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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】圧力センサおよび電子機器
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20241016BHJP
   G01L 1/14 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G01L5/00 101Z
G01L1/14 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021570026
(86)(22)【出願日】2020-12-25
(86)【国際出願番号】 JP2020048874
(87)【国際公開番号】W WO2021140967
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2020000535
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(72)【発明者】
【氏名】勝原 智子
(72)【発明者】
【氏名】金子 大貴
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/051917(WO,A1)
【文献】特開2015-114308(JP,A)
【文献】特開2004-333340(JP,A)
【文献】特開2014-142193(JP,A)
【文献】国際公開第2018/037291(WO,A1)
【文献】特開2019-119820(JP,A)
【文献】特開2016-180747(JP,A)
【文献】特開2007-078382(JP,A)
【文献】特開2007-114123(JP,A)
【文献】特開2019-211273(JP,A)
【文献】国際公開第2011/045835(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/213937(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/14,1/20,5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンシング部を有する静電容量式のセンサ電極層と、
前記センサ電極層の第1の面に対向する第1のリファレンス電極層と、
前記センサ電極層の第2の面に対向する伸縮性の第2のリファレンス電極層と、
前記第1のリファレンス電極層と前記センサ電極層との間に設けられた弾性層と、
前記第2のリファレンス電極層と前記センサ電極層との間に設けられたギャップ層と
を備え、
前記センサ電極層は、
マトリックス状に配列された複数の島部と、
隣接する前記島部の間を連結する、伸縮可能に構成された複数の第1の橋部と
前記マトリックス状に配列された複数の前記島部の周囲に設けられたベゼル部と、
前記ベゼル部と当該ベゼル部と隣接する複数の前記島部の間を連結する、伸縮可能に構成された複数の第2の橋部と
を備え
前記島部は、前記センシング部を含み、
前記ベゼル部は、伸縮可能に構成されている圧力センサ。
【請求項2】
前記第1の橋部は、ミアンダ状を有する請求項に記載の圧力センサ。
【請求項3】
前記ベゼル部は、ミアンダ状を有する請求項に記載の圧力センサ。
【請求項4】
凸曲面状の曲面部を有する外装体と、
前記曲面部に設けられた、請求項1に記載の圧力センサと
を備える電子機器。
【請求項5】
前記曲面部は、球面状または非球面状を有している請求項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧力センサおよびそれを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の筐体表面の押圧を検出することができるフィルム状の圧力センサが提案されている。例えば特許文献1では、複数のセンシング部を有する静電容量式のセンサ電極層と、センサ電極層の第1の面に対向する第1のリファレンス電極層と、センサ電極層の第2の面に対向する第2のリファレンス電極層とを備える圧力センサが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/052096号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では、フィルム状の圧力センサとして、凸曲面状の曲面部に装着され、その曲面部に対する圧力の作用を検出可能なものが望まれるようになっている。しかしながら、特許文献1に記載の圧力センサでは、凸曲面状の曲面部に対する装着は困難である。
【0005】
本開示の目的は、凸曲面状の曲面部に装着することができる圧力センサおよびそれを備える電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、の開示は、
複数のセンシング部を有する静電容量式のセンサ電極層と、
センサ電極層の第1の面に対向する第1のリファレンス電極層と、
センサ電極層の第2の面に対向する伸縮性の第2のリファレンス電極層と、
第1のリファレンス電極層とセンサ電極層との間に設けられた弾性層と、
第2のリファレンス電極層とセンサ電極層との間に設けられたギャップ層と
を備え、
センサ電極層は、
マトリックス状に配列された複数の島部と、
隣接する島部の間を連結する、伸縮可能に構成された複数の第1の橋部と
マトリックス状に配列された複数の島部の周囲に設けられたベゼル部と、
ベゼル部と当該ベゼル部と隣接する複数の島部の間を連結する、伸縮可能に構成された複数の第2の橋部と
を備え
島部は、センシング部を含み、
ベゼル部は、伸縮可能に構成されている圧力センサである。
【0008】
の開示は、
凸曲面状の曲面部を有する外装体と、
曲面部に設けられた、第1の開の圧力センサと
を備える電子機器である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の第1の実施形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
図2図2は、本開示の第1の実施形態に係るセンサの斜視図である。
図3図3は、センサ本体の構成を示す断面図である。
図4図4は、平面状態におけるセンサ電極層および接続部の構成を示す平面図である。
図5図5は、センサ電極層の電極および配線の構成、ならびに接続部の配線の構成を示す平面図である。
図6図6は、センシング部の構成を示す拡大平面図である。
図7図7は、平面状態におけるセンサ電極層の構成を示す平面図である。
図8図8は、平面状態におけるセンサ電極層の構成を示す平面図である。
図9図9は、電極基材が有するスリットの形状の一例を示す平面図である。
図10図10は、平面状態におけるセンサ電極層の構成を示す平面図である。
図11図11は、平面状態におけるセンサ電極層および接続部の構成を示す平面図である。
図12図12は、本開示の第2の実施形態に係るセンサの斜視図である。
図13図13は、センサ本体の構成を示す断面図である。
図14図14は、平面状態におけるセンサ電極層および接続部の構成を示す平面図である。
図15図15は、図14の領域R1を拡大して表す平面図である。
図16図16Aは、図14の領域R2を拡大して表す平面図である。図16Bは、図14の領域R3を拡大して表す平面図である
図17図17は、実施例1に係るセンサの評価結果を示すグラフである。
