(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】運転診断装置及び運転診断方法
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20241016BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20241016BHJP
【FI】
G09B19/00 H
B60K35/00
(21)【出願番号】P 2021038778
(22)【出願日】2021-03-10
【審査請求日】2023-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 周平
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-129091(JP,A)
【文献】特開2002-211265(JP,A)
【文献】特開2015-047983(JP,A)
【文献】特開2008-249796(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0318051(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 9/00- 9/56,
19/00-19/26
B60R 16/02
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行、操舵及び制動の少なくとも一つに基づいて変化する物理量又は所定の操作部材が操作されることにより変化する物理量であり且つ前記車両に設けられた検出部によって検出される検出値を取得する検出値取得部から前記検出値を取得し且つ記録する検出値記録部と、
前記検出値記録部から前記検出値の一部であり且つ当該検出値又は当該検出値に基づく演算値に関する所定条件を満たす特定の前記検出値である特定検出値を抽出する情報抽出部と、
前記特定検出値に対応する前記検出部とは別の前記検出部の検出値を利用せずに、前記特定検出値に基づいてKPI(Key Performance Indicator)を取得するKPI取得部と、
前記KPIに基づいて運転操作得点を演算する得点演算部と、
を備える運転診断装置。
【請求項2】
前記検出値取得部と前記検出値記録部とがインターネットを介して互いに接続された請求項1に記載の運転診断装置。
【請求項3】
前記KPIが、前記特定検出値及び前記特定検出値を用いた演算値である請求項1又は請求項2に記載の運転診断装置。
【請求項4】
前記得点演算部が、複数の前記KPIに基づいて前記運転操作得点を演算する請求項1~3の何れか1項に記載の運転診断装置。
【請求項5】
前記検出値に基づいて、前記車両に発生した特定の挙動であるイベントを特定するイベント特定部を備える請求項1~4の何れか1項に記載の運転診断装置。
【請求項6】
前記運転操作得点及び前記イベント特定部によって特定された前記イベントに関する情報の少なくとも一つを格納し且つインターネットに接続されたデータベース部を備える請求項5に記載の運転診断装置。
【請求項7】
車両の走行、操舵及び制動の少なくとも一つに基づいて変化する物理量又は所定の操作部材が操作されることにより変化する物理量であり且つ前記車両に設けられた検出部によって検出される検出値を取得する検出値取得部から前記検出値を取得するステップ、
前記検出値から当該検出値の一部であり且つ当該検出値又は当該検出値に基づく演算値に関する所定条件を満たす特定の前記検出値である特定検出値を抽出するステップ、
前記特定検出値に対応する前記検出部とは別の前記検出部の検出値を利用せずに、抽出された前記特定検出値に基づいてKPI(Key Performance Indicator)を取得するステップ、及び
前記KPIに基づいて運転操作得点を演算するステップ、
を有する運転診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転診断装置及び運転診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1、2には、車両の走行、操舵及び制動の少なくとも一つに基づいて変化する物理量である検出値に基づいて演算を行い、運転診断結果を取得する運転診断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3593502号公報
【文献】特許第6648304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1、2の運転診断装置は、演算負荷を軽減することに関して改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、演算負荷が小さい運転診断装置及び運転診断方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の運転診断装置は、車両の走行、操舵及び制動の少なくとも一つに基づいて変化する物理量又は所定の操作部材が操作されることにより変化する物理量であり且つ前記車両に設けられた検出部によって検出される検出値を取得する検出値取得部から前記検出値を取得し且つ記録する検出値記録部と、前記検出値記録部から前記検出値の一部であり且つ当該検出値又は当該検出値に基づく演算値に関する所定条件を満たす特定の前記検出値である特定検出値を抽出する情報抽出部と、前記特定検出値に対応する前記検出部とは別の前記検出部の検出値を利用せずに、前記特定検出値に基づいてKPI(Key Performance Indicator)を取得するKPI取得部と、前記KPIに基づいて運転操作得点を演算する得点演算部と、
