(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像形成システム、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241016BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241016BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G06F3/12 367
B41J29/38 401
G06F3/12 303
G06F3/12 374
G06F3/12 387
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
(21)【出願番号】P 2020203011
(22)【出願日】2020-12-07
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 康裕
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-057366(JP,A)
【文献】特開2018-120334(JP,A)
【文献】特開2019-096023(JP,A)
【文献】特開2018-049594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
画像形成装置に対する画像形成の指示を受け付けた場合に、画像データと、自装置へのアクセス情報及び前記画像データが表す画像を形成するための情報を含む処理情報とをサーバに送信し、かつ前記画像データを自装置に保存し、
前記画像形成装置から前記画像データの送信が要求された場合に前記画像形成装置に前記画像データを送信
し、
前記サーバに送信された前記画像データと異なるタイミングであって、前記サーバよりも期間が短いタイミングで自装置に保存した前記画像データを削除する制御を行う情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
画像形成装置に対する画像形成の指示を受け付けた場合に、画像データと、自装置へのアクセス情報及び前記画像データが表す画像を形成するための情報を含む処理情報とをサーバに送信し、かつ前記画像データを自装置に保存し、
前記画像形成装置から前記画像データの送信が要求された場合に前記画像形成装置に前記画像データを送信する第1パターンと、前記画像データ及び前記処理情報を前記画像形成装置に直接送信する第2パターンとを有し、前記第1パターンと前記第2パターンを切り替えて前記画像形成装置に前記画像データを送信する制御を行い、かつ前記第1パターンまたは前記第2パターンを優先的に行う設定が可能とされ、優先設定された一方のパターンが失敗した場合に他方のパターンへ移行し、前記サーバと接続できない場合に、前記第2パターンへ移行する情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
画像形成装置に対する画像形成の指示を受け付けた場合に、画像データと、自装置へのアクセス情報及び前記画像データが表す画像を形成するための情報を含む処理情報とをサーバに送信し、かつ前記画像データを自装置に保存し、
前記画像形成装置から前記画像データの送信が要求された場合に前記画像形成装置に前記画像データを送信する第1パターンと、前記画像データ及び前記処理情報を前記画像形成装置に直接送信する第2パターンとを有し、前記第1パターンと前記第2パターンを切り替えて前記画像形成装置に前記画像データを送信する制御を行い、かつ前記第1パターンまたは前記第2パターンを優先的に行う設定が可能とされ、優先設定された一方のパターンが失敗した場合に他方のパターンへ移行し、予め定めた前記画像形成装置と直接接続できない場合に、前記第1パターンへ移行する情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記処理情報を前記サーバに送信した後に前記処理情報を削除、または一部を残して削除する請求項1~3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
自装置に前記画像データを保存する際に、暗号化して保存する請求項
1~4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記サーバに送信された前記画像データと異なるタイミングで自装置に保存した前記画像データを削除する請求項
2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記サーバよりも期間が短いタイミングで前記画像データを削除する請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
自装置の予め定めた動作で前記画像データの削除を管理する請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記画像データと、前記処理情報とを前記サーバに送信し、かつ前記画像データを自装置に保存し、前記画像形成装置から前記画像データの送信が要求された場合に前記画像形成装置に前記画像データを送信する第1パターンと、前記画像データ及び前記処理情報を前記画像形成装置に直接送信する第2パターンとを有し、
前記第1パターンと前記第2パターンを切り替えて前記画像形成装置に前記画像データを送信する制御を行う請求項1、または、請求項2及び請求項3に従属しない請求項4~8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記第1パターンまたは前記第2パターンを優先的に行う設定が可能とされ、優先設定された一方のパターンが失敗した場合に他方のパターンへ移行する請求項
9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記サーバと接続できない場合に、前記第2パターンへ移行する請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
予め定めた前記画像形成装置と直接接続できない場合に、前記第1パターンへ移行する請求項
10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置と、
画像形成装置と、
前記情報処理装置及び前記画像形成装置の各々と接続可能なサーバと、
を備え、
前記情報処理装置は第1プロセッサを備え、
前記第1プロセッサは、
前記画像形成装置に対する画像形成の指示を受け付けた場合に、画像データと、前記情報処理装置へのアクセス情報及び前記画像データが表す画像を形成するための情報を含む処理情報とを前記サーバに送信し、かつ前記画像データを前記情報処理装置に保存し、
前記画像形成装置から前記画像データの送信が要求された場合に前記画像形成装置に前記画像データを送信する制御を行い、
前記画像形成装置は第2プロセッサを備え、
前記第2プロセッサは、
前記サーバから前記処理情報を取得し、
