(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】鉛蓄電池の梱包構造
(51)【国際特許分類】
B65D 81/05 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
B65D81/05 521Z
(21)【出願番号】P 2020086450
(22)【出願日】2020-05-18
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 優也
(72)【発明者】
【氏名】小島 優
(72)【発明者】
【氏名】安藤 和成
【審査官】永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08820532(US,B2)
【文献】特開2000-153879(JP,A)
【文献】特開2019-014479(JP,A)
【文献】特開2004-071427(JP,A)
【文献】特開2009-231125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/05
B65D 81/02
B65D 85/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛蓄電池の梱包構造であって、
前記鉛蓄電池が梱包される内箱と、
前記内箱が収容される外箱と、
前記外箱の内部で前記内箱の外側に配されるパルプモールド製の緩衝体と、
を備える、鉛蓄電池の梱包構造。
【請求項2】
請求項1に記載の鉛蓄電池の梱包構造であって、
前記緩衝体として、前記内箱の上側に配される上側緩衝体と、前記内箱の下側に配される下側緩衝体とを備える、鉛蓄電池の梱包構造。
【請求項3】
請求項1に記載の鉛蓄電池の梱包構造であって、
前記緩衝体は前記内箱の下側に配される下側緩衝体であり、
前記下側緩衝体は、前記内箱の下側に配されている状態において前記内箱の底壁部に対面する壁部を有し、
前記壁部の上面に凹部が形成されており、
前記鉛蓄電池に収容されている電解液が漏れ出た場合に前記電解液を吸収する吸収材が前記凹部に配されている、鉛蓄電池の梱包構造。
【請求項4】
請求項3に記載の鉛蓄電池の梱包構造であって、
前記壁部において前記凹部以外の部分の面積が前記壁部の面積の5割以上8割以下である、鉛蓄電池の梱包構造。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の鉛蓄電池の梱包構造であって、
前記壁部は下側に張り出す中空の張り出し部を有している、鉛蓄電池の梱包構造。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の鉛蓄電池の梱包構造であって、
前記壁部の外周縁部から全周に亘って上に延伸し、前記内箱の下端部を囲む枠状の第1の側壁部と、
前記第1の側壁部と接続されており、前記第1の側壁部を囲む枠状の第2の側壁部と、
を有し、
前記第1の側壁部と前記第2の側壁部との間に空間が確保されている、鉛蓄電池の梱包構造。
【請求項7】
請求項6に記載の鉛蓄電池の梱包構造であって、
前記第2の側壁部は上に向かって前記内箱に近づくように傾斜しており、
前記第2の側壁部の外面に、前記内箱の側壁と平行な面を有するリブが形成されている、鉛蓄電池の梱包構造。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の鉛蓄電池の梱包構造であって、
前記凹部は、前記壁部及び前記第1の側壁部に形成されている凹部であって前記内箱の下側の角部から離間するように凹む凹部を含む、鉛蓄電池の梱包構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、鉛蓄電池の梱包構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、輸送対象物を輸送する場合に、緩衝体を配することによって輸送中の衝撃から保護することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1に記載の包装構造は、段ボール板製の底箱と、底箱の両側に収納され被梱包物の本体部下端両側を受けるパルプモールド製の下側緩衝体と、下側緩衝体で受けられた被梱包物の本体部の上端両側に当てられるパルプモールド製の上側緩衝体と、これら全てを覆うための下端が開口する段ボール板製の本体箱とからなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来は輸送対象物として鉛蓄電池を輸送する場合に特有の課題について十分に検討されていなかった。
