(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】充電設備
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241016BHJP
B60L 53/31 20190101ALI20241016BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H02J7/00 P
B60L53/31
(21)【出願番号】P 2021047078
(22)【出願日】2021-03-22
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 慶幸
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-055803(JP,A)
【文献】特開2011-254593(JP,A)
【文献】特開2012-050288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0222340(US,A1)
【文献】特開2011-160615(JP,A)
【文献】特開2004-032869(JP,A)
【文献】特開2009-249856(JP,A)
【文献】特開2014-166003(JP,A)
【文献】特開2012-100448(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104612439(CN,A)
【文献】中国実用新案第210858169(CN,U)
【文献】中国実用新案第205103971(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 53/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1駐車スペースと第2駐車スペースとを仕切る仕切部に設置され、前記第1駐車スペースと前記第2駐車スペースとのうちのいずれか一方の駐車スペースに駐車された車両に搭載された蓄電装置の充電が可能な可動式の充電設備であって、
前記蓄電装置と接続可能な接続機器を含む可動部と、
前記可動部が前記仕切部よりも前記第1駐車スペース側の空間に突出した第1の位置と、前記可動部が前記仕切部よりも前記第2駐車スペース側の空間に突出した第2の位置と、前記可動部が前記仕切部内に収納される第3の位置とのうちのいずれかの位置になるように前記可動部を移動させる移動装置とを備え
、
前記第1駐車スペースの階層は、前記第2駐車スペースの階層の直上の階層であって、
前記仕切部は、前記第1駐車スペースの床と前記第2駐車スペースの天井との間に設定される、充電設備。
【請求項2】
第1駐車スペースと第2駐車スペースとを仕切る仕切部に設置され、前記第1駐車スペースと前記第2駐車スペースとのうちのいずれか一方の駐車スペースに駐車された車両に搭載された蓄電装置の充電が可能な可動式の充電設備であって、
前記蓄電装置と接続可能な接続機器を含む可動部と、
前記可動部が前記仕切部よりも前記第1駐車スペース側の空間に突出した第1の位置と、前記可動部が前記仕切部よりも前記第2駐車スペース側の空間に突出した第2の位置と、前記可動部が前記仕切部内に収納される第3の位置とのうちのいずれかの位置になるように前記可動部を移動させる移動装置とを備え、
前記第1駐車スペースは、前記第2駐車スペースに対して水平方向に隣接し、
前記仕切部は、前記第1駐車スペースの隔壁と前記第2駐車スペースの隔壁との間に設定される
、充電設備。
【請求項3】
前記充電設備は、
前記充電設備の外部の機器から取得した情報を用いて前記移動装置を制御する制御装置とをさらに備え、
前記制御装置は、前記外部の機器から前記可動部の移動要求を取得する場合に、前記可動部が、前記第1の位置と、前記第2の位置と、前記第3の位置とのうちの前記移動要求に対応した位置に移動するように前記移動装置を制御する、請求項1
または2に記載の充電設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載の蓄電装置を充電する可動式の充電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載される蓄電装置を充電するための充電設備は、車両等の外部の駐車場や歩道に設置されるが、設置スペースを占有するため、歩行や車両の走行の妨げになる場合がある。そのため、充電設備を可動式とし、たとえば、地面下に収納させる技術が公知である。
【0003】
たとえば、特開2011-109807号公報(特許文献1)には、地面から立ち上がった状態になることができるとともに、地面下に収納された状態になるよう昇降可能に設置される充電用ポールが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両を駐車する駐車場は、立体駐車場である場合や地上と地下とに駐車場を併設する場合など、複数階層に亘って駐車スペースが設定される場合がある。そのため、各階層において電動車両の充電を可能とするために、たとえば、各階層に上述のような可動式の充電設備を設置することが考えられる。しかしながら、各階層に可動式の充電設備を設置する場合には、設置に要する費用が高額になる虞がある。さらに、平面駐車場内に多くの駐車スペースが設定される場合に各駐車スペースに可動式の充電設備を設置する場合には、設置に要する費用が高額になる虞がある。
【0006】
