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特許7571609発電制御装置、車両、発電制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】発電制御装置、車両、発電制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20241016BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241016BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20241016BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20241016BHJP
   B60L 8/00 20060101ALI20241016BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241016BHJP
【FI】
H02J7/35 F
H02J7/00 P
B60L1/00 L
B60L9/18 P
B60L8/00
B60L50/60
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021025671
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127488
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深井 崇史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅大
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雄真
(72)【発明者】
【氏名】河村 陽章
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-067812(JP,A)
【文献】特開2018-064382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/35
H02J 7/00
B60L 1/00
B60L 9/18
B60L 8/00
B60L 50/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたソーラーパネルが入力側に接続された第一DCDCコンバータと、
前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両を駆動させるための駆動用バッテリが出力側に接続される第二DCDCコンバータと、
前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両の補機を作動させるための補機用バッテリが出力側に接続される第三DCDCコンバータと、
前記第一DCDCコンバータの出力側の電圧が所定値となるように、前記第二DCDCコンバータ及び前記第三DCDCコンバータの何れかの出力電力を制御する制御部と、
を備え
前記制御部は、
前記車両が走行中の場合に、前記電圧が所定値となるように前記第三DCDCコンバータの出力電力を制御する発電制御装置。
【請求項2】
一方が前記第一DCDCコンバータの出力側に接続され、他方が前記車両のグラウンドに接続されたコンデンサを備える請求項1に記載の発電制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記ソーラーパネルからの電力に基づき前記駆動用バッテリが充電中の場合に、前記電圧が所定値となるように前記第二DCDCコンバータの出力電力を制御する請求項1又は2に記載の発電制御装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の発電制御装置と、
車体外装に設置された前記ソーラーパネルと、
前記車体に設けられた前記駆動用バッテリと、
前記車体に設けられた前記補機用バッテリと、
を備える車両。
【請求項5】
車両に搭載されたソーラーパネルが入力側に接続された第一DCDCコンバータと、
前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両を駆動させるための駆動用バッテリが出力側に接続される第二DCDCコンバータと、
前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両の補機を作動させるための補機用バッテリが出力側に接続される第三DCDCコンバータと、をそれぞれ制御する発電制御方法であって、
前記第一DCDCコンバータの出力側の電圧が所定値となるように、前記第二DCDCコンバータ及び前記第三DCDCコンバータの何れかの出力電力を制御し、
前記車両が走行中の場合に、前記電圧が所定値となるように前記第三DCDCコンバータの出力電力を制御する
処理をコンピュータが実行する発電制御方法。
【請求項6】
車両に搭載されたソーラーパネルが入力側に接続された第一DCDCコンバータと、
前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両を駆動させるための駆動用バッテリが出力側に接続される第二DCDCコンバータと、
