(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】端末装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0686 20220101AFI20241016BHJP
H04L 67/025 20220101ALI20241016BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241016BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H04L41/0686
H04L67/025
G06F3/12 322
G06F3/12 336
G06F3/12 338
B41J29/38
(21)【出願番号】P 2020179585
(22)【出願日】2020-10-27
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】國本 慎太郎
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-102612(JP,A)
【文献】特開2002-163162(JP,A)
【文献】特開2006-004160(JP,A)
【文献】特開2010-176226(JP,A)
【文献】特開2018-205796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
情報処理装置と通信するように構成された通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記端末装置のステータスに特定の変化が生じることであるステータス変化を検知する検知処理と、
前記検知処理により前記ステータス変化が検知されることに応じて、検知された前記ステータス変化を示す変化情報を含まない第1通知を前記通信部を介して前記情報処理装置へ送信する、第1送信処理と、
前記第1通知が前記情報処理装置で受信されることに応じて前記情報処理装置から送信される応答を受信する受信処理と、
前記受信処理により前記応答が受信されることに応じて、前記変化情報を含む第2通知を前記通信部を介して前記情報処理装置へ送信する、第2送信処理と、
を実行するように構成され
ており、
前記第1送信処理は、前記第1通知を、第1のプロトコルに従って送信し、
前記情報処理装置は、前記応答を、前記第1のプロトコルよりもセキュリティレベルが高い第2のプロトコルに従って送信する、
端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記第1送信処理は、前記第1通知を、第1のプロトコルに従って送信し、
前記第1のプロトコルは、HTTPにおけるPOSTリクエストを含む、
端末装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の端末装置であって、
前記第2のプロトコルは、認証機能を有する、
端末装置。
【請求項4】
請求項1~
請求項3のいずれか1項に記載の端末装置であって、
前記第1通知は、前記端末装置を特定する情報、及び前記端末装置の機種を示す情報、のうちの少なくとも一方を含む、
端末装置。
【請求項5】
請求項1~
請求項4のいずれか1項に記載の端末装置であって、
さらに、バッテリを備え、
前記ステータスは、前記バッテリの残量を含み、
前記残量に対応する前記特定の変化は、前記残量が一定レベル減少すること、及び前記残量が閾値を下回ること、のうちの少なくとも一方を含む、
端末装置。
【請求項6】
請求項1~
請求項5のいずれか1項に記載の端末装置であって、
前記端末装置は、端末管理システムに含まれ、
前記端末管理システムは、前記端末装置と、前記情報処理装置と、端末管理装置とを備え、
前記端末管理装置は、前記情報処理装置を介して前記端末装置を管理するように構成されており、
前記情報処理装置は、前記端末装置から前記第2通知を受信することに応じて、前記第2通知に含まれている前記変化情報を前記端末管理装置へ送信するように構成されている、
端末装置。
【請求項7】
請求項1~
請求項6のいずれか1項に記載の端末装置であって、
前記端末装置は、記録部及び読取部のうちの少なくとも一方を備え、
前記記録部は、画像データに基づく画像を被記録媒体に記録するように構成されており、
前記読取部は、原稿に記録された画像を読み取ってその読み取った画像を示す画像データを生成するように構成されている、
端末装置。
【請求項8】
端末装置と通信するように構成された通信部と、
制御部と、
を備えた情報処理装置における前記制御部が実行可能なプログラムであって、
前記端末装置は、
前記端末装置においてステータス変化が検知されることに応じて、検知された前記ステータス変化を示す変化情報を含まない第1通知を送信し、
前記第1通知に対する応答を受信することに応じて、前記変化情報を含む第2通知を送信するように構成されており、
前記通信部は、さらに、端末管理装置と通信するように構成されており、
前記端末管理装置は、前記情報処理装置を介して前記端末装置を管理するように構成されており、
前記プログラムは、前記制御部に、
前記第1通知を受信する第1受信処理と、
前記第1受信処理により前記第1通知が受信されることに応じて、前記端末装置へ前記応答を送信する第1送信処理と、
前記応答に対する前記第2通知を受信する第2受信処理と、
前記第2受信処理により受信された前記第2通知の送信元の前記端末装置が前記端末管理装置において登録されているか否かを判断する登録判断処理と、
前記登録判断処理によって登録されていないと判断されることに応じて前記端末管理装置へ前記端末装置の登録を要求する登録要求処理と、
前記第2受信処理により受信された前記第2通知に含まれる前記変化情報を前記端末管理装置へ送信する第2送信処理と、
を実行させ、
前記登録要求処理を実行させた後に、前記第2送信処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された印刷装置は、自装置の状態変化を検出すると、状態情報を上位装置へ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上位装置が存在しているか否かにかかわらず、或いは上位装置と通信可能な状態にあるか否かにかかわらず、一方的に状態情報が送信されると、状態情報に関するセキュリティ上の問題が生じる可能性がある。
【0005】
本開示は上記課題に鑑み、端末装置においてステータスが変化したことを、当該ステータスが変化したことに関するセキュリティ性を適正に保ちつつ、通知先の装置へ迅速に通知できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様における端末装置は、通信部と、制御部とを備える。通信部は、情報処理装置と通信する。制御部は、検知処理と、第1送信処理と、受信処理と、第2送信処理とを実行する。