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数箇所の駐車スペースで利用可能に設置する際に設置費用が高額になることを抑制する充電設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に係る充電設備は、第1駐車スペースと第2駐車スペースとを仕切る仕切部に設置され、第1駐車スペースと第2駐車スペースとのうちのいずれか一方の駐車スペースに駐車された車両に搭載された蓄電装置の充電が可能な可動式の充電設備である。この充電設備は、蓄電装置と接続可能な接続機器を含む可動部と、可動部が仕切部よりも第1駐車スペース側の空間に突出した第1の位置と、可動部が仕切部よりも第2駐車スペース側の空間に突出した第2の位置と、可動部が仕切部内に収納される第3の位置とのうちのいずれかの位置になるように可動部を移動させる移動装置とを備える。
【0008】
このようにすると、1つの充電設備を用いて第1駐車スペースと第2駐車スペースとのうちのいずれかに駐車された車両に搭載される蓄電装置を充電することができる。これにより、第1駐車スペースおよび第2駐車スペースの各々に充電設備を設置する必要がなくなる。そのため、複数箇所の駐車スペースで利用可能に設置する際に充電設備の設置費用が高額になることを抑制することができる。
【0009】
ある実施の形態においては、第1駐車スペースの階層は、第2駐車スペースの階層の直上の階層である。仕切部は、第1駐車スペースの床と第2駐車スペースの天井との間に設定される。
【0010】
このようにすると、1つの充電設備を用いて上下の階層に分かれる第1駐車スペースと第2駐車スペースとのうちのいずれかに駐車された車両に搭載される蓄電装置を充電することができる。これにより、第1駐車スペースおよび第2駐車スペースの各々に充電設備を設置する必要がなくなる。そのため、複数箇所の駐車スペースで利用可能に設置する際に充電設備の設置費用が高額になることを抑制することができる。
【0011】
さらにある実施の形態においては、第1駐車スペースは、第2駐車スペースに対して水平方向に隣接する。仕切部は、第1駐車スペースの隔壁と第2駐車スペースの隔壁との間に設定される。
【0012】
このようにすると、1つの充電設備を用いて水平方向に隣接する第1駐車スペースと第2駐車スペースとのうちのいずれかに駐車された車両に搭載される蓄電装置を充電することができる。これにより、第1駐車スペースおよび第2駐車スペースの各々に充電設備を設置する必要がなくなる。そのため、複数箇所の駐車スペースで利用可能に設置する際に充電設備の設置費用が高額になることを抑制することができる。
【0013】
さらにある実施の形態においては、充電設備は、充電設備の外部の機器から取得した情報を用いて移動装置を制御する制御装置とをさらに備える。制御装置は、外部の機器から可動部の移動要求を取得する場合に、可動部が、第1の位置と、第2の位置と、第3の位置とのうちの移動要求に対応した位置に移動するように移動装置を制御する。
【0014】
このようにすると、外部の機器からの移動要求に応じて第1の位置、第2の位置および第3の位置のうちのいずれかの位置に可動部を移動させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によると、複数箇所の駐車スペースで利用可能に設置する際に設置費用が高額になることを抑制する充電設備を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】可動部が第1駐車スペースと第2駐車スペースとの間の仕切部内に収納された状態の充電スタンドと、電動車両との構成の一例を示す図である。
【
図2】可動部が第1の位置であるときの充電スタンドと、電動車両との構成の一例を示す図である。
【
図3】可動部が第2の位置であるときの充電スタンドと、電動車両との構成の一例を示す図である。
【
図4】制御装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】変形例において、可動部が第1駐車スペースと第2駐車スペースとの間の仕切部内に収納された状態の充電スタンドと、電動車両との構成の一例を示す図である。
【
図6】変形例において、可動部が第1の位置であるときの充電スタンドと、電動車両との構成の一例を示す図である。
【
図7】変形例において、可動部が第2の位置であるときの充電スタンドと、電動車両との構成の一例を示す図である。
【
図8】変形例において、制御装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0018】
以下では、本開示の実施の形態に係る充電設備である充電スタンド300の構成を一例として説明する。
図1は、可動部300aが第1駐車スペースと第2駐車スペースとの間の仕切部104内に収納された状態の充電スタンド300と、電動車両200a,200bとの構成の一例を示す図である。
【0019】
図1に示す状態において、充電スタンド300は、充電スタンド300における上端の位置が第1駐車スペース100の床面と略同じ位置となり、充電スタンド300における下端の位置が第2駐車スペース102の天井面と略同じ位置となるように構成される。
【0020】
充電スタンド300は、円筒形状の筐体を有し、第1駐車スペース100の床面と第2駐車スペース102の天井面との間の仕切部104に形成された開口部106内に設置される。
【0021】
開口部106は、仕切部104を鉛直方向に貫通して形成される。開口部106は、円形状の断面形状を有し、充電スタンド300の筐体の外周面と所定の間隙を有するように形成される。さらに、開口部106は、
図1に示す状態における充電スタンド300の鉛直方向の長さと同程度の長さになるように形成される。
【0022】
第1駐車スペース100と第2駐車スペース102とは、上下の階層に分かれて設定される。より具体的には、第1駐車スペース100は、第2駐車スペース102の階層の直上の階層に設定される。
【0023】
充電スタンド300は、可動部300aと、固定部300bとを含む。可動部300aには、コネクタ302(
図2および
図3参照)が収納可能な収納スペース(図示せず)が形成される。コネクタ302には、他方端が電源(図示せず)に接続されるケーブル304(
