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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】充填装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 1/06 20060101AFI20241016BHJP
   B65B 1/42 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B65B1/06
B65B1/42
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021006584
(22)【出願日】2021-01-19
(65)【公開番号】P2022110879
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中原 正夫
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-147201(JP,U)
【文献】特開2014-094829(JP,A)
【文献】特開2001-058601(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0315098(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/06
B65B 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の開口の上方から該容器内へ粉体を充填する充填口を有する充填部と、
該充填口に対する開位置から閉位置に横方向へ突出可能な上板と、
該上板の下方且つ該開口の上方において該開口の周縁に沿った位置に配置され、該上板の閉位置において該上板の先端部と平面視にて重なる下板と、
を備え
該下板は、該開口の周縁に沿った位置を突出位置として、突出引込可能であり、該粉体の該容器内への充填中において引込位置に位置し、該粉体の容器内への充填後に該突出位置へ移動し、
その後、該上板が該閉位置へ移動する
充填装置。
【請求項2】
該下板の引込位置において該下板を清掃する下板清掃部、
を備えた請求項に記載の充填装置。
【請求項3】
該下板は、前記粉体の該容器内への充填中において、前記下板清掃部による清掃後、該引込位置と該突出位置との間の中間位置へ移動する
請求項に記載の充填装置。
【請求項4】
内部の気体が吸引される箱体と、前記箱体に形成され該上板が出入りする出入口と、を有する上板清掃部であって、該上板の開位置において該上板を該箱体の内部に収納する上板清掃部を備え、
該上板が該内部へ向けて該出入口を通過する際の該上板の移動速度は、該上板の通過後の移動速度よりも遅い
請求項1~のいずれか1項に記載の充填装置。
【請求項5】
前記出入口には、開口面積を低減する低減部材が取り付けられている
請求項に記載の充填装置。
【請求項6】
該下板は、該上板が該閉位置に突出した後、前記突出位置から該充填口に対する下板閉位置に突出する
請求項1~のいずれか1項に記載の充填装置。
【請求項7】
該下板は、該閉位置に突出した上板が該開位置に引込んだ後、該下板閉位置から前記引込位置へ引込む
請求項に記載の充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロートの下端に配置された排出口からトナーを排出して、容器へトナーを充填する構成において、排出口を板状開閉弁で開閉する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平04-057703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
充填装置としては、容器の開口の上方から該容器内へ粉体を充填する充填口を有する充填部と、該充填口に対する開位置から閉位置に横方向へ突出可能な上板と、を備える充填装置が考えられる。この充填装置では、充填口から落下中の粉体が、閉位置へ移動する上板の先端部に当たると、該粉体を飛ばして、該粉体が容器の外側に付着するおそれがある。
【0005】
本発明は、容器の開口と充填口との間に上板のみを備える構成に比べ、充填口から落下中の粉体が、閉位置へ移動する上板の先端部に当たった場合において、粉体が容器の外側に付着することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様は、容器の開口の上方から該容器内へ粉体を充填する充填口を有する充填部と、該充填口に対する開位置から閉位置に横方向へ突出可能な上板と、該上板の下方且つ該開口の上方において該開口の周縁に沿った位置に配置され、該上板の閉位置において該上板の先端部と平面視にて重なる下板と、を備えている。
【0007】
第2態様では、該下板は、該開口の周縁に沿った位置を突出位置として、突出引込可能であり、前記粉体の該容器内への充填中において引込位置に位置し、該粉体の容器内への充填後に該突出位置へ移動し、その後、該上板が該閉位置へ移動する。
【0008】
第3態様は、該下板の引込位置において該下板を清掃する下板清掃部、を備えている。
【0009】
第4態様では、該下板は、前記粉体の該容器内への充填中において、前記下板清掃部による清掃後、該引込位置と該突出位置との間の中間位置へ移動する。
【0010】
第5態様は、内部の気体が吸引される箱体と、前記箱体に形成され該上板が出入りする出入口と、を有する上板清掃部であって、該上板の開位置において該上板を該箱体の内部に収納する上板清掃部を備え、該上板が該内部へ向けて該出入口を通過する際の該上板の移動速度は、該上板の通過後の移動速度よりも遅い。
