(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】健康状態判定システム、住宅、管理装置、プログラム、及び健康状態判定方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20241016BHJP
G16H 50/30 20180101ALI20241016BHJP
【FI】
A61B5/00 D
G16H50/30
(21)【出願番号】P 2021000835
(22)【出願日】2021-01-06
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅之
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-240661(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0058704(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01
G16H 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
階段を有する住宅内に居住する対象者の健康状態を判定する健康状態判定システムであって、
前記対象者が起床したことを検知し、その検知の結果を示す第1データを出力する第1センサと、
前記対象者が前記階段の一方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第2データを出力する第2センサと、
前記対象者が前記階段の他方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第3データを出力する第3センサと、
前記第1センサ、前記第2センサ、及び前記第3センサと通信可能な管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、
前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データに基づいて、前記対象者が起床後に最初に前記階段を前記一方端段から前記他方端段まで歩行するのに要した時間を算出し、当該時間を示す時間データを出力する演算部と、
過去の複数の前記時間データを記憶する記憶部と、
当日の前記時間データと過去の複数の前記時間データとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果を出力する出力部と、
を有する、健康状態判定システム。
【請求項2】
前記対象者による前記階段の手摺りへの荷重を検知し、その検知の結果を示す第4データを出力する第4センサをさらに備え、
前記取得部はさらに、前記第4データを取得し、
前記演算部はさらに、前記取得部が取得した前記第4データに基づいて、前記対象者が起床後に最初に前記階段を前記一方端段から前記他方端段まで歩行する間の、前記手摺りへの荷重値を算出し、当該荷重値を示す荷重データを出力し、
前記記憶部はさらに、過去の複数の前記荷重データを記憶し、
前記判定部は、当日の前記時間データ及び前記荷重データと過去の複数の前記時間データ及び複数の前記荷重データとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定する、請求項1に記載の健康状態判定システム。
【請求項3】
前記演算部はさらに、過去の複数の前記時間データに基づいて、前記時間データの時系列変化を示す第1相関グラフを算出し、
前記判定部は、当日の前記時間データと前記第1相関グラフとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定する、請求項1に記載の健康状態判定システム。
【請求項4】
前記演算部はさらに、前記第1相関グラフの傾き値を算出し、当該傾き値を示す傾きデータを出力し、
前記記憶部はさらに、過去の複数の前記傾きデータを記憶し、
前記演算部はさらに、過去の複数の前記傾きデータに基づいて、前記傾きデータの時系列変化を示す第2相関グラフを算出し、
前記判定部はさらに、前記第2相関グラフに基づいて、前記対象者のフレイルの可能性を判定する、請求項3に記載の健康状態判定システム。
【請求項5】
前記対象者の就寝位置から前記一方端段の直前位置までの前記対象者の移動を検知するセンサ群をさらに備える、請求項1~4のいずれか一つに記載の健康状態判定システム。
【請求項6】
階段と、
請求項1~5のいずれか一つに記載の健康状態判定システムと、
を備える、住宅。
【請求項7】
階段を有する住宅内に居住する対象者の健康状態を判定する健康状態判定システムが備える管理装置であって、
前記健康状態判定システムは、
前記対象者が起床したことを検知し、その検知の結果を示す第1データを出力する第1センサと、
前記対象者が前記階段の一方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第2データを出力する第2センサと、
前記対象者が前記階段の他方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第3データを出力する第3センサと、
前記第1センサ、前記第2センサ、及び前記第3センサと通信可能な管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、
