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特許7571506放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム、制御方法および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム、制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20241016BHJP
【FI】
A61B6/00 520Z
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020201120
(22)【出願日】2020-12-03
(65)【公開番号】P2022088968
(43)【公開日】2022-06-15
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸田 裕一
(72)【発明者】
【氏名】中野 洋彰
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-147044(JP,A)
【文献】国際公開第2006/101230(WO,A1)
【文献】特開2015-058342(JP,A)
【文献】特開2015-008832(JP,A)
【文献】特開2014-100394(JP,A)
【文献】特開2010-187782(JP,A)
【文献】特開2020-028673(JP,A)
【文献】特開2019-107348(JP,A)
【文献】特表2016-511858(JP,A)
【文献】特開2017-108854(JP,A)
【文献】特開2014-171551(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0232432(US,A1)
【文献】特開2013-223535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕様が異なる複数種の放射線撮影制御装置と接続可能な放射線画像撮影装置であって、
前記放射線画像撮影装置に接続されている放射線撮影制御装置の仕様または種別を示す情報に基づいて前記放射線画像撮影装置の動作を制御する制御部を備え
前記複数種の放射線撮影制御装置は、製造業者が異なる、
放射線画像撮影装置。
【請求項2】
前記放射線撮影制御装置の仕様または種別を示す情報を取得し、取得した前記情報に基づいて前記複数種の放射線撮影制御装置の中の1種の放射線撮影制御装置を判別する判別部を備え、
前記制御部は、前記判別部の判別結果に基づいて前記放射線画像撮影装置の動作を制御する、
請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項3】
前記放射線撮影制御装置の仕様または種別を示す情報は、前記放射線撮影制御装置の製造業者に係る情報、前記放射線撮影制御装置の機種に係る情報、および、前記放射線撮影制御装置で用いられるソフトウェアに係る情報の少なくとも1つである、
請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記判別部の判別結果に基づいて、前記放射線画像撮影装置の撮影方法を切り替える制御を行う、
請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項5】
前記撮影方法は、前記放射線画像撮影装置と放射線照射装置との連携方式であり、
前記制御部は、前記判別部の判別結果に基づいて、前記放射線照射装置との連携をハードウェア信号で行うか、前記放射線照射装置との連携をソフトウェアによる通信コマンドで行うかを切り替える、
請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記放射線画像撮影装置の撮影におけるエラー処理または前記エラー処理に関連する設定を切り替える制御を行う、
請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項7】
前記エラー処理は、
前記製造業者が異なる複数種の放射線撮影制御装置に応じて、エラー内容の種別、エラー判定のロジック、エラー判定の閾値、エラーの出力仕様の少なくともいずれかが異なる、
請求項6に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記判別部の判別結果に基づいて、前記放射線画像撮影装置によって撮影された画像の画像処理方法を切り替える、
請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項9】
前記制御部は、画像処理で使用する補正データを切り替える、
請求項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記判別部の判別結果に基づいて、ファイルの出力方法を切り替える、
請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記ファイルのフォーマットの設定を切り替える、
請求項10に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記放射線画像撮影装置に保存される情報の暗号化方式または暗号化する情報の対象を切り替える、
請求項10または請求項11に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記判別部の判別結果に基づいて、ユーザーインターフェースに係る設定を切り替える、
請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記ユーザーインターフェースに係る報知パターンの設定を切り替える、
