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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/34 20060101AFI20241016BHJP
   B60Q 1/38 20060101ALI20241016BHJP
   F21S 43/00 20180101ALI20241016BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20241016BHJP
   F21S 43/50 20180101ALI20241016BHJP
   F21S 45/70 20180101ALI20241016BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20241016BHJP
   F21W 103/25 20180101ALN20241016BHJP
   F21W 103/60 20180101ALN20241016BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241016BHJP
【FI】
B60Q1/34 Z
B60Q1/38 B
F21S43/00
F21S43/15
F21S43/50
F21S45/70
F21W103:20
F21W103:25
F21W103:60
F21Y115:10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020033768
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2021133894
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浜本 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】鷲 祐一郎
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0010484(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0174505(US,A1)
【文献】特開2016-193689(JP,A)
【文献】特開2019-006366(JP,A)
【文献】実開昭59-000334(JP,U)
【文献】実開昭60-186255(JP,U)
【文献】登録実用新案第3033516(JP,U)
【文献】特表2006-500599(JP,A)
【文献】特開2019-032932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/34
B60Q 1/38
F21S 43/00
F21S 43/15
F21S 43/50
F21S 45/70
F21W 103/20
F21W 103/25
F21W 103/60
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面用発光箇所からの光で車両の周辺に照射パターンを形成する路面照射ユニットと、
前記路面照射ユニットを正面視した際に前記路面用発光箇所を覆う遮蔽部と、
灯室に収容された灯具ユニットと、を備え、
前記路面照射ユニットは、前記灯具ユニットと連動して点消灯され、
前記灯具ユニットは、複数の点灯部が車幅方向に並べられて構成され、前記車両の内側から外側へ向けて順番に複数の前記点灯部が点灯され、
前記路面照射ユニットは、複数の前記点灯部に対する前記車幅方向での前記路面用発光箇所の位置と、前記車幅方向での複数の前記点灯部の点灯の順番に対する前記照射パターンを形成するタイミングと、が異なるものとされていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
記路面照射ユニットは、投影光軸が路面に対して傾斜して設けられ、前記灯具ユニットと連動して点消灯されることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記灯具ユニットは、前記路面照射ユニットとともに前記灯室に収容されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
記路面照射ユニットは、前記車幅方向において、最も前記車両の内側に位置する前記点灯部よりも前記車両の外側に配置され、最も前記車両の内側に位置する前記点灯部の点灯と同時に前記照射パターンを形成することを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記路面照射ユニットは、前記車両の進行方向に直交する垂直面上において、連動する前記灯具ユニットの灯具発光箇所に対して所定の間隔を置いて前記路面用発光箇所が位置されていることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記遮蔽部は、前記路面用発光箇所の周辺から前記路面照射ユニットの光軸方向へと延長されつつ前記車両の進行方向に沿って削がれた形状とされていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記路面照射ユニットは、光源と、前記光源からの光を投影して前記路面用発光箇所となる投影レンズと、前記光源と前記投影レンズとを支持する筒状の筐体と、を有し、
