(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】制御装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20241016BHJP
【FI】
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2021145039
(22)【出願日】2021-09-06
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100220674
【氏名又は名称】小山 祐
(72)【発明者】
【氏名】柴野 巧
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2014/155575(JP,A1)
【文献】特開2017-010087(JP,A)
【文献】特開2020-053895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の要素に対するユーザの関心を示す第1情報を取得し、
複数の電力プランの特性を項目ごとに示す第2情報を取得し、
前記ユーザの関心に基づいて、前記複数の電力プランのうち少なくとも1つを推奨電力プランとして特定し、特定した前記推奨電力プランを示す情報を前記ユーザに対し出力する制御部を備える制御装置であって、
前記所定の要素は、節約、環境保護、又は地域のうちの少なくとも1つを含
み、
前記項目は所定期間に発生する料金、単位電力量当たりの二酸化炭素排出量を示す排出係数、地域で算出された電力の割合のうちの少なくとも1つを含み、
前記制御部は、前記電力プランの特性を前記項目ごとに点数化を行って合計し、合計した値が最も大きい電力プランを前記推奨電力プランとして特定する、制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記ユーザの行動履歴を示す行動情報を取得し、取得した前記行動情報に基づいて前記第1情報を生成し、
前記行動情報は、前記行動履歴として購入履歴を含む、制御装置。
【請求項3】
前記ユーザが乗車した車両と通信する通信部をさらに備える、請求項2に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記行動情報を前記通信部を介して前記車両から取得する、制御装置。
【請求項4】
請求項
1から3のいずれか一項に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記所定の要素と前記項目とを対応付け、前記所定の要素に対する前記ユーザの前記関心が高い程、対応付けた前記項目に高い重みを設定して前記点数化を行う、制御装置。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記推奨電力プランを利用した場合に所定の電力使用量に対し発生する料金を示す情報を出力する、制御装置。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一項に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記第1情報と前記第2情報とが入力されると前記推奨電力プランを出力する学習モデルを取得し、前記学習モデルが出力した前記推奨電力プランを示す情報を前記ユーザに対し出力する、制御装置。
【請求項7】
所定の要素に対するユーザの関心を示す第1情報を取得することと、
複数の電力プランの特性を項目ごとに示す第2情報を取得することと、
前記ユーザの関心に基づいて、前記複数の電力プランのうち少なくとも1つを推奨電力プランとして特定し、特定した前記推奨電力プランを示す情報を前記ユーザに対し出力することとを含む、コンピュータが実行する方法であって、
前記所定の要素は、節約、環境保護、又は地域のうちの少なくとも1つを含
み、
前記項目は所定期間に発生する料金、単位電力量当たりの二酸化炭素排出量を示す排出係数、地域で算出された電力の割合のうちの少なくとも1つを含み、
前記方法は、前記電力プランの特性を前記項目ごとに点数化を行って合計し、合計した値が最も大きい電力プランを前記推奨電力プランとして特定することをさらに含む、方法。
【請求項8】
前記ユーザの行動履歴を示す行動情報を取得し、取得した前記行動情報に基づいて前記第1情報を生成することをさらに含む、請求項
7に記載の方法であって、
前記行動情報は、前記行動履歴として購入履歴を含む、方法。
【請求項9】
前記コンピュータは、前記ユーザが乗車した車両と通信する通信部をさらに備える、請求項
8に記載の方法であって、
前記行動情報を前記通信部を介して前記車両から取得することをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項
7から9のいずれか一項に記載の方法であって、
前記所定の要素と前記項目とを対応付け、前記所定の要素に対する前記ユーザの前記関心が高い程、対応付けた前記項目に高い重みを設定して前記点数化を行うことをさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項
7から
10のいずれか一項に記載の方法であって、
特定された前記少なくとも1つの電力プランを利用した場合に所定の電力使用量に対し発生する料金を示す情報を出力することをさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項
7から
11のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1情報と前記第2情報とが入力されると前記推奨電力プランを出力する学習モデルを取得し、前記学習モデルが出力した前記推奨電力プランを示す情報を前記ユーザに対し出力することをさらに含む、方法。
【請求項13】
コンピュータに、
所定の要素に対するユーザの関心を示す第1情報を取得することと、
複数の電力プランの特性を項目ごとに示す第2情報を取得することと、