本明細書では、鉛蓄電池を輸送する場合に特有の課題を、部品点数を増やすことなく改善する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
鉛蓄電池の梱包構造であって、前記鉛蓄電池が梱包される内箱と、前記内箱が収容される外箱と、前記外箱の内部で前記内箱の外側に配されるパルプモールド製の緩衝体と、を備える、鉛蓄電池の梱包構造。
【発明の効果】
【0006】
鉛蓄電池を輸送する場合に特有の課題を、部品点数を増やすことなく改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図7】上側緩衝体に形成している凹部の位置を示す下面図
【
図8】鉛蓄電池の梱包構造の断面図(
図7に示すA-A線に相当する断面図)
【
図9A】箱の上に上側緩衝体を配した状態を示す模式図
【
図9B】
図9Aに示す上側緩衝体を箱の第1の壁部に垂直な直線周りに180度回転させて配した状態を示す模式図
【
図12】外箱を横倒しして下側緩衝体を収容する様子を示す模式図
【
図13】下側緩衝体の凹部に粒状の吸収材を配した状態を示す上面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本実施形態の概要)
(1)鉛蓄電池の梱包構造であって、前記鉛蓄電池が梱包される内箱と、前記内箱が収容される外箱と、前記外箱の内部で前記内箱の外側に配されるパルプモールド製の緩衝体と、を備える。
【0009】
例えば自動車に搭載されている鉛蓄電池の交換用の鉛蓄電池を空輸などで輸送する場合、鉛蓄電池が梱包されている内箱がそれぞれ個別の外箱に収容されて輸送される。内箱が収容されている外箱を輸送するとき、作業者が外箱を倒す可能性がある。鉛蓄電池にはガス抜き穴が形成されているので、外箱が倒れると鉛蓄電池に収容されている電解液がガス抜き穴から漏れ出す可能性がある。あるいは、段積みされた外箱が荷崩れなどによって落下する可能性がある。外箱が落下すると接地の際の衝撃によって鉛蓄電池が破損し、電解液が漏れ出す可能性がある。
【0010】
従来は緩衝体によって衝撃を緩衝することについては検討されていたが、漏れ出た電解液が周囲に影響を与える可能性があるという鉛蓄電池に特有の課題については十分に検討されていなかった。
本願発明者は、鋭意検討の結果、緩衝体をパルプモールド製にすれば、漏れ出た電解液を緩衝体によってある程度吸収できることを見出した。
【0011】
上記の梱包構造によると、緩衝体がパルプモールド製であるので、漏れ出た電解液を緩衝体によってある程度吸収できる。すなわち、上記の梱包構造によると、緩衝体を衝撃の緩衝だけでなく、電解液の吸収材としても活用できる。通常、外箱には漏れ出た電解液を吸収するための吸収材も収容されるが、上記の梱包構造では吸収材に加えて緩衝体によっても電解液が吸収される。このため、吸収材を増やしたり別の吸収体を追加したりする場合に比べ、鉛蓄電池を輸送する場合に特有の課題(漏れ出た電解液が周囲に影響を与える可能性があるという課題)を、部品点数を増やすことなく改善できる。
【0012】
(2)前記緩衝体として、前記内箱の上側に配される上側緩衝体と、前記内箱の下側に配される下側緩衝体とを備えてもよい。
【0013】
上記の梱包構造によると、緩衝体が内箱の上下両方に配されるので、外箱がどの方向に倒れても緩衝体によって電解液をある程度吸収できる。
【0014】
(3)前記緩衝体は前記内箱の下側に配される下側緩衝体であり、前記下側緩衝体は、前記内箱の下側に配されている状態において前記内箱の底壁部に対面する壁部を有し、前記壁部の上面に凹部が形成されており、前記鉛蓄電池に収容されている電解液が漏れ出た場合に前記電解液を吸収する吸収材が前記凹部に配されてもよい。
【0015】
前述したように外箱には漏れ出た電解液を吸収するための吸収材も収容される。従来は外箱に内箱を収容した後に内箱の側壁と外箱の側壁との間に吸収材が入れられており、内箱の下には吸収材が配されていなかった。言い換えると、従来は外箱の内部で吸収材が偏っており、電解液をより確実に吸収する上で改善の余地があった。
上記の梱包構造によると、下側緩衝体の壁部の上面に凹部が形成されており、その凹部に吸収材が配されているので、内箱の下にも吸収材を配することができる。これにより外箱の内部における吸収材の偏りが低減されるので、漏れ出た電解液をより確実に吸収できる。
