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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】充填モジュール及び車両
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/00 20060101AFI20241016BHJP
   B60L 50/70 20190101ALI20241016BHJP
【FI】
F17C13/00 301Z
B60L50/70
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022070048
(22)【出願日】2022-04-21
(65)【公開番号】P2023160033
(43)【公開日】2023-11-02
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 翔太
(72)【発明者】
【氏名】戸沼 利之
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-43028(JP,A)
【文献】特開2001-351667(JP,A)
【文献】特開2006-126501(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0238492(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 13/00
B60L 50/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクに燃料ガスを充填するための充填モジュールであって、
ガスステーション側に配置された第1充填ノズルと接続可能な第1レセプタクルと、
前記ガスステーション側に配置された第2充填ノズルと接続可能であるとともに、前記第1レセプタクルと近接する第2レセプタクルと、
前記第1レセプタクルの近傍に設けられ、前記第1充填ノズルの先端部に配置された第1受信部に赤外線を発信する第1発信部と、
前記第2レセプタクルの近傍に設けられ、前記第2充填ノズルの先端部に配置された第2受信部に赤外線を発信する第2発信部と、
前記第1発信部及び前記第2発信部の間に設けられて前記ガスステーション側に向かって突出する衝立部と、
を備え、
前記衝立部の突出方向において、前記衝立部の先端は、前記第1発信部及び前記第2発信部の少なくとも一方の先端よりも長く突出することを特徴とする充填モジュール。
【請求項2】
前記衝立部の突出方向において、前記衝立部の先端は、前記第1発信部の先端と前記第2レセプタクルと接続される状態における前記第2充填ノズルの前記第2受信部とを結ぶ直線、又は前記第2発信部の先端と前記第1レセプタクルと接続された状態における前記第1充填ノズルの前記第1受信部とを結ぶ直線よりも長く突出する請求項1に記載の充填モジュール。
【請求項3】
前記衝立部は、位置が比較的前記第1レセプタクルに近い第1衝立部と、位置が比較的前記第2レセプタクルに近い第2衝立部とを有し、
前記第1充填ノズル及び前記第2充填ノズルがそれぞれ中央に充填流路を有する円柱状に形成された場合、前記第1衝立部の前記第1レセプタクルに向かう側面は前記第1充填ノズルの形状に倣う円弧状を呈し、前記第2衝立部の前記第2レセプタクルに向かう側面は前記第2充填ノズルの形状に倣う円弧状を呈している請求項1又は2に記載の充填モジュール。
【請求項4】
前記第1レセプタクルと着脱自在に装着される第1キャップと、前記第2レセプタクルと着脱自在に装着される第2キャップとを更に備え、
前記第1衝立部と前記第2衝立部とが最も接近する距離は、前記第1キャップ及び前記第2キャップのいずれの外径よりも小さい請求項3に記載の充填モジュール。
【請求項5】
前記第1衝立部の前記第1レセプタクルに向かう円弧状の側面及び前記第2衝立部の前記第2レセプタクルに向かう円弧状の側面は、それぞれ樹脂で覆われている請求項3に記載の充填モジュール。
【請求項6】
前記衝立部は1つであり、
前記第1充填ノズル及び前記第2充填ノズルがそれぞれ中央に充填流路を有する円柱状に形成された場合、前記衝立部の前記第1レセプタクルに向かう側面は前記第1充填ノズルの形状に倣う円弧状を呈し、前記衝立部の前記第2レセプタクルに向かう側面は前記第2充填ノズルの形状に倣う円弧状を呈している請求項1又は2に記載の充填モジュール。
【請求項7】
タンクに燃料ガスを充填するための充填モジュールであって、
ガスステーション側に配置された第1充填ノズルと接続可能な第1レセプタクルと、
前記ガスステーション側に配置された第2充填ノズルと接続可能であるとともに、前記第1レセプタクルと近接する第2レセプタクルと、
前記第1レセプタクルの近傍に設けられ、前記第1充填ノズルの先端部に配置された第1発信部から発信される赤外線を受信する第1受信部と、
前記第2レセプタクルの近傍に設けられ、前記第2充填ノズルの先端部に配置された第2発信部から発信される赤外線を受信する第2受信部と、
前記第1受信部及び前記第2受信部の間に設けられて前記ガスステーション側に向かって突出する衝立部と、