【0007】
検知処理は、ステータス変化を検知する処理である。ステータス変化とは、端末装置のステータスに特定の変化が生じることである。
第1送信処理は、検知処理によりステータス変化が検知されることに応じて、第1通知を通信部を介して情報処理装置へ送信する処理である。第1通知は、検知されたステータス変化を示す変化情報を含まない。
【0008】
受信処理は、情報処理装置からの応答を受信する処理である。応答は、情報処理装置で第1通知が受信されることに応じて情報処理装置から送信される。
第2送信処理は、受信処理により応答が受信されることに応じて、第2通知を通信部を介して情報処理装置へ送信する処理である。第2通知は、変化情報を含む。
【0009】
このように構成された端末装置では、ステータス変化が検知された場合、すぐに変化情報が送信されず、まずは第1通知が送信される。そして、第1通知に対する情報処理装置からの応答が受信された場合に、変化情報を含む第2通知が送信される。第1通知に対する応答が受信されるということは、情報処理装置が存在していて且つ情報処理装置と適正に通信可能な状態にあると言える。
【0010】
そのため、第1通知に対する応答を確認した上で第2通知を送信することで、第2通知の不要な送信を抑えつつ、第2通知を情報処理装置へ適正且つ迅速に送信することができる。つまり、端末装置においてステータス変化が生じたことを、当該ステータス変化に関するセキュリティ性を適正に保ちつつ、情報処理装置へ迅速に通知することが可能となる。
【0011】
本開示の別の一態様は、情報処理装置における制御部が実行可能なプログラムである。情報処理装置は、通信部と、制御部とを備える。通信部は、端末装置と通信する。端末装置は、端末装置においてステータス変化が検知されることに応じて第1通知を送信する。第1通知は、検知されたステータス変化を示す変化情報を含まない。端末装置は、さらに、第1通知に対する応答を受信することに応じて第2通知を送信する。第2通知は、変化情報を含む。
【0012】
当該プログラムは、制御部に、第1受信処理と、第1送信処理と、第2受信処理とを実行させる。第1受信処理は、第1通知を受信する処理である。第1送信処理は、第1受信処理により第1通知が受信されることに応じて、端末装置へ前記応答を送信する処理である。第2受信処理は、応答に対する第2通知を受信する処理である。
【0013】
このようなプログラムが情報処理装置で実行されることで、情報処理装置は、端末装置からの第2通知の不要な送信を抑えつつ、第2通知を適正且つ迅速に受信することができる。つまり、情報処理装置は、端末装置においてステータス変化が生じたことを、当該ステータス変化に関するセキュリティ性を適正に保ちつつ、迅速に取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態の端末管理システムの概略構成を示す説明図である。
【
図2】実施形態の端末装置の概略構成を示す説明図である。
【
図3】実施形態の端末管理システムにおける4つの機能を模式的に示す説明図である。
【
図4】実施形態のセルフチェック監視機能の実行例を示すシーケンス図である。
【
図5】実施形態のHTTP POSTリクエストの一例を示す説明図である。
【
図6】実施形態の端末装置において実行されるセルフチェック処理のフローチャートである。
【
図7】実施形態の仲介装置において実行されるセルフチェック監視処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1-1)端末管理システムの概要
図1に示す端末管理システム1は、集中管理装置5と、端末管理装置30と、少なくとも1つの被管理システムとを備える。被管理システムの各々は、仲介装置を備える。
【0016】
本実施形態では、端末管理システム1は例えば2つの被管理システムを備える。具体的には、端末管理システム1は、
図1に示すように、第1被管理システム110と、第2被管理システム120とを備える。
【0017】
第1被管理システム110は第1仲介装置10を備える。第1被管理システム110は、さらに、1つ以上の端末装置を備える。本実施形態では、第1被管理システム110は例えば3つの端末装置41,42,43を備える。各端末装置41~43は、本実施形態では、集中管理装置5及び端末管理装置30のいずれとも直接通信を行うことができない一方、第1仲介装置10と通信可能である。
【0018】
第2被管理システム120は第2仲介装置20を備える。第2被管理システム120は、さらに、1つ以上の端末装置を備える。本実施形態では、第2被管理システム120は例えば2つの端末装置44,45を備える。各端末装置44,45は、本実施形態では、集中管理装置5及び端末管理装置30のいずれとも直接通信を行うことができない一方、第2仲介装置20と通信可能である。
【0019】
各端末装置41~45はどのように構成されていてもよい。各端末装置41~45は、容易に持ち運び可能であってもよいし、据え置かれて使用されることが前提とされていて持ち運ぶことが容易ではなくてもよい。
【0020】
本実施形態の各端末装置41~45はいずれも、例えば、容易に持ち運び可能な小型の端末装置である。より具体的には、本実施形態の各端末装置41~45は、例えばプリンタ機能を有する。プリンタ機能は、画像データに基づく画像を記録紙(被記録媒体)に記録する機能である。各端末装置41~45の少なくとも1つは、さらにスキャン機能を有していてもよい。スキャン機能は、原稿に記録された画像を読み取ってその読み取った画像を示す画像データを生成する機能である。
【0021】
集中管理装置5及び端末管理装置30は、グローバルネットワーク200に接続され、グローバルネットワーク200を通じて相互に通信可能である。グローバルネットワーク200はどのようなネットワークでもよく、本実施形態では例えば、いわゆるTCP/IPプロトコルに従って通信が行われるように構成されたインターネットである。集中管理装置5及び端末管理装置30の各々は、ファイアウォール機能を備えた不図示のルータを介して、グローバルネットワーク200に接続されていてもよい。
【0022】
第1被管理システム110は、第1ローカルネットワーク(不図示)を備える。第1ローカルネットワークは、いわゆるイントラネットであってもよい。第1仲介装置10及び端末装置41~43の各々は第1ローカルネットワークに接続されている。第1仲介装置10と端末装置41~43の各々とは、第1ローカルネットワークを介して互いに通信可能である。
【0023】
第1ローカルネットワークは、有線のネットワークであってもよいし、無線のネットワークであってもよいし、有線と無線とが混在したネットワークであってもよい。本実施形態では、第1ローカルネットワークは、例えば、TCP/IPプロトコルを含む通信プロトコルに従って通信が行われる。より具体的には、本実施形態の第1ローカルネットワークは、例えば、IEEE802.11の規格に基づくいわゆる無線LANである。
