位相調整器は、2つ(又はそれ以上)の信号間の位相差を調整し、電気ダウンチルトを調整するように構成される。信号間の位相差を調整することによって電気ダウンチルトを調整する方法及びプロセスは、従来の技術と同様である場合がある。繰り返しを避けるため、ここでは詳細な説明は省略される。
【0245】
限定ではなく、例として、アンテナシステムは更に制御部170(第1制御部170の例)を含むことができる。制御部170は、目標ダウンチルトδと機械ダウンチルトφ1を取得し、次に目標ダウンチルトδと機械ダウンチルトφ1に基づいて調整器130の処理パラメータを制御して、前述の電気ダウンチルトを調整するプロセスを実行するように構成されている。
【0246】
例えば、制御部170は、マイクロコントローラ(Microcontroller Unit, MCU)を含むことができるが、これに限定されない。
【0247】
実装では、目標ダウンチルトδと機械ダウンチルトφ1は、管理者又はオペレータが調整器130又は制御部170に入力することができる。
【0248】
別の実装では、アンテナシステムは更に回転角センサ190を含むことができる。回転角センサ190は機械ダウンチルトφ1を検出するように構成される。また、調整器130又は制御部170が回転角センサ190に接続されて、回転角センサ190から機械ダウンチルトφ1に関する情報を得ることもできる。
【0249】
同様に、調整器140は、アンテナ160(又は信号#C)の目標ダウンチルトδとアンテナ160の機械ダウンチルト(第2機械ダウンチルトφ2の例)に基づいて、アンテナ160(又は信号#C)の電気ダウンチルト(第2電気ダウンチルトθ2の例)を調整するように構成される。
【0250】
調整器140は、次式を満たすように、アンテナ160の電気ダウンチルトを調整することができる:
【数8】
【0251】
限定ではなく、例として、アンテナシステムは更に制御部180(第2制御部180の例)を含むことができる。制御部180は、目標ダウンチルトδと機械ダウンチルトφ2を取得し、次に目標ダウンチルトδと機械ダウンチルトφ2に基づいて調整器140の処理パラメータを制御して、前述の電気ダウンチルトを調整するプロセスを実行するように構成されている。
【0252】
例えば、制御部180は、マイクロコントローラ(Microcontroller Unit, MCU)を含むことができるが、これに限定されない。
【0253】
実装では、目標ダウンチルトδと機械ダウンチルトφ2は、管理者又はオペレータが調整器140又は制御部180に入力することができる。
【0254】
別の実装では、アンテナシステムは更に回転角センサ195を含むことができる。回転角センサ195は機械ダウンチルトφ2を検出するように構成される。また、調整器140又は制御部180が回転角センサ195に接続されて、回転角センサ195から機械ダウンチルトφ1に関する情報を得ることもできる。
【0255】
また、調整器130は、上記の電気ダウンチルト調整処理によって得られた信号#Bを出力するように構成された出力ポートを含む。
【0256】
調整器140は、上記の電気ダウンチルト調整処理によって得られた信号#Cを出力するように構成された出力ポートを含む。
【0257】
アンテナ150の入力ポートは、調整器130の出力ポートに接続されており、電気ダウンチルト調整処理によって得られた信号#Bを調整器130から得ることができ、信号#Bを送信することができる。
【0258】
アンテナ160の入力ポートは、調整器140の出力ポートに接続されており、電気ダウンチルト調整処理によって得られた信号#Cを調整器140から得ることができ、信号#Cを送信することができる。
【0259】
本願で提供されるアンテナシステムは、同一パネル上に2つ(又はそれより多く)のアンテナ(例えば、アクティブアンテナとパッシブアンテナ)を配置する場合に有効に適用することができる。従来の技術では、同一アンテナパネル上に2つのアンテナを配置する場合、2つのアンテナに異なるダウンチルトを設けることはできなかった。これと同様に、本願では、一方のアンテナ(例えば、パッシブアンテナ)を2つの部分に分割して、別々に機械ダウンチルトを調整することができる。また、パッシブアンテナの機械ダウンチルトは、機械ダウンチルトに対するアクティブアンテナの要件に応じて決定することができ、パッシブアンテナの電気ダウンチルトは、調整器を配置することによって調整することができる。したがって、パッシブアンテナの機械ダウンチルトが、パッシブアンテナを使用して送信される信号のカバレッジ要件を満たすことができない場合でも、パッシブアンテナの電気ダウンチルトを調整することによって、パッシブアンテナを使用して送信される信号のカバレッジ要件を満たすことができる。
【0260】
本願では、アンテナ150とアンテナ160の配置位置が異なり、アンテナ150とアンテナ160の機械ダウンチルトが異なるため、アンテナ150とアンテナ160が各々送信する信号が同時に同じ場所に到達せず、通信品質に影響を与えることがある。
