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特許7571731情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021554116
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 JP2020032434
(87)【国際公開番号】W WO2021079615
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】P 2019191710
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 典之
【審査官】酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-112286(JP,A)
【文献】特開2016-033800(JP,A)
【文献】国際公開第2018/008226(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/067508(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0123750(US,A1)
【文献】特開2018-153354(JP,A)
【文献】特開2003-242527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
A63F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像の表示制御を実行するデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理装置。
【請求項2】
前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を有する仮想アイテム提供ユーザと、前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザの双方の手が、前記仮想アイテム取引ボックス内に入った状態で、前記仮想アイテムの受け渡し処理が実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザが、仮想アイテム提供ユーザが信用するユーザであることを示す認証識別マークが表示されたユーザである場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データ処理部は、
前記仮想アイテムを手に持った仮想アイテム提供ユーザと、仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザの双方の手が、前記仮想アイテム取引ボックス内に入った状態で、
前記仮想アイテム提供ユーザが手を開いた場合、前記仮想アイテムの表示位置を前記仮想アイテム受領ユーザの手側に移動させる仮想アイテム表示位置制御を実行する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの表示位置が、前記仮想アイテム受領ユーザの手側に移動した後、
前記仮想アイテム受領ユーザの手が仮想アイテムを持ったまま閉じられた場合、その後、仮想アイテム表示位置を前記仮想アイテム受領ユーザの手に追随させて表示する仮想アイテム表示位置制御を実行する請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データ処理部は、
予め規定した条件を満たす場合に、前記仮想アイテム取引ボックスを表示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を有する仮想アイテム提供ユーザと、前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザとの距離が規定距離以下になった場合に、前記仮想アイテム取引ボックスを表示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザが、前記AR画像の表示画面の規定領域内に表示された場合に、前記仮想アイテム取引ボックスを表示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記データ処理部は、
予め規定した条件を満たす場合に、前記仮想アイテム取引ボックスを非表示とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を有する仮想アイテム提供ユーザと、前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザとの距離が規定距離以上になった場合に、前記仮想アイテム取引ボックスを非表示とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザのユーザ識別処理を実行し、識別結果に基づいて取得するユーザ名を、前記仮想アイテム受領ユーザの近傍に表示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザが、仮想アイテム提供ユーザが信用するユーザであるか否かの信用度判定処理を実行し、信用するユーザであると判定した場合は、
前記仮想アイテム受領ユーザの近傍に認証識別マークを表示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記データ処理部は、
記憶部に格納されたユーザ間信用情報リストを参照して、前記信用度判定処理を実行する請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、
記憶部に格納されたリストであり、各ユーザの所有する仮想アイテムを登録したユーザ所有アイテムリストの登録データの更新処理を実行する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像を表示する表示部を有するユーザ端末と、
前記ユーザ端末と通信を実行し、前記ユーザ端末の表示部に表示するAR画像の表示制御を実行するサーバを有し、
前記サーバは、
前記ユーザ端末の表示部に対する仮想コンテンツの表示制御処理として、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理システム。
【請求項16】
前記サーバは、
前記ユーザ端末の表示部に表示されたAR画像において、前記仮想アイテムの所有権を有する仮想アイテム提供ユーザと、前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザの双方の手が、前記仮想アイテム取引ボックス内に入った状態で、前記仮想アイテムの受け渡し処理が実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記サーバは、
前記ユーザ端末の表示部に表示されたAR画像において、前記仮想アイテムを手に持った仮想アイテム提供ユーザと、前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザの双方の手が、前記仮想アイテム取引ボックス内に入った状態で、
前記仮想アイテム提供ユーザが手を開いた場合、前記仮想アイテムの表示位置を前記仮想アイテム受領ユーザの手側に移動させ、
さらに、前記仮想アイテム受領ユーザの手が、仮想アイテムを持ったまま閉じられた場合、その後、仮想アイテム表示位置を前記仮想アイテム受領ユーザの手に追随させて表示する仮想アイテム表示位置制御を実行する請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項18】
情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
前記情報処理装置は、実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像の表示制御を実行するデータ処理部を有し、
前記データ処理部が、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理方法。
【請求項19】
実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像を表示する表示部を有するユーザ端末と、
前記ユーザ端末と通信を実行し、前記ユーザ端末の表示部に表示するAR画像の表示制御を実行するサーバを有する情報処理システムにおいて実行する情報処理方法であり、
前記サーバが、
前記ユーザ端末の表示部に対する仮想コンテンツの表示制御処理として、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理方法。
【請求項20】
情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
前記情報処理装置は、実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像の表示制御を実行するデータ処理部を有し、
前記プログラムは、前記データ処理部に、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行させ、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行わせるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細には、現実に観察可能な実オブジェクトに仮想コンテンツを重畳して表示する拡張現実(AR:Augumented Reality)画像を利用して、仮想コンテンツの所有権をユーザ間で移転する処理を行う情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
実空間で観察可能な実オブジェクトや、実オブジェクト画像に仮想オブジェクトを重畳して表示した画像を拡張現実(AR:Augumented Reality)画像と呼ぶ。
【0003】
AR画像によるコンテンツ表示の一例として、例えば、実空間の人の画像を表示するとともに、仮想コンテンツを表示するといった処理が行われる。
具体的には、例えば、実在の複数の人がチームを組み、チーム同士で戦うといったバトル型ゲームコンテンツをAR画像として表示する場合、剣、ピストルといった様々な武器を仮想アイテム(仮想コンテンツ)として表示し、ユーザ(実在の人)が所有する武器を他のユーザに提供するといった処理を行う場合がある。
【0004】
例えば、「剣」等の仮想アイテムをユーザAからユーザBに提供すると、仮想アイテムである「剣」の所有権はユーザAからユーザBに移転することになる。
【0005】
しかし、仮想アイテムである「剣」を所有するユーザAがAR画像上に現れたユーザBに「剣」を渡したい場合、ユーザAは、「剣」をユーザBに差し出すといった処理を行うことになる。しかし、ユーザAによる「剣」を差し出す処理が、「剣」をユーザBに提供したいのか、「剣」を使ってユーザBと戦いたいのかAR画像を見ているユーザBは判別することができないという問題がある。
また、ユーザAが「剣」をユーザBに手渡した場合でも、ユーザAが「剣」をユーザBに一時的に貸したのか、完全に所有権を移転したのか不明確であるという問題もある。
【0006】
また、AR画像として表示された実空間上にユーザAが仮想アイテムを渡したいユーザBのみではなく、その他のユーザC,D,E等が表示されているような場合、仮想アイテムを確実にユーザBに渡すことが困難であるといった問題もある。
【0007】
なお、仮想アイテムとユーザとの関連付けに関する処理を開示した従来技術として、例えば特許文献1(特開2018-153354号公報)がある。
この特許文献1には、仮想アイテムである貨幣オブジェクトと所有ユーザとを関連づけて登録する処理を開示している。
具体的には、2人のユーザによる貨幣オブジェクトの手渡し処理によって貨幣オブジェクトの所有権が移転する等の処理である。
【0008】
しかし、この文献では、ユーサが貨幣オブジェクトを手に握るといった処理によって、その貨幣オブジェクトの所有権はそのユーザが取得する構成であり、以下のような問題がある。例えば、貨幣オブジェクトの所有ユーザが貨幣オブジェクトを落としてしまい、他のユーザに拾われると、貨幣オブジェクトの所有ユーザの意思に関係なく、所有権が移転されてしまうといった問題が発生する。
【0009】
また、特許文献2(特開2003-242527号公報)は、仮想物体の所有ユーザが仮想物体を渡したい相手ユーザを特定する処理を開示している。
この文献は、仮想物体の所有ユーザが仮想物体を手に持ち、仮想物体を投げ上げて相手ユーザに渡す処理を行う場合、仮想物体を投げ上げる動作を行う仮想物体所有ユーザが投げ上げ動作を行った瞬間、具体的には、手の移動速度が一定以下になった瞬間の視線方向にいるユーザを、仮想物体を渡す相手ユーザとして判定する構成である。
【0010】
この構成では、手を投げ上げる動作の解析や、視線解析を高精度に行う必要があり、これらの解析処理を行うための構成が不可欠となってしまうためコスト高になるという問題がある。
また、この開示構成では、具体的にはキャッチボールを行う場合のボールを仮想物体として、このボールを投げる際の投球相手を特定する構成について開示しているものであり、仮想物体の所有権の移転という概念については開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2018-153354号公報