前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データに基づいて、前記対象者が起床後に最初に前記階段を前記一方端段から前記他方端段まで歩行するのに要した時間を算出し、当該時間を示す時間データを出力する演算部と、
過去の複数の前記時間データを記憶する記憶部と、
当日の前記時間データと過去の複数の前記時間データとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果を出力する出力部と、
を備える、管理装置。
【請求項8】
階段を有する住宅内に居住する対象者の健康状態を判定する健康状態判定システムが備える管理装置としてのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記健康状態判定システムは、
前記対象者が起床したことを検知し、その検知の結果を示す第1データを出力する第1センサと、
前記対象者が前記階段の一方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第2データを出力する第2センサと、
前記対象者が前記階段の他方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第3データを出力する第3センサと、
前記第1センサ、前記第2センサ、及び前記第3センサと通信可能な管理装置と、
を備え、
前記コンピュータを、
前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データに基づいて、前記対象者が起床後に最初に前記階段を前記一方端段から前記他方端段まで歩行するのに要した時間を算出し、当該時間を示す時間データを出力する演算手段と、
当日の前記時間データと過去の複数の前記時間データとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定の結果を出力する出力手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
階段を有する住宅内に居住する対象者の健康状態を判定する健康状態判定方法であって、
第1センサが、前記対象者が起床したことを検知し、その検知の結果を示す第1データを出力し、
第2センサが、前記対象者が前記階段の一方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第2データを出力し、
第3センサが、前記対象者が前記階段の他方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第3データを出力し、
管理装置が、
前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データを取得し、
取得した前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データに基づいて、前記対象者が起床後に最初に前記階段を前記一方端段から前記他方端段まで歩行するのに要した時間を算出し、当該時間を示す時間データを出力し、
過去の複数の前記時間データを記憶し、
当日の前記時間データと過去の複数の前記時間データとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定し、
その判定の結果を出力する、健康状態判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康状態判定システム、住宅、管理装置、プログラム、及び健康状態判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、対象者の人体に装着される状態検出手段と、状態検出手段と無線通信が可能な判断手段とを備える異常判断装置が開示されている。状態検出手段は、複数のセンサによって対象者の様々な状態(体温、心拍数、姿勢、移動距離、及び睡眠状態等)を検出する。判断手段は、状態検出手段による状態の検出結果に基づいて、対象者に異常が発生しているか否かを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された異常判断装置によると、状態検出手段は対象者の様々な状態(体温、心拍数、姿勢、移動距離、及び睡眠状態等)を検出するが、対象者のこれらの状態は、検出する時間帯の相違、又は対象者の日々の行動スケジュールの相違等に起因して、大きく変動する。従って、そのような健康状態とは無関係な要因で変動する状態の検出結果に基づいて対象者の異常の有無を判断しても、その判断結果の精度は低い。
【0005】