前記ユーザの関心に基づいて、前記複数の電力プランのうち少なくとも1つを推奨電力プランとして特定し、特定した前記推奨電力プランを示す情報を前記ユーザに対し出力することとを含む動作を実行させるプログラムであって、
前記所定の要素は、節約、環境保護、又は地域のうちの少なくとも1つを含
み、
前記項目は所定期間に発生する料金、単位電力量当たりの二酸化炭素排出量を示す排出係数、地域で算出された電力の割合のうちの少なくとも1つを含み、
前記プログラムは、前記電力プランの特性を前記項目ごとに点数化を行って合計し、合計した値が最も大きい電力プランを前記推奨電力プランとして特定することをさらに含む動作を前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項14】
前記ユーザの行動履歴を示す行動情報を取得し、取得した前記行動情報に基づいて前記第1情報を生成することをさらに含む動作を前記コンピュータに実行させる、請求項
13に記載のプログラムであって、
前記行動情報は、前記行動履歴として購入履歴を含む、プログラム。
【請求項15】
前記コンピュータは、前記ユーザが乗車した車両と通信する通信部をさらに備える、請求項
14に記載のプログラムであって、
前記行動情報を前記通信部を介して前記車両から取得することをさらに含む動作を前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項16】
請求項
13から15のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記所定の要素と前記項目とを対応付け、前記所定の要素に対する前記ユーザの前記関心が高い程、対応付けた前記項目に高い重みを設定して前記点数化を行うことをさらに含む動作を前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項17】
請求項
13から
16のいずれか一項に記載のプログラムであって、
特定された前記少なくとも1つの電力プランを利用した場合に所定の電力使用量に対し発生する料金を示す情報を出力することをさらに含む動作を前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、需要家における行動変化の許容度の情報に基づき、当該需要家向けの電気料金プランにおける需要家の行動変化による電気料金の変化範囲を所定アルゴリズムで算定し、当該算定した電気料金の変化範囲の情報を、所定装置または電気料金プラン選定用のアルゴリズムに出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザに適した電力プランを提案する手法には、改善の余地があった。
【0005】
本開示の目的は、ユーザに適した電力プランを提案する手法を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御装置は、
所定の要素に対するユーザの関心を示す第1情報を取得し、
複数の電力プランの特性を項目ごとに示す第2情報を取得し、
前記ユーザの関心に基づいて、前記複数の電力プランのうち少なくとも1つを推奨電力プランとして特定し、特定した前記推奨電力プランを示す情報を前記ユーザに対し出力する制御部を備える制御装置であって、
前記所定の要素は、節約、環境保護、又は地域のうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
本開示に係る方法は、
所定の要素に対するユーザの関心を示す第1情報を取得することと、
複数の電力プランの特性を項目ごとに示す第2情報を取得することと、
前記ユーザの関心に基づいて、前記複数の電力プランのうち少なくとも1つを推奨電力プランとして特定し、特定した前記推奨電力プランを示す情報を前記ユーザに対し出力することとを含む、コンピュータが実行する方法であって、
前記所定の要素は、節約、環境保護、又は地域のうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
本開示に係るプログラムは、
コンピュータに、
所定の要素に対するユーザの関心を示す第1情報を取得することと、
複数の電力プランの特性を項目ごとに示す第2情報を取得することと、
前記ユーザの関心に基づいて、前記複数の電力プランのうち少なくとも1つを推奨電力プランとして特定し、特定した前記推奨電力プランを示す情報を前記ユーザに対し出力することとを含む動作を実行させるプログラムであって、
前記所定の要素は、節約、環境保護、又は地域のうちの少なくとも1つを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ユーザに適した電力プランを提案する手法を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係るシステムの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
【0012】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0013】
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム10の概要について説明する。システム10は、制御装置20と、端末装置30と、車両40とを備える。制御装置20と、端末装置30と、車両40とは、ネットワーク50を介して通信可能に接続される。
【0014】
制御装置20は、データセンタなどの施設に設置される。制御装置20は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバなどのコンピュータである。
【0015】
端末装置30は、ユーザUによって保持される。端末装置30は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器、又はPCである。「PC」は、personal computerの略語である。
【0016】
