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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/127 20060101AFI20241016BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G08G1/127 A
G08G1/14 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021022652
(22)【出願日】2021-02-16
(65)【公開番号】P2022124802
(43)【公開日】2022-08-26
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松谷 慎太郎
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-102927(JP,A)
【文献】特開2020-013485(JP,A)
【文献】国際公開第2018/138884(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 16/00
G06Q 50/00 - 50/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のユーザが利用する施設から離れた位置に存在する駐車場に入庫した各車両の入庫時刻を取得することと、
所定のタイミング以降において前記駐車場に入庫した車両の入庫台数が所定の台数に達したか否かを判定することと、
前記所定のタイミング以降において前記駐車場に入庫した車両の入庫台数が前記所定の台数に達した場合に、前記入庫した車両のユーザが前記駐車場に係る停留所から前記施設へ移動するために乗り換える乗換車両の配車が必要であると判定することと、
前記所定のタイミング以降において前記駐車場に入庫した車両の入庫台数が前記所定の台数に達していない場合さらに、前記所定のタイミング以降において最初に駐車場に入庫した車両の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を超えているか否かを判定することと、
前記所定のタイミング以降において前記最初に駐車場に入庫した車両の前記入庫時刻からの経過時間が前記所定の時間を超えた場合に、前記乗換車両の配車が必要であると判定することと、
前記乗換車両の配車が必要であると判定したことに応じて、前記乗換車両による前記停留所への到着予定時刻である第2到着時刻を含む前記換車両の配車指令を生成することと、
前記停留所と前記施設との間を定時に運行する車両及び前記ユーザの要求に応じて前記停留所と前記施設との間を運行する車両の少なくともいずれかによる前記停留所への到着予定時刻である第1到着時刻を取得することと、
取得した前記第1到着時刻と生成した前記配車指令に含まれる前記第2到着時刻との差異が所定の期間の範囲内であるか否かを判定することと、
前記差異が前記所定の期間の範囲内であると判定する場合に、前記配車指令をキャンセルすることと、
前記差異が前記所定の期間の範囲内でないと判定する場合に、前記配車指令を出力することと、
を実行する制御部を備え
前記所定のタイミングは、前記制御部が、前回、前記乗換車両の配車が必要であると判定した時刻である、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場において車両のユーザが乗り換える車両を配車する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、駐車場に車を駐車した者から受け付けた依頼情報に基づいて、その者が乗り換える公共車を配車する処理に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-4190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、駐車場においてユーザが車両を乗り換える際の利便性を向上することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の一側面は、情報処理装置によって例示される。
本情報処理装置は、駐車場に入庫した各車両の入庫時刻を取得することと、
所定のタイミング以降において駐車場に入庫した車両の入庫台数が所定の台数に達した場合、又は、前記所定のタイミング以降において最初に駐車場に入庫した車両の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を超えた場合に、前記入庫した車両のユーザが乗り換える乗換車両の配車を手配すること