また、状態検出手段は対象者の様々な状態を常時検出して判断手段に送信するため、判断手段が処理すべきデータ量が膨大となり、処理負荷が増大する。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、対象者の健康状態の判定精度を向上でき、かつ、判定に伴う処理負荷を軽減することが可能な、健康状態判定システム、住宅、管理装置、プログラム、及び健康状態判定方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る健康状態判定システムは、階段を有する住宅内に居住する対象者の健康状態を判定する健康状態判定システムであって、前記対象者が起床したことを検知し、その検知の結果を示す第1データを出力する第1センサと、前記対象者が前記階段の一方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第2データを出力する第2センサと、前記対象者が前記階段の他方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第3データを出力する第3センサと、前記第1センサ、前記第2センサ、及び前記第3センサと通信可能な管理装置と、を備え、前記管理装置は、前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データに基づいて、前記対象者が起床後に最初に前記階段を前記一方端段から前記他方端段まで歩行するのに要した時間を算出し、当該時間を示す時間データを出力する演算部と、過去の複数の前記時間データを記憶する記憶部と、当日の前記時間データと過去の複数の前記時間データとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定する判定部と、前記判定部による判定の結果を出力する出力部と、を有する。
【0008】
この態様によれば、対象者が起床後に最初に階段を一方端段から他方端段まで歩行するのに要した時間に基づいて、対象者の健康状態が判定される。起床後の最初の歩行という、概ね毎日一定した時間帯かつ精神的・身体的に概ね無意識に毎日繰り返される日常行動を計測対象とすることにより、対象者の健康状態とは無関係に変動する要因を排除でき、その結果、健康状態の判定精度を向上することが可能となる。また、一般的に階段の途中には分岐路又は立ち寄り場所は存在しないため、歩行時間の計測場所を階段に特定することにより、対象者の健康状態とは無関係に変動する経路選択の要因を排除でき、その結果、健康状態の判定精度を向上することが可能となる。さらに、起床後の最初の階段歩行という、日常生活の中でも限定された行動を計測対象とすることにより、管理装置が処理すべきデータ量を削減でき、その結果、健康状態の判定に伴う処理負荷を軽減することが可能となる。
【0009】
上記態様において、前記対象者による前記階段の手摺りへの荷重を検知し、その検知の結果を示す第4データを出力する第4センサをさらに備え、前記取得部はさらに、前記第4データを取得し、前記演算部はさらに、前記取得部が取得した前記第4データに基づいて、前記対象者が起床後に最初に前記階段を前記一方端段から前記他方端段まで歩行する間の、前記手摺りへの荷重平均値を算出し、当該荷重平均値を示す荷重データを出力し、前記記憶部はさらに、過去の複数の前記荷重データを記憶し、前記判定部は、当日の前記時間データ及び前記荷重データと過去の複数の前記時間データ及び複数の前記荷重データとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定する。
【0010】
この態様によれば、対象者が階段を歩行する際の所要時間のみならず、その際の手摺りへの荷重平均値をも用いて対象者の健康状態が判定されるため、判定精度をより向上することが可能となる。
【0011】
上記態様において、前記演算部はさらに、過去の複数の前記時間データに基づいて、前記時間データの時系列変化を示す第1相関グラフを算出し、前記判定部は、当日の前記時間データと前記第1相関グラフとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定する。
【0012】
この態様によれば、時間データの時系列変化を示す第1相関グラフに基づいて健康状態が判定されるため、対象者の当日の健康状態を簡易にかつ高精度に判定することが可能となる。
【0013】
上記態様において、前記演算部はさらに、前記第1相関グラフの傾き値を算出し、当該傾き値を示す傾きデータを出力し、前記記憶部はさらに、過去の複数の前記傾きデータを記憶し、前記演算部はさらに、過去の複数の前記傾きデータに基づいて、前記傾きデータの時系列変化を示す第2相関グラフを算出し、前記判定部はさらに、前記第2相関グラフに基づいて、前記対象者のフレイルの可能性を判定する。
【0014】
この態様によれば、傾きデータの時系列変化を示す第2相関グラフに基づくことにより、対象者のフレイルの可能性を簡易にかつ高精度に判定することが可能となる。
【0015】
上記態様において、前記対象者の就寝位置から前記一方端段の直前位置までの前記対象者の移動を検知するセンサ群をさらに備える。
【0016】
この態様によれば、センサ群によって対象者の就寝位置から一方端段の直前位置までの対象者の移動が検知されるため、計測対象の階段歩行が、対象者による起床後の最初の階段歩行であることを、確実に特定することが可能となる。
【0017】
本発明の一態様に係る住宅は、階段と、上記態様に係る健康状態判定システムと、を備える。
【0018】