を備える。
【0007】
請求項1に記載の運転診断装置の検出値記録部は、車両の走行、操舵及び制動の少なくとも一つに基づいて変化する物理量又は所定の操作部材が操作されることにより変化する物理量であり且つ車両に設けられた検出部によって検出される検出値を取得し且つ記録する。さらに情報抽出部が、検出値記録部から検出値の一部であり且つ当該検出値又は当該検出値に基づく演算値に関する所定条件を満たす特定の検出値である特定検出値を抽出する。さらにKPI取得部が、前記特定検出値に対応する前記検出部とは別の前記検出部の検出値を利用せずに、抽出された特定検出値に基づいてKPIを演算する。さらに得点演算部が、KPIに基づいて運転操作得点を演算する。
【0008】
KPI取得部は、検出値の中で特定検出値のみを用いて演算を行う。そのため、全ての検出値を用いて演算を行う場合と比べて、KPI取得部の演算負荷は小さい。従って、請求項1に記載の運転診断装置の演算負荷は小さい。
【0009】
請求項2に記載の発明に係る運転診断装置は、請求項1記載の発明において、前記検出値取得部と前記検出値記録部とがインターネットを介して互いに接続された。
【0010】
請求項2に記載の発明では、検出値取得部と検出値記録部とがインターネットを介して互いに接続されている。そのため、例えば、検出値記録部を備える運転診断装置を、クラウドコンピューティングシステムとして構築可能になる。
【0011】
請求項3に記載の発明に係る運転診断装置は、請求項1又は請求項2の発明において、前記KPIが、前記特定検出値及び前記特定検出値を用いた演算値である。
【0012】
請求項3に記載の発明では、KPI取得部が、特定検出値及び特定検出値を用いた演算値としてKPIを取得する。そのため、KPIを用いた運転診断が可能になる。
【0013】
請求項4に記載の発明に係る運転診断装置は、請求項1~3の何れか1項に記載の発明において、前記得点演算部が、複数の前記KPIに基づいて前記運転操作得点を演算する。
【0014】
請求項4に記載の発明では、得点演算部が、複数のKPIに基づいて運転操作得点を演算する。そのため、運転操作得点を用いた運転診断が可能になる。
【0015】
請求項5に記載の発明に係る運転診断装置は、請求項1~4の何れか1項に記載の発明において、前記検出値に基づいて、前記車両に発生した特定の挙動であるイベントを特定するイベント特定部を備える。
【0016】
請求項5に記載の発明では、検出値に基づいて、車両に発生した特定の挙動であるイベントを特定する。そのため、イベントを用いた運転診断が可能になる。
【0017】
請求項6に記載の発明に係る運転診断装置は、請求項5に記載の発明において、前記運転操作得点及び前記イベント特定部によって特定された前記イベントに関する情報の少なくとも一つを格納し且つインターネットに接続されたデータベース部を備える。
【0018】
請求項6に記載の発明では、運転操作得点及びイベント特定部によって特定されたイベントに関する情報の少なくとも一つが、インターネットに接続されたデータベース部に格納される。そのためベースベース部にアクセス可能な者が、この情報を利用するアプリケーションを開発可能になる。
【0019】
請求項7に記載の発明に係る運転診断方法は、車両の走行、操舵及び制動の少なくとも一つに基づいて変化する物理量又は所定の操作部材が操作されることにより変化する物理量であり且つ前記車両に設けられた検出部によって検出される検出値を取得する検出値取得部から前記検出値を取得するステップ、前記検出値から当該検出値の一部であり且つ当該検出値又は当該検出値に基づく演算値に関する所定条件を満たす特定の前記検出値である特定検出値を抽出するステップ、前記特定検出値に対応する前記検出部とは別の前記検出部の検出値を利用せずに、抽出された前記特定検出値に基づいてKPI(Key Performance Indicator)を取得するステップ、及び前記KPIに基づいて運転操作得点を演算するステップ、を有する。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明に係る運転診断装置及び運転診断方法は、演算負荷が小さい、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る運転診断装置へ検出値を送信可能な車両を示す図である。
【
図2】実施形態に係る運転診断装置、車両及び携帯端末を表す図である。
【
図3】
図2に示される運転診断装置の第1サーバの制御ブロック図である。
【
図4】
図3に示される第2サーバの機能ブロック図である。
【
図5】
図2に示される運転診断装置の第3サーバの機能ブロック図である。
【
図6】
図2に示される運転診断装置の第4サーバの機能ブロック図である。
【
図7】
図2に示される携帯端末の機能ブロック図である。
【
図10】第2サーバが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図11】第4サーバが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図2に示された携帯端末が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図13】携帯端末の表示部に表示された画像を示す図である。