【0261】
この場合、本願では更に調整器197(第3調整器の例)を配置してもよい。調整器197は分路器に接続されており、分路器から出力される信号#Bと信号#Cを調整し、信号#Bと信号#Cの位相差を調整して、アンテナ150とアンテナ160が各々送信する信号が同時に同じ目標に到達できるようにするか、又は、アンテナ150とアンテナ160が各々同じ目標に到達するまでの時間差が予め設定した範囲内に収まるようにする。
図12は、前述の調整器197を含むアンテナシステムの概略図である。
図11のアンテナシステムとは異なり、分路器の出力ポートは調整器197に結合されており、調整器197の2つの出力ポートは各々位相調整で得られた信号#Bと信号#Cを出力するように構成されている。
【0262】
本願では、信号#Bと信号#Cの位相差は、信号#Bと信号#Cの間(又はアンテナ150とアンテナ160の間)の無線周波数波経路差Dに基づいて決定することができる。
【0263】
例えば、ダウンチルトが0の場合、
図13に示すようにアンテナ150とアンテナ160を配置すると、具体的には
図13に示すように、アンテナ150をアンテナ160の上方に配置した場合、ダウンチルトが0のときにアンテナ150とアンテナ160との水平方向の距離をNとし、アンテナ150とアンテナ160との垂直方向の距離をLとし、アンテナ160の長さをMとすると、
図14は、アンテナ150の機械ダウンチルトがφ1であり、アンテナ160の機械ダウンチルトがφ2である場合に信号#Bと信号#Cとの無線周波数波経路差Dを示す。
【0264】
具体的には、波の差Dは以下の式を満たす:
【数9】
【0265】
δは、アンテナ150とアンテナ160(又は信号#Bと信号#C)の目標ダウンチルトを表す。
【0266】
したがって、信号#Cと信号#Bの位相差Pは、波経路差Dに基づいて決定される場合があり、Pは次式を満たす:
【数10】
【0267】
λは、信号#C(又は信号#B)の波長を表す。
【0268】
ダウンチルトが0のとき、アンテナ150とアンテナ160が同一平面上にある場合、N=0であることを理解すべきである。
【0269】
また、ダウンチルトが0の場合のアンテナ150とアンテナ160との垂直方向の距離Lは、0である場合と、0でない場合がある。当業者は、実際の要件に応じて距離を設定又は変更することができる。
【0270】
限定ではなく、例として、調整器197は、次の情報の少なくとも1つに基づいて位相調整を行うことができる:
信号#A(又は信号#B又は信号#C)の波長λ、機械ダウンチルトφ1、機械ダウンチルトφ2、電気ダウンチルトθ1、及び電気ダウンチルトθ2である。
【0271】
例えば、アンテナ150とアンテナ160を重力方向(すなわち、アンテナ150とアンテナ160が
図1と
図2に示す配置で配置されている場合)に上下に配置すると、下のアンテナ(例えば、アンテナ160)と目標位置との距離が短くなる。そのため、アンテナ160を使用して送信される信号(信号#C)の位相を調整して、信号#Cと信号#Bとの位相差が次式を満たすようにしてもよい:
【数11】
【0272】
Mはアンテナ160の長さを表し、Lはアンテナ160とアンテナ150を垂直方向に配置した場合(つまり、機械ダウンチルトは0である)のアンテナ150とアンテナ160との距離を表す。
【0273】
別の例として、アンテナ150とアンテナ160を
図3のように配置した場合、信号#Cの位相を調整すると、機械ダウンチルトが0のとき(つまり、アンテナが垂直方向に構成されている場合)のアンテナ160とアンテナ150との水平方向の距離Nを更に考慮することができる。
【0274】
図15は、本願によるアンテナシステムの別の例の概略図である。
図11に示したアンテナシステムとは異なり、無線周波数ユニット110は、例えば信号#Bと信号#Cのように複数の信号を生成することができるため、分路器を配置する必要がない。
【0275】
可能な実装では、
図15に示すアンテナシステムでは、無線周波数ユニット110が信号#Bと信号#Cを生成するため、信号#Bと信号#Cの間に位相差Pがある。
【0276】
図16は、本願によるアンテナシステムの別の例の概略図である。
図16に示すように、アンテナシステムは、無線周波数ユニット210、アンテナ220(第1アンテナの例)、アンテナ230(第2アンテナの例)を含む。
【0277】
以下は、前述のコンポーネントの機能及び構造を詳細に個別に説明する。
【0278】
A.アンテナ
【0279】
アンテナシステムは、少なくとも2つのアンテナを含む。少なくとも2つのアンテナのうちの任意の2つのアンテナ間の配置は、アンテナ#Aとアンテナ#Bの間の前述の配置と同様である。理解を容易にするために、アンテナシステムにアンテナ220とアンテナ230の2つのアンテナが含まれている場合を説明に使用する。
【0280】
