(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】商品収納装置及び商品載置棚
(51)【国際特許分類】
G07F 11/58 20060101AFI20241016BHJP
G07F 7/08 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G07F11/58 F
G07F7/08 Q
(21)【出願番号】P 2020191162
(22)【出願日】2020-11-17
【審査請求日】2023-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】小貝 善輝
(72)【発明者】
【氏名】市原 史基
(72)【発明者】
【氏名】垣内 拓真
(72)【発明者】
【氏名】堀口 剛史
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-164112(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110473339(CN,A)
【文献】特開平10-302140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/00-11/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品収納通路の延在方向に沿って商品を一列に並ぶよう収納するとともに、前記商品収納通路の延在方向に沿って商品を搬送して最下流位置の商品を払い出すことが可能な商品収納装置であって、
前記商品の搬送方向に沿って設けられた一対のプーリに無端状に張設されて前記プーリの回転によって自身の延在方向に変位するものであり、かつ前記プーリ間における上方側延在部分が前記商品収納通路を構成する索状体と、
前記索状体にその延在方向に沿って設けられ、かつ前記索状体の前記上方側延在部分において自身の上面に商品が載置されることを許容する複数の載置部と、
前記複数の載置部の相互間に設けられ、前記索状体の前記上方側延在部分においては自身に設けられた仕切板部材を起立姿勢で保持することが可能な仕切部と
を備え
、
前記仕切部は、前記仕切板部材を、前記起立姿勢と、前記搬送方向上流側に隣接する載置部の上面に載置された横倒姿勢との間で揺動可能に備えたものであり、
前記最下流位置の商品を載置する載置部の前記搬送方向下流側に隣接する仕切部の前記仕切板部材が起立姿勢である場合には、前記商品収納通路に商品有りと検知する一方、前記仕切部の前記仕切板部材が横倒姿勢である場合には、前記商品収納通路に商品無しと検知する売切検知部を備えたことを特徴とする商品収納装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の商品収納装置が左右方向に沿って並設されて構成されたことを特徴とする商品載置棚。
【請求項3】
前記商品収納装置のそれぞれにおける前記プーリを回転させるための共通の駆動源を備え、
前記商品収納装置は、常態においては、前記駆動源からの駆動力を前記プーリに伝達することを規制する一方、払出指令が与えられた場合には、前記駆動源からの駆動力を前記プーリに伝達して前記索状体を変位させる伝達機構を備えたことを特徴とする請求項
2に記載の商品載置棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品収納装置及び商品載置棚に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、商品収納通路の延在方向に沿って商品を一列に並ぶよう収納する商品収納装置として、前後一対のプーリに無端状に張設された搬送ベルトにより構成されたものが知られている。この搬送ベルトは、プーリ間における上方側延在部分の上面が商品を一列に整列する載置面として形成されており、これにより上方側延在部分が商品収納通路を構成している。
【0003】
そのような商品収納装置では、プーリの回転によって載置面に載置された商品を前方から後方に向けて、あるいは後方から前方に向けて搬送することができ、搬送方向の最下流位置の商品を払い出すことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した商品収納装置では、搬送ベルトの上面に載置された商品を搬送するようにしていたので、搬送ベルトの1回の変位量(搬送量)の間隔で商品を載置面に装填する必要があり、しかも振動等の外的要因によって商品の位置ずれが生じやすかった。そのため、搬送ベルトを所定量変位させても、最下流位置の商品の払い出しに不具合が生ずる虞れがあった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、商品の位置ずれの発生を抑制して、最下流位置の商品を良好に払い出すことができる商品収納装置及び商品載置棚を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る商品収納装置は、商品収納通路の延在方向に沿って商品を一列に並ぶよう収納するとともに、前記商品収納通路の延在方向に沿って商品を搬送して最下流位置の商品を払い出すことが可能な商品収納装置であって、前記商品の搬送方向に沿って設けられた一対のプーリに無端状に張設されて前記プーリの回転によって自身の延在方向に変位するものであり、かつ前記プーリ間における上方側延在部分が前記商品収納通路を構成する索状体と、前記索状体にその延在方向に沿って設けられ、かつ前記索状体の前記上方側延在部分において自身の上面に商品が載置されることを許容する複数の載置部と、前記複数の載置部の相互間に設けられ、前記索状体の前記上方側延在部分においては自身に設けられた仕切板部材を起立姿勢で保持することが可能な仕切部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記商品収納装置によれば、前記仕切部は、前記仕切板部材を、前記起立姿勢と、前記搬送方向上流側に隣接する載置部の上面に載置された横倒姿