(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】導光装置、ドラムユニット、導光装置を備える画像形成装置及び画像読取装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/045 20060101AFI20241016BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20241016BHJP
G02B 6/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G03G15/045
G03G21/18 114
G02B6/00 331
(21)【出願番号】P 2020126513
(22)【出願日】2020-07-27
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅裕
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-046556(JP,A)
【文献】特開2006-276529(JP,A)
【文献】特開2017-009751(JP,A)
【文献】特開2016-151591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/04
G03G 21/18
G02B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング本体と、
前記ハウジング本体における所定の側部に取り付けられるサイド部材と、
前記ハウジング本体に支持され、光が入射される光入射面を有する導光体と、
前記サイド部材に保持され、前記光入射面へ向けて光を出射する発光素子を有する光源基板と、
前記サイド部材に保持され、前記発光素子に給電するためのコネクタ部材と、
前記光入射面に対して前記発光素子を基準位置に位置決めする位置決め部と、を備え、
前記位置決め部は、
前記ハウジング本体に設けられ、前記光源基板における前記発光素子の実装面に当接する当接部材と、
前記サイド部材に保持され、前記光源基板を前記導光体側へ押圧して前記発光素子を前記基準位置に位置決めする弾性部材と、を有
し、
前記サイド部材に対する前記光源基板及び前記コネクタ部材の組付方向は、前記ハウジング本体に対する前記サイド部材の取付方向に一致している導光装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記当接部材による当接によって受ける押圧力に応じて収縮可能であり、
前記光源基板は、前記弾性部材の収縮方向に変位可能なように前記サイド部材に支持されている、請求項1に記載の導光装置。
【請求項3】
画像形成装置に装着して用いられるドラムユニットであって、
感光体ドラムを回転可能に支持するハウジング本体と、
前記ハウジング本体における所定の側部に取り付けられるサイド部材と、
前記ハウジング本体に支持され、光が入射される光入射面と、入射方向に交差する方向へ光を出射する光出射面とを有し、前記光出射面から前記感光体ドラムへ向けて除電するための光を照射する導光体と、
前記サイド部材に保持され、前記光入射面へ向けて光を出射する発光素子を有する光源基板と、
前記サイド部材に保持され、前記発光素子に給電するためのコネクタ部材と、
前記光入射面に対して前記発光素子を基準位置に位置決めする位置決め部と、を備え、
前記位置決め部は、
前記ハウジング本体に設けられ、前記光源基板における前記発光素子の実装面に当接する当接部材と、
前記サイド部材に保持され、前記光源基板を前記導光体側へ押圧して前記発光素子を前記基準位置に位置決めする弾性部材と、を有
し、
前記サイド部材に対する前記光源基板及び前記コネクタ部材の組付方向は、前記ハウジング本体に対する前記サイド部材の取付方向に一致しているドラムユニット。
【請求項4】
請求項
3に記載のドラムユニットを備え、前記感光体ドラムにトナー像を形成する画像形成装置。
【請求項5】
請求項1
又は2に記載の導光装置と、
前記導光装置によって導光された光が照射される感光体ドラムと、を備える画像形成装置。
【請求項6】
請求項1
又は2に記載の導光装置と、
前記導光装置によって導光された光が照射される被照射体と、を備え、
