(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/06 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
B65H1/06 C
B65H1/06 A
(21)【出願番号】P 2020172532
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100116920
【氏名又は名称】鈴木 光
(72)【発明者】
【氏名】林 浩一郎
【審査官】西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-055255(JP,U)
【文献】実開平04-096331(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ねて載置された複数のシート材を一枚ずつ送り出す搬送装置であって、
前記複数のシート材を重ねて載置するための載置面を有する載置部と、
前記複数のシート材の
それぞれのシート材に交互に重ねて載置され、送り出される
それぞれの前記シート材の上に配置され、前記複数のシート材よりも剛性の高い板材と、
前記載置面に沿って往復移動可能とし、その移動により前記シート材を載置位置から送り出す移動部材と、
を備える搬送装置。
【請求項2】
前記移動部材は、前記シート材を送り出す送り方向と前記送り方向と反対向きの戻し方向を交互に移動し、前記送り方向への移動により前記載置位置から前記シート材を送り出し、前記戻し方向への移動により前記載置位置から前記板材を排出する、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記移動部材は、前記載置面に形成される長孔に沿って移動し、前記長孔から前記載置面の上方へ突出して設けられており、
前記板材は、前記移動部材の前記送り方向への移動の時に前記移動部材を通過させる上方へ窪む長溝を形成している、
請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記移動部材が前記送り方向へ移動する場合に前記板材に対する前記移動部材の通過を許容し、前記移動部材が前記戻し方向へ移動する場合に前記移動部材に掛け止められて前記移動部材と共に前記板材を前記戻し方向へ移動させる掛止部を備えている、
請求項2又は3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記シート材は、炭素繊維強化プラスチックにより形成されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送装置として、例えば、特許第5235980号公報に記載されるように、紙状のシートを重ねた状態とし、そのシートを一枚ずつ送り出す装置が知られている。この装置は、ドラムに搬送ベルトを巻き掛け、移動する搬送ベルトを製品に接触させて一枚ずつ製品を引き出していくものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような装置では、シートの性状によっては、引き出す時にシートが折れ曲がるおそれがある。例えば、シートの剛性が低く変形しやすいものである場合、搬送ベルトで移動させようとすると、シートが折れ曲がるなどの変形を生ずることとなる。
【0005】
そこで、シート材の変形を抑制してシート材を適切に搬送することができる搬送装置の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る搬送装置は、重ねて載置された複数のシート材を一枚ずつ送り出す搬送装置であって、複数のシート材を重ねて載置するための載置面を有する載置部と、複数のシート材のうち送り出されるシート材の上に配置され、複数のシート材よりも剛性の高い板材と、載置面に沿って往復移動可能とし、その移動によりシート材を載置位置から送り出す移動部材を備えて構成されている。この搬送装置によれば、シート材よりも剛性の高い板材を備えることにより、シート材の変形を抑制して移動部材によりシート材を適切に送り出すことができる。
【0007】
また、本開示の一態様に係る搬送装置において、移動部材は、シート材を送り出す送り方向と送り方向と反対向きの戻し方向を交互に移動し、送り方向への移動により載置位置からシート材を送り出し、戻し方向への移動により載置位置から板材を排出してもよい。この場合、移動部材を送り方向及び戻し方向を往復させて移動させることにより、シート材の送り出しと板材の排出を効率良く行うことができる。
【0008】
また、本開示の一態様に係る搬送装置において、移動部材は載置面に形成される長孔に沿って移動し長孔から載置面の上方へ突出して設けられており、板材は移動部材の送り方向への移動の時に移動部材を通過させる上方へ窪む長溝を形成していてもよい。この場合、移動部材が載置面の上方へ突出して移動することにより、シート材を押し出して載置位置から送り出すことが可能となる。このとき、板材に長溝が形成されることにより、移動部材が板材を送り方向へ移動させることなくシート材のみを確実に送り出すことができる。