を備え、
前記衝立部の突出方向において、前記衝立部の先端は、前記第1受信部及び前記第2受信部の少なくとも一方の先端よりも長く突出することを特徴とする充填モジュール。
【請求項8】
請求項1又は7に記載された充填モジュールを備えることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に搭載されたタンクに燃料ガスを充填するための充填モジュール、及び充填モジュールを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池を搭載する車両が実用化されつつある。この種の車両は、例えば下記特許文献1に記載のように、燃料ガスの充填口を構成するレセプタクルを備え、該レセプタクルをガスステーション側に配置された充填ノズルと接続することにより、車両に搭載されたタンクに燃料ガスを充填する。そして、燃料ガスの充填作業を安全に実施するために、レセプタクルと充填ノズルとの間で無線通信を行うように構成されている。具体的には、レセプタクルの近傍に赤外線を発信する発信部と、充填ノズルの先端部に赤外線を受信する受信部とをそれぞれ設け、該発信部と受信部とを利用してタンクへの燃料ガスの充填量及び充填速度などの情報をガスステーション側に送信し、ガスステーション側の制御装置が受信した情報に基づいて燃料ガスの充填量及び充填速度を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-118694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池を搭載する車両の普及促進及び品質向上には、短時間で燃料ガスを充填できることが求められている。このため、例えばガスステーション側に2つの充填ノズル、車両側に2つのレセプタクルをそれぞれ設け、これらの充填ノズル及びレセプタクルを用いて同時に燃料ガスをタンクに充填することが検討されている。すなわち、車両側のレセプタクルとガスステーション側の充填ノズルとが対になって、このような対を2つ用意して燃料ガスの充填を同時に行う。この場合、各対において、レセプタクルに発信部、充填ノズルに受信部をそれぞれ設けて、各対における充填情報の送受信を行う。
【0005】
また、部品のモジュール化や車両のコンパクト化を図るため、2つのレセプタクルを近接して配置することが望まれている。しかし、発信部から発信される赤外線の範囲が比較的に広い(例えば中心角110°の扇形)ため、2つのレセプタクルを近接して配置すると、一方のレセプタクルの発信部から発信される赤外線が、他方のレセプタクルと接続する充填ノズル側の受信部に進入してしまい、混信が発生する問題がある。
【0006】
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、2つのレセプタクルを隣接して配置した場合であっても、混信を防止できる充填モジュール及びそれを備えた車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る充填モジュールは、タンクに燃料ガスを充填するための充填モジュールであって、ガスステーション側に配置された第1充填ノズルと接続可能な第1レセプタクルと、前記ガスステーション側に配置された第2充填ノズルと接続可能であるとともに、前記第1レセプタクルと近接する第2レセプタクルと、前記第1レセプタクルの近傍に設けられ、前記第1充填ノズルの先端部に配置された第1受信部に赤外線を発信する第1発信部と、前記第2レセプタクルの近傍に設けられ、前記第2充填ノズルの先端部に配置された第2受信部に赤外線を発信する第2発信部と、前記第1発信部及び前記第2発信部の間に設けられて前記ガスステーション側に向かって突出する衝立部と、を備え、前記衝立部の突出方向において、前記衝立部の先端は、前記第1発信部及び前記第2発信部の少なくとも一方の先端よりも長く突出することを特徴としている。
【0008】
本発明に係る充填モジュールでは、第1発信部及び第2発信部の間に設けられた衝立部は、ガスステーション側に向かって突出し、その先端が第1発信部及び第2発信部の少なくとも一方の先端よりも長く突出する。これによって、第1レセプタクルの近傍に設けられた第1発信部から発信される赤外線が、第2レセプタクルと接続する第2充填ノズルの先端部の第2受信部に進入すること、又は第2レセプタクルの近傍に設けられた第2発信部から発信される赤外線が、第1レセプタクルと接続する第1充填ノズルの先端部の第1受信部に進入することを阻止することができる。その結果、2つのレセプタクル(すなわち、第1レセプタクル及び第2レセプタクル)を近接して配置した場合であっても、混信を防止することができる。
【0009】
本発明に係る充填モジュールにおいて、前記衝立部の突出方向において、前記衝立部の先端は、前記第1発信部の先端と前記第2レセプタクルと接続される状態における前記第2充填ノズルの前記第2受信部とを結ぶ直線、又は前記第2発信部の先端と前記第1レセプタクルと接続された状態における前記第1充填ノズルの前記第1受信部とを結ぶ直線よりも長く突出することが好ましい。
【0010】