前記遮蔽部は、前記筐体から延長されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記遮蔽部は、前記路面照射ユニットとは別体で設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具は、車両の周辺の路面に照射パターンを形成することが考えられている(例えば、特許文献1等参照)。この車両用灯具は、光源と投影レンズとを有する路面照射ユニットとしての表示パターン投影部が灯室内に設けられ、その光源から出射した光を投影レンズで投影して自車両の乗員および周囲の者が見える位置に照射パターンを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-144725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この車両用灯具は、照射パターンを形成すべく路面照射ユニットの投影レンズから光を投影しているので、その投影レンズが投影時に光って見えて、路面照射ユニットにおける路面用発光箇所となる。また、車両用灯具は、灯室内に路面照射ユニットの他にも灯具ユニットが設けられており、その灯具ユニットの灯具発光箇所も光って見えることとなる。ここで、車両用灯具は、正面視した際の路面用発光箇所と灯具発光箇所との位置関係の規則があるので、路面照射ユニットの配置位置が制限されてしまう。
【0005】
本開示は、上記の事情に鑑みて為されたもので、路面照射ユニットの配置位置の自由度を向上させることのできる車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の車両用灯具は、路面用発光箇所からの光で車両の周辺に照射パターンを形成する路面照射ユニットと、前記路面照射ユニットを正面視した際に前記路面用発光箇所を覆う遮蔽部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の車両用灯具によれば、路面照射ユニットの配置位置の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示に係る実施例1の車両用灯具が車両に搭載されて照射パターンを形成した様子を示す説明図である。
図2】進行方向から見た車両用灯具を示す説明図であり、連動されるターンランプユニットからの所定の間隔となる配置領域も併せて示している。
図3】実施例1の車両用灯具における路面照射ユニットの構成を示す説明図である。
図4】路面照射ユニットの投影レンズが進行方向から見える様子を示す説明図である。
図5】路面照射ユニットに延長筒片を設けた様子を示す説明図である。
図6】延長筒片に仮想筒状部を重ねて示す説明図である。
図7】延長筒片を仮想筒状部により切り落として遮蔽部を形成した様子を示す説明図である。
図8】実施例2の車両用灯具を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示に係る車両用灯具の一例としての車両用灯具10の各実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、図1では、車両用灯具10内に路面照射ユニット20が設けられている様子の把握を容易とするために、車両1に対して路面照射ユニット20を強調して示しており、必ずしも実際の様子とは一致するものではない。
【実施例1】
【0010】
本開示に係る車両用灯具の一実施形態に係る実施例1の車両用灯具10を、図1から図7を用いて説明する。実施例1の車両用灯具10は、図1に示すように、自動車等の車両1の灯具として用いられるもので、前照灯やターンランプ等の機能を有しているとともに、車両1の前方の周辺の路面2に照射パターンPiを形成する機能も有している。その車両1の前方の周辺とは、車両1に設けられる前照灯により照射される前照灯領域よりも車両1に近い近接領域を含むものであり、部分的に前照灯領域を含む場合もある。
【0011】
車両用灯具10は、車両1の前部の左右両側に配置されており、図2に示すように、ランプハウジングの開放された前端がアウターレンズで覆われて形成された灯室11を有する。実施例1の車両用灯具10は、灯室11に、灯具ユニットとしてのロービームユニット12とハイビームユニット13とターンランプユニット14と路面照射ユニット20(図1から図3等参照)とが設けられている。
【0012】
ロービームユニット12は、カットオフラインを有するすれ違い用配光を形成でき、単独で点灯されることによりすれ違い時の配光(所謂ロービーム)とすることができる。ハイビームユニット13は、一部を重ねつつすれ違い用配光の上方に走行用配光を形成でき、ロービームユニット12と同時に点灯させることにより走行時の配光(所謂ハイビーム)とすることができる。ターンランプユニット14は、車両1が右左折する際に用いられるもので、左右の車両用灯具10のターンランプユニット14が同時に点灯されることでハザードランプとしても機能する。実施例1のターンランプユニット14は、複数の点灯部14aが車幅方向に並べられたシーケンシャルランプとされており、点灯時には車両1の内側から外側へ向けて順番に点灯部14aが点灯される。このため、各点灯部14aは、灯具ユニットとしてのターンランプユニット14における灯具発光箇所となる。
