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特許7571422着色組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置、および固体撮像素子。
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  • 特許-着色組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置、および固体撮像素子。 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】着色組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置、および固体撮像素子。
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20241016BHJP
   C09B 25/00 20060101ALI20241016BHJP
   C09B 47/04 20060101ALI20241016BHJP
   C09B 67/20 20060101ALI20241016BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20241016BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G02B5/20 101
C09B25/00 B
C09B25/00 D
C09B47/04
C09B67/20 B
G02B5/22
G02F1/1335 505
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020144320
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039341
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-05-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】718000495
【氏名又は名称】東洋ビジュアルソリューションズ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】須田 康明
(72)【発明者】
【氏名】吉田 寛之
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-172732(JP,A)
【文献】特開2020-60631(JP,A)
【文献】特開2019-8014(JP,A)
【文献】特開2008-276130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 25/00
C09B 47/04 - 47/32
C09B 67/20
G02B 5/20 - 5/28
G02F 1/1335 - 1/13363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤(A)、スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)、アルカリ可溶性 樹脂(C)、および界面活性剤(D)を含む着色組成物であって、
前記着色剤(A)が、フタロシアニン顔料(A1)、およびキノフタロン顔料(A2)を含み、
前記スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)は、スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩、ならびにスルホ基を有するキノフタロン化合物の銀塩、スルホ基を有するキノフタロン化合物の亜鉛塩、スルホ基を有するキノフタロン化合物の鉄塩、およびスルホ基を有するキノフタロン化合物のアルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上を含み、
前記界面活性剤(D)が、フッ素化アルキル基およびポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖のうち1種以上を有する単量体(d1)と、その他単量体(d2)との共重合体である界面活性剤(D1)を含む、着色組成物。
【請求項2】
前記スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩の含有量が、前記スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)100質量%中、20~80質量%である、請求項1に記載の着色組成物。
【請求項3】
前記その他単量体(d2)が、多環脂環式構造含有単量体である、請求項1又は2に記載の着色組成物。
【請求項4】
前記キノフタロン顔料(A2)が、下記一般式(1)で表されるキノフタロン顔料を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の着色組成物。
一般式(1)
【化1】

(一般式(1)において、R~R13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基を示す。R~R、及び/又は、R~Rの隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成してもよい。)
【請求項5】
さらに、トリアリールスルホニウム化合物(E)を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の着色組成物。
【請求項6】
基板、および請求項1~いずれか1項に記載の着色組成物を用いて形成されてなるフィルタセグメントを備える、カラーフィルタ。
【請求項7】
請求項に記載のカラーフィルタを備える、液晶表示装置。
【請求項8】
請求項に記載のカラーフィルタを備える、固体撮像素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ等に使用する着色組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にカラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に形成された、赤色フィルタ層(R)、緑色フィルタ層(G)、及び青色フィルタ層(B)からなる微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメント(画素)を平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロンから数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
【0003】
カラーフィルタ中の緑色フィルタセグメントには、着色剤として緑色顔料以外に、色を調整する着色剤(調色用着色剤)として黄色顔料が用いられており、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185等が使用されている。そのなかでも、高い透過率が得られる点で、キノフタロン顔料であるC.I.ピグメントイエロー138が用いられることが多い。しかし、キノフタロン顔料であるC.I.ピグメントイエロー138は、230℃以上の熱を加えたときに異物が発生するという課題があった。
【0004】
さらに、緑色顔料として広く用いられているC.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントグリーン62、C.I.ピグメントグリーン63、特開2008-19383号公報、特開2007-320986号公報、特開2004-70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料、特許第4893859号公報、特開2016-153481号公報、特開2017-197685号公報等のフタロシアニン顔料と、黄色顔料を使用した緑色フィルタセグメントは、バックライトが当たると、明度が低下する問題(例えば、非特許文献1参照)や、電圧保持率の低下が発生し液晶表示装置の駆動に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0005】
上記の問題を解決するために、様々な取り組みがなされている。例えば、特許文献1には、耐熱性、コントラスト比に優れた緑色カラーペーストとして、C.I.ピグメントイエロー138と、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン化誘導体を含む緑色カラーペーストが開示されている。また、特許文献2には、コントラスト、明度の向上した顔料分散組成物として、平均一次粒子径が10~30nmの顔料と、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、アミノ基及びそれらの塩から選択される基を少なくとも一つ有するキノフタロン化合物を含む顔料分散組成物が開示されている。
【0006】
また、明度低下を解決する取り組みとして、特許文献3には、着色剤としてフタロシアニン系着色剤、黄色着色剤、及び着色剤とは異なる成分である金属化合物を含む着色性樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2002-179979号公報
【文献】特開2011-122125号公報
【文献】特開2017-186546号公報
【0008】
【文献】Journal of Photopolymer Science and Technology, Volume7, Number1(1994) p.151-158
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、引用文献1および2の着色組成物は、異物発生の抑制は満足いくものではなく、また、明度低下、及び電圧保持率の低下に関しては考慮されていなかった。また、引用文献3の着色組成物は、明度低下の抑制は満足できる水準では無かった。また、異物発生の抑制、及び電圧保持率の低下に関しては考慮されていなかった。
【0010】
本発明は、異物の発生が少なく、かつ電圧保持率に優れ、明度低下が少ないカラーフィルタを形成できる着色組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の着色組成物は、着色剤(A)、スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)、アルカリ可溶性樹脂(C)、および界面活性剤(D)を含む着色組成物であって、
前記着色剤(A)が、フタロシアニン顔料(A1)、およびキノフタロン顔料(A2)を含み、
前記スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)の金属が、銅、銀、亜鉛、鉄、およびアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属であり、
前記界面活性剤(D)が、フッ素化アルキル基およびポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖のうち1種以上を有する単量体(d1)と、その他単量体(d2)との共重合体である界面活性剤(D1)を含む。
【発明の効果】
【0012】
上記の本発明により、異物の発生が少なく、かつ電圧保持率に優れ、明度低下が少ないカラーフィルタを形成できる着色組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置、および固体撮像素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】液晶表示装置の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0015】
本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。単量体はエチレン性不飽和基含含有化合物である。
【0016】
<着色組成物>
本発明の一実施形態は、着色組成物に係わる。本発明の着色組成物は、着色剤(A)、スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)、アルカリ可溶性樹脂(C)、および界面活性剤(D)を含む着色組成物であって、
前記着色剤(A)が、フタロシアニン顔料(A1)、およびキノフタロン顔料(A2)を含み、
前記スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)の金属が、銅、銀、亜鉛、鉄、およびアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属であり、
前記界面活性剤(D)が、フッ素化アルキル基およびポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖のうち1種以上を有する単量体(d1)(以下、単量体(d1)ともいう)と、その他単量体(d2)との共重合体である界面活性剤(D1)を含む。
【0017】
以下、一実施形態の着色組成物に含まれるか、又は含まれ得る成分を詳細に説明する。
【0018】
[着色剤(A)]
(フタロシアニン顔料(A1))
本発明の着色組成物は、着色剤(A)としてフタロシアニン顔料(A1)を含む。
【0019】
フタロシアニン顔料(A1)は、具体的には、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物として、C.I.ピグメントグリーン7,10,36,37,58,59,62,63、特開2008-19383号公報、特開2007-320986号公報、特開2004-70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料、特許第4893859号公報、特開2016-57635号公報、特開2016-153481号公報、特開2017-197685号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン、C.I.ビグメントブルー15,15:1,15:2,15:3,15:4等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントグリーン36,58,59,62,63、特開2016-57635号公報、特開2016-153481号公報、特開2017-197685号公報に記載のフタロシアニン顔料が好ましい。
【0020】
フタロシアニン顔料(A1)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0021】
フタロシアニン顔料(A1)の含有量は、着色剤(A)100質量%中、20~90質量%が好ましく、30~80質量%がより好ましい。
【0022】
(キノフタロン顔料(A2))
本発明の着色組成物は、着色剤(A)としてキノフタロン顔料(A2)を含む。
【0023】
キノフタロン顔料(A2)は、下記一般式(1)で表わされるキノフタロン顔料を含むことが好ましい。
【0024】
一般式(1)
【化1】
【0025】
一般式(1)において、R~R13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基を示す。R~R、及び/又は、R~Rの隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成してもよい。
【0026】
一般式(1)におけるR~R13の置換基について説明する。
【0027】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0028】
また、置換基を有しても良いアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、n-オクチル基、ステアリル基、2-エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2,2-ジブロモエチル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2-エトキシエチル基、2-ブトキシエチル基、2-ニトロプロピル基、ベンジル基、4-メチルベンジル基、4-tert-ブチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、4-ニトロベンジル基、2,4-ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
【0029】
また、置換基を有しても良いアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3-ジメチル-3-ペントキシ、n-へキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2-エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2-ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2-エトキシエトキシ基、2-ブトキシエトキシ基、2-ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
【0030】
また、置換基を有しても良いアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p-メチルフェニル基、p-ブロモフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-メトキシフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2-アミノフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、4-ヒドロキシ-1-ナフチル基、6-メチル-2-ナフチル基、4,5,8-トリクロロ-2-ナフチル基、アントラキノニル基、2-アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
【0031】
一般式(1)のR~R、及び/又は、R~Rの隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。ここでいう芳香環とは、炭化水素芳香環及び複素芳香環が挙げられる。炭化水素芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられる。また、複素芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環などが挙げられる。
【0032】