を実行する制御部を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、駐車場においてユーザが車両を乗り換える際の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態における情報処理システムの構成例を概略的に示すブロック図である。
図2】管理サーバの制御部における機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図3】実施形態における情報処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ユーザが自己の車両で自宅から最寄りの地点まで行き、車両を駐車させた後、公共の交通機関を利用して目的地に向かうという形態で利用可能なシステムが存在する。従来の技術として、駐車場に車両を駐車したユーザに対して、ユーザが乗り換える公共車を配車する配車装置および配車方法が例示される。本装置及び方法において、配車装置は、駐車場に車両を駐車したユーザが乗り換える公共車の配車依頼を、ユーザから受け付ける。配車装置は、配車依頼に基づいて、公共車の乗換用の駐車場および公共車の配車時間を決定する。配車装置は、決定した乗換用の駐車場および配車時間の情報に基づいて配車処理を行う。しかしながら、ユーザは、公共車の配車依頼を配車装置へ送信する必要があり煩雑である。また、ユーザが配車依頼を送信した場合であっても、予定した時間にユーザの車両が駐車場に到着できないことがあり得る。その場合、ユーザは、配車依頼を再度送信する
必要があり煩雑である。
【0009】
本開示の実施形態に係る情報処理装置は、所定のタイミング以降に駐車場に入庫した車両の台数(以下、入庫台数)又は入庫した時刻(以下、入庫時刻)に基づいて、車両のユーザが乗り換える車両(以下、乗換車両)の配車を制御する。より詳細には、本開示の情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、駐車場に入庫した各車両の入庫時刻を取得する。制御部は、所定のタイミング以降に駐車場に入庫した車両の入庫台数が所定の台数に達したか否かを判定する。また、制御部は、所定のタイミング以降に駐車場に入庫した車両のうち最初の車両の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を超えたか否かを判定する。制御部が行うこれらの判定のいずれかにおいて肯定判定された場合、ユーザに対して乗換車両の配車が必要であると判断できる。そこで、上記判定のいずれかにおいて肯定判定された場合、制御部は、乗換車両の配車を手配する。
【0010】
この情報処理装置によれば、所定のタイミング以降に駐車場に入庫した車両の入庫台数又は入庫時刻に基づいて、車両のユーザに乗換車両を配車することができる。従って、本開示によれば、車両のユーザが乗換車両の配車を依頼しなくとも、ユーザに対して適切なタイミングで乗換車両を配車することができる。
【0011】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
(情報処理装置の概略)
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図1のように、情報処理システム1は、管理サーバ100、情報取得装置202および業務サーバ301を有する。情報処理システム1においては、管理サーバ100、情報取得装置202および業務サーバ301はネットワークNによって相互に接続される。ネットワークNとして、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、または携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。ただし、この接続は複数のネットワークで実現されてもよい。例えば、情報取得装置202と管理サーバ100とを接続するネットワークと、管理サーバ100と業務サーバ301とを接続するネットワークとは異なるネットワークであってもよい。
【0013】
管理サーバ100は、一般的なコンピュータによって例示される。例えば、管理サーバ100は、プロセッサ110、主記憶部120、補助記憶部130、および通信部140を有する。本実施形態においては、管理サーバ100が、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。
【0014】
プロセッサ110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶部130は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはフラッシュメモリである。補助記憶部130は、リムーバブルメディア(可搬記録媒体)を含んでもよい。リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、または、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。