【
図14】携帯端末の表示部に表示された画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る運転診断装置10及び運転診断方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
運転診断装置10とネットワークを介してデータ通信可能な車両30は、
図1に示されるようにECU(Electronic Control Unit)31、車輪速センサ32、アクセル開度センサ33、操舵角センサ35、カメラ36、GPS(Global Positioning System)受信機37及び無線通信装置(検出値取得部)38を有する。運転診断装置10による診断を受信可能な車両30には車両IDが付されている。本実施形態では、運転診断装置10による診断を受信可能な少なくとも一台の車両30は、主体Aにより製造される。車輪速センサ32、アクセル開度センサ33、操舵角センサ35、カメラ36、GPS受信機37及び無線通信装置38はECU31に接続されている。ECU31は、CPU、ROM、RAM、ストレージ、通信I/F及び入出力I/Fを含んで構成されている。ECU31のCPU、ROM、RAM、ストレージ、通信I/F及び入出力I/Fは、バスを介して相互に通信可能に接続されている。上記ネットワークは、通信事業者の通信網及びインターネット網を含んでいる。車両30の無線通信装置38及び後述する携帯端末50は、上記ネットワークを介したデータ通信を行う。
【0024】
車輪速センサ32(検出部)、アクセル開度センサ33(検出部)、操舵角センサ35(検出部)及びGPS受信機37(検出部)は、車両30の走行、操舵及び制動の少なくとも一つに基づいて変化する物理量又は所定の操作部材(例えば、シフトレバー)が操作されることにより変化する物理量を、所定時間が経過する毎に繰り返し検出する。車両30には4つの車輪速センサ32が設けられている。各車輪速センサ32は車両30の4つの車輪の車輪速をそれぞれ検出する。アクセル開度センサ33はアクセル開度を検出する。操舵角センサ35はステアリングホイールの操舵角を検出する。GPS受信機37はGPS衛星から送信されたGPS信号を受信することにより、車両30が走行している位置に関する情報(以下、「位置情報」と呼ぶ)を取得する。車輪速センサ32、アクセル開度センサ33、操舵角センサ35及びGPS受信機37が検出した検出値は、車両30に設けられたCAN(Controller Area Network)を介してECU31に送信され且つECU31のストレージに保存される。さらにカメラ36は、所定時間が経過する毎に、車両30の外側に位置する被写体を繰り返し撮像する。カメラ36が取得した画像データは、車両30に設けられたネットワークを介してECU31に送信され且つストレージに保存される。
【0025】
図2に示されるように運転診断装置10は、第1サーバ12、第2サーバ14、第3サーバ(データベース部)16及び第4サーバ18を備える。例えば第1サーバ12、第2サーバ14、第3サーバ16及び第4サーバ18は、1つの建物の中に配置される。第1サーバ12及び第4サーバ18は上記ネットワークに接続されている。第1サーバ12と第2サーバ14はLAN(Local Area Network)により接続されている。第2サーバ14と第3サーバ16はLANにより接続されている。第3サーバ16と第4サーバ18はLANにより接続されている。即ち、運転診断装置10はクラウドコンピューティングシステムとして構築されている。本実施形態では、第1サーバ12、第2サーバ14及び第3サーバ16は上記主体Aにより管理されている。一方、第4サーバ18は主体Bにより管理されている。
【0026】
図3に示されるように第1サーバ12は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)12A、ROM(Read Only Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、ストレージ(検出値記録部)12D、通信I/F(Inter Face)12E及び入出力I/F12Fを含んで構成されている。CPU12A、ROM12B、RAM12C、ストレージ12D、通信I/F12E及び入出力I/F12Fは、バス12Zを介して相互に通信可能に接続されている。第1サーバ12は、タイマー(図示省略)から日時に関する情報を取得可能である。
【0027】
CPU12Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU12Aは、ROM12B又はストレージ12Dからプログラムを読み出し、RAM12Cを作業領域としてプログラムを実行する。CPU12Aは、ROM12B又はストレージ12Dに記録されているプログラムに従って、各構成の制御及び各種の演算処理(情報処理)を行う。
【0028】
ROM12Bは、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM12Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ12Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。通信I/F12Eは、第1サーバ12が他の機器と通信するためのインタフェースである。入出力I/F12Fは、様々な装置と通信するためのインタフェースである。
