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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ケースおよび時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 37/18 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
G04B37/18 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022144363
(22)【出願日】2022-09-12
(62)【分割の表示】P 2020139229の分割
【原出願日】2020-08-20
(65)【公開番号】P2022168337
(43)【公開日】2022-11-07
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(74)【代理人】
【識別番号】100171882
【弁理士】
【氏名又は名称】北庄 麗絵子
(72)【発明者】
【氏名】中塚 義樹
(72)【発明者】
【氏名】松田 孝雄
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-054044(JP,A)
【文献】特開2005-098975(JP,A)
【文献】特開2020-098145(JP,A)
【文献】特開2019-027854(JP,A)
【文献】特開2016-176725(JP,A)
【文献】特開2006-112892(JP,A)
【文献】特開2016-095197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 37/00-37/22
G04B 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部を含むケース本体と、
前記ケース本体の前記筒状部の外周の少なくとも一部を覆って配置された第1外装ケースと、
前記ケース本体の前記筒状部の一端側の端面に接触し、且つ前記第1外装ケースの一端側に取り付けられ、且つ前記第1外装ケースの内面の少なくとも一部が当接する衝撃受け部を有する第2外装ケースと、
を備え
前記第2外装ケースの一部は、前記第1外装ケース上に配置されていることを特徴とするケース。
【請求項2】
請求項1に記載のケースにおいて、
前記第2外装ケースは、ほぼリング状に形成されており、側壁の肉厚が前記第1外装ケースの側壁の肉厚よりも厚い、
ことを特徴とするケース。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のケースにおいて、
前記ケース本体の前記筒状部の前記一端側の端面には溝が形成され、前記溝にはパッキンが設けられ、前記ケース本体と前記第2外装ケースとは、前記パッキンを介して接触している、
ことを特徴とするケース。
【請求項4】
請求項1~請求項のいずれかに記載のケースにおいて、
前記ケース本体には、スイッチ装置が設けられ、
前記第1外装ケースには、前記スイッチ装置の操作頭部を保護する保護突起が設けられ、
前記第2外装ケースの前記衝撃受け部は、前記第1外装ケースの前記保護突起に対向して設けられている、
ことを特徴とするケース。
【請求項5】
請求項に記載のケースにおいて、
前記スイッチ装置の前記操作頭部は、前記ケース本体の前記筒状部の外周側に設けられており、
前記第1外装ケースの前記保護突起には、前記スイッチ装置の前記操作頭部における前記ケース本体側面に位置する内端部が当接する当接部が設けられている、
ことを特徴とするケース。
【請求項6】
請求項1~請求項のいずれかに記載されたケースを備えていることを特徴とする時計。
【請求項7】
請求項に記載の時計において、
前記第2外装ケースの前記衝撃受け部は、時計の正面視における3時と9時を結ぶ線上の3時側と9時側とにそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、腕時計などの電子機器に用いられるケースおよびそれを備えた時計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、腕時計ケースにおいては、特許文献1に記載されているように、ケース本体の外周に外装部材を複数のビスによって取り付けた構造のものが知られている。この場合、外装部材は、硬質の合成樹脂によって形成された内装部と、軟質の合成樹脂によって形成されて内装部を覆う外装部と、を備えた構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-329869号公報
【0004】
この種の腕時計ケースは、ケース本体に設けられた貫通孔にパイプが嵌め込まれ、このパイプに操作部材の操作軸がスライド可能に挿入されて、操作部材の操作頭部が内装部と外装部とに貫通して設けられた保護孔に配置され、この状態で操作部材が操作されるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような腕時計ケースでは、外装部材が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃がケース本体に直接伝わるという問題があり、また操作部材の操作頭部が外部から衝撃を受けると、その衝撃によって操作部材の操作軸がケース本体内に押し込まれて、ケース本体内の部品を破損するという問題がある。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、耐衝撃性の高いケースおよびそれを備えた時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、筒状部を含むケース本体と、前記ケース本体の前記筒状部の外周の少なくとも一部を覆って配置された第1外装ケースと、前記ケース本体の前記筒状部の一端側の端面に接触し、且つ前記第1外装ケースの一端側に取り付けられ、且つ前記第1外装ケースの内面の少なくとも一部が当接する衝撃受け部を有する第2外装ケースと、を備え、前記第2外装ケースの一部は、前記第1外装ケース上に配置されていることを特徴とするケースである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、耐衝撃性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明を適用した腕時計の一実施形態を示した拡大正面図である。