キノフタロン顔料(A2)は、C.I.ピグメントイエロー138、又は下記一般式(2)~(4)で表されるキノフタロン顔料のいずれかであることが好ましい。ここで、R14~R28、R29~R43、R44~R60における、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基は、一般式(1)で説明した基と同義である。
【0033】
【化2】

一般式(4)
【化3】
【0034】
一般式(2)~(4)中、R14~R28、R29~R43、R44~R60は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基を示す。
【0035】
さらに、本発明の着色組成物に用いられるキノフタロン顔料(A2)は、一般式(2)~(4)のR14~R28、R29~R43、R44~R60が、水素原子又はハロゲン原子であることがより好ましい。
【0036】
キノフタロン顔料(A2)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0037】
キノフタロン顔料(A2)の含有量は、着色剤(A)100質量%中、10~80質量部%が好ましく、20~70質量%がより好ましい。
【0038】
[一般式(1)で表わされるキノフタロン顔料(A2)の製造法]
一般式(1)で表わされるキノフタロン顔料(A2)は、例えば、特開平4-226163号公報、特開2012-226110号公報記載の方法で合成できる。
【0039】
一般式(1)で表わされるキノフタロン顔料(A2)の具体例として、下記に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】
(その他顔料(A3))
本発明の着色組成物は、課題を解決できる範囲で、フタロシアニン顔料(A1)及びキノフタロン顔料(A2)以外のその他顔料(A3)を含有できる。
【0043】
その他顔料(A3)は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,139,147,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,198,199,213,214,218,219,220,221、C.I.ビグメントブルー1,1:2,9,14,17,19,25,27,28,29,33,35,36,56,56:1,60,61,61:1,62,63,64,66,67,68,71,72,73,74,75,76,78,79、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,37,38,41,47,48,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53,53:1,53:2,53:3,57,57:1,57:2,58:4,60,63,63:1,63:2,64,64:1,68,69,81,81:1,81:2,81:3,81:4,83,88,90:1,101,101:1,104,108,108:1,109,112,113,114,122,123,144,146,147,149,151,166,168,169,170,172,173,174,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,214,216,220,221,224,230,231,232,233,235,236,237,238,239,242,243,245,247,249,250,251,253,254,255,256,257,258,259,260,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,291,295,296、C.I.ピグメントバイオレット1,1:1,2,2:2,3,3:1,3:3,5,5:1,14,15,16,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,47,49,50、C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,64,71、73等が挙げられる。
【0044】
(染料)
着色剤(A)は、染料を含有できる。
染料は、例えば、C.I.ソルベントグリーン1,4,5,7,34,35、C.I.アシッドグリーン1,3,5,9,16,50,58,63,65,80,104,105,106,109、C.I.ダイレクトグリーン25,27,31,32,34,37,63,65,66,67,68,69,72,77,79,82、C.I.モーダントグリーン1,3,4,5,10,15,26,29,33,34,35,41,43,53、C.I.アシッド イエロー2,3,4,5,6,7,8,9,9:1,10,11,11:1,12,13,14,15,16,17,17:1,18,20,21,22,23,25,26,27,29,30,31,33,34,36,38,39,40,40:1,41,42,42:1,43,44,46,48,51,53,55,56,60,63,65,66,67,68,69,72,76,82,83,84,86,87,90,94,105,115,117,122,127,131,132,136,141,142,143,144,145,146,149,153,159,166,168,169,172,174,175,178,180,183,187,188,189,190,191,192,199、C.I.ダイレクトイエロー1,2,4,5,12,13,15,20,24,25,26,32,33,34,35,41,42,44,44:1,45,46,48,49,50,51,61,66,67,69,70,71,72,73,74,81,84,86,90,91,92,95,107,110,117,118,119,120,121,126,127,129,132,133,134、C.I.ベーシックイエロー1,2,5,11,13,14,15,19,21,24,25,28,29,37,40,45,49,51,57,79,87,90,96,103,105,106、C.I.ソルベントイエロー2,7,28,29,30,32,33,34,40,42,43,44,45,47,48,56,62,64,68,69,71,72,73,77,79,81,82,83,85,88,89,90,93,94,98,104,107,114,116,117,124,130,131,133,135,138,141,143,145,146,147,157,160,162,163,167,172,174,175,176,177,179,181,182,183,184,185,186,187,188,190,191,192,194,195、C.I.ディスパーズイエロー1,2,3,5,7,8,10,11,13,13,23,27,33,34,42,45,48,51,54,56,59,60,63,64,67,70,77,79,82,85,88,93,99,114,118,119,122,123,124,126,163,184,184:1,202,211,229,231,232,233,241,245,246,247,248,249,250,251等が挙げられる。
【0045】
着色剤(A)の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、5~70質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましい。
【0046】
(顔料の微細化)
本発明で顔料は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は、特に限定されるものではなく、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用できる。これらの中でも湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理が好ましい。微細化顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は、5~90nmが好ましい。なお、分散性、コントラスト比の観点から、平均一次粒子径は10~70nmがより好ましい。
【0047】
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
【0048】
水溶性無機塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。水溶性無機塩の使用量は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対して、50~2,000質量部が好ましく、300~1,000質量部がより好ましい。
【0049】
水溶性有機溶剤は、顔料、及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2-メトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤の使用量は、顔料100質量部に対して、5~1,000質量部が好ましく、50~500質量部がより好ましい。
【0050】
ソルトミリング処理には、必要に応じて樹脂を変化してもよい。前記樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が挙げられる。これらの中でも、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることが好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対して、2~200質量部が好ましい。
【0051】
[スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)]
本発明の着色組成物は、金属が銅、銀、亜鉛、鉄、及びアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上であるスルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)を含む。
スルホ基を有するキノフタロン化合物と金属塩(B)を使用することにより、異物の発生が少なく、かつ電圧保持率に優れ、明度低下が少ない着色組成物が得られる。
【0052】
キノフタロン化合物とは、下記化学式(2)で表される構造を有する化合物である。具体的には、C.I.アシッドイエロー3、5等の市販されている染料、及びC.I.ピグメントイエロー138、C.I.ソルベントイエロー33,114,157、C.I.ディスパースイエロー54,64,67等の市販されている顔料及び染料が挙げられる。
【0053】
化学式(2)
【化6】
【0054】
スルホ基を有するキノフタロン化合物は、化学式(2)で表される構造を有する化合物を公知の方法を用いてスルホン化した化合物であり、具体的に、下記に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
【化7】

【0056】
【化8】

【0057】
スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)は、上述した例示化合物の-SO3Hを、公知の方法で金属塩にカウンター交換することで得られる。
【0058】
金属塩を構成する金属は、銅、銀、亜鉛、鉄、及びアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上である。これらのなかでも、金属が、銅である場合、明度低下をより効果的に抑制できる。また、金属が、亜鉛、又はアルミニウムのいずれかである場合、電圧保持率に優れ、異物発生をより効果的に抑制できる。
【0059】
スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)は、2種類以上を併用することが好ましい。これらのなかでも、少なくともスルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩を使用することが好ましく、スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩およびアルミニウム塩、または前記銅塩および亜鉛塩がより好ましい。
【0060】
スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)の含有量は、異物発生の抑制、電圧保持率、及び明度低下の抑制の観点から、フタロシアニン顔料(A1)100質量部に対して、1~40質量部が好ましく、5~30質量部がより好ましい。
【0061】
スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩の含有量は、スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)100質量%中、20~100質量%が好ましく、20~80質量%がより好ましく、20~60質量%がさらに好ましい。
【0062】
[分散樹脂(F)]
本発明の着色組成物は、必要に応じて分散樹脂(F)を含有できる。
分散樹脂(F)は、顔料に親和性が高い吸着基を有している。吸着基は、カチオン性基、及びアニオン性基のうち1種以上が好ましい。
【0063】
カチオン性基を有する樹脂は、例えば、カチオン性基として、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニア塩基、及び含窒素複素環など窒素原子を含有する基等が挙げられる。
【0064】
アニオン性基を有する樹脂は、例えば、アニオン性基として、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。なかでも、顔料への吸着性の観点からカルボキシル基、リン酸基であることが好ましい。
【0065】
分散樹脂(F)の樹脂種は、例えば、ウレタン樹脂、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
【0066】
分散樹脂(F)の構造は、例えば、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造、くし型構造、及び星型構造等が挙げられる。これらの中でも、分散安定性の観点から、ブロック構造、又はくし型構造が好ましい。
【0067】
分散樹脂(F)の市販品は、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101, 103, 107, 108, 110,111,116,130,140,154,161,162,163,164,165,166,167,168,170,171,174,180,181,182,183,184,185,190,2000,2001,2009,2010,2020,2025,2050,2070,2095,2150,2155,2163,2164、又はAnti-Terra-U203,204、又はBYK-P104,P104S,220S、又はLactimon、Lactimon-WS、又はBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000,9000,13000,13240,13650,13940,16000,17000,18000,20000,21000,24000,26000,27000,28000,31845,32000,32500,32550,33500,32600,34750,35100,36600,38500,41000,41090,53095,55000,56000,76500等、BASFジャパン社製のEFKA-46,47,48,452,4008,4009,4010,4015,4020,4047,4050,4055,4060,4080,4400,4401,4402,4403,4406,4408,4300,4310,4320,4330,4340,450,451,453,4540,4550,4560,4800,5010,5065,5066,5070,7500,7554,1101,120,150,1501,1502,1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスーパーPA111,PB711,PB821,PB822,PB824等、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報等に記載の樹脂が挙げられる。
【0068】
分散樹脂(F)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0069】
分散樹脂(F)の含有量は、分散安定性の観点から、着色剤(A)100質量部に対して、3~200質量部が好ましく、5~100質量部がより好ましい。
【0070】
[分散助剤(G)]
本発明の着色組成物は、必要に応じて分散助剤(G)を含有できる。
【0071】
分散助剤(G)は、特に制限はなく、例えば、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する化合物が挙げられる。分散助剤(G)は、具体的には、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物、およびこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素は、例えば、ジケトピロロピロール顔料、アントラキノーン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ペリノーン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ顔料、トリアジン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ベンゾイソインドール等のインドール顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノーン顔料、ナフトール顔料、スレン顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料等が挙げられる。
【0072】
分散助剤(G))は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0073】
分散助剤(G)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、1~15質量部が好ましく、2~10質量部がより好ましい。
【0074】
[アルカリ可溶性樹脂(C)]
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂(C)を含む。
