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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20241016BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20241016BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241016BHJP
   F21S 45/47 20180101ALI20241016BHJP
   B60Q 3/10 20170101ALI20241016BHJP
   B60Q 3/74 20170101ALI20241016BHJP
   B60Q 3/76 20170101ALI20241016BHJP
   B60Q 3/80 20170101ALI20241016BHJP
   F21S 45/10 20180101ALI20241016BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20241016BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20241016BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20241016BHJP
   F21W 106/00 20180101ALN20241016BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20241016BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20241016BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241016BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20241016BHJP
【FI】
F21V19/00 170
F21V19/00 150
F21S43/19
F21S2/00 100
F21S45/47
B60Q3/10
B60Q3/74
B60Q3/76
F21V19/00 450
B60Q3/80
F21S45/10
F21W103:35
F21W103:20
F21W103:00
F21W106:00
F21Y115:15
F21Y115:30
F21Y115:10 500
F21Y115:10 100
F21Y115:10 300
F21Y101:00 100
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021043480
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2022143130
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】小杉 大資
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-241664(JP,A)
【文献】特開2014-019436(JP,A)
【文献】特開2019-145407(JP,A)
【文献】特開2004-343025(JP,A)
【文献】特表2021-500727(JP,A)
【文献】特開2008-084699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21L 2/00-27/00
B60Q 3/00- 3/88
F21W 103/35
F21W 103/20
F21W 103/00
F21W 106/00
F21Y 115/15
F21Y 115/30
F21Y 115/10
F21Y 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状を呈し、第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する基板と;
前記基板の、前記第1の面に設けられた第1の発光素子と;
前記基板の、前記第1の面に設けられた第2の発光素子と;
を具備し、
前記基板は、厚み方向を貫通する孔を有し、
前記第1の発光素子は、前記第1の面に垂直な方向であって、車両用照明装置の外部に向けて光を照射し、
前記第2の発光素子は、前記孔を介して、前記第2の面に垂直な方向であって、前記車両用照明装置の外部に向けて光を照射する車両用照明装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置に設けられた基板が挿入されるソケットと;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
口金を有さないウェッジベース電球が車両用照明装置として用いられている。ウェッジベース電球は白熱電球である。そのため、省電力化、長寿命化などの観点から、ウェッジベース電球は、発光ダイオードを備えた車両用照明装置と置き換えられるようになってきている。
【0003】