【0029】
車両30の車輪速センサ32、アクセル開度センサ33、操舵角センサ35及びGPS受信機37が検出した検出値を表すデータである検出値データ並びにカメラ36が取得した画像データは、所定時間が経過する毎に、無線通信装置38から上記ネットワークを介して第1サーバ12の送受信部13へ送信され、且つ、検出値データ及び画像データはストレージ12Dに記録される。ストレージ12Dに記録される全ての検出値データ及び画像データには、車両IDに関する情報、取得された時刻に関する情報及びGPS受信機37が取得した位置情報が含まれる。
【0030】
第2サーバ14、第3サーバ16及び第4サーバ18の基本構成は第1サーバ12と同じである。
【0031】
図4には第2サーバ14の機能構成の一例がブロック図で示されている。第2サーバ14は、機能構成として、送受信部141、シーン抽出部(情報抽出部)142、KPI取得部143、得点演算部(診断結果生成部)144、イベント特定部(情報抽出部)(診断結果生成部)145及び削除部146を有する。送受信部141、シーン抽出部142、KPI取得部143、得点演算部144、イベント特定部145及び削除部146は、第2サーバ14のCPUがROMに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0032】
送受信部141は、LANを介して第1サーバ12及び第3サーバ16と情報を送受信する。第1サーバ12のストレージ12Dに記録された検出値データ及び画像データは、車両IDと紐づけられながら第2サーバ14の送受信部141へ送信される。第1サーバ12から送受信部141へ送信される検出値データ及び画像データは、所定のデータ検出時間の間に取得されたデータ群を含む。このデータ検出時間は例えば30分である。以下、一つの車両IDに対応し且つデータ検出時間の間に取得されたデータ群(検出値データ及び画像データ)を「検出値データ群」と称する。第1サーバ12に記録された検出値データ群は、取得された時刻が古いものから順に送受信部141へ送信される。より詳細には、後述するように第2サーバ14のストレージから検出値データ群が削除されたときに、当該検出値データ群より新しい検出値データ群が第1サーバ12から送受信部141へ送信され、この新しい検出値データ群が第2サーバ14のストレージに保存される。
【0033】
シーン抽出部142は、第2サーバ14のストレージに保存された検出値データ群を、特定検出値を表すデータと、それ以外のデータとに識別する。より詳細には、シーン抽出部142は、後述するKPIの取得に必要なデータを、特定検出値を表すデータとして扱う。
【0034】
図8は、第2サーバ14のROMに記録されたシーンリスト22である。シーンリスト22は、車両30の運転者によって操作される部材である操作対象及び操作対象の操作内容等に基づいて規定されている。シーンリスト22の最も大きな項目であるカテゴリは「安全」と「快適」である。さらにカテゴリ「安全」に含まれる操作対象はアクセルペダル、ブレーキペダル及びステアリングである。カテゴリ「快適」に含まれる操作対象はブレーキペダルである。シーン、特定検出値及び抽出条件は各操作対象毎に規定されている。
【0035】
例えば、カテゴリ「安全」に含まれるアクセルペダルが条件1を満たす状態下で操作されたときに、シーン抽出部142はシーンリスト22を参照して「アクセルペダルを用いて発進操作が行われている」と判定する。条件1は、例えば車両30の車速が所定の第1閾値以上であることである。車両30の車速は、第2サーバ14のストレージに保存された検出値データ群に含まれ且つ各車輪速センサ32によって検出された車輪速に基づいてシーン抽出部142が演算する。さらにシーン抽出部142が、演算した車速と第1閾値に基づいて、条件1が満たされているか否かを判定する。条件1が満たされていると判定したとき、シーン抽出部142はストレージに保存された検出値データ群から、条件1が満たされている時間帯においてアクセル開度センサ33が検出したアクセル開度に関するデータを、特定検出値を表すデータとして抽出する。
【0036】
カテゴリ「安全」に含まれるブレーキペダルが条件2を満たす状態下で操作されたときに、シーン抽出部142はシーンリスト22を参照して「ブレーキペダルを用いてトータル操作が行われている」と判定する。条件2は、例えば車両30の車速が所定の第2閾値以上であることである。シーン抽出部142は、演算した車速と第2閾値に基づいて、条件2が満たされているか否かを判定する。条件2が満たされていると判定したとき、シーン抽出部142はストレージに保存された検出値データ群から、条件2が満たされている時間帯において車輪速センサ32が検出した車輪速に関するデータを、特定検出値を表すデータとして抽出する。
【0037】
カテゴリ「安全」に含まれるステアリングが条件3を満たす状態下で操作されたときに、シーン抽出部142はシーンリスト22を参照して「ステアリングがカーブ操作されている」と判定する。条件3は、例えば所定時間内におけるステアリングの操舵角(操舵量)が所定の第3閾値以上であることである。シーン抽出部142は、第2サーバ14のストレージに保存された検出値データ群に含まれ且つ操舵角センサ35によって検出された操舵角に関する情報と第3閾値に基づいて、条件3が満たされているか否かを判定する。条件3が満たされていると判定したとき、シーン抽出部142はストレージに保存された検出値データ群から、条件3が満たされている時間帯において操舵角センサ35が検出した操舵角に関するデータを、特定検出値を表すデータとして抽出する。