【文献】特開2003-242527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本開示は、AR画像内に表示する仮想アイテム(仮想コンテンツ)の所有権移転処理をユーザ間で確実に認識しながら実行することを可能とした情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の第1の側面は、
実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像の表示制御を実行するデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理装置にある。
【0014】
さらに、本開示の第2の側面は、
実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像を表示する表示部を有するユーザ端末と、
前記ユーザ端末と通信を実行し、前記ユーザ端末の表示部に表示するAR画像の表示制御を実行するサーバを有し、
前記サーバは、
前記ユーザ端末の表示部に対する仮想コンテンツの表示制御処理として、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理システムにある。
【0015】
さらに、本開示の第3の側面は、
情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
前記情報処理装置は、実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像の表示制御を実行するデータ処理部を有し、
前記データ処理部が、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理方法にある。
【0016】
さらに、本開示の第4の側面は、
実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像を表示する表示部を有するユーザ端末と、
前記ユーザ端末と通信を実行し、前記ユーザ端末の表示部に表示するAR画像の表示制御を実行するサーバを有する情報処理システムにおいて実行する情報処理方法であり、
前記サーバが、
前記ユーザ端末の表示部に対する仮想コンテンツの表示制御処理として、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理方法にある。
【0017】
さらに、本開示の第5の側面は、
情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
前記情報処理装置は、実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像の表示制御を実行するデータ処理部を有し、
前記プログラムは、前記データ処理部に、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行させ、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行わせるプログラムにある。
【0018】
なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0019】
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本開示の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【0020】
本開示の一実施例の構成によれば、仮想アイテムの確実な所有権移転処理を行う装置、方法が実現される。
具体的には、例えば、実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR画像の表示制御を実行するデータ処理部を有する。データ処理部は、所有権が登録された仮想アイテムと、仮想アイテムの所有権移転のための仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、さらに、仮想アイテムの受け渡しが仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、仮想アイテムの所有権を移転させる。ユーザの手が仮想アイテム取引ボックス内に入った状態で、仮想アイテム提供ユーザが手を開くと仮想アイテムを仮想アイテム受領ユーザの手側に移動させて、所有権移転登録処理等を行う。
本構成により、仮想アイテムの確実な所有権移転処理を行う装置、方法が実現される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の情報処理装置の実行する処理について説明する図である。
図2】本開示の情報処理装置の実行する処理について説明する図である。
図3】本開示の情報処理装置の実行する処理について説明する図である。
図4】本開示の情報処理装置の実行する処理について説明する図である。
図5】本開示の情報処理装置の実行する処理について説明する図である。
図6】本開示の情報処理装置の記憶部に格納されたユーザリストの一例について説明する図である。
図7】本開示の情報処理装置の記憶部に格納されたユーザ間信用情報リストの一例について説明する図である。
図8】仮想アイテムの一例について説明する図である。
図9】仮想アイテムの取引処理の一例について説明する図である。
図10】本開示の情報処理装置の記憶部に格納されたユーザ所有アイテムリストの一例について説明する図である。
図11】本開示の情報処理装置のシステム構成例について説明する図である。
図12】本開示の情報処理装置のシステム構成例について説明する図である。
図13】本開示の情報処理装置のシステム構成例について説明する図である。
図14】本開示の情報処理装置のシステム構成例について説明する図である。
図15】本開示の情報処理装置のシステム構成例について説明する図である。
図16】本開示の情報処理装置のシステム構成例について説明する図である。
図17】本開示の情報処理装置のシステム構成例について説明する図である。
図18】本開示の情報処理装置の構成例について説明する図である。
図19】本開示の情報処理装置の実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
図20】本開示の情報処理装置の実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
図21】仮想アイテム取引ボックスの表示制御例について説明する図である。
図22】本開示の情報処理装置の実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
図23】本開示の情報処理装置の実行する処理の具体例について説明する図である。
図24】本開示の情報処理装置の実行する処理の具体例について説明する図である。
図25】本開示の情報処理装置のハードウェア構成例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本開示の情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行なう。
1.本開示の情報処理装置の実行する処理について
2.本開示の情報処理装置の実行する処理と保持リストについて
3.仮想コンテンツ表示制御、および仮想アイテム所有権移転制御を行う情報処理装置の構成例について
4.情報処理装置の構成例について
5.本開示の情報処理装置が実行する処理シーケンスについて
6.仮想アイテムの所有権移転処理の具体例について
7.情報処理装置のハードウェア構成例について
8.本開示の構成のまとめ
【0023】
[1.本開示の情報処理装置の実行する処理について]
まず、図1以下を参照して、本開示の情報処理装置の実行する処理について説明する。
【0024】
図1には、本開示の情報処理装置の一例である透過型HMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)11aを装着したユーザを示している。
透過型HMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)11aは、AR画像表示デバイスである。
【0025】
なお、本開示の情報処理装置は、図1に示すヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)の他、PC、スマホ、あるいはサーバ等、様々な装置として実現可能である。
本開示の情報処理装置は、拡張現実(AR:Augumented Reality)画像内に表示する仮想アイテム(仮想コンテンツ)の所有権の移転に関する制御を実行する。なお、以下の実施例において説明する仮想アイテムは仮想コンテンツであり、所有権が登録された仮想コンテンツである。
【0026】
仮想アイテムの移転制御処理は、図1に示すヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)内のデータ処理部において実行することも可能であり、その他、PC、スマホ、あるいはサーバ等、様々な装置において実行可能である。
これら、様々な装置を利用した例については後段で説明する。
【0027】
まず、図1以下を参照して、図1に示すヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)内のデータ処理部が仮想アイテムの移転制御処理を行うものとして、本開示の情報処理装置が実行する一連の処理について説明する。
【0028】
なお、ユーザには、「仮想アイテム提供ユーザ10」と、「仮想アイテム受領ユーザ20」がいる。
仮想アイテム提供ユーザ10は、AR画像表示デバイスである透過型HMD11a上に表示される仮想コンテンツである仮想アイテムを所有するユーザであり、所有する仮想アイテムを仮想アイテム受領ユーザ20に提供するユーザである。
仮想アイテム提供処理が実行されると、仮想アイテムの所有権が仮想アイテム提供ユーザ10から仮想アイテム受領ユーザ20に移転される。
この処理については後段で詳細に説明する。
【0029】
図1左側に示すユーザは、仮想アイテム提供ユーザ10である。
仮想アイテム提供ユーザ10は、目を覆うように透過型HMD11aを装着する。
【0030】
透過型HMD11aは透過型の表示部(ディスプレイ)を有する。透過型の表示部(ディスプレイ)をユーザの目の前の位置するように装着する。
【0031】
仮想アイテム提供ユーザ10は、透過型HMD11aの透過型の表示部(ディスプレイ)を介して外部の実オブジェクトをそのまま観察することができる。
さらに、透過型の表示部(ディスプレイ)に、仮想オブジェクト、例えばキャラクタや様々なアイテム画像等の仮想コンテンツ画像が表示される。
【0032】
仮想アイテム提供ユーザ10は、透過型HMD11aを介して外部の実オブジェクトと仮想コンテンツ画像を併せて観察することが可能となり、あたかもキャラクタやアイテム等の仮想コンテンツが実世界上に存在するかのような感覚を体感することができる。
【0033】
図1の右側には、仮想アイテム提供ユーザ10が透過型HMD11aを介して観察可能な画像の例を示している。
【0034】
(1)表示画像@t1は、時間=t1において、仮想アイテム提供ユーザ10が透過型HMD11aにおいて観察する画像の一例である。この表示画像は、外部の実オブジェクト画像21のみから構成されている。
【0035】
この表示画像には、仮想アイテム受領ユーザ20が含まれる。仮想アイテム受領ユーザ20は実オブジェクトであり、実在するユーザである。仮想アイテム受領ユーザ20も、仮想アイテム提供ユーザ10と同様の透過型HMD11bを装着している。
【0036】
(2)表示画像@t2は、次の時間=t2における表示画像である。この時間t2の表示画像は、時間t1の表示画像に仮想コンテンツ13を追加表示した画像である。
仮想コンテンツ13は、仮想アイテム受領ユーザ20の「ユーザ名(Alice)」と、この仮想アイテム受領ユーザ20が信頼できる認証済みのユーザであることを示す「認証識別マーク」によって構成される。
【0037】
仮想アイテム受領ユーザ20のIDとその位置は、仮想アイテム受領ユーザ20が装着している透過型HMD11bに設定されたIDおよびその位置によって認識される。なお、HMDを用いないケースにおいては、カメラを用いてもよい。例えば、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aのカメラ12によって撮影された人物の顔画像に基づいて、ユーザ識別処理を実行して、識別したユーザの名前を表示してもよい。
さらに識別されたユーザ(本例ではAlice)が、仮想アイテム提供ユーザ10の信頼する「信用ユーザ」であると判定された場合には、「信用ユーザ」であることを示す「認証識別マーク」が表示される。
【0038】
これらのユーザ名や、認証識別マークの表示制御は、情報処理装置のデータ処理部が実行する。本例では、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aのデータ処理部が実行する。
この処理の詳細については、後段で説明する。
【0039】
次に、図2以下を参照して、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aに表示される時間=t3以降の画像例について説明する。
【0040】
図2(3)表示画像@t3は、時間t2に続く時間=t3において、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aに表示される画像である。
【0041】
この時間t3の表示画像には、取引対象となる仮想コンテンツである仮想アイテム31が表示される。