本発明の一態様に係る管理装置は、階段を有する住宅内に居住する対象者の健康状態を判定する健康状態判定システムが備える管理装置であって、前記健康状態判定システムは、前記対象者が起床したことを検知し、その検知の結果を示す第1データを出力する第1センサと、前記対象者が前記階段の一方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第2データを出力する第2センサと、前記対象者が前記階段の他方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第3データを出力する第3センサと、前記第1センサ、前記第2センサ、及び前記第3センサと通信可能な管理装置と、を備え、前記管理装置は、前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データに基づいて、前記対象者が起床後に最初に前記階段を前記一方端段から前記他方端段まで歩行するのに要した時間を算出し、当該時間を示す時間データを出力する演算部と、過去の複数の前記時間データを記憶する記憶部と、当日の前記時間データと過去の複数の前記時間データとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定する判定部と、前記判定部による判定の結果を出力する出力部と、を備える。
【0019】
本発明の一態様に係るプログラムは、階段を有する住宅内に居住する対象者の健康状態を判定する健康状態判定システムが備える管理装置としてのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記健康状態判定システムは、前記対象者が起床したことを検知し、その検知の結果を示す第1データを出力する第1センサと、前記対象者が前記階段の一方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第2データを出力する第2センサと、前記対象者が前記階段の他方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第3データを出力する第3センサと、前記第1センサ、前記第2センサ、及び前記第3センサと通信可能な管理装置と、を備え、前記コンピュータを、前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データを取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データに基づいて、前記対象者が起床後に最初に前記階段を前記一方端段から前記他方端段まで歩行するのに要した時間を算出し、当該時間を示す時間データを出力する演算手段と、当日の前記時間データと過去の複数の前記時間データとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定する判定手段と、前記判定手段による判定の結果を出力する出力手段と、として機能させる。
【0020】
本発明の一態様に係る健康状態判定方法は、階段を有する住宅内に居住する対象者の健康状態を判定する健康状態判定方法であって、第1センサが、前記対象者が起床したことを検知し、その検知の結果を示す第1データを出力し、第2センサが、前記対象者が前記階段の一方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第2データを出力し、第3センサが、前記対象者が前記階段の他方端段に位置していることを検知し、その検知の結果を示す第3データを出力し、管理装置が、前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データを取得し、取得した前記第1データ、前記第2データ、及び前記第3データに基づいて、前記対象者が起床後に最初に前記階段を前記一方端段から前記他方端段まで歩行するのに要した時間を算出し、当該時間を示す時間データを出力し、過去の複数の前記時間データを記憶し、当日の前記時間データと過去の複数の前記時間データとに基づいて、前記対象者の当日の健康状態を判定し、その判定の結果を出力する。
【0021】
これらの態様によれば、対象者が起床後に最初に階段を一方端段から他方端段まで歩行するのに要した時間に基づいて、対象者の健康状態が判定される。起床後の最初の歩行という、概ね毎日一定した時間帯かつ精神的・身体的に概ね無意識に毎日繰り返される日常行動を計測対象とすることにより、対象者の健康状態とは無関係に変動する要因を排除でき、その結果、健康状態の判定精度を向上することが可能となる。また、一般的に階段の途中には分岐路又は立ち寄り場所は存在しないため、歩行時間の計測場所を階段に特定することにより、対象者の健康状態とは無関係に変動する要因を排除でき、その結果、健康状態の判定精度を向上することが可能となる。さらに、起床後の最初の階段歩行という、日常生活の中でも限定された行動を計測対象とすることにより、管理装置が処理すべきデータ量を削減でき、その結果、健康状態の判定に伴う処理負荷を軽減することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、対象者の健康状態の判定精度を向上でき、かつ、判定に伴う処理負荷を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施の形態に係る健康状態判定システムの構成を模式的に示す図である。
【
図3】時間データ及び荷重データの生成に関して、制御部が実行する処理内容を示すフローチャートである。
【
図4】対象者の健康状態の判定に関して、制御部が実行する処理内容の第1の例を示すフローチャートである。
【