図2図1に示された腕時計ケースを分解して示した拡大斜視図である。
図3図1に示された腕時計のA-A矢視における要部を示した拡大断面図である。
図4図1に示された腕時計のB-B矢視における拡大断面図である。
図5図4に示された腕時計の要部を更に拡大して示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図5を参照して、この発明を適用した腕時計の一実施形態について説明する。
この腕時計は、図1に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の12時側と6時側とには、時計バンド(図示せず)が取り付けられるバンド取付部2がそれぞれ設けられている。また、この腕時計ケース1の2時側、3時側、4時側、8時側、および10時側には、スイッチ装置3がそれぞれ設けられている。
【0011】
この腕時計ケース1は、図1図4に示すように、ケース本体4と、このケース本体4の外周にこれを覆って配置される第1外装ケース5と、この第1外装ケース5の上部(図1の正面、図2および図3の上側、図4図5の左側)とケース本体4の上部(図1の正面、図2および図3の上側、図4図5の左側)とに配置される第2外装ケース6と、を備えている。ケース本体4は、内部に時計モジュール7を収納するものであり、筒状の外周部4aと板状の底部4bとを備え、これらが硬質の合成樹脂によって一体に形成された構造になっている。
【0012】
すなわち、このケース本体4は、図2図4に示すように、硬質の合成樹脂、例えばポリエーテル・エーテルケトン(PEEK)、またはポリアミド樹脂にガラス繊維またはカーボン繊維を混入させた剛性の高い硬質の合成樹脂によって形成されている。このケース本体4の外周部4aの外周面には、係止凸部8が設けられている。この係止凸部8は、外周部4aの上部側における外周面から突出して設けられている。
【0013】
この場合、係止凸部8は、図2図4に示すように、外周部4aの外周面における全周に亘って設けられていることが望ましいが、部分的に設けられていても良い。また、この係止凸部8は、外周部4aの外周面から突出する長さが、ケース本体4の肉厚よりも十分に薄い長さ、例えば外周部4aにおける下部側の肉厚の1/3~1/4程度の長さで形成されている。
【0014】
また、ケース本体4の上端面には、図2図4に示すように、ケースパッキン9が装着されるパッキン溝4cが全周に亘って連続して設けられている。ケースパッキン9は、断面形状がほぼ円形で、全体が環状に設けられている。パッキン溝4cは、その深さがケースパッキン9の断面形状における半径と同程度の深さに形成されている。このため、ケースパッキン9は、パッキン溝4c内に装着された際に、上部側の半分程度がケース本体4の上端面から上方に突出するように構成されている。
【0015】
第1外装ケース5は、図1図4に示すように、ケース本体4よりも剛性の高いステンレスなどの金属によってほぼリング状に形成されている。この第1外装ケース5の内周面には、ケース本体4の係止凸部8が係合する係合凹部10が設けられている。この係合凹部10は、第1外装ケース5の内周面における上部側、つまり内周面における中間部から上端面に亘って設けられている。
【0016】
これにより、第1外装ケース5は、図2および図3に示すように、ケース本体4の外周に下側から装着されてケース本体4の係止凸部8が係合凹部10に係合した際に、係止凸部8の下端部8aが係合凹部10の下端部10aに当接して、ケース本体4が第1外装ケース5の下側に抜け出さないように構成されている。
【0017】
また、この第1外装ケース5の12時側と6時側とには、図1図3に示すように、腕時計ケース1のバンド取付部2がそれぞれ突出して設けられている。これらバンド取付部2のうち、6時側のバンド取付部2は、6時に対応する外周面から斜め下側に向けて突出して時計バンド(図示せず)が連結される連結突起部2aと、5時と7時とに対応して時計バンドの先端が対応するほぼ三角形状の取付突起部2bと、を備えている。この場合、連結突起部2aは、その両側に位置する取付突起部2bよりも大きく突出している。
【0018】
また、12時側のバンド取付部2は、図1図3に示すように、6時側のバンド取付部2と同様、12時に対応して外周面から斜め下側に向けて突出して時計バンド(図示せず)が連結される連結突起部2aと、1時と11時とに対応して時計バンドの先端が対応するほぼ三角形状の取付突起部2bと、を備えている。
【0019】
これらバンド取付部2の各取付突起部2bにおける上端面には、図1図3に示すように、外周の縁部を除いて、ほぼ円形状の座面部2cがそれぞれ窪んで設けられている。この座面部2cは、底面である座面がケース本体4の上端面よりも少し低くなるように形成されている。
【0020】
すなわち、バンド取付部2における各取付突起部2bの座面部2cそれぞれは、図3に示すように、第1外装ケース5がケース本体4の外周に装着され、ケース本体4の係止凸部8が第1外装ケース5の係合凹部10に係合して、係止凸部8の下端部7aが係合凹部10の下端部10aに当接した状態のときに、座面部2cの座面がケース本体4の上端面よりも少し低く形成されている。
【0021】
一方、第2外装ケース6は、図1図3に示すように、ケース本体4と第1外装ケース5との各上端部に配置されて取り付けられるものであり、第1外装ケース5と同様、ステンレスなどの金属によってほぼリング状に形成されている。この第2外装ケース6は、側壁部の肉厚が第1外装ケース5の側壁部の肉厚よりも厚く形成されている。
