(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04664 20160101AFI20241016BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20241016BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20241016BHJP
【FI】
H01M8/04664
H01M8/04537
H01M8/10 101
(21)【出願番号】P 2022030711
(22)【出願日】2022-03-01
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【氏名又は名称】岸本 達人
(74)【代理人】
【識別番号】100129838
【氏名又は名称】山本 典輝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博道
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-212972(JP,A)
【文献】特開2019-091658(JP,A)
【文献】特開2007-120844(JP,A)
【文献】特開2010-238473(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0266223(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04-8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
前記燃料電池を冷却する冷却液が循環する冷却液循環路と、
前記冷却液の導電率を測定する導電率計と、
前記冷却液の漏液を判定する判定装置と、を有する燃料電池システムであって、
前記判定装置は、
前記導電率計から、前記冷却液の導電率を取得する取得部と、
前記導電率の変動に基づいて、前記冷却液の漏液を判定する判定部と、
を有
し、
前記判定部は、特定の時間内における、導電率変化幅による変動と、その変動の回数とに基づいて、前記冷却液が漏液したと判定する、燃料電池システム。
【請求項2】
燃料電池と、
前記燃料電池を冷却する冷却液が循環する冷却液循環路と、
前記冷却液の導電率を測定する導電率計と、
前記冷却液の漏液を判定する判定装置と、を有する燃料電池システムであって、
前記判定装置は、
前記導電率計から、前記冷却液の導電率を取得する取得部と、
前記導電率の変動に基づいて、前記冷却液の漏液を判定する判定部と、
を有し、
前記判定部は、特定の時間内における、導電率変化率による変動と、その変動の回数とに基づいて、前記冷却液が漏液したと判定する
、燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池システム関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムは、燃料極、電解質膜および酸素極を有する燃料電池に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給して、発電するシステムである。また、燃料電池システムにおいては、十分な発電性能を得るために、冷却液を循環させて燃料電池の内部を好適な温度に調整することが知られている。また、循環させている冷却液の漏れを検知する方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、イグニッションオフ時の絶縁電圧値よりも、絶縁電圧検出部によって検出された絶縁電圧値が大きい場合に冷却液漏れと判定する燃料電池システムが開示されている。また、特許文献2には、リークセンサーにて冷媒タンクにおける冷媒の水位を検出しこの水位変化に基づいて冷媒リークの有無を検知する燃料電池システムが開示されている。また、特許文献3には、冷却液循環ポンプの出力と燃料電池の冷却液温度とから判定される冷却液リークの有無を含む燃料電池システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-137176号公報
【文献】特開2014-157780号公報
【文献】特開2011-124043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
燃料電池システムの安全性向上の観点から、冷却液の漏れ(漏液)については、迅速に検知できることが好ましい。本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、漏液の発生を迅速に判定できる燃料電池システムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示においては、燃料電池と、上記燃料電池を冷却する冷却液が循環する冷却液循環路と、上記冷却液の導電率を測定する導電率計と、上記冷却液の漏液を判定する判定装置と、を有する燃料電池システムであって、上記判定装置は、上記導電率計から、上記冷却液の導電率を取得する取得部と、上記導電率の変動に基づいて、上記冷却液の漏液を判定する判定部と、を有する、燃料電池システムを提供する。
【0007】