図2および
図3参照)の一方端が接続される。電源は、たとえば、商用電源等によって構成される交流電源である。ケーブル304は、たとえば、カール部を有する形状的な伸縮部あるいは巻き取り構造を有する構造的な伸縮部を有し、コネクタ302が持ち出された場合には、第1駐車スペース100および第2駐車スペース102のうちのいずれかに駐車された電動車両のインレットまで伸縮可能に構成される。
【0024】
充電スタンド300の可動部300aは、第1駐車スペース100側の空間に突出した第1の位置まで移動可能に構成される。
【0025】
図2は、可動部300aが第1の位置であるときの充電スタンド300と、電動車両200a,200bとの構成の一例を示す図である。
図2に示すように、充電スタンド300の可動部300aが、第1駐車スペース100側の第1の位置まで上昇すると、可動部300a内に収納されるコネクタ302を可動部300aから持ち出して第1駐車スペース100に駐車された電動車両200aのインレット220aに接続することが可能になる。
【0026】
さらに、可動部300aは、第2駐車スペース102側の空間に突出した第2の位置まで移動可能に構成される。
【0027】
図3は、可動部300aが第2の位置であるときの充電スタンド300と、電動車両200a,200bとの構成の一例を示す図である。
図3に示すように、充電スタンド300の可動部300aが、第2駐車スペース102側の第2の位置まで下降すると、可動部300a内に収納されるコネクタ302を可動部300aから持ち出して第2駐車スペース102に駐車された電動車両200bのインレット220bに接続することが可能になる。
【0028】
コネクタ302は、たとえば、可動部300aが第1の位置である場合には、第1駐車スペース100の階層にいるユーザによって可動部300aから電動車両200aのインレット220aに持ち出し可能な位置に収納される。さらに、コネクタ302は、たとえば、可動部300aが第2の位置である場合には、第2駐車スペース102の階層にいるユーザによって可動部300aから電動車両200bのインレット220bに持ち出し可能な位置に収納される。
【0029】
本実施の形態において、コネクタ302は、たとえば、可動部300aの上下方向における中央部に収納されるものとして説明したが、特に上下方向における中央部に収納されることに限定されるものではない。
【0030】
たとえば、可動部300aの上端に、可動部300aが第1の位置であるときに第1駐車スペース100の階層にいるユーザが可動部300aから持ち出し可能な第1コネクタが収納されてもよい。さらに、可動部300aの下端に、可動部300aが第2の位置であるときに第2駐車スペース102の階層にいるユーザが可動部300aから持ち出し可能な第2コネクタが収納されてもよい。さらに、可動部300aは、
図1に示したように、仕切部104内に収納された第3の位置で保持可能に構成される。
【0031】
固定部300bは、開口部106の内壁部分に固定される。固定部300bは、可動部300aを上下方向に昇降する昇降装置306と、昇降装置306の動作を制御する制御装置308とを含む。
【0032】
昇降装置306は、たとえば、可動部300aに固定されたラックギヤに噛み合わされたピニオンギヤを電動アクチュエータを用いて回転させることにより可動部300aを昇降させる、ラックピニオン式の機構を有していてもよいし、ピストンに接続されるロッドを可動部300aに固定して、固定部300bに固定されるシリンダ本体に供給される油圧を増減することにより可動部300aを昇降させる、油圧シリンダを用いた機構を有していてもよいし、可動部300aと固定部300bとの間で磁力による反発力を発生させて可動部300aを昇降させる機構を有していてもよい。
【0033】
昇降装置306は、たとえば、ストッパ機構等により可動部300aが第1の位置を超えて上昇しないように構成されるとともに、第2の位置を超えて下降しないように構成される。または、昇降装置306は、たとえば、可動部300aの位置を第3の位置で制限したり、可動部300aの位置の制限を解除したりするように構成されるロック機構を有していてもよい。
【0034】
制御装置308は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等によって構成されるメモリとを含む。制御装置308は、メモリに記憶された情報や、充電スタンド300の外部から通信装置(図示せず)を用いて取得した情報や、各種センサ類から取得した情報に基づいて充電スタンド300に設けられる電気機器(たとえば、昇降装置306)を制御する。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理をCPUによって実行する構成に限られず、専用ハードウェア(電子回路)で構築する構成とすることも可能である。
【0035】
充電スタンド300は、通信装置を用いて充電スタンド300の外部の機器と各種情報等を通信可能に構成される。充電スタンド300は、たとえば、充電スタンド300を含む複数の充電スタンドを管理する管理サーバ(図示せず)と通信可能に構成されてもよいし、あるいは、ユーザが所有する携帯端末(図示せず)と通信可能に構成されてもよいし、充電スタンド300の充電対象となる電動車両(
図1においては、電動車両200a,200b)と通信可能に構成されてもよいし、他の充電スタンド300と通信可能に構成されてもよい。
【0036】