図18図18A図18Bは、実施例1に係るセンサの評価結果を示すグラフである。
図19図19は、実施例2に係るセンサの評価結果を示すグラフである。
図20図20は、実施例5に係るセンサの評価結果を示すグラフである。
図21図21は、実施例6に係るセンサの評価結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態について以下の順序で説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
1 第1の実施形態(センサおよびそれを備える電子機器の例)
2 第2の実施形態(センサの例)
3 応用例
【0011】
<1 第1の実施形態>
[電子機器の構成]
図1は、本開示の第1の実施形態に係る電子機器10の構成を示すブロック図である。電子機器10は、センサモジュール11と、電子機器10の本体であるホスト機器12とを備える。電子機器10は、凸曲面状の曲面部を有し、この曲面部に作用する圧力をセンサモジュール11により検出し、検出結果に応じて動作する。
【0012】
(センサモジュール)
センサモジュール11は、センサ20と、制御部としてのコントローラIC13とを備える。センサ20は、曲面部に作用する圧力(圧力分布)に応じた静電容量の変化を検出し、それに応じた出力信号をコントローラIC13に出力する。コントローラIC13は、センサ20を制御し、センサ20から出力される出力信号に基づき、センサ20に作用する圧力(圧力分布)を取得し、ホスト機器12に出力する。
【0013】
(センサ)
図2は、センサ20の斜視図である。センサ20は、フィルム状を有する静電容量式の圧力センサである。本開示においては、フィルムには、シートも含まれるものと定義する。センサ20は、センサ本体20Aと、接続部20Bとを備える。接続部20Bは必用に応じて備えられるものであり、備えられていなくてもよい。曲面部10Aは、例えば、電子機器10が有する外装体の一部である。外装体は、筐体等であってもよい。センサ20は、ロボット等の電子機器10、またはNUI(Natural User Interface)を実現するUIデバイスに適用することができる。
【0014】
センサ本体20Aは、曲面部10Aと同様の凸曲面状を有する。センサ本体20Aは、センサ本体20Aと曲面部10Aの頂部が一致するようにして曲面部10Aに設けられる。センサ本体20Aと曲面部10Aの間は接着層により貼り合わされていてもよい。センサ本体20Aは、コントローラIC13の制御に基づき、曲面部10Aに作用する圧力(圧力分布)を検出し、検出結果をコントローラIC13に出力する。センサ本体20Aおよび曲面部10Aが有する凸曲面状は、球面状である。ここで、球面状には、ほぼ球面状が含まれるものとする。
【0015】
センサ本体20Aは、複数のセンシング部20SEを含む。複数のセンシング部20SEは、曲面部10Aに作用する圧力を静電容量の変化に基づき検出する。複数のセンシング部20SEは、センサ本体20Aの頂部を中心とする放射状に配列されている。センシング部20SEは、例えば正方形状を有している。但し、センシング部20SEの形状は正方形状に限定されるものではなく、円形状、楕円形状または正方形状以外の多角形状等であってもよい。複数のセンシング部20SEのうちの1つは、凸曲面状を有するセンサ20の頂部に位置する。これにより、曲面部10Aの頂部に作用する圧力の検出感度を向上することができる。
【0016】
図3は、センサ本体20Aの構成を示す断面図である。センサ本体20Aは、静電容量式のセンサ電極層21と、電極基材22、23と、弾性層24と、ギャップ層25と、接着層26A、26B、27A、27Bとを備える。センサ本体20Aの電極基材23側の面は、曲面部10Aに接着層(図示せず)を介して貼り合わされていてもよい。センサ本体20Aを構成する各層は、全体として一体になっていることが好ましい。
【0017】
電極基材22は、センサ電極層21の第1の面に対向するように設けられている。弾性層24は、センサ電極層21と電極基材22の間に設けられている。センサ電極層21と弾性層24とは接着層26Aにより貼り合わされ、電極基材22と弾性層24とは接着層26Bにより貼り合わされている。なお、接着層26A、26Bは必用に応じて設けられるものであり、例えば弾性層24が接着性を有している場合にはなくてもよい。
【0018】
電極基材23は、センサ電極層21の第2の面に対向するように設けられている。ギャップ層25は、センサ電極層21と電極基材23の間に設けられている。センサ電極層21とギャップ層25とは接着層27Aにより貼り合わされ、電極基材23とギャップ層25とは接着層27Bにより貼り合わされている。なお、接着層27A、27Bは必用に応じて設けられるものであり、例えばギャップ層25が接着性を有していている場合にはなくてもよい。
【0019】
(センサ電極層)
図4は、平面状態におけるセンサ電極層21の構成を示す平面図である。センサ電極層21は、複数のセンシング部20SEを含む。センサ電極層21は、湾曲部21Mと、複数の延設部21Nとを備える。
【0020】
湾曲部21Mは、円弧状を有する。ここで、円弧状には、ほぼ円弧状が含まれるものとする。複数の延設部21Nは、湾曲部21Mの凹状に湾曲した側の周縁から湾曲部21Mの中心に向かって延設されている。また、複数の延設部21Nは、湾曲部21Mの凹状に湾曲した側の周縁に等間隔または不等間隔で設けられている。図4では、複数の延設部21Nが、湾曲部21Mの凹状に湾曲した側の周縁に等間隔で設けられている例が示されている。複数の延設部21Nのうち最も長い延設部21Nは、湾曲部21Mの凹状に湾曲した側の周縁の中央から延設されている。複数の延設部21Nのうち最も長い延設部21Nは、凸曲面状を有するセンサ本体20Aの頂部を跨ぎ、センサ本体20Aの凸曲面状の頂部に位置するセンシング部20SEを含む。
【0021】
複数の延設部21Nは、1つまたは複数のセンシング部20SEを含む。図4では、センサ電極層21が、1つのセンシング部20SEを含む4つの延設部21Nと、2つのセンシング部20SEを含む2つの延設部21Nと、5つのセンシング部20SEを含む1つの延設部21Nとを備える例が示されている。センシング部20SEは、センシング部20SEと電極基材22との距離に対応した静電容量を検出する。
【0022】
複数のセンシング部20SEを含む延設部21Nでは、複数のセンシング部20SEは、延設部21Nの延設方向に、すなわち湾曲部21Mから当該湾曲部21Mの中心に向かって配置され、1または複数の列を構成している。図4では、延設部21Nに含まれる複数のセンシング部20SEが、1つの列を構成する例が示されている。
【0023】
図5は、センサ電極層21の構成を示す平面図である。図6は、延設部21Nを拡大して示す平面図である。なお、図5図6では、保護層21Bが設けられていない状態におけるセンサ電極層21および延設部21Nを示している。センサ電極層21は、基材21Aと、複数のセンシング部20SEと、保護層21B(図3参照)と、複数の配線21E、複数の配線21Fとを備える。センサ電極層21は、センサ20の面内方向に非伸縮性を有している。
【0024】
基材21Aは、可撓性を有するフィルムである。基材21Aは、高分子樹脂を含み、可撓性を有する。高分子樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリイミド(PI)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、環状オレフィンポリマー(COP)またはノルボルネン系熱可塑性樹脂等が挙げられるが、これらの高分子樹脂に限定されるものではない。