【0024】
第1被管理システム110は、さらに、第1中継装置111を備える。第1中継装置111は、グローバルネットワーク200及び第1ローカルネットワークに接続され、グローバルネットワーク200と第1ローカルネットワークとの通信を中継する。第1仲介装置10は、第1中継装置111を介して端末管理装置30と通信可能である。
【0025】
第1中継装置111は、いわゆるブロードバンドルータの機能を備えていてもよい。また、第1中継装置111は、グローバルネットワーク200から第1被管理システム110へのアクセスを制限するためのファイアウォールを備えていてもよい。
【0026】
第2被管理システム120は、基本的には、第1被管理システム110と同様に構成されている。即ち、第2仲介装置20は、基本的に第1仲介装置10と同様に構成されている。また、第2被管理システム120は、第2ローカルネットワーク(不図示)を備える。第2ローカルネットワークは、第1ローカルネットワークと同じ種類のネットワークであってもよいし、第1ローカルネットワークとは異なる種類のネットワークであってもよい。第2被管理システム120は、さらに、第2中継装置121を備える。第2中継装置121は、第1中継装置111と同様の機能を備える。第2仲介装置20は、第2中継装置121を介して端末管理装置30と通信可能である。
【0027】
なお、以下の説明で、単に「端末装置」と言うときは、端末装置41~45のそれぞれを示す。また、単に「被管理システム」と言うときは、第1被管理システム110及び第2被管理システム120のそれぞれを示す。また、単に「仲介装置」と言うときは、第1仲介装置10及び第2仲介装置20のそれぞれを示す。
【0028】
端末管理システム1は、いわゆるモバイル端末管理システム(MDMシステム)の一部を含む。即ち、集中管理装置5は、例えば、MDMシステムのサービスを提供する第1の会社が保有している。一方、端末管理装置30、第1仲介装置10及び第2仲介装置20は、例えば、MDMシステムを利用して各端末装置41~45を管理することを望む第2の会社が保有している。第1仲介装置10は、例えば第2の会社が有する第1の支店に設けられ、第2仲介装置20は、例えば第2の会社が有する第2の支店に設けられていてもよい。
【0029】
集中管理装置5は、MDMシステムにおいて各種の管理対象のモバイル端末(不図示)と通信を行うことによりそれらモバイル端末を管理可能である。集中管理装置5がモバイル端末と通信を行うことによりモバイル端末を管理することは、MDMシステムにおける基本機能の1つである。
【0030】
本実施形態の集中管理装置5は、さらに、当該集中管理装置5と直接通信を行う機能を有していない端末装置を管理可能である。即ち、端末装置の管理者は、集中管理装置5から、端末管理装置30を通じて被管理システムにアクセスする(詳しくは仲介装置にアクセスする)ことにより、被管理システム内の端末装置を管理可能である。
【0031】
管理者は、例えばWebブラウザを用いて集中管理装置5における管理用サイトにアクセスすることにより、端末装置を管理することができる。具体的には、管理者は例えば、管理用サイトにアクセスして端末装置のステータスを確認することができる。また例えば、管理者は、管理用サイトを通じて、端末装置へアクションを要求することができる。
【0032】
また、管理者は、集中管理装置5を介在させずに端末管理装置30に直接アクセスすることによっても、上記同様に端末装置を管理できる。例えば、管理者は、端末管理装置30が備える後述のユーザI/F33を介して、或いはWebブラウザを用いて端末管理装置30における端末管理用サイトにアクセスすることによって、端末装置を管理することができる。なお、「I/F」は「インタフェース」の略称である。
【0033】
(1-2)端末管理装置の構成
図1に示すように、端末管理装置30は、制御部31と、記憶部32と、ユーザI/F33と、通信I/F34とを備える。
【0034】
制御部31は例えばCPUを有する。記憶部32は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリ、SSDなどの半導体メモリを有する。即ち、端末管理装置30は、CPU及び半導体メモリを含むコンピュータを備えている。記憶部32は、例えばハードディスクドライブなどの、半導体メモリとは異なるメモリを備えていてもよい。記憶部32には、オペレーティングシステム、Webサーバ、端末管理プログラム及び管理データベース(以下、「管理DB」と称する)を含む、各種のプログラムやデータ等が記憶されている。
【0035】
制御部31は、記憶部32に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。なお、制御部31により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0036】
管理DBは、管理対象として登録された端末装置(以下、「登録端末」と称する)ごとの管理情報を含む。管理情報は、例えば、登録端末のIPアドレス、シリアル番号、モデル名、所属情報、ステータス情報、ファームウェアのバージョン情報などを含む。モデル名は、端末装置の機種を示す。
【0037】
所属情報は、登録端末が対応付けられている仲介装置を特定する情報である。端末管理装置30は、登録端末の各々を、どの仲介装置を介して管理するかに基づいて区別して登録する。本実施形態では、端末装置41~43はそれぞれ第1仲介装置10に対応づけられており、端末装置44,45はそれぞれ第2仲介装置20に対応づけられている。
【0038】
シリアル番号は、端末装置毎に与えられた、当該端末装置を特定する固有の番号である。シリアル番号は、例えば、MACアドレスであってもよいし、特定の番号であってもよい。
ステータス情報は、端末装置のステータスを示すどのような情報を含んでいてもよい。ステータス情報は、例えば、端末装置において設定されている各種設定値、後述するバッテリ56の残量、バッテリ残量が第1閾値より少ないか否かを示す情報、記録紙の残量、記録紙が枯渇しているか否かを示す情報、印刷枚数カウント値、当該印刷枚数カウント値が第2閾値に到達しているか否かを示す情報、不図示のカバーの開閉状態を示す情報、端末装置が存在している場所を示すロケーション情報、端末装置のユーザ名、などのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。ロケーション情報及びユーザ名は、管理者が端末装置へマニュアル入力可能であってもよい。各種設定値は、例えば、プリンタ機能で用いられるフォント、フォントサイズ、濃度、画質、記録紙サイズ、印刷履歴、着色剤残量などを含んでいてもよい。
【0039】