【0013】
路面照射ユニット20は、車両1の前方の周辺の路面2に照射パターンPiを形成する。路面照射ユニット20は、灯室11において、投影光軸Lp(図3等参照)が路面2に対して傾斜した状態で設けられる。以下の説明では、路面照射ユニット20において、光を照射する方向となる投影光軸Lpが伸びる方向を光軸方向(図面ではZとする)とし、光軸方向を水平面に沿う状態とした際の鉛直方向を上下方向(図面ではYとする)とし、光軸方向および上下方向に直交する方向(水平方向)を幅方向(図面ではXとする)とする(図3等参照)。実施例1の路面照射ユニット20は、車幅方向において、ターンランプユニット14の各点灯部14aよりも車両1の外側(図2を正面視して右側)に設けられている。
【0014】
路面照射ユニット20は、図3に示すように、光源部21と集光レンズ22とフィルタ23と投影レンズ24とが筐体25に収容され、単一の投射光学系とされて、プロジェクタタイプの路面投影ユニットを構成する。筐体25は、半円筒形の下側部材25aと上側部材25bとで構成されており、下側部材25aに上記の各部材(22から24)が設置された状態で、設置台部26を介在させて下側部材25aと上側部材25bとが嵌め合わされる。筐体25では、集光レンズ22を嵌め入れる集光レンズ溝25cと、フィルタ23を嵌め入れるフィルタ溝(図示せず)と、投影レンズ24を嵌め入れる投影レンズ溝25dとが設けられている(下側部材25a側のみ図示)。また、筐体25では、下側部材25aに幅方向で対を為して固定突起25eが設けられ、上側部材25bに幅方向で対を為して固定孔25fが設けられており(図3の手前側のみ図示)、各固定突起25eと各固定孔25fとが嵌め合わせることが可能とされている。さらに、筐体25では、上下方向で対を為して接続突起25g(上側のみ図示)が設けられている。そして、実施例1の筐体25は、先端部(光軸方向の前側の端部)に遮蔽部41が設けられている。この遮蔽部41については、後述する。なお、筐体25の形状は、適宜設定すればよく、実施例1の構成に限定されない。
【0015】
設置台部26は、光源部21を設置するものであり、熱伝導性を有するアルミダイカストや樹脂で形成され、設置箇所26aと放熱箇所26bとを有する。設置箇所26aは、光源部21(その基板33)が設置される箇所であり、光軸方向に直交する平板状とされている。設置箇所26aには、光源部21を囲む接続壁26cが設けられている。接続壁26cは、上下方向で対を為して接続孔26dが設けられており、下側部材25aと上側部材25bとが嵌め合わされた筐体25の各接続突起25gが対応する接続孔26dに挿入されることで、筐体25に接続される。放熱箇所26bは、光源部21で発生する熱を外部に逃がすヒートシンクとして機能する。この放熱箇所26bは、設置箇所26aに連続して設けられ、複数の放熱フィン26eを有する。放熱箇所26bは、設置箇所26aに設置された光源部21で発生した熱を各放熱フィン26eから外部に放熱する。
【0016】
光源部21は、第1光源31と、第2光源32と、それらが実装される基板33と、を有する。第1光源31と第2光源32とは、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子で構成されている。第1光源31と第2光源32とは、実施例1では、出射光軸を中心とするランバーシアン分布でアンバー色の光を出射する。そのアンバー色の光は、縦軸を光量とし横軸を波長としたグラフにおいてアンバー色の波長帯域に最も大きなピークがあって実質的にアンバー色の単色光に近いものをいう。なお、第1光源31と第2光源32とは、色(波長帯域)や、分布の態様や、色の数(上記したグラフでのピークの数)等は適宜設定すればよく、他の色の光を出射するものでもよく、白色光を出射するものでもよく、実施例1の構成に限定されない。
【0017】
基板33は、設置台部26の設置箇所26aに取り付けられ、第1光源31と第2光源32とが実装され、点灯制御回路が設けられている。基板33は、点灯制御回路から電力を適宜供給して第1光源31と第2光源32とを点灯させる。基板33は、設置台部26の設置箇所26aに取り付けられた状態で、接続壁26cに筐体25が接続されることにより、筐体25の後端部(光軸方向で投影レンズ溝25dとは反対側の端部)側に位置されて、その筐体25に収容された集光レンズ22(その入射面)と対向される。
【0018】
集光レンズ22は、第1光源31、第2光源32から出射された光を集光するものであり、フィルタ23上に光を集める。集光レンズ22は、実施例1では基本的に両凸レンズとされており、入射面および出射面が自由曲面とされている。集光レンズ22では、幅方向の両端にフランジ部22aが設けられている。各フランジ部22aは、筐体25の集光レンズ溝25cに嵌め入れることが可能とされている。集光レンズ22は、フランジ部22aが集光レンズ溝25cに嵌め入れられるとレンズ軸が投影光軸Lpと一致される。
【0019】