前記サーバからの前記画像データの取得、または前記アクセス情報に対応する前記情報処理装置からの前記画像データの取得を選択して前記画像データを取得し、
取得した前記画像データ及び前記処理情報を用いて画像形成を行うよう制御
し、
かつ、 前記第2プロセッサは、前記サーバから取得した前記処理情報を用いて前記サーバに第1トークンの発行を要求し、発行された第1トークン及び前記処理情報を用いて前記情報処理装置に第2トークンの発行を要求し、発行された第2トークン及び前記処理情報を用いて、前記情報処理装置に前記画像データを要求することで前記情報処理装置から前記画像データを取得し、
前記第1プロセッサは、前記サーバに対して、前記第1トークン及び前記処理情報を用いた前記第2トークンの有効性の検証を要求し、前記第2トークンが有効である場合に、自装置に保存された前記画像データを前記画像形成装置に送信する画像形成システム。
【請求項14】
請求項1~12の何れか1項に記載の情報処理装置の前記プロセッサが行う制御を、コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、情報処理装置から取得された画像形成データに基づく画像の形成の実行中に、画像形成に関わる画像形成関連部の状態がエラーとなり、かつ、情報処理装置から取得された画像形成データよりもあとに画像の形成が行われる、サーバから取得された画像形成データがある場合に、画像形成関連部の状態に関する状態情報を、サーバに通知する画像形成方法が提案されている。
【0003】
特許文献2には、クラウドサービスシステムのユーザーアカウントにログインした後に、画像データをIDに関連付けて、ストレージサービスにアップロードし、画像データのアップロードの通信が完了するとただちに、ストレージサービスにおいてそのIDをキーにして画像データを検索し、その画像データがストレージサービスに登録されたことを検証し、画像データの登録に失敗している場合には、画像データを再度アップロードさせる画像形成装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-185869号公報
【文献】特開2014-045311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サーバを経由した画像形成では、サーバからファイルをダウンロードするため、画像形成装置と直接接続して画像を形成する場合よりも遅いことが多い。しかし、画像形成装置と直接接続できない場合などの状況では、サーバを介して画像を形成する必要がある。ここで、サーバに画像データを格納して画像形成を行うか、または画像形成装置に直接画像データを送信して画像形成を行うかを、ユーザが送信先をその都度選択するのは手間である。
【0006】
そこで、本発明は、サーバまたは画像形成装置の何れかに画像データの送信先を画像形成毎に選択することなく画像形成が可能な情報処理装置、画像形成システム、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像形成装置に対する画像形成の指示を受け付けた場合に、画像データと、自装置へのアクセス情報及び前記画像データが表す画像を形成するための情報を含む処理情報とをサーバに送信し、かつ前記画像データを自装置に保存し、前記画像形成装置から前記画像データの送信が要求された場合に前記画像形成装置に前記画像データを送信し、前記サーバに送信された前記画像データと異なるタイミングであって、前記サーバよりも期間が短いタイミングで自装置に保存した前記画像データを削除する制御を行う。
また、第2態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像形成装置に対する画像形成の指示を受け付けた場合に、画像データと、自装置へのアクセス情報及び前記画像データが表す画像を形成するための情報を含む処理情報とをサーバに送信し、かつ前記画像データを自装置に保存し、前記画像形成装置から前記画像データの送信が要求された場合に前記画像形成装置に前記画像データを送信する第1パターンと、前記画像データ及び前記処理情報を前記画像形成装置に直接送信する第2パターンとを有し、前記第1パターンと前記第2パターンを切り替えて前記画像形成装置に前記画像データを送信する制御を行い、かつ前記第1パターンまたは前記第2パターンを優先的に行う設定が可能とされ、優先設定された一方のパターンが失敗した場合に他方のパターンへ移行し、前記サーバと接続できない場合に、前記第2パターンへ移行する。
また、第3態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像形成装置に対する画像形成の指示を受け付けた場合に、画像データと、自装置へのアクセス情報及び前記画像データが表す画像を形成するための情報を含む処理情報とをサーバに送信し、かつ前記画像データを自装置に保存し、前記画像形成装置から前記画像データの送信が要求された場合に前記画像形成装置に前記画像データを送信する第1パターンと、前記画像データ及び前記処理情報を前記画像形成装置に直接送信する第2パターンとを有し、前記第1パターンと前記第2パターンを切り替えて前記画像形成装置に前記画像データを送信する制御を行い、かつ前記第1パターンまたは前記第2パターンを優先的に行う設定が可能とされ、優先設定された一方のパターンが失敗した場合に他方のパターンへ移行し、予め定めた前記画像形成装置と直接接続できない場合に、前記第1パターンへ移行する。
【0008】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第1態様~第3態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記処理情報を前記サーバに送信した後に前記処理情報を削除、または一部を残して削除する。
【0009】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第1態様~第4態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、自装置に前記画像データを保存する際に、暗号化して保存する。
【0010】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第2態様または第3態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記サーバに送信された前記画像データと異なるタイミングで自装置に保存した前記画像データを削除する。
【0011】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記サーバよりも期間が短いタイミングで前記画像データを削除する。
【0012】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、自装置の予め定めた動作で前記画像データの削除を管理する。