ユーザI/F33は、例えばキーボードやマウスなど、管理者による各種入力を受け付けるための入力装置を備える。ユーザI/F33は、さらに、例えば液晶パネルやLED表示装置などの、管理者へ各種情報を表示するための表示装置を備える。
【0040】
通信I/F34は、集中管理装置5及び各仲介装置10,20等と通信するためのインタフェースである。通信I/F34は、例えば有線LAN、無線LAN、その他の各種通信のインタフェースであってもよい。本実施形態では、通信I/F34は、グローバルネットワーク200に接続されている。
【0041】
(1-3)仲介装置の構成
本実施形態では、第1仲介装置10及び第2仲介装置20はいずれも同じ構成を備えているため、以下では第1仲介装置10について説明する。
図1に示すように、第1仲介装置10は、制御部11と、記憶部12と、ユーザI/F13と、通信I/F14とを備える。
【0042】
制御部11は例えばCPUを有する。記憶部12は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリ、SSDなどの半導体メモリを有する。即ち、第1仲介装置10は、CPU及び半導体メモリを含むコンピュータを備えている。記憶部12は、例えばハードディスクドライブなどの、半導体メモリとは異なるメモリを備えていてもよい。記憶部12には、OS15、仲介プログラム16及び登録端末リストを含む、各種のプログラムやデータ等が記憶されている。
【0043】
制御部11は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部12が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0044】
登録端末リストは、第1仲介装置10に対応づけされている登録端末を特定する情報を含む。本実施形態では、登録端末リストは、例えば、対応づけされている登録端末のシリアル番号を含む。
【0045】
仲介プログラム16は、集中管理装置5又は端末管理装置30による端末装置の管理を仲介するための各種処理を含む。
図7に示すセルフチェック監視処理は、仲介プログラム16に含まれる。
【0046】
仲介プログラム16は、第1仲介装置10にプリインストールされて提供されてもよい。仲介プログラム16は、例えばCD-ROM、DVD-ROM、USBメモリ、フラッシュメモリなどの記憶媒体に記憶された状態で提供され、第1仲介装置10においてその記憶媒体から仲介プログラム16を読み取らせることによってインストールされてもよい。仲介プログラム16は、インターネットの通信回線を介して第1仲介装置10にダウンロードされることによってインストールされてもよい。
【0047】
以下の説明では、プログラムを実行する主体(例えば第1仲介装置10においては制御部11)のことを、単にプログラム名で記載する場合がある。例えば、「仲介プログラム16が」という記載は、詳しくは「仲介プログラム16を実行する制御部11が」を意味する場合がある。
【0048】
ユーザI/F13は、例えばキーボードやマウスなど、管理者による各種入力を受け付けるための入力装置を備える。ユーザI/F13は、さらに、例えば液晶パネルやLED表示装置などを備える。
【0049】
通信I/F14は、端末管理装置30及び各端末装置41~43等と通信するためのインタフェースである。通信I/F14は、例えば有線LAN、無線LAN、Bluetooth、USBその他の各種通信のインタフェースを備えていてもよい。第1仲介装置10は、端末管理装置30を含む、グローバルネットワーク200に接続されている各装置と、第1中継装置111が備えるファイアウォールを通じて通信する。
【0050】
(1-4)端末装置の構成
次に、各端末装置41~45の構成について説明する。本実施形態では、各端末装置41~45はいずれも同じ構成であるため、以下では端末装置41について
図2を参照して説明する。
【0051】
端末装置41は、制御部51と、記憶部52と、印刷部53と、通信I/F55と、バッテリ56と、電源回路57とを備える。端末装置41は、さらに読取部54を備えていてもよい。
【0052】
制御部51は例えばCPUを有する。記憶部52は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリ、SSDなどの半導体メモリを有する。即ち、端末装置41は、CPU及び半導体メモリを含むコンピュータを備えている。記憶部52には、各種のプログラムやデータ等が記憶されている。
【0053】
制御部51は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部52が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部51により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0054】
記憶部52には、端末装置41のIPアドレス、シリアル番号、モデル名などが記憶されている。記憶部52には、さらに、後述する
図6のセルフチェック処理のプログラムが記憶されている。
【0055】
印刷部53は、前述のプリンタ機能を実現する。読取部54は、前述のスキャン機能を実現する。
通信I/F55は、端末管理装置30及び第1仲介装置10と通信するためのインタフェースである。通信I/F55は、例えば、無線LANによる通信を行うためのインタフェース、有線LANによる通信を行うためのインタフェース、Bluetooth(Bluetooth SIG,Inc.の登録商標)による通信を行うためのインタフェース、USB(Universal Serial Bus)による通信を行うためのインタフェース、のうちの少なくとも1つを備えていてもよい。端末装置41は、どのようなインタフェースを用いて第1仲介装置10と通信してもよい。
【0056】
電源回路57は、バッテリ56の電力から、少なくとも1種類の電源電圧を生成して出力する。端末装置41内の各部は、電源回路57で生成された少なくとも1種類の電源電圧のうちの1つによって動作する。バッテリ56は、一次電池であってもよいし、繰り返し充電可能な二次電池であってもよい。なお、端末装置41は、バッテリ56とは異なる電源から電力供給を受けて動作するように構成されていてもよい。
【0057】
(1-5)管理機能
本実施形態の端末管理システム1は、主に、
図3に模式的に示されている4種類の管理機能を有する。具体的には、端末管理システム1は、アクション指示機能と、定期監視機能と、セルフチェック監視機能と、端末登録機能とを有する。以下、これら4種類の管理機能について具体的に説明する。なお、以下の4種類の機能において、仲介装置により行われる処理は、基本的には、制御部11が仲介プログラム16を実行することにより実現される。また、端末管理装置30により行われる処理は、基本的には、制御部31が前述の端末管理プログラムを実行することにより実現される。また、端末装置で行われる処理も、基本的には、端末装置にインストールされているプログラムが実行されることにより実現される。
