(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】電力変換装置、制御装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
H02M 7/12 20060101AFI20241016BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H02M7/12 W
H02M3/155 W
(21)【出願番号】P 2021039559
(22)【出願日】2021-03-11
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戴 シンキ
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/134871(WO,A1)
【文献】国際公開第2003/058799(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/12
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流源から直流に変換した後に、負荷に供給される電力を調整する電力変換装置であって、
前記交流源と前記負荷との間の経路に直列に接続されるリアクタンス素子と、
前記負荷と並列に設けられるコンデンサと、
前記リアクタンス素子を介し、前記交流源から交流電圧を短絡および開放できるスイッチング素子と、
前記スイッチング素子を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記交流源からの交流電圧の位相を検出するゼロクロス検出部と、
前記交流電圧において位相が正または負の半周期に前記スイッチング素子に対するPWM制御を実行することによって前記交流電圧と同位相となるように略正弦波の交流電流を誘起し、前記コンデンサの端子電圧を充電目標電圧に近づくように充電する手段と、
前記交流電圧が正または負のピーク近傍となる位相において、前記PWM制御におけるデューティ比を取得する手段と、
前記デューティ比が第1の基準値より大きい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から低下させ、前記デューティ比が第1の基準値より小さい第2の基準値より小さい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から増加させる手段と、を備える電力変換装置。
【請求項2】
前記電力変換装置は、前記交流源から給電される全波整流回路を含み、または、全波整流回路を介して交流源から給電され、前記負荷に電力を供給する回路であり、
前記スイッチング素子は、前記リアクタンス素子の負荷側の接点で整流機能を有する素子を介して前記コンデンサと並列に接続され、
前記整流機能を有する素子は、カソード側が前記コンデンサの高電位側の第1の端子に接続され、アノード側が前記スイッチング素子と前記リアクタンス素子の前記負荷側との接点に接続される請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記電力変換装置は、第1の回路部分と第2の回路部分とを有し、
第1の回路部分は、
前記交流源の第1の端子に接続される第1のリアクタンス素子と、
前記第1のリアクタンス素子にアノード側が接続され、前記コンデンサの前記第1の端子にカソード側が接続される第1の整流機能を有する素子と、
前記第1の整流機能を有する素子を介して前記コンデンサに並列に接続される第1のスイッチング素子と、を有し、
第2の回路部分は、
前記交流源の第2の端子に接続される第2のリアクタンス素子と、前記第2のリアクタンス素子にアノード側が接続され、前記コンデンサの前記第1の端子にカソード側が接続される第2の整流機能を有する素子と、
前記第2の整流機能を有する素子を介して前記コンデンサに並列に接続される第2のスイッチング素子と、を有する請求項1または2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記交流源の第1の端子に接続されるリアクタンス素子と、
前記リアクタンス素子を介して前記交流源に接続される全波整流回路と、を含み、
前記全波整流回路は、
前記リアクタンス素子にアノード側が接続され、前記コンデンサの第1の端子にカソード側が接続される整流機能を有する第1のスイッチング素子と、
前記リアクタンス素子にカソード側が接続され、前記コンデンサの第2の端子にアノ
ード側が接続される整流機能を有する第2のスイッチング素子と、
前記コンデンサの前記第1の端子にカソードが接続される第1の整流素子と、
前記第1の整流素子のアノード側および前記交流源の第2の端子にカソード側が接続され、前記コンデンサの前記第2の端子にアノード側が接続される第2の整流素子と、を有する請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項5】
交流源から直流に変換した後に、負荷に供給される電力を調整する電力変換装置の制御部であって、
前記電力変換装置は、
前記交流源と前記負荷との間の経路に直列に接続されるリアクタンス素子と、
前記負荷と並列に設けられるコンデンサと、
前記リアクタンス素子を介し、前記交流源から交流電圧を短絡および開放できるスイッチング素子と、
前記スイッチング素子を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記交流源からの交流電圧の位相を検出するゼロクロス検出部と、
前記交流電圧において位相が正または負の半周期に前記スイッチング素子に対するPWM制御を実行することによって前記交流電圧と同位相となるように略正弦波の交流電流を誘起し、前記コンデンサの端子電圧を充電目標電圧に近づくように充電する手段と、
前記交流電圧が正または負のピーク近傍となる位相において、前記PWM制御におけるデューティ比を取得する手段と、
前記デューティ比が第1の基準値より大きい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から低下させ、前記デューティ比が第1の基準値より小さい第2の基準値より小さい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から増加させる手段と、を備える電力変換装置の制御部。
【請求項6】
交流源から直流に変換した後に、負荷に供給される電力を調整する電力変換装置の制御方法であって、
前記電力変換装置は、
前記交流源と前記負荷との間の経路に直列に接続されるリアクタンス素子と、
前記負荷と並列に設けられるコンデンサと、
前記リアクタンス素子を介し、前記交流源から交流電圧を短絡および開放できるスイッチング素子と、を備え、
前記交流源からの交流電圧の位相を検出することと、
前記交流電圧において位相が正または負の半周期に前記スイッチング素子に対するPWM制御を実行することによって前記交流電圧と同位相となるように略正弦波の交流電流を誘起し、前記コンデンサの端子電圧を充電目標電圧に近づくように充電することと、
前記交流電圧が正または負のピーク近傍となる位相において、前記PWM制御におけるデューティ比を取得することと、