【0038】
カテゴリ「快適」に含まれるブレーキペダルが条件4を満たす状態下で操作されたときに、シーン抽出部142はシーンリスト22を参照して「ブレーキペダルを用いてトータル操作が行われている」と判定する。条件4は、例えば車両30の車速が所定の第4閾値以上であることである。シーン抽出部142は、演算した車速と第4閾値に基づいて、条件4が満たされているか否かを判定する。条件4が満たされていると判定したとき、シーン抽出部142はストレージに保存された検出値データ群から、条件4が満たされている時間帯において車輪速センサ32が検出した車輪速に関するデータを、特定検出値を表すデータとして抽出する。
【0039】
KPI取得部143は、いずれかの抽出条件が成立したときに、成立した抽出条件に対応するKPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)を取得(演算)する。
【0040】
例えば、条件1が成立した場合は、KPI取得部143はシーン抽出部142が取得したアクセル開度に関するデータ(特定検出値)から、条件1が成立する時間帯における最大アクセル開度をKPIとして取得する。
【0041】
条件2が成立した場合は、KPI取得部143は、シーン抽出部142が取得した車輪速に関するデータ(特定検出値)に基づいて、条件2が成立する時間帯における車両30の最小前後加速度をKPIとして演算する。即ち、KPI取得部143は、車輪速を用いた演算値(微分値)をKPIとして取得する。
【0042】
条件3が成立した場合は、KPI取得部143は、シーン抽出部142が取得した操舵角に関するデータ(特定検出値)に基づいて、条件3が成立する時間帯における操舵角の加速度をKPIとして演算する。即ち、KPI取得部143は、操舵角を用いた演算値(2階微分値)をKPIとして取得する。
【0043】
条件4が成立した場合は、KPI取得部143は、シーン抽出部142が取得した車輪速に関するデータ(特定検出値)に基づいて、条件4が成立する時間帯における車両30の前後加加速度(ジャーク)の平均値をKPIとして演算する。即ち、KPI取得部143は、車輪速を用いた演算値(2階微分値)をKPIとして取得する。
【0044】
得点演算部144は、後述するように、演算されたKPIに基づいて安全度得点、快適度得点及び運転操作得点を演算する。
【0045】
イベント特定部145は、第2サーバ14のストレージに保存された検出値データ群と、
図9に示され且つ第2サーバ14のROMに記録されたイベントリスト24と、を参照してイベントを特定する。イベントは、運転者による操作に起因して車両30に発生した特定の挙動である。イベントリスト24は、イベントの種類(内容)及びイベントとして特定されるための条件(特定条件)を規定する。イベントリスト24にはイベントとして「急加速」及び「超過速度」が規定されている。
【0046】
イベント特定部145はストレージに保存された検出値データ群に含まれる全ての車輪速に関するデータに基づいて、車両30が所定の第5閾値以上の加速度を発生したか否かを判定する。車両30が第5閾値以上の加速度で走行したと判定した場合、イベント特定部145は第5閾値以上の加速度、この加速度が発生した日時及びこの加速度が発生した位置情報をイベントとして特定する。
【0047】
イベント特定部145はストレージに保存された検出値データ群に含まれる全ての車輪速に関するデータに基づいて、車両30が所定の第6閾値以上の車速で走行したか否かを判定する。車両30が第6閾値以上の車速で走行したと判定した場合、イベント特定部145は第6閾値以上の車速、この車速が発生した日時及びこの車速が発生した位置情報をイベントとして特定する。
【0048】
シーン抽出部142、KPI取得部143及び得点演算部144が、ストレージに記録された一つの検出値データ群に対する上記処理を完了すると、取得された安全度得点、快適度得点及び運転操作得点並びに特定されたイベントに関するデータを送受信部141が第3サーバ16へ車両IDに関する情報と共に送信する。このイベントに関するデータには、特定された各イベントが発生した日時に関する情報、位置情報及びイベントが発生した時刻を含む所定時間内にカメラ36が取得した画像データが含まれる。
【0049】
シーン抽出部142、KPI取得部143及び得点演算部144が一つの検出値データ群に対する上記処理を完了すると、削除部146が第2サーバ14のストレージから当該検出値データ群を削除する。
【0050】
第3サーバ16は、第2サーバ14から送信された安全度得点、快適度得点、運転操作得点及び特定されたイベントに関するデータを受信する。
図5に示されるように、第3サーバ16は機能構成として送受信部161を有する。送受信部161は、第3サーバ16のCPUがROMに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。送受信部161が受信したこれらのデータは、第3サーバ16のストレージに記録される。第2サーバ14から第3サーバ16へ、安全度得点、快適度得点及び運転操作得点並びに特定されたイベントに関するデータが順次送信され、第3サーバ16は受信した全てのデータをストレージに記録させる。
【0051】
第4サーバ18は、少なくともWebサーバ及びWebAppサーバとして機能する。
