(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】射出成形装置
(51)【国際特許分類】
B29C 45/72 20060101AFI20241016BHJP
B29C 45/64 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B29C45/72
B29C45/64
(21)【出願番号】P 2020124311
(22)【出願日】2020-07-21
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100148323
【氏名又は名称】川▲崎▼ 通
(74)【代理人】
【識別番号】100168860
【氏名又は名称】松本 充史
(72)【発明者】
【氏名】宮下 大地
【審査官】浅野 弘一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-266620(JP,A)
【文献】特開平02-080219(JP,A)
【文献】特開2014-104730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/72
B29C 45/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定型を取り付け可能に構成された第1取付ブロックと、
第1ダイバーが挿通する第1貫通孔、および、第2ダイバーが挿通する第2貫通孔が設けられた基部、ならびに、前記基部に対して着脱可能な中継部を有し、前記固定型と対向する可動型を取り付け可能に構成され、前記第1ダイバーおよび前記第2ダイバーに沿って前記第1取付ブロックに対して進退される第2取付ブロックと、
前記固定型が前記第1取付ブロックに取り付けられ、かつ、前記可動型が前記第2取付ブロックに取り付けられた状態において、前記固定型および前記可動型で形成されるキャビティーに可塑化材料を射出する射出部と、
を含み、
前記可動型が前記第2取付ブロックに取り付けられた状態において、前記第2取付ブロックは、前記可動型と前記第1貫通孔との間、および前記可動型と前記第2貫通孔との間に、前記可動型からの熱の伝導を抑制する熱伝導抑制部を有し、
前記熱伝導抑制部は、
前記基部に設けられ、前記可動型が前記第2取付ブロックに取り付けられた状態において前記可動型と前記第1貫通孔との間に配置された第1部分と、
前記基部に設けられ、前記可動型が前記第2取付ブロックに取り付けられた状態において前記可動型と前記第2貫通孔との間に配置された第2部分と、
前記中継部に設けられ、前記中継部が前記基部に取り付けられた状態において前記第1部分と前記第2部分とを接続する接続部と、
を有
し、
前記熱伝導抑制部は、冷媒が流れる冷却管であり、
前記基部には、凹部が設けられ、
前記中継部は、前記凹部に嵌め合わされる、射出成形装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記接続部は、前記第1部分と接続される部分と、前記第2部分と接続される部分と、の間において、前記基部に接する、射出成形装置。
【請求項3】
請求項1
または2において、
前記第2取付ブロックは、前記第1貫通孔に、前記第2取付ブロックを前記第1ダイバーに沿ってスライドさせるスライド機構を有する、射出成形装置。
【請求項4】
請求項1
ないし3のいずれか1項において、
前記熱伝導抑制部は、前記第1貫通孔の長手方向に沿って設けられている、射出成形装置。
【請求項5】
請求項1ないし
4のいずれか1項において、
前記熱伝導抑制部は、前記第1貫通孔の長手方向に沿って屈曲して設けられている、射出成形装置。
【請求項6】
請求項1ないし
5のいずれか1項において、
前記可動型と前記第1貫通孔との間に設けられた前記熱伝導抑制部と、前記可動型と前記第2貫通孔との間に設けられた前記熱伝導抑制部とは、冷媒が流れる1つの共通する冷却管である、射出成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一対の金型で形成されたキャビティーに、熱可塑性樹脂等の樹脂材料をノズルから射出させる射出成形装置が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、一対の金型により形成されたキャビティーに成形材料を供給するとともに、一方の金型内に冷却回路を設けた射出成形装置において、一方の金型を、移動プレートと、該移動プレートを型開き位置と型閉じ位置との間で移動可能に指示する固定ベースと、から構成し、該固定ベースに冷却回路を設けた射出成形装置が記載されている。これにより、移動プレートに冷却回路を設けた構成と異なり、移動プレートの移動に伴う制約をなくすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような射出成形装置において、PEEK(Poly Ether Ether Ketone)等の樹脂材料を含む成形品を成形する場合、金型の温度が高温となる。そのため、金型を固定する取り付けブロックに熱が伝達し、取り付けブロックの貫通孔に設けられたスライド機構の温度が、耐熱温度を超える場合があった。これにより、型締めの精度が低下し、造形精度に影響を与える場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る射出成形装置の一態様は、
