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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】取出装置
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/22 20060101AFI20241016BHJP
   B22D 17/32 20060101ALI20241016BHJP
   B22D 29/04 20060101ALI20241016BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20241016BHJP
   B22D 46/00 20060101ALI20241016BHJP
   G01G 19/52 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B22D17/22 L
B22D17/32 Z
B22D29/04 D
B25J9/06 D
B22D46/00
G01G19/52 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021025073
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127117
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】UBEマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】進藤 浩二
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-192593(JP,A)
【文献】特開2003-053506(JP,A)
【文献】特開2000-158366(JP,A)
【文献】特開2002-086374(JP,A)
【文献】特開平08-258093(JP,A)
【文献】特開2001-293749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 17/00-32
B22D 29/04-08
B22D 46/00
B25J 9/06
B29C 33/44-54
B29C 39/36
B29C 45/40-44
G01G 19/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3節リンク機構を有するリンク部と、前記リンク部を駆動する駆動部と、を備え、鋳造された製品Pの金型からの取出装置であって、
前記リンク部は、
水平方向に沿って揺動運動する第1リンクと、前記第1リンクに対して回転対偶をなす第2リンクと、前記第2リンクに対して回転対偶をなす第3リンクと、前記第3リンクに直接的に、または、間接的に支持される、前記製品Pを保持する把持具と、を備え、
前記第1リンク、前記第2リンクおよび前記第3リンクのいずれか1つ以上に、ロードセルが設けられ、
前記駆動部は、
前記第1リンクを前記揺動運動させる第1サーボモータと、前記第2リンクを水平方向に沿って揺動運動させる第2サーボモータと、前記第3リンクを水平方向に沿って揺動運動させる第3サーボモータと、を備え、
前記製品を前記金型から取り出す際に、
前記第1サーボモータ、前記第2サーボモータおよび前記第3サーボモータの回転を同期して制御することで、前記製品が前記金型から直線状の移動軌跡に従って移動して、当初の第1位置から第2位置まで後退する第1動作が行われる、ことを特徴とする取出装置。
【請求項2】
前記第1動作を終えた後に、
前記第1サーボモータ、前記第2サーボモータおよび前記第3サーボモータの回転を同期して制御することで、前記製品が、その向きを維持したままで、前記第2位置から前記金型から離れる第3位置まで移動する第2動作が行われる、
請求項1に記載の取出装置。
【請求項3】
前記第2動作を終えた後に、
前記第1サーボモータ、前記第2サーボモータおよび前記第3サーボモータの回転を同期して制御することで、前記製品が、前記第2動作のときとは向きを変えて、前記第3位置からさらに前記金型から離れる第4位置まで移動する第3動作が行われる、
請求項2に記載の取出装置。
【請求項4】
前記第2動作が終えた時点で、
前記ロードセルから測定情報を取得するとともに、前記測定情報と予め設定されている基準情報とを比較する、
請求項2または請求項に記載の取出装置。
【請求項5】
前記第3リンクに対して鉛直方向に沿う揺動運動をする第4リンクを備え、
前記把持具は、前記第4リンクに設けられる、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の取出装置。
【請求項6】
前記ロードセルは、前記第3リンクに設けられる、
請求項5に記載の取出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカストマシンにおいて鋳造された製品を取り出す取出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイカストマシンにおいて鋳造された製品を金型から取り出す作業を自動化した取出装置が従来から知られている。取出装置は搬出装置などとも称される。