車両40は、例えば、ガソリン車、ディーゼル車、水素車、HEV、PHEV、BEV、又はFCEVなどの任意の種類の自動車である。「HEV」は、hybrid electric vehicleの略語である。「PHEV」は、plug-in hybrid electric vehicleの略語である。「BEV」は、battery electric vehicleの略語である。「FCEV」は、fuel cell electric vehicleの略語である。車両40は、本実施形態では運転手によって運転されるが、任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。「SAE」は、Society of Automotive Engineersの略語である。車両40は、MaaS専用車両でもよい。「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略語である。
【0017】
ネットワーク50は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの任意の組合せを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク50は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0018】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。制御装置20は、所定の要素に対するユーザの関心を示す第1情報を取得し、複数の電力プランの特性を項目ごとに示す第2情報を取得し、ユーザの関心に基づいて、複数の電力プランのうち少なくとも1つを推奨電力プランとして特定し、特定した推奨電力プランを示す情報をユーザに対し出力する。所定の要素は、節約、環境保護、又は地域のうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
所定の要素とは、ユーザUの商品又はサービス等を選択する行為に影響する、ユーザUの関心の対象であり、節約、環境保護、又は地域のうちの少なくとも1つを含む。これに限られず、所定の要素はポイント集め、ゲーム等も含んでよい。所定の要素に対するユーザUの関心が高い場合は、ユーザUの当該要素に対する嗜好が高いことを示す。第1情報は、所定の要素に対するユーザの関心の有無を2値で表す情報であってもよいし、関心の程度を段階的に数字で表す情報であってもよい。以下で説明するように、第1情報はユーザUの行動履歴に基づいて生成されてもよいし、ユーザUの入力に基づいて生成されてもよい。第2情報は複数の電力プランとその特性を対応付けて示す情報である。第2情報は制御装置20によって外部装置から取得されてよい。
【0020】
本実施形態によれば、どの要素に対してユーザの関心があるかを推定でき、複数の電力プランの中から、特性が当該ユーザの関心に適合する電力プランを選択して提供することができる。これにより、電力プランが複数ある場合でも、ユーザは自らの嗜好に最も合った電力プランを選択しやすくなる。よって、ユーザに適した電力プランの提案の手法を改善することができる。
【0021】
図1を参照して、本実施形態に係る制御装置20の構成を説明する。
【0022】
制御装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25とを備える。
【0023】
制御部21には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部21は、制御装置20の各部を制御しながら、制御装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0024】
記憶部22には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、制御装置20の動作に用いられる情報と、制御装置20の動作によって得られた情報とが記憶される。記憶部22は、システムプログラム、及びアプリケーションプログラム等を記憶する。記憶部22は、ユーザUの現在または過去に住んでいた地域等をユーザUの名前と対応付けて登録したデータベースを格納していてよい。
【0025】
通信部23には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部23は、制御装置20の動作に用いられる情報を受信し、また制御装置20の動作によって得られる情報を送信する。
【0026】
入力部24には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部24は、制御装置20の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部24は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0027】
出力部25には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。出力部25は、制御装置20の動作によって得られる情報を出力する。出力部25は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の出力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0028】
制御装置20の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、制御部21に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、制御装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、制御プログラムに従って制御装置20の動作を実行することにより制御装置20として機能する。