【0025】
センシング部20SEは、基材21Aの一方の面に設けられている。センシング部20SEは、パルス電極(第1の電極)21Cおよびセンス電極(第2の電極)21Dを備える。パルス電極21Cとセンス電極21Dは、容量結合を形成可能に構成されている。パルス電極21Cおよびセンス電極21Dは、櫛歯状を有し、互いの櫛歯状の部分を噛み合わせるようにして配置されている。センシング部20SEは、このように配置されたパルス電極21Cおよびセンス電極21Dにより構成されている。
【0026】
より具体的には、パルス電極21Cは、線状を有する複数のサブ電極(第1のサブ電極)21Cを備える。センス電極21Dは、線状を有する複数のサブ電極(第2のサブ電極)21Dを備える。複数のサブ電極21C、21Dは、一定の間隔離して交互に配置されている。センシング部20SEは、このように交互に配置された複数のサブ電極21C、21Dにより構成されている。
【0027】
センシング部20SEでは、パルス電極21Cとセンス電極21Dの間の漏れ電界を用いて圧力(静電容量)を検出するため、パルス電極21Cとセンス電極21Dの間の距離が変化すると圧力感度が変化し、信頼性が低下してしまう。したがって、センサ電極層21の基材21Aは、信頼性の低下を抑制する観点から、非伸縮性の材料により構成されている。
【0028】
湾曲部21Mは、複数の配線21Eおよび複数の配線21Fを含む。複数の配線21E、複数の配線21Fは、複数のセンシング部20SEにそれぞれ接続されている。配線21Eは、パルス電極21Cから引き出されたのち、湾曲部21Mから接続部20Bに引き回れされている。配線21Fは、センス電極21Dから引き出されたのち、湾曲部21Mから接続部20Bに引き回されている。
【0029】
保護層21Bは、センシング部20SEが設けられた基材21Aの一方の面を覆う。保護層21Bは、センシング部20SEを保護するためのものである。保護層21Bは、例えばカバーレイフィルム等の絶縁フィルムまたは絶縁レジスト材料である。なお、センサ20が、保護層21Bを備えず、センシング部20SEが設けられた基材21Aの一方の面上に、接着層26Aが直接設けられていてもよい。
【0030】
センサ電極層21と接続部20Bとは1つの基材21Aにより一体的に構成されている。センサ電極層21と接続部20Bとは1つのフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits、以下「FPC」という。)により一体的に構成されていてもよい。このようにセンサ電極層21と接続部20Bとを一体的に構成することで、センサ20の部品点数を減らすことができる。また、センサ20と回路基板(図示せず)との接続の衝撃耐久性を向上することができる。
【0031】
(電極基材)
電極基材22、23は、可撓性を有する電極フィルムである。電極基材22、23は、センサ20の面内方向に伸縮性を有している。但し、電極基材22、23が面内方向に伸びた状態でも、抵抗が10Ω/□を上回らないような材料を選択することが好ましい。電極基材22、23は、球面状等の凸曲面状を有している。
【0032】
電極基材22は、可撓性を有する基材22Aと、基材22Aの一方の面に設けられたリファレンス電極層(以下「REF電極層」という。)22Bとを備える。電極基材22は、REF電極層22Bがセンサ電極層21の一方の面に対向するようにして、センサ電極層21の一方の面側に設けられている。電極基材23は、可撓性を有する基材23Aと、基材23Aの一方の面に設けられたREF電極層23Bとを備える。電極基材23は、REF電極層23Bがセンサ電極層21の他方の面に対向するようにして、センサ電極層21の他方の面側に設けられている。電極基材23は、電子機器10が有する外装体(例えば筐体)等であってもよい。
【0033】
基材22A、23Aは、フィルム状を有している。基材22A、23Aは、センサ20の面内方向に伸縮性を有している。基材22A、23Aの材料としては、発泡樹脂またはエラストマ等を用いることができる。
【0034】
REF電極層22B、23Bは、いわゆる接地電極であり、グランド電位となっている。REF電極層22B、23Bは、センサ20の面内方向に伸縮性を有している。REF電極層22B、23Bの形状としては、例えば、薄膜状、箔状またはメッシュ状等が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。
【0035】
REF電極層22B、23Bは、導電性材料を含む。導電性材料は、例えば、導電性フィラーおよび導電性高分子のうちの少なくとも1種である。導電性フィラーの形状としては、例えば、球状、楕円体状、針状、板状、鱗片状、チューブ状、ワイヤー状、棒状(ロッド状)、繊維状、不定形状等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。なお、1種の形状の導電性フィラーのみを用いてもよいし、2種以上の形状の導電性フィラーを組み合わせて用いてもよい。REF電極層22B、23Bは、導電布であってもよい。
【0036】
導電性フィラーは、例えば、炭素系フィラー、金属系フィラー、金属酸化物系フィラーおよび金属被覆系フィラーのうちの少なくとも1種を含む。ここで、金属には、半金属が含まれるものと定義する。
【0037】
炭素系フィラーは、例えば、カーボンブラック(例えばケッチェンブラック、アセチレンブラック等)、ポーラスカーボン、炭素繊維(例えばPAN系、ピッチ系等)、カーボンナノファイバー、フラーレン、グラフェン、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ(例えばSWCNT、MWCNT等)、カーボンマイクロコイルおよびカーボンナノホーンのうちの少なくとも1種を含む。
【0038】
金属系フィラーは、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、チタン、ビスマス、アンチモンおよび鉛のうちの少なくとも1種を含む。
【0039】
金属酸化物系フィラーは、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、ガリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛、酸化亜鉛-酸化錫、酸化インジウム-酸化錫または酸化亜鉛-酸化インジウム-酸化マグネシウムを含む。
【0040】
金属被覆系フィラーは、ベースフィラーを金属で被覆したものである。ベースフィラーは、例えば、マイカ、ガラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維、炭酸カルシウム、酸化亜鉛または酸化チタンである。ベースフィラーを被覆する金属は、例えば、NiおよびAlのうちの少なくとも1種を含む。
【0041】
導電性高分子は、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)、ポリアニリン、ポリアセチレンおよびポリピロールのうちの少なくとも1種を含む。
【0042】
REF電極層22B、23Bが、必要に応じてバインダーをさらに含んでいてもよい。バインダーは、伸縮性を有している。バインダーは、エラストマであることが好ましい。
【0043】
電極基材22、23がセンサ電極層21の両面側に設けられていることで、外部ノイズ(外部電場)がセンサ20の両面側からセンサ電極層21内に入り込むことを抑制することができる。したがって、外部ノイズによるセンサ20の検出精度の低下または誤検出を抑制することができる。