【0011】
第6態様は、前記出入口に、開口面積を低減する低減部材が取り付けられている。
【0012】
第7態様では、該下板は、該上板が該閉位置に突出した後、前記突出位置から該充填口に対する下板閉位置に突出する。
【0013】
第8態様では、該下板は、該閉位置に突出した上板が該開位置に引込んだ後、該下板閉位置から前記引込位置へ引込む。
【発明の効果】
【0014】
第1態様の構成によれば、容器の開口と充填口との間に上板のみを備える構成に比べ、充填口から落下中の粉体が、閉位置へ移動する上板の先端部に当たった場合において、粉体が容器の外側に付着することが抑制される。
【0015】
第2態様の構成によれば、下板が常に開口の周縁に沿った位置に位置する構成に比べ、粉体を容器へ充填する際に、容器の開口を、下板に対する上方側の位置まで、充填口に接近させた場合において、下板が容器に干渉することが抑制される。
【0016】
第3態様の構成によれば、下板が汚れたままである構成に比べ、下板に落下した粉体が容器の外側へ付着することが抑制される。
【0017】
第4態様の構成によれば、下板が、粉体の容器内への充填中において常に引込位置に位置する構成に比べ、粉体の容器内への充填中に粉体が容器の外側へ付着することが抑制される。
【0018】
第5態様の構成によれば、上板の移動速度が常に一定である構成に比べ、上板の清掃不良が抑制される。
【0019】
第6態様の構成によれば、上板清掃部が箱体と出入口のみを有する構成に比べ、上板の清掃不良が抑制される。
【0020】
第7態様の構成によれば、上板が閉位置に突出する前に、下板が下板閉位置へ突出する構成に比べ、粉体が容器の外側へ付着することが抑制される。
【0021】
第8態様の構成によれば、閉位置に突出した上板が開位置に引っ込む前に、下板が下板閉位置から引っ込む構成に比べ、粉体が容器の外側へ付着することが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態に係る充填装置の構成を示す概略図である。
図2】本実施形態に係る充填装置の構成の一部を示す斜視図である。
図3図1に示される構成において、下シャッタを中間位置へ移動させた状態を示す概略図である。
図4図3に示される構成において、容器を下方位置へ移動させた状態を示す概略図である。
図5図4に示される構成において、下シャッタを突出位置へ移動させた状態を示す概略図である。
図6図5に示される構成において、上シャッタを閉位置へ移動させた状態を示す概略図である。
図7図6に示される構成において、下シャッタを閉位置へ移動させた状態を示す概略図である。
図8図7に示される構成において、上シャッタを開位置へ移動させた後、下シャッタを引込位置へ移動させた状態を示す概略図である。
図9】本実施形態に係る上シャッタ及び上清掃部の構成を示す図であって、図7のA-A線断面図である。
図10】本実施形態に係る下シャッタ及び下清掃部の構成を示す図であって、図7のB-B線断面図である。
図11】本実施形態に係る充填部、容器、上シャッタ、下シャッタ、上清掃部及び下清掃部の位置関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0024】
<充填装置10>
まず、充填装置10の構成について説明する。図1は、充填装置10の構成を示す概略図である。図2は、充填装置10の構成の一部を示す斜視図である。
【0025】
図1及び図2に示される充填装置10は、一例として電子写真方式の画像形成装置で用いられるトナーTを、カートリッジ本体18(以下、容器18という)に充填する装置である。そのため、容器18は、上方に開口18Aが形成された筒状(図2参照)の収容体とされている。ここで、トナーTは、粉体の一例である。
【0026】
トナーTは、画像形成装置において消耗品とされている。そのため、トナーTが充填された容器18は、画像形成装置の交換部品として用いられる。ここで、トナーTが充填された容器18をカートリッジ19(図4参照)という。なお、容器18及びカートリッジ19は、充填装置10の構成要素ではない。また、図1では、容器18にトナーTを充填する途中の状態が図示されている。
【0027】
充填装置10は、図1及び図2に示されるように、充填部20と、覆い部30と、吸引部40と、制御部50と、を有している。また、充填装置10は、図1に示されるように、シャッタ56、57と、清掃部60、70と、を有している。
【0028】
〔充填部20〕
充填部20は、容器18に、容器18に対する上方からトナーTを充填する機能を有する。そのため、充填部20の上方には、トナーTが収容されたトナータンク(図示省略)のトナー排出口が接続されている。また、充填部20の下方には、容器18が配置される。なお、充填部20が容器18にトナーTを充填する場合、容器18は、後述の充填位置(図1図3に示される位置)に配置される。
【0029】
充填部20は、図1及び図2に示されるように、円筒部22と連結部24とを有している。円筒部22は、図1に示されるように、上方及び下方に、それぞれ開口22A、開口22Bが形成された円筒体とされている。円筒部22は、上下方向(図1及び図2の矢印H方向)に沿って配置されている。図1及び図2の一点鎖線Lは、円筒部22の軸中心を示している。
【0030】
連結部24は、上方の開口よりも下方の開口が小さい円錐台状の筒体とされている。連結部24の上方及び下方には、それぞれ開口24A、開口24Bが形成されている。そして、連結部24は、その開口24Bの周縁部が円筒部22の開口22Aの周縁部と繋がって、円筒部22と一体となっている。
【0031】
