(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20241016BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20241016BHJP
【FI】
G06Q10/083
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2021096467
(22)【出願日】2021-06-09
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 江介
(72)【発明者】
【氏名】関 正人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀昭
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-020792(JP,A)
【文献】特開2007-022727(JP,A)
【文献】国際公開第2021/059458(WO,A1)
【文献】特開2017-100855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々に荷物を収容可能な複数の収容部と複数の車両とを用いた運送の管理に供される運送管理装置であって、
前記複数の収容部及び前記複数の車両に関する情報を取得する情報取得部
、収容部管理データを含む運送管理データを生成する管理部
、及び、前記荷物の運送に関わるスケジュールデータを保持する保持部を有するプロセッサと、
通信部と、を備え、
各車両は前記複数の収容部の何れかを搭載又は非搭載自在に構成され、
前記収容部管理データは、各収容部の所在地を表す所在地データを含み、
前記複数の収容部の何れかである対象収容部が前記複数の車両の何れかである対象車両により出発地点から到着地点に運送される場合
、前記対象車両に対応する端末装置が前記対象収容部とともに前記出発地点に存在しているとき
において、前記情報取得部は、前記端末装置から前記通信部を通じて前記対象収容部の識別情報及び前記端末装置の位置情報を含む第1送信情報を受信及び取得し、且つ、前記第1送信情報に含まれる前記端末装置の位置情報を前記出発地点の位置情報として取得し、その後
、前記端末装置が前記対象収容部とともに前記到着地点に存在しているとき
において、前記情報取得部は、前記端末装置から前記通信部を通じて前記対象収容部の識別情報及び前記端末装置の位置情報を含む第2送信情報を受信及び取得し、且つ、前記第2送信情報に含まれる前記端末装置の位置情報を前記到着地点の位置情報として取得し、
前記管理部は、前記対象収容部の前記出発地点から前記到着地点への運送を経た後、前記第2送信情報に含まれる前記端末装置の位置情報に基づき、前記対象収容部の所在地データに対し前記到着地点を設定し、
前記管理部は、前記スケジュールデータに対応付けられた運行コードに基づく情報が、前記第1送信情報に含まれるか否かに基づき、前記対象収容部内の前記荷物の収容有無を判断する
、運送管理装置。
【請求項2】
前記運行コードに基づく情報が前記第1送信情報に含まれ、且つ、前記対象収容部の前記出発地点から前記到着地点への運送を経て前記情報取得部により前記第2送信情報が取得される場合、前記管理部は、前記荷物を収容した状態の前記対象収容部が前記対象車両により前記出発地点から前記到着地点に運送された
と判断する
、請求項1に記載の運送管理装置。
【請求項3】
前記運行コードに基づく情報が前記第1送信情報に含まれず、且つ、前記対象収容部の前記出発地点から前記到着地点への運送を経て前記情報取得部により前記第2送信情報が取得される場合、前記管理部は、前記荷物が収容されていない状態の前記対象収容部が前記対象車両により前記出発地点から前記到着地点に運送された
と判断する
、請求項2に記載の運送管理装置。
【請求項4】
前記管理部は、前記情報取得部の取得情報に基づき前記対象収容部の運送の履歴データを生成し、
前記収容部管理データは、前記履歴データを含み、
前記管理部は、当該運送管理装置に接続された蓄積装置に前記収容部管理データを含む前記運送管理データを記憶させる
、
請求項1~3の何れかに記載の運送管理装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の運送管理装置と、
前記端末装置と、を備えた
、運送管理システム。
【請求項6】
各々に荷物を収容可能な複数の収容部と複数の車両とを用いた運送の管理に供される
運送管理装置にて実行さえる運送管理方法であって、
前記複数の収容部及び前記複数の車両に関する情報を取得する
処理と、
収容部管理データを含む運送管理データを生成する
処理と、
前記荷物の運送に関わるスケジュールデータを保持する処理と、を当該運送管理装置に設けられたプロセッサに実行させ、
各車両は前記複数の収容部の何れかを搭載又は非搭載自在に構成され、
前記収容部管理データは、各収容部の所在地を表す所在地データを含み、
前記複数の収容部の何れかである対象収容部が前記複数の車両の何れかである対象車両により出発地点から到着地点に運送される場合
、前記対象車両に対応する端末装置が前記対象収容部とともに前記出発地点に存在しているとき
において、前記端末装置から前記運送管理装置に設けられた通信部を通じて前記対象収容部の識別情報及び前記端末装置の位置情報を含む第1送信情報を前記プロセッサにて受信及び取得し、且つ、前記第1送信情報に含まれる前記端末装置の位置情報を
前記プロセッサにて前記出発地点の位置情報として取得し、その後
、前記端末装置が前記対象収容部とともに前記到着地点に存在しているとき
において、前記端末装置から前記通信部を通じて前記対象収容部の識別情報及び前記端末装置の位置情報を含む第2送信情報を前記プロセッサにて受信及び取得し、且つ、前記第2送信情報に含まれる前記端末装置の位置情報を
前記プロセッサにて前記到着地点の位置情報として取得し、
前記対象収容部の前記出発地点から前記到着地点への運送を経た後、前記第2送信情報に含まれる前記端末装置の位置情報に基づき、前記対象収容部の所在地データに対し前記到着地点を設定する処理を前記プロセッサに実行させ、
前記スケジュールデータに対応付けられた運行コードに基づく情報が、前記第1送信情報に含まれるか否かに基づき、前記プロセッサにて前記対象収容部内の前記荷物の収容有無を判断する
、運送管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を用いた輸送の一種では、原動機を有する車両と当該車両に搭載(配置)自在な収容部(コンテナ等)とを用い、荷物を積み込んだ収容部を車両に搭載して目的地まで運ぶ。但し、荷物が収容されていない空の収容部が輸送されることも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような輸送では多数の収容部が運用される。このため、適切に収容部を管理しなければ、各収容部が現在どこに存在しているのか等が不明となり、適正な荷物の輸送が妨げられる。
【0005】
本発明は、収容部の効率的な管理に寄与する運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る運送管理装置は、各々に荷物を収容可能な複数の収容部と複数の車両とを用いた運送の管理に供される運送管理装置であって、前記複数の収容部及び前記複数の車両に関する情報を取得する情報取得部と、収容部管理データを含む運送管理データを生成する管理部と、を備え、前記収容部管理データは、各収容部の所在地を表す所在地データを含み、前記複数の収容部の何れかである対象収容部が前記複数の車両の何れかである対象車両により出発地点から到着地点に運送される場合、前記情報取得部は、前記対象車両に対応する端末装置が前記対象収容部とともに前記出発地点に存在しているときの前記端末装置からの第1送信情報に基づき前記対象収容部の識別情報を取得するとともに前記端末装置の位置情報を前記出発地点の位置情報として取得し、その後、前記端末装置が前記対象収容部とともに前記到着地点に存在しているときの前記端末装置からの第2送信情報に基づき前記対象収容部の識別情報を取得するとともに前記端末装置の位置情報を前記到着地点の位置情報として取得し、前記管理部は、前記対象収容部が前記出発地点から前記到着地点に運送されるときの前記情報取得部の取得情報に基づいて前記対象収容部に関する前記所在地データを更新する構成(第1の構成)である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、収容部の効率的な管理に寄与する運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る運送管理システムの全体構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係り、収容部が搭載されていない状態の車両の外観側面図(a)と、収容部が搭載されている状態の車両の外観側面図(b)である。
【
図3】本発明の実施形態に係る運送管理システムの全体構成図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る運送管理装置の構成図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る端末装置の構成図である。
【
図7】本発明の実施形態にて主として想定される中継輸送の説明図である。
【
図8】本発明の実施形態に係り、車両の車体に車両コードが付与されている様子を示す図(a)と、コンテナの外壁にコンテナコードが付与されている様子を示す図(b)である。
【
図9】本発明の実施形態に係るスケジュールデータの構成図である。
【
図10】本発明の実施形態に属する第1実施例に係り、実入り出発工程のフローチャートである。
【
図11】本発明の実施形態に属する第1実施例に係り、実入り出発工程における撮影作業と端末装置からの送信情報の説明図である。
【
図12】本発明の実施形態に属する第1実施例に係り、実入り到着工程のフローチャートである。
【
図13】本発明の実施形態に属する第1実施例に係り、実入り到着工程における撮影作業と端末装置からの送信情報の説明図である。
【
図14】本発明の実施形態に属する第1実施例に係り、運送管理データに含められる基本管理データの構成図である。
【
図15】本発明の実施形態に属する第1実施例に係り、基本管理データの変遷を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態に属する第1実施例に係り、運送管理データに含められるコンテナ管理データの構成図である。
【
図17】本発明の実施形態に属する第1実施例に係り、コンテナ管理データの変遷を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態に属する第2実施例に係り、空コンテナが輸送される様子を示す図である。
【
図19】本発明の実施形態に属する第2実施例に係り、空出発工程のフローチャートである。
【
図20】本発明の実施形態に属する第2実施例に係り、空出発工程における撮影作業と端末装置からの送信情報の説明図である。
【
図21】本発明の実施形態に属する第2実施例に係り、空到着工程のフローチャートである。
【
図22】本発明の実施形態に属する第2実施例に係り、空到着工程における撮影作業と端末装置からの送信情報の説明図である。
【
図23】本発明の実施形態に属する第2実施例に係り、コンテナ管理データの変遷を示す図である。
【
図24】本発明の実施形態に属する第3実施例に係り、コンテナ管理データの内容を示す図である。
【
図25】本発明の実施形態に属する第5実施例に係り、車両における複数の運行態様の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“112”によって参照される端末発信情報取得部は(
図5参照)、端末発信情報取得部112と表記されることもあるし、情報取得部112又は取得部112と略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。尚、本明細書において、用語「運送」と用語「輸送」とは互いに同義であり、それらを互いに読み替えても良い。
【0010】
図1に本発明の実施形態に係る運送管理システムSYSの全体構成図を示す。運送管理システムSYSは、運送管理装置1と、複数の端末装置2と、蓄積装置3と、を備えて構成される。運送管理装置1と各端末装置2は、ネットワークNETを介して双方向通信が可能な態様で無線接続される。ネットワークNETは移動体通信網及びインターネット等を含む。蓄積装置3は、運送管理装置1に対して直接接続されるか、或いは、ネットワークNETを介して接続される。
【0011】
図2(a)及び(b)を参照する。運送管理システムSYS及び運送管理装置1は、収容部QQと車両PPを用いた運送を管理するためのシステム及び装置である。本実施形態において、車両PPとは、原動機を有する車両を指し、一般にトラクタに分類される車を含む。各車両PPに対して荷物を収容可能な収容部を搭載することができる。
【0012】
車両PPへの収容部QQの搭載又は非搭載は自在である。
図2(a)は収容部QQが搭載されていない状態の車両PPの外観側面図であり、
図2(b)は収容部QQが搭載されている状態の車両PPの概略側面図である。車両PPに対する収容部QQの搭載を車両PPに対する収容部QQの配置と読み替えても良い。車両PPに対して収容部QQを搭載するとは車両PPの荷台へ収容部QQを搭載(配置)することを意味する。車両PPに対して収容部QQを物理的に接続することも車両PPへの収容部QQの搭載に含まれる。
【0013】