請求項13に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記ユーザーインターフェースに係る各種ユーザー通知情報に係る報知方法の設定を切り替える、
請求項13または請求項14に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記ユーザーインターフェースに係る、電源/バッテリー残量の報知方法を切り替える、
請求項1315の何れか1項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記判別部の判別結果に基づいて、前記放射線画像撮影装置に接続された放射線撮影制御装置を含む放射線画像撮影システムに関する設定を切り替え、
前記放射線画像撮影システムに関する設定は、システムで用いるIPアドレスの設定、周辺機器の電源連動仕様の設定、システムにおける品質管理条件の設定、システムにおける設置方式の設定、システムにおけるソフトウェアのバージョンのアップ/ダウンの実施の方法の設定の少なくともいずれかである、
請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項18】
前記システムで用いるIPアドレスは、静的IPアドレスまたは動的IPアドレスである、
請求項17に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項19】
前記放射線画像撮影装置は、前記複数種の放射線撮影制御装置のそれぞれの機能に対応可能に構成されている、
請求項1~18の何れか1項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項20】
仕様が異なる複数種の放射線撮影制御装置に接続可能な放射線画像撮影装置と、前記複数種の放射線撮影制御装置のうちの1つの放射線撮影制御装置とを有する放射線画像撮影システムであって、
前記放射線画像撮影装置に接続されている放射線撮影制御装置の仕様または種別を示す情報に基づいて前記放射線画像撮影装置の動作を制御する制御部を備え
前記複数種の放射線撮影制御装置は、製造業者が異なる、
放射線画像撮影システム。
【請求項21】
前記制御部は、前記放射線画像撮影装置と、前記放射線画像撮影装置に接続された放射線撮影制御装置を含むシステムに非対応の操作に係る制限/禁止をユーザーに報知する、
請求項20に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項22】
製造業者が異なる複数種の放射線撮影制御装置と接続可能な放射線画像撮影装置の制御方法であって、
前記放射線画像撮影装置に接続されている放射線撮影制御装置の仕様または種別を示す情報に基づいて前記放射線画像撮影装置の動作を制御する、
制御方法。
【請求項23】
製造業者が異なる複数種の放射線撮影制御装置と接続可能な放射線画像撮影装置の制御プログラムであって、
前記放射線画像撮影装置のコンピューターに、
前記放射線画像撮影装置に接続されている放射線撮影制御装置の仕様または種別を示す情報に基づいて前記放射線画像撮影装置の動作を制御する制御処理を実行させる、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療用の放射線画像を取得する放射線画像撮影装置においては、例えばフラットパネルディテクター(Flat Panel Detector:FPD)等の可搬型のものが一般的に知られている。このような放射線画像撮影装置を用いることにより、複数の放射線画像撮影システムが同一施設内に導入された場合でも、1つの放射線画像撮影装置を各システムでシェアすることが可能となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、各システムに対応する複数の撮影室間を放射線画像撮影装置が移動しても、移動先の撮影室に対応する放射線撮影制御装置との対応付けを簡易かつ迅速に行うことが可能な放射線画像撮影システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、カセッテの種類が可搬型のFPDカセッテであるかCR(Computed Radiography)カセッテであるかをコンソールで判断可能な構成が開示されている。
【0005】
また、FPDを有する放射線画像撮影システムにおいては、特許文献3のように、FPDと、当該FPDと対になる外部端末との処理性能を判定し、その判定結果に応じて画像処理をFPDおよび外部端末の何れで実行するかを決定する構成も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-62425号公報
【文献】特開2013-59654号公報
【文献】特開2019-17441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年の医療機器開発においては、B to B(Business to Business)による企業間の協業や連携が多くなってきている。そのため、例えば、放射線画像撮影装置の製造業者と、放射線撮影制御装置の製造業者とが異なる等、放射線画像撮影システムの構成もマルチベンダーでの組み合わせが多くなってきている。
【0008】
この場合、放射線撮影制御装置(放射線画像撮影システム)の製造業者において、独自のシステム仕様でシステムの開発をすると、その協業先となる放射線画像撮影装置の製造業者では、そのシステムの仕様に合わせた独自仕様の放射線画像撮影装置を製造する必要が生じる。
【0009】
そのため、仕様が異なる複数種の放射線撮影制御装置が同一施設内に共存した場合、1つの放射線画像撮影装置を簡易にシェアすることができないという問題が生じる。
【0010】
特許文献1,2では、各放射線撮影制御装置の仕様が異なることについて言及されていないので、1つの放射線画像撮影装置を各システムでシェアする構成として改善の余地があった。
【0011】
