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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】端末装置及びコンテンツの表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20241016BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20241016BHJP
【FI】
G06F3/0484
H04L67/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020215968
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022101728
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊裕
(72)【発明者】
【氏名】秦 周平
(72)【発明者】
【氏名】長原 優
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 美佐
(72)【発明者】
【氏名】野田 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】大野 博樹
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-060548(JP,A)
【文献】特開2001-109654(JP,A)
【文献】特開2020-032118(JP,A)
【文献】特開2016-212860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0484
H04L 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のウィンドウを開くことは行わないアプリ内ブラウザであり、当該アプリ内ブラウザが表示するページに配置された操作子が指定されることで当該操作子が示す遷移先のページに遷移することが可能なアプリ内ブラウザを有するアプリケーションを実行するアプリ実行部と、
前記遷移先のウェブページに遷移する場合に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報の一部に、遷移元のURLを付加する遷移先情報加工部と、
前記遷移先のページを表示する際に、前記遷移先のページの表示画面の一部に、前記遷移先情報加工部によって付加された遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンを表示する遷移ボタン表示部と、
前記表示された遷移ボタンが指示された場合に、前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを前記アプリ内ブラウザを用いて表示するページ遷移管理部と、
前記遷移先のウェブページに遷移する場合、前記遷移元のURLが示すウェブページのデータ入力欄に入力されたデータを、保存サーバに送信する送信部と、
前記遷移ボタンが指示され前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを表示する場合に、前記保存サーバに記憶されたデータを取得し、取得されたデータを前記遷移元のURLが示すウェブページのデータ入力欄に入力された状態で表示するデータ復元部と
を有する端末装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記データ入力欄が複数である場合、各データ入力欄毎に入力されたそれぞれのデータを送信し、
前記データ復元部は、前記保存サーバに記憶されたデータを取得し、取得されたデータを対応するデータ入力欄にそれぞれ入力された状態で表示する
請求項に記載の端末装置。
【請求項3】
前記遷移ボタン表示部は、
前記遷移先のウェブページを表示する際に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報に前記遷移元のURLが付加されていない場合には、前記遷移元のURL遷移可能な遷移ボタンの表示を行わない
請求項1または請求項に記載の端末装置。
【請求項4】
複数のウィンドウを開くことは行わないアプリ内ブラウザであり、当該アプリ内ブラウザが表示するページに配置された操作子が指定されることで当該操作子が示す遷移先のページに遷移することが可能なアプリ内ブラウザを有するアプリケーションを実行するアプリ実行部と、
前記遷移先のウェブページに遷移する場合に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報の一部に、遷移元のURLを付加する遷移先情報加工部と、
前記遷移先のページを表示する際に、前記遷移先のページの表示画面の一部に、前記遷移先情報加工部によって付加された遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンを表示する遷移ボタン表示部と、
前記表示された遷移ボタンが指示された場合に、前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを前記アプリ内ブラウザを用いて表示するページ遷移管理部と、を有し、
前記遷移ボタン表示部は、
前記遷移先のウェブページを表示する際に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報に前記遷移元のURLが付加されていない場合には、前記遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンの表示を行わない
端末装置。
【請求項5】
アプリ実行部が、複数のウィンドウを開くことは行わないアプリ内ブラウザであり、当該アプリ内ブラウザが表示するページに配置された操作子が指定されることで当該操作子が示す遷移先のページに遷移することが可能なアプリ内ブラウザを有するアプリケーションを実行し、
