(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】昇降装置
(51)【国際特許分類】
B66F 7/28 20060101AFI20241016BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20241016BHJP
B66F 9/08 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B66F7/28 E
B65G1/00 501F
B66F9/08 R
(21)【出願番号】P 2022006657
(22)【出願日】2022-01-19
【審査請求日】2024-02-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】中島 宏一朗
(72)【発明者】
【氏名】宮原 明
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-072907(JP,A)
【文献】特開2000-300626(JP,A)
【文献】特開2000-118969(JP,A)
【文献】特開2000-198689(JP,A)
【文献】特開2014-040306(JP,A)
【文献】特開平10-182084(JP,A)
【文献】特開平10-182083(JP,A)
【文献】実開平03-001193(JP,U)
【文献】特開平07-109828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 7/00- 7/28
B65G 1/00
B66F 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が載置される載置部と、前記載置部を支持すると共に前記載置部を水平方向に沿う出退方向に出退させる出退機構と、前記出退機構を支持すると共に前記出退機構を昇降させる昇降機構と、
床面に設置され、前記昇降機構を支持する基部と、を備え、
前記出退機構は、前記載置部を前記出退方向に出退させるために動作する移動部と、前記昇降機構に固定された固定部と、を備え、
前記昇降機構における前記出退機構を支持している部分を第1支持部として、
前記第1支持部とは別に
床面に設置されて前記出退機構を支持する第2支持部を更に備え、
前記昇降機構により前記出退機構が昇降する方向を昇降方向とし、前記出退方向の一方側を出退方向第1側とし、前記出退方向の他方側を出退方向第2側とし、前記昇降方向に沿う昇降方向視で前記出退方向に直交する方向を幅方向として、
前記昇降機構及び前記第2支持部は、前記固定部に連結されており、
前記基部の前記出退方向の中央部は、前記幅方向に沿う幅方向視で、前記固定部の前記出退方向の中央部よりも前記出退方向第2側の領域に配置され、
前記第2支持部は
、
前記昇降機構及び前記基部に対して前記出退方向第1側に配置され、
前記昇降機構による前記出退機構の昇降を許容し、且つ、前記出退機構に作用する前記第1支持部を支点とするモーメントを支持するように構成されている、昇降装置。
【請求項2】
前記出退機構は、前記載置部を前記出退方向第1側に突出させるように構成され、
前記第2支持部は、
前記出退機構に固定されていると共に、前記昇降方向に沿って延在するように配置された被支持部材と、
前記被支持部材の前記出退方向第1側を向く面である第1面に当接するように配置された第1ローラと、
前記第1ローラよりも下側において前記被支持部材の前記出退方向第2側を向く面である第2面に当接するように配置された第2ローラと、
前記基部に対する前記第1ローラ及び前記第2ローラの回転軸心の位置を固定した状態で、前記第1ローラ及び前記第2ローラを回転自在に支持するローラ支持部と、を備える、請求項
1に記載の昇降装置。
【請求項3】
前記出退機構は、前記出退方向第2側にも前記載置部を突出させるように構成され、
前記第2支持部は、
前記第1ローラよりも下側において前記第1面に当接するように配置された第3ローラと、
前記第3ローラよりも上側において前記第2面に当接するように配置された第4ローラと、を更に備え、
前記ローラ支持部は、更に、前記基部に対する前記第3ローラ及び前記第4ローラの回転軸心の位置を固定した状態で、前記第3ローラ及び前記第4ローラを回転自在に支持する、請求項
2に記載の昇降装置。
【請求項4】
前記昇降機構は、昇降駆動源と、前記出退機構と共に昇降する昇降部と、前記昇降駆動源の駆動力を前記昇降部に伝達する伝達機構と、を備え、
前記伝達機構は、前記昇降駆動源により旋回軸心回りに回転駆動されるアームと、前記旋回軸心から径方向に離間した位置において前記アームに対して回転自在に支持された遊転ローラと、を備え、
前記昇降部は、前記旋回軸心に直交すると共に水平方向に沿うように配置され、前記遊転ローラが係合するガイド溝を備え、
前記第1支持部は、前記遊転ローラと前記ガイド溝との接触部分である、請求項1から
3のいずれか一項に記載の昇降装置。
【請求項5】
前記アームを第1アームとし、前記遊転ローラを第1遊転ローラとし、前記旋回軸心を第1旋回軸心として、
前記伝達機構は、前記第1アームに対して前記出退方向第2側に離間して配置され、前記昇降駆動源により第2旋回軸心回りに回転駆動される第2アームと、前記第2旋回軸心から径方向に離間した位置において前記第2アームに対して回転自在に支持された第2遊転ローラと、を更に備え、
前記ガイド溝は、前記第1遊転ローラ及び前記第2遊転ローラに対して上側から対向する上側対向面と、前記第1遊転ローラ及び前記第2遊転ローラに対して下側から対向する下側対向面と、を備え、前記第1遊転ローラが前記上側対向面に対して下側から接触して前記出退機構を支持している状態で、前記第2遊転ローラが前記下側対向面から離間するように構成されている、請求項
4に記載の昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品が載置される載置部と、前記載置部を支持すると共に前記載置部を水平方向に沿う出退方向に出退させる出退機構と、前記出退機構を支持すると共に前記出退機構を昇降させる昇降機構と、前記昇降機構を支持する基部と、を備える昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような昇降装置の一例が、特開平7-109828号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の昇降装置(テーブルリフター1)は、作業者が作業をしたり物品を載置したりするための載置部(上段スライドテーブル99)と、載置部を水平面に沿って出退させる出退機構(下段スライドテーブル85、スライド移動作用機構185)と、載置部と出退機構とを昇降させる昇降機構(パンタグラフ式昇降案内機構65)と、昇降機構の上部に設けられて載置部と出退機構とを支持するテーブル(11)と、昇降機構を支える基台(3)とを備えている。この昇降装置では、出退機構を駆動するための駆動モータ(239)を、水平方向に出退する載置部ではなく、テーブル(11)に設けている。これにより、駆動モータ(239)を載置部に設けた場合よりも、載置部に作用する上下方向の荷重により出退機構を傾けるように作用するモーメントの大きさを小さくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような昇降装置では、載置部が昇降機構に対して水平方向に突出した姿勢になると、昇降機構における出退機構を支持している部分を支点として、出退機構を傾けるようなモーメントが作用する。このようなモーメントを適切に支持するためには、昇降機構や出退機構の支持剛性を大きく確保する必要があり、各部の剛性を高めたり、出退方向の支持スパンを大きくしたりする等によって、支持構造、延いては昇降装置の全体が大型化し易いという課題があった。
【0006】
そこで、大型化を抑制しつつ出退機構に作用するモーメントを適切に支持することが可能な昇降装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る昇降装置は、