【0015】
補助記憶部130には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。プロセッサ110が、補助記憶部130に記憶されたプログラムを主記憶部120にロードして実行することにより、後述する乗換車両の配車が実現される。ただし、管理サーバ100における一部または全部の機能はASIC
(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなハードウェア回路によって実現されてもよい。管理サーバ100は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0016】
通信部140は、管理サーバ100をネットワークNに接続する機能を有する。通信部140は、通信インターフェース(以下、通信I/F)によって実現することができる。通信部140は、通信I/Fを通じてネットワークN経由で外部の機器と通信を行う。通信I/Fは、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0017】
駐車場200は、ユーザ203が自宅等からの移動に使用した車両201を駐車するための駐車場である。駐車場200は、ユーザ203が利用する施設から離れた位置に存在する駐車場である。ユーザ203が利用する施設として、大型の空港、郊外の大規模な商業施設およびイベントを開催する会場が例示される。ただし、ユーザ203が利用する施設は、これに限らない。従って、ユーザ203は、車両201を駐車場200に駐車した後、施設へ移動するために、乗換車両を利用することが考えられる。駐車場200は、施設の運営業者により管理されてもよいし、施設の運営業者以外の業者により管理されてもよい。
【0018】
車両201は、ユーザ203が自宅等から駐車場200へ移動するために使用する車両である。車両201は、ユーザ203の自家用車であってもよいし、自家用車以外の車両であってもよい。車両201は、ユーザ203自身が運転してもよい。ただし、車両201は、ユーザ203以外の者が運転してもよい。車両201は、自動で走行する車両であってもよい。車両201は、1台でもよいし、複数台でもよい。
【0019】
情報取得装置202は、駐車場200に設置される装置である。情報取得装置202は、駐車場200に入庫する車両201の情報を取得する装置である。情報取得装置202は、一般的なコンピュータを含む装置が例示される。車両201の情報として、駐車場200への入庫時刻が例示される。ただし、車両201の情報は、これに限らない。情報取得装置202は、例えば、駐車場200の入口付近に設置される。ただし、情報取得装置202の設置場所は、これに限らない。情報取得装置202は、駐車場200において車両201が駐車する場所の付近に設置されてもよい。駐車場200に設置される情報取得装置202は1台とは限らない。情報取得装置202は、駐車場200内に複数台設置されてもよい。
【0020】
車両201の情報を取得する手段は、公知の方法を採用することができる。例えば、情報取得装置202が、車両201のユーザ203向けに、駐車券の発行を要求するためのボタンを備えている場合がある。この場合、情報取得装置202は、ユーザ203が駐車券の発行を要求するためのボタンを押した時刻を車両201の入庫時刻として取得すればよい。ただし、情報取得装置202が車両201の情報を取得する方法は、これに限らない。例えば、情報取得装置202は、車両201が駐車場200に入場する画像を撮影するためのカメラを内蔵することができる。また、情報取得装置202は、駐車場200内に設けられたカメラと通信できるようにしてもよい。ここで、カメラで撮影される画像は、静止画像または動画像のいずれであってもよい。情報取得装置202は、カメラが撮影した画像の撮影時刻を入庫時刻として取得することができる。情報取得装置202が取得した車両201の情報は、ネットワークNを介して管理サーバ100へ送信することができる。
【0021】
ユーザ203は、自宅等から車両201を利用して駐車場200へ移動し、駐車場20
0から乗換車両を利用して施設へ移動する者である。ユーザ203は、車両201の運転者および同乗者が例示される。ただし、ユーザ203は、これに限らない。ユーザ203は、1人でもよいし、複数人でもよい。
【0022】
施設300は、ユーザ203が利用する施設である。施設300は、大型の空港、郊外の大規模な商業施設およびイベントを開催する会場が例示される。施設300は、敷地内に駐車場を有しない又は駐車場を有していても車両201が駐車可能な台数が少ない等の事情を有することがある。ただし、施設300は、これに限らない。施設300は、1箇所とは限らない。施設300は、複数の箇所であってもよい。
