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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20241016BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20241016BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20241016BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20241016BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20241016BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G01C21/34
G06Q50/40
G08G1/0968
G16H20/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022076658
(22)【出願日】2022-05-06
(65)【公開番号】P2023165524
(43)【公開日】2023-11-16
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100205833
【弁理士】
【氏名又は名称】宮谷 昂佑
(72)【発明者】
【氏名】竺原 慶和
(72)【発明者】
【氏名】蔡 晟尉
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 伊吹
(72)【発明者】
【氏名】青木 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】木下 圭司
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-086246(JP,A)
【文献】特開2006-059056(JP,A)
【文献】特開2001-124569(JP,A)
【文献】特開2018-173925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/34
G06Q 50/40
G16H 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康診断用車両で実施される健康診断の受診者が前記健康診断用車両まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる前記健康診断用車両の停車場所を決定し、
前記停車場所における駐車許容数又は前記停車場所の周辺に位置する駐車場における駐車許容数を算出し、
前記受診者のうち車両で移動予定の受診者の数が前記駐車許容数を超える場合、前記車両で移動予定の前記受診者に対して前記車両以外の移動手段を提案する制御部
を備え
前記制御部は、前記受診者の自宅の位置情報に基づいて、前記車両で移動予定の前記受診者のうち前記車両以外の前記移動手段を提案する受診者を特定する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記受診者が所有する車両の仕様に基づいて、前記駐車許容数を算出する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動手段として公共交通機関を提案する、情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置が実行する方法であって、
健康診断用車両で実施される健康診断の受診者が前記健康診断用車両まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる前記健康診断用車両の停車場所を決定すること、
前記停車場所における駐車許容数又は前記停車場所の周辺に位置する駐車場における駐車許容数を算出すること、及び
前記受診者のうち車両で移動予定の受診者の数が前記駐車許容数を超える場合、前記車両で移動予定の前記受診者に対して前記車両以外の移動手段を提案すること
を含み、
前記受診者の自宅の位置情報に基づいて、前記車両で移動予定の前記受診者のうち前記車両以外の前記移動手段を提案する受診者を特定することを更に含む、方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法であって、
前記受診者が所有する車両の仕様に基づいて、前記駐車許容数を算出することを更に含む、方法。
【請求項6】
請求項に記載の方法であって、
前記移動手段として公共交通機関を提案することを更に含む、方法。
【請求項7】
コンピュータに、
健康診断用車両で実施される健康診断の受診者が前記健康診断用車両まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる前記健康診断用車両の停車場所を決定すること、
前記停車場所における駐車許容数又は前記停車場所の周辺に位置する駐車場における駐車許容数を算出すること、及び
前記受診者のうち車両で移動予定の受診者の数が前記駐車許容数を超える場合、前記車両で移動予定の前記受診者に対して前記車両以外の移動手段を提案すること
を実行させ
前記受診者の自宅の位置情報に基づいて、前記車両で移動予定の前記受診者のうち前記車両以外の前記移動手段を提案する受診者を特定することを更に実行させる、プログラム。
【請求項8】
請求項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記受診者が所有する車両の仕様に基づいて、前記駐車許容数を算出することを更に実行させる、プログラム。
【請求項9】