図6に示されるように、第4サーバ18は機能構成として、送受信制御部181及びデータ生成部182を有する。送受信制御部181及びデータ生成部182は、第4サーバ18のCPUがROMに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。送受信制御部181は、第4サーバ18の送受信部19を制御する。
【0052】
図2に示される操作端末50は、CPU、ROM、RAM、ストレージ、通信I/F及び入出力I/Fを含んで構成されている。携帯端末50は、例えば、スマートフォン又はタブレット型コンピュータである。操作端末50のCPU、ROM、RAM、ストレージ、通信I/F及び入出力I/Fは、バスを介して相互に通信可能に接続されている。操作端末50は、タイマー(図示省略)から日時に関する情報を取得可能である。操作端末50にはタッチパネルを有する表示部51が設けられている。表示部51は操作端末50の入出力I/Fに接続されている。さらに携帯端末50のストレージには、地図データが記録されている。操作端末50は送受信部52を有する。
【0053】
図7には、操作端末50の機能構成の一例がブロック図で示されている。操作端末50は、機能構成として、送受信制御部501及び表示部制御部502を有する。送受信制御部501及び表示部制御部502は、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。操作端末50は例えば、車両IDが付された車両30の運転者が所有する。携帯端末50には、所定の運転診断表示アプリケーションがインストールされている。
【0054】
送受信制御部501によって制御される送受信部52は、第4サーバ18の送受信部19とデータの送受信を行う。
【0055】
表示部制御部502は表示部51を制御する。即ち、表示部制御部502は、例えば、送受信部52が送受信部19から受信した情報及びタッチパネルを介して入力された情報を表示部51に表示させる。表示部51のタッチパネルによって入力された情報は、送受信部52が送受信部19へ送信可能である。
【0056】
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0057】
まず第2サーバ14が行う処理の流れについて、
図10のフローチャートを用いて説明する。第2サーバ14は、所定時間が経過する毎に、
図10のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0058】
まずステップS10において第2サーバ14の送受信部141は、第1サーバ12から検出値データ群を受信したか否かを判定する。換言すると、送受信部141は、第2サーバ14のストレージに検出値データ群が記録されているか否かを判定する。
【0059】
ステップS10でYesと判定されたとき、第2サーバ14はステップS11へ進み、シーン抽出部142がストレージに保存された検出値データ群から、抽出条件が満たされた特定検出値を表すデータを抽出する。さらにKPI取得部143が、抽出された特定検出値を表すデータに基づいて各KPIを取得(演算)する。
【0060】
ステップS11の処理を終えた第2サーバ14はステップS12へ進み、得点演算部144が安全度得点、快適度得点及び運転操作得点を演算する。
【0061】
例えば、
図8の条件1が成立したときに取得されるKPI(最大アクセル開度)が所定値以上のとき、このKPIに関する得点は5点である。一方、このKPIが所定値未満のとき、このKPIに関する得点は100点である。
【0062】
例えば、
図8の条件2が成立したときに取得されるKPI(最小前後加速度)が所定値未満のとき、このKPIに関する得点は5点である。一方、このKPIが所定値以上のとき、このKPIに関する得点は100点である。
【0063】
例えば、
図8の条件3が成立したときに取得されるKPI(操舵角の加速度)が所定値以上のとき、このKPIに関する得点は5点である。一方、このKPIが所定値未満のとき、このKPIに関する得点は100点である。
【0064】
条件1~条件3に対応する各KPIに関する得点の合計点を、カテゴリ「安全」の項目数(3)で割った値(平均値)が、安全度得点である。
【0065】
例えば、
図8の条件4が成立したときに取得されるKPI(ジャークの平均値)が所定値以上のとき、このKPIに関する安全度得点は5点である。一方、このKPIが所定値未満のとき、このKPIに関する安全度得点は100点である。
【0066】
カテゴリ「快適」のKPIに関する得点の合計点を、カテゴリ「快適」の項目数で割った値(平均値)が、快適度得点である。但し、本実施形態ではカテゴリ「快適」の項目数が「1」なので、条件4に対応するKPIに関する得点が快適度得点である。
【0067】
さらに得点演算部144は、演算された安全度得点及び快適度得点に基づいて、運転操作得点を演算する。具体的には、得点演算部144は、安全度得点と快適度得点の合計点を、安全度得点と快適度得点の項目の合計(4)で割った値(平均値)を運転操作得点として取得する。
【0068】
ステップS12の処理を終えた第2サーバ14はステップS13へ進み、イベント特定部145が第2サーバ14のストレージに保存された検出値データ群に基づいてイベントを特定する。
【0069】
ステップS13の処理を終えた第2サーバ14はステップS14へ進み、送受信部141が安全度得点、快適度得点、運転操作得点及び特定されたイベントに関するデータを、第3サーバ16へ車両IDに関する情報と共に送信する。