【0003】
一例として、特許文献1に開示される搬出ロボットは、ベース上に設置された基台(24)と、基台に設けられた直動機構と、直動機構によって保持された第1アームと、第1アームに旋回可能に連結された第2アームと、第2アームの先端部に設けられたハンド部と、を備えている。第2アームと第1アームとの間には、サーボモータが設けられており、また、第1アームと直動機構との間にもサーボモータが設けられている。さらに、直動機構は、ボールねじ機構と、ボールねじ機構を回転駆動するサーボモータと、を備えている。
【0004】
以上の構成を備える特許文献1の取出装置において、金型から直線運動により製品を取り出す動作はボールねじを有する直動機構により行われる。また、特許文献1の取出装置において、金型から取り出された製品を円弧運動により金型から離れた位置に移動させる動作は、サーボモータの回転動力を介して第1アームおよび第2アームにより行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-224811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に開示されるボールねじを用いる直動機構は、直動機構で必要とされる往復直線運動の距離に対応する長さのボールねじに加えて案内レールを備える。したがって、ボールねじを用いる直動機構は、ボールねじに沿う方向のサイズが大きく、設置スペースが広くなる。
直動機構として、ボールねじの代わりにピストン・シリンダ機構を用いることができるが、ピストン・シリンダ機構も往復直線運動の距離に対応するピストンの移動距離を有するので、当該方向のサイズが大きい。
【0007】
また、ボールねじは、他の摺動を伴う機器と同様に、潤滑剤を供給して摺動性を確保する必要がある。しかし、ボールねじは、潤滑管理が難しく、油膜切れが生じるとすぐに破損するために、安定した製品の取出を継続するためには、ボールねじを用いる従来の直動機構は保守管理の負担が大きい。
【0008】
以上より、本発明は、設置スペースを狭くできるのに加えて、保守管理の負担を軽減できる鋳造された製品の取出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の鋳造された製品Pの金型からの取出装置は、取出装置は、3節リンク機構を有するリンク部と、リンク部を駆動する駆動部と、を備える。
リンク部は、水平方向に沿って揺動運動する第1リンクと、第1リンクに対して回転対偶をなす第2リンクと、第2リンクに対して回転対偶をなす第3リンクと、第3リンクに直接的に、または、間接的に支持される、製品Pを保持する把持具と、を備える。
駆動部は、第1リンクを揺動運動させる第1サーボモータと、第2リンクを水平方向に沿って揺動運動させる第2サーボモータと、第3リンクを水平方向に沿って揺動運動させる第3サーボモータと、を備える。
取出装置は、製品を金型から取り出す際に、第1サーボモータ、第2サーボモータおよび第3サーボモータの回転を同期して制御することで、製品が金型から直線状の移動軌跡に従って移動して、当初の第1位置から第2位置まで後退する第1動作が行われる。
【0010】
取出装置において、第1動作を終えた後に、第1サーボモータ、第2サーボモータおよび第3サーボモータの回転を同期して制御することで、製品が、その向きを維持したままで、第2位置から金型から離れる第3位置まで移動する第2動作が行われる、ことが好ましい。
【0011】
取出装置において、第2動作を終えた後に、第1サーボモータ、第2サーボモータおよび第3サーボモータの回転を同期して制御することで、製品が、第2動作のときとは向きを変えて、第3位置からさらに金型から離れる第4位置まで移動する第3動作が行われる、ことが好ましい。
【0012】
取出装置において、リンク部に、ロードセルが設けられる、ことが好ましい。
そして、第2動作が終えた時点で、ロードセルから測定情報を取得するとともに、測定情報と予め設定されている基準情報とを比較する、ことが好ましい。
【0013】
取出装置において、第3リンクに対して鉛直方向に沿う揺動運動をする第4リンクを備え、把持具は、第4リンクに設けられる、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の取出装置によれば、3節リンク機構を有するリンク部を備えるので、設置スペースを狭くできるのに加えて、保守管理の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る取出装置を示す平面図である。
図2図1の取出装置を示す正面図である。
図3図1の取出装置の動作を示す図であり、(a)、(b)の順に動作する。
図4図4に続いて、図1の取出装置の動作を示す図であり、(a)、(b)の順に動作する。
図5図1の取出装置のリンク部の動作を示す図であり、(a)は第1位置を示しており、(b)は第2位置を示している。