アルカリ可溶性樹脂(C)は、アルカリ現像液に溶解する樹脂であり、厚さ2μmの被膜形成時に400~700nmの全波長領域において透過率が80%以上の樹脂が好ましい。なお、透過率は、95%以上が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(C)は、非感光性アルカリ可溶性樹脂、感光性アルカリ可溶性樹脂に分類できる。アルカリ可溶性基は、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、フェノール性ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基が好ましい。また、アルカリ可溶性樹脂(C)は、エポキシ基やオキセタニル基等の熱硬化性基を含有できる。
【0075】
(非感光性アルカリ可溶性樹脂)
非感光性アルカリ可溶性樹脂は、例えば、酸性基を有するアクリル樹脂、α-オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体が好ましい。
【0076】
(感光性アルカリ可溶性樹脂)
感光性アルカリ可溶性樹脂は、重合性不飽和基を有するため感光性を有する。感光性アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性があり、感光性を有すれば良く、公知の樹脂を使用できるところ、以下の方法 (i) (ii)で合成した樹脂が好ましい。アルカリ可溶性感光性樹脂は、を使用すると光照射で3次元架橋して架橋密度が上がるため、被膜の薬品耐性が向上する。
【0077】
[方法(i)]
方法(i)は、例えば、まず、エポキシ基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体のエポキシ基に、モノカルボキシル基含有単量体を付加し、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させてアルカリ可溶性感光性樹脂を得る方法が挙げられる。なお、モノカルボキシル基含有単量体は、カルボキシル基を1有する単量体である。
【0078】
エポキシ基含有単量体は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい
【0079】
モノカルボキシル基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられる。
【0080】
多塩基酸無水物は、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸等が挙げられる。なお、多塩基酸無水物は、酸無水物を形成しないカルボキシル基を有しても良い。
【0081】
その他単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、EO変性クレゾールアクリレート、n-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類スチレン、又はα-メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
【0082】
また、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノアート、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類等が挙げられる。
【0083】
また、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、後述する水酸基含有単量体の水酸基に、たとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応させた化合物等のリン酸エステル基含有単量体等が挙げられ
【0084】
[方法(ii)]
方法(ii)は、例えば、水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体の水酸基に、イソシアネート基含有単量体のイソシアネート基を反応させてアルカリ可溶性感光性樹脂を合成する方法が挙げられる。
【0085】
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられる。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ-バレロラクトン、ポリε-カプロラクトン、及び/又はポリ12-ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも挙げられる。これらの中でも2-ヒドロキシエチルメタアクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、グリセロールモノ(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0086】
イソシアネート基含有単量体は、例えば、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
【0087】
カルボキシル基含有単量体、およびその他単量体は、既に説明した単量体を使用できる。
【0088】
アルカリ可溶性樹脂(C)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0089】
アルカリ可溶性樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)は、現像性の観点から、2,000~40,000であり、3,000~300,00が好ましく、4,000~20,000がより好ましい。また、Mw/Mnの値は10以下が好ましい。適度な重量平均分子量(Mw)により基板に対する密着性、及びアルカリ現像溶解性が向上する。
【0090】
アルカリ可溶性樹脂(C)の酸価は、50~200mgKOH/gが好ましく、70~180mgKOH/gがより好ましく、90~170mgKOH/gがさらに好ましい。適度な酸価により基板に対する密着性、及びアルカリ現像溶解性が向上する。
【0091】
アルカリ可溶性樹脂(C)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、20~400質量部が好ましく、50~250質量部がより好ましい。
【0092】
[界面活性剤(D)]
(界面活性剤(D1))
本発明の着色組成物は、界面活性剤(D)としてフッ素化アルキル基およびポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖のうち1種以上を有する単量体(d1)と、その他エチレン性不飽和基含有単量体(d2)との共重合体である界面活性剤(D1)を含む。
界面活性剤(D1)、及び前記スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)を併用することにより、異物の発生を大きく抑制できる。
【0093】
前記単量体(d1)の含有量は、界面活性剤(D1)を構成する全単量体単位中、5~95質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましい。
【0094】
界面活性剤(D1)の製造方法は、例えば、重合開始剤を使用して溶液重合させる方法が挙げられる。溶液重合に使用する溶剤は、ケトン類、エステル類、アミド類、スルホキシド類、エーテル類、炭化水素類が好ましい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは、沸点、相溶性、重合性を考慮して適宜選択できる。重合開始剤は、例えば過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が例示できる。さらに必要に応じてラウリルメルカプタン、2-メルカプトエタノ-ル、チオグリセロール、エチルチオグリコ-ル酸、オクチルチオグリコ-ル酸等の連鎖移動剤を使用することができる。
【0095】
界面活性剤(D1)を構成するフッ素化アルキル基を有する単量体(d1)は、例えば、下記一般式(5)で表される単量体が挙げられる。
【0096】
一般式(5)
【化9】
【0097】
一般式(5)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Xは、下記式(X-1)~(X-10)のいずれか1つの基を表し、Zは下記式(Z-1)~(Z-7)のいずれか1つの基を表す。
【0098】
【化10】
【0099】
上記式(X-1)、(X-3)~(X-7)中のnは1~8の整数を表す。上記式(X-8)~(X-10)中のmは1~8の整数を表し、nは0~8の整数を表す。上記式(X-6)、及び(X-7)中のZ’’は下記式(Z-1)~(Z-7)のいずれか1つの基を表す。
【0100】
【化11】
【0101】
上記式(Z-1)~(Z-4)中のnは、例えば1~6の整数であり、好ましくは4~6の整数である。上記式(Z-5)中のmは、例えば1~18の整数であり、nは0~5の整数であり、かつm及びnの合計は1~23である。好ましくは、mは1~5の整数であり、nは0~4の整数であり、かつm及びnの合計は4~5である。上記式(Z-6)中のmは例えば1~6の整数であり、nは1~3の整数であり、lは1~20の整数であり、pは0~5の整数であり、かつ、m、p及びnとlとの積の合計は2~71である。好ましくは、mは1~3の整数であり、nは1~3の整数であり、lは1~6の整数であり、pは0~2の整数であり、かつ、m、p及びnとlとの積の合計は2~23である。
【0102】
フッ素化アルキル基を有する単量体(d1)の中で、異物発生の抑制の観点から、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1~6のフッ素化アルキル基を有する単量体が好ましく、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4~6のフッ素化アルキル基を有する単量体がより好ましい。
【0103】
界面活性剤(D1)を構成するポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を有する単量体(d1)としては、炭素原子数1~3の2価フッ化炭素基と酸素原子が交互に連結した構造を有する単量体が挙げられる。炭素原子数1~3の2価フッ化炭素基は、一種類であっても良いし複数種の混合であっても良く、具体的には、下記式(Y)で表される連結基が挙げられる。
【0104】
【化12】
【0105】
上記式(Y)中、Aは下記式(Y-1)~(Y-5)であり、式(Y)中の全てのAが同一構造のものであってもよいし、また、複数の構造がランダムに又はブロック状に存在していてもよい。また、nは繰り返し単位を表す1以上の整数である。
【0106】
【化13】
【0107】
これらの中でも異物発生の抑制の観点から、前記式(Y-1)で表されるパーフルオロメチレン構造と、前記式(Y-2)で表されるパーフルオロエチレン構造とが共存するものがとりわけ好ましい。また、前記式(Y)中のnの値は、3~100の範囲が好ましく、6~70の範囲がより好ましく、12~50の範囲がより好ましい。
【0108】
界面活性剤(D1)を構成するその他単量体(d2)は、フッ素化アルキル基およびポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖のうち1種以上を有する単量体(d1)と共重合可能な単量体(例えば、感光性アルカリ可溶性樹脂で説明した各種単量体)あればよく、制限されない。なかでも、異物発生の抑制の観点から、多環脂環式構造含有単量体が好ましい。
【0109】
多環脂環式構造含有単量体は、例えば、アダマンチル基含有単量体、ジシクロペンタニル基含有単量体等が挙げられる。これらの中でも異物発生の抑制の面でアダマンチル基含有単量体が好ましい。
【0110】
アダマンチル基を有する単量体は、下記一般式(6)に示すアダマンタン構造と(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。(メタ)アクリロイル基は、アダマンタン構造中のどの炭素原子に結合していてもよい。また、アダマンタン構造を構成する炭素原子に結合している水素原子は、その一部又は全部が水酸基又はアルキル基等に置換されていても構わない。
【0111】
一般式(6)
【化14】
【0112】
一般式(6)中、Rは水素原子、メチル基を表す。
【0113】
界面活性剤(D1)の市販品は、AGCセイミケミカル社製サーフロンS-242、S-243、S-420、S-611、S-651、S-386、DIC社製メガファックF-253、F-477、F-551、F-552、F-555、F-558、F-560、F-570、F-575,F-576、R-40-LM、R-41、RS-72-K、DS-21、住友スリーエム社製FC-4430、FC-4432、三菱マテリアル電子化成社製EF-PP31N09、EF-PP33G1、EF-PP32C1、ネオス社製フタージェント602A等が挙げられる。
【0114】
界面活性剤(D1)は、単独又は2種以上を併用して使用できる。
【0115】
界面活性剤(D1)の含有量は、異物発生の抑制の観点から、着色剤(A)100質量部に対して、0.01~2質量部が好ましく、0.1~1質量部がより好ましい。
【0116】
(その他界面活性剤(D2))
界面活性剤(D)は、界面活性剤(D1)以外のその他界面活性剤(D2)を含有できる。その他界面活性剤(D2)は、例えば、シリコ-ン系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0117】
シリコ-ン系界面活性剤は、例えば、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。市販品は、ビックケミー社製BYK-300,306,310,313,315N,320,322,323,330,331,333,342,345,346,347,348,349,370,377,378,3455,UV3510,3570、東レ・ダウコ-ニング社製FZ-7002,2110,2122,2123,2191,5609、信越化学工業社製X-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、KF-354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-4515、KF-6004、KP-341等が挙げられる。
【0118】
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテ-ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ-ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロ-ルモノステアレート、グリセロ-ルモノオレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。市販品は、花王社製エマルゲン103,104P,106,108,109P,120,123P,130K,147,150,210P,220,306P,320P,350,404,408,409PV,420,430,705,707,709,1108,1118S-70,1135S-70,1150S-60,2020G-HA,2025G,LS-106,LS-110,LS-114,MS-110,A-60,A-90,B-66,PP-290、ラテムルPD-420,PD-430,PD-430S,PD-450、レオドールSP-L10,SP-P10,SP-S10V,SP-S20,SP-S30V,SP-O10V,SP-O30V、スーパーSP-L10,AS-10V,AO-10V,AO-15V,TW-L120,TW-L106,TW-P120,TW-S120V,TW-S320V,TW-O120V,TW-O106V,TW-IS399C、スーパーTW-L120,430V,440V,460V,MS-50,MS-60,MO-60,MS-165V、エマノーン1112,3199V,3299V,3299RV,4110,CH-25,CH-40,CH-60(K),アミ-ト102,105,105A,302,320、アミノーンPK-02S、L-02、ホモゲノールL-95、ADEKA社製アデカプルロニック(登録商標)L-23,31,44,61,62,64,71,72,101,121、TR-701,702,704,913R、共栄社化学社製(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75,No.90,No.95等が挙げられる。
【0119】
カチオン性界面活性剤は、例えば、アルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。市販品は、花王社製アセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
【0120】
アニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。市販品は、ネオス社製フタージェント100,150、ADEKA社製アデカホープYES-25、アデカコールTS-230E,PS-440E,EC-8600等が挙げられる。
【0121】
両性界面活性剤は、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。市販品は、花王社製アンヒトール20AB,20BS,24B,55AB,86B,20Y-B,20N等が挙げられる。
【0122】
[トリアリールスルホニウム化合物(E)]
本発明の着色組成物は、トリアリールスルホニウム化合物(E)を含有することが好ましい。スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)とトリアリールスルホニウム化合物(E)を併用することにより、電圧保持率がより優れ、明度低下がより抑制できる被膜を形成できる。
【0123】
トリアリールスルホニウム化合物(E)は、下記一般式(7)で表される化合物を含む。
【0124】
一般式(7)
【化15】
【0125】
一般式(7)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してよいアルキル基、置換基を有してよいアルコキシル基、置換基を有してよいアリール基を示す。Xは、一価の対アニオンを示す。
【0126】
一般式(7)におけるにR~R、及びXついて説明する。
【0127】
一般式(7)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してよいアルキル基、置換基を有してよいアルコキシル基、置換基を有してよいアリール基を示す。
【0128】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0129】
置換基を有してよいアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、n-オクチル基、ステアリル基、2-エチルへキシル基等の直鎖アルキル基、又は分岐アルキル基、及びシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2,2-ジブロモエチル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2-エトキシエチル基、2-ブトキシエチル基、2-ニトロプロピル基、ベンジル基、4-メチルベンジル基、4-tert-ブチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、4-ニトロベンジル基、2,4-ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