仮想アイテム31は、仮想アイテム提供ユーザ10が所有権を有する仮想アイテムであり、仮想アイテム提供ユーザ10の手に握られた状態で表示が実行される。
【0042】
なお、表示画像@t3に示されている仮想アイテム提供ユーザ10の手は実オブジェクト、すなわち仮想アイテム提供ユーザ10の実際の手である。ただし、仮想アイテム提供ユーザ10の手の画像を仮想コンテンツとして表示してもよい。
【0043】
この時間t3の表示画像には、仮想コンテンツとして、仮想アイテム31の他、さらに、仮想アイテム取引ボックス32が表示される。
仮想アイテム取引ボックス32は、仮想アイテム31の取引処理、すなわち仮想アイテムの所有権移転処理を行うための取引実行領域として表示されるボックスである。
【0044】
なお、以下の実施例の説明では、仮想アイテム取引ボックス32を円柱状の空間領域とした例を説明するが、仮想アイテム取引ボックス32の領域は、様々な設定が可能である。例えば、立方体形状や球状の3次元空間領域としてもよい。また、画面上に設定される平面的な円領域や矩形領域とすることも可能である。
以下の実施例では、仮想アイテム取引ボックス32を円柱状の空間領域として説明する。
【0045】
仮想アイテム取引ボックス32は、予め規定した表示条件を満たした場合に表示されるボックスである。
仮想アイテム取引ボックス32を表示する条件とは例えば、以下のような条件である。
(a)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」と、仮想アイテム提供ユーザ10との距離が、予め規定したしきい値距離以下となったこと、
例えば、上記(a)の条件を満足する場合に仮想アイテム取引ボックス32を表示する。
【0046】
この条件判定処理や、表示制御処理は、情報処理装置のデータ処理部において実行される。本例では、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aのデータ処理部が実行する。
【0047】
なお、仮想アイテム取引ボックス32を表示する条件は、上記条件(a)に限らず、例えば、以下のような条件(b)としてもよい。
(b)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」が、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aの規定領域内に表示されたこと、
例えば、上記(b)の条件を満足する場合に仮想アイテム取引ボックス32を表示するといった設定も可能である。
【0048】
図2(4)表示画像@t4は、時間t3に続く時間=t4において、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aに表示される画像である。
【0049】
この時間t4の表示画像では、取引対象となる仮想コンテンツである仮想アイテム31を握った仮想アイテム提供ユーザ10が手を伸ばして、仮想アイテム31を仮想アイテム取引ボックス32の内部に入れた状態を示している。
【0050】
この処理は、仮想アイテム提供ユーザ10が実際に手を伸ばすことで行われる。
なお、仮想アイテム提供ユーザ10は、実際には何も持っていないが、表示画像としては、仮想アイテム31を握った状態の手が表示されることになる。
情報処理装置のデータ処理部は、仮想アイテム提供ユーザ10の手の移動に併せて、仮想アイテム31の表示位置を変更する表示制御を実行する。
【0051】
図2(4)表示画像@t4に示すように、仮想アイテム提供ユーザ10が手を伸ばして、仮想アイテム31を仮想アイテム取引ボックス32の内部に入れる処理が、仮想アイテム提供ユーザ10が仮想アイテム31を他のユーザに渡す意思があることの意思表明になる。
ここでは、仮想アイテム提供ユーザ10は、仮想アイテム受領ユーザ20に対して仮想アイテム31を提供すること、すなわち所有権を移転する意思を示したことになる。
【0052】
次に図3を参照してその後の処理について説明する。
図3(5)表示画像@t5は、時間t4に続く時間=t5において、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aに表示される画像である。
【0053】
この時間t5の表示画像は、仮想アイテム提供ユーザ10が仮想アイテム31を仮想アイテム取引ボックス32の内部に手を入れた状態で、さらに、仮想アイテム受領ユーザ20が仮想アイテム取引ボックス32の内部に手を入れた状態を示す画像である。
【0054】
仮想アイテム受領ユーザ20が仮想アイテム取引ボックス32の内部に手を入れる処理は、仮想アイテム受領ユーザ20が仮想アイテム31を受領する意思があることを示す処理になる。
【0055】
図3(6)表示画像@6は、時間t5に続く時間=t6において、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aに表示される画像である。
【0056】
この時間t6の表示画像は、仮想アイテム提供ユーザ10が仮想アイテム31を離して仮想アイテム取引ボックス32から手を抜き、一方、仮想アイテム受領ユーザ20が仮想アイテム取引ボックス32の内部で仮想アイテム31を握った状態を示す画像である。
【0057】
この処理により、仮想アイテム31の所有権は、仮想アイテム提供ユーザ10から、仮想アイテム受領ユーザ20に移転される。
【0058】
情報処理装置は、各仮想アイテム単位の所有権リストを記憶部に格納しており、仮想アイテムの所有権が移転した場合、このリストの登録情報を更新する。
この例では、仮想アイテム31の所有権を仮想アイテム提供ユーザ10から、仮想アイテム受領ユーザ20に変更するリスト更新処理を実行する。
この処理の詳細についても後段で説明する。
【0059】
さらに、図4(7)表示画像@7は、時間t6に続く時間=t7において、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aに表示される画像である。
【0060】
この時間t7の表示画像は、仮想アイテム受領ユーザ20が仮想アイテム31を握ったまま、仮想アイテム取引ボックス32から手を抜いた状態を示している。
【0061】
さらに、図4(8)表示画像@8は、時間t7に続く時間=t8において、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aに表示される画像である。
【0062】
この時間t8の表示画像は、仮想アイテム受領ユーザ20が仮想アイテム31を持ったまま移動した状態を示している。
さらに、この時間t8の表示画像では、仮想アイテム取引ボックス32の表示が消され、非表示状態となっている。
【0063】
情報処理装置は、予め規定した条件を満たした場合、仮想アイテム取引ボックス32の表示を消し、非表示状態に変更する。
仮想アイテム取引ボックス32の表示を消す条件とは例えば、以下のような条件である。
(a)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」と、仮想アイテム提供ユーザ10との距離が、予め規定したしきい値距離以上となったこと、
例えば、上記(a)の条件を満足する場合に仮想アイテム取引ボックス32の表示を消し、非表示とする。
【0064】
この条件判定処理や、表示制御処理は、情報処理装置のデータ処理部において実行される。本例では、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aのデータ処理部が実行する。
【0065】
なお、仮想アイテム取引ボックス32を非表示にする条件は、上記条件(a)に限らず、例えば、以下のような条件としてもよい。
(b)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」が、仮想アイテム提供ユーザ10が装着する透過型HMD11aの規定領域内から規定領域外に出たこと、
(c)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」の手が、仮想アイテム取引ボックス32から抜かれたこと、
(d)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」の位置が、仮想アイテム取引ボックス32から規定距離以上、離れたこと、
例えば、上記(b)~(d)いずれかの条件を満足する場合に仮想アイテム取引ボックス32の表示を消し、非表示状態に変更するといった処理を行ってもよい。
【0066】
以上、図1図4を参照して仮想アイテムの所有権移転処理の一連のシーケンスについて説明した。
【0067】
[2.本開示の情報処理装置の実行する処理と保持リストについて]
次に、図5以下を参照して、本開示の情報処理装置が実行する処理と、情報処理装置の記憶部に格納されるリストについて説明する。
【0068】
図5は、本開示の情報処理装置が実行する処理を大きく3つの処理ステップ、すなわちステップS01~S03の処理に区分し説明する図である。
以下、各ステップの処理について、順次、説明する。
【0069】
(ステップS01)
本開示の情報処理装置は、まず、ステップS01において、仮想アイテムの所有権を移転する取引処理の実行前の処理として、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)のユーザ識別処理を実行する。さらに、その後、ユーザ識別に成功した取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)に対する認証処理(信用度確認処理)を実行する。
【0070】
この取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)に対する認証処理(信用度確認処理)が成功し、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)が信用できるユーザであると判定された場合に限り、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)の近傍に認証識別マーク(バッジなど)を表示する。
【0071】
このステップS01の処理は、先に図1を参照して説明した(1)表示画像@t1から(2)表示画像@t2へ移行する際の処理に相当する。
【0072】
情報処理装置は、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)のユーザ識別処理を実行する際、情報処理装置の記憶部に格納されたユーザリストを参照する。
情報処理装置の記憶部に格納されたユーザリストの具体例を図6に示す。
【0073】
図6に示すように、ユーザリストには、以下の各データが対応付けて登録されている。
(a)ユーザID
(b)ユーザ名
(c)ユーザ顔画像
【0074】
本開示のシステムを利用するユーザは、予めユーザ登録を実行する。具体的には、ユーザ名と顔画像の登録処理を行う。
情報処理装置は、情報処理装置が表示制御を行う表示部内に新たなユーザが検出された場合、まず、そのユーザの識別処理を実行する。
【0075】
なお、前述したように仮想アイテム受領ユーザ20のIDとその位置は、仮想アイテム受領ユーザ20が装着している透過型HMD11bに設定されたIDおよびその位置によって識別することができる。
なお、HMDを用いないケースにおいては、情報処理装置のカメラによって撮影されたカメラ撮影画像と、ユーザリストに登録された顔画像を比較して、撮影画像に一致度の高い登録顔画像を抽出する処理を行ってもよい。さらに、抽出した登録顔画像のエントリに記録されたユーザ名を、検出されたユーザの近傍に、仮想コンテンツとして表示する処理を行う。
例えば、先に図1図4を参照して説明した[Alice]等のユーザ名の表示を行う。
【0076】
さらに、情報処理装置は、その後、ユーザ識別に成功した取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)に対する認証処理(信用度確認処理)を実行する。
【0077】
この取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)に対する認証処理(信用度確認処理)が成功し、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)が信用できるユーザであると判定された場合に限り、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)の近傍に認証識別マーク(バッジなど)を表示する。
【0078】
ユーザ識別に成功した取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)に対する認証処理(信用度確認処理)は、情報処理装置の記憶部に格納されたユーザ間信用情報リストを参照して実行する。
【0079】
情報処理装置の記憶部に格納されたユーザ間信用情報リストの具体例を図7に示す。
ユーザ間信用情報リストは、図7に示すように、以下の2つのリストによって構成される。
(2-1)信用ユーザリスト
(2-2)拒否ユーザリスト
【0080】
(2-1)信用ユーザリストは、あるユーザ((a)ユーザID)が信用するユーザ((b)信用ユーザ)を登録したリストである。
図に示すように、(a)ユーザIDと、(b)信用ユーザIDとの対応データを登録している。
【0081】
信用ユーザリスト内の項目「(a)ユーザID」に記録されたユーザIDを持つユーザが信用するユーザのユーザIDが項目「(b)信用ユーザID」に登録される。
このリストは、例えば、各ユーザが、自分が信用する「信用ユーザ」を情報処理装置に通知することで生成、更新される。