固定型を取り付け可能に構成された第1取付ブロックと、
前記固定型と対向する可動型を取り付け可能に構成され、第1ダイバーが挿通する第1貫通孔が設けられ、前記第1ダイバーに沿って前記第1取付ブロックに対して進退される第2取付ブロックと、
前記固定型および前記可動型で形成されるキャビティーに溶融材料を射出する射出部と、
を含み、
前記可動型が前記第2取付ブロックに取り付けられた状態において、前記第2取付ブロックは、前記可動型と前記第1貫通孔との間に、前記可動型からの熱の伝導を抑制する熱伝導抑制部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る射出成形装置を模式的に示す側面図。
【
図2】本実施形態に係る射出成形装置を模式的に示す断面図。
【
図3】本実施形態に係る射出成形装置のフラットスクリューを模式的に示す斜視図。
【
図4】本実施形態に係る射出成形装置のバレルを模式的に示す平面図。
【
図5】本実施形態に係る射出成形装置の型部を模式的に示す斜視図。
【
図6】本実施形態に係る射出成形装置の型部を模式的に示す斜視図。
【
図7】本実施形態に係る射出成形装置の型部を模式的に示す断面図。
【
図8】本実施形態に係る射出成形装置の型部を模式的に示す断面図。
【
図9】本実施形態の変形例に係る射出成形装置の型部を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
1. 射出成形装置
1.1. 全体の構成
まず、本実施形態に係る射出成形装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る射出成形装置100を模式的に示す側面図である。なお、
図1では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。X軸方向およびY軸方向は、例えば、水平方向である。Z軸方向は、例えば、鉛直方向である。
【0010】
射出成形装置100は、
図1に示すように、例えば、材料供給部10と、射出部20と、型部30と、型締部40と、制御部50と、を含む。
【0011】
材料供給部10は、射出部20に材料を供給する。材料供給部10は、例えば、ホッパーによって構成されている。材料供給部10には、ペレット状や粉末状の材料が供給される。材料供給部10に供給される材料としては、例えば、ペレット状のABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂が挙げられる。
【0012】
射出部20は、材料供給部10から供給された材料を可塑化して、溶融材料にする。そして、射出部20は、溶融材料を型部30に向けて射出する。
【0013】
なお、可塑化とは、溶融を含む概念であり、固体から流動性を有する状態に変化させることである。具体的には、ガラス転移が起こる材料の場合、可塑化とは、材料の温度をガラス転移点以上にすることである。ガラス転移が起こらない材料の場合、可塑化とは、材料の温度を融点以上にすることである。
【0014】
型部30には、成形品の形状に相当するキャビティーが形成される。射出部20から射出された溶融材料は、キャビティーに流れ込む。そして、溶融材料が冷却されて固化され、成形品が生成される。
【0015】
型締部40は、型部30の開閉を行う。型締部40は、溶融材料が冷却された固化された後に、型部30を開く。これにより、成形品が外部に排出される。
【0016】
制御部50は、例えば、プロセッサーと、主記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェースと、を有するコンピューターによって構成されている。制御部50は、例えば、主記憶装置に読み込んだプログラムをプロセッサーが実行することによって、種々の機能を発揮する。具体的には、制御部50は、射出部20および型締部40を制御する。なお、制御部50は、コンピューターではなく、複数の回路の組み合わせによって構成されてもよい。
【0017】
1.2. 具体的な構成
図2は、射出成形装置100を模式的に示す
図1のII-II線断面図である。
図2では、射出部20、型部30、型締部40、および制御部50を図示している。射出部20
は、
図2に示すように、例えば、可塑化部60と、射出制御部70と、ノズル80と、を有している。
【0018】
可塑化部60は、材料供給部10から供給された材料を可塑化し、流動性を有するペースト状の溶融材料を生成して射出制御部70へと導く。可塑化部60は、例えば、スクリューケース62と、駆動モーター64と、フラットスクリュー110と、バレル120と、加熱部130と、逆止弁140と、を有している。
【0019】
スクリューケース62は、フラットスクリュー110を収容する筐体である。スクリューケース62とバレル120とによって囲まれた空間に、フラットスクリュー110が収容されている。
【0020】