【0130】
置換基を有してもよいアルコキシル基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3-ジメチル-3-ペントキシ、n-へキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2-エチルへキシルオキシ基等の直鎖アルコキシル基、又は分岐アルコキシル基、及びシクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の環状アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2-ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2-エトキシエトキシ基、2-ブトキシエトキシ基、2-ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
【0131】
置換基を有してもよいアリール基は、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p-メチルフェニル基、p-ブロモフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-メトキシフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2-アミノフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、4-ヒドロキシ-1-ナフチル基、6-メチル-2-ナフチル基、4,5,8-トリクロロ-2-ナフチル基、アントラキノニル基、2-アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
【0132】
これらの中でも、明度低下の抑制の観点から、R~Rのうち少なくとも2つが水素原子であることが好ましく、全てが水素原子であることがより好ましい。
【0133】
一般式(7)中、Xは、一価の対アニオンを示す。Xは、例えば、F、Cl、Br、I、下記一般式(8)~(13)で表される化合物等が挙げられる。
【0134】
一般式(8) MY
一般式(8)中、Mはリン原子、ホウ素原子、又はアンチモン原子を表す。Yはハロゲン原子を表し、aは4~6の整数を表す。
【0135】
一般式(8)で表される化合物は、例えばPF 、BF 、SbF が挙げられる。なかでも、PFが好ましい。
【0136】
一般式(9) (Rf)PF6-b
一般式(9)中、Rfは水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換された炭素数1~8のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよい。bは1~5の整数を表す。
【0137】
一般式(9)で表される化合物は、例えば(CFCFPF 、(CFCFPF 、(CFCFCFPF 、((CFCF)PF 、(CFCFCFPF 等が挙げられる。
【0138】
一般式(10) R LY
一般式(10)中、Rは少なくとも水素原子の1個がハロゲン原子で置換されたフェニル基を表す。Lはホウ素原子、ガリウム原子を表し、cは1~4の整数を表す。
【0139】
一般式(10)で表される化合物は、例えば(C)B、((CF)B、(CF、(CGa、(CGaなどが挙げられる。
【0140】
一般式(11) RSO
一般式(11)中、Rは、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~20のパーフルオルアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基を表し、アルキル基及びパーフルオルアルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、アリール基は無置換であっても、置換基を有してもよい。
【0141】
一般式(11)で表される化合物は、例えばトリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アニオン、ナノフルオルブタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロフェニルスルホン酸アニオン、p-トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。
【0142】
一般式(12) (RSO
一般式(12)中、Rは炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のパーフルオロアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基を表し、アルキル基及びパーフルオルアルキル基は直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、アリール基は無置換であっても、置換基を有してもよい。
【0143】
一般式(12)で表される化合物は、例えば(CFSO、(CSO、(CSO、(CSO等が挙げられる。
【0144】
一般式(13) (RSO
一般式(13)中、Rは炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のパーフルオロアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基を表し、アルキル基及びパーフルオルアルキル基は直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、アリール基は置換基を有してもよい。
【0145】
一般式(13)で表される化合物は、例えば(CFSO、(CSO、(CSO、(CSO等が挙げられる。
【0146】
また、上記アニオン以外に、過ハロゲン酸イオン(Cl0 、BrO 等)、ハロゲン化スルホン酸イオン(FSO 、ClSO 等)、硫酸イオン(CHSO 、CFSO 、HSO 等)、炭酸イオン(HCO 、CHCO 等)、アルミン酸イオン(AlCl 、AlF 等)、カルボン酸イオン(CHCOO、CFCOO、CCOO、CHCOO、CCOO等)、アリールホウ酸イオン(B(C 等)、特開2013-092657号公報、特開2013-080245号公報、特開2013-080240号公報、特開2013-047211号公報、特開2013-033161号公報等に記載のアニオンが挙げられる。
【0147】
これらの中でも、明度低下の抑制の観点から、Xは、Cl、Br、PF 、BF 、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオンが好ましい。
【0148】
一般式(7)で表されるトリアリールスルホニウム化合物(E)は、例えば、下記の化合物が挙げられる。
【0149】
【化16】

【0150】
トリアリールスルホニウム化合物(E)の市販品は、例えば、WPAG-336,367,370,469,638(いずれも富士フィルム和光純薬社製)、SP-056,066(ADEKA社製)、TS-91(三和ケミカル社製)、T1608,1609(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
【0151】
トリアリールスルホニウム化合物(E)は、単独又は2種以上を併用して使用できる。
【0152】
トリアリールスルホニウム化合物(E)の含有量は、電圧保持率、明度低下の抑制の観点から、フタロシアニン顔料(A1)100質量部に対して、0.1~15質量部が好ましく、1~12質量部がより好ましく、2~10質量%が特に好ましい。
【0153】
[重合性化合物(H)]
本発明の着色組成物は、重合性化合物(H)を含有できる。重合性化合物(H)は、重合性不飽和基を含有する単量体およびオリゴマーである。重合性不飽和基は、例えば、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等が挙げられる。重合性化合物(H)は、例えば、酸基含有単量体(H1)、ウレタン結合含有単量体、その他単量体が挙げられる。
【0154】
(酸基含有単量体(H1))
酸基含有単量体(H1)の酸基は、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等が挙げられる。酸基含有単量体(H1)を使用する、フォトリソグラフィー法でパターン形成する際に現像残渣を抑制できる。
【0155】
酸基含有単量体(H1)は、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等が挙げられる。具体例は、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレート又はモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン-1,2,3-トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン-1,2,4-トリカルボン酸、ベンゼン-1,2,3-トリカルボン酸、ベンゼン-1,3,4-トリカルボン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレート又はモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等が挙げられる。
【0156】
酸基含有単量体(H1)の市販品は、大阪有機社製のビスコート#2500P、東亞合成社製アロニックスM-5300,M-5400,M-5700,M-510,M-520,M-521等が挙げられる。
【0157】
(ウレタン結合含有単量体(H2))
ウレタン結合含有単量体(H2)は、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート、アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0158】
水酸基を有する(メタ)アクリレートは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
【0159】
多官能イソシアネートは、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0160】

ウレタン結合含有単量体(H2)の市販品は、共栄社化学社製のAH-600、AT-600、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H、UF-8001G、DAUA-167、新中村化学工業社製のUA-160TM,1100H、大阪有機化学工業社製のUV-4108F、UV-4117F等が挙げられる。
【0161】
(その他単量体)
その他単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0162】
その他単量体の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD R-128H、R526、PEG400DA、MAND、NPGDA、R-167、HX-220、R-551、R712、R-604、R-684、GPO-303、TMPTA、DPHA、DPEA-12、DPHA-2C、D-310、D-330、DPCA-20、DPCA-30、DPCA-60、DPCA-120、及び東亞合成社製のアロニックスM-303、M-305、M-306、M-309、M-310、M-321、M-325、M-350、M-360、M-313、M-315、M-400、M-402、M-403、M-404、M-405、M-406、M-450、M-452、M-408、M-211B、M-101A、大阪有機社製のビスコート#310HP、#335HP、#700、#295、#330、#360、#GPT、#400、#405、新中村化学社製のNKエステルA-9300等が挙げられる。
【0163】
重合性化合物(H)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0164】
重合性化合物(H)の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、1~60質量%が好ましく、2~50質量%がより好ましい。
【0165】
[光重合開始剤(I)]
本発明の着色組成物は、光重合開始剤(I)を含有できる。光重合開始剤(I)を含むことで、着色組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成することができる。
【0166】
光重合開始剤(I)は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノーン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノーン、ジエトキシアセトフェノーン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノーン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノーン等のアセトフェノーン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタ-ル等のベンゾイン系化合物;
ベンゾフェノーン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノーン、ヒドロキシベンゾフェノーン、アクリル化ベンゾフェノーン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノーン等のベンゾフェノーン系化合物;
チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノーン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;
9,10-フェナンスレンキノーン、カンファ-キノーン、エチルアントラキノーン等のキノーン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
【0167】
光重合開始剤(I)の市販品は、アセトフェノーン系化合物として、「Omnirad 907」(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン)、「Omnirad 369E」(2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノーン)、「Omnirad 379EG」(2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノーン)(いずれもIGM Resins社製)、ホスフィン系化合物として、「Omnirad 819」(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド)、「Omnirad TPO」(ジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド)(いずれもIGM Resins社製)、オキシム系化合物として、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE-01)、エタノーン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02)、IRGACURE OXE 04(いずれもBASFジャパン社製)、N-1919、NCI-730、NCI-831、NCI-930(いずれもADEKA社製)、TRONLY TR-PBG-304、TRONLY TR-PBG-305、TRONLY TR-PBG-309、TRONLY TR-PBG-3054(いずれも常州強力新材料社製)等が挙げられる。また、特開2007-210991号公報、特開2009-179619号公報、特開2010-037223号公報、特開2010-215575号公報、特開2011-020998号公報等に記載のオキシムエステル系光重合開始剤も挙げられる。
【0168】
光重合開始剤(I)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0169】
光重合開始剤(I)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、光硬化性、現像性の観点から、2~50質量部が好ましく、2~30質量部がより好ましい。
【0170】
[増感剤(J)]
本発明の着色組成物は、増感剤(J)を含有できる。
【0171】
増感剤(J)は、例えば、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファ-キノーン等に代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノーン誘導体、アントラキノーン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノール誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリ-ルメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレ-ン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラ-ケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノーン、カンファ-キノーン、エチルアンスラキノーン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノーン、3,3’又は4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノーン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノーン等が挙げられる。
【0172】
これらの中でも、チオキサントン誘導体、ミヒラ-ケトン誘導体、カルバゾール誘導体が好ましい。具体的な化合物は、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノーン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノーン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノーン、N-エチルカルバゾール、3-ベンゾイル-N-エチルカルバゾール、3,6-ジベンゾイル-N-エチルカルバゾール等が好ましい。