【0029】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記録しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD又はCD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0030】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0031】
制御装置20の一部又は全ての機能が、制御部21に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0032】
図1を参照して、本実施形態に係る端末装置30の構成を説明する。
【0033】
端末装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35とを備える。
【0034】
制御部31には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部31は、端末装置30の各部を制御しながら、端末装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0035】
記憶部32には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32には、端末装置30の動作に用いられる情報と、端末装置30の動作によって得られた情報とが記憶される。
【0036】
通信部33には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格等の移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部33は、端末装置30の動作に用いられる情報を受信し、また端末装置30の動作によって得られる情報を送信する。
【0037】
入力部34には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部34は、端末装置30の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部34は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0038】
出力部35には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、又は振動モータある。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部35は、端末装置30の動作によって得られる情報を出力する。出力部35は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の出力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0039】
端末装置30の機能は、本実施形態に係る端末プログラムを、制御部31に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、端末装置30の機能は、ソフトウェアにより実現される。端末プログラムは、端末装置30の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを端末装置30として機能させる。すなわち、コンピュータは、端末プログラムに従って端末装置30の動作を実行することにより端末装置30として機能する。
【0040】
端末装置30の一部又は全ての機能が、制御部31に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、端末装置30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0041】
図1を参照して、本実施形態に係る車両40の構成を説明する。
【0042】
車両40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、入力部44と、出力部45とを備える。車両40は、さらに各種センサを備える。各種センサと制御部41、記憶部42、通信部43、入力部44、出力部45とは、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークと通信可能に接続されてもよい。
【0043】
制御部41は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGAであるがこれに限られない。専用回路は、例えばASICであるがこれに限られない。制御部41は、1つ以上のECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部41は、車両40の各部を制御しながら、車両40全体の動作を制御する。
【0044】
記憶部42は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部42に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部42は、車両40の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部42は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及びデータベース等を記憶してもよい。記憶部42に記憶された情報は、例えば通信部43を介してネットワークから取得される情報で更新可能であってもよい。
【0045】
通信部43には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば移動体通信規格、4G若しくは5G等の移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。通信部43は、車両40の動作に用いられる情報を受信し、また車両40の動作によって得られる情報を送信する。
【0046】
