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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20241016BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20241016BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20241016BHJP
   H04N 23/65 20230101ALI20241016BHJP
   G03B 17/04 20210101ALI20241016BHJP
【FI】
H04N23/63
H04N23/55
H04N23/60
H04N23/65
G03B17/04
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022509398
(86)(22)【出願日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 JP2021005520
(87)【国際公開番号】W WO2021192724
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2020053687
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正信
(72)【発明者】
【氏名】青山 純
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 裕樹
【審査官】吉田 千裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-186629(JP,A)
【文献】特開2015-79042(JP,A)
【文献】特開2007-194769(JP,A)
【文献】特開2010-103599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/63
H04N 23/55
H04N 23/60
H04N 23/65
G03B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡筒本体に対して、少なくとも1以上のレンズを保持する筒体が手動操作により収納状態と繰り出し状態をとることができる沈胴型筒体を有するレンズ鏡筒を装着可能なカメラ本体と、
前記カメラ本体に装着された前記レンズ鏡筒が収納状態であることを検知した場合、撮像装置の状態を示す情報として、設定情報の表示を実行させる制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記収納状態の検知に応じて、前記設定情報を表示させるとともに撮像画像のスルー画は非表示とする制御を行い、
前記繰り出し状態が検知されることに応じて、前記設定情報の表示を終了させ、撮像画像のスルー画を表示させる制御を行う
撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記設定情報の表示の際の所定の操作の検知に応じて、設定変更処理を行う
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記設定情報の表示に対する指定操作の検知に応じて、指定された設定情報のメニュー階層内における変更画面を表示させ、当該変更画面に対する操作の検知に応じて設定変更処理を行う
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記収納状態の際に前記変更画面を表示させているときに、前記繰り出し状態が検知されることに応じて、前記変更画面の表示を終了させ、撮像画像のスルー画を表示させる制御を行う
請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
鏡筒本体に対して、少なくとも1以上のレンズを保持する筒体が手動操作により収納状態と繰り出し状態をとることができる沈胴型筒体を有するレンズ鏡筒を装着可能なカメラ本体と、
前記カメラ本体に装着された前記レンズ鏡筒が収納状態であることを検知した場合、撮像装置の状態を示す情報として、前記レンズ鏡筒の収納状態と繰り出し状態に応じて動画記録が制御される連動機能に関する情報の表示を実行させる制御を行う制御部と、を備えた
撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記連動機能が有効とされている場合、
前記レンズ鏡筒の繰り出し状態に応じて動画記録を開始させる制御を行う
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記連動機能により動画記録を開始させた場合、
前記レンズ鏡筒の収納状態に応じて動画記録を停止させる制御を行う
請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記連動機能に関する情報とともに、前記連動機能のオン/オフの操作を可能とする表示を実行させる制御を行う
請求項5から請求項7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記収納状態が非操作による待機のまま第1の所定時間以上継続することに応じて、撮像装置の状態を示す情報の表示を終了させるとともに、電源オフとする制御を行う
請求項1から請求項8のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記繰り出し状態において、非操作による待機のまま第2の所定時間以上継続することに応じて電源オフとする制御を行い、
前記第1の所定時間は前記第2の所定時間より短い
請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
鏡筒本体に対して、少なくとも1以上のレンズを保持する筒体が手動操作により収納状態と繰り出し状態をとることができる沈胴型筒体を有するレンズ鏡筒を装着可能なカメラ本体を備えた撮像装置が、
前記カメラ本体に装着された前記レンズ鏡筒が収納状態であることの検知に応じて、撮像装置の状態を示す情報として、設定情報の表示を実行させるとともに撮像画像のスルー画は非表示とする制御を行い、
前記レンズ鏡筒が繰り出し状態であることの検知に応じて、前記設定情報の表示を終了させ、撮像画像のスルー画を表示させる制御を行う
撮像方法。
【請求項12】
鏡筒本体に対して、少なくとも1以上のレンズを保持する筒体が手動操作により収納状態と繰り出し状態をとることができる沈胴型筒体を有するレンズ鏡筒を装着可能なカメラ本体を備えた撮像装置が、
前記カメラ本体に装着された前記レンズ鏡筒が収納状態であることを検知した場合、撮像装置の状態を示す情報として、前記レンズ鏡筒の収納状態と繰り出し状態に応じて動画記録が制御される連動機能に関する情報の表示を実行させる制御を行う
撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は撮像装置、撮像方法に関し、特に沈胴型のレンズ鏡筒を装着可能な撮像装置の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置には、レンズ鏡筒として設けられた交換レンズが装置本体に着脱可能とされるとともに、その交換レンズが伸縮される沈胴タイプのものがある。
特に交換式レンズのカメラにおいては、レンズの装着や持ち運びを便利にするためにレンズ鏡筒の小型化が望まれる。そのためレンズ鏡筒を沈胴型とし、撮像しない時に沈胴させることによってレンズ鏡筒の長さを短く収納できることは好適である。
下記特許文献1に沈胴型のレンズ鏡筒(交換レンズ)について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-77878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで手動で沈胴の収納および繰り出しをさせるレンズ鏡筒の場合、撮像装置本体は撮像モードの状態であっても、沈胴収納状態では撮像に適さない。収納状態だとピントが合わなかったり、撮像された画像の解像度が低かったり、光学収差等により本来レンズが持っている光学特性を満たせなかったりする場合が多いためである。