収容部QQは荷物を収容可能であって且つ車両PPに搭載可能な収容部であれば任意である。例えば、収容部QQは車両PPの荷台に対して搭載可能なコンテナである。収容部QQは、例えば20フィートコンテナ(ISOコンテナ)である。収容部QQはスワップボディコンテナであっても良く、この際、車両PPはスワップボディトラックとも称され得る。収容部QQは車輪を有するトレーラであっても良い。収容部QQがトレーラである場合、車両PPはトレーラを牽引するトラクタである。以下では、収容部QQがスワップボディコンテナ等のコンテナであることを想定し、収容部QQをコンテナQQと称する。尚、荷物を収容したコンテナQQが車両PPによって或る地点から他の地点に輸送(運送)されるとき、輸送とは荷物の輸送であると共にコンテナQQの輸送でもある。荷物を収容していないコンテナQQが車両PPによって或る地点から他の地点に輸送(運送)されるとき、輸送とはコンテナQQのみの輸送である。
【0014】
各端末装置2は、例えば、スマートホン、タブレット又は携帯型情報端末である。各端末装置2は、車両PPを運転する運転手が所持する端末装置であっても良いし、車両PPに備え付けられた端末装置であっても良い。以下では、特に記述なき限り、各端末装置2は車両PPを運転する運転手が所持する端末装置(スマートホン等)であるものとし、端末装置2と車両PPとは一対一で対応していると考える。運送管理システムSYSは、n台の端末装置2を含むものとし、複数の端末装置2を互いに区別する必要があるとき、複数の端末装置2を端末装置2[1]~2[n]にて参照することがある(
図3参照)。同様に、複数の車両PPを互いに区別する必要があるとき、複数の車両PPを車両PP[1]~PP[n]にて参照することがある(
図3参照)。nは2以上の任意の整数を表す。車両PP[i]の運転手は端末装置2[i]を所持するため、端末装置2[i]は車両PP[i]と対応関係にある。iは任意の整数を表す。尚、1つの車両PP[i]のみに注目したとき、運送管理システムSYSは、運送管理装置1と車両PP[i]に対応する端末装置2[i]とで構成される、と解される。
【0015】
蓄積装置3は、磁気ディスク又は半導体メモリ等から成り、或いは、それらの組み合わせから成り、運送管理装置1の制御の下で、任意のデータを蓄積及び記憶する。尚、蓄積装置3は運送管理装置1に内蔵されていても良い。
【0016】
運送管理システムSYSでは複数のコンテナQQが運用される。複数のコンテナQQを互いに区別する必要があるとき、複数のコンテナQQをコンテナQQ[1]~QQ[m]にて参照することがある(
図4参照)。mは2以上の任意の整数を表す。n及びmの一致、不一致は問わない。
【0017】
図5に運送管理装置1の内部構成図を示す。運送管理装置1は、制御部11、記憶部12、通信部13、インターフェース部14及び日時取得部15を備える。1又は複数のコンピュータ装置にて運送管理装置1が構成される。運送管理装置1はサーバ装置であっても良い。クラウドコンピューティングを用いて運送管理装置1が構成されても良い。
【0018】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を含んで構成され、運送管理装置1内の全体動作を統括的に制御する。記憶部12は、磁気ディスク又は半導体メモリ等から成り、或いは、それらの組み合わせから成り、各種プログラム及びデータを格納及び記憶する。記憶部12内のプログラムを制御部11のCPUが実行することで各種機能が実現される。通信部13は、ネットワークNETと有線又は無線にて接続され、運送管理装置1の相手側装置とネットワークNETを介して双方向通信を行う。運送管理装置1の相手側装置に上記複数の端末装置2が含まれる。
【0019】
インターフェース部14は、運送管理装置1と運送管理装置1のユーザとの間のマンマシンインターフェースであり、表示部141、操作部142、マイクロホン143及びスピーカ144を備える。運送管理装置1のユーザは運送管理システムSYSの管理者(以下、単に管理者と称する)である。
【0020】
表示部141は液晶ディスプレイパネル等にて構成される表示装置であり、制御部11の制御の下で任意の画像や文字を表示する。操作部142は管理者から任意の操作の入力を受け付ける。表示部141及び操作部142によりタッチパネルが構成されていても良く、操作部142への操作はタッチパネルに対する操作であっても良い。マイクロホン143は、マイクロホン143の周辺音を収音し、収音した音を電気信号に変換する。マイクロホン143の収音の対象は、主として管理者の発話による音声である。スピーカ144は制御部11の制御の下で任意の音を出力する。
【0021】
尚、インターフェース部14の全部又は一部は運送管理装置1の外部に設けられて運送管理装置1に外部接続されるものであっても良い。インターフェース部14のうち音声認識機能を有して人物との音声による会話が可能な人工知能を制御部11に設けておいても良い。この場合、マイクロホン143及びスピーカ144を用いて、管理者及び運送管理装置1間の意思疎通が実現されて良い。但し、スピーカ143及びマイクロホン144は省略されても良い。スピーカ143及びマイクロホン144が省略される場合、管理者及び運送管理装置1間の意思疎通は、例えば、表示部141に表示された文字によって行われる。
【0022】
日時取得部15は現在の日付及び時刻を示す日時情報を取得する。日時取得部15はネットワークNETを介して他の装置(不図示)から日時情報を取得しても良い。尚、日時取得部15は省略され得る。
【0023】
制御部11は、スケジュールデータ作成部111、端末発信情報取得部112、スケジュールデータ保持部113及び管理部114を備える。作成部111、取得部112、保持部113及び管理部114は、制御部11のCPU(演算処理装置)が記憶部12に格納されたプログラムを実行することにより形成される機能ブロックである。これらの機能ブロック(111~114)の各機能については後述される。
図5には蓄積装置3も示されている。蓄積装置3は管理部114により生成される運送管理データを蓄積及び記憶する。運送管理データは基本管理データ及びコンテナ蓄積データを含むが、それらの詳細も後述される。
【0024】
図6に端末装置2の内部構成図を示す。端末装置2は、制御部21、記憶部22、通信部23、インターフェース部24、日時取得部25、GPS処理部26及びカメラ部27を備える。
【0025】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を含んで構成され、端末装置2内の全体動作を統括的に制御する。記憶部22は、磁気ディスク又は半導体メモリ等から成り、或いは、それらの組み合わせから成り、各種プログラム及びデータを格納及び記憶する。記憶部22内のプログラムを制御部21のCPUが実行することで制御部21の各種機能が実現される。通信部23は、ネットワークNETと有線又は無線にて接続され、端末装置2の相手側装置とネットワークNETを介して双方向通信を行う。端末装置2の相手側装置に運送管理装置1が含まれる。
【0026】
インターフェース部24は、端末装置2と端末装置2のユーザとの間のマンマシンインターフェースであり、表示部241、操作部242、マイクロホン243及びスピーカ244を備える。或る端末装置2のユーザは、当該端末装置2の所持者に相当する、車両PPの運転手である。
【0027】
表示部241は液晶ディスプレイパネル等にて構成される表示装置であり、制御部21の制御の下で任意の画像を表示する。操作部242は端末装置2のユーザから任意の操作の入力を受け付ける。表示部241及び操作部242によりタッチパネルが構成されていても良く、操作部242への操作はタッチパネルに対する操作であっても良い。マイクロホン243は、マイクロホン243の周辺音を収音し、収音した音を電気信号に変換する。マイクロホン243の収音の対象は、主として端末装置2のユーザの発話による音声である。スピーカ244は制御部21の制御の下で任意の音を出力する。
【0028】
尚、音声認識機能を有して人物との音声による会話が可能な人工知能を制御部21に設けておいても良く、この場合、マイクロホン243及びスピーカ244を用いて、ユーザ及び端末装置2間の意思疎通が実現されて良い。以下の説明において、端末装置2への任意の操作は、インターフェース部24を介して端末装置2のユーザが端末装置2に入力する操作を意味する。
【0029】
日時取得部25は現在の日付及び時刻を示す日時情報を取得する。日時取得部25はネットワークNETを介して他の装置(不図示)から日時情報を取得しても良い。
【0030】
GPS処理部26は、GPS(Global Positioning System)を形成する複数のGPS衛星からの信号を受信することで端末装置2の位置(端末装置2の現在地)を検出し、検出位置を示す位置情報を生成する。端末装置2[i]は車両PP[i]の車内に位置する。或いは、端末装置2[i]は車両PP[i]の運転手に所持された状態で車両PP[i]の近傍に位置する。このため、端末装置2[i]のGPS処理部26により生成される位置情報は車両PP[i]の現在地を表すとも言え、車両PP[i]にコンテナQQ[i]が搭載されている場合にあってはコンテナQQ[i]の現在地を表すとも言える。
【0031】
カメラ部27は、自身の視野内の被写体を撮影し、撮影結果を表す画像データを生成する。生成された画像データは制御部21に送られる。
【0032】
運送管理システムSYSを中継輸送に適用することができる。
図7は本実施形態で想定される中継輸送の概念図である。中継輸送では、荷物を収容したコンテナQQを1以上の中継拠点を経由しつつ且つコンテナQQを輸送する車両PPを2以上の車両PPで切り替えながら、第1拠点610から第2拠点650へと輸送する、或いは、第2拠点650から第1拠点610へと輸送する。
図7の例では、3つの中継拠点620、630及び640が経由される。
【0033】
図7には、荷物BB[1]を収容したコンテナQQ[1]を第1拠点610から第2拠点650へと輸送するための中継輸送RTaと、荷物BB[2]を収容したコンテナQQ[2]を第2拠点650から第1拠点610へと輸送するための中継輸送RTbと、が概念的に示されている。
【0034】
中継輸送RTaでは、コンテナQQ[1]に荷物BB[1]を収容した上で、車両PP[1]にてコンテナQQ[1]を第1拠点610から中継拠点620まで輸送し、その後、車両PP[2]にてコンテナQQ[1]を中継拠点620から中継拠点630まで輸送し、更にその後、車両PP[3]にてコンテナQQ[1]を中継拠点630から中継拠点640まで輸送し、更にその後、車両PP[4]にてコンテナQQ[1]を中継拠点640から第2拠点650まで輸送する。
【0035】
中継輸送RTbでは、コンテナQQ[2]に荷物BB[2]を収容した上で、車両PP[5]にてコンテナQQ[2]を第2拠点650から中継拠点640まで輸送し、その後、車両PP[6]にてコンテナQQ[2]を中継拠点640から中継拠点630まで輸送し、更にその後、車両PP[7]にてコンテナQQ[2]を中継拠点630から中継拠点620まで輸送し、更にその後、車両PP[8]にてコンテナQQ[2]を中継拠点620から第1拠点610まで輸送する。
【0036】
中継輸送RTaにおいては、第1拠点610が荷物の発荷主(荷物を発送する荷主)の拠点であり、第2拠点650が荷物の着荷主(荷物を受け取る荷主)の拠点である。中継輸送RTbにおいては、第2拠点650が荷物の発荷主の拠点であり、第1拠点610が荷物の着荷主の拠点である。
図7に示す例では、中継輸送RTaにおける荷物の発荷主の拠点と中継輸送RTbにおける荷物の着荷主の拠点とが共通(第1拠点610)となっているが、それらの拠点は相違しうる。同様に、
図7に示す例では、中継輸送RTaにおける荷物の着荷主の拠点と中継輸送RTbにおける荷物の発荷主の拠点とが共通(第2拠点650)となっているが、それらの拠点は相違しうる。
【0037】
尚、第1拠点、第2拠点及び中継拠点など、本明細書で述べられる各拠点は、複数の車両PPを駐車させることができると共に、コンテナQQを車両PPに搭載するための搭載作業及びコンテナQQの車両PPからの積み下ろし作業(切り離し作業)が可能なスペースを有する。コンテナQQの積み下ろし作業により、コンテナQQが車両PPに搭載されている状態からコンテナQQが車両PPに搭載されていない状態に切り替わる。
【0038】
中継輸送に限らず、コンテナQQを利用した輸送においては、荷物が収容されていない状態のコンテナQQを車両PPにて運ぶことも多い。以下、任意のコンテナについて、当該コンテナに何ら荷物が収容されていない状態を空状態と称し、当該コンテナに輸送されるべき荷物が収容されている状態を実入り状態と称する。また、空状態のコンテナを空コンテナと称することがあり、実入り状態のコンテナを実入りコンテナと称することがある。
【0039】
コンテナQQが搭載されていない状態での車両PPの走行は、荷物又はコンテナQQの輸送にとって無駄とも言える。従って
図7の例において、車両PP[1]は荷物BB[1]を収容したコンテナQQ[1]を第1拠点610から中継拠点620へ輸送した後、他の実入りコンテナQQを中継拠点620から第1拠点610に輸送する場合もあるし、空コンテナQQを中継拠点620から第1拠点610に輸送する場合もある。上記他の実入りコンテナQQは中継輸送RTbのコンテナQQ[2]であり得る(この場合、車両PP[1]が車両PP[8]として機能すると考えれば良い)。また、車両PP[8]は実入りコンテナQQ[2]を中継拠点620から第1拠点610へ輸送するに先立ち、特に図示しないが、何らかの実入りコンテナQQ又は空コンテナQQを第1拠点610から中継拠点620に輸送することもある。他の2つの拠点間における他の任意の車両についても同様である。
【0040】
各車両PPには車両IDが割り当てられる。車両IDは各車両PPに固有の識別情報であって、各車両PPが複数の車両PPの内の何れの車両であるのかを識別するための車両識別情報である。故に複数の車両PPにおける複数の車両IDは互いに異なる。同様に、各コンテナQQにはコンテナIDが割り当てられる。コンテナIDは各コンテナQQに固有の識別情報であって、各コンテナQQが複数のコンテナQQの内の何れのコンテナであるのかを識別するためのコンテナ識別情報(収容部識別情報)である。故に、複数のコンテナQQにおける複数のコンテナIDは互いに異なる。更に、
