(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】投射光学装置及びプロジェクター
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20241016BHJP
G03B 21/28 20060101ALI20241016BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20241016BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20241016BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20241016BHJP
【FI】
G03B21/14 D
G03B21/28
G03B21/00 E
H04N5/74 Z
G02B7/02 Z
(21)【出願番号】P 2020218637
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大久保 宏郁
(72)【発明者】
【氏名】竹花 直人
(72)【発明者】
【氏名】上條 光翔
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-133703(JP,A)
【文献】特開2008-020833(JP,A)
【文献】特開2010-169915(JP,A)
【文献】特開2020-046675(JP,A)
【文献】特表2007-525700(JP,A)
【文献】特開2012-137605(JP,A)
【文献】特開平08-068928(JP,A)
【文献】国際公開第2007/029749(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/00-21/10
21/12-21/30
21/56-21/64
33/00-33/16
H04N 5/66-5/74
G02B 7/02-7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光出射装置に対して脱離可能に装着され、前記光出射装置から入射する光を投射する投射光学装置であって、
複数のレンズと、
第1反射部及び第2反射部と、
前記複数のレンズ
、前記第1反射部及び前記第2反射部を保持する鏡筒と、
前記鏡筒から前記鏡筒の外側に延出する第1把持部と、
前記鏡筒から前記鏡筒の外側に延出する第2把持部と、を備え
、
前記鏡筒は、
前記光出射装置から出射された光が第1光軸に沿って通過する入射部と、
前記入射部から出射され前記第1反射部にて反射された光が前記第1光軸に交差する第2光軸に沿って通過する中間部と、
前記中間部から出射され前記第2反射部にて反射された光が前記第2光軸に交差する第3光軸に沿って通過する出射部と、を有し、
前記第1把持部及び前記第2把持部のそれぞれは、
前記鏡筒に固定される一対の腕部と、
前記一対の腕部のそれぞれを接続する接続部と、を有し、
前記第1把持部は、前記第1把持部の前記接続部が前記第3光軸に沿うように、前記出射部に取り付けられ、
前記第2把持部は、前記第2把持部の前記接続部が前記第1光軸及び前記第2光軸のそれぞれに交差する方向に沿うように、前記第1反射部に応じた前記鏡筒の部分で、かつ、前記第1光軸の延長線上に設けられていることを特徴とする投射光学装置。
【請求項2】
請求項1に記載の投射光学装置において、
前記複数のレンズは、最も拡大側に配置された投射レンズを含み、
前記鏡筒は、鏡筒本体と、前記鏡筒本体から外側に突出し、前記投射レンズを保持する投射部と、を有し、
前記第1把持部は、前記投射部よりも外側に延出していることを特徴とする投射光学装置。
【請求項3】
請求項2に記載の投射光学装置において、
前記鏡筒は、前記鏡筒本体から外側に突出し、前記光出射装置に接続されるフランジ部を有することを特徴とする投射光学装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の投射光学装置において、
前記鏡筒の一部を覆うカバー部材を備え、
前記第1把持部は、前記カバー部材を挿通して前記鏡筒に取り付けられていることを特徴とする投射光学装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の投射光学装置において、
前記第1把持部は、前記鏡筒に対して脱離可能に取り付けられていることを特徴とする投射光学装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の投射光学装置において、
前記鏡筒は、前記第1把持部が取り付けられる取付部を有し、
前記取付部は、金属によって形成されていることを特徴とする投射光学装置。
【請求項7】
光出射装置に対して脱離可能に装着され、前記光出射装置から入射する光を投射する投射光学装置であって、
複数のレンズと、
前記複数のレンズを保持する鏡筒と、
前記鏡筒から前記鏡筒の外側に延出する
1つの把持部と、を備え
、
前記鏡筒は、
前記光出射装置から出射された光が第1光軸に沿って通過する第1筒状部と、
前記第1筒状部に接続され、前記第1筒状部から出射された光が前記第1光軸に交差する第2光軸に沿って通過する第2筒状部と、
前記第1筒状部から外側に突出し、前記光出射装置に接続されるフランジ部と、を有し、
前記フランジ部には、前記1つの把持部が取り付けられており、
前記1つの把持部は、
前記フランジ部に固定された一対の腕部と、
前記一対の腕部のそれぞれを接続する接続部と、を有し、
前記接続部は、前記投射光学装置を前記光出射装置に取り付けた時に、水平方向に沿って延出していることを特徴とする投射光学装置。
【請求項8】
請求項7に記載の投射光学装置において、
前記フランジ部は、前記1つの把持部が脱離可能に取り付けられる取付部を有することを特徴とする投射光学装置。
【請求項9】
光源から出射された光を変調する光変調装置を有する光出射装置と、
請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載の投射光学装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、投射光学装置及びプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と、光源から出射された光を変調する光変調装置と、光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、を備えたプロジェクターが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、上記構成の他、光変調装置である液晶パネルが固定される光学ベースを備える。光学ベースは、プリズム台と、プリズム台に直交する保持ベースと、保持ベースの左右に配設した補助板を備える。レンズ保持部は、保持ベース及び補助板によって上下に摺動可能に保持されている。レンズ保持部は、開口部を有する外筒部を有する。