本発明の目的は、複数種の放射線画像撮影システムの間で放射線画像撮影装置を簡易にシェアすることが可能な放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム、制御方法および制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る放射線画像撮影装置は、
仕様が異なる複数種の放射線撮影制御装置と接続可能な放射線画像撮影装置であって、
前記放射線画像撮影装置に接続されている放射線撮影制御装置の仕様または種別を示す情報に基づいて前記放射線画像撮影装置の動作を制御する制御部を備え
前記複数種の放射線撮影制御装置は、製造業者が異なる
【0013】
本発明に係る放射線画像撮影システムは、
仕様が異なる複数種の放射線撮影制御装置に接続可能な放射線画像撮影装置と、前記複数種の放射線撮影制御装置のうちの1つの放射線撮影制御装置とを有する放射線画像撮影システムであって、
前記放射線画像撮影装置に接続されている放射線撮影制御装置の仕様または種別を示す情報に基づいて前記放射線画像撮影装置の動作を制御する制御部を備え
前記複数種の放射線撮影制御装置は、製造業者が異なる
【0014】
本発明に係る制御方法は、
製造業者が異なる複数種の放射線撮影制御装置と接続可能な放射線画像撮影装置の制御方法であって、
前記放射線画像撮影装置に接続されている放射線撮影制御装置の仕様または種別を示す情報に基づいて前記放射線画像撮影装置の動作を制御する。
【0015】
本発明に係る制御プログラムは、
製造業者が異なる複数種の放射線撮影制御装置と接続可能な放射線画像撮影装置の制御プログラムであって、
前記放射線画像撮影装置のコンピューターに、
前記放射線画像撮影装置に接続されている放射線撮影制御装置の仕様または種別を示す情報に基づいて前記放射線画像撮影装置の動作を制御する制御処理を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数種の放射線画像撮影システムの間で放射線画像撮影装置を簡易にシェアすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る放射線画像撮影システムの構成を示すブロック図である。
図2】放射線画像撮影装置の構成を示すブロック図である。
図3】コンソールの構成を示すブロック図である。
図4】放射線画像撮影装置の動作制御の動作例を示すフローチャートである。
図5】変形例に係る放射線画像撮影装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る放射線画像撮影システム100の構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム100は、放射線照射装置1、放射線画像撮影装置2およびコンソール3を備えて構成されている。また、放射線画像撮影システム100は、図示しない放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)や画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)等と接続可能となっている。
【0020】
放射線照射装置1は、コンソール3と有線または無線で通信可能に接続されている。また、放射線照射装置1は、ジェネレーター11、曝射スイッチ12および放射線源13を備えて構成されている。
【0021】
ジェネレーター11は、曝射スイッチ12が操作されたことに基づいて、予め設定された放射線曝射条件(管電圧や管電流、照射時間、管電流時間積(mAs値)等)に応じた電圧を放射線源13に印加することが可能に構成されている。
【0022】
放射線源13(管球)は、図示しない回転陽極やフィラメント等を有している。ジェネレーター11から電圧が印加されると、フィラメントが印加された電圧に応じた電子ビームを回転陽極に向けて照射し、回転陽極が電子ビームの強度に応じた線量の放射線X(X線等)を発生させるようになっている。
【0023】
なお、図1には、ジェネレーター11、曝射スイッチ12および放射線源13が別々に分かれたものを例示したが、これらは一体に構成されていても良い。また、図1には、曝射スイッチ12がジェネレーター11に接続されたものを例示したが、曝射スイッチ12は他の装置に備えられていても良い。また、放射線照射装置1は、撮影室内に据え付けても良いし、回診車等に組み込むことで移動可能に構成しても良い。
【0024】
放射線画像撮影装置2は、例えばフラットパネルディテクター(Flat Panel Detector:FPD)等の可搬型のものであり、コンソール3と有線または無線で通信可能に接続されている。また、放射線画像撮影装置2は、放射線照射装置1から被検体を介して放射線Xの曝射を受けることで当該被検体の放射線画像の画像データを生成することが可能に構成されている。
【0025】
図2に示すように、放射線画像撮影装置2は、制御部21、放射線検出部22、読出部23、通信部24、記憶部25および、各部を接続するバス26を備えて構成されている。
【0026】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部21のCPUは、コンソール3等の外部機器からの制御信号等を受信したことに基づいて、記憶部25に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、放射線画像撮影装置2における各部の動作を集中制御する。
【0027】
放射線検出部22は、放射線Xを受けることで線量に応じた電荷を発生させる放射線検出素子やスイッチ素子を備えた画素が2次元状(マトリクス状)に配列された基板によって構成されている。
【0028】
読出部23は、各画素から放出された電荷の量を信号値として読み出し、複数の信号値から画像データを生成することが可能に構成されている。
【0029】