物品が載置される載置部と、前記載置部を支持すると共に前記載置部を水平方向に沿う出退方向に出退させる出退機構と、前記出退機構を支持すると共に前記出退機構を昇降させる昇降機構と、床面に設置され、前記昇降機構を支持する基部と、を備え、
前記出退機構は、前記載置部を前記出退方向に出退させるために動作する移動部と、前記昇降機構に固定された固定部と、を備え、
前記昇降機構における前記出退機構を支持している部分を第1支持部として、
前記第1支持部とは別に床面に設置されて前記出退機構を支持する第2支持部を更に備え、
前記昇降機構により前記出退機構が昇降する方向を昇降方向とし、前記出退方向の一方側を出退方向第1側とし、前記出退方向の他方側を出退方向第2側とし、前記昇降方向に沿う昇降方向視で前記出退方向に直交する方向を幅方向として、
前記昇降機構及び前記第2支持部は、前記固定部に連結されており、
前記基部の前記出退方向の中央部は、前記幅方向に沿う幅方向視で、前記固定部の前記出退方向の中央部よりも前記出退方向第2側の領域に配置され、
前記第2支持部は、
前記昇降機構及び前記基部に対して前記出退方向第1側に配置され、
前記昇降機構による前記出退機構の昇降を許容し、且つ、前記出退機構に作用する前記第1支持部を支点とするモーメントを支持するように構成されている。
【0008】
本構成によれば、出退機構を支持する、第1支持部とは別に第2支持部が設けられており、出退機構に作用する第1支持部を支点とするモーメントを、第2支持部により支持することができる。これにより、例えば、載置部が出退方向に突出する等により、載置部と第1支持部との出退方向の距離が大きくなった場合でも、出退機構に作用するモーメントを支持することができる。また、仮に第1支持部の支持剛性が比較的低い場合でも、載置部に作用する上下方向の荷重により出退機構を傾けるように作用するモーメントを適切に支持することができる。従って、第1支持部の支持剛性を高めるために、昇降装置の全体が大型化することを抑制できる。
以上のように、本構成によれば、大型化を抑制しつつ出退機構に作用するモーメントを適切に支持することが可能となっている。
更に、本構成によれば、第2支持部は固定部に連結されているため、出退機構による載置部の出退動作を妨げることなく、出退機構に作用するモーメントを適切に支持することができる。
【0009】
昇降装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図8】出退機構が傾いた場合における第2支持部及び昇降機構を模式的に表した側面図
【
図9】別実施形態の第2支持部及び昇降機構を模式的に表した側面図
【
図10】別実施形態の第2支持部及び昇降機構を模式的に表した側面図
【
図11】別実施形態の第2支持部及び昇降機構を模式的に表した側面図
【
図12】別実施形態の第2支持部及び昇降機構を模式的に表した側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.自動倉庫
以下に、昇降装置1を自動倉庫100に適用した例について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態では、自動倉庫100は、物品Wを収容する保管棚2と、外部から自動倉庫100に物品Wを搬入する搬入コンベヤ5と、物品Wを支持する第1支持台3aと、第1支持台3aと保管棚2との間で物品Wを搬送する搬送装置4と、昇降装置1と、を備えている。本例では、自動倉庫100は、物品Wを支持する第2支持台3bと、自動倉庫100の外部に物品Wを搬出する搬出コンベヤ(不図示)とを更に備えている。
【0012】
物品Wは、搬入コンベヤ5により昇降装置1に搬送される。昇降装置1は、搬入コンベヤ5から物品Wを受け取ると、第1支持台3aに当該物品Wを引き渡す。搬送装置4は、第1支持台3a上の物品Wを受け取って、保管棚2の任意の収容部2aに収容する。また、収容部2aに収容されている物品Wは、搬送装置4により第1支持台3aに搬送される。そして、昇降装置1が、第1支持台3a上の当該物品Wを受け取って、第2支持台3bに引き渡す。第2支持台3b上の物品Wは、不図示の搬出コンベヤに移載されて、自動倉庫100の外部へ搬出される。このように本例では、昇降装置1は、第1支持台3aと第2支持台3bとの双方に対して物品Wを移載することができる。なお、本例では、物品Wは、パレットPに載置された状態で搬送される。また、物品Wは、パレットPに載置された状態で保管棚2の収容部2aに保管される。
【0013】
図1の例では、搬送装置4は、保管棚2の前方(収容部2aの正面側)に配置されたレールRに案内されて移動するように構成されている。ここでは、搬送装置4は、スタッカークレーンである。搬送装置4は、上下方向に昇降する昇降体4aと出退部4bとを備えている。出退部4bは昇降体4aに設けられている。搬送装置4は、この出退部4bを利用して、第1支持台3a及び収容部2aとの間で物品Wの受け渡しをする。
【0014】
保管棚2は、レールRに沿うように設けられている。保管棚2は、上下方向及びレールRに沿う方向に並ぶ複数の収容部2aを備えている。本例では、複数の収容部2aは、物品WをパレットPに載置した状態で保管する。図示の例では、一対の保管棚2が、レールRを挟んで互いに向かい合うように設けられている。なお、収容部2aに収容される物品Wとしては、例えば、収容物を収容するためのコンテナ等がある。また、収容物としては、食品等であっても良いし、工場の製造ラインで用いられる部品等であっても良い。
【0015】
図1の例では、第1支持台3a及び第2支持台3bは、搬入コンベヤ5を挟むように配置されている。第1支持台3a及び第2支持台3bは、物品Wが載置されたパレットPを下方から支持できるように構成されている。そして、パレットPは、例えば、搬送装置4のように、出退部を利用して、第1支持台3a及び第2支持台3bに載せられる。同様に、パレットPは、出退部を利用して、第1支持台3a及び第2支持台3bから載せ替えられる。ここでは、第1支持台3aと第2支持台3bとは、互いに同等の構造を有している。
【0016】
搬入コンベヤ5は、レールRの延在方向に沿うように配置されている。搬入コンベヤ5は、外部から物品Wを受け取って、昇降装置1に対応する位置(
図1では、搬入コンベヤ5における、保管棚2がある側の端部領域)に搬送する。そして、当該位置に搬送された物品Wは、昇降装置1及び第1支持台3aを介して、搬送装置4に載せ替えられる。なお、本例では、搬入コンベヤ5は、チェーンコンベヤである。搬入コンベヤ5は、チェーンコンベヤ以外に、例えば、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤ等の公知の各種コンベヤを用いることができる。また、本例では、不図示の搬出コンベヤもチェーンコンベヤである。
【0017】
昇降装置1は、搬入コンベヤ5の内部に設置されている。具体的には、昇降装置1は、一対のチェーンコンベヤの間に設けられている。図示の例では、昇降装置1は、搬入コンベヤ5における、保管棚2がある側の端部領域に配置されている。更に、昇降装置1は、第1支持台3aと第2支持台3bとに挟まれるように配置されている。昇降装置1の詳細な構成については、以下で説明する。
【0018】
2.昇降装置
図2、
図3、及び
図4に示すように、昇降装置1は、物品Wが載置される載置部6と、載置部6を支持すると共に載置部6を水平方向に沿う出退方向Xに出退させる出退機構10と、出退機構10を支持すると共に出退機構10を昇降させる昇降機構20と、昇降機構20を支持する基部30と、を備えている。本実施形態では、昇降機構20により出退機構10が昇降すると、それに伴い載置部6も昇降するように構成されている。
【0019】
なお、本実施形態では、昇降機構20により出退機構10が昇降する方向を昇降方向Zとし、出退方向Xの一方側を出退方向第1側X1とし、出退方向Xの他方側を出退方向第2側X2として説明する。また、本実施形態では、上下方向視で、出退方向Xに直交する方向を幅方向Yとする。本例では、昇降方向Zは、上下方向に沿う方向とされているが、上下方向に対して水平方向にやや傾いていても良い(例えば、5°未満)。また、出退方向Xは、水平方向に沿う方向とされているが、水平方向に対して上下方向にやや傾いていても良い(例えば、5°未満)。