遷移先情報加工部が、前記遷移先のウェブページに遷移する場合に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報の一部に、遷移元のURLを付加し、
送信部が、前記遷移先のウェブページに遷移する場合に、前記遷移元のURLが示すウェブページのデータ入力欄に入力されたデータを、保存サーバに送信し、
遷移ボタン表示部が、前記遷移先のページを表示する際に、前記遷移先のページの表示画面の一部に、前記遷移先情報加工部によって付加された遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンを表示し、
ページ遷移管理部が、前記表示された遷移ボタンが指示された場合に、前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを前記アプリ内ブラウザを用いて表示し、
データ復元部が、前記遷移ボタンが指示され前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを表示する場合に、前記保存サーバに記憶されたデータを取得し、取得されたデータを前記遷移元のURLが示すウェブページのデータ入力欄に入力された状態で表示する
コンテンツの表示方法。
【請求項6】
アプリ実行部が、複数のウィンドウを開くことは行わないアプリ内ブラウザであり、当該アプリ内ブラウザが表示するページに配置された操作子が指定されることで当該操作子が示す遷移先のページに遷移することが可能なアプリ内ブラウザを有するアプリケーションを実行し、
遷移先情報加工部が、前記遷移先のウェブページに遷移する場合に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報の一部に、遷移元のURLを付加し、
遷移ボタン表示部が、前記遷移先のページを表示する際に、前記遷移先のページの表示画面の一部に、前記遷移先情報加工部によって付加された遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンを表示し、
ページ遷移管理部が、前記表示された遷移ボタンが指示された場合に、前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを前記アプリ内ブラウザを用いて表示し、
前記遷移ボタン表示部は、
前記遷移先のウェブページを表示する際に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報に前記遷移元のURLが付加されていない場合には、前記遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンの表示を行わない
コンテンツの表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置及びコンテンツの表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アプリケーションを起点として、ホームページ等のウェブサイトまたはサービス説明サイト等のウェブサイトに誘導し、ウェブページにおいて回遊させることが可能なアプリケーションがある。このような機能を有するアプリケーションを用いたサービスには、例えば、電話番号を宛先として設定してメッセージを送信することが可能な「SMS(ショートメッセージサービス)」、「+メッセージ(プラスメッセージ)」等がある(例えば、特許文献1)。
このようなアプリケーションでは、アプリケーション内において表示されたリンクボタンを押下することで、そのリンクボタンが示す遷移先のウェブページを、アプリ内において表示するアプリ内ブラウザによって表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6448837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アプリ内ブラウザは、仕様上の制限があり、複数のウィンドウを開くことができない。そのため、あるウェブページが表示された状態から別のウェブページを表示する場合には、新たなウィンドウを開くことなく別のウェブページに遷移することで当該別のウェブページを表示する。ここで、ウェブページには、ブラウザバックを許容していないページやリンクを許容していないウェブページがある。このようなウェブページを表示した場合において、ブラウザバックやリンクで遷移元のウェブページに戻ろうとしても、遷移元の画面に戻ることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、アプリ内ブラウザを用いる場合であっても、遷移元の画面に遷移することが可能な端末装置及びコンテンツの表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、複数のウィンドウを開くことは行わないアプリ内ブラウザであり、当該アプリ内ブラウザが表示するページに配置された操作子が指定されることで当該操作子が示す遷移先のページに遷移することが可能なアプリ内ブラウザを有するアプリケーションを実行するアプリ実行部と、前記遷移先のウェブページに遷移する場合に、前記遷移先のURL(Uniform Resource Locator)を示す遷移先情報の一部に、遷移元のURLを付加する遷移先情報加工部と、前記遷移先のページを表示する際に、前記遷移先のページの表示画面の一部に、前記遷移先情報加工部によって付加された遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンを表示する遷移ボタン表示部と、前記表示された遷移ボタンが指示された場合に、前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを前記アプリ内ブラウザを用いて表示するページ遷移管理部と、前記遷移先のウェブページに遷移する場合、前記遷移元のURLが示すウェブページのデータ入力欄に入力されたデータを、保存サーバに送信する送信部と、前記遷移ボタンが指示され前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを表示する場合に、前記保存サーバに記憶されたデータを取得し、取得されたデータを前記遷移元のURLが示すウェブページのデータ入力欄に入力された状態で表示するデータ復元部と、を有する。