一方で沈胴レンズを繰り出した場合は撮像準備が整ったことになる。
【0005】
このような沈胴型のレンズ鏡筒を用いる場合に、沈胴型レンズが収納状態にあるという状況において、撮影者にとって有益な情報や操作を提供できることが望まれている。
そこで本開示では、沈胴型レンズが収納状態であるときに、それに応じた処理が行われることで使用性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に係る撮像装置は、鏡筒本体に対して、少なくとも1以上のレンズを保持する筒体が手動操作により収納状態と繰り出し状態をとることができる沈胴型筒体を有するレンズ鏡筒を装着可能なカメラ本体と、前記カメラ本体に装着された前記レンズ鏡筒が収納状態であることを検知した場合、撮像装置の状態を示す情報の表示を実行させる制御を行う制御部と、を備える。
即ち沈胴型のレンズ鏡筒を装着している場合に、レンズ鏡筒が収納状態か繰り出し状態かに応じた処理を行う。この処理とは、レンズ鏡筒が収納状態であるときに行う、撮像装置の状態を示す情報の表示制御である。
【0007】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、撮像装置の状態を示す情報として、設定情報を表示させる制御を行うことが考えられる。
設定情報とは、撮像動作や機能に関する各種のモード状態、パラメータ等の情報である。
【0008】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、前記収納状態の検知に応じて前記設定情報を表示させているときに前記繰り出し状態が検知されることに応じて、前記設定情報の表示を終了させる制御を行うことが考えられる。
即ち設定情報の表示は、ユーザがレンズ鏡筒の繰り出しを行った時点で終了させる。
【0009】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、前記収納状態の検知に応じて、前記設定情報を表示させるとともに撮像画像のスルー画は非表示とする制御を行い、前記繰り出し状態が検知されることに応じて、前記設定情報の表示を終了させ、撮像画像のスルー画を表示させる制御を行うことが考えられる。
設定情報の表示中は、スルー画は表示させない。設定情報の表示は、ユーザがレンズ鏡筒の繰り出しを行った時点で終了させ、撮像画像のモニタリング画像であるスルー画に切り替える。
【0010】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、前記設定情報の表示の際の所定の操作の検知に応じて、設定変更処理を行うことが考えられる。
例えば撮像準備用の設定項目を含む各種の設定情報を一覧表示し、ユーザが設定項目を選択できる状態とする。そして項目の選択操作や設定内容の操作などに応じて設定変更処理を行う。
【0011】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、前記設定情報の表示に対する指定操作の検知に応じて、指定された設定情報のメニュー階層内における変更画面を表示させ、当該変更画面に対する操作の検知に応じて設定変更処理を行うことが考えられる。
例えば撮像準備用の設定項目を含む設定一覧から、メニュー画面の階層構造で用意されたなかの、当該指定された設定項目の変更画面に遷移させる。
【0012】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、前記収納状態の際に前記変更画面を表示させているときに、前記繰り出し状態が検知されることに応じて、前記変更画面の表示を終了させ、撮像画像のスルー画を表示させる制御を行うことが考えられる。
例えば収納状態の際にメニュー階層内の変更画面に遷移した状態でも、ユーザがレンズ鏡筒の繰り出しを行った場合は、変更画面を終了させ、スルー画に切り替える。
【0013】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、撮像装置の状態を示す情報として、前記レンズ鏡筒の収納状態と繰り出し状態に応じて動画記録が制御される連動機能に関する情報を表示させる制御を行うことが考えられる。
例えば沈胴レンズの繰り出しに応じて動画記録が開始されるような連動機能を持つ場合に、その機能に関する表示を行うようにする。
【0014】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、前記連動機能が有効とされている場合、前記レンズ鏡筒の繰り出し状態に応じて動画記録を開始させる制御を行うことが考えられる。
即ちユーザが沈胴レンズの繰り出しを行うことで動画記録が開始されるようにする。
【0015】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、前記連動機能により動画記録を開始させた場合、前記レンズ鏡筒の収納状態に応じて動画記録を停止させる制御を行うことが考えられる。
即ちユーザが沈胴レンズの収納を行うことで動画記録が停止されるようにする。
【0016】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、前記連動機能に関する情報とともに、前記連動機能のオン/オフの操作を可能とする表示を実行させる制御を行うことが考えられる。
例えば沈胴レンズの繰り出しに応じて動画記録が開始されるような連動機能を持つ場合に、その機能のオン/オフをユーザが選択できるようにする。
【0017】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、前記収納状態が非操作による待機のまま第1の所定時間以上継続することに応じて、撮像装置の状態を示す情報の表示を終了させるとともに、電源オフとする制御を行うことが考えられる。
非操作による待機とは、ユーザの操作が無く、かつ撮像記録動作や動画再生動作が行われていない状態をいう。収納状態では撮像装置の状態を示す情報の表示を実行させるが、非操作による待機のまま或る一定時間の経過で表示を終了させて電源オフとする。
【0018】
上記した本技術の撮像装置においては、前記制御部は、前記繰り出し状態において、非操作による待機のまま第2の所定時間以上継続することに応じて電源オフとする制御を行い、前記第1の所定時間は前記第2の所定時間より短いことが考えられる。
繰り出し状態でも収納状態でも、非操作による待機のままの時間経過により電源をオフとするが、収納状態のほうが早めに電源オフとなるようにする。
【0019】
本技術に係る撮像方法は、鏡筒本体に対して、少なくとも1以上のレンズを保持する筒体が手動操作により収納状態と繰り出し状態をとることができる沈胴型筒体を有するレンズ鏡筒を装着可能なカメラ本体を備えた撮像装置が、前記カメラ本体に装着された前記レンズ鏡筒が収納状態であることを検知した場合、撮像装置の状態を示す情報の表示を実行させる制御を行う撮像方法である。
これにより収納状態において適切な情報提示を行う。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本技術の実施の形態の撮像装置のレンズ鏡筒及びカメラ本体のブロック図である。
図2】実施の形態の設定一覧の表示内容例の説明図である。
図3】第1の実施の形態のカメラ制御部の処理のフローチャートである。
図4】第2の実施の形態のカメラ制御部の処理のフローチャートである。
図5】第3の実施の形態のカメラ制御部の処理のフローチャートである。
図6】第4の実施の形態のカメラ制御部の処理のフローチャートである。
図7】第4の実施の形態の連動機能に関する表示例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施の形態を次の順序で説明する。
<1.レンズ鏡筒及びカメラ本体の構成>
