(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】バスバーユニット、ステータ及びバスバーユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 3/50 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
H02K3/50 A
(21)【出願番号】P 2021524826
(86)(22)【出願日】2020-06-01
(86)【国際出願番号】 JP2020021519
(87)【国際公開番号】W WO2020246408
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】P 2019106506
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高田 響
(72)【発明者】
【氏名】檜皮 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】藤原 久嗣
(72)【発明者】
【氏名】水谷 竜彦
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-082891(JP,A)
【文献】特表2018-537063(JP,A)
【文献】特開2014-054104(JP,A)
【文献】特開2008-061429(JP,A)
【文献】実開昭61-000445(JP,U)
【文献】実開昭51-114601(JP,U)
【文献】実開昭62-068433(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を囲う環状のステータコアに巻線される複数相のコイルに接続される複数相のバスバーと、
前記複数相のバスバーとは別の部材であり、前記複数相のバスバーに接続され且つ電力供給源に電気的に接続される複数の端子と、
を有し、
前記中心軸と平行な方向を軸方向としたとき、
前記複数の端子は、それぞれ、
前記軸方向に延在する端子本体部と、
前記端子本体部の前記軸方向の一端部に位置し、前記複数相のバスバーのうち1相のバスバーに接続されるバスバー側接続部と、
前記端子本体部の前記軸方向の別の端部に位置し、前記電力供給源に電気的に接続される電力供給源側接続部と、
を有し、
前記端子本体部において前記バスバー側接続部と前記電力供給源側接続部との間で電流が流れる通電経路の長さが、前記複数の端子のうち少なくとも2つの端子で異なり、
前記複数の端子における前記バスバー側接続部は、前記軸方向と直交する一方向に並んで位置し、
前記複数の端子における前記電力供給源側接続部は、前記軸方向に並んで位置し、
前記複数の端子における前記バスバー側接続部と前記電力供給源側接続部とは、前記軸方向から見るときに少なくとも一部が重なる、
バスバーユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のバスバーユニットにおいて、
前記複数相のバスバー及び前記複数の端子は、それぞれ樹脂でモールドされている、
バスバーユニット。
【請求項3】
請求項1
または2のいずれか一つに記載のバスバーユニットにおいて、
前記複数相のバスバーと前記複数の端子における前記バスバー側接続部との接続部分は、樹脂でモールドされている、
バスバーユニット。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか一つに記載のバスバーユニットにおいて、
前記複数の端子における前記端子本体部は、それぞれ平板であり、それらの一部が互いに厚み方向に重なっている、
バスバーユニット。
【請求項5】
請求項
4に記載のバスバーユニットにおいて、
前記複数の端子における前記端子本体部は、それぞれ、
前記バスバー側接続部と前記電力供給源側接続部との間に位置し、厚み方向に屈曲する屈曲部と、
前記屈曲部から前記バスバー側接続部の厚み方向に延びている平面部と、
を有し、
前記複数の端子における前記電力供給源側接続部は、それぞれ、前記平面部における延伸方向の異なる位置で、前記平面部に対して厚み方向に延びている、バスバーユニット。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一つに記載のバスバーユニットであって、
前記バスバーが接続するコイルは、平角線である、
バスバーユニット。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか一つに記載のバスバーユニットと、
前記ステータコアと、
前記ステータコアに巻線され、前記バスバーユニットにおける複数相のバスバーに接続される複数相のコイルと、
を有する、
ステータ。
【請求項8】
中心軸を囲う環状のステータコアに巻線される複数相のコイルにそれぞれ接続される複数相のバスバーと、
該複数相のバスバーにそれぞれ接続され且つ電力供給源に電気的に接続される複数の端子とを有するバスバーユニットの製造方法であって、
前記中心軸と平行な方向を軸方向としたとき、
前記複数の端子は、それぞれ、
前記軸方向に延在する端子本体部と、
前記端子本体部の前記軸方向の一端部に位置し、前記複数相のバスバーのうち1相のバスバーに接続されるバスバー側接続部と、
前記端子本体部の前記軸方向の別の端部に位置し、前記電力供給源に電気的に接続される電力供給源側接続部と、
を有し、
前記複数の端子は、前記複数相のバスバーのうち1相のバスバーに接続されるバスバー側接続部と前記電力供給源に電気的に接続される電力供給源側接続部との間で電流が流れる通電経路の長さが異なる、少なくとも2つの端子を含み、
前記複数の端子における前記バスバー側接続部は、前記軸方向と直交する一方向に並んで位置し、
前記複数の端子における前記電力供給源側接続部は、前記軸方向に並んで位置し、
前記複数の端子における前記バスバー側接続部と前記電力供給源側接続部とは、前記軸方向から見るときに少なくとも一部が重なり、
前記複数の端子を樹脂でモールドするとともに前記バスバー側接続部が位置する側に凹部を形成して前記バスバー側接続部の先端部を露出させる端子モールド工程と、
前記凹部内で、前記複数の端子におけるバスバー側接続部に前記複数相のバスバーを接続する接続工程と、
前記バスバー側接続部が前記凹部内に位置する状態で前記凹部の内部を樹脂でモールドする接続部モールド工程と、
を有する、
バスバーユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスバーユニット、ステータ及びバスバーユニットの製造方法に関する。本発明は、2019年6月6日に日本に出願された特願2019-106506に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
複数相のコイルと電力供給源とを電気的に接続する接続部材として、各相に対応した複数のバスバーが用いられたステータが知られている。特許文献1には、前記接続部材として、U相、V相及びW相それぞれに対応し且つバスバーからなる3つの給電体を備えた給電ユニットが開示されている。前記給電体は、コイルに接続されるコイル側端子と、外部電力回路が備える端子台に接続される外部側端子と、前記コイル側端子と前記外部側端子とを連結する給電本体と、を有する。前記給電ユニットにおいて、前記3つの給電体の前記外部側端子は、前記端子台における各相の並び順と同じ並び順で並んでいる。前記給電体における、前記給電本体、前記コイル側端子及び外部側端子は単一の部材からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力供給源の各相の出力端子の配置は、前記電力供給源の構成によって異なる場合がある。この場合、特許文献1に開示されるような、給電本体、コイル側端子及び外部側端子が単一の部材からなる給電体を備えたモータでは、前記外部電力回路が備える前記端子台における各相の並び順が変更されると、給電ユニットの構成を変更する等、モータ側の構成を変更する必要がある。前記外部側端子が外部端子に対応し、前記給電体がバスバーに対応し、前記外部電力回路が電力供給源に対応する。
【0005】
本発明の目的は、電力供給源の各相の出力端子の配置が前記電力供給源の構成によって異なる場合でも、モータ側の構成を変えることなく、モータのコイルと電力供給源とを電気的に接続可能なバスバーユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るバスバーユニットは、ステータコアに巻線される複数相のコイルに接続される複数相のバスバーと、前記複数相のバスバーとは別の部材であり、前記複数相のバスバーに接続され且つ電力供給源に電気的に接続される複数の端子と、を有する。前記複数の端子は、それぞれ、端子本体部と、前記端子本体部の一端部に位置し、前記複数相のバスバーのうち1相のバスバーに接続されるバスバー側接続部と、前記端子本体部の別の端部に位置し、前記電力供給源に電気的に接続される電力供給源側接続部と、を有する。前記端子本体部において前記バスバー側接続部と前記電力供給源側接続部との間で電流が流れる通電経路の長さが、前記複数の端子のうち少なくとも2つの端子で異なる。
【0007】