投射光学装置である投写レンズ部は、複数の外鏡筒、内鏡筒及び複数のレンズから成る。投写レンズ部は、内鏡筒の雄ネジ部を回転させて、外筒部に設けられた雌ネジ部に雄ネジ部を締結することによって、レンズ保持部に保持される。
なお、プロジェクターの前面より投写レンズ部を回転させて雄ネジ部と雌ネジ部との締結を解除することによって、投写レンズ部を交換できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、投射光学装置の大型化が進み、投射光学装置の取り扱いが、以前より難しくなってきている。例えば、プロジェクターに対する装着時又は取外し時の投射光学装置の取り扱いが困難になってきている。このため、容易に取り扱うことのできる構成を有する投射光学装置が要望されてきた。換言すると、容易に把持できる投射光学装置が要望されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様に係る投射光学装置は、光出射装置に対して脱離可能に装着され、前記光出射装置から入射する光を投射する投射光学装置であって、複数のレンズと、前記複数のレンズを保持する鏡筒と、前記鏡筒から前記鏡筒の外側に延出する第1把持部と、を備える。
【0006】
本開示の第2態様に係るプロジェクターは、光源から出射された光を変調する光変調装置を有する光出射装置と、上記投射光学装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。
【
図2】一実施形態に係るプロジェクターを左側面側から見た側面図。
【
図3】一実施形態に係る投射光学装置を示す断面図。
【
図4】一実施形態に係る投射光学装置を示す斜視図。
【
図5】一実施形態に係る投射光学装置を示す斜視図。
【
図6】一実施形態に係る投射光学装置を示す側面図。
【
図7】一実施形態に係る投射光学装置を示す側面図。
【
図8】一実施形態に係る投射光学装置を示す側面図。
【
図9】一実施形態に係る投射光学装置を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、光源41から出射された光を画像情報に応じて変調し、変調された光をスクリーン等の被投射面に拡大投射する。プロジェクター1は、
図1に示すように、光出射装置11と、光出射装置11に対して脱離可能に装着される投射光学装置5と、を備える。
【0009】
[光出射装置の構成]
光出射装置11は、画像を形成する画像光を出射する。光出射装置11は、外装筐体2と、外装筐体2に収容される制御装置3及び画像生成装置4と、を備える。このほか、図示を省略するが、光出射装置11は、投射光学装置5を装着及び脱離するための着脱機構と、プロジェクター1を構成する電子部品に電力を供給する電源装置と、プロジェクター1を構成する冷却対象を冷却する冷却装置と、を備える。
【0010】
[外装筐体の構成]
外装筐体2は、正面21、背面22、左側面23及び右側面24と、
図1では図示を省略する天面25及び底面26(
図2参照)とを有し、略直方体形状に形成されている。外装筐体2には、図示を省略するが、制御装置に接続された操作パネル、受光部及び接続端子が配置されている。
【0011】
[制御装置の構成]
制御装置3は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を備え、プロジェクター1を制御する。例えば、制御装置3は、操作パネルから入力する操作信号、及び、受光部にて受光されたリモートコントローラーの操作信号に基づいて、プロジェクター1を動作させる。また、プロジェクター1に撮像装置が接続されている場合には、制御装置3は、撮像装置から入力される撮像画像に基づいて、投射光学装置5によって被投射面に投射されている投射画像の調節を実施可能である。例えば、制御装置3は、撮像装置による撮像画像に基づいて、投射画像の台形歪みを補正するキーストーン補正、及び、投射画像の色補正等の調整処理を実行する。
【0012】
[画像生成装置の構成]
画像生成装置4は、制御装置3から入力される画像情報(画像信号を含む)に応じた画像光を生成し、生成した画像光を投射光学装置5に出射する。画像生成装置4は、光源41、均一化装置42、色分離装置43、リレー装置44、画像形成装置45及び光学部品用筐体46を備える。
光源41は、均一化装置42に照明光を出射する。光源41の構成としては、例えば、励起光である青色光を出射する固体光源と、固体光源から出射された青色光のうちの一部を、緑色光及び赤色光を含む蛍光に波長変換する波長変換素子と、を有する構成を例示できる。なお、光源41の他の構成としては、超高圧水銀ランプ等の光源ランプを光源として有する構成を例示できる他、青色光、緑色光及び赤色光を個別に出射する固体光源を有する構成を例示できる。
【0013】
均一化装置42は、光源41から入射する光束の照度を均一化する。均一化装置42は、第1レンズアレイ421、第2レンズアレイ422、偏光変換素子423及び重畳レンズ424を備える。
色分離装置43は、均一化装置42から入射する光束を、赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBに分離する。色分離装置43は、ダイクロイックミラー431,432及び反射ミラー433を有する。
リレー装置44は、青色光LBの光路及び緑色光LGの光路よりも長い赤色光LRの光路に設けられ、赤色光LRの損失を抑制する。リレー装置44は、入射側レンズ441、反射ミラー442、リレーレンズ443及び反射ミラー444を備える。なお、他の色光よりも光路が長い色光を青色光LBとし、青色光LBの光路にリレー装置44を設けてもよい。
【0014】
画像形成装置45は、入射される青色光LB、緑色光LG及び赤色光LRを変調し、変調された各色光を合成して画像光を形成する。画像形成装置45は、色光LB,LG,LR毎に設けられるフィールドレンズ451、入射側偏光板452、光変調装置453及び出射側偏光板454と、1つの光合成装置455と、を備える。
光変調装置453は、光源41から出射された光を画像情報に応じて変調する。光変調装置453は、青色光LBを変調する青用光変調装置453B、緑色光LGを変調する緑用光変調装置453G、及び、赤色光LRを変調する赤用光変調装置453Rを含む。本実施形態では、光変調装置453は、透過型の液晶パネルによって構成されており、入射側偏光板452、光変調装置453及び出射側偏光板454によって液晶ライトバルブが構成される。
光合成装置455は、光変調装置453B,453G,453Rによって変調された各色光を合成して画像光を形成する。光合成装置455は、形成した画像光を投射光学装置5に出射する。なお、光合成装置455は、クロスダイクロイックプリズムによって構成できるが、これに限らず、例えば複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
【0015】