【0016】
(4)前記壁部において前記凹部以外の部分の面積が前記壁部の面積の5割以上8割以下であってもよい。
【0017】
壁部において凹部以外の部分(内箱の底壁部に接する部分)の面積が小さいと下側緩衝体が衝撃を十分に緩衝できない可能性がある。逆に、凹部以外の部分の面積が大きいと内箱の下に配することのできる吸収材の量が少なくなり、電解液の吸収性が低下する。
本願発明者は、鋭意検討の結果、下側緩衝体の壁部において凹部以外の部分(内箱の底壁部に接する部分)の面積を壁部の面積の5割以上8割以下にすると、衝撃の緩衝と電解液の吸収とのバランスが良いことを見出した。
【0018】
上記の梱包構造によると、下側緩衝体の壁部において凹部以外の部分の面積が壁部の面積の5割以上8割以下であるので、衝撃の緩衝と電解液の吸収とをバランスよく両立できる。
【0019】
(5)前記壁部は下側に張り出す中空の張り出し部を有していてもよい。
【0020】
外箱は落下の際に下面が下になって落下(下面落下)する場合がある。上記の梱包構造によると、下側緩衝体の壁部は下側に張り出す中空の張り出し部を有しているので、下面落下したとき、張り出し部によって床からの衝撃が受けられる。中空の張り出し部は衝撃を受けると潰れるため、張り出し部が潰れて衝撃を緩衝することにより、下面落下した場合の衝撃をより確実に緩衝できる。
【0021】
(6)前記壁部の外周縁部から全周に亘って上に延伸し、前記内箱の下端部を囲む枠状の第1の側壁部と、前記第1の側壁部と接続されており、前記第1の側壁部を囲む枠状の第2の側壁部と、を有し、前記第1の側壁部と前記第2の側壁部との間に空間が確保されていてもよい。
【0022】
外箱は落下の際に側面が下になって落下(側面落下)する場合がある。上記の梱包構造によると、第1の側壁部と第2の側壁部との間に空間が確保されているので、側面落下したとき、第2の側壁部が第1の側壁部との間の空間を利用して撓むことにより(あるいは第1の側壁部が第2の側壁部との間の空間を利用して撓むことにより)、鉛蓄電池に加わる衝撃を緩衝するクッションとして機能する。このため、外箱が側面落下した場合の衝撃についても緩衝できる。
【0023】
(7)前記第2の側壁部は上に向かって前記内箱に近づくように傾斜しており、前記第2の側壁部の外面に、前記内箱の側壁と平行な面を有するリブが形成されていてもよい。
【0024】
外箱に内箱を収容する作業者は、事前準備として外箱に下側緩衝体を収容するとき、作業し易いように外箱を横倒しにし、下側緩衝体を立てた状態(第2の側壁部の外面が下を向く状態)で外箱に収容することがある。その場合、第2の側壁部が傾斜していると下側緩衝体が倒れ易くなり、作業性が低下する。
上記の梱包構造よると、第2の側壁部の外面に内箱の側壁と平行な面を有するリブが形成されている。内箱の側壁と外箱の側壁とは並行であるので、下側緩衝体を立てた状態で収容したとき、リブの平行な面が外箱の側壁に接することにより、下側緩衝体が倒れ難くなる。このため作業性が向上する。
【0025】
(8)前記凹部は、前記壁部及び前記第1の側壁部に凹部であって前記内箱の下側の角部から離間するように凹む凹部を含んでもよい。
【0026】
外箱は落下の際に下側の角部が下になって落下(角部落下)する場合がある。角部落下すると角部に衝撃が集中し、下側緩衝体によって衝撃を吸収しきれずに鉛蓄電池が破損する可能性がある。従来はこれについて十分に検討されていなかった。
上記の梱包構造によると、凹部は内箱の下側の角部から離間するように凹む凹部を含んでいるので、角部落下した場合に鉛蓄電池の角部に衝撃が集中することを抑制できる。このため、角部に衝撃が集中して鉛蓄電池が破損する可能性を低減できる。
【0027】
<実施形態1>
実施形態1を
図1ないし
図13によって説明する。以降の説明において上下方向とは
図4に示す上下方向を基準とする。以降の説明では同一の構成要素には一部を除いて図面の符号を省略している場合がある。
【0028】
(1)鉛蓄電池
図1を参照して、実施形態1に係る鉛蓄電池1について説明する。鉛蓄電池1は自動車に搭載されてエンジン始動装置(セルモータ)に電力を供給するエンジン始動用の鉛蓄電池である。
鉛蓄電池1は上面視長方形であり、上側が開口する合成樹脂製の電槽10と、電槽10の開口を閉塞する合成樹脂製の蓋部材11とを備える。電槽10の内部には極板群と電解液とが収容されている。蓋部材11の上面には上に向かって突出する2つの端子12(正極外部端子12P及び負極外部端子12N)が設けられている。正極外部端子12Pには極板群の正極が接続されており、負極外部端子12Nには極板群の負極が接続されている。