このようにすれば、第1レセプタクルの近傍に設けられた第1発信部から発信される赤外線が、第2レセプタクルと接続する第2充填ノズルの先端部の第2受信部に進入すること、又は第2レセプタクルの近傍に設けられた第2発信部から発信される赤外線が、第1レセプタクルと接続する第1充填ノズルの先端部の第1受信部に進入することをより確実に阻止できるので、混信防止の効果を高めることができる。
【0011】
また、本発明に係る充填モジュールにおいて、前記衝立部は、位置が比較的前記第1レセプタクルに近い第1衝立部と、位置が比較的前記第2レセプタクルに近い第2衝立部とを有し、前記第1充填ノズル及び前記第2充填ノズルがそれぞれ中央に充填流路を有する円柱状に形成された場合、前記第1衝立部の前記第1レセプタクルに向かう側面は前記第1充填ノズルの形状に倣う円弧状を呈し、前記第2衝立部の前記第2レセプタクルに向かう側面は前記第2充填ノズルの形状に倣う円弧状を呈していることが好ましい。
【0012】
このようにすれば、第1衝立部は、その円弧状の側面を利用し第1充填ノズルをガイドするので、第1充填ノズルと第1レセプタクルとの接続作業をよりスムーズに行うことができるとともに、第1充填ノズルが第1レセプタクルと隣接する第2レセプタクルに干渉することも防止できる。同様に、第2衝立部は、その円弧状の側面を利用し第2充填ノズルをガイドするので、第2充填ノズルと第2レセプタクルとの接続作業をよりスムーズに行うことができるとともに、第2充填ノズルが第2レセプタクルと隣接する第1レセプタクルに干渉することも防止できる。
【0013】
また、本発明に係る充填モジュールにおいて、前記第1レセプタクルと着脱自在に装着される第1キャップと、前記第2レセプタクルと着脱自在に装着される第2キャップとを更に備え、前記第1衝立部と前記第2衝立部とが最も接近する距離は、前記第1キャップ及び前記第2キャップのいずれの外径よりも小さいことが好ましい。
【0014】
このようにすれば、第1衝立部と第2衝立部との間に生じた隙間の上に第1キャップ又は第2キャップを載せることができるので、第1キャップ又は第2キャップの置き場を確保することができる。従って、外した第1キャップ17及び第2キャップ18のうち、一方を従来のように充填口リッドボックスに配置された置き場に載せ、他方を第1衝立部と第2衝立部との間に生じた隙間の上に載せることができる。その結果、置き場のない第1キャップ又は第2キャップによる車両ボディへの干渉を防止し、置き場のない第1キャップ又は第2キャップによる接続作業への妨げを抑制することができる。
【0015】
また、本発明に係る充填モジュールにおいて、前記第1衝立部の前記第1レセプタクルに向かう円弧状の側面及び前記第2衝立部の前記第2レセプタクルに向かう円弧状の側面は、それぞれ樹脂で覆われていることが好ましい。
【0016】
このようにすれば、仮に第1充填ノズルが第1衝立部と接触し、第2充填ノズルが第2衝立部と接触したとしても、接触による第1充填ノズル又は第2充填ノズルへのダメージを抑えることができる。
【0017】
また、本発明に係る充填モジュールにおいて、前記衝立部は1つであり、前記第1充填ノズル及び前記第2充填ノズルがそれぞれ中央に充填流路を有する円柱状に形成された場合、前記衝立部の前記第1レセプタクルに向かう側面は前記第1充填ノズルの形状に倣う円弧状を呈し、前記衝立部の前記第2レセプタクルに向かう側面は前記第2充填ノズルの形状に倣う円弧状を呈していることが好ましい。
【0018】
このようにすれば、衝立部は、その第1レセプタクルに向かう円弧状の側面を利用し第1充填ノズルをガイドするので、第1充填ノズルと第1レセプタクルとの接続作業をよりスムーズに行うことができるとともに、第1充填ノズルが第1レセプタクルと隣接する第2レセプタクルに干渉することも防止できる。加えて、衝立部は、その第2レセプタクルに向かう円弧状の側面を利用し第2充填ノズルをガイドするので、第2充填ノズルと第2レセプタクルとの接続作業をよりスムーズに行うことができるとともに、第2充填ノズルが第2レセプタクルと隣接する第1レセプタクルに干渉することも防止できる。
【0019】
また、本発明に係る充填モジュールは、タンクに燃料ガスを充填するための充填モジュールであって、ガスステーション側に配置された第1充填ノズルと接続可能な第1レセプタクルと、前記ガスステーション側に配置された第2充填ノズルと接続可能であるとともに、前記第1レセプタクルと近接する第2レセプタクルと、前記第1レセプタクルの近傍に設けられ、前記第1充填ノズルの先端部に配置された第1発信部から発信される赤外線を受信する第1受信部と、前記第2レセプタクルの近傍に設けられ、前記第2充填ノズルの先端部に配置された第2発信部から発信される赤外線を受信する第2受信部と、前記第1受信部及び前記第2受信部の間に設けられて前記ガスステーション側に向かって突出する衝立部と、を備え、前記衝立部の突出方向において、前記衝立部の先端は、前記第1受信部及び前記第2受信部の少なくとも一方の先端よりも長く突出することを特徴としている。
【0020】