制御装置308は、たとえば、上昇制御の実行条件が成立する場合に、可動部300aが第3の位置から第1の位置まで上昇するように昇降装置306を制御する。上昇制御の実行条件は、たとえば、可動部300aが第3の位置であるという条件と、上昇制御の実行要求(以下、上昇要求と記載する)があるという条件とを含む。上昇要求は、たとえば、第1駐車スペース100に駐車される電動車両200aから受信してもよいし、あるいは、管理サーバ、携帯端末、あるいは、他の充電スタンド300から受信してもよい。なお、上昇制御の実行条件は、可動部300aが第3の位置であるという条件に代えて、可動部300aが第2の位置または第3の位置であるという条件を含むようにしてもよい。また、制御装置308は、たとえば、可動部300aの昇降量をセンサ(図示せず)を用いて検出し、可動部300aの昇降量が第1の位置に相当する値になるまで可動部300aを上昇させる。
【0037】
制御装置308は、たとえば、可動部300aの位置が第1の位置になると、可動部300aの位置が第1の位置であることを示す第1フラグをオン状態に設定する。なお、制御装置308は、たとえば、可動部300aの位置が第1の位置以外の位置になると、第1フラグをオフ状態に設定する。
【0038】
あるいは、制御装置308は、たとえば、下降制御の実行条件が成立する場合に、可動部300aが第3の位置から第2の位置まで下降するように昇降装置306を制御する。下降制御の実行条件は、たとえば、可動部300aが第3の位置であるという条件と、下降制御の実行要求(以下、下降要求と記載する)があるという条件とを含む。下降要求は、たとえば、第2駐車スペース102に駐車される電動車両200bから受信してもよいし、あるいは、管理サーバ、携帯端末、あるいは、他の充電スタンド300から受信してもよい。なお、下降制御の実行条件は、可動部300aが第3の位置であるという条件に代えて、可動部300aが第1の位置または第3の位置であるという条件を含むようにしてもよい。また、制御装置308は、たとえば、可動部300aの昇降量が第2の位置に相当する値になるまで可動部300aを下降させる。
【0039】
制御装置308は、たとえば、可動部300aの位置が第2の位置になると、可動部300aの位置が第2の位置であることを示す第2フラグをオン状態に設定する。なお、制御装置308は、たとえば、可動部300aの位置が第2の位置以外の位置になると、第2フラグをオフ状態に設定する。
【0040】
さらに、制御装置308は、収納制御の実行条件が成立する場合に、可動部300aが第1の位置または第2の位置から第3の位置になるように昇降装置306を制御する。具体的には、制御装置308は、たとえば、可動部300aが第1の位置であって、かつ、収納制御の実行条件が成立する場合には、可動部300aが第1の位置から第3の位置に下降して、仕切部104内に収納されるように下降制御を実行する。さらに、制御装置308は、たとえば、可動部300aが第2の位置であって、かつ、収納制御の実行条件が成立する場合には、可動部300aが第2の位置から第3の位置に上昇して、仕切部104内に収納されるように上昇制御を実行する。また、制御装置308は、たとえば、可動部300aの昇降量が第3の位置に相当する値になるまで可動部300aを昇降させる。
【0041】
制御装置308は、たとえば、可動部300aの位置が第3の位置になると、可動部300aの位置が第3の位置であることを示す第3フラグをオン状態に設定する。なお、制御装置308は、たとえば、可動部300aの位置が第3の位置以外の位置になると、第3フラグをオフ状態に設定する。
【0042】
収納制御の実行条件は、たとえば、可動部300aが第1の位置または第2の位置であるという条件と、充電スタンド300の収納要求があるという条件を含む。収納要求は、たとえば、可動部300aが第1の位置である場合に、第1駐車スペース100に駐車される電動車両200aや、第2駐車スペース102に駐車された電動車両200bから受信してもよい。あるいは、収納要求は、たとえば、可動部300aが第2の位置である場合に、第1駐車スペース100に駐車される電動車両200aや、第2駐車スペース102に駐車された電動車両200bから受信してもよい。あるいは、収納要求は、たとえば、管理サーバ、携帯端末、あるいは、他の充電スタンド300から受信してもよい。
【0043】
図1、
図2および
図3には、充電スタンド300によって充電が可能な第1駐車スペース100に駐車される電動車両200aの構成と、第2駐車スペース102に駐車される電動車両200bの構成との一例がさらに示されている。
【0044】
図1、
図2および
図3に示すように、電動車両200a,200bは、たとえば、プラグインハイブリッド自動車および電気自動車などの蓄電装置を搭載した車両が含まれる。なお、電動車両200a,200bの構成は、充電スタンド300から電力供給を受けることが可能な構成を有していればよく、特に上述のように列挙した車両に限定されるものではなく、たとえば、外部給電用の蓄電装置を搭載した車両であってもよい。
【0045】
以下、電動車両200aの構成の一例について説明する。電動車両200aは、充電器212aと、バッテリ214aと、インバータ216aと、モータジェネレータ218aと、インレット220aとを含む。
【0046】
充電器212aは、インレット220aから交流電力が供給される場合に、供給された交流電力を直流電力に変換してバッテリ214aに供給する。充電器212aが動作することによってバッテリ214aが充電される。充電器212aは、たとえば、電動車両200aの図示しないECU(Electronic Control Unit)からの制御信号により制御される。
【0047】
バッテリ214aは、たとえば、再充電可能に構成された電力貯蔵要素であり、代表的には、ニッケル水素電池あるいは液体または固体の電解質を含むリチウムイオン電池等の二次電池が適用される。あるいは、バッテリ214aは、電力を貯蔵できる蓄電装置であればよく、たとえば、バッテリ214aに代えて大容量のキャパシタが用いられてもよい。
【0048】
インバータ216aは、たとえば、バッテリ214aの直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ218aに供給する。また、インバータ216aは、たとえば、モータジェネレータ218aから交流電力(回生電力)を直流電力に変換してバッテリ214aに供給して、バッテリ214aを充電する。