光学部品用筐体46は、上記装置42~44及びフィールドレンズ451を保持する。画像生成装置4には、設計上の光軸である照明光軸Axが設定されており、光学部品用筐体46は、照明光軸Axにおける所定位置に上記装置42~44及びフィールドレンズ451を保持する。光源41、画像形成装置45及び投射光学装置5は、照明光軸Axにおける所定位置に配置される。
【0016】
以下の説明では、互いに直交する三方向を+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。+Z方向を背面22から正面21に向かう方向であり、画像生成装置4による画像光の出射方向とし、+Y方向を底面26から天面25に向かう方向とする。また、+Y方向が上側となるようにプロジェクター1を+Z方向から見た場合の左方向を+X方向とする。
また、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。
なお、直交とは、直角に交差することを示す。
【0017】
[投射光学装置の構成]
図2は、プロジェクター1を左側面23側から見た側面図である。
図3は、YZ平面に沿う投射光学装置5の断面を示す図である。なお、
図3では、投射光学装置5を構成するレンズのうち、投射レンズ532以外のレンズの図示を省略している。
投射光学装置5は、プロジェクター1に用いられ、画像光を投射するものである。詳述すると、投射光学装置5は、光出射装置11に脱離可能に装着される。投射光学装置5は、光合成装置455から入射される画像光を被投射面に投射して、被投射面に画像を表示する。すなわち、投射光学装置5は、光出射装置11から入射する光を被投射面に投射する。投射光学装置5は、
図2及び
図3に示すように、光路が横向きのU字状である光学系を備え、光合成装置455から出射された画像光の方向を2段階に順次屈曲させ、光合成装置455による画像光の出射方向とは反対方向に配置された被投射面に画像光を投射する。すなわち、投射光学装置5は、+X方向から見て反時計回りに90°回動された略U字状に構成されている。
投射光学装置5は、第1レンズ群51、第2レンズ群52、第3レンズ群53、第1反射部54及び第2反射部55を備える。すなわち、投射光学装置5は、複数のレンズを備える。第1反射部54及び第2反射部55は、例えば、平面ミラーである。
【0018】
[第1レンズ群、第1反射部及び第2レンズ群の構成]
第1レンズ群51及び第2レンズ群52は、第1光学系を構成するものであり、中間像を形成する。
第1レンズ群51には、
図2に示すように、画像生成装置4から画像光が入射する。すなわち、第1レンズ群51には、光出射装置11から光が入射する。第1レンズ群51は、
図2及び
図3に示すように、第1レンズ群51の光軸51X上に配置された少なくとも1つのレンズ511を有する。第1レンズ群51の光軸51Xは、第1光軸に相当し、+Z方向に沿う。画像生成装置4から出射された画像光は、+Z方向に沿って第1レンズ群51を透過し第1反射部54へ進行する。
第1反射部54は、第1レンズ群51と第2レンズ群52との間に配置されている。第1反射部54は、第1レンズ群51を透過した画像光を第2レンズ群52が配置された+Y方向に反射する。すなわち、第1レンズ群51を通過した画像光は、第1反射部54を介して第2レンズ群52に入射する。
【0019】
第2レンズ群52は、第1反射部54にて反射された画像光が通過する。第2レンズ群52は、第1レンズ群51の光軸51Xに交差する光軸52X上に配置された少なくとも1つのレンズ521を有する。第2レンズ群52の光軸52Xは、第2光軸に相当し、+Y方向に沿う。第1反射部54により反射された画像光は、+Y方向に沿って第2レンズ群52を透過し第2反射部55へ進行する。
このように、第1レンズ群51は、第1反射部54の縮小側に配置され、第2レンズ群52は、第1反射部54の拡大側に配置されている。
【0020】
[第2反射部及び第3レンズ群の構成]
第2反射部55は、第2レンズ群52と第3レンズ群53との間に配置され、第2レンズ群52を透過して+Y方向に入射する画像光を-Z方向に反射させて、第3レンズ群53に入射させる。
第3レンズ群53は、中間像を拡大して投射する。第3レンズ群53は、第2レンズ群52の光軸52Xに交差する光軸53X上に配置されたレンズ531及び投射レンズ532を含む。第3レンズ群53の光軸53Xは、第3光軸に相当し、-Z方向に沿う。第2反射部55により反射された画像光は、-Z方向に沿って第3レンズ群53を透過し被投射面に向けて投射される。本実施形態では、光軸53Xは、光軸52Xと交差し、光軸51Xと平行である。しかしながら、これに限らず、光軸53Xは、光軸51Xと平行でなくてもよい。
【0021】
レンズ531は、フォーカスレンズを含んでもよい。フォーカスレンズは、図示しないフォーカス調整部によって光軸53Xに沿って+Z方向又は-Z方向に移動される。これにより、被投射面に表示される画像のフォーカス調整が実施される。フォーカス調整部の構成としては、制御装置3によって制御されるモーターと、歯車等を有する輪列機構とを有する構成が挙げられる他、ユーザーが手動にて輪列機構を動作させる構成が挙げられる。
【0022】
投射レンズ532は、第3レンズ群53の中で最も大きなレンズであり、最終的に画像光を投射光学装置5の外部に位置する被投射面に投射するレンズである。すなわち、投射レンズ532は、投射光学装置5が有する複数のレンズのうち最も拡大側に配置されたレンズであり、本実施形態では、+X方向から見た場合の投射レンズ532の画角は70°である。投射レンズ532の光軸は、光軸53Xと一致する。
なお、第3レンズ群53は、投射レンズ532を含んでいればよく、必ずしも投射レンズ532以外のレンズ531を含まなくてもよい。
【0023】
第2反射部55にて-Z方向に反射された画像光は、第3レンズ群53にて広角化されると共に、光軸53Xに対して+Y方向に傾斜して進行する。これにより、投射光学装置5は、被投射面に近い位置での拡大投射が可能であり、投射光学装置5が装着されたプロジェクター1は、短焦点プロジェクターとして機能する。
【0024】
[投射光学装置の他の構成]
図4は、投射光学装置5を-Z方向から見た斜視図であり、
図5は、投射光学装置5を+Z方向から見た斜視図である。
図6は、投射光学装置5を+X方向から見た側面図であり、
図7は、投射光学装置5を-X方向から見た側面図である。
投射光学装置5は、
図3~
図7に示すように、鏡筒6、カバー部材7及び把持部8を更に備える。
【0025】
[鏡筒の構成]
鏡筒6は、
図3に示すように、第1レンズ群51、第2レンズ群52、第3レンズ群53、第1反射部54及び第2反射部55を収容する。すなわち、鏡筒6は、複数のレンズを保持する。また、鏡筒6には、カバー部材7及び把持部8が取り付けられる。鏡筒6は、第1保持部材61、第2保持部材62及び第3保持部材63を備える。
【0026】
[第1保持部材の構成]
第1保持部材61は、第1レンズ群51を保持し、光出射装置11に脱離可能に取り付けられる。第1保持部材61は、第1筒状部611、第1枠体612及びフランジ部613を有する。