図5】対象者の健康状態の判定に関して、制御部が実行する処理内容の第2の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係る健康状態判定システム100の構成を模式的に示す図である。健康状態判定システム100は、健康状態の判定対象であるユーザ(以下「対象者」と称す)が居住する住宅H内に構築される。
【0026】
図1の例において、住宅Hは二階建ての民家であり、一階には廊下8及びそれに繋がるリビング(図略)があり、二階には寝室1、廊下4、及び踊り場5がある。寝室1には、対象者が就寝時に利用するベッド2が配置されている。寝室1と廊下4との間にはドア3がある。寝室1から見て廊下4の突き当たりが踊り場5である。廊下8と踊り場5とは、手摺り7を有する階段6によって繋がっている。なお、一階に寝室1があり二階にリビングがあっても良く、あるいは、地下に寝室1があり一階にリビングがあっても良い。
【0027】
健康状態判定システム100は、起床センサ12、離床センサ13、開閉センサ14、人感センサ15,16、荷重センサ17~19、及び管理装置11を備えている。起床センサ12、離床センサ13、開閉センサ14、人感センサ15,16、及び荷重センサ17~19と、管理装置11とは、Wi-Fi等の任意の通信方式によって相互に通信可能である。
【0028】
起床センサ12は、例えば、対象者の人体に装着可能な睡眠計(例えばリストウォッチ)、ベッド2のマットレスに埋め込まれた睡眠計、又は、寝室1の天井面に設置された睡眠計である。起床センサ12(第1センサ)は、対象者が一定時間(例えば3時間)以上の睡眠状態から覚醒したことを検知することにより、対象者が起床したことを検知する。起床センサ12は、対象者が起床したことを検知すると、その検知の結果を示す起床検知データを管理装置11に送信する。
【0029】
離床センサ13は、例えば、ベッド2の周囲を撮影するカメラ、又は、ベッド2に埋め込まれた荷重センサである。離床センサ13は、対象者がベッド2から離れたことを検知する。離床センサ13は、対象者が離床したことを検知すると、その検知の結果を示す離床検知データを管理装置11に送信する。
【0030】
開閉センサ14は、例えば、ドア3に埋め込まれた磁気センサである。開閉センサ14は、ドア3が開けられたこと及びドア3が閉められたことを検知する。開閉センサ14は、ドア3の開閉を検知すると、その検知の結果を示す開閉検知データを管理装置11に送信する。
【0031】
人感センサ15は、寝室1から見てドア3の反対側に設置されている。人感センサ15は、例えば、天井に設置された赤外線センサ、又は、床に埋め込まれた荷重センサである。人感センサ15は、対象者が寝室1から退室したことを検知する。人感センサ15は、対象者が寝室1から退室したことを検知すると、その検知の結果を示す退室検知データを管理装置11に送信する。
【0032】
人感センサ16は、踊り場5に設置されている。人感センサ16は、例えば、天井に設置された赤外線センサ、又は、床に埋め込まれた荷重センサである。人感センサ16は、対象者が踊り場5(つまり階段6の最上段の直前位置)に位置していることを検知する。人感センサ16は、対象者が踊り場5に位置していることを検知すると、その検知の結果を示す位置検知データを管理装置11に送信する。
【0033】
荷重センサ17は、階段6の最上段に埋め込まれている。荷重センサ17(第2センサ)は、対象者が階段6の最上段に位置していることを検知する。荷重センサ17は、対象者が階段6の最上段に位置していることを検知すると、その検知の結果を示す位置検知データを管理装置11に送信する。
【0034】
荷重センサ18は、階段6の最下段に埋め込まれている。荷重センサ18(第3センサ)は、対象者が階段6の最下段に位置していることを検知する。荷重センサ18は、対象者が階段6の最下段に位置していることを検知すると、その検知の結果を示す位置検知データを管理装置11に送信する。
【0035】
荷重センサ19は、手摺り7を壁に取り付けるための支持部材に埋め込まれている。支持部材が複数である場合には、複数の支持部材の各々に荷重センサ19が埋め込まれている。荷重センサ19(第4センサ)は、対象者による手摺り7への荷重を検知する。荷重センサ19は、対象者による手摺り7への荷重を検知すると、その検知した荷重値を示す荷重値データを管理装置11に送信する。
【0036】
管理装置11は、Wi-Fi等の任意の通信方式によって、表示装置22と相互に通信可能である。表示装置22は、例えば、対象者が使用するスマートフォンである。
【0037】
管理装置11は、公衆回線網等の任意の通信ネットワーク20を介して、IP等の任意の通信方式によって、クラウドサーバ等のサーバ装置21と相互に通信可能である。
【0038】
図2は、管理装置11の構成を簡略化して示す図である。管理装置11は、制御部31、記憶部32、及び通信部33,34を備えている。
【0039】
制御部31は、CPU等のデータ処理装置を用いて構成されている。記憶部32は、ハードディスク又は半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置を用いて構成されている。通信部33は、起床センサ12、離床センサ13、開閉センサ14、人感センサ15,16、荷重センサ17~19、及び表示装置22との通信を行うための、Wi-Fi等の任意の通信方式に対応した通信モジュールを用いて構成されている。通信部34は、サーバ装置21との通信を行うための、IP等の任意の通信方式に対応した通信モジュールを用いて構成されている。