フィルタ23は、集光レンズ22で集光された第1光源31や第2光源32からの光を部分的に通すことで照射パターンPiを形成する遮光部材の一例である。その照射パターンPiは、図1に示すように、車両1の斜め前方において、3つの照射図柄Diが車両1から遠ざかる方向に整列されている。各照射図柄Diは、大きく開くV字形状とされており、互いに略等しい大きさとされている。照射パターンPiは、V字形状の頂点が略一直線上に位置されて3つの各照射図柄Diが並べられることで、車両1から所定の方向を指し示す矢印のように見せることができる。この3つの照射図柄Diからなる照射パターンPiは、フィルタ23により形成される。フィルタ23は、車両1の左右のいずれに設けられるのかに拘わらず、等しい構成とされている。
【0020】
フィルタ23は、図3に示すように、フィルタ部34がフィルタ枠部35に設けられている。フィルタ枠部35は、フィルタ部34を取り囲む円形の枠状とされており、筐体25のフィルタ孔(図示せず)に嵌め入れることが可能とされている。
【0021】
フィルタ部34は、基本的に光の透過を阻む板状の部材で形成されており、その部材を貫通して照射スリット36が設けられている。照射スリット36は、集光レンズ22で集光された第1光源31、第2光源32からの光を部分的に通すことで、照射パターンPiを所定の形状に成形する。照射スリット36は、照射パターンPiに対応されており、実施例1では3つのスリット部36aで構成されている。3つのスリット部36aは、3つの照射図柄Diに一対一で対応しており、各照射図柄Diと同様に大きく開くV字形状とされている。3つのスリット部36aは、路面2上で各照射図柄Diが略等しい大きさで略等間隔となるように、それぞれ路面2までの距離に応じて大きさおよび間隔が設定されている。
【0022】
また、各スリット部36aは、照射パターンPiの各照射図柄Diの位置関係に対して、投影光軸Lpを中心として回転対象な位置関係とされている。すなわち、路面照射ユニット20は、投影レンズ24が反転させてフィルタ23(照射スリット36)を路面2に投影させることから、路面2上で各照射図柄Diが狙った位置関係となるように、各スリット部36aを設けている。
【0023】
投影レンズ24は、光軸方向で見て円形状の凸レンズとされたレンズ本体部24aと、その周辺を取り巻くフランジ部24bと、を備える。レンズ本体部24aは、実施例1では、入射面および出射面が、凸面とされた自由曲面とされている。レンズ本体部24aは、フィルタ23の照射スリット36(その各スリット部36a)を通した光を投影することで、図1に示すように、投影光軸Lpに対して傾斜する路面2上に照射パターンPiを形成する。なお、入射面と出射面とは、レンズ本体部24aを凸レンズとするものであれば、凸面でもよく凹面でもよく、実施例1の構成に限定されない。
【0024】
フランジ部24bは、レンズ本体部24aからレンズ軸を中心とする放射方向に突出しており、レンズ軸を中心する周方向で全周に亘っている。フランジ部24bは、筐体25の投影レンズ溝25dに嵌め入れることが可能とされている。投影レンズ24は、フランジ部24bが投影レンズ溝25dに嵌め入れられるとレンズ軸が投影光軸Lpと一致される。
【0025】
路面照射ユニット20は、以下のように組み付けられる。先ず、基板33に第1光源31、第2光源32が実装されて光源部21が組み付けられ、その光源部21が設置箇所26aに固定されて設置台部26が構成される。その後、筐体25の下側部材25aにおいて、集光レンズ溝25cに集光レンズ22を嵌め入れ、フィルタ孔(図示せず)にフィルタ23を嵌め入れ、投影レンズ溝25dに投影レンズ24を嵌め入れる。そして、その下側部材25aに上側部材25bを嵌め合わせて筐体25を構成し、その筐体25の各接続突起25gを対応する接続孔26dに挿入することで、接続壁26cを介して筐体25が設置台部26に接続される。これにより、集光レンズ22とフィルタ23と投影レンズ24とが筐体25に収容されつつ、その筐体25に光源部21が接続される。これにより、投影光軸Lp上に、光源部21の側から集光レンズ22とフィルタ23と投影レンズ24との順に並ぶ所定の位置関係で配置されて、路面照射ユニット20が組み付けられる。
【0026】
この路面照射ユニット20は、投影光軸Lpが車両1の外側の斜め前側に向けられつつ車両1の周辺の路面2に対して傾斜された状態で灯室11の任意の位置に設けられる。路面照射ユニット20は、点灯制御回路からの電力を基板33から両光源(31、32)に供給することで、それらを適宜点灯および消灯できる。両光源(31、32)からの光は、集光レンズ22で集光されてフィルタ23を照射し、その照射スリット36(各スリット部36a)を通した後に、投影レンズ24により投影されることで、照射パターンPiを路面2上に形成する。その照射パターンPiは、略一直線上に3つの照射図柄Diが並べられて形成される。特に、実施例1の路面照射ユニット20では、両光源(31、32)を単色光としているので、投影レンズ24における色収差の影響を大幅に抑制することができ、照射パターンPiすなわち各照射図柄Diを明確なものにできる。
【0027】
このように、路面照射ユニット20は、両光源(31、32)から出射された光を、集光レンズ22およびフィルタ23を経て、最終的に投影レンズ24から出射させて照射パターンPiを形成している。このため、路面照射ユニット20では、投影レンズ24が光を出射させることで光って見える路面用発光箇所となる。
【0028】