駆動モーター64は、スクリューケース62の上面に設けられている。駆動モーター64は、フラットスクリュー110を回転させる。駆動モーター64は、制御部50によって制御される。
【0021】
フラットスクリュー110は、回転軸RA方向の大きさが、回転軸RA方向と直交する方向の大きさよりも小さい略円柱形状を有している。図示の例では、回転軸RAは、Y軸と平行である。駆動モーター64が発生させるトルクによって、フラットスクリュー110は、回転軸RAを中心に回転する。フラットスクリュー110は、上面111と、上面111とは反対側の溝形成面112と、上面111と溝形成面112とを接続する側面113と、を有している。ここで、
図3は、フラットスクリュー110を模式的に示す斜視図である。なお、便宜上、
図3では、
図2に示した状態とは上下の位置関係を逆向きとした状態を示している。また、
図2では、フラットスクリュー110を簡略化して図示している。
【0022】
フラットスクリュー110の溝形成面112には、
図3に示すように、第1溝114が設けられている。第1溝114は、例えば、中央部115と、溝接続部116と、材料導入部117と、を有している。中央部115は、バレル120に設けられた連通孔126と対向している。中央部115は、連通孔126と連通している。溝接続部116は、中央部115と材料導入部117とを接続している。図示の例では、溝接続部116は、中央部115から溝形成面112の外周に向かって渦状に設けられている。材料導入部117は、溝形成面112の外周に設けられている。すなわち、材料導入部117は、フラットスクリュー110の側面113に設けられている。材料供給部10から供給された材料は、材料導入部117から第1溝114に導入され、溝接続部116および中央部115を通って、バレル120に設けられた連通孔126に搬送される。なお、第1溝114の数は、特に限定されず、2つ以上の第1溝114が設けられていてもよい。
【0023】
バレル120は、
図2に示すように、フラットスクリュー110の下方に設けられている。バレル120は、フラットスクリュー110の溝形成面112に対向する対向面122を有している。対向面122の中心には、連通孔126が設けられている。ここで、
図4は、バレル120を模式的に示す平面図である。なお、便宜上、
図2では、バレル120を簡略化して図示している。
【0024】
バレル120の対向面122には、
図4に示すように、第2溝124と、連通孔126と、が設けられている。第2溝124は、複数設けられている。図示の例では、6つの第2溝124が設けられているが、その数は、特に限定されない。複数の第2溝124は、Y軸方向からみて、連通孔126の周りに設けられている。第2溝124は、一端が連通孔126に接続され、連通孔126から対向面122の外周に向かって渦状に延びている。第2溝124は、溶融材料を連通孔126に導く機能を有している。
【0025】
なお、第2溝124の形状は、特に限定されず、例えば、直線状であってもよい。また、第2溝124は、対向面122に設けられていなくてもよい。ただし、連通孔126に溶融材料を効果的に導くことを考慮すると、第2溝124は、対向面122に設けられていることが好ましい。
【0026】
加熱部130は、フラットスクリュー110とバレル120との間に供給された材料を加熱する。図示の例では、加熱部130は、バレル120内に設けられた4本のヒーターによって構成されている。加熱部130の出力は、制御部50によって制御される。可塑化部60は、フラットスクリュー110、バレル120、および加熱部130によって、材料を連通孔126に向かって搬送しながら加熱して溶融材料を生成し、生成された溶融材料を、連通孔126から射出制御部70へと流出させる。
【0027】
逆止弁140は、
図2に示すように、連通孔126に設けられている。逆止弁140 は、連通孔126からフラットスクリュー110に設けられた第1溝114への溶融材料の逆流を抑制する。
【0028】
射出制御部70は、例えば、シリンダー72と、プランジャー74と、プランジャー駆動部76と、を有している。シリンダー72は、連通孔126に接続された略円筒状の部材である。プランジャー74は、シリンダー72の内部を移動する。プランジャー74は、モーターやギア等によって構成されたプランジャー駆動部76によって駆動される。プランジャー駆動部76は、制御部50によって制御される。
【0029】
射出制御部70は、プランジャー74をシリンダー72内で摺動させることによって、計量操作および射出操作を実行する。計量操作とは、連通孔126から離れる-X軸方向にプランジャー74を移動させることによって、連通孔126に位置する溶融材料をシリンダー72内へと導いて、シリンダー72内で計量する操作を指す。射出操作とは、連通孔126へ近付く+X軸方向にプランジャー74を移動させることによって、シリンダー72内の溶融材料を、ノズル80を介して型部30に射出する操作を指す。
【0030】
ノズル80には、連通孔126と連通しているノズル孔82が設けられている。上述した計量操作および射出操作が実行されることによって、シリンダー72内で計量された溶融材料が、射出制御部70から連通孔126を介してノズル孔82へと送られる。そして、溶融材料は、ノズル孔82から型部30へと射出される。