また、上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、複数のウィンドウを開くことは行わないアプリ内ブラウザであり、当該アプリ内ブラウザが表示するページに配置された操作子が指定されることで当該操作子が示す遷移先のページに遷移することが可能なアプリ内ブラウザを有するアプリケーションを実行するアプリ実行部と、前記遷移先のウェブページに遷移する場合に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報の一部に、遷移元のURLを付加する遷移先情報加工部と、前記遷移先のページを表示する際に、前記遷移先のページの表示画面の一部に、前記遷移先情報加工部によって付加された遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンを表示する遷移ボタン表示部と、前記表示された遷移ボタンが指示された場合に、前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを前記アプリ内ブラウザを用いて表示するページ遷移管理部と、を有し、前記遷移ボタン表示部は、前記遷移先のウェブページを表示する際に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報に前記遷移元のURLが付加されていない場合には、前記遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンの表示を行わない。
【0007】
また、本発明の一態様は、アプリ実行部が、複数のウィンドウを開くことは行わないアプリ内ブラウザであり、当該アプリ内ブラウザが表示するページに配置された操作子が指定されることで当該操作子が示す遷移先のページに遷移することが可能なアプリ内ブラウザを有するアプリケーションを実行し、遷移先情報加工部が、前記遷移先のウェブページに遷移する場合に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報の一部に、遷移元のURLを付加し、送信部が、前記遷移先のウェブページに遷移する場合に、前記遷移元のURLが示すウェブページのデータ入力欄に入力されたデータを、保存サーバに送信し、遷移ボタン表示部が、前記遷移先のページを表示する際に、前記遷移先のページの表示画面の一部に、前記遷移先情報加工部によって付加された遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンを表示し、ページ遷移管理部が、前記表示された遷移ボタンが指示された場合に、前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを前記アプリ内ブラウザを用いて表示し、データ復元部が、前記遷移ボタンが指示され前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを表示する場合に、前記保存サーバに記憶されたデータを取得し、取得されたデータを前記遷移元のURLが示すウェブページのデータ入力欄に入力された状態で表示するコンテンツの表示方法である。
また、本発明の一態様は、アプリ実行部が、複数のウィンドウを開くことは行わないアプリ内ブラウザであり、当該アプリ内ブラウザが表示するページに配置された操作子が指定されることで当該操作子が示す遷移先のページに遷移することが可能なアプリ内ブラウザを有するアプリケーションを実行し、遷移先情報加工部が、前記遷移先のウェブページに遷移する場合に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報の一部に、遷移元のURLを付加し、遷移ボタン表示部が、前記遷移先のページを表示する際に、前記遷移先のページの表示画面の一部に、前記遷移先情報加工部によって付加された遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンを表示し、ページ遷移管理部が、前記表示された遷移ボタンが指示された場合に、前記遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを前記アプリ内ブラウザを用いて表示し、前記遷移ボタン表示部は、前記遷移先のウェブページを表示する際に、前記遷移先のURLを示す遷移先情報に前記遷移元のURLが付加されていない場合には、前記遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンの表示を行わないコンテンツの表示方法である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明によれば、アプリ内ブラウザを用いる場合であっても、遷移元の画面に遷移することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の一実施形態によるコンテンツ提供システム1の構成を示す概略ブロック図である。
図2】コンテンツ提供システム1における処理の流れを説明する説明図である。
図3】第1の変形例における処理の流れを説明する説明図である。
図4】第2の変形例における処理の流れを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態によるコンテンツ提供システム1について図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態によるコンテンツ提供システム1の構成を示す概略ブロック図である。