【0044】
(弾性層)
弾性層24は、センサ20の電極基材22側の面に加えられた圧力により弾性変形可能に構成されている。センサ電極層21と電極基材22との間に弾性層24を挟むことで、センサ20の感度とダイナミックレンジを調整することができる。弾性層24が、必要に応じて支持体上に設けられていてもよい。支持体の材料としては、例えばエラストマ等を用いることができる。弾性層24は、センサ20の面内方向に伸縮性を有している。弾性層24は、球面状等の凸曲面状を有している。
【0045】
弾性層24は、発泡樹脂またはエラストマ等を含んでいる。発泡樹脂は、いわゆるスポンジであり、例えば、発泡ポリウレタン(ポリウレタンフォーム)、発泡ポリエチレン(ポリエチレンフォーム)、発泡ポリオレフィン(ポリオレフィンフォーム)、発泡アクリル(アクリルフォーム)およびスポンジゴム等のうちの少なくとも1種である。エラストマは、例えば、シリコーン系エラストマ、アクリル系エラストマ、ウレタン系エラストマおよびスチレン系エラストマ等のうちの少なくとも1種である。
【0046】
(ギャップ層)
ギャップ層25は、絶縁性を有すると共に、電極基材23とセンサ電極層21との間を離間するものであり、ギャップ層25の厚みによりセンサ20の初期の静電容量が調整される。ギャップ層25がセンサ20の電極基材22側の面に加わる圧力により弾性変形可能に構成されていてもよいし、弾性変形可能に構成されていなくてもよい。ギャップ層25が弾性変形可能に構成されている場合には、ギャップ層25は、発泡樹脂またはエラストマ等を含んでいてもよい。ギャップ層25は、センサ20の面内方向に伸縮性を有している。ギャップ層25は、球面状等の凸曲面状を有している。
【0047】
ギャップ層25は、接着性を有していてもよいし、接着性を有していなくてもよい。ギャップ層25が接着性を有する場合には、ギャップ層25により、電極基材23とセンサ電極層21とが貼り合わされる。接着性を有するギャップ層25は、例えば、単層の接着層、または基材の両面に接着層が設けられた積層体(例えば両面接着フィルム)により構成される。接着層は、センサ20の面内方向に伸縮性を有していてもよい。
【0048】
上記の接着層に含まれる接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤およびウレタン系接着剤のうちの少なくとも1種を用いることができる。なお、本開示においては、粘着(pressure sensitive adhesion)は接着(adhesion)の一種と定義する。この定義に従えば、粘着層は接着層の一種と見なされる。
【0049】
(接着層)
接着層26A、26B、27A、27Bは、例えば、絶縁性を有する接着剤または両面接着フィルムにより構成される。接着剤としては、上述のギャップ層25の接着剤と同様のものを例示できる。接着層26A、26B、27A、27Bは、センサ20の面内方向に伸縮性を有していてもよい。
【0050】
(接続部)
接続部20Bは、コントローラIC13を有する回路基板(図示せず)に接続する。接続部20B上にコントローラIC13が設けられていてもよい。接続部20Bは、センサ本体20Aの周縁の一部から延設されている。より具体的には、接続部20Bは、湾曲部21Mの凸状に湾曲した側の周縁の中央から延設されている。最も長い延設部21Nと接続部20Bが直線状に設けられていてもよい。接続部20Bは、グランド電極20Dと、基材21Aと、接続端子20Cと、複数の配線21Eと、複数の配線21Fと、配線21Gと、保護層21Bとを備える。
【0051】
接続端子20C、グランド電極20D、複数の配線21E、複数の配線21Fおよび配線21Gは、基材21A上に設けられている。接続端子20Cは、基材21Aの先端に設けられている。接続端子20Cは、上記回路基板が有する接続端子(図示せず)と接続される。
【0052】
基材21Aは、接続部20Bの長辺から突出した突出部20Eを有する。突出部20E上には、グランド電極20Dが設けられている。配線21Eは、パルス電極21Cと接続端子20Cとを接続する。配線21Fは、センス電極21Dと接続端子20Cとを接続する。配線21Gは、グランド電極20Dと接続端子20Cとを接続する。
【0053】
[センサの貼合方法]
上述の構成を有するセンサ20を曲面部10Aに装着する方法としては、例えば、センサ20の全層を予め平面で貼合した後に曲面部10Aに貼合する方法、センサ20を構成する各層を1層ずつ曲面部10Aに貼合していく方法、センサ20を構成する複数の層を2回以上に分けて曲面部10Aに貼合する方法が挙げられる。センサ20を有する電子機器10の作製コストおよび作製時間を低減するためには、貼合回数を減らすことが好ましいが、センサ20の全層を1回で貼合する場合、上層のフィルムほどテンションがかかり、弾性層24が潰れてしまって、感度が低下する虞がある。したがって、センサ20の感度低下を抑制する観点からすると、少なくとも弾性層24と電極基材22との間の界面で分けて貼合することが好ましい。
【0054】
曲面部10Aに対する貼合方法としては、例えば、曲面部10Aに応じたローラーを用いて貼合する方法、ゴムシートで作られたエアバッグまたはダイアフラム等を用いて貼合する方法が挙げられる。特に加飾技術で用いられている、転写シートを用いた真空貼合方式が好ましい。
【0055】
貼合時には、電極基材22、23、弾性層24およびギャップ層25は、円形状を有していてもよいし、円形状以外の、矩形状等の形状を有していてもよい。電極基材22、23、弾性層24およびギャップ層25が矩形状等の形状を有する場合には、電極基材22、23、弾性層24およびギャップ層25は、曲面部10Aに貼合されたのちに、曲面部10Aの形状に合うようにカットされてもよい。
【0056】
[センサの動作]
曲面部10Aに装着されたセンサ20の表面に圧力が作用すると、電極基材22が、圧力の作用箇所を中心としてセンサ電極層21に向けて撓み、弾性層24の一部を押し潰す。これにより、REF電極層22Bとセンサ電極層21の一部が接近する。その結果、センサ電極層21のうち、REF電極層22Bに接近した部分に含まれる1または複数のセンシング部20SEの電気力線の一部(すなわちパルス電極21Cとセンス電極21Dの間の電気力線の一部)がREF電極層22Bに流れて、1または複数のセンシング部20SEの静電容量が変化する。
【0057】
ギャップ層25がセンサ20の電極基材22側の面に加わる圧力により弾性変形可能に構成されている場合には、以下のようにして1または複数のセンシング部20SEの静電容量がさらに変化する。すなわち、上述のようにして押し潰された弾性層24の一部により、センサ電極層21の、電極基材22側の面に圧力が作用すると、センサ電極層21が、圧力の作用箇所を中心として電極基材23に向けて撓み、ギャップ層25の一部を押し潰す。これにより、センサ電極層21と電極基材23の一部が接近する。その結果、センサ電極層21のうち、REF電極層23Bに接近した部分に含まれる1または複数のセンシング部20SEの電気力線の一部(すなわちパルス電極21Cとセンス電極21Dの間の電気力線の一部)がさらにREF電極層23Bに流れる。
【0058】
コントローラIC13は、センサ電極層21に含まれる複数のセンシング部20SEを順次スキャンし、複数のセンシング部20SEから出力信号分布、すなわち静電容量分布を取得し、取得した出力信号分布をホスト機器12に出力する。
【0059】
[効果]