【0023】
業務サーバ301は、乗換車両の配車サービスを提供する業者が管理するサーバである。施設300が乗換車両の配車サービスを提供する場合、業務サーバ301は、施設300によって管理され得る。ただし、業務サーバ301は、施設300以外の業者によって管理されてもよい。業務サーバ301は、一般的なコンピュータによって例示される。業務サーバ301は、管理サーバ100が後述する処理を実行することにより、乗換車両の配車に関する情報を受信する。業務サーバ301は、例えば、乗換車両および施設300等に関する情報をネットワークN経由で管理サーバ100へ送信してもよい。
【0024】
乗換車両302は、駐車場200に車両201を駐車したユーザ203が、施設300へ移動するために利用する車両である。乗換車両302は、施設300と停留所303との間を走行することができる。ただし、乗換車両302は、施設300と停留所303との間以外の経路も走行することができる。乗換車両302は、施設300により管理され得る。ただし、乗換車両302は、施設300以外の業者により管理されてもよい。乗換車両302は、乗換車両302の配車サービスを提供する業者から派遣された運転者により運転される車両である。ただし、乗換車両302は、乗換車両302の配車サービスを提供する業者以外の業者から派遣された運転者により運転されてもよい。乗換車両302は、自動で走行する車両であってもよい。乗換車両302として、20人程度が乗車できる車両が例示される。ただし、乗換車両302の乗車人数は、これに限らない。乗換車両302は、1人以上のユーザ203が乗車することができる車両であればよい。乗換車両302の配車サービスを提供する業者が保有する乗換車両302の台数は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。
【0025】
停留所303は、乗換車両302が停車する所定の場所である。停留所303は、乗換車両302にユーザ203を乗車させるため又は乗換車両302からユーザ203を下車させるために利用される。停留所303は、駐車場200の敷地内に設置することができる。ただし、停留所303は、駐車場200の敷地外に設置されてもよい。停留所303には、乗換車両302の配車に関する情報を表示する装置が設置されてもよい。乗換車両302の配車に関する情報とは、乗換車両302を特定するための情報、乗換車両302が出発する予定の時刻、出発した時刻、停留所303へ到着する予定の時刻、走行する経路、および、現在走行している地点が例示される。ただし、乗換車両302の配車に関する情報は、これに限らない。乗換車両302が複数配車される場合、複数の乗換車両302のそれぞれについて、乗換車両302の配車に関する情報が表示されてもよい。停留所303は、1箇所のみに設置されるとは限らない。停留所303は、必要に応じて、複数の箇所に設置されてもよい。
【0026】
(機能構成)
次に、情報処理システム1を構成する管理サーバ100のプロセッサ110における機能構成を、図2に基づいて説明する。図2は、プロセッサ110の各機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。プロセッサ110は、実行可能な形式で主記憶部120に展開されたコンピュータプログラムを実行する。図2は、このコンピュータプログラムの
処理に対応する構成を例示したものである。したがって、図2に例示された各部そのものがハードウェアの部品またはプログラムのモジュールであるとは限らない。
【0027】
プロセッサ110は、管理サーバ100において情報処理システム1の制御部として機能する。プロセッサ110は、取得部111、判定部112、指令部113を機能部として含む。
【0028】
取得部111は、情報取得装置202が取得した車両201の駐車場200への入庫時刻の情報を通信部140から取得する機能を有する。取得部111は、車両201の入庫時刻の情報を取得する手段として作用する。取得部111が、車両201の入庫時刻の情報を取得する方法は、公知の方法を採用することができる。例えば、取得部111は、情報取得装置202が取得した車両201の入庫時刻の情報を、ネットワークNを介して取得することができる。駐車場200に複数の情報取得装置202が設置されている場合、取得部111は、それぞれの情報取得装置202から、車両201の入庫時刻の情報を取得することができる。ただし、取得部111が、車両201の入庫時刻の情報を取得する手段は、これに限らない。管理サーバ100は、取得部111が取得した車両201の入庫時刻の情報を補助記憶部130に蓄積してもよい。管理サーバ100において、後述するプロセッサ110の判定部112が、乗換車両302の配車の要否を判定する際に、車両201の入庫時刻の情報を読み出してもよい。