図6図1の取出装置のリンク部の動作を示す図であり、(c)は第3位置を示し、(d)は第4位置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、実施形態について説明する。
実施形態に係る取出装置1は、三つのアームを備えるオープンループ(Open Loop)の3節リンクを備える。三つのアームの動作を、三つのアームの基端に設けられるサーボモータで制御することにより、三つのアームのそれぞれの円弧状の移動軌跡を直線からなる移動軌跡に変換する。この直線からなる移動軌跡を実現することにより、取出装置1は図示を省略するダイカストマシンの可動金型M1から製品Pを取り出す。可動金型M1は固定金型M2と対をなし、可動金型M1と固定金型M2が閉じられた状態で鋳造が行われた後に、図1に示すように、可動金型M1が固定金型M2から離れた状態で、製品Pの取り出しが行われる。可動金型M1は、両矢印で示すように、固定金型M2に対して近づき、または、離れることができるように設置される。
以下、取出装置1の構成を説明した後に、取出装置1の動作を説明する。その後、取出装置1による効果に言及する。
【0017】
[取出装置1の構成:図1図2
取出装置1は、図1および図2に示すように、リンク部3と、リンク部3を駆動する駆動部5と、駆動部5の動作を制御する制御部7(図1のみ)と、を備えている。以下、リンク部3、駆動部5および制御部7の順にその構成を説明する。
なお、本実施形態において、前後方向L、幅方向Wおよび高さ方向Tが図1および図2に示すように定義される。また、本実施形態において、水平方向Hおよび鉛直方向Vが図1および図2に示すように定義される。ここで、前後方向Lおよび幅方向Wは水平方向Hと一致し、高さ方向Tは鉛直方向Vに一致する。また、本実施形態において、前方Fおよび後方Bが、図1に示すように定義される。
【0018】
[リンク部3:図1図2
リンク部3は、位置が固定されるベース4と、ベース4に対して水平方向Hに揺動可能に設けられる第1リンク10と、第1リンク10の先端部に水平方向Hに揺動可能に設けられる第2リンク20と、第2リンク20の先端部に水平方向Hに揺動可能に設けられる第3リンク30と、を備える。第1リンク10と第2リンク20は相対的に揺動可能とされ、第2リンク20と第3リンク30も相対的に揺動可能とされる。
【0019】
第1リンク10の揺動運動は、鉛直方向Vに沿う回転軸線C1を中心にした正転および逆転による揺動角度θ1の範囲で行われる。第2リンク20の揺動運動は、鉛直方向Vに沿う回転軸線C2を中心にした正転および逆転による揺動角度θ2の範囲で行われる。第3リンク30の揺動運動は、鉛直方向Vに沿う回転軸線C3を中心にした正転および逆転による揺動角度θ3の範囲で行われる。
第1リンク10~第3リンク30は、後述する取り出し動作および受け渡し動作に関わる。
【0020】
また、第3リンク30の先端部には第4リンク40が水平方向Hに沿う回転軸線C4を中心にして、揺動角度θ4の範囲で揺動運動を行う。つまり、第4リンク40は、第1リンク10~第3リンク30とは揺動の向きが異なる。
第4リンク40は、後述する受け渡し動作の最後に機能する。つまり、製品Pの受け渡しが行われる第4位置(4thP,図4(b))において、製品Pの姿勢を90度だけ変える必要があるが、この製品Pの姿勢を変えるときに第4リンク40が動作する。
【0021】
リンク部3は、以上のように構成されるので、第1リンク10に対して第2リンク20が回転対偶をなし、第2リンク20に対して第3リンク30が回転対偶をなす。
また、リンク部3が水平方向Hに沿った移動を許容する複数の関節を有するので、取出装置1は水平多関節ロボット(スカラロボット)を構成する。
【0022】
なお、第1リンク10、第2リンク20、第3リンク30および第4リンク40のそれぞれにおいて、ベース4に近い側を後端といい、ベース4から遠い側を先端ということにする。例えば、第1リンク10はその後端側においてベース4に対して揺動可能に設けられている。また、第2リンク20はその後端側において第1リンク10の先端側に揺動可能に設けられている。
【0023】
第1リンク10は、後端側に位置する基端11と、先端側に位置する基端15と、基端11と基端15とを一体的に連結する第1アーム13と、を備える。平面視した形態が中空円筒形状をなす基端11と基端15は、それぞれ鉛直方向Vに沿って形成される軸孔17と軸孔19を備える。
第2リンク20は、後端側に位置する基端21と、先端側に位置する基端25と、基端21と基端25とを一体的に連結する第2アーム23と、を備える。平面視した形態が中空円筒形状をなす基端21と基端25は、それぞれ鉛直方向Vに沿って形成される軸孔27と軸孔29を備える。
【0024】
第3リンク30は、後端側に位置する基端31と、先端側に位置する固定端35と、基端31と一体的に連結される第3アーム33と、を備える。平面視した形態が中空円筒形状をなす基端31は、鉛直方向Vに沿って形成される軸孔34を備える。固定端35には、第4リンク40を取り付けるためのステー37が設けられている。ステー37は、平面視した形状が概ねL字状をなしており、固定端35に取り付けられる第1固定片37Aと、第1固定片37Aから延びる第2固定片37Bと、を備える。