【0020】
本実施形態では、
図3及び
図4に示すように、昇降装置1は、載置部6を、搬入コンベヤ5の載置面よりも下側に退避させる下側位置T1と、搬入コンベヤ5の載置面より上側に突出させる上側位置T2との間で昇降させるように構成されている。また、昇降装置1は、載置部6を、上下方向視で昇降機構20と重複する位置である引退位置U1と、出退方向Xに突出した位置である突出位置U2とに出退させるように構成されている。本例では、昇降装置1は、載置部6を下側位置T1から上側位置T2に上昇させることで、昇降装置1の真上に配置された、搬入コンベヤ5上のパレットPを持ち上げる。これにより、物品Wが、パレットPを介して載置部6に載置される。また、昇降装置1は、載置部6を出退方向第1側X1の突出位置U2に突出させることで、物品Wを第1支持台3aの側に移動させる。同様に、昇降装置1は、載置部6を出退方向第2側X2の突出位置U2に突出させることで、物品Wを第2支持台3bの側に移動させる。ここでは、上側位置T2は、第1支持台3a及び第2支持台3bよりも高い位置とされている。また、本例では、昇降装置1は、下側位置T1と上側位置T2との間であれば、載置部6を任意の高さに配置させることができる。
【0021】
2-1.基部
図2、
図3、及び
図4に示すように、本実施形態では、基部30は、床部に設置されている。そして、基部30は、昇降機構20、出退機構10、及び載置部6を下方から支持するように構成されている。本例では、基部30は、複数の支柱31と、支持枠部32と、案内部33と、支持底部34と、を備えている。複数(ここでは4つ)の支柱31は、出退方向X及び幅方向Yに分かれて配置されている。図示の例では、それぞれの支柱31は昇降方向Z(上下方向)に延びる部材であり、締結部材等により床部に固定されている。そして、これら4つの支柱31は、上下方向視で、4つの支柱31を頂点とした長方形状を形成するように配置されている。
【0022】
本例では、支持枠部32は、複数(ここでは4つ)の支柱31同士を連結するように設けられている。そして、支持枠部32は、基部30の全体を補強する。また、支持枠部32は、後述する昇降機構20を支持する役割も果たす。図示の例では、支持枠部32は、第1支持枠32aと、第2支持枠32bとを備えている。これらは、帯板状の部材を用いて構成されている。第1支持枠32aは、出退方向Xに分かれて一対配置されている。そして、一対の第1支持枠32aのそれぞれは、幅方向Yに並ぶ支柱31同士を連結している。第2支持枠32bは、幅方向Yに分かれて一対配置されている。そして、一対の第2支持枠32bのそれぞれは、一対の第1支持枠32aを互いに連結している。一対の第2支持枠32bは、後述する昇降機構20の伝達機構23を支持している(
図6及び
図7参照)。
【0023】
案内部33は、出退機構10の昇降方向Zの移動を案内している。また、案内部33は、後述する昇降部22の水平方向の移動を規制する(
図6及び
図7参照)。図示の例では、案内部33は昇降方向Zに沿って延びるガイドレールである。この案内部33には、後述する移動体29が係合する。案内部33は、幅方向Yに分かれて配置された一対の第2支持枠32bの双方に1つずつ固定されている。
【0024】
支持底部34は、一対の第2支持枠32bの下端部に固定されている。図示の例では、支持底部34は、板状部材である。支持底部34は、水平面に沿うように配置されており、後述する昇降駆動源25を下方から支持している。
【0025】
2-2.出退機構、載置部
本実施形態では、
図3及び
図5に示すように、出退機構10は、載置部6を出退方向Xに出退させるために動作する移動部11と、昇降機構20に固定された固定部12と、を備えている。本例では、移動部11は、固定部12に対して出退方向Xにスライド移動自在に構成されている。そして、移動部11は、載置部6を下方から支持している。また、移動部11が固定部12に対して出退することで、載置部6は、引退位置U1と突出位置U2との間をスライド移動する。本実施形態では、
図3に示すように、出退機構10は、載置部6を出退方向第1側X1に突出させるように構成されている。また、出退機構10は、出退方向第2側X2にも載置部6を突出させるように構成されている。言い換えると、出退機構10は、出退方向Xの両側に載置部6を出退させることができる。本例では、載置部6の上下方向の位置にかかわらず、出退機構10は、出退方向Xの両側に載置部6を出退させることができる。以下では、出退機構10と載置部6との具体的な構成について説明する。
【0026】
本例では、移動部11は、第1移動体11aと、第2移動体11bとを備えている。第1移動体11aは、載置部6が突出位置U2にある状態で、第2移動体11bに対して出退方向Xの内側(基部30がある側)に配置される。第1移動体11aは、固定部12に対して出退方向Xにスライド移動する。第2移動体11bは、第1移動体11aに対して出退方向Xにスライド移動する。また、本例では、載置部6は、第2移動体11bに支持されている。具体的には、載置部6は、第2移動体11bの上に固定されている。このため、載置部6は、第2移動体11bと一体的に出退方向Xに移動する。
【0027】
図示の例では、固定部12は、幅方向Yに分かれて配置された一対の固定部材12aを備えている。一対の固定部材12aは、出退方向Xに延在する棒状の部材である。一対の固定部材12aは、後述する昇降部22のガイド支持部28の上端に固定されている。第1移動体11aは、一対の固定部材12aに案内されて、出退方向Xの両側にスライド移動する。具体的には、一対の固定部材12aの、幅方向Yの内側を向く面に、複数の案内ローラ17が取り付けられている。複数の案内ローラ17は、幅方向Yに沿う回転軸心回りに回転自在に配置されている。第1移動体11aは、これらの複数の案内ローラ17に係合することで、一対の固定部材12aに対して出退方向Xに移動する。ここで、第1移動体11aは板状の部材を用いて構成されている。また、第1移動体11aの上面には、出退方向Xに沿うように窪んだ一対の案内レール部13が形成されている。第2移動体11bは、一対の係合部材を備えており、この一対の係合部材が一対の案内レール部13に係合する。また、一対の係合部材にも複数の案内ローラ17が設けられている。複数の案内ローラ17は、一対の案内レール部13の上を転動するように構成されている。このような構成により、第2移動体11bは、第1移動体11aに対して出退方向Xに移動する(
図3及び
図5参照)。載置部6は、この一対の係合部材に固定されている。載置部6は、水平面に沿う板状部材であり、一対の係合部材の上側を向く面に固定されている。
【0028】
本実施形態では、
図5に示すように、出退機構10は、移動部11を出退方向Xに移動させるための出退駆動源15と、出退駆動装置16とを備えている。本例では、出退駆動源15は、出退駆動装置16と連結されている。そして出退駆動源15の駆動力により、出退駆動装置16が駆動して、移動部11(第1移動体11a、第2移動体11b)を出退方向Xにスライド移動させる。
【0029】
2-3.昇降機構
図3及び
図4に示すように、昇降機構20は、出退機構10を下方から支持すると共に、昇降方向Zに昇降させるように構成されている。ここで、昇降機構20は、第1支持部21を備えている。
図3及び
図8に示すように、第1支持部21は、昇降機構20における出退機構10を支持している部分である。本実施形態では、載置部6が昇降機構20に対して出退方向Xに突出している場合には、第1支持部21を支点とするモーメントが出退機構10に作用する(言い換えれば、出退機構10に生じる)。具体的には、載置部6に作用する上下方向の荷重によって、第1支持部21を支点とするモーメントが出退機構10に作用する。詳細は後述するが、本実施形態では、昇降機構20における第1支持部21となる部分は、昇降装置1の状態に応じて(具体的には、載置部6の昇降機構20に対する突出方向に応じて)変化する。以下では、第1支持部21を含む、昇降機構20の具体的な構成について説明する。