情報処理装置のデータ処理部は、通知を行ったユーザのユーザIDを項目「(a)ユーザID」に記録し、通知に含まれる「信用ユーザ」のユーザIDを項目「(b)信用ユーザ」に記録する。
【0082】
一方、(2-2)拒否ユーザリストは、あるユーザ((a)ユーザID)が信用しないユーザ((b)拒否ユーザ)を登録したリストである。
図に示すように、(a)ユーザIDと、(b)拒否ユーザIDとの対応データを登録している。
【0083】
拒否ユーザリスト内の項目「(a)ユーザID」に記録されたユーザIDを持つユーザが信用しないユーザのユーザIDが項目「(b)拒否ユーザID」に登録される。
このリストも、例えば、各ユーザが、自分が信用しない「拒否ユーザ」を情報処理装置に通知することで生成、更新される。
情報処理装置のデータ処理部は、通知を行ったユーザのユーザIDを項目「(a)ユーザID」に記録し、通知に含まれる「拒否ユーザ」のユーザIDを項目「(b)拒否ユーザ」に記録する。
【0084】
図7に示す、
(2-1)信用ユーザリスト
(2-2)拒否ユーザリスト
これらのリストの記録データは、図7右下に示すユーザ(ユーザID=001~004の信用、拒否関係に従ったデータを登録したリストに相当する。
【0085】
このように、情報処理装置の記憶部には、各ユーザが信用する信用ユーザを登録した信用ユーザリストと、各ユーザが信用しない拒否ユーザを登録した拒否ユーザリストの2つのリストによって構成されるユーザ間信用情報リストが記録されている。
【0086】
図5に示すステップS01において、情報処理装置は以下の処理を実行する。
情報処理装置は、ユーザ間信用情報リストを参照して、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)に対する認証処理(信用度確認処理)を実行する。
図7(2-1)に示す信用ユーザリストに、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)のユーザIDが、仮想アイテム提供ユーザの「信用ユーザ」として登録されている場合には、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)が「信用ユーザ」であると判定する。この場合、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)の近傍に認証識別マーク(バッジなど)を表示する。
【0087】
一方、図7(2-1)に示す信用ユーザリストに、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)のユーザIDが、仮想アイテム提供ユーザの「信用ユーザ」として登録されていない場合には、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)は「信用ユーザ」でないと判定する。この場合、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)の近傍に認証識別マーク(バッジなど)を表示する処理は実行されない。
この場合、図5のステップS02以降の仮想アイテム取引処理は実行されない。
【0088】
取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)が「信用ユーザ」であると判定され、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)の近傍に認証識別マーク(バッジなど)の表示処理を実行した場合に限り、図5に示すステップS02以下の処理を実行する。
【0089】
(ステップS02)
情報処理装置は、ステップS02において以下の処理を実行する。
仮想アイテム提供ユーザが、取引対象となる仮想アイテム(あるいは、仮想アイテムに紐づけられたマーカー)を手に持った状態で、認証済みの取り引き相手(仮想アイテム受領ユーザ)に近づくと、取り引き相手(仮想アイテム受領ユーザ)付近に仮想アイテム取引ボックスを表示する。
【0090】
このステップS02の処理は、先に図1図2を参照して説明した(2)表示画像@t2から(3)表示画像@t3へ移行する際の処理に相当する。
【0091】
情報処理装置は、仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行する。
先に説明したように、仮想アイテム取引ボックスの表示条件は例えば、以下のような条件である。
(a)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」と、仮想アイテム提供ユーザとの距離が、予め規定したしきい値距離以下となったこと、
情報処理装置は、例えば、上記(a)の条件を満足すると判定した場合に仮想アイテム取引ボックスの表示処理を実行する。
【0092】
なお、前述したように、仮想アイテム取引ボックスの表示条件は、上記条件(a)に限らず、例えば、以下のような条件(b)としてもよい。
(b)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」が、仮想アイテム提供ユーザが装着する透過型AR画像表示デバイスの規定領域内に表示されたこと、
例えば、上記(b)の条件を満足する場合に仮想アイテム取引ボックスを表示するといった設定も可能である。
【0093】
なお、情報処理装置は、取引対象となる仮想アイテムが手に持てる程度の小さいものである場合は、その仮想アイテムをそのまま手に握った状態で表示する。しかし、取引対象となる仮想アイテムが手に持てる程度の小さいものでなく大きいものである場合、あるいは、例えば地位、ステータス、ライセンス、資格情報等の無形物であるような場合は、仮想アイテム自身の表示を行わず、仮想アイテムに紐づけられたマーカーの表示を行う構成としてもよい。
【0094】
この具体例について、図8を参照して説明する。
図8に示す例は、取引対象の仮想アイテム31が家である場合の例である。家自体は大きく、ユーザの手に持つことができない。なお、この家は仮想コンテンツである。
このような場合、仮想アイテムである家に紐づけられた代替仮想アイテム35、例えばコイン、カード、アイコン、ミニチュア等の代替仮想アイテム35を手に持つように表示する。
【0095】
(ステップS03)
図5に戻り、最後のステップ03の処理について説明する。
ステップS02において仮想取り引きボックスの表示処理が行われた後、情報処理装置は、ステップS03において以下の処理を実行する。
【0096】
仮想アイテム取引ボックス内に、仮想アイテム提供ユーザと、仮想アイテム受領ユーザの両者が手を入れた状態で、仮想アイテムを、取り引き相手(仮想アイテム受領ユーザ)に手渡す処理が行われたことの検出に従って、仮想アイテムの所有権を移転する。
【0097】
仮想アイテム取引ボックス内で、仮想アイテムを、仮想アイテム提供ユーザから、仮想アイテム受領ユーザに手渡す処理の具体例について、図9を参照して説明する。
【0098】
図9(a)に示す状態は、仮想アイテム取引ボックス内に、仮想アイテム提供ユーザ10と、仮想アイテム受領ユーザ20の両者が手を入れた初期状態を示している。
この初期状態では、仮想アイテム提供ユーザ10が取引対象である仮想アイテム31を手に握って保持した状態である。
仮想アイテム受領ユーザ20は手を開いており、何も保持していない状態にある。
【0099】
次に、仮想アイテム31が、仮想アイテム提供ユーザ10から仮想アイテム受領ユーザ20に提供されることで、図9(b)に示す状態となる。
図9(b)に示す状態は、仮想アイテム受領ユーザ20が取引対象である仮想アイテム31を手に握って保持した状態である。
仮想アイテム受領ユーザ10は手を開いており、何も保持していない状態にある。
【0100】
情報処理装置は、例えば、仮想アイテム提供ユーザ10が手を握った状態から手を開く状態に移行したことを検出して、仮想アイテム31の表示位置を仮想アイテム受領ユーザ20の手の位置に移動させる表示制御を行う。
仮想アイテム受領ユーザ20は、この状態で手を握ると、情報処理装置は、その後、仮想アイテム31を、仮想アイテム受領ユーザ20の手の位置に追随させて表示する。
情報処理装置は、例えばこのような表示制御を実行する。
なお、ユーザの手の握りや開く動作の検出は、例えばカメラ撮影画像の解析によって実行する。
【0101】
ただし、このように仮想アイテムを異なるユーザの手の間で移動させる処理は、2人のユーザの手が仮想アイテム取引ボックス32の内部にある場合に限られる。
仮想アイテム取引ボックス32の外部空間で、2人のユーザの手が近づいても、仮想アイテムを異なるユーザの手の間で移動させる処理は実行しない。
【0102】
すなわち、情報処理装置は、仮想アイテムの所有権移転処理を、2人のユーザの手が仮想アイテム取引ボックス32の内部にある場合に限り実行する。
2人のユーザの手が仮想アイテム取引ボックス32の内部にあり、仮想アイテムを2人のユーザの手の間で移動させた場合、情報処理装置は、さらに、仮想アイテムの所有権登録情報を更新する。
【0103】
情報処理装置は、記憶部にユーザ所有アイテムリストを保持しており、このリストの更新処理を実行する。
図10を参照して、ユーザ所有アイテムリストの更新処理の具体例について説明する。
【0104】
図10には、以下の更新処理前後の2つのユーザ所有アイテムリストを示している。
(3-1)ユーザ所有アイテムリスト(更新前)
(3-2)ユーザ所有アイテムリスト(更新後)
【0105】
図10に示すようにユーザ所有アイテムリストは、以下の各データの対応データによって構成される。
(a)ユーザID
(b)所有アイテム名
(c)所有アイテム数
【0106】
例えば、(3-1)ユーザ所有アイテムリスト(更新前)の第1番目のエントリは、
(a)ユーザI=001
(b)所有アイテム名=星
(c)所有アイテム数=3
これらの登録データが記録されている。
これは、ユーザID=001のユーザが仮想アイテム(星)を3つ所有していることを示すデータである。
【0107】
例えば、図9を参照して説明したような仮想アイテム(星)のユーザ間取引が行われると、情報処理装置は、図10に示すユーザ所有アイテムリストの更新処理を実行する。
ユーザID=001のユーザから、ユーザID=002のユーザに対して、仮想アイテム(星)が提供されたとする。
この場合、情報処理装置は、
(3-1)ユーザ所有アイテムリスト(更新前)
このリスト登録データを、
(3-2)ユーザ所有アイテムリスト(更新後)
このリスト登録データに変更する処理を行う。
【0108】
(3-1)ユーザ所有アイテムリスト(更新前)では、
ユーザID=001の仮想アイテム(星)の所有アイテム数=3
ユーザID=002の仮想アイテム(星)の所有アイテム数=1
である。
ユーザID=001のユーザから、ユーザID=002のユーザに対して、仮想アイテム(星)が提供されると、(3-2)ユーザ所有アイテムリスト(更新後)に示すように登録データを以下のように変更するリスト更新処理を実行する。
ユーザID=001の仮想アイテム(星)の所有アイテム数=2
ユーザID=002の仮想アイテム(星)の所有アイテム数=2
である。
【0109】
情報処理装置は、このように、仮想アイテムの取引処理の際に記憶部に格納したユーザ所有仮想アイテムリストの更新処理を行う。
これらの処理によって、ユーザ間の仮想アイテムの取引処理、すなわち所有権移転処理を安全、確実に実行することができる。
【0110】
本開示の処理では、仮想アイテムの取引処理、すなわち所有権移転処理は、以下の条件の下に実行される。
(条件1)仮想アイテム受領ユーザが、仮想アイテム提供ユーザが信頼できると認定したユーザであること。
(条件2)仮想アイテム提供ユーザの手と、仮想アイテム提供ユーザが信頼できると認定したユーザである仮想アイテム受領ユーザの手が共に仮想アイテム取引ボックス内にあること。
これらの(条件1)、(条件2)の2つの条件を満足する場合にのみ、仮想アイテムの取引処理が可能となる。
【0111】
このような一定条件下でのみ仮想アイテムの所有権移転を可能としたことにより、仮想アイテム所有者の意図に反した誤った仮想アイテムの所有権移転の発生等を防止することができる。
【0112】
本開示の構成では、仮想アイテムの所有権移転を行うためには、仮想アイテムの所有権を譲渡したいユーザと、仮想アイテムの所有権を取得したいユーザは、双方が手を仮想アイテム取引ボックス内に入れることが必要である。従って、仮想アイテムの所有権を譲渡したいユーザと、仮想アイテムの所有権を取得したいユーザの双方が、仮想アイテムの所有権の移転に同意していることを確認した上で、仮想アイテムの所有権を移転することができる。
【0113】
[3.仮想コンテンツ表示制御、および仮想アイテム所有権移転制御を行う情報処理装置の構成例について]
次に、仮想コンテンツ表示制御、および仮想アイテム所有権移転制御を行う情報処理装置の構成例について説明する。
【0114】
図1図4を参照して説明した処理例では、仮想コンテンツ表示制御、および仮想アイテム所有権移転制御を行う情報処理装置として、ユーザの装着したヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)型の透過型AR画像表示デバイスを用いた実施例について説明した。
【0115】
先に説明したように、本開示の情報処理装置としては、図1他に示すヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)の他、PC、スマホ、あるいはサーバ等、様々な装置として実現可能である。
以下、様々な情報処理装置の例、すなわち、仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御を行う情報処理装置の具体例について説明する。
【0116】