前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両の補機を作動させるための補機用バッテリが出力側に接続される第三DCDCコンバータと、をそれぞれ制御する制御プログラムであって、
前記第一DCDCコンバータの出力側の電圧が所定値となるように、前記第二DCDCコンバータ及び前記第三DCDCコンバータの何れかの出力電力を制御し、
前記車両が走行中の場合に、前記電圧が所定値となるように前記第三DCDCコンバータの出力電力を制御する
処理をコンピュータに実行させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電制御装置、車両、発電制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車載ソーラー発電システムにおいて、車両の状態に応じてソーラーパネルからの発電電力を駆動用バッテリと、補機バッテリと、ソーラーバッテリの何れかに電力供給させる点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-089100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ソーラーパネルにより発電された電力を駆動用バッテリ及び補機バッテリに充電する場合、特許文献1のシステムではソーラーバッテリの電圧を基準電圧として昇降圧制御を行うことで、駆動用バッテリ及び補機バッテリに対する安定した電力供給が可能である。しかしながら、コスト削減のためにソーラーバッテリを廃した場合、ソーラーパネルから供給される変動する電力を基に駆動用バッテリ及び補機バッテリの効率的な充電を実現するには、ソーラーパネルと各バッテリとの間に基準電圧を作る必要がある。
【0005】
本発明は、ソーラーパネルとバッテリとの間に基準電圧を作ることにより、バッテリへの効率的な給電を可能とする発電制御装置、車両、発電制御方法及び制御プログラムを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発電制御装置は、車両に搭載されたソーラーパネルが入力側に接続された第一DCDCコンバータと、前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両を駆動させるための駆動用バッテリが出力側に接続される第二DCDCコンバータと、前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両の補機を作動させるための補機用バッテリが出力側に接続される第三DCDCコンバータと、前記第一DCDCコンバータの出力側の電圧が所定値となるように、前記第二DCDCコンバータ及び前記第三DCDCコンバータの何れかの出力電力を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記車両が走行中の場合に、前記電圧が所定値となるように前記第三DCDCコンバータの出力電力を制御する
【0007】
請求項1に記載の発電制御装置は、第一DCDCコンバータと、第二DCDCコンバータと、第三DCDCコンバータとを含む。当該発電制御装置においては、ソーラーパネルから駆動用バッテリに向けて、ソーラーパネル、第一DCDCコンバータ、第二DCDCコンバータ、駆動用バッテリの順に接続されている。また、ソーラーパネルから補機バッテリに向けて、ソーラーパネル、第一DCDCコンバータ、第三DCDCコンバータ、補機バッテリの順に接続されている。ここで、駆動用バッテリ及び補機バッテリへの電力の供給元となる第一DCDCコンバータの出力側の電圧が所定値となるように、制御部が出力電力を制御する。つまり、当該発電制御装置によれば、ソーラーパネルと各バッテリとの間に基準電圧を作ることにより、各バッテリへの効率的な給電を行うことができる。また、車両の走行中において、補機類に向けて効率的な給電を行うことができる。
【0008】
請求項2に記載の発電制御装置は、請求項1に記載の発電制御装置において、一方が前記第一DCDCコンバータの出力側に接続され、他方が前記車両のグラウンドに接続されたコンデンサを備えている。
【0009】
請求項2に記載の発電制御装置は、駆動用バッテリ及び補機バッテリへの電力の供給元となる第一DCDCコンバータの出力側と、グラウンドとの間にコンデンサが設けられている。そのため、当該発電制御装置によれば、コンデンサを設けることにより、ソーラーパネルにおいて発電される電力の変動による基準電圧の変動を抑制することができる。
【0014】
請求項3に記載の発電制御装置は、請求項1又は2に記載の発電制御装置において、前記制御部は、前記ソーラーパネルからの電力に基づき前記駆動用バッテリが充電中の場合に、前記電圧が所定値となるように前記第二DCDCコンバータの出力電力を制御する。
【0015】
請求項3に記載の発電制御装置によれば、駆動用バッテリが充電中の場合において、第二DCDCコンバータの電圧を所定値に制御することで、第三DCDCコンバータから補機類に向けて効率的な給電を行うことができる。
【0016】
請求項4に記載の車両は、請求項1~3の何れか1項に記載の発電制御装置と、車体外装に設置された前記ソーラーパネルと、前記車体に設けられた前記駆動用バッテリと、前記車体に設けられた前記補機用バッテリと、を備えている。
【0017】
請求項4に記載の車両は、ソーラーパネルと各バッテリとの間に基準電圧を作ることにより、車両の各バッテリへの効率的な給電を行うことができる。