図8(a)に示す如く、各車両PPの車体の所定箇所に車両コードPP_CDが付与されている。車両PP[i]の車体に付与された車両コードPP_CDは車両PP[i]の車両IDを特定する情報であって、二次元コードにより構成される。同様に、
図8(b)に示す如く、各コンテナQQの外壁の所定箇所にコンテナコードQQ_CDが付与されている。コンテナQQ[i]の外壁に付与されたコンテナコードQQ_CDはコンテナQQ[i]のコンテナIDを特定する情報であって、二次元コードにより構成される。
【0041】
運転手が端末装置2(カメラ部27)を用いてコードPP_CD及びQQ_CDを容易に撮影できる位置に、車両コードPP_CDが印刷又はシール貼り付け等にて各車両PPの車体に付与され且つコンテナコードQQ_CDが印刷又はシール貼り付け等にて各コンテナQQの外壁に付与される。車両コードPP_CD及びコンテナコードQQ_CDとしてQRコード(登録商標)を利用できる。
【0042】
図9に中継輸送のスケジュールを表すスケジュールデータ700を示す。
図9では、スケジュールデータ700が
図7の中継輸送RTaのスケジュールを表すと想定されており、この想定の下でスケジュールデータ700の構造を説明する。尚、本実施形態及び参照される各図面における日付は西暦2021年における日付であるものとし、時刻は24時間表記で示すものとする。また、輸送の対象となる荷物を対象荷物と称することがある。中継輸送RTa及びスケジュールデータ700における対象荷物は荷物BB[1]である(
図7参照)。
【0043】
スケジュールデータ700は、対象荷物の発拠点(第1拠点610)でのスケジュールを定めた発データ710と、中継拠点620でのスケジュールを定めた中継データ720と、中継拠点630(第2中継拠点)でのスケジュールを定めた中継データ730と、中継拠点640(第3中継拠点)でのスケジュールを定めた中継データ740と、対象荷物の着拠点(第2拠点650)でのスケジュールを定めた着データ750と、運行コードデータ760と、を有する。
【0044】
発データ710は、対象荷物の発荷主を表す情報711と、対象荷物の発拠点を表す情報712と、対象荷物を収容したコンテナQQのコンテナIDを表す情報713と、対象荷物の発拠点からの出発予定日時を表す情報714と、を含む。情報714における出発予定日時は、対象荷物を収容したコンテナQQが第1拠点610から出発する予定の日時を表し、換言すれば、対象荷物を収容したコンテナQQが搭載された車両PP[1]が第1拠点610から出発する予定の日時を表す。
図7の中継輸送RTaにおいて対象荷物が収容されたコンテナQQはコンテナQQ[1]であるので、コンテナQQ[1]のコンテナID(
図9では“QQ001”と表記されている)が情報713に格納されることになる。ここでは、スケジュールデータ700が作成された時点でコンテナQQ[1]のコンテナIDが情報713に格納されることを想定しているが、スケジュールデータ700が作成された時点において情報713はブランクとなっていても良い(即ち情報713にはコンテナIDが入っていないようにしても良い)。この場合、対象荷物を収容したコンテナQQのコンテナIDが確定した後に、確定したコンテナIDが情報713としてスケジュールデータ700に格納される。尚、輸送の対象となるコンテナを対象コンテナと称することがある。中継輸送RTa及びスケジュールデータ700における対象コンテナは、対象荷物BB[1]を収容したコンテナQQ[1]である(
図7参照)。
【0045】
発データ710は更に情報715及び716を含む。情報715、716は、夫々、第1拠点610から中継拠点620までの対象コンテナQQ[1]の運送を担う運送業者の名称、運送業者IDを表す。運送業者IDは運送業者の固有情報であって、各運送業者が複数の運送業者の内の何れの運送業者であるのかを識別するための運送業者識別情報である。故に複数の運送業者における複数の運送業者IDは互いに異なる。発データ710は更に情報717を含む。情報717は、第1拠点610から中継拠点620まで対象コンテナQQ[1]を運送する予定の車両の車両ID、即ち車両PP[1]の車両IDを表す(
図7参照)。
【0046】
中継データ720は情報721~727を含む。情報721及び723は、対象コンテナQQ[1]を搭載した車両PP[1]が中継拠点620に到着する際の到着場所及び駐車位置を表す。到着場所は大まかな位置を表し、駐車位置は当該車両PP[1]が駐車する予定の詳細な位置を表す。情報722は車両PP[1]の中継拠点620への到着予定日時を表す。中継拠点620において対象コンテナQQ[1]の搭載先を車両PP[1]から車両PP[2]に切り替える作業が行われる。情報724は、対象コンテナQQ[1]が搭載された車両PP[2]の中継拠点620から出発予定日時を表す。情報725、726は、夫々、中継拠点620から中継拠点630までの対象コンテナQQ[1]の運送を担う運送業者の名称、運送業者IDを表す。情報727は、中継拠点620から中継拠点630まで対象コンテナQQ[1]を運送する予定の車両の車両ID、即ち車両PP[2]の車両IDを表す(
図7参照)。
【0047】
中継データ730は情報731~737を含む。情報731及び733は、対象コンテナQQ[1]を搭載した車両PP[2]が中継拠点630に到着する際の到着場所及び駐車位置を表す。到着場所は大まかな位置を表し、駐車位置は当該車両PP[2]が駐車する予定の詳細な位置を表す。情報732は車両PP[2]の中継拠点630への到着予定日時を表す。中継拠点630において対象コンテナQQ[1]の搭載先を車両PP[2]から車両PP[3]に切り替える作業が行われる。情報734は、対象コンテナQQ[1]が搭載された車両PP[3]の中継拠点630から出発予定日時を表す。情報735、736は、夫々、中継拠点630から中継拠点640までの対象コンテナQQ[1]の運送を担う運送業者の名称、運送業者IDを表す。情報737は、中継拠点630から中継拠点640まで対象コンテナQQ[1]を運送する予定の車両の車両ID、即ち車両PP[3]の車両IDを表す(
図7参照)。
【0048】
中継データ740は情報741~747を含む。情報741及び743は、対象コンテナQQ[1]を搭載した車両PP[3]が中継拠点640に到着する際の到着場所及び駐車位置を表す。到着場所は大まかな位置を表し、駐車位置は当該車両PP[3]が駐車する予定の詳細な位置を表す。情報742は車両PP[3]の中継拠点640への到着予定日時を表す。中継拠点640において対象コンテナQQ[1]の搭載先を車両PP[3]から車両PP[4]に切り替える作業が行われる。情報744は、対象コンテナQQ[1]が搭載された車両PP[4]の中継拠点640から出発予定日時を表す。情報745、746は、夫々、中継拠点640から第2拠点650までの対象コンテナQQ[1]の運送を担う運送業者の名称、運送業者IDを表す。情報747は、中継拠点640から第2拠点650まで対象コンテナQQ[1]を運送する予定の車両の車両ID、即ち車両PP[4]の車両IDを表す(
図7参照)。
【0049】
着データ750は、対象荷物の着荷主を表す情報751と、中継輸送における対象荷物の最終到着拠点(即ち第2拠点650)を表す情報752と、対象荷物の最終到着拠点(即ち第2拠点650)への到着予定日時を表す情報753と、を含む。情報753における到着予定日時は、対象コンテナQQ[1]が第2拠点650に到着する予定の日時を表し、換言すれば、対象コンテナQQ[1]を搭載した車両PP[4]が第2拠点650に到着する予定の日時を表す。
【0050】
運行コードデータ760は、対象荷物及び対象荷物の中継輸送に対応付けられた運行コードSS_CDを表し、運行コードSS_CDとしてQRコード(登録商標)を利用できる。
【0051】
スケジュールデータ700が
図7の中継輸送RTaのスケジュールを表すことを想定して、中継輸送のスケジュールデータの構造を説明したが、他の任意の中継輸送のスケジュールデータも同様の構造を有する。
【0052】
制御部11の機能ブロック(111~114;
図5参照)について説明する。
【0053】
スケジュールデータ作成部111は、中継輸送のスケジュールを表すスケジュールデータを作成する。
図9のスケジュールデータ700は作成部111にて作成されるスケジュールデータの例である。作成部111は、インターフェース部14又はネットワークNETを通じて、発荷主及び着荷主並びに各運送業者の希望及び予定を表す情報の入力を受け、入力された情報に基づきスケジュールデータを作成する。管理者が操作部142を通じてスケジュールデータの全部又は一部を手動入力することも可能である。スケジュールデータは実施される中継輸送ごとに作成される。実施される中継輸送ごとに固有の運行ID(運行識別情報)が設定され、各運行IDに対して運行コードSS_CD(
図9参照)が割り当てられる。各運行コードSS_CDに対して、対応する運行IDが埋め込まれる。互いに異なる複数の中継輸送間で、運行コードSS_CDは互いに異なり且つ運行IDは互いに異なる。従って例えば、中継輸送RTa(
図7)のスケジュールデータ中の運行コードSS_CDと、中継輸送RTb(
図7)のスケジュールデータ中の運行コードSS_CDとは互いに異なる。前者の運行コードSS_CDは荷物BB[1]に対応付けられ、後者の運行コードSS_CDは荷物BB[2]に対応付けられる。
【0054】
或る中継輸送について、スケジュールデータは、当該中継輸送が開始される日時までに(例えば中継輸送が開始される日の前日までに)作成され、当該スケジュールデータの全部又は一部を表す運行表が当該中継輸送を担う各運送業者に配布される。運行表は各運転手が自由に参照可能な印刷物又は画像であって良い。運行表には少なくとも運行コードSS_CDが示されている(
図11参照)。
【0055】
端末発信情報取得部112は、各端末装置2の送信情報(各端末装置2から送信される情報)をネットワークNET及び通信部13を通じて受信する。
【0056】
スケジュールデータ保持部113は、スケジュールデータ作成部111にて作成されたスケジュールデータを保持する。
【0057】
管理部114は、各端末装置2と協働して、各中継輸送を適正に行わせるための制御動作を実行する他、各端末装置2の送信情報等に基づき運送管理データを生成して、運送管理データを蓄積装置3に蓄積及び記憶させる。
【0058】
以下、複数の実施例の中で、運送管理システムSYSに関する幾つかの具体的な動作例、応用技術、変形技術等を説明する。本実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の各実施例に適用される。各実施例において、上述の事項と矛盾する事項がある場合には、各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、以下に示す複数の実施例の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
【0059】
<<第1実施例>>
第1実施例を説明する。第1実施例では、実入りコンテナQQの輸送に関わる動作を説明する。1つの中継輸送は、或る出発地点から或る到着地点までの単位輸送の組み合わせから成る。即ち、
図7の中継輸送RTaであれば、第1拠点610及び中継拠点620を出発地点及び到着地点とした実入りコンテナQQ[1]の第1単位輸送と、中継拠点620及び630を出発地点及び到着地点とした実入りコンテナQQ[1]の第2単位輸送と、中継拠点630及び640を出発地点及び到着地点とした実入りコンテナQQ[1]の第3単位輸送と、中継拠点640及び第2拠点650を出発地点及び到着地点とした実入りコンテナQQ[1]の第4単位輸送とで、中継輸送RTaが構成される。ここでは、説明の具体化のため、
図7の中継輸送RTaの内の第1単位輸送に注目し、第1単位輸送における運送管理システムSYSの動作を説明する。
【0060】
図10は、実入りコンテナQQ[1]を搭載した状態の車両PP[1]が第1拠点610(出発地点)から出発する工程(以下、実入り出発工程と称する)のフローチャートである。当該実入り出発工程の流れを
図10を参照して説明する。
図10の実入り出発工程はステップS11~S20及びS30から成る。尚、各端末装置2には、運送管理システムSYSにて利用される特定のアプリケーションプログラム(以下、端末アプリと称する)が予めインストールされているものとする。
【0061】
図10の実入り出発工程の実行期間において、コンテナQQ[1]及び車両PP[1]は出発地点である第1拠点610に存在しており、車両PP[1]に対応する端末装置2[1]も第1拠点610に存在している。ステップS11において、車両PP[1]の運転手は、端末アプリを起動させるための操作を端末装置2[1]に入力することで端末装置2[1]にて端末アプリを起動させる。端末装置2[1]において、端末アプリが起動すると、制御部21の制御の下、コード読み取りを促すメッセージが表示部241に表示される。当該メッセージに従い、車両PP[1]の運転手はステップS12にて撮影作業を行う。尚、ステップS12に至る前に、コンテナQQ[1]に荷物BB[1]を収容する作業及び実入りコンテナQQ[1]を車両PP[1]の荷台に搭載する作業が完了しているものとする(但し、これらの作業がステップS12の後に行われることがあっても良い)。
【0062】
図11にステップS12の撮影作業の様子を示す。中継輸送RTaの運行表SS[1]に示された運行コードSS_CDを特に記号“SS_CD[1]”にて参照する。更に、車両PP[1]の車両コードPP_CD、コンテナQQ[1]のコンテナコードQQ_CDを、夫々、記号“PP_CD[1]”、“QQ_CD[1]”にて参照する。運行表SS[1]は
図9のスケジュールデータ700に対応する運行表であり、運行コードSS_CD[1]はスケジュールデータ700中の運行コードSS_CD(従って荷物BB[1]に対応付けられた運行コードSS_CD)と一致する。
【0063】