【0013】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第1態様、または、第2態様及び第3態様に従属しない第4態様~第8態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記画像データと、前記処理情報とを前記サーバに送信し、かつ前記画像データを自装置に保存し、前記画像形成装置から前記画像データの送信が要求された場合に前記画像形成装置に前記画像データを送信する第1パターンと、前記画像データ及び前記処理情報を前記画像形成装置に直接送信する第2パターンとを有し、前記第1パターンと前記第2パターンを切り替えて前記画像形成装置に前記画像データを送信する制御を行う。
【0014】
また、第10態様に係る情報処理装置は、第9態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1パターンまたは前記第2パターンを優先的に行う設定が可能とされ、優先設定された一方のパターンが失敗した場合に他方のパターンへ移行する。
【0015】
また、第11態様に係る情報処理装置は、第10態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記サーバと接続できない場合に、前記第2パターンへ移行する。
【0016】
また、第12態様に係る情報処理装置は、第10態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、予め定めた前記画像形成装置と直接接続できない場合に、前記第1パターンへ移行する。
【0019】
また、第13態様に係る画像形成システムは、情報処理装置と、画像形成装置と、前記情報処理装置及び前記画像形成装置の各々と接続可能なサーバと、を備え、
前記情報処理装置は第1プロセッサを備え、前記第1プロセッサは、前記画像形成装置に対する画像形成の指示を受け付けた場合に、画像データと、前記情報処理装置へのアクセス情報及び前記画像データが表す画像を形成するための情報を含む処理情報とを前記サーバに送信し、かつ前記画像データを前記情報処理装置に保存し、前記画像形成装置から前記画像データの送信が要求された場合に前記画像形成装置に前記画像データを送信する制御を行い、
前記画像形成装置は第2プロセッサを備え、前記第2プロセッサは、前記サーバから前記処理情報を取得し、前記サーバからの前記画像データの取得、または前記アクセス情報に対応する前記情報処理装置からの前記画像データの取得を選択して前記画像データを取得し、取得した前記画像データ及び前記処理情報を用いて画像形成を行うよう制御し、かつ、前記第2プロセッサは、前記サーバから取得した前記処理情報を用いて前記サーバに第1トークンの発行を要求し、発行された第1トークン及び前記処理情報を用いて前記情報処理装置に第2トークンの発行を要求し、発行された第2トークン及び前記処理情報を用いて、前記情報処理装置に前記画像データを要求することで前記情報処理装置から前記画像データを取得し、前記第1プロセッサは、前記サーバに対して、前記第1トークン及び前記処理情報を用いた前記第2トークンの有効性の検証を要求し、前記第2トークンが有効である場合に、自装置に保存された前記画像データを前記画像形成装置に送信する。
【0022】
また、第14態様に係る情報処理プログラムは、第1態様~第12態様の何れか1の態様に記載の情報処理装置の前記プロセッサが行う制御を、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0024】
第1態様によれば、サーバまたは画像形成装置の何れかに画像データの送信先を画像形成毎に選択することなく画像形成が可能で、かつ、サーバに送信した画像データ、及び自装置に保存した画像データの少なくとも一方の画像データより長く残すことが可能で、かつ、サーバ側に画像データのバックアップを保存することが可能な情報処理装置を提供できる。
また、第2態様によれば、サーバまたは画像形成装置の何れかに画像データの送信先を画像形成毎に選択することなく画像形成が可能で、かつ、サーバに画像データを送信しなくても画像データに基づく画像形成が可能なパターンを選択することが可能で、かつ、一方のパターンが失敗しても他方のパターンに切り替えることが可能で、かつ、情報処理装置がサーバに対応していない場合でも画像を形成することが可能な情報処理装置を提供できる。
また、第3態様によれば、サーバまたは画像形成装置の何れかに画像データの送信先を画像形成毎に選択することなく画像形成が可能で、かつ、サーバに画像データを送信しなくても画像データに基づく画像形成が可能なパターンを選択することが可能で、かつ、一方のパターンが失敗しても他方のパターンに切り替えることが可能で、かつ、情報処理装置が、画像形成装置に直接接続できない場合も画像を形成することが可能な情報処理装置を提供できる。
【0025】
第4態様によれば、画像形成装置により画像データに基づく画像を形成する際に、処理情報はサーバから取得可能となり、情報処理装置の容量を不必要に逼迫することがなくなる。
【0026】
第5態様によれば、画像データのセキュリティを確保することが可能となる。
【0027】
第6態様によれば、サーバに送信した画像データ、及び自装置に保存した画像データの少なくとも一方の画像データより長く残すことが可能となる。
【0028】
第7態様によれば、サーバ側に画像データのバックアップを保存することが可能となる。
【0029】
第8態様によれば、画像データが不要となると考えられる動作をきっかけに画像データを削除することが可能となる。
【0030】
第9態様によれば、サーバに画像データを送信しなくても画像データに基づく画像形成が可能なパターンを選択することが可能となる。
【0031】
第10態様によれば、一方のパターンが失敗しても他方のパターンに切り替えることが可能となる。
【0032】
第11態様によれば、情報処理装置がサーバに対応していない場合でも画像を形成することが可能となる。
【0033】
第12態様によれば、情報処理装置が、画像形成装置に直接接続できない場合も画像を形成することが可能となる。
【0036】
第13態様によれば、サーバまたは画像形成装置の何れかに画像データの送信先を画像形成毎に選択することなく画像形成が可能で、かつ画像形成装置から画像データを取得する際のセキュリティを確保することが可能な画像形成システムを提供できる。
【0039】
第14態様によれば、サーバまたは画像形成装置の何れかに画像データの送信先を画像形成毎に選択することなく画像形成が可能な情報処理プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るクラウドサーバ及び情報処理装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る画像形成システムの各部の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る画像形成システムにおいて、画像形成装置で印刷する場合の処理パターンの一例を説明するための図である。
【