連結部24の開口24Aには、上方に配置されたトナータンク(図示省略)のトナー排出口が連結されるようになっている。そのため、充填部20は、トナータンクのトナー排出口から排出されて連結部24の開口24Aを通過するトナーTを、円筒部22の開口22Bから落下させて、容器18内に予め定められた量に達するまで充填するようになっている。すなわち、円筒部22の開口22Bは、容器18の開口18Aの上方から容器18内へトナーTを充填する充填口である。以下、開口22Bを、充填口22Bという場合がある
【0032】
なお、円筒部22の内側には、トナーTを搬送する搬送部材(図示省略)が配置されている。本実施形態では、搬送部材は一例としてオーガとされており、オーガは、その回転軸の軸中心が円筒部22の軸中心に重なるように配置されて、トナーTを上方から下方に搬送するようになっている。
【0033】
〔覆い部30〕
図1及び図2に示されるように、覆い部30は、充填部20(具体的には円筒部22)の周りを囲み、充填部20の下方に配置される容器18を上方から覆うことで、容器18から吸引部40に至る流路F1(図1参照)を形成する機能を有する。覆い部30は、蓋部32と壁部34とを有している。
【0034】
〈蓋部32〉
蓋部32は、中央に円形の穴33(図1参照)が形成された円盤状の板とされている。蓋部32は、穴33の縁部が円筒部22の外周面に接着されて、円筒部22の外周面との間に隙間を形成せずに固定されている。このため、後述する吸引部40により容器18内の空気が吸引されても、蓋部32の穴33を通じて覆い部30内に空気が流入しない。
【0035】
〈壁部34〉
壁部34は、上下方向に延びた円筒体とされている。壁部34は、その上端部が蓋部32の半径方向(図1の矢印R方向)外側の端部と繋がることで、蓋部32と一体となっている。そのため、壁部34は、円筒部22の周りを囲んでいる。また、壁部34の軸中心は、円筒部22の軸中心に重なっている。壁部34の下方側には、開口36A(図1参照)が形成されている。そして、壁部34の下方側の端面36B(図1参照)は、円筒部22の下方側の端面22Cよりも上方に形成されている。
【0036】
〈円形の穴37及び長尺状の穴38〉
図1及び図2に示されるように、壁部34には、円形の穴37と長尺状の穴38とが形成されている。穴37の周縁部は、後述する吸引部40に接続されている。なお、穴37は、壁部34の半径方向(図1の矢印R方向)に沿って壁部34を貫通している。
【0037】
穴38は、壁部34に複数個形成されている。そして、複数の穴38は、流路F1に対して覆い部30の外部から空気を流入させる機能を有する。
【0038】
複数の穴38は、図1及び図2に示されるように、穴37に対する下方側で壁部34に形成されている。本実施形態では、穴37は、一例として、7個が壁部34の周方向(図2のC方向)に沿って配置されている。なお、複数の穴38は、壁部34の半径方向に沿って壁部34を貫通している。すべての穴38は、壁部34における穴37が形成されている側(図1における一点鎖線Lに対する右方側)に形成されている。換言すれば、覆い部30の壁部34には、充填部20の円筒部22に対して吸引部40が接続されている側にのみ複数の穴38が形成されている。
【0039】
〔吸引部40〕
吸引部40は、覆い部30に接続して、覆い部30の内部から空気を吸引する機能を有する。吸引部40は、図1に示されるように、筒体42と、ファンで構成された吸引機44と、を有している。
【0040】
筒体42は、図2に示されるように、円筒状とされている。そして、筒体42は、一端部で覆い部30に接続され、他端部で吸引機44に固定されている。なお、筒体42は、その一端部に開口42Aが形成されており、開口42Aの周縁部と、覆い部30の壁部34に形成された穴37の周縁部とが繋がることで、覆い部30に接続している。そのため、筒体42は、壁部34において、複数の穴38よりも上方で接続している。なお、筒体42は、壁部34の半径方向に沿って配置されている。また、筒体42の他端部に開口42Bが形成されており、吸引機44は、開口42Bの周縁部に固定されている。
【0041】
そして、吸引機44が駆動すると、吸引部40は、容器18内から開口42Aに至る流路F1と、覆い部30の外部から壁部34に形成された複数の穴38を通って覆い部30の内部に至る流路F2と、を流れる空気を吸引するようになっている。吸引部40では、流路F1によって、トナーTの容器18内への充填中に舞い上がったトナーTが吸引される。
【0042】
本実施形態では、流路F2を流れる空気は、流路F1に対して流入されるようになっている。これにより、容器18内に充填されたトナーTに作用する吸引力を抑えつつ、穴37の開口付近での吸引力を高められる。この結果、容器18内に充填されたトナーTが浮遊することを抑制しつつ、穴37の開口縁へのトナーTの付着が抑制される。
【0043】
〔移動機構13〕
図1に示される移動機構13は、容器18を移動させる機構である。具体的には、移動機構13は、容器18を充填位置(図1図3に示される位置)と、下方位置(図4図8に示される位置)と、待機位置(図示省略)と、に移動させる。
【0044】
充填位置は、充填部20によりトナーTを容器18に充填する位置である。具体的には、充填位置は、容器18の上方側の端面18Bが、隙間Gを有して、覆い部30における壁部34の端面36Bに対して対向する状態であって、充填部20における円筒部22の下端部(充填口22B)が、容器18内に入り込んだ状態となる位置である。すなわち、充填位置は、容器18の開口18Aが、下方位置の場合よりも、充填部20の充填口22Bに接近する位置である。さらに言えば、充填位置は、容器18の開口18Aを、後述の下シャッタ57及び上シャッタ56に対する上方の位置まで、充填部20の充填口22Bに接近させた位置である。