通信部24は、外部機器から各種制御信号や各種データ等を受信(取得)したり、各種制御信号や生成した画像データ等を外部機器へ送信したりすることが可能に構成されている。
【0030】
記憶部25は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、制御部21が実行する各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター等を記憶している。また、記憶部25は、読出部23が生成した画像データや、制御部21が処理した各種データを記憶することが可能となっている。
【0031】
このように構成された放射線画像撮影装置2は、制御部21が放射線検出部22の各スイッチ素子をオフにした状態で放射線の曝射を受けると、各画素に放射線の線量に応じた電荷を蓄積する。制御部21が各スイッチ素子をオンにして各画素から電荷が放出されると、読出部23が各電荷量を信号値に変換し、画像データとして読み出す。
【0032】
なお、放射線画像撮影装置2は、シンチレーター等を内蔵し、照射された放射線Xをシンチレーターで可視光等の他の波長の光に変換し、変換した光に応じた電荷を発生させるものであっても良いし、シンチレーター等を介さずに放射線Xから直接電荷を発生させるものであっても良い。
【0033】
コンソール3は、PC(Personal Computer)、携帯端末、または専用の装置によって構成されており、放射線照射装置1および放射線画像撮影装置2等と有線または無線で通信可能に接続されている。コンソール3は、外部装置(RIS等)からの撮影オーダーやユーザーによる操作に基づいて、放射線照射装置1および放射線画像撮影装置2の撮影条件や撮影対象部位などを設定することが可能となっている。コンソール3は、本発明の「放射線撮影制御装置」に対応する。
【0034】
図3に示すように、コンソール3は、撮影制御部31、通信部32、記憶部33、表示部34、操作部35および、各部を接続するバス36を備えて構成されている。
【0035】
撮影制御部31は、CPU、RAM等により構成される。撮影制御部31のCPUは、操作部35の操作に応じて記憶部33に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、コンソール3各部の動作を集中制御する。
【0036】
通信部32は、LAN(Local Area Network)アダプターやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
【0037】
記憶部33は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、撮影制御部31が実行する各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター等を記憶している。また、記憶部33は、放射線画像撮影装置2から受信した画像データや撮影制御部31が処理した画像データを、付帯情報と紐付けて記憶することが可能となっている。
【0038】
表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、撮影制御部31から入力される表示信号の指示に従って、操作部35からの入力指示やデータ等を表示する。
【0039】
操作部35は、カーソルキー、数字入力キー、および各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を撮影制御部31に出力する。また、操作部35は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
【0040】
次に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置2の制御について説明する。放射線画像撮影装置2は、上記したように可搬型のものである。放射線画像撮影装置2は、例えば同一施設内に複数の放射線画像撮影システム100(撮影室に据え付けられたものや回診車に組み込まれたもの)が存在する場合において、複数のシステム間を移動可能に構成されている。
【0041】
放射線画像撮影装置2は、仕様が異なる複数種のコンソール3に接続可能に構成されており、複数種のコンソール3のそれぞれの機能に対応可能に構成されている。つまり、放射線画像撮影装置2は、仕様の異なる複数種のコンソール3が同一施設内に共存した場合でも、各コンソール3が設置されたシステム間でシェア可能に構成されている。
【0042】
仕様が異なるとは、複数種のコンソール3における機能および当該機能の設定の少なくとも1つが異なることを言う。機能は、例えば、放射線画像撮影装置2の撮影方法、各種ファイルの出力方法、画像処理方法、ユーザーインターフェースに係る設定や、システムに関する設定等である。なお、コンソール3における機能は,上記以外のものであっても良い。
【0043】
複数種のコンソール3に接続可能であるとは、放射線画像撮影装置2と、複数種のコンソール3のうちのどのコンソール3とを接続しても、放射線画像撮影システム100による撮影動作を行うことが可能であることを言う。
【0044】
複数種のコンソール3のそれぞれの機能に対応可能であるとは、放射線画像撮影装置2における上記の設定を変更して用いることで、放射線撮影制御装置(放射線画像撮影システム)の製造業者が放射線画像撮影装置2を含むシステム仕様として定めた、各コンソール3の機能を全て発揮させることが可能であることを言う。
【0045】