【0030】
本実施形態では、
図6及び
図7に示すように、昇降機構20は、昇降駆動源25と、出退機構10と共に昇降する昇降部22と、昇降駆動源25の駆動力を昇降部22に伝達する伝達機構23と、を備えている。本例では、昇降駆動源25は、基部30に支持されている。図示の例では、昇降駆動源25は、基部30の支持底部34に固定されている(
図5及び
図6参照)。なお、本例では、昇降駆動源25は、電動モータを用いて構成されている。
【0031】
図6及び
図7に示すように、伝達機構23は、昇降駆動源25により第1旋回軸心Q回りに回転駆動される第1アーム23aと、第1旋回軸心Qから径方向に離間した位置において第1アーム23aに対して回転自在に支持された第1遊転ローラ23cと、を備えている。本例では、伝達機構23は、昇降駆動源25により回転駆動される駆動軸26と、昇降駆動源25と駆動軸26とを連結する連動機構27と、を更に備えている。本例では、駆動軸26は、昇降駆動源25としての駆動モータに接続されている。このため、駆動軸26は、昇降駆動源25の駆動より軸心回りに回転する。図示の例では、一対の駆動軸26が、出退方向Xに分かれて配置されている。一対の駆動軸26のそれぞれは、幅方向Yに沿う姿勢で、基部30に支持されている。一対の駆動軸26は、幅方向Yに沿う軸心回りに回転自在となるように、一対の第2支持枠32bに支持されている。
図6の例では、駆動軸26の両端が、一対の第2支持枠32bに連結されている。ここでは、1つの昇降駆動源25により、一対の駆動軸26のそれぞれが幅方向Yに沿う軸心回りに回転するように構成されている。また、一対の駆動軸26は、連動機構27を介して昇降駆動源25に連結されている。連動機構27は、チェーン伝達機構27aとギヤ伝達機構27bとを含んで構成されている。そして、一対の駆動軸26のうちの一方の駆動軸26に対しては、チェーン伝達機構27aにより昇降駆動源25の駆動力が伝達される。また、一対の駆動軸26のうちの他方の駆動軸26に対しては、ギヤ伝達機構27bにより昇降駆動源25の駆動力が伝達される。そして、一対の駆動軸26は、互いに逆方向に回転するように構成されている。
【0032】
第1アーム23aは、駆動軸26に取り付けられている。具体的には、第1アーム23aは、一対の駆動軸26のうちの、出退方向第1側X1に配置された駆動軸26の端部領域に取り付けられている。そして、第1アーム23aの先端部(第1旋回軸心Qから離れる側の端部)には、第1遊転ローラ23cが取り付けられている。ここで、第1旋回軸心Qは、
図7に示すように、出退方向第1側X1の駆動軸26の回転軸心である。すなわち、第1アーム23aは、出退方向第1側X1の駆動軸26と一体的に回転する。図示の例では、第1アーム23aは、出退方向第1側X1に配置された駆動軸26の両端側にそれぞれ取り付けられている。言い換えると、一対の第1アーム23aが、幅方向Yに分かれて配置されている。そして、第1遊転ローラ23cは、この一対の第1アーム23aにそれぞれ取り付けられている。すなわち、伝達機構23は、一対の第1遊転ローラ23cと一対の第1アーム23aとを備えている。なお、第1アーム23aが「アーム」に相当し、第1遊転ローラ23cが、「遊転ローラ」に相当する。
【0033】
本実施形態では、
図6及び
図7に示すように、伝達機構23は、第1アーム23aに対して出退方向第2側X2に離間して配置され、昇降駆動源25により第2旋回軸心S回りに回転駆動される第2アーム23bと、第2旋回軸心Sから径方向に離間した位置において第2アーム23bに対して回転自在に支持された第2遊転ローラ23dと、を更に備えている。本例では、第2アーム23bは、駆動軸26に取り付けられている。具体的には、第2アーム23bは、一対の駆動軸26のうちの、出退方向第2側X2に配置された駆動軸26の端部領域に取り付けられている。そして、第2アーム23bの先端部(第2旋回軸心Sから離れる側の端部)には、第2遊転ローラ23dが取り付けられている。ここで、第2旋回軸心Sは、
図7に示すように、出退方向第2側X2の駆動軸26の回転軸心である。すなわち、第2アーム23bは、出退方向第2側X2の駆動軸26と一体的に回転する。図示の例では、第2アーム23bは、出退方向第2側X2に配置された駆動軸26の両端側にそれぞれ取り付けられている。つまり、一対の第2アーム23bが幅方向Yに分かれて配置されている。そして、第2遊転ローラ23dは、この一対の第2アーム23bにそれぞれ取り付けられている。すなわち、伝達機構23は、一対の第2遊転ローラ23dと一対の第2アーム23bとを備えている。
【0034】
図3、
図4、及び
図7に示すように、昇降部22は、第1旋回軸心Qに直交すると共に水平方向に沿うように配置され、第1遊転ローラ23cが係合するガイド溝24を備えている。本例では、ガイド溝24は、出退方向Xに沿う姿勢で配置されている。また、ガイド溝24は、第2旋回軸心Sにも直交するように配置されている。そして、ガイド溝24には、第2遊転ローラ23dも係合するように構成されている。
【0035】
本例では、ガイド溝24は、板状の部材である。ガイド溝24は、ガイド本体部24aと、ガイド上側部24bと、ガイド下側部24cとを備えている(
図7及び
図8参照)。ガイド本体部24aは、出退方向Xに延在すると共に上下方向に沿うように配置されている。ガイド上側部24bは、ガイド本体部24aの上端から幅方向Yの内側(昇降駆動源25が配置されている側)に延出している。ガイド下側部24cは、ガイド本体部24aの下端から幅方向Yの内側に延出している。ガイド上側部24bとガイド下側部24cとは、水平面に沿うとともに、上下方向で向かい合うように配置されている。図示の例では、ガイド本体部24a、ガイド上側部24b、及びガイド下側部24cは、一体的に形成されている。
【0036】
図7及び
図8に示すように、本実施形態では、ガイド溝24は、第1遊転ローラ23c及び第2遊転ローラ23dに対して上側から対向する上側対向面24dと、第1遊転ローラ23c及び第2遊転ローラ23dに対して下側から対向する下側対向面24eと、を備えている。本例では、上側対向面24dは、ガイド上側部24bの下側を向く面であり、下側対向面24eは、ガイド下側部24cの上側を向く面とされている。そして、第1遊転ローラ23cが上側対向面24dに接触することで、ガイド溝24と第1遊転ローラ23cとが係合する。同様に、第2遊転ローラ23dが上側対向面24dに接触することで、ガイド溝24と第2遊転ローラ23dとが係合する。
【0037】
図示の例では、ガイド溝24は、幅方向Yに分かれて一対、設けられている(
図6の2点鎖線参照)。そして、一対のガイド溝24のそれぞれには、第1遊転ローラ23cと第2遊転ローラ23dとが1つずつ係合する。すなわち、一対のガイド溝24のそれぞれにおいて、第1遊転ローラ23cと第2遊転ローラ23dとが1つずつ上側対向面24dに接触する。このため、載置部6が引退位置U1にある状態では、ガイド溝24は、第1遊転ローラ23cと第2遊転ローラ23dとの双方により下方から支持される(
図6及び
図7参照)。より具体的には、第1遊転ローラ23cは、第2遊転ローラ23dに対して出退方向第1側X1の位置でガイド溝24を支持し、第2遊転ローラ23dは、第1遊転ローラ23cに対して出退方向第2側X2の位置でガイド溝24を支持する(
図4参照)。
【0038】
また本例では、ガイド溝24に、上述した案内部33に案内されて昇降方向Zに移動可能な移動体29が設けられている。図示の例では、移動体29は、一対のガイド下側部24cのそれぞれに1つずつ固定されている。そして、移動体29は、案内部33(ガイドレール)に係合した状態で配置されている。
【0039】
本実施形態では、
図3及び