図6】情報処理装置上に表示する設定画面の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る画像形成システムにおいて、パターンAで印刷する場合に、印刷データをクラウドサーバにアップロードする際の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図8】本実施形態に係る画像形成システムにおいて、クラウドサーバに処理情報及び印刷データがアップロードされた後に、画像形成装置においてパターンAで、かつ画像形成装置が、処理情報をクラウドサーバから取得し、印刷データを情報処理装置から取得する場合の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図9】本実施形態に係る画像形成システムにおいて、クラウドサーバに処理情報及び印刷データがアップロードされた後に、画像形成装置においてパターンAで、かつ画像形成装置が、処理情報をクラウドサーバから取得し、印刷データを情報処理装置から取得する場合の処理の変形例を示すシーケンス図である。
【
図10】本実施形態に係る画像形成システムにおいて、クラウドサーバに処理情報及び印刷データがアップロードされた後に、画像形成装置においてパターンAで、かつ画像形成装置が、処理情報及び印刷データをクラウドサーバから取得する場合の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図11】本実施形態に係る画像形成システムにおいて、パターンBで印刷を行う場合の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図12】本実施形態に係る画像形成システムにおいて、パターンAで失敗した場合にパターンBで印刷を行う場合の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【0043】
本実施形態に係る画像形成システム10は、
図1に示すように、画像形成装置12と、クラウドサーバ14と、情報処理装置16とを備えている。なお、本実施形態では、画像形成装置12、クラウドサーバ14、及び情報処理装置16を1つのみ示すがそれぞれ複数備えてもよい。また、情報処理装置16としては、パーソナルコンピュータを適用してもよいし、タブレット端末やスマートフォン等の携帯端末を適用してもよい。
【0044】
画像形成装置12及び情報処理装置16は、LAN(Local Area Network)、イントラネット等の内部通信回線17に各々接続されている。また、内部通信回線17及びクラウドサーバ14は、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の外部通信回線18に各々接続されている。そして、画像形成装置12、クラウドサーバ14、及び情報処理装置16の各々は、内部通信回線17及び外部通信回線18を介して各種データの送受信を相互に行うことが可能とされている。
【0045】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置12の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0046】
本実施形態に係る画像形成装置12は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、及びRAM(Random Access Memory)20Cを含むコントロール・ユニット20を備えている。CPU20Aは、画像形成装置12の全体の動作を司る。RAM20Cは、CPU20Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。ROM20Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。そして、画像形成装置12は、コントロール・ユニット20の各部がシステムバス42によって電気的に接続されている。
【0047】
一方、本実施形態に係る画像形成装置12は、各種のデータやアプリケーション・プログラム等を記憶するHDD(hard disk drive)26を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22のディスプレイへの各種の操作画面等の表示を制御する表示制御部28を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22を介して入力される操作指示を検出する操作入力検出部30を備えている。そして、画像形成装置12では、HDD26、表示制御部28、及び操作入力検出部30がシステムバス42に電気的に接続されている。なお、本実施の形態に係る画像形成装置12では、HDD26を備える例を説明するが、これに限らず、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部を備えてもよい。
【0048】
また、本実施形態に係る画像形成装置12は、原稿読取部46による光学的な画像の読み取り動作、及び原稿搬送部による原稿送り動作を制御する読取制御部32と、画像形成部24による画像形成処理、及び搬送部25による画像形成部24への用紙の搬送を制御する画像形成制御部34と、を備えている。また、画像形成装置12は、内部通信回線17に接続され、当該内部通信回線17に接続されたクラウドサーバ14等の他の外部装置と通信データの送受信を行う通信回線インタフェース(通信回線I/F)部36、及び各種画像処理を行う画像処理部44を備えている。また、画像形成装置12は、図示しない電話回線に接続され、当該電話回線に接続されているファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリインタフェース(ファクシミリI/F)部38を備えている。また、画像形成装置12は、ファクシミリインタフェース部38を介したファクシミリデータの送受信を制御する送受信制御部40を備えている。そして、画像形成装置12では、送受信制御部40、読取制御部32、画像形成制御部34、通信回線インタフェース部36、ファクシミリインタフェース部38、及び画像処理部44がシステムバス42に電気的に接続されている。
【0049】
以上の構成により、本実施形態に係る画像形成装置12は、CPU20Aにより、RAM20C、ROM20B、及びHDD26へのアクセスを各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、表示制御部28を介したユーザインタフェース22のディスプレイへの操作画面、各種のメッセージ等の情報の表示の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、読取制御部32を介した原稿読取部46及び原稿搬送部の作動の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、画像形成制御部34を介した画像形成部24及び搬送部25の作動の制御と、通信回線インタフェース部36を介した通信データの送受信の制御と、を各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、送受信制御部40によるファクシミリインタフェース部38を介したファクシミリデータの送受信の制御を実行する。さらに、画像形成装置12は、CPU20Aにより、操作入力検出部30によって検出された操作情報に基づくユーザインタフェース22における操作内容の把握が行われ、この操作内容に基づく各種の制御を実行する。