本発明の一実施形態に係るステータは、上述のバスバーユニットと、前記ステータコアと、前記ステータコアに巻線され、前記バスバーユニットにおける複数相のバスバーに接続される複数相のコイルとを有するステータと、を有する。
【0008】
本発明の一実施形態に係るバスバーユニットの製造方法は、ステータコアに巻線される複数相のコイルにそれぞれ接続される複数相のバスバーと、該複数相のバスバーにそれぞれ接続され且つ電力供給源に電気的に接続される複数の端子とを有するバスバーユニットの製造方法である。前記複数の端子は、前記複数相のバスバーのうち1相のバスバーに接続されるバスバー側接続部と前記電力供給源に電気的に接続される電力供給源側接続部との間で電流が流れる通電経路の長さが異なる、少なくとも2つの端子を含む。前記バスバーユニットの製造方法は、前記複数の端子を樹脂でモールドするとともに前記バスバー側接続部が位置する側に凹部を形成して前記バスバー側接続部の先端部を露出させる端子モールド工程と、前記凹部内で、前記複数の端子におけるバスバー側接続部に前記複数相のバスバーを接続する接続工程と、前記バスバー側接続部が前記凹部内に位置する状態で前記凹部の内部を樹脂でモールドする接続部モールド工程と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態に係るバスバーユニットよれば、電力供給源の各相の出力端子の配置が前記電力供給源の構成によって異なる場合でも、モータ側の構成を変えることなく、モータのコイルと電力供給源とを電気的に接続可能なバスバーユニットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るモータの概略構成を示す図である。
【
図3】
図3は、バスバーホルダ及び外部端子ホルダを取り除いた状態のステータの斜視図である。
【
図4】
図4は、ステータコア及びコイルの位置関係を模式的に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、バスバーホルダ及び外部端子ホルダを取り除いた状態のバスバーユニットの斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、U相バスバーの概略構成を示す斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、V相バスバーの概略構成を示す斜視図である。
【
図7C】
図7Cは、W相バスバーの概略構成を示す斜視図である。
【
図7D】
図7Dは、中性点用バスバーの概略構成を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、コイルエンドに取り付けられた4つのバスバーの配置を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、実施形態2に係るステータの
図2相当図である。
【
図12】
図12は、外部端子、及び、外部端子とバスバーとの接続部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図中の構成部材は、各図中に記載されている寸法及び各構成部材の寸法比率に限定されない。
【0012】
なお、以下の説明では、ステータの中心軸と平行な方向を「軸方向」、前記中心軸に直交する方向を「径方向」、前記中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」とそれぞれ称する。また、軸方向について、ステータに対してバスバーが位置する側を「一方」、ステータに対してバスバーが位置する側とは反対側を「他方」と称する。すなわち、本明細書では、
図2において、上方向が「一方」であり、下方向が「他方」である。ただし、この方向の定義により、本発明に係るモータの使用時の向きを限定する意図はない。
【0013】
また、以下の説明において、“固定”、“接続”及び“取り付ける”等(以下、固定等)の表現は、部材同士が直接、固定等されている場合だけでなく、他の部材を介して固定等されている場合も含む。すなわち、以下の説明において、固定等の表現には、部材同士の直接的及び間接的な固定等の意味が含まれる。
【0014】
[実施形態1]
(全体構成)
図1に、本発明の実施形態1に係るモータ1の概略構成を示す。モータ1は、ステータ2と、ロータ3とを備える。ロータ3は、ステータ2に対して、中心軸Pを中心として回転する。すなわち、モータ1は、ステータ2と、ステータ2に対して回転可能なロータ3とを有する。
【0015】
本実施形態では、モータ1は、筒状のステータ2内に、ロータ3が中心軸Pを中心として回転可能に位置する、いわゆるインナーロータ型のモータである。ロータ3は、中心軸Pを中心として周方向に並んだ複数のマグネットを有する。なお、ロータ3の構成は、一般的なロータと同様の構成であるため、ロータ3の詳しい説明は省略する。
【0016】
ステータ2は、ステータコア21と、コイル26と、バスバーユニット50と、を備える。
図1では、説明のために、コイル26を簡略化して示す。コイル26には、後述するバスバーユニット50のバスバー51及び外部端子61を介して、電力が供給される。なお、本実施形態では、コイル26は、後述するように、3相のコイル26u、26v及び26wを含む。
【0017】
図2は、本実施形態に係るモータ1におけるステータ2の斜視図である。
図3は、
図2で示すステータ2から、バスバーユニット50のバスバーホルダ52及び外部端子ホルダ62を取り除いた図である。また、
図4は、ステータコア21及びコイル26の位置関係の一例を模式的に示す斜視図である。
図4では、説明のために、ステータコア21のスロット24内に位置するコイル26の一部のみを図示する。
【0018】
ステータコア21は、軸方向に延びる円筒状である。ステータコア21は、所定の形状に形成された電磁鋼板を、厚み方向に複数枚、積層することによって構成される。
【0019】
ステータコア21は、円筒状のヨーク22と、ヨーク22から径方向内側に延びる複数のティース23(
図4参照)と、スロット24とを有する。本実施形態では、ステータコア21は、円筒状の丸コアである。ヨーク22及び複数のティース23は、単一の部材である。ステータコア21は、例えば、分割コア、ストレートコアであってもよい。
【0020】
図4に示すように、複数のティース23は、周方向に等しい間隔で並んでいる。各ティース23は、軸方向において、ステータコア21の一方の端部から他方の端部まで延びている。スロット24は、複数のティース23のうち隣り合うティース23の間に位置する。スロット24は、ステータコア21において軸方向に延びる溝である。スロット24は、中心軸Pに沿って延びている。ステータコア21は、内周面に、周方向に並んだ複数のスロット24を有する。複数のスロット24内には、後述するように、複数のコイル26が挿入される。
【0021】
(コイル)
本実施形態では、コイル26は、U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wを含む。コイル26は、複数のティース23に分布巻きで巻回され、4つのバスバー51によって、Y結線されている。本実施形態では、コイル26は、U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wを、2組含む。なお、以下の説明及び図において、各構成要素の相を区別する必要がある場合は、各構成要素の符号の末尾に、U相、V相、W相及び中性点をそれぞれ示す、u、v、w及びnを付与する。
【0022】
U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wでは、それぞれ、複数のセグメントコイル27が直列接続されている。各セグメントコイル27は、矩形の断面形状を有し且つ曲げられた平角線によって構成されている。なお、セグメントコイル27は、剛性が高い材料で構成されていれば、断面形状は矩形でなくてもよい。
【0023】
図2から
図4に示すように、各セグメントコイル27は、スロット24内に位置する一対の直線状のスロット収納部30と、一対のスロット収納部30を連結するセグメントコイル接続部31と、セグメントコイル27の端部である一対のセグメントコイル端部32とを有する。なお、複数のセグメントコイルは、直線状のスロット収納部と、前記スロット収納部の両端に位置するセグメントコイル端部とを有するセグメントコイルを含んでいてもよい。
【0024】
複数のセグメントコイル27のスロット収納部30は、スロット24内に径方向に積層された状態で収納されている。複数のセグメントコイル27のセグメントコイル接続部31は、スロット収納部30がステータコア21のスロット24内に収納された状態で、ステータコア21に対して軸方向他方側に位置する。スロット収納部30は、コイル26のスロット収納部を構成する。セグメントコイル接続部31は、コイル26の第1コイル接続部を構成する。なお、以下の説明では、コイル26のスロット収納部には、セグメントコイル27のスロット収納部30と同じ符号を付すとともに、コイル26の第1コイル接続部にも、セグメントコイル27のセグメントコイル接続部31と同じ符号を付す。
【0025】