前記デューティ比が第1の基準値より大きい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から低下させ、前記デューティ比が第1の基準値より小さい第2の基準値より小さい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から増加させることと、を実行する電力変換装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置、制御装置および制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、AC/DCコンバータ部を有する電力変換装置では、AC/DCコンバータ部の直流電圧の目標値を調整する際の下限値は、入力側の交流電圧によって決定されている。この場合、従来の電力変換装置は、変換後の直流電圧を交流電圧の振幅以上にし、入力電流の過電流が発生しないように、直流電圧目標値を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電力変換装置が利用される場合、入力側の交流電圧は様々である。そのため、入力側の交流電圧に対して変換後の直流電圧の目標値が高すぎると電力損失が増加し、電力変換効率が低下する。
【0005】
そこで、1つの側面では、本発明の目的は、入力電圧に応じた望ましい直流電圧の目標値で電力変換を実行可能な電力変換装置、制御装置および制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による実施形態は以下の電力変換装置によって例示される。第1の側面では、この電力変換装置は、
交流源から直流に変換した後に、負荷に供給される電力を調整する電力変換装置であって、
前記交流源と前記負荷との間の経路に直列に接続されるリアクタンス素子と、
前記負荷と並列に設けられるコンデンサと、
前記リアクタンス素子を介し、前記交流源から交流電圧を短絡および開放できるスイッチング素子と、
前記スイッチング素子を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記交流源からの交流電圧の位相を検出するゼロクロス検出部と、
前記交流電圧において位相が正または負の半周期に前記スイッチング素子に対するPWM制御を実行することによって前記交流電圧と同位相となるように略正弦波の交流電流を誘起し、前記コンデンサの端子電圧を充電目標電圧に近づくように充電する手段と、
前記交流電圧が正または負のピーク近傍となる位相において、前記PWM制御におけるデューティ比を取得する手段と、
前記デューティ比が第1の基準値より大きい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から低下させ、前記デューティ比が第1の基準値より小さい第2の基準値より小さい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から増加させる手段と、を備える。
【0007】
ここで、ゼロクロス検出部は、この電力変換装置に入力される交流電圧が0となるタイミングを検出する。また、PWMとは、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)をいう
。デューティ比とは、PWMにおけるオンとオフの期間の合計期間に対するオンの期間の割合をいう。また、オンの期間とは、PWMにおける高電位の期間をいい、オフの期間とは、PWMにおける低電位の期間をいう。
【0008】
本電力変換装置は、前記デューティ比が第1の基準値より大きい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から低下させ、デューティ比が第1の基準値より小さい第2の基準値より小さい場合にコンデンサの充電目標電圧を現在値から増加させる。したがって、本電力変換装置は、電力変換中に動的かつ自動的にPWMのデューティ比を基に、コンデンサの充電目標電圧を設定または調整できる。また、本電力変換装置に入力される交流電圧の振幅(ピーク値)に比べて、コンデンサの端子電圧(および充電目標電圧)が高すぎる場合には、交流電圧が正または負のピーク近傍でデューティ比が大きくなる。この場合には、電力損失が増加し、電力変換の効率が低下する。したがって、この場合には、制御部は、コンデンサの充電目標電圧を下げればよい。
【0009】
一方、コンデンサの端子電圧(および充電目標電圧)が低く、本電力変換装置に入力される交流電圧の振幅(ピーク値)に近い場合には、交流電圧が正または負のピーク近傍でデューティ比が小さくなる。この場合には、交流電圧のピーク値がコンデンサの端子電圧に近づくおそれがある。したがって、この場合には、制御部は、コンデンサの充電目標電圧を上げればよい。以上の処理により、本電力変換装置は、コンデンサの充電目標電圧を適正な値に設定でき、効率よく電力変換を実行できる。
【0010】
第2の側面では、この電力変換装置は、
前記交流源から給電される全波整流回路を含み、または、全波整流回路を介して交流源から給電され、前記負荷に電力を供給する回路であり、
前記スイッチング素子は、前記リアクタンス素子の負荷側の接点で整流機能を有する素子を介して前記コンデンサと並列に接続され、
前記整流機能を有する素子は、カソード側が前記コンデンサの高電位側の第1の端子に接続され、アノード側が前記スイッチング素子と前記リアクタンス素子の前記負荷側との接点に接続される。
【0011】
すなわち、本電力変換装置の制御部は、全波整流回路を含む電力変換装置、または、全波整流回路を介して交流源から給電される電力変換装置に適用できる。また、スイッチング素子がリアクタンス素子の負荷側の接点で整流機能を有する素子を介して負荷と並列に設けられるコンデンサと並列に接続される構成は、ある種のチョッパ回路である。すなわち、本電力変換装置の制御部は、全波整流でき、かつ、チョッパ回路を含む構成に適用できる。
【0012】
第3の側面では、この電力変換装置は、第1の回路部分と第2の回路部分とを有し、
第1の回路部分は、
前記交流源の第1の端子に接続される第1のリアクタンス素子と、
前記第1のリアクタンス素子にアノード側が接続され、前記コンデンサの前記第1の端子にカソード側が接続される第1の整流機能を有する素子と、
前記第1の整流機能を有する素子を介して前記コンデンサに並列に接続される第1のスイッチング素子と、を有し、
第2の回路部分は、
前記交流電源の第2の端子に接続される第2のリアクタンス素子と、前記第2のリアクタンス素子にアノード側が接続され、前記コンデンサの前記第1の端子にカソード側が接続される第2の整流機能を有する素子と、
前記第2の整流機能を有する素子を介して前記コンデンサに並列に接続される第2のスイッチング素子と、を有する。
【0013】
ここで、第1の回路部分と第2の回路部分の組み合わせは全波整流回路とも言える。また、第1の回路部分と第2の回路部分とは、それぞれチョッパ回路ともいえる。したがって、本電力変換装置の制御部は、全波整流でき、かつ、チョッパ回路を含む構成に適用できる。
【0014】
第4の側面では、この電力変換装置は、
前記交流源の第1の端子に接続されるリアクタンス素子と、
前記リアクタンス素子を介して前記交流源に接続される全波整流回路と、を含み、
前記全波整流回路は、
前記リアクタンス素子にアノード側が接続され、前記コンデンサの第1の端子にカソード側が接続される整流機能を有する第1のスイッチング素子と、
前記第1のリアクタンス素子にカソード側が接続され、前記コンデンサの第2の端子にアノード側が接続される整流機能を有する第2のスイッチング素子と、