【0040】
記憶部32には、プログラム51、時間データ52、荷重データ53、及び傾きデータ54が記憶されている。
【0041】
記憶部32から読み出したプログラムをCPUが実行することにより、制御部31は、取得部41、演算部42、判定部43、及び出力部44として機能する。換言すれば、プログラム51は、管理装置11としてのコンピュータを、取得部41、演算部42、判定部43、及び出力部44として機能させるためのプログラムである。
【0042】
図3は、時間データ52及び荷重データ53の生成に関して、制御部31が実行する処理内容を示すフローチャートである。
【0043】
まずステップSP101において、対象者が起床して起床センサ12が起床検知データを送信すると、通信部33が起床検知データを受信し、取得部41が通信部33から起床検知データを取得する。取得部41が起床検知データを取得するまで(つまり対象者が起床するまで)、ステップSP101の処理が繰り返し実行される。
【0044】
次にステップSP102において、対象者が離床して離床センサ13が離床検知データを送信すると、通信部33が離床検知データを受信し、取得部41が通信部33から離床検知データを取得する。取得部41が離床検知データを取得するまで(つまり対象者が離床するまで)、ステップSP102の処理が繰り返し実行される。なお、対象者が離床しないまま再び睡眠を開始した場合には、ステップSP101の処理に戻る。
【0045】
次にステップSP103において、対象者がドア3を開閉して開閉センサ14が開閉検知データを送信すると、通信部33が開閉検知データを受信し、取得部41が通信部33から開閉検知データを取得する。取得部41が開閉検知データを取得するまで(つまり対象者がドア3を開閉するまで)、ステップSP103の処理が繰り返し実行される。なお、対象者がドア3を開閉しないまま再びベッド2に就床した場合には、ステップSP102の処理に戻る。
【0046】
次にステップSP104において、対象者が寝室1から退室して人感センサ15が退室検知データを送信すると、通信部33が退室検知データを受信し、取得部41が通信部33から退室検知データを取得する。取得部41が退室検知データを取得するまで(つまり対象者が寝室1から退室するまで)、ステップSP104の処理が繰り返し実行される。
【0047】
次にステップSP105において、対象者が踊り場5に到達して人感センサ16が位置検知データを送信すると、通信部33が位置検知データを受信し、取得部41が通信部33から位置検知データを取得する。取得部41が当該位置検知データを取得するまで(つまり対象者が踊り場5に到達するまで)、ステップSP105の処理が繰り返し実行される。
【0048】
次にステップSP106において、対象者が階段6の最上段に到達して荷重センサ17が位置検知データを送信すると、通信部33が位置検知データを受信し、取得部41が通信部33から位置検知データを取得する。取得部41が当該位置検知データを取得するまで(つまり対象者が階段6の最上段に到達するまで)、ステップSP106の処理が繰り返し実行される。
【0049】
対象者が階段6の最上段に到達すると、次にステップSP107において、制御部31は、通信部33から荷重センサ19に制御信号を送信することによって、荷重センサ19に荷重計測を開始させる。荷重センサ19が荷重値データを送信すると、通信部33が荷重値データを受信し、取得部41が通信部33から荷重値データを取得する。
【0050】
次にステップSP108において、対象者が階段6の最下段に到達して荷重センサ17が位置検知データを送信すると、通信部33が位置検知データを受信し、取得部41が通信部33から位置検知データを取得する。取得部41が当該位置検知データを取得するまで(つまり対象者が階段6の最下段に到達するまで)、ステップSP108の処理が繰り返し実行される。
【0051】
対象者が階段6の最下段に到達すると、次にステップSP109において、制御部31は、通信部33から荷重センサ19に制御信号を送信することによって、荷重センサ19に荷重計測を終了させる。
【0052】
次にステップSP110において、演算部42は、荷重センサ17から送信された位置検知データを取得部41が取得した時刻と、荷重センサ18から送信された位置検知データを取得部41が取得した時刻との時間差を算出することにより、対象者が階段6の最上段から最下段まで歩行するのに要した所要時間(当日の所要時間T0)を算出する。制御部31は、その所要時間と日付情報とを含む時間データ52を生成して、当該時間データ52を記憶部32に記憶する。記憶部32には、昨日までの過去の複数の所要時間に関する時間データ52も蓄積して記憶されている。また、演算部42は、当該所要時間の間に取得部41が取得した荷重値データの積算値を算出し、その積算値を当該所要時間で除算することにより、対象者が階段6の最上段から最下段まで歩行する間の手摺り7への荷重平均値(当日の荷重平均値L0)を算出する。制御部31は、その荷重平均値と日付情報とを含む荷重データ53を生成して、当該荷重データ53を記憶部32に記憶する。記憶部32には、昨日までの過去の複数の荷重平均値に関する荷重データ53も蓄積して記憶されている。
【0053】
図4は、対象者の健康状態の判定に関して、制御部31が実行する処理内容の第1の例を示すフローチャートである。