【0045】
下方位置は、充填位置に対する下方側の位置である。具体的には、下方位置は、容器18の上方側の端面18Bが、上シャッタ56及び下シャッタ57が配置される隙間Gを有して、覆い部30における壁部34の端面36Bに対して対向する状態となる位置である。
【0046】
待機位置は、容器18が待機する位置である。具体的には、待機位置は、下方位置から横方向(具体的には水平方向)へずれた位置である。すなわち、待機位置は、充填位置に対する下方側の位置であって、容器18が充填部20及び覆い部30の真下とならない位置である。
【0047】
移動機構13は、一例として、容器18が載せられる台(図示省略)と、当該台を上下方向及び横方向(具体的には水平方向)へ移動させる二軸ロボ等の駆動部(図示省略)と、を有している。なお、移動機構13は、上記の構成に限られず、容器18を少なくとも充填位置、下方位置及び待機位置に移動させる機構であればよい。
【0048】
〔シャッタ56、57、移動機構58、59、清掃部60、70〕
図3図8は、シャッタ56、57の動作を示す動作図である。図9は、シャッタ56及び清掃部60の構成を示す図である。図10は、シャッタ57及び清掃部70の構成を示す図である。図11は、充填部20、容器18、シャッタ56、57及び清掃部60、70の位置関係を示す平面図である。なお、図11では、各部材の位置関係をわかりやすくするため、各部材を、適宜、透視して図示している。また、図11では、シャッタ56、57は、その外縁を示している。
【0049】
シャッタ56は、シャッタ57の上方側に配置されるため、適宜「上シャッタ56」という。シャッタ57は、シャッタ56の下方側に配置されるため、適宜「下シャッタ57」という。
【0050】
清掃部60は、上シャッタ56を清掃する機能を有するので、適宜「上清掃部60」という。清掃部70は、下シャッタ57を清掃する機能を有するので、適宜「下清掃部70」という。
【0051】
〈上シャッタ56〕
上シャッタ56は、図4及び図6に示されるように、充填部20の充填口22Bを開閉する開閉部としてのシャッタである。具体的には、上シャッタ56は、充填口22Bから落下したトナーTを受け、当該トナーTが容器18へ落下することを抑制する。
【0052】
上シャッタ56は、具体的には、図9に示されるように、本体56Aと、張出部56Bと、取付部56Cと、を有している。本体56Aは、上下方向を厚み方向とする板状に形成されている。また、本体56Aは、図11に示されるように、平面視にて矩形状に形成されている。なお、平面視とは、対象を上方側から見た場合をいう。
【0053】
本体56Aは、図4及び図6に示されるように、充填部20の充填口22Bに対する下方側に位置し、下方位置に位置する容器18の開口18Aに対する上方側に位置している。なお、本体56Aは、上板の一例である。
【0054】
上シャッタ56は、開位置(図1図3図5及び図8に示される位置、図11において実線で示される位置)と、閉位置(図6及び図7に示される位置、図11において破線で示される位置)と、に横方向へ移動可能とされている。換言すれば、上シャッタ56は、開位置から閉位置に横方向へ突出可能とされ、閉位置から開位置に横方向へ引っ込み(引き込み)可能とされている。
【0055】
なお、以下、上シャッタ56が移動する横方向を、上シャッタ56の移動方向(単に「移動方向」という場合がある)という。当該移動方向は、各図において、適宜矢印X方向で示されている。当該移動方向は、充填部20及び容器18の半径方向に沿った方向でもあり、水平方向でもある。当該移動方向のうち、開位置から閉位置へ移動する方向を「突出方向」という場合がある。また、上シャッタ56等の部材において、突出方向の下流端を先端といい、突出方向の上流端を後端という。
【0056】
また、上下方向及び上シャッタ56の移動方向に対する交差方向を、上シャッタ56の幅方向(単に「幅方向」という場合がある)という。当該幅方向は、各図において、適宜矢印Y方向で示されている。
【0057】
上シャッタ56の開位置は、充填口22Bに対する開位置の一例であって、本体56Aが充填口22Bを容器18に対して開く位置である。当該開位置では、底面視において、本体56Aが充填口22Bとは重ならず、充填口22Bが容器18の開口18Aに対して露出する。当該開位置は、上シャッタ56が清掃部60に収納される位置でもある。
【0058】
上シャッタ56の閉位置は、充填口22Bに対する閉位置の一例であって、本体56Aが充填口22Bを容器18に対して閉じる位置である。当該閉位置では、底面視において、本体56Aが充填口22Bの全体と重なる。なお、底面視とは、対象を下方側から見た場合をいう。
【0059】
張出部56Bは、図9に示されるように、本体56Aにおける幅方向一端部及び他端部の各々に配置されており、当該一端部及び他端部から上方に張り出している。張出部56Bの上端は、図6に示されるように、一例として、充填口22Bの上方側であって、壁部34の開口36Aの上方側の位置に位置している。
【0060】
上シャッタ56は、図9に示されるように、本体56A及び張出部56Bによって、移動方向視(X方向視)にて、上方側が開放されたコの字状(すなわちUの字状)に形成されている。本体56A及び張出部56Bは、一体に形成されている。
【0061】
取付部56Cは、後述の腕部58Aが取り付けられる部分である。取付部56Cは、図9に示されるように、本体56Aの幅方向一端側から幅方向へ張り出している。取付部56Cは、本体56Aの後端部(図4における左方側の端部)に配置されている。
【0062】
〈移動機構58〉