勢との間で揺動可能に備えたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記商品収納装置によれば、前記最下流位置の商品を載置する載置部の前記搬送方向下流側に隣接する仕切部の前記仕切板部材が起立姿勢である場合には、前記商品収納通路に商品有りと検知する一方、前記仕切部の前記仕切板部材が横倒姿勢である場合には、前記商品収納通路に商品無しと検知する売切検知部を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る商品載置棚は、上記商品収納装置が左右方向に沿って並設されて構成されたことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記商品載置棚において、商品収納装置のそれぞれにおけるプーリを回転させるための共通の駆動源を備え、商品収納装置は、常態においては、駆動源からの駆動力をプーリに伝達することを規制する一方、払出指令が与えられた場合には、駆動源からの駆動力をプーリに伝達して索状体を変位させる伝達機構を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品の搬送方向に沿って設けられた一対のプーリに無端状に張設され、かつプーリの回転によって自身の延在方向に変位する索状体が、プーリ間における上方側延在部分が商品収納通路を構成し、索状体にその延在方向に沿って設けられた複数の載置部が、索状体の上方側延在部分において自身の上面に商品が載置されることを許容し、索状体における複数の載置部の相互間に設けられた仕切部が、索状体の上方側延在部分においては自身に設けられた仕切板部材を起立姿勢で保持することが可能なので、商品収納通路にて起立姿勢の仕切板部材の相互間の載置部の上面に商品を載置させることができる。これにより、振動等の外的要因によって載置部の上面に載置された商品が移動してしまうことを起立姿勢の仕切板部材により規制することができる。よって、商品の位置ずれの発生を抑制して、最下流位置の商品を良好に払い出すことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態である商品収納装置及び商品載置棚が適用されたショーケース兼用自動販売機の内部構造を示す断面側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したショーケース兼用自動販売機の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示したショーケース兼用自動販売機において、前面開口を通じて商品を取り出し可能な状態を示す断面側面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した商品載置棚の外観構成を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1に示した商品載置棚の外観構成を示す斜視図である。
【
図20】
図20は、商品載置棚と搬送トレイとの位置関係を示す斜視図である。
【
図21】
図21は、
図1に示したショーケース兼用自動販売機において、商品の販売動作を示す断面側面図である。
【
図22】
図22は、
図1に示したショーケース兼用自動販売機において、商品の販売動作を示す断面側面図である。
【
図23】
図23は、
図1に示したショーケース兼用自動販売機において、商品の販売動作を示す断面側面図である。
【
図24】
図24は、
図1に示したショーケース兼用自動販売機において、商品の販売動作を示す断面側面図である。
【
図25】
図25は、本発明の実施の形態である商品収納装置の変形例の要部を拡大して示す説明図である。
【
図26】
図26は、本発明の実施の形態である商品収納装置の変形例の要部を拡大して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品収納装置及び商品載置棚の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態である商品収納装置及び商品載置棚が適用されたショーケース兼用自動販売機の内部構造を示す断面側面図であり、
図2は、
図1に示したショーケース兼用自動販売機の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
【0016】
ここで例示するショーケース兼用自動販売機10は、例えばコンビニエンスストア等の店舗1に設置されており、装置本体11及び制御部50を備えている。
【0017】
装置本体11は、直方状の断熱筐体であり、前面を成す前壁部12が店舗1の内部を臨む一方、外面を成す後壁部13が店舗1の外部を臨む態様で、店舗1の壁4を貫通して設置されている。この装置本体11は、前壁部12に前面開口12aが形成されるとともに、後壁部13に後面開口13aが形成されており、前面扉14、後面扉15、収納室16、通風路17及び商品取出扉18が設けられている。
【0018】
前面扉14は、上記前面開口12aを覆うのに十分な大きさを有した断熱扉であり、上記前面開口12aの開口縁部を構成する一側縁部に前後方向に沿って揺動可能に設けられている。この前面扉14は、揺動することにより前面開口12aを開閉するものであり、より詳細に説明すると、
図3に示すように前方に向けて揺動することにより前面開口12aを開放する一方、後方に向けて揺動することにより前面開口12aを閉塞するものである。
【0019】
また前面扉14には、図には明示しないが、矩形状の開口が形成されるとともに、この矩形状の開口を閉塞する態様で断熱性ガラスの板材が嵌め込まれることにより窓部が設けられている。よって、かかる窓部を通じて装置本体11の内部が視認可能である。
【0020】