前記被照射体からの反射光に基づいて前記被照射体の照射面の画像データを読み取る画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの光を導光する導光体を備える導光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、一様に帯電された感光体ドラムの表面上にレーザー光が照射されることにより、感光体ドラムの表面上に静電潜像が形成される。感光体ドラムの静電潜像はトナーを用いて現像装置によって現像される。感光体ドラムのトナー像がシート又は中間転写ベルトなどの被転写部材に転写されると、感光体ドラムの表面は除電部から照射される除電光によって除電され、その後、感光体ドラムの表面はクリーニング部によってクリーニングされる。
【0003】
前記除電部として、発光素子を有する光源基板と、発光素子から出射された光を感光体ドラムに導光する導光体とを有する構成が知られている。
【0004】
また、従来、発光素子を有する基板と、発光素子からの光を収束する光学系とを有する露光装置において、前記基板を押圧部材によって押圧して、前記基板の位置を規制する構成が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記除電部において、感光体ドラムの表面に照射される除電光の強度を安定化するために、光源基板の発光素子と導光体との位置決め精度が重要である。前記位置決め精度が低ければ、前記除電光の強度にばらつきが生じる。また、発光素子と導光体との位置関係が適切であっても、光源基板や導光体、これらを支持する支持部材などの組み付け精度が低ければ、前記除電光の強度にばらつきが生じる場合がある。また、支持部材に、光源基板や導光体、その他の部材などの複数の部材を積み重ねて組み付ける手法(特許文献1参照)では、各部材の組み付け公差が累積し、その累積公差によって組み付け精度が低くなる場合がある。
【0007】
本発明の目的は、光源基板の発光素子と導光体との位置決め精度を向上させるとともに、光源基板及び導光体を含む各部材の組み付け精度を向上させることが可能な導光装置、ドラムユニット、画像形成装置、及び画像読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る導光装置は、ハウジング本体と、前記ハウジング本体における所定の側部に取り付けられるサイド部材と、前記ハウジング本体に支持され、光が入射される光入射面を有する導光体と、前記サイド部材に保持され、前記光入射面へ向けて光を出射する発光素子を有する光源基板と、前記光入射面に対して前記発光素子を基準位置に位置決めする位置決め部と、を備える。前記位置決め部は、前記ハウジング本体に設けられ、前記光源基板における前記発光素子の実装面に当接する当接部材と、前記サイド部材に保持され、前記光源基板を前記導光体側へ押圧して前記発光素子を前記基準位置に位置決めする弾性部材と、を有する。
【0009】
本発明の他の局面に係るドラムユニットは、画像形成装置に装着して用いられる。前記ドラムユニットは、感光体ドラムを回転可能に支持するハウジング本体と、前記ハウジング本体における所定の側部に取り付けられるサイド部材と、前記ハウジング本体に支持され、光が入射される光入射面と、入射方向に交差する方向へ光を出射する光出射面とを有し、前記光出射面から前記感光体ドラムへ向けて除電するための光を照射する導光体と、前記サイド部材に保持され、前記光入射面へ向けて光を出射する発光素子を有する光源基板と、前記光入射面に対して前記発光素子を基準位置に位置決めする位置決め部と、を備える。前記位置決め部は、前記ハウジング本体に設けられ、前記光源基板における前記発光素子の実装面に当接する当接部材と、前記サイド部材に保持され、前記光源基板を前記導光体側へ押圧して前記発光素子を前記基準位置に位置決めする弾性部材と、を有する。
【0010】
本発明のその他の局面に係る画像形成装置は、前記ドラムユニットを備え、前記感光体ドラムにトナー像を形成する。
【0011】
本発明のその他の局面に係る画像形成装置は、前記導光装置と、前記導光装置によって光が照射される感光体ドラムと、を備える。
【0012】
本発明のその他の局面に係る画像読取装置は、前記導光装置と、前記導光装置によって導光された光が照射される被照射体と、を備え、前記被照射体からの反射光に基づいて前記被照射体の照射面の画像データを読み取る。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光源基板の発光素子と導光体との位置決め精度を向上させるとともに、光源基板及び導光体を含む各部材の組み付け精度を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、画像形成装置の画像形成ユニットの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、画像形成ユニットのドラムユニットの斜視図である。