本開示によれば、導電率の変動に基づいて冷却液の漏液の有無を判定するため、漏液の発生を迅速に判定できる。
【0008】
上記開示において、上記判定部は、特定の時間内における、導電率変化幅による変動と、その変動の回数とに基づいて、上記冷却液が漏液したと判定してもよい。
【0009】
上記開示において、上記判定部は、特定の時間内における、導電率変化率による変動と、その変動の回数とに基づいて、上記冷却液が漏液したと判定してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示においては、漏液の発生を迅速に判定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示における燃料電池システムの構成を例示する概略図である。
【
図2】冷却液の導電率の変動について説明する図である。
【
図3】本開示における燃料電池を例示する概略断面図である。
【
図4】本開示における漏液の判定方法の一例について説明する図である。
【
図5】本開示における判定装置の処理を例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示における燃料電池システムについて、詳細に説明する。
図1は、本開示における燃料電池システムの構成を例示する概略図である。
図1に示される燃料電池システム100は、燃料電池10と、燃料電池10を冷却する冷却液が循環する冷却液循環路20と、冷却液の導電率を測定する導電率計30と、を備える。また、特に図示しないが、本開示における燃料電池システムは、その各種制御を行う電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)を備える。ECUは、燃料電池システムの各種制御を行うが、後述する判定装置としても機能する。燃料電池、冷却液循環路、導電率計および判定装置については後述する。
【0013】
本開示によれば、導電率の変動に基づいて冷却液の漏液の有無を判定するため、漏液の発生を迅速に判定できる。
【0014】
上述のように、冷却液の漏れを検知する方法について検討がされている。一方、特許文献1のように、絶縁電圧値に基づいた検知方法においては、燃料電池の材料および制御条件によっては、迅速に漏れを検知することが困難となる場合がある。例えば、
図2に示すように、高電圧安全の要求から、冷却液の導電率をイオン交換器で低下させた場合には、イグニッションオフ時(t=0)の絶縁電圧値が高くなる。一方、燃料電池システムを再起動するまでの期間が長くなった場合において部品からのイオン溶出が発生すると、再起動した際には、冷却液の導電率が大きくなっており絶縁電圧値が低くなっている。このような場合には、冷却液の導電率が低下するまでは、漏液が発生しても迅速に検知できない恐れがある。また、燃料電池におけるセパレータとしてSUSを用いた場合には、例えば
図2に示すように腐食防止のために運転中の目標導電率を低く設定する場合がある。この場合において長期間のイグニッションオフにより導電率が高くなっていると、イグニッションオフ時における絶縁伝導率の比較では、漏液が発生した直後には正常時との違いを検出することが困難な場合がある。
【0015】
また、特許文献2のように、冷却液が保存される冷媒タンク(リザーブタンク)の水位を監視して冷却液の漏れを検知する方法の場合、リザーブタンクがいわゆる簡易密閉型であると、ラジエータで孔があいてもリザーブタンクの水位は変動しないため、漏液の検知が困難となる。また、リザーブタンクがいわゆる完全密閉型である場合にも、迅速に漏液を検知することが難しい。冷却液の漏れによる空気の み込み(エア噛み)により、リザーブタンクの水位は下がるものの、リザーブタンクに分流する冷却液の量は僅かであるため、水位の変動が緩やかだからである。
【0016】
また、特許文献3のように、ポンプ消費量から冷却液漏れを検出する方法の場合、漏れ量が少ない間は検出が困難となる。特に、冷却液温度を高くした場合は、冷却液の上限温度に達するまでのマージンが少ないため、検出可能な漏れ量に達した際に、既に上限温度を超えている恐れがある。
【0017】
これに対して本開示における燃料電池システムは、導電率の変動に基づいて冷却液の漏液を判定する。冷却液の漏れに伴ってエア噛みが発生すると、導電率計が常に冷却液と接している状態から、エアと冷却液にランダムに接した状態となる。導電率計がエアと接すると、抵抗の上昇に伴い導電率が低下するため、測定される導電率がバタつく。このような導電率のバタつきに基づいて漏液を検知できるため、燃料電池の材料や運転条件に左右されず、迅速に漏液を検知できる。
【0018】
1.燃料電池
図3は、本開示における燃料電池を例示する概略断面図である。
図3に示される燃料電池(単セル)10は、カソード側ガス拡散層1、カソード触媒層2、電解質膜3、アノード触媒層4、アノード側ガス拡散層5がこの順に積層された膜-電極接合体(MEA)11と、MEA11を挟持する2枚のセパレータ12を有している。燃料電池は、単セルであってもよく、複数の単セルが積層された積層体であってもよい。
【0019】
電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸膜などのフッ素系電解質膜および非フッ素系電解質膜が挙げられる。非フッ素系電解質膜としては、例えば炭化水素系電解質膜が挙げられる。電解質膜の厚さは、例えば、5μm以上、100μm以下である。