後面扉15は、上記後面開口13aを覆うのに十分な大きさを有した断熱扉であり、上記後面開口13aの開口縁部を構成する一側縁部に前後方向に沿って揺動可能に設けられている。この後面扉15は、揺動することにより後面開口13aを開閉するものであり、より詳細に説明すると、後方に向けて揺動することにより後面開口13aを開放する一方、前方に向けて揺動することにより後面開口13aを閉塞するものである。そのような後面扉15は、図示せぬロック機構により後面開口13aを閉塞した状態に保持されている。
【0021】
また後面扉15には、液晶ディスプレイからなるディスプレイ装置15aが設けられているとともに、図には明示しないが、電子マネー搭載の記録媒体(ICカード、携帯電話等)により電子マネー決済を行うための通信部が設けられている。
【0022】
ディスプレイ装置15aはタッチパネル式画面となっており、販売する商品及び商品価格を表示する表示手段としての機能を有するとともに、購入者により商品を表示する部分が押圧されると当該商品が選択された旨の信号を制御部50に与える操作部15bを有するものである。
【0023】
収納室16は、装置本体11に内部において、上記前面開口12aを臨む態様で形成された室である。この収納室16は、装置本体11の後壁部13、すなわち上記後面開口13aを閉塞する後面扉15を含む後壁部13により背面が構成されている。
【0024】
この収納室16には、左右一対となる態様で立設された棚支柱19に、商品載置棚20が上下方向に沿って複数段設置されている。これら商品載置棚20は、その構成については後述するが、棚支柱19に対して前方に向けて延在するよう取り付けられた左右一対のブラケット部材21に架設されている。
【0025】
通風路17は、収納室16の下方側に配置された下側空気通路17aと、収納室16の上方側に配置された上側空気通路17bとを備えて構成されている。
【0026】
下側空気通路17aは、収納室16の前方下部に開口する吸込口23に連通するものであり、上記後壁部13との間に上方を臨む態様で出口24が形成されている。この下側空気通路17aには、下側送風ファン25が設置されている。
【0027】
下側送風ファン25は、制御部50から与えられる指令に応じて駆動するものであり、駆動する場合に、吸込口23を通じて空気を下側空気通路17aに吸い込み、該下側空気通路17aを通過した空気を出口24より送出するものである。
【0028】
上側空気通路17bは、収納室16の前方上部に開口する吹出口26に連通するものであり、後方を臨む態様で入口27が形成されている。この上側空気通路17bには、上側送風ファン28及び蒸発器29が設置されている。
【0029】
上側送風ファン28は、制御部50から与えられる指令に応じて駆動するものであり、駆動する場合に、入口27を通じて空気を上側空気通路17bに導入し、該上側空気通路17bを通過した空気を吹出口26より収納室16に吹き出させるものである。
【0030】
蒸発器29は、圧縮機30、凝縮器及び膨張機構(ともに図示せず)と冷媒管路で接続されて冷媒を循環させる冷凍サイクルを構成している。圧縮機30は、制御部50から与えられる指令により駆動するもので、駆動する場合に冷媒を圧縮するものである。凝縮器は、圧縮機30で圧縮された冷媒を凝縮させて放熱させるものである。膨張機構は、凝縮器で凝縮した冷媒を断熱膨張させて低温低圧の状態にさせるものである。
【0031】
この蒸発器29は、上側空気通路17bを通過する空気と、膨張機構で低温低圧の状態にされた冷媒とを熱交換させるもの、より詳細には、低温低圧の冷媒を蒸発させることにより上側空気通路17bを通過する空気を冷却するものである。この蒸発器29で蒸発した冷媒は、圧縮機30に吸引されて冷凍サイクルを循環することになる。
【0032】
商品取出扉18は、装置本体11の後壁部13の後面開口13aの下方部に設けられた商品取出口13bを覆うのに十分な大きさを有した断熱扉であり、該商品取出口13bの開口上縁部に前後方向に沿って揺動可能に設けられている。この商品取出扉18は、揺動することにより商品取出口13bを開閉するものであり、より詳細に説明すると、後方に向けて揺動することにより商品取出口13bを開放する一方、前方に向けて揺動することにより商品取出口13bを閉塞するものである。
【0033】
かかる商品取出扉18は、上述した後壁部13や後面扉15とともに、収納室16の背面を構成しており、上述した下側空気通路17aの出口24よりも上方側に配置されている。
【0034】
上記収納室16において、商品載置棚20の後方域には、その両側に左右一対となる態様で搬送レール32が設けられており、これら搬送レール32間を搬送トレイ33が上下方向に沿って移動可能に設けられている。つまり、搬送レール32間には、搬送トレイ33を通過させるための移動経路34が形成されている。この移動経路34の下端部分は、商品取出位置35となっている。ここで商品取出位置35は、搬送トレイ33により搬送された商品を、該搬送トレイ33に載置された状態のまま、商品取出口13bを通じて利用者が取り出すことができる位置である。
【0035】
制御部50は、上述した操作部15b、下側送風ファン25、上側送風ファン28及び圧縮機30の他に、搬送機構41、取出扉開閉検知部42及び取出扉ロック機構43と電気的に接続されており、同じく電気的に接続された記憶部51に記憶されたプログラムやデータに従って、ショーケース兼用自動販売機10の動作等を統括的に制御するものである。尚、制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
【0036】
搬送機構41は、搬送モータ41a及びトレイ検知部41bを備えている。搬送モータ41aは、制御部50から与えられる指令に応じて駆動する駆動源である。トレイ検知部41bは、搬送モータ41aの回転を検知するエンコーダ等により構成されるもので、搬送トレイ33の位置を検知するものである。これにより搬送機構41は、搬送レール32の間で、搬送トレイ33を上下に移動させるものである。また搬送機構41は、待機状態において、搬送トレイ33を商品取出位置35に配置させるものである。
【0037】