【0009】
また、本開示の一態様に係る搬送装置において、移動部材が送り方向へ移動する場合に板材に対する移動部材の通過を許容し、移動部材が戻し方向へ移動する場合に移動部材に掛け止められて移動部材と共に板材を戻し方向へ移動させる掛止部を備えていてもよい。この場合、掛止部を備えることにより、移動部材が送り方向へ移動する場合に板材を掛止せずに通過して送り方向へシート材を送り出すことができる。また、移動部材が戻し方向へ移動する場合に板材を掛止して移動部材と共に板材を戻し方向へ移動させて板材を載置位置から排出することができる。
【0010】
また、本開示の一態様に係る搬送装置において、シート材は、炭素繊維強化プラスチックにより形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、シート材の変形を抑制してシート材を適切に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態に係る搬送装置の構成概要を示す斜視図である。
【
図3】
図2のIII-IIIにおける搬送装置の断面図である。
【
図4】
図3のIV-IVにおける搬送装置の断面図である。
【
図5】
図1の搬送装置における掛止部の説明図である。
【
図6】
図1の搬送装置における掛止部の説明図である。
【
図7】
図1の搬送装置におけるシート材の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
図1は、本開示の実施形態に係る搬送装置の構成概要を示す斜視図である。
図2は、
図1の搬送装置の平面図である。
図3は、
図2のIII-IIIにおける搬送装置の断面図である。
図4は、
図3におけるIV-IVにおける搬送装置の断面図である。
【0015】
図1に示すように、搬送装置1は、重ねて載置された複数のシート材9を一枚ずつ送り出す装置である。シート材9は、例えば炭素繊維強化プラスチックにより形成されている。このシート材9は、炭素繊維強化プラスチックの製品を加工するための被加工物(ワーク)であり、薄い板体として構成されている。シート材9は、例えば、複数の短冊部91を連結して形成され、変形しやすい構造となっている。シート材9の構造の詳細については、後述する。
【0016】
搬送装置1は、載置部2、板材3及び移動部材4を備えている。載置部2は、複数のシート材9を重ねて載置するための載置面21を有する載置台であり、板体又はブロック体により構成される。載置部2の上面は、水平の平らな面となっており、載置面21として機能する。載置面21には、複数のシート材9が重ねられて載置されている。載置部2は、突起部22を有している。突起部22は、載置面21から上方へ突出して形成され、板材3の位置決め部材として機能する。突起部22は、板材3の配置位置の左右外側に一つずつ形成されている。つまり、突起部22は、板材3における横幅寸法の距離を隔てて設けられている。突起部22の間に板材3を配置することにより、板材3を適正な位置に配置することができる。突起部22は、例えば水平断面を矩形とした角柱として形成される。各シート材9の上方には、板材3が配置されている。例えば、シート材9が複数載置される場合、シート材9と板材3が交互に重ねて載置される。
図1~4では、三枚のシート材9が重ねて載置され、それぞれのシート材9の上に板材3が配置される場合について図示している。
【0017】
板材3は、載置部2から送り出されるシート材9の変形を抑制する部材であり、例えばシート材9より剛性の高い部材により形成される。板材3は、シート材9を上から押さえることにより、シート材9に移送力が加えられたときにシート材9が変形することを抑制する。板材3の横幅は、例えばシート材9の横幅寸法より小さく形成される。このため、板材3をコンパクトに構成することができる。シート材9の移送力は移動部材4によって与えられるため、移送力の付与によりシート材9に応力が生ずる箇所を板材3が押さえ付けていればよい。従って、板材3をシート材9より小さく構成しても、シート材9の変形を抑制することができる。
【0018】
板材3は、例えば矩形の板体であって、シート材9の送り方向Aに向けて長溝31を形成している。長溝31は、移動部材4がシート材9を送り出すときに移動部材4を通過させるための溝であり、板材3の底面から上方へ窪む溝となっている。
図1~4では、長溝31の一部は、上下方向に板材3を貫通して形成されている。板材3に長溝31を形成することにより、移動部材4の移動時に板材3を移動させることなく、シート材9のみを移動させて送り出すことができる。
【0019】
板材3には、延出部32が形成されている。延出部32は、板材3の左右に一つずつ形成され、板材3の本体部分から側方へ延び出ている。板材3が突起部22と突起部22の間に配置されるとき、延出部32は突起部22に接するように板材3が配置される。すなわち、延出部32が突起部22における送り方向と逆側の側面に接するように、板材3が配置される。このように、延出部32が突起部22に掛け止められることにより、移動部材4がシート材9を送り出すときに、シート材9と一緒に板材3が送り方向Aへ移動することが抑制される。