移動機構58は、上シャッタ56を移動させる機構である。具体的には、移動機構58は、上シャッタ56を前述の開位置(図1図3図5及び図8に示される位置、図11において実線で示される位置)と、前述の閉位置(図6及び図7に示される位置、図11において破線で示される位置)と、に移動方向へ移動させる。
【0063】
移動機構58は、一例として、腕部58Aと、腕部58Aを介して、上シャッタ56を閉位置と開位置とに横方向へ移動させるロボシリンダ等の駆動部58B(図1参照)と、を有している。なお、移動機構58は、上記の構成に限られず、上シャッタ56を少なくとも閉位置と開位置とに移動させる機構であればよい。
【0064】
〈上清掃部60〉
図1に示される上清掃部60は、上板清掃部の一例であり、上シャッタ56を清掃する機能を有している。上清掃部60は、図1に示されるように、上シャッタ56の開位置に配置されており、開位置に位置する上シャッタ56を清掃する。上清掃部60は、具体的には、箱体61と、出入口62と、吸引機63と、低減部材64と、を有している。
【0065】
箱体61は、内部の空気(気体の一例)が吸引される箱体であり、開位置に位置する上シャッタ56が収納される空間を内部に有している。箱体61の先端(図1における右方側)には、出入口62が形成されている。出入口62は、上シャッタ56が出入りする開口である。出入口62は、図9に示されるように、幅方向に長くされた長方形状に形成されている。
【0066】
箱体61における幅方向の一方側(図1における紙面奥側、図9における右方側)の側壁61Aには、上シャッタ56の移動方向に沿ってスリット65が形成されている。このスリット65には、上シャッタ56の取付部56Cが配置されている。すなわち、箱体61の内部に配置される上シャッタ56の本体56Aから、スリット65を介して箱体61の外部へ取付部56Cが張り出している。
【0067】
箱体61の内部は、出入口62及びスリット65を除いて、閉鎖された空間とされている。なお、出入口62の開口面積は、スリット65の開口面積よりも大きくされている。なお、スリット65には、取付部56Cと箱体61との隙間を封止する封止材(例えばゴム等の弾性材)が設けられていてもよい。
【0068】
さらに、図1に示されるように、箱体61の後端側には、下方へ延びる吸引管66が設けられている。この吸引管66には、可撓性を有するチューブ67の一端部が接続されている。チューブ67の他端部は、ファン等で構成された吸引機63に接続されている。
【0069】
そして、吸引機63が駆動されると、箱体61の内部の空気が、吸引管66及びチューブ67を通じて、箱体61の外部へ排出される。このとき、出入口62から空気が取り込まれる。このように、箱体61の内部の空気が吸引されることで、上シャッタ56に付着したトナーTが、内部の空気と共に、箱体61の外部へ排出されて、上シャッタ56から除去される。
【0070】
箱体61は、上下方向の寸法が、出入口62がある先端側の部分において、後端側の部分よりも小さくされている。このため、箱体61は、出入口62がある先端側の部分において、後端側の部分よりも、断面積が小さくされている。さらに、出入口62には、開口面積を低減する低減部材64が取り付けられている。具体的には、低減部材64は、図9に示されるように、上シャッタ56の移動方向視にて、上シャッタ56の2つの張出部56Bの間に配置されるように、箱体61の上壁61Bに取り付けられている。これにより、図9に示されるように、2つの張出部56Bの間の空間が低減部材64で塞がれて、出入口62の開口面積が低減する。なお、当該開口面積は、具体的には、移動方向視における投影面積である。
【0071】
低減部材64は、上シャッタ56に対して隙間を有しており、上シャッタ56に対して非接触とされている。また、低減部材64は、図1に示されるように、板状に形成されており、下端部が上端部に対する突出方向上流側に位置するように、斜めに傾斜されている。
【0072】
〈下シャッタ57〉
下シャッタ57は、図1及び図7に示されるように、充填部20の充填口22Bを開閉する開閉部としてのシャッタである。具体的には、下シャッタ57は、上シャッタ56から落下したトナーTを受け、当該トナーTが容器18へ落下することを抑制する。
【0073】
下シャッタ57は、具体的には、図10に示されるように、本体57Aと、張出部57Bと、取付部57Cと、を有している。本体57Aは、上下方向を厚み方向とする板状に形成されている。また、本体57Aは、図11に示されるように、平面視にて、弓形の切欠部57Dが先端に形成された矩形状に形成されている。当該弓形の切欠部57Dは、容器18の外周に沿った円弧と、当該円弧の両端を結ぶ弦と、で囲まれた領域である。
【0074】
本体57Aは、図1及び図7に示されるように、上シャッタ56の本体56Aに対する下方側に位置し、下方位置に位置する容器18の開口18Aに対する上方側に位置している。なお、本体57Aは、下板の一例である。
【0075】
下シャッタ57は、引込位置(図1及び図8に示される位置、図11において実線で示される位置)と、中間位置(図3及び図4に示される位置、図11において破線で示される位置)と、突出位置(図5及び図6に示される位置、図11において一点鎖線で示される位置)と、閉位置(図7に示される位置、図11において二点鎖線で示される位置)と、に横方向へ移動可能とされている。換言すれば、下シャッタ57は、引込位置から、中間位置、突出位置及び閉位置の3つの位置に横方向へ突出可能とされ、当該3つの位置から引込位置に横方向へ引っ込み可能とされている。
【0076】