取出扉開閉検知部42は、商品取出口13bの近傍に設けられており、例えば光センサ等で構成されるものである。この取出扉開閉検知部42は、商品取出扉18による商品取出口13bの開閉を検知するものであり、より詳細には、商品取出口13bが閉成、すなわち商品取出扉18が閉となるか否かを検知するものである。かかる取出扉開閉検知部42は、商品取出扉18が閉となるか否かの検知結果を制御部50に与えるものである。
【0038】
取出扉ロック機構43は、商品取出口13bの近傍に設けてある。この取出扉ロック機構43は、商品取出口13bを閉成する商品取出扉18が閉となる状態を保持させて該商品取出扉18が後方に向けて揺動することを規制するロック状態と、該商品取出扉18が後方に向けて揺動することを許容する解除状態との間で択一的に切替可能なものである。かかる取出扉ロック機構43の切り替えは、制御部50から与えられる指令に応じて行われる。
【0039】
図4及び
図5は、それぞれ
図1に示した商品載置棚20の外観構成を示す斜視図である。これら
図4及び
図5に示すように、商品載置棚20は、それぞれ商品を前後方向に沿って収納する複数の商品コラム(商品収納装置)60が左右に並設されて構成されている。
【0040】
図6~
図8は、それぞれ
図4及び
図5に示した商品コラム60の外観構成を示す斜視図である。商品コラム60は、それぞれ同様の構成を有しているので、以下においては、1つの商品コラム60の構成について説明し、その他の商品コラム60の構成については説明を割愛する。
【0041】
図6~
図8に示すように、商品コラム60は、コラム本体61を備えている。コラム本体61は、複数の鋼板により組み立てられたものであり、前面、後面及び上面に開口を有しつつ前後方向が長手方向となる直方状を成している。このコラム本体61の内部には、払出機構62、載置部63、仕切部64、最下流位置検知部65及び売切検知部66が設けられている。
【0042】
払出機構62は、
図9にも示すように、前後一対となる態様で自身の中心軸回りに回転可能に設けられたプーリ621,622間に、搬送チェーン(索状体)623が無端状に張設されることにより構成されている。
【0043】
前方側のプーリ621は、
図10~
図12に示すように、中心軸部621aが円筒状の形態を成しており、その中空部分621a1が回転駆動軸71に貫通されている。回転駆動軸71は、例えば六角柱等の多角柱形状を成しており、右端部が払出駆動ユニット(
図4及び
図5参照)70に連結されている。この払出駆動ユニット70は、駆動源である払出モータ72を内蔵している。払出モータ72は、制御部50から与えられる指令に応じて駆動するものである。よって、回転駆動軸71は、払出モータ72が駆動する場合に、自身の中心軸回りに右方から見て時計回りに回転可能である。
【0044】
そのような払出機構62には、伝達機構80が設けられている。伝達機構80は、クラッチモータ81、スライダ82及びドッククラッチ83を備えて構成されている。クラッチモータ81は、自身に形成された貫通孔80bが回転駆動軸71に貫通された機構本体部80aに収容されており、制御部50から与えられる指令に応じて正転駆動若しくは逆転駆動するものである。
【0045】
スライダ82は、例えば樹脂材により構成されており、機構本体部80aにおいて左右方向に沿ってスライド可能に設けられている。このようなスライダ82は、モータ係合部821及びスライダ保持部822を有している。
【0046】
モータ係合部821は、内部に雌ネジ(図示せず)が形成されており、クラッチモータ81の出力軸81aに連係された雄ネジ81bと螺合することで該クラッチモータ81と係合する部位である。これによりスライダ82は、クラッチモータ81が正転駆動することで雄ネジ81bが一方向に回転する場合には、該クラッチモータ81に近接する態様で右方にスライドする一方、クラッチモータ81が逆転駆動することで雄ネジ81bが他方向に回転する場合には、該クラッチモータ81から離隔する態様で左方にスライドするものである。
【0047】
スライダ保持部822は、機構本体部80aより前方に向けて突出する部分の前端に設けられている。このスライダ保持部822は、内部に保持孔822aが形成されることで円筒状の形態を成している。
【0048】
ドッククラッチ83は、例えば樹脂材により構成されており、クラッチ基部831及びクラッチ係合部832を有している。クラッチ基部831は、円筒状部分であり、その外径はスライダ保持部822の保持孔822aの内径よりも大きいものである。
【0049】
クラッチ係合部832は、クラッチ基部831の左端面より左方に突出する態様で形成された円筒状部分である。これらクラッチ基部831及びクラッチ係合部832には、内部に回転駆動軸71の外形形状に適合する六角形状の連結孔833が形成されている。またクラッチ係合部832の外径は、クラッチ基部831の外径よりも小さく、かつスライダ保持部822の保持孔822aの内径よりも僅かに小さいものである。更にクラッチ係合部832の左右方向の延在長さは、スライダ保持部822の左右方向の長さよりも大きく形成されている。
【0050】
上記クラッチ基部831は、右面に複数の伝達凸部831aが設けられている。これら伝達凸部831aは、それぞれがクラッチ基部831の右面から右方に突出する態様で円周状に並ぶよう形成されている。これら伝達凸部831aは、前方側のプーリ621の中心軸部621aに形成された伝達凹部621a2に進入可能なものである。
【0051】
このようなドッククラッチ83は、クラッチ係合部832がスライダ保持部822の保持孔822aに右方から進入し、スライダ82に回転自在に保持されている。
【0052】
このような構成を有する伝達機構80は、次のようにして前方側のプーリ621を回転させることができる。尚、前提として払出モータ72が駆動しており、これにより回転駆動軸71が回転しているものとする。またスライダ82は、クラッチモータ81から離隔する態様で左方にスライドしているものとする。
【0053】
回転駆動軸71が回転することによりドッククラッチ83は回転しているが、スライダ82が左方にスライドしているため、