【0049】
モータジェネレータ218aは、インバータ216からの電力供給を受けて駆動輪に回転力を与える。駆動輪は、モータジェネレータ218によって与えられた回転力によって回転し、電動車両200aを走行させる。
【0050】
インレット220aは、電動車両200aの外装部分にリッド等のカバー(図示せず)とともに設けられる。インレット220aは、外部の充電設備(たとえば、充電スタンド300)から充電電力の供給を受ける受電部である。インレット220aは、充電スタンド300のコネクタ302が取り付け可能な形状を有する。インレット220aおよびコネクタ302の双方には接点が内蔵されており、インレット220aにコネクタ302が取り付けられると接点同士が接触して、インレット220aとコネクタ302とが電気的に接続される。このとき、電動車両200aのバッテリ214aは、充電スタンド300から供給される電力を用いた充電が可能な状態になる。
【0051】
電動車両200bに含まれる充電器212bと、バッテリ214bと、インバータ216bと、モータジェネレータ218bと、インレット220bとは、電動車両200aに含まれる充電器212aと、バッテリ214aと、インバータ216aと、モータジェネレータ218aと、インレット220aとそれぞれ同じ構成である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0052】
上述したような電動車両200a,200bに搭載されるバッテリ214a,214bを充電するための充電設備は、たとえば、駐車場や歩道に設置されるが、設置スペースを占有するため、歩行や車両の走行の妨げになる場合がある。そのため、充電設備を可動式とし、たとえば、地面下に収納される場合がある。
【0053】
一方、車両を駐車する駐車場は、立体駐車場である場合や地上と地下とに駐車場を併設する場合など、複数階層に亘って駐車スペースが設定される場合がある。そのため、各階層において電動車両の充電を可能とするために、たとえば、各階層に可動式の充電設備を設定することが考えられる。しかしながら、各階層に可動式の充電設備を設定する場合には、設置に要する費用が高額になる虞がある。
【0054】
そこで、本実施の形態においては、
図1、
図2および
図3を用いて説明したように、充電スタンド300は、第1駐車スペース100と第2駐車スペース102とを仕切る仕切部104に設置され、第1駐車スペース100と第2駐車スペース102とのうちのいずれか一方の駐車スペースに駐車された電動車両(電動車両200aまたは電動車両200b)に搭載された蓄電装置(バッテリ214aまたはバッテリ214b)の充電が可能な可動式の充電設備とするものである。そして、充電スタンド300は、バッテリ214aまたはバッテリ214bと接続可能な接続機器であるコネクタ302を含む可動部300aと、可動部300aが仕切部104よりも第1駐車スペース100側の空間に突出した第1の位置と、可動部300aが仕切部104よりも第2駐車スペース102側の空間に突出した第2の位置と、可動部300aが仕切部104内に収納された第3の位置とのうちのいずれかの位置になるように可動部300aを移動させる昇降装置306とを備えるものとする。
【0055】
このようにすると、1つの充電スタンド300を用いて第1駐車スペース100と、第2駐車スペース102とのうちのいずれかに駐車された車両に搭載されるバッテリを充電することができる。これにより、第1駐車スペース100および第2駐車スペース102の各々に充電スタンド300を設置する必要がなくなる。そのため、複数箇所の駐車スペースで利用可能に設置する際に設置費用が高額になることを抑制することができる。
【0056】
以下、
図4を参照して、制御装置308で実行される制御処理の一例について説明する。
図4は、制御装置308で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、制御装置308により、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
【0057】
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、制御装置308は、可動部300aが第3の位置であるか否かを判定する。制御装置308は、たとえば、上述の第3フラグがオン状態である場合には、可動部300aが第3の位置であると判定する。可動部300aが第3の位置であると判定される場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。
【0058】
S102にて、制御装置308は、上昇要求があるか否かを判定する。具体的には、制御装置308は、たとえば、電動車両200a、管理サーバ、電動車両200aのユーザが携帯する携帯端末、あるいは、他の充電スタンド300等の外部の機器から上昇制御の実行要求を示す情報を受信する場合に、上昇要求があると判定してもよい。上昇要求があると判定される場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。
【0059】
S104にて、制御装置308は、第1の位置になるまで上昇制御を実行する。なお、上昇要求がないと判定される場合(S102にてNO)、処理はS106に移される。
【0060】
S106にて、制御装置308は、下降要求があるか否かを判定する。具体的には、制御装置308は、たとえば、電動車両200a,200b、管理サーバ、電動車両200aのユーザが携帯する携帯端末、電動車両200bのユーザが携帯する携帯端末、あるいは、他の充電スタンド300等の外部の機器から下降制御の実行要求を示す情報を受信する場合に、下降要求があると判定してもよい。下降要求があると判定される場合(S106にてYES)、処理はS108に移される。