ウェッジベース電球は、車両用灯具に設けられたソケットに押し込むようにして装着される。ウェッジベース電球に代えて、発光ダイオードを備えた車両用照明装置を用いる場合、ウェッジベース電球が装着されていたソケットをそのまま用いることができるようにすることが好ましい。
そのため、発光ダイオードが実装された基板と、基板の、発光ダイオード側とは反対側の面に設けられ、基板の面に垂直な方向に延びるハウジングと、を備えた車両用照明装置が提案されている。
【0004】
また、ウェッジベース電球との置き換えを考慮すると、発光ダイオードを備えた車両用照明装置の配光特性が、ウェッジベース電球の配光特性となるべく近くなるようにすることが好ましい。この場合、白熱電球であるウェッジベース電球は、ほぼ全方位に光を照射することができるので、配光角度が広くなる。これに対して、発光ダイオードは指向角が狭いので、発光ダイオードを備えた車両用照明装置の配光角度は狭くなる。
そこで、簡易な構成で配光角度を広げることができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-105652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、簡易な構成で配光角度を広げることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る車両用照明装置は、板状を呈し、第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する基板と;前記基板の、前記第1の面に設けられた第1の発光素子と;前記基板の、前記第1の面に設けられた第2の発光素子と;を具備している。前記基板は、厚み方向を貫通する孔を有している。前記第1の発光素子は、前記第1の面に垂直な方向であって、車両用照明装置の外部に向けて光を照射する。前記第2の発光素子は、前記孔を介して、前記第2の面に垂直な方向であって、前記車両用照明装置の外部に向けて光を照射する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、簡易な構成で配光角度を広げることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
図2】(a)、(b)は、発光素子の光の照射方向を例示するための模式側面図である。
図3】(a)、(b)は、基板面に設けられた発光素子の光の照射方向を例示するための模式側面図である。
図4】他の実施形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
図5】発光素子の光の照射方向を例示するための模式側面図である。
図6】本実施の形態に係る車両用灯具を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係る車両用照明装置1としては、例えば、自動車や鉄道車両などに設けられるルームランプ、メーターランプ、読書灯、制動灯、方向指示灯、尾灯などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0011】
(車両用照明装置)
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図1に示すように、車両用照明装置1は、例えば、基板2、発光素子3(第1の発光素子の一例に相当する)、発光素子4(第2の発光素子の一例に相当する)、および回路部品5を有する。
【0012】
基板2は、板状を呈し、面2a(第1の面の一例に相当する)と、面2aに対向する面2b(第2の面の一例に相当する)とを有する。基板2の平面形状は、例えば、略長方形とすることができる。基板2は、例えば、車両用照明装置1を車両用灯具100のソケット101に挿入する方向に延びている。
【0013】
従来のウェッジベース電球との置き換えを容易にするため、基板2の幅寸法Wは、5.0mm~15.0mm、例えば、10.0mm程度とすることができる。なお、幅寸法Wは、車両用照明装置1を車両用灯具100のソケット101に挿入する方向と直交する方向における基板2の寸法である。
【0014】
基板2の厚みTは、0.5mm~3.0mm、例えば、2.0mm程度とすることができる。ただし、基板2の幅寸法Wと厚みTは、例示をしたものに限定されるわけではなく、基板2が挿入される車両用灯具100のソケット101の凹部の寸法に応じて適宜変更することができる。
【0015】
また、幅寸法Wが略一定の基板2を例示したが、発光素子4が設けられる領域、または、発光素子3および発光素子4が設けられる領域の幅寸法Waを、端子21bが設けられる領域の幅寸法Wよりも大きくすることができる。
この様にすれば、発光素子4の数、または、発光素子3および発光素子4の数を増やすことができるので、配光角度を広げたり、配光角度の調整をしたりするのが容易となる。 また、車両用照明装置1を車両用灯具100のソケット101に着脱する際に、作業者が、基板2の幅寸法Waの部分(幅広の部分)を掴むことができるので、車両用照明装置1の着脱が容易となる。
【0016】
基板2は、絶縁性材料から形成することができる。基板2は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板2は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したメタルコア基板などであってもよい。