ステップS12の撮影作業は出発地点(即ち第1拠点610)にて行われる。ステップS12の撮影作業において、車両PP[1]の運転手は、端末装置2[1]のカメラ部27により、運行表SS[1]中の運行コードSS_CD[1]と、コンテナQQ[1]のコンテナコードQQ_CD[1]と、車両PP[1]の車両コードPP_CD[1]を撮影する操作を行う。これにより、撮影されたコードSS_CD[1]、QQ_CD[1]及びPP_CD[1]が端末装置2[1]にて読み込まれる。
【0064】
ステップS12の撮影作業を経てステップS13に進む。ステップS13では、端末アプリの機能に従い、端末装置2[1]にて送信情報810が作成されて、端末装置2[1]から運送管理装置1に対して送信情報810が送信される。運送管理装置1の端末発信情報取得部112(
図5参照)は送信情報810をネットワークNET及び通信部13を通じて受信する。
【0065】
図11に示す如く、端末装置2[1]の送信情報810には、端末装置2[1]の現在地を表す位置情報811と、車両PP[1]が属する運送業者の運送業者IDを表す業者情報812と、が含まれ、更に、運行ID情報816、コンテナ情報817及び車両ID情報818が含まれる。これらの情報811、812及び816~818は、同時に端末装置2[1]から運送管理装置1に送信されても良いし、複数の期間に分けて端末装置2[1]から運送管理装置1に送信されても良い。
【0066】
位置情報811は、端末装置2[1]のGPS処理部26を用いて生成される位置情報である。位置情報811は、ステップS12及びS13での端末装置2[1]の現在地を表す。故に、位置情報811は、車両PP[1]及び実入りコンテナQQ[1]の出発地点である第1拠点610を表す。
【0067】
車両PP[1]の運転手は、ステップS11の後、ステップS13に至る前に、自身が属する運送業者の運送業者IDを端末装置2[1]のインターフェース部14を通じて端末装置2[1]に入力する。この入力された運送業者IDにより業者情報812が形成される。但し、業者情報812は、運送業者ID以外の情報(但し運送業者IDに対応付けられた情報)であっても良い。例えば、運送業者ID以外の情報は、端末装置2[1]の固有情報であっても良い。この場合、端末装置2[1]の固有情報と車両PP[1]が属する運送業者とが対応していることを示す第1既知情報が運送管理装置1に予め登録されているものとする。そうすると、運送管理装置1は、第1既知情報と端末装置2[1]の固有情報とに基づき、車両PP[1]が属する運送業者(換言すれば端末装置2[1]に対応付けられた運送業者)の運送業者IDを特定できる。或いは例えば、運送業者ID以外の情報は、端末装置2[1]のユーザ(即ち車両PP[1]の運転手)の固有情報(運転免許証番号等)であっても良い。この場合、端末装置2[1]のユーザの固有情報と車両PP[1]が属する運送業者とが対応していることを示す第2既知情報が運送管理装置1に予め登録されているものとする。そうすると、運送管理装置1は、第2既知情報と端末装置2[1]のユーザの固有情報とに基づき、車両PP[1]が属する運送業者(換言すれば端末装置2[1]に対応付けられた運送業者)の運送業者IDを特定できる。以下では、車両PP[1]の運転手が、自身が属する運送業者の運送業者IDを端末装置2[1]のインターフェース部14を通じて端末装置2[1]に入力することで業者情報812が形成されるものとする(後述の他の業者情報についても同様)。
【0068】
運行ID情報816は、ステップS12の撮影により読み込まれた運行コードSS_CD[1]に基づく情報であって、運行表SS[1]に対応付けられた中継輸送の運行IDを表す(換言すれば、運行表SS[1]に固有の運行IDを表す)。運行ID情報816は、ステップS12にて端末装置2[1]により読み取られた運行コードSS_CDが、運行表SS[1]中の運行コードSS_CD(即ちSS_CD[1])であることを特定する情報である。
【0069】
コンテナID情報817は、ステップS12の撮影により読み込まれたコンテナコードQQ_CD[1]に基づく情報であって、コンテナQQ[1]のコンテナIDを表す。車両ID情報818は、ステップS12の撮影により読み込まれた車両コードPP_CD[1]に基づく情報であって、車両PP[1]の車両IDを表す。コンテナID情報817及び車両ID情報818により、実入り出発工程において出発地点(610)から出発する予定のコンテナQQ及び車両PPが識別される。
【0070】
図10を再度参照する。ステップS13の後、ステップS14に進む。ステップS14において、運送管理装置1の管理部114(
図5参照)は、送信情報810に基づいてスケジュール整合確認処理を実行する。保持部113には複数の中継輸送に関する複数のスケジュールデータが保持されている。スケジュール整合確認処理において、管理部114は、保持部113に保持された複数のスケジュールデータの中から、運行ID情報816に対応するスケジュールデータを運行ID情報816に基づき抽出する。本実施例において、運行ID情報816は運行コードSS_CD[1]に対応しているため、運行コードSS_CD[1]に対応するスケジュールデータ700が抽出される。
【0071】
そして、スケジュール整合確認処理では、送信情報810とスケジュールデータ700との整合が確認される。そして、それらが整合している場合には(ステップS15のY)ステップS14からステップS15を経由してステップS16に進む。そうでない場合には(ステップS15のN)ステップS14からステップS15を経由してステップS30に進む。例えば、位置情報811にて示される地点が第1拠点610と相違する場合、又は、業者情報812がスケジュールデータ700中の情報716と整合していない場合、ステップS30に進むことになる。また、現在日時も参照してスケジュール整合確認処理が実行されても良い。ステップS30に進んだ場合、管理部114により所定のエラー処理を実行し、
図10の動作を終える。以下では、ステップS16に進んだ場合のみを考える。
【0072】
ステップS16において、管理部114の制御の下、運送管理装置1から端末装置2[1]に対して所定の整合OK信号が送信される。端末装置2[1]にて整合OK信号が受信されると、ステップS17において、端末装置2[1]は、端末アプリの機能に従い、「出発しますか?」といった所定の出発確認メッセージを出力する。端末装置2[1]において、出発確認メッセージの出力は、出発確認メッセージを表示部241に表示する処理を含む(後述の他の出発確認メッセージ及び到着確認メッセージの出力も同様)。当該処理に加えて又は当該処理に代えて出発確認メッセージをスピーカ244から音声出力するようにしても良い(後述の他の出発確認メッセージ及び到着確認メッセージの出力も同様)。
【0073】
ステップS17の後、ステップS18に進む。ステップS18において、端末装置2[1]の制御部21は所定の確認操作が入力されたかを確認する。端末装置2[1]において、出発確認メッセージが出力される際、制御部21は所定の確認操作の入力を待機する。確認操作が入力されると(例えば表示部241に表示された確認アイコンがタップされると;ステップS18のY)、ステップS18からステップS19に進む。確認操作が入力されないと(ステップS18のN)、ステップS17に戻る。特に図示しないが、確認操作の代わりに、キャンセル操作が端末装置2[1]に入力されると、ステップS19に進むことなく
図10の動作を終える。
【0074】
ステップS19において、端末装置2[1]は運送管理装置1に対し所定の出発確定信号を送信する。出発確定信号が運送管理装置1にて受信されると、ステップS20において、管理部114は送信情報810に基づき運送管理データの更新処理を実行する(詳細は後述)。
【0075】
尚、管理部114は、コンテナQQの輸送状態を管理する状態管理処理を実行する。状態管理処理にて管理されるコンテナQQの輸送状態を、ここでは、輸送管理状態と称する。管理部114は、状態管理処理において輸送管理状態を複数の状態間で遷移させる。管理部114はコンテナQQごとに状態管理処理を実行できる。ステップS20ではコンテナQQ[1]の輸送管理状態を状態ST1から状態ST2に遷移させる。
【0076】
状態ST1は、実入りコンテナQQ[1]の第1拠点610からの出発の準備が未だ整っていない出発前状態である。状態ST2は、実入りコンテナQQ[1]の第1拠点610からの出発の準備が整っている出発可状態である。状態ST2は、実入りコンテナQQ[1]が第1拠点610から中継拠点620に向けて輸送中であることを指し示すものであっても良い。
図10の実入り出発工程において、ステップS20に至るまでの輸送管理状態は初期状態に相当する状態ST1と一致する。
【0077】
図12は実入りコンテナQQ[1]を搭載した状態の車両PP[1]が中継拠点620(到着地点)に到着する工程(以下、実入り到着工程と称する)のフローチャートである。当該実入り到着工程の流れを
図12を参照して説明する。
図12の実入り到着工程はステップS61~S70及びS80から成る。
図12の実入り到着工程は
図10の実入り出発工程の後に実行される。
図10のステップS20を経て、実入りコンテナQQ[1]を搭載した車両PP[1]が出発地点(610)から到着地点(620)に移動する。車両PP[1]が到着地点(620)に到着した後、車両PP[1]から実入りコンテナQQ[1]を切り離す作業を経てステップS61の処理が実行されるものとする(但し、切り離し作業はステップS61の処理後に行われても良い)。
【0078】
図12の実入り到着工程の実行期間において、実入りコンテナQQ[1]及び車両PP[1]は到着地点である中継拠点620に存在しており、車両PP[1]に対応する端末装置2[1]も中継拠点620に存在している。ステップS61において、車両PP[1]の運転手は、端末アプリを起動させるための操作を端末装置2[1]に入力することで端末装置2[1]にて端末アプリを起動させる。端末装置2[1]において、端末アプリが起動すると、制御部21の制御の下、コード読み取りを促すメッセージが表示部241に表示される。当該メッセージに従い、車両PP[1]の運転手はステップS62にて撮影作業を行う。
【0079】
図13にステップS62の撮影作業の様子を示す。ステップS62の撮影作業は到着地点(即ち中継拠点620)にて行われる。ステップS62の撮影作業において、車両PP[1]の運転手は、端末装置2[1]のカメラ部27により、運行表SS[1]中の運行コードSS_CD[1]と、コンテナQQ[1]のコンテナコードQQ_CD[1]と、車両PP[1]の車両コードPP_CD[1]を撮影する操作を行う。これにより、撮影されたコードSS_CD[1]、QQ_CD[1]及びPP_CD[1]が端末装置2[1]にて読み込まれる。
【0080】
ステップS62の撮影作業を経てステップS63に進む。ステップS63では、端末アプリの機能に従い、端末装置2[1]にて送信情報820が作成されて、端末装置2[1]から運送管理装置1に対して送信情報820が送信される。運送管理装置1の端末発信情報取得部112(
図5参照)は送信情報820をネットワークNET及び通信部13を通じて受信する。
【0081】
図13に示す如く、端末装置2[1]の送信情報820には、端末装置2[1]の現在地を表す位置情報821と、車両PP[1]が属する運送業者の運送業者IDを表す業者情報822と、が含まれ、更に、運行ID情報826、コンテナID情報827及び車両ID情報828が含まれる。これらの情報821、822及び826~828は、同時に端末装置2[1]から運送管理装置1に送信されても良いし、複数の期間に分けて端末装置2[1]から運送管理装置1に送信されても良い。スケジュールデータ700に従って中継輸送が実施される場合、
図13の情報822及び826~828は、夫々、
図11の情報812及び816~818と一致する。
【0082】
位置情報821は、端末装置2[1]のGPS処理部26を用いて生成される位置情報である。位置情報821は、ステップS62及びS63での端末装置2[1]の現在地を表す。故に、位置情報821は、車両PP[1]及び実入りコンテナQQ[1]の到着地点である中継拠点620を表す。
【0083】
車両PP[1]の運転手は、ステップS61の後、ステップS63に至る前に、自身が属する運送業者の運送業者IDを端末装置2[1]のインターフェース部14を通じて端末装置2[1]に入力する。この入力された運送業者IDにより業者情報822が形成される。
【0084】
運行ID情報826は、ステップS62の撮影により読み込まれた運行コードSS_CD[1]に基づく情報であって、運行表SS[1]に対応付けられた中継輸送の運行IDを表す(換言すれば、運行表SS[1]に固有の運行IDを表す)。運行ID情報826は、ステップS62にて端末装置2[1]により読み取られた運行コードSS_CDが、運行表SS[1]中の運行コードSS_CD(即ちSS_CD[1])であることを特定する情報である。
【0085】
コンテナID情報827は、ステップS62の撮影により読み込まれたコンテナコードQQ_CD[1]に基づく情報であって、コンテナQQ[1]のコンテナIDを表す。車両ID情報828は、ステップS62の撮影により読み込まれた車両コードPP_CD[1]に基づく情報であって、車両PP[1]の車両IDを表す。コンテナID情報827及び車両ID情報828により、到着地点(620)に到着したコンテナQQ及び車両PPが識別される。
【0086】
図12を再度参照する。ステップS63の後、ステップS64に進む。ステップS64において、運送管理装置1の管理部114(
図5参照)は、送信情報820に基づいてスケジュール整合確認処理を実行する。スケジュール整合確認処理において、管理部114は、保持部113に保持された複数のスケジュールデータの中から、運行ID情報826に対応するスケジュールデータを運行ID情報826に基づき抽出する。本実施例において、運行ID情報826は運行コードSS_CD[1]に対応しているため、運行コードSS_CD[1]に対応するスケジュールデータ700が抽出される。
【0087】