第1筒状部611は、入射部に相当するとともに、鏡筒本体6Aを構成する。第1筒状部611には、光軸51Xが設けられ、光出射装置11から出射された光が入射される。すなわち、第1筒状部611において光出射装置11から出射された光は、光軸51Xに沿って通過する。第1筒状部611は、光軸51Xに沿う軸を中心とする円筒状に、金属によって形成されている。
第1枠体612は、第1レンズ群51を保持する。第1枠体612は、第1筒状部611の内部に配置される。
【0027】
図8は、投射光学装置5を+Z方向から見た側面図である。
フランジ部613は、
図4~
図8に示すように、第1筒状部611から第1筒状部611の径方向外側に突出し、-Z方向又は+Z方向から見て略矩形状に形成されている。すなわち、フランジ部613は、後述する鏡筒本体6Aから外側に突出している。フランジ部613は、光出射装置11に接続され、これにより、投射光学装置5は、光出射装置11に脱離可能に装着される。詳述すると、フランジ部613は、複数の固定部材FM1を有し、各固定部材FM1が光出射装置11の図示しない固定部に固定されることによって、投射光学装置5は、光出射装置11に取り付けられる。また、各固定部材FM1を取り外すことによって、投射光学装置5は、光出射装置11から取り外される。
図6に示すように、+Z方向から見たときのフランジ部613の大きさは、同方向から見たときの後述する投射部635の大きさと略同じである。
【0028】
[第2保持部材の構成]
第2保持部材62は、
図3に示すように、第2レンズ群52及び第1反射部54を保持し、第1保持部材61及び第3保持部材63と連結される。第2保持部材62は、第2筒状部621、第2枠体622、連結部623及び第1配置部624を有する。
第2筒状部621は、中間部に相当する。第2筒状部621には、光軸52Xが設けられ、第1筒状部611を通過して第1反射部54にて反射された光が光軸52Xに沿って通過する。すなわち、第2筒状部621において、第1筒状部611から出射され第1反射部54にて反射された光は、光軸51Xと交差する光軸52Xに沿って通過する。第2筒状部621は、光軸52Xに沿う軸を中心とする円筒状に、金属によって形成されている。
第2枠体622は、第2レンズ群52を保持する。第2枠体622は、第2筒状部621の内部に固定される。
連結部623は、第1筒状部611と第2筒状部621とを連結する。連結部623は、内部を光が通過可能な筒状に、金属によって形成されている。
第1配置部624は、連結部623の内部に設けられている。第1配置部624には、第1反射部54が配置される。
【0029】
第2保持部材62は、
図5~
図8に示すように、後述する把持部8(8D)が脱離可能に取り付けられる取付部625を更に備える。
取付部625は、連結部623における外面に設けられている。取付部625は、
図6に示すように、+Z方向から見て、連結部623において第1反射部54が配置される第1配置部624に応じた部位に設けられている。すなわち、取付部625に取り付けられる把持部8Dは、第1反射部54に応じた鏡筒6の部分に取り付けられる。後述する把持部8Dは、第1把持部又は第2把持部に相当する。
取付部625は、第1配置部624を+X方向において挟む固定部626,627を有する。固定部626は、+X方向に配置され、固定部627は、-X方向に配置されている。固定部626,627は、把持部8Dを挿通した図示しない固定部材が固定される部位であり、本実施形態では、固定部材としてのねじが螺合するねじ孔を有する。
なお、上記のように、把持部8Dが取り付けられる取付部625、及び、取付部625が設けられた連結部623は、金属によって形成されている。
【0030】
[第3保持部材の構成]
第3保持部材63は、第3レンズ群53及び第2反射部55を保持する他、3つの把持部8(8T,8L,8R)を支持する。第3保持部材63は、第2保持部材62と連結される。
第3保持部材63は、
図3に示すように、連結部631、第2配置部632、第3筒状部633、第3枠体634、投射部635及び取付部636を備える。
【0031】
連結部631は、第3保持部材63において+Z方向かつ-Y方向の位置に設けられている。連結部631は、第3保持部材63と第2保持部材62とを連結する。
第2配置部632は、第3保持部材63において光軸52Xと交差する傾斜部分に設けられている。第2配置部632には、第2反射部55が配置される。
【0032】
第3筒状部633は、出射部に相当し、+Z方向における第3保持部材63の略中央に設けられている。第3筒状部633には、光軸53Xが設けられる。第3筒状部633は、第2筒状部621を通過して第2反射部55にて反射された画像光を光軸53Xに沿って投射部635に導く。すなわち、第3筒状部633において、第2筒状部621から出射され第2反射部55にて反射された光は、光軸52Xと交差する光軸53Xに沿って通過する。第3筒状部633は、光軸53Xに沿う軸を中心とする筒状に、金属によって形成されている。
第3枠体634は、第3レンズ群53を構成するレンズのうち、投射部635により保持される投射レンズ532を除くレンズ531を保持する。第3枠体634は、第3筒状部633の内部に固定される。
なお、第3筒状部633は、連結部631と一体化されており、第3筒状部633と連結部631とは、金属によって形成されている。連結部631を介して第3筒状部633と連結される第2筒状部621及び連結部623は、金属によって形成され、更に、連結部623を介して第2筒状部621と連結される第1筒状部611も金属によって形成されている。このように、互いに連結される第1筒状部611、連結部623、第2筒状部621、連結部631及び第3筒状部633によって、金属製の鏡筒本体6Aが構成される。すなわち、鏡筒6は、鏡筒本体6Aを備える。
【0033】
投射部635は、第3筒状部633に対して第3筒状部633を通過した画像光の進行方向に設けられる。投射部635には、光軸53Xが設けられ、投射部635は、第3筒状部633を通過した画像光を外部に投射する。
投射部635は、
図3及び
図4に示すように、第3筒状部633から径方向外側に延出し、投射レンズ532を保持する。すなわち、投射部635は、鏡筒本体6Aから外側に突出し、投射レンズ532を保持する。
ここで、投射光学装置5において画像光を出射する後玉レンズである投射レンズ532は、画像光の拡大を行う第3レンズ群53の中で最も大きなレンズであり、投射光学装置5が備えるレンズのうち最も大きなレンズである。このような投射レンズ532を保持するために、投射部635は、第3筒状部633に対して±X方向及び±Y方向に突出し、第3筒状部633よりも拡径されている。すなわち、投射レンズ532を保持する投射部635は、第3筒状部633から外側に延びている。
【0034】
取付部636は、第3筒状部633において把持部8T,8L,8Rが取り付けられる部位である。本実施形態では、取付部636は、