【0029】
2つの端子12は上面視で鉛蓄電池1の長辺方向に互いに離間して配されており、且つ、鉛蓄電池1の短辺方向の中心を基準にいずれか一方の側(
図1に示す例では前側)に配されている。蓋部材11には図示しないガス抜き穴が形成されている。
【0030】
(2)鉛蓄電池の梱包構造
図2に示すように、自動車に搭載されている鉛蓄電池の交換用の鉛蓄電池1は梱包箱2(内箱の一例)に梱包されて販売される。梱包箱2は段ボール製であり、4つの側壁部20(内箱の側壁の一例)、底壁部21(
図4参照)及び上壁部22を有する直方体状に形成されている。
【0031】
図3に示すように、交換用の鉛蓄電池1を空輸などで輸送する場合は、鉛蓄電池1が梱包されている梱包箱2がそれぞれ個別の輸送箱3(外箱の一例)に収容されて輸送される。輸送箱3も段ボール製であり、4つの側壁部30、底壁部31(
図4参照)及び上壁部32を有する直方体状に形成されている。
【0032】
図4に示すように、鉛蓄電池1の梱包構造は、鉛蓄電池1が梱包されている梱包箱2、ビニール製の内袋4、鉛蓄電池1用の2つの緩衝体5、粒状の吸収材6、ビニール製の外袋7及び輸送箱3を備えている。
梱包箱2は内袋4に入れられた状態で輸送箱3に収容される。内袋4は輸送中に鉛蓄電池1が倒れてガス抜き穴から電解液が漏れ出た場合や、輸送中に輸送箱3が落下した衝撃で電解液が漏れ出た場合などに、輸送箱3の外部に電解液が漏れないようにするためのものである。
【0033】
2つの緩衝体5は輸送中に荷崩れなどによって輸送箱3が落下した場合に衝撃を緩衝するためのものである。2つの緩衝体5は同一形状である。2つの緩衝体5のうち一方の緩衝体5は内袋4に入れられた梱包箱2の下側に配される。他方の緩衝体5は内袋4に入れられた梱包箱2の上側に配される。以降の説明では上側に配される緩衝体5を上側緩衝体5A、下側に配される緩衝体5を下側緩衝体5Bという。緩衝体5の具体的な構成については後述する。
【0034】
粒状の吸収材6は、鉛蓄電池1から漏れ出た電解液が内袋4から漏れ出た場合に、漏れ出た電解液を吸収するためのものである。粒状の吸収材6は粒状に砕かれた雲母などである。粒状の吸収材6は雲母に限られるものではなく、適宜に選択可能である。
外袋7は、内袋4から電解液が漏れ出た場合に、漏れ出た電解液が外部に漏れ出ないようにするためのものである。
【0035】
(3)輸送箱の落下
図5を参照して、輸送箱3の落下の形態について説明する。前述したように輸送箱3は輸送中に荷崩れなどによって落下する可能性がある。輸送箱3の落下の形態は上面落下、底面落下、側面落下及び角部落下に分けられる。
上面落下は輸送箱3の上面が下になって落下する形態である。
底面落下は輸送箱3の底面が下になって落下する形態である。
側面落下は輸送箱3の側面が下になって落下する形態である。輸送箱3の側面には水平方向の幅が狭い短側面と水平方向の幅が広い長側面とがある。側面落下には短側面が下になって落下する場合と長側面が下になって落下する場合とがある。
角部落下は輸送箱3の角部から床に衝突するように輸送箱3が斜めになって落下する形態である。角部落下には輸送箱3の下側の角部から落下する場合と、輸送箱3の上側の角部から落下する場合とがある。
【0036】
輸送箱3が落下すると接地の際の衝撃によって鉛蓄電池1が破損し、内部に収容されている電解液が漏れ出す可能性がある。航空機や船舶によって輸送される舶用品には航空機や船舶の安全を確保するために落下試験の基準が設定されている。この基準では鉛蓄電池1が収容されている輸送箱3を1.3m~1.6m程度の高さから落下させても鉛蓄電池1が破損しないことが求められている。
【0037】
(4)鉛蓄電池用の緩衝体の構成
図6から
図11を参照して、鉛蓄電池1用の緩衝体5について説明する。ここでは上側緩衝体5Aを例に説明する。便宜上、
図6及び
図11では上側緩衝体5Aの上下を逆にして示している。上側緩衝体5Aの形状は前後対象であり且つ左右対称である。
【0038】
図6に示すように、上側緩衝体5Aは、外周形状が梱包箱2の第1の壁部22の外周形状と略一致する壁部50、壁部50の外周縁部に連なっている第1の側壁部51、第1の側壁部51と接続されている第2の側壁部52とを有している。第1の側壁部51は壁部50の外周縁部から全周に亘って下に延伸しており、梱包箱2の上端部を囲む枠状に形成されている。第2の側壁部52は下側が第1の側壁部51と接続されており、第1の側壁部51を囲む枠状に形成されている。