【0054】
まずステップSP201において、演算部42は、前日までの過去の所定期間(例えば直近の1週間乃至1ヶ月)に関する複数の時間データ52を記憶部32から読み出し、当該複数の時間データ52で示される複数の所要時間の平均値を算出することによって、基準所要時間T1を算出する。
【0055】
次にステップSP202において、判定部43は、当日の時間データ52を記憶部32から読み出し、当日の時間データ52で示される当日の所要時間T0が、基準所要時間T1未満であるか否かを判定する。
【0056】
当日の所要時間T0が基準所要時間T1未満である場合(ステップSP202:YES)は、次にステップSP203において、判定部43は、対象者の健康状態は良好な状態C1であると判定する。この場合、出力部44は、判定部43による判定の結果として状態C1を表す結果データを出力し、通信部33は、当該結果データを表示装置22に送信する。状態C1を表す結果データを受信した表示装置22は、その日の健康状態が良好であることを示す図形又はテキストメッセージを、画面に表示する。なお、ユーザへの判定結果の報知態様は、画面への表示ではなく、スピーカからの音声出力等であっても良い(以下同様)。
【0057】
当日の所要時間T0が基準所要時間T1以上である場合(ステップSP202:NO)は、次にステップSP204において、演算部42は、前日までの過去の所定期間(例えば直近の1週間乃至1ヶ月)に関する複数の荷重データ53を記憶部32から読み出し、当該複数の荷重データ53で示される複数の荷重平均値の平均値を算出することによって、基準荷重平均値L1を算出する。
【0058】
次にステップSP205において、判定部43は、当日の荷重データ53を記憶部32から読み出し、当日の荷重データ53で示される当日の荷重平均値L0が、基準荷重平均値L1以下であるか否かを判定する。
【0059】
当日の荷重平均値L0が基準荷重平均値L1以下である場合(ステップSP205:YES)は、次にステップSP206において、判定部43は、対象者の健康状態はやや悪い状態C2であると判定する。この場合、出力部44は、判定部43による判定の結果として状態C2を表す結果データを出力し、通信部33は、当該結果データを表示装置22に送信する。状態C2を表す結果データを受信した表示装置22は、その日の健康状態がやや悪いことを示す図形又はテキストメッセージを、画面に表示する。
【0060】
当日の荷重平均値L0が基準荷重平均値L1超である場合(ステップSP205:NO)は、次にステップSP207において、判定部43は、対象者の健康状態は悪い状態C3であると判定する。この場合、出力部44は、判定部43による判定の結果として状態C3を表す結果データを出力し、通信部33は、当該結果データを表示装置22に送信する。状態C3を表す結果データを受信した表示装置22は、その日の健康状態が悪いことを示す図形又はテキストメッセージを、画面に表示する。
【0061】
図5は、対象者の健康状態の判定に関して、制御部31が実行する処理内容の第2の例を示すフローチャートである。
【0062】
まずステップSP301において、演算部42は、当日を含む直近の所定期間(例えば30日間)に関する複数の時間データ52を記憶部32から読み出し、当該複数の時間データ52で示される複数の所要時間に対して、最小二乗法等の任意の近似直線導出アルゴリズムを適用する。これにより、演算部42は、当日及び過去の複数の時間データ52に基づいて、所要時間の時系列変化を示す時間相関グラフG1を算出する。
図6は、直近30日分の所要期間を対象として算出された時間相関グラフG1の一例を示す図である。演算部42は、時間相関グラフG1の直線の傾き値と日付情報とを含む傾きデータ54を生成して、当日の傾きデータ54として記憶部32に記憶する。記憶部32には、昨日までの過去の複数の傾き値に関する傾きデータ54も蓄積して記憶されている。
【0063】
次にステップSP302において、判定部43は、当日の時間データ52で示される当日の所要時間T0が、時間相関グラフG1上の値として示される当日の推定値以下であるか否かを判定する。
【0064】
当日の所要時間T0が当日の推定値以下である場合(ステップSP302:YES)は、次にステップSP303において、判定部43は、対象者の健康状態は良好な状態F1であると判定する。この場合、出力部44は、判定部43による判定の結果として状態F1を表す結果データを出力し、通信部33は、当該結果データを表示装置22に送信する。状態F1を表す結果データを受信した表示装置22は、その日の健康状態が良好であることを示す図形又はテキストメッセージを、画面に表示する。
【0065】
当日の所要時間T0が当日の推定値超である場合(ステップSP302:NO)は、次にステップSP304において、演算部42は、当日を含む直近の所定期間(例えば1年間)に関する複数の傾きデータ54を記憶部32から読み出し、当該複数の傾きデータ54で示される複数の傾き値に対して、コサイナー法等の任意の近似曲線導出アルゴリズムを適用する。これにより、演算部42は、当日及び過去の複数の傾きデータ54に基づいて、傾き値の時系列変化を示す傾き相関グラフG2を算出する。
図7は、直近1年分の傾き値を対象として算出された傾き相関グラフG2の一例を示す図である。