【0031】
型部30は、固定型31を取り付け可能に構成された第1取付ブロック32と、可動型33を取り付け可能に構成された第2取付ブロック34と、を有している。固定型31は、第1取付ブロック32に対して着脱可能である。可動型33は、第2取付ブロック34に対して着脱可能である。可動型33は、固定型31と対向している。固定型31および可動型33は、金型である。型部30は、固定型31と可動型33との間にキャビティー35を有している。射出部20は、固定型31および可動型33で形成されるキャビティー35に溶融材料を射出する。キャビティー35は、成形品の形状に相当する空間である。なお、型部30の第2取付ブロック34詳細な構成については、後述する。便宜上、
図2では、第2取付ブロック34を簡略化して図示している。
【0032】
型締部40は、例えば、型駆動部42と、ボールねじ部44と、を有している。型駆動部42は、例えば、モーター、ギアなどによって構成されている。型駆動部42は、ボールねじ部44を介して第2取付ブロック34に接続されている。型駆動部42の駆動は、制御部50によって制御される。ボールねじ部44は、型駆動部42の駆動による動力を第2取付ブロック34に伝達する。型締部40は、型駆動部42およびボールねじ部44
によって第2取付ブロック34を移動させることによって、型部30の開閉を行う。
【0033】
1.3. 型部の構成
図5および
図6は、型部30を模式的に示す斜視図である。
図7は、型部30を模式的に示す
図5のVII-VII線断面図である。
図8は、型部30を模式的に示す
図5のVIII-VIII線断面図である。なお、便宜上、
図5では、固定型31および第1取付ブロック32の図示を省略している。また、
図6では、固定型31、第1取付ブロック32、および可動型33の図示を省略している。
【0034】
型部30の第2取付ブロック34は、
図5~
図8に示すように、例えば、基部150と、スライド機構160と、中継部170と、熱伝導抑制部180と、を有している。
【0035】
基部150は、可動型33を取り付け可能な形状を有している。
図5に示す例では、基部150に凹部152が設けられ、凹部152に可動型33が収容されている。基部150は、Y軸方向からみて、例えば、略四角形の形状を有している。基部150の材質は、特に限定されないが、例えば、金属である。
【0036】
基部150には、貫通孔154が設けられている。図示の例では、貫通孔154は、第2取付ブロック34をY軸方向に貫通している。貫通孔154は、Y軸方向に長手方向を有している。図示の例では、貫通孔154は、4つ設けられ、第2取付ブロック34の略4隅に1つずつ設けられている。貫通孔154の形状は、Y軸方向からみて、例えば、円である。なお、貫通孔154の数および形状は、特に限定されない。
【0037】
貫通孔154には、ダイバー156が挿通している。ダイバー156は、例えば、Y軸方向に延びる棒状の部材である。第2取付ブロック34は、ダイバー156に沿って第1取付ブロック32に対して進退される。図示の例では、第2取付ブロック34は、ダイバー156に沿ってY軸方向に移動可能である。ダイバー156の材質は、特に限定されないが、例えば、金属である。なお、便宜上、
図6では、ダイバー156の図示を省略している。
【0038】
ダイバー156は、複数の貫通孔154の数に対応して、複数設けられている。図示の例では、ダイバー156は、4つ設けられている。4つの貫通孔154のうち第1貫通孔154aには、4つダイバー156のうち第1ダイバー156aが挿通されている。第2貫通孔154bには、第2ダイバー156bが挿通されている。第3貫通孔154cには、第3ダイバー156cが挿通されている。第4貫通孔154dには、第4ダイバー156dが挿通されている。
【0039】
スライド機構160は、貫通孔154に設けられている。具体的には、スライド機構160は、貫通孔154の内面に設けられている。貫通孔154の内面とは、貫通孔154を規定する基部150の面である。スライド機構160は、複数の貫通孔154に対応して、複数設けられている。スライド機構160は、第2取付ブロック34をダイバー156に沿ってスライドさせる。スライド機構160としては、例えば、リニアブッシュが挙げられる。スライド機構160の材質は、特に限定されないが、例えば、金属、セラミックなどである。
【0040】
中継部170は、
図6に示すように、基部150に設けられている。図示の例では、中継部170は、基部150の-X軸方向に取り付けられている。中継部170は、基部150に対して取り付け可能である。中継部170は、例えば、ねじ172によって基部150に対して着脱可能に設けられている。中継部170の材質は、例えば、基部150と同じである。
【0041】
熱伝導抑制部180は、例えば、基部150および中継部170に設けられている。熱伝導抑制部180は、可動型33からの熱の伝導を抑制する。具体的には、熱伝導抑制部180は、可動型33が第2取付ブロック34に取り付けられた状態において、可動型33から貫通孔154への熱の伝導を抑制する。