次に、遮蔽部41の構成について、図3から図7を用いて説明する。遮蔽部41は、路面照射ユニット20において、路面用発光箇所となる投影レンズ24を、正面視した際すなわち車両1の進行方向Dgからは見えなくするものである。その進行方向Dgは、車両1が前後に進行する方向であり、ステアリングを左右に回していない車体に対して前後で正対する方向である(図1等参照)。
【0029】
遮蔽部41は、次のように形成されている。先ず、路面照射ユニット20は、図4に示すように、路面用発光箇所となる投影レンズ24から、光軸方向(投影光軸Lp)すなわち下側部材25aと上側部材25bとが嵌め合わされて円筒状とされた筐体25の伸びる方向へと光を出射する。そして、路面照射ユニット20は、外側の斜め前側に向けられつつ車両1の周辺の路面2に対して傾斜されて灯室11に設けられているので、光軸方向が進行方向Dgに対して傾斜されている。この場合、路面照射ユニット20は、正面視するすなわち車両1の前方から車両用灯具10を進行方向Dgで見ると、路面用発光箇所(投影レンズ24)における2つの矢印Aで挟まれた領域が露わになることとなり、その領域が光って見える。
【0030】
遮蔽部41は、正面視した(進行方向Dgで見た)際に路面用発光箇所を覆うように設けられる。具体的には、先ず、路面照射ユニット20は、図5に示すように、上記のように車両1(灯室11)に設けられた状態、すなわち路面2および進行方向Dgに対して所定の角度で傾斜された状態を基準とするものとする。そして、路面照射ユニット20において、筐体25から光軸方向へと延長させて延長筒片42を設けたものとする。この延長筒片42は、光軸方向では投影レンズ24に重なることはなく、照射パターンPiの投影には殆ど影響を及さない。
【0031】
次に、図6に示すように、路面照射ユニット20において、延長筒片42に重ねて遮蔽領域43を示す。この遮蔽領域43は、図4に示す2つの矢印Aで挟まれた領域に相当するものであり、延長筒片42において、正面視した際に光って見えることを隠すのに必要となる箇所であり、路面用発光箇所(投影レンズ24)に対して進行方向Dgの前側に位置する。実施例1の路面照射ユニット20は、車両1の斜め前方に照射パターンPiを形成するので、進行方向Dgにおいて、前側(車両1の前進側)が、車両用灯具10に対する外側となる。
【0032】
次に、図7に示すように、路面照射ユニット20において、延長筒片42のうち遮蔽領域43と重複する箇所(図6にハッチを付した箇所)を遮蔽部41とする。これにより、遮蔽部41は、筐体25から路面照射ユニット20の光軸方向へと延長されつつ進行方向Dgに沿って削がれた形状、すなわち延長された筐体25を進行方向Dgの前側で光軸方向の前側を先端として尖るように削がれた形状とされている。
【0033】
この遮蔽部41は、上記のように車両1(灯室11)に設けられた状態を基準として形成されることにより、灯室11おいて投影レンズ24に対して進行方向Dgの前側(外側)の位置で、その投影レンズ24を覆うものとされている。このため、遮蔽部41は、2つの矢印Bで示すように、灯室11を前側から進行方向Dgで見た際すなわち正面視した際に、投影レンズ24が見えることを防ぐことができる。
【0034】
実施例1の路面照射ユニット20は、ターンランプユニット14と連動されており、左右いずれかのターンランプユニット14が点灯されると、その点灯された側に設けられたものの両光源(31、32)が点灯されて、照射パターンPiを路面2上に形成する。例えば、車両1は、見通しの悪い路地から大きな路地に出てきて左折しようとしている場面では、左側のターンランプユニット14が点滅されることで、左前に設けられた路面照射ユニット20が照射パターンPiを路面2上に形成する。ここで、実施例1の路面照射ユニット20は、ターンランプユニット14の車幅方向の最も内側に設けられた点灯部14aが点灯されると同時に照射パターンPiを路面2上に形成し、各点灯部14aが点消灯されている間は照射パターンPiを形成したままとし、最も外内側に設けられた点灯部14aが消灯されると同時に照射パターンPiを消灯する。これにより、周囲の車両の運転手は、車両1を視認できない場合であっても、路面2上に形成された照射パターンPiを視認できる。
【0035】
ここで、比較例としての車両用灯具(以下では、比較車両用灯具とする)について述べる。その比較車両用灯具は、路面照射ユニットに遮蔽部が設けられていないことを除くと、車両用灯具10と同様の構成である。比較車両用灯具は、路面照射ユニットに遮蔽部が設けられていないので、灯室を正面視すると、路面照射ユニットの投影レンズ(路面用発光箇所)が光って見えることとなる。また、路面照射ユニットは、車両の周囲の路面上に照射パターンを形成するものであって、投影レンズの点灯の様子を周囲に認識させるものではないので、投影レンズが光って見えることは比較車両用灯具の意匠性の低下を招く虞がある。このことは、先行技術文献に記載の従来の車両用灯具も同様である。
【0036】
特に、車両では、連動して点灯される灯具の各点灯箇所の間隔を、車両の正面方向すなわち進行方向Dgの前側から見て、換言すると進行方向Dgに直交する垂直面上において、75mm以内とする規則がある。このため、比較車両用灯具では、図2に示すように、路面照射ユニットの投影レンズを、連動されるターンランプユニットの各点灯部から75mm以内となる領域(破線で囲んで示す領域であり、以下では配置領域Apとする)に配置する必要がある。これにより、比較車両用灯具では、路面照射ユニットの配置位置に制限が生じてしまい、その制限に起因して無理な設計とする必要が生じる虞がある。