上述したように、第1の実施形態に係るセンサ20では、REF電極層22B、23B、弾性層24およびギャップ層25は、伸縮性を有している。また、センサ電極層21は、湾曲部21Mと、湾曲部21Mの凹状に湾曲した側の周縁から延設された複数の延設部21Nとを備える。これにより、センサ20を伸長させながら、凸曲面状の曲面部10Aに装着することができる。したがって、皺の発生を抑制しつつ、センサ20を凸曲面状の曲面部10Aに装着することができる。また、皺の発生が抑制されることで、センサ20の感度ムラや不感領域等が発生を抑制することができる。
【0060】
また、センサ電極層21、すなわち基材21Aは、非伸縮性を有しているので、センサ電極層21を曲面部10Aに貼合する際に、パルス電極21Cのサブ電極21Cとセンス電極21Dのサブ電極21Dの距離が変化することを抑制することができる。したがって、センサ20を凸曲面状の曲面部10Aに装着した前後で、センシング部20SEの圧力感度が変化することを抑制することができる。
【0061】
また、センサ20の全層を予め貼合した後に、センサ20を曲面部10Aに装着することができる。またはセンサ20を構成する各層を1層ずつ、もしくは2層以上まとめて曲面部10Aに貼合することで、センサ20を曲面部10Aに装着することができる。これにより、センサ20の凸曲面状の曲面部10Aへの実装性を向上することができる。また、様々な直径を有する曲面部10Aにセンサ20を装着可能である。
【0062】
また、センサ20を構成する各層は全体として1つになっているため、センサ20のエッジ部分が少なく、端部からの剥がれや劣化等を抑制することができる。したがって、センサ20の耐久性を向上することができる。
【0063】
[変形例]
(変形例1)
上述の第1の実施形態では、センサ本体20Aおよび曲面部10Aが有する凸曲面状が、球面状である場合について説明したが、センサ本体20Aおよび曲面部10Aが有する凸曲面状は、非球面状であってもよい。非球面状は、例えば、楕円面状、放物面状または双曲面状等である。ここで、楕円面状、放物面状、双曲面状にはそれぞれ、ほぼ楕円面状、ほぼ放物面状、ほぼ双曲面状が含まれるものとする。
【0064】
(変形例2)
上述の第1の実施形態では、電子機器10が凸曲面状の曲面部10Aを有し、この曲面部10Aにセンサ20を設ける場合について説明したが、電子機器10が凹曲面状の曲面部10Aを有し、この曲面部10Aにセンサ20を設けるようにしてもよい。
【0065】
この場合、センサ20の各層の積層順序が第1の実施形態とは反対となっていることが好ましい。すなわち、センサ20の各層が、センサ20の凹面側から凸面側に向かって、電極基材22、接着層26B、弾性層24、接着層26A、センサ電極層21、接着層27A、ギャップ層25、接着層27B、電極基材23の順序で積層されていることが好ましい。
【0066】
(変形例3)
電極基材22、23が、1または複数のスリットを有していてもよい。これにより、電極基材22、23をセンサ20の面内方向にさらに伸長させやすくなるため、凸曲面状の曲面部10Aに対するセンサ20の装着性をさらに向上することができる。
【0067】
図9は、電極基材22が有するスリット22Cの形状の一例を示す平面図である。スリット22Cは、電極基材22の周縁から中心に向かって延設されている。複数のスリット22Cが、電極基材22の中心から放射状に延設されていてもよい。図9では、電極基材22が複数のスリットを有する例について示されているが、電極基材22が1つのスリットを有していてもよい。
【0068】
電極基材23が有する1または複数のスリットの形状は、電極基材22が有する1または複数のスリット22Cの形状(図9参照)と同様にすることができる。
【0069】
弾性層24が、1または複数のスリットを有していてもよい。これにより、弾性層24をセンサ20の面内方向にさらに伸長させやすくなるため、凸曲面状の曲面部10Aに対するセンサ20の装着性をさらに向上することができる。
【0070】
弾性層24が有する1または複数のスリットの形状は、電極基材22が有する1または複数のスリット22Cの形状(図9参照)と同様にすることができる。
【0071】
ギャップ層25が、1または複数のスリットを有していてもよい。これにより、ギャップ層25をセンサ20の面内方向にさらに伸長させやすくなるため、凸曲面状の曲面部10Aに対するセンサ20の装着性をさらに向上することができる。
【0072】
ギャップ層25が有する1または複数のスリットの形状は、電極基材22が有する1または複数のスリット22Cの形状(図9参照)と同様にすることができる。
【0073】
センサ本体20Aを構成する各層が有するスリット位置およびスリット頻度等のうちの少なくとも1つを変えることが好ましい。これにより、センサ本体20Aに一体感を付与することができる。また、装着容易性や剥がれ等への耐久性を向上することができる。
【0074】
(変形例4)
平面状態のセンサ電極層21における湾曲部21Mの長さは、センサ20が設けられる曲面部10Aの曲率やサイズ等により調整されることが好ましい。平面状態のセンサ電極層21における湾曲部21Mの長さは、図4に示すように、半周以上であってもよいし、図7に示すように、半周未満であってもよい。
【0075】
(変形例5)
上述の第1の実施形態では、複数の延設部21Nのうち最も長い延設部21Nが、湾曲部21Mの凹状に湾曲した側の周縁の中央から延設されている場合について説明したが、最も長い延設部21Nの延設位置はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、最も長い延設部21Nが、湾曲部21Mの凹状に湾曲した側の周縁の一端から延設されていてもよい。この場合、接続部20Bが、湾曲部21Mの凸状に湾曲した側の周縁の一端から延設され、最も長い延設部21Nと接続部20Bが直線状になっていてもよい。
【0076】
(変形例6)
上述の第1の実施形態では、センサ電極層21が、湾曲部21Mと、複数の延設部21Nを備える場合について説明したが、センサ電極層21の構成はこれに限定されるものではない。例えば、図10に示すように、センサ電極層21が、中央部21Vと、中央部21Vから放射状に延設された複数の延設部21Wとを備えるようにしてもよい。延設部21Wは、1または複数のセンシング部20SEを含む。複数のセンシング部20SEから引き出された複数の配線(図示せず)は、中央部21Vおよび接続部20Bを通って接続端子20C(図5参照)に接続される。
【0077】
(変形例7)
図11に示すように、接続部20Bが、当該接続部20Bの両面にメッシュ状の導電層20Fをさらに備えるようにしてもよい。具体的には、接続部20Bが、基材21Aの一方の面に設けられた保護層21B上、および基材21Aの他方の面上にメッシュ状の導電層20Fをさらに備えるようにしてもよい。接続部20Bの両面に導電層20Fが備えられていることで、外部ノイズ(外部電場)が接続部20Bの両面から配線21E、21Fに入り込むことを抑制することができる。したがって、外部ノイズによるセンサ20の検出精度の低下または誤検出を抑制することができる。
【0078】
なお、導電層20Fの形状は、メッシュ状以外の幾何学模様状であってもよいし、導電層20Fが接続部20Bの両面全体に設けられた薄膜であってもよい。但し、接続部20Bのフレキシブル性等を考慮すると、導電層20Fの形状はメッシュ状であることが好ましい。導電層20Fの材料としては、REF電極層22B、23Bと同様の材料を例示することができる。
【0079】
(変形例8)