【0050】
続いて、本実施形態に係るクラウドサーバ14及び情報処理装置16の電気系の要部構成について説明する。
図3は、本実施形態に係るクラウドサーバ14及び情報処理装置16の電気系の要部構成を示すブロック図である。なお、クラウドサーバ14及び情報処理装置16は基本的には一般的なコンピュータの構成とされているので、クラウドサーバ14を代表して説明して情報処理装置16の説明は省略し、対応する符号のみ
図3に示す。
【0051】
本実施の形態に係るクラウドサーバ14は、
図3に示すように、CPU14A、ROM14B、RAM14C、HDD14D、キーボード14E、ディスプレイ14F、及び通信回線インタフェース(I/F)部14Gを備えている。CPU14Aは、クラウドサーバ14の全体の動作を司る。ROM14Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。RAM14Cは、CPU14Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。HDD14Dは、各種のデータやアプリケーション・プログラム等が記憶される。キーボード14Eは各種の情報を入力するために用いられる。ディスプレイ14Fは、各種の情報を表示するために用いられる。通信回線インタフェース部14Gは、外部通信回線18に接続され、当該外部通信回線18に接続された他の装置と各種データの送受信を行う。以上のクラウドサーバ14の各部はシステムバス14Hにより電気的に相互に接続されている。本実施形態に係るクラウドサーバ14では、HDD14Dを備える例を説明するが、これに限らず、フラッシュメモリ等の他の不揮発性の記憶部を備えてもよい。なお、情報処理装置16の通信回線インタフェース部16Gは、内部通信回線17に接続され、当該内部通信回線17に接続された他の装置と各種データの送受信を行う。
【0052】
以上の構成により、本実施の形態に係るクラウドサーバ14は、CPU14Aにより、ROM14B、RAM14C、及びHDD14Dに対するアクセス、キーボード14Eを介した各種データの取得、ディスプレイ14Fに対する各種情報の表示を各々実行する。また、クラウドサーバ14は、CPU14Aにより、通信回線インタフェース部14Gを介した通信データの送受信の制御を実行する。
【0053】
次に、上述のように構成された本実施形態に係る画像形成システム10の各部の機能構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成システム10の各部の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0054】
情報処理装置16は、アプリケーション50、プリンタドライバ52、及び常駐アプリケーションの機能を有する。
【0055】
アプリケーション50は、情報処理装置16上で動作する印刷機能を有する各種アプリケーションである。
【0056】
プリンタドライバ52は、アプリケーション50の指示により画像データとしての印刷データを作成して常駐アプリケーションに渡す処理を実行する。
【0057】
常駐アプリケーション54は、プリンタドライバ52から印刷データを受け付けると共に、画像形成装置12の装置アプリケーション64からの印刷データ取得要求に応答する。また、常駐アプリケーション54は、ローカルキャッシュフォルダ56に印刷データを保存する処理を実行する。なお、ローカルキャッシュフォルダ56に印刷データを保存する際には、印刷データを暗号化して保存することにより、印刷データのセキュリティを確保するが、暗号化せずに保存する形態として処理を簡略化してもよい。或いは、暗号化の有無を設定可能としてもよい。
【0058】
クラウドサーバ14は、受信部58、処理応答部60、及びトークン処理部62の機能を有する。
【0059】
受信部58は、常駐アプリケーション54から、印刷設定等の処理内容を表す処理情報、及び印刷データを受信する。なお、処理情報とは、印刷枚数、画質、カラー/白黒指定等の印刷時の設定条件や、文書名を含むものである。文書名は、元のファイル名になる場合もあれば、ウェブページのタイトルになる場合もあり、印刷元のアプリケーションによって変わる。また、本実施形態では、処理情報は、IP(Internet Protocol address)アドレスなどのアクセス情報を更に含むものとするが、処理情報とアクセス情報は別としてもよい。
【0060】
処理応答部60は、画像形成装置12の装置アプリケーション64からの処理一覧取得要求などの各種要求に応答する。
【0061】
トークン処理部62は、トークンの発行要求に従ってトークンを発行し、トークンの検証要求に従ってトークンの検証を行う。
【0062】
画像形成装置12は、装置アプリケーション64、及び画像形成プラットフォーム66の機能を有する。
【0063】
装置アプリケーション64は、ユーザインタフェース22に処理一覧等の画面を表示するための処理やトークンに関する処理を実行する機能、及びクラウドサーバ14や、常駐アプリケーション54から取得した印刷データを画像形成プラットフォームに渡す機能を有する。
【0064】
画像形成プラットフォーム66は、ユーザインタフェース22への表示や印刷データに基づく画像形成等の画像形成装置12としての基本的な機能を提供する。例えば、画像形成プラットフォームは、API(Application Programming Interface)で構成する。
【0065】
次に、本実施形態に係る画像形成システム10において、画像形成装置12で印刷する場合の処理パターンについて説明する。
図5は、本実施形態に係る画像形成システム10において、画像形成装置12で印刷する場合の処理パターンの一例を説明するための図である。
【0066】
本実施形態に係る画像形成システム10では、第1パターンとしてのパターンA及び第2パターンとしてのパターンBの2種類の処理パターンで画像形成装置12による印刷が可能とされている。
【0067】
本実施形態では、情報処理装置16とクラウドサーバ14とが接続可能な場合、パターンAで印刷し、情報処理装置16からクラウドサーバ14に接続できない場合、パターンBで印刷する。
【0068】
