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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241016BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G21/18 150
G03G21/16 120
G03G21/16 171
G03G21/16 176
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023126698
(22)【出願日】2023-08-03
(62)【分割の表示】P 2023019225の分割
【原出願日】2019-03-08
(65)【公開番号】P2023139300
(43)【公開日】2023-10-03
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】石塚 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小澤 敦
(72)【発明者】
【氏名】西山 英志
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-143801(JP,A)
【文献】特開2018-077459(JP,A)
【文献】特開2012-063391(JP,A)
【文献】特開平07-295386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する本体筐体と、
前記開口を開く開位置と前記開口を閉じる閉位置との間を移動可能なカバーと、
第1方向に延びる第1軸について回転可能な感光ドラムを有するドラムユニットと、
前記第1方向に延びる第2軸について回転可能な現像ローラを有する現像ユニットと、
前記ドラムユニットおよび前記現像ユニットの上方に位置する中間転写ベルトと、
前記カバーが前記開位置に位置するとき第1位置に位置し、前記カバーが前記開位置から前記閉位置に移動する間に第2位置に位置し、前記カバーが前記閉位置に位置するとき第3位置に位置する移動部材と、を備え、
前記カバーの前記開位置から前記閉位置への移動に連動して、前記移動部材が移動することで、前記感光ドラム、前記中間転写ベルトおよび前記現像ローラは、
前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトから離間し、前記現像ローラが、前記感光ドラムから離間する第1状態と、
前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトと接触し、前記現像ローラが、前記感光ドラムから離間する第2状態と、
前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトと接触し、前記現像ローラが、前記第1状態よりも前記感光ドラムに近づいた第3状態をとることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記移動部材は、前記ドラムユニットと前記現像ユニットとを独立して別々に移動させることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ドラムユニットが、前記第1方向において前記本体筐体に前記開口を通して着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
用紙を排紙するための排紙部であって、前記中間転写ベルトよりも上方に位置する排紙部を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
用紙を給紙するための給紙部であって、前記移動部材よりも下方に位置する給紙部を備えることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ドラムユニットは、前記ドラムユニットおよび前記現像ユニットが前記本体筐体に装着された状態において、前記第1方向と交差する第2方向において前記現像ユニットと並ぶことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
開口を有する本体筐体と、
前記開口を開く開位置と前記開口を閉じる閉位置との間を移動可能なカバーと、
第1方向に延びる第1軸について回転可能な感光ドラムを有するドラムユニットと、
前記第1方向に延びる第2軸について回転可能な現像ローラを有する現像ユニットと、
前記ドラムユニットおよび前記現像ユニットの上方に位置する中間転写ベルトと、を備え、
前記カバーの前記開位置から前記閉位置への移動に連動して、前記感光ドラム、前記中間転写ベルトおよび前記現像ローラは、
前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトから離間し、前記現像ローラが、前記感光ドラムから離間する第1状態と、
前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトと接触し、前記現像ローラが、前記感光ドラムから離間する第2状態と、