図7の例に示すように、演算部42は、直近1年分の傾き値を月別(又は週別)に平均することによって各月(又は各週)の平均値を算出し、それら複数の平均値に基づいて傾き相関グラフG2を算出しても良い。
【0066】
次にステップSP305において、判定部43は、傾き相関グラフG2が右上がり傾向(つまり、古いデータほど傾き値が小さく、新しいデータほど傾き値が大きい傾向)を有しているか否かを判定する。
【0067】
傾き相関グラフG2が右上がり傾向を有していない場合(ステップSP305:NO)、例えば、傾き相関グラフG2が右下がり傾向又は周期性を有している場合は、次にステップSP306において、判定部43は、対象者はフレイル(健常状態と要介護状態との中間の状態)の可能性が低い状態F2であると判定する。この場合、出力部44は、判定部43による判定の結果として状態F2を表す結果データを出力し、通信部33は、当該結果データを表示装置22に送信する。状態F2を表す結果データを受信した表示装置22は、フレイルの可能性は低いことを示す図形又はテキストメッセージを、画面に表示する。
【0068】
傾き相関グラフG2が右上がり傾向を有している場合(ステップSP305:YES)は、次にステップSP307において、判定部43は、対象者はフレイルの可能性が高い状態F3であると判定する。この場合、出力部44は、判定部43による判定の結果として状態F3を表す結果データを出力し、通信部33は、当該結果データを表示装置22に送信する。状態F3を表す結果データを受信した表示装置22は、フレイルの可能性が高いこと及び医療機関の受診勧告を示す図形又はテキストメッセージを、画面に表示する。
【0069】
なお、以上の説明では、判定部43は、傾き相関グラフG2が右上がり傾向を有しているか否かによってフレイルの可能性を判定したが、他の判定アルゴリズムを用いても良い。例えば、サーバ装置21は、多数のユーザに関する傾きデータ54を、各ユーザの管理装置11から通信ネットワーク20を介して収集する。多数のユーザの中には、年齢、性別、職業、及び居住地等の属性が異なる様々なユーザが含まれ、また、フレイルであるユーザ及びフレイルでないユーザの双方が含まれる。サーバ装置21は、これらの属性情報及びフレイルの当否情報も、各ユーザの管理装置11から通信ネットワーク20を介して収集する。サーバ装置21は、多数のユーザの管理装置11から収集したこれらの情報を用いて、ニューラルネットワーク等のディープラーニングによって、フレイルの可能性を判定するための判定モデルを作成する。サーバ装置21は、作成した判定モデルを、通信ネットワーク20を介して管理装置11に送信する。管理装置11は、当該判定モデルを用いて、対象者の属性情報及び傾きデータ54に基づいてフレイルの可能性を判定する。
【0070】
このように本実施の形態に係る健康状態判定システム100によれば、対象者が起床後に最初に階段6を最上段(一方端段)から最下段(他方端段)まで歩行するのに要した時間に基づいて、対象者の健康状態が判定される。起床後の最初の歩行という、概ね毎日一定した時間帯かつ精神的・身体的に概ね無意識に毎日繰り返される日常行動を計測対象とすることにより、対象者の健康状態とは無関係に変動する要因を排除でき、その結果、健康状態の判定精度を向上することが可能となる。また、一般的に階段6の途中には分岐路又は立ち寄り場所は存在しないため、歩行時間の計測場所を階段6に特定することにより、対象者の健康状態とは無関係に変動する経路選択の要因を排除でき、その結果、健康状態の判定精度を向上することが可能となる。さらに、起床後の最初の階段歩行という、日常生活の中でも限定された行動を計測対象とすることにより、管理装置11が処理すべきデータ量を削減でき、その結果、健康状態の判定に伴う処理負荷を軽減することが可能となる。
【0071】
また、本実施の形態に係る健康状態判定システム100によれば、対象者が階段6を歩行する際の所要時間のみならず、その際の手摺り7への荷重平均値をも用いて対象者の健康状態が判定されるため、判定精度をより向上することが可能となる。
【0072】
また、本実施の形態に係る健康状態判定システム100によれば、時間データ52の時系列変化を示す時間相関グラフG1(第1相関グラフ)に基づいて健康状態が判定されるため、対象者の当日の健康状態を簡易にかつ高精度に判定することが可能となる。
【0073】
また、本実施の形態に係る健康状態判定システム100によれば、傾きデータ54の時系列変化を示す傾き相関グラフG2(第2相関グラフ)に基づくことにより、対象者のフレイルの可能性を簡易にかつ高精度に判定することが可能となる。
【0074】
また、本実施の形態に係る健康状態判定システム100によれば、離床センサ13、開閉センサ14、及び人感センサ15,16を含むセンサ群によって、ベッド2から踊り場5までの対象者の移動が検知される。そのため、計測対象の階段歩行が、対象者による起床後の最初の階段歩行であることを、確実に特定することが可能となる。
【符号の説明】
【0075】
6 階段
11 管理装置
12 起床センサ
13 離床センサ
14 開閉センサ
15,16 人感センサ
17~19 荷重センサ
31 制御部
32 記憶部
41 取得部
42 演算部
43 判定部
44 出力部
51 プログラム
52 時間データ
53 荷重データ
54 傾きデータ
100 健康状態判定システム
G1 時間相関グラフ
G2 傾き相関グラフ
H 住宅