【
図4】
図4は、ドラムユニットの分解斜視図である。
【
図6】
図6は、ドラムユニットの右端部の内部構造を示す図である。
【
図7】
図7は、ドラムユニットの右側の支持部材の斜視図である。
【
図8】
図8は、導光部材の右端部及び光源基板の周辺の構成を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、以下の説明では、画像形成装置10が使用可能な設置状態(
図1に示される状態)を基準として定めた上下方向D1、前後方向D2、左右方向D3を用いる場合がある。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の構成を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置10は、複数の画像形成ユニット1~4、中間転写ベルト5、光走査装置6、二次転写ローラー7、定着装置8、排紙トレイ9、トナーコンテナ21~24、給紙カセット31、搬送経路32、及びこれらを収容する筐体33を備える。画像形成装置10は、給紙カセット31から搬送経路32に沿って供給されるシートに、パーソナルコンピューターなどの情報処理装置から入力される画像データに基づくカラー画像又はモノクロ画像を形成するカラープリンターである。なお、画像形成装置10はプリント機能を有する装置であればよく、例えば、複写機、FAX装置などであってもよい。
【0017】
画像形成ユニット1~4は、中間転写ベルト5の走行方向D10に沿って並設されており、所謂タンデム方式の画像形成部を構成する。具体的に、画像形成ユニット1ではイエロー、画像形成ユニット2ではマゼンタ、画像形成ユニット3ではシアン、画像形成ユニット4ではブラックに対応するトナー像が形成される。
【0018】
図2は、画像形成ユニット1及び画像形成ユニット2の構成を示す模式図である。
図2に示すように、画像形成ユニット1及び画像形成ユニット2は、ドラムユニット18と、現像部13と、一次転写ローラー15とを備える。また、ドラムユニット18は、感光体ドラム11と、帯電部12と、除電部14(本発明の導光装置の一例)と、クリーニング部16とを備える。画像形成ユニット1及び画像形成ユニット2は、電子写真方式にしたがって感光体ドラム11にトナー像を形成し、中間転写ベルト5にトナー像を転写する。なお、画像形成ユニット3及び画像形成ユニット4も同様に構成されているためここでは説明を省略する。
【0019】
ドラムユニット18は、画像形成装置10に着脱可能に装着される。本実施形態では、ドラムユニット18は、画像形成装置10の右側面から筐体33の奥側(左側)へ挿入されることによって、筐体33に装着される。ドラムユニット18は、感光体ドラム11、帯電部12、除電部14、及びクリーニング部16を収容するハウジング19を有している。感光体ドラム11は、ハウジング19に回転可能に支持されている。
【0020】
感光体ドラム11各々は、中間転写ベルト5の走行方向D10に沿って並設されている。感光体ドラム11は、静電潜像及びトナー像を担持する像担持体である。帯電部12各々は、ハウジング19の下部に設けられており、不図示の電源から供給される電力により感光体ドラム11を帯電させる帯電ローラー121を有する。帯電部12により帯電された感光体ドラム11に、光走査装置6によってレーザー光が照射され、画像データに基づく静電潜像が感光体ドラム11の外周面に形成される。現像部13各々は、感光体ドラム11に形成された前記静電潜像をトナー(現像剤)により現像する現像ローラー131を有する。現像部13各々には、各色に対応するトナーコンテナ21~24からトナーが補給される。
【0021】
一次転写ローラー15各々は、感光体ドラム11に形成されたトナー像を中間転写ベルト5に転写する。中間転写ベルト5は、画像形成ユニット1~4各々の感光体ドラム11の上方を走行し、感光体ドラム11各々に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される中間転写部材である。中間転写ベルト5上のトナー像は、二次転写ローラー7により、搬送経路32を搬送されるシートに転写される。その後、前記シートに転写されたトナー像は、定着装置8によって加熱されて、前記シートに定着される。クリーニング部16各々は、トナー像の転写後の感光体ドラム11を清掃するクリーニングローラー161を有する。