【0020】
カソード触媒層およびアノード触媒層は、例えば、電気化学反応を促進する触媒金属、触媒金属を担持する母材、プロトン伝導性を有する電解質、および、電子伝導性を有するカーボン粒子を備える。触媒金属としては、例えば、Pt(白金)、Ru(ルテニウム)などの金属単体、Ptを含む合金が挙げられる。電解質としては、例えばフッ素系樹脂が挙げられる。また、母材および導電材としては、例えば、カーボンなどの炭素材料が挙げられる。カソード触媒層およびアノード触媒層の厚さは、例えば、それぞれ、5μm以上、100μm以下である。
【0021】
アノード側ガス拡散層およびカソード側ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材であってもよい。導電性部材としては、例えば、カーボンクロスおよびカーボンペーパー等のカーボン多孔質体、金属メッシュおよび発泡金属などの金属多孔質体が挙げられる。アノード側ガス拡散層およびカソード側ガス拡散層の厚さは、例えば、それぞれ、5μm以上、100μm以下である。
【0022】
セパレータは、ガス拡散層(アノード側ガス拡散層およびカソード側ガス拡散層)に対向する面にガス経路を有していてもよい。セパレータの材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属材料およびカーボンコンポジット材等の炭素材料を挙げることができる。なお、このセパレータは電子伝導性を持ち、発電した電気の集電体としても機能する。
【0023】
2.冷却液循環路
本開示における冷却液循環路は、燃料電池を冷却する冷却液が循環する経路である。冷却液循環路は、通常、燃料電池から流出した冷却液を、再度燃料電池に流入させるように構成される。
【0024】
本開示における冷却液循環路の一例を、図を用いて説明する。
図1に示される冷却液循環路20は、メイン経路20aおよびバイパス経路20b~20eを有している。メイン経路20aは、燃料電池10から流出した冷却液を、ラジエータ21により冷却して再度燃料電池10に流入させる環状経路である。バイパス経路20b~20eは、メイン経路20aから分岐した経路である。
【0025】
メイン経路20aには、冷却液を熱交換により冷却するラジエータ21と、冷却液を圧送するポンプ24と、冷却液の流量を調整する三方弁23が設けられている。バイパス経路20bには、冷却液からイオンを吸着除去するイオン交換器26が設けられている。また、図示するように、バイパス経路20bには、燃料電池10に供給される空気と冷却液とを熱交換するインタークーラ25が設けられていてもよい。バイパス経路20cは、ラジエータ21とリザーブタンク23を連通する経路である。リザーブタンク23は、完全密閉型であってもよく、簡易密閉型であってもよい。また、
図1に示される冷却液循環路20は、燃料電池10から流出した冷却液を、リザーブタンク23に貯留させ、リザーブタンク23からメイン経路20aに流出させるバイパス経路20dを有している。また、冷却液循環路20は、燃料電池10から流出した冷却液を、ラジエータ21およびリザーブタンク23を経由せずに、再度燃料電池に流入させるためのバイパス経路20eを有している。
【0026】
また、冷却液循環路には、冷却液の温度を測定する温度センサなどの部材が設けられていてもよい。上述した部材、機器については、特に限定されず、一般的な部材を用いることができる。また、冷却液は、一般的な冷却液を用いることができる。冷却液としては、水であってもよく、エチレングリコール含有液などの不凍液であってもよい。
【0027】
3.導電率計
導電率計は、通常、上述した冷却液循環路に配置される。導電率計の数は特に限定されず、1個であってもよく、2個以上であってもよい。
【0028】
導電率計の設置個所は特に限定されない。導電率計は、例えば、
図1に示すように、ポンプ24の出口側に配置されていてもよい。漏液により混入したエアがポンプにより拡散されることで、より漏液を検出できやすくなるからである。また、導電率計は、例えば、ラジエータの出口側、例えば、
図1におけるラジエータ21の上側に配置されていてもよい。ラジエータにおいて漏液が生じた場合には、迅速に検知することができるからである。また、
図1に示すように、導電率計は、バイパス経路20b上に配置されていてもよい。燃料電池の設定温度においては、ラジエータを介さず冷却液を循環させる場合があり、その場合においても、漏液を迅速に検知することができるからである。
【0029】
導電率計の設置場所は、1か所であってもよく、2か所以上であってもよい。また、導電率計としては、従来公知の導電率計を用いることができる。
【0030】
4.判定装置
(1)判定装置の構成
本開示における燃料電池システムは、冷却液の漏液を判定する判定装置を備える。判定装置は、上記導電率計から取得した導電率の変動に基づいて、冷却液の漏液を判定するように構成されている。上述したように、電子制御装置(ECU)は、本開示における判定装置としても機能し、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、各種信号を入出力するための入出力ポートとを含む。メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および、書き換え可能な不揮発性メモリを含む。メモリに記憶されているプログラムをCPUが実行することで、各種制御が実行される。ECUが行なう各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