なお、以下、下シャッタ57が移動する横方向を、下シャッタ57の移動方向(単に「移動方向」という場合がある)という。当該移動方向は、各図において矢印X方向で示されている。当該移動方向は、充填部20及び容器18の半径方向に沿った方向でもあり、水平方向でもある。当該移動方向のうち、開位置から閉位置へ移動する方向を、「突出方向」という場合がある。また、下シャッタ57等の部材において、突出方向の下流端を先端といい、突出方向の上流端を後端という。
【0077】
また、上下方向及び下シャッタ57の移動方向に対する交差方向を、下シャッタ57の幅方向(単に「幅方向」という場合がある)という。当該幅方向は、各図において、矢印Y方向で示されている。
【0078】
下シャッタ57の突出位置は、図11に示されるように、下シャッタ57における弓形の切欠部57Dに、容器18が配置される位置である。具体的には、当該突出位置では、下シャッタ57の切欠部57Dにおける円弧状の縁が、容器18の開口18Aの周縁に沿った位置に位置する。当該突出位置では、下シャッタ57は、平面視にて、閉位置に位置する上シャッタ56の本体56Aの先端部と重なる。当該突出位置は、本体57Aが下清掃部70から突出した位置でもある。
【0079】
下シャッタ57の引込位置は、前述の突出位置に対する突出方向上流側の位置である。具体的には、当該引込位置は、下シャッタ57が下清掃部70に収納される位置である。すなわち、下シャッタ57が下清掃部70へ引っ込んだ位置である。当該引込位置は、引込位置、中間位置、突出位置及び閉位置の4つの位置のうち、最も突出方向上流側の位置である。
【0080】
下シャッタ57の中間位置は、引込位置と突出位置との間の中間位置である。当該中間位置では、下シャッタ57が下清掃部70から突出する。
【0081】
下シャッタ57の閉位置は、本体57Aが充填口22Bを容器18に対して閉じる位置である。当該閉位置では、底面視において、本体57Aが充填口22Bの全体と重なる。当該閉位置は、引込位置、中間位置、突出位置及び閉位置の4つの位置のうち、最も突出方向下流側の位置である。下シャッタ57の閉位置は、下板閉位置の一例である。
【0082】
張出部57Bは、図10に示されるように、本体57Aにおける幅方向一端部及び他端部の各々に配置されており、当該一端部及び他端部から上方に張り出している。張出部57Bの上端は、図7に示されるように、一例として、上シャッタ56の本体56Aの上方側の位置に位置している。
【0083】
下シャッタ57は、図10に示されるように、本体57A及び張出部57Bによって、移動方向視(X方向視)にて、上方側が開放されたコの字状(すなわちUの字状)に形成されている。本体57A及び張出部57Bは、一体に形成されている。
【0084】
取付部57Cは、後述の腕部59Aが取り付けられる部分である。取付部57Cは、図10に示されるように、本体57Aの幅方向一端側から幅方向へ張り出している。取付部57Cは、図1に示されるように、本体57Aの後端部(図1における右方側の端部)に配置されている。
【0085】
〈移動機構59〉
移動機構59は、下シャッタ57を移動させる機構である。具体的には、移動機構59は、下シャッタ57を、前述の引込位置(図1及び図8に示される位置、図11において実線で示される位置)と、前述の中間位置(図3及び図4に示される位置、図11において破線で示される位置)と、前述の突出位置(図5及び図6に示される位置、図11において一点鎖線で示される位置)と、前述の閉位置(図7に示される位置、図11において二点鎖線で示される位置)と、に移動方向へ移動させる。
【0086】
移動機構59は、一例として、腕部59Aと、腕部59Aを介して、下シャッタ57を引込位置と中間位置と突出位置と閉位置とに横方向へ移動させるロボシリンダ等の駆動部59B(図1参照)と、を有している。なお、移動機構59は、上記の構成に限られず、下シャッタ57を少なくとも引込位置と中間位置と突出位置と閉位置とに移動させる機構であればよい。
【0087】
〈下清掃部70〉
図1に示される下清掃部70は、下板清掃部の一例であり、下シャッタ57を清掃する機能を有している。下清掃部70は、図1に示されるように、下シャッタ57の引込位置に配置されており、引込位置に位置する下シャッタ57を清掃する。下清掃部70は、具体的には、箱体71と、出入口72と、吸引機73と、低減部材74と、を有している。
【0088】
箱体71は、内部の空気(気体の一例)が吸引される箱体であり、引込位置に位置する下シャッタ57が収納される空間を内部に有している。箱体71の先端(図1における左方側)には、出入口72が形成されている。出入口72は、下シャッタ57が出入りする開口である。出入口72は、図10に示されるように、幅方向に長くされた長方形状に形成されている。
【0089】
箱体71における幅方向の一方側(図1における紙面奥側、図10における左方側)の側壁71Aには、下シャッタ57の移動方向に沿ってスリット75が形成されている。このスリット75には、下シャッタ57の取付部57Cが配置されている。すなわち、箱体71の内部に配置される下シャッタ57の本体57Aから、スリット75を介して箱体71の外部へ取付部57Cが張り出している。
【0090】
箱体71の内部は、出入口72及びスリット75を除いて、閉鎖された空間とされている。なお、出入口72の開口面積は、スリット75の開口面積よりも大きくされている。なお、スリット75には、取付部57Cと箱体71との隙間を封止する封止材(例えばゴム等の弾性材)が設けられていてもよい。
【0091】
さらに、図1に示されるように、箱体71の後端側には、下方へ延びる吸引管76が設けられている。この吸引管76には、可撓性を有するチューブ77の一端部が接続されている。チューブ77の他端部は、ファン等で構成された吸引機73に接続されている。
【0092】