【0058】
(1-5-1)アクション指示機能
アクション指示機能は、指示対象の端末装置(以下、「アクション対象端末」と称する)に対して1種類以上のアクションを要求することにより、アクション対象端末にアクションを実行させる機能である。
【0059】
1種類以上のアクションは、例えば、各種設定値の更新指示、ファームウェアの更新指示、ファイルのダウンロード指示、ステータス情報の送信要求などのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、アクション指示機能は、仲介装置に対するアクション指示を含んでいてもよい。例えば、仲介装置の周囲に存在している端末装置(換言すれば仲介装置と同一の被管理システムに存在している端末装置)の検索のためのブロードキャストを仲介装置に要請すること、がアクションの1つであってもよい。
【0060】
アクション指示機能の実行手順の一例を、
図3を参照して以下に説明する。
(1-5-1-a)端末管理装置へのアクション登録
管理者は、端末管理装置30に対して直接、または集中管理装置5を介して端末管理装置30へ、端末装置40~45のうちの1つ以上をアクション対象端末に指定してアクションを登録できる。
【0061】
端末管理装置30の記憶部32には、アクションテーブルが記憶されている。アクションテーブルは、登録されたアクションを示す情報を含む。アクションテーブルに登録されたアクションは、当該アクションが実行されることに応じてアクションテーブルから削除されてもよい。
【0062】
本実施形態の端末管理装置30は、自ら積極的に仲介装置へアクセスしない。その主な理由は、各中継装置111,121におけるファイアウォールによって被管理システムの内部へのアクセスが遮断されるためである。そのため、端末管理装置30は、登録されたアクションの要求を自らは行わない。
【0063】
(1-5-1-b)仲介装置からのアクション確認ポーリング
図3に「A1」で示されているように、仲介プログラム16は、端末管理装置30に対し、定期的にアクション確認ポーリングを送信する。アクション確認ポーリングは、端末管理装置30におけるアクションの登録有無を確認するためのポーリングである。アクション確認ポーリングは、例えばHTTP(Hypertext Transfer Protocol)を用いて行われる。
【0064】
アクション確認ポーリングは、例えば、仲介装置が属する被管理システムに所属している全ての登録端末を特定する識別情報(例えばシリアル番号)を含む。なお、一度のアクション確認ポーリングに全ての登録端末の識別情報が含まれなくてもよい。例えば、1つまたは複数の登録端末毎に個別に順次アクション確認ポーリングが行われてもよい。アクション確認ポーリングは、どのようなタイミングで送信されてもよい。アクション確認ポーリングは、例えば周期的に(例えば1時間毎に)送信されてもよい。
【0065】
(1-5-1-c)端末管理装置からのアクション情報提供
端末管理装置30は、仲介装置からアクション確認ポーリングを受信することに応じて、そのアクション確認ポーリングに含まれる識別情報が示す登録装置に対応したアクションの有無を確認する。アクション確認ポーリングを受信した端末管理装置30は、対応するアクションが登録されている場合に、
図3に「A2」で示されているように、そのアクションを示すアクション情報を、対応する登録端末(即ちアクション対象端末)と紐付けて仲介装置へ送信する。
【0066】
アクション情報及と登録端末との紐付けは、当該アクション情報がどの登録端末に対するアクションであるかを識別できる限りにおいてどのように行われてもよい。本実施形態では、例えば、登録端末のIPアドレスがアクション情報に付加される。
【0067】
(1-5-1-d)アクション情報に基づくアクション指示
仲介装置は、端末管理装置30からアクション情報を取得すると、
図3に「A3」で示されているように、当該アクション情報に紐付けられたアクション対象端末へアクション指示を行う。即ち、当該アクション情報が示すアクションを実行するように指示する。本実施形態では、前述の通り、アクション情報には対応するアクション対象端末のIPアドレスが付加されている。そのため、仲介装置は、そのIPアドレスをもとにアクション対象端末へアクセスし、アクション情報が示すアクションを指示する。
【0068】
(1-5-1-e)端末装置によるアクション実行
アクション対象端末は、仲介装置からアクション指示を受けると、当該アクション指示が示すアクションを実行する。そして、アクション実行後、
図3に「A4」で示されているように、アクションを正常に実行したことを示すアクション完了通知を仲介装置へ送信する。アクション完了通知は、実行したアクションの実行結果を示す情報を含んでいてもよい。具体的には、例えば、アクション実行後の当該アクション対象端末のステータス情報を含んでいてもよい。
【0069】
仲介装置は、端末装置からアクション完了通知を受信すると、端末管理装置30へ、アクションが正常に実行されたことを通知する。この通知においても、アクションの実行結果を示す情報が含まれていてもよい。これにより、管理者は、集中管理装置5及び端末管理装置30のいずれかにアクセスすることで、アクションが実行されたことや実行結果に関する情報を取得できる。
【0070】
(1-5-2)定期監視機能
定期監視機能は、仲介装置が、登録端末からステータス情報を定期的に取得して端末管理装置30へ送信する機能である。端末管理装置30は、ステータス情報を受信すると、ステータス情報に基づいて管理DBを更新する。これにより、管理者は、集中管理装置5及び端末管理装置30のいずれかにアクセスして管理DBを参照することで、登録端末の最新のステータスを確認することができる。
【0071】
定期監視機能の実行手順の一例を、
図3を参照して以下に説明する。
(1-5-2-a)仲介装置による定期ポーリング
図3に「B1」で示されているように、仲介装置は、自身に属している登録端末それぞれに対し、ステータス要求ポーリングを行う。ステータス要求ポーリングは、ステータス情報を要求する指示を含む。
【0072】
本実施形態のステータス要求ポーリングは、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルに従って行われる、いわゆるSNMPポーリングである。なお、SNMPには、バージョン1(SNMPv1)、バージョン2(SNMPv2)及びバージョン3(SNMPv3)が存在する。ステータス要求ポーリングは、どのバージョンのSNMPに従って行われてもよいが、本実施形態では、セキュリティレベルが最も高いSNMPv3に従って行われる。