【0022】
また、この第2外装ケース6の内周部には、図1図3に示すように、時計ガラス12がガラスパッキン12aを介して嵌め込まれている。すなわち、この第2外装ケース6は、嵌め込まれた時計ガラス12によっても剛性が高められることにより、第1外装ケース5よりも剛性が高められている。この第2外装ケース6内には、リング状の見切り部材13が時計ガラス12の下側に嵌め込まれている。
【0023】
また、この第2外装ケース6の下端面には、図3に示すように、位置規制部14が下側に突出して設けられている。この位置規制部14は、第2外装ケース6の下端面がケース本体4の上端面に配置された際に、ケース本体4の内周面に当接して嵌め込まれることにより、第2外装ケース6をケース本体4の上端部に位置規制するように構成されている。
【0024】
この第2外装ケース6の12時側と6時側とには、図1図3に示すように、第1外装ケース5のバンド取付部2における各取付突起部2b上に設けられたほぼ円形状の座面部2c内に配置される固定部15がそれぞれ外周面から突出して設けられている。これら固定部15のうち、6時側の固定部15は、5時と7時とに対応してほぼ円板状に形成されている。同様に、12時側の固定部15は、1時と11時とに対応してほぼ円板状に形成されている。
【0025】
この場合、第2外装ケース6の各固定部15それぞれは、図2および図3に示すように、第1外装ケース5の取付突起部2bの上端部に設けられた座面部2cと同じ大きさのほぼ円板状に形成され、上下方向の厚みが座面部2cの深さと同程度の肉厚で形成されている。これにより、複数の固定部15それぞれは、第2外装ケース6が第1外装ケース5上に配置された際に、複数の取付突起部2bの各座面部2c内に配置されるように構成されている。
【0026】
また、これら複数の固定部15に対応する第2外装ケース6の外側面には、図1図3に示すように、ほぼ半円形状の切欠き部15aが各固定部15の上側に対応して設けられている。すなわち、この切欠き部15aは、第1外装ケース5のバンド取付部2における取付突起部2bの上端部に設けられた座面部2cに対応する第2外装ケース6の固定部15を除いて、その上部側をほぼ半円形の溝状に切り欠いて形成されている。
【0027】
また、この第2外装ケース6は、図1図3に示すように、締結部材であるねじ部材16によって第1外装ケース5に取り付けられている。すなわち、ねじ部材16は、頭部16aと首部16bとねじ部16cとを備えている。この場合、頭部16aは、外径が第2外装ケース6の固定部15の外径とほぼ同じ大きさに形成されている。また、固定部15には、ねじ部材16の首部16bが挿入するねじ挿入孔17が上下に貫通して設けられている。
【0028】
また、第1外装ケース5のバンド取付部2における取付突起部2bの上端部に設けられた座面部2cには、図2および図3に示すように、ねじ取付穴18が第2外装ケース6の固定部15のねじ挿入孔17と同一軸上に対応して設けられている。このねじ取付穴18は、ねじ部材16の首部16bが挿入する首挿入穴部18aと、ねじ部材16のねじ部16cが螺合するねじ穴部18bと、を備え、これらが同一軸上に設けられている。
【0029】
これにより、第2外装ケース6と第1外装ケース5とは、図3に示すように、第2外装ケース6がケース本体4と第1外装ケース5との上端部に配置されて、第2外装ケース6の固定部15が第1外装ケース5の取付突起部2bの座面部2cに配置された際に、第2外装ケース6の固定部15に設けられたねじ挿入孔17が、取付突起部2bの座面部2cに設けられたねじ取付穴18と同一軸上で対応するように構成されている。
【0030】
このため、ねじ部材16は、図3に示すように、第2外装ケース6がケース本体4と第1外装ケース5との上端部に配置されて、第2外装ケース6の固定部15のねじ挿入孔17が第1外装ケース5の取付突起部2bの上端部に設けられた座面部2cのねじ取付穴18と同一軸上で対応した状態で、ねじ部16cがねじ挿入孔17に上方から挿入され、この挿入されたねじ部16cがねじ取付穴18に挿入されてねじ穴部18bに螺合されるように構成されている。
【0031】
この場合、ねじ部材16は、図3に示すように、ねじ部16cが第2外装ケース6の固定部15のねじ挿入孔17に上方から挿入され、この挿入されたねじ部16cが第1外装ケース5の取付突起部2bにおける座面部2cのねじ取付穴18に挿入されてねじ穴部18bに螺合される際に、首部16bがねじ挿入孔17とねじ取付穴18の首挿入穴部18aに挿入されて、頭部16aが第2外装ケース6の固定部15を覆い、且つ頭部16aの一部つまりほぼ半円部が固定部15の上側の切欠き部15aに配置された状態で、締め付けられるように構成されている。
【0032】
これにより、ねじ部材16は、図3に示すように、頭部16aが第2外装ケース6の固定部15上にこれを覆って当接して、ねじ部16cが第1外装ケース5の座面部2cに設けられたねじ取付穴18のねじ穴部18bに螺入しながら第1外装ケース5を第2外装ケース6に引き寄せると共に、第1外装ケース5の係合凹部10の下端部10aがケース本体4の係止凸部8の下端部7aを引き上げて、第2外装ケース6の下端面にケース本体4の上端面を押し当てることにより、第1外装ケース5を介して第2外装ケース6にケース本体4を取り付けるように構成されている。
【0033】
この場合、ケース本体4と第2外装ケース6とは、図3に示すように、ねじ部材16によって取り付けられた際に、ケース本体4のパッキン溝4cに配置されたケースパッキン9を第2外装ケース6の下端面が押え付けてパッキン溝4c内に向けて圧縮変形させ、この圧縮変形したケースパッキン9によってケース本体4の上端面と第2外装ケース6の下端面との間の防水が図られるように構成されている。
【0034】