図11は、ヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)に接続されたPC13を仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御を行う情報処理装置とした例である。
【0117】
PC13は、ヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)の表示部の表示データの制御を行う。すなわち、ヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)の表示部に取引対象となる仮想アイテムや、仮想アイテム取引ボックス、さらに、取引相手のユーザ名、認証識別マーク等の様々な仮想コンテンツを表示し、これら仮想コンテツの表示制御を実行する。
さらに、PC13の記憶部には、先に図6図7図10を参照して説明したユーザリスト、ユーザ所有アイテムリスト、ユーザ間信用情報リストが格納され、PC13のデータ処理部は、これらのリストを参照して、仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御処理を実行する。
【0118】
図12は、ヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)と通信を実行するスマホ(スマートフォン)14を仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御を行う情報処理装置とした例である。
【0119】
スマホ14は、ヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)の表示部の表示データの制御を行う。すなわち、ヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)の表示部に取引対象となる仮想アイテムや、仮想アイテム取引ボックス、さらに、取引相手のユーザ名、認証識別マーク等の様々な仮想コンテンツを表示し、これら仮想コンテツの表示制御を実行する。
さらに、スマホ14の記憶部には、先に図6図7図10を参照して説明したユーザリスト、ユーザ所有アイテムリスト、ユーザ間信用情報リストが格納され、スマホ14のデータ処理部は、これらのリストを参照して、仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御処理を実行する。
【0120】
図13は、ヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)を利用せず、PC13やスマホ14の表示部にカメラが撮影した実画像と仮想コンテンツを表示する構成である。PC13やスマホ14に備えられたカメラによって撮影された実画像に仮想コンテンツを重畳して表示する。
【0121】
PC13やスマホ14のデータ処理部は、PC13やスマホ14の表示部に取引対象となる仮想アイテムや、仮想アイテム取引ボックス、さらに、取引相手のユーザ名、認証識別マーク等の様々な仮想コンテンツを表示し、これら仮想コンテンツの表示制御を実行する。
【0122】
さらに、PC13やスマホ14の記憶部には、先に図6図7図10を参照して説明したユーザリスト、ユーザ所有アイテムリスト、ユーザ間信用情報リストが格納され、PCのデータ処理部は、これらのリストを参照して、仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御処理を実行する。
【0123】
なお、PC13やスマホ14は通信部を介して遠方の他のユーザのPCやスマホと通信を行う。
仮想アイテム提供ユーザ10側のPC13やスマホ14は、仮想アイテム提供ユーザ10と離れた場所にいる仮想アイテム受領ユーザ20側の装置と通信を実行し、各装置が各装置の表示部に対する仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御処理を実行する。
【0124】
なお、図13に示す例では、例えば、遠隔にいる仮想アイテム受領ユーザ20側の情報処理装置であるPC13bに備えられたカメラによって撮影された実画像を、仮想アイテム提供ユーザ10側の情報処理装置であるPC13やスマホ14に表示することが可能である。PC13やスマホ14は、この実画像上に仮想アイテムや仮想取引ボックスを表示して、仮想アイテムの取引制御を行うことができる。
【0125】
すなわち、仮想アイテム提供ユーザ10から離れた遠隔にいる仮想アイテム受領ユーザ20との間でも、先に図1図4を参照して説明したと同様の処理により、仮想アイテムの所有権移転処理を行うことができる。
【0126】
図14に示す例は、ヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)を利用した例であるが、図14に示すヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)は先に図1他を参照して説明した透過型HMDではなく、非透過型HMD15を利用した例である。
【0127】
非透過型HMD15の表示部には、非透過型HMD15に備えられたカメラ12によって撮影された実オブジェクトと、取引対象となる仮想アイテムや、仮想アイテム取引ボックス、さらに、取引相手のユーザ名、認証識別マーク等の様々な仮想コンテンツを表示する。
さらに、非透過型HMD15のデータ処理部が、仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御を行う。
【0128】
この構成においても、非透過型HMD15は通信部を介して遠方の他のユーザの非透過型HMD15bと通信を行うことが可能である。
また、非透過型HMD15の表示部に、仮想アイテム提供ユーザ10から離れた遠隔にいる仮想アイテム受領ユーザ20が装着した非透過型HMD15bに備えられたカメラ12によって撮影された実オブジェクトを表示することも可能である。
【0129】
仮想アイテム提供ユーザ10側の非透過型HMD15は、仮想アイテム提供ユーザ10と離れた場所にいる仮想アイテム受領ユーザ20側の非透過型HMD15bと通信を実行し、各装置が各装置の表示部に対する仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御処理を実行する。
【0130】
この図14に示す構成においても、先に説明した図13に示す構成と同様、仮想アイテム提供ユーザ10から離れた遠隔にいる仮想アイテム受領ユーザ20との間でも、先に図1図4を参照して説明したと同様の処理により、仮想アイテムの所有権移転処理を行うことができる。
【0131】
図15に示す例は、図14と同様、非透過型HMD15を利用した例である。図15に示す非透過型HMD15は、PC13、またはスマホ(スマートフォン)14と接続されている。
【0132】
図15に示す構成では、非透過型HMD15に接続されたPC13、またはスマホ14が仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御を行う。
【0133】
PC13、またはスマホ14は、非透過型HMD15の表示部の表示データの制御を行う。すなわち、非透過型HMD15の表示部に取引対象となる仮想アイテムや、仮想アイテム取引ボックス、さらに、取引相手のユーザ名、認証識別マーク等の様々な仮想コンテンツを表示し、これら仮想コンテツの表示制御を実行する。
【0134】
非透過型HMD15の表示部には、非透過型HMD15に備えられたカメラ12によって撮影された実オブジェクトと、取引対象となる仮想アイテムや、仮想アイテム取引ボックス、さらに、取引相手のユーザ名、認証識別マーク等の様々な仮想コンテンツが表示される。
【0135】
さらに、PC13、またはスマホ14の記憶部には、先に図6図7図10を参照して説明したユーザリスト、ユーザ所有アイテムリスト、ユーザ間信用情報リストが格納され、PC13、またはスマホ14のデータ処理部は、これらのリストを参照して、仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御処理を実行する。
【0136】
この構成においても、PC13、またはスマホ14は通信部を介して遠方の他のユーザの情報処理装置、例えば、HMDやPC、またはスマホ等の情報処理装置と通信を行うことが可能である。
仮想アイテム提供ユーザ10側のPC13、またはスマホ14等の情報処理装置は、仮想アイテム提供ユーザ10と離れた場所にいる仮想アイテム受領ユーザ20側の情報処理装置との間で通信を実行し、各ユーザの情報処理装置が仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御処理を実行する。
【0137】
この図15に示す構成においても、先に説明した図13図14に示す構成と同様、仮想アイテム提供ユーザ10から離れた遠隔にいる仮想アイテム受領ユーザ20との間でも、先に図1図4を参照して説明したと同様の処理により、仮想アイテムの所有権移転処理を行うことができる。
【0138】
図16に示す例は、複数のユーザ端末、例えばHMD、PC、スマホ等のユーザ端末に接続された管理サーバ50を有する構成例である。
この構成では、管理サーバ50が、ネットワークに接続されたユーザ端末(HMD、PC、スマホ等)の表示部の表示データの制御を行う。すなわち、各ユーザ端末の表示部に取引対象となる仮想アイテムや、仮想アイテム取引ボックス、さらに、取引相手のユーザ名、認証識別マーク等の様々な仮想コンテンツを表示し、これら仮想コンテツの表示制御を実行する。
【0139】
この構成では、管理サーバ50の記憶部に、先に図6図7図10を参照して説明したユーザリスト、ユーザ所有アイテムリスト、ユーザ間信用情報リストが格納されており、管理サーバ50のデータ処理部が、これらのリストを参照して、各ユーザ端末に対する仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御処理を実行する。
【0140】
この構成では、HMDやPC、スマホ等のユーザ端末は通信部を介して管理サーバ50や、他ユーザのユーザ端末と通信することが可能である。仮想アイテム提供ユーザ10と離れた場所にいる仮想アイテム受領ユーザ20側の情報処理装置との間で直接、あるいは管理サーバ50を介した通信を実行することが可能となる。
この構成では、管理サーバ50が、ユーザ端末の仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御処理を実行する。
【0141】
図17は、図16に示す管理サーバ50がネットワーク接続されたユーザ端末の表示コンテンツの制御を行う構成のネットワーク構成の一例を示す図である。
図17に示すように、管理サーバ50は、HMD、スマホ、PC等、様々なユーザ端末71~75と接続されており、各ユーザ端末との通信を実行する。
【0142】
管理サーバ50は、これら各ユーザ端末71~75の表示部に対する仮想コンテンツの表示制御や、仮想アイテムの所有権移転制御処理を実行する。
【0143】
[4.情報処理装置の構成例について]
次に、本開示の情報処理装置の構成例について説明する。
前述したように本開示の情報処理装置は、例えば図1に示す透過型HMDの他、PC、スマホ、非透過型HMD、サーバ等によって構成される。
これらの情報処理装置は、ユーザの観察する表示部に対する仮想コンテンツの表示制御や、仮想コンテンツの一つである仮想アイテムの所有権移転処理制御等を実行する。
【0144】
図18に本開示の情報処理装置100の一構成例を示す。
図18に示す情報処理装置100は、例えば透過型HMD、PC、スマホ、非透過型HMD、サーバのいずれかの装置である。
【0145】
図18に示すように、情報処理装置100は、記憶部110、通信部115、ユーザ情報取得部121、ユーザ所有アイテム情報取得部122、ユーザ信用情報取得部123、ユーザ識別&ユーザ動き検出部124、仮想コンテンツ表示制御部131、仮想アイテム取引ボックス表示制御部132、仮想アイテム取引制御部133、ユーザ所有アイテム情報更新部134、センサ151、表示部152を有する。
【0146】
なお、記憶部110には、ユーザリスト111、ユーザ所有アイテムリスト112、ユーザ間信用情報リスト113が格納されている。これらは、先に図6図7図10を参照して説明したリストである。
【0147】
なお、図18に示す情報処理装置100の各構成部は、複数の情報処理装置に分散して配置する構成としてもよい。その場合は、分散配置された構成要素間で通信を実行して処理を行う。
例えば、HMD等のユーザ端末にセンサ151や表示部152を構成し、その他の構成要素をPC、あるいはスマホ、あるいは管理サーバに配置した構成等が可能である。
【0148】
図18に示す情報処理装置100の各構成要素について説明する。
ユーザ情報取得部121は、記憶部110のユーザリスト111を取得して、ユーザ識別&ユーザ動き検出部124と、仮想コンテンツ表示制御部131に出力する。
【0149】
ユーザ識別&ユーザ動き検出部124は、センサ(カメラ、ジャイロ等)151のセンサ検出情報、例えばカメラ撮影情報等を入力し、さらに、ユーザリスト111に登録された顔画像との比較処理により、ユーザ識別処理を行う。
具体的には、仮想アイテムの取引相手である仮想アイテム受領ユーザのユーザ識別処理を実行する。
【0150】
ユーザ識別&ユーザ動き検出部124は、記憶部110に格納されたユーザリスト111を参照してユーザ識別処理を実行する。
先に図6を参照して説明したように、ユーザリスト111には、以下の各データが対応付けて登録されている。
(a)ユーザID
(b)ユーザ名
(c)ユーザ顔画像
【0151】