【0025】
第4リンク40は、平面視した形態がL字状をなしており、第2固定片37Bに微小間隔を空けて対峙する第1リンク片41と、第1リンク片41と交差する第2リンク片43と、を備える。第4リンク40は、第1リンク片41が第3リンク30の先端に設けられる第2固定片37Bに対向して設けられる。
【0026】
第4リンク40の第2リンク片43には、可動金型M1に貼り付いている製品Pを可動金型M1から取り出す際に製品Pを保持する把持具としてのチャック45を備えている。チャック45は、互いに接近または離間する爪45A,45Bを備えており、爪45A,45Bが近づくことにより製品Pの一部を把持する。また、チャック45は、製品Pを離すときに爪45A,45Bの間隔を広げる。
可動金型M1から製品Pを取り出してから製品Pを離す前までは、製品Pは図3および図4に示すように面積の広い面が鉛直方向Vに沿っている。しかし、製品Pを離すときには、当該広い面が下向きになって水平方向Hに沿うように、第4リンク40を動作させることにより製品Pを90度だけ移転させる。
【0027】
<ロードセル39:図1
取出装置1において、図1に示すように、リンク部3にロードセル39を設け、ロードセル39からの測定情報を制御部7が取得することができる。この測定情報と制御部7が予め保持する基準情報とを比較することにより、チャック45による製品Pの把持状態が正常か否かを判断することができる。例えば、チャック45が製品Pを正常に把持している状態のロードセル39からの基準情報を予め取得しておき、実際に製品Pを取り出す際にロードセル39から得られる測定情報を基準情報と比較することにより、チャック45が製品Pを正常に把持しているか否かを判断できる。ロードセル39を設けることにより、正常な把持に加えて、製品Pの状態を判断できる。つまり、製品Pにオーバーフローなど、鋳造時には必要であるが、最終の製品Pには不要となる部分が除去されているか否かの判断を行うこともできる。鋳造時には必要な部分として、他にビスケット、ランナーおよびセキなどがある。
【0028】
リンク部3にロードセル39を設ければ、製品Pの把持状態やオーバーフローなどの除去状態の検知のための検出装置を別途に設ける必要がなく、製品取出システムのコンパクト化や設備費用軽減を実現できる。
なお、ロードセル39は、リンク部3の第1アーム13、第2アーム23および第3アーム33の何れに設けてもよいが、図1に示すように、第3アーム33に設けることが好ましい。また、ロードセルとは、力の大きさを電気信号に変える変換器をいう。
【0029】
[駆動部5:図2
駆動部5は、図2に示すように、第1リンク10を揺動運動させる第1サーボモータ50と、第2リンク20を揺動運動させる第2サーボモータ60と、第3リンク30を揺動運動させる第3サーボモータ70と、第4リンク40を揺動運動させる第4サーボモータ80と、を備える。
【0030】
<第1サーボモータ50:図2
第1サーボモータ50は、図2に示すように、第1本体51と、第1本体51に対して正逆の回転が可能とされる第1回転軸53と、を備える。第1本体51には、ステータ(固定子)、第1回転軸53を軸支するロータ(回転子)、エンコーダなどのサーボモータの構成要素が組み込まれている。これは第2サーボモータ60、第3サーボモータ70および第4サーボモータ80についても同様であるが、サーボモータの構成要素については後述する。第1回転軸53は、第1リンク10の軸孔17の内部において基端11に固定される。したがって、第1サーボモータ50を駆動して第1回転軸53を正逆回転させることにより、第1リンク10を揺動運動させることができる。この揺動運動は、鉛直方向Vに沿う回転軸線C1を中心にして行われる。
【0031】
<第2サーボモータ60:図2
第2サーボモータ60は、図2に示すように、第2本体61と、第2本体61に対して正逆の回転が可能とされる第2回転軸63と、を備える。
第2本体61は、第2リンク20の基端21に固定される。
第2回転軸63は、第2リンク20の基端21の軸孔27を貫通して、第1リンク10の基端15の軸孔19に挿入される。第2回転軸63は軸孔27の内部において、基端21に対して空転するように支持されるとともに、軸孔19の内部において基端15に固定される。
したがって、第2サーボモータ60を駆動して第2回転軸63を正逆回転させることにより、第2リンク20を第1リンク10の基端15に対して揺動運動させることができる。この揺動運動は、鉛直方向Vに沿う回転軸線C2を中心にして行われる。
【0032】
<第3サーボモータ70:図2
第3サーボモータ70は、第3本体71と、第3本体71に対して正逆の回転が可能とされる第3回転軸73と、を備える。
第3本体71は、第3リンク30の基端31に固定される。
第3回転軸73は、第3リンク30の基端31の軸孔34を貫通して、第2リンク20の基端25の軸孔29に挿入される。第3回転軸73は軸孔34の内部において、基端31に対して空転するように支持されるとともに、軸孔29の内部において基端25に固定される。