制御部21は、放射線画像撮影装置2に接続されているコンソール3の仕様または種別を示す情報に基づいて放射線画像撮影装置2の動作を制御する。放射線画像撮影装置2の動作とは、放射線画像撮影装置2に起動/終了、撮影、撮影時の画像補正/画像処理、保守保全のためのキャリブレーション等を示す。コンソール3の種別に関する情報は、例えば、コンソール3の製造業者に係る情報、コンソール3の機種に係る情報、および、コンソール3で用いられるソフトウェアに係る情報の少なくとも1つである。製造業者に係る情報は、例えば、所定の第1の製造業者のコンソールと、第1の製造業者と協業先である第2の製造業者のコンソールとの間を、放射線画像撮影装置2が行き来する場合においての判別情報を主に意図している。コンソール3の機種に係る情報は、回診車、PC、携帯端末、または専用の装置に係る情報である。コンソール3で用いられるソフトウェアに係る情報にはソフトウェアのバージョンに関する情報も含まれる。コンソール3の機種に係る情報、コンソール3で用いられるソフトウェアに係る情報は、第1の製造業者-第2の製造業者間でのシェアのみならず、第1の製造業者間でも商品(放射線画像撮影システム)として異なるコンソール間での放射線画像撮影装置2のシェアを行う場合においての判別情報を主に意図している。
【0046】
制御部21は、放射線画像撮影装置2が接続されているコンソール3の仕様または種別を示す情報をコンソール3側から通信部24を介して取得して、取得した情報に基づいて、複数種のコンソール3の中の1種のコンソール3を判別する。つまり、制御部21は、コンソール3の仕様または種別を示す情報に基づいて、コンソール3が、どのコンソール3であるかを判別する。制御部21は、本発明の「判別部」に対応する。
【0047】
コンソール3の仕様または種別を示す情報は、例えば、コンソール3の製造業者、コンソール3にインストールされているソフトウェア、コンソール3の機種等の情報である。制御部21は、コンソール3の仕様または種別を示す情報として識別可能な識別情報を、例えばコンソール3の記憶部33から取得して、コンソール3の仕様または種別を判別する。識別情報は、予め上述した各種情報をコードで定義し、当該コードを放射線画像撮影装置2に通知するようにしても良い。
【0048】
なお、コンソール3の仕様または種別を示す情報は、放射線画像撮影装置2の記憶部25に記憶されていても良いし、放射線画像撮影システム100の周辺機器やアクセサリー等に記憶された識別情報から制御部21に取得されるようにしても良い。周辺機器からの取得とは、例えば放射線画像撮影装置2に接続される有線ケーブルのヘッド部に識別情報を記憶できるIC(Integrated Circuit)を配置し、接続のタイミングでこのIC内の情報を読み取る等の手段を示す。また、周辺機器からの取得としては、判別対象のコンソールを含むシステム内に接続された放射線画像撮影装置2の充電器に接続したタイミングで当該充電器に設けたICから情報を読み取る手段も考えられる。周辺機器からの取得としては、その他、非接触デバイスを用いて識別情報を読み込む方法でも良い。また、アクセサリーからの取得については、目的、手段は、周辺機器からの取得と同様であるが、システム内に固定された周辺機器によらず、放射線画像撮影装置2に別途識別情報を通知するための持ち運び可能なオプションを別途用意しても良い。
【0049】
そして、制御部21は、コンソール3の判別結果(種別)に応じて放射線画像撮影装置2の動作を制御する。
【0050】
例えば、制御部21は、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3に応じて、放射線画像撮影装置2の撮影方法を切り替える制御を行う。より詳細には、制御部21は、複数のコンソール3が例えば、放射線画像撮影装置2の撮影方法の設定が互いに異なる場合であって、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3を切り替える場合、放射線画像撮影装置2の撮影方法の設定を切り替える制御を行う。
【0051】
放射線画像撮影装置2の撮影方法の設定とは、例えば放射線画像撮影システム100における、エラー処理に係る設定、曝射方式の設定等である。
【0052】
エラー処理に係る設定は、エラー処理またはエラー処理に関連する設定である。エラー処理としては、放射線画像撮影システム100のネットワークの接続判定方法に係るエラー処理、曝射制御に関連するエラー処理(曝射応答のディレイ設定等)等が挙げられる。
【0053】
放射線画像撮影システム100における曝射方式としては、例えば、放射線照射装置1と放射線画像撮影装置2との連携方式が挙げられる。連携方式としては、例えば、ソフトウェアで行う方式と、ハードウェアで行う方式とが挙げられる。ここで言う連携とは、放射線照射装置1からの照射開始信号の受信や、放射線画像撮影装置2から放射線照射装置1へのインターロック解除信号の送信のことを示す。これらの信号は、放射線照射装置側の仕様によりハードウェア信号でやり取りされることもあれば、ソフトウェアによる通信コマンドベースでやり取りされることもあり、これら双方の方式を切り替えられることで、様々なシステムへの放射線画像撮影装置2のシェアが可能となる。
【0054】
このような放射線画像撮影システム100の撮影方法の設定は、コンソール3の種別に応じて異なるものとなっている。特に、エラー処理に関しては、ユーザーにどのような状態をエラーとして通知するかの考え方が製造業者毎に異なるため、コンソール3の種別に応じて、エラー内容の種別、エラー判定のロジック、エラー判定の閾値、エラーの出力仕様の設定が異なる場合が多い。例えば、放射線画像撮影装置2の落下・衝撃に対するエラーであれば、どのような落下・衝撃レベルからユーザーに通知するか、ユーザー通知の方法としてInformation/Caution/Warningのレベルの定義、落下・衝撃のレベル算出のためのアルゴリズムが異なることが想定される。また、エラーの出力仕様として情報を受け取る側のコンソール3の入力仕様に合わせて放射線画像撮影装置2のエラー出力仕様を合わせることが考えられる。
【0055】
本実施の形態では、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3に応じて撮影方法の設定を切り替えることにより、放射線画像撮影装置2が用いられる放射線画像撮影システム100における独自の機能を最大限に発揮することが可能となる。