図8に示すように、第3筒状部633に3つ設けられている。3つの取付部636は、把持部8Tが取り付けられる取付部636Tと、把持部8Lが取り付けられる取付部636Lと、把持部8Rが取り付けられる取付部636Rと、を有する。後述する把持部8T,8L,8Rは、第1把持部に相当する。なお、上記のように、把持部8T,8L,8Rがそれぞれ取り付けられる取付部636T,636L,636R、及び、取付部636T,636L,636Rを有する第3筒状部633は、金属によって形成されている。
【0035】
取付部636Tは、
図3に示すように、第3筒状部633における+Y方向の面に設けられている。取付部636は、2つの固定部637,638を有する。固定部637と固定部638とは、+Z方向において互いに離間している。固定部637は、固定部638に対して+Z方向に配置されている。
固定部637,638は、+Y方向から固定部材FM2が固定される部位である。本実施形態では、固定部637は、把持部8Tの腕部81を挿通した固定部材FM2が固定される孔部を有する。同様に、固定部638は、把持部8Tの腕部82を挿通した固定部材FM2が固定される孔部を有する。固定部637,638が有する孔部は、本実施形態ではねじ孔であり、固定部材FM2は、ねじである。
詳しい図示を省略するが、取付部636Lは、第3筒状部633における+X方向の面に設けられている。取付部636Rは、第3筒状部633における-X方向の面に設けられている。取付部636L,636Rは、取付部636Tと同様の固定部637,638を有する。
【0036】
[カバー部材の構成]
カバー部材7は、
図4~
図8に示すように、第2保持部材62と第3保持部材63との連結部分を覆うとともに、第3保持部材63を覆う。すなわち、カバー部材7は、鏡筒6の一部を覆い、投射光学装置5の外装の一部を構成する。カバー部材7は、第1カバー71、第2カバー72及び第3カバー73を有し、第1カバー71、第2カバー72及び第3カバー73が組み合わされて構成されている。
【0037】
第1カバー71は、投射部635の外周を囲む枠状に形成されている。
第2カバー72は、第1カバー71に接続され、第3保持部材63を+Y方向から覆う。具体的に、第2カバー72は、第2配置部632及び第3筒状部633を+Y方向、+X方向及び-X方向から覆う。第2カバー72における+Y方向かつ+Z方向の端部は、第2配置部632の形状に応じて、+Y方向に向かうに従って-Z方向に位置するように傾斜している。
第2カバー72は、
図4~
図7に示すように、把持部8T,8L,8Rのそれぞれの腕部81,82が挿通する複数の孔部721を有する。具体的に、第2カバー72における+Y方向の面72T、+X方向の面72L及び-X方向の面72Rのそれぞれには、2つの孔部721が設けられている。
【0038】
第3カバー73は、第2カバー72に接続され、第3保持部材63を-Y方向から覆う。具体的に、第3カバー73は、連結部631、第2配置部632及び第3筒状部633を-Y方向、+X方向及び-X方向から覆う。すなわち、第3カバー73の一部は、第2保持部材62と第3保持部材63の連結部分を-Y方向から覆う。これにより、第2保持部材62と第3保持部材63との連結部材が投射光学装置5の外部に露出することが抑制される。
【0039】
[把持部の構成]
複数の把持部8のそれぞれは、鏡筒6から外側に延出し、ユーザーによって把持される。複数の把持部8は、第3筒状部633の取付部636に取り付けられる把持部8T,8L,8Rと、連結部623の取付部625に取り付けられる把持部8Dと、を含む。把持部8T,8L,8Rは、第3保持部材63の第3筒状部633から外側に延出する。また、把持部8Dは、第2保持部材62の連結部623から外側に延出する。
【0040】
把持部8T,8L,8R,8Dのそれぞれは、腕部81,82と、腕部81及び腕部82を接続する接続部83と、を有し、略U字状に形成されている。
腕部81は、固定部材FM2が挿通する孔部811と、孔部811に固定部材FM2を導くガイド溝812と、を有する。孔部811及びガイド溝812は、腕部81において、接続部83とは反対側の端部に有する。腕部82も、腕部81と同様の構成を有する。すなわち、腕部82は、孔部811及びガイド溝812と同様の孔部821及びガイド溝822を有する。
接続部83は、円柱状に形成され、ユーザーによって掴まれる部位である。
【0041】
把持部8T,8L,8Rは、第1把持部に相当し、鏡筒6において出射部に相当する第3筒状部633に取り付けられる。
把持部8Tの腕部81は、
図3に示すように、孔部811を挿通する固定部材FM2によって、取付部636Tの固定部637に固定され、腕部82は、孔部821を挿通する固定部材FM2によって、取付部636Tの固定部638に固定される。具体的に、腕部81,82は、
図3~
図7に示すように、第2カバー72の面72Tに設けられた2つの孔部721を挿通する。すなわち、把持部8Tは、カバー部材7の第2カバー72を挿通して鏡筒6に取り付けられる。このため、取付部636Tに取り付けられた把持部8Tは、
図3~8に示すように、第2カバー72の外側である+Y方向に延出しており、把持部8Tにおける接続部83は、カバー部材7の外側に配置される。
このとき、
図3、
図6~
図8に示すように、把持部8Tは、投射部635よりも外側である+Y方向に延出しており、把持部8Tの接続部83は、投射部635よりも+Y方向に配置される。換言すると、把持部8Tは、第1カバー71よりも外側である+Y方向に延出しており、把持部8Tの接続部83は、第1カバー71よりも+Y方向に配置される。
【0042】
図9は、投射光学装置5を+Y方向から見た平面図である。
把持部8Lは、取付部636Lに取り付けられて、
図9に示すように、第2カバー72から第2カバー72の外側である+X方向に延出する。更に、把持部8Lは、カバー部材7を挿通して鏡筒6に取り付けられている。このとき、把持部8Lにおける接続部83は、カバー部材7の外側に配置される。詳述すると、把持部8Lは、投射部635よりも外側である+X方向に延出しており、把持部8Lの接続部83は、投射部635よりも+X方向に配置される。換言すると、把持部8Lは、第1カバー71よりも外側である+X方向に延出しており、把持部8Lの接続部83は、第1カバー71よりも+X方向に配置される。
同様に、把持部8Rは、取付部636Rに取り付けられて、第2カバー72から第2カバー72の外側である-X方向に延出する。更に、把持部8Rは、カバー部材7を挿通して鏡筒6に取り付けられている。このとき、把持部8Rにおける接続部83は、カバー部材7の外側に配置される。詳述すると、把持部8Rは、投射部635よりも外側である-X方向に延出しており、把持部8Rの接続部83は、投射部635よりも-X方向に配置される。換言すると、把持部8Rは、第1カバー71よりも外側である-X方向に延出しており、把持部8Rの接続部83は、第1カバー71よりも-X方向に配置される。
【0043】
図5~
図8に示した把持部8Dは、第1把持部又は第2把持部に相当する。把持部8Dの腕部81は、
図5、
図6及び
図8に示すように、固定部材FM2によって取付部625の固定部626に固定される。把持部8Dの腕部82は、
図5、
図7及び