【0039】
上側緩衝体5Aが梱包箱2の上に配されているとき、壁部50は間に内袋4を挟んで梱包箱2の上壁部22に対面する。壁部50には上側に凹む複数の凹部53が形成されている。壁部50において凹部53以外の面積(言い換えると壁部50において梱包箱2の上壁部22に接する面積)は、壁部50の面積の5割以上8割以下である。
【0040】
図7を参照して、複数の凹部53について具体的に説明する。便宜上、
図7では各凹部53の位置を一点鎖線で示している。凹部53には2つの第1の凹部53A、4つの第2の凹部53B、十字状の第3の凹部53C、4つの第4の凹部53D、2つの第5の凹部53E及び4つの第6の凹部53Fがある。これらの凹部53は互いに交差している場合や一部が重なっている場合がある。
【0041】
2つの第1の凹部53Aは互いに壁部50の長辺方向に離間して短辺方向に平行に延びている。第1の凹部53Aは輸送箱3が上面落下した場合に2つの端子12に加わる衝撃を緩衝するためのものである。
第1の凹部53Aは壁部50の短辺方向の中心(梱包箱2の短辺方向の中心に相当)を基準にして短辺方向の両側に延びている。言い換えると、第1の凹部53Aは梱包箱2の短辺方向の中心を基準にして短辺方向の両側に形成されている。
【0042】
図8は輸送箱3が上面落下した場合の部分断面図である。
図8では輸送箱3の上下が反転した状態を示しているが、輸送箱3の上下が反転していない状態のとき、2つの第1の凹部53Aのうち左側の第1の凹部53Aは鉛蓄電池1の左側の端子12(正極外部端子12P)の真上となる位置に形成されている。右側の第1の凹部53Aは鉛蓄電池1の右側の端子12(負極外部端子12N)の真上となる位置に形成されている。
【0043】
図8に示すように、壁部50の長辺方向における第1の凹部53Aの幅は、長辺方向における端子12の幅より広い。具体的には例えば、第1の凹部53Aの長辺方向の幅は端子12の長辺方向の幅の1.3倍以上である。第1の凹部53Aの長辺方向の幅が狭いと、輸送箱3が上面落下して梱包箱2の上壁部22が端子12によって下に押圧されたとき、上壁部22が撓み難くなってクッション性が損なわれる。このため、第1の凹部53Aの長辺方向の幅はある程度広いことが望ましい。
【0044】
図9A及び
図9Bを参照して、第1の凹部53Aの短辺方向の長さについて説明する。便宜上、
図9Aでは上側緩衝体5Aの2つの長辺のうち一方を長辺A、他方を長辺Bとしている。第1の凹部53Aの短辺方向の長さは、上側緩衝体5Aを円直線周り(梱包箱2の上壁部22に垂直な直線周り)に180度回転させて配しても端子12の真上に第1の凹部53Aが位置する長さである。具体的には、
図9Bは長辺Aと長辺Bとが入れ替わるように上側緩衝体5Aを円直線周りに180度回転させて配した状態を示している。
図9Bに示すように、第1の凹部53Aは上側緩衝体5Aを180度回転させても端子12の真上に位置する。
【0045】
図7に示すように、4つの第2の凹部53Bは壁部50と第1の側壁部51とで構成される角部に形成されている。第2の凹部53Bは輸送箱3が角部落下した場合に鉛蓄電池1を衝撃から保護するためのものである。具体的には、上面視で壁部50の四角は壁部50の中心に向かって斜めに延びる形状で上側に凹んでいる。第1の側壁部51は長辺方向に延びる互いに平行な2つの側壁51Aと短辺方向に延びる互いに平行な2つの側壁51Bとで構成されており、各側壁51A,51Bは長さ方向の端部が外側に凹んでいる。結果として、第2の凹部53Bは梱包箱2の上側の角部から離間するように凹んでいる。
【0046】
十字状の第3の凹部53Cは上面視で壁部50の中心から長辺方向及び短辺方向に十字状に延びている。第3の凹部53Cの中央部分と第3の凹部53Cの他の部分との間には緩衝体5の強度を向上させるために段差が設けられており、中央部分が他の部分より下に位置している。
図10に示すように、第3の凹部53Cは梱包箱2の上壁部22とは逆側を向く面(上側を向く面)に平面70を有している。作業者は外袋7の開口を粘着テープで止めるとき、粘着テープを平面70に向けて押し付ける。粘着テープはある程度の幅を有していることから、第3の凹部53Cも粘着テープの幅に合わせてある程度の幅を有している。
【0047】
図7に示すように、4つの第4の凹部53Dは2つの第1の凹部53Aの間において互いに壁部50の長辺方向に離間して短辺方向に平行に延びている。具体的には、第4の凹部53Dは緩衝体5の長辺方向の中心を基準にして右側に2本、左側に2本形成されている。