【0056】
また、制御部21は、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3に応じて、各種ファイルの出力方法を切り替える制御を行う。より詳細には、制御部21は、複数のコンソール3が例えば、各種ファイルの出力方法の設定が互いに異なる場合であって、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3を切り替える場合、各種ファイルの出力方法の設定を切り替える制御を行う。
【0057】
ファイルの出力方法としては、各種ファイル(画像データ、ログデータに係るファイル、設定ファイル、画像処理/補正に用いるデータに係るファイル、画素欠陥のマップに係るファイル等)の暗号化方式、各種ファイルのフォーマット、各種ファイルの使用タイミング、各種ファイルの保存場所、各種ファイルの受け渡しの通信仕様等が挙げられる。暗号化しておくべき対象データ、暗号化方式についても製造業者毎に変わることが多い。
【0058】
このような放射線画像撮影システム100のファイルの出力方法の設定は、コンソール3の種別に応じて異なるものとなっている。各種ファイルと記載したうち、画像処理/補正に用いるデータに係るファイルは、製造業者毎に画質管理(保守)に関するポリシーが異なることが多く、画質管理のためのキャリブレーションの対象や、同一の対象であってもキャリブレーション方法が異なることが想定される。このため、コンソール3毎に生成されるファイルが異なる。これらの画像処理/補正に用いるデータに係るファイルは、コンソール3に付随するファイルとして複数所持して出力する対象ファイルを切り替えて出力するように制御しても良い。また、放射線画像撮影装置2内に保存されるデータのうち、暗号化対象とすべきデータや、コンソール3と放射線画像撮影装置2との間の暗号化方式が異なる場合がある。特に、コンソール3が協業先の製造業者のものである場合、各種ファイルのフォーマットや受け渡しの通信仕様(ファイル圧縮方法や、画像データの間引き方法も含む)は、協業先の製造業者の仕様に合わせて切り替えることが協業先の製造業者の手間が削減され、当該製造業者に好まれる。
【0059】
本実施の形態では、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3に応じてファイルの出力方法の設定を切り替えることにより、放射線画像撮影装置2が用いられる放射線画像撮影システム100における独自の機能を最大限に発揮することが可能となる。
【0060】
また、制御部21は、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3に応じて、放射線画像撮影装置2によって撮影された画像の画像処理方法を切り替える制御を行う。より詳細には、制御部21は、複数のコンソール3が例えば、放射線画像撮影システム100の画像処理方法の設定が互いに異なる場合であって、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3を切り替える場合、放射線画像撮影装置2によって撮影された画像の画像処理方法の設定を切り替える制御を行う。
【0061】
画像処理方法の設定は、例えば放射線画像撮影システム100における補正処理方法の設定や、放射線画像撮影システム100で用いる補正データ等である。
【0062】
補正処理方法の設定は、補正処理に用いるアルゴリズムの設定や、補正処理を行う装置の設定等である。補正処理を行う装置は、例えば放射線画像撮影装置2およびコンソール3の何れかである。補正データの種類は、ゲイン、オフセットパラメーター、画欠マップ等である。
【0063】
画像処理方法の設定は、例えば、放射線画像撮影システム100における撮影モード(撮影、キャリブレーション、画質優先、撮影速度優先等)や、各装置の製造業者のポリシー等に応じて、適宜変更される。
【0064】
特に、補正処理方法については、撮影モードや製造業者のポリシーにより、放射線画像撮影装置2およびコンソール3の何れかで処理を行うか、また、どのアルゴリズムを用いるか異なる場合がある。例えば、コンソール3が、他の製造業者に対して有意性のある独自の画像処理/補正技術を搭載している等の理由があれば、その画像処理/補正を実施する前の処理画像までを放射線画像撮影装置2で実施してコンソール3に送信するのが好ましい。あるいは、特定のコンソール3が撮影モードとして画質優先モードや速度優先モード等を備えている場合、画質優先モードが選択されたら全ての画質処理を実施し、速度優先モードが選択されたら一部の画像処理をスキップし、撮影画像をより早くユーザーに提供するような制御ができるようにすること等が考えられる。また、補正データについては、製造業者のポリシーにより、用いる補正データの内容が異なる場合がある。例えば、管電圧や管電流、照射時間、電流時間積等の放射線の照射に関する条件別に細かく補正データを作るポリシーである場合もあるし、細かく区分せず共通の補正データとする場合もある。補正データを生成するための撮影条件が異なる場合もある。
【0065】
そのため、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3に応じて画像処理方法を切り替えることにより、放射線画像撮影装置2が用いられる放射線画像撮影システム100における独自の機能を最大限に発揮することが可能となる。
【0066】
また、制御部21は、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3に応じて、ユーザーインターフェースの設定を切り替える制御を行う。より詳細には、制御部21は、複数のコンソール3が例えば、放射線画像撮影システム100(放射線画像撮影装置2およびコンソール3)のユーザーインターフェースに係る設定が互いに異なる場合であって、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3を切り替える場合、ユーザーインターフェースに係る設定を切り替える制御を行う。