【0029】
判定部112は、所定のタイミング以降に駐車場200に入庫した車両201の入庫台数のデータを確認する機能を有する。判定部112は、車両201の入庫台数が所定の台数に達したか否かを判定する機能を有する。また、判定部112は、取得部111が取得した車両201の入庫時刻のデータを確認する機能を有する。判定部112は、所定のタイミング以降に最初に駐車場200に入庫した車両201の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を超えたか否かを判定する機能を有する。詳細には、所定のタイミングとは、例えば、判定部112が、前回の判定処理において乗換車両302の配車が必要であると判定した時刻をいう。ただし、所定のタイミングは、これに限らない。所定の時間とは、例えば、所定のタイミング以降に最初に駐車場200に入庫した車両201の入庫時刻から経過した時間が30分である。ただし、所定の時間は、これに限らない。
【0030】
判定部112は、所定のタイミング以降に駐車場200に入庫した車両201の入庫台数のデータを確認する。判定部112は、この確認結果に基づき、車両201の入庫台数が、所定の台数に達したか否かを判定する。所定の台数とは、所定のタイミング以降に駐車場200に入庫した車両201の台数である。所定の台数は、1台でもよいし、複数台であってもよい。取得部111が、複数の情報取得装置202から車両201の情報を取得する場合、判定部112は、複数の情報取得装置202から取得された車両201の台数を合算してもよい。判定部112は、所定のタイミング以降に駐車場200に入庫した車両201の入庫台数が所定の台数以上である場合、所定の台数に達したと判定する。判定部112は、入庫台数が所定の台数未満である場合、所定の台数に達していないと判定する。
【0031】
所定の台数は、例えば、管理サーバ100を管理する管理者により設定可能である。例えば、プロセッサ110において、所定の台数が5台に設定されたと仮定する。所定のタイミング以降に駐車場200に入庫した車両201の入庫台数が5台以上である場合、判定部112は、所定の台数に達したと判定する。所定のタイミング以降に駐車場200に入庫した車両201の入庫台数が5台未満である場合、判定部112は、所定の台数に達していないと判定する。ただし、プロセッサ110に設定される所定の台数は5台に限らない。所定の台数は、乗換車両302に乗車可能な人数、配車可能な台数、配車の効率性、および、ユーザ203の利便性を考慮して、自由に設定することができる。例えば、施
設300の利用者が多い時間帯は、駐車場200へ入庫する車両201の台数が多くなると考えられる。従って、施設300の利用者が多い時間帯は、所定の台数を多めの台数で設定してもよい。施設300の利用者が少ない時間帯は、駐車場200へ入庫する車両201の台数が少なくなると考えられる。従って、施設300の利用者が少ない時間帯は、所定の台数を少ない台数で設定してもよい。
【0032】
ただし、管理者の設定による所定の台数に対して、管理サーバ100が処理状況を基に所定の台数を調整してもよい。例えば、管理サーバ100は、夜の時間帯における施設300の利用者数が昼の時間帯における利用者数よりも少ない場合、夜の時間帯における所定の台数は、昼の時間帯における所定の台数より少ない台数に調整してもよい。具体的には、昼の時間帯における所定の台数を5台と設定し、夜の時間帯における所定の台数を2台と設定すると仮定する。夜の時間帯において、判定部112は、駐車場200に2台の車両201が入庫した時点で、所定の台数に達したと判定することができる。判定部112が車両201の入庫台数が所定の台数に達したと判断した時点で、管理サーバ100は、乗換車両302の配車が必要であると判断できる。従って、管理サーバ100は、施設300の利用客数に応じて、ユーザ203を停留所303で長時間待たせることなく、乗換車両302を配車することができる。
【0033】
管理サーバ100が所定のタイミング以降における車両201の入庫台数に基づいて乗換車両302を配車した履歴の情報を、補助記憶部130に記憶してもよい。補助記憶部130は、乗換車両302を配車した履歴の情報を記憶するデータベースを有してもよい。判定部112は、人工知能を用いて補助記憶部130に記憶した履歴の情報を解析することにより、所定の台数を設定してもよい。これにより、管理サーバ100は、乗換車両302を配車した履歴に基づいて、より効率的に乗換車両302を配車することができる。
【0034】