入力部44には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部44は、車両40の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部44は、車両40に備えられる代わりに、外部の入力機器として車両40に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0047】
出力部45には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部45は、車両40の動作によって得られる情報を出力する。出力部45は、車両40に備えられる代わりに、外部の出力機器として車両40に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0048】
車両40の機能は、任意の車両プログラムを、制御部41としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、車両40の機能は、ソフトウェアにより実現される。車両プログラムは、車両40の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを車両40として機能させる。すなわち、コンピュータは、車両プログラムに従って車両40の動作を実行することにより車両40として機能する。
【0049】
車両40の一部又は全ての機能が、制御部41としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、車両40の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0050】
図2を参照して、本実施形態に係る制御装置20の動作を説明する。制御装置20の動作は、本実施形態に係る方法に相当する。以下において制御装置20は、通信部23を介して端末装置30及び車両40と情報の送受信を行う。
【0051】
ステップS101において、制御部21はユーザUの行動履歴を示す行動情報を外部装置から取得する。
【0052】
行動情報は、ユーザUのIDに対応つけて、行動履歴としてユーザUが商品又はサービスの購入履歴、ユーザUによる機器の使用履歴、任意の場所への移動履歴等を示す情報である。行動情報が含む行動履歴はこれに限られず、テレビの視聴履歴、インターネットの閲覧履歴等を含んでよい。行動情報の取得には任意の手法が採用されてよい。
【0053】
本例において、行動履歴は、ユーザUの商品の購入履歴であるとする。制御部21は、ユーザUが商品を購入した店舗の端末装置と通信して、当該端末装置が記憶部に格納している、ユーザUの商品の購入履歴を受信することで行動情報を取得してよい。これに限られず、購入履歴は、ユーザUが使用する端末装置30から取得されてもよい。
【0054】
行動情報がユーザが使用する機器の使用履歴を含む場合、制御部21は、ユーザUが家又は会社で使用する機器と通信して、当該機器が記憶部に格納している、ユーザUによる当該機器の使用履歴を受信することで行動履歴を取得してよい。機器とはエアコン等の家電機器、又はコピー機等のオフィス用機器を含んでよい。
【0055】
上述に限られず、行動情報はユーザUによるガス、電気、水道等の種々の契約履歴を含んでもよい。制御部21は、ガス事業者、電気事業者、水道事業者等のサーバ装置からユーザUの契約履歴を取得してよい。
【0056】
ステップS102において、車両40の制御部41は、行動情報を制御装置20に送信する。
【0057】
車両40の制御部41は、常に、または制御装置20からの要求に応じて、車両40におけるユーザUの行動情報を制御装置20に送信する。この場合、行動情報は、車両40におけるユーザUの購入履歴又は機器の使用履歴を含んでよいがこれに限られない。車両40における機器の使用履歴とは、車両40が備える各装置の使用履歴をいう。各装置の使用状況が車両40の備える各種センサによって検出され、車両40の制御部41よって使用履歴として車両の記憶部42に格納されていてよい。
【0058】
車両40における購入履歴とは、例えば車両40への電力の充電の履歴をいう。この場合、電力の充電の履歴が車両40の制御部41によって記憶部42に格納されていてよい。
【0059】
車両40の制御部41は、行動情報として、測位部により検出された車両の移動履歴を制御装置20に送信してもよい。
【0060】
ステップS103において、制御装置20の制御部21は、行動情報を車両40から受信することでさらに取得する。
【0061】
ステップS104において、制御装置20の制御部21は、取得した行動情報から、ユーザUの所定の要素に対する関心の程度を判断する。関心の程度の判断には任意の手法が採用されてよい。
【0062】
制御部21は、店舗の端末装置から取得した購入履歴から、ユーザUの節約、環境保護、又は地域のそれぞれに対する関心を判断する。制御部21は、購入履歴が、定価より値下げされた商品が所定期間内に購入された回数が所定値以上であることを示す場合は、節約に対するユーザUの関心が高いと判断し、所定値未満であることを示す場合は節約に対するユーザUの関心が低いと判断してよい。
【0063】
制御部21は、購入履歴が、環境保全のための規格に適合することを示す所定のマークが付与されている商品が所定期間内に購入された回数が所定値以上であることを示す場合は、環境保護に対するユーザUの関心が高いと判断し、所定値未満であることを示す場合は環境保護に対するユーザUの関心が低いと判断してよい。環境保全のための規格に適合することを示す所定のマークは任意に設定されてよい。
【0064】
