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特許7571372購入管理システム、会計装置、購入管理方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】購入管理システム、会計装置、購入管理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0238 20230101AFI20241016BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20241016BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20241016BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G06Q30/0238
G07G1/00 301D
G07G1/01 301D
G07G1/12 321Z
G07G1/12 331A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020030815
(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公開番号】P2021135686
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-01-11
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】池澤 るみ
(72)【発明者】
【氏名】昆金 学
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-121940(JP,A)
【文献】特開2019-050050(JP,A)
【文献】特開2019-191641(JP,A)
【文献】特開2012-089024(JP,A)
【文献】特開2013-041354(JP,A)
【文献】特開2010-039554(JP,A)
【文献】特開平07-272121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/00 - 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、会計装置とを備える購入管理システムであって、
前記サーバ装置は、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を携帯端末から受信する商品識別情報取得部と、
前記携帯端末から受信した商品識別情報に基づいて購入商品リストを作成し、前記携帯端末へ送信するリスト作成部と、
前記購入商品リストに基づいて会計情報を生成し、前記携帯端末へ送信する会計情報生成部と、を備え、
前記会計装置は、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品が購入可能な点数が制限された点数制限商品であるか否かと、当該点数制限商品を購入可能な点数である制限点数とを、商品情報として記憶する記憶部と、
前記携帯端末から前記会計情報を取得し、前記会計情報に基づいて前記購入商品リストを取得するリスト取得部と、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストに含まれる前記点数制限商品の数が、前記制限点数より多いか否かを判定する判定部と、
前記点数制限商品の数が前記制限点数より多いと判定された場合、警告画面を表示する表示制御部と、
を備える購入管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
各商品について、商品識別情報と、当該商品が前記点数制限商品であることを示す情報とを対応付けて記憶した記憶部と、
前記携帯端末から受信した商品識別情報が示す商品が前記点数制限商品である場合、前記制限点数より多い前記点数制限商品は購入できない旨のメッセージを含む注意喚起情報を生成し、前記携帯端末へ送信する注意喚起部と、
を備える請求項1に記載の購入管理システム。
【請求項3】
前記会計装置は、
顧客の人数に応じて、前記制限点数を変更する制限点数変更部を備え、
前記判定部は、前記制限点数が変更された場合、前記購入商品リストに含まれる前記点数制限商品の数が、変更後の制限点数より多いか否かを判定する請求項1又は2に記載の購入管理システム。
【請求項4】
前記会計装置は、前記点数制限商品の数が前記制限点数以内であるとの確認が完了したことを示す点数確認情報を取得した後、前記会計情報に基づいて会計処理を実行する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【請求項5】
前記点数確認情報は、店員の所持物に付された店員コードである請求項4に記載の購入管理システム。
【請求項6】
前記会計装置は、前記警告画面を表示した際、音声出力及びライトの点灯の少なくとも一方を行う請求項1乃至5のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフレジを用いた商品販売システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
来店した顧客が商品を購入するための商品販売システムとして、顧客が所有するスマートフォンなどの携帯端末を用いて、顧客が商品のバーコードを読み取って商品登録を行い、精算を行うシステムが知られている。例えば、特許文献1には、購入対象となる商品の商品情報を取得し、取得した全ての商品情報を含む精算情報を管理サーバに送信する携帯端末と、精算情報に含まれる商品情報に基づいて、各商品名を価格の高い順に列記したソート明細情報を生成及び出力する管理サーバとを備えたセルフショッピングシステムが開示されている。
【0003】
店舗で販売されている商品の中には、「お一人様、3点まで」のように、購入点数に制限がある商品(以下、「点数制限商品」とも呼ぶ。)がある。これにより、1人の顧客が特売価格の商品を買い占めることを防ぎ、全ての顧客に対して公平にサービスを提供することができる。そのため、ある顧客が購入する商品に点数制限商品が含まれる場合、点数確認をする必要がある。例えば、特許文献2は、1人の顧客が購入した点数制限商品の個数をカウントし、所定の個数を超えると特売価格ではなく、通常価格で販売する方法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-41354号公報