本開示のシステムを利用するユーザは、予めユーザ登録を実行する。具体的には、ユーザ名と顔画像の登録処理を行う。
ユーザ識別&ユーザ動き検出部124は、表示部内に新たなユーザが検出された場合、まず、そのユーザの識別処理を実行する。
前述したように仮想アイテム受領ユーザ20のIDとその位置は、仮想アイテム受領ユーザ20が装着している透過型HMD11bに設定されたIDおよびその位置によって識別することができる。
あるいは、例えばカメラによって撮影されたカメラ撮影画像と、ユーザリスト111に登録された顔画像を比較して、撮影画像に一致度の高い登録顔画像を抽出する構成としてもよい。
【0152】
仮想コンテンツ表示制御部131は、ユーザ識別&ユーザ動き検出部124が抽出した登録顔画像のエントリに記録されたユーザ名を取得して、取得したユーサ名を仮想コンテンツとしてAR画像上に表示する。
【0153】
ユーザ識別&ユーザ動き検出部124は、さらに、センサ(カメラ、ジャイロ等)151からの入力情報に基づいて、ユーザの動き、例えばユーザの位置や、ユーザの手の動き、位置等を検出する。
【0154】
なお、外部のユーザ端末や情報処理装置との通信を行う構成においては、ユーザ識別&ユーザ動き検出部124は、通信部115を介して、外部のユーザ端末や情報処理装置に備えられたセンサ(カメラ、ジャイロ等)の検出情報、例えばカメラ撮影情報等を入力して、遠隔のユーザの識別処理や位置、動き検出を行う。
【0155】
ユーザ識別&ユーザ動き検出部124の処理によって生成されたユーザ識別情報や、ユーザ動き情報(ユーザ位置や、手の位置、動き情報等)は、仮想コンテンツ表示制御部131に入力される。
【0156】
ユーザ所有アイテム情報取得部122は、記憶部110に格納されたユーザ所有アイテムリスト112を読み出して、仮想コンテンツ表示制御部131に入力する。
ユーザ信用情報取得部123は、記憶部110に格納されたユーザ間信用情報リスト113を読み出して、仮想コンテンツ表示制御部131に入力する。
【0157】
仮想コンテンツ表示制御部131は、以下の各情報を入力する。
(1)ユーザ識別&ユーザ動き検出部124から、ユーザ識別情報、ユーザ動き情報(ユーザ位置や、手の位置、動き情報等)
(2)ユーザ所有アイテム情報取得部122からユーザ所有アイテムリスト112
(3)ユーザ信用情報取得部123からユーザ間信用情報リスト113
仮想コンテンツ表示制御部131は、これらの各情報に基づいて、表示部152に対する仮想コンテンツの表示制御を行う。
【0158】
具体的には、例えば先に図1図4を参照して説明したユーザ名、認証識別マーク、仮想アイテム等の仮想コンテンツの表示制御を実行する。
【0159】
仮想コンテンツ表示制御部131は、ユーザ識別&ユーザ動き検出部124から、入力した仮想アイテム提供ユーザの手の動きに併せて、取引対象となる仮想コンテンツである仮想アイテムを表示し、移動する。
【0160】
さらに、仮想コンテンツ表示制御部131は、ユーザ識別&ユーザ動き検出部124から、入力した仮想アイテム受領ユーザ、あるいはその他の検出ユーザのユーザ識別情報に基づいて、ユーザリスト111に登録されたユーザ名を、検出されたユーザの近傍に、仮想コンテンツとして表示する処理を行う。
例えば、先に図1図4を参照して説明した[Alice]等のユーザ名の表示を行う。
【0161】
さらに、仮想コンテンツ表示制御部131は、ユーザ識別に成功した取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)に対する認証処理(信用度確認処理)を実行する。
【0162】
この取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)に対する認証処理(信用度確認処理)が成功し、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)が信用できるユーザであると判定された場合に限り、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)の近傍に認証識別マーク(バッジなど)を表示する。
【0163】
なお、この認証識別マークの表示制御は、記憶部110に格納されたユーザ間信用情報リスト112を参照して実行する。ユーザ間信用情報リスト112は、先に図7を参照して説明したように、以下の2つのリストによって構成される。
(1)信用ユーザリスト
(2)拒否ユーザリスト
【0164】
図7(2a)に示す信用ユーザリストに、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)のユーザIDが、仮想アイテム提供ユーザの「信用ユーザ」として登録されている場合には、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)が「信用ユーザ」であると判定する。この場合、取引相手(仮想アイテム受領ユーザ)の近傍に認証識別マーク(バッジなど)を表示する。
【0165】
仮想コンテンツ表示制御部131は、「信用ユーザ」であると判定したユーザがいる場合、「信用ユーザ」検出情報を仮想アイテム取引ボックス表示制御部132に出力する。
【0166】
仮想アイテム取引ボックス表示制御部132は、先に図1図4を参照して説明した仮想アイテム取引ボックス32の表示部152に対する表示制御を実行する。
【0167】
仮想アイテム取引ボックス表示制御部132は、例えば、仮想アイテム提供ユーザが、取引対象となる仮想アイテム(あるいは、仮想アイテムに紐づけられたマーカー)を手に持った状態で、認証済みの取り引き相手(仮想アイテム受領ユーザ)に近づくと、取り引き相手(仮想アイテム受領ユーザ)付近に仮想アイテム取引ボックスを表示する。
【0168】
先に説明したように、仮想アイテム取引ボックスの表示条件は例えば、以下のような条件である。
(a)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」と、仮想アイテム提供ユーザとの距離が、予め規定したしきい値距離以下となったこと、
仮想アイテム取引ボックス表示制御部132は、例えば、上記(a)の条件を満足すると判定した場合に仮想アイテム取引ボックスの表示処理を実行する。
【0169】
なお、前述したように、仮想アイテム取引ボックスの表示条件は、上記条件(a)に限らず、例えば、以下のような条件(b)としてもよい。
(b)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」が、仮想アイテム提供ユーザが装着する透過型AR画像表示デバイスの規定領域内に表示されたこと、
例えば、上記(b)の条件を満足する場合に仮想アイテム取引ボックスを表示するといった設定も可能である。
【0170】
仮想アイテム取引制御部133は、仮想アイテムの取引制御を行う。具体的には、仮想アイテム所有権を、仮想アイテム提供ユーザから、仮想アイテム受領ユーザに移転する処理の制御を実行する。
【0171】
仮想アイテム取引制御部133は、仮想アイテム取引ボックス内に、仮想アイテム提供ユーザと、仮想アイテム受領ユーザの両者が手を入れた状態で、仮想アイテムを、取り引き相手(仮想アイテム受領ユーザ)に手渡す処理が行われたことを検出した場合、仮想アイテムの所有権が移転したと判定する。
【0172】
具体的には、例えば先に図9を参照して説明したように、仮想アイテム取引ボックス内に、仮想アイテム提供ユーザと、仮想アイテム受領ユーザの両者が手を入れ、仮想アイテム提供ユーザが仮想アイテムを握った状態から、手を開き、一方、仮想アイテム受領ユーザが手を開いた状態から仮想アイテムを握った状態となったことが確認された場合に、仮想アイテムの所有権が移転したと判定する。
【0173】
仮想アイテム取引制御部133は、仮想アイテムの所有権移転がなされたと判定した場合、その判定情報をユーザ所有アイテム情報更新部134に出力する。
ユーザ所有アイテム情報更新部134は、仮想アイテム取引制御部133から入力した仮想アイテムの所有権移転情報に基づいて、記憶部110のユーザ所有アイテムリスト112の登録データを更新する処理を実行する。
【0174】
この処理は、例えば、先に図10を参照して説明したユーザ所有アイテムリストの更新処理である。
これらの処理によって、ユーザ間の仮想アイテムの取引処理、すなわち所有権移転処理を安全、確実に実行することができる。
【0175】
[5.本開示の情報処理装置が実行する処理シーケンスについて]
次に、図19以下に示すのフローをチャート参照して、本開示の情報処理装置が実行する処理シーケンスについて説明する。
【0176】
なお、図19以下のフローチャートに従った処理は、情報処理装置のデータ処理部において実行される。データ処理部は、プログラム実行機能を持つCPUを備え、記憶部に格納されたプログラムに従ってフローに従った処理を実行することができる。
図19以下に示すフローの各ステップの処理について説明する。
【0177】
(ステップS101)
まず、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS101において、ユーザが仮想アイテムを持っているか否かを判定する。
【0178】
なお、仮想アイテムを他ユーザに提供しようとするユーザ(仮想アイテム提供ユーザ)は、予め自己の所有する仮想アイテムを取得して、手に持つ動作を行う。この動作によって仮想アイテムは、ユーザ仮想アイテム提供ユーザ)の手に握られた状態で表示されることになる。
【0179】
(ステップS102~S103)
次に、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS102~S103において、仮想アイテムを持ったユーザを「仮想アイテム提供ユーザ」とし、「仮想アイテム提供ユーザ」の観察画像に新たな他ユーザが検出されたか否かを検出する。
【0180】
「仮想アイテム提供ユーザ」の観察画像に新たな他ユーザが検出された場合はステップS104に進む。
【0181】
(ステップS104)
次に、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS104において、検出ユーザが認証済みであるか否かを判定する。具体的には、検出ユーザが「仮想アイテム提供ユーザ」の信用ユーザリストに登録されているユーザであるか否かを判定する。
信用ユーザリストは、先に図7(2-1)を参照して説明したリストである。
【0182】
検出ユーザが「仮想アイテム提供ユーザ」の信用ユーザリストに登録されている場合は、認証済みと判定し、ステップS105に進む。
【0183】
(ステップS105)
次に、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS105において、検出ユーザが、「仮想アイテム提供ユーザ」の拒否ユーザリストに登録されているユーザであるか否かを判定する。
拒否ユーザリストは、先に図7(2-2)を参照して説明したリストである。
【0184】
検出ユーザが、「仮想アイテム提供ユーザ」の拒否ユーザリストに登録されている場合はステップS106以下の処理は実行せず、ステップS102に戻る。
この場合、その検出ユーザとの仮想アイテム取引処理は実行されない。
【0185】
検出ユーザが、「仮想アイテム提供ユーザ」の拒否ユーザリストに登録されていない場合はステップS106に進む。
【0186】
(ステップS106)
次に、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS106において、検出ユーザの近傍に認証識別マークを表示する。
例えば図1図4において説明した認証識別マークである。
【0187】
(ステップS107~S108)
次に、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS107において、「仮想アイテム取引ボックス」の表示条件を満足したか否かを判定し、満足したと判定した場合は、ステップS108において、検出ユーザの近傍に仮想アイテム取引ボックスを表示する。
【0188】
なお、「仮想アイテム取引ボックス」の表示条件としては、先に説明したように、様々な条件設定が化可能である。
(a)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」と、仮想アイテム提供ユーザとの距離が、予め規定したしきい値距離以下となったこと、
(b)「認証識別マーク」が表示された「信用ユーザ」が、仮想アイテム提供ユーザが装着する透過型AR画像表示デバイスの規定領域内に表示されたこと、
たとえば、上記(a),(b)のいずれかの条件が満足された場合、ステップS108において、検出ユーザの近傍に仮想アイテム取引ボックスを表示する。
【0189】
上記(a),(b)の各条件の判定シーケンスについて、図20に示すフローを参照して説明する。
図20には、以下の2つの処理を説明するフローを示している。
(1)仮想アイテム取引ボックス表示制御例1
(2)仮想アイテム取引ボックス表示制御例2
【0190】
(1)仮想アイテム取引ボックス表示制御例1は、上記(a)の条件の判定シーケンスに相当する。
(2)仮想アイテム取引ボックス表示制御例2は、上記(b)の条件の判定シーケンスに相当する。
いずれも図19に示すフローのステップS106~S108の処理に対応する。
【0191】
まず、図20(1)仮想アイテム取引ボックス表示制御例1のフローについて説明する。
【0192】
(ステップS106)
情報処理装置のデータ処理部は、ステップS106において、検出ユーザの近傍に認証識別マークを表示する。
例えば図1図4において説明した認証識別マークである。
【0193】
(ステップS107a1)