複数のセグメントコイル27は、スロット収納部30がスロット24内に収納された状態で、各セグメントコイル27における一対のセグメントコイル端部32のうち一方の先端部と、他のセグメントコイル27における一対のセグメントコイル端部32のうち一方の先端部とが溶接等により接続されている。すなわち、各セグメントコイル27における一対のセグメントコイル端部32は、それぞれ、異なるセグメントコイル27のセグメントコイル端部32に接続されている。これにより、複数のセグメントコイル27は、直列に接続されている。このように直列に接続された複数のセグメントコイル27により、U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wがそれぞれ構成される。
【0026】
本実施形態では、前記接続されたセグメントコイル端部32が、U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wにおいて、一対のスロット収納部30を連結する第2コイル接続部33を構成する。第2コイル接続部33は、ステータコア21に対して軸方向一方側に位置する。
【0027】
U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wは、それぞれ、他のセグメントコイル27のセグメントコイル端部32に接続されないセグメントコイル端部32を、一対有する。U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wにおいて他のセグメントコイル端部32に接続されないセグメントコイル端部32は、U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wのコイル端部である。U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wにおける前記コイル端部は、各相のコイルにおける一方側の端部及び他方側の端部に位置する。また、U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wにおける前記コイル端部は、ステータコア21の軸方向一方側に突出している。
【0028】
以下では、説明のため、U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wの両端に位置するコイルの端部を、それぞれ、第1コイル端部34、第2コイル端部35と呼ぶ。
【0029】
すなわち、本実施形態のコイル26は、U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wを含み、コイル26は、複数のスロット内に位置する複数のスロット収納部30と、ステータコア21に対して軸方向一方側に位置し且つスロット収納部30同士を接続する複数の第2コイル接続部33と、ステータコア21に対して軸方向他方側に位置し且つスロット収納部30同士を接続する複数の第1コイル接続部31と、コイル26の端部にそれぞれ位置し且つスロット収納部30から延びてステータコア21の軸方向一方側に突出する第1コイル端部34及び第2コイル端部35と、を有する。
【0030】
これにより、ステータコア21に対して軸方向一方側には、ステータコア21から軸方向一方側に突出した複数の第2コイル接続部33を含むコイルエンド部40が構成される。また、ステータコア21に対して軸方向他方側には、ステータコア21から他方側に突出した複数の第1コイル接続部31を含むコイルエンド部が構成される。
【0031】
本実施形態では、すべての第2コイル接続部33が、ステータコア21に対して軸方向一方側(
図2で上側)に位置し、すべての第1コイル接続部31が、ステータコア21に対して軸方向他方側(
図2で下側)に位置している。また、すべての第1コイル端部34及びすべての第2コイル端部35は、第2コイル接続部33が位置する前記軸方向一方側に位置している。
【0032】
U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wにおける第1コイル端部34及び第2コイル端部35は、それぞれ、スロット24の最も径方向外側に位置するスロット収納部30から延びてステータコア21から突出している。第1コイル端部34及び第2コイル端部35は、U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wにおいて、スロット24の最も径方向外側に位置するセグメントコイル27のセグメントコイル端部32である。本実施形態では、コイル26は、2組のU相コイル26u、V相コイル26v、W相コイル26wを含む。このため、6つの第1コイル端部34及び6つの第2コイル端部35が、ステータコア21に対して軸方向一方側に位置する。
【0033】
本実施形態では、第1コイル端部34及び第2コイル端部35は、それぞれ、スロット24の最も径方向外側に位置するセグメントコイル27のセグメントコイル端部32である。しかしながら、第1コイル端部及び第2コイル端部は、上記以外の位置に位置するセグメントコイルのセグメントコイル端部であってもよい。
【0034】
(バスバーユニット)
図5は、バスバーユニット50の斜視図である。
図5に示すように、バスバーユニット50は、バスバー51と、バスバーホルダ52と、外部端子61と、外部端子ホルダ62と、を有する。
図6は、バスバーホルダ52及び外部端子ホルダ62を外した状態のバスバーユニット50の斜視図である。外部端子61が、端子に対応する。
【0035】
バスバー51は、U相バスバー51uと、V相バスバー51vと、W相バスバー51wと、中性点用バスバー51nとを含む。
図7AにU相バスバー51uの概略構成を、
図7BにV相バスバー51vの概略構成を、
図7CにW相バスバー51wの概略構成を、
図7Dに中性点用バスバー51nの概略構成を、それぞれ示す。U相バスバー51u、V相バスバー51v、W相バスバー51w及び中性点用バスバー51nは、それぞれ、板状の部材である。U相バスバー51u、V相バスバー51v、W相バスバー51w及び中性点用バスバー51nの厚み方向は、ステータコア21の径方向と一致する。
【0036】
図7Aに示すように、U相バスバー51uは、U相バスバー本体部53uと、2つのU相バスバー接続部54uと、U相外部端子接続部55uとを有する。U相バスバー本体部53u、2つのU相バスバー接続部54u及びU相外部端子接続部55uは、単一の部材である。
【0037】
図7Bに示すように、V相バスバー51vは、V相バスバー本体部53vと、2つのV相バスバー接続部54vと、V相外部端子接続部55vとを有する。V相バスバー本体部53v、2つのV相バスバー接続部54v及びV相外部端子接続部55vは、単一の部材である。
【0038】
図7Cに示すように、W相バスバー51wは、W相バスバー本体部53wと、2つのW相バスバー接続部54wと、W相外部端子接続部55wとを有する。W相バスバー本体部53w、2つのW相バスバー接続部54w及びW相外部端子接続部55wは、単一の部材である。
【0039】
図7Dに示すように、中性点用バスバー51nは、中性点用バスバー本体部53nと、6つの中性点用バスバー接続部54nとを有する。中性点用バスバー本体部53n及び6つの中性点用バスバー接続部54nは、単一の部材である。
【0040】
U相バスバー本体部53u、V相バスバー本体部53v及びW相バスバー本体部53wは、それぞれ、軸方向から見て、コイルエンド部40の外周に沿った円弧状である。U相バスバー本体部53u、V相バスバー本体部53v及びW相バスバー本体部53wは、それぞれ、ステータコア21の径方向から見て、各相のコイル26の第1コイル端部34と重なる位置に位置し、ステータコア21の周方向に延びる。
【0041】
具体的には、U相バスバー本体部53uは、ステータコア21の径方向から見て、2つのU相コイル26uにおける各第1コイル端部34と重なる位置に位置し、ステータコア21の周方向に延びる。V相バスバー本体部53vは、ステータコア21の径方向から見て、2つのV相コイル26vにおける各第1コイル端部34と重なる位置に位置し、ステータコア21の周方向に延びる。W相バスバー51wのW相バスバー本体部53wは、ステータコア21の径方向から見て、2つのW相コイル26wにおける各第1コイル端部34と重なる位置に位置し、ステータコア21の周方向に延びる。
【0042】
中性点用バスバー51nの中性点用バスバー本体部53nは、軸方向から見て、コイルエンド部40の外周に沿った円弧状である。中性点用バスバー本体部53nは、ステータコア21の径方向から見て、2つのU相コイル26u、2つのV相コイル26v及び2つのW相コイル26wにおける各第2コイル端部35と重なる位置に位置し、ステータコア21の周方向に延びる。本実施形態では、中性点用バスバー本体部53nは、U相バスバー本体部53u、V相バスバー本体部53v及びW相バスバー本体部53wに比べて、周方向に長い。
【0043】
U相外部端子接続部55uは、U相バスバー本体部53uの一方の端部から径方向外側に延びて外部端子61に接続される。U相外部端子接続部55uは、U相バスバー本体部53uの一方の端部からステータコア21の径方向外側に延びるU相延伸部56uと、U相延伸部56uの先端に位置し且つ外部端子61に接続するU相接続端部58uと、を有する。
【0044】