パターンAでは、情報処理装置16が、印刷データと、自装置のアクセス情報及び印刷データが表す画像を形成するための情報を含む処理情報とをクラウドサーバ14に送信すると共に、自装置のローカルキャッシュフォルダ56に印刷データを保存する。そして、画像形成装置12で印刷を行う際には、画像形成装置12は、クラウドサーバ14から処理情報を取得し、クラウドサーバ14及び情報処理装置16のどちらか一方から印刷データを取得して印刷する。クラウドサーバ14に処理情報及び印刷データをアップロードするタイミングと、情報処理装置16に印刷データを保存するタイミングは、必ずしも同時である必要はない。例えば、クラウドサーバ14に処理情報及び印刷データをアップロードした後に情報処理装置16に印刷データを保存してもよい。なお、本実施形態では、ユーザが情報処理装置16を操作することにより情報処理装置16からクラウドサーバ14に処理情報及び印刷データをアップロードすると共に、情報処理装置16に印刷データを保存した後に、ユーザが画像形成装置12の前まで移動してユーザインタフェース22を操作することで印刷を行うことを想定している。
【0069】
パターンBでは、情報処理装置16から処理情報及び印刷データを画像形成装置12に直接送信し、送信先の画像形成装置12が印刷する。或いは、予め設定された画像形成装置12間で、ある画像形成装置12に送信した印刷処理を、別の画像形成装置12から出力できるようにするサービス(SODP:Serverless OnDemand Print)を適用して、ネットワーク上の別の空いている画像形成装置12で印刷してもよい。また、パターンBで情報処理装置16から処理情報及び印刷データを画像形成装置12に直接送信する場合は、近距離通信(例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等)を用いて送信してもよい。
【0070】
なお、クラウドサーバ14上の処理情報及び印刷データは、情報処理装置16からクラウドサーバ14にアップロード時に、削除するタイミングが選択可能としてもよい。例えば、画像形成時に削除を確認、削除しない、予め定めた時間(例えば、15分等)の経過後に削除の何れかを選択可能としてもよい。また、テナントなどの契約単位で印刷データの削除期限を選べるようにしてもよい。例えば、契約単位で1時間~7日の間から選択可能としてもよい。
【0071】
また、情報処理装置16に保存した印刷データは、クラウドサーバ14に送信された印刷データと異なるタイミングで削除してもよい。情報処理装置16上の印刷データは、キャッシュに過ぎないので、クラウドサーバ14より短いタイミングで削除してもよい。例えば、情報処理装置16の予め定めた動作で印刷データを削除してもよい。具体的には、予め定めた動作として、情報処理装置16の印刷データを管理しているアプリケーション50の終了または開始のタイミングで、印刷データを全て削除してもよい。これにより、結果的にログアウトや、ログイン、再起動でも印刷データが全て削除される。これ以外にも、予め定めた時間(例えば、5分等)の経過後に削除してもよい。
【0072】
また、本実施形態では、画像形成装置12で印刷する場合の処理パターンは、情報処理装置16上の設定画面で設定することが可能とされている。
図6は、情報処理装置16上に表示する設定画面の一例を示す図である。
【0073】
図6の例では、パターン設定として、パターンAのみ(
図6の「Aのみ」)、パターンBのみ(
図6の「Bのみ」)、パターンAが失敗したらパターンB(
図6の「A→B」)、及びパターンBが失敗したらパターンA(
図6の「B→A」)の4種類から選択可能とされ、
図6では、「A→B」が選択されている例を示す。
【0074】
また、
図6の設定画面では、クラウドサーバ14のアドレス(
図6のサーバアドレス)、画像形成装置12のアドレス(
図6のMF機アドレス)、及びネットワークインタフェース名の設定が可能とされている。
【0075】
また、処理パターンの失敗を判断するためのタイムアウト値の設定が可能とされ、タイムアウト値に設定された時間が経過した場合に印刷失敗と判断する。
【0076】
なお、
図6のサーバアドレス、MF機アドレス、ネットワークインタフェース名、及びタイムアウト値は、管理者が操作する場合に表示し、通常は未表示としてもよい。
【0077】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る画像形成システム10における具体的な処理の流れについて説明する。
【0078】
まず、パターンAで印刷する場合に、印刷データをクラウドサーバ14にアップロードする際の処理の流れについて説明する。
図7は、本実施形態に係る画像形成システム10において、パターンAで印刷する場合に、印刷データをクラウドサーバ14にアップロードする際の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0079】
ユーザが情報処理装置16を操作して、アプリケーション50における印刷設定を行って、印刷指示を行うと、アプリケーション50は、設定された印刷設定をプリンタドライバ52に送信して印刷データの作成指示を行う。
【0080】
プリンタドライバ52は、アプリケーションからの印刷データの作成指示に対応して、印刷設定を常駐アプリケーション54に送信し、印刷データを作成する印刷データ作成イベントを行う。
【0081】
常駐アプリケーション54は、プリンタドライバ52から送信された印刷設定から、パターン設定を確認し、パターンAのみ、または、パターンAが不可の場合パターンBを行う設定の場合は、以下の処理を行う。
【0082】
すなわち、常駐アプリケーション54は、クラウドサーバ14に対してユーザ認証を行う。そして、認証された場合に、文書名、印刷設定、及び情報処理装置16へのアクセス情報としての情報処理装置16のIPアドレスを含む処理情報と、印刷データとをクラウドサーバ14へ送信する。また、常駐アプリケーション54は、印刷データを暗号化して自装置のローカルキャッシュフォルダ56に保存し、ユーザに処理完了を通知する。なお、処理情報は、クラウドサーバ14へ送信した後は、保存せずに削除、または一部を残して削除する。削除せずに残す一部の処理情報の一例としては、例えば、文書IDを残す。
【0083】
次に、クラウドサーバ14に処理情報及び印刷データがアップロードされた後に、画像形成装置12においてパターンAで印刷する際の処理の流れについて説明する。
【0084】
まず、パターンAにおいて、画像形成装置12が、処理情報をクラウドサーバ14から取得し、印刷データを情報処理装置16から取得する場合について説明する。
図8は、本実施形態に係る画像形成システム10において、クラウドサーバ14に処理情報及び印刷データがアップロードされた後に、画像形成装置12においてパターンAで、かつ画像形成装置12が、処理情報をクラウドサーバ14から取得し、印刷データを情報処理装置16から取得する場合の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0085】
ユーザが画像形成装置12の前まで移動してユーザインタフェース22を操作して装置アプリケーション64を起動すると、装置アプリケーション64は、クラウドサーバ14に対して文書名の一覧を要求する。
【0086】
クラウドサーバ14は、処理応答部60が装置アプリケーション64からの文書名の一覧の要求に対して文書名の一覧を返信する。
【0087】
ユーザがユーザインタフェース22を操作して文書名を選択すると、装置アプリケーション64は、選択された文書名に関する処理情報をクラウドサーバ14に要求する。なお、文書名を選択する際には、印刷設定を適宜変更してもよい。