図8に示すように、第1支持部21は、第1遊転ローラ23cとガイド溝24との接触部分である。具体的には、載置部6が出退方向第1側X1に突出している状態で、第1遊転ローラ23cとガイド溝24との接触部分が第1支持部21となる。本例では、第1支持部21は、第1遊転ローラ23cと上側対向面24dとの接触部分である。ここでは、載置部6が出退方向第1側X1に突出している場合、第1遊転ローラ23cと上側対向面24dとの接触部分を支点とするモーメントが、出退機構10に作用する。また、本実施形態では、載置部6が出退方向第2側X2に突出している場合には、第1支持部21は、第2遊転ローラ23dとガイド溝24との接触部分となる。具体的には、第1支持部21は、第2遊転ローラ23dと上側対向面24dとの接触部分となる。すなわち、この場合、第2遊転ローラ23dと上側対向面24dとの接触部分を支点とするモーメントが、出退機構10に作用する。本例では、載置部6には、パレットP及び物品Wが載置される。そのため、載置部6には、自己の荷重に加えて、パレットP及び物品Wの荷重が作用する。このため、出退機構10に作用するモーメントは、載置部6に作用する上下方向の荷重によって出退機構10に作用する(言い換えれば、出退機構10に生じる)モーメントである。
【0040】
図6の例では、一対のガイド溝24の間隔は、一対の第2支持枠32bの間隔よりも幅広になっている。すなわち、昇降方向Zに昇降する一対のガイド溝24は、基部30の一対の第2支持枠32bに対して幅方向Yの外側に配置されるように構成されている。このため、一対のガイド溝24は、一対の第2支持枠32bよりも外側の位置において、昇降方向Zに移動する。
【0041】
本例では、昇降部22は、ガイド支持部28を更に備えている。ガイド支持部28は、ガイド溝24を上方から支持すると共に、出退機構10を下方から支持する。言い換えると、ガイド支持部28は、ガイド溝24と出退機構10とを連結している。ガイド支持部28の上端には、上述した出退機構10の固定部12が固定されている。そして、ガイド支持部28の下端には、ガイド溝24が固定されている。図示の例では、ガイド支持部28は、一対のガイド溝24を上方から支持するための、ガイド支持体28aを複数(ここでは4つ)備えている。そして、これら複数のガイド支持体28aは、ガイド溝24のガイド上側部24bに固定されて、出退機構10を下方から支持している。
【0042】
以上のような構成により、昇降機構20は、出退機構10を昇降(昇降方向Zに移動)させることができる。すなわち、昇降駆動源25の駆動により、一対の駆動軸26が互いに逆向きに回転する。これにより、第1アーム23aと第2アーム23bとが互いに逆向きに回転する。そして、ガイド溝24が、第1アーム23aと第2アーム23bとの回転により持ち上げられたり、下降したりする。よって、ガイド支持部28と、ガイド支持部28に支持されている昇降機構20も昇降可能となる。このような構成により、昇降機構20は、載置部6を、下側位置T1と上側位置T2との間で昇降させることができる。
【0043】
3.第2支持部
図2、
図3、及び
図4に示すように、昇降装置1は、第1支持部21とは別に設けられて出退機構10を支持する第2支持部41を更に備えている。本実施形態では、第2支持部41は、昇降機構20及び昇降機構20を支持する基部30とは独立して設けられている。第2支持部41は、昇降機構20による出退機構10の昇降を許容し、且つ、出退機構10に作用する第1支持部21を支点とするモーメントを支持するように構成されている。本実施形態では、第2支持部41は、載置部6が出退方向X(出退方向第1側X1、出退方向第2側X2)に突出している場合において、載置部6に作用する上下方向の荷重によって出退機構10に作用するモーメントを支持するように構成されている。以下では、第2支持部41の具体的な構成について説明する。
【0044】
本実施形態では、
図2、
図3、及び
図4に示すように、第2支持部41は、固定部12に連結されている。すなわち、第2支持部41は、出退機構10の固定部12を下方から支持している。本例では、第2支持部41は、昇降機構20及び基部30に隣接するように設けられている。また、第2支持部41は、上下方向視で、固定部12に重複する位置に配置されている。図示の例では、第2支持部41は、昇降機構20及び基部30に対して出退方向第1側X1に配置されている。なお、第2支持部41が配置される位置は、固定部12を適切に支持できる範囲であれば、特に制限されない。例えば、第2支持部41は、昇降機構20及び基部30に対して出退方向第2側X2に配置されていても良い。また、第2支持部41は、昇降機構20及び基部30に対して幅方向Yの外側に配置されていても良い。
【0045】
本実施形態では、
図2、
図3、及び
図4に示すように、第2支持部41は、出退機構10に固定されていると共に、昇降方向Zに沿って延在するように配置された被支持部材42を備えている。本例では、被支持部材42は、出退機構10の固定部12に固定されている。具体的には、被支持部材42は、固定部12の下側を向く面に固定されている。そして、被支持部材42は、固定部12の下側を向く面から下方に延びるように設けられている。また、本例では、被支持部材42は、昇降機構20及び基部30に隣接する位置に配置されている。図示の例では、被支持部材42は、昇降機構20及び基部30に対して出退方向第1側X1に配置されている。被支持部材42は、被固定部46と棒状体47とを備えている。これらは一体的に形成されている。被固定部46は、固定部12の下側を向く面に固定されている。
図3の一例では、被固定部46は、幅方向Y視で、上側に向かうに従って出退方向Xに広がるような傾斜を有する台形状に形成されている。棒状体47は、直方体形状に形成されており、被固定部46の下側を向く面(底面)から下側に延出している。ここで、被支持部材42の上下方向の寸法は、載置部6が下側位置T1にある状態で固定部12が配置される高さと同じ大きさか、それより小さくなっている。すなわち、被支持部材42は、載置部6が昇降方向Zに上昇すると、被支持部材42の下端が床面よりも上側に配置される(
図3及び
図4参照)。また、
図2の一例では、被支持部材42は、幅方向Yに分かれて一対配置されている。すなわち、固定部12には、一対の被支持部材42が固定されている。
【0046】
本実施形態では、
図3及び
図4に示すように、第2支持部41は、被支持部材42の出退方向第1側X1を向く面である第1面42aに当接するように配置された第1ローラ43aと、第1ローラ43aよりも下側において被支持部材42の出退方向第2側X2を向く面である第2面42bに当接するように配置された第2ローラ43bと、を備えている。また、第2支持部41は、基部30に対する第1ローラ43a及び第2ローラ43bの回転軸心の位置を固定した状態で、第1ローラ43a及び第2ローラ43bを回転自在に支持するローラ支持部44を備えている。このような構成を備えることで、第2支持部41は、被支持部材42の昇降を許容しつつ、載置部6が出退方向第1側X1に突出した状態で被支持部材42に作用するモーメントを支持することが可能となっている。
【0047】
本例では、第1ローラ43a及び第2ローラ43bは、幅方向Yに沿う回転軸心回りに回転自在にローラ支持部44に支持されている。また、第1ローラ43aと第2ローラ43bとは、互いに出退方向X及び上下方向に離間して配置されている。具体的には、第1ローラ43aは、第2ローラ43bよりも上側、且つ、出退方向第1側X1に配置されている。そして、昇降方向Z視で、第1ローラ43aと第2ローラ43bとの間隔は、被支持部材42の出退方向Xの寸法に応じた間隔となっている。そのため、第1ローラ43aと第2ローラ43bとの間に、固定部12に上方から支持された被支持部材42を昇降自在に配置できる。
【0048】
本実施形態では、
図3及び