本発明に係る充填モジュールでは、第1受信部及び第2受信部の間に設けられた衝立部は、ガスステーション側に向かって突出し、その先端が第1受信部及び第2受信部の少なくとも一方の先端よりも長く突出する。これによって、第1レセプタクルと接続する第1充填ノズルの先端部に配置された第1発信部から発信される赤外線が、第2レセプタクルの近傍に設けられた第2受信部に進入すること、又は第2レセプタクルと接続する第2充填ノズルの先端部に配置された第2発信部から発信される赤外線が、第1レセプタクルの近傍に設けられた第1受信部に進入することを阻止することができる。その結果、2つのレセプタクル(すなわち、第1レセプタクル及び第2レセプタクル)を近接して配置した場合であっても、混信を防止することができる。
【0021】
更に、本発明に係る車両は、上述の充填モジュールを備えることを特徴としている。このようにすれば、混信を防止できることで、燃料ガスの充填作業をより正確且つ短時間で行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、2つのレセプタクルを隣接して配置した場合であっても、混信を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】車両とガスステーションを示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る充填モジュールを示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る充填モジュールに第1充填ノズル及び第2充填ノズルが接続された状態を示す平面図である。
図4】第2実施形態に係る充填モジュールを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明に係る充填モジュール及び車両の実施形態について説明する。図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、その重複説明を省略する。また、以下の説明において、上下、左右、前後の方向及び位置は、充填モジュールを備えた車両を基準とする。
【0025】
[第1実施形態]
図1は車両とガスステーションを示す斜視図である。図1に示すように、車両1は、例えば燃料電池車両であり、ガスステーション2との間で赤外線通信を行いながら、ガスステーション2から燃料ガス(ここでは、水素ガス)の充填を受ける。なお、燃料ガスは、水素ガスに限定されず、CNG(圧縮天然ガス)、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)などの各種ガスであってもよい。
【0026】
ガスステーション2は、例えばオンサイト方式を採用した水素ステーションであって、圧縮された水素ガスを燃料電池自動車や燃料電池バスなどの車両に供給する(言い換えれば、水素ガスを充填する)ための装置である。車両1等に短時間で水素充填を実現するために、ガスステーション2は、内部に水素ガスを貯蔵タンクが配置された本体部20と、それぞれの一端が貯蔵タンクと接続された2本のホース(第1ホース21及び第2ホース22)、各ホースの他端に接続された充填ノズル(第1充填ノズル23及び第2充填ノズル24)とを備えている。ここでは、第1ホース21の先端に第1充填ノズル23、第2ホース22の先端に第2充填ノズル24が接続される例とする。そして、第1充填ノズル23及び第2充填ノズル24は、それぞれ中央に充填流路を有する円柱状に形成されている。
【0027】
また、水素ガスの充填作業を安全に実施するために、ガスステーション2と車両1との間で赤外線通信を行うように構成されている。具体的には、後述する図3に示すように、第1充填ノズル23の先端部には、車両1側の第1発信部13から発信される赤外線を受信するための第1受信部25が配置され、第2充填ノズル24の先端部には、車両1側の第2発信部14から発信される赤外線を受信するための第2受信部26が配置されている。第1受信部25は、例えばその先端面が第1充填ノズル23の先端面と面一になるように、第1充填ノズル23の先端部に埋め込まれている。同様に、第2受信部26は、その先端面が第2充填ノズル24の先端面と面一になるように、第2充填ノズル24の先端部に埋め込まれている。
【0028】
そして、ガスステーション2は、第1発信部13と第1受信部25とを利用して第1充填ノズル23と車両1側の第1レセプタクル11との接続状態、第2発信部14と第2受信部26とを利用して第2充填ノズル24と車両1側の第2レセプタクル12との接続状態をそれぞれ把握する。また、ガスステーション2は、これらの発信部及び受信部を利用して水素ガスの充填量及び充填速度などの情報を取得する。ガスステーション2側の制御装置は、取得した情報に基づいて充填作業に関する各制御を行う。
【0029】
車両1は、充填モジュール10を備えている。充填モジュール10は、車両1に搭載されたタンクに水素ガスを充填するためのモジュールであって、いわゆる充填口リッドボックスである。この充填モジュール10は、例えば車両1の左側面後部に取り付けられ、車両ボディに回動可能に設けられた充填口リッド34によって覆われている。
【0030】