図3に「C3」で示されているSNMPリクエストについても同様である。SNMPv3は、ユーザ毎のパスワード認証機能や、ユーザ毎にアクセス可能なMIB(Management Information Base)の範囲を定義できるアクセス制御機能などを備えている。
【0073】
ステータス要求ポーリングは、どのようなタイミングで行ってもよい。ステータス要求ポーリングは、例えば一定周期で(例えば30分毎に)行ってもよい。また、仲介装置は、毎回全ての登録端末へポーリングしなくてもよい。即ち、例えばポーリングの実行タイミングが到来する度に、ポーリング対象の端末装置を1つずつまたは所定数ずつ順次切り替えていってもよい。
【0074】
(1-5-2-b)端末装置からのステータス情報送信
端末装置の記憶部52には、SNMPプロトコルで用いられるMIBが保存されている。自身が指定されたステータス要求ポーリングを受信した端末装置は、
図3に「B2」で示されているように、MIBに保存されているステータス情報のうちの一部または全てを仲介装置へ送信する。
【0075】
(1-5-2-c)端末管理装置へのステータス情報通知
仲介装置は、端末装置からステータス情報を受信すると、
図3に「B3」で示されているように、そのステータス情報を端末管理装置30へ送信する。端末管理装置30は、ステータス情報を受信すると、ステータス情報に基づいて「管理データベース」を更新する。
【0076】
(1-5-3)セルフチェック監視機能
セルフチェック監視機能は、端末装置自身がステータスを監視し、ステータス変化を検知した場合に仲介装置へ通知する機能である。検知すべきステータス変化には、例えば、バッテリ残量が一定レベル減少すること、バッテリ残量が第1閾値未満になること、記録紙が枯渇すること、印刷カウントが第2閾値に到達すること、カバーが閉状態から開状態へ変化すること、ロケーションが変更されること、ユーザ名が変更されること、などの複数の事象のうちの少なくとも一つが含まれる。バッテリ残量が一定レベル減少することは、より詳しくは、バッテリ残量が規定初期値(例えば満充電時の残量)から規定%減少する毎を意味する。つまり、規定%が例えば10%である場合、バッテリ残量が規定初期値の90%、80%、70%・・・と10%ずつ減少していく毎に、ステータス変化が生じたと判断する。
【0077】
セルフチェック監視機能の実行手順の一例を、
図3を参照して以下に説明する。
(1-5-3-a)端末装置におけるセルフチェック
端末装置は、セルフチェック機能を有する。セルフチェック機能は、自身のステータスを定期的に(例えば一定周期で)チェックする機能である(
図3の「C1」参照)。セルフチェック機能は、さらに、チェック結果に基づいてステータス変化が生じたか否かを判断することを含む。
【0078】
(1-5-3-b)ステータス変化の検知に基づくステータス情報の送信
端末装置は、ステータス変化を検知した場合、セルフチェック情報を仲介装置へ送信する。セルフチェック情報は、少なくとも変化後の最新のステータスを認識可能な情報を含む。具体的に、セルフチェック情報は、例えば、検知したステータス変化を示す情報、及びステータス変化が生じたステータスを示す情報、のうちの少なくとも一方を含む。セルフチェック情報は、さらに、ステータス変化が検知されたステータスとは異なるステータスを示す情報を含んでいてもよい。つまり、セルフチェック情報は、前述の定期監視機能において端末装置が送信するステータス情報と同種であってもよい。
【0079】
ただし、本実施形態では、端末装置は、ステータス変化を検知した場合、すぐにセルフチェック情報を送信しない。本実施形態では、ステータス変化を検知した端末装置は、仲介装置との間で後述する一連の通信(
図3の「C2」~「C3」参照)を経た上で、セルフチェック情報を仲介装置へ送信する。この一連の通信については後述する。
【0080】
(1-5-3-c)仲介装置から端末管理装置へのステータス情報の送信
仲介装置は、端末装置からセルフチェック情報を受信すると、
図3に「C4」で示されているように、当該セルフチェック情報を端末管理装置30へ送信する。
【0081】
端末管理装置30は、セルフチェック情報を受信すると、セルフチェック情報に基づいて「管理データベース」を更新する。これにより、管理者は、登録端末それぞれの最新のステータスを確認することができる。
【0082】
(1-5-4)端末登録機能
端末登録機能は、仲介装置が、自身を含む被管理システム内に存在する端末装置を検索し、検索された端末装置に関する端末情報を端末管理装置30へ送信して登録要請することにより、端末管理装置30に当該端末装置を管理端末として登録させる機能である。
【0083】
なお、仲介装置自身が登録端末の情報を持っていて端末装置の登録状況を判断できる場合は、検索された端末装置のうち未登録の端末装置に関する端末情報のみを端末管理装置30へ送信して登録要請してもよい。
【0084】
端末登録機能の実行手順の一例を、
図3を参照して以下に説明する。
(1-5-4-a)仲介装置によるブロードキャスト
図3に「D1」で示されているように、仲介装置は、端末装置の検索を目的とするブロードキャストを行う。具体的には、当該ブロードキャストを受信したならば自身に関する端末情報を送信するように要求する。要求する端末情報は、少なくとも端末装置自身を特定可能な情報を含む。具体的には、端末情報は、例えばシリアル番号、モデル名及びIPアドレスを含んでいてもよい。端末情報は、ステータス情報を含んでいてもよい。
【0085】
このブロードキャストは、例えば定期的に行われてもよい。このブロードキャストは、例えば一定周期で(例えば30分毎に)行われてもよい。
(1-5-4-b)端末装置による応答
ブロードキャストを受信した端末装置は、
図3に「D2」で示されているように、端末情報を仲介装置へ送信する。これにより仲介装置は、自身が属する被管理システム内に存在している端末装置を把握できる。
【0086】
(1-5-4-c)端末管理装置への登録要請
ブロードキャストに対する端末情報を取得した仲介装置は、
図3に「D3」で示されているように、端末情報を含む登録要請を端末管理装置30へ送信する。これにより、端末管理装置30において、未登録の端末装置が管理DBに新規に登録される。
【0087】
(1-6)セルフチェック監視機能の詳細
次に、本実施形態のセルフチェック監視機能について、
図3及び
図4を参照してより詳しく説明する。
【0088】
前述の通り、端末装置は、セルフチェック機能によりステータスのセルフチェックを定期的に実行する。端末装置は、ステータス変化を検知した場合、まず、
図3における「C2」及び
図4に示すように、第1通知を「HTTP POST」リクエストにより仲介装置へ送信する。第1通知は、セルフチェック情報を含まない。「HTTP POST」リクエストは、HTTPプロトコルにおいて規定されている送信メソッドの一つである。
【0089】