2つの第5の凹部53Eは壁部50の短辺方向に離間して長辺方向に平行に延びている。具体的には、第5の凹部53Eは緩衝体5の短辺方向の中心を基準にして後側に1本、前側に1本形成されている。第5の凹部53Eは第1の凹部53Aより底が深いが、第1の凹部53A以外の凹部より底が浅い。第5の凹部53Eは主として壁部50の強度を向上させるために設けられている。
4つの第6の凹部53Fはそれぞれ第5の凹部53Eの端から長辺方向に延びている。
【0048】
図8では輸送箱3の上下が反転した状態を示しているが、輸送箱3の上下が反転していない状態のとき、第3の凹部53C及び第4の凹部53Dの上端は第1の凹部53Aの上端より上に位置しており、第2の側壁部52の上端の位置と同じである。
図8では示されていないが、第2の凹部53B及び第6の凹部53Fの上端の位置も第3の凹部53C及び第4の凹部53Dの上端の位置と同じである。これらの凹部は壁部50から上側に張り出す中空の張り出し部を構成している。中空の張り出し部は輸送箱3が上面落下(緩衝体5が下側緩衝体5Bとして用いられる場合は底面落下)した場合に鉛蓄電池1を衝撃から保護するためのものである。
【0049】
緩衝体5が下側緩衝体5Bとして用いられる場合は、複数の凹部53は粒状の吸収材6が配される凹部としての役割も有している(
図4、
図13参照)。
【0050】
図4及び
図6を参照して、第1の側壁部51及び第2の側壁部52について説明する。
図4に示すように、第1の側壁部51と第2の側壁部52との間には空間65が確保されている。以降の説明では第1の側壁部51と第2の側壁部52とで構成される部分を額縁部60と称する。
図6に示すように、額縁部60において壁部50の長辺方向に延びる部分には長辺方向の中心において上側に凹む凹部61が形成されている。額縁部60の短辺方向に延びる部分にも短辺方向の中心において上側に凹む凹部61が形成されている。これらの凹部61は額縁部60の強度を向上させるためのものである。
【0051】
第1の側壁部51の内側を向く面には複数の逆三角形状の凹部62が形成されている。これらの凹部62は第1の側壁部51の強度を向上させるためのものである。具体的には、第1の側壁部51において長辺方向に延びる部分には長辺方向の中心を基準に一方の側に2つ、他方の側に2つの凹部62が形成されている。これらの凹部62の頂点は第4の凹部53Dに連なっている。第1の側壁部51において短辺方向に延びる部分には短辺方向の中心を基準に一方の側に1つ、他方の側に1つの凹部62が形成されている。これらの凹部62の頂点は第6の凹部53Fに連なっている。
【0052】
図11A及び
図11Bに示すように、第2の側壁部52は上に向かって梱包箱2に近づくように傾斜している。言い換えると、第2の側壁部52は壁部50から離間するにつれて梱包箱2に近づくように傾斜している。
図11Aに示すように、第2の側壁部52において短辺方向に延びる部分には、凹部61を挟んで両側に、上から下に向かって凹む凹部63が形成されている。
図11Bに示すように、第2の側壁部52において長辺方向に延びる部分には、凹部61を挟んで両側に、上から下に向かって凹む凹部63が形成されている。これらの凹部63は第2の側壁部52の強度を向上させるためのものである。
【0053】
図6に示すように、第2の側壁部52の外面には凹部61の縁部に沿ってリブ64が形成されている。
図11A及び
図11Bに示すように、リブ64は梱包箱2の側壁部20と平行な面64Aを有している。
【0054】
(5)輸送箱への鉛蓄電池の収容
図4、
図12及び
図13を参照して、輸送箱3への鉛蓄電池1の収容について説明する。
図4に示すように、輸送箱3への鉛蓄電池1の収容では、先ず輸送箱3の内部に外袋7が収容され、外袋7の内部に下側緩衝体5Bが収容される。
図12に示すように、作業者は下側緩衝体5Bを収容するとき、作業のし易さから輸送箱3を横倒しにし、下側緩衝体5Bを立てた状態(第2の側壁部52の外面が下を向く状態)で収容することがある。梱包箱2の側壁部20と輸送箱3の側壁部30とは並行であるので、下側緩衝体5Bを立てた状態で収容したとき、リブ64の平行な面64Aが輸送箱3の側壁部30に接することにより、緩衝体5が倒れ難くなる。
【0055】
次に、輸送箱3が元の姿勢(上側に開口する姿勢)に戻される。輸送箱3が元の姿勢に戻された後、
図13に示すように、下側緩衝体5Bの凹部53に粒状の吸収材6が配される。