【0037】
また、車両では、連動される灯具における各点灯箇所が、車幅方向において中央側を外側よりも先にもしくは同時に点灯させるという規則がある。このため、比較車両用灯具では、連動されるターンランプユニットがシーケンシャル機能を有していると、配置領域Ap内での配置位置に応じて路面照射ユニットの点灯のタイミングが制限されてしまう。すなわち、路面照射ユニットは、ターンランプユニットよりも中央側となる中央位置Pcに設けられた場合には、ターンランプユニットの各点灯部の点灯に先駆けて点灯させる必要がある。同様に、路面照射ユニットは、ターンランプユニットが並ぶ方向での中間となる中間位置Pmに設けられた場合にはターンランプユニットの各点灯部を点灯させている途中で、ターンランプユニットよりも外側となる外側位置Poに設けられた場合にはターンランプユニットの全ての点灯部が点灯した後で点灯させる必要がある。このため、比較車両用灯具では、照射パターンを形成するタイミングに応じて、ターンランプユニットを基準とする配置領域Ap内での路面照射ユニットの配置位置が定まってしまい、路面照射ユニットの配置位置に更なる制限が生じてしまう。換言すると、比較車両用灯具では、ターンランプユニットに対する路面照射ユニットの配置位置に応じて、照射パターンを形成するタイミングが定まってしまう。
【0038】
加えて、路面照射ユニットは、路面に所望の照射パターンを形成するために投影レンズが設けられているので、投影レンズの大きさや形状を連動される灯具の点灯箇所(この例ではターンランプユニットの点灯部)に合わせることは困難である。このため、比較車両用灯具では、投影レンズを連動して点灯される点灯箇所と一体感のあるデザインとすることが困難であり、見栄えの向上に改善の余地がある。
【0039】
これに対して、実施例1の車両用灯具10は、路面照射ユニット20に遮蔽部41を設けているので、灯室11を進行方向Dgの前側から見た際、すなわち路面照射ユニット20を正面視した際、路面照射ユニット20の路面用発光箇所となる投影レンズ24が見えることを防止できる。このため、車両用灯具10は、路面照射ユニット20の投影レンズ24が光る様子が周囲に認識されることに起因して、意匠性が低下することを防止できる。
【0040】
また、路面照射ユニット20は、投影レンズ24が見えないことから、連動して点灯されるターンランプユニット14を基準とする配置領域Apに配置する必要がないので、配置位置の自由度を高めることができる。このため、路面照射ユニット20は、配置位置の制限に起因して無理な設計とする必要が抑制されるので、所望の照射パターンPiを路面2上に適切に形成できる。
【0041】
さらに、路面照射ユニット20は、連動されるターンランプユニット14がシーケンシャル機能を有していても、ターンランプユニット14の各点灯部14aに対する位置関係に拘らず任意のタイミングで点灯させることができる。このため、路面照射ユニット20は、照射パターンPiを適切に形成できる観点から配置位置を定めることができるとともに、ターンランプユニット14の点灯に対して所望のタイミングで照射パターンPiを形成することができる。これにより、路面照射ユニット20は、各点灯部14aに対する配置位置に拘らず、任意のタイミングで照射パターンPiを形成することができる。このため、路面照射ユニット20は、実施例1のように、各点灯部14aよりも車幅方向の外側に設けた場合であっても、各点灯部14aの点灯開始とともに照射パターンPiを形成し、各点灯部14aが点消灯する間は照射パターンPiの形成を維持し、各点灯部14aの消灯とともに照射パターンPiを消灯することができる。
【0042】
加えて、車両用灯具10では、ターンランプユニット14における一体感のあるデザインとされた各点灯部14aのみが見えるので、見栄えを向上させつつ、ターンランプユニット14に連動させて照射パターンPiを形成することができる。
【0043】
実施例1の車両用灯具10は、以下の各作用効果を得ることができる。
【0044】
車両用灯具10は、車両1の周辺に照射パターンPiを形成する路面照射ユニット20において、正面視した際に路面用発光箇所としての投影レンズ24を覆う遮蔽部41を設けている。このため、車両用灯具10は、路面照射ユニット20の配置位置に拘らず投影レンズ24が正面視した際に見えることを防止でき、路面照射ユニット20の配置の自由度を向上できる。
【0045】
また、車両用灯具10は、路面照射ユニット20を灯具ユニット(実施例1ではターンランプユニット14)と連動して点消灯する。このため、車両用灯具10は、連動する灯具ユニットを基準とする配置領域Ap以外であっても配置できるとともに、その灯具ユニットに対する点灯するタイミングの自由度を確保できる。
【0046】
さらに、車両用灯具10は、灯具ユニットが、複数の点灯部14aが車幅方向に並べられて構成され、車両1の内側から外側へ向けて順番に各点灯部14aが点灯される。そして、車両用灯具10は、各点灯部14aに対する車幅方向での投影レンズ24の位置と、車幅方向での複数の点灯部14aの点灯の順番に対する路面照射ユニット20で照射パターンPiを形成するタイミングと、が異なるものとすることができる。このため、車両用灯具10は、路面照射ユニット20や灯具ユニットを効率良く配置できるとともに、所望の照射パターンPiや各点灯部14aを任意のタイミングで点灯できる。