図2は第1実施形態に係る充填モジュールを示す斜視図であり、図3は第1実施形態に係る充填モジュールに第1充填ノズル及び第2充填ノズルが接続された状態を示す平面図である。本実施形態の充填モジュール10は、主に、互いに近接する第1レセプタクル11及び第2レセプタクル12と、第1レセプタクル11の近傍に設けられた第1発信部13と、第2レセプタクル12の近傍に設けられた第2発信部14とを備えている。
【0031】
第1レセプタクル11及び第2レセプタクル12は、車両1側の水素ガス充填口として役割を果たす部材であり、例えば金属材料によって同じ円筒状且つ同じサイズに形成され、車両ボディに接合されたパネル部材30に固定されている。より具体的には、第1レセプタクル11及び第2レセプタクル12は、車両1の前後方向に沿ってパネル部材30の外壁面31に並べて配置されるとともに、外壁面31から車両1の外方(ガスステーション2側)に向かって突出している(図1参照)。
【0032】
第1レセプタクル11はガスステーション2側の第1充填ノズル23と接続可能に形成され、第2レセプタクル12はガスステーション2側の第2充填ノズル24と接続可能に形成されている。すなわち、第1レセプタクル11は、ガスステーション2側の第1充填ノズル23と対応しており、第1充填ノズル23と対になっている。第2レセプタクル12は、ガスステーション2側の第2充填ノズル24と対応しており、第2充填ノズル24と対になっている。
【0033】
第1レセプタクル11と第1充填ノズル23との接続は、例えばボールロック機構を用いて実現されている。例えば、第1充填ノズル23の先端部にロックボールを設け、第1レセプタクル11にロックボールと係合する係合溝を設ける。同様に、第2レセプタクル12と第2充填ノズル24との接続も、ボールロック機構を用いて実現されている。
【0034】
図2及び図3に示すように、第1レセプタクル11は、パネル部材30に固定されて外径が比較的大きい大径部111と、大径部111と一体的に形成されて外径が比較的小さい小径部112とを有する。小径部112の先端部の外周には、第1充填ノズル23側に設けられたロックボールと係合可能な半円形断面の係合溝113が全周に亘って形成されている。また、小径部112と大径部111との間には、テーパ状の段差面114が形成されている。この段差面114は、第1レセプタクル11と第1充填ノズル23とを接続する際に、第1充填ノズル23の先端面と当接する当接段差面になる。
【0035】
同様に、第2レセプタクル12は、パネル部材30に固定されて外径が比較的大きい大径部121と、大径部121と一体的に形成されて外径が比較的小さい小径部122とを有する。小径部122の先端部の外周には、第2充填ノズル24側に設けられたロックボールと係合可能な半円形断面の係合溝123が全周に亘って形成されている。また、小径部122と大径部121との間には、テーパ状の段差面124が形成されている。この段差面124は、第2レセプタクル12と第2充填ノズル24とを接続する際に、第2充填ノズル24の先端面と当接する当接段差面になる。
【0036】
第1発信部13は、第1レセプタクル11と第2レセプタクル12との間であって、第1レセプタクル11に近い位置に配置されている。車両1の外側から内側に向かって見たとき、第1発信部13は断面扇形環状に形成されている。この第1発信部13は、パネル部材30の外壁面31に取り付けられ、第1充填ノズル23の先端部に配置された第1受信部25に向かって赤外線を発信する。
【0037】
第2発信部14は、第1レセプタクル11と第2レセプタクル12との間であって、第2レセプタクル12に近い位置に配置されている。車両1の外側から内側に向かって見たとき、第2発信部14は断面扇形環状に形成されている。この第2発信部14は、パネル部材30の外壁面31に取り付けられ、第2充填ノズル24の先端部に配置された第2受信部26に向かって赤外線を発信する。
【0038】
また、第1発信部13と第2発信部14との間には、車両1の外方(ガスステーション2側)に向かって突出する2つの衝立部(第1衝立部15及び第2衝立部16)が設けられている。
【0039】
第1衝立部15は、第1発信部13から発信される赤外線が第2レセプタクル12と接続する第2充填ノズル24の先端部の第2受信部26に進入しないように、第1発信部13と第2発信部14との間であって比較的第1発信部13に近い位置に配置されている。この第1衝立部15はパネル部材30の外壁面31から立設されている。
【0040】
図2に示すように、車両1の外側から内側に向かって見たとき、第1衝立部15は、第1発信部13の外周に沿うように断面扇形環状に形成されている。具体的には、第1衝立部15の第1レセプタクル11に向かう内側面151は、第1レセプタクル11と接続する第1充填ノズル23の形状に倣う円弧状を呈している。内側面151と第1レセプタクル11との間の距離は、第1充填ノズル23と第1レセプタクル11とを接続する際に、第1充填ノズル23の挿入を妨げないように設定されている。また、内側面151とは反対の外側面152も円弧状を呈している。なお、第1衝立部15は、断面扇形環状に限らず、断面三日月状等の形状であってもよい。
【0041】