図8に示すように、固定部材FM2によって取付部625の固定部627に固定される。これにより、腕部81,82は、第1配置部624に設けられた第1反射部54の反射面に略直交する方向に延出する。把持部8Dは、第1反射部54に応じた鏡筒6の部分に取り付けられる。詳述すると、把持部8Dは、第2保持部材62において第1反射部54に応じた部分に位置する取付部625に取り付けられて、第2保持部材62の連結部623から-Y方向かつ+Z方向に延出する。
把持部8Dが取付部625に取り付けられたとき、把持部8Dは、
図3に示すように、光軸51Xの延長線51XA上に設けられる。換言すると、+X方向から見て、把持部8Dの腕部81,82は、光軸51Xの延長線51XAと交差する。このため、把持部8Dを把持して投射光学装置5を光出射装置11に取り付けるときに、光出射装置11が出射する光の光軸に対して光軸51Xを合わせやすくすることができ、光出射装置11に対して投射光学装置5を取り付け易くすることができる。
【0044】
なお、上記のように、把持部8T,8L,8R,8Dは、固定部材FM2を取り外すことによって、鏡筒6から取り外すことが可能である。すなわち、把持部8T,8L,8R,8Dは、鏡筒6に対して脱離可能に取り付けられる。
【0045】
[本実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1は、以下の効果を奏する。
プロジェクター1は、光出射装置11と、投射光学装置5と、を備える。光出射装置11は、光源41と、光源41から出射された光を変調する光変調装置453とを備える。
投射光学装置5は、光出射装置11に対して脱離可能に装着され、光出射装置11から入射する光を投射する。投射光学装置5は、レンズ511,521,531及び投射レンズ532を含む複数のレンズと、鏡筒6と、把持部8と、を備える。
鏡筒6は、複数のレンズを保持する。把持部8は、ユーザーによって把持される部位であり、鏡筒6から鏡筒6の外側に延出する。
このような構成によれば、ユーザーが把持部8を把持することによって、投射光学装置5を容易に把持できる。このため、投射光学装置5を運搬しやすくすることができる他、光出射装置11への投射光学装置5の装着、及び、光出射装置11からの投射光学装置5の取外しを実施しやすくすることができる。
【0046】
投射光学装置5では、投射光学装置5が有する複数のレンズは、最も拡大側に配置された投射レンズ532を含む。鏡筒6は、鏡筒本体6Aと、鏡筒本体6Aから外側に延び、投射レンズ532を保持する投射部635と、を有する。把持部8のうち、把持部8T,8L,8Rは、投射部635よりも外側に延出している。
このような構成によれば、投射光学装置5が床に置かれる場合や、壁に立て掛けられる場合に、投射部635よりも先に把持部8T,8L,8Rのうちの1つを床又は壁に接触させやすくすることができる。これにより、投射部635に保持される投射レンズ532に荷重が加わることを抑制できる。また、何らかの衝撃が投射光学装置5に加わる場合でも、投射部635よりも先に把持部8T,8L,8Rのうちの1つに衝撃が加わるので、投射部635に保持される投射レンズ532、ひいては、投射光学装置5が損傷することを抑制できる。
【0047】
投射光学装置5は、鏡筒6は、鏡筒本体6Aから外側に突出し、光出射装置11に接続されるフランジ部613を有する。
このような構成によれば、光出射装置11に投射光学装置5を装着しやすくすることができる。また、フランジ部613が鏡筒本体6Aから外側に突出しているので、投射光学装置5が落下したときに、フランジ部613が鏡筒本体6Aよりも先に床に接触することによって、投射光学装置5を保護できる。
【0048】
投射光学装置5は、鏡筒6の一部を覆うカバー部材7を備える。把持部8のうち、把持部8T,8L,8Rは、カバー部材7を挿通して鏡筒6に取り付けられている。
このような構成によれば、把持部8T,8L,8Rがカバー部材7に取り付けられる場合に比べて、把持部8T,8L,8Rの脱離を抑制できる。従って、投射光学装置5の重量が大きい場合でも、投射光学装置5の重量による把持部8T,8L,8Rの脱離を抑制できる。また、鏡筒6において把持部8T,8L,8Rが取り付けられる取付部636T,636L,636Rは、カバー部材7によって覆われるので、投射光学装置5の外観を良好にできる。
【0049】
投射光学装置5では、把持部8は、鏡筒6に対して脱離可能に取り付けられている。
このような構成によれば、光出射装置11に投射光学装置5が取り付けられた後に、把持部8を鏡筒6から取り外すことができる。これにより、投射光学装置5、ひいては、投射光学装置5が光出射装置11に装着されたプロジェクター1の外観を良好にできる。
【0050】
投射光学装置5では、鏡筒6は、把持部8が取り付けられる取付部625,636を有する。取付部625,636は、金属によって形成されている。具体的に、把持部8T,8L,8Rが取り付けられる取付部636T,636L,636Rが設けられた第3筒状部633は、金属によって形成されている。把持部8Dが取り付けられる取付部625、及び、取付部625を有する連結部623は、金属によって形成されている。
このような構成によれば、鏡筒6を強固に構成できる。これにより、把持部8が鏡筒6から脱離することを抑制でき、把持部8を把持することによって、投射光学装置5を安定して把持できる。また、投射光学装置5が落下する等して、投射光学装置5に衝撃が加わった場合でも、鏡筒6に歪みが発生することを抑制できる。
【0051】
投射光学装置5は、第1反射部54及び第2反射部55を備える。鏡筒6は、第1保持部材61、第2保持部材62及び第3保持部材63を有する。
第1保持部材61は、光出射装置11から出射された光が光軸51Xに沿って通過する第1筒状部611を有する。第1筒状部611は、入射部に相当し、光軸51Xは、第1光軸に相当する。
第2保持部材62は、第1筒状部611から出射され第1反射部54にて反射された光が光軸51Xに交差する光軸52Xに沿って通過する第2筒状部621を有する。第2筒状部621は、中間部に相当し、光軸52Xは、第2光軸に相当する。
第3保持部材63は、第2筒状部621から出射され第2反射部55にて反射された光が光軸52Xに交差する光軸53Xに沿って通過する第3筒状部633を有する。第3筒状部633は、出射部に相当し、光軸53Xは、第3光軸に相当する。
このような構成によれば、投射光学装置5に入射された画像光を、第1筒状部611に対して第2筒状部621を通過する光の進行方向の位置、すなわち、第1筒状部611に対して+Y方向の位置から、投射光学装置5に対する光の入射方向とは反対方向に出射できる。
【0052】
投射光学装置5では、把持部8は、把持部8T,8L,8R,8Dを含む。把持部8T,8L,8Rは、出射部である第3筒状部633の取付部636に取り付けられる。把持部8Dは、第1反射部54に応じた鏡筒6の部分に位置する取付部625に取り付けられる。