請求項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記移動手段として公共交通機関を提案することを更に実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、健康診断を受けるユーザ情報に基づいて、車両に搭載する健康診断設備を決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-022332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、健康診断の受診者の自宅から離れた場所が健康診断の実施場所として設定されると、従来技術の利便性は必ずしも高いとはいえない。したがって、健康診断の利便性を向上させる技術には改善の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、健康診断の利便性を向上させる技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、健康診断用車両で実施される健康診断の受診者が前記健康診断用車両まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる前記健康診断用車両の停車場所を決定し、前記停車場所における駐車許容数又は前記停車場所の周辺に位置する駐車場における駐車許容数を算出し、前記受診者のうち車両で移動予定の受診者の数が前記駐車許容数を超える場合、前記車両で移動予定の前記受診者に対して前記車両以外の移動手段を提案する制御部を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、情報処理装置が実行する方法であって、健康診断用車両で実施される健康診断の受診者が前記健康診断用車両まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる前記健康診断用車両の停車場所を決定すること、前記停車場所における駐車許容数又は前記停車場所の周辺に位置する駐車場における駐車許容数を算出すること、及び前記受診者のうち車両で移動予定の受診者の数が前記駐車許容数を超える場合、前記車両で移動予定の前記受診者に対して前記車両以外の移動手段を提案することを含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、健康診断用車両で実施される健康診断の受診者が前記健康診断用車両まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる前記健康診断用車両の停車場所を決定すること、前記停車場所における駐車許容数又は前記停車場所の周辺に位置する駐車場における駐車許容数を算出すること、及び前記受診者のうち車両で移動予定の受診者の数が前記駐車許容数を超える場合、前記車両で移動予定の前記受診者に対して前記車両以外の移動手段を提案することを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、健康診断の利便性を向上させる技術を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】本開示の一実施形態に係る端末装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。
【0013】
システム1は、健康診断用車両10と、車両20と、情報処理装置30と、端末装置40と、を備える。健康診断用車両10、車両20、情報処理装置30、及び端末装置40は、ネットワーク50と通信可能に接続される。
【0014】
健康診断用車両10は、例えば健康診断に使用される機器を備えた自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。自動車は、例えばガソリン自動車、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又はFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)等であるが、これらに限られない。健康診断用車両10は、運転手によって運転されてもよく、或いは任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5の何れかである。健康診断に使用される機器は、例えば血圧計、血液検査装置、心電計、X線画像診断機器、超音波検査装置、CT(Computed Tomography)装置、又はMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置を含んでもよいが、これらに限られない。
【0015】
車両20は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。自動車は、例えばガソリン自動車、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又はFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)等であるが、これらに限られない。車両20は、運転手によって運転されてもよく、或いは任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5の何れかである。車両20は、MaaS(Mobility as a Service)専用車両でもよい。
【0016】
情報処理装置30は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバ等のコンピュータである。
【0017】
端末装置40は、携帯電話機、スマートフォン、又はタブレット等のモバイル機器である。
【0018】
ネットワーク50は、インターネット、少なくとも1つのWAN(wide area network)、少なくとも1つのMAN(metropolitan area network)、又はこれらの任意の組合せを含む。ネットワーク50は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN(local area network)、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。
【0019】
図1を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0020】