前記コンデンサの前記第1の端子にカソードが接続される第1の整流素子と、
前記第1の整流素子のアノード側および前記交流源の第2の端子にカソード側が接続され、前記コンデンサの前記第2の端子にアノード側が接続される第2の整流素子と、を有する。本電力変換装置の制御部は、以上の構成を含む電力変換装置に適用できる。
【0015】
第5の側面では、本実施形態は、この電力変換装置の制御部によって特定される。また、第6の側面では、本実施形態は、電力変換装置の制御部の制御方法によって特定される。
【発明の効果】
【0016】
本実施形態の少なくとも1つの側面では、入力電圧に応じた望ましい直流電圧目標値で電力変換を実行可能な電力変換装置、制御装置および制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態の制御方法を適用した制御装置を含む三相交流の電力変換装置を例示する図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の電力変換装置の処理を例示する図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態の電力変換装置の具体的構成を例示する図である。
【
図4】
図4は、三相のうちの2つの相に着目した電力変換装置の回路図である。
【
図6】
図6は、第2の実施形態である電力変換装置の構成を例示する図である。
【
図7】
図7は、第3の実施形態である電力変換装置の構成を例示する図である。
【
図8】
図8は、第4の実施形態である電力変換装置の構成を例示する図である。
【
図9】
図9は、第5の実施形態である電力変換装置の構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(第1の実施形態乃至第5の実施形態)を図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、本実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0019】
<適用例>
まず、
図1を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。
図1は、本実施形態の制御方法を適用した制御回路100を含む三相交流の電力変換装置1を例示する図である。電力変換装置1は、三相交流電源からの経路に挿入されるフィルタ回路Fと、
昇圧用リアトル素子Lと、スイッチング素子TD1乃至TD6と、負荷に並列に接続される平滑用のコンデンサC1を有する。さらに、電力変換装置1は、交流電圧センサV1と、交流電流センサA1と、直流電圧センサV2と、制御回路100を有する。
【0020】
図1の例では、交流電圧センサV1は、三相交流電源に近い側の電力経路に接続されている。交流電圧センサV1は、三相交流電源からの各相の入力電圧を測定し、制御回路100に伝達する。
【0021】
フィルタ回路Fは、例えば、リアクタンス素子を各相の電力経路に直列に、コンデンサを電力経路に並列に接続した構成を有する。昇圧用リアトル素子Lは、例えば、リアクタンス素子を各相の電力経路に直列に接続した構成を有する。
【0022】
スイッチング素子TD1乃至TD6は、バイポーラトランジスタとダイオードを組み合わせた構成で例示されている。
図1では、バイポーラトランジスタのコレクタからエミッタに向う方向と逆方向にダイオードが組み合わせられている。すなわち、ダイオードのカソードがバイポーラトランジスタのコレクタに、アノードがエミッタに接続されている。ただし、スイッチング素子TD1乃至TD6は、MOSFET等のユニポーラトランジスタであってもよい。スイッチング素子TD1乃至TD6がMOSFET等の場合には、素子内の寄生ダイオードを利用して、
図1のスイッチング素子TD1等と同様の構成が実現できる。スイッチング素子TD1乃至TD6の制御端子(ベース)には、制御回路からPulse Width Modulation(PWM)の制御信号(PWMスイッチング信号ともいう)が入力される。
【0023】
スイッチング素子TD1乃至TD6は、120度ずつ位相がずれた交流電力を全波整流して、コンデンサC1を充電する。コンデンサC1は、スイッチング素子TD1乃至TD6によって整流された電流から電力を蓄積し、平滑化して、直流電力を負荷に供給する。スイッチング素子TD1乃至TD6は、三相回路の全波整流回路の一例である。なお、昇圧用リアクトル素子Lとスイッチング素子TD1乃至TD6は、全波整流回路(ブリッジ)と力率改善回路を統合した回路とも言えるので、ブリッジレス力率改善回路とも言える。
【0024】
直流電圧センサV2は、コンデンサC1の両端の電圧を測定し、制御回路100に通知する。負荷は、例えば、モータ等の交流負荷を含む。負荷が交流負荷を含む場合、通常、インバータ等の直流交流変換回路により、交流電力が生成され、交流負荷に供給される。制御回路100(および後述する制御回路100B乃至100E)は、制御部の一例である。
【0025】
<第1の実施形態>
以下、
図2から
図9を参照して、本発明の一実施形態(第1の実施形態)の電力変換装置1を説明する。
【0026】
(処理例)
図2は、第1の実施形態の電力変換装置1の処理を例示する図である。
図2の左側に、三相交流電力変換回路の一部が例示されている。ただし、
図2の回路は、単相交流でのブリッジレス力率改善回路とも言える。R相の端子がS相の端子より高電位にあるとき、スイッチQ3がオンになると、R相の端子からスイッチQ1のダイオードおよびスイッチQ3(オン状態)を電流が流れ、それぞれのリアクタンス素子にエネルギーが蓄積される。この状態で、スイッチQ3がオフになると、それぞれのリアクタンス素子には、電流を維持する方向に起電力が発生し、コンデンサC1を充電する電流が流れる。このとき、それぞれのリアクタンス素子のエネルギーが放出される。上記説明と同様に、スイッチQ2を
オンオフさせても、コンデンサC1を充電する電流の経路が異なるが、同様にコンデンサC1を充電できる。
図1に例示した制御回路100は、三相交流の各相を流れる交流電流を極力交流電圧と同様の変化をするようにスイッチQ3(あるいはQ2)をオンオフさせる。すなわち、制御回路100は、交流電圧と同位相となる平均電流が流れるように、スイッチQ3(あるいはQ2)をオンオフさせる。そのため、制御回路100は、所定の目標電流が流れるまでスイッチQ3(あるいはQ2)をオンに維持し、その後、スイッチQ3(あるいはQ2)をオフにするパルス幅変調を繰り返す。
【0027】
このパルス幅変調により、リアクタンス素子(リアクトルともいう)には、
図2の右側の波形のように、のこぎり刃状のリアクトル電流が流れる。なお、
図2の波形で、スイッチQ3のドレイン(コレクタ)が高電位の区間は、スイッチQ3のオフを示し、スイッチQ3のドレイン(コレクタ)が低電位の区間は、スイッチQ3のオンを示す。
【0028】
以上、R相の端子がS相の端子より高電位にあるときを例にして説明したが、R相の端子がS相の端子より低電位にあるとき、Q1(あるいはQ4)をオンオフさせると、コンデンサC1に充電できる。詳細説明は省略する。