したがって、第3サーボモータ70を駆動して第3回転軸73を正逆回転させることにより、第3リンク30を第2リンク20の基端25に対して揺動運動させることができる。この揺動運動は、鉛直方向Vに沿う回転軸線C3を中心にして行われる。
【0033】
<第4サーボモータ80:図2
第4サーボモータ80は、第4本体81と、第4本体81に対して正逆の回転が可能とされる第4回転軸83と、を備える。
第4本体81は、第3リンク30の第2固定片37Bに固定される。
第4回転軸83は、第2固定片37Bを貫通して、第4リンク40の第1リンク片41の軸孔46に挿入される。第4回転軸83は、第2固定片37Bに対して空転するように支持される一方、軸孔46の内部において、第1リンク片41に対して固定される。
したがって、第4サーボモータ80を駆動して第4回転軸83を正逆回転させることにより、第4リンク40を第3リンク30のステー37に対して揺動運動させることができる。この揺動運動は、水平方向Hに沿う回転軸線C4を中心にして行われる。
【0034】
<サーボモータの構成例>
サーボモータの構成要素の一例について簡単に説明すると以下の通りである。
ステータは、コアとなる鉄心の周りに電線が巻き付けられている。電線に電流が流れると、ステータは電磁石になり、その内側には磁界が発生する。サーボモータがACサーボモータの場合には、向きと大きさが交互に代わる交流電流が電線に流れるため、電磁石もそれに伴ってN極とS極とが切り替わる。ロータにも永久磁石が埋め込まれている。ACサーボモータのステータに交流電量が流れると、コアが時間によってN極とS極になり、ロータの永久磁石(N極、S極)を引き付けたり、あるいは反発させたりしながら、ロータを回転させる。
回転検出器であるエンコーダは、ロータ(回転子)の回転位置、回転速度を検出しており、エンコーダで検出した位置情報をコントローラへフィードバックすることでロータの位置を制御する。
【0035】
ここではACサーボモータを例にして説明したが、本実施形態においてDCサーボモータの適用を排除するものではない。また、ACサーボモータとして、ロータに永久磁石を用いる同期型を例にして説明したが、本実施形態において、永久磁石を用いない誘導型のACサーボモータの適用を排除するものではない。
【0036】
[制御部7]
取出装置1は、駆動部5の第1サーボモータ50、第2サーボモータ60および第3サーボモータ70の回転動作の制御を通じて、リンク部3の動作を制御する制御部7を備えている。制御部7は、ロードセル39から送られる測定情報と基準情報とを比較することにより、正常な把持に加えて、製品Pの状態を判断する。
制御部7は、リンク部3の動作を制御、測定情報と自身が保持する基準情報との比較のためのプログラムを保持するとともに、基準情報を保持している。制御部7は、これ以外にもリンク部3の動作に必要な種々の情報を保持することができる。
【0037】
[取出装置1の動作:図3図4
次に、図3および図4を参照して取出装置1により可動金型M1から製品Pの取り出し動作と、取り出された製品Pを所定の受け渡し場所に移動させるまでの受け渡し動作と、を順に説明する。
【0038】
<取り出し動作:図3(a),(b)>
取り出し動作は、図3(a)に示すように、第4リンク40の第2リンク片43が製品Pに対峙するように、第1リンク10~第4リンク40が位置決めされることで始められる。なお、可動金型M1は固定金型M2(図1)とともに鋳造金型を構成し、製品Pが鋳造された後に可動金型M1は固定金型M2から離れ、図3(a)の製品Pの取り出し位置まで移動する。ここまでの間は、取出装置1の第1リンク10~第4リンク40は、可動金型M1が固定金型M2に対向する領域から離れた位置で待機している。そして、可動金型M1が製品Pの取り出し位置まで移動した後に、第1リンク10~第4リンク40は、図3(a)の取り出しを待機する位置に移動する。この取り出しを待機する第1位置(1stP)において、第4リンク40のチャック45は、製品Pを把持できるところまで前進して待機し、製品Pの一部を把持する。第1位置および後述する第2位置~第4位置は予め定められている。
【0039】
チャック45が製品Pを把持した後に、製品Pを可動金型M1から取り出し、さらに製品Pを可動金型M1から離れるように第1リンク10~第4リンク40を動作させる。この製品Pの後退動作は、第4リンク40に把持される製品Pが直線からなる移動軌跡に従って行われる。第4リンク40の直線上の後退は、取り出した製品Pが、図示を省略する周囲の部材に衝突するのを避けるためのものである。この後退動作は、図3(b)に示される後退限度である第2位置(2ndP)まで行われ、第2位置に至ると、第1サーボモータ50、第2サーボモータ60および第3サーボモータ70は、それぞれの動作が一旦は停止される。
この第1位置(図3(a))から第2位置(図3(b))までの第1動作は、第1サーボモータ50~第3サーボモータ70のそれぞれの回転を同期させることにより行われる。第2位置から以後の動作も、第1サーボモータ50~第3サーボモータ70のそれぞれの回転を同期させることにより行われるが、これについては図5を参照しながら後述する。
【0040】
<受け渡し動作:図4(a),(b)>