V相外部端子接続部55vは、V相バスバー本体部53vの一方の端部から径方向外側に延びて外部端子61に接続される。V相外部端子接続部55vは、V相バスバー本体部53vの一方の端部からステータコア21の径方向外側に延びるV相第1延伸部56vと、V相第1延伸部56vに対して直交し且つ外部端子61に向かって延びるV相第2延伸部57vと、V相第2延伸部57vの先端に位置し且つ外部端子61に接続するV相接続端部58vと、を有する。
【0045】
W相外部端子接続部55wは、W相バスバー本体部53wの一方の端部から径方向外側に延びて外部端子61に接続される。W相外部端子接続部55wは、W相バスバー本体部53wの一方の端部からステータコア21の径方向外側に延びるW相第1延伸部56wと、W相第1延伸部56wに対して直交し且つ外部端子61に向かって延びるW相第2延伸部57wと、W相第2延伸部57wの先端に位置し且つ外部端子61に接続するW相接続端部58wと、を有する。
【0046】
外部端子61の詳細な構成は、後述する。
【0047】
2つのU相バスバー接続部54uは、周方向に並んでU相バスバー本体部53uの他方の端部からステータコア21の軸方向一方側に延びる。2つのU相バスバー接続部54uは、それぞれ、U相コイル26uの第1コイル端部34に接続される。
【0048】
2つのV相バスバー接続部54vは、周方向に並んでV相バスバー本体部53vの他方の端部からステータコア21の軸方向一方側に延びる。2つのV相バスバー接続部54vは、それぞれ、V相コイル26vの第1コイル端部34に接続される。
【0049】
2つのW相バスバー接続部54wは、周方向に並んでW相バスバー本体部53wの他方の端部からステータコア21の軸方向一方側に延びる。2つのW相バスバー接続部54wは、それぞれ、W相コイル26wの第1コイル端部34に接続される。
【0050】
6つの中性点用バスバー接続部54nは、周方向に一対ずつ並んで中性点用バスバー本体部53nからステータコア21の軸方向一方側に延び、2組の各相のコイルにおける第2コイル端部35に接続される。
【0051】
U相バスバー51u、V相バスバー51v、W相バスバー51w及び中性点用バスバー51nは、一部が径方向または軸方向に重なった状態で、コイルエンド部40の径方向外周側に位置する。
図8に、コイルエンド部40に対するU相バスバー51u、V相バスバー51v、W相バスバー51w及び中性点用バスバー51nの配置の一例を示す。
【0052】
図6に示すように、U相バスバー本体部53uは、軸方向から見て、U相外部端子接続部55uに対してステータコア21の周方向の一方側に位置する。W相バスバー本体部53wは、軸方向から見て、W相外部端子接続部55wに対してステータコア21の周方向の他方側に位置する。V相バスバー本体部53vは、軸方向から見て、V相外部端子接続部55vに対してステータコア21の周方向の他方側に位置し、V相バスバー本体部53vは、ステータコア21の径方向から見て、W相バスバー本体部53wの一部と重なっている。
【0053】
中性点用バスバー本体部53nは、U相バスバー本体部53u、V相バスバー本体部53v及びW相バスバー本体部53wに対して、軸方向他方側に位置し、軸方向から見て、中性点用バスバー本体部53nの一部は、U相バスバー本体部53u、V相バスバー本体部53v及びW相バスバー本体部53wと重なっている。
【0054】
既述のように、U相バスバー51u、V相バスバー51v及びW相バスバー51wの厚み方向は、ステータコア21の径方向と一致する。すなわち、U相バスバー本体部53u、V相バスバー本体部53v及びW相バスバー本体部53wから、それぞれ径方向外側に向かって延びるU相外部端子接続部55u、V相外部端子接続部55v及びW相外部端子接続部55wの厚み方向は軸方向と直交する方向である。
【0055】
U相外部端子接続部55uのU相延伸部56u、V相外部端子接続部55vのV相第2延伸部57v及びW相外部端子接続部55wのW相第2延伸部57wは、厚み方向に重なって、径方向外側に向かって延び、厚み方向に重なった状態で厚み方向に屈曲している。
【0056】
U相接続端部58u、V相接続端部58v及びW相接続端部58wは、それぞれ、U相延伸部56u、V相第2延伸部57v及びW相第2延伸部57wの各先端から径方向外側に向かって延びる。U相接続端部58u、V相接続端部58v及びW相接続端部58wの厚み方向は、ステータコア21の軸方向に一致する。
【0057】
U相延伸部56u、V相第2延伸部57v及びW相第2延伸部57wは、前記屈曲した位置から先端までの長さが互いに異なっている。これにより、U相延伸部56u、V相第2延伸部57v及びW相第2延伸部57wそれぞれの先端から延びるU相接続端部58u、V相接続端部58v及びW相接続端部58wは、軸方向から見て、重ならずに一列に並んでいる。
【0058】
U相バスバー51u、V相バスバー51v、W相バスバー51w及び中性点用バスバー51nは、U相バスバー接続部54u、V相バスバー接続部54v、W相バスバー接続部54w及び中性点用バスバー接続部54nの各先端部、及び、U相接続端部58u、V相接続端部58v及びW相接続端部58wの各先端部を除いて、樹脂でモールドされている(
図5参照)。本明細書では、4つのバスバー51を覆う樹脂部分を、バスバーホルダ52と呼ぶ。
【0059】
本実施形態では、U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wは、U相バスバー51u、V相バスバー51v、W相バスバー51w及び中性点用バスバー51nによって、Y結線されている。
【0060】
具体的には、U相コイル26uの第1コイル端部34は、U相バスバー接続部54uに接続されている。V相コイル26vの第1コイル端部34は、V相バスバー51vのV相バスバー接続部54vに接続されている。W相コイル26wの第1コイル端部34は、W相バスバー51wのW相バスバー接続部54wに接続されている。また、U相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wにおける6つの第2コイル端部35は、中性点用バスバー51nに接続されている。
【0061】
これにより、ステータコア21に巻線されたU相コイル26u、V相コイル26v及びW相コイル26wが、U相バスバー51u、V相バスバー51v、W相バスバー51w及び中性点用バスバー51nによってY結線された、ステータ2が得られる。
【0062】
(外部端子)
図5及び
図6に示すように、外部端子61は、U相外部端子61uと、V相外部端子61vと、W相外部端子61wとを含む。U相外部端子61u、V相外部端子61v及びW相外部端子61wは、板状の部材であり、樹脂でモールドされている。
【0063】
U相外部端子61uは、U相端子本体部63uと、U相端子本体部63uの一端部に位置するU相バスバー側接続部64uと、U相端子本体部63uの別の端部に位置するU相電力供給源側接続部65uと、を有する。U相端子本体部63u、U相バスバー側接続部64u及びU相電力供給源側接続部65uは、単一の部材である。
【0064】
U相端子本体部63uは、U相端子平面部631uと、U相バスバー側屈曲部632uと、U相電力供給源側屈曲部633uと、を有する。U相端子平面部631uが、平面部に対応し、U相バスバー側屈曲部632uが屈曲部に対応する。
【0065】
U相端子平面部631uは、軸方向に延びる長方形状のU相第1平面部6311uと、軸方向一方側において、U相第1平面部6311uからU相第1平面部6311uの幅方向に延びるU相第2平面部6312uと、を有する。以下、U相第1平面部6311uが延びる方向を、U相端子本体部63uの延伸方向と呼ぶ。
【0066】
U相バスバー側屈曲部632uは、軸方向一方側において、軸方向におけるU相第2平面部6312uの一方側からU相第2平面部6312uと直交する方向に屈曲した部分である。U相電力供給源側屈曲部633uは、軸方向他方側において、U相第1平面部6311uの幅方向の一端側からU相第1平面部6311uと直交する方向に屈曲した部分である。
【0067】
U相バスバー側接続部64uは、U相バスバー側屈曲部632uからU相端子本体部63uの厚み方向に延びて、U相バスバー51uにおけるU相接続端部58uに接続される。U相電力供給源側接続部65uは、U相電力供給源側屈曲部633uからU相端子本体部63uの厚み方向に延びて、電力供給源に接続される。
【0068】
V相外部端子61vは、V相端子本体部63vと、V相端子本体部63vの一端部に位置するV相バスバー側接続部64vと、V相端子本体部63vの別の端部に位置するV相電力供給源側接続部65vと、を有する。V相端子本体部63v、V相バスバー側接続部64v及びV相電力供給源側接続部65vは、単一の部材である。
【0069】
V相端子本体部63vは、V相端子平面部631vと、V相バスバー側屈曲部632vと、V相電力供給源側屈曲部633vと、を有する。V相端子平面部631vは、平面部に対応し、V相バスバー側屈曲部632vは、屈曲部に対応する。
【0070】
V相端子平面部631vは、軸方向に延びる長方形状である。軸方向において、V相端子平面部631vの長さは、U相第1平面部6311uの長さよりも短い。以下、V相端子平面部631vが延びる方向を、V相端子本体部63vの延伸方向と呼ぶ。