制御回路100は、コンデンサの充電目標電圧(以下、目標DC電圧という)と入力側の交流電圧(振幅、ピーク値)の差分が大きいほど、デューティ比を1に近い値に設定する。これは、目標DC電圧が高いほど、より長い期間電流を流す必要があるからである。したがって、制御回路100は、パルス幅変調のデューティ比を取得することで、目標DC電圧と入力側の交流電圧の振幅の差異をある程度把握できる。そこで、本実施形態では、制御回路100は、力率改善回路のパルス幅変調のデューティ比を取得し、これを基に、目標DC電圧を調整する。
【0029】
すなわち、パルス幅変調のデューティ比がある第1の基準値より大きい場合、制御回路100は、目標DC電圧と入力側の交流電圧の振幅(ピーク値)との差が大き過ぎると判断する。このような場合は、電力変換効率の無駄が生じやすい。そこで、制御回路100は、目標DC電圧を低下させる。
【0030】
他方、パルス幅変調のデューティ比が第1の基準値より小さい第2の基準値よりさらに小さい場合、制御回路100は、目標DC電圧と入力側の交流電圧の振幅(ピーク値)との差が小さ過ぎると判断する。このような場合は、入力側の交流電圧のピーク値が、出力側のコンデンサC1の両端の電圧を超え、交流回路および各素子に過電流がる可能性も予見される。そこで、制御回路100は、目標DC電圧を増加させる。
【0031】
すなわち、制御回路100は、ピーク位相付近(所望の区間)のOn-Dutyを観測対象とする。On-Dutyの比率が高いことは交流電圧のピーク値とDC電圧の差が大きいことを意味する。そこで、スイッチングのOn-Dutyの比率が所望値(第1の基準値)より高ければ、目標とする直流電圧を下げる。
【0032】
他方、所望の区間でOn-Dutyの比率が低いことは交流電圧のピーク値と目標DC電圧の差が小さいことを意味する。そこで、スイッチングのOn-Dutyの比率が所望値(第2の基準値)より低ければ、目標DC電圧を上げる。ここで、第2の基準値は、第1の基準値より小さな値である。
【0033】
このような制御により、本実施形態の電力変換装置1は、適正な目標DC電圧で、力率改善を実行できる。すなわち、制御回路100は、三相入力電圧の振幅によらず、電源高調波を抑制しつつ、直流電圧を必要限度で昇圧することができる。これにより、制御回路100は、AC/DC変換を含む回路の高調波を抑制するとともに、省エネルギー性を両
立させる。すなわち、制御回路100は、力率改善回路における電力損失を低減し、電力変換の効率を向上できる。
【0034】
なお、
図2の波形のように、力率改善回路のパルス幅変調では、ゼロクロスに近い、期間の始めほど、デューティ比が大きい。これは、ゼロクロスに近い、期間の始めは交流電圧の振幅が小さく、実際の電流値が目標の電流値に達するまで時間がかかるためである。一方、入力の交流電圧のピーク近傍では、交流電圧の振幅が大きく、デューティ比が小さくなる。いずれにしても、制御回路100は、入力の交流電圧の振幅と適正な目標DC電圧との関係を入力の交流電圧のピーク付近のPWM制御のデューティ比で特定しようと試みると言える。
【0035】
(制御回路の構成)
図3は、本実施形態の電力変換装置1の具体的構成を例示する図である。
図3では、三相交流回路の構成が簡略され、制御回路100の構成が詳細に例示されている。なお、
図3の三相交流回路の構成は、
図1と同様である。また、
図3では、制御回路100とともに、交流電圧センサV1、交流電流センサA1、直流電圧センサV2も例示されている。
【0036】
図3のように、制御回路100は、目標DC電圧レジスタ101、加算器102、比較器103、電圧調整器104、減算器105、電流調整器106、パルス幅変調器107、デューティ比検出部108、閾値レジスタ109、調整部110、目標DC電圧の調整量レジスタ111およびゼロクロス検出部112を有する。
【0037】
目標DC電圧レジスタ101は、目標DC電圧の初期値を記憶する。目標DC電圧の初期値は、例えば、電力変換装置1の仕様に応じて設定される。また、目標DC電圧の初期値は、例えば、電力変換装置1のインストール時に設定される。目標DC電圧レジスタ101は、目標DC電圧の初期値を加算器102に入力する。
【0038】
加算器102は、目標DC電圧の初期値に、目標DC電圧の調整量レジスタ111から入力される調整量を加算(または減算)し、目標DC電圧を調整する。調整量が負の場合、加算器102の処理は、減算となる。加算器102は、調整された目標DC電圧を比較器103に入力する。比較器103は、調整された目標DC電圧から、直流電圧センサV2で測定された出力直流電圧を減算し、その差分値を電圧調整器104に入力する。ここで、出力直流電圧とは、
図1に例示したコンデンサC1の両端の電圧である。
【0039】
電圧調整器104は、ゼロクロス検出部112がイネーブル信号を出力しているときに動作する。ここで、イネーブル信号は、三相回路の各相で、正の半周期(または負の半周期)において、イネーブルオン(アサート)となる。なお、電圧調整器104のイネーブル信号は、電圧調整器104ではなく、パルス幅変調器107の動作をイネーブルにするか否かの制御に用いるようにしてもよい。
【0040】
電圧調整器104は、例えば、イネーブル信号がアサートされると、比較器103の演算結果である、目標DC電圧と出力直流電圧との差分値を基に、目標電流の値を算出し、減算器105に入力する。目標電流は、目標DC電圧と出力直流電圧との差分値を小さくするためにコンデンサC1を充電する電流であって、かつ、ゼロクロス検出部112で検出される交流電圧と同位相となる電流である。減算器105は、目標電流の値と、交流電流センサA1からの交流電流測定値との差分を算出し、電流調整器106に入力する。
【0041】
電流調整器106は、目標電流の値と電流測定値との差分を基に、オンとオフをパルス幅変調器107に指示する。すなわち、電流測定値が目標電流値に達するまでの間、電流調整器106は、パルス幅変調器107にオン信号の出力を指示する。一方、電流測定値
が目標電流値に達すると、電流調整器106は、パルス幅変調器107にオフ信号の出力を指示する。
【0042】
パルス幅変調器107は、パルス幅変調の制御信号(PWMスイッチング信号)を生成する。パルス幅変調器107は、生成したPWMスイッチング信号により、三相交流回路のスイッチング素子TD1乃至TD6のうち、該当する素子の制御端子(例えば、
図1の各素子のベース端子)を制御する。したがって、例えば、交流電流センサA1からの電流測定値が電圧調整器104から出力された目標電流の値に達するまで、パルス幅変調器107は、該当する素子の制御端子をオンに維持する。そして、交流電流センサA1からの電流値が電圧調整器104から出力された目標電流の値に達すると該当する素子の制御端子をオフにする。このような処理を繰り返すことで、電圧調整器104からパルス幅変調器107に至る回路は、入力の各相の交流電圧が正(または負)の半周期に、極力重複するように(同位相となるように)、略正弦波の交流電流を誘起する。以上のように、目標DC電圧レジスタ101、加算器102、比較器103、電圧調整器104、減算器105、電流調整器106、パルス幅変調器107は、交流電圧において位相が正または負の半周期に前記スイッチング素子に対するPWM制御を実行する。これにより、これらの回路は、交流電圧と同位相となるように略正弦波の交流電流を誘起し、コンデンサC1の端子電圧を充電目標電圧(目標DC電圧ともいう)に近づくように充電する手段の一例と言える。
【0043】
さらに、ゼロクロス検出部112は、交流電圧センサV1で測定された交流電圧のゼロクロスが検出された相において、現時点が電圧のピーク近傍の期間か否かを判定する。そして、現時点が電圧のピーク近傍の期間に該当する場合、ゼロクロス検出部112は、デューティ比検出部108にイネーブル信号を出力する。