前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトと接触し、前記現像ローラが、前記第1状態よりも前記感光ドラムに近づいた第3状態をとり、
前記ドラムユニットが、前記第1方向において前記本体筐体に前記開口を通して着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
開口を有する本体筐体と、
前記開口を開く開位置と前記開口を閉じる閉位置との間を移動可能なカバーと、
第1方向に延びる第1軸について回転可能な感光ドラムを有するドラムユニットと、
前記第1方向に延びる第2軸について回転可能な現像ローラを有する現像ユニットと、
前記ドラムユニットおよび前記現像ユニットの上方に位置する中間転写ベルトと、を備え、
前記カバーの前記開位置から前記閉位置への移動に連動して、前記感光ドラム、前記中間転写ベルトおよび前記現像ローラは、
前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトから離間し、前記現像ローラが、前記感光ドラムから離間する第1状態と、
前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトと接触し、前記現像ローラが、前記感光ドラムから離間する第2状態と、
前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトと接触し、前記現像ローラが、前記第1状態よりも前記感光ドラムに近づいた第3状態をとり、
前記現像ユニットが、前記第1方向において前記本体筐体に前記開口を通して着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、本体筐体に着脱可能なドラムカートリッジおよび現像カートリッジを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本体筐体にドラムカートリッジおよび現像カートリッジを個別に着脱可能な画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。この技術では、ドラムカートリッジおよび現像カートリッジは、感光ドラムの軸方向に着脱可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-77459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された構成では、ドラムカートリッジを画像形成装置の本体筐体に装着する際に、感光ドラムが中間転写ベルトと接触してしまい、感光ドラムおよび中間転写ベルトが損傷してしまうことを抑制するために、ドラムカートリッジを本体筐体に装着する際には、感光ドラムは、中間転写ベルトと離間している。そして、ドラムカートリッジが本体筐体に装着された状態において、カバーを開位置から閉位置に移動すると、ドラムカートリッジが中間転写ベルトに対して移動し、感光ドラムが中間転写ベルトと接触する。
また、現像カートリッジを本体筐体に装着する際に、現像ローラと感光ドラムが接触してしまい、現像ローラおよび感光ドラムが損傷してしまうことを抑制するために、現像カートリッジを本体筐体に装着する際には、現像ローラは、感光ドラムから離間している。そして、ドラムカートリッジおよび現像カートリッジが本体筐体に装着された状態において、ユーザがカバーを開位置から閉位置に移動させた後に、本体筐体内のモータおよびカムが現像カートリッジをドラムカートリッジに対して移動させ、現像ローラが感光ドラムと接触する。
【0005】
そのため、画像形成装置が画像形成動作を開始するまでに、ユーザがカバーを開位置から閉位置に位置させて、ドラムカートリッジを中間転写ベルトに対して移動させ、感光ドラムを中間転写ベルトに接触させる第1動作と、ユーザがカバーを開位置から閉位置に位置させた後に、モータおよびカムが現像カートリッジを感光ドラムに対して移動させる第2動作の2つの動作が必要であった。
【0006】
本開示は、モータを使用することなく、ユーザがカバーを開位置から閉位置に位置させる1つの動作によって、ドラムカートリッジを中間転写ベルトに対して移動させ、感光ドラムを中間転写ベルトに接触させた後に、現像カートリッジをドラムカートリッジに対して移動させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本開示に係る画像形成装置は、開口を有する本体筐体と、前記開口を開く開位置と前記開口を閉じる閉位置との間を移動可能なカバーと、ドラムカートリッジと、現像カートリッジと、中間転写ベルトと、移動カムとを備える。
ドラムカートリッジは、第1方向に延びる第1軸について回転可能な感光ドラムを有し、前記第1方向に前記本体筐体に着脱可能である。
現像カートリッジは、前記第1方向に延びる第2軸について回転可能な現像ローラを有し、前記第1方向に前記本体筐体に着脱可能である。