【0047】
車両用灯具10は、進行方向Dgに直交する垂直面上において、連動する灯具ユニットの灯具発光箇所(実施例1ではターンランプユニット14の各点灯部14a)に対して所定の間隔を置いて路面照射ユニット20の投影レンズ24を位置させている。このため、車両用灯具10は、他の灯具の配置等も考慮して効率良く路面照射ユニット20を配置できるとともに、所望の照射パターンPiを路面2上に適切に形成できる。
【0048】
車両用灯具10は、灯具発光箇所に対して投影レンズ24を配置するための所定の間隔を75mm以内としている。このため、車両用灯具10は、路面照射ユニット20や灯具ユニットを効率良く配置できるとともに、所望の照射パターンPiや各点灯部14aを任意のタイミングで点灯できる。
【0049】
車両用灯具10は、遮蔽部41が路面照射ユニット20と一体的に設けられている。このため、車両用灯具10は、灯室11内の任意の位置に路面照射ユニット20を設けるだけで、投影レンズ24が光って見えることを防止でき、簡易な構成にできる。
【0050】
車両用灯具10は、遮蔽部41を、筐体25から路面照射ユニット20の光軸方向へと延長しつつ進行方向Dgに沿って削いだ形状としている。このため、車両用灯具10は、簡易な構成としつつ、照射パターンPiの投影には殆ど影響を及ぼすことなく、進行方向Dgから見て投影レンズ24が光って見えることを防止できる。
【0051】
したがって、本開示に係る車両用灯具としての実施例1の車両用灯具10は、路面照射ユニット20の配置位置の自由度を向上させることができる。
【実施例2】
【0052】
次に、本開示の一実施形態である実施例2の車両用灯具10Aについて、図8を用いて説明する。車両用灯具10Aは、路面照射ユニット20Aを単独で灯室11Aに設けて構成されている。その路面照射ユニット20Aは、遮蔽部41Aを別体で設けたことを除くと実施例1の車両用灯具10に用いた路面照射ユニット20と基本的な概念および構成が同様であるので、等しい構成の個所には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0053】
実施例2の車両用灯具10Aは、図8に示すように、灯室11Aに路面照射ユニット20Aが設けられている。その灯室11Aは、一端が開放されたランプハウジング45と、その開放された端部を塞ぐように設けられたアウターレンズ46と、で構成される。ランプハウジング45の内壁面には、適宜反射膜等が設けられるとともに、路面照射ユニット20Aを取り付けるための取付孔45aが設けられている。この車両用灯具10Aは、車体の一部(車体構成部1a)に対して、アウターレンズ46を略面一として設けられている。
【0054】
路面照射ユニット20Aは、遮蔽部41が設けられていないことを除くと、実施例1の路面照射ユニット20と同様の構成とされている。この車両用灯具10Aでは、遮蔽部41Aが灯室11Aに設けられている。この遮蔽部41Aは、灯室11A内のインナーパネルで構成されている。遮蔽部41Aは、灯室11Aに設けられた状態の路面照射ユニット20Aに対して、正面視した際すなわち進行方向Dgで見た際に路面用発光箇所としての投影レンズ24を覆うように設けられている。遮蔽部41Aは、ランプハウジング45の取付孔45aに路面照射ユニット20Aが取り付けられると、その投影レンズ24を外側から進行方向Dgで見て覆い隠す位置関係となるように、その取付孔45aを基準としてランプハウジング45に設けられている。
【0055】
この車両用灯具10Aは、両光源(31、32)を点灯させると、集光レンズ22およびフィルタ23を経て、投影レンズ24から出射させて照射パターンPiを路面2上の所望の位置に形成する。このとき、車両用灯具10Aでは、投影レンズ24(路面用発光箇所)が光ることとなるが、その投影レンズ24が正面視した際に遮蔽部41Aにより覆われているので、外側から進行方向Dgで灯室11Aを見ても投影レンズ24が光って見えることを防止できる。
【0056】
実施例2の車両用灯具10Aは、以下の各作用効果を得ることができる。この車両用灯具10Aは、基本的に実施例1の車両用灯具10と同様の構成であるので、実施例1と同様の効果を得られる。
【0057】
加えて、車両用灯具10Aは、遮蔽部41Aが、路面照射ユニット20Aとは別体で設けられている。このため、車両用灯具10Aは、路面照射ユニット20Aの投影レンズ24に対して適切な位置関係となるように遮蔽部41Aを設けることが容易となる。
【0058】
さらに、車両用灯具10Aは、路面照射ユニット20Aの光軸方向の車両1の周辺の路面2に対する傾斜に応じて、遮蔽部41Aの位置や大きさを適宜設定できる。このため、車両用灯具10Aは、車両1に搭載する位置や車両1の周辺における照射パターンPiを形成する位置が変化した場合であっても、等しい構成の路面照射ユニット20Aを用いつつ、その変化に容易に対応して正面視した際に投影レンズ24を隠すことができる。
【0059】
したがって、本開示に係る車両用灯具としての実施例2の車両用灯具10Aは、路面照射ユニット20Aの配置位置の自由度を向上させることができる。
【0060】