製品Pが第2位置まで後退すると、取出装置1は製品Pの受け渡し場所である第4位置(4thP)まで製品Pを移動させ、かつ、受け渡し場所に製品Pを置く。これが取出装置1における受け渡し動作である。
受け渡し動作は、図4(a)に示すように、第1リンク10~第4リンク40を動作させることにより、製品Pの向きをそれまでと同様に維持したままで、可動金型M1から離れるように幅方向Wに退避する第3位置(3rdP)まで製品Pを移動させる。これが本発明の第2動作に対応する。第3位置まで製品Pが移動すると、第1サーボモータ50~第3サーボモータ70のそれぞれの動作が一旦は停止される。第2位置から第3位置までの移動の間、製品Pは第1位置から第2位置までの移動と同様に、前方Fを向いている。つまり、第1位置から第3位置までは製品Pの向きが維持される。
【0041】
図4(a)に示される第3位置において、制御部7はロードセル39から取得する測定情報と自身が保持する基準情報とを比較することにより、チャック45が製品Pを正常に把持しているか否かをおよび製品Pの状態を判断する。
製品Pの把持および製品Pの状態が正常であれば、制御部7は第3位置から第4位置までの移動を継続する。製品Pの把持および製品Pの状態のいずれかが異常であれば、制御部7は第3位置から第4位置までの移動を中止するとともに、異常があることを警告音、警告表示などの手段で、取出装置1のオペレータに知らせる。オペレータは、異常があることを知ると、以上の内容に応じた処置を施す。
【0042】
制御部7は、製品Pの把持および製品Pの状態が正常であれば、図4(b)に示される製品Pを受け渡す第4位置(4thP)まで製品Pを移動させる。これが本願発明の第3動作に対応する。この移動により、製品Pは第3位置よりも可動金型M1から幅方向Wに退避する。また、この移動の過程で、製品Pは第3位置までとは向きを90°だけ変え、図中の右方向を向く。第4位置まで製品Pが移動すると、制御部7はチャック45の爪45A,45Bの間隔を広げることで製品Pの把持を解いて、製品Pを置く。第4位置に置かれた製品Pは、図示を省略する搬送装置などによって他の位置まで移動させられ、必要な処理が施される。
【0043】
以上の動作は、制御部7の第1サーボモータ50~第3サーボモータ70を同期制御することによって行われる。ここで同期制御とは、基本となる軸(主軸)に対して従軸を同期させる制御をいう。同期制御では、主軸の移動量(フィードバック)に応じて従軸を動作させ、フィードバックを使用しているため、主軸に対して正確に従軸を追従させることが可能となる。本実施形態においては、第1サーボモータ50と第2サーボモータ60が主軸と従軸の関係にあり、かつ、第2サーボモータ60と第3サーボモータ70が主軸と従軸の関係にある。
【0044】
[第1リンク10~第3リンク30の動作:図5図6
次に、図5および図6を参照して、製品Pの取り出しから受け渡しまでの過程における第1リンク10、第2リンク20および第3リンク30の動作について説明する。なお、図5(a)が第1位置、図5(b)が第2位置、図6(c)が第3位置、図6(d)が第4位置を示している。また、ここでは第3リンク30の先端に製品Pがいるものと仮定する。
【0045】
<第1位置から第2位置への移動:図5(a),(b)>
第1リンク10~第3リンク30が図5(a)の第1位置から図5(b)の第2位置まで移動する間には、製品Pは一点鎖線で示される直線からなる移動軌跡を移動する。第1位置から第2位置まで移動する間に、第1リンク10、第2リンク20および第3リンク30は同期して動作される。同期しての動作とは、第1リンク10が第1位置に対応する位置から第2位置に対応する位置に移動するまでの間に、第2リンク20が第1位置に対応する位置から第2位置に対応する位置まで移動し、かつ、第3リンク30が第1位置に対応する位置から第2位置に対応する位置まで移動することをいう。第2位置から第3位置までの移動および第3位置から第4位置までの移動における同期した移動も同様の意味を有する。
【0046】
第1位置および第2位置において、以下の各値が予め設定される。なお、図5(a)の第2リンク20は幅方向Wと平行をなしている例を示している。
α:可動金型M1から取り出された製品Pが直線状に移動する距離(取出距離)
β:進入位置(可動金型M1の位置により、図中の上側または下側に変位する。)
R1:第1リンク10の長さ
R2:第2リンク20の長さ
R3:第2リンク30の長さ
θ1:第1位置における第1リンク10と前後方向Lがなす角度
θ2:第1位置における第2リンク20と第1リンク10がなす角度
θ3:第1位置における第3リンク30と第2リンク20がなす角度
θ4:第1位置における第1リンク10の前後方向Lがなす角度
【0047】
次に、第1位置(図5(a))から第2位置(図5(b))に移動する過程における角度は以下のように定義される。なお、第1位置から第2位置までの回転は反時計回りである。また、第1リンク10、第2リンク20および第3リンク30が回転する角度は、第1サーボモータ50の第2回転軸53、第2サーボモータ60の第2回転軸63および第3サーボモータ70の第2回転軸73が回転する角度である。
θ11:第2位置における第1リンク10の前後方向Lに対する角度