コンテンツ提供システム1は、端末装置10とコンテンツ提供サーバ20と保存サーバ30とがネットワーク40を介して接続される。
端末装置10は、この図において1つのみ図示されているが、端末装置10が複数であり、それぞれがコンテンツ提供サーバ20や保存サーバ30にアクセス可能に接続されてもよい。
端末装置10は、例えばコンピュータであり、スマートフォン、タブレット、PC(パーソナルコンピュータ)等のいずれであってもよい。
コンテンツ提供サーバ20は、ウェブページのコンテンツを記憶しており、端末装置10からの要求に応じたコンテンツを端末装置10に送信する。
保存サーバ30は、各種データを記憶する。この保存サーバは、ウェブサーバであってもよい。また、保存サーバ30は、物理サーバであってもよいし、クラウドコンピューティングサービスによって提供されるクラウドサーバであってもよい。
【0011】
端末装置10は、通信部101、アプリ実行部102、遷移先情報加工部103、遷移ボタン表示部104、ページ遷移管理部105、データ復元部106、記憶部107、制御部108、表示部109、入力部110を含む。
【0012】
通信部101は、ネットワーク40を介してコンテンツ提供サーバ20や保存サーバ30と通信可能に接続し、コンテンツ提供サーバ20や保存サーバ30に対して各種データの送信や、コンテンツ提供サーバ20や保存サーバ30から送信されるデータの受信をする。
また、通信部101は、遷移先のウェブページに遷移する場合、遷移元のURL(Uniform Resource Locator)が示すウェブページのデータ入力欄に入力されたデータを、保存サーバに送信する送信機能を有する。また、通信部101は、ウェブページに含まれるデータ入力欄が複数である場合、各データ入力欄毎に入力されたそれぞれのデータを送信する送信機能を有する。
【0013】
アプリ実行部102は、複数のウィンドウを開くことは行わないアプリ内ブラウザであり、当該アプリ内ブラウザが表示するページに配置された操作子が指定されることで当該操作子が示す遷移先のページに遷移することが可能なアプリ内ブラウザを有するアプリケーションを実行する。このアプリケーションは、アプリ内ブラウザの機能を有するアプリケーションプログラムであればよい。このようなアプリケーションプログラムは、例えば、電話番号を宛先として設定してメッセージを送信することが可能な「SMS(ショートメッセージサービス)」または「+メッセージ(プラスメッセージ)」のサービスを実現するアプリケーションプログラム(以下、メッセージアプリと称する)であってもよい。以下、アプリケーションプログラムとして、メッセージアプリを用いた場合について説明する。
【0014】
アプリ内ブラウザは、アプリケーションに含まれるブラウザである。アプリ内ブラウザは、自アプリ内ブラウザの機能を有するアプリケーションの実行中において、保存サーバ30または他のサーバから送信されるコンテンツを取得し、取得したコンテンツを端末装置10の表示画面に表示することができる。
このアプリ内ブラウザは、例えば、HTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語で記述されたウェブページをアプリケーション内で閲覧することが可能なブラウザである。アプリ内ブラウザは、例えば、端末装置10に搭載されたOS(Operating System)における機能の一つとして標準的に組み込まれている。このようなアプリ内ブラウザは、例えば、OSに標準的に組み込まれているWebブラウザを構成するプログラムのうち、ウェブページの取得、解釈、表示等を行うプログラムを呼び出して実行することで、ウェブページを表示することができる。このようなアプリ内ブラウザとしては、例えばWebViewを用いることができる。
【0015】
また、アプリ内ブラウザは、一般に、その仕様によって、複数のウィンドウを開くことができない。そのため、複数のウィンドウのそれぞれにタブを設定しておき、あるウィンドウにおいて表示されたウェブページにおいて「戻る」等のボタンを押下することで複数のウィンドウのうち戻り先(遷移元)のページに戻る、という一般的なブラウザの機能を有していない。そのため、あるウェブページにおいて表示されたリンク先のボタンを押下することで、そのリンク先のページにページ遷移(画面遷移)することはできたとしても、ウェブページを表示している状態で単に端末装置10の機能として備えられた「戻る」ボタンを押したとしても(戻るためのキー入力をしたとしても)、遷移先のウェブページから遷移元のウェブページに戻ることができない仕様になっている。
【0016】
ページに配置された操作子は、遷移先のURLが設定されユーザ入力可能な要素であればよく、例えば、リンクボタンである。
【0017】
遷移先情報加工部103は、遷移先のウェブページに遷移する場合に、遷移先のURLを示す遷移先情報の一部に、遷移元のURLを付加する。
【0018】
遷移ボタン表示部104は、遷移先のページを表示する際に、遷移先のページの表示画面の一部に、遷移先情報加工部によって付加された遷移元のURLに遷移可能な遷移ボタンを表示する。
ページ遷移管理部105は、表示された遷移ボタンが指示(例えば、タッチ操作入力)された場合に、遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページをアプリ内ブラウザにおいて表示する。
【0019】
データ復元部106は、遷移ボタンが指示され遷移ボタンが示すURLに対応するウェブページを表示する場合に、保存サーバに記憶されたデータを取得し、取得されたデータを遷移元のURLが示すウェブページのデータ入力欄に入力された状態で表示する。
データ復元部106は、保存サーバに記憶されたデータを取得し、取得されたデータを対応するデータ入力欄にそれぞれ入力された状態で表示する。
【0020】
遷移ボタン表示部104は、遷移先のウェブページを表示する際に、遷移先のURLを示す遷移先情報に遷移元のURLが付加されていない場合には、遷移元のURL遷移可能な遷移ボタンの表示を行わない。
【0021】