基材22Aは無くてもよい。すなわち、センサ20が、電極基材22に代えてREF電極層22Bを備えるようにしてもよい。同様に、基材23Aも無くてもよい。すなわち、センサ20が、電極基材23に代えてREF電極層23Bを備えるようにしてもよい。この場合、REF電極層23Bは、電子機器10が有する外装体(例えば筐体)等であってもよい。
【0080】
<2 第2の実施形態>
[センサの構成]
図12は、本開示の第2の実施形態に係るセンサ120の斜視図である。センサ120は、センサ本体20A(図2参照)に代えて、マトリックス状に配置された複数のセンシング部20SEを含むセンサ本体120Aを備える点にいて、第1の実施形態に係るセンサ20とは異なっている。
【0081】
図13は、図12のXIII-XIII線に沿った断面図である。センサ本体120Aは、センサ電極層21(図4参照)に代えて、センサ電極層121を備える点において、第1の実施形態におけるセンサ本体20Aとは異なっている。
【0082】
図14は、平面状態におけるセンサ電極層121の構成を示す平面図である。センサ電極層121は、複数の島部122と、複数の橋部123Aと、複数の橋部123Bと、複数の橋部124Aと、複数の橋部124Bと、ベゼル部125と、ベゼル部126とを備える。なお、本明細書において、平面状態におけるセンサ電極層121の面内において互いに直交する軸をそれぞれX軸およびY軸といい、センサ電極層121の主面に垂直な軸をZ軸という。
【0083】
複数の島部122、複数の島部122、複数の橋部123A、複数の橋部123B、複数の橋部124A、複数の橋部124B、ベゼル部125およびベゼル部126は、1つの基材21Aにより一体的に構成されている。複複数の島部122、複数の島部122、複数の橋部123A、複数の橋部123B、複数の橋部124A、複数の橋部124B、ベゼル部125およびベゼル部126が、1つのFPCにより一体的に構成されていてもよい。このように各部を一体的に構成することで、センサ120の部品点数を減らすことができる。また、各部の接続の衝撃耐久性を向上することができる。
【0084】
(島部)
各島部122は、1つのセンシング部20SEを含む。複数の島部122は、X、Y軸方向(第1、第2方向)に2次元配列、具体的にはマトリックス状に配列されている。Z軸方向から平面視された島部122は、正方形状を有している。
【0085】
図15は、図14の領域R1を拡大して表す平面図である。島部122は、第1の実施形態における延設部21Nと同様に、基材21Aと、センシング部20SEと、保護層21Bとを備える。センシング部20SEは、パルス電極21Cとセンス電極21Dとを備える。なお、図15では、保護層21Bの図示を省略している。
【0086】
(橋部)
橋部123Aは、X軸方向に隣接する島部122間に設けられ、X軸方向に隣接する島部122を連結する。橋部123Bは、X軸方向に隣接する島部122とベゼル部126の間に設けられ、X軸方向に隣接する島部122とベゼル部126を連結する。橋部123A、123Bは、X軸方向に伸縮可能な構成を有している。Z軸方向から平面視された橋部123A、123Bは、ミアンダ状を有している。本明細書において、ミアンダ状には、正弦波状、三角波状および矩形波状等の波形状も含まれるものとする。
【0087】
橋部124Aは、Y軸方向に隣接する島部122間に設けられ、Y軸方向に隣接する島部122を連結する。橋部124Bは、Y軸方向に隣接する島部122とベゼル部125の間に設けられ、Y軸方向に隣接する島部122とベゼル部125を連結する。橋部124A、124Bは、Y軸方向に伸縮可能な構成を有している。Z軸方向から平面視された橋部124A、124Bは、ミアンダ状を有している。
【0088】
橋部123A、123Bは、基材21Aと、配線123Cと、保護層21Bとを備える。配線123Cは、基材21Aの一方の面に設けられている。保護層21Bは、配線123Cを覆うように、基材21Aの一方の面に設けられている。配線123Cは、X軸方向に隣接する島部122に含まれるセンス電極21D同士を電気的に接続する。
【0089】
橋部124A、124Bは、基材21Aと、配線124Cと、保護層21Bとを備える。配線124Cは、基材21Aの一方の面に設けられている。保護層21Bは、配線124Cを覆うように、基材21Aの一方の面に設けられている。配線124Cは、Y軸方向に隣接する島部122に含まれるパルス電極21C同士を電気的に接続する。配線124Cの先端124CAおよびパルス電極21Cの先端21CAの部分には、図示しないスルーホールが設けられている。配線124Cとパルス電極21Cは、このスルーホールを介して基材21Aの他方の面で接続されている。
【0090】
(ベゼル部)
ベゼル部125は、マトリックス状に配列された複数の島部122の周囲に設けられている。具体的には、ベゼル部125は、Y軸方向の一端に位置する島部122の行に隣接して設けられ、島部122の行と平行になっている。ベゼル部126は、X軸方向の一端に位置する島部122の列に隣接して設けられ、島部122の列と平行になっている。
【0091】
ベゼル部125は、橋部124Bに備えられた配線124Cと接続部20Bに備えられた配線21E(図5参照)とを接続する接続部である。ベゼル部125は、X軸方向に伸縮可能な構成を有している。ベゼル部125は、ミアンダ状を有している。
【0092】
図16Aは、図14の領域R2を拡大して表す平面図である。なお、図16Aでは、保護層21Bの図示を省略している。ベゼル部125は、基材21Aと、配線125Aと、保護層21Bとを備える。配線125Aは、基材21Aの一方の面に設けられている。保護層21Bは、配線125Aを覆うように、基材21Aの一方の面に設けられている。配線125Aは、橋部124Bに備えられた配線124Cと接続部20Bに備えられた配線21E(図5参照)とを電気的に接続する。
【0093】
ベゼル部126は、橋部123Bに備えられた配線123Cと接続部20Bに備えられた配線21F(図5参照)とを接続する接続部である。ベゼル部126は、Y軸方向に伸縮可能な構成を有している。ベゼル部126は、ミアンダ状を有している。
【0094】
図16Bは、図14の領域R3を拡大して表す平面図である。なお、図16Bでは、保護層21Bの図示を省略している。ベゼル部126は、基材21Aと、配線126Aと、保護層21Bとを備える。配線125Aは、基材21Aの一方の面に設けられている。保護層21Bは、配線126Aを覆うように、基材21Aの一方の面に設けられている。配線125Aは、橋部124Bに備えられた配線125Aと接続部20Bに備えられた配線21F(図5参照)とを電気的に接続する。
【0095】
[効果]
上述したように、第2の実施形態に係るセンサ120では、X軸方向に隣接する島部122間は、X軸方向に伸縮可能な構成を有する橋部123Aで連結されている。また、Y軸方向に隣接する島部122間は、Y軸方向に伸縮可能な構成を有する橋部124Aで連結されている。これにより、REF電極層22B、23B、弾性層24およびギャップ層25と共に、センサ電極層121を伸長させることができる。したがって、センサ120を伸長させながら、凸曲面状の曲面部10Aに装着することができる。よって、第1の実施形態に係るセンサ20と同様の効果を得ることができる。
【0096】
[変形例]
(変形例1)
上述の第2の実施形態では、島部122が1つのセンシング部20SEを含む場合について説明したが、島部122が複数のセンシング部20SEを含むようにしてもよい。
【0097】
(変形例2)