また、図3に示すように、第1衝立部15の突出方向において、第1衝立部15の先端は第1発信部13の先端よりも長く突出している。ここでは、第1衝立部15の突出方向において、第1衝立部15の先端は、第1発信部13の先端と第2レセプタクル12と接続される状態における第2充填ノズル24の第2受信部26とを結ぶ直線L1よりも長く突出することが好ましい。より具体的には、直線L1は、例えば第2レセプタクル12と第2充填ノズル24との接続状態において、第1発信部13の先端の中心と第2受信部26の中心とを結ぶ線である。
【0042】
第2衝立部16は、第2発信部14から発信される赤外線が第1レセプタクル11と接続する第1充填ノズル23の先端部の第1受信部25に進入しないように、第1発信部13と第2発信部14との間であって比較的第2発信部14に近い位置に配置されている。この第2衝立部16はパネル部材30の外壁面31から立設されている。
【0043】
図2に示すように、車両1の外側から内側に向かって見たとき、第2衝立部16は、第2発信部14の外周に沿うように断面扇形環状に形成されている。具体的には、第2衝立部16の第2レセプタクル12に向かう内側面161は、第2レセプタクル12と接続する第2充填ノズル24の形状に倣う円弧状を呈している。内側面161と第2レセプタクル12との間の距離は、第2充填ノズル24と第2レセプタクル12とを接続する際に、第2充填ノズル24の挿入を妨げないように設定されている。また、内側面161とは反対の外側面162も円弧状を呈している。なお、第2衝立部16は、断面扇形環状に限らず、断面三日月状等の形状であってもよい。
【0044】
また、図3に示すように、第2衝立部16の突出方向において、第2衝立部16の先端は第2発信部14の先端よりも長く突出している。ここでは、第2衝立部16の突出方向において、第2衝立部16の先端は、第2発信部14の先端と第1レセプタクル11と接続される状態における第1充填ノズル23の第1受信部25とを結ぶ直線L2よりも長く突出することが好ましい。より具体的には、直線L2は、例えば第1レセプタクル11と第1充填ノズル23との接続状態において、第2発信部14の先端の中心と第1受信部25の中心とを結ぶ線である。
【0045】
本実施形態において、第1衝立部15の第1レセプタクル11に向かう内側面151及び第2衝立部16の第2レセプタクル12に向かう内側面161は、それぞれ樹脂で覆われている。例えば、第1衝立部15は、内側面151を含む部分が樹脂材料により形成され、その他の部分が金属材料により形成されている。同様に、第2衝立部16も、内側面161を含む部分が樹脂材料により形成され、その他の部分が金属材料により形成されている。樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エポキシ樹脂等が挙げられる。金属材料としては、例えば鉄、アルミニウム等が挙げられる。
【0046】
更に、本実施形態の充填モジュール10は、第1レセプタクル11と着脱自在に装着される第1キャップ17と、第2レセプタクル12と着脱自在に装着される第2キャップ18とを備えている。第1キャップ17は、紐状部材32の一端と接続されている。紐状部材32の他端は例えばネジ止めでパネル部材30の外壁面31と固定されている。同様に、第2キャップ18は、紐状部材33の一端と接続されている。紐状部材33の他端は例えばネジ止めでパネル部材30の外壁面31と固定されている。
【0047】
本実施形態では、第1レセプタクル11及び第2レセプタクル12が同じ形状且つ同じサイズを有するため、第1キャップ17及び第2キャップ18も同じ形状且つ同じサイズを有する。なお、第1レセプタクル11及び第2レセプタクル12が異なる形状を有してもよい。この場合、第1キャップ17及び第2キャップ18も異なる形状になる。
【0048】
そして、第1衝立部15と第2衝立部16とが最も接近する距離は、第1キャップ17及び第2キャップ18のいずれの外径よりも小さい。第1衝立部15と第2衝立部16とが最も接近する距離は、すなわち第1衝立部15の外側面152と第2衝立部16の外側面162との最短距離である。
【0049】
このようにすれば、第1衝立部15と第2衝立部16との間に生じた隙間の上に第1キャップ17又は第2キャップ18を載せることができるので、第1キャップ17又は第2キャップ18の置き場を確保することができる。従って、例えば図2に示すように、第1レセプタクル11から外した第1キャップ17及び第2レセプタクル12から外した第2キャップ18のうち、第2キャップ18を従来のように充填口リッドボックスに配置された置き場に載せ、第1キャップ17を第1衝立部15と第2衝立部16との間に生じた隙間の上に載せることができる。その結果、置き場のない第1キャップ17又は第2キャップ18による車両ボディへの干渉を防止し、置き場のない第1キャップ17又は第2キャップ18によるレセプタクルと充填ノズルとの接続作業への妨げを抑制することができる。
【0050】
なお、第1キャップ17を第1衝立部15と第2衝立部16との間に生じた隙間の上に載せる際に、第1キャップ17に接続される紐状部材32を第1レセプタクル11及び第1衝立部15の上方に通すようにしてもよく(図2参照)、又は、紐状部材32を第1衝立部15と第2衝立部16の間の隙間に通すようにしてもよい。