【0044】
デューティ比検出部108は、ゼロクロス検出部112からイネーブル信号を受けると、パルス幅変調器107からデューティ比を取得する。デューティ比検出部108は、取得したデューティ比を調整部110に出力する。デューティ比検出部108は、デューティ比を取得する手段の一例と言える。
【0045】
調整部110は、入力されたデューティ比と、閾値レジスタ109に設定されたデューティ比の閾値とを比較し、比較結果に応じた目標DC電圧の調整量を算出する。調整部110は、算出した目標DC電圧の調整量を目標DC電圧の調整量レジスタ111に設定する。
【0046】
ここで、閾値レジスタ109には、第1の閾値と、第1の閾値よりも小さい第2の閾値が設定されている。デューティ比検出部108より入力されたデューティ比が第1の閾値よりも高い場合、調整部110は、目標DC電圧と出力直流電圧との差分値が十分に大きいと判断する。その結果、調整部110は、目標DC電圧を低下させるように、負の値の調整量を目標DC電圧の調整量レジスタ111に設定する。
【0047】
一方、デューティ比検出部108より入力されたデューティ比が第1の閾値より小さい第2の閾値よりもさらに低い場合、調整部110は、目標DC電圧と出力直流電圧との差分値が小さすぎると判断する。その結果、調整部110は、目標DC電圧を増加させるように、正の値の調整量を目標DC電圧の調整量レジスタ111に設定する。このようにして調整された目標DC電圧の調整量が、加算器102において、目標DC電圧の初期値に加算され、目標DC電圧が調整される。調整部110、目標DC電圧の調整量レジスタ111および加算器102は、デューティ比が第1の基準値より大きい場合にコンデンサC1の充電目標電圧を現在値から低下させる手段の一例と言える。また、これらは、デューティ比が第1の基準値より小さい第2の基準値より小さい場合にコンデンサC1の充電目
標電圧を現在値から増加させる手段の一例とも言える。
【0048】
なお、本実施形態および後述する他の実施形態において、第1の閾値の値、第1の閾値に対する目標DC電圧の調整量は、実験的または経験的に定められる。また、第2の閾値の値、第2の閾値に対する目標DC電圧の調整量は、実験的または経験的に定められる。
【0049】
図2の例では、目標DC電圧の初期値が目標DC電圧レジスタ101に固定されている。ただし、調整された目標DC電圧が目標DC電圧レジスタ101に保持されるようにしてもよい。すなわち、目標DC電圧レジスタ101に保持される目標DC電圧が調整部110の処理によって処理ごとに変化するようにしてもよい。
【0050】
ところで、
図2の制御回路100の各部のいずれかの少なくとも一部は、Central processing Unit(CPU)およびメモリ等の主記憶装置によって提供されるものでもよい。
すなわち、1または複数のCPUがメモリ上に実行可能に展開されたコンピュータプログラムにより、
図2の各部またはいずれかの一部としての処理を実行してもよい。
【0051】
CPUはプロセッサとも呼ばれる。CPUは、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のCPUがマルチコア構成を有していても良い。主記憶装置は、CPUが実行するコンピュータプログラム、CPUが処理するデータ等を記憶する。また、制御回路100は、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)等を含み、CPUがこれらのプロセッサと連携するものでもよい。主記憶装置は、は、Dynamic Random Access Memory(DRAM)、Static Random Access Memory(SRAM)、Read Only Memory(ROM)等である。
【0052】
また、制御回路100の各部のいずれかの少なくとも一部は、Analog-to-Digital(A
D)コンバータ、Digital-to- Analog(DA)コンバータ、その他のデジタル回路、アナログ回路を含むものでもよい。
【0053】
(電力変換回路の構成)
図4は、
図1の三相のうちの2つの相に着目した電力変換装置1の回路図である。例えば、
図4は、第1相と第2相を例示する。電力変換装置1は、交流源からの交流電力を直流に変換した後に、負荷に電力を供給する。すでに述べたように、負荷は、電動機等である。負荷が交流機の場合、直流に変換された電力は再度交流に変換される。そのため、負荷が交流機の場合、負荷内部には、インバータ等の電力変換回路がさらに含まれる。
【0054】
図4のように、電力変換装置1は、交流電源と負荷との間の経路に直列に接続されるリアクタンス素子L1、L2を有する。また、電力変換装置1は、負荷と並列に設けられるコンデンサC1を有する。また、電力変換装置は、リアクタンス素子を介し、交流源から交流電圧を短絡および開放できるスイッチング素子TD11乃至TD14と、スイッチング素子TD11乃至TD14を制御する制御回路100を備える。
【0055】
なお、スイッチング素子TD11乃至TD14は、いずれも、
図1と同様、バイポーラトランジスタと、ダイオードを組みあせた構造である。ただし、スイッチング素子TD11乃至TD14は、いずれも、MOSFETと、寄生ダイオードを組みあせたものであってもよい。その場合、寄生ダイオードの向きは、
図1のダイオードと同様、寄生ダイオードのカソードがMOSFETのドレインに、寄生ダイオードのアノードがMOSFETのソースに接続される。スイッチング素子TD11乃至TD14は、全波整流回路としても作用する。したがって、電力変換装置1は、全波整流回路を含むと言える。スイッチング素子TD11、TD13は、ダイオードを有するので整流機能を有する素子と言える。したがって、スイッチング素子TD12、TD14は、整流機能を有するスイッチング素子
TD11、TD13を介してコンデンサC1と並列に接続されると言える。また、整流機能を有するスイッチング素子TD11、TD13は、カソード側が前記コンデンサC1の高電位側の端子(第1の端子)に接続されている。また、整流機能を有するスイッチング素子TD11、TD13は、アノード側がスイッチング素子TD12、TD14とリアクタンス素子L1、L2の負荷側との接点に接続されている。
【0056】
また、リアクタンス素子L1、スイッチング素子TD11およびTD12は、第1の回路部分の一例である。リアクタンス素子L2、スイッチング素子TD13およびTD14は、第2の回路部分の一例である。
【0057】
(電力変換回路のPWM動作について)
三相の各相の交流電圧が正または負の場合を想定した際、複数のスイッチング素子をオンオフさせて、コンデンサC1に充電電流を流す基本的な動作原理は前記単相回路と同じ原理である。ただし、三相の場合は、一般的に入力電圧を元にd-q座標変換の手法を用
いてα-β-γ座標に変換した後、PWM変調することにより、スイッチング素子(
図1 TD1~TD6)3相分の駆動信号を生成する。なお、三相PWMコンバータの制御技術として広く公開されるため、詳細説明を省略する(例えば、「三相PWMインバータ・コンバータのソフトウェア制御」竹下隆晴、名古屋大学工学博士論文、報告番号 乙 3809、1990年度(平成2年7月6日)P145~174参照)。
【0058】