【文献】特開平11-339129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2の手法は、通常価格であっても、所定の個数より多く購入することができない場合に適用できない。また、特許文献2は、商品登録や精算を店員がレジで行うことを想定しており、セルフレジのように商品登録や精算を顧客が行うことを想定していない。
【0006】
本発明の目的は、セルフレジを用いた購入管理システムにおいて、点数制限商品を購入する場合に、注意喚起をするとともに、所定の点数以内しか商品登録できないようにすることを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点では、サーバ装置と、会計装置とを備える購入管理システムであって、
前記サーバ装置は、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を携帯端末から受信する商品識別情報取得部と、
前記携帯端末から受信した商品識別情報に基づいて購入商品リストを作成し、前記携帯端末へ送信するリスト作成部と、
前記購入商品リストに基づいて会計情報を生成し、前記携帯端末へ送信する会計情報生成部と、を備え、
前記会計装置は、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品が購入可能な点数が制限された点数制限商品であるか否かと、当該点数制限商品を購入可能な点数である制限点数とを、商品情報として記憶する記憶部と、
前記携帯端末から前記会計情報を取得し、前記会計情報に基づいて前記購入商品リストを取得するリスト取得部と、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストに含まれる前記点数制限商品の数が、前記制限点数より多いか否かを判定する判定部と、
前記点数制限商品の数が前記制限点数より多いと判定された場合、警告画面を表示する表示制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、セルフレジを用いた購入管理システムにおいて、点数制限商品を購入する場合に、注意喚起をするとともに、所定の点数以内しか商品登録できないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る購入管理システムの構成を示す。
図2】POSサーバの概略構成を示す。
図3】管理サーバの概略構成を示す。
図4】携帯端末の概略構成を示す。
図5】会計機の概略構成を示す。
図6】商品購入処理のフローチャートである。
図7】入店処理のフローチャートである。
図8】商品選択処理のフローチャートである。
図9】購入商品リスト画面の表示例である。
図10】会計処理のフローチャートである。
図11】予告画面の表示例である。
図12】支払い画面の表示例である。
図13】バーコード読取画面の表示例である。
図14】点数確認画面の表示例である。
図15】支払い方法選択画面及び会計終了画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
[購入管理システムの構成]
図1は、本実施形態に係る購入管理システム100の構成を示す。購入管理システム100は、主に、POSサーバ1と、管理サーバ2と、携帯端末3と、会計機5とを備える。購入管理システム100では、携帯端末3を使用する顧客は、商品の販売を行う店舗8内において商品に付された商品バーコード7を読み取ることで、購入予定の商品(「購入商品」とも呼ぶ。)の登録を行い、店舗8内の会計機5を用いて又は電子決済により、精算を行う。
【0014】
POSサーバ1は、店舗8で販売される商品に関する価格、在庫状況などを含む商品情報、店舗8の売上情報などの種々の販売情報を管理するサーバである。POSサーバ1は、管理サーバ2及び会計機5とネットワーク等を介して通信可能である。なお、POSサーバ1は、複数の系列店舗の販売情報を一括して管理するものであってもよく、店舗毎に存在し、その店舗の販売情報のみを管理するものであってもよい。
【0015】
管理サーバ2は、携帯端末3や会計機5の制御を行うサーバ装置であり、携帯端末3及び会計機5とネットワーク等を介して通信可能となっている。管理サーバ2は、携帯端末3の表示制御に必要な情報をPOSサーバ1から取得し、記憶している。管理サーバ2は、携帯端末3が各種画面を表示するための表示情報を携帯端末3に送信する。上述の各種画面には、携帯端末3が商品バーコード7を読み取ることで登録された購入商品のリスト(「購入商品リスト」と呼ぶ。)を、売価と共に表示する画面(「購入商品リスト画面」とも呼ぶ。)が含まれる。
【0016】
なお、管理サーバ2は、複数のサーバ装置により構成されてもよい。例えば、管理サーバ2は、携帯端末3とのデータ授受などの携帯端末3とのインターフェース動作を主に行うサーバ装置と、POSサーバ1から取得する情報及び購入商品リストなどの種々の情報を記憶・管理するサーバ装置とから構成されてもよい。この場合、前者のサーバ装置は、所謂アプリケーションサーバとして機能し、後者のサーバ装置は、所謂データベースサーバとして機能する。この場合、これらのサーバ装置は、それぞれが割り当てられた処理を実行するのに必要な情報の授受を、ネットワーク等を介して行う。
【0017】
携帯端末3は、店舗8で買い物を行う顧客が使用する携帯端末であり、商品に付された商品バーコード7を読み取る機能、管理サーバ2と通信を行うことで購入商品リスト画面などの各種画面を取得し、表示する機能などを有する。なお、図1では、説明の便宜上、携帯端末3は1つのみ表示されているが、店舗8に入店している顧客の数だけ実際には存在している。
【0018】
会計機5は、顧客が携帯端末3を用いて精算を行うための精算機(所謂セルフ精算機)である。会計機5は、管理サーバ2と通信可能であって、精算に必要な種々の情報の授受を管理サーバ2、及び、必要に応じてPOSサーバ1と行う。会計機5は、顧客の携帯端末3から後述する会計バーコードを読み取るためのバーコードリーダ56と、店員を呼ぶためのライト57を備えている。
【0019】
[装置構成]
次に、POSサーバ1、管理サーバ2、携帯端末3及び会計機5の各構成について図2図5を参照して説明する。
【0020】
(POSサーバ)