スケジュール整合確認処理では、送信情報820とスケジュールデータ700との整合が確認され、それらが整合している場合には(ステップS65のY)ステップS64からステップS65を経由してステップS66に進む。そうでない場合には(ステップS65のN)ステップS64からステップS65を経由してステップS80に進む。ステップS64の段階においてコンテナQQ[1]の輸送管理状態は状態ST2である(
図10のステップS20参照)。コンテナQQ[1]の輸送管理状態が状態ST2であるときのスケジュール整合確認処理では、実入りコンテナQQ[1]及び車両PP[1]がスケジュールデータ700に従って中継拠点620に到着したことを、送信情報820が表しているか否かを判断する。仮に例えば、位置情報821にて示される地点が中継拠点620と相違する場合、又は、業者情報822がスケジュールデータ700中の情報716と整合していない場合、ステップS80に進むことになる。また、現在日時も参照してスケジュール整合確認処理が実行されても良い。ステップS80に進んだ場合、管理部114により所定のエラー処理を実行し、
図12の動作を終える。以下では、ステップS66に進んだ場合のみを考える。
【0088】
ステップS66において、管理部114の制御の下、運送管理装置1から端末装置2[1]に対して所定の整合OK信号が送信される。端末装置2[1]にて整合OK信号が受信されると、ステップS67において、端末装置2[1]は、端末アプリの機能に従い、「到着しましたか?」といった所定の到着確認メッセージを出力する。
【0089】
ステップS67の後、ステップS68に進む。ステップS68において、端末装置2[1]の制御部21は所定の確認操作が入力されたかを確認する。端末装置2[1]において、到着確認メッセージが出力される際、制御部21は所定の確認操作の入力を待機する。確認操作が入力されると(例えば表示部241に表示された確認アイコンがタップされると;ステップS68のY)、ステップS68からステップS69に進む。確認操作が入力されないと(ステップS68のN)、ステップS67に戻る。特に図示しないが、確認操作の代わりに、キャンセル操作が端末装置2[1]に入力されると、ステップS69に進むことなく
図12の動作を終える。
【0090】
ステップS69において、端末装置2[1]は運送管理装置1に対し所定の到着確定信号を送信する。到着確定信号が運送管理装置1にて受信されると、ステップS70において、管理部114は送信情報820に基づき運送管理データの更新処理を実行する(詳細は後述)。また、ステップS70では、コンテナQQ[1]の輸送管理状態を状態ST2から状態ST3に遷移させる。状態ST3は、実入りコンテナQQ[1]が中継拠点620に到着したことを指し示す。
【0091】
図10の実入り出発工程及び
図12の実入り到着工程により、第1拠点610及び中継拠点620を出発地点及び到着地点とした実入りコンテナQQ[1]の第1単位輸送が完了する。以後、
図7の中継輸送RTaでは、中継拠点620及び630を出発地点及び到着地点とした実入りコンテナQQ[1]の第2単位輸送と、中継拠点630及び640を出発地点及び到着地点とした実入りコンテナQQ[1]の第3単位輸送と、中継拠点640及び第2拠点650を出発地点及び到着地点とした実入りコンテナQQ[1]の第4単位輸送とが、順次行われる。第2~第4単位輸送の夫々も、第1単位輸送と同様の実入り出発工程及び実入り到着工程を含む。
【0092】
ここで、運送管理データについて説明する。管理部114は、中継輸送ごとに基本管理データを作成して各基本管理データを運送管理データに含めることができる。
図14に基本管理データに関わる運送管理データの構造を示す。
図14では基本管理データの中身の図示は省略されている。
図14に示す如く、中継輸送ごとに(従って運行表ごとに又は運行IDごとに)基本管理データが作成される。基本管理データは各コンテナQQの現在の輸送管理状態を特定するデータを含む。
図15を参照し、
図10の実入り出発工程及び
図12の実入り到着工程との関係において運行表SS[1]に対応する基本管理データの詳細を説明する。尚、基本管理データにて管理されるコンテナQQは実入りコンテナQQである。
【0093】
図10のステップS20に至る前において、運行表SS[1]に対応する基本管理データは、コンテナQQ[1]の輸送管理状態が状態ST1であることを示すデータと、運行表SS[1]に従う中継輸送により輸送されるコンテナQQがコンテナQQ[1]であることを示すデータのみを含む(上述したように、ここでは、スケジュールデータ700が作成された時点でコンテナQQ[1]のコンテナIDが情報713に格納されることを想定:
図9参照)。その後、
図10のステップS20において、管理部114は送信情報810(
図11参照)に基づき運行表SS[1]に対応する基本管理データにデータ1110を追加すると共に、コンテナQQ[1]の輸送管理状態を状態ST1から状態ST2に切り替える。データ1110は、コンテナQQ[1]が車両PP[1]に搭載された状態で第1拠点610から出発することを指し示すデータであって、出発日時もデータ1110に含まれる。データ1110中の出発日時として、例えば、ステップS19(
図10参照)の出発確定信号が運送管理装置1にて受信された日時を採用して良い。
【0094】
その後、
図12のステップS70において、管理部114は送信情報820(
図13参照)に基づき運行表SS[1]に対応する基本管理データにデータ1120を追加すると共に、コンテナQQ[1]の輸送管理状態を状態ST2から状態ST3に切り替える。データ1120は、コンテナQQ[1]が中継拠点620に到着したことを指し示すデータであって、到着日時もデータ1120に含まれる。データ1120中の到着日時として、例えば、ステップS69(
図12参照)の到着確定信号が運送管理装置1にて受信された日時を採用して良い。
【0095】
中継輸送RTaに関し、第1単位輸送の実入り出発工程及び実入り到着工程にてデータ1110及び1120が基本管理データに含められ且つ輸送管理状態が切り替えられるのと同様に、以後、第2、第3及び第4単位輸送の実入り出発工程及び実入り到着工程にてデータ1110及び1120に対応するデータが基本管理データに含められ且つ輸送管理状態が適正に切り替えられる。
【0096】
次に、コンテナの管理に特化したコンテナ管理データについて説明する。コンテナ管理データは運送管理データに含められて蓄積装置3(
図5参照)に蓄積及び記憶される。
図16にコンテナ管理データの構造を示す。
図16ではコンテナ管理データの中身の図示は省略されているが、コンテナ管理データは、コンテナQQごとに所在地データ、履歴データ、及び、実/空状態データを含む。或る注目したコンテナQQ[i]について、所在地データは当該コンテナQQ[i]の現在の所在地(現在地)を表し、履歴データは当該コンテナQQ[i]の移動の履歴及び当該コンテナQQ[i]の荷物の収容状態の履歴を表し、実/空状態データは当該コンテナQQ[i]の現在の荷物の収容状態を表す。
【0097】
図17を参照し、
図10の実入り出発工程及び
図12の実入り到着工程との関係においてコンテナQQ[1]に関するコンテナ管理データの変遷を説明する。
【0098】
コンテナQQ[1]が第1拠点610に存在する状態を初期状態として考える。
図10のステップS20に至る前において、管理部114は、コンテナQQ[1]が第1拠点610に存在すると認識しているものとする。そうすると、ステップS20に至る前において、所在地データはコンテナQQ[1]の現在地が第1拠点610であることを指し示す。また、ここでは、ステップS20に至る前においてコンテナQQ[1]の履歴データは存在せず、且つ、コンテナQQ[1]の実/空状態データは不定であるものとする。
【0099】
その後、
図10のステップS20において、管理部114は送信情報810(
図11参照)に基づきコンテナQQ[1]に関するコンテナ管理データを更新する。具体的には、ステップS20において、管理部114はコンテナQQ[1]の所在地データを“輸送中”に更新する。コンテナQQ[1]の所在地データが輸送中であることは、コンテナQQ[1]が或る地点から他の地点に向けて輸送されている過程にあることを示す。また、ステップS20において、管理部114はコンテナQQ[1]の実/空状態データを、コンテナQQ[1]が実入り状態であることを示すデータに変更する。端末装置2からの送信情報に運行コードの撮影に基づく運行ID情報が含まれているとき、対応するコンテナQQは中継輸送で利用される実入りコンテナQQである。
図10の実入り出発工程に関わる送信情報810は運行ID情報816を含んでいるので(
図11参照)、管理部114はコンテナQQ[1]の実/空状態データを、コンテナQQ[1]が実入り状態であることを示すデータに変更する。
【0100】
更に、ステップS20において、管理部114はデータ1310をコンテナQQ[1]の履歴データに含める。データ1310は、コンテナQQ[1]が特定の出発日時に実入りコンテナとして車両PP[1]に搭載された上で第1拠点610から出発したことを示す。上記特定の出発日時として、例えば、ステップS19(
図10参照)の出発確定信号が運送管理装置1にて受信された日時を採用して良い。
【0101】
その後、
図12のステップS70において、管理部114は送信情報820(
図13参照)に基づきコンテナQQ[1]に関するコンテナ管理データを更新する。具体的には、ステップS70において、管理部114はコンテナQQ[1]の所在地データを、送信情報820中の位置情報821に基づき“輸送中”から中継拠点620に更新する(中継拠点620を示すデータに更新する)。
図12の実入り到着工程において送信情報820は、コンテナQQ[1]が中継拠点620に到着したことを指し示しているからである。つまり、コンテナQQ[1]が出発地点(610)から到着地点(620)に運送されたとき、管理部114は、送信情報810に基づく端末装置2[1]の位置情報811と送信情報820に基づく端末装置2[1]の位置情報821とに基づいて、所在地データが指し示すコンテナQQ[1]の所在地を出発地点(610)から到着地点(620)に更新する。
【0102】
また、ステップS70において、管理部114はコンテナQQ[1]の実/空状態データを、コンテナQQ[1]が実入り状態であることを示すデータにて維持する。端末装置2からの送信情報に運行コードの撮影に基づく運行ID情報が含まれているとき、対応するコンテナQQは中継輸送で利用される実入りコンテナQQである。
図12の実入り到着工程に関わる送信情報820は運行ID情報826を含んでいるので(
図13参照)、管理部114はコンテナQQ[1]の実/空状態データを、コンテナQQ[1]が実入り状態であることを示すデータにて維持する。
【0103】
更に、ステップS70において、管理部114はデータ1320をコンテナQQ[1]の履歴データに追加する。この際、データ1310はコンテナQQ[1]の履歴データの一部として保持される。データ1320は、コンテナQQ[1]が特定の到着日時に実入りコンテナとして車両PP[1]に搭載された上で中継拠点620に到着したことを示す。上記特定の到着日時として、例えば、ステップS69(
図12参照)の到着確定信号が運送管理装置1にて受信された日時を採用して良い。データ1310及び1320により、実入りコンテナQQ[1]が車両PP[1]により第1拠点610から中継拠点620に運送されたことが示される。
【0104】
中継輸送RTaに関し、第1単位輸送の実入り出発工程及び実入り到着工程にてデータ1310及び1320が履歴データに含められ且つ所在地データが更新されるのと同様に、以後、第2、第3及び第4単位輸送の実入り出発工程及び実入り到着工程にてデータ1310及び1320に対応するデータが履歴データに追加され且つ所在地データが適正に更新される。中継輸送RTaにおけるコンテナQQ[1]の所在地データは、第1、第2、第3、第4単位輸送の実入り到着工程にて、夫々、中継拠点620を示すデータ、中継拠点630を示すデータ、中継拠点640を示すデータ、第2拠点650を示すデータに、更新されてゆくことになる。コンテナQQ[1]の履歴データに対し、コンテナQQ[1]が或る出発地点から出発するごとに且つコンテナQQ[1]が或る到着地点に到着するごとに新たなデータが追加される。コンテナQQ[1]が中継輸送RTaにて輸送される過程において、コンテナQQ[1]の実/空状態データはコンテナQQ[1]が実入り状態であることを示すデータにて維持される。
【0105】
<<第2実施例>>
第2実施例を説明する。第2実施例では、空コンテナQQの輸送に関わる動作を説明する。説明の具体化のため、第1実施例と同様、車両PP[1]、コンテナQQ[1]、第1拠点610及び中継拠点620に注目し、
図18に示す如く、車両PP[1]にて空コンテナQQ[1]を第1拠点610から中継拠点620に輸送する工程を説明する(当該工程は
図7の中継輸送RTaとは別に実施される)。当該輸送の工程は、空コンテナQQ[1]を搭載した状態の車両PP[1]が第1拠点610(出発地点)から出発する工程(以下、空出発工程と称する)と、空コンテナQQ[1]を搭載した状態の車両PP[1]が中継拠点620(到着地点)に到着する工程(以下、空到着工程と称する)と、により構成される。
【0106】
図19は上記の空出発工程のフローチャートであり、当該空出発工程の流れを
図19を参照して説明する。
図19の空出発工程はステップS111~S114及びS117~S120から成る。
【0107】
図19の空出発工程の実行期間において、空コンテナQQ[1]及び車両PP[1]は出発地点である第1拠点610に存在しており、車両PP[1]に対応する端末装置2[1]も第1拠点610に存在している。第2実施例において、車両PP[1]の運転手は、例えば、業務上、空コンテナQQ[1]を第1拠点610から中継拠点620に輸送することを指示されているものとする。この指示に基づき、ステップS111において、車両PP[1]の運転手は、端末アプリを起動させるための操作を端末装置2[1]に入力することで端末装置2[1]にて端末アプリを起動させる。端末装置2[1]において、端末アプリが起動すると、制御部21の制御の下、コード読み取りを促すメッセージが表示部241に表示される。当該メッセージに従い、車両PP[1]の運転手はステップS112にて撮影作業を行う。