アンテナ220及びアンテナ230の機械ダウンチルトは異なる場合がある。
【0281】
例えば、アンテナ220がパッシブアンテナである場合、アンテナ220に配置されたアクティブアンテナの信号カバレッジ要件に応じて、アンテナ220の機械ダウンチルトを決定することができる。
【0282】
別の例では、アンテナ230がパッシブアンテナである場合、アンテナ230に配置されたアクティブアンテナの信号カバレッジ要件に応じて、アンテナ230の機械ダウンチルトを決定することができる。
【0283】
また、本願では、アンテナ220が送信する信号とアンテナ230が送信する信号は同じデータを伝送し、信号の波長は同じであり、アンテナ220とアンテナ230の目標ダウンチルトは同じである。
【0284】
理解を容易にするために、アンテナ220とアンテナ230の目標ダウンチルトを以下ではδと表記する。
【0285】
B.無線周波数ユニット210
【0286】
無線周波数ユニット210は、2K個の無線周波数信号を生成するように構成され、Kはアンテナの数である。2K個の無線周波数信号は、K個の信号グループに分けられる。各信号グループには2つの無線周波数信号が含まれ、K個の信号グループはK個のアンテナと1対1で対応し、各信号グループの信号は信号グループに対応するアンテナを使用して送信される。
【0287】
理解を容易にするために、以下は、K=2の場合を説明のための例として使用する。この場合、無線周波数ユニット210は、4つの無線周波数信号(信号#1、信号#2、信号#3、信号#4と表記する)を生成するように構成されている。信号#1と信号#2は信号グループを形成し、信号グループ内の信号はアンテナ220を使用して送信される。信号#3と信号#4は信号グループを形成し、信号グループ内の信号はアンテナ230を使用して送信される。
【0288】
また、信号#1と信号#2の間には位相差があり、この位相差はアンテナ220の電気ダウンチルトを調整するためのものである。アンテナ220の目標ダウンチルトをδ、アンテナ220の機械ダウンチルトをφ1(第1機械ダウンチルトφ1の例)とすると、信号#1と信号#2の位相差に基づいて決定されるアンテナ220の電気ダウンチルトθ1は、次式を満たす:
【数12】
【0289】
同様に、信号#3と信号#4の間には位相差があり、この位相差はアンテナ230の電気ダウンチルトを調整するためのものである。アンテナ220の目標ダウンチルトをδ、アンテナ220の機械ダウンチルトをφ2(第1機械ダウンチルトφ2の例)とすると、信号#3と信号#4の位相差に基づいて決定されるアンテナ230の電気ダウンチルトθ2は、次式を満たす:
【数13】
【0290】
本願では、アンテナ220とアンテナ230の配置位置が異なり、アンテナ220とアンテナ230の機械ダウンチルトが異なるため、アンテナ220とアンテナ230が各々送信する信号が同時に同じ場所に到達せず、通信品質に影響を与えることがある。
【0291】
この場合、本願では、信号#1と信号#2のうち位相の遅れた信号(信号#1とする)と信号#3と信号#4のうち位相の遅れた信号(信号#3とする)との位相差を更に調整することで、アンテナ220とアンテナ230が各々送信する信号を同時に同じ目標に到達させることができ、又はアンテナ220とアンテナ230が送信した信号が各々同じ目標に到達するまでの時間差を予め設定した範囲内に収めることができる。
【0292】
信号#1と信号#2のうち位相の遅れた信号(信号#1とする)と信号#3と信号#4のうち位相の遅れた信号(信号#3とする)との位相差を決定する方法と処理は、前述の位相差Pを決定する方法と処理と同様であってよい。重複を避けるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0293】
本願で提供するアンテナシステムは、信号受信処理にも適用できる。信号受信処理は、信号送信処理の逆処理である。重複を避けるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0294】
上記にダウンチルトの調整プロセスを示した。本願は方位角調整プロセスにも適用できる。
図17は、本願によるアンテナ方位角配置の例の概略図である。具体的には、
図2のダウンチルト配置とは異なり、
図17では、回転軸の方向は垂直方向(又は重力方向)である。
【0295】
理解されるべきことに、
図17のアンテナ配置は単に説明のための例であり、本願はそれらに限定されない。異なる方位角を持つ複数のアンテナは、代替として、機械方位角が0の場合、同一平面上にない場合がある。
【0296】
更に、電気方位角を決定して調整するプロセスは、前述の電気ダウンチルトを決定して調整するプロセスと同様であってよい。重複を避けるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0297】