このような構成によれば、把持部8T,8L,8Rと把持部8Dとは、第2筒状部621を通過する画像光の進行方向における一端側及び他端側に配置される。すなわち、把持部8T,8L,8Rと把持部8Dとは、投射光学装置5において+Y方向の一端側及び他端側に配置される。換言すると、把持部8T,8L,8Rと把持部8Dとは、第2筒状部621を挟んで互いに反対側に配置される。これによれば、ユーザーが把持部8T,8L,8Rのうちの少なくとも1つの把持部と、把持部8Dとを把持することによって、投射光学装置5を安定して持つことができる。
なお、第1ユーザーが把持部8T,8L,8Rのうちの少なくとも1つの把持部を把持し、第2ユーザーが把持部8Dを把持することもできる。この場合、投射光学装置5を複数人によって把持しやすくすることができる。
【0053】
投射光学装置5では、把持部8Dは、光軸51Xの延長線51XA上に設けられている。光軸51Xは、第1光軸に相当する。
このような構成によれば、投射光学装置5を光出射装置11に装着する場合に、ユーザーが把持部8Dを把持することによって、光軸51Xと画像光の光軸とを合わせやすくすることができ、投射光学装置5を光出射装置11に装着しやすくすることができる。同様に、光出射装置11から投射光学装置5を取外ししやすくすることができる。従って、光出射装置11に対する投射光学装置5の装着及び脱離を実施しやすくすることができる。
【0054】
[実施形態の変形]
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記実施形態では、投射光学装置5は、把持部8T,8L,8R,8Dを備えるとした。しかしながら、これに限らず、投射光学装置5は、少なくとも1つの把持部8を備えていればよく、投射光学装置5が備える把持部8の数及び配置は、適宜変更可能である。また、把持部8は、腕部81,82及び接続部83を有し、略U字状に形成されているとした。しかしながら、これに限らず、例えば略H字状等、他の形状も把持部8の形状として採用可能である。
【0055】
上記実施形態では、把持部8T,8L,8Rは、鏡筒本体6Aから外側に突出する投射部635よりも外側に延出しているとした。すなわち、把持部8T,8L,8Rは、投射部635よりも径方向外側に延出しているとした。しかしながら、これに限らず、本開示の把持部は、投射部635よりも外側に延出していなくてもよい。また、投射部635は、鏡筒本体6Aから外側に突出していなくてもよい。
【0056】
上記実施形態では、投射光学装置5は、鏡筒本体6Aから外側に突出して光出射装置11に接続されるフランジ部613を有するとした。すなわち、投射光学装置5は、鏡筒本体6Aを構成する第1筒状部611から径方向外側に突出するフランジ部613を有するとした。しかしながら、これに限らず、フランジ部613は無くてもよい。また、投射光学装置5において、光出射装置11に接続される構成は、他の構成でもよい。
【0057】
上記実施形態では、把持部8T,8L,8Rは、鏡筒6を覆うカバー部材7を挿通して、鏡筒6の第3筒状部633に設けられた取付部636に取り付けられるとした。しかしながら、これに限らず、カバー部材7は無くてもよい。本開示の把持部は、鏡筒を覆うカバー部材を避けて、金属により構成される鏡筒本体に取り付けられていてもよい。更に、本開示の把持部は、鏡筒に設けられ、カバー部材を鏡筒に装着することによって被覆され、カバー部材を鏡筒から取り外すことによって露出される構成としてもよい。
【0058】
上記実施形態では、把持部8T,8L,8R,8Dは、鏡筒6に対して脱離可能に取り付けられているとした。しかしながら、これに限らず、把持部8T,8L,8R,8Dは、鏡筒6に固定されていてもよく、鏡筒6或いは鏡筒本体6Aと一体的化されていてもよい。また、鏡筒6に対する把持部8T,8L,8R,8Dの取付又は固定は、ねじ等の固定部材FM2を用いたものに限らない。例えば、把持部8T,8L,8R,8Dは、鏡筒6に溶接されていてもよく、接着剤によって接着されていてもよい。
【0059】
上記実施形態では、鏡筒6において把持部8T,8L,8Rが取り付けられる第3筒状部633と、把持部8Dが取り付けられる連結部623とは、金属によって形成されているとした。しかしながら、これに限らず、鏡筒において把持部が取り付けられる部位は、金属以外の材料によって形成されていてもよい。また、必ずしも鏡筒6の全体が金属によって構成されていなくてもよい。
【0060】
上記実施形態では、投射光学装置5は、第1反射部54及び第2反射部55を有し、鏡筒6は、入射部としての第1筒状部611と、中間部としての第2筒状部621と、出射部としての第3筒状部633及び投射部635と、を有するとした。すなわち、投射光学装置5は、+X方向から見て反時計回りに90°回動された略U字状に構成されているとした。しかしながら、これに限らず、本開示の投射光学装置は、投射光学装置の光軸が屈曲せずに、投射光学装置の光軸が直線的な光学系を備えてもよい。すなわち、本開示の投射光学装置の光学系は、上記実施形態に示した構成に限定されない。
【0061】
上記実施形態では、把持部8は、把持部8T,8L,8R,8Dを含むとした。把持部8T,8L,8Rは、鏡筒6において出射部である第3筒状部633に取り付けられ、把持部8Dは、第1反射部54に応じた鏡筒6の部分に取り付けられているとした。しかしながら、これに限らず、把持部8は、中間部に相当する第2筒状部621に取り付けられていてもよい。また、把持部8の腕部81,82は、フランジ部613に取り付けられてもよい。
なお、把持部8T,8L,8R,8Dのうち少なくとも1つの把持部は無くてもよい。すなわち、上記のように、把持部の数及び位置は、適宜変更可能である。
【0062】
上記実施形態では、把持部8Dは、第1光軸としての光軸51Xの延長線51XA上に設けられているとした。しかしながら、これに限らず、把持部8Dは、延長線51XA上に無くてもよい。また、把持部は、+X方向から見て延長線51XAの近傍に配置されてもよい。
【0063】
上記実施形態では、プロジェクター1は、3つの光変調装置453B,453G,453Rを備えるとした。しかしながら、これに限らず、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を備えるプロジェクターにも、本開示を適用可能である。
上記実施形態では、画像生成装置4は、
図1に示したレイアウトで光学部品が配置されたものとした。しかしながら、これに限らず、画像生成装置4は、他のレイアウトで光学部品が配置されたものでもよく、また、
図1に示した光学部品以外の光学部品を備えるものであってもよい。
【0064】
上記実施形態では、光変調装置453は、光入射面と光出射面とが異なる透過型の液晶パネルを有するとした。しかしながら、これに限らず、光変調装置453は、光入射面と光出射面とが同一となる反射型の液晶パネルを有していてもよい。また、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
【0065】
上記実施形態では、投射光学装置5は、プロジェクター1を構成して画像光を出射する光出射装置11に脱離可能に装着されるとした。しかしながら、これに限らず、本開示の投射光学装置が装着される光出射装置は、投射光学装置に入射される光を出射するものであればよく、必ずしも画像光を出射するものでなくてもよい。
