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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20241016BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241016BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B41J29/38 104
G03G21/00 398
H04N1/00 885
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020181193
(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公開番号】P2022072012
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】山口 博史
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-156911(JP,A)
【文献】特開2017-220709(JP,A)
【文献】特開2019-012129(JP,A)
【文献】特開2001-285543(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0212573(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
外部からパケットを受信する受信部と、
前記画像形成部に動作電源電圧を供給する通常電力状態と、前記画像形成部に前記動作電源電圧を供給しないことによって前記通常電力状態より消費電力が低減された第1省電力状態と、前記第1省電力状態より消費電力の少ない第2省電力状態とを切り換えるように制御する電力制御部と、
前記通常電力状態に対応した動作モードである通常モードと、前記第1省電力状態に対応した動作モードである第1省電力モードと、前記第2省電力状態に対応した動作モードである第2省電力モードとを切り換えるように制御する動作モード制御部と、
第1時間を計時する第1タイマーとを備え、
前記第1タイマーは、
前記第2省電力モードへ切り換えられた直後に前記第1時間の計時を開始し、前記第1時間の計時が完了するまでは、前記受信部が前記パケットを受信しても前記動作モード制御部による前記第2省電力モードから前記第1省電力モードへの切り換えを抑制し、
前記第1省電力モードにおいて前記受信部が情報要求のパケットを受信した後に、前記第1省電力モードから前記第2省電力モードへ切り換えられた直後は、前記第1時間の計時に代えて、前記第1時間より長い第3時間を計時する、画像形成装置。
【請求項2】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
外部からパケットを受信する受信部と、
前記画像形成部に動作電源電圧を供給する通常電力状態と、前記画像形成部に前記動作電源電圧を供給しないことによって前記通常電力状態より消費電力が低減された第1省電力状態と、前記第1省電力状態より消費電力の少ない第2省電力状態とを切り換えるように制御する電力制御部と、
前記通常電力状態に対応した動作モードである通常モードと、前記第1省電力状態に対応した動作モードである第1省電力モードと、前記第2省電力状態に対応した動作モードである第2省電力モードとを切り換えるように制御する動作モード制御部と、
第1時間を計時する第1タイマーとを備え、
前記第1タイマーは、
前記第2省電力モードへ切り換えられた直後に前記第1時間の計時を開始し、前記第1時間の計時が完了するまでは、前記受信部が前記パケットを受信しても前記動作モード制御部による前記第2省電力モードから前記第1省電力モードへの切り換えを抑制し、
前記通常モードにおいて前記画像形成部が画像形成処理を実行した後に、前記通常モードから前記第2省電力モードへ切り換えられた直後は、前記第1時間の計時に代えて、前記第1時間より短い第4時間を計時する画像形成装置。
【請求項3】
第2時間を計時する第2タイマーを更に備え、
前記第2タイマーは、前記第2省電力モードから前記第1省電力モードへ切り換えられた直後に前記第2時間の計時を開始し、
前記動作モード制御部は、前記第2時間の計時が完了するまでは、前記第1省電力モードを前記第2省電力モードへ切り換えず、かつ前記電力制御部に前記第1省電力状態を前記第2省電力状態へ切り換えさせない、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置は、通信部と、動作モード制御部とを備える。通信部は、ネットワークを介して外部機器と通信する。動作モード制御部は、画像処理要求が多い時間帯には通信部が起動している時間を長くし、画像処理要求が少ない時間帯には通信部が起動している時間を短くする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-100746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の画像形成装置では、ネットワーク通信に係る通信部の消費電力が削減の対象であった。ところが、画像形成装置の全体の省エネ性能から見れば、通信部自体の消費電力よりもむしろ、大量のパケット受信時における動作モード制御部のオーバーヘッドの方が重要である。