<2.第1の実施の形態の処理>
<3.第2の実施の形態の処理>
<4.第3の実施の形態の処理>
<5.第4の実施の形態の処理>
<6.まとめ及び変形例>
【0022】
<1.レンズ鏡筒及びカメラ本体の構成>
図1に実施の形態の撮像装置1としてのカメラ本体10(撮像装置本体)とレンズ鏡筒2の要部の構成を示している。
カメラ本体10は、いわゆるレンズ交換式のデジタルカメラ本体であり、レンズ鏡筒2はカメラ本体10に装着可能な交換レンズである。
【0023】
カメラ本体10は、カメラ制御部11、画像信号処理部12、表示部13、イメージセンサ14、記録部15、レンズ電源供給部16、電源操作子17、記録操作子18、グラフィック処理部19、メモリ部30を有する。
【0024】
イメージセンサ14は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子とされ、レンズ鏡筒2に搭載されている撮像光学系を介して入射する被写体からの光を受光し、電気信号に変換して出力する。イメージセンサ14は、受光した光を光電変換して得た電気信号について、例えばCDS(Correlated Double Sampling)処理、AGC(Automatic Gain Control)処理などを実行し、さらにA/D(Analog/Digital)変換処理を行う。そしてデジタルデータとしての画像データを、画像信号処理部12に出力する。
【0025】
画像信号処理部12は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等により画像処理プロセッサとして構成される。画像信号処理部12は、イメージセンサ14から入力される画像データに対して、各種の処理を施す。
例えば画像信号処理部12は、通常の可視光画像として画像信号を想定した場合、R(赤),G(緑),B(青)の黒レベルを所定のレベルにクランプするクランプ処理、R,G,Bの色チャンネル間の補正処理、各画素についての画像データが、R,G,B全ての色成分を有するようにするデモザイク処理、輝度(Y)信号および色(C)信号を生成(分離)する処理等を施す。
さらに画像信号処理部12は、各種の信号処理が施された画像信号に対して、必要な解像度変換処理、例えば記録用や通信出力用、或いはモニタ画像(スルー画)用の解像度変換を実行する。
また画像信号処理部12は、解像度変換された画像データについて、例えば記録用や通信用の圧縮処理、符号化処理等を行う場合もある。
【0026】
カメラ制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどを備えたマイクロコンピュータ(演算処理装置)により構成される。
CPUがROMやフラッシュメモリ等に記憶されたプログラムを実行することで、このレンズ交換式カメラの全体を統括的に制御する。
RAMは、CPUの各種データ処理の際の作業領域として、データやプログラム等の一時的な格納に用いられる。
ROMやフラッシュメモリ(不揮発性メモリ)は、CPUが各部を制御するためのOS(Operating System)や、画像ファイル等のコンテンツファイルの他、各種動作のためのアプリケーションプログラムや、ファームウエア等の記憶に用いられる。
【0027】
このようなカメラ制御部11は、イメージセンサ14におけるシャッタースピード、露光調整、フレームレート等の撮像動作に関する制御や、画像信号処理部12における各種信号処理のパラメータ制御を行う。またカメラ制御部11は、ユーザの操作に応じた設定処理、撮像動作制御を行う。またカメラ制御部11はグラフィック処理部19を指示して表示動作制御を行う。
【0028】
またカメラ制御部11はレンズ鏡筒2におけるレンズ制御部と通信を行い、レンズ鏡筒2側の情報を取得したり、レンズ鏡筒2に対する制御信号を送信したりする。
例えばカメラ制御部11は、レンズ制御部22に対してオートフォーカス動作や絞り機構の露出動作に関する制御信号を送信したり、レンズ制御部22からズームレンズやフォーカスレンズの位置情報、絞り機構の開口状態などの情報を取得したりする。
【0029】
電源操作子17は、カメラ本体10における電源操作のためのユーザ操作子を示している。ユーザは電源操作子17を操作することでカメラ本体10の電源オン/電源オフの操作を行う。
【0030】
記録操作子18は、ユーザによる静止画や動画の記録のための操作子を示している。例えば静止画記録のためのシャッターボタンや、動画記録開始/記録停止のためのRECボタンなどの操作子として示している。
【0031】
電源操作子17や記録操作子18の操作情報はカメラ制御部11が検知する。カメラ制御部11は操作情報の検知に応じて必要な制御処理を行う。
なおユーザが操作可能な操作子は、これ以外にも設けられることが多いが、それらの図示や説明は省略する。例えば各種スイッチ、レバー、タッチパネル、リモートコントローラなどが用意される。
【0032】
表示部13はユーザ(撮像者等)に対して各種表示を行う表示部であり、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイデバイス、及びディスプレイデバイスに表示を実行させる表示ドライバを有して形成される。表示部13はカメラ制御部11の制御に応じたグラフィック処理部19の処理によって、スルー画や、記録した静止画や動画の再生画像や、各種の設定画面などの表示を実行する。また表示部13では、グラフィック処理部19が生成したキャラクタ、アイコン、メニュー、メッセージ等の表示も行われる。
【0033】
表示部13上には、上述の操作子としてのタッチパネルが配置されていてもよい。例えばグラフィック処理部19が表示部13に操作アイコンやメニュー項目を表示させ、ユーザがこれらの表示に対してタッチ操作により操作を可能とすることもできる。
また表示部13において、各種操作アイコン、メニュー項目等は、所要の操作子の操作によりカーソルが移動されるような態様としてもよい。
【0034】
記録部15は、例えば不揮発性メモリ等の記録媒体を含むメモリ部30に対して、例えば静止画データや動画データ等の画像データや、画像ファイルの属性情報、サムネイル画像等をカメラ制御部11の制御に従って記録する処理を行う。
記録部15は、記録対象の画像データに対して例えばExifデータ等のメタデータを付加してファイル化し、メモリ部30の記録媒体に記録する。
記録部15及びメモリ部30の実際の態様は多様に考えられる。例えばメモリ部30は、カメラ本体10に内蔵されるフラッシュメモリで記録部15はフラッシュメモリに対する書き込み/読み出し回路でもよい。またメモリ部30はカメラ本体10に着脱できるメモリカード(例えば可搬型のフラッシュメモリ)で記録部15は該メモリカードに対して記録再生アクセスを行うカード記録再生部による形態でもよい。またカメラ本体10に内蔵されている形態として記録部15及びメモリ部30はHDD(Hard Disk Drive)などとして実現されることもある。
【0035】
レンズ電源供給部16は、カメラ本体10の電源回路(不図示)の一部であり、装着されたレンズ鏡筒2に対して電源電圧を供給する部位として示している。レンズ電源供給部16はカメラ制御部11の制御に従って、レンズ鏡筒2に対して電源電圧を供給する。
【0036】
レンズ鏡筒2の構成としては、鏡筒本体20、沈胴型筒体21、レンズ制御部22、レンズ電源部23、A/Dコンバータ24、装着検出回路25、ズーム操作リング26、ズーム・沈胴位置センサ27、レンズ28を示している。
【0037】
鏡筒本体20と沈胴型筒体21における沈胴機構についての詳述は避けるが、本実施の形態のレンズ鏡筒2では、沈胴型筒体21が鏡筒本体20に沈胴されて収納される状態と、鏡筒本体20から繰り出される状態に変位可能とされている。即ち、いわゆる沈胴型の鏡筒としての構造を採っている。
沈胴型筒体21内には、レンズ28として模式的に示す1又は複数のレンズ、光学フィルタ、絞り機構などによるレンズ光学系や、ズームレンズやフォーカスレンズのレンズ位置を光軸方向に可変する機構などが搭載されている。
【0038】