【0071】
V相バスバー側屈曲部632vは、軸方向一方側において、軸方向におけるV相端子平面部631vの一方側からV相端子平面部631vと直交する方向に屈曲した部分である。V相電力供給源側屈曲部633vは、軸方向他方側において、V相端子平面部631vの幅方向の一端側からV相端子平面部631vと直交する方向に屈曲した部分である。
【0072】
V相バスバー側接続部64vは、V相バスバー側屈曲部632vからV相端子本体部63vの厚み方向に延びて、V相バスバー51vにおけるV相接続端部58vに接続される。V相電力供給源側接続部65vは、V相電力供給源側屈曲部633vからV相端子本体部63vの厚み方向に延びて、電力供給源に接続される。
【0073】
W相外部端子61wは、W相端子本体部63wと、W相端子本体部63wの一端部に位置するW相バスバー側接続部64wと、W相端子本体部63wの別の端部に位置するW相電力供給源側接続部65wと、を有する。W相端子本体部63w、W相バスバー側接続部64w及びW相電力供給源側接続部65wは、単一の部材である。
【0074】
W相端子本体部63wは、W相端子平面部631wと、W相バスバー側屈曲部632wと、W相電力供給源側屈曲部633wと、を有する。W相端子平面部631wは、平面部に対応し、W相バスバー側屈曲部632wは、屈曲部に対応する。
【0075】
W相端子平面部631wは、軸方向に延びる長方形状のW相第1平面部6311wと、軸方向一方側において、W相第1平面部6311wからU相第2平面部6312uが延びる側とは反対側に延びるW相第2平面部6312w、とを有する。軸方向において、W相第1平面部6311wの長さは、U相第1平面部6311u及びV相端子平面部631vの長さよりも短い。以下、W相第1平面部6311wが延びる方向を、W相端子本体部63wの延伸方向と呼ぶ。
【0076】
W相バスバー側屈曲部632wは、軸方向一方側において、軸方向におけるW相第2平面部6312wの一方側からW相第2平面部6312wと直交する方向に屈曲した部分である。W相電力供給源側屈曲部633wは、軸方向他方側において、W相第1平面部6311wの幅方向の一端側からW相第1平面部6311wと直交する方向に屈曲した部分である。
【0077】
W相バスバー側接続部64wは、W相バスバー側屈曲部632wからW相端子本体部63wの厚み方向に延びて、W相バスバー51wにおけるW相接続端部58wに接続される。W相電力供給源側接続部65wは、W相電力供給源側屈曲部633wからW相端子本体部63wの厚み方向に延びて、電力供給源に接続される。
【0078】
U相端子本体部63uにおいて、U相バスバー側接続部64uとU相電力供給源側接続部65uとの間で電流が流れる通電経路は、U相第2平面部6312uの幅方向に延びる経路及びU相第1平面部6311uの延伸方向に延びる経路を含む。V相端子本体部63vにおいて、V相バスバー側接続部64vとV相電力供給源側接続部65vとの間で電流が流れる通電経路は、V相端子平面部631vの延伸方向に延びる通電経路を含む。W相端子本体部63wにおいて、W相バスバー側接続部64wとW相電力供給源側接続部65wとの間で電流が流れる通電経路は、W相第2平面部6312wの幅方向に延びる経路及びW相第1平面部6311wの延伸方向に延びる経路を含む。なお、通電経路は、電流が流れる経路を意味する。
【0079】
U相第1平面部6311uの延伸方向の長さは、V相端子平面部631vの延伸方向の長さより長い。V相端子平面部631vの延伸方向の長さは、W相第1平面部6311wの延伸方向の長さより長い。U相第2平面部6312uの幅方向の長さは、W相第2平面部6312wの幅方向の長さと略同じである。
【0080】
したがって、3相の端子本体部63において、バスバー側接続部64と電力供給源側接続部65との間で電流が流れる通電経路の長さは、V相端子本体部63v及びW相端子本体部63wと比べて、U相端子本体部63uが長い。
【0081】
図6に示すように、3相の外部端子61は、軸方向におけるそれぞれのバスバー側屈曲部632の位置が同じ状態で、U相端子本体部63u、V相端子本体部63v及びW相端子本体部63wが厚み方向に重ねられている。
【0082】
既述のように、軸方向における3相の端子本体部63の一方側では、U相第2平面部6312uは、V相端子平面部631vに対して幅方向の一方側に位置し、W相第2平面部6312wは、V相端子平面部631vに対してU相第2平面部6312uが位置する側とは反対側に位置する。このため、3相の端子本体部63の厚み方向に延びるU相バスバー側接続部64u、V相バスバー側接続部64v、W相バスバー側接続部64wは、軸方向から見て互いに重ならず、軸方向と直交する方向に並んで位置している。
【0083】
また、3相の端子本体部63において、U相第1平面部6311u、V相端子平面部631v及びW相第1平面部6311wは、既述のように、延伸方向の長さが異なっている。したがって、軸方向において、3相の端子本体部63の他方側の先端部の位置は、互いに異なっている。このため、3相の端子本体部63の他方側の端部に位置するU相電力供給源側接続部65u、V相電力供給源側接続部65v、W相電力供給源側接続部65wは、径方向から見て互いに重ならず、軸方向に並んで位置している。
【0084】
具体的には、本実施形態では、3相のバスバー側接続部64は、軸方向と直交する方向に、U相、V相及びW相の順に並んでいる。3相の端子本体部63は、径方向外側から径方向内側に向かって、W相、V相及びU相の順に重ねられている。3相の電力供給源側接続部65は、軸方向の他方側から一方側に向かって、U相、V相及びW相の順に並んでいる。
【0085】
軸方向における3相の電力供給源側接続部65の並び順は、3相のバスバー側接続部64から延びる3相の端子本体部63の延伸方向の長さによって決まる。すなわち、本実施形態では、3相の端子本体部63の延伸方向の長さは、U相、V相及びW相の順に短くなっている。このため、3相の電力供給源側接続部65は、軸方向の他方側から一方側に向かって、U相、V相及びW相の順に並んでいる。
【0086】
したがって、3相の端子本体部63の延伸方向の長さを変更することで、軸方向における3相の電力供給源側接続部65の並び順を変更することができる。例えば、3相の端子本体部63の延伸方向の長さを、W相、V相及びU相の順に短くすれば、3相の電力供給源側接続部65を、軸方向の他方側から一方側に向かって、W相、V相及びU相の順に並べることができる。この場合、3相の端子本体部63において、バスバー側接続部64と電力供給源側接続部65との間で電流が流れる通電経路の長さは、U相端子本体部63u及びV相端子本体部63vと比べて、W相端子本体部63wが長い。
【0087】
このように、3相の外部端子61におけるバスバー側接続部64は、一方向に並んで位置し、3相の外部端子61における電力供給源側接続部65は、3相の外部端子61におけるバスバー側接続部64の並び方向とは異なる方向に並んで位置している。本実施形態では、3相の外部端子61におけるバスバー側接続部64の並び方向と、3相の外部端子61における電力供給源側接続部65の並び方向とが直交している。
【0088】
これにより、電力供給源の各相の出力位置が入れ替わった場合でも、3相の外部端子61を変更して複数の外部端子61における電力供給源側接続部65の並びを変えることにより、電力供給源側接続部65に前記電力供給源の各相の出力端子を容易に接続することができる。また、3相の外部端子61における電力供給源側接続部65が、3相の外部端子61におけるバスバー側接続部64の並び方向とは異なる方向に並んで位置することにより、複数の外部端子61をコンパクトに配置できる。よって、コンパクトなバスバーユニット50が得られる。
【0089】
また、3相の外部端子61における、U相端子本体部63u、V相端子本体部63v及びW相端子本体部63wは、それぞれ平板であり、それらの一部が互いに厚み方向に重なっている。これにより、3相の外部端子61をコンパクトに配置できるため、バスバーユニット50をコンパクトな構成にすることができる。
【0090】
なお、本実施形態では、電力供給源側接続部65は、端子本体部63に対して厚み方向に延びている。しかしながら、電力供給源側接続部は、端子本体部に対して幅方向に延びていてもよい。
【0091】
図5及び
図6に示すように、3相の外部端子61は、厚み方向に重なった状態で、樹脂でモールドされている。本明細書では、3相の外部端子61を覆う樹脂部分を、外部端子ホルダ62と呼ぶ。
【0092】
外部端子ホルダ62は、ステータコア21の軸方向に延びている。軸方向における外部端子ホルダ62の一方側の端部は、軸方向における3相の外部端子61の一方側の端部よりも軸方向一方側に位置し、軸方向他方側に向かって窪む凹部62aを有する。これにより、3相のバスバー側接続部64の各先端部は、外部端子ホルダ62で覆われることなく凹部62a内に位置している。
【0093】
外部端子ホルダ62は、バスバーホルダ52と接続されている。また、凹部62a内で、各相の外部端子61におけるバスバー側接続部64は、各相のバスバー51における接続端部58と溶接等によって接続されている。凹部62aは、外部端子ホルダ62及びバスバーホルダ52が接続され且つバスバー側接続部64及び接続端部58が接続された状態で、樹脂でモールドされている。前記樹脂は、例えば、エポキス樹脂である。