【0070】
ステップS14の処理を終えた第2サーバ14はステップS15へ進み、削除部146が第2サーバ14のストレージから当該検出値データ群を削除する。
【0071】
ステップS10でNoと判定したとき又はステップS15の処理を終えたとき、第2サーバ14は
図10のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0072】
次に第4サーバ18が行う処理の流れについて、
図11のフローチャートを用いて説明する。第4サーバ18は、所定時間が経過する毎に、
図11のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0073】
まずステップS20において第4サーバ18の送受信制御部181は、運転診断表示アプリケーションが起動されている携帯端末50の送受信制御部501(送受信部52)から送受信部19へ表示リクエストが送信されたか否かを判定する。即ち、送受信制御部181は携帯端末50からのアクセス動作があったか否かを判定する。この表示リクエストには、携帯端末50と紐づけられた車両IDに関する情報が含まれる。
【0074】
ステップS20でYesと判定されたとき、第4サーバ18はステップS21へ進み、送受信制御部181(送受信部19)が第3サーバ16との間で通信を行う。送受信制御部181(送受信部19)は、表示リクエストを送信した携帯端末50と紐づけられた車両IDに対応する安全度得点、快適度得点、運転操作得点並びに特定されたイベントに関するデータを第3サーバ16の送受信部161から受信する。
【0075】
ステップS21の処理を終えた第4サーバ18はステップS22へ進み、データ生成部182がステップS21で受信したデータを用いて運転診断結果画像55(
図13参照)を表すデータを生成する。運転診断結果画像55は、運転診断表示アプリケーションが起動されている携帯端末50の表示部51が表示可能である。
【0076】
ステップS22の処理を終えた第4サーバ18はステップS23へ進み、ステップS22でデータ生成部182が生成したデータを、送受信部19が携帯端末50の送受信制御部501(送受信部52)へ送信する。
【0077】
ステップS20でNoと判定したとき又はステップS23の処理を終えたとき、第4サーバ18は
図11のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0078】
次に携帯端末50が行う処理の流れについて、
図12のフローチャートを用いて説明する。携帯端末50は、所定時間が経過する毎に、
図12のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0079】
まずステップS30において携帯端末50の表示部制御部502は、運転診断表示アプリケーションが起動中か否かを判定する。
【0080】
ステップS30でYesと判定されたとき、携帯端末50はステップS31へ進み、送受信制御部501(送受信部52)が第4サーバ18の送受信部19から運転診断結果画像55を表すデータを受信したか否かを判定する。
【0081】
ステップS31でYesと判定されたとき、携帯端末50はステップS32へ進み、表示部制御部502が運転診断結果画像55を表示部51に表示させる。
【0082】
図13に示されるように運転診断結果画像55は、安全快適度表示部56、得点表示部57及びイベント表示部58を有する。安全快適度表示部56には安全度得点及び快適度得点が表示される。得点表示部57には運転操作得点が表示される。イベント表示部58には特定された各イベントに関する情報が表示される。各イベントを表す情報は、イベントが発生した日時及びその内容を含む。
【0083】
ステップS32の処理を終えた携帯端末50はステップS33へ進み、表示部制御部502が携帯端末50の使用者の手が表示部51(タッチパネル)上のイベント表示部58にタッチされたか否かを判定する。
【0084】
ステップS33でYesと判定されたとき、携帯端末50はステップS34へ進み、表示部制御部502が表示部51に、
図14に示される上記地図データに基づく地図画像60を表示させる。ここで運転者がイベント表示部58中の「イベント1」をタッチした場合を想定する。この場合は、地図画像60には、イベント1が発生した場所及びその周辺の地図情報が含まれ、且つ、イベント1が発生した場所が星印(☆)で表示される。さらに使用者がこの星印(☆)にタッチすると、イベント1が発生した時刻を含む所定時間内にカメラ36が取得した画像データが表すイベント画像61が表示される。この所定時間は、例えば10秒間である。
【0085】
ステップS34の処理を終えた携帯端末50はステップS35へ進み、使用者の手が地図画像60上の戻り操作部62にタッチされたか否かを、表示部制御部502が判定する。ステップS35でYesと判定した携帯端末50の表示部制御部502は、ステップS32へ進んで、表示部51に運転診断結果画像55を表示させる。
【0086】
ステップS30、ステップS33又はステップ35でNoと判定したとき、携帯端末50は
図12のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0087】