【0020】
載置部2には、移動部材4が設けられている。移動部材4は、載置面21に沿って往復移動可能に設けられ、その移動によりシート材9を載置位置から送り出す部材である。移動部材4は、例えば、複数設けられ、シート材9の横幅方向に離間して二つ設けられる。これにより、シート材9を二箇所で押して送り出すことができ、シート材9を安定して送り出すことができる。移動部材4は、例えば棒状を呈し、載置面21から上方に向けて突出している。移動部材4は、例えば上面を水平方向に平らとした円柱体により構成される。また、移動部材4は、載置面21に形成される長孔23を通って載置面21の上方へ突出している。長孔23は、シート材9の送り方向Aに向けて長く形成されている。移動部材4は、長孔23の長手方向に沿って移動し、載置面21上のシート材9の側部を押してシート材9を載置位置から送り出す。移動部材4は、載置部2の下方に設けられる移動機構5の作動によって往復移動する。移動機構5としては、例えばレール51に対し可動部52を往復移動させる直動駆動装置が用いられる。レール51は、載置部2の下方に送り方向Aに向けて設けられている。可動部52は、レール51に沿って移動することで、送り方向Aと戻し方向Bへ往復移動可能となっている。可動部52には移動部材4が取り付けられており、可動部52の移動に伴って移動部材4が移動する。
【0021】
図4に示すように、搬送装置1は、掛止部33を備えている。掛止部33は、移動部材4が送り方向Aへ移動する場合に板材3に対する通過を許容し、移動部材4が戻し方向Bへ移動する場合に移動部材4に掛止されて移動部材4と共に板材3を戻し方向Bへ移動させる部位である。掛止部33は、板材3に形成されている。すなわち、掛止部33は、長溝31における送り方向Aの終端の位置に形成され、傾斜面33a及び掛止面33bを有している。
【0022】
図5に示すように、掛止部33は、例えば垂直断面の形状を逆三角形とした部材により構成され、長溝31の終端の天井部分に形成されている。傾斜面33aは、送り方向Aに対し傾斜した面であり、送り方向Aに向かうほど下がるように傾斜している。つまり、傾斜面33aは、移動部材4が送り方向Aへ移動する場合にいずれかの位置で移動部材4の上端と接するように形成されている。傾斜面33aの傾斜角度は、移動部材4が掛止部33の下を潜って通過可能な角度とされる。すなわち、移動部材4が送り方向Aへ移動しシート材9を送り出す場合において、移動部材4の上端が傾斜面33aに接したときに、移動部材4が板材3を押し上げて掛止部33の下を潜って通過可能となるように傾斜面33aが形成される。これにより、移動部材4は、送り方向Aへ移動する際に掛止部33を通過することができる。
【0023】
図6に示すように、掛止面33bは、傾斜面33aの送り方向A側に形成される。掛止面33bは、戻し方向Bに向けて切り立った面であり、例えば戻し方向Bに対し垂直な面とされる。つまり、移動部材4が戻し方向Bへ移動する場合において、移動部材4が掛止面33bに接したときに、移動部材4が掛止部33を通過せず掛止部33に掛止されるように掛止面33bが形成されている。これにより、移動部材4は、戻し方向Bへ移動する際に掛止部33に掛止され、板材3を戻し方向Bへ移動させることができる。
【0024】
図7は、シート材9の平面図である。シート材9は、矩形を呈する板材であり、複数の短冊部91を連結して形成されている。シート材9は、縦横の寸法(
図7の左右方向及び上下方向の寸法)に対し厚みが十分に薄く形成されている。短冊部91は、細長い矩形の板材であり、長手方向を同一の方向に向けて複数配列されている。隣り合う短冊部91同士は、連結部92により連結されている。連結部92は、短冊部91の長辺と長辺の間に形成され、短冊部91の短辺の幅より細く形成されている。連結部92を細く形成することにより、連結部92を容易に切断することができ、短冊部91の切り離しを簡単に行える。一方、シート材9は、連結部92により短冊部91を連結する構造であるため、シート材9の剛性が低く撓みやすい。このため、シート材9の搬送は、シート材9が変形しないように留意する必要がある。
【0025】
短冊部91の端部には、貫通孔93が形成されている。例えば、各短冊部91の一方の端部には表裏を貫通する貫通孔93が形成されている。貫通孔93は、切断された短冊部91の位置決め用の孔として用いられる。
【0026】
次に、本実施形態に係る搬送装置1の動作について説明する。
【0027】
まず、
図1及び
図4に示すように、載置部2に搬送すべきシート材9が載置される。シート材9の上には板材3が載置される。複数のシート材9を順次搬送する場合、シート材9と板材3を交互に重ねて載置される。このとき、板材3の延出部32が突起部22に掛止されるように、板材3が配置される。
【0028】
そして、
図8に示すように、移動機構5を作動させ、移動部材4を送り方向Aに向けて移動させる。移動部材4は、載置面21上に載置されるシート材9の側面に当接し、シート材9を押しながら送り方向Aへ移動する。このとき、シート材9は、板材3が上に載置されることにより、変形することなく送り出される。また、移動部材4は、長溝31を通って移動するため、板材3を移動させずにシート材9のみを送り方向Aへ送り出す。さらに、板材3の延出部32が突起部22に掛け止められているため、板材3が移動部材4と共に送り方向Aへ移動することはない。