図2は、POSサーバ1の概略構成を示す。POSサーバ1は、主に、記憶部13と、データ通信を行う通信部14と、制御部15とを備える。これらの要素はバスライン10により相互に接続されている。
【0021】
記憶部13は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部13は、制御部15が実行するプログラム、及び、制御部15がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部13は、売価変更情報17と、商品情報DB(Database)18と、商品の売上に関する情報である売上情報19とを含んでいる。なお、記憶部13は、売価変更情報17、商品情報DB18、売上情報19以外の種々の販売に関する情報を記憶してもよい。
【0022】
商品情報DB18は、店舗8又は店舗8を含む系列店舗で取り扱う商品に関する情報のデータベースである。商品情報DB18は、例えば、商品の価格、JAN(Japanese Article Number)コードなどの商品を識別するための情報(「商品識別情報」とも呼ぶ。)、商品の分類情報、商品の在庫状況などの各種情報を含む。
【0023】
売価変更情報17は、売価の変更に関する情報である。具体的に、売価変更情報17は、分類別割引情報、バンドル割引情報、セット割引情報、合計額割引情報、分類別値引情報、バンドル値引情報、セット値引情報、及び合計額値引情報などの任意の割引情報又は値引情報の少なくとも1つを含んでいる。
【0024】
制御部15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備え、POSサーバ1内の各構成要素に対して種々の制御を行う。例えば、制御部15は、通信部14を介して会計機5と通信を行うことで、売上情報19の更新等を行う。また、制御部15は、通信部14を介して管理サーバ2と通信を行うことで、売価変更情報17及び商品情報DB18に関する情報を管理サーバ2に送信する。
【0025】
(管理サーバ)
図3は、管理サーバ2の概略構成を示す。管理サーバ2は、主に、記憶部23と、通信部24と、制御部25とを備える。これらの各要素は、バスライン20を介して相互に接続されている。
【0026】
記憶部23は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部23は、制御部25が実行するプログラム、及び、制御部25がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部23は、売価変更情報27と、商品情報DB28と、購入商品リストDB29とを記憶する。
【0027】
売価変更情報27は、売価変更情報17と同様、値引又は割引に伴う売価の変更に関する情報である。売価変更情報27は、制御部25の制御に基づき、POSサーバ1が記憶する売価変更情報17と同期するように定期又は不定期に更新される。商品情報DB28は、商品情報DB18と同様、商品に関する情報のデータベースである。商品情報DB28は、制御部25の制御に基づき、POSサーバ1が記憶する商品情報DB18と同期するように定期又は不定期に更新される。
【0028】
購入商品リストDB29は、店舗8において買い物を行っている顧客の携帯端末3毎の購入商品リストのデータベースである。購入商品リストは、例えば、購入予定の商品を示す商品識別情報と、その商品の購入予定数量を含むリストであり、携帯端末3又は携帯端末3を使用する顧客を識別する情報(「顧客識別情報」とも呼ぶ。)と関連付けられている。そして、購入商品リストは、携帯端末3の操作に基づき行われる購入商品の追加、削除、又は数量変更が発生する度に更新される。
【0029】
通信部24は、有線又は無線通信により、POSサーバ1、携帯端末3及び会計機5と通信する。制御部25は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、管理サーバ2内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部25が実行する処理については後述する。なお、管理サーバ2は本発明のサーバ装置の一例であり、通信部24は本発明の商品識別情報取得部の一例であり、制御部25は本発明のリスト作成部、会計情報生成部、注意喚起部の一例である。
【0030】
(携帯端末)
図4は、携帯端末3の概略構成を示す。携帯端末3は、主に、表示部31と、入力部32と、記憶部33と、通信部34と、制御部35と、読取部36とを備える。これらの各要素は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0031】
表示部31は、制御部35の制御に基づき、購入商品リスト、会計バーコードなどの各種情報の表示を行う。入力部32は、ユーザの入力を受け付けるインターフェースであり、例えば、タッチパネル、ボタン、音声入力装置などが該当する。
【0032】
記憶部33は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部33は、制御部35が実行するプログラム、及び、制御部35がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。例えば、記憶部33には、店舗8において買い物を行う際に起動され、購入商品リスト画面などの種々の画面の表示を制御するための専用のアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0033】
通信部34は、無線通信により、管理サーバ2と通信する。制御部35は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、携帯端末3内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部35が実行する制御については後述する。
【0034】
読取部36は、例えばカメラなどの光学機器であり、商品に付された商品バーコード7を読み取り、読み取った情報を制御部35に供給する。本実施形態では、制御部35は、読取部36が出力する情報に基づき、商品に付された商品バーコード7からJANコードなどの商品識別情報を取得する。
【0035】
(会計機)