【0088】
クラウドサーバ14は、装置アプリケーション64からの処理情報の要求を受信部58が受信すると、処理応答部60が、文書名に対応する処理情報を装置アプリケーション64に送信する。
【0089】
ユーザがユーザインタフェース22を操作して、印刷開始を指示すると、装置アプリケーション64は、クラウドサーバ14に対してトークンを要求する。トークンを要求する際の引数としては、文書IDを用いてトークンを要求する。
【0090】
クラウドサーバ14では、受信部58が装置アプリケーション64からの文書IDを引数としてトークンの要求を受信して、トークン処理部62が引数を文書IDとしたトークンを発行して装置アプリケーション64に送信する。
【0091】
装置アプリケーション64は、常駐アプリケーション54に対して、トークン及び文書IDを引数として印刷データの取得要求を行う。このとき、装置アプリケーション64は、処理情報の一部である情報処理装置16のIPアドレスを指定して通信する。指定されたIPアドレスで接続できる場合、以下の処理を実行する。
【0092】
常駐アプリケーション54は、装置アプリケーション64からの印刷データの取得要求を受け取ると、クラウドサーバ14に対してトークンの有効性の問い合わせを行う。すなわち、指定された文書に対して、呼び出し元の画像形成装置12がアクセス権を持っているかを確認する。
【0093】
クラウドサーバ14で、トークン処理部62がトークンの有効性を確認して、トークンが有効である場合は、有効である旨を常駐アプリケーション54に返信する。
【0094】
常駐アプリケーション54は、トークンが有効である場合、ローカルキャッシュフォルダ56に保存された印刷データの取得を要求する。
【0095】
ローカルキャッシュフォルダ56は、対応する印刷データを常駐アプリケーション54に送信する。
【0096】
常駐アプリケーション54は、印刷データをローカルキャッシュフォルダ56から取得すると、暗号化された印刷データを復号して装置アプリケーション64に送信する。
【0097】
装置アプリケーション64は、画像形成プラットフォーム66に印刷指示を行う。印刷指示を行う際には、印刷設定及び印刷データを引数として印刷指示を行う。これによって、画像形成プラットフォーム66は、印刷設定及び印刷データに基づく画像を形成することによって印刷が行われる。
【0098】
続いて、上述のクラウドサーバ14に処理情報及び印刷データがアップロードされた後に、画像形成装置12においてパターンAで印刷する際の処理の変形例について説明する。
図9は、本実施形態に係る画像形成システム10において、クラウドサーバ14に処理情報及び印刷データがアップロードされた後に、画像形成装置12においてパターンAで、かつ画像形成装置12が、処理情報をクラウドサーバ14から取得し、印刷データを情報処理装置16から取得する場合の処理の変形例を示すシーケンス図である。
【0099】
ユーザが画像形成装置12の前まで移動してユーザインタフェース22を操作して装置アプリケーション64を起動すると、装置アプリケーション64は、クラウドサーバ14に対して文書名の一覧を要求する。
【0100】
クラウドサーバ14は、処理応答部60が装置アプリケーション64からの文書名の一覧の要求に対して文書名の一覧を返信する。
【0101】
ユーザがユーザインタフェース22を操作して文書名を選択すると、装置アプリケーション64は、選択された文書名に関する処理情報をクラウドサーバ14に要求する。なお、文書名を選択する際には、印刷設定を適宜変更してもよい。
【0102】
クラウドサーバ14は、装置アプリケーション64からの処理情報の要求を受信部58が受信すると、処理応答部60が、文書名に対応する処理情報を装置アプリケーション64に送信する。
【0103】
装置アプリケーション64は、クラウドサーバ14から処理情報を受信すると、クラウドサーバ14に対して第1トークンを要求する。第1トークンは、文書IDを引数として要求する。
【0104】
クラウドサーバ14では、受信部58が装置アプリケーション64からの第1トークンの要求を受信して、トークン処理部62が第1トークンを発行して装置アプリケーション64に送信する。
【0105】
装置アプリケーション64は、クラウドサーバ14から第1トークンを受信すると、常駐アプリケーション54に対して、第2トークンを要求する。第2トークンの要求は、第1トークン及び文書IDを引数として要求する。
【0106】
常駐アプリケーション54は、装置アプリケーション64からの第2トークンの要求を受け取ると、クラウドサーバ14に対して、第1トークンの有効性を問い合わせる。第1トークンの有効を問い合わせる際には、第1トークン及び文書IDを引数として問い合わせる。
【0107】
クラウドサーバ14は、トークン処理部62が第1トークンと文書IDを用いて第1トークンの有効性を検証し、有効である場合は、第1トークンが有効である旨を常駐アプリケーションに返信する。
【0108】
常駐アプリケーション54は、第1トークンが有効である場合、第2トークンを発行して装置アプリケーション64に送信する。すなわち、
図9の変形例では、クラウドサーバ14が発行した第1トークンの検証は、クラウドサーバ14へのアクセスなので時間がかかる可能性がある。そこで、印刷指示を出すよりも前に、第1トークンの検証を済ませて、常駐アプリケーション54側で自身が管理する第2トークンに変換する。
【0109】
装置アプリケーション64は、第2トークンを受信したところで、印刷指示をユーザから受け付けて、常駐アプリケーション54に対して印刷データの取得要求を行う。印刷データの取得要求は、第2トークン及び文書IDを引数として行う。
【0110】
常駐アプリケーション54は、装置アプリケーション64からの印刷データの取得要求を受け付けると、第2トークンの有効性を検証する。第2トークンは、常駐アプリケーション54内で管理しているので、自身で検証できる。
【0111】
常駐アプリケーション54は、第2トークンの有効性が検証されて有効である場合には、ローカルキャッシュフォルダ56に対して印刷データを要求する。
【0112】
ローカルキャッシュフォルダ56は、常駐アプリケーション54からの印刷データの要求に対して、対応する印刷データを常駐アプリケーション54に送信する。
【0113】
常駐アプリケーション54は、印刷データをローカルキャッシュフォルダ56から取得すると、暗号化された印刷データを復号して装置アプリケーション64に送信する。
【0114】
装置アプリケーション64は、画像形成プラットフォーム66に印刷指示を行う。印刷指示を行う際には、印刷設定及び印刷データを引数として印刷指示を行う。これによって、画像形成プラットフォーム66では、印刷設定及び印刷データに基づく画像形成が行われて印刷が完了する。
【0115】
続いて、パターンAにおいて、画像形成装置12が、処理情報及び印刷データをクラウドサーバ14から取得する場合について説明する。