【0042】
熱伝導抑制部180は、冷媒2が流れる冷却管である。冷媒2としては、特に限定されないが、例えば、水が挙げられる。図示はしないが、熱伝導抑制部180は、例えば、冷媒2を送水するための循環装置、冷媒2を冷却するための冷却装置に接続されている。
【0043】
熱伝導抑制部180は、例えば、第1部分182と、第2部分184と、接続部186と、を有している。第1部分182、第2部分184、および接続部186は、例えば、冷媒2が流れる1つ供給する冷却管である。
【0044】
熱伝導抑制部180の第1部分182は、基部150に設けられている。第1部分182は、基部150の+X軸方向に位置する端部182aと、接続部186と接続される端部182bと、を有している。第1部分182は、可動型33が取り付けられた状態において、可動型33と貫通孔154との間に設けられている。第1部分182は、貫通孔154の長手方向に沿って設けられている。図示の例では、第1部分182は、貫通孔154の長手方向に沿った部分183を有している。図示の例では、第1部分182は、可動型33と第1貫通孔154aとの間をY軸方向に沿って直線状に通り、さらに可動型33と第4貫通孔154dとの間をY軸方向に沿って直線状に通っている。
【0045】
図5に示す例では、熱伝導抑制部180の第1部分182は、端部182aから-X軸方向に延出され、-Z軸方向に延出され、+Y軸方向に延出され、+Z軸方向に延出され、-X軸方向に延出され、-Z軸方向に延出され、-Y軸方向に延出され、+Z軸方向に延出され、-X軸方向に延出されて、端部182bに至る。
【0046】
熱伝導抑制部180の第2部分184は、基部150に設けられている。第2部分184は、第1部分182と離間している。図示の例では、第2部分184は、第1部分182よりも+Z軸方向に設けられている。第2部分184は、基部150の+X軸方向に位置する端部184aと、接続部186と接続される端部184bと、を有している。第2部分184は、可動型33が取り付けられた状態において、可動型33と貫通孔154との間に設けられている。第2部分184は、貫通孔154の長手方向に沿って設けられている。図示の例では、第2部分184は、貫通孔154の長手方向に沿った部分185を有している。図示の例では、第2部分184は、可動型33と第2貫通孔154bとの間をY軸方向に沿って直線状に通り、さらに可動型33と第4貫通孔154dとの間をY軸方向に沿って直線状に通っている。
【0047】
図5に示す例では、熱伝導抑制部180の第2部分184は、端部184bから+X軸方向に延出され、+Z軸方向に延出され、+Y軸方向に延出され、-Z軸方向に延出され、+X軸方向に延出され、+Z軸方向に延出され、-Y軸方向に延出され、-Z軸方向に延出され、+X軸方向に延出されて、端部184aに至る。
【0048】
熱伝導抑制部180の接続部186は、
図8に示すように、中継部170に設けられている。接続部186は、中継部170が基部150に取り付けられた状態において、第1部分182と第2部分184とを接続する。熱伝導抑制部180を流れる冷媒2は、第1部分182の端部182aから導入され、第1部分182、接続部186、および第2部分184を通り、第2部分184の端部184aから排出される。
【0049】
熱伝導抑制部180を形成する方法としては、基部150にドリル等で穴を開け、該穴に直線状の管を挿入し、管の一方の開口を封止部材188で封止する工程を繰り返す方法が挙げられる。複数の管は、公知の方法によって接合される。
【0050】
なお、熱伝導抑制部180を形成する方法は、上記の方法に限定されず、例えば、3次元の物体を作り出すことができる3Dプリンターを用いる方法であってもよい。3Dプリンターを用いる方法であれば、より複雑な形状の熱伝導抑制部180を形成することができる。
【0051】
1.4. 作用効果
射出成形装置100では、可動型33が第2取付ブロック34に取り付けられた状態において、第2取付ブロック34は、可動型33と第1貫通孔154aとの間に、可動型33からの熱の伝導を抑制する熱伝導抑制部180を有する。そのため、射出成形装置100では、可動型と第1貫通孔との間に熱伝導抑制部が設けられていない場合に比べて、可動型33の熱が第1貫通孔154aに伝導することを抑制できる。これにより、第1貫通孔154aに設けられたスライド機構160に、可動型33の熱が伝導し、スライド機構160の温度がスライド機構160の耐熱温度を超えることを抑制できる。その結果、型締め精度の低下を防ぐことができる。さらに、スライド機構160の長寿命化、およびメンテナンス交換時間の長期化を図ることができる。可動型33は、例えば、図示しないヒーターを有しており、射出成形装置100では、該ヒーターからスライド機構160に伝導する熱を低減することができる。
【0052】
射出成形装置100では、第2取付ブロック34は、第1貫通孔154aに、第2取付ブロック34を第1ダイバー156aに沿ってスライドさせるスライド機構160を有する。そのため、射出成形装置100では、第2取付ブロック34を第1取付ブロック32に対して、容易に進退させることができる。