【0066】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
本開示の第1態様に係る投射光学装置は、光出射装置に対して脱離可能に装着され、前記光出射装置から入射する光を投射する投射光学装置であって、複数のレンズと、前記複数のレンズを保持する鏡筒と、前記鏡筒から前記鏡筒の外側に延出する第1把持部と、を備える。
このような構成によれば、ユーザーが第1把持部を把持することによって、投射光学装置を容易に把持できる。このため、投射光学装置を運搬しやすくすることができる他、光出射装置への投射光学装置の装着、及び、光出射装置からの投射光学装置の取外しを実施しやすくすることができる。
【0067】
上記第1態様では、前記複数のレンズは、最も拡大側に配置された投射レンズを含み、前記鏡筒は、鏡筒本体と、前記鏡筒本体から外側に突出し、前記投射レンズを保持する投射部と、を有し、前記第1把持部は、前記投射部よりも外側に延出していてもよい。
このような構成によれば、投射光学装置が床に置かれる場合や、壁に立て掛けられる場合に、投射部よりも先に第1把持部を床又は壁に接触させやすくすることができる。これにより、投射部に保持される投射レンズに荷重が加わることを抑制できる。また、何らかの衝撃が投射光学装置に加わる場合でも、投射部よりも先に第1把持部に衝撃が加わるので、投射部に保持される投射レンズ、ひいては、投射光学装置が損傷することを抑制できる。
【0068】
上記第1態様では、前記鏡筒は、前記鏡筒本体から外側に突出し、前記光出射装置に接続されるフランジ部を有していてもよい。
このような構成によれば、光出射装置に投射光学装置を装着しやすくすることができる。また、フランジ部が鏡筒本体から外側に突出しているので、投射光学装置が落下したときに、フランジ部が鏡筒本体よりも先に床に接触することによって、投射光学装置を保護できる。
【0069】
上記第1態様では、前記鏡筒の一部を覆うカバー部材を備え、前記第1把持部は、前記カバー部材を挿通して前記鏡筒に取り付けられていてもよい。
このような構成によれば、第1把持部がカバー部材に取り付けられる場合に比べて、第1把持部の脱離を抑制できる。従って、投射光学装置の重量が大きい場合でも、投射光学装置の重量による把持部の脱離を抑制できる。また、第1把持部と鏡筒との連結部は、カバー部材によって覆われるので、投射光学装置の外観を良好にできる。
【0070】
上記第1態様では、前記第1把持部は、前記鏡筒に対して脱離可能に取り付けられていてもよい。
このような構成によれば、例えば光出射装置に投射光学装置が取り付けられた後に、第1把持部を鏡筒から取り外すことができる。これにより、投射光学装置、ひいては、投射光学装置が装着された光出射装置の外観を良好にできる。
【0071】
上記第1態様では、前記鏡筒は、前記第1把持部が取り付けられる取付部を有し、前記取付部は、金属によって形成されていてもよい。
このような構成によれば、鏡筒を強固に構成できる。これにより、第1把持部が鏡筒から脱離することを抑制でき、第1把持部を把持することによって、投射光学装置を安定して把持できる。また、投射光学装置が落下する等して、投射光学装置に衝撃が加わった場合でも、鏡筒が歪むことを抑制できる。
【0072】
上記第1態様では、第1反射部及び第2反射部を備え、前記鏡筒は、前記光出射装置から出射された光が第1光軸に沿って通過する入射部と、前記入射部から出射され前記第1反射部にて反射された光が前記第1光軸に交差する第2光軸に沿って通過する中間部と、前記中間部から出射され前記第2反射部にて反射された光が前記第2光軸に交差する第3光軸に沿って通過する出射部と、を有していてもよい。
このような構成によれば、出射部を通過する光の進行方向が、投射光学装置に対する光の入射方向とは反対方向である場合には、投射光学装置に入射された光を、入射部に対して中間部を通過する光の進行方向の位置から、投射光学装置に対する光の入射方向とは反対方向に出射できる。また、出射部を通過する光の進行方向が、投射光学装置に対する光の入射方向と略一致する場合には、投射光学装置に入射された光を、入射部に対して中間部を通過する光の進行方向の位置から、投射光学装置に対する光の入射方向に沿って出射できる。
【0073】
上記第1態様では、前記鏡筒から前記鏡筒の外側に延出する第2把持部を備え、前記第1把持部は、前記出射部に取り付けられ、前記第2把持部は、前記第1反射部に応じた前記鏡筒の部分に取り付けられていてもよい。
このような構成によれば、第1把持部及び第2把持部は、中間部を通過する光の進行方向において一端側及び他端側に配置される。換言すると、第1把持部と第2把持部とは、中間部を挟んで互いに反対側に配置される。これによれば、ユーザーが第1把持部及び第2把持部を把持することによって、投射光学装置を安定して持つことができる。
なお、第1ユーザーが第1把持部を把持し、第2ユーザーが第2把持部を把持することもできる。このため、投射光学装置を複数人によって把持しやすくすることができる。
【0074】
上記第1態様では、前記第2把持部は、前記第1光軸の延長線上に設けられていてもよい。
このような構成によれば、投射光学装置を光出射装置に装着する場合に、第2把持部を把持することによって、第1光軸と画像光の光軸とを合わせやすくすることができ、投射光学装置5を光出射装置11に装着しやすくすることができる。同様に、光出射装置から投射光学装置を取外しやすくすることができる。従って、光出射装置に対する投射光学装置の装着及び脱離を実施しやすくすることができる。
【0075】
本開示の第2態様に係るプロジェクターは、光源から出射された光を変調する光変調装置を有する光出射装置と、上記投射光学装置と、を備える。
このような構成によれば、上記投射光学装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0076】
1…プロジェクター、11…光出射装置、41…光源、453…光変調装置、453B…青用光変調装置、453G…緑用光変調装置、453R…赤用光変調装置、5…投射光学装置、51…第1レンズ群、511…レンズ、51X…光軸(第1光軸)、51XA…延長線、52…第2レンズ群、521…レンズ、52X…光軸(第2光軸)、53…第3レンズ群、531…レンズ、532…投射レンズ、53X…光軸(第3光軸)、54…第1反射部、55…第2反射部、6…鏡筒、6A…鏡筒本体、61…第1保持部材、611…第1筒状部(入射部)、612…第1枠体、613…フランジ部、62…第2保持部材、621…第2筒状部(中間部)、624…第1配置部、625…取付部、626,627…固定部、63…第3保持部材、633…第3筒状部(出射部)、635…投射部(出射部)、7…カバー部材、71…第1カバー、72…第2カバー、721…孔部、72L,72R,72T…面、73…第3カバー、8…把持部、8T,8L,8R…把持部(第1把持部)、8D…把持部(第1把持部、第2把持部)、81,82…腕部、811,821…孔部、812,822…ガイド溝、83…接続部。