【0061】
S108にて、制御装置308は、第2の位置になるまで下降制御を実行する。なお、下降要求がないと判定される場合(S106にてNO)、この処理は終了される。また、可動部300aが第3の位置でないと判定される場合(S100にてNO)、処理はS110に移される。
【0062】
S110にて、制御装置308は、収納要求があるか否かを判定する。具体的には、制御装置308は、たとえば、電動車両200a,200b、管理サーバ、電動車両200aのユーザが携帯する携帯端末、電動車両200bのユーザが携帯する携帯端末、あるいは、他の充電スタンド300等の外部の機器から収納制御の実行要求を示す情報を受信する場合に、収納要求があると判定してもよい。収納要求があると判定される場合(S110にてYES)、処理はS112に移される。
【0063】
S112にて、制御装置308は、可動部300aが第1の位置であるか否かを判定する。制御装置308は、たとえば、上述の第1フラグがオン状態である場合には、可動部300aが第1の位置であると判定する。制御装置308は、たとえば、第2フラグがオン状態である場合には、可動部300aが第1の位置でないと判定する。可動部300aが第1の位置であると判定される場合(S112にてYES)、処理はS114に移される。
【0064】
S114にて、制御装置308は、第3の位置になるまで下降制御を実行する。なお、可動部300aが第1の位置でないと判定される場合(S112にてNO)、処理はS116に移される。
【0065】
S116にて、制御装置308は、第3の位置になるまで上昇制御を実行する。なお、収納要求がないと判定される場合(S110にてNO)、この処理は終了される。
【0066】
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態における制御装置308の動作の一例について説明する。
【0067】
たとえば、可動部300aが
図1に示したように第3の位置である場合を想定する。可動部300aが第3の位置である場合には(S100にてYES)、上昇要求があるか否かが判定され(S102)、上昇要求がなければ(S102にてNO)、下降要求があるか否かが判定される(S106)。
【0068】
たとえば、第1駐車スペース100に駐車された電動車両200aのユーザが電動車両200aを用いて、あるいは、電動車両200aのユーザが携帯する携帯端末を用いて充電スタンド300に対して上昇要求を行なうと(S102にてYES)、可動部300aが第1の位置になるまで上昇制御が実行される(S104)。
【0069】
可動部300aが第1の位置になることによって、電動車両200aのユーザは、可動部300aからコネクタ302を持ち出して電動車両200aのインレット220aに持ち出したコネクタ302を接続することができる。そのため、電動車両200aに搭載されたバッテリ214aを充電することができる。
【0070】
あるいは、たとえば、第2駐車スペース102に駐車された電動車両200bのユーザが電動車両200bを用いて、あるいは、電動車両200bのユーザが携帯する携帯端末を用いて充電スタンド300に対して下降要求を行なうと(S106にてYES)、可動部300aが第2の位置になるまで下降制御が実行される(S108)。
【0071】
可動部300aが第2の位置になることによって、電動車両200bのユーザは、可動部300aからコネクタ302を持ち出して電動車両200bのインレット220bに持ち出したコネクタ302を接続することができる。そのため、電動車両200bに搭載されたバッテリ214bを充電することができる。
【0072】
次に、可動部300aが
図2に示したように第1の位置である場合を想定する。第3の位置でないため(S100にてNO)、収納要求があるか否かが判定される(S110)。
【0073】
たとえば、電動車両200aのユーザがバッテリ214aの充電の完了にともなって、電動車両200aあるいは電動車両200aのユーザが携帯する携帯端末を用いて充電スタンド300に対して収納要求を行なうと(S110にてYES)、可動部300aが第1の位置であるため(S112にてYES)、第3の位置になるまで下降制御が実行される(S114)。可動部300aが第3の位置になることによって、可動部300aは、仕切部104内に収納された状態になる。
【0074】
次に、可動部300aが
図3に示したように第2の位置である場合を想定する。第3の位置でないため(S100にてNO)、収納要求があるか否かが判定される(S110)。
【0075】
たとえば、電動車両200bのユーザがバッテリ214bの充電の完了にともなって、電動車両200bあるいは電動車両200bのユーザが携帯する携帯端末を用いて充電スタンド300に対して収納要求を行なうと(S110にてYES)、可動部300aが第1の位置でないため(S112にてNO)、第3の位置になるまで上昇制御が実行される(S116)。可動部300aが第3の位置になることによって、可動部300aは、仕切部104内に収納された状態になる。
【0076】
以上のようにして、本実施の形態に係る充電設備である充電スタンド300によると、1つの充電スタンド300を用いて上下の階層に分かれる第1駐車スペース100と第2駐車スペース102とのうちのいずれかに駐車された車両に搭載されるバッテリを充電することができる。これにより、第1駐車スペース100の階層および第2駐車スペース102の階層の各々に充電スタンド300を設置する必要がなくなる。したがって、複数箇所の駐車スペースで利用可能に設置する際に設置費用が高額になることを抑制する充電設備を提供することができる。
【0077】