【0005】
本発明は、動作モード制御のオーバーヘッドを軽減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、画像形成部と、受信部と、電力制御部と、動作モード制御部と、第1タイマーとを備える。前記画像形成部は、記録媒体に画像を形成する。前記受信部は、外部からパケットを受信する。前記電力制御部は、前記画像形成部に動作電源電圧を供給する通常電力状態と、前記画像形成部に前記動作電源電圧を供給しないことによって前記通常電力状態より消費電力が低減された第1省電力状態と、前記第1省電力状態より消費電力の少ない第2省電力状態とを切り換えるように制御する。前記動作モード制御部は、前記通常電力状態に対応した動作モードである通常モードと、前記第1省電力状態に対応した動作モードである第1省電力モードと、前記第2省電力状態に対応した動作モードである第2省電力モードとを切り換えるように制御する。前記第1タイマーは、第1時間を計時する。前記第1タイマーは、前記第2省電力モードへ切り換えられた直後に前記第1時間の計時を開始し、前記第1時間の計時が完了するまでは、前記受信部が前記パケットを受信しても前記動作モード制御部による前記第2省電力モードから前記第1省電力モードへの切り換えを抑制する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、動作モード制御のオーバーヘッドを軽減することができる画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る画像形成装置の一例を示すブロック図である。
図2】(a)は画像形成装置の動作モード遷移図、(b)は各動作モードの消費電力状態の一例を示す図、(c)は動作モードの遷移要因の一例を説明する図である。
図3】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
図4】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
図5】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
図6】(a)及び(b)は各々動作モードの遷移の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1を参照して、実施形態に係る画像形成装置100について説明する。図1は、画像形成装置100の一例を示すブロック図である。画像形成装置100は、例えばプリンターである。
【0011】
図1に示されるように、画像形成装置100は、印刷エンジン部10、エンジン制御部20、通信部30、操作部40、第1タイマー50、第2タイマー60、電力制御部70、制御部80、及び記憶部90を備える。制御部80は、エンジン制御部20、通信部30、操作部40、第1タイマー50、第2タイマー60、電力制御部70、及び記憶部90に接続されている。
【0012】
印刷エンジン部10は、画像形成部11を有する。画像形成部11は、記録媒体に電子写真方式で画像を形成する。画像形成部11は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及びクリーニング装置を有する。エンジン制御部20は、印刷エンジン部10の動作を制御する。
【0013】
通信部30は、送信部31と、受信部32とを有する。通信部30は、不図示のUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して、外部のパーソナルコンピューターに接続される。送信部31は、USBパケットを外部へ送信する。受信部32は、外部からUSBパケットを受信する。受信されるUSBパケットは、印刷ジョブのパケット、情報要求のパケットのような種々の内容のパケットを含む。
【0014】
操作部40は、ユーザーからの指示を受け付ける。操作部40は、タッチパネル41と、省エネキー42とを含む。タッチパネル41は、各種処理結果を表示する。省エネキー42は、複数の操作キーのうちの1つであって、画像形成装置100の消費電力状態を切り換えるユーザー操作に用いられる。省エネキー42は、押下された時に制御部80へ第1割り込み信号を供給する。
【0015】
第1タイマー50は、設定値に応じた計時を実行する。第1タイマー50は、計時完了時に制御部80へ第2割り込み信号を供給する。第2タイマー60は、他の設定値に応じた計時を実行する。
【0016】
電力制御部70は、通常電力状態と、第1省電力状態と、第2省電力状態との間で、画像形成装置100の消費電力状態を切り換えるように制御する。通常電力状態は、印刷エンジン部10、エンジン制御部20、通信部30、操作部40、及び制御部80に各々動作電源電圧を供給する消費電力状態である。第1省電力状態は、印刷エンジン部10及びエンジン制御部20に動作電源電圧を供給しないことによって、通常電力状態より消費電力が低減された消費電力状態である。第1省電力状態でも、通信部30、操作部40、及び制御部80には各々動作電源電圧が供給される。第2省電力状態は、制御部80に動作電源電圧を供給しないことによって、第1省電力状態より消費電力が低減された消費電力状態である。第2省電力状態でも、通信部30及び操作部40には各々動作電源電圧が供給される。