情報処理装置30の制御部31は、健康診断用車両10で実施される健康診断の受診者が健康診断用車両10まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる健康診断用車両10の停車場所を決定する。そして、情報処理装置30の制御部31は、停車場所における駐車許容数又は停車場所の周辺に位置する駐車場における駐車許容数を算出する。そして、情報処理装置30の制御部31は、受診者のうち車両20で移動予定の受診者の数が駐車許容数を超える場合、車両20で移動予定の受診者に対して車両20以外の移動手段を提案する。
【0021】
本実施形態によれば、健康診断の受診者の自宅から近い場所に駐車場を伴う健康診断の実施場所が設定される。したがって、健康診断の利便性が向上させる技術を改善することができる。
【0022】
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置30の構成を説明する。
【0023】
情報処理装置30は、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、を備える。
【0024】
制御部31は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU(central processing unit)若しくはGPU(graphics processing unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGA(field-programmable gate array)である。専用回路は、例えば、ASIC(application specific integrated circuit)である。制御部31は、情報処理装置30の各部を制御しながら、情報処理装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0025】
通信部32は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。通信部32は、情報処理装置30の動作に用いられるデータを受信し、また情報処理装置30の動作によって得られるデータを送信する。
【0026】
記憶部33は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(random access memory)又はROM(read only memory)である。RAMは、例えば、SRAM(static random access memory)又はDRAM(dynamic random access memory)である。ROMは、例えば、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)である。記憶部33は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部33には、情報処理装置30の動作に用いられるデータと、情報処理装置30の動作によって得られたデータとが記憶される。本実施形態では、情報処理装置30の動作に用いられるデータは、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を含む。
【0027】
図3を参照して、本実施形態に係る端末装置40の構成を説明する。
【0028】
端末装置40は、制御部41と、通信部42と、記憶部43と、入力部44と、出力部45と、を備える。
【0029】
制御部41は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えばFPGAである。専用回路は、例えばASICである。制御部41は、端末装置40の各部を制御しながら、端末装置40の動作に関わる処理を実行する。
【0030】
通信部42は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th generation)規格、若しくは5G(5th generation)規格等の移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。通信部42は、端末装置40の動作に用いられるデータを受信し、また端末装置40の動作によって得られるデータを送信する。
【0031】
記憶部43は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えばRAM又はROMである。RAMは、例えばSRAM又はDRAMである。ROMは、例えばEEPROMである。記憶部43は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部43には、端末装置40の動作に用いられるデータと、端末装置40の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0032】
入力部44は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラ、LiDAR(light detection and ranging、又はlaser imaging, detection, and ranging)、又はマイクロフォンである。入力部44は、端末装置40の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部44は、端末装置40に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置40に接続されてもよい。接続用インタフェースとしては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の規格に対応したインタフェースを用いることができる。
【0033】
出力部45は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD(liquid crystal display)又は有機EL(electro luminescence)ディスプレイである。出力部45は、端末装置40の動作によって得られるデータを出力する。出力部45は、端末装置40に備えられる代わりに、外部の出力機器として端末装置40に接続されてもよい。接続用インタフェースとしては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の規格に対応したインタフェースを用いることができる。