【0108】
図20にステップS112の撮影作業の様子を示す。ステップS112の撮影作業は出発地点(即ち第1拠点610)にて行われる。ステップS112の撮影作業において、車両PP[1]の運転手は、端末装置2[1]のカメラ部27により、コンテナQQ[1]のコンテナコードQQ_CD[1]と、車両PP[1]の車両コードPP_CD[1]を撮影する操作を行う。これにより、撮影されたコードQQ_CD[1]及びPP_CD[1]が端末装置2[1]にて読み込まれる。空出発工程では、実入りコンテナQQを輸送するわけでないため、対応する運行表が存在しない。このため、ステップS112の撮影作業において、任意の運行表SS中の運行コードSS_CDの撮影は行われない。
【0109】
ステップS112の撮影作業を経てステップS113に進む。ステップS113では、端末アプリの機能に従い、端末装置2[1]にて送信情報830が作成されて、端末装置2[1]から運送管理装置1に対して送信情報830が送信される。運送管理装置1の端末発信情報取得部112(
図5参照)は送信情報830をネットワークNET及び通信部13を通じて受信する。
【0110】
図20に示す如く、端末装置2[1]の送信情報830には、端末装置2[1]の現在地を表す位置情報831と、車両PP[1]が属する運送業者の運送業者IDを表す業者情報832と、が含まれ、更に、コンテナ情報837及び車両ID情報838が含まれる。これらの情報831、832、837及び838は、同時に端末装置2[1]から運送管理装置1に送信されても良いし、複数の期間に分けて端末装置2[1]から運送管理装置1に送信されても良い。第1実施例と異なり、ステップS112にて運行コードSS_CDは撮影されないので、送信情報830に、運行ID情報816(
図11参照)のような運行コードSS_CDに基づく運行ID情報は含まれない。
【0111】
位置情報831は、端末装置2[1]のGPS処理部26を用いて生成される位置情報である。位置情報831は、ステップS112及びS113での端末装置2[1]の現在地を表す。故に、位置情報831は、車両PP[1]及び空コンテナQQ[1]の出発地点である第1拠点610を表す。
【0112】
車両PP[1]の運転手は、ステップS111の後、ステップS113に至る前に、自身が属する運送業者の運送業者IDを端末装置2[1]のインターフェース部14を通じて端末装置2[1]に入力する。この入力された運送業者IDにより業者情報832が形成される。
【0113】
コンテナID情報837は、ステップS112の撮影により読み込まれたコンテナコードQQ_CD[1]に基づく情報であって、コンテナQQ[1]のコンテナIDを表す。車両ID情報838は、ステップS112の撮影により読み込まれた車両コードPP_CD[1]に基づく情報であって、車両PP[1]の車両IDを表す。コンテナID情報837及び車両ID情報838により、空出発工程において出発地点(610)から出発する予定のコンテナQQ及び車両PPが識別される。
【0114】
図19を再度参照する。ステップS113の後、ステップS114に進む。ステップS114において、運送管理装置1の管理部114(
図5参照)は、送信情報830を参照し、運行コードSS_CDに基づく運行ID情報が送信情報830に含まれていないことに基づき、コンテナQQ[1]が空状態で輸送されると認識する。更に、ステップS114において、管理部114の制御の下、運送管理装置1から端末装置2[1]に対して所定のACK信号が送信される。
【0115】
端末装置2[1]にてACK信号が受信されると、ステップS117において、端末装置2[1]は、端末アプリの機能に従い、「空コンテナ移動を出発しますか?」といった所定の出発確認メッセージを出力する。
【0116】
ステップS117の後、ステップS118に進む。ステップS118において、端末装置2[1]の制御部21は所定の確認操作が入力されたかを確認する。端末装置2[1]において、出発確認メッセージが出力される際、制御部21は所定の確認操作の入力を待機する。確認操作が入力されると(例えば表示部241に表示された確認アイコンがタップされると;ステップS118のY)、ステップS118からステップS119に進む。確認操作が入力されないと(ステップS118のN)、ステップS117に戻る。特に図示しないが、確認操作の代わりに、キャンセル操作が端末装置2[1]に入力されると、ステップS119に進むことなく
図19の動作を終える。
【0117】
ステップS119において、端末装置2[1]は運送管理装置1に対し所定の出発確定信号を送信する。出発確定信号が運送管理装置1にて受信されると、ステップS120において、管理部114は送信情報830に基づき運送管理データの更新処理を実行する(詳細は後述)。
【0118】
図21は上記の空到着工程のフローチャートであり、当該空到着工程の流れを
図21を参照して説明する。
図21の空到着工程はステップS161~S164及びS167~S170から成る。
図21の空到着工程は
図19の空出発工程の後に実行される。
図19のステップS120を経て、空コンテナQQ[1]を搭載した車両PP[1]が出発地点(610)から到着地点(620)に移動する。車両PP[1]が到着地点(620)に到着した後、車両PP[1]から空コンテナQQ[1]を切り離す作業を経てステップS161の処理が実行されるものとする(但し、切り離し作業はステップS161の処理後に行われ得る)。
【0119】
図21の空到着工程の実行期間において、空コンテナQQ[1]及び車両PP[1]は到着地点である中継拠点620に存在しており、車両PP[1]に対応する端末装置2[1]も中継拠点620に存在している。ステップS161において、車両PP[1]の運転手は、端末アプリを起動させるための操作を端末装置2[1]に入力することで端末装置2[1]にて端末アプリを起動させる。端末装置2[1]において、端末アプリが起動すると、制御部21の制御の下、コード読み取りを促すメッセージが表示部241に表示される。当該メッセージに従い、車両PP[1]の運転手はステップS162にて撮影作業を行う。
【0120】
図22にステップS162の撮影作業の様子を示す。ステップS162の撮影作業は到着地点(即ち中継拠点620)にて行われる。ステップS162の撮影作業において、車両PP[1]の運転手は、端末装置2[1]のカメラ部27により、コンテナQQ[1]のコンテナコードQQ_CD[1]と、車両PP[1]の車両コードPP_CD[1]を撮影する操作を行う。これにより、撮影されたコードQQ_CD[1]及びPP_CD[1]が端末装置2[1]にて読み込まれる。空出発工程及び空到着工程から成る輸送工程では、実入りコンテナQQを輸送するわけでないため、対応する運行表が存在しない。このため、ステップS162の撮影作業において、任意の運行表SS中の運行コードSS_CDの撮影は行われない。
【0121】
ステップS162の撮影作業を経てステップS163に進む。ステップS163では、端末アプリの機能に従い、端末装置2[1]にて送信情報840が作成されて、端末装置2[1]から運送管理装置1に対して送信情報840が送信される。運送管理装置1の端末発信情報取得部112(
図5参照)は送信情報840をネットワークNET及び通信部13を通じて受信する。
【0122】
図22に示す如く、端末装置2[1]の送信情報840には、端末装置2[1]の現在地を表す位置情報841と、車両PP[1]が属する運送業者の運送業者IDを表す業者情報842と、が含まれ、更に、コンテナID情報847及び車両ID情報848が含まれる。これらの情報841、842、847及び848は、同時に端末装置2[1]から運送管理装置1に送信されても良いし、複数の期間に分けて端末装置2[1]から運送管理装置1に送信されても良い。第1実施例と異なり、ステップS162にて運行コードSS_CDは撮影されないので、送信情報840に、運行ID情報826(
図13参照)のような運行コードSS_CDに基づく運行ID情報は含まれない。
【0123】
位置情報841は、端末装置2[1]のGPS処理部26を用いて生成される位置情報である。位置情報841は、ステップS162及びS163での端末装置2[1]の現在地を表す。故に、位置情報841は、車両PP[1]及び空コンテナQQ[1]の到着地点である中継拠点620を表す。
【0124】
車両PP[1]の運転手は、ステップS161の後、ステップS163に至る前に、自身が属する運送業者の運送業者IDを端末装置2[1]のインターフェース部14を通じて端末装置2[1]に入力する。この入力された運送業者IDにより業者情報842が形成される。
【0125】
コンテナID情報847は、ステップS162の撮影により読み込まれたコンテナコードQQ_CD[1]に基づく情報であって、コンテナQQ[1]のコンテナIDを表す。車両ID情報848は、ステップS162の撮影により読み込まれた車両コードPP_CD[1]に基づく情報であって、車両PP[1]の車両IDを表す。コンテナID情報847及び車両ID情報848により、到着地点(620)に到着したコンテナQQ及び車両PPが識別される。
【0126】
図21を再度参照する。ステップS163の後、ステップS164に進む。ステップS164において、運送管理装置1の管理部114(
図5参照)は、送信情報840に基づき空コンテナQQ[1]が到着地点(620)に到着したと認識する。また、ステップS164において、管理部114の制御の下、運送管理装置1から端末装置2[1]に対して所定のACK信号が送信される。
【0127】
端末装置2[1]にてACK信号が受信されると、ステップS167において、端末装置2[1]は、端末アプリの機能に従い、「到着しましたか?」といった所定の到着確認メッセージを出力する。
【0128】
ステップS167の後、ステップS168に進む。ステップS168において、端末装置2[1]の制御部21は所定の確認操作が入力されたかを確認する。端末装置2[1]において、到着確認メッセージが出力される際、制御部21は所定の確認操作の入力を待機する。確認操作が入力されると(例えば表示部241に表示された確認アイコンがタップされると;ステップS168のY)、ステップS168からステップS169に進む。確認操作が入力されないと(ステップS168のN)、ステップS167に戻る。特に図示しないが、確認操作の代わりに、キャンセル操作が端末装置2[1]に入力されると、ステップS169に進むことなく
図21の動作を終える。
【0129】
ステップS169において、端末装置2[1]は運送管理装置1に対し所定の到着確定信号を送信する。到着確定信号が運送管理装置1にて受信されると、ステップS170において、管理部114は送信情報840に基づき運送管理データの更新処理を実行する(詳細は後述)。
【0130】
図23を参照し、
図19の空出発工程及び
図21の空到着工程との関係においてコンテナQQ[1]に関するコンテナ管理データの変遷を説明する。
【0131】
コンテナQQ[1]が第1拠点610に存在する状態を初期状態として考える。即ち、
図19のステップS120に至る前において、管理部114は、コンテナQQ[1]が第1拠点610に存在すると認識しているものとする。そうすると、ステップS120に至る前において、所在地データはコンテナQQ[1]の現在地が第1拠点610であることを指し示す。また、ここでは、ステップS120に至る前においてコンテナQQ[1]の履歴データは存在せず、且つ、コンテナQQ[1]の実/空状態データは不定であるものとする。
【0132】
その後、
図19のステップS120において、管理部114は送信情報830(
図20参照)に基づきコンテナQQ[1]に関するコンテナ管理データを更新する。具体的には、ステップS120において、管理部114はコンテナQQ[1]の所在地データを“輸送中”に更新する。また、ステップS120において、管理部114はコンテナQQ[1]の実/空状態データを、コンテナQQ[1]が空状態であることを示すデータに変更する。端末装置2からの送信情報に運行コードの撮影に基づく運行ID情報が含まれていないとき、対応するコンテナQQは空コンテナQQであると判断される。
図19の空出発工程に関わる送信情報830は運行ID情報を含んでいないので(
図20参照)、管理部114はコンテナQQ[1]の実/空状態データを、コンテナQQ[1]が空状態であることを示すデータに変更する。
【0133】
更に、ステップS120において、管理部114はデータ1410をコンテナQQ[1]の履歴データに含める。データ1410は、コンテナQQ[1]が特定の出発日時に空コンテナとして車両PP[1]に搭載された上で第1拠点610から出発したことを示す。上記特定の出発日時として、例えば、ステップS119(
図19参照)の出発確定信号が運送管理装置1にて受信された日時を採用して良い。
【0134】
その後、
図21のステップS170において、管理部114は送信情報840(
図22参照)に基づきコンテナQQ[1]に関するコンテナ管理データを更新する。具体的には、ステップS170において、管理部114はコンテナQQ[1]の所在地データを、送信情報840中の位置情報841に基づき“輸送中”から中継拠点620に更新する(中継拠点620を示すデータに更新する)。
図21の空到着工程において送信情報840はコンテナQQ[1]が中継拠点620に到着したことを指し示しているからである。つまり、コンテナQQ[1]が出発地点(610)から到着地点(620)に運送されたとき、管理部114は、送信情報830に基づく端末装置2[1]の位置情報831と送信情報840に基づく端末装置2[1]の位置情報841とに基づいて、所在地データが指し示すコンテナQQ[1]の所在地を出発地点(610)から到着地点(620)に更新する。
【0135】