図4に示すように、第2支持部41は、第1ローラ43aよりも下側において第1面42aに当接するように配置された第3ローラ45aと、第3ローラ45aよりも上側において第2面42bに当接するように配置された第4ローラ45bと、を更に備えている。また、ローラ支持部44は、更に、基部30に対する第3ローラ45a及び第4ローラ45bの回転軸心の位置を固定した状態で、第3ローラ45a及び第4ローラ45bを回転自在に支持するように構成されている。このような構成を備えることで、第2支持部41は、被支持部材42の昇降を許容しつつ、載置部6が出退方向第2側X2に突出した状態で被支持部材42に作用するモーメントを支持することが可能となっている。
【0049】
本例では、第3ローラ45a及び第4ローラ45bは、幅方向Yに沿う回転軸心回りに回転自在にローラ支持部44に支持されている。また、第3ローラ45aと第4ローラ45bとは、互いに出退方向X及び上下方向に離間して配置されている。具体的には、第4ローラ45bは、第3ローラ45aよりも上側、且つ、出退方向第2側X2に配置されている。また、第3ローラ45aは、第1ローラ43aよりも下側、且つ、出退方向X及び幅方向Yの位置が同じとなるように配置されている。また、第4ローラ45bは、第2ローラ43bと出退方向X及び幅方向Yの位置が同じとなるように配置されている。そして、昇降方向Z視で、第3ローラ45aと第4ローラ45bとの間隔は、被支持部材42の出退方向Xの寸法に応じた間隔となっている。図示の例では、第4ローラ45bは、第2ローラ43bよりも上側に配置されている。そして、第4ローラ45bは、第1ローラ43aと上下方向の位置が同じになるように配置されている。第3ローラ45aは、第2ローラ43bと上下方向の位置が同じになるように配置されている(
図3及び
図4参照)。このように、図示の例では、第1ローラ43a及び第2ローラ43bの組と、第3ローラ45a及び第4ローラ45bの組とを、上下方向の配置領域を互いに重複させつつ出退方向Xの両側に互い違いに配置させることができるため、例えば、第3ローラ45a及び第4ローラ45bを、第1ローラ43a及び第2ローラ43bよりも下側に設けるよりも、第2支持部41の上下方向の寸法を小さく抑え易い。よって、第2支持部41が大型化することを回避できる。
【0050】
本例では、出退方向Xに隣り合う各ローラの間に、被支持部材42が昇降自在に配置される(
図2参照)。そして、被支持部材42の第1面42aに、第1ローラ43aと第3ローラ45aとが当接する。また、被支持部材42の第2面42bに、第2ローラ43bと第4ローラ45bとが当接する。本例では、第1面42aは、棒状体47の出退方向第1側X1を向く面とされ、第2面42bは、棒状体47の出退方向第2側X2を向く面とされている(
図3及び
図4参照)。図示の例では、第1ローラ43a、第2ローラ43b、第3ローラ45a、及び第4ローラ45bは、それぞれ幅方向Yに分かれて一対設けられている(
図2参照)。そして、一対の各ローラに対応するように、被支持部材42も一対配置されている。
【0051】
このような構成において、載置部6が出退方向第1側X1に突出した状態では、第1支持部21を支点とした出退機構10に作用するモーメントは、一対の第1ローラ43aと一対の第2ローラ43bとにより支持される。すなわち、出退機構10に作用する第1支持部21を支点とするモーメントは、第1ローラ43aと第1面42aとの接触部分及び第2ローラ43bと第2面42bとの接触部分を介して、第2支持部41(具体的には、ローラ支持部44)に支持される。また、載置部6が出退方向第2側X2に突出した状態では、第1支持部21を支点とした出退機構10に作用するモーメントは、一対の第3ローラ45aと一対の第4ローラ45bとにより支持される。すなわち、出退機構10に作用する第1支持部21を支点とするモーメントは、第3ローラ45aと第1面42aとの接触部分及び第4ローラ45bと第2面42bとの接触部分を介して、第2支持部41(具体的には、ローラ支持部44)に支持される。
【0052】
図2の一例では、ローラ支持部44は、床部に固定されているローラ支持枠44aと、一対のローラ支持部材44bとを備えている。一対のローラ支持部材44bは、幅方向Yに分かれて配置されている。また、一対のローラ支持部材44bは、ローラ支持枠44aに固定されている。一対のローラ支持部材44bのそれぞれは、出退方向X及び上下方向に延在する直方体形状の部材である。一対のローラ支持部材44bの幅方向Yの内側を向く面のそれぞれには、第1ローラ43a、第2ローラ43b、第3ローラ45a、及び第4ローラ45bが、幅方向Yに沿う回転軸心回りに回転自在に支持されている。
【0053】
なお、本実施形態では、被支持部材42の第1面42a及び第2面42bに当接する部材として、幅方向Yに沿う軸心回りで回転するローラを用いたが、ローラの代わりに、弾性部材等を用いても良い。
【0054】
本実施形態では、
図8に示すように、載置部6が出退方向第1側X1に突出し、第1遊転ローラ23cが上側対向面24dに対して下側から接触して出退機構10を支持している状態で、第2遊転ローラ23dが下側対向面24eから離間するように構成されている。本例では、被支持部材42の第1面42aと、第1ローラ43a及び第3ローラ45aとの間に僅かな隙間が形成されている。同様に、第2面42bと、第2ローラ43b及び第4ローラ45bとの間に僅かな隙間が形成されている。このような第2支持部41のガタ(隙間、クリアランス)に起因して、載置部6が出退方向第1側X1に突出した状態で、載置部6に作用する上下方向の荷重によって出退機構10に作用する第1支持部21(ここでは、第1遊転ローラ23cと上側対向面24dとの接触部分)を支点とするモーメントにより、出退機構10が僅かに下側に傾く。そして、出退機構10を下方から支持するガイド支持部28及びガイド溝24も出退機構10に追従して僅かに傾く。本実施形態では、ガイド溝24の上下方向の幅(具体的には、上側対向面24dと下側対向面24eとの間隔)は、第2遊転ローラ23dの直径よりも大きい。そして、第2支持部41のガタに起因する下側対向面24eの上側への変位量(載置部6が引退位置U1にある状態からの変位量)は、載置部6が引退位置U1にある状態での第2遊転ローラ23dと下側対向面24eとの隙間よりも小さくなっている。そのため、載置部6が出退方向第1側X1に突出することで出退機構10が下側に傾いても、第2遊転ローラ23dは下側対向面24eと接触しない。
図8に示す例では、載置部6が出退方向第1側X1に突出した状態で、第2遊転ローラ23dの上端と上側対向面24dとの間隔rは、第2遊転ローラ23dの下端と下側対向面24eとの間隔sよりも小さくなっている(r<s)。同様に、載置部6が出退方向第2側X2に突出し、第2遊転ローラ23dが上側対向面24dに対して下側から接触して出退機構10を支持している状態で、第1遊転ローラ23cが下側対向面24eから離間するように構成されている。この場合、第1支持部21は、第2遊転ローラ23dと上側対向面24dとの接触部分である。なお、図示の例では、各ローラと被支持部材42との間の隙間を大きくして模式的に表しているが、実際に形成される隙間は、ごく僅かである。
【0055】
4.その他の実施形態
次に、昇降装置1のその他の実施形態について説明する。
【0056】
(1)上記の実施形態では、昇降装置1は、搬入コンベヤ5から受け取った物品Wを第1支持台3aに引き渡すと共に、第1支持台3aから受け取った物品Wを第2支持台3bに引き渡す構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、例えば、昇降装置1は、搬入コンベヤ5から受け取った物品Wを、第1支持台3aに引き渡す役割のみを果たす構成としても良い。このような構成の一例を
図13に示している。
図13では、搬入コンベヤ5は、搬送装置4の出退部4bが出退する方向に沿って配置されている。そして、昇降装置1は、搬入コンベヤ5における、搬送装置4がある側の端部領域に配置されている。更に、昇降装置1は、第1支持台3aに隣接する位置に配置されている。昇降装置1は、搬入コンベヤ5から物品Wを受け取ると、載置部6を、第1支持台3aのある側へ突出させて、当該物品Wを第1支持台3aに引き渡す。このように、昇降装置1は、載置部6を出退方向Xの一方側にのみ出退させる構成であっても良い。また、昇降装置1は、コンベヤを介さずに、物品Wを、第1支持台3aと第2支持台3bとの間で受け渡しをする構成としても良い。このような構成の一例を