そして、吸引機73が駆動されると、箱体71の内部の空気が、吸引管76及びチューブ77を通じて、箱体71の外部へ排出される。このとき、出入口72から空気が取り込まれる。このように、箱体71の内部の空気が吸引されることで、下シャッタ57に付着したトナーTが、内部の空気と共に、箱体71の外部へ排出されて、下シャッタ57から除去される。
【0093】
箱体71は、上下方向の寸法が、出入口72がある先端側の部分において、後端側の部分よりも小さくされている。このため、箱体71は、出入口72がある先端側の部分において、後端側の部分よりも、断面積が小さくされている。さらに、出入口72には、開口面積を低減する低減部材74が取り付けられている。具体的には、低減部材74は、図10に示されるように、下シャッタ57の移動方向視にて、下シャッタ57の2つの張出部57Bの間に配置されるように、箱体71の上壁71Bに取り付けられている。これにより、図10に示されるように、2つの張出部57Bの間の空間が低減部材74で塞がれて、出入口72の開口面積が低減する。なお、当該開口面積は、具体的には、移動方向視における投影面積である。
【0094】
低減部材74は、下シャッタ57に対して隙間を有しており、下シャッタ57に対して非接触とされている。また、低減部材74は、図1に示されるように、板状に形成されており、下端部が上端部に対する突出方向上流側に位置するように、斜めに傾斜されている。
【0095】
〔制御部50〕
制御部50は、後述の充填装置10の動作を実行するように、充填装置10の各構成部の動作を制御する。具体的には、制御部50は、プロブラムが記録されたストレージ等で構成された記録部と、プログラムに従って動作するプロセッサと、を有している。制御部50では、プロセッサが、記録部に記録されたプログラムを読み出し、実行することにより、充填装置10の各構成部の動作を制御する。
【0096】
<充填装置10の動作>
次に、充填装置10の動作について説明する。本動作は、容器18にトナーTを充填しカートリッジ19を製造する動作である。
【0097】
まず、移動機構13が、容器18を下方位置(図4に示される位置)から充填位置(図1に示される位置)へ移動させ、充填部20が、トナーTを容器18内に充填する(図1参照)。このとき、図1に示されるように、上シャッタ56は、開位置に位置し、下シャッタ57は、引込位置に位置する。すなわち、上シャッタ56が開位置に位置し、下シャッタ57が引込位置に位置する状態で、充填部20によるトナーTの容器18内への充填が開始される。
【0098】
なお、トナーTの容器18内への充填中に、吸引部40が、容器18内の空気を吸引する。これにより、トナーTの充填により容器18内で浮遊するトナーTが吸引される。
【0099】
次に、トナーTの容器18内への充填中において、下清掃部70による下シャッタ57の清掃後に、移動機構59は、図3に示されるように、下シャッタ57を引込位置から中間位置へ移動させる。
【0100】
次に、移動機構13が、図4に示されるように、カートリッジ19(すなわち、トナーTが充填された容器18)を、充填位置から下方位置へ移動させる。
【0101】
次に、移動機構59は、図5に示されるように、下シャッタ57を中間位置から突出位置へ移動させる。次に、移動機構58は、図6に示されるように、上シャッタ56を開位置から閉位置へ移動させる。次に、移動機構59は、図7に示されるように、下シャッタ57を突出位置から閉位置へ移動させる。
【0102】
次に、移動機構58は、図8に示されるように、上シャッタ56を閉位置から開位置へ移動させ、その後、移動機構59は、下シャッタ57を閉位置から引込位置へ移動させる。このとき、開位置へ移動する上シャッタ56が、上清掃部60における箱体61の内部へ向けて出入口62を通過する際の移動速度は、上シャッタ56の通過後の移動速度(すなわち箱体61の内部での移動速度)よりも遅くなるように、移動機構58が、上シャッタ56を移動させる。
【0103】
同様に、引込位置へ移動する下シャッタ57が、下清掃部70における箱体71の内部へ向けて出入口72を通過する際の移動速度は、下シャッタ57の通過後の移動速度(すなわち箱体71の内部での移動速度)よりも遅くなるように、移動機構59が、下シャッタ57を移動させる。以上のように、充填装置10を用いて、カートリッジ19が製造される。
【0104】
<作用>
次に、本実施形態の充填装置10の作用について説明する。
【0105】
本実施形態では、前述のように、下シャッタ57が突出位置に位置する状態で、上シャッタ56を開位置から閉位置へ移動させる(図6参照)。これにより、充填口22Bから落下中のトナーTが、閉位置へ移動する上シャッタ56の先端部に当たった場合において、上シャッタ56の先端部との衝突により飛ばされたトナーTを、下シャッタ57で受けることが可能となる。
【0106】
このため、容器18の開口18Aと充填口22Bとの間に上シャッタ56のみを備える構成(すなわち、下シャッタ57を有さない構成)に比べ、充填口22Bから落下中のトナーTが、閉位置へ移動する上シャッタ56の先端部に当たった場合において、トナーTが容器18の外側に付着することが抑制される。
【0107】
また、本実施形態では、下シャッタ57は、トナーTの容器18内への充填中において、引込位置に位置し(図1参照)、下清掃部70による清掃後に、中間位置へ移動する(図3参照)。そして、下シャッタ57は、トナーTの容器18内への充填後に突出位置へ移動し(図5参照)、その後、上シャッタ56が閉位置へ移動する(図6参照)。
【0108】
このように、下シャッタ57は、トナーTの容器18内への充填中において、引込位置又は中間位置に位置するため、下シャッタ57が常に突出位置に位置する構成に比べ、充填位置(図3参照)に位置する容器18と下シャッタ57とが干渉することが抑制される。