【0017】
電力制御部70は、制御部80から受けた指示に従って画像形成装置100の消費電力状態を切り換える。更に、省エネキー42の第1割り込み信号と、第1タイマー50の第2割り込み信号とが電力制御部70に供給される。第1割り込み信号又は第2割り込み信号が電力制御部70に供給されたとき、制御部80への動作電源電圧の供給が開始するように、電力制御部70は、第2省電力状態を第1省電力状態に切り換える。
【0018】
記憶部90は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。記憶部90は、半導体メモリーのような主記憶装置と、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。
【0019】
制御部80は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含み、記憶部90に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、画像形成装置100の各構成を制御する。また、制御部80は、記憶部90に記憶されたコンピューターを実行することにより、動作モード制御部81として機能する。
【0020】
動作モード制御部81は、通常モードM1と、第1省電力モードM2と、第2省電力モードM3との間で画像形成装置100の動作モードを切り換えるように制御する。通常モードM1は、通常電力状態に対応した動作モードである。第1省電力モードM2は、第1省電力状態に対応した動作モードである。第2省電力モードM3は、第2省電力状態に対応した動作モードである。
【0021】
次に、図1図2(a)、図2(b)、及び図2(c)を参照して、画像形成装置100の動作モードについて詳細に説明する。図2(a)は、画像形成装置100の動作モード遷移図である。図2(b)は、各動作モードの消費電力状態の一例を示す図である。図2(c)は、動作モードの遷移要因の一例を説明する図である。
【0022】
図2(a)に示されるように、画像形成装置100の動作モードは、第1要因X1の生起により、通常モードM1から第2省電力モードM3へ移行する。画像形成装置100の動作モードは、第2要因X2の生起により、第2省電力モードM3から第1省電力モードM2へ復帰する。画像形成装置100の動作モードは、第3要因X3の生起により、第1省電力モードM2から第2省電力モードM3へ移行する。更に、画像形成装置100の動作モードは、第4要因X4の生起により、第1省電力モードM2から通常モードM1へ復帰する。
【0023】
図2(b)に示されるように、通常モードM1では、印刷エンジン部10、エンジン制御部20、通信部30、操作部40、及び制御部80の各々が電源オン状態である。第1省電力モードM2では、通信部30、操作部40、及び制御部80の各々が電源オン状態であり、印刷エンジン部10及びエンジン制御部20が電源オフ状態である。第2省電力モードM3では、通信部30及び操作部40が電源オン状態であり、印刷エンジン部10、エンジン制御部20、及び制御部80が電源オフ状態である。ただし、第2省電力モードM3では、通信部30のうち送信部31が電源オフ状態でもよい。また、第2省電力モードM3では、操作部40のうちタッチパネル41が電源オフ状態でもよい。
【0024】
図2(c)に示されるように、第1要因X1は、省エネキー42の押下、又は第2タイマー60の計時完了である。第2要因X2は、省エネキー42の割り込み、又は第1タイマー50の割り込みである。第3要因X3は、第2タイマー60の計時完了である。第4要因X4は、印刷ジョブのパケット受信、又は省エネキー42の押下である。
【0025】
通常モードM1で省エネキー42が押下されると、第2省電力モードM3への移行が生じる。第2省電力モードM3で省エネキー42が押下されると、制御部80に第1割り込み信号が供給されて、第1省電力モードM2への復帰が生じる。第1省電力モードM2で省エネキー42が押下されると、通常モードM1への復帰が生じる。また、通常モードM1で第2タイマー60が計時完了すると、第2省電力モードM3への移行が生じる。第1省電力モードM2で第2タイマー60が計時完了した場合も、第2省電力モードM3への移行が生じる。
【0026】
次に、図1図3を参照して、制御部80の処理について説明する。図3は、制御部80の通常モードM1の処理を示すフローチャートである。
【0027】
ステップS101:図3に示されるように、制御部80は、外部から印刷ジョブを受け取ったか否かを判定する。印刷ジョブを受け取ったと制御部80が判定した場合(ステップS101でYes)には、制御部80の処理がステップS103へ進む。印刷ジョブを受け取っていないと制御部80が判定した場合(ステップS101でNo)には、制御部80の処理がステップS107へ進む。
【0028】
ステップS103:制御部80は、エンジン制御部20を介して印刷エンジン部10の動作を制御することによって、画像形成部11に画像形成処理を実行させる。ステップS103の処理が完了すると、制御部80の処理がステップS105へ進む。
【0029】
ステップS105:制御部80は、第2タイマー60に待機時間TWを設定して計時動作を開始させる。ステップS105の処理が完了すると、制御部80の処理がステップS107へ進む。