制御部21は、購入履歴が、産地が特定の地域である商品が所定期間内に購入された回数が所定値以上であることを示す場合は、地域に対するユーザUの関心が高いと判断し、所定値未満である場合は地域に対するユーザUの関心が低いと判断してよい。特定の地域とは例えばユーザUが現在住んでいる地域、又はユーザUが過去に住んでいた地域等を含んでよい。制御部21は、記憶部22に格納されたデータベースから、ユーザUの現在または過去に住んでいた地域を示す情報を取得し、当該地域を特定の地域として設定できてよい。これに限られず、特定の地域は自由に設定されてよい。産地が特定の地域である商品とは、当該地域内で生産又は加工された種々の食物又は物品を含む。物品は、衣類、雑貨、化粧品、家具、電子機器、木材、紙製品等を含んでよい。これに限られず、制御部21は、購入履歴が、ユーザUが特定の地域のホテル等に所定期間内に宿泊した回数が所定値以上であることを示す場合は、地域に対するユーザUの関心が高いと判断し、所定値未満である場合は地域に対するユーザUの関心が低いと判断してよい。
【0065】
制御部21は、端末装置30でのインターネットの閲覧履歴、使用されているアプリ等の情報から、節約、環境保護、又は地域のそれぞれの要素に対するユーザUの関心の程度を判断してよい。
【0066】
制御部21は、機器から取得したユーザUによる当該機器の使用履歴が、当該機器の稼働時間のうち、省エネモードで使用された時間の割合が所定値以上であることを示す場合は、節約又は環境保護に対するユーザUの関心が高いと判断し、所定値未満であることを示す場合は節電又は環境保護に対するユーザの関心が低いと判断してよい。例えば制御部21は、機器としてのエアコンのユーザUによる使用履歴が、所定期間のうち、外気温との差が所定値未満で使用される割合が所定値以上であることを示す場合は、節約又は環境保護に対するユーザUの関心が高いと判断し、所定値以上であることを示す場合は、節電又は環境保護に対するユーザの関心が低いと判断してよい。
【0067】
制御部21は、事業者のサーバ装置から取得したユーザUのガス、電気、水道等の契約履歴が、所定期間毎の料金が所定値未満であることを示す場合は、節約に対するユーザUの関心が高いと判断し、所定値以上であることを示す場合は、節約に対するユーザUの関心が低いと判断してよい。
【0068】
制御部21は、車両40から取得した、車両40に対する充電の履歴が、充電時の単位電力量当たりの価格が所定値未満であることを示す場合は、節約に対するユーザUの関心が高いと判断し、所定値以上であることを示す場合は、節電に対するユーザUの関心が低いと判断してよい。
【0069】
制御部21は、車両40から取得した、車両40が備える各装置の使用履歴が、所定期間内の各装置の使用時間が所定値未満であることを示す場合は、節約又は環境保護に対するユーザUの関心が高いと判断し、所定値以上であることを示す場合は、節電又は環境保護に対するユーザUの関心が低いと判断してよい。例えば制御部21は、車両40が備えるエアコンの使用履歴が、所定期間において、外気温との差が所定値未満の設定温度で使用されていた割合が所定値以上であることを示す場合は、節約又は環境保護に対するユーザUの関心が高いと判断し、所定期間において、外気温との差が所定値未満の設定温度で使用される割合が所定値未満であることを示す場合は節電又は環境保護に対するユーザUの関心が低いと判断してよい。例えば制御部41は、車両40から取得した、車両40の移動履歴が、所定期間において、車両40が特定の地域内を移動している時間が所定値以上であることを示す場合は、当該地域に対するユーザUの関心が高いと判断し、所定値未満であることを示す場合は、当該地域に対するユーザUの関心が低いと判断し、てよい。
【0070】
車両40から取得する行動情報は、車両40の運転操作の履歴を含んでもよい。この場合制御部21は、当該運転操作の履歴が、所定期間において、車両40の停止時のアイドリングストップ機能の使用頻度の割合が所定値以上であることを示す場合は、節約又は環境保護に対するユーザUの関心が高いと判断し、アイドリングストップ機能の使用頻度の割合が所定値未満であることを示す場合は、節電又は環境保護に対するユーザUの関心が低いと判断してよい。
【0071】
ステップS105において、制御部21は、行動履歴に基づいて判断した結果に基づいて第1情報を生成することで取得する。制御部21は、いずれかの行動履歴にのみ基づいて第1情報を生成してもよいし、全ての行動履歴に基づいて第1情報を生成してもよい。制御部21は、ユーザUの関心を要素ごとに点数化して第1情報を生成してよい。本例では、制御部21は全ての行動履歴について、各要素に対しユーザUの関心が高いと判断した場合に1点を付加し、ユーザUの関心が低いと判断した場合に0点を付加した結果を第1情報として生成する。
【0072】
本例において、制御部21は、行動履歴として商品の購入履歴を店舗の端末装置から、車両40における機器の使用履歴を車両40から取得したとする。制御部21は、購入履歴からユーザUが環境保護及び地域に関心が高いと判断し、機器の使用履歴からユーザUが環境保護に関心が高いと判断したとする。この場合、制御部21が生成する第1情報の例を以下に示す。
【表1】
上記の表に示す通り、行動履歴としての購入履歴及び使用履歴の両方からユーザUが環境保護に関心があると判断されたため、2点が環境保護の要素に付与されている。また、購入履歴からユーザUが地域に関心があると判断されたため、1点が地域の要素に付与されている。本例では第1情報を表形式で示すが、第1情報の形式はこれに限られない。
【0073】
上述に限られず、制御部21は、ユーザUが所定の要素に対する関心の程度を回答した結果に基づいて第1情報を生成してもよい。具体的には、ユーザUが所定の要素としての節約、環境保護、又は地域のそれぞれについて、関心の程度を端末装置30に入力する。所定の要素は予め設定されていてもよいし、ユーザUが自由に入力できてもよい。制御部21は、入力された情報を端末装置30から受信し、関心の程度を点数化し、ユーザUのユーザIDと対応付けて第1情報として生成してよい。
【0074】
ステップS106において、制御部21は複数の電力プランの特性を項目ごとに示す第2情報を取得する。第2情報の取得には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、少なくとも1つの電力事業者のサーバ装置と通信し、当該電力事業者が提供する少なくとも1つの電力プランを示す情報を受信する。電力事業者は、ユーザUの居住地域に電力を供給可能な電力事業者であってもよい。制御部21は、受信した当該情報に基づいて第2情報を生成することで、第2情報を取得してよい。これに限られず、制御部21は外部装置から第2情報を受信することで取得してもよい。