【0022】
除電部14各々は、感光体ドラム11の外周面における一次転写ローラー15とクリーニングローラー161との間の領域P1に、感光体ドラム11を除電するための除電光L1を照射する。換言すると、除電部14各々は、感光体ドラム11の表面において、一次転写ローラー15よりも回転方向D11の下流側であってクリーニングローラー161よりも上流側の領域P1に除電光L1を照射する。
【0023】
また、除電部14各々は、走行方向D10の下流側に位置する他の画像形成ユニットの感光体ドラム11の外周面にも、感光体ドラム11を除電するための除電光L2を照射する。例えば、画像形成ユニット1の除電部14は、下流側の画像形成ユニット2の感光体ドラム11における現像ローラー131と一次転写ローラー15との間の領域P2に、除電光L2を照射する。換言すると、除電部14各々は、下流側に位置する他の感光体ドラム11の表面において、現像ローラー131よりも回転方向D11の下流側であって一次転写ローラー15よりも上流側の領域P2に除電光L2を照射する。
【0024】
このように、除電光L1,L2が感光体ドラム11上の領域P1,P2に照射されることによって、感光体ドラム11の前記トナー像の中間転写ベルト5への転写前後において感光体ドラム11の除電が行われる。その結果、感光体ドラム11の所謂メモリー画像が抑制される。
【0025】
なお、イエローの画像は目立たないため、イエローに対応する画像形成ユニット1の感光体ドラム11には除電光L2が照射されなくても画像メモリーの問題は顕在化しにくい。そのため、画像形成装置10には、画像形成ユニット1の感光体ドラム11に除電光L2を照射する構成は設けられていない。もちろん、画像形成装置10が、画像形成ユニット1の感光体ドラム11に除電光L2を照射する構成を備えていてもよい。
【0026】
上述したように、画像形成装置10は、ドラムユニット18を備えている。ドラムユニット18は、感光体ドラム11を回転可能に支持するものであり、
図3及び
図4に示すように、左右方向D3に長尺な形状に形成されている。ドラムユニット18は、その長手方向が左右方向D3に一致する状態で、筐体33の内部フレームなどに取り付けられる。
【0027】
図3は、ドラムユニット18の斜視図であり、
図4は、ドラムユニット18の分解斜視図である。
図3及び
図4に示すように、ドラムユニット18のハウジング19は、ハウジング本体20と、一対のサイドプレート201,202と、一対の支持部材63,64とを有する。
【0028】
ハウジング本体20の長手方向の両端部それぞれに一対のサイドプレート201,202が設けられている。一対のサイドプレート201,202は、ハウジング本体20と一体に形成されている。サイドプレート201は、ハウジング本体20の右側に設けられており、サイドプレート202はハウジング本体20の左側に設けられている。
【0029】
支持部材63,64は、ハウジング本体20の長手方向の両端部それぞれに設けられている。支持部材63は、ハウジング本体20のサイドプレート201の外側(右側)の側面に取り付けられている。支持部材63は、本発明のサイド部材の一例であって、サイドプレート201の側面を覆うように取り付けられている。また、支持部材64は、ハウジング本体20のサイドプレート202の外側(左側)の側面に取り付けられている。支持部材63,64がハウジング本体20に取り付けられた状態で、感光体ドラム11の両端部が支持部材63,64に回転可能に支持される。また、帯電ローラー121及びクリーニングローラー161(
図2参照)もハウジング19に回転可能に支持されている。本実施形態では、ドラムユニット18は、感光体ドラム11、帯電部12、クリーニング部16などがハウジング19に取り付けられることによって、ユニット化されている。
【0030】
また、ハウジング19は、サイドフレーム61、及びカバー部材62を有する。サイドフレーム61は、感光体ドラム11の後方側の周面を覆う長尺な部材である。サイドフレーム61は、サイドプレート201とサイドプレート202との間を渡すように左右方向D3に沿って延在している。サイドフレーム61の内側にクリーニング部16が設けられている。
【0031】
ハウジング19は、感光体ドラム11の後方側に収容部73(
図3参照)を有する。収容部73は、後述の導光部材72(