記憶部107は、各種データやプログラムを記憶する。記憶されるプログラムの一例としては、アプリ内ブラウザを含むアプリケーションプログラムがある。
記憶部107は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
この記憶部107は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0022】
制御部108は、記憶部107に記憶されたアプリケーションプログラムを読み出して実行する。また制御部108は、端末装置10内の各部を制御する。
表示部109は、表示パネルであり、各種データ(例えばウェブページ等)を表示する。
入力部110は、ユーザの操作入力に応じて各種データを入力する。入力部110は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等のいずれかであってもよい。
【0023】
ここでは、通信部101、アプリ実行部102、遷移先情報加工部103、遷移ボタン表示部104、ページ遷移管理部105、データ復元部106、制御部108、表示部109、入力部110の機能については、CPU(中央処理装置)等の処理装置や専用の電子回路で構成されてもよいし、これらの機能を実現するためのプログラムを記憶部107に記憶しておき、CPUがこのプログラムを読み出して実行することで、これらの機能を実現するようにしてもよい。
【0024】
保存サーバ30は、通信部301、識別情報発行部302、記憶部303、制御部304を含む。
通信部301は、端末装置10との間においてネットワーク40を介して通信を行う。
識別情報発行部302は、遷移元のウェブページを識別可能な識別情報を生成する。
記憶部303は、識別情報発行部302と、通信部301を介して端末装置10から受信したデータとを対応付けて記憶する。ここでは、データの送信元の端末装置10を識別する端末識別情報についても、識別情報と受信したデータとともに記憶するようにしてもよい。
制御部304は、保存サーバ30の各部を制御する。
【0025】
次に、コンテンツ提供システム1の動作を説明する。
図2は、コンテンツ提供システム1における処理の流れを説明する説明図である。
端末装置10は、ユーザからの指示に基づいて、メッセージアプリを実行し、正常に起動した場合にはメッセージアプリの第1画面を表示する。例えば、メッセージアプリが起動されると、端末装置10の制御部108は、端末装置10が属する携帯キャリアサーバにアプリケーションプログラムの起動要求を送信する。携帯キャリアサーバは、端末装置10から起動要求を受信すると、電話番号を用いた認証処理を行う。電話番号を用いた認証処理では、発信者の電話番号(端末装置10に挿入されているSIMカードから読み取られた電話番号)を、携帯電話契約者のデータベースに格納されている有効な電話番号との照合が行われる。携帯キャリアサーバは、発信者(端末装置10)の電話番号が、データベースに格納されている有効な電話番号である場合には、契約者からの正当な起動要求を受信したと判定する。携帯キャリアサーバは、契約者からの正当な起動要求を受信したと判定した場合、端末装置10によるメッセージアプリの起動を許可する。
端末装置10は、携帯キャリアサーバからメッセージアプリの起動の許可を受信すると、第1画面を表示する。第1画面では、例えば、メッセージの送信元を表す名称が列記されたリストが表示される。ユーザは、リストの中から、利用するサービス提供サイトの名称が示されたボタンをタッチパネルを介してタッチする。端末装置10は、タッチされたサービス提供サイトの提供元であるサービス提供サーバとメッセージをやりとりした履歴に基づくメッセージ画面を表示する(ステップS10)。
【0026】
ここ選択されるサービス提供サイトは、例えば、上述した発信者の携帯電話番号を用いた認証処理を行った上でメッセージの送受信が可能なメッセージアプリを起点として、口座振替や住所変更等の金融に関わる諸手続から各種行政手続等を行うことが可能なサービス提供サイトであってもよい。ここでは、上述のメッセージアプリを起点として利用可能となるサービス提供サイトである場合には、メッセージアプリを起動する際に、携帯電話番号を用いた認証を行うことから、当該携帯電話番号が属する携帯キャリアでは、厳格な本人確認を条件に、携帯電話を利用する契約が締結されている。したがって、メッセージアプリからサービス提供サイトに入ることで、顧客の本人確認の確実性が担保される仕組みとなっている。
【0027】
次に、ユーザから、サービス提供サイトに対して新規登録またはログインすることを要求するメッセージがメッセージアプリに対して入力されると、端末装置10は、このメッセージをサービス提供サーバに送信し、このサービス提供サーバから送信される、サービス提供サイトにアクセスするためのURLを含むメッセージを受信する。端末装置10は、このメッセージに基づいて、サービス提供サイトにアクセスするためのURLにアクセスするためのボタン(符号BT1)を表示する。このボタンBT1には、サービス提供サイトにログイン(または新規登録)するためのウェブページのURLが設定されている。
ここまでの流れにおいては、メッセージアプリは実行されているが、アプリ内ブラウザの機能は用いられていない。
【0028】
次に、ステップS10において表示されたメッセージ画面において、ユーザによってボタンBT1がタッチされると、この操作入力に応じて、制御部108は、アプリ内ブラウザの機能を用い、ボタンBT1に設定されたURLに基づいて、コンテンツ提供サーバ20から当該URLに対応するウェブページのコンテンツを受信して端末装置10の表示画面に表示する。この後、各種コンテンツを受信してウェブページを表示する場合には、制御部108は、アプリ内ブラウザの機能を用いることで、ウェブページを端末装置10の表示画面上に表示する。