【0173】
増感剤(J)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0174】
増感剤(J)の含有量は、光重合開始剤(I)100質量部に対し、3~60質量部が好ましく、5~50質量部がより好ましい。適量含有すると光硬化性、現像性が向上する。
【0175】
[熱硬化性化合物(K)]
本発明の着色組成物は、熱硬化性化合物(K)を含有できる。これにより被膜形成後の加熱工程で熱硬化性化合物(K)反応し架橋密度が高まるため耐熱性が向上する。
【0176】
熱硬化性化合物(K)は、低分子化合物や、樹脂のような高分子量化合物でもよい。熱硬化性化合物(K)は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、及びフェノール化合物が挙げられる。これらの中でもエポキシ化合物及びオキセタン化合物が好ましい。
【0177】
(エポキシ化合物(K1))
エポキシ化合物(K1)は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノールボルナジエン、ビニルノールボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノーン、ベンゾフェノーン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’-ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’-ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0178】
市販品は、例えば、エピコート807,815,825,827,828,190P,191P(以上は商品名;油化シェルエポキシ社製)、エピコート1004,1256(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学社製)、EPPN-501H、502H(商品名;日本化薬社製)、JER 1032H60(商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、JER 157S65,157S70(商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、EPPN-201(商品名;日本化薬社製)、JER152,154(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、EOCN-102S,103S,104S,1020(以上は商品名;日本化薬社製)、セロキサイド2021、EHPE-3150(以上商品名;ダイセル化学工業社製)、デナコールEX-211,212,252,313,314,321,411,421,512,521,611,612,614,614B,622,711,721(以上は商品名;ナガセケムテックス社製)、TEPIC-L,H,S(日産化学工業社製)等が挙げられる。
【0179】
エポキシ化合物(K1)の含有量は、被膜の耐熱性の観点から、着色剤(A)100質量部に対して、0.5~300質量部が好ましく、1.0~50質量部がより好ましい。
【0180】
(オキセタン化合物(K2))
オキセタン化合物(K2)は、オキセタン基を有する公知の化合物である。オキセタン化合物は、1官能オキセタン化合物、2官能オキセタン化合物、3官能以上のオキセタン化合物が挙げられる。
【0181】
1官能オキセタン化合物は、例えば、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルメタクリレート、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-メタクリロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-{[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
市販品は、大阪有機化学工業社製OXE-10,30、東亞合成社製OXT-101,212等が挙げられる。
【0182】
2官能オキセタン化合物は、例えば、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-フェノキシメチル)オキセタン、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコ-スビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
市販品は、宇部興産社製、OXBP、OXTP、東亞合成社製OXT-121,221等が挙げられる。
【0183】
3官能以上のオキセタン化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロ-ルプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE-30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。
【0184】
オキセタン化合物(K2)の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~50質量%が好ましく、1~40質量%がより好ましい。
【0185】
メラミン化合物は、メラミン環構造を有する化合物である。メラミン化合物は、メチロ-ル型やエーテル型の化合物が好ましく、メラミン環1個当たりのメチロ-ル基及び/又はエーテル基数が平均5.0以上のメラミン化合物がより好ましい。適度にメチロ-ル基やエーテル基数を有すると過不足ない耐熱性が得やすい。
【0186】
市販品は、例えば、二カラックMW-30HM、MW-390、MW-100LM、MX-750LM、MW-30M、MW-30、MW-22、MS-21、MS-11、MW-24X、MS-001、MX-002、MX-730、MX-750、MX-708、MX-706、MX-042、MX-45、MX-500、MX-520、MX-43、MX-417、MX-410(三和ケミカル社製)、サイメル232,235,236,238,285,300,301,303,350,370(日本サイテックインダストリ-ズ社製)等が挙げられる。
【0187】
これらの中でもメラミン環1個当たりのメチロ-ル基及び/又はエーテル基数が平均5.0以上である、二カラックMW-30HM、MW-390、MW-100LM、MX-750LM、MW-30M、MW-30、MW-22、MS-21、MS-11、MW-24X、MX-45(三和ケミカル社製)サイメル232,235,236,238,300,301,303,350(日本サイテックインダストリ-ズ社製)等は、架橋密度を高められる面で好ましい。
【0188】
熱硬化性化合物(K)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0189】
本発明の着色組成物は、熱硬化性化合物の硬化を補助するため、硬化剤(硬化促進剤)を併用できる。硬化剤は、例えば、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。硬化剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)等が挙げられる。
【0190】
硬化剤は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0191】
硬化剤の含有量は、熱硬化性化合物(K)100質量部に対して、0.01~15質量部が好ましい。
【0192】
[チオール系連鎖移動剤(L)]
本発明の着色組成物は、チオール系連鎖移動剤(L)を含有できる。チオール系連鎖移動剤(L)は、光重合開始剤(I)と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、着色組成物の光感度が向上する。
【0193】
チオール系連鎖移動剤(L)は、チオール基(SH基)2以上有る多官能チオールが好ましい。なお、チオール系連鎖移動剤(L)は、SH基を4以上有することがより好ましい。官能基数が増えると被膜の表面から最深部まで光硬化し易くなる。
【0194】
多官能チオールは、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオ-ルビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオ-ルビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリスチオグリコレート、トリメチロ-ルプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等が挙げられる。
【0195】
チオール系連鎖移動剤(L)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0196】
チオール系連鎖移動剤(L)の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、0.1~10質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましい。適量含有すると光感度が向上し、被膜表面にシワが発生し難くなる。
【0197】
[重合禁止剤(M)]
本発明の着色組成物は、重合禁止剤(M)を含有できる。
重合禁止剤(M)は、例えば、カテコール、レゾールシノール、1,4-ヒドロキノーン、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-t-ブチルカテコール、3-t-ブチルカテコール、4-t-ブチルカテコール、3,5-ジ-t-ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2-メチルレゾールシノール、4-メチルレゾールシノール、2-エチルレゾールシノール、4-エチルレゾールシノール、2-プロピルレゾールシノール、4-プロピルレゾールシノール、2-n-ブチルレゾールシノール、4-n-ブチルレゾールシノール、2-t-ブチルレゾールシノール、4-t-ブチルレゾールシノール等のアルキルレゾールシノール系化合物、メチルヒドロキノーン、エチルヒドロキノーン、プロピルヒドロキノーン、t-ブチルヒドロキノーン、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノーン等のアルキルヒドロキノーン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロ-ル、フロログルシン等が挙げられる。
【0198】
重合禁止剤(M)の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、0.01~0.4質量中が好ましい。
【0199】
[紫外線吸収剤(N)]
本発明の着色組成物は、紫外線吸収剤(N)を含有できる。紫外線吸収剤(N)は、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノーン系有機化合物、サリチル酸エステル系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、及びサリシレート系有機化合物等が挙げられる。
【0200】
ベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メトキシ-1-メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、メチル 3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-p-クレゾール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネート、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。
【0201】
市販品は、BASFジャパン社製TINUVIN P、PS、234、326、329、384-2、900、928、99-2、1130、ADEKA社製アデカスタブLA-29、LA-31RG、LA-32、LA-36、ケミプロ化成社製KEMISORB71、73、74、79、279、大塚化学社製RUVA-93等が挙げられる。
【0202】
トリアジン系化合物は、例えば、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
【0203】
市販品は、ケミプロ化成社製KEMISORB 102、BASFジャパン社製TINUVIN 400、405、460、477、479、1577ED、ADEKA社アデカスタブLA-46、LA-F70、サンケミカル社製CYASORB UV-1164等が挙げられる。
【0204】
ベンゾフェノーン系化合物は、例えば、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノーン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノーン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノーン5-スルホン酸-3水温、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノーン、2,2’-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノーン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノーン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノーン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノーン、2,2’ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノーン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノーン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノーン等が挙げられる。
【0205】
市販品は、ケミプロ化成社製KEMISORB 10、11、11S、12、111、シプロ化成社製SEESORB 101、107、ADEKA社製アデカスタブ1413、サンケミカル社製UV-12等が挙げられる。
【0206】
サリチル酸エステル系化合物は、例えば、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。
【0207】
紫外線吸収剤(N)の含有量は、光重合開始剤と紫外線吸収剤との合計100質量%中、5~70質量%が好ましい。
【0208】
[酸化防止剤(O)]
本発明の着色組成物は、酸化防止剤(O)を含有できる。酸化防止剤(O)は、着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニ-ル時の熱工程によって酸化による黄変を防ぎ、被膜の透過率の低下を抑制できる。特に、感光性組成物の顔料濃度が高い場合、相対的に光重合性化合物の含有量が減少するため、光重合開始剤の増量や、熱硬化性化合物の配合で対応すると被膜が黄変し易い。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、被膜の透過率の低下を抑制できる。
【0209】
酸化防止剤(O)は、例えば、ヒンダ-ドフェノール系、ヒンダ-ドアミン系、リン系、イオウ系、及びヒドロキシルアミン系の化合物が挙げられる。なお、本明細書で酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有しない化合物が好ましい。
【0210】
これらの中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、ヒンダ-ドフェノール系酸化防止剤、ヒンダ-ドアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。
【0211】
ヒンダ-ドフェノール系酸化防止剤は、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,1,3-トリス-(2’-メチル-4’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)-ブタン、4,4’-ブチリデン-ビス-(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-4-t-ブチル-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,2’-メチレンビス(6-t-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-チオジエチルビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、i-オクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、ビス[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロピオン酸]エチレンビスオキシビスエチレン、1,6-ヘキサンジオ-ルビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2,2’-チオ-ビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、2,5-ジ-t-アミル-ヒドロキノーン、2,6-ジ-t-ブチル-4-ノニルフェノール、2,2’-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチル-フェノール)、2,2’-メチレン-ビス-(6-(1-メチル-シクロヘキシル)-p-クレゾール)、2,4-ジメチル-6-(1-メチル-シクロヘキシル)-フェノール等が挙げられる。
【0212】
市販品は、ADEKA社製アデカスタブAO-20、AO-30、AO-40,AO-50、AO-60、AO-80、AO-330、ケミプロ社製KEMINOX101、179、76、9425、BASFジャパン社製IRGANOX1010,1035,1076,1098,1135,1330,1726,1425WL,1520L,245,259,3114,5057,565、サンケミカル社製サイアノックスCY-1790、CY-2777等が挙げられる。
【0213】