ところで、複数のスイッチ装置3のうち、2時側、4時側、8時側、10時側の4つのスイッチ装置3は、図1に示すように、押釦スイッチであり、3時側のスイッチ装置3は、図4および図5に示すように、竜頭スイッチである。この3時側のスイッチ装置3は、ケース本体4の貫通孔20に嵌め込まれた筒状部材21と、この筒状部材21内に挿入されてケース本体4の外部に突出する操作部材22と、この操作部材22をロックするロック部23と、を備えている。
【0035】
この場合、ケース本体4の外周面には、図4および図5に示すように、筒状部材21の小径筒部21aの外端部側を保持する円筒状の筒保持部19が貫通孔20と同一軸上で突出して設けられている。これにより、ケース本体4の貫通孔20は、ケース本体4の内周面からケース本体4の外周面に突出して設けられた筒保持部19の外端面に亘って設けられている。
【0036】
このため、第1外装ケース5には、図4および図5に示すように、ケース本体4の筒保持部19が挿入する取付孔5aが設けられている。この取付孔5aの上部および両側部に対応する第1外装ケース5の外周面には、操作部材22の後述する操作頭部27の外周を保護する保護突起35aが第1外装ケース5の下部側を除いて設けられている。
【0037】
この場合、保護突起35aは、図4および図5に示すように、両側部の肉厚が上部の肉厚よりも厚く形成されている。これにより、保護突起35aは、操作頭部27の外周が上下に露出することにより、操作頭部27の外周を上下方向から摘みやすくするように構成されている。
【0038】
筒状部材21は、図4および図5に示すように、ケース本体4の貫通孔20の小径孔部に挿入する小径筒部21aと、貫通孔20の大径孔部に挿入する中径筒部21bと、ケース本体4の筒保持部19から外部に突出して配置される大径筒部21cと、を備え、これらがステンレスなどの金属によって形成されている。この場合、筒状部材21は、小径筒部21aの内端部がケース本体4内に突出し、この突出した内端部にEリングなどの抜止め部材24が取り付けられている。
【0039】
また、この筒状部材21は、図4および図5に示すように、中径筒部21bの外周に複数の防水パッキン25が設けられている。これにより、筒状部材21は、複数の防水パッキン25が貫通孔20の大径孔部の内周面に弾接していることにより、ケース本体4の貫通孔20の内周面と筒状部材21の外周面との間の防水が図れられている。
【0040】
操作部材22は、図4および図5に示すように、巻真である操作軸26と、この操作軸26の外端部に連結される操作頭部27と、操作軸26と操作頭部27とを連結する連結駒28と、操作頭部27をケース本体4の外部に向けて付勢力するばね部材30と、を備えている。操作軸26は、内端部が時計モジュール7内にスライド可能に差し込まれ、外端部が筒状部材21内にスライド可能に配置されている。
【0041】
操作頭部27は、図4および図5に示すように、筒状部材21の中径筒部21b内にスライド可能に挿入する筒軸31と、この筒軸31の外端部に設けられた外頭部32と、を備えている。筒軸31の外周には、複数の防水リング33が筒状部材21の内周面に摺動可能に弾接して設けられている。また、この筒軸31内には、連結駒28およびばね部材30が配置されて、操作軸26の外端部が挿入されている。この場合、操作軸26は、その外端部が連結駒28に連結されている。
【0042】
連結駒28は、図4および図5に示すように、筒軸31内にスライド可能に配置され、操作頭部27がばね部材30のばね力によってケース本体4の外部側に押し出されたニュートラル状態のときに、操作頭部27に対して空転して、操作頭部27の回転を操作軸26に伝えないように構成されている。
【0043】
また、この連結駒28は、図4および図5に示すように、操作頭部27がニュートラル状態からケース本体4の外部に向けて更に引き出された際に、筒軸31がスライドしても移動することなく停止状態を維持して、筒軸31内において筒軸31と係合することにより、操作頭部27の回転を操作軸26に伝えるように構成されている。
【0044】
ロック部23は、図4および図5に示すように、ねじロック機構であり、筒状部材21の大径筒部21cの外周面に設けられた雄ねじ23aと、操作頭部27の外頭部32内の凹部32aの内周面に設けられた雌ねじ23bと、を備えている。この場合、操作頭部27の外頭部32内に設けられた凹部32aは、その内径が筒状部材21の大径筒部21cの外径と同程度の大きさに形成されている。
【0045】
これにより、ロック部23は、図4および図5に示すように、連結駒28が空転するニュートラル状態の操作頭部27をばね部材30のばね力に抗してケース本体4の内部に向けて押し込みながら一方向に回転させると、筒状部材21の大径筒部21cが操作頭部の外頭部32の凹部32a内に押し込まれながら、凹部32aの雌ねじ23bが大径筒部21cの雄ねじ23aに螺合してロックされるように構成されている。
【0046】
また、このロック部23は、図4および図5に示すように、大径筒部21cの雄ねじ23aと凹部32aの雌ねじ23bとが螺合した状態で、操作頭部27を一方向と反対方向に回転させると、大径筒部21cの雄ねじ23aと凹部32aの雌ねじ23bとの螺合が緩んで、雄ねじ23aと雌ねじ23bとによるロックが解除され、操作頭部27がばね部材30のばね力によってケース本体4の外部に向けて押し出されて、ニュートラル状態になるように構成されている。
【0047】
これにより、3時側のスイッチ装置3は、図4および図5に示すように、ロック部23による操作頭部27のロックが解除されて、操作頭部27がばね部材30のばね力によってケース本体4の外部に向けて押し出されたニュートラル状態のときに、操作頭部27の筒軸31と連結駒28とが係合していないため、操作頭部27を回転させても、操作頭部27に対して連結駒28が空転して操作軸26が回転せず、時計モジュール7の時計ムーブメント(図示せず)が操作されず、時刻などの修正が行われないように構成されている。
【0048】