(制御回路100の処理シーケンス)
図5に、制御回路100の処理を例示する。制御回路100のゼロクロス検出部112は、各相の交流電圧のゼロクロスを監視し、ゼロクロスを検知すると、制御回路100は、
図4の処理を起動する。この処理では、制御回路100のゼロクロス検出部112は、交流電圧がゼロクロスの後、ピーク近傍の所定の範囲に入ったか否を判定する(S1)。なお、ピーク近傍の所定の範囲は、実験的または経験的に定められる。交流電圧がピーク近傍の所定の範囲に入ると、ゼロクロス検出部112は、デューティ比検出部108にイネーブル信号を送出する。すると、デューティ比検出部108は、パルス幅変調器107からデューティ比Rdを取得する(S2)。
【0059】
そして、制御回路100の調整部110は、取得されたデューティ比Rdが第1の基準値より大きいか否かを判定する(S3)。取得されたデューティ比Rdが第1の基準値より大きい場合(S3でYES)、制御回路100は、加算器102により目標DC電圧を所定量だけ低下させる。デューティ比Rdが大きいのは、入力の交流電圧の振幅(ピーク値)が、目標DC電圧から遠いため、すなわち、コンデンサC1への充電する電流を大きくするためである。これは、逆に、目標DC電圧が高すぎるとも言える。この場合、電力変換装置1の変換効率は低下するので、制御回路100は、目標DC電圧を低下させるのである。そして、制御回路100は、制御をS7に進める。
【0060】
一方、S3の判定で、取得されたデューティ比Rdが第1の基準値より小さい場合(DSでYES)、制御回路100の調整部110は、取得されたデューティ比Rdが第2の基準値より小さいか否かを判定する(S5)。ここで、第2の基準値は、第1の基準値よりさらに小さい値である。
【0061】
取得されたデューティ比Rdが第2の基準値より小さい場合(S5でYES)、制御回路100は、加算器102により目標DC電圧を所定量だけ増加させる。デューティ比Rdが小さいのは、入力の交流電圧の振幅(ピーク値)が、目標DC電圧に近いためである。これは、逆に、目標DC電圧が低すぎるとも言える。この場合、電力変換装置1では、交流電圧の振幅(ピーク値)がコンデンサC1の両端の電圧を超える可能性が高まるので、制御回路100は、目標DC電圧を増加させるのである。そして、制御回路100は、
制御をS7に進める。
【0062】
そして、制御回路100は、処理が終了か否かを判定する(S7)。処理が終了か否かは、交流電圧の位相がピーク近傍から離れたか否かであり、ゼロクロス検出部112によって判定される。そして、終了でない場合、制御回路100は、制御をS1に戻す。一方、終了の場合、制御回路100は、処理を終了する。そして、次に、他のいずれかの相でゼロクロスが検出されると、制御回路100は、
図5の処理を実行する。
【0063】
(実施形態の効果)
以上述べたように、本実施形態によれば、制御回路100は、電力変換装置1の電力変換中に動的に、パルス幅変調器107のデューティ比を基に適切な目標DC電圧を設定できる。したがって、目標DC電圧が電力変換装置1の工場出荷時、出荷先でのインストール時、またはメインテナンス時などの設定値に固定される必要がない。このため、制御回路100を有する電力変換装置1は、出荷先の交流電圧等の環境に応じて、柔軟に、自動的に目標DC電圧を設定できる。その結果、出荷先の交流電圧等の環境に応じて、高い電力変換効率、すなわち、低損失で、力率改善を含む電力変換を実行できる。
【0064】
<変形例>
制御回路100は、
図3の加算器102により、目標DC電圧への調整量の加減算により、目標DC電圧を調整した。しかし、制御回路100の処理は、このような処理に限定される訳ではない。例えば、制御回路100は、乗算器により、目標DC電圧を調整してもよい。その場合には、目標DC電圧の調整量レジスタ111には、比率が設定される。例えば、デューティ比Rdが第1の基準値より大きい場合、目標DC電圧調整量レジスタ111には1より小さい値が設定され、目標DC電圧は、この値の比率で低下されるとよい。また、デューティ比Rdが第2の基準値より小さい場合、目標DC電圧調整量レジスタ111には1より大きい値が設定され、目標DC電圧は、この値の比率で増加されるとよい。この場合も、第1の基準値および第2の基準値は実験的、経験的に設定されればよい。
【0065】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、電力変換装置1の制御回路100が
図1、
図2、または
図4に例示された力率改善回路に対して目標DC電圧を設定する処理を例示した。しかし、電力変換装置1の構成が
図1または
図4で例示される力率改善回路に限定される訳ではない。
【0066】
図6は、第2の実施形態である電力変換装置1Bの構成を例示する図である。電力変換装置1Bは、交流電源から給電される全波整流回路を含む。全波整流回路は、ダイオードD1乃至D4を含む。ダイオードD1とD2が直列に接続され、ダイオードD3とD4が直列に接続される。そして、ダイオードD1のアノードとダイオードD2のカソードの接続点に交流電源の一方の端子が接続される。また、ダイオードD3のアノードとダイオードD4のカソードの接続点に交流電源の一方の端子が接続される。さらに、ダイオードD1のカソードとダイオードD3のカソードは、チョッパ回路を構成するリアクタンス素子L3に接続される。チョッパ回路は、電源からの経路に直列に接続されるリアクタンス素子L3と、電源からの経路に並列に接続されるスイッチング素子QD1と、電源からの経路に直列に接続されるダイオードD5を有する。また、チョッパ回路は、電源からの経路に並列に接続される平滑化のためのコンデンサC1を有する。コンデンサC1は、直流電圧を平滑化するとともに、負荷に直流電圧を供給する。
【0067】
ダイオードD5は、整流機能を有する素子の一例である。したがって、スイッチング素子QD1は、リアクタンス素子L3の負荷側の接点でダイオードD5を介してコンデンサC1と並列に接続されている。また、整流機能を有する素子であるダイオードD5は、カ
ソード側がコンデンサC1の高電位側の端子(第1の端子)に接続され、アノード側がスイッチング素子QD2とリアクタンス素子L3の負荷側との接点に接続されている。
【0068】
電力変換装置1Bでは、制御回路100Bがスイッチング素子QD1をスイッチングすることで、PWMを実行する。すなわち、全波整流回路であるダイオードD1乃至D4を通過する、交流電源からの正の半周器および負の半周器に対して、制御回路100Bが交流電圧と極力同位相の略正弦波の交流電流を誘起し、電力変換装置1Bに入力される電力の力率を改善する。
【0069】
制御回路100Bは、PWMのスイッチング信号がスイッチング素子QD1の制御端子を1つだけPWM制御する点(PWMの制御信号が1つであること)を除いて、
図3の制御回路100と同様の構成である。したがって、
図3の場合と同様、制御回路100Bは、交流電圧のピーク近傍で、PWM制御のデューティ比を取得することで、負荷に供給される直流電圧の目標値である目標DC電圧を設定し、調整できる。なお、
図6の電力変換装置1Dは、単相の交流電源にも適用可能であるし、三相の交流電源にも適用可能である。
【0070】
図7は、第3の実施形態である電力変換装置1Cの構成を例示する図である。電力変換装置1Cは、チョッパ回路が交流電源からの経路に並列に設けられる点で、