この沈胴型筒体21が鏡筒本体20に矢印B方向に沈み込むように沈胴された収納状態では、レンズ鏡筒2の光軸方向の全長が短くなるため、レンズ鏡筒2の持ち運びや収納に便利となる。
レンズ鏡筒2をカメラ本体10に装着して使用する時には、沈胴型筒体21が、鏡筒本体20から光軸方向の前方側(矢印A方向)に向かって繰り出された繰り出し状態となるようにする。
なお本開示では、以上のように沈胴型筒体21が鏡筒本体20に沈み込むようにされた状態を「収納状態」、前方側に繰り出された状態を「繰り出し状態」と表記する。ここで、収納状態とは、沈胴型筒体21の全体が鏡筒本体20内に沈み込んで隠れてしまうような状態とは限らず、沈胴型筒体21が撮像のための位置よりも鏡筒本体20内側に沈み込んで、沈胴型筒体の一部のみが隠れたような状態も含む。
【0039】
本実施の形態では、沈胴型筒体21の収納状態と繰り出し状態は、ユーザが手動操作するものとしている。
つまり繰り出し/収納モータ等の機構を搭載せず、例えばユーザがズーム操作リング26を回すことで、収納状態から繰り出される。繰り出し状態となってから、さらにユーザがズーム操作リング26を同方向に回すことで、ズームレンズが望遠側の位置に変化する。また、ユーザがズーム操作リング26を逆方向に回すと、ズームレンズが望遠側から広角側に移動し、最も広角の位置からさらにユーザが同方向にズーム操作リング26を回すと、沈胴型筒体21が鏡筒本体20に沈胴していき、収納状態となる。
【0040】
繰り出し/収納モータ機構を搭載しないことで、レンズ鏡筒2の構造の簡易化、低コスト化を図ることができる。
またズーム操作リング26を繰り出し/収納のための操作子として兼ねることで、別途の操作機構を設ける必要がない。またユーザにとっては、沈胴型筒体21の繰り出しからズーム設定まで、ズーム操作リング26を用いた一連の操作で可能であり、使用性がよいものとなる。
【0041】
レンズ制御部22は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリなどを備えたマイクロコンピュータ(演算処理装置)により構成される。
CPUがROMやフラッシュメモリ等に記憶されたプログラムを実行することで、レンズ鏡筒2の必要な動作制御や通信処理が行われる。
RAMは、CPUの各種データ処理の際の作業領域として、データやプログラム等の一時的な格納に用いられる。
ROMやフラッシュメモリ(不揮発性メモリ)は、CPUが各部を制御するためのOS(Operating System)や、各種動作のためのアプリケーションプログラム、ファームウエア等の記憶に用いられる。またレンズ鏡筒2の自身の情報、例えば型番、製造者などの情報もROMやフラッシュメモリに記憶されている。
【0042】
このようなレンズ制御部22は、カメラ制御部11からの指示を受けて、図示していないフォーカスレンズ駆動機構や絞り機構を制御し、オートフォーカス動作や露出調整動作を実行する。
またレンズ制御部22はカメラ制御部11との通信により、型番などの情報を送信したり、レンズ状態の情報、例えば収納状態か繰り出し状態かの情報などを送信したりすることができる。
【0043】
ズーム・沈胴位置センサ27は、ポテンショメータとして、ズーム及び沈胴位置を検出するセンサである。
このズーム・沈胴位置センサ27の検出信号はA/Dコンバータ24によりデジタルデータ化されてレンズ制御部22に供給される。これによりレンズ制御部22は、沈胴型筒体21が現在収納状態であるか繰り出し状態であるかを検知することができる。また繰り出し状態においてズームレンズ位置を検知することができる。
【0044】
装着検出回路25は、カメラ制御部11にレンズ鏡筒2が装着されているか否かを検知させるために設けられた回路である。
カメラ制御部11には装着検出信号Sdが入力される。この装着検出信号Sdは、カメラ本体10内で抵抗Rを介して電圧V1(例えば3V)にプルアップされている。このためレンズ鏡筒2が非装着であるときは、カメラ制御部11が検知する装着検出信号Sd=H(ハイ)レベルとなる。装着検出信号SdがHレベルのときは、カメラ制御部11は、レンズ鏡筒2が装着されていないと判定する。
【0045】
レンズ鏡筒2が装着されると、この装着検出信号Sdの信号経路に装着検出回路25が接続される。装着検出回路25が当該信号経路を例えばグランドに接続する回路とされていることで、装着検出信号Sd=L(ロウ)レベルとなる。従ってカメラ制御部11は、装着検出信号SdがLレベルのときはレンズ鏡筒2が装着されていると判定する。
なお装着検出回路25は、レンズ鏡筒2の電源オン/オフに関わらず、装着検出信号Sdの信号経路とグランドの間が接続される回路構成とされている。
【0046】
レンズ電源部23は、例えばDC/DCコンバータとされ、レンズ電源供給部16から供給された電源電圧から、レンズ鏡筒2内で必要な動作電圧を生成し、レンズ制御部22、A/Dコンバータ24、ズーム・沈胴位置センサ27、装着検出回路25、及び図示しないフォーカス駆動機構や絞り駆動機構などに対して電源電圧供給を行う。
【0047】
<2.第1の実施の形態の処理>
以上の構成のカメラ本体10とレンズ鏡筒2による第1の実施の形態としての処理を説明する。
【0048】
本実施の形態のレンズ鏡筒2は、上述のように沈胴型筒体21が収納状態と繰り出し状態をとることができ、その状態可変操作はユーザがズーム操作リング26を用いて手動で行うものとしている。
収納状態では、イメージセンサ14で撮像される画像は、ピントが合っていなかったり、解像度が低下したりして、適切な画像撮像ができない。そのためユーザは、使用時には繰り出し操作を行うことが必要になる。
第1の実施の形態では、カメラ制御部11が、沈胴型筒体21が収納状態か繰り出し状態かを検知し、収納状態であれば、図2のような設定一覧80を表示部13に表示させる処理を行うものとする。
【0049】
この設定一覧80は、撮像装置1の各種の設定情報の表示としての例であり、特に撮像の準備の際にユーザが確認することが望ましい複数の設定情報としてのモードやパラメータなどを集めたものである。
設定情報の内容としては、図示のように、絞り優先モード81、露出補正モード82、シャッタースピード83、F値84、ISO感度85、オートフォーカスモード86、顔検出モード87、ハイダイナミックレンジモード88、オートホワイトバランス89、手ブレ補正モード90、単/連写モード91、AEエリア92、AFエリア93、ピクチャープロファイル設定94、バッテリー残量95、静止画記録サイズ96、画質モード97、アスペクト比98、記録画像種別99、動画記録フォーマット100としての各表示が含まれている。もちろんこれらは一例である。
【0050】
図3にこのような設定一覧80の表示のためのカメラ制御部11の処理例を示す。
ステップS101でカメラ制御部11は、現在レンズ鏡筒2側が収納状態であるか繰り出し状態であるかを確認する。
上述のようにズーム・沈胴位置センサ27によるアナログ信号がA/Dコンバータ24でデジタル信号に変換され、レンズ制御部22が収納状態か繰り出し状態のいずれか検出する。そしてレンズ制御部22は、レンズ-ボディー通信で、カメラ制御部11へ収納状態/繰り出し状態の情報を、定期的に伝達する。ステップS101では、カメラ制御部11は、このレンズ制御部22からの情報を確認することになる。
【0051】
収納状態であれば、カメラ制御部11はステップS102に進み、グラフィック処理部19に対して収納時用の設定表示制御を行う。即ちグラフィック処理部19に例えば図2のような設定一覧80の表示を指示する。これにより、表示部13で設定一覧80の表示が実行される。なお、検知内容が直前の繰り出し状態から収納状態に切り替わったタイミングの場合は、そのときまで表示されているスルー画の表示を終了させる指示も行う。
【0052】
一方、カメラ制御部11は、ステップS101で繰り出し状態と検知したときは、ステップS101からステップS103に進み、スルー画表示制御を行う。なお、検知内容が直前の収納状態から繰り出し状態に切り替わったタイミングの場合は、そのときまで表示されている設定一覧80の表示を終了させる指示も行う。
【0053】