【0053】
射出成形装置100では、熱伝導抑制部180は、第1貫通孔154aの長手方向に沿って設けられている。そのため、射出成形装置100では、熱伝導抑制部が第1貫通孔の長手方向に沿って設けられていない場合に比べて、第1貫通孔154aに熱が伝導することを効率的に抑制できる。
【0054】
射出成形装置100では、熱伝導抑制部180は、冷媒2が流れる冷却管である。そのため、射出成形装置100では、冷却管を流れる冷媒2によって第1貫通孔154aを冷却することができる。
【0055】
射出成形装置100では、第2取付ブロック34には、第2ダイバー156bが挿通可能な第2貫通孔154bが設けられ、可動型33が第2取付ブロック34に取り付けられた状態において、熱伝導抑制部180は、可動型33と第2貫通孔154bとの間に設けられ、可動型33と第1貫通孔154aとの間に設けられた前記熱伝導抑制部180の第1部分182と、可動型33と第2貫通孔154bとの間に設けられた熱伝導抑制部180の第2部分184とは、冷媒2が流れる1つの共通する冷却管である。このように、射出成形装置100では、1つの熱伝導抑制部180で複数の貫通孔154に熱が伝導することを抑制できる。そのため、例えば複数の熱伝導抑制部が設けられている場合に比べて、例えば、冷媒2を送水するための循環装置、および冷媒2を冷却するための冷却装置の数を減らすことができる。これにより、小型化を図ることができる。
【0056】
射出成形装置100では、第2取付ブロック34は、基部150に対して着脱可能な中継部170を有する。そして、熱伝導抑制部180は、基部150に設けられ、可動型33が取り付けられた状態において、可動型33と第1貫通孔154aとの間に配置された
第1部分182、および可動型33と第2貫通孔154bとの間に配置された第2部分184を有する。さらに、熱伝導抑制部180は、中継部170に設けられ、中継部170が基部150に取り付けられた状態において第1部分182と第2部分184とを接続する接続部186を有する。そのため、射出成形装置100では、中継部170を基部150に対して着脱することにより、1つの連続した熱伝導抑制部180で貫通孔154a,154bに熱が伝導することを抑制するパターンと、2つに分岐した熱伝導抑制部180で貫通孔154a,154bに熱が伝導することを抑制するパターンと、を選択することができる。
【0057】
なお、上記の例では、熱伝導抑制部180は、冷媒2が流れる冷却管であったが、熱伝導抑制部180は、断熱材であってもよい。このような場合であっても、可動型33の熱が貫通孔154に伝導することを抑制できる。断熱材としては、例えば、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、メタアクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリオレフィン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック、真空遮断部材などが挙げられる。また、図示はしないが、熱伝導抑制部180は、冷媒2が流れる冷却管と、該冷却管を覆う断熱材と、によって構成されていてもよい。
【0058】
また、上記の例では、スクリューとして、回転軸RA方向の大きさが回転軸RA方向と直交する方向の大きさよりも小さいフラットスクリュー110を用いたが、フラットスクリュー110の代わりに、回転軸RA方向に大きい棒状のインラインスクリューを用いてもよい。
【0059】
2. 射出成形装置の変形例
2.1. 第1変形例
次に、本実施形態の第1変形例に係る射出成形装置について、図面を参照しながら説明する。
図9は、本実施形態の第1変形例に係る射出成形装置200を模式的に示す断面図である。
【0060】
以下、本実施形態の第1変形例に係る射出成形装置200において、上述した本実施形態に係る射出成形装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0061】
上述した射出成形装置100では、
図7に示すように、熱伝導抑制部180は、貫通孔154の長手方向に沿って直線状に設けられていた。
【0062】
これに対し、射出成形装置200では、
図9に示すように、熱伝導抑制部180は、貫通孔154の長手方向に沿って屈曲して設けられている。そのため、射出成形装置200では、熱伝導抑制部180が貫通孔154の長手方向に沿って直線状に設けられている場合に比べて、熱伝導抑制部180の体積を大きくすることができる。これにより、貫通孔154に熱が伝導することをより抑制できる。
【0063】
2.2. 第2変形例
次に、本実施形態の第2変形例に係る射出成形装置について説明する。上述した射出成形装置100では、成形品を形成するための材料として、ペレット状のABSが用いられていた。
【0064】
これに対し、本実施形態の第2変形例に係る射出成形装置は、可塑化部60において用いられる材料として、例えば、ABS以外の熱可塑性を有する材料、金属材料、セラミック材料等の種々の材料を主材料とした材料を挙げることができる。ここで、「主材料」とは、成形品の形状を形作っている中心となる材料を意味し、成形品において50重量%以