また、この3時側のスイッチ装置3は、図4および図5に示すように、ロック部23による操作頭部27のロックが解除されて、ニュートラル状態の操作頭部27がケース本体4の外部に向けて更に引き出された際に、操作頭部27の筒軸31と連結駒28とが係合するため、操作頭部27の回転に伴って連結駒28が回転して、操作軸26を時計モジュール7内で回転させて、時計モジュール7内の時計ムーブメント(図示せず)を操作させることにより、時刻などの修正が行われるように構成されている。
【0049】
ところで、第2外装ケース6には、図2図4図5に示すように、3時側のスイッチ装置3に対応する箇所と、これと対角線上に位置する9時側の箇所と、の2か所に衝撃受け部である衝撃受止め部34がそれぞれ設けられている。これら複数の衝撃受止め部34は、第1外装ケース5が外部から衝撃を受けた際に、第1外装ケース5の3時側の保護突起35aと9時側の装飾突起35bとの各内端面(内周部)が当接するように構成されている。
【0050】
すなわち、これら複数の衝撃受止め部34のうち、3時側の衝撃受止め部34は、図4および図5に示すように、第1外装ケース5の保護突起35aに対応する第2外装ケース6の3時側の外周面における下部に設けられている。また、9時側の衝撃受止め部34は、第1外装ケース5の保護突起35aの対角線上に位置する第1外装ケース5の外周面に設けられて上方に突出する装飾突起35bに対応する第2外装ケース6の9時側の外周面における下部に設けられている。
【0051】
この場合、第1外装ケース5の保護突起35aには、図4および図5に示すように、操作部材22の操作頭部27がロック部23によってロックされた際に、操作頭部27が当接する頭部当接部36が設けられている。この第1外装ケース5の頭部当接部36は、筒状部材21の大径筒部21cが操作頭部27の外頭部32の凹部32a内に押し込まれながら、凹部32aの雌ねじ23bが大径筒部21cの雄ねじ23aに螺合してロックされた際に、操作頭部27の内端部が当接するように構成されている。
【0052】
これにより、この腕時計ケース1は、図4および図5に示すように、3時側のスイッチ装置3の操作部材22がロック部23によってロックされた状態で、操作部材22の操作頭部27が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃が第1外装ケース5の保護突起35aの頭部当接部36に加わり、この頭部当接部36に加わった衝撃によって第1外装ケース5の3時側の保護突起35aの内端面が第2外装ケース6の3時側の衝撃受止め部34に当接し、この衝撃受止め部34によって衝撃が受け止められるように構成されている。
【0053】
このため、この腕時計ケース1は、図4および図5に示すように、3時側のスイッチ装置3における操作部材22の操作頭部27が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃が第1外装ケース5を介して第2外装ケース6によって受け止められるので、合成樹脂製のケース本体4が外部からの衝撃を受けないように構成されている。
【0054】
これにより、この3時側のスイッチ装置3は、図4および図5に示すように、外部からの衝撃が第2外装ケース6の衝撃受止め部34で受け止められることにより、操作部材22の操作軸26が衝撃によって時計モジュール7内に押し込まれることがないので、操作部材22の操作頭部27が外部から衝撃を受けても、操作軸26による時計モジュール7の破損が防げるように構成されている。
【0055】
また、この腕時計ケース1は、図4に示すように、第1外装ケース5の9時側の外周部が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃によって第1外装ケース5の9時側の装飾突起35bの内端面が第2外装ケース6の9時側の衝撃受止め部34に当接し、この衝撃受止め部34によって衝撃が受け止められるように構成されている。
【0056】
このため、この腕時計ケース1は、図4に示すように、第1外装ケース5の9時側の外周部が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃が第1外装ケース5を介して第2外装ケース6によって受け止められるので、合成樹脂製のケース本体4が外部からの衝撃を受けないように構成されている。
【0057】
この場合、第2外装ケース6は、図2および図4に示すように、内部に時計ガラス12がガラスパッキン12aを介して嵌め込まれていることにより、第2外装ケース6全体の剛性が高められている。このため、第2外装ケース6は、第1外装ケース5の外周部が外部から衝撃を受けた際に、時計ガラス12によって剛性が高められた第2外装ケース6の3時側と9時側との衝撃受止め部34によって外部からの衝撃を確実に受け止めるように構成されている。
【0058】
次に、このような腕時計ケース1を組み立てる場合について説明する。
この場合には、まず、ケース本体4の外周に第1外装ケース5を装着する。このときには、予め、ケース本体4に設けられた3時側の貫通孔20に筒状部材21を複数の防水リング25と共に取り付ける。この状態で、第1外装ケース5をケース本体4に下側から挿入させて、ケース本体4の外周部4aに設けられた係止凸部8を第1外装ケース5の内周面に設けられた係合凹部10に係合させる。
【0059】
すると、第1外装ケース5の係合凹部10の下端部10aがケース本体4の係止凸部8の下端部8aに当接して保持される。これにより、ケース本体4の外周部4aに第1外装ケース5が上方に抜け出すことなく装着される。この状態で、複数のスイッチ装置3のうち、2時側、4時側、8時側、10時側の4つのスイッチ装置3の操作釦をそれぞれ取り付けて、ケース本体4内に時計モジュール7を組み込む。
【0060】
この状態で、腕時計ケース1に3時側のスイッチ装置3を取り付ける。このときには、予め、操作部材22の操作軸26の外端部に連結駒28を連結させる。この状態で、操作部材22の操作頭部27に設けられた筒軸31内に第2ばね部材30を挿入すると共に、連結駒28を挿入させて操作軸26の外端部を挿入させる。
【0061】