図5に、「HTTP POST」リクエストの概略構成の一例を示す。
図5に示すように、「HTTP POST」リクエストは、リクエスト部と、ヘッダ部と、空行部と、ボディ部とを備える。リクエスト部は、「HTTP POST」であることを示す「POST/」から始まる。ボディ部には、送信すべきデータが含まれる。本実施形態の第1通知においては、ボディ部に、モデル名とシリアル番号とが、
図5に示す順序で含まれる。
【0090】
図4に例示するように、仲介装置は、起動すると、例えば定期的に、端末装置からの第1通知の受信を待機する。仲介装置は、端末装置から第1通知を受信すると、
図3に「C3」で示されているように、端末装置にセルフチェック情報を要求して取得する。具体的には、
図4に示すように、まず、第1応答を端末装置へ送信する。
【0091】
第1応答の内容は、適正な第1通知を受信できたか否かによって異なる。仲介装置は、受信した第1通知が適正であるか否かを判断する。第1通知が適正か否かはどのような判断基準で判断されてもよい。本実施形態では、例えば、ボディ部のデータ構造が適正か否かに基づいて判断する。具体的には、例えば、ボディ部において、モデル名とシリアル番号とが正規の順序で含まれているか否かに基づいて判断する。
【0092】
そして、第1通知が適正である場合は、仲介装置は、
図4に例示するようにHTTPステータスコード「200」を含む第1応答を端末装置へ送信する。第1通知が適正ではない場合は、仲介装置は、HTTPステータスコード「400」を含む第1応答を端末装置へ送信する。HTTPステータスコードは、HTTPにおいて規定されている3桁の数字からなるコードであり、「200」は適正であることを示し、「400」は不適正であることを示す。
【0093】
第1応答を送信した仲介装置は、続いて、
図4に例示するように、第2応答を端末装置へ送信する。第2応答は、端末装置へセルフチェック情報を要求する。第2応答は、端末装置からの第1通知よりもセキュリティレベルの高いプロトコルにて送信される。
【0094】
「HTTP POST」よりもセキュリティレベルが高いプロトコルは種々存在するが、本実施形態では、「HTTP POST」にない認証機能を備えたSNMPプロトコルを用いて第2応答が送信される。より具体的には、本実施形態では、例えばSNMPv3に基づくSNMPリクエストを含む第2応答が端末装置へ送信される。
【0095】
第1通知を送信した端末装置は、HTTPステータスコード「400」を含む第1応答を受信し、続いて第2応答を受信すると、セルフチェック情報を含む第2通知を仲介装置へ送信する。
【0096】
図4に例示するように、仲介装置は、端末装置から第2通知を受信すると、その第2通知に含まれているセルフチェック情報を端末管理装置30へ送信する。端末管理装置30は、セルフチェック情報を受信すると、前述の通りセルフチェック情報に基づいて「管理データベース」を更新する。端末管理装置30はさらに、受信したセルフチェック情報を集中管理装置5へ送信してもよい。
【0097】
(1-7)端末装置におけるセルフチェック処理
上記のセルフチェック監視機能を実現するために端末装置において実行されるセルフチェック処理について、
図6を参照して説明する。
【0098】
端末装置の制御部51は、起動すると、記憶部52に格納されている
図6のセルフチェック処理のプログラムを読み込んで周期的に繰り返し実行する。制御部51は、セルフチェック処理を開始すると、S110で、ステータスのセルフチェックを実行する。S120では、S110のセルフチェックの結果に基づき、ステータス変化が発生したか否かを判断する。ステータス変化が発生していない場合は、本セルフチェック処理を終了する。ステータス変化が発生した場合は、S130に移行する。
【0099】
S130では、仲介装置へ第1通知を送信する。具体的には、前述の「HTTP POST」リクエストを送信する。S140では、第1通知に対して仲介装置から送信される第1応答を受信する。具体的には、前述のHTTPステータスコードを受信する。
【0100】
S150では、S140で受信した第1応答が「適正」を示しているか否かを判断する。具体的には、第1応答がHTTPステータスコード「200」を含んでいる場合は「適正」を示していると判断し、第1応答がHTTPステータスコード「400」を含んでいる場合は「適正」を示していないと判断する。
【0101】
S150で、第1応答が「適性」を示していないと判断した場合は、本セルフチェック処理を終了する。S150で、第1応答が「適正」を示していると判断した場合は、S160に移行する。
【0102】
S160では、仲介装置から送信される第2応答を受信する。具体的には、ステータス情報を要求するSNMPリクエストを受信する。S170では、仲介装置へ第2通知を送信する。具体的には、SNMPリクエストに対するSNMPレスポンスにてセルフチェック情報を送信する。
【0103】
(1-8)仲介装置におけるセルフチェック監視処理
上記のセルフチェック監視機能を実現するために仲介装置において実行されるセルフチェック監視処理について、
図7を参照して説明する。
【0104】
仲介装置の制御部11は、起動すると、記憶部12に格納されている
図7のセルフチェック監視処理のプログラムを読み込んで実行する。制御部11は、セルフチェック監視処理を開始すると、S210で、端末装置から第1通知を受信したか否かを例えば周期的に判断する。そして、第1通知を受信した場合、S220に移行する。
【0105】
S220では、受信した第1通知が適正であるか否かを判断する。この判断は、前述の通り、本実施形態では例えば「HTTP POST」リクエストにおけるボディ部に基づいて行う。受信した第1通知が不適正である場合は、S240に移行する。S240では、不適正であることを示す第1応答を端末装置へ送信する。具体的には、前述のHTTPステータスコード「400」を含む第1応答を端末装置へ送信する。
【0106】
S220で、受信した第1通知が適正である場合は、S230に移行する。S230では、適正であることを示す第1応答を端末装置へ送信する。具体的には、前述のHTTPステータスコード「200」を含む第1応答を端末装置へ送信する。
【0107】
第1応答の送信に続き、S250で、第2応答を端末装置へ送信する。具体的には、前述の通り、端末装置へセルフチェック情報を要求するためのSNMPリクエストを送信する。S260では、第2応答に対して端末装置から送信される第2通知を受信する。前述の通り、この第2通知に、セルフチェック情報が含まれている。
【0108】
S270では、登録状況の確認を行う。本実施形態では、端末装置から送信される第2通知には、セルフチェック情報のほかに、当該端末装置を特定可能な端末情報が含まれている。S270では、その端末情報をもとに、当該端末装置が登録端末として既に登録されているか否かを判断する。具体的には、例えば、端末管理装置30から登録端末に関する情報を取得し、その情報に基づいて判断してもよい。また例えば、端末情報を端末管理装置30へ送信して、端末管理装置30にて登録有無の確認を実行させ、その確認結果を端末管理装置30から取得することによって、登録有無を判断してもよい。