そして、ユーザからログインIDとパスワードが入力され「ログイン」のボタンがタッチされると、端末装置10は、コンテンツ提供サーバ20にログインIDとパスワードを送信する。コンテンツ提供サーバ20は、端末装置10から送信されたログインIDとパスワードを用いてユーザ認証を行い、認証の結果、ログインを許可すると判断すると、ログイン後の画面を端末装置10に送信する。
【0029】
端末装置10は、ログイン後の画面において、「ユーザ情報の登録」等のボタンをタッチすると、この操作入力に応じてコンテンツ提供サーバ20からユーザ情報を登録するための入力フォームのウェブページを受信し、端末装置10の表示画面に表示する(ステップS11)。このウェブページには、複数の入力項目が表示されるとともに、各種入力を行う上で疑問点があった場合に各種疑問に対する回答が記述されたヘルプページに遷移するためのヘルプボタン(符号BT2)が表示される。
【0030】
ここでは、ユーザは、入力項目に応じたデータ(例えば、姓、名、住所、年齢等)を順に入力する。ここでは、例えば、「姓」に対応する入力項目に「山田」、「名」に対応する入力項目に「太郎」の入力を終えた段階で、「住所」の入力項目における記載方法について疑問点があった場合には、ヘルプボタンBT2をタッチする。
【0031】
ヘルプボタンBT2がタッチされると、端末装置10の制御部108は、アプリ内ブラウザの機能を用いて、ヘルプボタンBT2に設定されたURLに基づいてコンテンツ提供サーバ20にアクセスし、このURLに対応するコンテンツ(ヘルプページ)を取得する。このヘルプページは、ログインを行っていない端末装置であっても、検索サイト等で検索することでヘルプページのURLを特定し、ウェブページにアクセスすることができるページである。すなわち、セッションやログイン状態において管理されたサイトのウェブページではなく、セッションやログイン状態によらずにアクセス可能なサイトのウェブページ(以下、サイト外ページとも称する)である。サイト外ページは、コンテンツ提供サーバ20に記憶されたウェブページであってコンテンツ提供サーバ20から提供されてもよい。また、サイト外ページは、コンテンツ提供サーバ20とは異なる別のサーバに記憶されたウェブページであってコンテンツ提供サーバ20とは異なるサーバから提供されてもよい。
【0032】
また、遷移先情報加工部103は、遷移先のウェブページ(ヘルプページ)に遷移する場合に、遷移先のURLを示す遷移先情報の一部に、遷移元(入力フォームのウェブページ)のURLを付加する。遷移先情報加工部103は、例えば、遷移元のURLが示すウェブページがセッションまたはログイン状態に基づいて管理されたウェブページであり、遷移先のURLがサイト外ページ(遷移先のURLが示すウェブページがセッションまたはログイン状態に関わらず表示可能なウェブページ)であるか否かを判定し、遷移元がセッションまたはログイン状態に基づいて管理されたウェブページでありかつ遷移先がサイト外ページである場合には、遷移元のURLを付加する。
【0033】
ここで、遷移先情報加工部103は、遷移元のURLを付加するにあたり、遷移先のURLと遷移元のURLとの間に、遷移先のURLに対して情報が付加されていることを示す情報を加える。
具体的に、例えば、サービス提供サイトを提供するサーバと、サービス説明サイト(サイト外ページ)を提供するサーバとが異なる場合であって、遷移先のURLが「https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/help.html」であり、遷移元のURLが「https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/dddeee.html」である場合、遷移先情報加工部103は、遷移先のURLの後段に「?back=」の文字列を付加し、パラメータとして「https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/dddeee.html」を記述することで、加工後の遷移先情報として「https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/help.html?back=https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/dddeee.html」の文字列を生成する。
また、例えば、サービス提供サイトを提供するサーバと、サービス説明サイト(サイト外ページ)を提供するサーバとが異なる場合であって、遷移先のURLが「https://fff.ggg-hhh.co.jp/contents/help.html」であり、遷移元のURLが「https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/dddeee.html」である場合、遷移先情報加工部103は、遷移先のURLの後段に「?back=」の文字列を付加し、パラメータとして「https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/dddeee.html」を記述することで、加工後の遷移先情報として「https://fff.ggg-hhh.co.jp/contents/help.html?back=https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/dddeee.html」の文字列を生成する。
なお、遷移先のURLと遷移元のURLとにおいて、URLが示すアクセス先のサーバが同じ場合、URLに含まれるドメインが同じまたは異なっていてもよい。また、遷移先のURLと遷移元のURLとにおいて、URLが示すアクセス先のサーバが異なる場合、URLに含まれるドメインが同じまたは異なっていてもよい。