【0018】
請求項5に記載の発電制御方法は、車両に搭載されたソーラーパネルが入力側に接続された第一DCDCコンバータと、前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両を駆動させるための駆動用バッテリが出力側に接続される第二DCDCコンバータと、前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両の補機を作動させるための補機用バッテリが出力側に接続される第三DCDCコンバータと、をそれぞれ制御する発電制御方法であって、前記第一DCDCコンバータの出力側の電圧が所定値となるように、前記第二DCDCコンバータ及び前記第三DCDCコンバータの何れかの出力電力を制御し、前記車両が走行中の場合に、前記電圧が所定値となるように前記第三DCDCコンバータの出力電力を制御する処理をコンピュータが実行する。
【0019】
請求項5に記載の発電制御方法は、第一DCDCコンバータ、第二DCDCコンバータ及び第三DCDCコンバータをそれぞれ制御する方法である。当該発電制御方法が実行される装置においては、ソーラーパネルから駆動用バッテリに向けて、ソーラーパネル、第一DCDCコンバータ、第二DCDCコンバータ、駆動用バッテリの順に接続されている。また、ソーラーパネルから補機バッテリに向けて、ソーラーパネル、第一DCDCコンバータ、第三DCDCコンバータ、補機バッテリの順に接続されている。当該発電制御方法では、駆動用バッテリ及び補機バッテリへの電力の供給元となる第一DCDCコンバータの出力側の電圧が所定値となるように、コンピュータにより出力電力が制御される。つまり、当該発電制御方法によれば、ソーラーパネルと各バッテリとの間に基準電圧を作ることにより、各バッテリへの効率的な給電を行うことができる。また、車両の走行中において、補機類に向けて効率的な給電を行うことができる。
【0020】
請求項6に記載の制御プログラムは、車両に搭載されたソーラーパネルが入力側に接続された第一DCDCコンバータと、前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両を駆動させるための駆動用バッテリが出力側に接続される第二DCDCコンバータと、前記第一DCDCコンバータの出力側が入力側に接続され、前記車両の補機を作動させるための補機用バッテリが出力側に接続される第三DCDCコンバータと、をそれぞれ制御する制御プログラムであって、前記第一DCDCコンバータの出力側の電圧が所定値となるように、前記第二DCDCコンバータ及び前記第三DCDCコンバータの何れかの出力電力を制御し、前記車両が走行中の場合に、前記電圧が所定値となるように前記第三DCDCコンバータの出力電力を制御する処理をコンピュータに実行させる。
【0021】
請求項6に記載の制御プログラムは、第一DCDCコンバータ、第二DCDCコンバータ及び第三DCDCコンバータをそれぞれ制御するプログラムである。当該制御プログラムが実行される装置においては、ソーラーパネルから駆動用バッテリに向けて、ソーラーパネル、第一DCDCコンバータ、第二DCDCコンバータ、駆動用バッテリの順に接続されている。また、ソーラーパネルから補機バッテリに向けて、ソーラーパネル、第一DCDCコンバータ、第三DCDCコンバータ、補機バッテリの順に接続されている。当該制御プログラムでは、駆動用バッテリ及び補機バッテリへの電力の供給元となる第一DCDCコンバータの出力側の電圧が所定値となるように、コンピュータが出力電力を制御する。つまり、当該制御プログラムによれば、ソーラーパネルと各バッテリとの間に基準電圧を作ることにより、各バッテリへの効率的な給電を行うことができる。また、車両の走行中において、補機類に向けて効率的な給電を行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ソーラーパネルとバッテリとの間に基準電圧を作ることにより、バッテリへの効率的な給電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1の実施形態に係る車両及び発電制御システムの概略構成図である。
図2】第1の実施形態の制御部におけるROMの構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態における条件テーブルを説明する図である。
図4】第1の実施形態の制御部におけるCPUの機能構成を示すブロック図である。
図5】第1の実施形態における電力制御処理の流れを示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態における監視処理の流れを示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態におけるゲイン補正処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0025】
[第1の実施形態]
図1に示されるように、第1の実施形態の発電制御システム10は、車両11に搭載されている。車両11は、EV(Electric Vehicle)又はHV(Hybrid Vehicle)が例示される。本実施形態の車両11は、ソーラーパネル14を備えており、ソーラーパネル14において発電された電力を車両11の駆動装置群30及び補機類32等に給電することができる。また、本実施形態では、ソーラーパネル14において発電された電力により、後述する駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18を充電することができる。