判定部112が、所定のタイミング以降における車両201の入庫台数が所定の台数に達していないと判定した場合、判定部112は、さらに車両201の入庫時刻に基づいた判定処理を行うことができる。具体的には、判定部112は、所定のタイミング以降において最初に入庫した車両201の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を経過した場合、所定の時間を超えたと判定する。判定部112は、最初に入庫した車両201の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を経過していない場合、所定の時間を超えていないと判定する。
【0035】
例えば、所定のタイミング以降に駐車場200に入庫した車両201の入庫台数が所定の台数に達しておらず、かつ、プロセッサ110において、所定の時間が20分に設定されていると仮定する。判定部112は、所定のタイミング以降に最初に入庫した車両201の入庫時刻からの経過時間が20分経過した場合、所定の時間を超えたと判定する。判定部112は、入庫時刻から20分経過していない場合、所定の時間を超えていないと判定する。ただし、所定の時間は、20分に限らない。所定の時間は、乗換車両302の配車の効率性およびユーザ203の利便性を考慮して、自由に設定することができる。例えば、施設300の利用者が少なくなる時間帯は、所定の時間を短く設定してもよい。具体的には、夜の時間帯は、昼の時間帯よりも施設300の利用者が少ない場合、夜の時間帯における所定の時間は、昼の時間帯における所定の時間より短い時間で設定してもよい。これにより、夜の時間帯において、判定部112は、昼の時間帯より短く設定された所定の時間が経過した時点で、所定の時間を超えたと判定することができる。判定部112が所定の時間に達したと判断した時点で、管理サーバ100は、乗換車両302の配車が必要であると判断できる。従って、管理サーバ100は、施設300の利用客数に応じて、ユーザ203を停留所303で長時間待たせることなく、乗換車両302を配車することができる。上記所定の時間も管理サーバ100を管理する管理者により設定可能である。
ただし、管理者の設定による所定の時間に対して、管理サーバ100が処理状況を基に所定の時間を調整してもよい。
【0036】
管理サーバ100が最初の車両201の入庫時刻からの経過時間に基づいて乗換車両302を配車した履歴の情報を、補助記憶部130に記憶してもよい。判定部112は、人工知能を用いて補助記憶部130に記憶した履歴の情報を解析することにより、所定の時間を設定してもよい。これにより、管理サーバ100は、乗換車両302を配車した履歴に基づいて、より効率的に乗換車両302を配車することができる。
【0037】
判定部112が、所定のタイミング以降に駐車場200へ入庫した車両201の入庫台数が所定の台数を超えたと判定した時刻は、今回の判定処理の終期となる。または、判定部112が、所定のタイミング以降に駐車場200へ最初に入庫した車両201の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を超えたと判定した時刻は、今回の判定処理の終期となる。そして、今回の判定処理の終期は、次回の判定処理における始期となる。換言すると、判定部112が、今回の判定処理で、所定のタイミング以降に駐車場200へ入庫した車両201の入庫台数が所定の台数を超えたと判定した時刻は、次回の判定処理の始期となる。また、判定部112が、所定のタイミング以降に駐車場200へ最初に入庫した車両201の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を超えたと判定した時刻は、次回の判定処理の始期となる。従って、判定部112は、次回の判定処理において、所定のタイミング以降に駐車場200に入庫した車両201の所定の台数を0台から新たに計数する。また、判定部112は、次回の判定処理における始期(所定のタイミング)以降に駐車場200へ最初に入庫した車両201を対象として、入庫時刻からの経過時間に基づく判定処理を行う。
【0038】
さらに、施設300の営業時間に営業開始時刻および営業終了時刻が設定されていることがあり得る。これに対応して、乗換車両302の配車サービスに配車開始時刻および配車終了時刻が設定されていることがあり得る。この場合、乗換車両302の配車終了時刻を、判定部112が所定の台数を判定する処理の終期としてもよい。また、配車終了時刻において、所定のタイミング以降に入庫した車両201が存在する場合がある。この場合、判定部112は、配車終了時刻における車両201の入庫台数にかかわらず、入庫台数が所定の台数に達したとみなす判定処理を行ってもよい。これにより、管理サーバ100は、乗換車両302の配車終了時刻に駐車場200に入庫した車両201のユーザ203に対しても、乗換車両302を配車することができる。判定部112は、乗換車両302の配車開始時刻を、判定処理の始期(所定のタイミング)とみなしてもよい。つまり、判定部112は、乗換車両302の配車開始時刻から、駐車場200に入庫する車両201の所定の台数を判定することができる。また、判定部112は、乗換車両302の配車開始時刻から、駐車場200へ最初に入庫した車両201の入庫時刻からの経過時間を判定することができる。