【0030】
ステップS107:制御部80は、省エネキー42が押下されたか否かを判定する。省エネキー42が押下されたと制御部80が判定した場合(ステップS107でYes)には、制御部80の処理がステップS111へ進む。省エネキー42が押下されていないと制御部80が判定した場合(ステップS107でNo)には、制御部80の処理がステップS109へ進む。
【0031】
ステップS109:制御部80は、第2タイマー60が計時完了したか否かを判定する。第2タイマー60が計時完了したと制御部80が判定した場合(ステップS109でYes)には、制御部80の処理がステップS111へ進む。第2タイマー60が計時完了していないと制御部80が判定した場合(ステップS109でNo)には、制御部80の処理がステップS101へ戻る。
【0032】
ステップS111:制御部80は、通常モードM1から第2省電力モードM3への移行を決定する。ステップS111の処理が完了すると、制御部80の処理がステップS113へ進む。
【0033】
ステップS113:制御部80は、第1タイマー50に第1時間T1を設定して計時動作を開始させる。ステップS113の処理が完了すると、制御部80の処理がステップS115へ進む。
【0034】
ステップS115:制御部80は、電力制御部70へ第2省電力状態を指示する。ステップS115の処理が完了すると、制御部80の処理が終了する。
【0035】
次に、図1図4を参照して、制御部80の処理について更に説明する。図4は、制御部80の割り込み処理を示すフローチャートである。省エネキー42から第1割り込み信号が供給され、又は第1タイマー50から第2割り込み信号が供給されたとき、電力制御部70が制御部80への動作電源電圧の供給を開始した後、制御部80によって図4の割り込み処理が実行される。
【0036】
ステップS201:図4に示されるように、制御部80は、第2省電力モードM3から第1省電力モードM2への復帰を決定する。ステップS201の処理が完了すると、制御部80の処理がステップS203へ進む。
【0037】
ステップS203:制御部80は、第2タイマー60に第2時間T2を設定して計時動作を開始させる。ステップS203の処理が完了すると、制御部80の処理が図5に示された第1省電力モードM2の処理へ進む。
【0038】
次に、図1図5を参照して、制御部80の処理について更に説明する。図5は、制御部80の第1省電力モードM2の処理を示すフローチャートである。
【0039】
ステップS301:図5に示されるように、制御部80は、受信部32によるパケット受信があるか否かを判定する。パケット受信があると制御部80が判定した場合(ステップS301でYes)には、制御部80の処理がステップS303へ進む。パケット受信がないと制御部80が判定した場合(ステップS301でNo)には、制御部80の処理がステップS315へ進む。
【0040】
ステップS303:制御部80は、受信部32が受信したパケットが印刷ジョブのパケットであるか否かを判定する。受信したパケットが印刷ジョブのパケットであると制御部80が判定した場合(ステップS303でYes)には、制御部80の処理がステップS305へ進む。受信したパケットが印刷ジョブのパケットでないと制御部80が判定した場合(ステップS303でNo)には、制御部80の処理がステップS311へ進む。
【0041】
ステップS305:制御部80は、第1省電力モードM2から通常モードM1への復帰を決定する。ステップS305の処理が完了すると、制御部80の処理がステップS307へ進む。
【0042】
ステップS307:制御部80は、第2タイマー60に待機時間TWを設定して計時動作を開始させる。ステップS307の処理が完了すると、制御部80の処理がステップS309へ進む。
【0043】
ステップS309:制御部80は、電力制御部70へ通常電力状態を指示する。ステップS309の処理が完了すると、制御部80の処理が図3に示された通常モードM1の処理へ進む。
【0044】
ステップS311:制御部80は、受信部32が受信したパケットが情報要求のパケットであるか否かを判定する。受信したパケットが情報要求パケットであると制御部80が判定した場合(ステップS311でYes)には、制御部80の処理がステップS313へ進む。受信したパケットが情報要求パケットでないと制御部80が判定した場合(ステップS311でNo)には、制御部80の処理がステップS301へ戻る。
【0045】
ステップS313:制御部80は、送信部31にステータス情報を送信させる。例えば、ステータス情報は、用紙残量及びトナー残量の各情報を含む。ステップS313の処理が完了すると、制御部80の処理がステップS317へ進む。
【0046】
ステップS315:制御部80は、省エネキー42が押下されたか否かを判定する。省エネキー42が押下されたと制御部80が判定した場合(ステップS315でYes)には、制御部80の処理がステップS305へ進む。省エネキー42が押下されていないと制御部80が判定した場合(ステップS315でNo)には、制御部80の処理がステップS317へ進む。
【0047】
ステップS317:制御部80は、第2タイマー60が計時完了したか否かを判定する。第2タイマー60が計時完了したと制御部80が判定した場合(ステップS317でYes)には、制御部80の処理がステップS319へ進む。第2タイマー60が計時完了していないと制御部80が判定した場合(ステップS317でNo)には、制御部80の処理がステップS301へ戻る。