また、ステップS170において、管理部114はコンテナQQ[1]の実/空状態データを、コンテナQQ[1]が空状態であることを示すデータにて維持する。上述したように、端末装置2からの送信情報に運行コードの撮影に基づく運行ID情報が含まれていないとき、対応するコンテナQQは空コンテナQQであると判断される。
図21の空到着工程に関わる送信情報840は運行ID情報を含んでいないので(
図22参照)、管理部114はコンテナQQ[1]の実/空状態データを、コンテナQQ[1]が空状態であることを示すデータにて維持する。
【0136】
更に、ステップS170において、管理部114はデータ1420をコンテナQQ[1]の履歴データに追加する。この際、データ1410はコンテナQQ[1]の履歴データの一部として保持される。データ1420は、コンテナQQ[1]が特定の到着日時に空コンテナとして車両PP[1]に搭載された上で中継拠点620に到着したことを示す。上記特定の到着日時として、例えば、ステップS169(
図21参照)の到着確定信号が運送管理装置1にて受信された日時を採用して良い。データ1410及び1420により、空コンテナQQ[1]が車両PP[1]により第1拠点610から中継拠点620に運送されたことが示される。
【0137】
空コンテナQQ[1]を第1拠点610から中継拠点620に輸送する第1空輸送工程に続き、特に図示しないが、例えば、空コンテナQQ[1]を中継拠点620から中継拠点630に輸送する第2空輸送工程も実施され得る。この際、第1空輸送工程の空出発工程及び空到着工程にてデータ1410及び1420が履歴データに含められ且つ所在地データが更新されるのと同様に、第2空輸送工程の空出発工程及び空到着工程にてデータ1410及び1420に対応するデータが履歴データに追加され且つ所在地データが適正に更新される。第2空輸送工程の空到着工程が完了した時点では、コンテナQQ[1]の所在地データは中継拠点630を示すデータに更新済みとなる。
【0138】
<<第3実施例>>
第3実施例を説明する。コンテナQQ[1]が実入り状態であるときの輸送の工程と、コンテナQQ[1]が空状態であるときの輸送の工程とを、第1及び第2実施例にて分けて説明したが、コンテナQQ[1]が実入り状態又は空状態にて様々な地点間で輸送される期間において第1及び第2実施例は組み合わせて実施される。
【0139】
即ち例えば、コンテナQQ[1]が運送管理システム1に初めて導入された状態、又は、
図12のステップS70若しくは
図21のステップS170の処理が終了した直後の状態を基準状態として考えると、以下のような動作が運行管理システムSYSにおいて実行される。尚、基準状態においてコンテナQQ[1]及び車両PP[1]は第1拠点610に位置しているものとする。
【0140】
上記基準状態での端末装置2[1]からの送信情報は出発地点送信情報として機能し、出発地点送信情報が運送管理装置1にて受信されたとき、管理部114は、端末装置2[1]から受信した出発地点送信情報に、運行コードSS_CDに基づく運行ID情報が含まれているか否かを判断する。この際、出発地点送信情報に運行ID情報が含まれる第1ケースと、出発地点送信情報に運行ID情報が含まれない第2ケースと、の分岐が発生する。
【0141】
第1ケースにおいて、管理部114は、出発地点送信情報に基づきコンテナQQ[1]が実入りコンテナであると判断し、且つ、実入りコンテナQQ[1]が車両PP[1]により第1拠点610から出発すると判断する。第1ケースにおける出発地点送信情報は送信情報810(
図11参照)に相当し、第1ケースにおいて出発地点送信情報が端末装置2[1]から運送管理装置1に送られるまでの処理は、
図10のステップS11~S13の処理に相当する。第1ケースでは、その後、
図10のステップS14~S20の処理が実行され、更にその後に
図12の実入り到着工程が実行される。
【0142】
つまり、第1ケース(荷物運送ケース)では、運行コードSS_CD[1]とコンテナコードQQ_CD[1]と車両コードPP_CD[1]とが出発地点(610)にて端末装置2[1]により撮影された後、コンテナQQ[1]を搭載した車両PP[1]の移動を経て、運行コードSS_CD[1]とコンテナコードQQ_CD[1]と車両コードPP_CD[1]とが到着地点(620)にて端末装置2[1]により撮影される。そして、第1ケースでは、端末装置2[1]及びコンテナQQ[1]が出発地点(610)に存在しているときの端末装置2[1]の送信情報810(
図11参照)と、端末装置2[1]及びコンテナQQ[1]が到着地点(620)に存在しているときの端末装置2[1]の送信情報820(
図13参照)と、が端末発信情報取得部112にて取得される。第1ケースに係る管理部114は、送信情報810及び820に基づき、実入り状態のコンテナQQ[1]が車両PP[1]により出発地点(610)から到着地点(620)に運送されたことを示すデータ(例えば、
図17のデータ1310及び1320)を運送管理データに含めて蓄積装置3に記憶させることができる。
【0143】
第2ケースにおいて、管理部114は、出発地点送信情報に基づきコンテナQQ[1]が空コンテナであると判断し、且つ、空コンテナQQ[1]が車両PP[1]により第1拠点610から出発すると判断する。第2ケースにおける出発地点送信情報は送信情報830(
図20参照)に相当し、第2ケースにおいて出発地点送信情報が端末装置2[1]から運送管理装置1に送られるまでの処理は、
図19のステップS111~S113の処理に相当する。第2ケースでは、その後、
図19のステップS114及びS117~S120の処理が実行され、更にその後に
図21の空到着工程が実行される。
【0144】
つまり、第2ケース(非荷物運送ケース)では、任意の運行コードSS_CDが出発地点(610)にて撮影されることなくコンテナコードQQ_CD[1]と車両コードPP_CD[1]とが出発地点(610)にて端末装置2[1]により撮影された後、コンテナQQ[1]を搭載した車両PP[1]の移動を経て、任意の運行コードSS_CDが到着地点(620)にて撮影されることなくコンテナコードQQ_CD[1]と車両コードPP_CD[1]とが到着地点(620)にて端末装置2[1]により撮影される。そして、第2ケースでは、端末装置2[1]及びコンテナQQ[1]が出発地点(610)に存在しているときの端末装置2[1]の送信情報830(
図20参照)と、端末装置2[1]及びコンテナQQ[1]が到着地点(620)に存在しているときの端末装置2[1]の送信情報840(
図22参照)と、が端末発信情報取得部112にて取得される。第2ケースに係る管理部114は、送信情報830及び840に基づき、空状態のコンテナQQ[1]が車両PP[1]により出発地点(610)から到着地点(620)に運送されたことを示すデータ(例えば、
図23のデータ1410及び1420)を運送管理データに含めて蓄積装置3に記憶させることができる。
【0145】
コンテナQQ[1]は実入り状態又は空状態にて様々な地点間で輸送される。仮に、
図7の中継輸送RTaを経て他の中継輸送によりコンテナQQ[1]が実入りコンテナとして第2拠点650から第1拠点610に戻され、その後、第2実施例に示した流れにより空状態のコンテナQQ[1]が第1拠点610から中継拠点620に輸送されたならば、コンテナQQ[1]の履歴データは、
図24に示す如く、データ1310、1320、1410及び1420を含むことになる。尚、履歴データの内、一定期間(例えば三ヵ月)以上古いデータは蓄積装置3から削除されるようにしても良い。
【0146】
<<第4実施例>>
第4実施例を説明する。第1~第3実施例では、説明の具体化のため、コンテナQQ[1]に注目してコンテナQQ[1]に関わる各種動作及び処理等を説明したが、コンテナQQ[1]以外の各コンテナQQに対しても、第1~第3実施例に示したものと同様の各種動作及び処理等が実施される。
【0147】
<<第5実施例>>
第5実施例を説明する。車両PP[i]が任意の注目拠点に到着した後、当該注目拠点から出発する運行態様として、
図25に示す第1~第9運行態様がある。注目拠点は、拠点610、620、630、640及び650の何れかである。
【0148】
第1運行態様に係る車両PP[i]は、第1実入りコンテナQQを搭載した状態で注目拠点に到着した後、第2実入りコンテナQQを搭載した状態で注目拠点から出発する。
第2運行態様に係る車両PP[i]は、第1実入りコンテナQQを搭載した状態で注目拠点に到着した後、第1空コンテナQQを搭載した状態で注目拠点から出発する。
第3運行態様に係る車両PP[i]は、第1実入りコンテナQQを搭載した状態で注目拠点に到着した後、コンテナQQを搭載しない状態で注目拠点から出発する。
【0149】
第4運行態様に係る車両PP[i]は、第1空コンテナQQを搭載した状態で注目拠点に到着した後、第1実入りコンテナQQを搭載した状態で注目拠点から出発する。
第5運行態様に係る車両PP[i]は、第1空コンテナQQを搭載した状態で注目拠点に到着した後、第2空コンテナQQを搭載した状態で注目拠点から出発する。
第6運行態様に係る車両PP[i]は、第1空コンテナQQを搭載した状態で注目拠点に到着した後、コンテナQQを搭載しない状態で注目拠点から出発する。
【0150】
第7運行態様に係る車両PP[i]は、コンテナQQを搭載しない状態で注目拠点に到着した後、第1実入りコンテナQQを搭載した状態で注目拠点から出発する。
第8運行態様に係る車両PP[i]は、コンテナQQを搭載しない状態で注目拠点に到着した後、第1空コンテナQQを搭載した状態で注目拠点から出発する。
第9運行態様に係る車両PP[i]は、コンテナQQを搭載しない状態で注目拠点に到着した後、コンテナQQを搭載しない状態で注目拠点から出発する。
【0151】
管理部114は、任意の注目拠点に対する各車両PP[i]の運行態様が第1~第9運行態様の何れに相当するのかを判断する機能を有していても良い。
【0152】
当該機能を実現するべく、車両PP[i]の運転手は注目拠点に到着した際、以下の到着時撮影作業を行い、その後、注目拠点から出発する際、以下の出発時撮影作業を行う。到着時撮影作業が行われると、端末装置2[i]は到着時撮影作業に基づく到着時送信情報を運送管理装置1に送信する。出発時撮影作業が行われると、端末装置2[i]は出発時撮影作業に基づく出発時送信情報を運送管理装置1に送信する。
【0153】
第1運行態様の到着時撮影作業では、第1実入りコンテナQQの中継輸送に対応する運行コードSS_CD、第1実入りコンテナQQのコンテナコードQQ_CD及び車両PP[i]の車両コードPP_CDを端末装置2[i]のカメラ部27にて撮影する。第1運行態様の到着時送信情報には、端末装置2[i]の位置情報と共に、到着時撮影作業にて撮影されたコードSS_CD、QQ_CD及びPP_CDに基づく情報が含まれる。
第1運行態様の出発時撮影作業では、第2実入りコンテナQQの中継輸送に対応する運行コードSS_CD、第2実入りコンテナQQのコンテナコードQQ_CD及び車両PP[i]の車両コードPP_CDを端末装置2[i]のカメラ部27にて撮影する。第1運行態様の出発時送信情報には、端末装置2[i]の位置情報と共に、出発時撮影作業にて撮影されたコードSS_CD、QQ_CD及びPP_CDに基づく情報が含まれる。
【0154】
第2運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報は、第1運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報と同様である。
第2運行態様の出発時撮影作業では、任意の運行コードSS_CDを撮影することなく、第1空コンテナQQのコンテナコードQQ_CD及び車両PP[i]の車両コードPP_CDを端末装置2[i]のカメラ部27にて撮影する。第2運行態様の出発時送信情報には、端末装置2[i]の位置情報と共に、出発時撮影作業にて撮影されたコードQQ_CD及びPP_CDに基づく情報が含まれる(コードSS_CDに基づく情報は含まれない)。
【0155】
第3運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報は、第1運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報と同様である。
第3運行態様の出発時撮影作業では、任意の運行コードSS_CD及び任意のコンテナコードQQ_CDを撮影することなく、車両PP[i]の車両コードPP_CDのみを端末装置2[i]のカメラ部27にて撮影する。第3運行態様の出発時送信情報には、端末装置2[i]の位置情報と共に、出発時撮影作業にて撮影されたコードPP_CDに基づく情報が含まれる(コードSS_CDに基づく情報及びコードQQ_CDに基づく情報は含まれない)。
【0156】
第4運行態様の到着時撮影作業では、任意の運行コードSS_CDを撮影することなく、第1空コンテナQQのコンテナコードQQ_CD及び車両PP[i]の車両コードPP_CDを端末装置2[i]のカメラ部27にて撮影する。第4運行態様の到着時送信情報には、端末装置2[i]の位置情報と共に、到着時撮影作業にて撮影されたコードQQ_CD及びPP_CDに基づく情報が含まれる(コードSS_CDに基づく情報は含まれない)。
第4運行態様の出発時撮影作業では、第1実入りコンテナQQの中継輸送に対応する運行コードSS_CD、第1実入りコンテナQQのコンテナコードQQ_CD及び車両PP[i]の車両コードPP_CDを端末装置2[i]のカメラ部27にて撮影する。第4運行態様の出発時送信情報には、端末装置2[i]の位置情報と共に、出発時撮影作業にて撮影されたコードSS_CD、QQ_CD及びPP_CDに基づく情報が含まれる。
【0157】
第5運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報は、第4運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報と同様である。