図10は、本実施形態に係る画像形成システム10において、クラウドサーバ14に処理情報及び印刷データがアップロードされた後に、画像形成装置12においてパターンAで、かつ画像形成装置12が、処理情報及び印刷データをクラウドサーバ14から取得する場合の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0116】
ユーザが画像形成装置12の前まで移動してユーザインタフェース22を操作して装置アプリケーション64を起動すると、装置アプリケーション64は、クラウドサーバ14に対して文書名の一覧を要求する。
【0117】
クラウドサーバ14は、装置アプリケーション64からの文書名の一覧の要求に対して、文書名の一覧を返信する。
【0118】
ユーザがユーザインタフェース22を操作して文書名を選択すると、装置アプリケーション64は、選択された文書名に関する処理情報をクラウドサーバ14に要求する。なお、文書名を選択する際には、適宜印刷設定を変更してもよい。
【0119】
クラウドサーバ14は、装置アプリケーション64からの処理情報の要求を受信部58が受信すると、処理応答部60が文書名に対応する処理情報を装置アプリケーション64に送信する。
【0120】
ユーザがユーザインタフェース22を操作して、印刷開始を指示すると、装置アプリケーション64は、クラウドサーバ14に対してトークンを要求する。トークンを要求する際の引数としては、文書IDを用いてトークンを要求する。
【0121】
クラウドサーバ14では、受信部58が装置アプリケーション64からの文書IDを引数としてトークンの要求を受信して、トークン処理部62が引数を文書IDとしたトークンを発行して装置アプリケーション64に送信する。
【0122】
装置アプリケーション64は、常駐アプリケーション54に対して、トークン及び文書IDを引数として印刷データの取得要求を行う。このとき、装置アプリケーション64は、処理情報の一部である情報処理装置16のIPアドレスを指定して通信する。指定されたIPアドレスで接続できない場合、以下の処理を実行する。
【0123】
ここで、装置アプリケーション64は、常駐アプリケーション54から指定された文書がないと返事が返ってきた場合、または、予め定めた時間経過した場合に、常駐アプリケーションと接続不可と判断して、クラウドサーバ14に対して印刷データを要求する。
【0124】
クラウドサーバ14では、受信部58が装置アプリケーション64からの印刷データの要求を受信すると、処理応答部60が対応する印刷データを装置アプリケーション64に送信する。
【0125】
装置アプリケーション64は、画像形成プラットフォーム66に印刷指示を行う。印刷指示を行う際には、印刷設定及び印刷データを引数として印刷指示を行う。これによって、画像形成プラットフォーム66は、印刷設定及び印刷データに基づく画像を形成することによって印刷が行われる。
【0126】
次に、パターンBで印刷の場合について説明する。
図11は、本実施形態に係る画像形成システム10において、パターンBで印刷を行う場合の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0127】
ユーザが情報処理装置16を操作して、アプリケーション50における印刷設定を行って、印刷指示を行うと、アプリケーション50は、設定された印刷設定をプリンタドライバ52に送信して印刷データの作成指示を行う。
【0128】
プリンタドライバ52は、アプリケーションからの印刷データの作成指示に対応して、印刷設定を常駐アプリケーション54に送信し、印刷データを作成する印刷データ作成イベントを常駐アプリケーション54に通知する。
【0129】
常駐アプリケーション54は、プリンタドライバ52から印刷設定が送信されたら、ユーザが事前に設定しておいたパターン設定を確認し、パターンBのみ、または、パターンBが不可の場合パターンAを行う設定の場合は、以下の処理を行う。
【0130】
すなわち、常駐アプリケーション54は、画像形成装置12の画像形成プラットフォーム66に対して印刷設定及び印刷データを引数として印刷指示を行う。これにより、画像形成プラットフォーム66は、印刷設定及び印刷データに基づく画像を形成することにより印刷が行われる。そして、常駐アプリケーション54は、ユーザに処理完了を通知する。
【0131】
続いて、パターンAで失敗したらパターンBで印刷する場合について説明する。
図12は、本実施形態に係る画像形成システム10において、パターンAで失敗した場合にパターンBで印刷を行う場合の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0132】
ユーザが情報処理装置16を操作して、アプリケーション50における印刷設定を行って、印刷指示を行うと、アプリケーション50は、設定された印刷設定をプリンタドライバ52に送信して印刷データの作成指示を行う。
【0133】
プリンタドライバ52は、アプリケーションからの印刷データの作成指示に対応して、印刷設定を常駐アプリケーション54に送信し、印刷データを作成する印刷データ作成イベントを常駐アプリケーション54に通知する。
【0134】
常駐アプリケーション54は、プリンタドライバ52から印刷設定が送信されたら、ユーザが事前に設定しておいたパターン設定を確認し、パターンAで失敗したらパターンBを行う設定の場合は、上述のパターンAを実行する。
【0135】
そして、常駐アプリケーション54は、パターンAで印刷が成功したか否かを判定し、パターンAで印刷が成功した場合には、ユーザに処理完了を通知する。
【0136】
一方、パターンAで印刷が失敗した場合には、上述の
図11で説明したパターンBでの印刷を実行して、常駐アプリケーション54が、ユーザに処理完了を通知する。
【0137】
なお、パターンBで失敗したらパターンAで印刷する場合は、
図12のパターンAの実行とパターンBの実行を逆にすればよい。
【0138】
また、上記の実施形態において、CPUをプロセッサの一例として説明したが、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0139】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0140】
また、上記の実施形態に係る画像形成システム10の各部で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、画像形成システム10の各部で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0141】
また、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0142】
10 画像形成システム
12 画像形成装置
14 クラウドサーバ
16 情報処理装置
16A CPU
17 内部通信回線
18 外部通信回線
20A CPU
50 アプリケーション
52 プリンタドライバ
54 常駐アプリケーション
56 ローカルキャッシュフォルダ
62 トークン処理部
64 装置アプリケーション
66 画像形成プラットフォーム