図6の電力変換装置1Bと相違する。すなわち、第1のチョッパ回路は、電源からの経路に直列に接続されるリアクタンス素子L3と、電源からの経路に並列に接続されるスイッチング素子QD1と、電源からの経路に直列に接続されるダイオードD5とを有する。また、第2のチョッパ回路は、電源からの経路に直列に接続されるリアクタンス素子L4と、電源からの経路に並列に接続されるスイッチング素子QD2と、電源からの経路に直列に接続されるダイオードD6とを有する。そして、電源からの経路に並列に平滑化のためのコンデンサC1が接続される。
【0071】
電力変換装置1Cの処理は、2つのチョッパ回路が並列に動作すること以外は、
図6の電力変換装置1Bと同様である。すなわち、制御回路100Cは、PWMのスイッチング信号がスイッチング素子QD1、QD2の2つの制御端子をPWM制御する点を除いて、
図3の制御回路100と同様の構成である。
【0072】
したがって、
図7の制御回路100Cは、2つのチョッパ回路のスイッチング素子QD1、QD2を並列にPWM制御する。この場合、入力の交流電圧は共通であり、出力の直流電圧も共通であるから、PWM制御のデューティ比も、2つのチョッパ回路のスイッチング素子QD1、QD2で共通となる。
【0073】
ダイオードD5、D6は、整流機能を有する素子の一例である。したがって、スイッチング素子QD1、QD2は、リアクタンス素子L3、L4の負荷側の接点で整流機能を有する素子であるダイオードD5、D6を介してコンデンサC1と並列に接続されている。また、整流機能を有する素子であるダイオードD5、D6は、カソード側がコンデンサC1の高電位側の端子(第1の端子)に接続される。また、ダイオードD5は、アノード側がスイッチング素子QD1とリアクタンス素子L3の負荷側との接点に接続されている。ダイオードD6は、アノード側がスイッチング素子QD2とリアクタンス素子L4の負荷側との接点に接続されている。
【0074】
したがって、
図7の電力変換装置1Cにおいても、制御回路100Cは、
図6の電力変換装置1Bと同様に、交流電圧のピーク近傍で、PWM制御のデューティ比を取得することで、負荷に供給される直流電圧の目標値である目標DC電圧を設定し、調整できる。なお、電力変換装置1Cの制御回路100Cは、2つのチョッパ回路のスイッチング素子Q
D1、QD2のデューティ比を平均して、目標DC電圧の設定に用いてもよい。なお、
図7の電力変換装置1Dは、単相の交流電源にも適用可能であるし、三相の交流電源にも適用可能である。
【0075】
図8は、第4の実施形態である電力変換装置1Dの構成を例示する図である。電力変換装置1Dは、第1の回路部分と第2の回路部分とを有する。第1の回路部分は、交流電源の一方である第1の端子に接続される第1のリアクタンス素子L11を有する。また、第1の回路部分は、第1のリアクタンス素子L11にアノード側が接続され、コンデンサC1の正側の第1の端子にカソード側が接続される第1の整流機能を有するダイオードD11を有する。また、第1の回路部分は、ダイオードD11を介してコンデンサC1に並列に接続される第1のスイッチング素子QD11と、を有する。
【0076】
また、第2の回路部分は、交流電源の他方である第2の端子に接続される第2のリアクタンス素子L12を有する。また、第2の回路部分は、第2のリアクタンス素子L12にアノード側が接続され、コンデンサC1の正側の第1の端子にカソード側が接続される第2の整流機能を有するダイオードD12を有する。また、第2の回路部分は、ダイオードD12を介してコンデンサC1に並列に接続される第2のスイッチング素子QD12と、を有する。
【0077】
ダイオードD11、D12は、整流機能を有する素子の一例である。したがって、第1のスイッチング素子QD11、第2のスイッチング素子QD12は、第1のリアクタンス素子L11、第2のリアクタンス素子L12の負荷側の接点でダイオードD11、D12を介してコンデンサC1と並列に接続されている。また、整流機能を有する素子であるダイオードD11、D12は、カソード側がコンデンサC1の高電位側の端子(第1の端子)に接続される。また、ダイオードD11は、アノード側が第1のスイッチング素子QD11と第1のリアクタンス素子L11の負荷側との接点に接続されている。ダイオードD12は、アノード側が第2のスイッチング素子QD12と第2のリアクタンス素子L12の負荷側との接点に接続されている。
【0078】
ところで、電力変換装置1Dの構成は、
図4の電力変換装置1において、スイッチング素子TD11およびTD13をダイオードD11、D12に変更した構成である。したがって、電力変換装置1Dの制御回路100Dは、電力変換装置1の制御回路100と同様、交流電圧の正の半周器においては、第1のスイッチング素子QD11をオンオフ制御し、第2のスイッチング素子QD12をオフに維持すればよい。また、制御回路100Dは、交流電圧の負の半周器においては、第1のスイッチング素子QD11をオフに維持し、第2のスイッチング素子QD12をオンオフ制御すればよい。このようにして、制御回路100Dは、制御回路100と同様の構成で、交流電圧のピーク近傍で、PWM制御のデューティ比を取得することで、負荷に供給される直流電圧の目標値である目標DC電圧を設定し、調整できる。
【0079】
なお、
図4の電力変換装置1も、
図8の電力変換装置1Dと同様、第1の回路部分と第2の回路部分とを有すると言える。したがって、
図8の電力変換装置1Dは、単相の交流電源にも適用可能であるし、三相の交流電源にも適用可能である。
【0080】
図9は、第5の実施形態である電力変換装置1Eの構成を例示する図である。電力変換装置1Dは、交流源の第1の端子に接続されるリアクタンス素子L20と、全波整流回路を含む。この全波整流回路は、リアクタンス素子L20にアノード側が接続され、コンデンサC1の正側の第1の端子にカソード側が接続される整流機能を有する第1のスイッチング素子QD21を有する。ここで、第1のスイッチング素子QD21は、例えば、MOSFETと寄生ダイオードを組み合わせた構造である。
【0081】
また、この全波整流回路は、リアクタンス素子L20にカソード側が接続され、コンデンサの第2の端子にアノード側が接続される整流機能を有する第2のスイッチング素子QD22を有する。ここで、第2のスイッチング素子QD22は、例えば、MOSFETと寄生ダイオードを組み合わせた構造である。
【0082】
また、この全波整流回路は、コンデンサC1の正側の第1の端子にカソードが接続される第1の整流素子であるダイオードD21を有する。さらに、この全波整流回路は、ダイオードD21のアノード側および交流電源の第2の端子にカソード側が接続され、コンデンサC1の負側の第2の端子にアノード側が接続される第2の整流素子であるダイオードD22と、を有する。
【0083】
ところで、
図9の電力変換装置1Eの構成は、
図4の電力変換装置1において、リアクタンス素子L1およびL2の一方であるL2を除去し、スイッチング素子TD13、TD14をダイオード21、22に変更した構成である。
【0084】
したがって、電力変換装置1Eの制御回路100Eは、電力変換装置1の制御回路100と同様、交流電圧の正の半周器においては、第1のスイッチング素子QD11をオフに維持し、第2のスイッチング素子QD12をオンオフ制御すればよい。また、制御回路100Dは、交流電圧の負の半周器においては、第1のスイッチング素子QD11をオンオフ制御し、第2のスイッチング素子QD12をオフに維持すればよい。このようにして、制御回路100Dは、制御回路100と同様の構成で、交流電圧のピーク近傍で、PWM制御のデューティ比を取得することで、負荷に供給される直流電圧の目標値である目標DC電圧を設定し、調整できる。なお、