【0094】
なお、3相の電力供給源側接続部65は、3相の外部端子61が外部端子ホルダ62で覆われた状態で、外部と接触可能に露出している。各相の電力供給源側接続部65に、図示しない電力供給源が電気的に接続されることにより、各相の外部端子61及びバスバー51を介して、各相のコイル26に電力が供給される。
【0095】
以上のように、本実施形態に係るバスバーユニット50は、ステータコア21に巻線される複数相のコイル26に接続される複数相のバスバー51と、複数相のバスバー51とは別の部材であり、複数相のバスバー51に接続され且つ電力供給源に電気的に接続される複数の外部端子61と、を有する。複数の外部端子61は、それぞれ、端子本体部63と、端子本体部63の一端部に位置し、複数相のバスバー51のうち1相のバスバーに接続されるバスバー側接続部64と、端子本体部63の別の端部に位置し、前記電力供給源に電気的に接続される電力供給源側接続部65と、を有する。端子本体部63においてバスバー側接続部64と電力供給源側接続部65との間で電流が流れる通電経路の長さが、複数の外部端子61のうち少なくとも2つの外部端子で異なる。
【0096】
上述の構成により、複数相のバスバー51に接続される複数の外部端子61を変えることにより、複数の外部端子61における電力供給源側接続部65の位置を変えることができる。これにより、ステータ2のコイル26に接続されるバスバー51の配置を変えることなく、複数の外部端子61と電力供給源の各相の出力端子との接続位置を変えることができる。これにより、電力供給源の各相の出力端子の配置が異なる場合でも、モータ1側の構成を変えることなく、モータ1のコイル26と電力供給源とを電気的に接続することができる。
【0097】
具体的には、本実施形態に係るバスバーユニット50において、複数の外部端子61における端子本体部63は、それぞれ、バスバー側接続部64と電力供給源側接続部65との間に位置し、厚み方向に屈曲するバスバー側屈曲部632と、バスバー側屈曲部632からバスバー側接続部64の厚み方向に延びている端子平面部631と、を有する。複数の外部端子61における電力供給源側接続部65は、それぞれ、端子平面部631における延伸方向の異なる位置で、端子平面部631に対して厚み方向に延びている。
【0098】
これにより、電力供給源側の各相の出力端子の配置が異なる場合でも、複数の外部端子61の端子本体部63における端子平面部631の延伸方向の長さを変えることにより、モータ1側の構成を変えることなく、モータ1のコイル26と電力供給源とを電気的に接続することができる。
【0099】
また、本実施形態では、複数相のバスバー51及び複数の外部端子61は、それぞれ樹脂でモールドされている。これにより、バスバー51及び外部端子61が、酸化等によって劣化することを防止できる。
【0100】
また、本実施形態では、複数のバスバー51と複数の外部端子61におけるバスバー側接続部64との接続部分は、樹脂でモールドされている。これにより、バスバー51と外部端子61との接続部分が、酸化等によって劣化することを防止できる。
【0101】
本実施形態に係るステータ2は、バスバーユニット50と、ステータコア21と、ステータコア21に巻線され、バスバーユニット50における複数相のバスバー51に接続される複数相のコイル26と、を有する。これにより、上記の構成のバスバーユニット50を有するステータ2が得られる。
【0102】
(バスバーユニットの製造方法)
次に、上述の構成を有するバスバーユニット50の製造方法について説明する。バスバーユニット50の製造方法は、バスバー配置工程と、外部端子配置工程と、外部端子モールド工程と、接続工程と、接続部モールド工程と、を有する。
【0103】
バスバー配置工程では、3相のコイル26u、26v及び26wが巻線されたステータコア21のコイルエンド部40の径方向外周側に、バスバーホルダ52で覆われた状態の4つのバスバー本体部53u、53v、53w及び53nを配置する。これにより、バスバーホルダ52で覆われた状態の3相の外部端子接続部55u、55v及び55wが径方向外側に向かって延びる。3相の外部端子接続部55u、55v及び55wの先端にそれぞれ位置する3相の接続端部58u、58v及び58wの各先端部は、バスバーホルダ52から径方向外側に突出している。
【0104】
外部端子配置工程では、電力供給源の出力端子の並び順に適した3相の外部端子61u、61v及び61wを用意し、軸方向における端子本体部63u、63v及び63wの一方側を同じ位置に位置させるとともに端子平面部631u、631v及び631wを厚み方向に重ねることで、3相の外部端子61u、61v及び61wを配置する。
【0105】
外部端子モールド工程では、3相の外部端子61u、61v及び61wを重ねた状態で、樹脂でモールドする。3相の外部端子61u、61v及び61wを覆う樹脂部分である外部端子ホルダ62は、軸方向一方側の端部において、バスバー側接続部64の先端部が露出する凹部62aを有する。よって、外部端子ホルダ62で覆われた状態の3相の外部端子61u、61v及び61wにおけるバスバー側接続部64u、64v及び64wの各先端部は、樹脂では覆われずに露出している。
【0106】
次に、接続工程では、外部端子ホルダ62と、バスバーホルダ52とを接続する。これにより、凹部62a内で、3相の外部端子61u、61v及び61wにおけるバスバー側接続部64u、64v及び64wの各先端部と、3相のバスバー51u、51v及び51wにおける接続端部58u、58v及び58wの各先端部とがそれぞれ接触する。この状態で、3相の外部端子61u、61v及び61wにおけるバスバー側接続部64u、64v及び64wのそれぞれの先端部と、3相のバスバー51u、51v及び51wにおける接続端部58u、58v及び58wのそれぞれの先端部とをそれぞれ溶接等により接続する。
【0107】
最後に、接続部モールド工程では、バスバー側接続部64u、64v及び64wと接続端部58u、58v及び58wとが凹部62a内で接続された状態で、凹部62aの内部を樹脂でモールドする。
【0108】
すなわち、本実施形態に係るバスバーユニット50の製造工程は、ステータコア21に複数相のコイル26にそれぞれ接続される複数相のバスバー51と、複数相のバスバー51にそれぞれ接続され且つ電力供給源に電気的に接続される複数の外部端子61とを有するバスバーユニット50の製造方法である。複数の外部端子61は、複数相のバスバー51のうち1相のバスバー51に接続されるバスバー側接続部64と前記電力供給源に電気的に接続される電力供給源側接続部65との間で電流が流れる通電経路の長さが異なる、少なくとも2つの外部端子61を含む。
【0109】
バスバーユニット50の製造工程は、複数の外部端子61を樹脂でモールドするとともにバスバー側接続部64が位置する側に凹部を形成してバスバー側接続部64の先端部を露出させる端子モールド工程と、凹部62a内で、複数の外部端子61におけるバスバー側接続部64に複数相のバスバー51を接続する接続工程と、バスバー側接続部64が凹部62a内に位置する状態で凹部62aの内部を樹脂でモールドする接続部モールド工程と、を有する。
【0110】
以上の工程により、上述の構造を有するバスバーユニット50を得られる。また、バスバー51と外部端子61との接続部分が樹脂でモールドされるため、前記接続部分が酸化等によって劣化することを防止できる。
【0111】
[実施形態2]
図9及び
図10に、実施形態2に係るモータのステータ102の概略構成を示す。実施形態2に係るモータは、バスバー151によるコイル126の結線方法が実施形態1のモータ1の構成とは異なる。また、外部端子161の構成が実施形態1の外部端子61の構成とは異なる。以下では、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。
図9は、ステータ102の斜視図である。
図10は、
図9で示すステータ102において、バスバーユニット150のバスバーホルダ152及び外部端子ホルダ162の記載を省略した図である。
【0112】
ステータ102は、ステータコア21と、コイル126と、バスバーユニット150と、を備える。
【0113】
(コイル)
コイル126は、U相コイル126uと、V相コイル126vと、W相コイル126wとを含む。U相コイル126u、V相コイル126v及びW相コイル126wは、ステータコア21の複数のティース23に分布巻きで巻回され、バスバーユニット150のバスバー151によって、Δ結線されている。なお、ステータコア21に対するU相コイル126u、V相コイル126v及びW相コイル126wの巻線は、実施形態1と同様である。
【0114】
U相コイル126u、V相コイル126v及びW相コイル126wは、それぞれ、複数のセグメントコイル27が直列に接続されて構成されている。セグメントコイルの構成は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0115】