図5は、会計機5の概略構成を示す。会計機5は、主に、表示部51と、入力部52と、記憶部53と、通信部54と、制御部55と、バーコードリーダ56と、ライト57と、スピーカ58とを備える。これらの各要素は、バスライン50を介して相互に接続されている。
【0036】
表示部51は、制御部55の制御に基づき、支払い方法選択画面や終了画面などの各種情報の表示を行う。入力部52は、顧客の入力を受け付けるインターフェースであり、例えば、タッチパネル、ボタンなどが該当する。
【0037】
記憶部53は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部53は、制御部55が実行するプログラム、及び、制御部55がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。例えば、記憶部53には、顧客が支払いを行う際に動作し、会計処理を行うための専用のアプリケーションプログラムが記憶されている。また、記憶部53は、後述する点数制限商品について、その商品識別情報と、制限点数とを対応付けて記憶している。
【0038】
制御部55は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、会計機5内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部55が実行する制御については後述する。バーコードリーダ56は、会計時に顧客の携帯端末3に表示された会計バーコードを読み取り、読み取った情報を制御部55に供給する。ライト57は、会計機5に不具合が生じたときや、店員を呼ぶときなどに点灯する。スピーカ58は、必要に応じて注意喚起のための操作音や音声メッセージなどを出力する。なお、会計機5は本発明の会計装置の一例であり、制御部55は本発明のリスト取得部、判定部、表示制御部、制限点数変更部の一例である。
【0039】
[商品購入処理]
次に、購入管理システム100による商品購入処理の概要について説明する。商品購入処理は、顧客が店舗8において携帯端末3を使用して商品を購入する処理である。図6は、商品購入処理の概要を示すフローチャートである。商品購入処理は、大別して、入店処理S100と、商品選択処理S200と、会計処理S300とを有する。なお、商品購入処理は、主として管理サーバ2、携帯端末3及び会計機5が、それぞれ予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0040】
(入店処理)
まず、入店処理について説明する。入店処理は、顧客が店舗8に入店した際に、商品の購入に先だって行われる処理であり、商品購入のための準備に相当する。図7は、入店処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、携帯端末3と管理サーバ2により行われる。
【0041】
まず、顧客は、店舗8に入ると、携帯端末3を用いて店舗バーコードを読み取る(ステップS101)。店舗バーコードは、店舗8内の所定の場所、例えば、店舗の入口付近の壁や買い物に使用するカードなどに貼り付けられている。顧客が店舗バーコードを読み取ると、携帯端末3は、読み取った店舗バーコードから店舗IDを取得し、管理サーバへ送信する(ステップS102)。携帯端末3は、店舗IDを送信する際、その携帯端末3又はその携帯端末3を使用する顧客を識別する顧客識別情報を一緒に送信する。なお、以下に説明する商品選択処理や会計処理においても、携帯端末3は基本的に何らかの情報を管理サーバ2へ送信する際には、自身を識別するための顧客識別情報を一緒に送信する。
【0042】
管理サーバ2は、携帯端末3から店舗IDを受信し、商品情報DB28からその店舗の売価リストを取得する(ステップS104)。これは、店舗毎に商品の売価が異なっているためである。そして、管理サーバ2は、店舗名やその店舗のセール情報などを含む店舗情報を携帯端末3へ送信し(ステップS105)、携帯端末3は店舗情報を受信する(ステップS106)。これにより、携帯端末3の表示部31には現在の店舗名やその店舗のセール情報などが表示され、顧客が買い物を開始できる状態となる。なお、管理サーバ2が送信する店舗情報には、その店舗におけるその顧客の取引状態を示す情報が含まれており、その店舗で新たに買い物を開始する場合には取引状態は新規となる。一方、その顧客が何らかの理由でその店舗での買い物を中断したような場合には、それまでの取引状態に対応する購入商品リスト画面が携帯端末3に表示される。
【0043】
(商品選択処理)
次に、商品選択処理について説明する。商品選択処理は、顧客が携帯端末3を用いて商品に付されている商品バーコード7を読み取り、購入商品リストに登録する処理である。図8は、商品選択処理のフローチャートである。この処理は、携帯端末3と管理サーバ2により実行される。
【0044】
まず、顧客は、購入したい商品を見つけると、携帯端末3を商品読取モードにし、携帯端末3により商品に付されている商品バーコード7を読み取る(ステップS201:Yes)。携帯端末3は読み取られた商品の商品識別情報を管理サーバ2へ送信する(ステップS203)。なお、この際、商品の数量は自動的に「1」にセットされる。管理サーバ2は、携帯端末3から商品識別情報を受信すると(ステップS203)、購入商品リストを更新し、携帯端末3へ送信する(ステップS204)。携帯端末3は、更新後の商品リストを受信し、表示部31に表示する(ステップS205)。これにより、新たに追加された商品とその数量が購入商品リストに追加され、携帯端末3に表示される。
【0045】
次に、必要に応じて、顧客が携帯端末3を操作して商品の数量を変更すると、携帯端末3は変更後の数量を取得する(ステップS206:Yes)。商品バーコードが最初に読み取られたときに、その商品の数量は自動的に「1」にセットされるが、顧客が同じ商品を複数購入する場合には、携帯端末3を操作して数量を変更することができる。変更後の数量がセットされると、携帯端末3は、変更の対象となる商品の商品識別情報と変更後の数量を管理サーバ2へ送信する(ステップS207)。
【0046】
管理サーバ2は、携帯端末3から商品識別情報と変更後の数量を受信すると(ステップS208)、購入商品リストを更新し、携帯端末3へ送信する(ステップS209)。携帯端末3は、更新後の商品リストを受信し、表示部31に表示する(ステップS210)。これにより、数量変更が購入商品リストに反映される。
【0047】