図14に示している。
図14では、自動倉庫100に、搬入コンベヤ5が備えられていない。そして、昇降装置1は、第1支持台3aと第2支持台3bとの間で、物品Wを受け渡すように構成されている。すなわち、載置部6を出退方向Xの両側に出退させる構成において、搬入コンベヤ5を必ずしも設ける必要はない。この場合、例えば、自動倉庫100内を複数のAGV(無人搬送車)が走行する構成としてもよい。すなわち、AGVが図外から第2支持台3bに物品Wを搬送したり、昇降装置1により第2支持台3bに移載された物品Wを、AGVが図外の出荷場所に搬送したりする構成としても良い。このように、昇降装置1を自動倉庫100に適用する場合において、自動倉庫100の構成を必要に応じて適宜変更できると好適である。
【0057】
(2)上記の実施形態では、昇降装置1は、載置部6を出退させることにより、搬入コンベヤ5上の物品Wを第1支持台3aに引き渡すと共に、第1支持台3a上の物品Wを第2支持台3bに移載する構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、昇降装置1は、載置部6の上に作業者を配置して、例えば工場内の所定の場所で作業をさせるような構成としても良い。
【0058】
(3)上記の実施形態では、第2支持部41は、出退機構10の固定部12に連結されている構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、第2支持部41は、必ずしも固定部12に連結されていなくても良い。第2支持部41が、出退方向Xに移動可能に構成されている場合は、第2支持部41は、固定部12ではなく、例えば、出退機構10の第1移動体11aに連結されていても良い。この場合、第2支持部41は、第1移動体11aの移動に追従して移動できるため、第1支持部21を支点として出退機構10に作用するモーメントを適切に支持することができる。
【0059】
(4)上記の実施形態では、第2支持部41は、被支持部材42と、第1ローラ43aと、第2ローラ43bと、ローラ支持部44とを備える構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、第2支持部41は、直動案内機構を用いて構成されていても良い。具体的には、直動案内機構を構成するガイドレールが、昇降方向Zに沿うと共に基部30に対する位置が固定されるように配置されており、ガイドレールに案内されて移動するスライダが、出退機構10に連結されている構成とすると好適である。この場合、第1支持部21を支点として出退機構10に作用するモーメントは、スライダとガイドレールとが接触する部分に支持される。
【0060】
(5)上記の実施形態では、出退機構10は、出退方向第1側X1に加えて、出退方向第2側X2にも載置部6を突出させる構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、出退機構10は、出退方向Xのいずれか一方側にのみ載置部6を突出させる構成としても良い。このような構成の一例を、
図9に示している。
図9の例では、出退機構10は、載置部6を出退方向第1側X1にのみ出退させる。この場合、第2支持部41は、第1ローラ43aと第2ローラ43bとを備えていると好適である。第1ローラ43aは、第2ローラ43bよりも上側、且つ第2ローラ43bに対して出退方向第1側X1に配置されている。そして、載置部6が出退方向第1側X1に突出している状態において、第1支持部21を支点とした出退機構10に作用するモーメントを、第1ローラ43aと第2ローラ43bとで適切に支持することができる。
【0061】
(6)上記の実施形態では、第2支持部41は、第1ローラ43aよりも下側において第1面42aと当接するように配置された第3ローラ45aと、第3ローラ45aよりも上側において第2面42bに当接するように配置された第4ローラ45bとを更に備える構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、第2支持部41は、第1ローラ43aと第2ローラ43bと第3ローラ45aとを備え、第4ローラ45bを備えない構成としても良い。このような構成の一例を、
図10に示している。
図10の例では、第1ローラ43aと第3ローラ45aとが、第2ローラ43bに対して出退方向第1側X1に配置されている。そして、第2ローラ43bは、第1ローラ43aよりも下側、且つ、第3ローラ45aよりも上側に配置されている。そして、第1ローラ43a及び第3ローラ45aが第1面42aに当接し、第2ローラ43bが第2面42bに当接するように配置されている。このような構成であっても、載置部6が出退方向第1側X1に突出した状態では、第1支持部21を支点として出退機構10に作用するモーメントは、第1ローラ43aと第2ローラ43bとにより支持される。また、載置部6が出退方向第2側X2に突出した状態では、第1支持部21を支点として出退機構10に作用するモーメントは、第2ローラ43bと第3ローラ45aとにより支持される。よって、4つのローラ(第1ローラ43a、第2ローラ43b、第3ローラ45a、第4ローラ45b)を使用する場合に比べて、第2支持部41の大きさを小さく抑え易い。
【0062】
また、第2支持部41が、昇降機構20及び基部30に対して、出退方向Xの両側にそれぞれ1つずつ配置される構成としても良い。このような構成の例を
図11及び
図12に示す。
図11及び
図12の例では、複数の被支持部材42(ここでは2つ)が、固定部12に固定されている。具体的には、2つの被支持部材42が、昇降機構20及び基部30を挟んだ出退方向Xの両側に配置されている。ここで、
図11の例では、出退方向第1側X1の被支持部材42に第1ローラ43aと第2ローラ43bとが当接し、出退方向第2側X2の被支持部材42に第3ローラ45aと第4ローラ45bとが当接する。そして、載置部6が出退方向第1側X1に突出した状態では、出退方向第1側X1の被支持部材42に当接する第1ローラ43a及び第2ローラ43bが、第1支持部21を支点として出退機構10に作用するモーメントを支持する。一方、載置部6が出退方向第2側X2に突出した状態では、出退方向第2側X2の被支持部材42に当接する第3ローラ45a及び第4ローラ45bが、第1支持部21を支点として出退機構10に作用するモーメントを支持する。また、
図12の例では、第2ローラ43bと第4ローラ45bとが出退方向第1側X1の被支持部材42に当接し、第1ローラ43aと第3ローラ45aとが出退方向第2側X2の被支持部材42に当接している。そして、載置部6が出退方向第1側X1に突出した状態では、出退方向第2側X2の被支持部材42に当接する第1ローラ43aと、出退方向第1側X1の被支持部材42に当接する第2ローラ43bとが、第1支持部21を支点として出退機構10に作用するモーメントを支持する。一方、載置部6が出退方向第2側X2に突出した状態では、出退方向第2側X2の被支持部材42に当接する第3ローラ45aと、出退方向第1側X1の被支持部材42に当接する第4ローラ45bとが、第1支持部21を支点として出退機構10に作用するモーメントを支持する。このような構成であっても、それぞれのローラは、出退方向Xの両側の2つの被支持部材42の内側をむく面に当接する。
【0063】
(7)上記の実施形態では、昇降機構20は、昇降駆動源25の駆動により回転駆動される第1アーム23aと、第1遊転ローラ23cとを備え、載置部6が出退方向第1側X1に突出している場合において、第1支持部21は、第1遊転ローラ23cとガイド溝24との接触部分である構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、昇降機構20が直動案内機構等の昇降案内部を備える場合に、昇降機構20における当該昇降案内部を構成する部分が第1支持部21であっても良い。また、昇降機構20は、パンタグラフ構造であっても良い。この場合、昇降駆動源25として油圧又は空圧のシリンダを設けると好適である。そして、載置部6が出退方向Xに突出している状態で、第1支持部21は、当該パンタグラフと出退機構10との連結箇所となる。