上の含有率を占める材料を意味する。上述した材料には、それらの主材料を単体で溶融したものや、主材料とともに含有される一部の成分が溶融してペースト状にされたものが含まれる。
【0065】
熱可塑性を有する材料としては、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM )、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチック、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
【0066】
熱可塑性を有する材料には、顔料や、金属、セラミック、その他に、ワックス、難燃剤、酸化防止剤、熱安定剤などの添加剤等が混入されていてもよい。熱可塑性を有する材料は、可塑化部60において、フラットスクリュー110の回転と、加熱部130の加熱と、によって可塑化されて溶融した状態に転化される。また、そのように生成された溶融材料は、ノズル80から吐出された後、温度の低下によって硬化する。
【0067】
熱可塑性を有する材料は、そのガラス転移点以上に加熱されて完全に溶融した状態でノズル80から吐出されることが望ましい。例えば、ABSは、ガラス転移点が約120℃であり、ノズル80からの吐出時には約200℃であることが望ましい。
【0068】
可塑化部60では、上述した熱可塑性を有する材料の代わりに、例えば、金属材料が主材料として用いられてもよい。この場合には、金属材料を粉末状にした粉末材料に、溶融材料の生成の際に溶融する成分が混合されて、可塑化部60に投入されることが望ましい。
【0069】
金属材料としては、例えば、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)やクロム(Cr)、アルミニウム (Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の単一の金属、もしくはこれらの金属を1つ以上含む合金、また、マルエージング鋼、ステンレス、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、コバルト合金、コバルトクロム合金が挙げられる。
【0070】
可塑化部60においては、上記の金属材料の代わりに、セラミック材料を主材料として用いることが可能である。セラミック材料としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物セラミックスや、窒化アルミニウムなどの非酸化物セラミックスなどが挙げられる。
【0071】
材料供給部10に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料は、単一の金属の粉末や合金の粉末、セラミック材料の粉末を、複数種類、混合した混合材料であってもよい。また、金属材料やセラミック材料の粉末材料は、例えば、上述の熱可塑性樹脂、あるいは、それ以外の熱可塑性樹脂によってコーティングされていてもよい。この場合には、可塑化部60において、その熱可塑性樹脂が溶融して流動性が発現されるものとしてもよい。
【0072】
材料供給部10に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、溶剤を添加することもできる。溶剤としては、例えば、水;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸iso-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸iso-ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル-n-ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラアルキルアンモニウムアセテート類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、γ-ピコリン、2,6-ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等);ブチルカルビトールアセテート等のイオン液体等が挙げられる。
【0073】
その他に、材料供給部10に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、バインダーが添加されていてもよい。バインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂或いはその他の合成樹脂またはPLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、あるいはその他の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0074】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0075】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0076】