【0109】
また、本実施形態では、前述のように、下シャッタ57は、引込位置において、下清掃部70によって清掃される。このため、下シャッタ57が汚れたままである構成に比べ、下シャッタ57に落下したトナーTが容器18の外側へ付着することが抑制される。
【0110】
また、本実施形態では、前述のように、下シャッタ57は、トナーTの容器18内への充填中において、下清掃部70による清掃後に、中間位置へ移動する(図3参照)。これにより、容器18内への充填中に舞い上がったトナーTであって、容器18の外側に回り込んだトナーTを、下シャッタ57で受けることが可能となる。
【0111】
このため、下シャッタ57が、トナーTの容器18内への充填中において常に引込位置に位置する構成に比べ、トナーTの容器18内への充填中にトナーTが容器18の外側へ付着することが抑制される。
【0112】
また、本実施形態では、上清掃部60における箱体61の内部へ向けて出入口62を通過する際の上シャッタ56の移動速度は、上シャッタ56の通過後の移動速度(すなわち箱体61の内部での移動速度)よりも遅い。これにより、吸引機73の吸引によって、箱体61の出入口62から空気が取り込まれることで生じる気流に、上シャッタ56を触れさせる時間が確保される。このため、上シャッタ56の移動速度が常に一定である構成に比べ、上シャッタ56の清掃不良が抑制される。
【0113】
また、本実施形態では、出入口62の開口面積を低減する低減部材64が、出入口62に取り付けられている。このため、上清掃部60が、箱体61と出入口62のみを有する構成(すなわち低減部材64を有さない構成)に比べ、出入口62付近の気流の流速が高まり、上シャッタ56の清掃不良が抑制される。
【0114】
また、本実施形態では、上シャッタ56が閉位置へ移動した後(図6参照)、下シャッタ57が、閉位置へ移動する(図7参照)。これにより、下シャッタ57が閉位置へ移動する移動中に、充填口22Bから落下したトナーTを、上シャッタ56で受けることが可能となる。
【0115】
このため、上シャッタ56が閉位置に移動する前に、下シャッタ57が閉位置へ移動する構成に比べ、充填口22Bから落下中のトナーTが、閉位置へ移動する下シャッタ57の先端部に当たることが抑制され、下シャッタ57の先端部との衝突によりトナーTが飛ばされることが抑制される。この結果、トナーTが容器18の外側へ付着することが抑制される。
【0116】
また、本実施形態では、上シャッタ56が閉位置から開位置へ移動し、その後、下シャッタ57が閉位置から引込位置へ移動する(図8参照)。これにより、上シャッタ56が閉位置から開位置へ移動する移動中に、上シャッタ56に載ったトナーTが落下した場合でも、閉位置に位置する下シャッタ57で当該トナーTを受けることが可能となる。
【0117】
このため、上シャッタ56が閉位置から開位置へ移動する前に、下シャッタ57が閉位置から引込位置へ移動する構成に比べ、トナーTが容器18の外側へ付着することが抑制される。
【0118】
<変形例>
本実施形態の充填装置10は、電子写真方式の画像形成装置で用いられるトナーTを、容器18に充填する装置であったが、これに限られない。例えば、充填装置10は、食料品、医薬品、工業用材料その他の用途に用いられる粉体を、容器に充填する装置であってもよく、粉体を容器に充填する装置であればよい。
【0119】
また、本実施形態では、下シャッタ57は、トナーTの容器18内への充填後に突出位置へ移動する構成(図5参照)とされていたが、これに限られない。例えば、下シャッタ57は、常に突出位置に位置する構成(すなわち、突出位置に固定された構成)であってもよい。
【0120】
また、本実施形態では、上清掃部60及び下清掃部70を備えていたが、上清掃部60及び下清掃部70を備えない構成であってもよい。
【0121】
また、本実施形態では、下シャッタ57は、トナーTの容器18内への充填中において、下清掃部70による清掃後に、中間位置へ移動していたが、これに限られない。例えば、下シャッタ57は、トナーTの容器18内への充填中において、常に引込位置に位置する構成であってもよい。
【0122】
また、本実施形態では、上清掃部60における箱体61の内部へ向けて出入口62を通過する際の上シャッタ56の移動速度は、上シャッタ56の通過後の移動速度(すなわち箱体61の内部での移動速度)よりも遅かったが、これに限られない。例えば、上シャッタ56の移動速度が常に一定である構成であってもよい。
【0123】
また、本実施形態では、出入口62の開口面積を低減する低減部材64が、出入口62に取り付けられていたが、これに限られない。例えば、上清掃部60が、箱体61と出入口62のみを有する構成(すなわち低減部材64を有さない構成)とされていてもよい。また、本実施形態では、回転軸周りに回転することによりトナーTを搬送するオーガが円筒部22の内部に配置されていたが、これに限られない。例えば、円筒部22の内側にオーガがない構成であっても良い。
【0124】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【符号の説明】
【0125】
10 充填装置
18 容器
18A 開口
20 充填部
22B 充填口
56 上シャッタ
56A 本体(上板の一例)
57 下シャッタ
57A 本体(下板の一例)
60 上清掃部(上板清掃部の一例)
61 箱体
62 出入口
64 低減部材
70 下清掃部(下板清掃部の一例)
T トナー(粉体の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11