図13に示すように、ドッククラッチ83と前方側のプーリ621の中心軸部621aとは離隔しており、これにより前方側のプーリ621は回転していない。
【0054】
そして、制御部50がクラッチモータ81を正転駆動させることにより、雄ネジ81bが一方向に回転することとなり、
図14に示すように、スライダ82がクラッチモータ81に近接する態様で右方にスライドする。このようにスライダ82が右方にスライドすることで該スライダ82に保持されるドッククラッチ83も右方にスライドする。この結果、ドッククラッチ83は、各伝達凸部831aが前方側のプーリ621における中心軸部621aの各伝達凹部621a2に進入して前方側のプーリ621の中心軸部621aと連結される。
【0055】
このようにドッククラッチ83と中心軸部621aとが連結されると、前方側のプーリ621は、回転駆動軸71及びドッククラッチ83を通じて払出モータ72の駆動力が付与され、右方から見た場合に時計回りに回転することとなる。
【0056】
そのように前方側のプーリ621を回転させた状態で、制御部50がクラッチモータ81を逆転駆動させると、雄ネジ81bが他方向に回転することとなり、
図13に示すように、スライダ82がクラッチモータ81から離隔する態様で左方にスライドする。このようにスライダ82が左方にスライドすることで該スライダ82に保持されるドッククラッチ83も左方にスライドする。この結果、ドッククラッチ83は、各伝達凸部831aが各伝達凹部621a2から離脱して、前方側のプーリ621の中心軸部621aとの連結が解除される。このようにドッククラッチ83と中心軸部621aとの連結が解除されると、前方側のプーリ621は、回転を停止することとなる。
【0057】
このように払出モータ72は、商品載置棚20を構成する複数の商品コラム60の前方側のプーリ621の共通の駆動源を構成している。
【0058】
搬送チェーン623は、プーリ621,622が回転することにより、自身の延在方向に沿って変位するものである。具体的には、払出モータ72が駆動して前方側のプーリ621が右方から見て時計回りに回転する場合に、プーリ621,622間における上方側延在部分623aが後方に移動しつつ下方側延在部分623bが前方に移動する態様で変位するものである。この搬送チェーン623の上方側延在部分623aは、前後方向に直線状に延在する商品収納通路624を形成するものである。尚、後方側のプーリ622は、前方側のプーリ621が回転する場合に、搬送チェーン623の変位に伴って回転する従動プーリである。
【0059】
載置部63は、例えば樹脂材により構成されており、
図15に示すように、自身に形成された係止凹部631に搬送チェーン623の係止突部6231が相対的に進入することにより、該搬送チェーン623に着脱可能に設けられている。このような載置部63は、搬送チェーン623の延在方向に沿って所定間隔毎に設けられている。かかる載置部63は、平面状の載置面632を有している。そして、搬送チェーン623の上方側延在部分623aに設けられた載置部63の載置面(上面)632は、商品が載置されるものである。
【0060】
仕切部64は、
図16及び
図17にも示すように、仕切台部材641と仕切板部材642とを備えて構成されている。仕切台部材641は、例えば樹脂材により構成されており、
図15に示したように、自身に形成された係止用凹部641aに搬送チェーン623の係止突部6231が相対的に進入することにより、該搬送チェーン623に着脱可能に設けられている。
【0061】
そのような仕切台部材641には、連結軸状部641b及び連結溝部641cが形成されている。連結軸状部641bは、左右一対のものであり、一方が仕切台部材641の左側面より左方に向けて突出する態様で形成されており、他方が仕切台部材641の右側面より右方に向けて突出する態様で形成されている。これら連結軸状部641bの互いの中心軸は一致している。
【0062】
連結溝部641cは、連結軸状部641bが形成された部位の上面に形成されており、左右方向が長手方向となる長溝である。
【0063】
仕切板部材642は、例えば樹脂材により形成されており、仕切板基部6421、連結孔形成部6422及び連結突部6423が一体に成形されて構成されている。
【0064】
仕切板基部6421は、平板状部位であり、先端部(
図16及び
図17における上端部)の左右中央部分には切欠6421aが形成されている。
【0065】
連結孔形成部6422は、左右一対のものであり、一方が仕切板基部6421の基端部(
図16及び
図17における下端部)の左端部分に形成され、他方が仕切板基部6421の基端部の右端部分に形成されており、それぞれ異形状の連結孔6422aが形成されている。これら連結孔6422aは、左右一対となる態様で形成されており、仕切板基部6421の基端部から離隔するに連れて前後幅が大きくなるように形成されている。
【0066】
そして、右側の連結孔形成部6422には、検知用突起6422bが形成されている。この検知用突起6422bは、
図16及び
図17においては、右側の連結孔形成部6422の後方側部分に下方に向けて突出する態様で形成されている。
【0067】
連結突部6423は、仕切板基部6421の基端部における左右一対の連結孔形成部6422の間において、外方に突出する態様で形成されている。この連結突部6423は、上記連結溝部641cに進入可能な大きさを有しており、左右方向が長手方向となる長尺状部位である。尚、図には明示しないが、連結突部6423は、仕切板基部6421の基端部から離隔するに連れて前後幅が漸次小さくなるテーパー形状を有することが好ましい。
【0068】
かかる仕切板部材642は、それぞれの連結孔6422aに連結軸状部641bが相対的に進入することにより、仕切台部材641と連結されて仕切部64を構成している。
【0069】
そのような構成を有する仕切部64は、
図6~
図8にも示したように、搬送チェーン623に対し、載置部63の相互間に設けられている。そして、仕切部64は、