【0026】
発電制御システム10は、発電制御装置としてのソーラーECU12、ソーラーパネル14、駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18を含んで構成されている。ソーラーECU12は、ソーラーパネル14において発電された電力を制御する機能を有している。ソーラーECU12の詳細については後述する。
【0027】
ソーラーパネル14は、太陽光の照射を受けて発電する発電装置である太陽電池モジュールである。ソーラーパネル14は、例えば車両11の外装であるルーフ等に設置されている。ソーラーパネル14はソーラーECU12に設けられた後述するソーラーDCDCコンバータ22に対して接続されている。
【0028】
駆動用バッテリ16は、車両11の駆動に関わる走行モータ等の駆動装置群30を動作させるための高電圧のバッテリであり、例えばリチウム電池やニッケル水素電池などの充放電可能な二次電池で構成されている。駆動用バッテリ16は、ソーラーECU12に設けられた後述する昇圧DCDCコンバータ24に接続されており、昇圧DCDCコンバータ24から電力の供給を受ける。また、駆動用バッテリ16は、駆動装置群30を構成するパワーコントロールユニットを介して走行モータに接続されており、車両11の加速時には走行モータに電力を供給したり、減速時には走行モータから電力の供給を受けたりする。
【0029】
補機バッテリ18は、車両11の駆動に関わる機器以外の補機類32を動作させることができるバッテリであり、例えばリチウムイオン電池や鉛蓄電池などの充放電可能な二次電池で構成されている。補機バッテリ18は、ソーラーECU12に設けられた後述する補機DCDCコンバータ26に接続されており、補機DCDCコンバータ26から電力の供給を受ける。また、補機バッテリ18は、車両11の補機類32に接続されており、補機類32に対して電力を供給する。
【0030】
ソーラーECU12は、ソーラーパネル14と、駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18との間に設けられ、ソーラーパネル14において発電された電力を駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18に供給する機能を有している。ソーラーECU12は、制御部20、ソーラーDCDCコンバータ22、昇圧DCDCコンバータ24、補機DCDCコンバータ26、及びコンデンサ28を含んで構成されている。ソーラーDCDCコンバータ22は第一DCDCコンバータの一例であり、昇圧DCDCコンバータ24は第二DCDCコンバータの一例であり、補機DCDCコンバータ26は第三DCDCコンバータの一例である。
【0031】
ソーラーDCDCコンバータ22は、ソーラーパネル14で発電された電力を、昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26に供給する機能を有している。ソーラーDCDCコンバータ22は、入力側にソーラーパネル14が接続され、出力側に昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26が接続されている。電力供給の際、ソーラーDCDCコンバータ22は、入力電圧であるソーラーパネル14の発電電圧を、制御部20からの指示に基づく所定の電圧に変換(昇圧/降圧)して、昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26に出力する。
【0032】
昇圧DCDCコンバータ24は、ソーラーDCDCコンバータ22が出力する電力を、駆動用バッテリ16に供給する機能を有している。昇圧DCDCコンバータ24は、入力側にソーラーDCDCコンバータ22が接続され、出力側に駆動用バッテリ16が接続されている。電力供給の際、昇圧DCDCコンバータ24は、入力電圧であるソーラーDCDCコンバータ22の出力電圧を、制御部20からの指示に基づく所定の電圧に変換(昇圧)して、駆動用バッテリ16に出力する。
【0033】
補機DCDCコンバータ26は、ソーラーDCDCコンバータ22が出力する電力を、補機バッテリ18に供給する機能を有している。補機DCDCコンバータ26は、入力側にソーラーDCDCコンバータ22が接続され、出力側に補機バッテリ18が接続されている。電力供給の際、補機DCDCコンバータ26は、入力電圧であるソーラーDCDCコンバータ22の出力電圧を、制御部20からの指示に基づく所定の電圧に変換(降圧)して、補機バッテリ18に出力する。
【0034】
コンデンサ28は、ソーラーDCDCコンバータ22の出力側と、グラウンドGとの間に挿入されている。ソーラーパネル14と、駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18との間の中間部の電圧を中間電圧Vとすると、コンデンサ28は、ソーラーパネル14において発電される電力の変動による中間電圧Vの変動を抑制する。中間電圧Vは、ソーラーDCDCコンバータ22の出力側、かつ昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26の入力側の電圧となる。つまり、中間電圧Vは、駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18を充電する際の基準電圧となる。