【0109】
S280では、S270の確認結果に基づいて、第2通知の送信元の端末装置が未登録か否か判断する。すでに登録されている場合は、S300に移行する。まだ登録されていない場合は、S290に移行する。S290では、登録要求処理を実行する。具体的には、端末管理装置30へ、端末情報と共に登録要請を送信することにより、端末管理装置30において当該未登録の端末装置を登録させる。端末管理装置30で当該端末装置が管理対象に登録されると、端末管理装置30から仲介装置へ登録完了を示す通知が送信される。その通知が受信されると、本処理はS300に移行する。
【0110】
S300では、S260で受信したセルフチェック情報を端末管理装置30へ送信する。S300の処理後はS210に移行する。
(1-9)実施形態の効果
以上説明した実施形態によれば、以下の(a)~(d)の効果を奏する。
【0111】
(a)端末装置は、ステータス変化を検知した場合、すぐにセルフチェック情報を送信されず、まずは第1通知を送信する。そして、第1通知に対する仲介装置からの第2応答を受信した場合に、セルフチェック情報を含む第2通知を仲介装置へ送信する。つまり、端末装置は、仲介装置が存在していて仲介装置と通信可能な状態にあることを確認した上で、仲介装置へセルフチェック情報を送信する。
【0112】
このように、第1通知に対する仲介装置からの第2応答を確認した上で第2通知を送信することで、セルフチェック情報の不要な送信を抑えつつ、セルフチェック情報を仲介装置へ適正且つ迅速に送信することができる。つまり、端末装置においてステータス変化が生じたことを、当該ステータス変化に関するセキュリティ性を適正に保ちつつ、仲介装置へ迅速に通知することが可能となる。
【0113】
(b)端末装置は、第1通知を、「HTTP POST」リクエストにより送信する。これに対し、仲介装置は、第1通知のプロトコルよりもセキュリティレベルが高いプロトコルに従って第2応答を送信する。具体的には、「HTTP POST」よりもセキュリティレベルが高く、認証機能を有する、SNMPプロトコル(より具体的にはSNMPv3)に従って第2応答を送信する。
【0114】
そのため、仲介装置は、端末装置のセルフチェック情報を、セキュリティ性能を適正に維持しつつ取得することができる。
(c)仲介装置は、例えば定期監視機能におけるステータス要求ポーリングの周期を短くすれば、端末装置のステータス変化をより早く知ることができる。そのため、ステータス要求ポーリングの周期をごく短く(例えば1秒未満)に設定すれば、最新のステータスを迅速に把握するという観点では、セルフチェック監視機能は必ずしも必要ではないとも言える。
【0115】
しかし、端末装置は、バッテリ56の電力によって動作する。ステータス確認のための定期ポーリングが短周期で頻繁に行われると、その都度応答を送信する必要がある。情報の送信には比較的多くの電力を要するため、短周期での応答送信が繰り返されると、バッテリ56の消耗が早くなり、管理者あるいは端末装置のユーザにとって使い勝手が悪くなる可能性がある。バッテリ56を長く持たせるという観点からすれば、定期ポーリングはできるだけ長い周期で行われる方が好ましい。
【0116】
そこで、本実施形態では、定期ポーリングは比較的長い周期で(例えば30分毎に)行われる。その一方で、定期監視機能とは別にセルフチェック監視機能が設けられ、ステータス変化が生じた場合は端末装置自らが通知する。そのため、管理者は、端末装置のバッテリ56の早期消耗を抑えつつ、ステータス変化を迅速に知ることができる。
【0117】
(d)仲介装置は、端末装置から取得したセルフチェック情報を端末管理装置30へ送信する前に、当該端末装置の登録状況を確認する(S270)。そして、未登録の場合は、まず当該端末装置を管理対象に登録させた上で、セルフチェック情報を送信する。そのため、未登録の端末装置からセルフチェック情報を受信した場合であっても、そのセルフチェック情報を適正に管理することができる。
【0118】
ここで、本開示における文言と本実施形態における文言との対応関係について補足説明する。本実施形態において、第1仲介装置10及び第2仲介装置20はいずれも本開示における情報処理装置の一例に相当する。セルフチェック情報は本開示における変化情報の一例に相当する。第1閾値は本開示における閾値の一例に相当する。印刷部53は本開示における記録部の一例に相当する。
【0119】
S120は本開示の端末装置における検知処理の一例に相当する。S130は本開示の端末装置における第1送信処理の一例に相当する。S160は本開示の端末装置における受信処理の一例に相当する。S170は本開示の端末装置における第2送信処理の一例に相当する。S210は本開示のプログラムにおける第1受信処理の一例に相当する。S250は本開示のプログラムにおける第1送信処理の一例に相当する。S260は本開示のプログラムにおける第2受信処理の一例に相当する。S300は本開示のプログラムにおける第2送信処理の一例に相当する。S270~S280は本開示のプログラムにおける登録判断処理の一例に相当する。S290は本開示のプログラムにおける登録要求処理の一例に相当する。
【0120】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0121】
(2-1)セルフチェック監視機能においては、どのようなステータス変化が検知対象に設定されてもよい。上述のバッテリ残量や記録紙の残量などに基づくステータス変化とは異なるステータス変化が検知対象に設定されてもよい。また、ステータス変化が生じたか否かの判断は、どのような判断基準に基づいて行われてもよい。
【0122】
(2-2)上記実施形態における、第1通知、第1応答、第2応答及び第2通知はそれぞれ、どのような通信プロトコルを用いて送信されてもよい。第1通知、第1応答、第2応答及び第2通知はそれぞれ、上記実施形態とは異なる通信プロトコルを用いて送信されてもよい。
【0123】
(2-3)本開示の適用は、MDMシステムへの適用に限定されない。即ち、本開示は、集中管理装置5を備えていない、MDMシステムとは無関係の端末管理システムに対しても適用可能である。
【0124】
(2-4)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0125】
1…端末管理システム、10…第1仲介装置、11,31,51…制御部、12,32,52…記憶部、14,34,55…通信I/F、16…仲介プログラム、20…第2仲介装置、30…端末管理装置、40~45…端末装置、53…印刷部、54…読取部、56…バッテリ。