図4参照)を収容する部分であり、サイドフレーム61とカバー部材62とにより構成されている。具体的に、サイドフレーム61の上面は、左右方向D3に延在する平坦面である。カバー部材62は、左右方向D3に長い板状の部材であり、サイドフレーム61の上面を覆うようにサイドフレーム61の上側に設けられている。サイドフレーム61の上側にカバー部材62が取り付けられることによって、サイドフレーム61とカバー部材62との間に、後述の導光部材72を収容可能な収容部73が形成される。
【0032】
除電部14は、ドラムユニット18のハウジング19に設けられている。除電部14は、上述したように除電光L1,L2(
図2参照)を感光体ドラム11の表面へ向けて照射するものであり、本発明の導光装置の一例である。
【0033】
図4に示すように、除電部14は、光源基板71と、導光部材72(本発明の導光体の一例)と、保持部材74(清掃部材)と、を備える。
【0034】
導光部材72は、ハウジング19に支持されている。詳細には、導光部材72は、収容部73の内部に取り付けられている。導光部材72は、ドラムユニット18の長手方向(左右方向D3)に長尺な形状に形成されている。導光部材72は、例えば透明なアクリル樹脂によって棒状に形成されている。導光部材72は、感光体ドラム11よりも長く形成されており、長手方向が感光体ドラム11の軸方向と平行になるように配置されている。
【0035】
保持部材74は、導光部材72の一方側(左側)の端部を保持する。保持部材74は、サイドプレート202の外側(左側)の側面に取り付けられている。サイドプレート202には、収容部73内に導光部材72を収容するための挿入口が形成されており、前記挿入口から導光部材72が収容部73の内部に挿入されると、導光部材72の左端部が保持部材74によって支持される。
【0036】
サイドプレート201には、収容部73に挿入された導光部材72の他方側(右側)の右端部721(
図6参照)を保持するための保持孔201A(
図6参照)が形成されている。保持孔201Aに導光部材72の右端部721が挿通されることにより、導光部材72の右端部721が保持孔201Aによって支持される。
【0037】
導光部材72は、長手方向の一方側(右側)の右端部721に平坦な入射面77(本発明の光入射面の一例)を有している。入射面77に光源基板71からの光が入射される。また、導光部材72は、その長手方向に交差する方向へ光を出射する2つの出射面(不図示)を有する。導光部材72は、断面の形状が半円形状となるように形成されている。前記出射面は、導光部材72において、長手方向に交差する水平方向(前後方向D2)の両側面それぞれに形成されている。
【0038】
本実施形態では、導光部材72における前方側の出射面(以下、第1出射面ともいう。)は、長手方向に沿って延在する円弧状の曲面(円弧面)である。また、導光部材72における後方側の出射面(以下、第2出射面ともいう。)は、長手方向に沿って延在する平坦面である。導光部材72は、前記第1出射面が、後方側に隣接する他のドラムユニット18の感光体ドラム11の領域P2側に向くように、そして、前記第2出射面が、後方側に隣接する他のドラムユニット18の感光体ドラム11の領域P2側に向くように配置されている。言い換えると、導光部材72は、前記第1出射面が前方を向くように配置され、前記第1出射面が後方を向くように配置されている。
【0039】
導光部材72の内部には、複数の透過反射部(不図示)が形成されている。前記透過反射部は、前記第2出射面に形成された断面三角形状の溝であり、長手方向に予め定められた間隔で形成されている。入射面77から入射して導光部材72の内部を進む光は、前記透過反射部に入射すると、その入射光の一部が前記透過反射部で反射して、その反対側の前記第1出射面から除電光L1(
図2参照)として前方へ出射する。この除電光L1が領域P1(
図2参照)に照射される。また、導光部材72の内部を進む光は、前記透過反射部に入射すると、その入射光の一部が前記透過反射部を透過して、前記第2出射面から除電光L2(
図2参照)として後方へ出射する。この除電光L2が領域P2(
図2参照)に照射される。
【0040】
なお、カバー部材62の後方側の側面には、長手方向に長い貫通窓621が形成されている。前記第2出射面から出射した除電光L2は、貫通窓621を通って領域P2に照射される。
【0041】
図4に示すように、光源基板71は、支持部材63の内側面に取り付けられており、詳細には、前記内側面の上部に配置されている。光源基板71は、感光体ドラム11を除電するための光を発光する発光素子711(