次に、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS107a1において、「仮想アイテム提供ユーザ」と、検出ユーザとの距離を計測する。
【0194】
(ステップS107a2)
次に、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS107a2において、「仮想アイテム提供ユーザ」と、検出ユーザとの距離が予め規定したしきい値以下になったか否かを判定する。
規定したしきい値以下になったと判定した場合は、ステップS108に進む。
【0195】
(ステップS108)
ステップS107a2において、「仮想アイテム提供ユーザ」と、検出ユーザとの距離が予め規定したしきい値以下になったと判定した場合、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS108において、検出ユーザの近傍であり、仮想アイテム提供ユーザと検出ユーザの間の位置に仮想アイテム取引ボックスを表示する。
【0196】
次に、図20(2)仮想アイテム取引ボックス表示制御例2のシーケンスについて説明する。
【0197】
(ステップS106)
情報処理装置のデータ処理部は、ステップS106において、検出ユーザの近傍に認証識別マークを表示する。
例えば図1図4において説明した認証識別マークである。
【0198】
(ステップS107b1~S107b2)
次に、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS107b1において、検出ユーザの表示位置を検出する。
ステップS107b2において、検出ユーザの表示位置が予め規定した表示領域内にあると判定した場合は、ステップS108に進む。
【0199】
この表示位置とは、「仮想アイテム提供ユーザ」が観察中の表示部における表示位置である。
具体例について図21を参照して説明する。
図21には、仮想アイテム提供ユーザ10が装着した非透過型HMD15の表示画像の例を2つ示している。
【0200】
いずれの表示画像にも、検出ユーザである仮想アイテム受領ユーザ20が表示されている。
(1)表示画像例1は、検出ユーザである仮想アイテム受領ユーザ20が、予め規定された規定領域301内に表示された状態である。
【0201】
この場合、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS107b2において、検出ユーザの表示位置が予め規定した表示領域内にあると判定し、ステップS108に進み、検出ユーザの近傍位置に仮想アイテム取引ボックスを表示する。
【0202】
一方、(2)表示画像例2は、検出ユーザである仮想アイテム受領ユーザ20が、予め規定された規定領域301の外に表示された状態である。
【0203】
この場合、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS107b2において、検出ユーザの表示位置が予め規定した表示領域内にないと判定し、ステップS108に進むことなくステップS107b1に戻る。この場合、仮想アイテム取引ボックスは表示されない。
【0204】
(ステップS108)
ステップS107b2において、検出ユーザが予め規定した規定領域内に表示されたことが確認された場合、情報処理装置のデータ処理部は、ステップS108において、検出ユーザの近傍位置に仮想アイテム取引ボックスを表示する。
【0205】
なお、仮想アイテム取引きボックスの表示条件としては、この他にも、様々な条件が設定可能である。
【0206】
次に、仮想アイテム取引きボックスを表示した後の処理について、図22に示すフローチャートを参照して説明する。
【0207】
(ステップ121~S122)
ステップS108において、仮想アイテム取引きボックスを表示した後、情報処理装置はステップS121において、「仮想アイテム提供ユーザ」の手と検出ユーザ(仮想アイテム受領ユーザ)の手が仮想アイテム取引ボックス内に入ったか否かを検出する。これは例えばカメラ撮影画像に基づいて検出される。
【0208】
ステップS122において、「仮想アイテム提供ユーザ」の手と検出ユーザ(仮想アイテム受領ユーザ)の手が仮想アイテム取引ボックス内に入ったと判定した場合はステップS123に進む。
【0209】
(ステップS123)
ステップS122において、「仮想アイテム提供ユーザ」の手と検出ユーザ(仮想アイテム受領ユーザ)の手が仮想アイテム取引ボックス内に入ったと判定した場合、情報処理装置は、ステップS123において、「仮想アイテム提供ユーザ」の手が開いたか否かを判定する。
これは例えばカメラ撮影画像に基づいて判定する。
【0210】
「仮想アイテム提供ユーザ」の手が開いたと判定した場合は、ステップS124に進む。
なお、この判定処理までの待機時間は、例えば「仮想アイテム提供ユーザ」の手と検出ユーザ(仮想アイテム受領ユーザ)の手が仮想アイテム取引ボックス内に入ったと判定した時間から10秒間等、予め規定しておく。
【0211】
規定の待機時間内に「仮想アイテム提供ユーザ」の手が開いたと判定されなかった場合は処理を修了する。この場合、仮想アイテムの所有権移転処理は実行されない。
規定時間内に「仮想アイテム提供ユーザ」の手が開いたと判定された場合はステップS124に進む。
【0212】
(ステップS124)
次に、情報処理装置は、ステップS124において、仮想アイテムの表示位置を、
「仮想アイテム提供ユーザ」の手の位置から、検出ユーザ(仮想アイテム受領ユーザ)
の手の位置に移動して表示する。
【0213】
(ステップS125)
次に、情報処理装置は、ステップS125において、検出ユーザ(仮想アイテム受領ユーザ)が手に仮想アイテムを持ち、握る動作を行ったか否かを判定する。この判定処理は例えばカメラ撮影画像に基づいて実行される。
【0214】
ステップS125において、検出ユーザ(仮想アイテム受領ユーザ)が手に仮想アイテムを持ち、握る動作を行ったと判定した場合は、ステップS126に進む。
一方、ステップS125において、検出ユーザ(仮想アイテム受領ユーザ)が手に仮想アイテムを持ち、握る動作を行わなかったと判定した場合は、処理を終了する。
【0215】
なお、この判定処理までの待機時間も予め規定しておく。例えば仮想アイテムの表示位置が、検出ユーザ(仮想アイテム受領ユーザ)の手の位置に移動してから10秒等の待機時間を予め規定しておく。
【0216】
規定の待機時間内に「仮想アイテム受領ユーザ」の手が握られたと判定されなかった場合は処理を終了する。この場合、仮想アイテムの所有権移転処理は実行されない。
規定時間内に「仮想アイテム受領ユーザ」の手が握られたと判定した場合はステップS126に進む。
【0217】
(ステップS126)
次に、情報処理装置は、ステップS126において、仮想アイテムの所有権を「仮想アイテム提供ユーザ」から、検出ユーザに移転して、ユーザ所有アイテムリストに登録する。
【0218】
すなわち、先に図10を参照して説明したようなユーザ所有アイテムリストの更新処理を実行する。
【0219】
これらの処理によって、ユーザ間の仮想アイテムの取引処理、すなわち所有権移転処理を安全、確実に実行することができる。
【0220】
[6.仮想アイテムの所有権移転処理の具体例について]
次に、本開示の情報補処理装置が実行する仮想アイテムの所有権移転処理の具体的な処理例について説明する。
【0221】
図23は、本開示の情報補処理装置が実行する仮想アイテムの所有権移転処理の具体的な処理の一例を示す図である。
ユーザU1が装着したHMDの表示画像を示している。
【0222】
図23に示す表示画像例は、ゲームコンテンツにおけるAR画像表示例である。複数のユーザが味方チームと敵チームに分かれ戦うゲームである。各ユーザは仮想コンテンツであるピストル、ライフル等の武器を所有し、相手チームと戦う。
【0223】
ユーザU1のチームのメンバーはユーザa~cであり、ユーザd,eが敵チームのメンバーである。
ユーザa~cには、認証識別マークが表示されている。
【0224】
ここで取引対象となる仮想アイテムはビストルである。取引対象となる仮想アイテム31であるビストルが、ユーザU1の手ににぎられた状態で仮想アイテム取引ボックス32内に表示されている。
この状態で、例えば、認証識別マークが表示されているユーザa~cのいずれかが、仮想アイテム取引ボックス32内に手を入れることで、先に図19図22を参照して説明したシーケンスに従った処理が実行され、仮想アイテム(ビストル)の取引処理、すなわち所有権移転処理が実行される。
このような処理を行う場合、各ユーザa~c対応の個別の仮想アイテム取引ボックスを表示して、個別の取引ボックスで個別の取引処理を行う構成としてもよい。
【0225】
なお、認証識別マークが表示されていないユーザd~eのいずれかが、仮想アイテム取引ボックス32内に手を入れても、仮想アイテム(ビストル)の取引処理、すなわち所有権移転処理は実行されない。
【0226】
この場合、先に説明した図19に示すフローのステップS103の判定処理、すなわち検出ユーザが認証済みであるか否かの判定処理、具体的には、ユーザU1の信用ユーザリストに登録されているか否かの判定処理においてNoと判定される。この結果、仮想アイテム(ビストル)の取引処理、すなわち所有権移転処理は実行されない。
【0227】
図24は、本開示の情報補処理装置が実行する仮想アイテムの所有権移転処理の具体的な処理のもう一つの例を示す図である。
ユーザU1が装着したHMDの表示画像を示している。
【0228】
図24に示す表示画像例は、例えば仮想店舗における商品取引処理におけるAR画像表示例である。ユーザU1が、仮想店舗で仮想コンテンツを売る例である。
ユーザU1は、仮想店舗の店員の前に立ち、仮想アイテムである「星」を手に持ち、店員の前に表示された仮想アイテム取引ボックス32の中に手を入れる。
【0229】
ここで取引対象となる仮想アイテムは「星」である。取引対象となる仮想アイテム31である星が、ユーザU1の手ににぎられた状態で仮想アイテム取引ボックス32内に表示されている。
この状態で、例えば、認証識別マークが表示されている店員が、仮想アイテム取引ボックス32内に手を入れることで、先に図19図22を参照して説明したシーケンスに従った処理が実行され、仮想アイテム(星)の取引処理、すなわち所有権移転処理が実行される。
【0230】
例えば、星1つ$80といった価格設定を事前に行っておけば、この取引処理によって、仮想アイテム(星)は店舗側に所有権が移転し、その代わりに、ユーザU1は、$80の所有権を取得するといった処理も可能である。
なお、仮想店舗の店員のようなエンティティの場合、システム運営側が予め公式な認証済みエンティティとして設定可能である。このように運営側から認証されている公式なエンティティについては、自動的に信用する設定としてもよい。
通常、信用リストに記載がない相手とは、取引ができないが、ここで登場する店員は、運営側から公式に認定されている登場人物であるため、信用リストにあらかじめ記載が無くても、認証識別マークが表示される。
【0231】
なお、上述した実施例では、仮想アイテム提供ユーザ、仮想アイテム受領ユーザを、全て実在の人間とした実施例について説明したが、仮想アイテム提供ユーザや、仮想アイテム受領ユーザは、例えば人間以外の動物やロボット、また仮想コンテンツとしてもよい。
具体的には、実在の犬や仮想コンテンツである犬に与える食事や、おもちゃ、ロボットに与える武器などの仮想コンテンツを提供する構成等が可能である。
【0232】
例えば、仮想アイテム受領ユーザとして、仮想コンテンツである馬を設定し、ユーザが仮想アイテムであるニンジンを手に持ち、馬の口元に近づけると、馬の口元に仮想アイテム取引ボックスが表示される。
ここでユーザが手を仮想アイテム取引ボックス内に入れて手を離すとニンジンが馬の体内に取り込まれて消えるといった画像表示制御も可能である。
【0233】
また、仮想アイテム受領ユーザとして実在の自動販売機を設定し、ユーザが仮想アイテムであるコインを持って、自動販売機に近づくと仮想アイテム取引ボックスを表示する。
ここでユーザが手を仮想アイテム取引ボックス内に入れて手を離すとコインが自動販売機内に取り込まれて消え、商品が出てくるといった画像表示制御も可能である。
なお、上記の馬や自動販売機についてもシステム運営側が予め公式な認証済みエンティティとして設定可能である。エサを与えられる馬や自動販売機に運営側によってID(および名前)が設定されていれば、その名前が表示され、信用リストに記載が無くても認証識別マークが表示される。
【0234】
また、上述した実施例では、仮想アイテム提供ユーザと、仮想アイテム受領ユーザをいずれも1人のユーザとして1対1の取引処理例として説明したが、例えば仮想アイテム受領ユーザを複数ユーザとしてもよい。
例えばユーザAが2つの仮想アイテム、具体的には、例えば2つの「星」を所有しており、これらを2人のユーザB,Cに1つずつ提供する構成である。
ただし、このような処理を行う場合は、各ユーザ対応の個別の仮想アイテム取引ボックスを表示して、個別の取引ボックスで個別の取引処理を行う構成とすることが好ましい。
【0235】
また、仮想取引ボックスをゴミ箱内に表示する構成として、仮想アイテム提供ユーザが仮想アイテムを握って、ゴミ箱内の仮想取引ボックス内に手を入れて手を開くことで、仮想アイテムがゴミ箱に捨てられるといった所有権放棄処理を行う構成も可能である。
【0236】
[7.情報処理装置のハードウェア構成例について]
次に、上述した実施例に従った処理を実行する情報処理装置のハードウェア構成例について、図25を参照して説明する。
図25に示すハードウェアは、本開示の情報処理装置、例えばHMD、PC、スマホ、サーバ等の情報処理装置のハードウェア構成の一例である。