図13では一部の凹部53だけに吸収材6が配されている場合を示しているが、吸収材6は全ての凹部53に配される。凹部53に吸収材6が配された後、
図4に示すように、内袋4に入れられた梱包箱2が下側緩衝体5Bの上に配される。次に、輸送箱3の側壁部30と梱包箱2の側壁部20との間(具体的には外袋7と内袋4との間)に更に粒状の吸収材6が入れられる。吸収材6が入れられた後、内袋4に入れられている梱包箱2の上に上側緩衝体5Aが配される。
【0056】
次に、上側緩衝体5Aの上で外袋7の上端部が折り畳まれる。外袋7の上端部が折り畳まれた後、外袋7の折り畳まれた部分に粘着テープが貼り付けられることによって外袋7に封がされる。このとき作業者は粘着テープを第3の凹部53Cの上側を向く面70(上壁部22とは逆側を向く面)に向けて押し付ける。その後に輸送箱3の上側開口が閉じられて粘着テープなどで封がされる。
【0057】
(6)緩衝体5による衝撃の吸収
図8に示すように、輸送箱3が上面落下した場合は、梱包箱2の上壁部22が鉛蓄電池1の端子12によって下に押圧される。押圧された上壁部22は上側緩衝体5Aの第1の凹部53Aの空間を利用して撓むことによってクッションとして機能する。これにより端子12に加わる衝撃が緩衝され、梱包箱2の上壁部22全体に衝撃が分散される。
更に、輸送箱3が上面落下した場合は壁部から上側(
図8では上下が反転しているので下側)に張り出している中空の張り出し部(第2の凹部53B、第3の凹部53C、第4の凹部53D、及び第6の凹部53F)が床からの衝撃を受ける。中空の張り出し部は衝撃を受けると潰れるので、中空の張り出し部が潰れて衝撃を吸収することにより、鉛蓄電池1への衝撃をより緩衝できる。
【0058】
図5に示すように、輸送箱3が底面落下した場合も、下側緩衝体5Bの中空の張り出し部が潰れることによって衝撃が緩衝される。
輸送箱3が側面落下した場合は、第2の側壁部52が第1の側壁部51側に撓むことにより、あるいは第1の側壁部51が第2の側壁部52側に撓むことにより、側面落下の衝撃が緩衝される。
輸送箱3が角部落下した場合は、第2の凹部53Bがあることにより、鉛蓄電池1の角部に衝撃が集中することが抑制される。
【0059】
(7)実施形態の効果
鉛蓄電池1の梱包構造(以下、単に梱包構造という)によると、緩衝体5がパルプモールド製であるので、漏れ出た電解液を緩衝体5によってある程度吸収できる。すなわち、梱包構造によると、緩衝体5を衝撃の緩衝だけでなく、電解液の吸収材6としても活用できる。通常、輸送箱3には漏れ出た電解液を吸収するための吸収材6も収容されるが、梱包構造では吸収材6に加えて緩衝体5によっても電解液が吸収される。このため、吸収材6を増やしたり別の吸収体を追加したりする場合に比べ、鉛蓄電池1を輸送する場合に特有の課題(漏れ出た電解液が周囲に影響を与える可能性があるという課題)を、部品点数を増やすことなく改善できる。
【0060】
例えば段ボール板を重ね合わせて緩衝体5を形成することも可能であるが、段ボール板は表面が滑らかであるので輸送中に輸送箱3の内部で梱包箱2が滑って位置が安定し難いという課題がある。これに対し、パルプモールド製は表面が粗いので、梱包箱2が滑り難いという利点もある。
一般に段ボール板は角が鋭いので、外袋7に緩衝体5を収容するときに作業者が怪我をしたり、段ボールの角で外袋7が破れたりする可能性がある。パルプモールド製は段ポール性に比べて鋭い角が少ないので、作業者が怪我をしたり外袋7が破れたりする可能性を低減できる。
【0061】
段ボール板を重ね合わせて緩衝体5を形成する場合は接着剤が必要であるが、パルプモールド製では接着剤が不要であり、段ボール板を重ね合わせる工程も不要であることから、段ボール板製に比べて安価に製造できるという利点もある。
パルプモールドは段ボール板製に比べて複雑な形状の成型が容易であるため、衝撃が緩衝されるように形状を工夫し易いという利点もある。
【0062】
例えば緩衝体5として発泡スチロール製の緩衝体5を用いることも可能であるが、発泡スチロールは焼却時に燃焼温度が高温になり、焼却炉を早期に傷めてしまうという問題や有害ガスが発生するという問題があった。これに対し、パルプモールド製の緩衝体5はこのような問題を改善できるという利点もある。
【0063】
梱包構造によると、緩衝体5が梱包箱2の上下両方に配されるので、輸送箱3がどの方向に倒れても緩衝体5によって電解液をある程度吸収できる。
【0064】