次に、携帯端末3は、顧客により支払いボタン45が押されたか否かを判定する(ステップS211)。支払いボタン45は、顧客が買い物を終了する際に押すボタンである。支払いボタン45が押されていない場合(ステップS211:No)、処理はステップ201へ戻る。こうして、支払いボタン45を押すまで、顧客は商品の追加や数量変更を行い、買い物を続けることができる。そして、支払いボタン45が押されると(ステップS211:Yes)、商品選択処理は終了する。
【0048】
図9は、携帯端末3に表示された購入商品リスト画面の表示例を示す。この例では、購入商品リスト画面は、商品読取ボタン40と、リスト表示欄41と、小計表示欄42と、合計額表示欄43と、ホーム画面遷移ボタン44と、支払いボタン45と、取引中止ボタン46とを有する。
【0049】
携帯端末3は、商品読取ボタン40がタップ操作等により選択されたことを検知した場合、商品読取画面へ表示部31の表示を切り替える。商品読取画面では、携帯端末3は、起動した読取部36から取得される画像等を表示する。これにより、顧客は、商品バーコード7が読取部36の読み取り範囲内に位置するように商品又は携帯端末3を移動させ、商品バーコード7を読み取ることができる。
【0050】
リスト表示欄41には、購入商品毎に、購入商品の名称、数量、価格が表示される。また、リスト表示欄41内の各購入商品に対し、数量減少ボタン47と、数量増加ボタン48とが表示される。そして、携帯端末3は、数量減少ボタン47又は数量増加ボタン48により購入商品の数量変更を受け付けた場合、数量が変更された購入商品の商品識別情報及び変更後の数量を管理サーバ2に送信する。
【0051】
小計表示欄42は、購入商品リストの全商品に対する売価の税抜きの小計を表示し、合計額表示欄43は、購入商品リストの全商品に対する売価の税込みの合計額を表示する。管理サーバ2は、これらの小計又は合計額を、商品情報DB28に登録された購入商品の価格、具体的には、入店処理により取得したその店舗の売価リストに基づき算出している。
【0052】
携帯端末3は、ホーム画面遷移ボタン44が選択されたことを検知した場合、ホーム画面の表示要求を管理サーバ2に送信し、その応答として受信する表示情報に基づき所定のホーム画面を表示する。ホーム画面は、店舗8での割引や値引の情報、携帯端末3の顧客の登録情報等を表示するものであってもよい。
【0053】
携帯端末3は、支払いボタン45が選択されたことを検知した場合、会計要求を管理サーバ2に送信し、その応答として受信する表示情報に基づき、後述の会計バーコードを含む支払い画面を表示する。また、携帯端末3は、取引中止ボタン46が選択されたことを検知した場合、取引中止を通知する情報を管理サーバ2に送信する。この場合、管理サーバ2は、携帯端末3に対応する購入商品リストを削除する。
【0054】
(会計処理)
次に、会計処理について説明する。会計処理は、商品選択処理により顧客が選択した商品についての支払いを行う処理である。店舗で販売されている商品の中には、「お一人様、3点まで」のように、購入点数に制限がある商品(以下、「点数制限商品」とも呼ぶ。)がある。よって、ある顧客が購入する商品に点数制限商品が含まれる場合、会計の際に点数確認を行わなければならない。点数確認とは、顧客が購入する点数制限商品の点数が、当該点数制限商品に設定されている点数(以下、「制限点数」とも呼ぶ。)以内であることを確認することである。なお、各商品が点数制限商品であることと、その商品の制限点数とは、予め商品識別情報に対応付けて会計機5に記憶されており、制限点数は任意に設定することができる。図10は、会計処理のフローチャートである。この処理は、携帯端末3と、管理サーバ2と、会計機5により実行される。
【0055】
なお、顧客が1人ではなく、家族や友人と一緒であった場合、その人数に応じて、制限点数は増加するものとする。例えば、親子連れの場合、親を主顧客、子を従顧客とする。ある点数制限商品の制限点数が1人「3」点の場合、当該点数制限商品の制限点数は、主顧客が従顧客を1人連れていれば「6」点、主顧客が従顧客を2人連れていれば「9」点のように従顧客の人数に比例して増加する。
【0056】
まず、携帯端末3は、購入商品リスト画面の支払いボタン45が押下されると、管理サーバ2へ会計要求を送信する(ステップS301)。管理サーバ2は、会計要求を受信すると(ステップS302)、その時点の購入商品リストに基づいて、当該購入商品リストに点数制限商品が含まれているか否かを判定する(ステップS303)。点数制限商品が含まれていない場合(ステップS303;No)、処理はステップS307へ進む。一方、点数制限商品が含まれている場合(ステップS303;Yes)、管理サーバ2は、予告画面を生成し、携帯端末3へ送信する(ステップS304)。携帯端末3は、管理サーバ2から予告画面を受信し、表示部31に表示する。図11は、予告画面の表示例である。図示のように、予告画面は、購入商品リストに含まれる点数制限商品及びその制限点数を知らせる旨のメッセージと、会計の際に店員により点数確認を行う旨のメッセージと、OKボタン81とを含む。予告画面は、本発明の注意喚起画面の一例である。予告画面においてOKボタン81が押下されると(ステップS306)、携帯端末3は、管理サーバ2へ予告画面に対する了承を含む会計要求(以下、「了承済会計要求」と呼ぶ。)を送信する。
【0057】
了承済会計要求を受信すると、管理サーバ2は、その時点の購入商品リストに基づいて支払い金額を計算する(ステップS307)。さらに、管理サーバ2は、会計バーコードを生成する(ステップS308)。会計バーコードは、現在の購入商品リストが示す購入内容を一意に識別する情報である。1つの例では、会計バーコードは、そのときの購入内容に一意に対応付けられたランダムなコードなどとすることができる。この場合、会計バーコードは、支払い情報の問い合わせ番号としての意味を有する。会計バーコードは、本発明の会計情報の一例である。管理サーバ2は、ステップS307で算出した支払い金額と、ステップS308で生成した会計バーコードとを含む支払い画面を携帯端末3へ送信する(ステップS309)。
【0058】