ヒンダ-ドアミン系酸化防止剤は、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルボネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールと3,5,5-トリメチルヘキサン酸のエステル、N,N’-4,7-テトラキス〔4,6-ビス{N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル,1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジル)[[3,5-ビス(1,1ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジルセバケート、ポリ[[6-モルホリノ-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-C12-21及びC18不飽和脂肪酸エステル、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,6-ヘキサメチレンジアミン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
【0214】
市販品は、ADEKA社製アデカスタブLA-52、LA-57、LA-63P、LA-68、LA-72、LA-77Y、LA-77G、LA-81、LA-82、LA-87、LA-402F、LA-502XP、ケミプロ化成社製KAMISTAB29、62、77、94、BASFジャパン社製Tinuvin249、TINUVIN111FDL、123、144、292、5100、サンケミカル社製サイアソ-ブUV-3346、UV-3529、UV-3853等が挙げられる。
【0215】
リン系酸化防止剤は、例えば、ジ(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)2-エチルヘキシルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12~C15アルキル)-4,4’-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4-ビフェニルジフォスホニト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、4,4’-イソプロピリデンジフェノールアルキルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスジノニルフェニルホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラトリデシル4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ソジウム-2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)-ホスファイト、1,3-ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)-ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジt-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。
【0216】
市販品は、ADEKA社製アデカスタブPEP-36、PEP-8、HP-10、2112、1178、1500、C、135A、3010、TPP、BASFジャパン社製IRGAFOS168、クラリアントケミカルズ社製HostanoxP-EPQ等が挙げられる。
【0217】
イオウ系酸化防止剤は、例えば、2,2-ビス{〔3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ〕メチル}プロパン-1,3-ジイルビス〔3-(ドデシルチオ)プロピオネート〕、3,3’-チオビスプロピオン酸ジトリデシル、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4-ビス〔(オクチルチオ)メチル〕-o-クレゾール、2,4-ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕-o-クレゾール等が挙げられる。
【0218】
市販品は、ADEKA社製アデカスタブAO-412S、AO-503、ケミプロ化成社製KEMINOXPLS等が挙げられる。
【0219】
酸化防止剤(O)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0220】
酸化防止剤(O)の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~5.0質量%が好ましい。適量含有すると透過率、分光特性、及び感度が向上する。
【0221】
[貯蔵安定剤(P)]
本発明の着色組成物は、貯蔵安定剤(P)を含有できる。これにより、着色組成物の経時粘度が安定化する。貯蔵安定剤(P)は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
【0222】
貯蔵安定剤(P)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましい。
【0223】
[密着向上剤(Q)]
本発明の着色組成物は、密着向上剤(Q)を含有できる。これにより被膜と基材の密着性が向上する。また、フォトリソグラフィー法で幅が狭いパターンを形成し易くなる。
【0224】
密着向上剤(Q)は、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類などのシランカップリング剤が挙げられる。
【0225】
密着向上剤(Q)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0226】
密着向上剤(Q)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.05~5質量部がより好ましい。
【0227】
[有機溶剤(R)]
本発明の着色組成物は、有機溶剤(R)を含有できる。
【0228】
有機溶剤(R)は、例えば、1,2,3-トリクロロプロパン、1-メトキシ-2-プロパノール、乳酸エチル、1,3-ブタンジオ-ル、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノーン、2-メチル-1,3-プロパンジオ-ル、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノーン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メチル-1,3-ブタンジオ-ル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3-メトキシブチルアセテート、4-ヘプタノーン、m-キシレン、m-ジエチルベンゼン、m-ジクロロベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-ブチルベンゼン、n-プロピルアセテート、N-メチルピロリドン、o-キシレン、o-クロロトールエン、o-ジエチルベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p-クロロトールエン、p-ジエチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、γ-ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノタ-シャリ-ブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノーン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、顔料の分散性、アルカリ可溶樹脂の溶解性の観点から、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノーン等のケトン類が好ましい。
【0229】
有機溶剤(R)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0230】
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、例えば、着色剤(A)、スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)、アルカリ可溶樹脂(C)、トリアリールスルホニウム化合物(E)、及び必要に応じて分散樹脂(F)、有機溶剤(P)等を加えて分散処理を行うことで、分散体を製造する。前記分散体は、2種以上の着色剤を同時に加えて分散処理を行っても良いし、別々に分散処理を行ったものを混合しても良い。
その後、前記分散体に、界面活性剤(D)、及び必要に応じて重合性化合物(H)、光重合開始剤(I)を配合し混合することで製造できる。なお、各材料を配合するタイミングは、任意である。また、分散工程を複数回行うこともできる。
【0231】
分散処理を行う分散機は、例えば、2本ロ-ルミル、3本ロールミル、ボ-ルミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビ-ズミル、又はアトライター等が挙げられる。
【0232】
分散体中の着色剤(A)の平均分散粒子径(二次粒子径)は、30~200nmが好ましく、40~200nmがより好ましい。適度な粒子径を有すると分散安定性が高い着色組成物が得やすい。
【0233】
平均分散粒子径(二次粒子径)の測定方法は、例えば、動的光散乱法(FFTパワ-スペクトール法)を採用した日機装社のマイクロトラックUPA-EX150を用い、粒子透過性を吸収モ-ド、粒子形状を非球形とし、D50粒子径を平均径とする。測定用の希釈溶剤は分散に使用した有機溶剤をそれぞれ用い、超音波で処理したサンプルについてサンプル調整直後に測定するとバラツキが少ない結果が得られやすく好ましい。
【0234】
着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子、及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。本発明の着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以下の粒子を含まないことがより好ましい。
【0235】
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、基板、及び本発明の着色組成物を用いて形成されてなるフィルタセグメントを備える。
【0236】
[カラーフィルタの製造方法]
カラーフィルタは、基板上にブラックマトリックスを形成し、次いでフィルタセグメントを形成することが好ましい。
ブラックマトリックスは、例えば、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が挙げられる。
【0237】
フィルタセグメントの形成は、例えば、印刷法、電着法、転写法、インクジェット法、フォトリソグラフィー法等で作製できる。これらの中でも精度の高いカラーフィルタを作製できる面でフォトリソグラフィー法が好ましい。
フォトリソグラフィー法は、例えば、ある色調の着色剤を含有する感光性着色組成物を、透明基板上に、乾燥膜厚が0.2~5μm程度になるように塗布し被膜を形成する。得られた被膜(以下、第一の被膜という)は、所定のパターンを有するマスクを通して露光(光照射)を行う。次いで、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するか又はスプレーなどにより現像液を噴霧し現像を行い、未硬化部分を除去して所望のパターンを得る。この工程を他の色調の着色剤を有する感光性着色組成物を使用して同様に行うことで、各色のフィルタセグメントを有するカラーフィルタを製造できる。また、露光前の第一の被膜上にさらにポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂を使用して第二の被膜(酸素遮断膜)を形成できる。これにより第一の被膜は、酸素に接しないため露光感度がより向上する。また、カラーフィルタは、フィルタセグメント中に未硬化の光重合性化合物を硬化させるために加熱を行うことができる。
【0238】
塗布装置は、例えば、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等が挙げられる。塗工に際し、乾燥工程を行うことができる。乾燥装置は、例えば、熱風オーブン、赤外線ヒーター等が挙げられる。
【0239】
前記現像液は、アルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ;ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリが挙げられる。また、現像液は、消泡剤や界面活性剤を添加できる。
【0240】
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタを備える。
液晶表示装置は、カラーフィルタは、フィルタセグメント形成後のカラーフィルタについて、シール剤を用いて対向基板と貼り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止する。また、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に貼り合わせて、液晶表示装置を作製できる。
【0241】
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと、光源とを具備する。光源としては、冷陰極管(CCFL),白色LEDが挙げられるが、本発明においては赤の再現領域が広がるという点で、白色LEDを使用することが好ましい。図1は、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置10の概略断面図である。図1に示す装置10は、離間対向して配置された一対の透明基板11及び21を備え、それらの間には、液晶LCが封入されている。
【0242】
液晶LCは、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In-Plane switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の駆動モードに応じて配向される。第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスター)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
【0243】
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色及び青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
【0244】
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
【0245】
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
【0246】
白色LED光源としては、青色LEDの表面に蛍光フィルタを形成したものや、青色LEDの樹脂パッケージに蛍光体を含有させたものがあり、430nm~485nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ3)を有し、530nm~580nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ4)を有し、600nm~650nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ5)を有し、かつ波長λ3における発光強度I3と波長λ4における発光強度I4の比(I4/I3)が0.2以上0.4以下であり、波長λ3における発光強度I3と波長λ5における発光強度I5の比(I5/I3)が0.1以上1.3以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED1)や、430nm~485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長(λ1)を有し、530nm~580nmの範囲内に第2の発光強度のピーク波長(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.2以上0.7以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED2)が好ましい。
【0247】
LED1としては、例えばはNSSW306D-HG-V1(日亜化学社製)、NSSW304D-HG-V1(日亜化学社製)等が挙げられる。
【0248】
LED2としては、例えばはNSSW440(日亜化学社製)、NSSW304D(日亜化学社製)等が挙げられる。
【0249】
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備える。固体撮像素子の構成は、固体撮像素子として機能すればよく限定されない。例えば、以下の構成が挙げられる。
【0250】
基板上に、固体撮像素子(CCD センサ、CMOSセンサ、有機CMOSセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオード及び前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光 部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明のカラーフィルタを有する構成である。
更に、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(基板に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
なお、有機CMOSセンサは、光電変換層として薄膜のパンクロ感光性有機光電変換膜とCMOS信号読み出し基板を含んで構成され、光を捕捉しそれを電気信号に変換する役割を有機材料が担い、電気信号を外部に取り出す役割を無機材料が担う2層構成のハイブリッド構造であり、原理的には入射光に対して開口率を100%にすることができる。有機光電変換膜は構造フリーの連続膜でCMOS信号読みだし基板上に敷設できるので、高価な微細加工プロセスを必要とせず、フィルタセグメントの微細化に適している。
【実施例
【0251】
以下、実施例で本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
【0252】
実施例に先立ち、各測定方法について説明する。
【0253】
樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、酸価(mgKOH/g)、アミン価(mgKOH/g)は以下の通りである。
【0254】
(アルカリ可溶性樹脂、及び分散樹脂の平均分子量)
アルカリ可溶性樹脂、及び分散樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1wt%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットール注入した。分子量は、ポリスチレン換算値である。
【0255】
(アルカリ可溶性樹脂、及び分散樹脂の酸価)
アルカリ可溶性樹脂、及び分散樹脂溶液0.5~1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM-555」平沼産業社製)を用いて滴定し、酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
【0256】
(分散樹脂のアミン価)
分散樹脂のアミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
【0257】
<微細化フタロシアニン顔料(A1)の製造例>
(微細化フタロシアニン顔料(A1-1~3))
特開2017-111398号公報の実施例に従って、下記化学式2~4で表される微細化フタロシアニン顔料(A1-1~3)を得た。以下に、構造を示す。
【0258】
【化17】
【0259】
(微細化フタロシアニン顔料(A1-4)
C.I.ピグメントグリーン58(DIC社製「FASTGEN GREEN A110」)を100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の微細化フタロシアニン顔料(A1-4)を得た。
【0260】
(微細化フタロシアニン顔料(A1-5))
C.I.ピグメントグリーン36(トーヨーカラー社製「リオノールグリーン6YK」)を200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の微細化フタロシアニン顔料(A1-5)を得た。
【0261】
(微細化フタロシアニン顔料(A1-6))
300mLフラスコに、塩化スルフリル91部、塩化アルミニウム109部、塩化ナトリウム15部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素44部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過することにより緑色粗顔料を得た。得られた緑色粗顔料20部、粉砕した塩化ナトリウム140部、ジエチレングリコール32部、キシレン1.8部を1L双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、微細化フタロシアニン顔料(A1-6)を得た。得られた微細化フタロシアニン顔料(A1-6)は、蛍光X線分析から、1分子中のハロゲン原子数が平均11.98個であり、そのうち臭素原子数が平均9.00個、塩素原子数が平均2.98個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であった。
【0262】
<微細化キノフタロン顔料(A2)の製造>
(微細化キノフタロン顔料(A2-1))
C.I.ピグメントイエロー138(BASFジャパン社製「パリオトールイエローK0960-HD」)100部、塩化ナトリウム700部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2,000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の微細化キノフタロン顔料(A2-1)を得た。
【0263】
(微細化キノフタロン顔料(A2-2))
特開2012-226110号公報の実施例1に従って下記化学式(5)で表される微細化キノフタロン顔料(A2-2)を得た。以下に、その構造を示す。
【0264】
化学式(5)
【化18】
【0265】
(微細化キノフタロン顔料(A2-3))
特許第6432076号公報に記載の黄色着色剤の製造に従って下記式(6)で表される微細化キノフタロン顔料(A2-3)を得た。以下に、その構造を示す。
【0266】
化学式(6)
【化19】
【0267】
<スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(B)の製造>
(スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(B-1))
キノフタロン化合物であるC.I.ピグメントイエロー138(BASFジャパン社製「パリオトールイエロー K0960-HD」)30部を101%硫酸300部中に溶解し、70℃にて8時間攪拌し、スルホン化反応を行った。反応の終点は、硫酸溶液の分光スペクトルを測定し、スペクトルの変化が見られなくなる点とした。次いで、この反応溶液を氷水3000部中に注入し、析出物を濾別、水洗後、80℃で乾燥し、下記化学式(7)で表されるスルホ基を有するキノフタロン化合物(b-1)を得た。
【0268】
化学式(7)
【化20】
【0269】
次に、スルホ基を有するキノフタロン化合物(b-1)10gを、水500部に加え25℃で2時間撹拌し再分散させた。次いで、この溶液に硫酸銅(II)5水和物4.8部を徐々に添加し、60℃で2時間反応させた。反応物を濾別、水洗後、80℃で乾燥し、下記化学式(8)で表されるスルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(B-1)を得た。
【0270】
化学式(8)
【化21】
【0271】
(スルホ基を有するキノフタロン化合物の銀塩(B-2))
スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(B-1)の製造で使用した硫酸銅(II)五水和物の代わりに、硝酸銀(I)6.6部を使用した以外は、同様の方法で、下記化学式(9)で表されるスルホ基を有するキノフタロン化合物の銀塩(B-2)を得た。
【0272】
化学式(9)
【化22】
【0273】
(スルホ基を有するキノフタロン化合物の亜鉛塩(B-3))
スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(B-1)の製造で使用した硫酸銅(II)五水和物の代わりに、酢酸亜鉛二水和物4.3部を使用した以外は、同様の方法で、下記化学式(10)で表されるスルホ基を有するキノフタロン化合物の亜鉛塩(B-3))を得た。
【0274】
化学式(10)
【化23】
【0275】
(スルホ基を有するキノフタロン化合物の鉄塩(B-4))
スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(B-1)の製造で使用した硫酸銅(II)五水和物の代わりに、塩化鉄(III)六水和物5.2部を使用した以外は、同様の方法で、下記化学式(11)で表されるスルホ基を有するキノフタロン化合物の鉄塩(B-4))を得た。
【0276】
化学式(11)
【化24】
【0277】
(スルホ基を有するキノフタロン化合物のアルミニウム塩(B-5))
特許第4585781号公報に記載の合成方法に従い、下記化学式(12)で表されるスルホ基を有するキノフタロン化合物のアルミニウム塩(B-5))を得た。
【0278】
化学式(12)
【化25】
【0279】
(スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(B-6))
特開2015-172732号公報の実施例に記載のキノフタロン化合物(QL-c-1)と同様の製造方法で、下記化学式(13)で表されるスルホ基を有するキノフタロン化合物(b-2)を得た。
【0280】
化学式(13)
【化26】
【0281】
次に、スルホ基を有するキノフタロン化合物(b-2)10gを、水500部に加え25℃で2時間撹拌し再分散させた。次いで、この溶液に硫酸銅(II)5水和物5.5部を徐々に添加し、60℃で2時間反応させた。反応物を濾別、水洗後、80℃で乾燥し、下記化学式(14)で表されるスルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(B-6)を得た。
【0282】
化学式(14)
【化27】
【0283】
(スルホ基を有するキノフタロン化合物のアルミニウム塩(B-7))
スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(B-6)の製造で使用した硫酸銅(II)5水和物5.5部の代わりに、硫酸アルミニウム5部を使用した以外は、同様の方法で、下記化学式(15)で表されるスルホ基を有するキノフタロン化合物のアルミニウム塩(B-7)を得た。
【0284】
化学式(15)
【化28】
【0285】
<アルカリ可溶性樹脂(C)の製造>
(アルカリ可溶性樹脂(C-1)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノーン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n-ブチルメタクリレート37.2部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAcとも言う)を添加してアルカリ可溶性樹脂(C-1)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は26,000であった。
【0286】
(アルカリ可溶性樹脂(C-2)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノーン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'-アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノーン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノーンを添加してアルカリ可溶性樹脂(C-2)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は18,000であった。
【0287】
(アルカリ可溶性樹脂(C-3)溶液)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノーン370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'-アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノーン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替エアークリル酸9.3部(グリシジル基の100%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノーン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け不揮発分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してアルカリ可溶性樹脂(C-3)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は19,000であった。
【0288】
(アルカリ可溶性樹脂(C-4)溶液)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート40部、メタクリル酸40部、メタクリル酸メチル120部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート( 日本油脂製「パーブチルO」)4部、PGMAc40部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n-ドデカンチオール8部、PGMAc32部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMAc395部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃ まで昇温した。反応槽の温度が90℃ に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃ に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110 ℃ にした。3時間110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(体積比)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル7 0 部、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)0.4部、トリエチルアミン0.8部を仕込み、そのまま110℃ で12時間反応させた。その後、PGMAc150部を加えて室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してアルカリ可溶性樹脂(C-4)溶液を得た。樹脂の重量平均分子量は18,000 、不揮発分当たりの酸価は2mgKOH/gであった。
【0289】
(アルカリ可溶性樹脂(C-5)溶液)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロ-ト及び窒素導入管を備えたフラスコに、PGMAc333部を導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5部(0.40モル)、グリシジルメタクリレート71.1部(0.50モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成社製FA-513M)22.0部(0.10モル)及び、PGMAc164部からなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6部を添加した溶液を滴下ロ-トから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、メタクリル酸43.0部[0.5モル、(本反応に用いたグリシジルメタクリレートのグリシジル基に対して100モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9部及びハイドロキノーン0.145部をフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け不揮発分酸価が1mgKOH/gとなったところで反応を終了した。次に、テトラヒドロフタル無水フタル酸60.9部(0.40モル)、トリエチルアミン0.8部を加え、120℃で3.5時間反応させ酸価80mgKOH/gの感光性透明樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、感光性透明樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してアルカリ可溶性樹脂(C-5)溶液を調製した。質量平均分子量(Mw)は12,000であった。
【0290】
(アルカリ可溶性樹脂(C-6)溶液)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロ-ト及び窒素導入管を備えたフラスコに、PGMAc182部を導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5部(0.40モル)、メタクリル酸43.0部(0.5モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成社製FA-513M)22.0部(0.10モル)及びPGMAc136部からなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6部を添加した溶液を滴下ロ-トから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート35.5部[0.25モル、(本反応に用いたメタクリル酸のカルボキシル基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9部及びハイドロキノーン0.145部をフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け、酸価が79mgKOH/gの感光性透明樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、感光性透明樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してアルカリ可溶性樹脂(C-6)溶液を調製した。質量平均分子量(Mw)は13,000であった。
【0291】
<界面活性剤(D1)の製造>
(界面活性剤(D1-1)溶液)
窒素置換したフラスコに、溶剤としてメチルエチルケトン65質量部、その他単量体(d2)として、ジシクロペンタニルメタクリレート25.6質量部を仕込み、窒素気流下にて撹拌しながら60℃に昇温した。次いで、2,2’-ビピリジル3.1質量部、塩化第一銅1.1質量部を仕込み、フラスコ内を60℃に保ちながら30分撹拌した。その後、2-ブロモイソ酢酸エチル2.0質量部を加え、窒素気流下、40℃で2時間反応させた。次いで、フッ素化アルキル基を有する単量体(d1)として、2-(ノナフルオロブチル)エチルメタクリレート10.5質量部を加え、60℃で8時間反応させ反応物を得た。得られた反応物に、活性アルミナ30質量部を加えて撹拌した。活性アルミナ濾過後、溶媒を減圧蒸留で除去後、不揮発分が2質量%になるようにPGMAcを添加し、界面活性剤(D1-1)溶液を得た。
【0292】
(界面活性剤(D1-2~7)溶液)
界面活性剤(D1-1)の製造で使用したフッ素化アルキル基を有する単量体(d1)、及びその他単量体(d2)を表1に記載の化合物を使用した以外は、同様の方法で界面活性剤(D1-2~7)溶液を得た。
【0293】
(界面活性剤(D1-8)溶液)