図25に示すハードウェア構成について説明する。
【0237】
CPU(Central Processing Unit)501は、ROM(Read Only Memory)502、または記憶部508に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行するデータ処理部として機能する。例えば、上述した実施例において説明したシーケンスに従った処理を実行する。RAM(Random Access Memory)503には、CPU501が実行するプログラムやデータなどが記憶される。これらのCPU501、ROM502、およびRAM503は、バス504により相互に接続されている。
【0238】
CPU501はバス504を介して入出力インタフェース505に接続され、入出力インタフェース505には、各種センサ、カメラ、スイッチ、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部506、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部507が接続されている。
【0239】
入出力インタフェース505に接続されている記憶部508は、例えばハードディスク等からなり、CPU501が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部509は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介したデータ通信の送受信部として機能し、外部の装置と通信する。
【0240】
入出力インタフェース505に接続されているドライブ510は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはメモリカード等の半導体メモリなどのリムーバブルメディア511を駆動し、データの記録あるいは読み取りを実行する。
【0241】
[8.本開示の構成のまとめ]
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0242】
なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
(1) 実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像の表示制御を実行するデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理装置。
【0243】
(2) 前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を有する仮想アイテム提供ユーザと、前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザの双方の手が、前記仮想アイテム取引ボックス内に入った状態で、前記仮想アイテムの受け渡し処理が実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う(1)に記載の情報処理装置。
【0244】
(3) 前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザが、仮想アイテム提供ユーザが信用するユーザであることを示す認証識別マークが表示されたユーザである場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う(1)または(2)に記載の情報処理装置。
【0245】
(4) 前記データ処理部は、
前記仮想アイテムを手に持った仮想アイテム提供ユーザと、仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザの双方の手が、前記仮想アイテム取引ボックス内に入った状態で、
前記仮想アイテム提供ユーザが手を開いた場合、前記仮想アイテムの表示位置を前記仮想アイテム受領ユーザの手側に移動させる仮想アイテム表示位置制御を実行する(1)~(3)いずれかに記載の情報処理装置。
【0246】
(5) 前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの表示位置が、前記仮想アイテム受領ユーザの手側に移動した後、
前記仮想アイテム受領ユーザの手が仮想アイテムを持ったまま閉じられた場合、その後、仮想アイテム表示位置を前記仮想アイテム受領ユーザの手に追随させて表示する仮想アイテム表示位置制御を実行する(4)に記載の情報処理装置。
【0247】
(6) 前記データ処理部は、
予め規定した条件を満たす場合に、前記仮想アイテム取引ボックスを表示する(1)~(5)いずれかに記載の情報処理装置。
【0248】
(7) 前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を有する仮想アイテム提供ユーザと、前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザとの距離が規定距離以下になった場合に、前記仮想アイテム取引ボックスを表示する(1)~(6)いずれかに記載の情報処理装置。
【0249】
(8) 前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザが、前記AR画像の表示画面の規定領域内に表示された場合に、前記仮想アイテム取引ボックスを表示する(1)~(7)いずれかに記載の情報処理装置。
【0250】
(9) 前記データ処理部は、
予め規定した条件を満たす場合に、前記仮想アイテム取引ボックスを非表示とする(1)~(8)いずれかに記載の情報処理装置。
【0251】
(10) 前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を有する仮想アイテム提供ユーザと、前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザとの距離が規定距離以上になった場合に、前記仮想アイテム取引ボックスを非表示とする(1)~(9)いずれかに記載の情報処理装置。
【0252】
(11) 前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザのユーザ識別処理を実行し、識別結果に基づいて取得するユーザ名を、前記仮想アイテム受領ユーザの近傍に表示する(1)~(10)いずれかに記載の情報処理装置。
【0253】
(12) 前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザが、仮想アイテム提供ユーザが信用するユーザであるか否かの信用度判定処理を実行し、信用するユーザであると判定した場合は、
前記仮想アイテム受領ユーザの近傍に認証識別マークを表示する(1)~(11)いずれかに記載の情報処理装置。
【0254】
(13) 前記データ処理部は、
記憶部に格納されたユーザ間信用情報リストを参照して、前記信用度判定処理を実行する(12)に記載の情報処理装置。
【0255】
(14) 前記データ処理部は、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、
記憶部に格納されたリストであり、各ユーザの所有する仮想アイテムを登録したユーザ所有アイテムリストの登録データの更新処理を実行する(1)~(13)いずれかに記載の情報処理装置。
【0256】
(15) 実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像を表示する表示部を有するユーザ端末と、
前記ユーザ端末と通信を実行し、前記ユーザ端末の表示部に表示するAR画像の表示制御を実行するサーバを有し、
前記サーバは、
前記ユーザ端末の表示部に対する仮想コンテンツの表示制御処理として、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理システム。
【0257】
(16) 前記サーバは、
前記ユーザ端末の表示部に表示されたAR画像において、前記仮想アイテムの所有権を有する仮想アイテム提供ユーザと、前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザの双方の手が、前記仮想アイテム取引ボックス内に入った状態で、前記仮想アイテムの受け渡し処理が実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う(15)に記載の情報処理システム。
【0258】
(17) 前記サーバは、
前記ユーザ端末の表示部に表示されたAR画像において、前記仮想アイテムを手に持った仮想アイテム提供ユーザと、前記仮想アイテムの所有権を取得しようとする仮想アイテム受領ユーザの双方の手が、前記仮想アイテム取引ボックス内に入った状態で、
前記仮想アイテム提供ユーザが手を開いた場合、前記仮想アイテムの表示位置を前記仮想アイテム受領ユーザの手側に移動させ、
さらに、前記仮想アイテム受領ユーザの手が、仮想アイテムを持ったまま閉じられた場合、その後、仮想アイテム表示位置を前記仮想アイテム受領ユーザの手に追随させて表示する仮想アイテム表示位置制御を実行する(15)または(16)に記載の情報処理システム。
【0259】
(18) 情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
前記情報処理装置は、実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像の表示制御を実行するデータ処理部を有し、
前記データ処理部が、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理方法。
【0260】
(19) 実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像を表示する表示部を有するユーザ端末と、
前記ユーザ端末と通信を実行し、前記ユーザ端末の表示部に表示するAR画像の表示制御を実行するサーバを有する情報処理システムにおいて実行する情報処理方法であり、
前記サーバが、
前記ユーザ端末の表示部に対する仮想コンテンツの表示制御処理として、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行う情報処理方法。
【0261】
(20) 情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
前記情報処理装置は、実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR(Augumented Reality)画像の表示制御を実行するデータ処理部を有し、
前記プログラムは、前記データ処理部に、
所有権が登録された仮想コンテンツである仮想アイテム、および、
前記仮想アイテムの所有権移転処理を行うための限定領域である仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行させ、
前記仮想アイテムの受け渡し処理が、前記仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、前記仮想アイテムの所有権を移転させる処理を行わせるプログラム。
【0262】
明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0263】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0264】
以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、仮想アイテムの確実な所有権移転処理を行う装置、方法が実現される。
具体的には、例えば、実オブジェクトと仮想コンテンツを重畳表示したAR画像の表示制御を実行するデータ処理部を有する。データ処理部は、所有権が登録された仮想アイテムと、仮想アイテムの所有権移転のための仮想アイテム取引ボックスの表示制御を実行し、さらに、仮想アイテムの受け渡しが仮想アイテム取引ボックス内で実行された場合、仮想アイテムの所有権を移転させる。ユーザの手が仮想アイテム取引ボックス内に入った状態で、仮想アイテム提供ユーザが手を開くと仮想アイテムを仮想アイテム受領ユーザの手側に移動させて、所有権移転登録処理等を行う。
本構成により、仮想アイテムの確実な所有権移転処理を行う装置、方法が実現される。
【符号の説明】
【0265】
10 仮想アイテム提供ユーザ
11 透過型HMD
12 カメラ
13 PC
14 スマホ
15 非透過型HMD
20 仮想アイテム受領ユーザ
21 実オブジェクト画像
31 仮想アイテム
32 仮想アイテム取引ボックス
35 代替仮想アイテム
100 情報処理装置
110 記憶部
111 ユーザリスト
112 ユーザ所有アイテムリスト
113 ユーザ間信用情報リスト
115 通信部
121 ユーザ情報取得部
122 ユーザ所有アイテム情報取得部
123 ユーザ信用情報取得部
124 ユーザ識別&ユーザ動き検出部
131 仮想コンテンツ表示制御部
132 仮想アイテム取引ボックス表示制御部
133 仮想アイテム取引制御部
134 ユーザ所有アイテム情報更新部
151 センサ
152 表示部
301 規程領域
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 バス
505 入出力インタフェース
506 入力部
507 出力部
508 記憶部
509 通信部
510 ドライブ
511 リムーバブルメディア
図1
図2
図3
図4
図5
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