携帯端末3は、受信した支払い画面を表示部31に表示する(ステップS310)。図12は、支払い画面の表示例である。この例では、支払い画面は、会計バーコード71と、合計金額欄72と、完了ボタン73と、商品追加ボタン74と、商品削減ボタン75と、戻るボタン76と、を含む。会計バーコード71は、支払いボタン45が押された時点における購入商品リストに基づいて生成されたバーコードであり、合計金額欄72にはその時点の購入商品の合計金額が表示される。完了ボタン73は、会計処理が終了したときに、その確認のために顧客が押すボタンである。商品追加ボタン74は、顧客が商品を追加したい場合に押すボタンである。商品削減ボタン75は、顧客が商品を削減したい場合に押すボタンである。戻るボタン76は、支払い画面から購入商品リスト画面に戻るためのボタンである。顧客は、支払い画面が表示された後に商品を追加したいと考えた場合、商品追加ボタン74又は戻るボタン76を押せばよい。同様に、支払い画面が表示された後に商品を削減したいと考えた場合、顧客は、商品削減ボタン75又は戻るボタン76を押せばよい。
【0059】
携帯端末3は、顧客が商品追加ボタン74、商品削減ボタン75又は戻るボタン76を押して商品変更指示を行ったか否かを判定する(ステップS311)。商品変更指示が行われた場合(ステップS311:Yes)、携帯端末3は管理サーバ2へ買い物再開要求を送信する(ステップS312)。管理サーバ2は、買い物再開要求を受信すると、買い物再開処理を行う(ステップS313)。具体的には、管理サーバ2は、当該顧客のステータスを会計処理以前の状態、即ち、商品選択処理中の状態に戻し、ステップS308で生成した会計バーコードを削除するか無効とする。そして、管理サーバ2は、購入商品リストを携帯端末3へ送信し(ステップS314)、図8に示す商品選択処理へ戻る(ステップS315)。
【0060】
携帯端末3は、管理サーバ2から購入商品リストを受信し、表示する(ステップS316)。これにより、携帯端末3は、図9に示す購入商品リスト画面が表示された状態に戻る。そして、携帯端末3も図8に示す商品選択処理へ戻る(ステップS317)。こうして、いったん支払いボタン45を押して携帯端末3に支払い画面が表示された後でも、顧客は商品追加ボタン74、商品削減ボタン75又は戻るボタン76を押下することにより、購入商品リスト画面に戻り、希望の商品の追加や削減をすることができる。つまり、顧客は、図11に示す予告画面によって、点数制限商品を制限点数以上購入していることに気付いた場合、容易に当該点数制限商品を制限点数以内に調整することができる。なお、顧客が商品を追加又は削減して支払いボタン45を押すと、再度会計処理が行われ、新たな会計バーコードが生成されて携帯端末3に支払い画面が表示される。
【0061】
さて、ステップS311で商品変更指示が行われなかった場合(ステップS311:No)、顧客は、支払い画面が表示された携帯端末3を持って会計機5に移動する。顧客が会計機5の画面にタッチすると、会計機5はバーコード読取画面を表示する(ステップS320)。図13は、バーコード読取画面の表示例を示す。バーコード読取画面には、商品追加ボタン77及び商品削減ボタン78が含まれている。会計機5は、商品追加ボタン77又は商品削減ボタン78の押下により、商品変更指示がなされたか否かを判定する(ステップS321)。商品変更指示がなされた場合(ステップS321:Yes)、処理はステップS327へ進む。
【0062】
一方、商品変更指示がなされなかった場合(ステップS321:No)、顧客は、会計機5のバーコードリーダ56で会計バーコード71を読み取る(ステップS322)。会計機5は、会計バーコード71を読み取ると、支払い情報を取得する。なお、上述のように、会計バーコード71が問い合わせ番号である場合、会計機5は管理サーバ2に会計バーコード71を送信し、管理サーバ2から支払い情報を取得する。
【0063】
次に、会計機5は、支払い情報に含まれる購入商品に、点数制限商品が含まれているか否かを判定する(ステップS323)。点数制限商品が含まれていない場合(ステップS323;No)、処理はステップS326へ進む。一方、点数制限商品が含まれている場合(ステップS323;Yes)、会計機5は、点数確認画面を表示する(ステップS324)。図14は、点数確認画面の表示例を示す。図示のように、点数確認画面は、購入商品リストに含まれる点数制限商品及びその制限点数を知らせる旨のメッセージと、店員により点数確認を行う旨のメッセージを含む。点数確認画面は、本発明の警告画面の一例である。なお、会計機5は、点数確認画面を表示するのと同時に、ライト57を点灯させたり、スピーカ58から音声を出力したりしてもよい。
【0064】
点数確認画面が表示されると、店員が会計機5のところに来て、点数確認を行う。具体的に、店員は、会計機5で会計を行っている顧客がかごなどに入れている点数制限商品の点数を確認する。制限点数以内であれば問題なしと判断し、店員は、会計機5のバーコードリーダ56により、自分の店員カードに印刷されている店員バーコードを読み取る。会計機5は、店員バーコードを読み取ると、点数確認情報として取得する。会計機5は、点数確認情報を取得したことをもって、点数確認処理が完了したと判定する(ステップS325)。なお、店員バーコードは、本発明の点数確認情報の一例であり、店員が点数確認を完了したことを示す情報であれば、パスワード、PIN(Personal Identification Number)コード、QR(Quick Response)コード(登録商標)などであってもよい。
【0065】
一方、購入予定の点数制限商品が制限点数より多ければ、店員は、顧客に点数制限商品は、制限点数以内しか購入することができない旨を説明する。親子連れのように従顧客が存在する場合、店員は、会計機5の入力部52から店員操作コードの入力を行うことで、表示部51に店員専用画面を表示させる。そして、店員は、店員専用画面から従顧客の人数に応じて、当該顧客が購入可能な当該点数制限商品の制限点数を変更し、新たに設定する。このとき、変更する制限点数は、店員が入力することとしてもよいし、従顧客の人数を店員が入力することで自動的に設定されることとしてもよい。そして、店員は、新たに設定された制限点数以内であれば問題なしと判断し、会計機5のバーコードリーダ56により、自分の店員カードに印刷されている店員バーコードを読み取る。会計機5は、店員バーコードの読み取りにより、点数確認情報を取得したことをもって、点数確認処理が完了したと判定する(ステップS325)。
【0066】
なお、上記の例では、会計機5は、店員バーコードの読み取りにより点数確認情報を取得することとしているが、これに代わり、店員専用画面で新たな制限点数が設定されたことや店員専用画面の完了ボタンが押下されたこと等により点数確認情報を取得することとしてもよい。また、上記の例では、店員は店員操作コードを入力することで、会計機5の表示部51に店員専用画面を表示させることとしている。ここで、店員操作コードとは、会計機5の表示部51に店員専用画面を表示させ、操作するための情報であって、店員のみが保有するパスワードやバーコード等が考えられる。