これにより、操作軸26が連結駒28によって操作頭部27の筒軸31に連結される。この状態で、操作軸26をケース本体4の外部から筒状部材21に挿入させて、ケース本体4内の時計モジュール7内に差し込む。すると、操作軸26が時計モジュール7に操作可能に連結される。これにより、3時側のスイッチ装置3がケース本体4に取り付けられる。
【0062】
そして、ケース本体4の上端面に設けられたパッキン溝4cにケースパッキン8を上方に突出させた状態で配置する。この状態で、ケース本体4と第1外装ケース5との上端部に第2外装ケース6を配置させる。このときには、予め、第2外装ケース6内に見切り部材13を上方から嵌め込むと共に、この見切り部材13の上側に位置するように、第2外装ケース6内に時計ガラス12をガラスパッキン12aと共に嵌め込む。
【0063】
この状態で、ケース本体4と第1外装ケース5との上端部に第2外装ケース6が配置されると、第2外装ケース6の位置規制部14がケース本体4の内周面に当接してケース本体4内に嵌め込まれる。これにより、第2外装ケース6がケース本体4の上端面に位置規制されて配置される。このときには、第2外装ケース6の3時側の衝撃受止め部34が第1外装ケース5の3時側の保護突起35aに対応すると共に、第2外装ケース6の9時側の衝撃受止め部34が第1外装ケース5の9時側の装飾突起35bに対応する。
【0064】
また、このときには、第2外装ケース6の固定部15が第1外装ケース5のバンド取付部2の取付突起部2b上に配置されることにより、第2外装ケース6の切欠き部15aの下側の固定部15が取付突起部2bの上端面の座面部2cに対応して配置される。このため、第2外装ケース6の固定部15に設けられたねじ挿入孔17が第1外装ケース5の取付突起部2bの座面部2cに設けられたねじ取付穴18に同一軸上で対応する。
【0065】
この状態で、第2外装ケース6をケース本体4と第1外装ケース5との上端部にねじ部材16によって取り付ける。このときには、ねじ部材16のねじ部16cを第2外装ケース6の固定部15のねじ挿入孔17に上方から挿入させ、この挿入されたねじ部16cを第1外装ケース5のねじ取付穴18に挿入させる。
【0066】
また、このときには、ねじ部材16の首部16bを第2外装ケース6の固定部15のねじ挿入孔17と第1外装ケース5のねじ取付穴18の首挿入穴部18aとに挿入させて、頭部16aを第2外装ケース6の固定部15上にこれを覆って配置させると共に、頭部16aの一部つまり半円部を切欠き部15aに配置させる。
【0067】
この状態で、ねじ部材16のねじ部16cをねじ取付穴18のねじ穴部18bに螺合させてねじ部材16を締め付けると、ねじ部材16の頭部16aが第2外装ケース6の固定部15の上面にこれを覆って当接して、ねじ部16cがねじ取付穴18のねじ穴部18bに螺入しながら第1外装ケース5を第2外装ケース6に引き寄せる。
【0068】
すると、第1外装ケース5の係合凹部10の下端部10aがケース本体4の係止凸部8の下端部7aを引き上げるので、第2外装ケース6の下端面がケース本体4の上端面のパッキン溝4cに装着されたケースパッキン8を押し付けて圧縮変形させて、第2外装ケース6の下端面がケース本体4の上端面に接近または接触して押し付けられる。これにより、ケース本体4の上端面と第2外装ケース6の下端面との間の防水がケースパッキン8によって図られて、第2外装ケース6が第1外装ケース5を介してケース本体4に取り付けられる。
【0069】
このときには、第1外装ケース5が第2外装ケース6に確実に引き寄せられて、ケース本体4が第2外装ケース6に強く押し付けられる。これにより、ケースパッキン8がケース本体4の上端面と第2外装ケース6の下端面との間に強く挟まれて圧縮変形するので、ケース本体4の上端面と第2外装ケース6の下端面との間の防水が確実に図られると共に、ケース本体4が第1外装ケース5を介して第2外装ケース6に強固に取り付けられる。
【0070】
次に、このような腕時計の作用について説明する。
この腕時計は、通常の状態で、時計モジュール7によって時刻や日付、曜日などの情報が表示され、この表示された時刻や日付、曜日などの情報が時計ガラス12を通して外部から見る。この状態で、複数のスイッチ装置3のうち、2時側、4時側、8時側、10時側の各スイッチ装置3を操作すると、時計のモードが切り替わる。
【0071】
この場合、3時側のスイッチ装置3を操作すると、時刻の修正ができる。このときには、まず、ロック部23による操作部材22のロックを解除する。すなわち、筒状部材21の雄ねじ23aと操作頭部27の雌ねじ23bとが螺合したロック状態で、操作頭部27を回転させて、雌ねじ23bを雄ねじ23aから離脱させると、雄ねじ23aと雌ねじ23bとによるロックが解除される。
【0072】
すると、操作頭部27がばね部材30のばね力によってケース本体4の外部に向けて押し出されて、ニュートラル状態になる。このときには、操作頭部27の筒軸31がスライドしても、連結駒28が移動せずに停止状態を維持して、操作頭部27に対して連結駒28が空転する状態となるので、操作頭部27の回転が操作軸26に伝わらない。このため、このニュートラル状態では、時刻などの修正が行われない。
【0073】
このニュートラル状態で、操作頭部27をケース本体4の外部に向けて更に引き出す。すると、筒軸31がスライドして、連結駒28が筒軸31内において互いに係合し、この連結駒28が操作頭部27の回転に伴って回転する状態になる。この状態で、操作頭部27を回転させると、操作軸26が連結駒28によって回転して、時計モジュール7の時計ムーブメント(図示せず)を操作させる。これにより、時刻などの修正が行われる。
【0074】
また、この3時側のスイッチ装置3では、操作頭部27が押し込まれて、ロック部23によって操作頭部27が筒状部材21にロックされた状態で、操作頭部27が外部から衝撃を受けると、その衝撃が第1外装ケース5の3時側の保護突起35aの頭部当接部36に加わり、この頭部当接部36に加わった衝撃によって第1外装ケース5の3時側の保護突起35aの内端面が第2外装ケース6の3時側の衝撃受止め部34に当接し、この衝撃受止め部34によって衝撃が受け止められる。