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、溶媒としてメチルイソブチルケトン63質量部を仕込み、窒素気流下にて撹拌しながら105℃に昇温した。次いで、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を有する単量体(d1)として、表1に記載の化合物21.5質量部、その他単量体(d2)として、表1に記載の化合物41.3質量部、ラジカル重合開始剤としてt-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノート9.4質量部と溶媒としてメチルイソブチルケトン126質量部を混合した開始剤溶液135.4質量部をそれぞれ別の滴下装置にセットし、フラスコ内を105℃に保ちながら同時に2時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃で10時間撹拌した後、減圧蒸留により溶媒を除去した。次いで、溶媒としてメチルエチルケトン74.7質量部、重合禁止剤としてp-メトキシフェノール0.1質量部、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレート0.06質量部を仕込み、60℃で撹拌しながら2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート44.8質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で1時間撹拌した後、80℃に昇温して10時間撹拌し反応させた。不揮発分が2質量%になるようにPGMAcを添加し、界面活性剤(D1-8)溶液を得た。
【0294】
【表1】
【0295】
表1中のd1、d2の化合物について以下に示す。
【化29】
【0296】
(式(d1-3)中、Aはパーフルオロメチレン基、及びパーフルオロエチレン基であり、1分子あたりパーフルオロメチレン基が平均7個、パーフルオロエチレン基が平均8個存在し、フッ素原子の数が平均46個である。)
【0297】
【化30】

(d2-3)
【化31】
【0298】
<分散樹脂(F)の製造>
(分散樹脂(F-1)溶液)
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i-ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部、PGMAc50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をPGMAc90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、PGMAc50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、不揮発分測定で不揮発分30%となるようPGMAcを加えて希釈し、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量8,500の分散樹脂(F-1)溶液を得た。
【0299】
(分散樹脂(F-2)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、無水トリメリット酸3部、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール1部、PGMAc50部、ジメチルベンジルアミン0.1部を仕込んだ。窒素ガスで置換した後、反応容器内を120℃に加熱し4時間反応させ、次いで80℃で2時間反応させた。さらにターシャリーブチルアクリレート30部、ETERNACOLL OXMA(メタクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル 、宇部興産社製)20部、メタクリル酸5部、エチルアクリレート40部、PGMAc10部を仕込み、反応容器内を80℃に保ちながら2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.2部を15回に分けて30分ごとに添加した。最終添加から1時間後に不揮発分測定を行い、モノマーの95%が反応したことを確認した。不揮発分測定で不揮発分30%となるようPGMAcを加えて希釈し、不揮発分当たりの酸価51mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)24,000の分散樹脂(F-2)溶液を得た。
【0300】
(分散樹脂(F-3)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート30部、nーブチルメタクリレート30部、ヒドロキシエチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロック(Bブロック)の重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロック(Aブロック)モノマーとして1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート20部(日立化成工業社製、ファンクリルFA-711MM)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロック(Aブロック)の重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。不揮発分測定で不揮発分30%となるようPGMAcを加えて希釈し、不揮発分当たりのアミン価が57mgKOH/g、数平均分子量4,500(Mn)のピペリジル骨格を有する分散樹脂(F-3)溶液を得た。
【0301】
(分散樹脂(F-4)溶液)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた500mL丸底4口セパラブルフラスコに、テトラヒドロフラン(THF)250質量部及び開始剤のジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール5.81質量部を、添加用ロートを介して加え、充分に窒素置換を行った。触媒のテトラブチルアンモニウムm-クロロベンゾエートの1モル/Lアセトニトリル溶液0.5質量部を、シリンジを用いて注入し、親溶剤性を有するブロック用モノマーのメタクリル酸2-ヒドロキシエチル19.7質量部、メタクリル酸2-エチルヘキシル7.5質量部、メタクリル酸n-ブチル12.9質量部、メタクリル酸ベンジル10.7質量部、メタクリル酸メチル30.9質量部を、添加用ロートを用いて60分かけて滴下した。反応フラスコを氷浴で冷却することにより、温度を40℃未満に保った。1時間後、色材吸着機能ブロック用モノマーであるジメチルアミノプロピルメタクリルアミド18.3質量部を20分かけて滴下した。1時間反応させた後、メタノール1質量部を加えて反応を停止させた。得られたブロック共重合体THF溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行った。
続いて、100mL丸底フラスコ中でPGMAc35質量部に、得られたブロック共重合体15.0質量部を溶解させ、塩形成成分であるフェニルホスフィン酸1.1質量部(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドに対し、0.5モル等量)加え、反応温度30℃で20時間攪拌し、PGMAcを添加して調整し、不揮発分30%の分散樹脂(F-4)溶液を得た。
【0302】
<分散体の製造>
(分散体1)
下記の原料を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビ-ズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、分散体1を作製した。有機溶剤(R-1)は、PGMAcである。
微細化フタロシアニン顔料(A1-1) :10.0部
分散樹脂(F-2)溶液 :10.0部
分散樹脂(F-3)溶液 :7.0部
アルカリ可溶性樹脂(C-1)溶液 :10.0部
有機溶剤(R-1) :63.0部
【0303】
(分散体2~27)
表2に記載した原料、量を変えた以外は、分散体1と同様にして分散体2~27を作製した。
【0304】
【表2-1】
【0305】
【表2-2】
【0306】
なお、表2に記載したそれぞれの原料については、以下の通りである。
【0307】
[トリアリールスルホニウム化合物(E)]
(E-1):T1609(東京化成工業社製:トリフェニルスルホニウムブロミド)
(E-2):SP-066(ADEKA社製:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
(E-3):WPAG-336(富士フィルム和光純薬社製:ジフェニル-4-メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
(E-4):TS-01(三和ケミカル社:トリス(4-メチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
(E-5):WPAG-370(富士フィルム和光純薬社製:ジフェニル(4-メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
(E-6):SP-056(ADEKA社製:トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホナート
(E-7):TS-91(三和ケミカル社:トリス(4-メチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオロフォスファート
【0308】
<着色組成物の製造>
[実施例1]
(着色組成物1)
下記の原料を均一になるように撹拌混合した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過して着色組成物1を得た。
分散体2 :30.0部
分散体7 :6.25部
分散体18 :18.75部
アルカリ可溶性樹脂(C) :5.0部
界面活性剤(D1-1) :1.5部
重合性化合物(H) :2.0部
光重合開始剤(I) :1.0部
増感剤(J) :0.2部
エポキシ化合物(K1) :1.0部
チオール系連鎖移動剤(L) :0.1部
重合性禁止剤(M) :0.1部
紫外線吸収剤(N) :0.1部
酸化防止剤(O) :0.1部
貯蔵安定剤(P) :0.1部
有機溶剤(R) :33.8部
【0309】
[実施例2~41、比較例1~4]
(着色組成物2~45)
表3に記載した原料、量を変えた以外は、実施例1の着色組成物1と同様にして着色組成物2~45を作製した。なお、本明細書で実施例1~7および14は、参考例である。
【0310】
なお、表3-1~に表3-1記載したそれぞれの原料については、以下の通りである。
【0311】
[アルカリ可溶性樹脂(C)溶液]
アルカリ可溶性樹脂(C-2)~(C-6)溶液をそれぞれ同量にて混合し、アルカリ可溶性樹脂(C)溶液とした。
【0312】
[界面活性剤(D)]
(D2-1):BYK-330(ビックケミー社製)2部を、PGMAc98部に溶解。
【0313】
[重合性化合物(H)]
(H-1):アロニックスM309(東亞合成社製)
(H-2):アロニックスM402(東亞合成社製)
(H-3):アロニックスM520(東亞合成社製)
(H-4):KAYARAD DPCA-30(日本化薬社製)
以上、(H-1)~(H-4)をそれぞれ同量にて混合し、重合性化合物(H)とした。
【0314】
[光重合開始剤(I)]
(I-1):イルガキュア907(BASFジャパン社製)
(I-2):イルガキュア379(BASFジャパン社製)
(I-3):イルガキュアOXE01(BASFジャパン社製)
(I-4):イルガキュアOXE02(BASFジャパン社製)
(I-5):イルガキュアOXE04(BASFジャパン社製)
以上、(I-1)~(I-5)をそれぞれ同量混合し、光重合開始剤(I)とした。
【0315】
[増感剤(J)]
(J-1):カヤキュアDETX-S(日本化薬社製)
(J-2):4,4CHEMARK DEABP(Chemark Chemical社製)
以上、(J-1)、(J-2)をそれぞれ同量にて混合し、増感剤(I)とした。
【0316】
[エポキシ化合物(K1)]
(K1-1):EHPE-3150(ダイセル社製)
(K1-2): デナコールEX611(ナガセケムテックス社製)
(K1-3):イソシアヌル酸トリグリシジル
以上、(K1-1)~(K1-3)をそれぞれ同量混合し、エポキシ化合物(K1)とした。
【0317】
[チオール系連鎖移動剤(L)]
(L-1):トリメチロ-ルエタントリス(3-メルカプトブチレート)
(L-2):トリメチロ-ルプロパントリス(3-メルカプトブチレート)
(L-3):ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
(L-4):トリメチロ-ルプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)
(L-5):トリス[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート
以上、(L-1)~(L-5)をそれぞれ同量にて混合し、チオール系連鎖移動剤(L)とした。
【0318】
[重合禁止剤(M)]
(M-1):4-メチルカテコール
(M-2):メチルヒドロキノーン
(M-3):t-ブチルヒドロキノーン
以上、(M-1)~(M-3)をそれぞれ同量にて混合し、重合禁止剤(M)とした。
【0319】
[紫外線吸収剤(N)]
(N-1):TINUVIN400(BASFジャパン社製)
(N-2):TINUVIN900(BASFジャパン社製)
以上、(N-1)、(N-2)をそれぞれ同量にて混合し、紫外線吸収剤(N)とした。
【0320】
[酸化防止剤(O)]
(O-1):ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(O-2):3,3'-チオジプロパン酸ジオクタデシル
(O-3):トリス[2,4-ジ-(t)-ブチルフェニル]ホスフィン
(O-4):ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート
(O-5):サリチル酸p-オクチルフェニル
以上、(O-1)~(O-5)をそれぞれ同量にて混合し、酸化防止剤(N)とした。
【0321】
[貯蔵安定剤(P)]
(P-1):2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール
(P-2):トリフェニルホスフィン
以上、(P-1)、(P-2)をそれぞれ同量にて混合し、貯蔵安定剤(P)とした。
【0322】
[有機溶剤(R) ]
(R-1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 30部
(R-2):シクロヘキサノーン 30部
(R-3):3-エトキシプロピオン酸エチル 10部
(R-4):プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
(R-5):シクロヘキサノールアセテート 10部
(R-6):ジプロプレングリコールメチルエーテルアセテート 10部
以上、(R-1)~(R-6)をそれぞれ上記質量部にて混合し、有機溶剤(R)とした。
【0323】
<着色組成物の評価>
各試験を下記の方法で行った。評価結果は、表3に示す。
【0324】
[異物評価]
得られた着色組成物をガラス基板上に、熱処理後の塗膜の色度値がC光源でy=0.60となるようにスピンコーターを用いて塗布した。次に、70℃20分乾燥させ、所定のマスクと超高圧水銀ランプを用いて積算光量50mJ/cmで紫外線露光を行い、23℃の炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾しパターン画素を形成した。
その後、オーブンで230℃40分間の熱処理を行い、パターン画素の間のガラス基板上の異物の数を計測した。評価は、金属顕微鏡「BX60」(オリンパスシステム社製)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な異物の数を積算で計測した。3以上が実用可能である。
5:異物の数が5個未満
4:異物の数が5個以上、10個未満
3:異物の数が10個以上、20個未満
2:異物の数が20個以上、50個未満
1:異物の数が50個以上
【0325】
[明度評価]
得られた着色組成物をガラス基板上に、熱処理後の塗膜の色度値がC光源でy=0.60となるようにスピンコーターを用いて塗布し、70℃20分乾燥させた。次いで、超高圧水銀ランプを用いて積算光量紫外線50mJ/cmで紫外線露光を行い、23℃の炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄・風乾し、オーブンで230℃40分間熱処理を行い、ガラス基板上に着色組成物層を形成した。
次いで、着色組成物層上に、スピンコーターを用いてオーバーコート剤を塗布し、減圧乾燥機で有機溶剤を除去した。その後、ホットプレートで90℃2分間焼成後、230℃60分間熱処理を行い、明度評価用基板を得た。
得られた明度評価用基板のXYZ表色系における初期明度を、LVmicroZ(ラムダビジョン社製)で測定した。その後、LED照明を用いて紫外線を200時間照射した後、再度明度を測定した。下記式より、明度変化率を求めた。3以上が実用可能である。
明度変化率=|200時間後明度-初期明度|/初期明度×100
5:3%未満
4:3%以上、5%未満
3:5%以上、10%未満
2:10%以上、15%未満
1:15%以上
【0326】
[電圧保持率評価]
得られた着色組成物を有効電極サイズ10mm×10mmのITO透明電極を有するガラス基板上に、スピンコーターを用いて、乾燥・熱処理後の塗膜が2.0μmになるように塗布し、電極部の塗膜を溶剤で拭き取りした後、積算光量50mJ/cm2で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像し、塗膜基板を得た。次いで、230℃で20分間加熱、放冷後、測定用のサンプル塗布基板を各二枚作製した。
上記サンプル塗布済ガラス基板2枚を、ITO透明電極面同士が向かい合うように対向配置し、セルギャップが9μm になるようにシール剤を用いて小型セルを作製した。この小型セルに液晶液をセルギャップ間に注入して、50℃において、電圧5Vで60μ秒間電圧を印加し、電圧解放後16.67m秒経過後のセル電圧[V1]を、東陽テクニカ製VHR-1Sにて測定した。測定されたセル電圧を平均化し、得られたセル電圧を用いて、下記式より初期VHR(%)を求めた。
VHR(電圧保持率)(%)=([V1]/5)×100
上記初期VHR測定済セルサンプルを、LED照明15万nit、3時間照射し再度照射後のVHR(%)の測定し、下記式よりΔVHR(電圧保持率変化率)を求め、下記の基準にて評価した。3以上を実用レベルとした。
ΔVHR=|初期VHR-露光後VHR|
5:2%未満
4:2%以上、5%未満
3:5%以上、10%未満
2:10%以上、15%未満
1:15%以上
【0327】
【表3-1】
【0328】
【表3-2】
【0329】
【表3-3】
【符号の説明】
【0330】
10 液晶表示装置
11 透明基板
12 TFTアレイ
13 透明電極層
14 配向層
15 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
23 透明電極層
24 配向層
25 偏光板
30 バックライトユニット
31 白色LED光源
LC 液晶
図1