【0017】
発光素子3、4において発生した熱は、主に、基板2を介して車両用灯具100のソケット101に伝わり、ソケット101から外部に放出される。そのため、発光素子3、4の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板2を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などを例示することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、酸化アルミニウムなどからなるフィラーを混合させたものである。
【0018】
基板2の面2aには、配線パターン21を設けることができる。配線パターン21は、銅、アルミニウム、銀などの低抵抗金属から形成することができる。配線パターン21は、例えば、実装パッド21a、および端子21bを有する。
【0019】
実装パッド21aは、複数設けることができる。複数の実装パッド21aには、発光素子3、発光素子4、および回路部品5が電気的に接続される。
【0020】
端子21bは、一対設けることができる。一対の端子21bは、基板2の、発光素子3、4が設けられる側とは反対側の端部の近傍に設けられている。車両用照明装置1を車両用灯具100のソケット101に装着した際に、一対の端子21bのそれぞれは、ソケット101に設けられたソケット端子101a、101bと電気的に接続される。この場合、ソケット101に設けられた一方のソケット端子101aを、一方の端子21bと接触させることで、配線パターン21を介して、一方のソケット端子101aを発光素子3、4の一方の極性の電極に電気的に接続することができる。また、配線パターン21を介して、他方のソケット端子101bを発光素子3、4の他方の極性の電極に電気的に接続することができる。
【0021】
また、端子21bは、基板2の、面2aに対向する面2bにも設けることができる。面2bに設けられる端子21bは、面2aに設けられた端子21bと対向する位置に設けることができる。面2bに設けられる端子21bは、導通ビアを介して、面2aに設けられた端子21bと電気的に接続することができる。端子21bが、面2bにも設けられていれば、ソケット101に設けられたソケット端子101a、101bとの電気的な接続に関する信頼性を向上させることができる。
【0022】
発光素子3は、少なくとも1つ設けることができる。例えば、発光素子3は、基板2の面2aに設けられている。例えば、発光素子3は、基板2が延びる方向において、発光素子4と回路部品5との間に設けることができる。
【0023】
発光素子3は、主に、基板2の面2aに垂直な方向であって、車両用照明装置1の外部に向けて光を照射する。例えば、発光素子3の光の出射面3aは、基板2の面2aと略平行とすることができる。
【0024】
発光素子3は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
【0025】
発光素子3は、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。また、発光素子3は、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。なお、図1に例示をした発光素子3は、表面実装型の発光素子である。
【0026】
また、発光素子3は、COB(Chip On Board)により実装されるものとしてもよい。COBにより実装される発光素子3とする場合には、チップ状の発光素子3と、発光素子3を囲む枠状の部材と、枠状の部材の内側に設けられ発光素子3を覆う封止部などを基板2の面2aに設けることができる。また、封止部には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。なお、蛍光体の種類は、例示をしたものに限定されるわけではない。蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0027】
なお、チップ状の発光素子3が、上部電極型の発光素子、または、上下電極型の発光素子の場合には、発光素子3の上部電極と実装パッド21aを電気的に接続する配線を設けることができる。チップ状の発光素子3が、フリップチップ型の発光素子の場合には、発光素子3を実装パッド21aに直接実装することができる。
【0028】
発光素子4は、少なくとも1つ設けることができる。例えば、発光素子4は、発光素子3と直列接続することができる。例えば、発光素子4は、基板2の面2aに設けられている。例えば、発光素子4は、基板2が延びる方向において、発光素子3の、回路部品5側とは反対側に設けられている。例えば、発光素子4は、基板2の、端子21bが設けられる側とは反対側の端部の近傍に設ることができる。
【0029】
発光素子4の光の照射方向は、発光素子3の光の照射方向とは異なる。発光素子4は、主に、基板2の面2aに垂直な方向とは異なる方向であって、車両用照明装置1の外部に向けて光を照射する。
図2(a)、(b)は、発光素子3および発光素子4の光の照射方向を例示するための模式側面図である。
図2(a)、(b)に示すように、例えば、発光素子3は、主に、基板2の面2aに垂直な方向であって、車両用照明装置1の外部に向けて光を照射する。