【0031】
判定装置は、その機能を実現するための処理ブロックとして、取得部および判定部を有する。取得部は、導電率計が測定した冷却液の導電率を、経時的に取得するように設定されている。
【0032】
判定部は、上記導電率の変動に基づいて、冷却液の漏液を判定するように設定される。
図4(a)、(b)は、本開示における漏液の判定方法の一例について説明する図である。
図4(a)、(b)に示すように、冷却液中に漏液に伴うエアが混入していると、導電率計がエアに触れた際には導電率が低くなり、エアが通過して再度冷却液に触れた際には導電率は高くなる。その結果、導電率のバタつきが発生する。なお、判定部は、
図4(a)に示すように、導電率が一定であった場合における導電率の変動に基づいて漏液の有無を判定してもよく、
図4(b)に示すように、例えばイオン交換により冷却液の導電率が変化(下降)している場合における導電率の変動に基づいて漏液の有無を判定してもよい。
【0033】
判定部は、特定の時間内における、導電率変化幅による変動と、その変動の回数とに基づいて、冷却液が漏液したと判定してもよい。すなわち、特定の時間内に導電率変化幅σ以上の変動がN回以上発生した場合に、冷却液が漏液したと判定してもよい。
【0034】
「特定の時間」は、例えば1秒以上であり、3秒以上であってもよく、5秒以上であってもよい。一方、「特定の時間」は、例えば10秒以下である。
【0035】
導電率変化幅σは、例えば0.5mS/m以上であり、0.7mS/m以上であってもよく、1.0mS/m以上であってもよい。一方、導電率変化幅σは、例えば2.0mS/m以下であってもよく、1.5mS/m以下であってもよい。
図4(a)、(b)に示すように、導電率変化幅σは、導電率の凹部のピークスタート時またはピークエンド時の導電率と、凹部のボトムピーク時の導電率との差として求めることができる。
【0036】
変動回数(N)は、1であってもよく、2以上であってもよいが、2以上であることが好ましい。導電率計のノイズ(例えば電気ノイズ)による導電率のバタつきと、漏液による導電率のバタつきとを明確に区別することができるからである。変動回数(N)が2以上の場合、Nは、2であってもよく、5以上であってもよく、10以上であってもよい。一方、Nは、例えば20以下であってもよい。ここで、変動回数は、上記特定の時間内において、導電率の凹部のピークが観察される回数ととらえることができる。
【0037】
また、導電率において、1周期分の時間(凹部のピークスタート時からピークエンド時までの時間)は、例えば0.5秒以上であり、1秒以上であってもよい。一方、1周期分の時間は、例えば10秒以下である。ここで、例えば冷却液循環路にたまっていたイオンが導電率計を通過した際にも導電率の低下および上昇が発生する恐れがある。その場合の導電率の変動はエア噛みによる変動に比べて緩やかであると考えられるので、1周期分の時間が長すぎると、漏液の検出精度が低下する恐れがある。
【0038】
判定部は、特定の時間内における、導電率変化率による変動と、その変動の回数とに基づいて、冷却液が漏液したと判定してもよい。すなわち、特定の時間内に導電率変化率Δ以上の変動がN回以上発生した場合に、冷却液が漏液したと判定してもよい。
【0039】
導電率変化率Δは、例えば105%以上であり、110%以上であってもよく、120%以上であってもよい、一方、導電変化率は、例えば200%以下であり、150%以下であってもよい。
図4(a)、(b)に示すように、導電率変化率Δは、導電率の凹部のボトムピーク時の導電率に対する、ピークスタート時またはピークエンド時の導電率の比として求めることができる。
【0040】
「特定の時間内」は、上述した導電率変化幅σに基づく判定における時間と同様の時間を挙げることができる。また、導電率変化率Δ以上の変動した回数(N)は、上述した導電率変化幅σに基づく判定における変動回数(N)と同様の回数を挙げることができる。
【0041】
(2)判定装置が行う処理
図5は、本開示における判定装置が実行する処理を例示するフローチャートである。ステップS1では、導電率計が測定した、冷却液の導電率を取得する。ステップS2では、取得した導電率に基づき、導電率変化幅σ以上の変動がN回以上発生した場合に、漏液が発生したと判定する。または、ステップS2では、取得した導電率に基づき、導電率変化率Δ以上の変動がN回以上発生した場合に、漏液が発生したと判定する。ステップS2で漏液が発生したと判定した場合、判定装置は、ステップS3に進み、異常の発生を報告して処理を終了する。
【0042】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0043】
10 …燃料電池
11 …膜-電解質膜接合体
12 …セパレータ
20 …冷却液循環路
21 …ラジエータ
22 …リザーブタンク
23 …三方弁
24 …ポンプ
25 …インタークーラ
26 …イオン交換器
30 …導電率計
100 …燃料電池システム