具体的には、異なる機械方位角のアンテナを用いて同じ信号(又は同じデータ)を送信する場合、異なるアンテナの電気方位角を調整する方法と、異なるアンテナから送信される信号間の位相差を調整する方法は、
図11から
図16に示す処理と同様である。重複を避けるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0298】
当業者は、本明細書に開示された実施形態で記載された例と組み合わせて、ユニット及びアルゴリズムが電子ハードウェア又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせにより実装できることを認識し得る。機能がハードウェア又はソフトウェアにより実行されるかは、技術的ソリューションの特定の適用及び設計制約条件に依存する。当業者は、特定の適用毎に、記載の機能を実施するために異なる方法を使用してよいが、実装が本願の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0299】
便宜上及び簡潔な説明を目的として、前述のシステム、機器、及びユニットの詳細な作動プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照することが当業者により明確に理解され得る。詳細はここで再び記載されない。
【0300】
本願で提供される幾つかの実施形態において、開示されたシステム、機器及び方法は、他の方法で実施することができることを理解されたい。例えば、記載の機器の実施形態は単なる例である。例えば、ユニットへの分割は、単なる論理的機能分割であり、実際の実装では他の分割であってよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、結合され又は別のシステムに統合されてよく、或いは、幾つかの機能は、無視され又は実行されなくてよい。更に、示された又は議論された相互結合又は直接結合又は通信接続は、幾つかのインタフェースを通じて実装されてよい。機器又はユニット間の間接結合又は通信接続は、電子的、機械的、又は他の形式で実装されてよい。
【0301】
別個の部分として記載されたユニットは、物理的に分離していてよく又はそうでなくてよい。ユニットとして示された部分は、物理的ユニットであってよく又はそうでなくてよく、1つの場所に置かれてよく、又は複数のネットワークユニットに分配されてよい。ユニットのうちの一部又は全部は、実施形態のソリューションの目的を達成するために、実際の要件に基づき選択されてよい。
【0302】
更に、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてよく、ユニットの各々は物理的に単独で存在してよく、又は、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合される。
【0303】
機能がソフトウェア機能ユニットの形式で実装され、独立した製品として販売され又は使用されるとき、機能は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。このような理解に基づき、基本的に又は部分的に従来技術に貢献する本願の技術的ソリューション又は技術的ソリューションのうちの一部は、ソフトウェアプロダクトの形式で実装されてよい。コンピュータソフトウェアプロダクトは、記憶媒体に格納され、本願の実施形態で記載された方法のステップのうちの全部又は一部を実行するようコンピュータ装置(これは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク装置、等であってよい)に指示するための幾つかの命令を含む。前述の記憶媒体は、プログラムコードを格納できる、USBフラッシュドライブ、取り外し可能ハードディスク、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory, ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory, RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクのような、任意の媒体を含む。
【0304】
前述の説明は、単に本願の特定の実装であり、本願の保護範囲を限定することを意図しない。本願で開示された技術的範囲の範囲内にある、当業者により直ちに考案される任意の変形又は置換は、本願の保護範囲の中に包含されるべきである。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うべきである。
【0305】
本発明の例に従い、本願は更に以下の実施例を提供する:
(実施例1)
アンテナシステムであって、第1アンテナ、第2アンテナ、無線周波数ユニット、第1調整器、及び第2調整器を含み、前記第1アンテナは第1回転軸の周りを回転して前記第1アンテナの第1機械ダウンチルトを調整することができ、前記第2アンテナは第2回転軸の周りを回転して前記第2アンテナの第2機械ダウンチルトを調整することができ、