上述の第2の実施形態では、Z軸方向から平面視された橋部123A、123Bおよび橋部124A、124Bがミアンダ状を有する場合について説明したが、Z軸方向から平面視された橋部123A、123Bおよび橋部124A、124Bの形状はこれに限定されるものではなく、S字状または渦巻状等を有していてもよい。ここで、渦巻状は、隣接する2つの島部122を渦の中心とする渦巻状を意味する。
【0098】
上述の第2の実施形態では、Z軸方向から平面視された島部122が正方形状を有する場合について説明したが、正方形状以外の四角形状、四角形以外の多角形状、円形状または楕円形状等を有していてもよい。
【0099】
<3 応用例>
[電子機器の例]
第1、第2の実施形態およびそれらの変形例に係るセンサ20、120の少なくとも1種は、種々の電子機器に適用可能である。例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯電話、テレビ、リモートコントローラ、カメラ、ゲーム機器、ナビゲーションシステム、電子書籍、電子辞書、携帯音楽プレイヤー、キーボード、ウェアラブル端末、ラジオ、ステレオ、医療機器またはロボット等に適用可能である。ウェアラブル端末としては、例えば、スマートウォッチ、ヘッドマウンドディスプレイまたは衣服等が挙げられる。
【0100】
[電子機器以外の例]
第1、第2の実施形態およびそれらの変形例に係るセンサ20、120の少なくとも1種は、電子機器以外の様々なものにも適用可能である。例えば、電動工具、冷蔵庫、エアコン、温水器、電子レンジ、食器洗浄器、洗濯機、乾燥機、照明機器または玩具等の電気機器に適用可能である。更に、住宅をはじめとする建築物、建築部材、乗り物、テーブルや机等の家具、製造装置または分析機器等にも適用可能である。乗り物としては、例えば、車両(例えば自動車、オートバイ等)、船舶、潜水艦、鉄道車両、航空機、宇宙船、エレベータまたは遊具等が挙げられる。
【実施例
【0101】
以下、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例においては、上述の実施形態と対応する部分には同一の符号を付して説明する。
【0102】
実施例1~4では、複数のセンシング部20SEがセンサ本体20Aの頂部を中心して放射状に配列されたセンサ20(図2参照)を作製した。以下の実施例1~4の説明では、図4図7に示す座標(X、Y)を用いて、センシング部20SEを特定する。なお、座標(X、Y)は、センシング部20SEの中心位置を示すものとする。X軸は、平面状態のセンサ電極層21において、延設部21Nの延設方向に平行な軸であり、Y軸は、平面状態のセンサ電極層21において、円弧状の湾曲部21Mの周方向に平行な軸である。
【0103】
[実施例1]
まず、以下に示す各層を、筐体が有する球面状の曲面部10Aに1層ずつ貼合することにより、図2図3に示す構成を有する、球面状のセンサ20を作製した。なお、基材22A、23Aは使用しない構成とした。
REF電極層22B:ストレッチャブル導電布(厚み190μm)
接着層26B:基材レス両面テープ(厚み50μm)
弾性層24:エラストマ基材上にポリウレタンスポンジ層が形成されたシート(以下「基材付スポンジシート」という。)(厚み500μm)
接着層26A:基材レス両面テープ(厚み25μm)
センサ電極層21:図4図6に示す構成を有するFPC(厚み100μm)
接着層27A:基材有り両面テープ(厚み30μm)
ギャップ層25:基材付スポンジシート(厚み500μm)
接着層27B:基材レス両面テープ(厚み25μm)
REF電極層23B:ストレッチャブル導電布(厚み190μm)
接着層:基材レス両面テープ(厚み50μm)
筐体:ABS樹脂製、筐体の直径R(図2参照)=33mm、球面状の曲面部10Aの直径(図2参照)SR=36mm
【0104】
次に、センサ20の表面を目視に観察した。その結果、皺の発生は確認されなかった。次に、直径R=4.5mmの圧子を用いて、座標(X0,Y0)に位置するセンシング部20SEを50gfで押圧したときの容量変化量に相当するセンサ出力(デルタ値)を取得した。その結果を図17に示した。
また、直径R=4.5mmの圧子を用いて、座標(X2,Y3)に位置するセンシング部20SEを50gf、200gfで押圧したときの容量変化量に相当するセンサ出力(デルタ値)を取得した。その結果を図18A(50gで押圧したとき出力値)、図18B(200gfで押圧したとき出力値)に示した。
【0105】
[実施例2]
センサ20を装着する筐体として、筐体の直径R=33mm、球面状の曲面部10Aの直径SR=18mm、ABS樹脂製の筐体を用いた。また、センサ電極層21として、図7に示す構成を有するFPCを用いた。これら以外のことは実施例1と同様にしてセンサ20を曲面部10A上に作製した。
【0106】
次に、センサ20の表面を目視に観察した。その結果、皺の発生は確認されなかった。次に、直径R=4.5mmの圧子を用いて、座標(X2,Y3)に位置するセンシング部20SEを200gfで押圧したときの容量変化量に相当するセンサ出力(デルタ値)を取得した。その結果を図19に示した。
【0107】
[実施例3]
弾性層24、ギャップ層25として、基材レスのポリウレタンスポンジシート(厚み300μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてセンサ20を曲面部10A上に作製した。
【0108】
次に、センサ20の表面を目視に観察した。その結果、皺の発生は確認されなかった。次に、座標(X2,Y3)に位置するセンシング部20SEを200gfで押圧したときの容量変化量に相当するセンサ出力(デルタ値)を取得した。その結果、実施例1とほぼ同様な結果が得られた。
【0109】
[実施例4]
弾性層24、ギャップ層25として、基材レスのポリウレタンスポンジシート(厚み300μm)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてセンサ20を曲面部10A上に作製した。
【0110】
次に、センサ20の表面を目視に観察した。その結果、皺の発生は確認されなかった。次に、座標(X2,Y3)に位置するセンシング部20SEを200gfで押圧したときの容量変化量に相当するセンサ出力(デルタ値)を取得した。その結果、実施例2とほぼ同様な結果が得られた。
【0111】
図17図18A図18B図19から、球面状の曲面部10Aにセンサ20を装着することで、曲面部10Aに作用する圧力を良好な感度で検出可能であり、かつ、押圧位置を精度良く検出可能であることがわかる。
【0112】
また、実施例3、4のセンサ出力の評価結果から、弾性層24およびギャップ層25として基材レスのスポンジシートを用いた場合にも、弾性層24およびギャップ層25として基材付スポンジシートを用いた場合と同様に、曲面部10Aに作用する圧力を良好な感度で検出可能であり、かつ、押圧位置を精度良く検出可能であることがわかる。
【0113】
実施例5、6では、複数のセンシング部20SEがマトリックス状に配列されたセンサ20(図12参照)を作製した。実施例2、3では、図14に示す座標(X、Y)を用いて、センシング部20SEを特定する。なお、座標(X、Y)は、センシング部20SEの中心位置を示すものとする。X軸は、平面状態のセンサ電極層121において、マトリックス状に配列された複数の島部122の行方向に平行な軸であり、Y軸は、平面状態のセンサ電極層121において、マトリックス状に配列された複数の島部122の列方向に平行な軸である。
【0114】
[実施例5]