θ1a:第1位置から第2位置に移動するのに第1リンク10が回転する角度
θ21:第2位置における第2リンク20と第1リンク10がなす角度
θ2a:第1位置から第2位置に移動するのに第2リンク20が回転する角度
θ31:第2位置における第2リンク20と第3リンク30がなす角度
θ3a:第1位置から第2位置に移動するのに第3リンク30が回転する角度
【0048】
第1位置から第2位置までの間、直線状の後退を行うために、第3リンク30は前後方向Lに平行移動する。したがって、第1位置から第2位置まで角度θ4は維持される。
【0049】
第1リンク10は、角度θ4が維持されることを前提として、当初の角度θ1から角度θ11まで一定幅、例えば1度ずつ増加する回転運動をする。そして、第1位置から第2位置までの間に第1リンク10が回転する角度θ1a(=θ1-θ11)は取出距離αにより定まる。ここで、寸法a、寸法bと第1リンク10の回転に関する角度とはそれぞれ以下の式(1),(2)の関係を有する。
a=sinθ11×R1-Sinθ1×R1 …(1)
b=R2-a=sinθ11×R1-Sinθ1×R1 …(2)
【0050】
第1リンク10の回転、移動と同期して、第2リンク20も反時計回りに回転、移動する。この移動は、第1リンク10の回転に伴って第2リンク20の回転中心が移動するために、単純な回転動作とはならず、その先端は第1リンク10の回転動作と第2リンク20の回転動作が合成された軌跡を移動する。
具体的に第2リンク20については、以下の式(3)および式(4)が成り立つので、その回転する角度θ2aは式(5)により特定される。
θ2a=cos-1(b/R2) …(3)
θ21=θ2-θ2a+θ1a …(4)
θ2a=θ2-θ21+θ1a …(5)
【0051】
第1リンク10、第2リンク20の回転移動と同期して、第3リンク30は反時計回りに回転、移動する。ここで、第3リンク30は前述したように平行移動するので、第1位置(図5(a))における角度θ4は第2位置(図5(b))においても維持される。したがって、角度θ3の回転角度は第2リンク20の回転角度のみに依存する。第1位置から第2位置までの第2リンク20の角度はθ2aである。したがって、図5(a),(b)を参照すると式(6)が明らであり、これにより第3リンク30の回転する角度θ3aは式(7)で特定される。
θ31=θ3-θ2a …(6)
θ3a=θ3-θ31=θ2a …(7)
【0052】
<第2位置から第3位置への移動:図5(b),図6(c)>
第1リンク10~第3リンク30が図5(b)の第2位置から図6(c)の第3位置まで移動する間には、製品Pは直線からなる移動軌跡から幅方向Wに離れる。この間に、第1リンク10が反時計回りに所定の角度だけ回転して前後方向Lとなす角度がθ12となる。このときの回転量は、第1位置から第2位置までのときに比べて大きい。第1リンク10のこの移動も、第1リンク10の回転中心が固定されているので、単純な回転動作である。
【0053】
第1リンク10の回転、移動と同期して、第2リンク20は反時計回りに回転、移動する。この移動も、第1リンク10の回転に伴って第2リンク20の回転中心が移動するために、単純な回転動作とはならず、その先端は第1リンク10の回転動作と第2リンク20の回転動作が合成された軌跡を移動する。
第1リンク10、第2リンク20の回転移動と同期して、第3リンク30は時計回りに回転、移動する。この回転の量も、図5(b)と図6(c)を比較すれば分かるように、微小である。ただし、第1リンク10および第2リンク20の反時計回りの回転が重畳されるので、第3リンク30の先端の右向きの移動量は大きい。
【0054】
<第3位置から第4位置への移動:図6(c),(d)>
第1リンク10~第3リンク30が図6(c)の第3位置から図6(d)の第4位置まで移動する間には、製品Pは直線からなる移動軌跡から幅方向Wにさらに離れる。この間に、第1リンク10は時計回りに所定の角度だけ回転する。このときの回転量は、第2位置から第3位置までのときに比べて小さい。第1リンク10のこの移動も、第1リンク10の回転中心が固定されているので、単純な回転動作である。この移動は図6(d)にθ13として示されている。
【0055】
第1リンク10の回転、移動と同期して、第2リンク20も時計回りに回転、移動する。この移動も、第1リンク10の回転に伴って第2リンク20の回転中心が移動するために、単純な回転動作とはならず、その先端は第1リンク10の回転動作と第2リンク20の回転動作が合成された軌跡を移動する。この移動は図6(d)にθ23として示されている。
第1リンク10、第2リンク20の回転移動と同期して、第3リンク30も時計回りに回転、移動する。この回転の量は、図6(c)と図6(d)を比較すれば分かるように大きく、かつ、第1リンク10および第2リンク20の時計回りの回転も重畳されるので、第3リンク30の移動量は大きい。この移動は図6(d)にθ33として示されている。
【0056】
[効 果]
以下、本実施形態に係る取出装置1が奏する効果を説明する。