【0030】
図2(a)に示すように、例えば、発光素子4は、主に、基板2の面2aに対して傾斜した方向であって、車両用照明装置1の外部に向けて光を照射する。この場合、基板2の面2aに対して傾斜する角度θは、例えば、45°とすることができる。
図2(b)に示すように、例えば、発光素子4は、主に、基板2の面2aに平行な方向であって、車両用照明装置1の外部に向けて光を照射するようにしてもよい。
【0031】
また、発光素子3および発光素子4は、基板2の面2bにさらに設けることもできる。例えば、面2bに配線パターンを設け、発光素子3および発光素子4を配線パターンに電気的に接続することができる。また、基板2を厚み方向に貫通する導通ビアを設け、導通ビアにより、面2aに設けられた配線パターン21と、面2bに設けられた配線パターンとを電気的に接続することができる。
【0032】
図3(a)、(b)は、基板2の面2aおよび面2bに設けられた発光素子3および発光素子4の光の照射方向を例示するための模式側面図である。
図3(a)、(b)に示すように、例えば、基板2の面2aに設けられた発光素子3は、主に、基板2の面2aに垂直な方向であって、車両用照明装置1の外部に向けて光を照射する。
例えば、基板2の面2bに設けられた発光素子3は、主に、基板2の面2bに垂直な方向であって、車両用照明装置1の外部に向けて光を照射する。
【0033】
図3(a)に示すように、例えば、基板2の面2aに設けられた発光素子4は、主に、基板2の面2aに対して傾斜した方向であって、車両用照明装置1の外部に向けて光を照射する。この場合、基板2の面2aに対して傾斜する角度θaは、例えば、45°とすることができる。
例えば、基板2の面2bに設けられた発光素子4は、主に、基板2の面2bに対して傾斜した方向であって、車両用照明装置1の外部に向けて光を照射する。この場合、基板2の面2bに対して傾斜する角度θbは、例えば、45°とすることができる。
【0034】
図3(b)に示すように、例えば、基板2の面2aに設けられた発光素子4は、主に、基板2の面2aに平行な方向であって、車両用照明装置1の外部に向けて光を照射するようにしてもよい。
例えば、基板2の面2bに設けられた発光素子4は、主に、基板2の面2bに平行な方向であって、車両用照明装置1の外部に向けて光を照射するようにしてもよい。
【0035】
発光素子4は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
また、発光素子4は、前述した発光素子3と同様に、表面実装型の発光素子、砲弾型などのリード線を有する発光素子、チップ状の発光素子などとすることができる。
【0036】
表面実装型の発光素子やチップ状の発光素子の場合には、例えば、側面側から光を出射する側面発光ダイオード(Edge Emitting LED)などを用いればよい。
リード線を有する発光素子の場合には、リード線を折り曲げることで、所望の方向に光を照射させればよい。
【0037】
次に、図1に戻って、回路部品5について説明する。
図1に示すように、回路部品5は、例えば、基板2の面2aに設けられている。例えば、回路部品5は、基板2が延びる方向において、発光素子3と、端子21bとの間に設けられている。
回路部品5は、例えば、ダイオード51、抵抗52、コンデンサ53などとすることができる。
【0038】
ウェッジベース電球は白熱電球であるため、一対のリードのいずれかを電源のプラス側に電気的に接続し、他方のリードを電源のマイナス側に電気的に接続すれば良い。すなわち、ウェッジベース電球は無極性である。これに対して、発光ダイオードなどの発光素子3、4には、極性がある。そのため、逆方向電圧が発光素子3、4に印加されないようにするためにダイオードを設けることができる。
【0039】
また、ウェッジベース電球との置き換えを考慮すると、車両用照明装置1に無極性回路を設けることが好ましい。車両用照明装置1に無極性回路が設けられていれば、ウェッジベース電球と同様に、ソケット101への装着に方向性が無くなる。そのため、車両用照明装置1の装着作業が容易となる。
【0040】
例えば、4つのダイオードを用いてブリッジ回路(ブリッジダイオード)を構成すれば、車両用照明装置1に無極性回路を設けることができる。図1に例示をしたダイオード51は、いわゆる二素子ダイオードである。ダイオード51が二素子ダイオードであれば、2つのダイオード51を用いてブリッジ回路を構成することができるので、実装面積を小さくすることができる。そのため、基板2の幅寸法Wを、ウェッジベース電球のリードが設けられた部分の幅寸法に合わせるのが容易となる。
【0041】
抵抗52は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、図1に例示をした抵抗52は、表面実装型の抵抗器である。表面実装型の抵抗器とすれば、実装面積を小さくすることができるので、基板2の幅寸法Wを、ウェッジベース電球のリードが設けられた部分の幅寸法に合わせるのが容易となる。
【0042】