梱包構造によると、下側緩衝体5Bの壁部50の上面に凹部53が形成されており、凹部53に吸収材6を配することにより、梱包箱2の下にも吸収材6を配することができる。これにより輸送箱3の内部における吸収材6の偏りが低減されるので、漏れ出た電解液をより確実に吸収できる。
【0065】
梱包構造によると、下側緩衝体5Bの壁部50において凹部53以外の部分の面積が壁部50の面積の5割以上8割以下であるので、衝撃の緩衝と電解液の吸収とをバランスよく両立できる。
【0066】
梱包構造によると、下側緩衝体5Bの壁部50は下側に張り出す中空の張り出し部を有しているので、下面落下したとき、張り出し部によって床からの衝撃が受けられる。中空の張り出し部は衝撃を受けると潰れるため、張り出し部が潰れて衝撃を緩衝することにより、下面落下した場合の衝撃をより確実に緩衝できる。
【0067】
梱包構造によると、第1の側壁部51と第2の側壁部52との間に空間65が確保されているので、側面落下したとき、第2の側壁部52が空間65を利用して撓むことにより(あるいは第1の側壁部51が空間65を利用して撓むことにより)、鉛蓄電池1に加わる衝撃を緩衝するクッションとして機能する。このため、輸送箱3が側面落下した場合の衝撃についても緩衝できる。
【0068】
梱包構造よると、第2の側壁部52の外面に梱包箱2の側壁部20と平行な面64Aを有するリブ64が形成されている。梱包箱2の側壁部20と輸送箱3の側壁部30とは並行であるので、下側緩衝体5Bを立てた状態で収容したとき、リブ64の平行な面64Aが輸送箱3の側壁部30に接することにより、下側緩衝体5Bが倒れ難くなる。このため作業性が向上する。
【0069】
梱包構造によると、下側緩衝体5Bの壁部50及び第1の側壁部51に、梱包箱2の角部から離間するように凹む第2の凹部53Bが形成されているので、角部落下した場合に鉛蓄電池1の角部に衝撃が集中することを抑制できる。このため、角部に衝撃が集中して鉛蓄電池1が破損する可能性を低減できる。
【0070】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0071】
(1)上記実施形態1では緩衝体5が梱包箱2の上下両方に配される場合を例に説明したが、緩衝体5は上下のどちらか一方だけに配されてもよい。
【0072】
(2)上記実施形態1では、下側緩衝体5Bの壁部50において凹部53以外の部分の面積が壁部の面積の5割以上8割以下である場合を例に説明したが、壁部50の面積に対する凹部53以外の部分の面積の比はこれに限られない。
【0073】
(3)上記実施形態1では、第1の凹部53Aは短辺方向の中心を基準にして短辺方向の両側に形成されており、緩衝体5を梱包箱2の上壁部22に垂直な直線周りに180度回転させて配しても第1の凹部53Aが端子12に対向する場合を例に説明した。これに対し、第1の凹部53Aは短辺方向の中心を基準にして短辺方向のいずれか一方の側だけに形成されていてもよい。ただし、その場合は上側緩衝体5Aを配する際に向きを注意する必要がある。
【0074】
(4)上記実施形態1では中空の張り出し部の下端(先端)が第1の凹部53Aの下端より下に位置している場合を例に説明したが、中空の張り出し部の下端が第1の凹部53Aの下端の位置と同じであってもよい。その場合は、輸送箱3が上面落下又は底面落下したとき、第1の凹部53Aによっても衝撃が受けられる。
【0075】
(5)上記実施形態では端子12が鉛蓄電池1の上面に設けられている場合を例に説明したが、端子12が設けられている面は上面に限定されない。例えば端子12は鉛蓄電池1の側面に設けられていてもよい。
【0076】
(6)上記実施形態1では自動車に搭載される鉛蓄電池1を例に説明したが、鉛蓄電池1は自動車に搭載されるものに限定されない。例えば鉛蓄電池1は自動二輪車に搭載されるものであってもよいし、他の用途に用いられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 鉛蓄電池
2 梱包箱(内箱の一例)
3 輸送箱(外箱の一例)
5 緩衝体
5A 上側緩衝体
5B 下側緩衝体
6 吸収材
20 側壁部(側壁の一例)
21 底壁部
30 側壁部
50 壁部
51 第1の側壁部
52 第2の側壁部
53 凹部
53B 第2の凹部(中空の張り出し部、及び、内箱の下側の角部から離間するように凹む凹部の一例)
53C 第3の凹部(中空の張り出し部の一例)
53D 第4の凹部(中空の張り出し部の一例)
53F 第6の凹部(中空の張り出し部の一例)
64 リブ
64A 平行な面
65 空間