さらに、電動車両200a,200b、電動車両200aのユーザの携帯端末、電動車両200bのユーザの携帯端末、あるいは、充電スタンド300を管理する管理サーバなどの外部の機器からの要求に応じて第1の位置、第2の位置、および、第3の位置のうちのいずれかの位置に可動部300aを移動させることができる。
【0078】
以下、変形例について記載する。
上述の実施の形態では、電源は、交流電源であるとして説明したが、電源は、直流電源であってもよい。この場合において、電動車両200a,200bは、たとえば、充電器212a,212bを省略した構成であってもよい。
【0079】
さらに上述の実施の形態では、コネクタ302が可動部300aの収納スペースに収納される構成を一例として説明したが、たとえば、可動部300aの上下方向における中央部の側面には、ソケットが露出して設けられてもよい。このようにすると、ユーザは、別途用意した充電ケーブルを用いて充電スタンド300のソケットと電動車両200aのインレット220aとを接続することによって電動車両200aに搭載されたバッテリ214aを充電したり、電動車両200bのインレット220bと接続することによって電動車両200bに搭載されたバッテリ214bを充電したりすることができる。
【0080】
さらに上述の実施の形態では、充電スタンド300の筐体は、円筒形状を有する場合を一例として説明したが、特に昇降動作が可能な形状であればよく、特に円筒形状に限定されるものではない。たとえば、充電スタンド300の筐体は、直方形状を有していてもよい。
【0081】
さらに上述の実施の形態では、第1駐車スペース100と第2駐車スペース102とは、上下の階層に分かれるものとし、可動部300aを上下方向に移動可能とすることで1つの充電スタンド300を用いていずれの駐車スペースでも駐車された電動車両のバッテリを充電を可能とする場合を一例として説明したが、たとえば、第1駐車スペースと第2駐車スペースとは、水平方向に隣接して設定されるものであってもよい。
【0082】
平面駐車場などの多くの駐車スペースが設定される場合でも、各駐車スペースに可動式の充電設備を設定する場合でも充電設備の設置費用が高額になる虞がある。そのため、充電スタンド300は、第1駐車スペースの隔壁と第2駐車スペースの隔壁との間に設定される仕切部に設けられるものであってもよい。
【0083】
図5は、変形例において、可動部300aが第1駐車スペース400と第2駐車スペース402との間の仕切部404内に収納された状態の充電スタンド300と、電動車両200a,200bとの構成の一例を示す図である。
【0084】
図5に示すように、この変形例において、第1駐車スペース400と第2駐車スペース402とは、仕切部404を介在して水平方向に隣接して設定されるものとする。より具体的には、第1駐車スペース400と第2駐車スペース402とは、第1駐車スペース400に駐車された電動車両200aと、第2駐車スペース402に駐車された電動車両200bとが横並びになるように設定される。
【0085】
充電スタンド300は、円筒形状の筐体を有し、第1駐車スペース400の隔壁408と、第2駐車スペース402の隔壁410との間の仕切部404に形成された開口部406内に設置される。
【0086】
開口部406は、仕切部404を水平方向に貫通して形成される。開口部406は、円形状の断面形状を有し、充電スタンド300の筐体の外周面との所定の間隙を有するように形成される。さらに、開口部406は、
図1に示す状態における充電スタンド300の水平方向(
図5の紙面上下方向)の長さと同程度の長さになるように形成される。
【0087】
充電スタンド300は、可動部300aと、固定部300bとを含む。可動部300aには、コネクタ302(
図6および
図7参照)が収納可能な収納スペースが形成される。コネクタ302には、他方端が電源(図示せず)に接続されるケーブル304(
図6および
図7参照)の一方端が接続される。コネクタ302、ケーブル304および電源の構成については、上述の実施の形態において説明したコネクタ302、ケーブル304および電源の構成と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0088】
充電スタンド300の可動部300aは、第1駐車スペース400側の空間に突出した第1の位置まで移動可能に構成される。
【0089】
図6は、変形例において、可動部300aが第1の位置であるときの充電スタンド300と、電動車両200a,200bとの構成の一例を示す図である。
図6に示すように、充電スタンド300の可動部300aが、第1駐車スペース400側の第1の位置まで移動すると、可動部300a内に収納されるコネクタ302を可動部300aから持ち出して第1駐車スペース400に駐車された電動車両200aのインレット(図示せず)に接続することが可能となる。
【0090】
さらに、可動部300aは、第2駐車スペース402側の空間に突出した第2の位置まで移動可能に構成される。
【0091】
図7は、変形例において、可動部300aが第2の位置であるときの充電スタンド300と、電動車両200a,200bとの構成の一例を示す図である。
図7に示すように、充電スタンド300の可動部300aが、第2駐車スペース402側の第2の位置まで移動すると、可動部300a内に収納されるコネクタ302を可動部300aから持ち出して第2駐車スペース402に駐車された電動車両200bのインレット(図示せず)に接続することが可能になる。さらに、可動部300aは、仕切部404内に収納された位置の第3の位置で保持可能に構成される。
【0092】
固定部300bは、開口部406の内壁部分に固定される。固定部300bは、可動部300aを水平方向(
図5の紙面上下方向)に移動させる移動装置(図示せず)と、移動装置の動作を制御する制御装置(図示せず)とを含む。
【0093】