【0051】
本実施形態の充填モジュール10では、第1衝立部15は、ガスステーション2側に向かって突出し、その先端が第1発信部13の先端よりも長く突出する。該第1衝立部15は、第1レセプタクル11の近傍に設けられた第1発信部13から発信される赤外線が、第2レセプタクル12と接続する第2充填ノズル24の先端部の第2受信部26に進入することを阻止することができる。また、第2衝立部16は、ガスステーション2側に向かって突出し、その先端が第2発信部14の先端よりも長く突出する。該第2衝立部16は、第2レセプタクル12の近傍に設けられた第2発信部14から発信される赤外線が、第1レセプタクル11と接続する第1充填ノズル23の先端部の第1受信部25に進入することを阻止することができる。その結果、第1レセプタクル11及び第2レセプタクル12を近接して配置した場合であっても、混信を防止することができる。
【0052】
加えて、第1衝立部15の突出方向において、第1衝立部15の先端は、第1発信部13の先端と第2レセプタクル12と接続される状態における第2充填ノズル24の第2受信部26とを結ぶ直線L1よりも長く突出する。このようにすることで、第1発信部13から発信される赤外線が、第2レセプタクル12と接続する第2充填ノズル24の先端部の第2受信部26に進入することをより確実に阻止でき、混信防止の効果を高めることができる。同様に、第2衝立部16の突出方向において、第2衝立部16の先端は、第2発信部14の先端と第1レセプタクル11と接続される状態における第1充填ノズル23の第1受信部25とを結ぶ直線L2よりも長く突出する。従って、第2発信部14から発信される赤外線が第1レセプタクル11と接続する第1充填ノズル23の先端部の第1受信部25に進入することをより確実に阻止でき、混信防止の効果を高めることができる。
【0053】
また、第1衝立部15の第1レセプタクル11に向かう内側面151は、第1レセプタクル11と接続する第1充填ノズル23の形状に倣う円弧状を呈している。従って、第1衝立部は円弧状の内側面151を利用し第1充填ノズル23をガイドするので、第1充填ノズル23と第1レセプタクル11との接続作業をよりスムーズに行うことができるとともに、第1充填ノズル23が第1レセプタクル11と隣接する第2レセプタクル12に干渉することも防止できる。同様に、第2衝立部16の第2レセプタクル12に向かう内側面161は、第2レセプタクル12と接続する第2充填ノズル24の形状に倣う円弧状を呈している。第2衝立部は、円弧状の内側面161を利用し第2充填ノズル24をガイドするので、第2充填ノズル24と第2レセプタクル12との接続作業をよりスムーズに行うことができるとともに、第2充填ノズル24が第2レセプタクル12と隣接する第1レセプタクル11に干渉することも防止できる。
【0054】
更に、第1衝立部15の第1レセプタクル11に向かう内側面151及び第2衝立部16の第2レセプタクル12に向かう内側面161は、それぞれ樹脂で覆われている。このようにすることで、仮に接続作業時に第1充填ノズル23が第1衝立部15と接触し、第2充填ノズル24が第2衝立部16と接触したとしても、接触による第1充填ノズル23又は第2充填ノズル24へのダメージを抑えることができる。
【0055】
また、上述の構造を有する充填モジュール10を備えた車両1によれば、混信を防止できるので、燃料ガスの充填作業をより正確且つ短時間で行うことができる。
【0056】
[第2実施形態]
以下、図4を参照して充填モジュールの第2実施形態を説明する。本実施形態の充填モジュール10Aは、衝立部が1つである点において上述した第1実施形態と異なっている。以下では、第1実施形態との相違点のみを説明する。
【0057】
図4に示すように、第1発信部13と第2発信部14との間には、車両1の外方(ガスステーション2側)に向かって突出する1つの衝立部19が設けられている。衝立部19は、第1発信部13及び第2発信部14の中央に配置され、パネル部材30の外壁面31から立設されている。衝立部19の突出方向において、衝立部19の先端は、第1発信部13及び第2発信部14の少なくとも一方の先端よりも長く突出すればよいが、本実施形態の第1発信部13及び第2発信部14が同じ突出長さを有するので、衝立部19の先端は第1発信部13及び第2発信部14の双方の先端よりも長く突出する。また、衝立部19の先端は、例えば、第1発信部13の先端と第2レセプタクル12と接続される状態における第2充填ノズル24の第2受信部26とを結ぶ直線L1よりも長く突出する(図3参照)。
【0058】
衝立部19の第1レセプタクル11に向かう第1側面191は、第1レセプタクル11と接続する第1充填ノズル23の形状に倣う円弧状を呈している。第1側面191と第1レセプタクル11との間の距離は、第1充填ノズル23と第1レセプタクル11とを接続する際に、第1充填ノズル23の挿入を妨げないように設定されている。
【0059】
また、衝立部19の第2レセプタクル12に向かう第2側面192は、第2レセプタクル12と接続する第2充填ノズル24の形状に倣う円弧状を呈している。第2側面192と第2レセプタクル12との間の距離は、第2充填ノズル24と第2レセプタクル12とを接続する際に、第2充填ノズル24の挿入を妨げないように設定されている。