ここで、発光素子3、4の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子3、4から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子3、4から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗52により、発光素子3、4に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗52の抵抗値を変化させることで、発光素子3、4に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0043】
抵抗52が表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子3、4の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗52を選択する。抵抗52が膜状の抵抗器の場合には、抵抗52の一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。
【0044】
また、抵抗52は、発光素子3、4に過大な電流が流れないようにする役割をさらに有することもできる。
【0045】
コンデンサ53は、例えば、ノイズ対策や電圧を平滑化させるために設けることができる。コンデンサ53は、例えば、表面実装型のコンデンサ53とすることができる。表面実装型のコンデンサ53とすれば、実装面積を小さくすることができるので、基板2の幅寸法Wを、ウェッジベース電球のリードが設けられた部分の幅寸法に合わせるのが容易となる。
【0046】
なお、回路部品5は、例示をしたものに限定されるわけではない。例えば、回路部品5は、発光素子3、4を有する発光回路を構成するために用いられる受動素子または能動素子とすることができる。例えば、回路部品5は、前述したものの他に、プルダウン抵抗、正特性サーミスタ、負特性サーミスタ、インダクタ、サージアブソーバ、バリスタ、FETやバイポーラトランジスタなどのトランジスタ、ツェナーダイオード、集積回路、演算素子などであってもよい。集積回路は、例えば、点滅回路、定電流回路、点灯回路(駆動回路)の少なくともいずれかを備えたものとすることができる。
【0047】
なお、回路部品5は、車両用照明装置1が装着される車両用灯具100の筐体102などに設けることもできる。この様にすれば、車両用照明装置1の構成を簡略化することができるので、車両用照明装置1の小型化や低コスト化を図ることができる。ただし、回路部品5が車両用照明装置1に設けられていれば、ウェッジベース電球が装着されていたソケットをそのまま用いたとしても、車両用照明装置1の保護や多機能化を図ることができる。
【0048】
また、必要に応じて、発光素子3、発光素子4、および回路部品5を覆うカバーを設けることもできる。この場合、基板2の、端子21bが設けられた領域は、カバーから露出させることができる。カバーが設けられていれば、発光素子3、発光素子4、および回路部品5に、外力が加わったり、ゴミなどが接触したりするのを抑制することができる。
【0049】
以上に説明した様に、車両用照明装置1には、発光素子3と、発光素子3とは光の照射方向が異なる発光素子4と、が設けられているので、配光角度を広げることができる。そのため、白熱電球であるウェッジベース電球を、車両用照明装置1に置き換えた際に、配光特性が大幅に変わるのを抑制することができる。
【0050】
また、発光素子3および発光素子4が、基板2の面2aおよび面2bに設けられていれば、配光角度をさらに広げることができる。そのため、車両用照明装置1の配光特性を、白熱電球であるウェッジベース電球の配光特性にさらに近づけることができる。
【0051】
また、車両用照明装置1は、1つの基板2と、基板2の面に設けられた発光素子3、発光素子4、および回路部品5を有していれば良いので、簡易な構成とすることができる。そのため、車両用照明装置1の小型化や低コストがなどが容易となる。
【0052】
図4は、他の実施形態に係る車両用照明装置1aを例示するための模式斜視図である。 図4に示すように、車両用照明装置1aは、例えば、基板20、発光素子3、発光素子40、回路部品5を有する。
【0053】
基板20は、前述した基板2と同様とすることができる。ただし、基板20は、基板20の厚み方向を貫通する孔20aを有している。また、孔20aは、基板20の、端子21bが設けられる側とは反対側の端面にさらに開口していてもよい。
【0054】
また、孔20aは、任意の位置に設けることもできる。例えば、図4および図5に例示をしたように、基板20が延びる方向において、孔20aは、発光素子3と基板20の端部との間に設けることができる。基板20が延びる方向において、孔20aは、発光素子3と回路部品5との間に設けることもできる。基板20が延びる方向と交差する方向において、孔20aは、発光素子3と基板20の端部との間に設けることもできる。
【0055】
発光素子40は、基板20の、発光素子3が設けられた面2aに設けられている。発光素子40は、孔20aの上に設けられている。発光素子40は、発光素子3と同様とすることができる。ただし、発光素子3の光の出射面は、基板20側とは反対側に設けられているが、発光素子40の光の出射面は、基板20側に設けられている。
【0056】