図7参照)を有する。発光素子711は、導光部材72の入射面77へ向けて出射する。光源基板71は、例えば、矩形状の基板712(
図7参照)の実装面にLED素子などの発光素子711が実装されたLED光源である。光源基板71は、収容部73(
図3参照)の右端部と支持部材63との間に配置されている。光源基板71は、発光素子711が入射面77に対向するように配置されている。光源基板71の発光素子711から出射された光は、導光部材72の長手方向の一方側の入射面77(
図4参照)に入射する。そして、入射面77に入射した光は、長手方向の他方側へ進み、前記透過反射部に反射しつつ、前記第1出射面及び前記第2出射面から出射する。
【0042】
図5は、
図3における要部Vの部分拡大図であって、ドラムユニット18の右端部の構成を示す。
図6は、ドラムユニット18の右端部の内部構造を示す図である。
図7は、支持部材63の斜視図であり、支持部材63の内側の構成を示す。
図8は、導光部材72の右端部721及び光源基板71の周辺の構成を示す模式断面図である。
図6では、支持部材63及びカバー部材62の図示が省略されている。
【0043】
図6に示すように、導光部材72の右端部721の近傍には、ストッパーを担う上下方向D1へ突出した一対の突起76が設けられている。一方の突起76は、導光部材72の上端部から上方へ突出しており、他方の突起76は、導光部材72の下端部から下方へ突出している。
【0044】
サイドプレート202に形成された前記挿入口から導光部材72が挿入され、その挿入方向D31へ向けて導光部材72が右側へ押し込まれることによって、前記挿入口から収容部73の内部に導光部材72が収容される。そして、導光部材72の右端部721がサイドプレート201の保持孔201Aに挿入されて、更に導光部材72が押し込まれると、突起76が保持孔201Aの周縁に当接する。これにより、導光部材72の右端部721の入射面77が予め定められた規制位置に位置決めされる。つまり、導光部材72は、前記規制位置から右側へ変位することが突起76及び保持孔201Aの周縁によって規制される。
【0045】
ところで、除電部14において、感光体ドラム11の表面に照射される除電光の強度を安定化するために、光源基板71の発光素子711と導光部材72の入射面77との位置決め精度が重要である。前記位置決め精度が低ければ、除電光の強度にばらつきが生じる。また、発光素子711と導光部材72の入射面77との位置関係が適切であっても、光源基板71や導光部材72、これらを支持する支持部材などの組み付け精度が低ければ、前記除電光の強度にばらつきが生じる場合がある。また、前記支持部材に、光源基板71や導光部材72、その他の部材などの複数の部材を組み付ける従来手法では、各部材の組み付け公差が累積し、その累積公差によって組み付け精度が低くなる場合がある。これに対して、本実施形態では、後述する位置決め機構80(本発明の位置決め部の一例)が設けられているため、光源基板71の発光素子711と導光部材72の入射面77との位置決め精度を向上させるとともに、光源基板71及び導光部材72を含む各部材の組み付け精度を向上させることが可能である。
【0046】
位置決め機構80は、ハウジング19に設けられている。位置決め機構80は、導光部材72の入射面77に対して光源基板71の発光素子711を予め定められた基準位置に位置決めする。前記基準位置は、前記規制位置に位置決めされた入射面77と発光素子711とのギャップが基準値(基準間隔)となる位置である。
【0047】
図8に示すように、位置決め機構80は、当接ピン81(本発明の当接部材の一例)と、弾性部材82(本発明の弾性部材の一例)と、を有する。
【0048】
当接ピン81は、光源基板71における発光素子711の実装面に当接する部分である。当接ピン81は、サイドプレート201の右側面に立設している。サイドプレート201には、2本の当接ピン81が設けられている。各当接ピン81は、上下方向D1に隔てられており、いずれもサイドプレート201の右側面から右方向へ垂直に突出している。当接ピン81の外周面には、少なくとも1つ以上のリブ83が当接ピン81の突出方向に延在している。
【0049】
支持部材63の内側面には、板金で構成された保持板91がボス92を介して固定されている。保持板91は、ビスなどによってボス92に固定されている。
図6及び