以上の処理により、収納状態であれば図2のような設定一覧80の表示が行われ、繰り出し状態になったらスルー画の表示が行われることになる。
上述のように収納状態は撮像には適さないが、そのときは設定一覧80により、ユーザは設定状態を確認できる。撮像を行うときは、ユーザはズーム操作リング26を回して 繰り出し状態とする。この場合、設定一覧80の表示が終了され、スルー画が表示されることで表示部13は撮像時の被写体のモニタリングに適した状態となる。
【0054】
<3.第2の実施の形態の処理>
第2の実施の形態の処理例として、設定一覧80の表示からメニュー操作を可能とする例を説明する。図4にカメラ制御部11の処理例を示す。
【0055】
ステップS101でカメラ制御部11は、現在レンズ鏡筒2側が収納状態であるか繰り出し状態であるかを確認する。
【0056】
カメラ制御部11は、ステップS101で繰り出し状態と検知したときは、ステップS101からステップS115に進み、スルー画表示制御を行う。なお、検知内容が直前の収納状態から繰り出し状態に切り替わったタイミングの場合は、そのときまで表示されている設定一覧80の表示を終了させる指示も行う。
【0057】
カメラ制御部11は、ステップS101で収納状態と検知したときは、ステップS102に進み、グラフィック処理部19に対して収納時用の設定表示制御を行う。即ちグラフィック処理部19に例えば図2のような設定一覧80の表示を指示する。なお、検知内容が直前の繰り出し状態から収納状態に切り替わったタイミングの場合は、そのときまで表示されているスルー画の表示を終了させる指示も行う。
【0058】
設定一覧80の表示中、カメラ制御部11はステップS110で、設定変更のための指定操作が行われたか否かを監視している。
例えば図2の設定一覧80の各表示内容は、それぞれ設定変更のためのアイコンとし、ユーザがタッチ操作やカーソル操作により指定できるものとする。
例えば、ユーザはF値を変更したい場合は、設定一覧80におけるF値84の表示領域にタッチするなどして「F値」という設定項目を指定する。またユーザはシャッタースピードを変更したいときは、設定一覧80におけるF値84の表示領域にタッチするなどして「シャッタースピード」という設定項目を指定する。
【0059】
このような設定変更のための指定操作が検知されていない期間は、カメラ制御部11はステップS101の確認を繰り返し、収納状態が継続されていれば、ステップS102,S110の処理を繰り返す。即ち設定一覧80の表示が継続される。
ある時点でユーザがズーム操作リング26を操作して繰り出し状態になったことが検知されたら、カメラ制御部11はステップS101からステップS115に進み、表示を設定一覧80からスルー画に切り換えることになる。その後、繰り出し状態が継続されていれば、スルー画の表示が継続される。
【0060】
設定一覧80の表示に対してユーザが指定操作を行ったことを検知した場合は、カメラ制御部11はステップS110からステップS111に進み、メニュー階層内の、該当項目の設定の変更画面に遷移するように表示制御する。
撮像装置1のメニューは、例えばメニューの先頭画面において大分類の項目が提示され、項目選択により下位階層のより細分化された項目の変更画面に達する構造とされている。このステップS111では、このようなメニュー構造内で、指定された設定項目の変更画面にダイレクトに遷移するような表示制御を行う。
例えばメニュー階層構造として、先頭画面に「操作設定」「撮影設定」「静止画設定」・・・などの大分類項目があり、「撮影設定」の1段階或いは複数段階の下位の階層にシャッタースピードの変更画面が設けられているとする。この場合にユーザが、設定一覧80のシャッタースピード83の表示領域を指定する操作を行うと、直接、メニュー構造におけるシャッタースピードの変更画面に遷移するようにする。つまり設定一覧80は、表示される各項目が、それぞれの設定の変更画面へのショートカットキーとして機能するようにしている。
【0061】
或る設定項目の変更画面を表示させた状態では、カメラ制御部11はステップS112で収納状態/繰り出し状態のチェックを行いながら、ステップS113でユーザの設定変更操作を監視する。
もしユーザがズーム操作リング26を操作して繰り出し状態になったことが検知されたら、カメラ制御部11はステップS112からステップS115に進み、メニュー内の項目の変更画面の表示を終了させ、スルー画に切り換えることになる。その後、繰り出し状態が継続されていれば、スルー画の表示が継続される。
【0062】
カメラ制御部11が或る設定項目の変更画面を表示させた状態で、ステップS113でユーザの設定変更操作を検知したら、ステップS114に進み、設定変更を反映させる処理を行う。即ち操作された設定項目のモードやパラメータを変更する処理を行う。そしてステップS101,S102に進み、設定一覧80の表示状態に戻す。
【0063】
以上の図4の処理により、収納状態では、ユーザは設定一覧80により設定確認ができるだけでなく、変更したい項目を指定して設定変更を行うことが極めて容易に実行できるため、収納状態、即ち撮像準備中のユーザインタフェースとして好適である。
またレンズの繰り出しにより、設定一覧80や変更画面は終了されてスルー画に切り替わるため、確認等を行っていても即座に撮像可能状態に遷移させることができ、シャッターチャンスを逃さないという点でも好適となる。
【0064】
<4.第3の実施の形態の処理>
第3の実施の形態として、カメラ制御部11による電源制御を説明する。これは非操作で一定時間経過したときは自動的に電源をオフとする処理であり、上記の第1,第2の実施の形態、或いは後述の第4の実施の形態の処理とともに行われることも想定できる。
【0065】
ステップS201でカメラ制御部11は、非操作による待機(以下「非操作待機」と呼ぶ)の状態であるか否かをチェックする。非操作待機とは、ユーザによる操作が行われておらず、かつ動画記録実行中や動画再生中などの継続的な動作中でもない状態をいう。具体的には、非操作待機中は、収納状態であるときは例えば設定一覧80や第2の実施の形態の変更画面の表示が継続されながら、また繰り出し状態であるときはスルー画表示が継続されながら、何ら操作や、記録動作、動画再生動作が行われていない期間が該当する。
【0066】
非操作待機中でなければ、カメラ制御部11はステップS210で待機中フラグF1をオフとする。
【0067】
非操作待機中は、カメラ制御部11はステップS202に進み、待機中フラグF1を確認し、待機中フラグF1がオンでなければステップS203でタイマTMを「0」にリセットし、待機中フラグF1をオンとする。
非操作待機中にステップS202に進んだときに、既に待機中フラグF1がオンであったら、カメラ制御部11はステップS205でタイマTMをインクリメントする。
従って、非操作待機となった時点から、タイマTMのカウントがスタートされ、非操作待機が継続している期間、カウントアップされていくことになる。
【0068】
非操作待機中は、カメラ制御部11はステップS206で収納状態/繰り出し状態の判定を行って処理を分岐する。
収納状態であれば、カメラ制御部11はステップS207に進み、タイマTMが閾値th1に達したか否かを判定する。達していなければステップS201に戻るが、達していたらステップS209に進んで、電源オフ制御を行う。
【0069】
ステップS206で繰り出し状態と判定したときは、カメラ制御部11はステップS208に進み、タイマTMが閾値th2に達したか否かを判定する。達していなければステップS201に戻るが、達していたらステップS209に進んで、電源オフ制御を行う。
【0070】
以上の処理により、収納状態でも繰り出し状態でも、非操作待機が継続することで、自動的に電源オフ制御が行われる。但し、閾値th1、th2は、th1<th2とされている。例えば閾値th1は30秒相当、閾値th2は1分相当の値などとする。
従って、収納状態のときは、繰り出し状態のときよりも、電源オフとされる非操作待機の継続時間が短くなる。