【0067】
従顧客が存在せず、購入予定の点数制限商品が制限点数より多い場合、店員は、顧客に当該点数制限商品を制限点数以内となるよう返却することを促すとともに、店員専用画面で会計機5を操作して買い物再開要求を行う。会計機5は、買い物再開要求が行われたか否かを判定する(ステップS326)。買い物再開要求が行われたと判定した場合(ステップS326;Yes)、会計機5は、管理サーバ2に買い物再開要求を送信する(ステップS327)。
【0068】
管理サーバ2は、会計機5から買い物再開要求を受信すると、携帯端末3から買い物再開要求を受信した場合と同様に、ステップS313~S317の処理を実行する。これにより、携帯端末3には購入商品リスト画面が表示され、顧客は商品を削減することが可能となる。よって、顧客は、購入予定の点数制限商品を制限点数以内となるように調整することができる。
【0069】
一方、会計機5において買い物再開要求が行われなかった場合(ステップS326;No)、会計機5は、点数確認処理が問題なく完了したと判断し、ステップS322で読み取った会計バーコードに基づいて、支払い方法選択画面を表示する(ステップS328)。具体的には、会計機5は、会計バーコード71が示す問い合わせ番号を管理サーバ2に送信し、管理サーバ2から支払い情報を取得する。なお、支払い情報は、合計金額、及び、購入商品リストに入っている全商品のIDや数量などの明細を含む。会計機5は、取得した支払い情報に基づいて、支払い方法選択画面を表示する。
【0070】
図15(A)は、支払い方法選択画面の表示例を示す。支払い方法選択画面は、合計金額欄61と、現金ボタン62と、クレジットボタン63とを含む。顧客は、支払い方法選択画面を見て支払い金額を確認し、現金ボタン62とクレジットボタン63のいずれかを押下し、支払いを行う。これにより、購入代金の決済が行われる(ステップS329)。具体的に、顧客が現金での支払いを選択した場合、会計機5は現金投入口に現金を投入することを促し、現金が投入されると、必要に応じて釣銭を支払う。また、顧客がクレジットでの支払いを選択した場合、会計機5はカードの挿入を促し、必要に応じて暗証番号などの入力などを促し、クレジット決済を行う。
【0071】
決済が完了すると、会計機5は、会計終了画面を表示する。図15(B)は、会計終了画面の表示例を示す。図15(B)は顧客がクレジット決済を選択した場合の例であり、会計終了画面は、決済情報欄64と、領収書ボタン65と、終了ボタン66とを含む。決済情報欄64は、決済の金額、決済方法などの情報を表示している。領収書ボタン65は、領収書を印刷出力するためのボタンである。終了ボタン66は、顧客が会計処理を完了したことを確認するためのボタンである。顧客が終了ボタン66を押すと、会計機5は決済が完了したことを管理サーバ2に報告し、表示部51の表示をメインメニューに戻す。なお、図12に示すように、携帯端末3に表示される支払い画面にも完了ボタン73が表示されており、顧客は会計処理が終了すると、支払い画面の完了ボタン73を押す。完了ボタン73が押されると、携帯端末3は決済が完了したことを管理サーバ2に報告し、表示部31をメインメニューに戻す。
【0072】
これによれば、制限点数以内の点数制限商品しか購入できないようにすることができる。よって、店員が商品登録や精算を行わないセルフレジであっても、1人の顧客が特売価格の商品を買い占めるような不具合を防止し、全ての顧客に対して公平にサービスを提供することができる。
【0073】
また、家族連れなど複数人で買い物をしている場合、精算を行うのは主顧客1人であるが、制限点数商品は連れである従顧客の人数分の制限点数まで購入することが考えられる。このような場合であっても、点数確認を行う際に従顧客の人数に応じて制限点数を変更することで、顧客のニーズに適切に対応することができる。
[変形例]
(変形例1)
上記の実施形態では、会計バーコードは単に支払い情報の問い合わせ番号であり、会計機5はこの問い合わせ番号を用いて管理サーバ2から支払い情報を取得している。その代わりに、会計バーコードが支払い情報を含むようにしてもよい。即ち、管理サーバ2は、会計要求を受信すると、その時点の購入商品リストの内容に基づいて、合計金額及び購入商品リストの情報を用いて会計バーコードを生成する。この場合、会計機5は、会計バーコードを読み取り復号化することにより、支払い情報を取得することができるので、支払い情報を取得するために管理サーバ2と通信する必要は無くなる。
【0074】
(変形例2)
上記の実施例では、会計機5は、従顧客の存在により制限点数が変更された場合であっても、ステップS325の処理において携帯端末3から点数確認情報を受信すると、点数確認処理を完了することとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、会計機5は、従顧客の存在により制限点数が変更された場合、顧客が購入しようとしている点数制限商品が新たな制限点数以内である場合にのみ、点数確認処理を完了することとしてもよい。これによれば、店員の目視による点数確認で気付かなかったとしても、顧客が点数制限商品を多く購入する不正を防止することができる。
【0075】
(変形例3)
上記の実施形態では、従顧客の存在により新たな制限点数を設定する場合、店員専用画面を操作することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、会計機5のバーコードリーダ56によって店員バーコードを読み取る回数等で新たな制限点数を設定することとしてもよい。例えば、ある点数制限商品の制限点数が「2」点である場合、バーコードリーダ56により一定時間内に店員バーコードを2回連続で読み取れば制限点数が「4」点、3回連続で読み取れば制限点数が「6」点となるようにしてもよい。
【0076】
(変形例4)