図8に示すように、保持板91の表面に弾性部材82が取り付けられている。弾性部材82は、シリコンゴムやスポンジ部材、バネなどのように弾性を有する部材である。弾性部材82は、支持部材63がサイドプレート201に取り付けられた状態で収縮して、光源基板71を導光部材72の入射面77側(左側)へ弾性的に押圧する。本実施形態では、弾性部材82は、直方体形状に形成されたスポンジ部材である。弾性部材82の一方側の面(右側面)は、両面テープなどの接合剤によって保持板91の表面に固定されている。また、弾性部材82の他方側の面(左側面)には、両面テープなどの接合剤によって光源基板71の基板712が固定されている。
【0050】
また、
図7に示すように、支持部材63には、先端にフックが形成された2つの支持アーム95が設けられている。支持アーム95は、支持部材63の内側面から垂直方向に突出しており、その先端のフックが光源基板71の基板712の端辺に係合している。これにより、光源基板71は、弾性部材82の収縮範囲内で前記内側面に垂直な方向(弾性部材82の収縮方向)へ変位可能となる。
【0051】
図7に示すように、基板712には、二つの係合孔93が形成されている。係合孔93は、各当接ピン81に対応する位置に設けられており、基板712において上下方向D1に隔てた位置に形成されている。支持部材63がサイドプレート201に取り付けられた状態で、当接ピン81の先端部が、対応する係合孔93に挿入する。そして、支持部材63がサイドプレート201に取り付けられて固定されると、弾性部材82が基板712を左側へ押し付ける。このとき、当接ピン81のリブ83が係合孔93の周縁に当接する。これにより、当接ピン81から押圧力を受けることによって弾性部材82が収縮され、弾性部材82の収縮により生じた弾性力によって光源基板71が導光部材72側(左側)へ押し付けられる。これにより、光源基板71の発光素子711が前記基準位置に位置決めされる。このように位置決めされることにより、支持部材63に取り付けられた光源基板71の発光素子711と、ハウジング19の収容部73に支持された導光部材72の入射面77との位置決め精度を向上させることができる。
【0052】
図7に示すように、本実施形態では、支持部材63の内側面にコネクタ部材97,98が実装されたコネクタ基板96が取り付けられている。コネクタ部材97,98は、光源基板71の発光素子711に通電される電力を中継するための部材であり、いずれも、共通の基板99に実装されている。コネクタ基板96は、支持部材63の内側面の下部に配置されている。本実施形態では、支持部材63に対する光源基板71及びコネクタ基板96の組み付け方向は、ハウジング19のサイドプレート201に対する支持部材63の取付方向に一致している。つまり、光源基板71及びコネクタ基板96は、いずれも、支持部材63の内側面に垂直な方向(左右方向D3)に沿って組み付けられる。このように、支持部材63に取り付けられる各部材の組み付け方向が統一されることにより、組み付け加工が容易となり、しかも、組み付け後の光源基板71やコネクタ基板96、その他の部材の組み付け精度を向上させることができる。
【0053】
なお、上述の実施形態では、ドラムユニット18に光源基板71や導光部材72、位置決め機構80が設けられた構成を例示したが、本発明はこの構成に限られない。例えば、ドラムユニット18に一体に設けられておらず、光源基板71、導光部材72、及び位置決め機構80を備える導光装置として本発明を捉えることも可能である。また、原稿などの被照射体からの反射光に基づいて原稿の画像を読み取る画像読取装置のスキャンユニットにおいて、原稿に光を照射して光を原稿に導く導光装置、あるいは、当該導光装置を備える画像読取装置として本発明を捉えることも可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 :画像形成装置
11 :感光体ドラム
12 :帯電部
13 :現像部
14 :除電部
15 :一次転写ローラー
16 :クリーニング部
18 :ドラムユニット
19 :ハウジング
20 :ハウジング本体
61 :サイドフレーム
62 :カバー部材
63 :支持部材
64 :支持部材
71 :光源基板
72 :導光部材
73 :収容部
74 :保持部材
76 :突起
77 :入射面
80 :位置決め機構
81 :当接ピン
82 :弾性部材
83 :リブ
91 :保持板
92 :ボス
93 :係合孔
95 :支持アーム
96 :コネクタ基板
97 :コネクタ部材
98 :コネクタ部材
99 :基板