U相コイル126u、V相コイル126v及びW相コイル126wにおける第1コイル端部34及び第2コイル端部35も、実施形態1と同様、スロット24の最も径方向外側に位置するスロット収納部30から延びてステータコア21の軸方向一方側に突出している。本実施形態では、U相コイル126u、V相コイル126v及びW相コイル126wは、それぞれ、1つの第1コイル端部34と1つの第2コイル端部35とを含む。
【0116】
(バスバーユニット)
図9に示すように、バスバーユニット150は、バスバー151と、バスバーホルダ152と、外部端子161と、外部端子ホルダ162と、を有する。
【0117】
図10及び
図11に示すように、バスバー151は、U相バスバー151uと、V相バスバー151vと、W相バスバー151wとを含む。U相バスバー151u、V相バスバー151v及びW相バスバー151wは、それぞれ、板状の部材である。U相バスバー151u、V相バスバー151v及びW相バスバー151wの厚み方向は、ステータコア21の径方向と一致する。
【0118】
U相バスバー151uは、U相バスバー本体部153uと、2つのU相バスバー接続部154uと、U相外部端子接続部155uとを有する。U相バスバー本体部153u、2つのU相バスバー接続部154u及びU相外部端子接続部155uは、単一の部材である。
【0119】
V相バスバー151vは、V相バスバー本体部153vと、2つのV相バスバー接続部154vと、V相外部端子接続部155vとを有する。V相バスバー本体部153v、2つのV相バスバー接続部154v及びV相外部端子接続部155vは、単一の部材である。
【0120】
W相バスバー151wは、W相バスバー本体部153wと、2つのW相バスバー接続部154wと、W相外部端子接続部155wとを有する。W相バスバー本体部153w、2つのW相バスバー接続部154w及びW相外部端子接続部155wは、単一の部材である。
【0121】
U相バスバー本体部153u、V相バスバー本体部153v及びW相バスバー本体部153wは、それぞれ、軸方向から見て、コイルエンド部40の外周に沿った円弧状である。U相バスバー本体部153u、V相バスバー本体部153v及びW相バスバー本体部153wは、それぞれ、ステータコア21の径方向から見て、各相のコイル126の第1コイル端部34と重なる位置に位置し、ステータコア21の周方向に延びる。
【0122】
具体的には、U相バスバー本体部153uは、ステータコア21の径方向から見て、U相コイル126uの第1コイル端部34及びW相コイル126wの第2コイル端部35と重なる位置に位置し、ステータコア21の周方向に延びる。U相バスバー本体部153uは、V相バスバー本体部153v及びW相バスバー本体部153wに比べて、周方向に長い。すなわち、U相バスバー本体部153uの周方向の両端部は、V相バスバー本体部153vの周方向の両端部及びW相バスバー本体部153wの周方向の両端部よりも、周方向に離れた位置に位置する。
【0123】
V相バスバー本体部153vは、ステータコア21の径方向から見て、V相コイル126vの第1コイル端部34及びU相コイル126uの第2コイル端部35と重なる位置に位置し、ステータコア21の周方向に延びる。
【0124】
W相バスバー本体部153wは、ステータコア21の径方向から見て、W相コイル126wの第1コイル端部34及びV相コイル126vの第2端部と重なる位置に位置し、ステータコア21の周方向に延びる。
【0125】
U相外部端子接続部155uは、U相バスバー本体部153uの両端部以外の位置から径方向外側に延びる。V相外部端子接続部155vは、V相バスバー本体部153vの一方の端部から径方向外側に延びる。W相外部端子接続部155wは、W相バスバー本体部153wの一方の端部から径方向外側に延びる。
【0126】
U相外部端子接続部155u、V相外部端子接続部155v及びW相外部端子接続部155wは、それぞれ、径方向外側の先端に位置し且つ外部端子161に接続するU相接続端部158u、V相接続端部158v及びW相接続端部158wを有する。
【0127】
U相外部端子接続部155u、V相外部端子接続部155v及びW相外部端子接続部155wの構成は、それぞれ、延伸部がステータコア21の軸方向に屈曲している点以外、実施形態1の構成と同様である。よって、U相外部端子接続部155u、V相外部端子接続部155v及びW相外部端子接続部155wの詳しい説明を省略する。
【0128】
2つのU相バスバー接続部154uは、U相バスバー本体部153uの両端部からステータコア21の軸方向一方側に延び、U相コイル126uの第1コイル端部34及びW相コイル126wの第2コイル端部35に接続される。
【0129】
2つのV相バスバー接続部154vは、V相バスバー本体部153vの両端部からステータコア21の軸方向一方側に延び、V相コイル126vの第1コイル端部34及びU相コイル126uの第2コイル端部35に接続される。
【0130】
2つのW相バスバー接続部154wは、W相バスバー本体部153wの両端部からステータコア21の軸方向一方側に延び、W相コイル126wの第1コイル端部34及びV相コイル126Vの第2コイル端部35に接続される。
【0131】
U相バスバー151u、V相バスバー151v及びW相バスバー151wは、一部が径方向または軸方向に重なった状態で、コイルエンド部40の径方向外周側に位置する。
【0132】
図11に、コイルエンド部40に対するU相バスバー151u、V相バスバー151v及びW相バスバー151wの配置の一例を示す。
【0133】
図11に示すように、U相外部端子接続部155u、V相外部端子接続部155v及びW相外部端子接続部155wの一部は、厚み方向に重なっている。
【0134】
W相バスバー151wのW相バスバー本体部153wは、U相バスバー151uのU相外部端子接続部155uに対して周方向の一方側に位置する。V相バスバー151vのV相バスバー本体部153vは、U相バスバー151uのU相外部端子接続部155uに対して周方向の他方側に位置する。V相外部端子接続部155v及びW相外部端子接続部155wは、U相外部端子接続部155uを挟んで周方向に並んでいる。
【0135】
U相バスバー151uのU相バスバー本体部153uの一部は、軸方向から見て、W相バスバー151wのW相バスバー本体部153w及びV相バスバー151vのV相バスバー本体部153vと重なっている。
【0136】
本実施形態では、U相コイル126u、V相コイル126v及びW相コイル126wは、U相バスバー151u、V相バスバー151v及びW相バスバー151wによってΔ結線されている。
【0137】
具体的には、U相コイル126uの第1コイル端部34は、U相バスバー151uのU相バスバー接続部154uに接続されている。V相コイル126vの第1コイル端部34は、V相バスバー151vのV相バスバー接続部154vに接続されている。W相コイル126wの第1コイル端部34は、W相バスバー151wのW相バスバー接続部154wに接続されている。
【0138】
U相コイル126uの第2コイル端部35は、V相バスバー151vのV相バスバー接続部154vに接続されている。V相コイル126vの第2コイル端部35は、W相バスバー151wのW相バスバー接続部154wに接続されている。W相コイル126wの第2コイル端部35は、U相バスバー151uのU相バスバー接続部154uに接続されている。
【0139】
これにより、ステータコア21に巻線されたU相コイル126u、V相コイル126v及びW相コイル126wが、U相バスバー151u、V相バスバー151v及びW相バスバー151wによってΔ結線されたステータ102が得られる。
【0140】
(外部端子)
図12は、本実施形態に係る外部端子161、及び、外部端子161とバスバー151との接続部分の斜視図である。外部端子161は、U相外部端子161uと、V相外部端子161vと、W相外部端子161wとを含む。U相外部端子161u、V相外部端子161v及びW相外部端子161wは、板状の部材であり、樹脂でモールドされている(
図9参照)。本明細書では、3相の外部端子161を覆う樹脂部分を、外部端子ホルダ162と呼ぶ。
【0141】
U相外部端子161uは、U相端子本体部163uと、U相端子本体部163uの一端部に位置するU相バスバー側接続部164uと、U相端子本体部163uの別の端部に位置するU相電力供給源側接続部165uと、を有する。
【0142】
U相端子本体部163uは、U相端子平面部1631uと、U相バスバー側屈曲部1632uと、U相電力供給源側屈曲部1633uと、を有する。
【0143】
V相外部端子161vは、V相端子本体部163vと、V相端子本体部163vの一端部に位置するV相バスバー側接続部164vと、V相端子本体部163vの別の端部に位置するV相電力供給源側接続部165vと、を有する。
【0144】
V相端子本体部163vは、V相端子平面部1631vと、V相バスバー側屈曲部1632vと、V相電力供給源側屈曲部1633vと、を有する。
【0145】
W相外部端子161wは、W相端子本体部163wと、W相端子本体部163wの一端部に位置するW相バスバー側接続部164wと、W相端子本体部163wの別の端部に位置するW相電力供給源側接続部165wと、を有する。
【0146】
W相端子本体部163wは、W相端子平面部1631wと、W相バスバー側屈曲部1632wと、W相電力供給源側屈曲部1633wと、を有する。
【0147】