【0067】
ユーザーインターフェースに係る設定とは、例えば、各種ユーザー通知情報に係る報知方法、各装置における点灯部(図2および図3では図示せず)の点灯パターン(報知パターン)、システムに非対応の操作の制限/禁止の報知方法、電源/バッテリー残量のレベルの報知方法等である。各種ユーザー通知情報の例としては、撮影に放射線画像撮影装置2が選択されたこと、撮影準備中であること、撮影可能な状態であることを報知する方法や、放射線画像撮影装置2に落下や衝撃等の理由等で何らかのエラーが生じ、撮影ができないことを示す報知方法等を示す。これらの報知方法は、製造業者による統一デザインがあることから、それに合わせる形で動作することがユーザー観点からも好ましい。
【0068】
なお、ユーザーインターフェースは、表示部、点灯部、音声出力部等、ユーザーが何らかの形式で、装置が発信する情報を認識できるものであれば、どのようなものでも良い。
【0069】
ユーザーインターフェースに係る設定は、コンソール3の種別や、各装置の製造業者のポリシー等に応じて、適宜変更される。例えば、接続されたコンソール3毎にシステムの内容が異なるので、ユーザーがシステムを誤認識しないように、ユーザーに放射線画像撮影装置2がどの放射線画像撮影システム100に適用されているかを通知する必要がある。その通知は、コンソール3になされても良いし、放射線画像撮影装置2になされても良い。
【0070】
また、バッテリー充電時の点灯部の点灯仕様、バッテリー残量の表示仕様、製造業者独自の機能に付随する点灯部の点灯パターンが存在する。また、放射線画像撮影システム100によっては、共通した機能と、共通しない機能が存在する場合があるので、放射線画像撮影システム100で対応していない機能をユーザーに報知する必要がある。
【0071】
本実施の形態では、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3に応じてユーザーインターフェースに係る設定を切り替えることにより、放射線画像撮影装置2が用いられる放射線画像撮影システム100における独自の機能を最大限に発揮することが可能となる。
【0072】
また、制御部21は、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3に応じて、システムに関する設定を切り替える制御を行う。より詳細には、制御部21は、複数のコンソール3が例えば、放射線画像撮影システム100おけるシステムに関する設定が互いに異なる場合であって、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3を切り替える場合、システムに関する設定を切り替える制御を行う。
【0073】
システムに関する設定とは、例えばシステムで用いるIP(Internet Protocol)アドレス(静的IPアドレスまたは動的IPアドレス)の設定、周辺機器の電源連動仕様の設定、システムにおける品質管理条件の設定、システムにおける設置方式の設定、システムにおけるソフトウェアのバージョンのアップ/ダウンの実施の方法の設定等である。
【0074】
システムに係る設定は、コンソール3の種別等に応じて、適宜変更される。例えば、周辺機器の電源ON/OFFと同期して放射線画像撮影装置2の電源を制御するシステムに切り替えられたような場合、当該システムに合わせて電源を制御する必要がある。
【0075】
また、製造業者のポリシーにより、コンソール3の種別に応じて品質担保のための管理項目や管理方法が異なる。例えば定期メンテナンスのタイミング(週1回、月1回等)や、定期メンテナンス時の補正データ取得シーケンスや、取得する補正データの種別、フォーマット、アルゴリズム等が異なる。
【0076】
また、システムによっては、コンソール3と放射線画像撮影装置2との通信設定等、設置方式の設定が異なる。また、2つ以上のシステムを放射線画像撮影装置2が行き来する場合、システムによっては、システムの組み合わせバージョンとして定義されたソフトウェアのバージョンが最新のものもあれば、最新ではないものも存在するので、放射線画像撮影装置2が適用されるシステムに合わせて、ソフトウェアのバージョンをアップ/ダウンしたりする必要がある。
【0077】
本実施の形態では、放射線画像撮影装置2が接続されるコンソール3に応じてシステムに係る設定を切り替えることにより、放射線画像撮影装置2が用いられる放射線画像撮影システム100における独自の機能を最大限に発揮することが可能となる。
【0078】
なお、ジェネレーター11の種別によってはパルス照射方式のシリアル撮影を実行可能なものと、実行不能なものとが存在するので、制御部21は、放射線照射装置1の種別に応じて放射線画像撮影装置2の動作を制御しても良い。なお、シリアル撮影とは、1回の撮影操作に基づいて、放射線画像撮影装置2が電荷の蓄積と信号値の読み出しを短時間で複数回繰り返すことにより、一連の複数枚の画像を得ることを言う。
【0079】
また、制御部21は、自身の操作部の機能を、各システムで変更可能である場合は、当該操作部の機能をコンソール3の種別に応じて切り替えても良い。
【0080】
以上のように構成された放射線画像撮影装置2の動作制御の動作例について説明する。図4は、放射線画像撮影装置2の動作制御の動作例を示すフローチャートである。図4における処理は、例えば、放射線画像撮影装置2が所定の放射線画像撮影システム100のコンソール3に接続された際に適宜実行される。
【0081】
図4に示すように、制御部21は、放射線画像撮影システム100の識別情報を取得する(ステップS101)。次に、制御部21は、コンソール3の種別を判別する(ステップS102)。そして、制御部21は、放射線画像撮影装置2の動作を制御する(ステップS103)。その後、本制御は終了する。