このような第3の実施の形態の処理が行われることで、収納状態で設定一覧80や設定項目の変更画面の表示が行われながら、何の操作も行われない状態では、それらの表示を無闇に継続させず、電源オフとすることで、消費電力削減を行う。
また収納状態は、ユーザにとっては撮像の待機中であることを考えると、自動的な電源オフは、繰り出し状態よりも早く実行するようにしてもよく、これにより省電力効果を高めることができる。
【0071】
<5.第4の実施の形態の処理>
第4の実施の形態として、収納状態/繰り出し状態に応じて動画記録を行う連動機能(繰り出し連動録画)に関する処理例を説明する。
【0072】
繰り出し連動録画とは、カメラシステムが動画を記録するモードになっている場合、収納状態から繰り出し状態となったら動画記録を開始させる機能である。また繰り出し状態から収納状態になったら動画記録を停止させるようにしてもよい。
【0073】
つまりユーザは、当該機能を有効化しておけば、ズーム操作リング26を回すのみで動画記録を開始させたり停止させたりすることができる。
カメラ制御部11は、この繰り出し連動録画に関して適した表示も行うようにする。
【0074】
図6のカメラ制御部11の処理例を示す。
ステップS301で動画記録モードであるか否かで処理を分岐する。動画記録モードは、例えばカメラ本体10に設けられた図示しないダイヤル操作子などで、ユーザが選択できるモードである。動画記録モードのときに、ステップS302以降の処理を実行する。
【0075】
カメラ制御部11はステップS302で、連動予約フラグF2をオンとする。連動予約フラグF2は、繰り出し連動録画の機能が有効か無効かを示すフラグとする。ステップS302では、一例として、動画記録モードのときは繰り出し連動録画がデフォルトで有効とするものとして、連動予約フラグF2をオンとするものである。
もちろん、この場合に連動予約フラグF2をオフとするという処理例、つまりデフォルトでは繰り出し連動録画を無効とする処理例も考えられる。
【0076】
ステップS303でカメラ制御部11は、収納状態/繰り出し状態を判定する。
収納状態であればカメラ制御部11はステップS304に進み、現在動画記録中であるか否かで処理を分岐する。そして動画記録中でなければカメラ制御部11はステップS305に進み、連動機能に関する表示を実行させるようにグラフィック処理部19に指示する。例えばカメラ制御部11は、図7A或いは図7Bのような連動機能状態提示画像70を表示させる。
図7Aの連動機能状態提示画像70は、有効メッセージ71と、解除ボタン72を含むものとしている。
図7Bの連動機能状態提示画像70は、無効メッセージ73と、連動ボタン74を含むものとしている。
【0077】
例えばステップS302で連動予約フラグF2がオンとされた後にステップS305に進んだ場合、カメラ制御部11はグラフィック処理部19に指示して図7Aの表示を実行させ、ユーザに、繰り出し連動録画が有効であることを通知する。またユーザが解除ボタン72を操作することで、繰り出し連動録画を無効化することができるようにする。
【0078】
ユーザが解除ボタン72を操作したことを検知した場合、カメラ制御部11はステップS306からステップS307に進み、連動予約フラグF2をオフにする。そしてステップS303、S304、S305と進む。
その場合、カメラ制御部11はグラフィック処理部19に指示して図7Bの表示を実行させ、ユーザに、繰り出し連動録画が無効であることを通知する。またユーザが連動ボタン74を操作することで、繰り出し連動録画を有効化することができるようにする。
【0079】
ユーザが連動ボタン74を操作したことを検知した場合、カメラ制御部11はステップS306からステップS307に進み、連動予約フラグF2をオンにする。そしてステップS303、S304、S305と進む。その場合、再び図7Aの表示を実行させることになる。
【0080】
このように、収納状態であるときは、カメラ制御部11は表示部13に連動機能状態提示画像70を表示させ、繰り出し連動録画の有効/無効をユーザに提示するとともに、その有効/無効の操作を可能とする。
【0081】
ステップS303で繰り出し状態であることを検知すると、カメラ制御部11はステップS320でポーズフラグF3を確認する。ポーズフラグF3は、記録一時停止(RECポーズ)状態を示すフラグとする。
収納状態からユーザが繰り出しを行った最初のタイミングでは、ポーズフラグF3はオフであり、カメラ制御部11はステップS321に進み、連動予約フラグF2を確認する。
連動予約フラグF2がオンであれば、カメラ制御部11はステップS322でポーズフラグF3をオフにセット(又はオフ継続)し、ステップS323で動画記録を開始する制御を行う。
つまり、繰り出し連動録画が有効とされているときに、ユーザがズーム操作リング26を操作して沈胴型筒体21を繰り出すと、自動的に動画記録が開始されることになる。
【0082】
動画記録が開始された後は、カメラ制御部11はステップS330、S340、S303、S320、S321、S322、S323のループ処理となり、この間、ステップS323では動画記録を継続させる。
【0083】
動画記録中にユーザがズーム操作リング26を操作して沈胴型筒体21を収納すると、動画記録が停止されることになる。
即ち動画記録中にステップS303で収納状態を検知したら、カメラ制御部11はステップS304からステップS310に進み、動画記録を停止させる。またステップS311でポーズフラグF3をオフとする。そしてカメラ制御部11はステップS305に進み、上述のように連動機能状態提示画像70の表示制御を行う。
従って、ユーザはズーム操作リング26の操作のみによって、録画を開始させ、又停止させることができる。
【0084】
なお、ズーム操作リング26を操作して繰り出しを行っても、繰り出し連動録画の機能が無効とされている時、即ち連動予約フラグF2がオフであるときは、動画記録は開始されない。その場合、カメラ制御部11の処理は、ユーザの繰り出し操作に応じて、ステップS303、S320、S324と進むことになり、ステップS324では、記録一時停止(RECポーズ)状態とする。即ち動画記録の開始操作までの待機状態とする。そしてステップS325でポーズフラグF3をオンとする。
【0085】
動画記録が実行されているときは、カメラ制御部11は、ステップS330でユーザの停止操作、特にこの場合はズーム操作リング26以外の停止操作を監視する。例えば記録操作子18の操作として、ユーザが記録を停止させる操作を監視する。
停止操作を検知した場合、カメラ制御部11はステップS324に進み、動画記録を停止させ、記録一時停止(RECポーズ)状態とする。即ち動画記録の開始操作までの待機状態とする。そしてステップS325でポーズフラグF3をオンとする。
その後は、ステップS330、S340、S303、S320と進み、ポーズフラグF3がオンであるためステップS324に進む。この場合ステップS324では記録一時停止状態が継続され、ステップS325でポーズフラグF3のオン状態が維持される。
【0086】
録画一時停止中においては、ユーザは記録操作子18の操作を行うことで動画記録を開始させることができる。この場合の記録操作子18の操作を検知すると、カメラ制御部11はステップS340で記録開始操作として認識し、ステップS322に進んでポーズフラグF3をオフとし、ステップS323で動画記録を開始する制御を行う。
【0087】
以上のように、ユーザはズーム操作リング26の操作により動画記録を開始、停止させることができるとともに、記録操作子18によっても動画記録を開始、停止させることができ、ユーザの使用性は向上される。
【0088】
<6.まとめ及び変形例>
以上の実施の形態では次の効果が得られる。
実施の形態の撮像装置1は、鏡筒本体20に対して、少なくとも1以上のレンズを保持する筒体が手動操作により収納状態と繰り出し状態をとることができる沈胴型筒体21を有するレンズ鏡筒2を装着可能なカメラ本体10を備える。また撮像装置1は、カメラ本体10に装着されたレンズ鏡筒2が収納状態であることを検知した場合、撮像装置1の状態を示す情報の表示を実行させる制御を行うカメラ制御部11を備えている。