前記無線周波数ユニットは送信されるべき第1無線周波数信号と第2無線周波数信号を生成するように構成され、
前記第1無線周波数信号と前記第2無線周波数信号は、同じ波長を有し、前記第1無線周波数信号と前記第2無線周波数信号は、同じデータを運び、前記第1無線周波数信号と前記第2無線周波数信号は、同じ目標ダウンチルトを有し、
前記第1調整器は、前記第1無線周波数信号に対して第1処理を実行して、前記第1無線周波数信号の第1電気ダウンチルトを調整するように構成され、前記第1電気ダウンチルトは、前記目標ダウンチルトと前記第1機械ダウンチルトに基づいて決定され、
前記第2調整器は、前記第2無線周波数信号に対して第2処理を実行して、前記第2無線周波数信号の第2電気ダウンチルトを調整するように構成され、前記第2電気ダウンチルトは、前記目標ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトに基づいて決定され、
前記第1アンテナは、前記第1処理が実行される第1無線周波数サブ信号を送信するように構成され、
前記第2アンテナは、前記第2処理が実行される第2無線周波数サブ信号を送信するように構成される、アンテナシステム。
(実施例2)
前記第1アンテナ上に配置された第3アンテナ、及び/又は、
前記第2アンテナ上に配置された第4アンテナ、
を更に含む実施例1に記載のアンテナシステム。
(実施例3)
前記第3アンテナがアクティブアンテナであり、及び/又は、
前記第4アンテナがアクティブアンテナである、
実施例2に記載のアンテナシステム。
(実施例4)
前記第1アンテナがパッシブアンテナであり、及び/又は、
前記第2アンテナがパッシブアンテナである、
実施例1から3のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
(実施例5)
前記アンテナシステムは、第1制御部と第2制御部を更に含み、
前記第1制御部は、前記第1無線周波数信号に対応する前記目標ダウンチルトと前記第1機械ダウンチルトに基づいて、前記第1処理を実行するよう前記第1調整器を制御するように構成され、
前記第2制御部は、前記第1無線周波数信号に対応する前記目標ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトに基づいて、前記第2処理を実行するよう前記第2調整器を制御するように構成される、実施例1から4のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
(実施例6)
前記アンテナシステムは、
第1センサであって、前記第1制御部に通信接続され、前記第1機械ダウンチルトを検出し、前記第1機械ダウンチルトの指示情報を前記第1制御部に送信するように構成される、第1センサ、及び/又は、
第2センサであって、前記第2制御部に通信接続され、前記第2機械ダウンチルトを検出し、前記第2機械ダウンチルトの指示情報を前記第2制御部に送信するように構成される、第2センサ、
を更に含む実施例5に記載のアンテナシステム。
(実施例7)
前記第1無線周波数信号と前記第2無線周波数信号との間に位相差Pがある、実施例1から6のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
(実施例8)
前記位相差Pは第1情報に基づいて決定され、前記第1情報は、以下:
前記目標ダウンチルト、前記第1無線周波数信号の波長λ、前記第1機械ダウンチルトφ1、前記第2機械ダウンチルトφ2、前記第1電気ダウンチルトθ1、前記第2電気ダウンチルトθ2、目標アンテナの長さM、前記第1機械ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトの両方が0の場合の重力方向における前記第1アンテナと前記第2アンテナとの距離L、又は前記第1機械ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトの両方が0の場合の水平方向における前記第1アンテナと前記第2アンテナとの距離N、の少なくとも1つを含み、
前記第1アンテナと前記第2アンテナが重力方向に上下に配置された場合、前記目標アンテナは前記第1アンテナと前記第2アンテナのうち重力方向で下側のアンテナである、実施例7に記載のアンテナシステム。
(実施例9)
前記第1アンテナと前記第2アンテナが重力方向に上下に配置された場合、前記目標アンテナを用いて送信される前記第1無線周波数サブ信号と前記第2無線周波数サブ信号のうちの1つの位相が遅れる、実施例8に記載のアンテナシステム。
(実施例10)
前記第1機械ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトの両方が0であるとき、前記第1アンテナと前記第2アンテナは同一平面上にある、実施例1から9のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