【0082】
次に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置2(放射線画像撮影システム100)の作用効果について説明する。
【0083】
例えば、第1の製造業者の放射線画像撮影システムを導入している施設に、第2の製造業者の放射線画像撮影システムを導入する場合があったとする。仕様が異なる複数の放射線画像撮影システムが同一施設に共存する場合、撮影業務の都合に応じて、放射線画像撮影システムを適宜選択可能となるため、放射線撮影業務の柔軟な運用が可能となり、ひいてはユーザーの利便性が向上すると考えられる。
【0084】
この場合、元々施設に導入されている、第1の製造業者仕様の放射線画像撮影装置を、第2の製造業者の放射線画像撮影システムに適用できれば、放射線画像撮影装置2を放射線画像撮影システム間でシェアできるため、全体的にコストを抑えることが可能となる。
【0085】
しかし、第1の製造業者に係る放射線画像撮影装置が、第1の製造業者に係る第1のコンソールに接続可能であっても、第2の製造業者に係る第2のコンソールとは接続不能であると、第1のコンソールに係る放射線画像撮影システムによる撮影動作はできても、第2のコンソールに係る放射線画像撮影システムによる撮影動作ができなくなる。
【0086】
そのため、第1のコンソールと第2のコンソールとが共存する施設内で、放射線画像撮影装置をシェアすることができなくなるので、第2のコンソールに接続可能な放射線画像撮影装置を別途購入する必要が生じるため、コストがかかることとなる。
【0087】
それに対し、本実施の形態では、仕様が異なる複数種のコンソール3に接続可能であるので、仕様が異なる複数種のコンソールを有する複数の放射線画像撮影システムが共存する施設内で、1つの放射線画像撮影装置2を簡易にシェアすることができる。
【0088】
その結果、1つの放射線画像撮影装置2をシステム間で移動させることにより、撮影業務の都合に応じた放射線画像撮影システムを用いた放射線画像の撮影を行いやすくすることができる。
【0089】
すなわち、本実施の形態では、各コンソール専用の放射線画像撮影装置を別途購入する必要がなくなるので、コストを全体的に下げることができる。その結果、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0090】
また、複数種のコンソールに接続可能な放射線画像撮影装置であっても、複数種のコンソールのそれぞれの機能に対応可能ではない場合がある。この場合、放射線画像撮影システムにおける基本的な撮影動作はできても、放射線画像撮影装置がコンソールの機能に対応していない放射線画像撮影システムでは、当該システム独自の機能を使うことができなくなる。例えば、放射線画像撮影装置が、接続される放射線画像撮影システムの画像処理方法の設定を合わせることができない場合、当該放射線画像撮影システムにおける所望の画像を生成できなくなる。
【0091】
そのため、当該放射線画像撮影システムの機能を利用したいユーザーにとっては、その放射線画像撮影システムを利用するメリットを得られにくくなる。
【0092】
それに対し、本実施の形態では、放射線画像撮影装置2は、複数種のコンソール3のそれぞれの機能に対応可能に構成されているので、接続されたコンソール3に合わせて、機能の設定を変更することができる。
【0093】
その結果、1つの放射線画像撮影装置2を用いることで、複数種の放射線画像撮影システム100の各機能をフル活用することができるので、ユーザーの利便性をさらに向上させることができる。
【0094】
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置2は、複数種のコンソール3に接続可能であり、かつ、複数種のコンソール3の機能に対応可能であるので、複数種の放射線画像撮影システム(コンソール)が導入された施設に適応しやすい。そのため、施設側では、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置2を導入することで、低コスト化を実現できる他、複数種の放射線画像撮影システムのそれぞれの強み(メリット)を享受することができる。
【0095】
また、コンソール3側の製造業者としては、例えば、他の製造業者の放射線画像撮影装置2が適用された放射線画像撮影システムを導入している施設に、自身の放射線画像撮影システム(コンソール)を導入してもらいやすくすることができる。そうすることで、製造業者間の関係を強固なものとすることができ、ひいては製造業者間のシナジー効果を発揮させやすくすることができる。
【0096】
なお、上記実施の形態では、放射線画像撮影装置2の制御部21が、放射線画像撮影装置2の動作を制御していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コンソールの撮影制御部が放射線画像撮影装置の動作を制御しても良いし、外部装置の制御部が放射線画像撮影装置の動作を制御しても良い。
【0097】
また、上記実施の形態では、判別部が放射線画像撮影装置の制御部に組み込まれていたが、本発明はこれに限定されず、図5に示すように、判別部27が放射線画像撮影装置2の制御部21とは別に設けられていても良い。
【0098】
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 放射線照射装置
2 放射線画像撮影装置
3 コンソール
11 ジェネレーター
12 曝射スイッチ
13 放射線源
21 制御部
22 放射線検出部
23 読出部
24 通信部
25 記憶部
26 バス
31 撮影制御部
32 通信部
33 記憶部
34 表示部
35 操作部
36 バス
100 放射線画像撮影システム
図1
図2
図3
図4
図5