なお、この変形例における移動装置は、上述の実施の形態における昇降装置306と比較して、可動部300aの移動方向が異なり、それ以外の構成については、上述の実施の形態における昇降装置306と同じ構成である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。また、この変形例における制御装置は、昇降装置306に代えて上述の移動装置を制御対象とする点で異なり、それ以外の構成については、上述の実施の形態における制御装置308と同じ構成である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0094】
制御装置は、たとえば、第1移動制御の実行条件が成立する場合に、可動部300aが第3の位置から第1の位置まで移動するように移動装置を制御する。第1移動制御の実行条件は、たとえば、可動部300aが第3の位置であるという条件と、第1移動制御の実行要求(以下、第1移動要求と記載する)があるという条件とを含む。第1移動要求は、たとえば、第1駐車スペース100に駐車される電動車両200aから受信してもよいし、あるいは、管理サーバ、携帯端末、あるいは、他の充電スタンド300から受信してもよい。なお、第1移動制御の実行条件は、可動部300aが第3の位置であるという条件に代えて、可動部300aが第2の位置または第3の位置であるという条件を含むようにしてもよい。また、制御装置は、たとえば、可動部300aの移動量をセンサを用いて検出し、可動部300aの移動量が第1の位置に相当する値になるまで可動部300aを移動させる。
【0095】
あるいは、制御装置は、たとえば、第2移動制御の実行条件が成立する場合に、可動部300aが第3の位置から第2の位置まで移動するように移動装置を制御する。第2移動制御の実行条件は、たとえば、可動部300aが第3の位置であるという条件と、第2移動制御の実行要求(以下、第2移動要求と記載する)があるという条件とを含む。第2移動要求は、たとえば、第2駐車スペース102に駐車される電動車両200bから受信してもよいし、あるいは、管理サーバ、携帯端末、あるいは、他の充電スタンド300から受信してもよい。なお、第2移動制御の実行条件は、可動部300aが第3の位置であるという条件に代えて、可動部300aが第1の位置または第3の位置であるという条件を含むようにしてもよい。また、制御装置は、たとえば、可動部300aの移動量が第2の位置に相当する値になるまで可動部300aを移動させる。
【0096】
さらに、制御装置は、収納制御の実行条件が成立する場合に、可動部300aが第1の位置または第2の位置から第3の位置になるように移動装置を制御する。具体的には、制御装置は、たとえば、可動部300aが第1の位置であって、かつ、収納制御の実行条件が成立する場合には、可動部300aが第1の位置から第3の位置に移動して、仕切部404内に収納されるように移動制御を実行する。さらに、制御装置は、たとえば、可動部300aが第2の位置であって、かつ、収納制御の実行条件が成立する場合には、可動部300aが第2の位置から第3の位置に移動して、仕切部404内に収納されるように移動制御を実行する。制御装置は、移動制御においては、可動部300aの移動量が第3の位置に相当する値になるまで可動部300aを移動させる。
【0097】
収納制御の実行条件は、たとえば、可動部300aが第1の位置または第2の位置であるという条件と、充電スタンド300の収納要求があるという条件を含む。収納要求は、たとえば、可動部300aが第1の位置である場合に、電動車両200aや、電動車両200bから受信してもよい。あるいは、収納要求は、たとえば、可動部300aが第2の位置である場合に、電動車両200aや、電動車両200bから受信してもよい。あるいは、収納要求は、たとえば、管理サーバ、携帯端末、あるいは、他の充電スタンド300から受信してもよい。
【0098】
このように構成される場合において、制御装置は、
図8に示す処理を実行する。
図8は、変形例において、制御装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図8のフローチャートにおける「第1移動要求」、「第2移動要求」、「第1移動制御」および「第2移動制御」が
図4のフローチャートにおける「上昇要求」、「下降要求」、「上昇制御」および「下降制御」にそれぞれ対応している。そのため、
図8のS200,S202,S204,S206,S208,S210,S212,S214およびS216の処理は、可動部300aが鉛直方向でなく、水平方向に移動する点でのみ異なり、それ以外については、
図4のS100,S102,S104,S106,S108,S110,S112,S114およびS116の処理と実質的に同じである。そのため、
図8のフローチャートに示される各処理内容および制御装置の動作についての詳細な説明は繰り返さない。
【0099】
このようにしても、1つの充電スタンド300を用いて水平方向に隣接する第1駐車スペースと第2駐車スペースとのうちのいずれかに駐車された車両に搭載されるバッテリを充電することができる。これにより、第1駐車スペースおよび第2駐車スペースの各々に充電設備を設置する必要がなくなる。そのため、複数箇所の駐車スペースで利用可能に設置する際に充電設備の設置費用が高額になることを抑制することができる。
【0100】
なお、上記した変形例は、その全部または一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0101】
100,400 第1駐車スペース、102,402 第2駐車スペース、104,404 仕切部、106,406 開口部、200a,200b 電動車両、212a,212b 充電器、214a,214b バッテリ、216,216a,216b インバータ、218,218a,218b モータジェネレータ、220a,220b インレット、300 充電スタンド、300a 可動部、300b 固定部、302 コネクタ、304 ケーブル、306 昇降装置、308 制御装置、408,410 隔壁。