【0035】
制御部20は、例えばマイコンで構成され、ソーラーDCDCコンバータ22、昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26を制御する機能を有している。これにより、制御部20は、ソーラーパネル14で発電される電力(電圧、電流)を、駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18に給電し、駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18を充電する。
【0036】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、入出力I/F(Inter Face)20D及び通信I/F20Eを含んで構成されている。CPU20A、ROM20B、RAM20C、入出力I/F20D及び通信I/F20Eは、内部バス20Fを介して相互に通信可能に接続されている。
【0037】
CPU20Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20Aは、ROM20Bからプログラムを読み出し、RAM20Cを作業領域としてプログラムを実行する。
【0038】
ROM20Bは、各種プログラム及び各種データを記憶している。図2に示されるように、本実施形態のROM20Bには、制御プログラム100、条件テーブル110、設定データ120及び監視データ130が記憶されている。
【0039】
制御プログラム100は、制御部20を制御するためのプログラムである。制御プログラムにより制御される制御部20がソーラーDCDCコンバータ22、昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26を制御する。
【0040】
条件テーブル110は、ソーラーDCDCコンバータ22、昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26の制御条件を記憶したテーブルである。図3に示されるように、条件テーブル110には、車両11の走行状態及び給電状態に応じた複数の制御条件が記憶されている。
【0041】
具体的に、走行状態は、車両11の「停車中」と「走行中」の区分を含む。給電状態は走行状態に応じて複数設定されている。まず、停車中の給電状態として、ソーラーパネル14による充電が準備中であることを示す「充電準備中」と、駆動用バッテリ16に充電される「駆動用バッテリ充電」とを含む。また、走行中の給電状態として、補機バッテリに給電される「補機バッテリ給電」と、日射が無く給電を停止することを示す「日射無し」とを含む。
【0042】
ここで、ソーラーDCDCコンバータ22は、日射無し以外の充電準備中、駆動用バッテリ充電及び補機バッテリ給電の各給電状態においてMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御を行うように規定されている。MPPT制御は、ソーラーパネル14の発電の際に出力を最大化できる最適な電流値及び電圧値を求める制御である。
【0043】
また、昇圧DCDCコンバータ24は、駆動用バッテリ充電において中間電圧維持制御を行い、他の給電状態においては制御を停止するように規定されている。中間電圧維持制御は、中間電圧Vが所定の電圧値に保たれるように、DCDCコンバータから出力される電力を調整する制御である。つまり、中間電圧維持制御は、入力値を電圧(中間電圧V)とし、操作値を電力とするフィードバック制御である。
【0044】
また、補機DCDCコンバータ26は、充電準備中及び補機バッテリ給電において中間電圧維持制御を行い、駆動用バッテリ充電において給電電力維持制御を行い、日射無しにおいては制御を停止するように規定されている。給電電力維持制御は、DCDCコンバータから出力する電力が一定に保たれるように調整する制御である。つまり、給電電力維持制御は、入力値及び操作値を電力とするフィードバック制御である。
【0045】
図2に示されるように、設定データ120は、中間電圧維持制御としてのPID制御における制御パラメータである、Pゲイン(比例ゲイン)、Iゲイン(積分ゲイン)及びDゲイン(微分ゲイン)の各ゲイン値を記憶している。設定データ120は、中間電圧維持制御が適用される昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26のそれぞれのゲイン値を記憶している。
【0046】
監視データ130は、中間電圧維持制御においてフィードバックされる中間電圧Vを記憶したデータである。
【0047】
図1に示されるように、RAM20Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0048】
入出力I/F20Dは、ソーラーECU12が有するソーラーDCDCコンバータ22、昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26のそれぞれと通信するためのインタフェースである。
【0049】