加工後の遷移先情報が生成されると、遷移ボタン表示部104は、加工後の遷移情報を設定した「戻る」ボタン(符号BT3)を生成する。そして遷移ボタン表示部104は、遷移先のウェブページ(ヘルプページ)を表示画面に表示する(ステップS12)。ここでは、遷移ボタン表示部104は、ウェブページを表示する際に、遷移ボタン表示部104の機能によって、「?back=」の文字列の後段にパラメータが付加されたウェブページを構成する要素があるか否かを判定し、パラメータが付加された要素がある場合には、この要素に基づいて「戻る」ボタンBT3をウェブページの上に重ねて表示し、パラメータが付加された要素がない場合には、「戻る」ボタンを表示しない。ここでは、遷移ボタン表示部104は、パラメータが付加された要素があるため、「戻る」ボタンBT3を表示する。
この「戻る」ボタンBT3を表示する画面上の位置は任意であるが、例えば、画面の下部である。
【0034】
ステップS12において表示される表示画面においては、一般的なアプリ内ブラウザの機能を用いてウェブページが表示された場合には、上述したような「戻る」ボタンBT3は表示されない。その場合、遷移元のページに戻ることができない。しかし、本実施形態では、「戻る」ボタンBT3を生成して遷移先のウェブページの上に重ねて表示することができる。
【0035】
一方、制御部108は、ユーザによってヘルプボタンBT2がタッチされると、遷移元のURLが示すウェブページ(入力フォームのウェブページ)のデータ入力欄に入力された各データを、入力項目に対応付けて保存サーバ30に送信する(ステップS13)。例えば、制御部108は、「姓」の入力項目に「山田」、「名」の入力項目に「太郎」が入力されたことを表すデータを送信する。
保存サーバ30は、端末装置10から送信された各データと当該データが入力された入力項目とを受信すると、識別情報を発行し、発行された識別情報と各データと当該データが入力された入力項目とを対応づけて記憶する。また、保存サーバ30は、発行した識別情報を端末装置10に送信する。端末装置10は、保存サーバ30から受信した識別情報を記憶部107に記憶する。
【0036】
他方、ユーザは、ステップS12において表示されたヘルプページを参照し、疑問点が解消された場合には、「戻る」ボタンBT3をタッチする。ここでは、「戻る」ボタンBT3は、「戻る」という文字列が配置された状態でボタンとして表示される。そのため、ユーザは、遷移元のページに戻りたい場合には、この「戻る」ボタンBT3をタッチすればよいことを簡単に把握することができる。
「戻る」ボタンBT3がタッチされると、ページ遷移管理部105は、「戻る」ボタンBT3に設定されたURLのパラメータとして付加された部分の文字列を抽出する。ここでは、ページ遷移管理部105は、「https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/help.html?back=https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/dddeee.html」(または、例えば「https://fff.ggg-hhh.co.jp/contents/help.html?back=https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/dddeee.html」)のうち、「?back=」の文字列があるか否かに基づいて、この文字列の後段にパラメータ(遷移元のURL)が記述されているか否かを判定する。ページ遷移管理部105は、「?back=」の文字列があり、その後段にURLが記述されていると判定した場合には、「?back=」の文字列の後段に記述されたURL「https://aaa.bbb-ccc.co.jp/contents/dddeee.html」を抽出し、抽出されたURLにアクセスし、コンテンツを取得する(ステップS14)。さらに、ページ遷移管理部105は、データ復元部106の機能によって、記憶部107に記憶された識別情報に対応するデータを保存サーバ30から取得する(ステップS15)。データ復元部106は、ステップS14において取得されたコンテンツの入力項目に対し、保存サーバ30から得られた情報に基づいて入力状態を復元して画面上に表示する(ステップS16)。例えば、データ復元部106は、「姓」の入力項目に「山田」、「名」の入力項目に「太郎」が入力された状態の画面を表示する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、アプリ内ブラウザにおいてブラウザバック不可(遷移元のウェブページに戻ることが不可)のページから遷移先のウェブページに遷移したとしても、「戻る」ボタンBT3に対して操作入力することで、遷移前のウェブページに遷移することができる。また、値が入力されていた入力項目があった場合には、その値が入力された状態の画面を復元して表示することができる。
これにより、入力状態を途中で中断させることのない遷移を実現させることができ、ユーザが再度アプリ内ブラウザを立ち上げたり、同じ内容の値を再度入力する手間が生じることを防ぎ、スムースな入力を実現することができる。また、アプリ内ブラウザを閉じたり、アプリ内ブラウザを新たに立ち上げてウェブページにアクセスし直したりする必要もない。そのため、ユーザに対し、ウェブページの遷移があった場合であっても、与えるストレスを低減させることができ、顧客満足度の向上に貢献することができる。また、入力途中の段階で入力を諦めてしまうことによる離脱を抑制することもできる。
【0038】
次に、上述した実施形態におけるコンテンツ提供システム1の第1の変形例について説明する。第1の変形例においては、図1と同じ構成については説明を省略し、相違する点について説明する。この第1の変形例においては、保存サーバ30の代わりにセッション管理データベース31(セッション管理データベースサーバ)を用いる場合について説明する。
セッション管理データベース31は、セッションIDと遷移元のウェブページが表示された画面を識別する画面IDと入力項目に対して入力された値とを対応づけて記憶する機能を有する。
【0039】
図3は、第1の変形例における処理の流れを説明する説明図である。