【0039】
指令部113は、乗換車両302を配車する旨の指令(以下、配車指令)を生成する機能を有する。指令部113は、生成した配車指令を業務サーバ301へ出力する機能を有する。詳細には、判定部112が、所定のタイミング以降に駐車場200へ入庫した車両201の入庫台数が所定の台数を超えたと判定した場合、指令部113は乗換車両302の配車指令を生成する。または、判定部112が、所定のタイミング以降に駐車場200へ最初に入庫した車両201の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を超えたと判定した場合、指令部113は乗換車両302の配車指令を生成する。指令部113は、生成した配車指令を業務サーバ301へ送信する。指令部113が生成する配車指令は、配車する乗換車両302を特定するための情報、走行経路、施設300からの出発予定時刻、停留所303への到着予定時刻、施設300への到着予定時刻および乗換車両302の運転者の氏名が例示される。ただし、指令部113が生成する配車指令は、これらに限らない。
【0040】
指令部113は、乗換車両302について生成した配車指令を、例えば、業務サーバ301へ送信することにより、乗換車両302の配車を手配する。乗換車両302の配車サービスを提供する業者は、業務サーバ301が受信した配車指令に基づいて、配車する乗換車両302を決定する。配車が決定された乗換車両302は、例えば、運転者の運転により、施設300を出発し、停留所303へ向けて走行する。乗換車両302は、停留所303で停車し、停留所303で待機するユーザ203を乗車させて施設300へ搬送する。乗換車両302は、施設300から出発する際、施設300から駐車場200への移動を希望するユーザ203を乗車させて停留所303へ搬送してもよい。そして、乗換車両302は、停留所303でユーザ203を下車させてもよい。
【0041】
(情報処理の流れ)
本実施形態に係る情報処理のフローを、図3に基づいて説明する。図3は、乗換車両302の配車における情報処理のフローの一例を示すフローチャートである。乗換車両302の配車における情報処理は、管理サーバ100のプロセッサ110によって実行される。
【0042】
本情報処理では、プロセッサ110の取得部111は、駐車場200に設置された情報取得装置202から、駐車場200に入庫した各車両201の入庫時刻を取得する(ステップS101)。
【0043】
プロセッサ110の判定部112は、所定のタイミング以降に駐車場200に入庫した車両201の入庫台数が所定の台数以上である場合、入庫台数が所定の台数に達したと判定する(ステップS102)。駐車場200に入庫した車両201の入庫台数が所定の台数以上であると判定された場合(ステップS102でYESと判定)、処理がステップS104に進む。そうでない場合(ステップS102でNOと判定)、処理がステップS103に進む。
【0044】
ステップS103では、判定部112は、所定のタイミング以降に駐車場200に最初に入庫した車両201の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を経過した場合、経過時間が所定の時間を超えたと判定する。最初の車両201の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を超えている場合(ステップS103でYESと判定)、処理がS104に進む。そうでない場合(ステップS103でNOと判定)、処理がステップS101に戻る。
【0045】
ステップS104では、プロセッサ110の指令部113は、乗換車両302の配車指令を生成する。指令部113は、生成した配車指令を業務サーバ301へ送信し(ステップS105)、処理を終了する。
【0046】
(変形例)
上記の実施例では、ユーザ203が、施設300と停留所303との移動に利用する車両を乗換車両302に限定して説明した。しかし、施設300と停留所303との間を定時に運行する車両が存在する場合がある。また、ユーザ203等の要求に基づいて、停留所303と施設300との間を運行する車両が存在する場合がある。これにより、定時に運行する車両又はユーザ203等の要求に基づいて運行する車両が停留所303へ到着する時刻と、乗換車両302が停留所303へ到着する時刻とが重複する又は近い時刻となる場合がある。
【0047】
このような場合、プロセッサ110は、以下の処理を行い得る。ここで、定時に運行される車両又はユーザ203からの要求に基づいて運行される車両が停留所303に到着する予定の時刻を「第1の到着時刻」と称する。乗換車両302が停留所303に到着する