通信I/F20Eは、車両11の走行を制御する車両走行制御ECU34と接続するためのインタフェースである。当該インタフェースは、例えば、CANプロトコルによる通信規格が用いられる。通信I/F20Eは、外部バス20Hに対して接続されている。なお、通信I/F20Eに接続される車両走行制御ECU34は、1つのECUに限らず、複数のECUであってもよい。また、通信I/F20Eは、例えば、5G、LTE、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格の通信モジュールに接続されていてもよい。これにより、車両11の外の装置に対して、中間電圧Vのデータを送信することができる。
【0050】
なお、制御部20は、ROM20Bに加えて又はROM20Bに代えて記憶部としてのストレージを含んでいてもよい。このストレージは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成される。
【0051】
図4に示されるように本実施形態の制御部20では、CPU20Aが、制御プログラム100を実行することで、設定部200、調整部210及び補正部220として機能する。
【0052】
設定部200は、ソーラーDCDCコンバータ22、昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26の制御方式を設定する機能を有している。具体的に、設定部200は、条件テーブル110を参照して取得した車両11の走行状態及び給電状態に対応する制御方式を設定する。
【0053】
調整部210は、設定部200により設定された制御方法に基づいてソーラーDCDCコンバータ22、昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26の各々の出力を調整する機能を有している。特に、昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26が中間電圧維持制御を行う場合、調整部210は各ゲイン値に基づいて中間電圧Vが所定の目標値となるように調整する。
【0054】
補正部220は、設定データ120に記憶されたPゲイン、Iゲイン及びDゲインの各ゲイン値を補正する機能を有している。補正部220は前回の補正の実行から所定期間が経過した場合を契機に補正を実行する。
【0055】
(制御の流れ)
本実施形態の制御部20において実行される処理の流れについて、図5図7のフローチャートを用いて説明する。制御部20における処理は、CPU20Aが、上述した設定部200、調整部210及び補正部220として機能することにより実現される。
【0056】
まず、図5の電力制御処理について説明する。
図5のステップS100において、CPU20Aは走行状態を取得する。具体的に、CPU20Aは、車両走行制御ECU34から車両11の走行状態を取得する。
【0057】
ステップS101において、CPU20Aは取得した走行状態を基に給電状態を決定する。具体的に、CPU20Aは、条件テーブル110を参照して、(1)走行状態が停車中の場合における「充電準備中」、(2)走行状態が停車中の場合における「駆動用バッテリ充電」、(3)走行状態が走行中の場合における「補機バッテリ給電」、(4)走行状態が走行中の場合における「日射無し」、の何れかの給電状態を決定する。
【0058】
ステップS102において、CPU20Aは給電状態に応じた制御を実行する。すなわち、CPU20Aは、給電状態に応じてソーラーDCDCコンバータ22、昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26のそれぞれの制御を実行する。そして、ステップS100に戻る。
【0059】
次に、図6の監視処理について説明する。当該監視処理では、補機DCDCコンバータ26、昇圧DCDCコンバータ24の順にゲイン値の補正の可否及び補正に係る処理を実行する。
【0060】
まず、図6のステップS200において、CPU20Aは前回の補機DCDCコンバータ26のゲイン値の補正から所定期間が経過したか否かを判定する。CPU20Aは所定期間が経過したと判定した場合(ステップS200でYESの場合)、ステップS201に進む。一方、CPU20Aは所定期間が経過していないと判定した場合(ステップS200でNOの場合)、ステップS204に進む。
【0061】
ステップS201において、CPU20Aは給電状態を取得する。
【0062】
ステップS202において、CPU20Aは給電状態が補機類32及び補機バッテリ18に給電を行う補機バッテリ給電であるか否かの判定を実行する。CPU20Aは給電状態が補機バッテリ給電と判定した場合(ステップS202でYESの場合)、ステップS203に進む。一方、CPU20Aは給電状態が補機バッテリ給電ではないと判定した場合(ステップS202でNOの場合)、ステップS204に進む。
【0063】
ステップS203において、CPU20Aはゲイン補正処理を実行する。ゲイン補正処理の詳細については後述する。
【0064】
ステップS204において、CPU20Aは前回の昇圧DCDCコンバータ24のゲイン値の補正から所定期間が経過したか否かを判定する。CPU20Aは所定期間が経過したと判定した場合(ステップS204でYESの場合)、ステップS205に進む。一方、CPU20Aは所定期間が経過していないと判定した場合(ステップS204でNOの場合)、監視処理を終了させる。
【0065】
ステップS205において、CPU20Aは給電状態を取得する。