本実施形態では、U相端子本体部163uにおけるU相端子平面部1631uは、軸方向一方側において、幅方向のいずれの方向にも延びていない。V相端子本体部163vにおけるV相端子平面部1631vは、軸方向一方側において、幅方向の一方側に延びている。W相端子本体部163wにおけるW相端子平面部1631wは、軸方向一方側において、V相端子平面部1631vが延びる側とは反対側に延びている。また、本実施形態では、U相端子本体部163u、V相端子本体部163v及びW相端子本体部163wの延伸方向の長さは、U相、V相及びW相の順に長くなっている。
【0148】
上記以外のU相外部端子161u、V相外部端子161v及びW相外部端子161wの構成は、実施形態1の構成と同様である。よって、U相外部端子161u、V相外部端子161v及びW相外部端子161wの詳しい説明を省略する。
【0149】
このように、本実施形態では、3相の端子本体部163において、バスバー側接続部164と電力供給源側接続部165との間で電流が流れる通電経路の長さは、U相端子本体部163uよりもV相端子本体部163vの方が長く、V相端子本体部163vよりもW相端子本体部163wの方が長い。したがって、本実施形態においても、3相の端子本体部163において、バスバー側接続部164と電力供給源側接続部165との間で電流が流れる通電経路の長さは、3つの外部端子161のうち少なくとも2つの外部端子で異なる。
【0150】
図12に示すように、3相の外部端子161は、軸方向におけるそれぞれのバスバー側屈曲部1632の位置が同じ状態で、U相端子本体部163u、V相端子本体部163v及びW相端子本体部163wが厚み方向に重ねられている。
【0151】
軸方向における3相の端子本体部163の一方側では、実施形態1と同様に、U相バスバー側接続部164u、V相バスバー側接続部164v、W相バスバー側接続部164wは、軸方向から見て互いに重ならず、軸方向と直交する方向に並んで位置している。
【0152】
また、軸方向における3相の端子本体部163の他方側では、実施形態1と同様に、U相電力供給源側接続部165u、V相電力供給源側接続部165v、W相電力供給源側接続部165wは、径方向から見て互いに重ならず、軸方向に並んで位置している。
【0153】
具体的には、本実施形態では、3相のバスバー側接続部164は、軸方向と直交する方向に、V相、U相及びW相の順に並んでいる。3相の端子本体部163は、径方向内側から径方向外側に向かって、U相、V相及びW相の順に重ねられている。3相の電力供給源側接続部65は、軸方向の一方側から他方側に向かって、U相、V相及びW相の順に並んでいる。
【0154】
本実施形態においても、軸方向における3相の電力供給源側接続部165の並び順は、3相のバスバー側接続部164から延びる3相の端子本体部163の延伸方向の長さによって決まる。すなわち、本実施形態では、端子本体部163の延伸方向の長さは、U相、V相及びW相の順に長くなっている。このため、3相の電力供給源側接続部165は、軸方向の一方側から他方側に向かって、U相、V相及びW相の順に並んでいる。
【0155】
したがって、本実施形態においても、3相の端子本体部163の延伸方向の長さを変更することで、軸方向における3相の電力供給源側接続部165の並び順を変更することができる。
【0156】
このように、本実施形態においても、3相のバスバー151に接続される3相の外部端子161を変更することにより、3相の外部端子161における電力供給源側接続部165の位置を変えることができる。これにより、ステータ102のコイル126に接続されるバスバー151の配置を変えることなく、複数の外部端子161と電力供給源の各相の出力端子との接続位置を変えることができる。これにより、電力供給源の各相の出力端子の配置が異なる場合でも、モータ側の構成を変えることなく、モータのコイル126と電力供給源とを電気的に接続することができる。
【0157】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0158】
上記実施形態1、2では、コイル26,126は、3相のコイルを含む。しかしながら、コイルは、3相以外の複数相のコイルを含んでいてもよい。
【0159】
上記実施形態1では、コイル26は、2組の3相のコイルを含む。しかしながら、コイルは、1組または3組以上の3相のコイルを含んでいてもよい。
【0160】
上記実施形態2では、コイル126は、1組の3相のコイルを含む。しかしながら、コイルは、2組以上の3相のコイルを含んでいてもよい。
【0161】
上記実施形態1、2では、すべての第2コイル接続部33が、ステータコア21に対して軸方向一方側に位置し、すべての第1コイル接続部31が、ステータコア21に対して軸方向他方側に位置している。しかしながら、すべての第2コイル接続部がステータコアに対して軸方向他方側に位置していてもよい。すべての第1コイル接続部がステータコアに対して軸方向一方側に位置していてもよい。第2コイル接続部の一部がステータコアに対して軸方向一方側に位置していてもよい。第1コイル接続部の一部がステータコアに対して軸方向他方側に位置していてもよい。第2コイル接続部の一部がステータコアに対して軸方向他方側の端部に位置していてもよい。第1コイル接続部の一部がステータコアに対して軸方向一方側に位置していてもよい。
【0162】
上記実施形態1、2では、第1コイル端部34及び第2コイル端部35は、ステータコア21に対して、軸方向において第2コイル接続部33が位置する側に位置している。しかしながら、第1コイル端部は、ステータコアに対して軸方向一方側または軸方向他方側のいずれか一方に位置していればよい。また、第2コイル端部は、ステータコアに対して軸方向一方側または軸方向他方側のいずれか一方に位置していればよい。
【0163】
上記実施形態1、2では、3相の端子平面部631,1631の延伸方向の長さは、互いに異なり、各相の電力供給源側接続部65,165は、各相の端子平面部631,1631の端部で、それぞれ端子平面部631,1631に対して厚み方向に延びている。しかしながら、3相の端子平面部の延伸方向の長さは、互いに異なっていなくてもよく、各相の電力供給源側接続部が、各相の端子本体部の延伸方向の異なる位置で、それぞれ端子本体部に対して厚み方向に延びていればよい。
【0164】
上記実施形態1、2では、ステータコア21は円筒状である。しかしながら、ステータコアは、筒状であれば、円筒状以外であってもよい。
【0165】
上記実施形態1、2では、モータ1は、筒状のステータ2内にロータ3が中心軸Pを中心として回転可能に位置する、いわゆるインナーロータ型のモータである。しかしながら、モータは、筒状のロータ内にステータが位置する、いわゆるアウターロータ型のモータであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明は、剛性が高いコイルと外部機器とをバスバーを用いて電気的に接続するステータに利用可能である。
【符号の説明】
【0167】
1 モータ,2、102 ステータ,3 ロータ,21 ステータコア,22 ヨーク,23 ティース,24 スロット,26、126 コイル,26u、126u U相コイル,26v、126v V相コイル,26w、126w W相コイル,27 セグメントコイル,30 スロット収納部,31 第1コイル接続部,32 セグメントコイル端部,33 第2コイル接続部,34 第1コイル端部,35 第2コイル端部,40 コイルエンド部,50、150 バスバーユニット,51、151 バスバー,51u、151u U相バスバー,51v、151v V相バスバー,51w、151w W相バスバー.51n 中性点用バスバー,52、152 バスバーホルダ,53、153 バスバー本体部,53u、153u U相バスバー本体部,53v、153v V相バスバー本体部,53w、153w W相バスバー本体部,53n 中性点用バスバー本体部,54、154 バスバー接続部,54u、154u U相バスバー接続部,54v、154v V相バスバー接続部,54w、154w W相バスバー接続部,54n 中性点用バスバー接続部,55、155 外部端子接続部,55u、155u U相外部端子接続部,55v、155v V相外部端子接続部,55w、155w W相外部端子接続部,58u、158u U相接続端部,58v、158v V相接続端部,58w、158w W相接続端部,61、161 外部端子(端子),61u、161u U相外部端子,61v、161v V相外部端子,61w、161w W相外部端子,62、162 外部端子ホルダ,62a 凹部,63、163 端子本体部,63u、163u U相端子本体部,63v、163v V相端子本体部,63w、163w W相端子本体部,631、1631 端子平面部(平面部),631u、1631u U相端子平面部,631v、1631v V相端子平面部,631w、1631w W相端子平面部,632、1632 バスバー側屈曲部(屈曲部),64、164 バスバー側接続部,64u、164u U相バスバー側接続部,64v、164v V相バスバー側接続部,64w、164w W相バスバー側接続部,65、165 電力供給源側接続部,65u、165u U相電力供給源側接続部,65v、165v V相電力供給源側接続部,65w、165w W相電力供給源側接続部