【0075】
このため、この腕時計ケース1は、3時側のスイッチ装置3における操作部材22の操作頭部27が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃が第1外装ケース5を介して第2外装ケース6の3時側の衝撃受止め部34によって受け止められるので、合成樹脂製のケース本体4が外部からの衝撃を受けることがない。これにより、ケース本体4の肉厚を薄く形成することができるので、ケース本体4の小型化が図れると共に、腕時計ケース1全体の小型化が図れる。
【0076】
また、この3時側のスイッチ装置3は、外部からの衝撃が第2外装ケース6の3時側の衝撃受止め部34で受け止められることにより、操作部材22の操作軸26が衝撃によって時計モジュール7内に押し込まれることがないので、操作部材22の操作頭部27が外部から衝撃を受けても、操作軸26による時計モジュール7の破損が防げる。このため、操作頭部27の外頭部32を保護突起35aの外部に突出させて、外頭部32の外周が摘みやすくなり、これにより操作頭部27の操作性の向上が図る。
【0077】
また、第1外装ケース5の9時側の装飾突起35bが外部から衝撃を受けた際には、その衝撃によって第1外装ケース5の9時側の装飾突起35bの内端面が第2外装ケース6の9時側の衝撃受止め部34に当接し、この9時側の衝撃受止め部34によって外部からの衝撃が受け止められる。
【0078】
このため、この腕時計ケース1は、第1外装ケース5の9時側の装飾突起35bが外部から衝撃を受けた際に、その衝撃が第1外装ケース5を介して第2外装ケース6の9時側の衝撃受止め部34によって受け止められるので、これによっても合成樹脂製のケース本体4が外部からの衝撃を受けることがない。
【0079】
この場合、第2外装ケース6は、内部に時計ガラス12がガラスパッキン12aを介して嵌め込まれていることにより、第2外装ケース6全体の剛性が高められている。このため、第2外装ケース6は、第1外装ケース5の外周部が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃を時計ガラス12によって剛性が高められた第2外装ケース6の3時側と9時側との各衝撃受止め部34によって確実に受け止めて、合成樹脂製のケース本体4が外部からの衝撃を受けることがない。
【0080】
このように、この腕時計ケース1によれば、ケース本体4と、このケース本体4の外周に配置されてケース本体4を保持する第1外装ケース5と、ケース本体4の上部を覆って第1外装ケース5の上部に取り付けられ、且つ第1外装ケース5の上部における内周部が当接する衝撃受止め部34を有する第2外装ケース6と、を備えていることにより、耐衝撃性を高めることができる。
【0081】
すなわち、この腕時計ケース1では、第1外装ケース5が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃によって第1外装ケース5の内端面を第2外装ケース6の衝撃受止め部34に当接させることができるので、この衝撃受止め部34によって衝撃を受け止めることができ、これにより外部からの衝撃をケース本体4が受けないようにすることができるので、ケース本体4の耐衝撃性を高めることができる。
【0082】
この場合、この腕時計ケース1では、第2外装ケース6の側壁の肉厚が第1外装ケース5の側壁の肉厚よりも厚いので、第1外装ケース5が外部から受けた衝撃によって第1外装ケース5の内端面が第2外装ケース6の衝撃受止め部34に当接した際に、第1外装ケース5の側壁の肉厚よりも厚い第2外装ケース6の衝撃受止め部34によって衝撃を確実に且つ良好に受け止めることができる。
【0083】
また、この腕時計ケース1では、ケース本体4が合成樹脂によって形成され、第1外装ケース5と第2外装ケース6とがケース本体4よりも剛性の高い金属によって形成されていることにより、ケース本体4が合成樹脂によって形成されていても、第1外装ケース5が外部からの衝撃を第2外装ケース6の衝撃受止め部34によって確実に受け止めることができる。
【0084】
これにより、この腕時計ケース1では、外部からの衝撃をケース本体4が受けないようにすることができるので、ケース本体4の耐衝撃性を高めることができる。このため、この腕時計ケース1では、ケース本体4の肉厚を薄く形成することができるので、ケース本体4の小型化を図ることができると共に、腕時計ケース1全体の小型化をも図ることができる。
【0085】
また、この腕時計ケース1では、第2外装ケース6に時計ガラス12がガラスパッキン12aを介して嵌め込まれていることにより、第2外装ケース6全体の剛性を時計ガラス12によって高めることができる。このため、第2外装ケース6は、第1外装ケース5の外周部が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃を時計ガラス12によって剛性が高められた第2外装ケース6の衝撃受止め部34によって確実に且つ良好に受け止めることができる。
【0086】
また、この腕時計ケース1では、第2外装ケース6の衝撃受止め部34が対角線上にそれぞれ設けられていることにより、衝撃受止め部34を第2外装ケース6の外周における全周に亘って設ける必要がなく、外部からの衝撃を受けやすい3時側と9時側との対角線上の2か所のみに設ければよいので、衝撃受止め部34を効率良く設けることができ、これにより第2外装ケース6を容易に製造することができる。
【0087】
この場合、この腕時計ケース1では、ケース本体4に3時側のスイッチ装置3が設けられ、第1外装ケース5に3時側のスイッチ装置3の操作頭部27を保護する保護突起35aが設けられ、第2外装ケース6の衝撃受止め部34が第1外装ケース5の保護突起35aに対応する対角線上に対向して設けられていることにより、保護突起35aと対角線上の装飾突起35bとが外部から衝撃を受けても、その衝撃を第2外装ケース6の各衝撃受止め部34によって受け止めることができる。