上記の実施形態では、従顧客が存在せず、購入予定の点数制限商品が制限点数より多い場合、店員は、顧客に当該点数制限商品を制限点数以内となるよう返却することを促すとともに、店員専用画面で会計機5を操作して買い物再開要求を行うこととしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、買い物再開要求を行わず、当該点数制限商品が制限点数以内となるように直接店員に返却することとしてもよい。この場合、店員は、返却により制限点数以内となったため問題なしと判断し、会計機5のバーコードリーダ56により、自分の店員カードに印刷されている店員バーコードを読み取る。会計機5は、店員バーコードを読み取り、点数確認情報を取得したことをもって、点数確認処理が完了したと判定する。
【0077】
(変形例5)
上記の実施形態では、顧客が支払い指示を行った後で商品追加を指示するためのボタンとして「商品追加」ボタン及び「商品削減」ボタンが用意されているが、これは一例であり、例えば「買い物再開」、「お買い物リスト」、「買い物かご」などの名称のボタンであってもよい。即ち、その時点の購入商品リストに対して新たに商品を追加するためのボタンであれば、その名称は問わない。
【0078】
(変形例6)
上記の実施形態では、商品に付与したバーコードを携帯端末3により読み取っているが、その代わりに、QRコードを商品に付与し、これを携帯端末3で読み取るようにしてもよい。
【0079】
その他、上記の各実施形態(変形例を含む、以下同じ)の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが以下には限られない。
【0080】
(付記1)
サーバ装置と、会計装置とを備える購入管理システムであって、
前記サーバ装置は、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を携帯端末から受信する商品識別情報取得部と、
前記携帯端末から受信した商品識別情報に基づいて購入商品リストを作成し、前記携帯端末へ送信するリスト作成部と、
前記購入商品リストに基づいて会計情報を生成し、前記携帯端末へ送信する会計情報生成部と、を備え、
前記会計装置は、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品が購入可能な点数が制限された点数制限商品であるか否かと、当該点数制限商品を購入可能な点数である制限点数とを、商品情報として記憶する記憶部と、
前記携帯端末から前記会計情報を取得し、前記会計情報に基づいて前記購入商品リストを取得するリスト取得部と、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストに含まれる前記点数制限商品の数が、前記制限点数より多いか否かを判定する判定部と、
前記点数制限商品の数が前記制限点数より多いと判定された場合、警告画面を表示する表示制御部と、
を備える購入管理システム。
【0081】
(付記2)
前記サーバ装置は、
各商品について、商品識別情報と、当該商品が前記点数制限商品であることを示す情報とを対応付けて記憶した記憶部と、
前記携帯端末から受信した商品識別情報が示す商品が前記点数制限商品である場合、前記制限点数より多い前記点数制限商品は購入できない旨のメッセージを含む注意喚起情報を生成し、前記携帯端末へ送信する注意喚起部と、
を備える付記1に記載の購入管理システム。
【0082】
(付記3)
前記会計装置は、
顧客の人数に応じて、前記制限点数を変更する制限点数変更部を備え、
前記判定部は、前記制限点数が変更された場合、前記購入商品リストに含まれる前記点数制限商品の数が、変更後の制限点数より多いか否かを判定する付記1又は2に記載の購入管理システム。
【0083】
(付記4)
前記会計装置は、前記点数制限商品の数が前記制限点数以内であるとの確認が完了したことを示す点数確認情報を取得した後、前記会計情報に基づいて会計処理を実行する付記1乃至3のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【0084】
(付記5)
前記点数確認情報は、店員の所持物に付された店員コードである付記4に記載の購入管理システム。
【0085】
(付記6)
前記会計装置は、前記警告画面を表示した際、音声出力及びライトの点灯の少なくとも一方を行う付記1乃至5のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【0086】
(付記7)
各商品に対応付けて、当該商品が、購入可能な点数が制限された点数制限商品であるか否かと、当該点数制限商品を購入可能な点数である制限点数とを、商品情報として記憶する記憶部と、
購入商品を示す購入商品リストと、前記購入商品の会計情報を取得する取得部と、
前記商品情報を参照し、前記購入商品リストに含まれる前記点数制限商品の数が、前記制限点数より多いか否かを判定する判定部と、
前記点数制限商品の数が前記制限点数より多いと判定された場合、警告画面を表示する表示制御部と、
を備える会計装置。
【0087】
(付記8)
各商品に対応付けて、当該商品が、購入可能な点数が制限された点数制限商品であるか否かと、当該点数制限商品を購入可能な点数である制限点数とを、商品情報として記憶した会計装置により実行される購入管理方法であって、
購入商品を示す購入商品リストと、前記購入商品の会計情報を取得し、
前記商品情報を参照し、前記購入商品リストに含まれる前記点数制限商品の数が、前記制限点数より多いか否かを判定し、
前記点数制限商品の数が前記制限点数より多いと判定された場合、警告画面を表示する購入管理方法。
【0088】
(付記9)
各商品に対応付けて、当該商品が、購入可能な点数が制限された点数制限商品であるか否かと、当該点数制限商品を購入可能な点数である制限点数とを、商品情報として記憶した記憶部と、コンピュータとを備える会計装置により実行されるプログラムであって、
購入商品を示す購入商品リストと、前記購入商品の会計情報を取得し、
前記商品情報を参照し、前記購入商品リストに含まれる前記点数制限商品の数が、前記制限点数より多いか否かを判定し、
前記点数制限商品の数が前記制限点数より多いと判定された場合、警告画面を表示する処理を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【0089】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0090】
1 POSサーバ
2 管理サーバ
3 携帯端末
5 会計機
56 バーコードリーダ
71 会計バーコード
100 購入管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15