本実施形態によれば、製品Pの取り出しのための直線からなる移動軌跡に従う動作がスカラロボットにより実現される。したがって、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
始めに、設置スペースが広くなるボールねじ機構、ピストン・シリンダ機構などの直動機構を用いるのに比べて、設置スペースの狭い取出装置1を提供できる。
また、ボールねじ機構、ピストン・シリンダ機構などの直動機構に比べると、部品点数が少なくなるため、保守点検が容易になるのに加えて、装置の製作費用を安くできるため、コストダウンにつながる。
また、ボールねじ機構、ピストン・シリンダ機構などの直動機構に比べると、装置の動作をフレキシブルにできるため、高性能である。
【0057】
また、汎用性が非常に高いと言われている産業用ロボットである垂直多関節ロボット(6軸機構が主流)を使用するよりも、4軸機構である取出装置1を含むシステムの設備費用を安くできる。
【0058】
また、水平方向Hにアームが作動する産業用ロボットであって軸数が4軸の汎用のスカラロボットにはダイカストマシンに採用できるような大型サイズのものが存在しないが、本実施形態のスカラロボット型の取出装置1は、小型から大型まであらゆるサイズのダイカストマシンに採用することができる。
【0059】
さらに、取出装置1によれば、リンク部3の第3リンク30に設けたロードセル39を用いて、製品Pの把持状態の検知およびオーバーフローなどの除去状態の検知を行うことができる。したがって、取出装置1によれば、製品Pの把持状態の検知およびオーバーフローなどの除去状態の検知のための装置を省くことができるので、取出装置1の省スペース化および設備費用を軽減できる。
【0060】
さらにまた、取出装置1によれば、取り出し動作および受け渡し動作において、第1サーボモータ50~第3サーボモータ70を同期制御する。これにより、連続動作が可能であること、および、安全動作が可能であるという効果を奏する。
連続動作については、以下の通りである。つまり、同期制御とは異なり、2つの軸動作を位置決め制御で行う場合には、通常は一方の軸が指定位置へ移動し終わったのを確認してから、他方の軸の動作を行う。しかし、同期制御の場合には主軸の現在位置に応じて従軸の位置が決まるため、主軸が1つの動作を完了する前に従軸も動作させる。そのため、目的とする第2位置、第3位置および第4位置までの移動にわたって、無駄な待ち時間がなしで連続動作させることができる。
安全動作については、位置決め制御でそれぞれ同時に動作指示を出す場合は、障害物など何らかの理由で一方の軸が停止しても、他方の軸の動作はそのまま継続される。これに対して。同期制御の場合は主軸のフィードバックに応じて従軸が動作するため、主軸が停止したとすると、それに応じて従軸も停止するので、取出装置1が破損するおそれを小さくできる。
【0061】
上記以外にも、本実施形態の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【0062】
例えば、取出装置1は、鉛直方向Vに沿って揺動運動する第4リンク40を備える。しかし、本発明において、第1リンク10、第2リンク20および第3リンク30を備えていれば、取り出し動作および受け渡し動作を実現できるので、第4リンク40を省いてもよい。
【0063】
また、取出装置1は、第1位置(1stP)から第2位置(2ndP)までの移動が前後方向Lに沿う直線からなる移動軌跡に従うが、本発明はこれに限定されない。つまり、直線からなる移動軌跡に従うとしても、この移動軌跡は前後方向Lに対して微小量だけ傾いていてもよい。また、移動軌跡は直線に限るものではなく、例えば曲率半径の大きい曲線からなる軌跡に従う移動であってもよい。本発明における直線状の移動軌跡とは、これらの移動軌跡を含むものとする。もっとも、これらの場合であっても、製品Pおよび製品Pを把持するチャック45などが周囲の機器、部材に干渉しないことが前提である。
【符号の説明】
【0064】
1 取出装置
3 リンク部
4 ベース
5 駆動部
7 制御部
10 第1リンク
11 基端
13 第1アーム
15 基端
17 軸孔
19 軸孔
20 第2リンク
21 基端
23 第2アーム
25 基端
27 軸孔
29 軸孔
30 第3リンク
31 基端
33 第3アーム
34 軸孔
35 固定端
37 ステー
37A 第1固定片
37B 第2固定片
39 ロードセル
40 第4リンク
41 第1リンク片
43 第2リンク片
45 チャック
45A,45B 爪
46 軸孔
50 第1サーボモータ
51 第1本体
53 第1回転軸
60 第2サーボモータ
61 第2本体
63 第2回転軸
70 第3サーボモータ
71 第3本体
73 第3回転軸
80 第4サーボモータ
81 第4本体
83 第4回転軸
M1 可動金型
M2 固定金型
P 製品
θ1,θ2,θ3,θ4 揺動角度
1stP 第1位置
2ndP 第2位置
3rdP 第3位置
4thP 第4位置
T11,T12,T13,T21,T22,T23,T31,T32,T33 移動
C1,C2,C3,C4 回転軸線
H 水平方向
V 鉛直方向
L 前後方向
W 幅方向
T 高さ方向
F 前方
B 後方
図1
図2
図3
図4
図5
図6