【0088】
すなわち、この腕時計ケース1では、3時側のスイッチ装置3の操作頭部27を保護する保護突起35aが外部から衝撃を受けた際に、その衝撃を第2外装ケース6の3時側の衝撃受止め部34によって確実に受け止めることができ、また保護突起35aと対角線上に位置する9時側の装飾突起35bが外部から衝撃を受けた際に、その衝撃を第2外装ケース6の9時側の衝撃受止め部34によって確実に受け止めることができる。
【0089】
また、この腕時計ケース1では、第1外装ケース5の保護突起35aに3時側のスイッチ装置3の操作頭部27の内端部が当接する頭部当接部36が設けられていることにより、操作頭部27が外部から衝撃を受けると、その衝撃によって操作頭部27が第1外装ケース5の3時側の保護突起35aの頭部当接部36に当接し、この頭部当接部36に加わった衝撃によって第1外装ケース5の3時側の保護突起35aの内端面が第2外装ケース6の3時側の衝撃受止め部34に当接し、この衝撃受止め部34によって衝撃を受け止めることができる。
【0090】
このため、この腕時計ケース1は、3時側のスイッチ装置3における操作部材22の操作頭部27が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃を第2外装ケース6の3時側の衝撃受止め部34で受け止めることができるので、外部からの衝撃によって操作部材22の操作軸26が時計モジュール7内に押し込まれないようにすることができる。
【0091】
これにより、この腕時計ケース1では、操作頭部27が外部から衝撃を受けても、操作軸26による時計モジュール7の破損を防ぐことができる。このため、操作頭部27の外頭部32を保護突起35aから外部に突出させることができるので、外頭部32の外周を摘みやすくすることができ、これにより操作頭部27の操作性を向上させることができる。
【0092】
なお、上述した実施形態では、第2外装ケース6の3時側と9時側との対角線上に衝撃受止め部34を設けた場合について述べたこの発明は、これに限らず、例えば2時側と8時側との対角線上に衝撃受止め部34を設けても良く、また4側と10時側との対角線上に衝撃受止め部34を設けても良い。さらに、この発明は、これに限らず、2時側から4時側に亘る箇所と8時側から10時側に亘る箇所との2か所に衝撃受止め部34を設けても良い。
【0093】
また、上述した実施形態では、衝撃受止め部34を設けた第2外装ケース6を第1外装ケース5の上部に設けた場合について述べたが、この発明は、これに限らず、衝撃受止め部34を設けた第2外装ケース6を第1外装ケース5の下部に設けても良い。この場合も耐衝撃性を高めることができる。
【0094】
また、上述した実施形態では、腕時計に適用した場合について述べたが、この発明は必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができる。
【0095】
また、この発明は、必ずしも時計である必要はなく、例えば携帯電話や携帯情報端末などの電子機器にも適用することができる。
【0096】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0097】
(付記)
請求項1に記載の発明は、ケース本体と、前記ケース本体の外周に配置された第1外装ケースと、前記第1外装ケースの上部および下部の少なくとも一方に取り付けられ、且つ前記第1外装ケースの上部および下部の前記少なくとも一方における内周部が当接する衝撃受け部を有する第2外装ケースと、を備えていることを特徴とするケースである。
【0098】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のケースにおいて、前記第2外装ケースは、側壁の肉厚が前記第1外装ケースの側壁の肉厚よりも厚い、ことを特徴とするケースである。
【0099】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のケースにおいて、前記ケース本体は、合成樹脂によって形成され、前記第1外装ケースと前記第2外装ケースとは、前記ケース本体よりも剛性の高い金属によって形成されている、ことを特徴とするケースである。
【0100】
請求項4に記載の発明は、請求項1~請求項3のいずれかに記載のケースにおいて、前記第2外装ケースには、ガラスが嵌め込まれている、ことを特徴とするケースである。
【0101】
請求項5に記載の発明は、請求項1~請求項4のいずれかに記載のケースにおいて、前記第2外装ケースの前記衝撃受け部は、対角線上にそれぞれ設けられている、ことを特徴とするケースである。
【0102】
請求項6に記載の発明は、請求項1~請求項5のいずれかに記載のケースにおいて、前記ケース本体には、スイッチ装置が設けられ、前記第1外装ケースには、前記スイッチ装置の操作頭部を保護する保護突起が設けられ、前記第2外装ケースの前記衝撃受け部は、前記第1外装ケースの前記保護突起に対応する対角線上に対向して設けられている、ことを特徴とするケースである。
【0103】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のケースにおいて、前記第1外装ケースの前記保護突起には、前記スイッチ装置の前記操作頭部の内端部が当接する当接部が設けられている、ことを特徴とするケースである。
【0104】
請求項8に記載の発明は、請求項1~請求項7のいずれかに記載されたケースを備えていることを特徴とする時計である。
【符号の説明】
【0105】
1 腕時計ケース
2 バンド取付部
2a 連結突起部
2b 取付突起部
2c 座面部
3 スイッチ装置
4 ケース本体
5 第1外装ケース
6 第2外装ケース
7 時計モジュール
12 時計ガラス
15 固定部
16 ねじ部材
20 貫通孔
21 筒状部材
22 操作部材
23 ロック部
26 操作軸
27 操作頭部
34 衝撃受止め部
35a 保護突起
35b 装飾突起
36 頭部当接部
図1
図2
図3
図4
図5