図18に示すように、仕切板部材642の連結突部6423が仕切台部材641の連結溝部641cに進入することにより仕切板部材642が起立姿勢となる一方、連結突部6423が連結溝部641cから離脱することにより仕切板部材642が横倒姿勢となる。
【0070】
ここで上述したように連結突部6423がテーパー形状を有しているので、連結溝部641cに対して容易に進入させることができる。
【0071】
上記仕切部64は、仕切板部材642を起立姿勢と横倒姿勢との間で揺動可能に備えている。そして、仕切板部材642が横倒姿勢となる場合には、搬送チェーン623の変位方向の上流側に隣接する載置部63の載置面632を覆っている。より詳細に説明すると、搬送チェーン623の上方側延在部分623aにおいては、仕切板部材642が前方に揺動して横倒姿勢となり、前方側に隣接する載置部63の載置面632を覆っている。
【0072】
最下流位置検知部65は、例えばマイクロスイッチや光センサ等により構成されており、
図19に示すように、搬送チェーン623の上方側延在部分623aの後端となる最下流検知位置Aでの仕切部64の有無を検知するものである。この最下流位置検知部65は、最下流検知位置Aで仕切部64が有りと検知した場合には、その旨を検知信号として制御部50に与えるものである。このように最下流検知位置Aに仕切部64が配置される場合、この仕切部64の前方に隣接する載置部63が最下流位置に配置することになる。よって、かかる載置部63に商品が載置されている場合、該商品が最下流位置の商品となる。
【0073】
売切検知部66は、例えばマイクロスイッチ等により構成されている。この売切検知部66は、
図19に示したように、仕切板部材642が起立姿勢となる仕切部64が最下流検知位置Aにある場合において、前後方向に揺動可能に設けられた売切検知レバー67が検知用突起6422bに当接してレバースプリング671の付勢力に抗して後方に揺動したときに、該売切検知レバー67に押圧されてオンとなることで商品有りと検知するものである。
【0074】
一方、仕切板部材642が横倒姿勢となる仕切部64が最下流検知位置Aにある場合、検知用突起6422bが売切検知レバー67の揺動域の外部にあるため、売切検知レバー67が検知用突起6422bに当接せずに初期の待機姿勢となる。そのため売切検知部66は、売切検知レバー67に押圧されず、商品無しと検知するものである。そのような売切検知部66は、検知結果(商品有り又は商品無し)を検知信号として制御部50に与えるものである。
【0075】
ところで、前方側のプーリ621が右方から見て時計回りに回転することにより、搬送チェーン623は、上方側延在部分623aが後方に向けて移動する態様で変位することになる。このように搬送チェーン623が変位すると、
図19に示すように、この搬送チェーン623に設けられた載置部63及び仕切部64も同様に変位することになる。これにより上方側延在部分623aに設けられた載置部63の載置面632に商品が載置されている場合、かかる商品を後方に向けて搬送することが可能になる。
【0076】
そして、最下流位置に配置されていた載置部63は、後方側のプーリ622の外周形状に沿って下方に向けて変位することとなり、載置面632に載置された商品を搬送トレイ33に払い出すことが可能になる。
【0077】
そのような搬送トレイ33の前端部分には、
図20に示すように、凹凸が左右方向に沿って形成された櫛歯状ガイド部33aが形成されている。かかる櫛歯状ガイド部33aは、搬送チェーン623の変位に伴って凸となる部分331が仕切板部材642の相互間、並びに仕切板部材642の切欠6421aを相対的に通過するように構成されている。このとき、仕切板部材642における切欠6421aの左側部分及び右側部分が櫛歯状ガイド部33aの凹となる部分332を通過することになる。
【0078】
以上のような構成を有するショーケース兼用自動販売機10においては、例えば店舗1の営業時間内であれば、各商品コラム60について、搬送チェーン623の上方側延在部分623aに設けられた仕切部64の仕切板部材642を横倒姿勢にし(
図4及び
図5参照)、横倒姿勢の仕切板部材642の上に商品を載置して、該商品を前後方向に沿って並ぶよう収納することができる。
【0079】
そして、制御部50が、操作部15bに対する操作を無効化させた状態で、下側送風ファン25、上側送風ファン28及び圧縮機30を駆動させるとともに、取出扉ロック機構43をロック状態にさせる。これにより、収納室16の内部の空気が吸込口23を通じて下側空気通路17aに吸い込まれる。下側空気通路17aを通過した空気が、出口24より噴出して後面扉15及び商品取出扉18を含む後壁部13の前面に沿って上方に向けて通過する。そして、後壁部13の前面に沿って上方に向けて通過した空気は、入口27より上側空気通路17bを通過し、その通過途中で蒸発器29に冷却されて吹出口26より収納室16に吹き出される。
【0080】
これにより、収納室16では、吹出口26から吹き出された空気が吸込口23に吸い込まれることによりエアカーテンが形成され、収納室16が所望の温度に冷却され、各商品コラム60に収納された商品を所望の温度に冷却することができる。
【0081】
そのような場合、
図2に示したように、店舗1の顧客である利用者が、前面扉14を前方に向けて揺動させて前面開口12aを開放して、任意の商品コラム60の商品を取り出すことができ、ショーケースとしての機能を発揮することができる。
【0082】
一方、店舗1の営業時間外であれば、各商品コラム60について、搬送チェーン623の上方側延在部分623aに設けられた仕切部64の仕切板部材642を起立姿勢にし、載置部63の載置面632に商品を載置して、該商品を前後方向に沿って並ぶよう収納することができる。
【0083】
そして、制御部50が操作部15bに対する操作を有効化させることにより、次のようにして商品コラム60の商品を販売することができる。
【0084】
操作部15bにより商品が選択されるとともに、通信部を介して所定の電子マネー決済が完了した場合、
図21に示すように、制御部50が搬送モータ41aに指令を与えて搬送機構41を駆動させ、商品取出位置35に配置された搬送トレイ33を、選択された商品を載置する商品コラム60を有する商品載置棚20の後方域に向けて上方へ移動させる。