上述した実施形態から以下の内容が導き出される。
【0077】
射出成形装置の一態様は、
固定型を取り付け可能に構成された第1取付ブロックと、
前記固定型と対向する可動型を取り付け可能に構成され、第1ダイバーが挿通する第1貫通孔が設けられ、前記第1ダイバーに沿って前記第1取付ブロックに対して進退される第2取付ブロックと、
前記固定型および前記可動型で形成されるキャビティーに溶融材料を射出する射出部と、
を含み、
前記可動型が前記第2取付ブロックに取り付けられた状態において、前記第2取付ブロックは、前記可動型と前記第1貫通孔との間に、前記可動型からの熱の伝導を抑制する熱伝導抑制部を有する。
【0078】
この射出成形装置によれば、可動型の熱が第1貫通孔に伝導することを抑制できる。これにより、第1貫通孔に設けられたスライド機構に、可動型の熱が伝導し、スライド機構の温度がスライド機構の耐熱温度を超えることを抑制できる。
【0079】
前記射出成形装置の一態様において、
前記第2取付ブロックは、前記第1貫通孔に、前記第2取付ブロックを前記第1ダイバーに沿ってスライドさせるスライド機構を有してもよい。
【0080】
この射出成形装置によれば、第2取付ブロックを第1取付ブロックに対して、容易に進
退させることができる。
【0081】
前記射出成形装置の一態様において、
前記熱伝導抑制部は、前記第1貫通孔の長手方向に沿って設けられていてもよい。
【0082】
この射出成形装置によれば、第1貫通孔に熱が伝導することを効率的に抑制できる。
【0083】
前記射出成形装置の一態様において、
前記熱伝導抑制部は、冷媒が流れる冷却管、または断熱材であってもよい。
【0084】
この射出成形装置によれば、冷却管を流れる冷媒によって第1貫通孔を冷却することができる。または、断熱材によって、可動型の熱が第1貫通孔に伝導することを抑制できる。
【0085】
前記射出成形装置の一態様において、
前記熱伝導抑制部は、前記第1貫通孔の長手方向に沿って屈曲して設けられていてもよい。
【0086】
この射出成形装置によれば、熱伝導抑制部の体積を大きくすることができる。これにより、第1貫通孔に熱が伝導することをより抑制できる。
【0087】
前記射出成形装置の一態様において、
前記第2取付ブロックには、第2ダイバーが挿通可能な第2貫通孔が設けられ、
前記可動型が前記第2取付ブロックに取り付けられた状態において、前記熱伝導抑制部は、前記可動型と前記第2貫通孔との間に設けられ、
前記可動型と前記第1貫通孔との間に設けられた前記熱伝導抑制部と、前記可動型と前記第2貫通孔との間に設けられた前記熱伝導抑制部とは、冷媒が流れる1つの共通する冷却管であってもよい。
【0088】
この射出成形装置によれば、1つの熱伝導抑制部で複数の貫通孔に熱が伝導することを抑制できる。
【0089】
前記射出成形装置の一態様において、
前記第2取付ブロックは、
前記第1貫通孔および前記第2貫通孔が設けられた基部と、
前記基部に対して着脱可能な中継部と、
を有し、
前記熱伝導抑制部は、
前記基部に設けられ、前記可動型が前記第2取付ブロックに取り付けられた状態において前記可動型と前記第1貫通孔との間に配置された第1部分と、
前記基部に設けられ、前記可動型が前記第2取付ブロックに取り付けられた状態において前記可動型と前記第2貫通孔との間に配置された第2部分と、
前記中継部に設けられ、前記中継部が前記基部に取り付けられた状態において前記第1部分と前記第2部分とを接続する接続部と、
を有してもよい。
【0090】
この射出成形装置によれば、1つの連続した熱伝導抑制部で第1貫通孔および第2貫通孔に熱が伝導することを抑制するパターンと、2つに分岐した熱伝導抑制部で第1貫通孔および第2貫通孔に熱が伝導することを抑制するパターンと、を選択することができる。
【符号の説明】
【0091】
2…冷媒、10…材料供給部、20…射出部、30…型部、31…固定型、32…第1取付ブロック、33…可動型、34…第2取付ブロック、35…キャビティー、40…型締部、42…型駆動部、44…ボールねじ部、50…制御部、60…可塑化部、62…スクリューケース、64…駆動モーター、70…射出制御部、72…シリンダー、74…プランジャー、76…プランジャー駆動部、80…ノズル、82…ノズル孔、100…射出成形装置、110…フラットスクリュー、111…上面、112…溝形成面、113…側面、114…第1溝、115…中央部、116…溝接続部、117…材料導入部、120…バレル、122…対向面、124…第2溝、126…連通孔、130…加熱部、140…逆止弁、150…基部、152…凹部、154…貫通孔、154a…第1貫通孔、154b…第2貫通孔、154c…第3貫通孔、154d…第4貫通孔、156…ダイバー、156a…第1ダイバー、156b…第2ダイバー、156c…第3ダイバー、156d…第4ダイバー、160…スライド機構、170…中継部、172…ねじ、180…熱伝導抑制部、182…第1部分、182a,182b…端部、183…沿った部分、184…第2部分、184a,184b…端部、185…沿った部分、186…接続部、188…封止部材、200…射出成形装置