【0034】
図4を参照して、本実施形態に係る情報処理装置30の動作について説明する。この動作は、本開示の一実施形態に係る方法に相当する。
【0035】
ステップS1:情報処理装置30の制御部31は、健康診断用車両10で実施される健康診断の受診者に関する情報を取得する。
【0036】
具体的には、端末装置40の制御部41は、健康診断用車両10で実施される健康診断の受診者(受診予定者)が入力部44を介して、端末装置40上で動作するインターネットを介して健康診断の予約を行うアプリケーションから、受診者の自宅の位置情報を含む受診者に関する情報を入力する動作を受け付ける。なお、受診者に関する情報は、受診者の自宅の位置情報の他に、健康診断の実施場所(健康診断用車両10の臨時駐車場)までの受診者の移動手段(徒歩、車両、電車、又はバス等)を示す情報を含んでもよい。そして、端末装置40の制御部41は、通信部42を介して、受診者に関する情報を情報処理装置30に送信する。そして、情報処理装置30の制御部31は、通信部32を介して、受診者に関する情報を端末装置40から受信する。
【0037】
ステップS2:情報処理装置30の制御部31は、ステップS1で取得した受診者に関する情報に基づいて、受診者が健康診断用車両10まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる健康診断用車両10の停車場所を決定する。
【0038】
具体的には、情報処理装置30の記憶部33に、健康診断の実施場所(健康診断用車両10の停車場所)の複数の候補地の位置情報が予め記憶されているものとする。そして、情報処理装置30の制御部31は、ステップS1で取得した受診者の自宅の位置情報と記憶部33に記憶された複数の候補地の位置情報とに基づいて、複数の候補地の中から受診者が健康診断用車両10まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる場所を特定する。なお、所定の閾値は、例えば徒歩圏内に相当する1~2km等であってもよいが、これに限られず任意に定められ得る。そして、情報処理装置30の制御部31は、特定した場所を健康診断用車両10の停車場所として決定する。
【0039】
ここで、受診者が複数存在する場合、情報処理装置30の制御部31は、任意の最適化アルゴリズムを用いて、各受診者の自宅の位置情報と複数の候補地の位置情報とから、複数の候補地の中から全ての受診者の移動距離の合計値が最小となる場所を、健康診断用車両10の停車場所として決定してもよい。
【0040】
ステップS3:情報処理装置30の制御部31は、ステップS2で決定した停車場所における駐車許容数を算出する。
【0041】
具体的には、情報処理装置30の制御部31は、ステップS2で決定した停車場所の位置情報と記憶部33に記憶された地図情報とに基づいて、ステップS2で決定した停車場所における駐車許容数を算出する。例えば、情報処理装置30の制御部31は、ステップS2で決定した停車場所の大きさと国土交通省により規定される駐車ますの大きさとを比較することにより、ステップS2で決定した停車場所における健康診断用車両10以外の車両20の駐車許容数を算出してもよい。追加的又は代替的に、情報処理装置30の制御部31は、例えば端末装置40上で動作するインターネットを介して健康診断の予約を行うアプリケーションから任意の方法で取得した受診者が所有する車両20の仕様に基づいて、駐車許容数を算出してもよい。なお、当該仕様は、軽自動車、小型乗用車、普通乗用車、小型貨物車、又は大型貨物車等の車種を含んでもよいが、これらに限られない。
【0042】
追加的又は代替的に、情報処理装置30の制御部31は、ステップS2で決定した停車場所の周辺(例えば徒歩5分圏内)に位置する駐車場における駐車許容数を算出してもよい。なお、算出方法は上述したものと同様である。
【0043】
ステップS4:情報処理装置30の制御部31は、受診者のうち車両20で移動予定の受診者の数がステップS3で算出した駐車許容数を超えているか否かを判断する。車両20で移動予定の受診者の数がステップS3で算出した駐車許容数を超えている場合、プロセスはステップS5に進む。一方、車両20で移動予定の受診者の数がステップS3で算出した駐車許容数を超えていない場合、例えば予約完了通知が任意の方法で受診者に提示される等して、プロセスは終了する。
【0044】
ステップS5:情報処理装置30の制御部31は、車両20で移動予定の受診者に対して車両20以外の移動手段を提案する。
【0045】
具体的には、情報処理装置30の制御部31は、ステップS1で取得した受診者に関する情報に基づいて、車両20で移動予定の受診者の端末装置40を特定する。そして、情報処理装置30の制御部31は、車両20以外の移動手段を提案するメッセージを生成する。そして、情報処理装置30の制御部31は、通信部32を介して、生成したメッセージを特定した端末装置40に送信する。そして、端末装置40の制御部41は、出力部45を介して、情報処理装置30から受信したメッセージを、車両20で移動予定の受診者に向けて、画面表示又は音声で出力する。なお、メッセージは、車両20以外の移動手段として、徒歩又はバス若しくは電車等の公共交通機関を用いることを提案する任意のメッセージであってもよいが、これらに限られない。
【0046】
追加的又は代替的に、情報処理装置30の制御部31は、受診者の自宅の位置情報に基づいて、車両20で移動予定の受診者の中から、車両20以外の移動手段を提案する受診者を更に特定してもよい。具体的には、情報処理装置30の制御部31は、受診者の自宅の位置情報と記憶部33に記憶された地図情報とから、車両20で受診予定の受診者の中から、駅又はバス停等から自宅までの距離が所定の閾値以下(例えば徒歩5分圏内)の受診者を更に特定する。そして、情報処理装置30の制御部31は、更に特定した受診者に対して、上述した方法と同様にして車両20以外の移動手段を提案する。