レンズ鏡筒2が収納状態であるときは、適切な撮像が実行できない状態であるが、撮像の待機状態であると考えることができる。そこで、表示部13において撮像装置1の状態を示す情報の表示を行い、ユーザに状態を認識させることは、撮像前の準備のために適切な情報表示となる。ユーザは撮像装置1の現在の状態を確認することで、必要に応じて適切な準備(撮像装置1のモード変更、被写体の明るさの調整、撮影環境の選択等)を行うことができ、その後の撮影の失敗の回避という点でも望ましいものとなる。
また、撮像装置1の状態を示す情報として例えば設定一覧80や連動機能状態提示画像70などが収納状態において表示されるということは、ユーザにとっては、逆に、設定一覧80等の表示によってレンズ鏡筒2が収納状態であることも認識しやすいものとなる。つまりユーザがレンズ鏡筒の繰り出し操作を行うべきことの動機付けともなる。
【0089】
なお、第1,第2,第4の実施の形態では、収納状態で設定一覧80や連動機能状態提示画像70等の表示を行うものとしたが、ユーザの好みに応じて、これらの表示が行われないようにすることを選択可能としてもよい。
また撮像装置1の状態を示す情報の表示は、カメラ本体10に設けられた表示部13において実行させるものとしたが、カメラ本体10とは別体の表示デバイスにおいて表示させてもよい。
また表示部13は、例えばカメラ本体10上に設けられた液晶パネル等の表示部だけでなくビューファインダとして構成されるものであってもよい。
【0090】
第1,第2の実施の形態では、カメラ制御部11は、撮像装置1の状態を示す情報として、設定情報を表示させる制御を行う例を挙げた。
設定情報として、例えば設定一覧80が収納状態において表示されることで、撮像前のタイミングでユーザは撮像装置1の現在の設定、例えば絞り優先モード、露出補正モード、シャッタースピード、F値、ISO感度など、撮像時にユーザにとって重要なカメラ設定を確認できる。従って実際の撮像の直前のタイミングでの有用な情報表示となる。
なお設定情報の表示例として設定一覧80を挙げたが、必ずしも複数の設定の一覧表示でなくてもよい。少なくとも1つの設定の状態について表示を行うようにしてもよい。特に撮像の準備段階でユーザが確認することが望ましい設定(モードやパラメータ等)を1以上、表示させることが好適となる。
また設定一覧80のように複数の設定情報を一覧表示させる場合でも、或いは1つの設定情報のみを表示させる場合でも、ユーザが表示させる設定情報を予め選択できるようにしてもよい。使用上、特定の設定を変更することが多いユーザにとっては、その設定を確認できることが有用であるためである。
【0091】
第1,第2の実施の形態では、カメラ制御部11は、収納状態の検知に応じて設定情報を表示させているときに繰り出し状態が検知されることに応じて、設定情報の表示を終了させる制御を行うものとした。
設定情報を示す設定一覧80の表示が終了され、例えばスルー画が適切に視認できることで、ユーザに対し、レンズの繰り出しにより撮像ができる適切な状態となったことを認識させることができる。ユーザにとっては、撮像を行っても大丈夫となった状態が認識しやすいものとなり、使い勝手がよい。
また設定一覧80の表示が消えることは、表示部13の画面では、被写体のスルー画が見やすく表示されることにもなり、撮像に適した表示状態になるといえる。
【0092】
第1,第2の実施の形態では、カメラ制御部11は、収納状態の検知に応じて、設定情報を表示させるとともに撮像画像のスルー画は非表示とする制御を行い、繰り出し状態が検知されることに応じて、設定情報の表示を終了させ、撮像画像のスルー画を表示させる制御を行う例を挙げた。
設定情報を示す設定一覧80の表示が終了され、スルー画が表示されることで、ユーザに対し、レンズの繰り出しにより適切な撮像ができる状態となったことを認識させることに適している。
特に収納状態であるときは、図2の設定一覧80等を表示してスルー画を表示させないことにより、収納状態でボケた状態のスルー画を表示させないことにもなり、撮像装置1としての表示品位を下げないこともできる。そして繰り出し状態でスルー画が表れることは、撮像状態となったことを、ユーザに自然に認識させるものとなる。
【0093】
なお、スルー画は収納状態でも表示させておくようにしてもよい。例えば収納状態であるときは設定一覧80の表示がメインでスルー画の品質は問われないという状態となるように、画面の略全体において、スルー画に重畳させて図2のような表示をおこなうようにしてもよい。
【0094】
第2の実施の形態では、カメラ制御部11は、設定情報の表示の際の所定の操作の検知に応じて、設定変更処理を行う例を挙げた。
例えばユーザが、設定一覧80から、タッチ操作やカーソル操作などで設定項目を選択すると、その選択された設定項目の操作画面に遷移するようにする(図4のステップS111)。そして設定変更操作があれば、設定変更処理を行う(ステップS113,S114)。これにより収納状態であるときは、設定一覧80で設定を確認しつつ、任意の設定について変更操作を容易に行うことができる。
【0095】
第2の実施の形態では、カメラ制御部11は、設定情報の表示に対する指定操作の検知に応じて、指定された設定情報のメニュー階層内における変更画面を表示させ、当該変更画面に対する操作の検知に応じて設定変更処理を行う例を挙げた。
例えば通常はメニュー画面から項目の階層をたどって、任意の設定項目の変更画面に達するように操作していくことに対し、設定一覧80から、直接その変更画面に達するようにする。例えばシャッタースピード83の表示部分を選択することで、シャッタースピード変更画面に遷移するようにする。これにより設定一覧80は、収納状態であるときに使用できるショートカットアイコンとしての役割を持つことになり、撮像準備の段階で、設定を確認しながら、任意の項目の設定変更を行うということが、極めて容易に可能となり、ユーザの使用勝手は大きく向上する。
【0096】
第2の実施の形態では、カメラ制御部11は、収納状態の際に変更画面を表示させているときに、繰り出し状態が検知されることに応じて、変更画面の表示を終了させ、撮像画像のスルー画を表示させる制御を行う例を挙げた。
設定一覧80からメニュー項目内の変更画面に遷移して表示させているときも、ユーザがレンズ繰り出しを行った、変更画面表示を終了させ、スルー画により被写体を確認できる状態に戻す。これにより、メニュー階層内に入った状態でも、レンズ鏡筒の繰り出しにより、即座に撮像可能状態に遷移することができる。収納状態で設定変更等を行っている準備状態で、シャッターチャンスを逃さないという意味でも有効である。
また変更画面の表示が終了され、スルー画が表示されることで、ユーザに対し、レンズの繰り出しにより適切な撮像ができる状態となったことを認識させる意味も生ずる。
さらにはユーザにとっては、一旦メニューに入っても、レンズ鏡筒の繰り出しにより容易にメニューから脱却できるため、操作性も向上される。
【0097】
第4の実施の形態では、カメラ制御部11は、撮像装置1の状態を示す情報として、レンズ鏡筒の収納状態と繰り出し状態に応じて動画記録が制御される連動機能に関する情報を表示させる制御を行う例を挙げた。
例えば沈胴型筒体21の繰り出しに応じて動画記録が開始されるような連動機能(繰り出し連動録画)を持つ場合に、その機能に関する表示として、連動機能状態提示画像70を表示させる。
収納状態では適切な動画記録はできず、動画記録に関しても収納状態であるときは準備の期間であるといえる。ここで動画記録モードにおいて繰り出し連動録画を行うことを考えると、収納状態であるときに、繰り出し連動録画が予約されているか否かの情報を表示させることで、ユーザは、ズーム操作リング26の操作により繰り出し連動録画が発動されるか否かを適切に認識できることになる。このため動画記録に関しての操作方式を適切にユーザに認識させることができる。シャッターチャンスを逃さないようにしたいユーザに対して、好適な繰り出し連動録画を提示できることにもなる。
【0098】
第4の実施の形態では、カメラ制御部11は、連動機能が有効とされている場合、レンズ鏡筒2の繰り出し状態に応じて動画記録を開始させる制御を行う例を挙げた。