以上説明したように本実施形態のシステム10及び運転診断方法では、KPI取得部143が、検出値データ群の中で特定検出値のみを用いてKPIの演算を行う。そのため検出値データ群の全てを用いてKPIの演算を行う場合と比べて、KPI取得部143の演算負荷は小さい。従って、本実施形態の運転診断装置10及び運転診断方法の演算負荷は小さい。
【0088】
さらに第2サーバ14から第3サーバ16へ送信されるデータ群に含まれる画像データは、イベントが発生したときの画像データのみである。そのため、第2サーバ14のストレージに記録された全ての画像データを第2サーバ14から第3サーバ16へ送信する場合と比べて、第3サーバ16のストレージに蓄積されるデータ量が小さい。
【0089】
さらに本実施形態の運転診断装置10及び運転診断方法では、運転操作得点(KPI)及びイベントを用いて運転診断が行われる。そのため運転診断結果画像55を見た運転者は、自身の運転操作の特徴を幅広い観点から認識できる。
【0090】
さらに本実施形態の運転診断装置10及び運転診断方法では、第1サーバ12、第2サーバ14及び第3サーバ16を管理し且つ車両を製造する主体Aとは別の主体Bが、第3サーバ16に格納されたデータにアクセス可能である。そのため、主体Aとは別の者(組織)が、本実施形態の運転診断装置10及び運転診断方法によって得られる運転診断結果を利用するアプリケーション(運転診断表示アプリケーション)を作成可能である。そのため、このようなアプリケーションの開発を促進できるようになる。
【0091】
以上、実施形態に係る運転診断装置10及び運転診断方法について説明したが、運転診断装置10及び運転診断方法は本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
【0092】
図8に記載されたカテゴリ、操作対象、シーン、特定検出値、抽出条件及びKPIは、
図8に記載されたものには限定されない。例えば、カテゴリ「快適」の操作対象、シーン、特定検出値、抽出条件及びKPIが複数あってもよい。
【0093】
図9に記載されたイベントの種類は、
図9に記載されたものには限定されない。例えば、急ハンドルの発生、ABS(Antilock Brake System)の発動、PCS(プリクラッシュセーフティシステム)の発動及び障害物との衝突検知の少なくとも一つが、イベントとして特定されてもよい。
【0094】
運転診断装置10を上記とは別の構成で実施してもよい。例えば、第1サーバ12、第2サーバ14、第3サーバ16及び第4サーバ18を一つのサーバにより実現してもよい。この場合は、例えばハイパーバイザーを利用して、当該サーバの内部を、第1サーバ12、第2サーバ14、第3サーバ16及び第4サーバ18にそれぞれ相当する領域に仮想的に区画してもよい。
【0095】
検出値データ群を取得する検出部は、車両の走行、操舵及び制動の少なくとも一つに基づいて変化する物理量又は所定の操作部材が操作されることにより変化する物理量を取得するものであれば、如何なる装置であってもよい。例えば、この検出部は、エンジンの冷却水温を測定するセンサ、ヨーレートセンサ又はシフトレバーポジションセンサ等であってもよい。また、検出部の数はいくつであってもよい。
【0096】
運転診断装置10が運転操作得点とイベントの一方のみを取得してもよい。この場合は、運転操作得点とイベントの一方のみが第3サーバ16のストレージに蓄積される。
【0097】
KPIの取得(演算)方法及び運転操作得点の演算方法は、上記の方法とは別であってもよい。例えば、各KPIに重みづけを行いながら安全度得点及び快適度得点を演算してもよい。
【0098】
運転診断装置10がインターネットに接続されていなくてもよい。この場合は、例えば車両から取得した検出値データ群をポータブル式の記録媒体(例えば、USB)に記録させ、且つ、この記録媒体内の検出値データ群を第1サーバ12にコピーする。
【0099】
第3サーバ16が、第4サーバ18からアクセスを受けたときに、アクセス権限を確認する機能を備えてもよい。この場合は、第4サーバ18がアクセス権限を有することを第3サーバ16が確認したときのみ、第4サーバ18が第3サーバ16から安全度得点、快適度得点、運転操作得点並びに特定されたイベントに関するデータを受信できる。
【0100】
第3サーバ16のストレージに記録された一部のデータへの主体B(第4サーバ18)によるアクセスに一定の制限を掛けてもよい。例えば、第3サーバ16のストレージに記録された一部のデータ群に、制限対象であることを表す情報を付加する。制限対象であることを表す情報が付加されたデータへの主体B(第4サーバ18)によるアクセスは、(上記アクセス権を有する場合も)禁止される。制限対象であることを表す情報が付加されるデータは、例えば位置情報である。
【0101】
車両30がGPS受信機37の代わりに、GPS以外の全地球航法衛星システム(例えばガリレオ)の衛星からの情報を受信可能な受信機を備えてもよい。
【0102】
携帯端末50がWebサーバから地図データを読み込んで、表示部51に地図画像を表示させてもよい。
【符号の説明】
【0103】
10 運転診断装置
12D ストレージ(検出値記録部)
142 シーン抽出部(情報抽出部)
143 KPI取得部
144 得点演算部(診断結果生成部)
145 イベント特定部(診断結果生成部)
16 第3サーバ(データベース部)
30 車両
32 車輪速センサ(検出部)
33 アクセル開度センサ(検出部)
35 操舵角センサ(検出部)
37 GPS受信機(検出部)
38 無線通信装置(検出値取得部)