【0066】
ステップS206において、CPU20Aは給電状態が駆動用バッテリ16を充電している駆動用バッテリ充電であるか否かの判定を実行する。CPU20Aは給電状態が駆動用バッテリ充電であると判定した場合(ステップS206でYESの場合)、ステップS207に進む。一方、CPU20Aは給電状態が駆動用バッテリ充電ではないと判定した場合(ステップS206でNOの場合)、監視処理を終了させる。
【0067】
ステップS207において、CPU20Aはゲイン補正処理を実行する。ゲイン補正処理の詳細については後述する。そして、CPU20Aは監視処理を終了させる。
【0068】
次に、図7のゲイン補正処理について説明する。
図7のステップS300において、CPU20Aは現在のフィードバック制御におけるオーバーシュート値及び電圧安定時間を最適解に設定する。
【0069】
ステップS301において、CPU20Aは限界感度法に基づいてゲイン値を正方向に変更してフィードバック制御を実行する。
【0070】
ステップS302において、CPU20AはROM20Bに記憶されたゲイン値よりもオーバーシュート値及び電圧安定時間が改善されたか否かを判定する。CPU20Aはオーバーシュート値及び電圧安定時間が改善されたと判定した場合、ステップS303に進む。一方、CPU20Aはオーバーシュート値及び電圧安定時間が改善されていないと判定した場合、ステップS304に進む。
【0071】
ステップS303において、CPU20AはステップS301において変更した後のゲイン値を最適なゲイン値としてROM20Bに記憶する。
【0072】
ステップS304において、CPU20Aは規定回数のゲイン値の変更を試行したか否かを判定する。具体的に、CPU20AはステップS301~ステップS303の処理を規定回数実行したか否かの判定を行う。CPU20Aは規定回数のゲイン値の変更を試行したと判定した場合、ステップS305に進む。一方、CPU20Aは規定回数のゲイン値の変更を試行していないと判定した場合、ステップS301に戻る。
【0073】
ステップS305において、CPU20Aは限界感度法に基づいてゲイン値を負方向に変更してフィードバック制御を実行する。
【0074】
ステップS306において、CPU20AはROM20Bに記憶されたゲイン値よりもオーバーシュート値及び電圧安定時間が改善されたか否かを判定する。CPU20Aはオーバーシュート値及び電圧安定時間が改善されたと判定した場合、ステップS307に進む。一方、CPU20Aはオーバーシュート値及び電圧安定時間が改善されていないと判定した場合、ステップS308に進む。
【0075】
ステップS307において、CPU20AはステップS305において変更した後のゲイン値を最適なゲイン値としてROM20Bに記憶する。
【0076】
ステップS308において、CPU20Aは規定回数のゲイン値の変更を試行したか否かを判定する。具体的に、CPU20AはステップS305~ステップS307の処理を規定回数実行したか否かの判定を行う。CPU20Aは規定回数のゲイン値の変更を試行したと判定した場合、ゲイン補正処理を終了して監視処理に戻る。一方、CPU20Aは規定回数のゲイン値の変更を試行していないと判定した場合、ステップS305に戻る。
【0077】
(実施形態のまとめ)
本実施形態のソーラーECU12は、ソーラーDCDCコンバータ22、昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26を含む。このソーラーECU12においては、ソーラーパネル14から駆動用バッテリ16に向けて、ソーラーパネル14、ソーラーDCDCコンバータ22、昇圧DCDCコンバータ24、駆動用バッテリ16の順に接続されている。また、ソーラーパネル14から補機バッテリ18に向けて、ソーラーパネル14、ソーラーDCDCコンバータ22、補機DCDCコンバータ26、補機バッテリ18の順に接続されている。
【0078】
本実施形態では、制御部20が中間電圧維持制御を行うことで、ソーラーDCDCコンバータ22の出力側、かつ昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26の入力側の中間電圧Vを制御する。すなわち、駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18への電力の供給元となるソーラーDCDCコンバータ22の出力側の基準電圧が所定の目標値となるように、制御部20が出力電力を制御する。
【0079】
ここで、制御部20が昇圧DCDCコンバータ24及び補機DCDCコンバータ26の何れに対して中間電圧維持制御を行うかは、条件テーブル110に基づく給電状態に応じて決定される。本実施形態によれば、ソーラーパネル14と各バッテリとの間に基準電圧を作ることができる。これにより、昇圧DCDCコンバータ24においては、電圧の昇圧比を一定に保つことができ、駆動用バッテリ16へ向けての効率的な給電を実現することができる。また、補機DCDCコンバータ26においては、電圧の高圧比を一定に保つことでき、補機バッテリ18に向けての効率的な給電を実現することができる。
【0080】
特に、本実施形態によれば、車両11の走行中において、補機DCDCコンバータ26に対して中間電圧維持制御を行うことで、補機類32に向けて効率的な給電を行うことができる。また、車両11が停車中で、かつソーラーパネル14の充電状態を確認する充電準備中の場合において、補機DCDCコンバータ26に対して中間電圧維持制御を行うことで、補機類32に向けて効率的な給電を行うことができる。