【0060】
図4に示すように、衝立部19の上面193は、第1キャップ17又は第2キャップ18を載せるために凹状に形成されている。すなわち、該上面193を第1キャップ17又は第2キャップ18の置き場とすることができる。
【0061】
そして、衝立部19の第1レセプタクル11に向かう第1側面191及び第2衝立部16の第2レセプタクル12に向かう第2側面192は、それぞれ樹脂で覆われている。例えば、衝立部19のうち、第1側面191を含む部分及び第2側面192を含む部分はそれぞれ樹脂材料により形成され、その他の部分は金属材料により形成されている。
【0062】
本実施形態の充填モジュール10Aでは、衝立部19の第1レセプタクル11に向かう第1側面191は、第1レセプタクル11と接続する第1充填ノズル23の形状に倣う円弧状を呈している。従って、衝立部19は第1側面191を利用し第1充填ノズル23をガイドするので、第1充填ノズル23と第1レセプタクル11との接続作業をよりスムーズに行うことができるとともに、第1充填ノズル23が第1レセプタクル11と隣接する第2レセプタクル12に干渉することも防止できる。また、衝立部19の第2レセプタクル12に向かう第2側面192は、第2レセプタクル12と接続する第2充填ノズル24の形状に倣う円弧状を呈している。衝立部19は、第2側面192を利用し第2充填ノズル24をガイドするので、第2充填ノズル24と第2レセプタクル12との接続作業をよりスムーズに行うことができるとともに、第2充填ノズル24が第2レセプタクル12と隣接する第1レセプタクル11に干渉することも防止できる。
【0063】
上述の第1実施形態では、赤外線を発信する発信部を充填モジュール10側、赤外線を受信する受信部をガスステーション2の充填ノズル側に配置する例を挙げて説明したが、発信部及び受信部の配置位置を入れ替えてもよく、すなわち発信部をガスステーション2の充填ノズル側、受信部を充填モジュール10側に配置してもよい。
【0064】
例えば、第1充填ノズル23の先端部には赤外線を発信する第1発信部、第2充填ノズル24の先端部には赤外線を発信する第2発信部がそれぞれ配置されている。これらの発信部は、それぞれの先端面が充填ノズルの先端面と面一になるように、充填ノズルの先端部に埋め込まれている。一方、第1レセプタクル11の近傍には第1発信部から発信される赤外線を受信するための第1受信部、第2レセプタクル12の近傍には第2発信部から発信される赤外線を受信するための第2受信部がそれぞれ配置されている。
【0065】
この場合、第1衝立部15は、第1受信部と第2受信部との間であって第1受信部に近い位置に配置されており、第2充填ノズル24側の第2発信部から発信される赤外線が第1レセプタクル11の近傍に配置された第1受信部に進入しないように、ガスステーション2側に向かって突出する。そして、第1衝立部15の突出方向において、第1衝立部15の先端は第1受信部の先端よりも長く突出している。好ましくは、第1衝立部15の先端は、第1受信部の先端と第2レセプタクル12と接続される状態における第2充填ノズル24の第2発信部とを結ぶ直線よりも長く突出する。
【0066】
同様に、第2衝立部16は、第1受信部と第2受信部との間であって第2受信部に近い位置に配置され、第1充填ノズル23側の第1発信部から発信される赤外線が第2レセプタクル12の近傍に配置された第2受信部に進入しないように、ガスステーション2側に向かって突出する。そして、第2衝立部16の突出方向において、第2衝立部16の先端は第2受信部の先端よりも長く突出している。好ましくは、第2衝立部16の先端は、第2受信部の先端と第1レセプタクル11と接続される状態における第1充填ノズル23の第1発信部とを結ぶ直線よりも長く突出する。
【0067】
このようにすることで、第1実施形態と同様な作用効果を得られる。すなわち、第1レセプタクル11及び第2レセプタクル12を近接して配置した場合であっても、混信を防止することができる。
【0068】
また、上述の第2実施形態において、発信部をガスステーション2の充填ノズル側、受信部を充填モジュール10側に配置してもよい。このような場合も、第2実施形態と同様な作用効果を得られる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0070】
1:車両、2:ガスステーション、10,10A:充填モジュール、11:第1レセプタクル、12:第2レセプタクル、13:第1発信部、14:第2発信部、15:第1衝立部、16:第2衝立部、17:第1キャップ、18:第2キャップ、19:衝立部、20:本体部、21:第1ホース、22:第2ホース、23:第1充填ノズル、24:第2充填ノズル、25:第1受信部、26:第2受信部、30:パネル部材、31:外壁面、32,33:紐状部材、34:充填口リッド、111,121:大径部、112,122:小径部、113,123:係合溝、114,124:段差面、151,161:内側面、152,162:外側面、191:第1側面、192:第2側面、193:上面、L1,L2:直線
図1
図2
図3
図4