図9の電力変換装置1Dは、単相の交流電源にも適用可能であるし、三相の交流電源にも適用可能である。
【0085】
(付記)
1. 交流源から直流に変換した後に、負荷に供給される電力を調整する電力変換装置(1、1B乃至1E)であって、
前記交流源と前記負荷との間の経路に直列に接続されるリアクタンス素子(L1、L2、L3、L4、L11、L12、L20)と、
前記負荷と並列に設けられるコンデンサ(C1)と、
前記リアクタンス素子を介し、前記交流源から交流電圧を短絡および開放できるスイッチング素子(TD1乃至TD6、TD11乃至TD14、QD1、QD2、QD11、QD12、QD21、QD22)と、
前記スイッチング素子を制御する制御部(100、100B乃至100E)と、
を備え、
前記制御部(100、100B乃至100E)は、
前記交流源からの交流電圧の位相を検出するゼロクロス検出部(112)と、
前記交流電圧において位相が正または負の半周期に前記スイッチング素子に対するPWM制御を実行することによって前記交流電圧と同位相となるように略正弦波の交流電流を誘起し、前記コンデンサの端子電圧を充電目標電圧に近づくように充電する手段(101乃至106)と、
前記交流電圧が正または負のピーク近傍となる位相において、前記PWM制御におけるデューティ比を取得する手段(108)と、
前記デューティ比が第1の基準値より大きい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から低下させ、前記デューティ比が第1の基準値より小さい第2の基準値より小さい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から増加させる手段(110、111、102)と、を備える電力変換装置。
2. 前記電力変換装置は、
前記交流源から給電される全波整流回路(TD11乃至TD14、またはQD21、QD22、D21、D22、またはD11、QD11、D12、QD12)を含み、または、全波整流回路(D1乃至D4、またはD11、D12、QD11、QD12)を介して交流源から給電され、前記負荷に電力を供給する回路であり、
前記スイッチング素子(TD12、TD14、QD1、QD2、QD11、QD12)は、前記リアクタンス素子(L1、L2、L3、L4)の前記負荷側の接点で整流機能を有する素子(TD11、TD13、D5、D6、D11、D12)を介して前記コンデンサ(C1)と並列に接続され、
前記整流機能を有する素子(TD11、TD13、D5、D6、D11、D12)は、カソード側が前記コンデンサ(C1)の高電位側の第1の端子に接続され、アノード側が前記スイッチング素子(TD12、TD14、QD1、QD2、QD11、QD12)と前記リアクタンス素子(L1、L2、L3、L4、L11,L12)の前記負荷側との接点に接続される上記1項に記載の電力変換装置。
3. 前記電力変換装置は、第1の回路部分と第2の回路部分とを有し、
第1の回路部分は、
前記交流源の第1の端子に接続される第1のリアクタンス素子(L1、L3、L11)と、
前記第1のリアクタンス素子にアノード側が接続され、前記コンデンサの前記第1の端子にカソード側が接続される第1の整流機能を有する素子(TD11、D5、D11)と、
前記第1の整流機能を有する素子を介して前記コンデンサ(C1)に並列に接続される第1のスイッチング素子(TD12、QD1、QD11)と、を有し、
第2の回路部分は、
前記交流電源の第2の端子に接続される第2のリアクタンス素子(L2、L4、L12)と、前記第2のリアクタンス素子にアノード側が接続され、前記コンデンサ(C1)の前記第1の端子にカソード側が接続される第2の整流機能を有する素子(TD13、D6、D12)と、
前記第2の整流機能を有する素子(TD13、D6、D12)を介して前記コンデンサに並列に接続される第2のスイッチング素子(TD14、QD2、QD12)と、を有する上記1項または2項に記載の電力変換装置。
4. 前記交流源の第1の端子に接続されるリアクタンス素子(L20)と、
前記リアクタンス素子(L20)を介して前記交流源に接続される全波整流回路と、を含み、
前記全波整流回路は、
前記リアクタンス素子(L20)にアノード側が接続され、前記コンデンサの第1の端子にカソード側が接続される整流機能を有する第1のスイッチング素子(QD21)と、
前記第1のリアクタンス素子にカソード側が接続され、前記コンデンサの第2の端子にアノード側が接続される整流機能を有する第2のスイッチング素子(QD22)と、
前記コンデンサの前記第1の端子にカソードが接続される第1の整流素子(D21)と、
前記第1の整流素子(D21)のアノード側および前記交流源の第2の端子にカソード側が接続され、前記コンデンサの前記第2の端子にアノード側が接続される第2の整流素子(D22)と、を有する上記1項に記載の電力変換装置。
ンサの充電目標電圧を現在値から増加させる手段と、を備える電力変換装置の制御部。
5.(欠番)
6. 交流源から直流に変換した後に、負荷に供給される電力を調整する電力変換装置(1、1B乃至1E)の制御方法であって、
前記電力変換装置は、
前記交流源と前記負荷との間の経路に直列に接続されるリアクタンス素子(L1、L
2、L3、L4、L11、L12、L20)と、
前記負荷と並列に設けられるコンデンサ(C1)と、
前記リアクタンス素子を介し、前記交流源から交流電圧を短絡および開放できるスイッチング素子(TD1乃至TD6、TD11乃至TD14、QD1、QD2、QD11、QD12、QD21、QD22)と、を備え、
前記交流源からの交流電圧の位相を検出すること(S1)と、
前記交流電圧において位相が正または負の半周期に前記スイッチング素子に対するPWM制御を実行することによって前記交流電圧と同位相となるように略正弦波の交流電流を誘起し、前記コンデンサの端子電圧を充電目標電圧に近づくように充電すること(101乃至106)と、
前記交流電圧が正または負のピーク近傍となる位相において、前記PWM制御におけるデューティ比を取得すること(S2)と、
前記デューティ比が第1の基準値より大きい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から低下させ(S4)、前記デューティ比が第1の基準値より小さい第2の基準値より小さい場合に前記コンデンサの充電目標電圧を現在値から増加させること(S6)と、を実行する電力変換装置の制御方法。
【符号の説明】
【0086】
1 電力変換装置
100、100B、100C、100D、100E 制御装置
101 目標DC電圧レジスタ
102 加減算器
103 比較器
104 電圧調整器
105 減算器
106 電圧調整器
107 パルス幅変調器
108 デューティ比検出部
109 デューティ比閾値レジスタ
110 比較器
111 目標DC電圧調整量レジスタ
A1 交流電流センサ
C1 コンデンサ
D1、D2、D3、D4、D5、D6 ダイオード
L1、L2、L3、L4、L11、L12、L20 リアクタンス素子
QD1、QD2、QD11、QD12、QD21、QD22 スイッチング素子
TD1、TD2、TD3、TD4、TD5、TD6 スイッチング素子
V1 交流電圧センサ
V2 直流電圧センサ