【0048】
ステップS319:制御部80は、第1省電力モードM2から第2省電力モードM3への移行を決定する。ステップS319の処理が完了すると、制御部80の処理がステップS321へ進む。
【0049】
ステップS321:制御部80は、第1タイマー50に第1時間T1を設定して計時動作を開始させる。ステップS321の処理が完了すると、制御部80の処理がステップS323へ進む。
【0050】
ステップS323:制御部80は、電力制御部70へ第2省電力状態を指示する。ステップS323の処理が完了すると、制御部80の処理が終了する。
【0051】
次に、図1図5図6(a)、及び図6(b)を参照して、動作モードの遷移タイミングについて説明する。図6(a)及び図6(b)は、各々動作モードの遷移の一例を示すタイミングチャートである。
【0052】
図6(a)に示されるように、第1要因X1の生起により画像形成装置100の動作モードが通常モードM1から第2省電力モードM3へ切り換えられた直後に、第1タイマー50が第1時間T1の計時を開始する。第1タイマー50は、第1時間T1の計時が完了するまでは、受信部32が大量のパケットを受信しても動作モード制御部81による第2省電力モードM3から第1省電力モードM2への切り換えを抑制する。したがって、動作モード制御部81を含む制御部80のオーバーヘッドが軽減されて、例えばTEC(Typical Electricity Consumption)値で示される省エネ性能が向上する。
【0053】
図6(a)に更に示されるように、第1タイマー50の第2割り込み信号を内容とする第2要因X2の生起により、画像形成装置100の動作モードは、第2省電力モードM3から第1省電力モードM2へ切り換えられる。第2タイマー60は、第2省電力モードM3から第1省電力モードM2へ切り換えられた直後に第2時間T2の計時を開始する。動作モード制御部81は、第2時間T2の計時が完了するまでは、第1省電力モードM2を第2省電力モードM3へ切り換えず、かつ電力制御部70に第1省電力状態を第2省電力状態へ切り換えさせない。
【0054】
図6(a)に更に示されるように、第2タイマー60の計時完了を内容とする第3要因X3の生起により、画像形成装置100の動作モードは、第1省電力モードM2から第2省電力モードM3へ切り換えられる。第1タイマー50は、第1省電力モードM2から第2省電力モードM3へ切り換えられた直後に再度第1時間T1の計時を開始する。ただし、第1省電力モードM2において受信部32が情報要求のパケットを受信した場合には、第1タイマー50は、第1時間T1の計時に代えて、第1時間T1より長い第3時間T3を計時してもよい。受信部32が情報要求のパケットを再度受信する可能性が低くなるからである。
【0055】
図6(b)に示されるように、第1タイマー50の第2割り込み信号を内容とする第2要因X2の生起により、画像形成装置100の動作モードは、第2省電力モードM3から第1省電力モードM2へ切り換えられる。第2タイマー60は、第2省電力モードM3から第1省電力モードM2へ切り換えられた直後に第2時間T2の計時を開始する。ただし、第2タイマー60による第2時間T2の計時が完了する前に、受信部32による印刷ジョブのパケット受信を内容とする第4要因X4が生起すると、画像形成装置100の動作モードは、第1省電力モードM2から通常モードM1へ切り換えられる。画像形成部11は、画像形成処理を実行する。印刷ジョブの完了後に、第2タイマー60は、待機時間TWの計時を開始する。その後、第2タイマー60の計時完了を内容とする第1要因X1の生起により、画像形成装置100の動作モードは、通常モードM1から第2省電力モードM3へ切り換えられる。第1タイマー50は、通常モードM1から第2省電力モードM3へ切り換えられた直後に再度第1時間T1の計時を開始する。ただし、通常モードM1において画像形成部11が画像形成処理を実行した場合には、第1タイマー50は、第1時間T1の計時に代えて、第1時間T1より短い第4時間T4を計時してもよい。受信部32が情報要求のパケットを再度受信する可能性が高くなるからである。
【0056】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0057】
実施形態では、画像形成装置100がプリンターであったが、これに限られない。画像形成装置100は、印刷機能を含む複数の機能を備えた複合機(MFP:Multi Function Peripheral)であってもよい。
【0058】
また、実施形態では、画像形成装置100が電子写真方式であったが、これに限られない。画像形成装置100は、インクジェット方式であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 印刷エンジン部
11 画像形成部
30 通信部
31 送信部
32 受信部
40 操作部
41 タッチパネル
42 省エネキー
50 第1タイマー
60 第2タイマー
70 電力制御部
80 制御部
81 動作モード制御部
100 画像形成装置
M1 通常モード
M2 第1省電力モード
M3 第2省電力モード
図1
図2
図3
図4
図5
図6