【0064】
(8)上記の実施形態では、昇降機構20は、第1アーム23aと第1遊転ローラ23cとに加えて、更に、第2アーム23bと第2遊転ローラ23dとを備える構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、昇降機構20は、第2アーム23bと第2遊転ローラ23dとを備えていない構成としても良い。
【0065】
(9)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【0066】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した昇降装置の概要について説明する。
【0067】
本開示に係る昇降装置は、
物品が載置される載置部と、前記載置部を支持すると共に前記載置部を水平方向に沿う出退方向に出退させる出退機構と、前記出退機構を支持すると共に前記出退機構を昇降させる昇降機構と、前記昇降機構を支持する基部と、を備え、
前記昇降機構における前記出退機構を支持している部分を第1支持部として、
前記第1支持部とは別に設けられて前記出退機構を支持する第2支持部を更に備え、
前記第2支持部は、前記昇降機構による前記出退機構の昇降を許容し、且つ、前記出退機構に作用する前記第1支持部を支点とするモーメントを支持するように構成されている。
【0068】
本構成によれば、出退機構を支持する、第1支持部とは別に第2支持部が設けられており、出退機構に作用する第1支持部を支点とするモーメントを、第2支持部により支持することができる。これにより、例えば、載置部が出退方向に突出する等により、載置部と第1支持部との出退方向の距離が大きくなった場合でも、出退機構に作用するモーメントを支持することができる。また、仮に第1支持部の支持剛性が比較的低い場合でも、載置部に作用する上下方向の荷重により出退機構を傾けるように作用するモーメントを適切に支持することができる。従って、第1支持部の支持剛性を高めるために、昇降装置の全体が大型化することを抑制できる。
以上のように、本構成によれば、大型化を抑制しつつ出退機構に作用するモーメントを適切に支持することが可能となっている。
【0069】
ここで、前記出退機構は、前記載置部を前記出退方向に出退させるために動作する移動部と、前記昇降機構に固定された固定部と、を備え、
前記第2支持部は、前記固定部に連結されていると好適である。
【0070】
本構成によれば、第2支持部は固定部に連結されているため、出退機構による載置部の出退動作を妨げることなく、出退機構に作用するモーメントを適切に支持することができる。
【0071】
また、前記昇降機構により前記出退機構が昇降する方向を昇降方向とし、前記出退方向の一方側を出退方向第1側とし、前記出退方向の他方側を出退方向第2側として、
前記出退機構は、前記載置部を前記出退方向第1側に突出させるように構成され、
前記第2支持部は、
前記出退機構に固定されていると共に、前記昇降方向に沿って延在するように配置された被支持部材と、
前記被支持部材の前記出退方向第1側を向く面である第1面に当接するように配置された第1ローラと、
前記第1ローラよりも下側において前記被支持部材の前記出退方向第2側を向く面である第2面に当接するように配置された第2ローラと、
前記基部に対する前記第1ローラ及び前記第2ローラの回転軸心の位置を固定した状態で、前記第1ローラ及び前記第2ローラを回転自在に支持するローラ支持部と、を備えると好適である。
【0072】
本構成によれば、昇降機構による出退機構の昇降を許容しつつ、出退機構に作用する第1支持部を支点とするモーメントを支持する構成を、比較的簡素な構造で実現できる。
【0073】
また、前記出退機構は、前記出退方向第2側にも前記載置部を突出させるように構成され、
前記第2支持部は、
前記第1ローラよりも下側において前記第1面に当接するように配置された第3ローラと、
前記第3ローラよりも上側において前記第2面に当接するように配置された第4ローラと、を更に備え、
前記ローラ支持部は、更に、前記基部に対する前記第3ローラ及び前記第4ローラの回転軸心の位置を固定した状態で、前記第3ローラ及び前記第4ローラを回転自在に支持すると好適である。
【0074】
本構成によれば、出退機構が、出退方向第1側と出退方向第2側との双方に突出可能な構成であっても、第2支持部により出退機構に作用する第1支持部を支点とするモーメントを適切に支持することができる。また、このような構成を、第2支持部が大型化することを避けつつ、比較的簡素な構造で実現できる。
【0075】
また、前記昇降機構は、昇降駆動源と、前記出退機構と共に昇降する昇降部と、前記昇降駆動源の駆動力を前記昇降部に伝達する伝達機構と、を備え、
前記伝達機構は、前記昇降駆動源により旋回軸心回りに回転駆動されるアームと、前記旋回軸心から径方向に離間した位置において前記アームに対して回転自在に支持された遊転ローラと、を備え、
前記昇降部は、前記旋回軸心に直交すると共に水平方向に沿うように配置され、前記遊転ローラが係合するガイド溝を備え、
前記第1支持部は、前記遊転ローラと前記ガイド溝との接触部分であると好適である。
【0076】
本構成によれば、第1支持部は、遊転ローラと昇降部のガイド溝との係合部分で構成されることになる。このような第1支持部の構成では、載置部に作用する上下方向の荷重により、出退機構が第1支持部を支点として比較的傾き易い。しかし、第1支持部とは別に第2支持部を備えることで、出退機構を傾けるように作用する第1支持部を支点とするモーメントを適切に支持することができる。このため、出退機構が第1支持部を支点として傾くことを回避できる。
【0077】
また、前記出退方向の一方側を出退方向第1側とし、前記出退方向の他方側を出退方向第2側とし、
前記アームを第1アームとし、前記遊転ローラを第1遊転ローラとし、前記旋回軸心を第1旋回軸心として、
前記伝達機構は、前記第1アームに対して前記出退方向第2側に離間して配置され、前記昇降駆動源により第2旋回軸心回りに回転駆動される第2アームと、前記第2旋回軸心から径方向に離間した位置において前記第2アームに対して回転自在に支持された第2遊転ローラと、を更に備え、
前記ガイド溝は、前記第1遊転ローラ及び前記第2遊転ローラに対して上側から対向する上側対向面と、前記第1遊転ローラ及び前記第2遊転ローラに対して下側から対向する下側対向面と、を備え、前記第1遊転ローラが前記上側対向面に対して下側から接触して前記出退機構を支持している状態で、前記第2遊転ローラが前記下側対向面から離間するように構成されていると好適である。
【0078】
本構成によれば、第1支持部が出退機構に作用する昇降方向の荷重のみを支持し、第2支持部が出退機構に作用する第1支持部を支点とするモーメントのみを支持する構成にできる。よって、第1支持部と第2支持部とで出退機構を支持する役割を分担して、出退機構に作用する荷重を適切に支持することができる。
【0079】
本開示に係る昇降装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0080】
1 :昇降装置
6 :載置部
10 :出退機構
11 :移動部
12 :固定部
20 :昇降機構
21 :第1支持部
22 :昇降部
23 :伝達機構
23a :第1アーム(アーム)
23b :第2アーム
23c :第1遊転ローラ(遊転ローラ)
23d :第2遊転ローラ
24 :ガイド溝
24d :上側対向面
24e :下側対向面
25 :昇降駆動源
30 :基部
41 :第2支持部
42 :被支持部材
42a :第1面
42b :第2面
43a :第1ローラ
43b :第2ローラ
44 :ローラ支持部
45a :第3ローラ
45b :第4ローラ
Q :第1旋回軸心
S :第2旋回軸心
W :物品
X :出退方向
X1 :出退方向第1側
X2 :出退方向第2側
Z :昇降方向