【0085】
制御部50は、トレイ検知部41bにより搬送トレイ33が所定の商品載置棚20の後方域に搬送されたことが検知された場合、搬送モータ41aの駆動を停止させる。
【0086】
そして、制御部50は、払出モータ72を駆動させつつ、該当する商品コラム60のクラッチモータ81を正転駆動させる。このようにクラッチモータ81を正転駆動させることにより、スライダ82がクラッチモータ81に近接する態様で右方にスライドし、このスライダ82に保持されるドッククラッチ83も右方にスライドする。この結果、ドッククラッチ83は、各伝達凸部831aが前方側のプーリ621における中心軸部621aの各伝達凹部621a2に進入して前方側のプーリ621の中心軸部621aと連結される。
【0087】
このようにドッククラッチ83と中心軸部621aとが連結されると、前方側のプーリ621は、回転駆動軸71及びドッククラッチ83を通じて払出モータ72の駆動力が付与され、右方から見た場合に時計回りに回転することとなる。
【0088】
そのようにして前方側のプーリ621を右方から見て時計回りに回転させることにより、
図22に示すように、上方側延在部分623aが後方に向かう態様で搬送チェーン623を変位させる。これにより、
図19に示したように、最下流位置に配置されていた載置部63が後方側のプーリ622の外周形状に沿って下方に向けて変位することとなり、載置面632に載置された商品(最下流位置の商品)を後方に向けて払い出し、搬送トレイ33が受容する。
【0089】
搬送チェーン623の変位に伴って、最下流位置の載置部63の後方側に隣接する仕切部64では、後方側のプーリ622の外周形状に沿って下方に向けて変位する際に、起立姿勢にあった仕切板部材642が自重により下方に向けて移動することで連結突部6423が連結溝部641cから離脱する。その後、搬送チェーン623の変位により仕切板部材642がコラム本体61の底面611に当接することで横倒姿勢となって変位する。
【0090】
ところで、制御部50は、最下流位置の載置部63の前方側に隣接する仕切部64が最下流検知位置Aに達したことが最下流位置検知部65により検知された場合に、クラッチモータ81を逆転駆動させ、前方側のプーリ621の回転を停止させて搬送チェーン623の変位を停止させる。
【0091】
ここで最下流検知位置Aに配置された仕切部64の仕切板部材642が横倒姿勢となっている場合、売切検知レバー67が検知用突起6422bに当接せずに初期の待機姿勢となるため、売切検知部66は商品無しと検知する。これにより制御部50は、当該商品コラム60は売切状態にあるものと判断し、該商品コラム60に収納された商品についてはディスプレイ装置15aにて売切表示をし、該商品の選択を無効化させる。
【0092】
一方、最下流検知位置Aに配置された仕切部64の仕切板部材642が起立姿勢となっている場合、売切検知レバー67が検知用突起6422bに当接してレバースプリング671の付勢力に抗して後方に揺動し、売切検知部66は商品有りと検知する。
【0093】
搬送トレイ33に商品が受容された後、制御部50は、搬送モータ41aを駆動させる。これにより搬送トレイ33は、搬送機構41により商品取出位置35に向けて下方へ移動する。
【0094】
図23に示すように搬送トレイ33が商品取出位置35に配置されたことがトレイ検知部41bに検知されると、制御部50は、搬送モータ41aの駆動を停止させる。そして、制御部50は、取出扉ロック機構43をロック状態から解除状態へ切り替え、
図24に示すように、商品取出扉18が後方に向けて揺動されることにより、該商品が取り出されることで該商品を販売することができ、自動販売機としての機能を発揮する。
【0095】
制御部50は、取出扉開閉検知部42により商品取出扉18が閉となったことが検知された場合、取出扉ロック機構43を解除状態からロック状態へ切り替えて、商品の販売を終了する。
【0096】
以上説明したように、本発明の実施の形態である商品収納装置(商品コラム60)によれば、前後方向に沿って設けられた一対のプーリ621,622に無端状に張設され、かつ該プーリ621,622の回転によって自身の延在方向に変位可能な搬送チェーン623が、プーリ621,622間における上方側延在部分623aが商品収納通路624を構成し、搬送チェーン623の延在方向に沿って設けられた複数の載置部63が、上方側延在部分623aにおいて載置面632に商品が載置されることを許容し、搬送チェーン623における載置部63の相互間に設けられた仕切部64が、上方側延在部分623aにおいては仕切板部材642を起立姿勢で保持することが可能なので、商品収納通路624にて起立姿勢の仕切板部材642の相互間の載置面632に商品を載置させることができる。これにより、振動等の外的要因によって載置面632に載置された商品が移動してしまうことを起立姿勢の仕切板部材642により規制することができる。よって、商品の位置ずれの発生を抑制して、最下流位置の商品を良好に払い出すことができる。
【0097】
上記商品コラム60によれば、仕切部64が、起立姿勢と、搬送方向上流側に隣接する載置部63の載置面632に載置された横倒姿勢との間で仕切板部材642を揺動可能に備えているので、載置面632よりも前後寸法の大きい商品に対しては、必要に応じて仕切板部材642を横倒姿勢にしてその上面にも載置させることができ、商品の載置スペースの拡大化を図ることができる。
【0098】
上記商品コラム60によれば、売切検知部が、最下流位置の商品を載置する載置部63の搬送方向下流側に隣接する仕切部64、すなわち最下流検知位置Aに配置された仕切部64に対し、仕切板部材642が起立姿勢である場合には、該載置部63に商品有りとして商品収納通路624に商品有りと検知する一方、仕切板部材642が横倒姿勢である場合には、該載置部63に商品無しとして商品収納通路624に商品無しと検知するので、商品の形状や重量等に影響を受けずに商品の有無を良好に検出することができる。