端末装置10において、制御部108は、アプリ内ブラウザの機能を用いて、入力フォームを含むウェブページを表示する。ここで表示されるウェブページは、図2におけるステップS11において表示されるウェブページと同様である。制御部108は、複数の入力項目のうち、いくつかの入力項目に対してデータが入力された状態において、「ヘルプ」ボタンがタッチされると(ステップS20)、この入力フォームのウェブページを表示する際のセッションを識別するセッションIDと、表示された画面を識別する画面IDと、入力項目に対して入力されたデータとを対応付けて、セッション管理データベース31に記憶する(ステップS21)。
【0040】
そして、遷移ボタン表示部104は、図2ステップS12と同様に、遷移元のウェブページのURLをパラメータとして設定された「戻る」ボタンとともにヘルプページを表示する(ステップS22)。そして、ユーザによって「戻る」ボタンBT4がタッチされると、ページ遷移管理部105は、「戻る」ボタンBT4に設定されたURLに対してパラメータとして付加されたURLを抽出し、抽出されたURLにアクセスしてコンテンツを取得する。さらに、データ復元部106は、現在のセッションIDをキーとしてセッション管理データベース31のデータを検索し(ステップS23)、セッションIDに対応する画面ID及び入力項目に対応するデータとを読み出す。ここでは、画面IDとともに入力項目に対応するデータを記憶しているため、同じセッションにおいて遷移する画面が複数あったとしても、いずれの画面の入力項目に対して入力されたデータであるかを特定できるようになっている。そしてデータ復元部106は、キーとなるセッションIDに対応する画面ID及び入力項目に対応するデータが読み出されると、復元する対象の画面IDに対応する入力項目に対応するデータを取得する。
そしてデータ復元部106は、取得されたコンテンツの入力項目に対し、セッション管理データベース31から得られた情報に基づいて入力状態を復元し(ステップS24)、画面上に表示する(ステップS25)。
【0041】
この第1の変形例によれば、図1に示す実施形態における保存サーバ30が用いる識別情報としてセッションIDを用いる。これにより、セッション管理が行われている場合には、識別情報を新たに発行することなく、セッションIDを識別情報として用いることができる。
また、この第1の変形例では、セッションが切れた場合には、その切れたセッションのセッションIDに対応する各データがセッション管理データベース31から削除される。
【0042】
次に、上述した実施形態におけるコンテンツ提供システム1の第2の変形例について説明する。第2の変形例においては、図1と同じ構成については説明を省略し、相違する点について説明する。この第2の変形例においては、保存サーバ30の代わりに物理データベース32を用いる場合について説明する。
物理データベース32は、ワンタイムIDとセッションIDと入力項目に対して入力された値とを対応づけて記憶する機能とを有する。
【0043】
図4は、第2の変形例における処理の流れを説明する説明図である。
端末装置10において、制御部108は、アプリ内ブラウザの機能を用いて、入力フォームのウェブページを表示する。ここで表示されるウェブページは、図2におけるステップS11において表示されるウェブページと同様である。制御部108は、複数の入力項目のうち、いくつかの入力項目に対してデータが入力された状態において、「ヘルプ」ボタンがタッチされると(ステップS30)、ワンタイムIDを発行し、このワンタイムIDと、この入力フォームのウェブページを表示する際のセッションを識別するセッションIDと、入力項目に対して入力されたデータとを対応付けて、物理データベース32に記憶する(ステップS31)。
【0044】
そして、遷移ボタン表示部104は、図2ステップS12と同様に、遷移元のウェブページのURLをパラメータとして設定された「戻る」ボタンとともにヘルプページを表示する(ステップS32)。そして、ユーザによって「戻る」ボタンBT5がタッチされると、ページ遷移管理部105は、「戻る」ボタンBT5に設定されたURLに対してパラメータとして付加されたURLを抽出し、抽出されたURLにアクセスしてコンテンツを取得する。さらに、データ復元部106は、ステップS31においてデータを保存する際に発行されたワンタイムIDをキーとして物理データベース32のデータを検索し(ステップS33)、ワンタイムIDに対応するセッションID及び入力項目に対応するデータとを、データ復元部106の機能によって読み出す。そしてデータ復元部106は、取得されたコンテンツの入力項目に対し、物理データベース32から得られた情報に基づいて入力状態を復元し(ステップS34)、画面上に表示する(ステップS35)。
【0045】
この第2の変形例によれば、図1に示す実施形態における保存サーバ30が用いる識別情報としてワンタイムIDを用いる。これにより、復元する対象の画面がいずれであるかをワンタイムIDを元に特定し、入力項目に対するデータを復元することができる。
また、この第2の変形例では、セッションが切れた場合には、その切れたセッションのセッションIDに対応する各データがセッション管理データベース31から削除される。また、第2の変形例では、データを復元した段階で、物理データベース32に記憶されたワンタイムIDに対応するデータが削除される。
【0046】
上述した実施形態における端末装置10の各部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0047】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1…コンテンツ提供システム、10…端末装置、20…コンテンツ提供サーバ、30…保存サーバ、31…セッション管理データベース、32…物理データベース、40…ネットワーク、101…通信部、102…アプリ実行部、103…遷移先情報加工部、104…遷移ボタン表示部、105…ページ遷移管理部、106…データ復元部、107…記憶部、108…制御部、109…表示部、110…入力部、301…通信部、302…識別情報発行部、303…記憶部、304…制御部
図1
図2
図3
図4