予定の時刻を「第2の到着時刻」と称する。プロセッサ110の取得部111は、図3におけるフローチャートのステップS101において、各車両201の入庫時刻に加え、第1の到着時刻を取得することができる。取得部111が第1の到着時刻を取得する手段は、公知の方法が考えられる。取得部111は、例えば、定時に運行する車両、ユーザ203の要求に基づいて運行する車両、またはこれらの車両を管理する業務サーバ等から、ネットワークN経由で第1の到着時刻を取得することができる。ただし、取得部111が第1の到着時刻を取得する手段は、これに限らない。
【0048】
プロセッサ110の指令部113は、ステップS104において乗換車両302の配車指令を生成する際、乗換車両302による停留所303への到着予定時刻、すなわち第2の到着時刻のデータを生成することができる。プロセッサ110の判定部112は、ステップS104とステップS105との間で、第1の配車時刻と第2の配車時刻とに基づく判定処理を行うことができる。具体的には、指令部113がステップS104で乗換車両302の配車指令を生成した後、判定部112は、第1の配車時刻と第2の配車時刻との差異が所定の期間内であるか否かを判定する。第1の配車時刻と第2の配車時刻との差異が所定の期間の範囲内である場合、判定部112は、差異が所定の期間内であると判定する。指令部113は、差異が所定の期間内である旨の判定に基づいて、乗換車両302の配車指令をキャンセルし、処理がステップS101へ戻る。差異が所定の期間の範囲を超える場合、判定部112は、差異が所定の期間内でないと判定し、処理はステップS105に進む。指令部113は、乗換車両302の配車指令を業務サーバ301に送信し、処理を終了する。これにより、ユーザ203に対して重複した車両が停留所303へ配車されることを回避することができる。従って、管理サーバ100は、乗換車両302を効率的に配車することができる。
【0049】
(まとめ)
本実施形態における処理では、情報処理システム1において、プロセッサ110は、管理サーバ100の処理部として機能する。プロセッサ110の取得部111は、情報取得装置202から、駐車場200に入庫した各車両201の入庫時刻を取得する(ステップS101)。従って、上記処理は、制御部が、駐車場に入庫した各車両の入庫時刻を取得する処理の一部と言える。
【0050】
プロセッサ110の判定部112は、所定のタイミング以降に駐車場200に入庫した車両201の入庫台数を確認する。判定部112は、入庫台数が所定の台数以上である場合、入庫台数が所定の台数に達したと判定する(ステップS102)。
【0051】
判定部112は、入庫台数が所定の台数に達していないと判定した場合、所定のタイミング以降に最初に駐車場200に入庫した車両201の入庫時刻からの経過時間を確認する。判定部112は、経過時間が所定の時間を経過した場合、所定の時間を超えたと判定する(ステップS103)。
【0052】
判定部112がステップS102およびステップS103のいずれかで肯定判定をした場合、プロセッサ110の指令部113は、乗換車両302の配車指令を生成する(ステップS104)。指令部113は、生成した配車指令を業務サーバ301へ送信する(ステップS105)。従って、上記処理は、制御部が、所定のタイミング以降において駐車場に入庫した車両の入庫台数が所定の台数に達した場合、又は、前記所定のタイミング以降において最初に駐車場に入庫した車両の入庫時刻からの経過時間が所定の時間を超えた場合に、前記入庫した車両のユーザが乗り換える乗換車両の配車を手配する処理の一部と言える。
【0053】
本実施の形態によると、管理サーバ100は、所定のタイミング以降に駐車場200に
入庫した車両201の入庫台数又は入庫時刻に基づいて、車両201のユーザ203が乗り換える乗換車両302の配車指令を生成し、業務サーバ301へ送信することができる。従って、本開示によれば、ユーザ203による操作がなくとも、駐車場200に入庫した車両201の入庫台数、又は、最初に入庫した車両201の入庫時刻に基づいて、乗換車両302を配車することができる。
【0054】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0055】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0056】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0057】
1・・情報処理システム
100・・管理サーバ
110・・プロセッサ
111・・取得部
112・・判定部
113・・指令部
120・・主記憶部
130・・補助記憶部
140・・通信部
200・・駐車場
201・・車両
202・・情報取得装置
203・・ユーザ
300・・施設
301・・業務サーバ
302・・乗換車両
303・・停留所
図1
図2
図3