【0099】
上記商品コラム60によれば、仕切板部材642に切欠6421aが形成され、搬送トレイ33の前端部分に櫛歯状ガイド部33aが形成されているので、搬送トレイ33を一部が仕切板部材642にラップする位置に配置させることができ、商品を払い出す載置部63と搬送トレイ33との離間距離を短縮化することができ、小型商品の払い出し等も容易に行うことができる。
【0100】
そのような搬送トレイ33の前端部分には、
図20に示すように、凹凸が左右方向に沿って形成された櫛歯状ガイド部33aが形成されている。かかる櫛歯状ガイド部33aは、搬送チェーン623の変位に伴って凸となる部分331が仕切板部材642の相互間、並びに仕切板部材642の切欠6421aを相対的に通過するように構成されている。このとき、仕切板部材642における切欠6421aの左側部分及び右側部分が櫛歯状ガイド部33aの凹となる部分332を通過することになる。
【0101】
複数の商品コラム60が左右方向に沿って並設されて構成された本発明の実施の形態である商品載置棚20によれば、複数の商品コラム60におけるそれぞれの前方側のプーリ621を回転させるための共通の払出モータ72を備え、各商品コラム60が、常態においては、払出モータ72からの駆動力を前方側のプーリ621に伝達することを規制する一方、クラッチモータ81が正転駆動された場合には、払出モータ72からの駆動力を前方側のプーリ621に伝達して搬送チェーン623を変位させる伝達機構80を備えているので、払出モータ72の共通化により部品点数を削減して製造コストの低減化を図ることができる。しかも払出モータ72の共通化により、各商品コラム60の上下寸法を低減させることができ、結果的に商品載置棚20の上下寸法の低減化を図ることができる。このように商品載置棚20の上下寸法の低減化を図ることで、収納室16における商品載置棚20の設置段数を増大させることができ、商品の収納数を増加させることができる。
【0102】
また各商品コラム60にて伝達機構80を備えていることで、左右方向の寸法が大きい商品を、互いに左右に隣接する商品コラム60の間で跨るように載置させることができ、これら商品コラム60の伝達機構80のクラッチモータ81を同時に正転駆動させることで、前方側のプーリ621の回転を同期させることができる。これにより該商品の搬送を良好に行うことができる。
【0103】
しかも各商品コラム60の伝達機構80は、常態においては、払出モータ72からの駆動力を前方側のプーリ621に伝達することを規制するので、搬送チェーン623を手動にて変位させることができ、商品の整列や補充等を容易に行うことができる。
【0104】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0105】
上述した実施の形態では言及していないが、本発明においては、
図25に示すように、後方側のプーリ622の外周形状に沿って下方に変位する仕切部64に対し、仕切板部材642に当接して該仕切板部材642の連結突部6423を連結溝部641cから離脱させるガイド部材Gが設けられていてもよい。
【0106】
上述した実施の形態では言及していないが、本発明においては、
図26に示すように、載置部63の載置面632に前後方向に沿って延在する長尺状リブ632aを左右方向に並ぶよう形成されてもよい。これにより横倒姿勢となる仕切板部材642の仕切板基部6421を水平に延在させることができ、該仕切板部材642の上面に商品を良好に載置させることができる。
【0107】
上述した実施の形態では、搬送チェーン623により無端状の索状体を構成していたが、本発明においては、載置部及び仕切部が設置される上方側延在部分は搬送チェーンにより構成され、その他の部分はワイヤーケーブルにより構成されることにより無端状の索状体を構成してもよい。
【0108】
上述した実施の形態では、搬送チェーン623に設けられた複数の載置部63の相互間に仕切部64が設けられていたが、本発明においては仕切部の相互間に複数の載置部が設けられてもよい。
【0109】
上述した実施の形態では、仕切板部材642の仕切板基部6421には切欠6421aが形成されていたが、本発明においては、仕切板部材に切欠が形成されていなくてもよい。また本発明においては、仕切板部材の仕切板基部に複数の中空部が形成されていてもよい。これによれば、仕切板部材の軽量化を図ることができるとともに、中空部を通じての視認性の向上を図ることができる。
【0110】
上述した実施の形態では、各商品コラム60が伝達機構80を備えていたが、本発明においては、商品収納装置がプーリを回転させるための駆動源を有していてもよい。
【0111】
上述した実施の形態では、商品載置棚20及び商品コラム60がショーケース兼用自動販売機10に適用されていたが、本発明においては、自動販売機に適用されるものでもよいし、ショーケースに適用されるものであってもよい。また実施の形態におけるショーケース兼用自動販売機10では、装置本体11の後壁部13が店舗1の外部を臨む態様で、店舗1の壁4を貫通して設置されていたが、本発明においては、ショーケース兼用自動販売機の後壁部は、店舗の壁により構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0112】
10…ショーケース兼用自動販売機、11…装置本体、16…収納室、19…棚支柱、20…商品載置棚、33…搬送トレイ、50…制御部、60…商品コラム、61…コラム本体、62…払出機構、621,622…プーリ、623…搬送チェーン、623a…上方側延在部分、623b…下方側延在部分、624…商品収納通路、63…載置部、631…係止凹部、632…載置面、64…仕切部、641…仕切台部材、641a…係止用凹部、641b…連結軸状部、641c…連結溝部、642…仕切板部材、6421…仕切板基部、6421a…切欠、6422…連結孔形成部、6422a…連結孔、6422b…検知用突起、6423…連結突部、65…最下流位置検知部、66…売切検知部、67…売切検知レバー、72…払出モータ、80…伝達機構。