例えば、発光素子40が表面実装型の発光素子の場合には、発光素子40の光の出射面側にリードを設ければよい。例えば、発光素子40がリード線を有する発光素子の場合には、リード線を折り曲げて、発光素子40の光の出射面を孔20aに対峙させればよい。チップ状の発光素子40が、上部電極型の発光素子の場合には、発光素子40の、基板20側となる電極を実装パッド21aに直接実装すればよい。チップ状の発光素子40が、上下電極型の発光素子の場合には、発光素子40の、基板20側となる電極を実装パッド21aに直接実装し、発光素子40の、基板20側とは反対側となる電極と実装パッド21aを配線により電気的に接続すればよい。チップ状の発光素子40が、フリップチップ型の発光素子の場合には、発光素子40の、基板20側とは反対側となる電極と実装パッド21aを配線により電気的に接続すればよい。
【0057】
発光素子40の光の照射方向は、発光素子3の光の照射方向とは異なる。発光素子40は、主に、孔20aを介して、基板20の面2bに垂直な方向であって、車両用照明装置1aの外部に向けて光を照射する。
【0058】
図5は、発光素子3および発光素子40の光の照射方向を例示するための模式側面図である。
図5に示すように、例えば、発光素子3は、主に、基板20の面2aに垂直な方向であって、車両用照明装置1aの外部に向けて光を照射する。
例えば、発光素子40は、主に、孔20aを介して、基板20の面2bに垂直な方向であって、車両用照明装置1aの外部に向けて光を照射する。
【0059】
以上に説明した様に、車両用照明装置1aには、発光素子3と、発光素子3とは光の照射方向が異なる発光素子40と、が設けられているので、配光角度を広げることができる。この場合、車両用照明装置1aは、基板20の同じ面に設けられた発光素子3、40により、基板20の両側に光を照射することができる。そのため、車両用照明装置1に比べて、さらに配光角度を広げることができる。その結果、白熱電球であるウェッジベース電球を、車両用照明装置1aに置き換えた際に、配光特性が大幅に変わるのをさらに抑制することができる。
【0060】
(車両用灯具100)
図6は、本実施の形態に係る車両用灯具100を例示するための模式図である。
なお、以下においては、一例として、前述した車両用照明装置1aが1つ設けられる場合を例示するが、車両用照明装置1aは、少なくとも1つ設けられていればよい。また、車両用照明装置1aに代えて、車両用照明装置1が設けられていてもよいし、車両用照明装置1aと車両用照明装置1が設けられていてもよい。
【0061】
図6に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1a、ソケット101、筐体102、およびカバー103を設けることができる。
【0062】
図6に示すように、ソケット101は、例えば、筐体102に設けられている。ソケット101には、車両用照明装置1aが装着される。ソケット101は、例えば、樹脂などの絶縁性材料から形成される。
また、図6においては、ソケット101と筐体102とを別個に設ける場合を例示したが、ソケット101と筐体102とを一体に形成しても良い。
【0063】
ソケット101には、一方の端部に開口する凹部が設けられている。凹部の内部には、車両用照明装置1a(基板20)が挿入される。また、凹部の内部には、一方の電圧極性(例えば、プラス)に対応する一対のソケット端子101aと、他方の電圧極性(例えば、マイナス)に対応する一対のソケット端子101bが設けられている。なお、前述したように、車両用照明装置1aに無極性回路が設けられていれば、車両用照明装置1a(基板20)の装着方向は限定されない。
【0064】
一対のソケット端子101a(101b)は弾性変形が可能である。基板20を凹部の内部に挿入した際に、ソケット端子101a、101bは、それぞれ、基板20の端子21bと接触する。一対のソケット端子101a(101b)には、車両用灯具100の外部に設けられた電源などが電気的に接続されている。なお、筐体102の内部および外面の少なくともいずれかに回路基板を設け、回路基板を介して一対のソケット端子101a(101b)と電源などとが電気的に接続されるようにしてもよい。
【0065】
筐体102の形状は、例えば、一方の端部側が開口した箱状とすることができる。筐体102は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成される。
カバー103は、筐体102の開口を塞ぐように設けることができる。カバー103は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。カバー103は、レンズなどの機能を有するものとしたり、グレアを抑制するものとしたりすることができる。また、カバー103は、筐体102に開閉可能に設けたり、着脱可能に設けたりすることができる。
【0066】
その他、筐体102の内部に、リフレクタ、レンズなどの光学要素を設けることもできる。
【0067】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 車両用照明装置、1a 車両用照明装置、2 基板、3 発光素子、4 発光素子、5 回路部品、20 基板、20a 孔、40 発光素子、100 車両用灯具、101 ソケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6