(実施例11)
アンテナシステムであって、第1アンテナ、第2アンテナ、及び無線周波数ユニットを含み、前記第1アンテナは第1回転軸の周りを回転して前記第1アンテナの第1機械ダウンチルトを調整することができ、前記第2アンテナは第2回転軸の周りを回転して前記第2アンテナの第2機械ダウンチルトを調整することができ、
前記無線周波数ユニットは、送信されるべき第1無線周波数信号、第2無線周波数信号、第3無線周波数信号、及び第4無線周波数信号を生成するように構成されており、前記第1無線周波数信号、前記第2無線周波数信号、前記第3無線周波数信号、及び前記第4無線周波数信号は同じ波長を持ち、前記第1無線周波数信号、前記第2無線周波数信号、前記第3無線周波数信号、及び前記第4無線周波数信号は同じデータを運び、前記第1無線周波数信号、前記第2無線周波数信号、前記第3無線周波数信号、及び前記第4無線周波数信号は同じ目標ダウンチルトを持ち、前記第1無線周波数信号と前記第2無線周波数信号との間に第1位相差があり、前記第3無線周波数信号と前記第4無線周波数信号との間に第2位相差があり、前記第1位相差は前記目標ダウンチルトと前記第1機械ダウンチルトに基づいて決定され、前記第2位相差は前記目標ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトに基づいて決定され、
前記第1アンテナは、前記第1無線周波数信号と前記第2無線周波数信号を送信するように構成され、
前記第2アンテナは、前記第3無線周波数信号と前記第4無線周波数信号を送信するように構成される、アンテナシステム。
(実施例12)
前記第1アンテナ上に配置された第3アンテナ、及び/又は、
前記第2アンテナ上に配置された第4アンテナ、
を更に含む実施例11に記載のアンテナシステム。
(実施例13)
前記第3アンテナがアクティブアンテナであり、及び/又は、
前記第4アンテナがアクティブアンテナである、
実施例12に記載のアンテナシステム。
(実施例14)
前記第1アンテナがパッシブアンテナであり、及び/又は、
前記第2アンテナがパッシブアンテナである、
実施例11から13のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
(実施例15)
前記アンテナシステムは、
第1センサであって、前記無線周波数ユニットに通信接続され、前記第1機械ダウンチルトを検出し、前記第1機械ダウンチルトの指示情報を前記無線周波数ユニットに送信するように構成される、第1センサ、及び/又は、
第2センサであって、前記無線周波数ユニットに通信接続され、前記第2機械ダウンチルトを検出し、前記第2機械ダウンチルトの指示情報を前記無線周波数ユニットに送信するように構成される、第2センサ、
を更に含む実施例11から14のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
(実施例16)
第5無線周波数信号と第6無線周波数信号との間に第3位相差Pがあり、前記第5無線周波数信号は、前記第1無線周波数信号と前記第2無線周波数信号のうち位相が遅れている信号であり、前記第6無線周波数信号は、前記第3無線周波数信号と前記第4無線周波数信号のうち位相が遅れている信号である、実施例11から15のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
(実施例17)
前記第3位相差Pは第1情報に基づいて決定され、前記第1情報は、以下:
前記目標ダウンチルト、前記第1無線周波数信号の波長λ、前記第1機械ダウンチルトφ1、前記第2機械ダウンチルトφ2、第1電気ダウンチルトθ1、第2電気ダウンチルトθ2、目標アンテナの長さM、前記第1機械ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトの両方が0の場合の重力方向における前記第1アンテナと前記第2アンテナとの距離L、又は前記第1機械ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトの両方が0の場合の水平方向における前記第1アンテナと前記第2アンテナとの距離N、の少なくとも1つを含み、
前記第1アンテナと前記第2アンテナが重力方向に上下に配置された場合、前記目標アンテナは前記第1アンテナと前記第2アンテナのうち重力方向で下側のアンテナである、実施例16に記載のアンテナシステム。
(実施例18)
前記第1アンテナと前記第2アンテナが重力方向に上下に配置された場合、前記目標アンテナを用いて送信される前記第5無線周波数信号と前記第6無線周波数信号のうちの1つの位相が遅れる、実施例17に記載のアンテナシステム。
(実施例19)
前記第1機械ダウンチルトと前記第2機械ダウンチルトの両方が0であるとき、前記第1アンテナと前記第2アンテナは同一平面上にある、実施例11から18に記載のアンテナシステム。