【0047】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置30の制御部31は、健康診断用車両10で実施される健康診断の受診者が健康診断用車両10まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる健康診断用車両10の停車場所を決定する。そして、情報処理装置30の制御部31は、停車場所における駐車許容数を算出する。そして、情報処理装置30の制御部31は、受診者のうち車両20で移動予定の受診者の数が駐車許容数を超える場合、車両20で移動予定の受診者に対して車両20以外の移動手段を提案する。
【0048】
かかる構成によれば、例えば健康診断の受診者の自宅から近い場所に駐車場を伴う健康診断の実施場所が設定され得る。したがって、健康診断の利便性を向上させる技術を改善することができる。
【0049】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0050】
一変形例として、情報処理装置30の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。また、例えば、情報処理装置30の一部又は全部の構成要素を健康診断用車両10に設けた実施形態も可能である。
【0051】
一変形例として、情報処理装置30の制御部31は、上述したステップS5で車両20以外の移動手段を提案した受診者に対して、情報処理装置30で任意の方法で設定された走行スケジュール及びルートに基づいて、自動運転走行を行うバス等を提供してもよい。
【0052】
また、一変形例として、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置30として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【0053】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
健康診断用車両で実施される健康診断の受診者が前記健康診断用車両まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる前記健康診断用車両の停車場所を決定し、
前記停車場所における駐車許容数又は前記停車場所の周辺に位置する駐車場における駐車許容数を算出し、
前記受診者のうち車両で移動予定の受診者の数が前記駐車許容数を超える場合、前記車両で移動予定の前記受診者に対して前記車両以外の移動手段を提案する制御部
を備える、情報処理装置。
[付記2]
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記受診者の自宅の位置情報に基づいて、前記車両で移動予定の前記受診者のうち前記車両以外の前記移動手段を提案する受診者を特定する、情報処理装置。
[付記3]
付記1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記受診者が所有する車両の仕様に基づいて、前記駐車許容数を算出する、情報処理装置。
[付記4]
付記1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動手段として公共交通機関を提案する、情報処理装置。
[付記5]
情報処理装置が実行する方法であって、
健康診断用車両で実施される健康診断の受診者が前記健康診断用車両まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる前記健康診断用車両の停車場所を決定すること、
前記停車場所における駐車許容数又は前記停車場所の周辺に位置する駐車場における駐車許容数を算出すること、及び
前記受診者のうち車両で移動予定の受診者の数が前記駐車許容数を超える場合、前記車両で移動予定の前記受診者に対して前記車両以外の移動手段を提案すること
を含む、方法。
[付記6]
付記5に記載の方法であって、
前記受診者の自宅の位置情報に基づいて、前記車両で移動予定の前記受診者のうち前記車両以外の前記移動手段を提案する受診者を特定することを更に含む、方法。
[付記7]
付記5又は6に記載の方法であって、
前記受診者が所有する車両の仕様に基づいて、前記駐車許容数を算出することを更に含む、方法。
[付記8]
付記5乃至7の何れか一項に記載の方法であって、
前記移動手段として公共交通機関を提案することを更に含む、方法。
[付記9]
コンピュータに、
健康診断用車両で実施される健康診断の受診者が前記健康診断用車両まで移動するのに必要な移動距離が所定の閾値以下となる前記健康診断用車両の停車場所を決定すること、
前記停車場所における駐車許容数又は前記停車場所の周辺に位置する駐車場における駐車許容数を算出すること、及び
前記受診者のうち車両で移動予定の受診者の数が前記駐車許容数を超える場合、前記車両で移動予定の前記受診者に対して前記車両以外の移動手段を提案すること
を実行させる、プログラム。
[付記10]
付記9に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記受診者の自宅の位置情報に基づいて、前記車両で移動予定の前記受診者のうち前記車両以外の前記移動手段を提案する受診者を特定することを更に実行させる、プログラム。
[付記11]
付記9又は10に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記受診者が所有する車両の仕様に基づいて、前記駐車許容数を算出することを更に実行させる、プログラム。
[付記12]
付記9乃至11の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記移動手段として公共交通機関を提案することを更に実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0054】
1 システム
10 健康診断用車両
20 車両
30 情報処理装置
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
40 端末装置
41 制御部
42 通信部
43 記憶部
44 入力部
45 出力部
50 ネットワーク
図1
図2
図3
図4