【0081】
一方、本実施形態によれば、駆動用バッテリ16が充電中の場合において、昇圧DCDCコンバータ24に対して中間電圧維持制御を行うことで、補機DCDCコンバータ26から補機類32に向けて効率的な給電を行うことができる。
【0082】
そして、本実施形態によれば、ソーラーパネル14から供給される電力の変動に伴う過渡的な状況において、ソーラーバッテリを搭載することなく中間電圧Vのオーバーシュート及び発振に対応することができる。
【0083】
また、本実施形態のソーラーECU12は、調整部210が中間電圧維持制御としてのPID制御を実行する。具体的に、調整部210は、PID制御における各ゲイン値に基づくフィードバック制御により、中間電圧Vを一定に保持するように昇圧DCDCコンバータ24又は補機DCDCコンバータ26を調整している。そして、本実施形態によれば、補正部220がDCDCコンバータ毎に制御パラメータであるゲイン値を補正することで、バッテリ毎に、充電する際の電力損失を抑制することができる。
【0084】
コンデンサ28の経年による容量低下、個体のばらつき、ソーラーパネル14の劣化、その他回路素子の経年劣化等により、ゲイン値が不適合となる場合がある。これに対し、本実施形態によれば、所定期間毎にゲイン値の補正を実行することにより、バッテリの充電動作における品質を確保することができる。
【0085】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、所定期間の経過を契機に制御パラメータであるゲイン値の補正を実行するように構成されていたが、補正の実行契機はこれに限らない。第2の実施形態では、補正部220がフィードバック制御時の中間電圧Vの波形が適正な状態から外れた場合を契機に補正を実行するように構成されている。
【0086】
具体的に、制御部20のCPU20Aは、フィードバック制御時における中間電圧Vの波形をモニタしており、当該波形が適正な状態から外れた場合にゲイン補正処理を実行する。ここで、波形が適正な状態とは、例えば、オーバーシュート値及び電圧安定時間が予め設定した値を満たす状態をいう。すなわち、本実施形態では、中間電圧維持制御におけるフィードバック制御において、中間電圧Vが目標値に対して過度にオーバーシュートした場合、目標値に収束しない場合に、ゲイン値の補正を実行する。
【0087】
本実施形態によれば、フィードバック制御時の中間電圧Vの波形が適正な状態から外れた場合にゲイン値の補正を実行することにより、バッテリの充電動作における品質を確保することができる。
【0088】
(変形例)
また、第2の実施形態の変形例として、パラメータの補正の要否を車両11の外部の装置で判定する形態がある。本変形例では、通信I/F20Eに対して直接又は他のECUを介して通信モジュールであるDCM(Data Communication Module)を接続することにより、中間電圧Vの波形を車両11外部のサーバに送信することができる。例えば、ディーラーが管理するサーバが車両11の中間電圧Vの波形を取得した場合、ディーラー側でゲイン値の補正の要否を判断することできる。そして、補正が必要と判断した場合、車両11のユーザにディーラーへの入庫を案内することで、ディーラー側でゲイン値の補正を実施することができる。
【0089】
本変形例によれば、外部のサーバにおいて中間電圧Vのフィードバックの状態を監視することで、回路素子の経年劣化によるゲイン値の不適合を遠隔で発見することができる。また、車両11のユーザに通知する機能を備えることにより、ディーラーにおいて、ゲイン値の不適合以外のハードウェアの故障等の検査を実施することができる。
【0090】
[備考]
なお、上記実施形態でCPU20Aがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した各種処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上述した各処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0091】
また、上記実施形態において、各プログラムはコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体に予め記憶(インストール)されている態様で説明した。例えば、制御部20における制御プログラム100は、ROM20Bに予め記憶されている。しかしこれに限らず、各プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0092】
上記実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0093】
11 車両
12 ソーラーECU(発電制御装置)
14 ソーラーパネル
16 駆動用バッテリ
18 補機バッテリ
20 制御部
22 ソーラーDCDCコンバータ(第一DCDCコンバータ)
24 昇圧DCDCコンバータ(第二DCDCコンバータ)
26 補機DCDCコンバータ(第三DCDCコンバータ)
28 コンデンサ
100 制御プログラム
G グラウンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7