【0075】
制御部21が生成する第2情報の例を以下に示す。
【表2】
上記表に示すように、第2情報は複数の電力プランについての情報を含む。上記表では、電力プランAから電力プランCのそれぞれについて、電力プランの特性として、所定期間に発生する「料金」、単位電力量当たりの二酸化炭素排出量を示す「排出係数」、算出される電力のうちの「地域で産出された電力の割合」が項目ごとに示される。本例では、地域とは、ユーザが居住する地域であるとする。制御部21は、電力事業者から取得した電力プランを示す情報から、単位電力量当たりの料金、排出係数、及び地域で産出された電力の割合を算出し、第2情報を生成してよい。これにより、複数の電力事業者から提供される複数の電力プランを平等に比較可能な第2情報を生成できる。電力プランの特性を示す項目はこれに限られず、例えば利用者の評価を示す情報、利用量に応じて付与される提携企業のポイント率等を含んでもよい。制御部21は、取得した第2情報を記憶部22に格納する。
【0076】
ステップS107において、制御部21はユーザUの関心に基づいて、複数の電力プランのうち少なくとも1つを推奨電力プランとして特定する。
【0077】
推奨電力プランの特定には任意の手法が採用されてよい。本例では制御部21は、第2情報が示す電力プランの特性を項目ごとに点数化する。具体的には、制御部21はまず、項目ごとに基準となる点数を付与して各項目を点数化する。基準となる点数は、料金又は排出係数が低い程高い点数が付与され、地域で産出された電力の割合が高い程高い点数が付与されてよい。基準となる点数を付与する条件は任意に設定されてよい。例えば閾値を設けて、各項目の値が当該閾値以上である場合に所定の点数が付与されてもよい。本例において、第2情報において、制御部21が項目ごとに点数化した例を以下に示す。
【表3】
【0078】
制御部21は次に、第1情報が示すユーザの関心に係る要素と、電力プランの項目との対応付けを決定する。本例では、第1情報が示す要素は「節約」、「環境保護」、「地域」である。制御部21は、これらの要素に対し、「所定期間に発生する料金」、「排出係数」、「地域で算出された電力の割合」の項目をそれぞれ対応付ける。対応付けはこれに限られず、複数の要素と単一の項目とが対応付けられてもよいし、単一の要素と複数の項目とが対応付けられてもよい。例えば電力プランの項目として、「自然エネルギー由来の電力の割合」をさらに含む場合、当該項目と「排出係数」の項目との2つを「環境保護」の要素に対応付けてよい。自然エネルギー由来の電力とは水力発電、風力発電、太陽光発電等により産出された電力をいう。
【0079】
次に制御部21は、所定の要素にそれぞれ対応付けられた、電力プランの項目ごとの点数を算出する。制御部21は、算出にあたり、対応つけられた要素に応じて項目ごとの点数を重みづけする。点数の重みづけの条件は任意に設定されてよい。例えば制御部21は、第1情報が示す要素のうちの所定の要素に対するユーザUの関心が高い程、対応付けた項目に高い重みを設定して点数化を行ってよい。この場合、制御部21は、同一のユーザUについて、他の要素と比較して所定の要素に対するユーザUの関心が高い程、当該要素に対応する項目について重みを高く設定して点数化してよい。制御部21は、他のユーザと比較して対象のユーザUの所定の要素に対する関心が高い程、当該要素に対応する項目について重みを高く設定して点数化してもよい。このようにして制御部は、項目のうち、所定の要素と項目とを対応付け、所定の要素に対するユーザUの関心が高い程、項目に高い重みを設定して点数化を行う。
【0080】
これに限られず、例えば制御部21は、地域の電力が余っている場合に、「地域」に対応する項目である「地域で産出された電力の割合」に高い重みを設定して点数化を行ってよい。
【0081】
本例では他のユーザと比較して、対象のユーザUの「環境保護」の要素に対する関心が高いとする。制御部21は、「環境保護」の要素に対応する「排出係数」の項目に3の値を設定し、「節約」の要素に対応する「料金」の項目、及び「地域」の要素に対応する「地域で算出された電力の割合」の項目に1の値を重みとして設定し、当該重みを表3の基準となる点数に乗じて算出する。制御部21は、算出された各項目の値を合計する。以下の表3は、制御部21が、第2情報が示す各電力プランの各項目について点数化を行った結果を示す。
【表4】
表4から、合計値が最も高い電力プランはプランCである。制御部21は、合計した値が最も高い電力プランCを推奨電力プランとして特定する。制御部21が特定する推奨電力プランの数は1つに限られない。例えば制御部21は、算出した合計値が所定値以上のプランを全て推奨電力プランとして特定してもよい。
【0082】
ステップS108において、制御部21は特定した推奨電力プランを示す情報を出力する。
【0083】
推奨電力プランを示す情報の出力は任意の手法が採用されてよく、制御部21は、制御装置20の出力部25に直接当該情報を表示させることで出力してもよい。本例では、制御部21は、推奨電力プランとしての電力プランCを示す情報を、ユーザUの端末装置30に送信することで出力する。
【0084】
推奨電力プランを示す情報は、推奨電力プランの特性を項目ごとに示す情報、当該推奨電力プランを提供する電力事業者の割引情報等、任意の情報を含んでよい。制御部21は、推奨電力プランを利用した場合に所定の電力使用量に対し発生する料金を示す情報を併せて出力してよい。所定の電力使用量は自由に設定されてよく、例えばユーザUの昨年の電力使用量であってもよい。制御部21は、ユーザUが現在利用している電力プランから特定された推奨電力プランへ切り替えた場合に、所定の電力使用量に対し発生する料金がどの程度変化するかを算出し、算出した結果を示す情報を推奨電力プランを示す情報に含めて出力してよい。
【0085】