なお、実施例2の車両用灯具10Aでは、灯室11Aに路面照射ユニット20Aのみを設けている。しかしながら、車両用灯具10Aでは、路面照射ユニット20Aとともに、実施例1のターンランプユニット14やロービームユニット12やハイビームユニット13や他の灯具ユニットの少なくとも1つを併せて設けてもよく、実施例2の構成に限定されない。この場合、路面照射ユニット20Aは、そのいずれかの灯具ユニットと連動させて点消灯させてもよい。この場合であっても、車両用灯具10Aは、正面視した際に路面照射ユニット20Aの投影レンズ24を遮蔽部41Aで隠すことができるので、所望のタイミングで照射パターンPiを形成させることができる。
【0061】
以上、本開示の車両用灯具を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0062】
なお、各実施例では、3つの照射図柄Diを車両1から遠ざかる方向に略等しい間隔で整列させて照射パターンPiを構成している。しかしながら、照射パターンは、車両1の周辺の路面2に形成されて、車両1の周辺の者に対して運転手の何らかの意図を知らせるものであれば、図柄や形成する位置等は適宜設定すればよく、各実施例の構成に限定されない。また、路面照射ユニット20は、実施例1ではターンランプに連動されていたが、後退灯等の他のランプに連動させてもよく、個別に動作されてもよく、実施例1の構成に限定されない。この場合、他のランプの点灯のタイミングに対して、照射パターンを形成するタイミング(点灯を継続する時間の長さも含む)も適宜設定すればよく、実施例1の構成に限定されない。そして、車両用灯具は、車両1に対して照射パターンを形成する位置に応じて車両1に設ければ、ドアミラーに収容したり、後退灯や尾灯の灯室11(車両の後部の左右両側の灯室11)に配置したり、車体に設けたりしてもよく、各実施例の構成に限定されない。
【0063】
また、実施例1では、路面照射ユニット20と一体的に図7等に示す遮蔽部41を設けており、実施例2では、路面照射ユニット20Aとは別体としてランプハウジング45に図8に示す遮蔽部41Aを設けている。しかしながら、遮蔽部は、正面視した際すなわち外側から灯室を進行方向で見た際に路面用発光箇所(各実施例では投影レンズ24)を隠すものであれば、設ける位置や形状や大きさ等は適宜設定すればよく、各実施例の構成に限定されない。例えば、遮蔽部は、路面照射ユニットの他の箇所から突出されていてもよく、灯室内の他の部材で形成してもよく、灯室に設けられた他の灯具ユニットで形成してもよく、アウターレンズの一部を色付けして形成してもよく、バンパーやグリル等の車体の一部を利用してもよい。
【0064】
さらに、各実施例では、路面照射ユニット20、20Aを、光源部21と集光レンズ22とフィルタ23と投影レンズ24とを筐体25に収容して形成している。しかしながら、路面照射ユニットは、路面用発光箇所からの光で車両1の周辺に照射パターンPiを形成するものであればよく、各実施例の構成に限定されない。例えば、路面照射ユニットは、フィルタを用いることなく光源からの光をレンズで成形することで照射パターンを形成してもよい。この構成に場合には、その最も外側のレンズが路面用発光箇所となる。また、路面照射ユニットは、光源からの光をリフレクタで成形しつつ路面へ向けて反射することで、照射パターンPiを形成する所謂リフレクタ方式としてもよい。この構成に場合には、リフレクタが路面用発光箇所となる。そして、いずれの場合であっても、各実施例と同様に、正面視した際すなわち外側から灯室を進行方向で見た際に路面用発光箇所を隠すように遮蔽部を設けることで、各実施例と同様の効果を得ることができる。
【0065】
各実施例では、遮光部材として、集光レンズ22で集光された光を照射スリット36から通すフィルタ23を用いている。しかしながら、遮光部材は、集光レンズ22で集光された光を部分的に通す照射スリット36が設けられたものであれば、他の構成でもよく、各実施例の構成に限定されない。その他の構成としては、例えば、光の透過を阻む板状のフィルム部材に、光を部分的に透過させる照射スリットを設け、集光レンズ22を経た光を照射スリットから通過させる遮光板とすることができる。
【0066】
各実施例では、運転手が運転する車両1に車両用灯具10、10Aを設けている。しかしながら、車両用灯具は、自動運転機能を有する車両に設けられてもよく、各実施例の構成に限定されない。この場合、車両用灯具は、設けられる用途に応じたタイミング、すなわち車両の動作に関する何らかの意図に応じたタイミングで照射パターンを形成すればよく、各実施例の構成に限定されない。
【0067】
各実施例では、路面照射ユニット20、20Aが、光源部21がヒートシンク(放熱箇所26b)としての機能を有する設置台部26に設けられており、この設置台部26が筐体25に接続される構成とされている。しかしながら、路面照射ユニットは、光源からの光で照射パターンを形成するものであれば、光源は筐体の端部に設けられてもよく、他の構成でもよく、各実施例の構成に限定されない。
【符号の説明】
【0068】
10、10A 車両用灯具 1 車両 11 灯室 14 (灯具ユニットの一例としての)ターンランプユニット 20 路面照射ユニット 24 (路面用発光箇所の一例としての)投影レンズ 25 筐体 31、32 光源 41、41A 遮蔽部 42 延長筒片 43 仮想筒状部 Dg 進行方向 Pi、PiA 照射パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8