繰り出し連動録画の機能が有効化される(連動予約フラグF2がオンとされる)ことで、レンズの繰り出しのみで動画記録が開始されるため、当該機能は録画チャンスを逃さないという意味では非常に有用となる。
沈胴型レンズ鏡筒の場合、レンズ繰り出しを行ってから録画ボタンなどで録画開始操作を行うという2アクションが必要となるが、繰り出し連動録画により、ズーム操作リング26の操作のみで録画が開始されるため、カメラマンにとっては録画開始チャンスに即座に対応しやすいものとなる。
【0099】
第4の実施の形態では、カメラ制御部11は、連動機能により動画記録を開始させた場合、レンズ鏡筒2の収納状態に応じて動画記録を停止させる制御を行う例を挙げた。
繰り出し連動録画の機能によって、レンズ繰り出しにより動画記録を開始させたユーザにとっては、レンズ収納によって動画記録を停止させるという操作態様とすることで、非常にわかりやすい操作を提供できることになる。
また、収納状態となることで、適切な画質の録画ができないことになるため、収納状態となった場合に動画記録を停止させることは、記録する動画の品質を保つという観点でも望ましい処理となる。
【0100】
なお、カメラ制御部11は連動機能として動画記録停止のみを発動させるものでもよい。例えば動画記録の開始は、あくまで記録操作子18の操作によるものとする。ただし、ユーザが録画中に沈胴型筒体21を収納状態にした場合には、記録停止制御を行うようにする。このようにすれば、収納状態であることによる低い画質の動画が記録されないようにすることができる。
【0101】
第4の実施の形態では、カメラ制御部11は、連動機能に関する情報とともに、連動機能のオン/オフの操作を可能とする表示、例えば図7Aの解除ボタン72や図7Bの連動ボタン74の表示を実行させる制御を行う例を挙げた。これにより沈胴レンズの繰り出しに応じて動画記録が開始されるような連動機能のオン/オフをユーザが選択できるようにしている。
収納状態で繰り出し連動録画の予約状態を提示するだけでなく、その予約状態のオン/オフを操作可能なユーザインタフェースを実現することで、収納状態にあるとき、即ちユーザにとっては撮像の待機中に、繰り出し連動録画の機能を適切に選択できることになり、繰り出し連動録画の機能の使い勝手が向上する。
【0102】
第3の実施の形態では、カメラ制御部11は、収納状態が非操作待機のまま第1の所定時間(閾値th1相当の時間)以上継続することに応じて、撮像装置1の状態を示す情報の表示を終了させるとともに、電源オフとする制御を行う例を示した。
収納状態で撮像装置1の状態を示す情報(例えば設定情報や連動機能に関する情報)を表示することは、ここまで述べてきたように有用であるが、いつまでも継続して表示させておくことは電力消費の点で無駄となる。そこで第1の所定時間とされる時間で表示を終了させ、電源オフとする。
【0103】
第3の実施の形態では、カメラ制御部11は、繰り出し状態においても、非操作待機のまま第2の所定時間(閾値th2相当の時間)以上継続することに応じて電源オフとする制御を行うが、第1の所定時間は第2の所定時間より短いものとした。即ち繰り出し状態でも収納状態でも、非操作のままの時間経過により電源をオフとするが、収納状態のほうが早めに電源オフとなるようにする。
収納状態は、ユーザにとっては待機中であるため、使用していない状況であることも考えられ、長く表示を継続することは望ましくない。そこで図6の閾値th1,th2となる時間をth1<th2とし、収納状態であるときは非操作継続の場合は早めに電源オフとなるようにしている。これにより収納状態での電源消費を抑制する。
【0104】
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0105】
なお本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
鏡筒本体に対して、少なくとも1以上のレンズを保持する筒体が手動操作により収納状態と繰り出し状態をとることができる沈胴型筒体を有するレンズ鏡筒を装着可能なカメラ本体と、
前記カメラ本体に装着された前記レンズ鏡筒が収納状態であることを検知した場合、撮像装置の状態を示す情報の表示を実行させる制御を行う制御部と、を備えた
撮像装置。
(2)
前記制御部は、
撮像装置の状態を示す情報として、設定情報を表示させる制御を行う
上記(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記制御部は、
前記収納状態の検知に応じて前記設定情報を表示させているときに前記繰り出し状態が検知されることに応じて、前記設定情報の表示を終了させる制御を行う
上記(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記制御部は、
前記収納状態の検知に応じて、前記設定情報を表示させるとともに撮像画像のスルー画は非表示とする制御を行い、
前記繰り出し状態が検知されることに応じて、前記設定情報の表示を終了させ、撮像画像のスルー画を表示させる制御を行う
上記(2)又は(3)に記載の撮像装置。
(5)
前記制御部は、
前記設定情報の表示の際の所定の操作の検知に応じて、設定変更処理を行う
上記(2)から(4)のいずれかに記載の撮像装置。
(6)
前記制御部は、
前記設定情報の表示に対する指定操作の検知に応じて、指定された設定情報のメニュー階層内における変更画面を表示させ、当該変更画面に対する操作の検知に応じて設定変更処理を行う
上記(2)から(5)のいずれかに記載の撮像装置。
(7)
前記制御部は、
前記収納状態の際に前記変更画面を表示させているときに、前記繰り出し状態が検知されることに応じて、前記変更画面の表示を終了させ、撮像画像のスルー画を表示させる制御を行う
上記(6)に記載の撮像装置。
(8)
前記制御部は、
撮像装置の状態を示す情報として、前記レンズ鏡筒の収納状態と繰り出し状態に応じて動画記録が制御される連動機能に関する情報を表示させる制御を行う
上記(1)に記載の撮像装置。
(9)
前記制御部は、
前記連動機能が有効とされている場合、
前記レンズ鏡筒の繰り出し状態に応じて動画記録を開始させる制御を行う
上記(8)に記載の撮像装置。
(10)
前記制御部は、
前記連動機能により動画記録を開始させた場合、
前記レンズ鏡筒の収納状態に応じて動画記録を停止させる制御を行う
上記(9)に記載の撮像装置。
(11)
前記制御部は、
前記連動機能に関する情報とともに、前記連動機能のオン/オフの操作を可能とする表示を実行させる制御を行う
上記(8)から(10)のいずれかに記載の撮像装置。
(12)
前記制御部は、
前記収納状態が非操作による待機のまま第1の所定時間以上継続することに応じて、撮像装置の状態を示す情報の表示を終了させるとともに、電源オフとする制御を行う
上記(1)から(11)のいずれかに記載の撮像装置。
(13)
前記制御部は、
前記繰り出し状態において、非操作による待機のまま第2の所定時間以上継続することに応じて電源オフとする制御を行い、
前記第1の所定時間は前記第2の所定時間より短い
上記(12)に記載の撮像装置。
(14)
鏡筒本体に対して、少なくとも1以上のレンズを保持する筒体が手動操作により収納状態と繰り出し状態をとることができる沈胴型筒体を有するレンズ鏡筒を装着可能なカメラ本体を備えた撮像装置が、
前記カメラ本体に装着された前記レンズ鏡筒が収納状態であることを検知した場合、撮像装置の状態を示す情報の表示を実行させる制御を行う
撮像方法。
【符号の説明】
【0106】
1 撮像装置
2 レンズ鏡筒
10 カメラ本体
11 カメラ制御部
12 画像信号処理部
13 表示部
14 イメージセンサ
15 記録部
16 レンズ電源供給部
17 電源操作子
18 記録操作子
19 グラフィック処理部
20 鏡筒本体
21 沈胴型筒体
22 レンズ制御部
26 ズーム操作リング
27 ズーム・沈胴位置センサ
70 連動機能状態提示画像
80 設定一覧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7