第5運行態様の出発時撮影作業では、任意の運行コードSS_CDを撮影することなく、第2空コンテナQQのコンテナコードQQ_CD及び車両PP[i]の車両コードPP_CDを端末装置2[i]のカメラ部27にて撮影する。第5運行態様の出発時送信情報には、端末装置2[i]の位置情報と共に、出発時撮影作業にて撮影されたコードQQ_CD及びPP_CDに基づく情報が含まれる(コードSS_CDに基づく情報は含まれない)。
【0158】
第6運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報は、第4運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報と同様である。
第6運行態様の出発時撮影作業及び出発時送信情報は、第3運行態様の出発時撮影作業及び出発時送信情報と同様である。
【0159】
第7運行態様の到着時撮影作業では、任意の運行コードSS_CD及び任意のコンテナコードQQ_CDを撮影することなく、車両PP[i]の車両コードPP_CDのみを端末装置2[i]のカメラ部27にて撮影する。第7運行態様の到着時送信情報には、端末装置2[i]の位置情報と共に、到着時撮影作業にて撮影されたコードPP_CDに基づく情報が含まれる(コードSS_CDに基づく情報及びコードQQ_CDに基づく情報は含まれない)。
第7運行態様の出発時撮影作業及び出発時送信情報は、第4運行態様の出発時撮影作業及び出発時送信情報と同様である。
【0160】
第8運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報は、第7運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報と同様である。
第8運行態様の出発時撮影作業及び出発時送信情報は、第2運行態様の出発時撮影作業及び出発時送信情報と同様である。
【0161】
第9運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報は、第7運行態様の到着時撮影作業及び到着時送信情報と同様である。
第9運行態様の出発時撮影作業及び出発時送信情報は、第3運行態様の出発時撮影作業及び出発時送信情報と同様である。
【0162】
管理部114は、端末装置2[i]から受信した到着時送信情報及び出発時送信情報に基づいて、任意の注目拠点に対する車両PP[i]の運行態様が第1~第9運行態様の何れに相当するのかを判定する運行態様判定処理を実行して良い。第p運行態様における到着時送信情報及び出発時送信情報の組み合わせに含まれる情報と、第q運行態様における到着時送信情報及び出発時送信情報の組み合わせに含まれる情報とは、互いに相違するため、運行態様判定処理が可能である(p及びqの夫々は1以上且つ9以下の整数であって、且つ、p及びqは互いに異なる)。運行態様判定処理を車両PPごとに実施することができ、管理部114は、車両PPごとに行った運行態様判定処理の判定結果を運送管理データに含めて蓄積装置3に記憶させても良い。これにより、各車両PPの運行態様を集約して管理することができる。尚、第9運行態様は荷物又はコンテナQQの輸送に対して何も寄与せず、通常は存在しない運行態様であると言える。故に、車両PP[i]の運行態様は実質的に第1~第8運行態様の何れかに限定されると考えて良い(第9運行態様は存在しないと考えても良い)。
【0163】
<<第6実施例>>
第6実施例を説明する。第6実施例では上述した事項に対する補足事項、応用技術又は変形技術等を説明する。
【0164】
上述の各実施例では、運行表に運行コードSS_CDが付与されることを想定しているが、運行コードSS_CDの付与の対象は運行表に分類されるものである必要はなく、伝票(運送されるべき荷物の伝票)に分類されるものであっても良い。
【0165】
上述の各実施例では、端末装置2により読み取りの対象となるコード(SS_CD、QQ_CD、PP_CD)として、QRコード(登録商標)に代表される二次元コードを想定した。しかしながら、読み取りの対象となるコード(SS_CD、QQ_CD、PP_CD)は、一次元コードでも良いし、一次元コード及び二次元コードに分類されない任意のパターンコードであっても良い。任意のパターンコードは、例えば、ISO6346で規定される海上コンテナの管理用コードである。
【0166】
第1拠点610及び第2拠点650間に3つの中継拠点620、630及び640が存在する例を上述したが、第1拠点610及び第2拠点650間に存在する中継拠点の個数は1以上であれば任意である。
【0167】
本発明を中継輸送に適用したときの実施形態の例を上述したが、中継輸送に限らず、任意の態様の輸送において本発明を適用できる。
【0168】
本発明に係る任意の装置(例えば運送管理装置1又は端末装置2)を、便宜上、対象装置と称する。対象装置を、集積回路等のハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。対象装置にて実現される機能の全部又は一部である任意の特定の機能をプログラムとして記述して、該プログラムを記録媒体に記録しておいて良い。そして、当該プログラムをプログラム実行装置(例えば、対象装置に搭載可能なマイクロコンピュータ)上で実行することによって、その特定の機能を実現するようにしても良い。上記記録媒体は対象装置に搭載又は接続されていても良いし、対象装置と異なる機器(サーバ機器等)に搭載又は接続されていても良い。上記記録媒体は、不揮発性の記録媒体であって、例えば、任意の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリにて構成される。
【0169】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
【0170】
<<付記>>
上述の実施形態にて具体的構成例が示された本発明について付記を設ける。
【0171】
本発明の一側面に係る運送管理装置は、各々に荷物を収容可能な複数の収容部(QQ[1]~QQ[m])と複数の車両(PP[1]~PP[n])とを用いた運送の管理に供される運送管理装置(1)であって、前記複数の収容部及び前記複数の車両に関する情報を取得する情報取得部(112)と、収容部管理データを含む運送管理データ(
図5参照)を生成する管理部(114)と、を備え、前記収容部管理データは、各収容部の所在地を表す所在地データを含み(
図16参照)、前記複数の収容部の何れかである対象収容部(例えばQQ[1])が前記複数の車両の何れかである対象車両(例えばPP[1])により出発地点(例えば610)から到着地点(例えば620)に運送される場合、前記情報取得部は、前記対象車両に対応する端末装置(例えば2[1])が前記対象収容部とともに前記出発地点に存在しているときの前記端末装置からの第1送信情報(810又は830;
図11又は
図20参照)に基づき前記対象収容部の識別情報(コンテナID)を取得するとともに前記端末装置の位置情報(811又は831)を前記出発地点の位置情報として取得し、その後、前記端末装置が前記対象収容部とともに前記到着地点に存在しているときの前記端末装置からの第2送信情報(820又は840;
図13又は
図22参照)に基づき前記対象収容部の識別情報(コンテナID)を取得するとともに前記端末装置の位置情報(821又は841)を前記到着地点の位置情報として取得し、前記管理部は、前記対象収容部が前記出発地点から前記到着地点に運送されるときの前記情報取得部の取得情報に基づいて前記対象収容部に関する前記所在地データを更新する構成(第1の構成)である。
【0172】
これにより、収容部を効率的に管理することが可能となる(収容部の所在地を正確に追跡することが可能となる)。尚、コンテナが載置されるシャーシに無線ICタグを貼り付けると共にストックヤードの出入口及び各駐車スペースに上記タグと交信するアンテナを設けて、シャーシの載置場所をコンピュータ管理する参考方法(上記特許文献1参照)も考えられる。但し、参考方法では、多数のアンテナの設置が必要あって、アンテナが無いと収容部の一例であるコンテナを管理することができない。車両が収容部(例えばコンテナ)を様々な場所に移動させることを考慮すれば、全ての場所にアンテナを設置して収容部を管理することは現実的ではない。
【0173】
上記第1の構成に係る運送管理装置において、前記管理部は、前記対象収容部が前記出発地点(例えば610)から前記到着地点(例えば620)に運送されたとき、前記第1送信情報に基づく前記端末装置の位置情報(811又は831)と前記第2送信情報に基づく前記端末装置の位置情報(821又は841)とに基づき、前記所在地データにおける前記対象収容部の所在地を前記出発地点から前記到着地点に更新する構成(第2の構成)であっても良い。
【0174】
これにより、収容部を効率的に管理することが可能となる(収容部の所在地を正確に追跡することが可能となる)。
【0175】
上記第1又は第2の構成に係る運送管理装置において、前記管理部は、前記対象収容部が前記出発地点から前記到着地点に運送される際、前記第1送信情報に基づいて前記対象収容部内の前記荷物の収容有無を判断する構成(第3の構成)であっても良い。
【0176】
これにより、収容部における荷物の収容有無も併せて管理することが可能となる。
【0177】
上記第3の構成に係る運送管理装置において、前記荷物の運送に関わるスケジュールデータを保持する保持部を備え、前記管理部は、前記スケジュールデータに対応付けられた運行コードに基づく情報が、前記第1送信情報に含まれるか否かに基づき、前記対象収容部内の前記荷物の収容有無を判断する構成(第4の構成)であっても良い。
【0178】
これにより、収容部における荷物の収容有無を正しく判断することが可能となる。
【0179】
上記第4の構成に係る運送管理装置において(
図10~
図13参照)、各収容部に固有の収容部コードが各収容部に付与され、各車両に固有の車両コードが各車両に付与され、前記運行コードと前記対象収容部が付与された収容部コードと前記対象車両に付与された車両コードとが前記出発地点にて前記端末装置により撮影された後、前記運行コードと前記対象収容部が付与された収容部コードと前記対象車両に付与された車両コードとが前記到着地点にて前記端末装置により撮影される荷物運送ケースにおいて、前記情報取得部は、前記出発地点を示す前記端末装置の位置情報と、前記運行コードに基づく情報、前記対象収容部の識別情報及び前記対象車両の識別情報とを含んだ第1情報(810)を前記第1送信情報として取得し、その後、前記到着地点を示す前記端末装置の位置情報と、前記運行コードに基づく情報、前記対象収容部の識別情報及び前記対象車両の識別情報とを含んだ第2情報(820)を前記第2送信情報として取得し、前記荷物運送ケースにおいて、前記管理部は、前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記荷物を収容した状態の前記対象収容部が前記対象車両により前記出発地点から前記到着地点に運送されたことを示すデータを前記運送管理データに含める構成(第5の構成)であっても良い。
【0180】
これにより、荷物の収納有無の情報も含む態様で、収容部を効率的に管理することができる。
【0181】
上記第5の構成に係る運送管理装置において(
図19~
図22参照)、前記運行コードが前記出発地点にて前記端末装置により撮影されることなく前記対象収容部が付与された収容部コードと前記対象車両に付与された車両コードとが前記出発地点にて前記端末装置により撮影された後、前記運行コードが前記到着地点にて前記端末装置により撮影されることなく前記対象収容部が付与された収容部コードと前記対象車両に付与された車両コードとが前記到着地点にて前記端末装置により撮影される非荷物運送ケースにおいて、前記情報取得部は、前記運行コードに基づく情報を含まず、且つ、前記出発地点を示す前記端末装置の位置情報と前記対象収容部の識別情報及び前記対象車両の識別情報とを含んだ第3情報(830)を前記第1送信情報として取得し、その後、前記運行コードに基づく情報を含まず、且つ、前記到着地点を示す前記端末装置の位置情報と前記対象収容部の識別情報及び前記対象車両の識別情報とを含んだ第4情報(840)を前記第2送信情報として取得し、前記非荷物運送ケースにおいて、前記管理部は、前記第3情報及び前記第4情報に基づき、前記荷物が収容されていない状態の前記対象収容部が前記対象車両により前記出発地点から前記到着地点に運送されたことを示すデータを前記運送管理データに含める構成(第6の構成)であっても良い。
【0182】
これにより、荷物の収納有無の情報も含む態様で、収容部を効率的に管理することができる。
【0183】
上記第1~第6の構成の何れかに係る運送管理装置において、前記管理部は、前記情報取得部の取得情報に基づき前記対象収容部の運送の履歴データを生成し、前記履歴データを前記収容部管理データに含める構成(第7の構成)であっても良い。
【0184】
これにより、運送管理装置において収容部の運送の履歴を認識することができる。運送管理装置が正しく運用された場合、収容部の所在地が正しく追跡されるが、人的なミス等により(例えば車両の運転手が端末装置を正しく使用せずに収容部を車両にて移動させるといった人的なミスにより)、運送管理装置が認識する収容部の所在地と、実際の所在地が相違する場合が考えられる。このような場合であっても、履歴データを参照することで、どの時点で相違が発生したのか等を推測することが可能となる。
【符号の説明】
【0185】
SYS 運送管理システム
PP 車両
QQ 収容部(コンテナ)
NET ネットワーク
1 運送管理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 インターフェース部
15 日時取得部
111 スケジュールデータ作成部
112 端末発信情報取得部
113 スケジュールデータ保持部
114 管理部
2 端末装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 インターフェース部
25 日時取得部
26 GPS処理部
27 カメラ部
3 蓄積装置
700 スケジュールデータ
SS_CD 運行コード
PP_CD 車両コード
QQ_CD コンテナコード