センサ電極層121として、図14図15図16A図16Bに示す構成を有するFPC(100μm)を用いた。また、接着層27Aとして、基材有り両面テープ(厚み25μm)を用いた。但し、島部122のマトリックス状配列は、図14に示すと異なり、3行×3列に設定された。これ以外のことは実施例1と同様にして、図12図13に示す構成を有するセンサ120を曲面部10A上に作製した。
【0115】
次に、センサ20の表面を目視に観察した。その結果、皺の発生は確認されなかった。次に、座標(X1,Y1)に位置するセンシング部20SEを200gfで押圧したときの容量変化量に相当するセンサ出力(デルタ値)を取得した。その結果を図20に示した。
【0116】
[実施例6]
島部122のマトリックス状配列を5行×5列に設定したこと以外は実施例5と同様にして、センサ120を曲面部10A上に作製した。
【0117】
次に、センサ20の表面を目視に観察した。その結果、皺の発生は確認されなかった。次に、座標(X2,Y2)に位置するセンシング部20SEを200gfで押圧したときの容量変化量に相当するセンサ出力(デルタ値)を取得した。その結果を図21に示した。
【0118】
図20図21から、球面状の曲面部10Aにセンサ120を装着することで、曲面部10Aに作用する圧力を良好な感度で検出可能であり、かつ、押圧位置を精度良く検出可能であることがわかる。
【0119】
以上、本開示の第1、第2の実施形態およびそれらの変形例について具体的に説明したが、本開示は、上述の第1、第2の実施形態およびそれらの変形例に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0120】
例えば、上述の第1、第2の実施形態およびそれらの変形例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
【0121】
上述の第1、第2の実施形態およびそれらの変形例の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0122】
上述の第1、第2の実施形態およびそれらの変形例に例示した材料は、特に断らない限り、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0123】
また、本開示は以下の構成を採用することもできる。
(1)
複数のセンシング部を有する静電容量式のセンサ電極層と、
前記センサ電極層の第1の面に対向する伸縮性の第1のリファレンス電極層と、
前記センサ電極層の第2の面に対向する伸縮性の第2のリファレンス電極層と、
前記第1のリファレンス電極層と前記センサ電極層の間に設けられた伸縮性の弾性層と、
前記第2のリファレンス電極層と前記センサ電極層の間に設けられた伸縮性のギャップ層と
を備え、
前記センサ電極層は、
湾曲部と、
前記湾曲部の凹状に湾曲した側から延設された複数の延設部と
を備え、
前記延設部は、前記センシング部を含み、
凸曲面状を有する圧力センサ。
(2)
前記第1のリファレンス電極層および前記第2のリファレンス電極層が、スリットを有する(1)に記載の圧力センサ。
(3)
前記弾性層および前記ギャップ層が、スリットを有する(1)または(2)に記載の圧力センサ。
(4)
前記凸曲面状は、球面状または非球面状である(1)から(3)のいずれかに記載の圧力センサ。
(5)
前記センサ電極層は、非伸縮性を有している(1)から(4)のいずれかに記載の圧力センサ。
(6)
前記センサ電極層は、前記複数のセンシング部にそれぞれ接続された複数の配線をさらに備え、
前記湾曲部は、前記複数の配線を含む(1)から(5)のいずれかに記載の圧力センサ。
(7)
前記湾曲部の凸状に湾曲した側から延設された接続部をさらに備え、
前記接続部は、前記複数の配線を含む(6)のいずれかに記載の圧力センサ。
(8)
前記接続部と前記センサ電極層は、1つの基材により構成されている(7)に記載の圧力センサ。
(9)
前記弾性層は、発泡樹脂またはエラストマを含む(1)から(8)のいずれかに記載の圧力センサ。
(10)
前記第1のリファレンス電極層および前記第2のリファレンス電極層は、導電布である(1)から(9)のいずれかに記載の圧力センサ。
(11)
前記複数のセンシング部のうちの1つが、前記凸曲面状の頂部に位置する(1)から(10)のいずれかに記載の圧力センサ。
(12)
前記センサ電極層は、
複数の第1のサブ電極を有する第1の電極と、
複数の第2のサブ電極を有する第2の電極と
を備え、
前記センシング部は、離して交互に配置された前記複数の第1のサブ電極および前記複数の第2のサブ電極により構成されている(1)から(11)のいずれかに記載の圧力センサ。
(13)
前記センサ電極層は、
櫛歯状を有する第1の電極と、
櫛歯状を有する第2の電極と
を備え、
前記センシング部は、互いの櫛歯状を噛み合わされてようにして配置された前記第1の電極と前記第2の電極により構成されている(1)から(11)のいずれかに記載の圧力センサ。
(14)
複数のセンシング部を有する静電容量式のセンサ電極層と、
前記センサ電極層の第1の面に対向する第1のリファレンス電極層と、
前記センサ電極層の第2の面に対向する伸縮性の第2のリファレンス電極層と、
前記第1のリファレンス電極層と前記センサ電極層との間に設けられた弾性層と、
前記第2のリファレンス電極層と前記センサ電極層との間に設けられたギャップ層と
を備え、
前記センサ電極層は、
マトリックス状に配列された複数の島部と、
隣接する前記島部の間を連結する、伸縮可能に構成された複数の橋部と
を備え
前記島部は、前記センシング部を含む圧力センサ。
(15)
前記橋部は、ミアンダ状を有する(14)に記載の圧力センサ。
(16)
前記センサ電極層は、前記マトリックス状に配列された複数の前記島部の周囲に設けられたベゼル部をさらに備え、
前記ベゼル部は、伸縮可能に構成されている(14)または(15)に記載の圧力センサ。
(17)
前記ベゼル部と当該ベゼル部と隣接する複数の前記島部の間を連結する、伸縮可能に構成された複数の橋部をさらに備える(16)に記載の圧力センサ。
(18)
前記ベゼル部は、ミアンダ状を有する(16)または(17)に記載の圧力センサ。
(19)
凸曲面状の曲面部を有する外装体と、
前記曲面部に設けられた、(1)から(18)のいずれかに記載の圧力センサと
を備える電子機器。
(20)
前記曲面部は、球面状または非球面状を有している(19)に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0124】
10 電子機器
10A 曲面部
11 センサモジュール
12 ホスト機器
13 コントローラIC
20、120 センサ
20A、120A センサ本体
20B 接続部
20C 接続端子
20D グランド電極
20E 突出部
20F 導電層
20SE センシング部
21 センサ電極層
21A 基材
21B 保護層
21C パルス電極(第1の電極)
21D センス電極(第2の電極)
21C、21D サブ電極
21E、21F、123C、124C、125A、126A 配線
21M 湾曲部
21N、21W 延設部
21V 中央部
22、23 電極基材
22A、23A 基材
22B、23B リファレンス電極層
24 弾性層
25 ギャップ層
26A、26B、27A、27B 接着層
122 島部
123A、123B、124A、124B 橋部
125、126 ベゼル部
R1、R2、R3 領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21