【0029】
そして、
図5に示すように、移動部材4が送り方向Aへ移動し続け掛止部33の位置に到達すると、移動部材4は掛止部33に掛止されることなく掛止部33の位置を通過する。すなわち、移動部材4は、傾斜面33aに接触しながら移動し、掛止部33の下を潜って掛止部33の位置を通過する。そして、シート材9は、載置位置から載置部2の外部へ送り出される。このとき、板材3の下方にシート材9がなくなるため、板材3はシート材9の載置位置に下がる。
【0030】
次いで、
図9に示すように、移動部材4は、始動した位置へ戻るべく、送り方向Aと逆方向の戻し方向Bへ移動する。そして、
図6に示すように、移動部材4が掛止部33の位置に到達すると、移動部材4は、掛止面33bに当接する。このとき、掛止面33bが垂直方向へ切り立っているため、移動部材4は掛止部33を通過することができず、掛止部33に掛止される。これにより、
図10に示すように、移動部材4の戻し方向Bへの移動により、移動部材4に押し付けられて板材3が移動部材4と共に戻し方向Bへ移動する。そして、板材3は載置位置から排出される。このとき、移動する板材3の上にあるシート材9は、突起部22に当接することにより、板材3と共に戻し方向Bへ移動することが防止される。
【0031】
そして、板材3が載置位置から排出されることにより、
図11に示すように、その上方に載置されていたシート材9及び板材3が下方へ下がる。そして、また移動部材4が送り方向Aへ移動し、最下位置のシート材9が載置位置から送り方向Aへ送り出される。このように、移動部材4を送り方向Aと戻し方向Bを往復させて移動させることにより、シート材9の送り出しと板材3の排出を効率良く行うことができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係る搬送装置1によれば、シート材9の上に板材3を配置してシート材9を送り出すことにより、シート材9が変形しやすい素材により形成される場合であっても、シート材9の変形を抑制してシート材9を適切に送り出すことができる。
【0033】
また、本実施形態に係る搬送装置1によれば、移動部材4が送り方向Aと戻し方向Bを交互に移動し、送り方向Aへの移動により載置位置からシート材9を送り出し、戻し方向Bへの移動により載置位置から板材3を排出する。このため、移動部材4を送り方向A及び戻し方向Bを往復させて移動させることにより、シート材9の送り出しと板材3の排出を効率良く行うことができる。
【0034】
また、本実施形態に係る搬送装置1によれば、移動部材4が載置面21の上方へ突出して移動することにより、シート材9を押し出して載置位置から送り出すことが可能となる。このとき、板材3に長溝31が形成されることにより、移動部材4が板材3を送り方向Aへ移動させることなくシート材9のみを確実に送り出すことができる。
【0035】
また、本実施形態に係る搬送装置1によれば、掛止部33を備えることにより、移動部材4が送り方向Aへ移動する場合に板材3を掛止せず通過して送り方向Aへシート材9を送り出すことができる。また、移動部材4が戻し方向Bへ移動する場合に移動部材4が板材3を掛止して板材3を戻し方向Bへ移動させて載置位置から排出することができる。
【0036】
以上のように本開示の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲の記載の要旨を逸脱しない範囲で様々な変形態様を取ることができる。
【0037】
例えば、上述した実施形態では、掛止部33の傾斜面33aを板材3に設ける場合について説明したが、傾斜面33aを移動部材4に設けてもよい。例えば、
図12に示すように、移動部材4の上端に傾斜面33aを形成してもよい。この場合であっても、移動部材4は、送り方向Aへ移動する場合、掛止部33を掛止せずに掛止部33を通過することができる。一方、移動部材4は、戻し方向Bへ移動する場合、掛止部33の掛止面33bを掛止して板材3と共に移動し、板材3を戻し方向Bへ移動させることができる。
【0038】
また、上述した実施形態では、シート材9として炭素繊維強化プラスチック製のシート材を搬送する場合について説明したが、シート材9としては他の材料により構成されたものであってもよい。また、上述した実施形態では、シート材9として複数の短冊部91を連結して形成されたものを搬送する場合について説明したが、シート材9としてはそれ以外の構造で形成されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 搬送装置
2 載置部
3 板材
4 移動部材
5 移動機構
9 シート材
21 載置面
22 突起部
23 長孔
31 長溝
32 延出部
33 掛止部
33a 傾斜面
33b 掛止面
51 レール
52 可動部
91 短冊部
92 連結部
93 貫通孔
A 送り方向
B 戻し方向