ステップS109において、端末装置30は推奨電力プランを示す情報を受信する。端末装置30の制御部31は、出力部35に当該情報を表示させる。これにより、ユーザUが提案された推奨電力プランについての情報を参照することができる。その後、システム10の動作は終了する。
【0086】
上述の通り、本実施形態に係る制御装置20は制御部21を備える。制御部21は、所定の要素に対するユーザの関心を示す第1情報を取得し、複数の電力プランの特性を項目ごとに示す第2情報を取得し、ユーザの関心に基づいて、複数の電力プランのうち少なくとも1つを推奨電力プランとして特定し、特定した推奨電力プランを示す情報をユーザに対し出力する。所定の要素は、節約、環境保護、又は地域のうちの少なくとも1つを含む。
【0087】
本実施形態によれば、どの要素に対してユーザの関心がどの程度あるかを推定でき、当該推定の結果に基づいて、複数の電力プランの中から、当該ユーザに合った電力プランを提供することができる。電力プランの特性が、ユーザが関心のある要素に適合する場合、当該電力プランが提案されるため、ユーザが嗜好に最も合った電力プランを選択しやすくなる。よって、ユーザに適した電力プランの提案の手法を改善することができる。
【0088】
上述の通り、本実施形態に係る制御装置20において、制御部21は、ユーザの行動履歴を示す行動情報を取得し、取得した行動情報に基づいて第1情報を生成する。行動情報は、行動履歴として購入履歴を含む。
【0089】
本実施形態によれば、ユーザの行動からユーザがどの要素に対して関心があるかを推定できる。ユーザが無意識のうちにとっていた行動からも、ユーザの関心が推定されるため、よりユーザに合った電力プランが提案されやすくなる。よって、ユーザに適した電力プランの提案の手法を改善することができる。
【0090】
上述の通り、本実施形態に係る制御装置20は、ユーザが乗車した車両40と通信する通信部23をさらに備える。制御部21は、行動情報を通信部23を介して車両40から取得する。
【0091】
本実施形態によれば、ユーザが乗車する車両40からもユーザの行動情報を取得でき、より多くの行動情報に基づいて、精度よくユーザの関心を推定することができる。当該推定の結果ユーザに合った電力プランが提供されるため、ユーザが提案された電力プランを選択しやすくなる。よって、ユーザに適した電力プランの提案の手法を改善することができる。
【0092】
上述の通り、本実施形態に係る制御装置20において、項目は所定期間に発生する料金、単位電力量当たりの二酸化炭素排出量を示す排出係数、地域で算出された電力の割合のうちの少なくとも1つを含む。制御部21は、電力プランの特性を項目ごとに点数化を行って合計し、合計した値が最も大きい電力プランを推奨電力プランとして特定する。
【0093】
本実施形態によれば、多くの電力プランに共通の項目に関し、電力プランの特性をより精度よく評価して比較することができる。当該評価の結果ユーザに合った電力プランが提供されるため、ユーザが提案された電力プランを選択しやすくなる。よって、ユーザに適した電力プランの提案の手法を改善することができる。
【0094】
上述の通り、本実施形態に係る制御装置20において、制御部21は、所定の要素と項目とを対応付け、所定の要素に対するユーザの関心が高い程、対応付けた項目に高い重みを設定して点数化を行う。
【0095】
本実施形態によれば、ユーザの関心に合った電力プランがより高く評価され、ユーザに提案される。例えば表1を参照すると、ユーザは「節約」に対する関心が低く、「環境保護」に対する関心が高い。また、表2と3とを参照すると、制御部21が最終的に特定した電力プランCは「料金」は最も高いが、「排出係数」は最も低い。よって当該電力プランCは、ユーザの関心に最も適合した電力プランであるといえ、当該電力プランがユーザに対し提案されると、ユーザが当該電力プランを選択して契約しやすくなる。よって、ユーザに適した電力プランの提案手法を改善することができる。
【0096】
上述の通り、本実施形態に係る制御装置20において、制御部21は、推奨電力プランを利用した場合に所定の電力使用量に対し発生する料金を示す情報を出力する。
【0097】
本実施形態によれば、提案された電力プランについて発生する費用をユーザが確認できる。ユーザが電力プランを選択する際の判断材料が提供されるため、ユーザが提案された電力プランを選択しやすくなる。よって、電力プランの提案の手法を改善することができる。
【0098】
本開示の変形例として、制御部21は、第1情報と第2情報とが入力されると推奨電力プランを出力する学習モデルを取得し、学習モデルが出力した推奨電力プランを示す情報をユーザに対し出力してもよい。
【0099】
学習モデルの取得は任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、第1情報及び第2情報と、第2情報のうち最終的にユーザによって選択された電力プランとを対応付けたデータセットを学習データとして用いて、任意の機械学習手法を用いて学習モデルを生成することで、第1情報及び第2情報と、第2情報のうち最終的にユーザによって選択された電力プランとの関係性を学習した学習モデルを取得してよい。この場合制御部21は、取得した第1情報と第2情報とを当該学習モデルに入力し、当該学習モデルが出力した推奨電力プランを示す情報をユーザに対し出力する。
【0100】
本変形例によれば、学習モデルにより、ユーザに合った推奨電力プランがより精度よく選択される。よって、ユーザに適した電力プランの提案の手法を改善することができる。
【0101】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0102】
10 システム
20 制御装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 出力部
30 端末装置
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 出力部
40 車両
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 入力部
45 出力部
50 ネットワーク