中間転写ベルトは、前記ドラムカートリッジおよび前記現像カートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、前記ドラムカートリッジおよび前記現像カートリッジの上方に位置する。
移動カムは、前記ドラムカートリッジおよび前記現像カートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、前記ドラムカートリッジおよび前記現像カートリッジの下方に位置する。そして、前記カバーが前記開位置に位置するとき第1位置に位置し、前記カバーが前記開位置から前記閉位置に移動する間に第2位置に位置し、前記カバーが前記閉位置に位置するとき第3位置に位置する。
前記移動カムが前記第1位置に位置するとき、前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトから離間し、前記現像ローラが、前記感光ドラムから離間する。
前記移動カムが前記第2位置に位置するとき、前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトと接触し、前記現像ローラが、前記感光ドラムから離間する。
そして、前記移動カムが前記第3位置に位置するとき、前記感光ドラムが、前記中間転写ベルトと接触し、前記現像ローラが、前記感光ドラムと接触する。
【0008】
この構成によれば、中間転写ベルトに対するドラムカートリッジの移動による中間転写ベルトと感光ドラムとの接触と、ドラムカートリッジに対する現像カートリッジの移動による感光ドラムと現像ローラとの接触を、モータを使用することなく、ユーザがカバーを開位置から閉位置に位置させる1つの動作によって実現することができる。
【0009】
前記した画像形成装置において、前記ドラムカートリッジは、前記ドラムカートリッジおよび前記現像カートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、前記第1方向と交差する第2方向において前記現像カートリッジと並ぶように構成してもよい。
また、前記した画像形成装置において、前記移動カムは、前記カバーの前記開位置から前記閉位置への移動に伴い、前記第1方向に移動可能となるように構成してもよい。
【0010】
前記した画像形成装置において、前記本体筐体は、第1リフトと第2リフトを備え、前記第1リフトは、前記移動カムと係合して、前記ドラムカートリッジを上方に移動させ、前記第2リフトは、前記移動カムと係合して、前記現像カートリッジを上方に移動させるように構成してもよい。
【0011】
前記した画像形成装置において、前記第1リフトは、前記移動カムと接触する第1ドラム接触部を備えるように構成してもよい。
そして、前記移動カムは、前記第1方向に延びる第1ドラム離間面と、第1ドラム傾斜面と、第1ドラム接触面と、を有するように構成してもよい。
第1ドラム傾斜面は、前記第1ドラム離間面から前記中間転写ベルトに向けて延びて、前記第1方向に対して傾斜する。
第1ドラム接触面は、前記第1ドラム傾斜面から前記第1方向に延びて、上下方向において前記第1ドラム離間面よりも前記中間転写ベルトに近い。
前記第1ドラム傾斜面は、前記第1方向において、前記第1ドラム離間面と前記第1ドラム接触面の間に位置する。
そして、前記移動カムが前記第1位置に位置するとき、前記第1ドラム接触部が、前記第1ドラム離間面に接触する。
また、前記移動カムが前記第1位置から前記第2位置に移動する間に、前記第1ドラム接触部が、前記第1ドラム傾斜面に接触する。
さらに、前記移動カムが前記第2位置および前記第3位置に位置するとき、前記第1ドラム接触部が、前記第1ドラム接触面に接触する。
【0012】
これによれば、カバーの開閉に連動して移動カムが移動すると、第1リフトの第1ドラム接触部が、第1ドラム離間面、第1ドラム傾斜面または第1ドラム接触面と接触することで第1リフトの高さ位置が変化し、ドラムカートリッジを所定の位置に位置決めすることができる。
【0013】
前記した画像形成装置において、前記第2リフトは、前記移動カムと接触する第1現像接触部を備えるように構成してもよい。
そして、前記移動カムは、前記第1方向に延びる第1現像離間面と、第1現像傾斜面と、第1現像接触面と、を有するように構成してもよい。
第1現像傾斜面は、前記第1現像離間面から前記中間転写ベルトに向けて延びて、前記第1方向に対して傾斜する。
第1現像接触面は、前記第1現像傾斜面から前記第1方向に延びて、前記上下方向において前記第1現像離間面よりも前記中間転写ベルトに近い。
前記第1現像傾斜面は、前記第1方向において、前記第1現像離間面と前記第1現像接触面の間に位置する。
そして、前記移動カムが前記第1位置に位置するとき、前記第1現像接触部が、前記第1現像離間面に接触する。
また、前記移動カムが前記第1位置から前記第3位置に移動する間に、前記第1現像接触部が、前記第1現像傾斜面に接触する。
さらに、前記移動カムが前記第3位置に位置するとき、前記第1現像接触部が、前記第1現像接触面に接触する。
【0014】
これによれば、カバーの開閉に連動して移動カムが移動すると、第2リフトの第1現像接触部が、第1現像離間面、第1現像傾斜面または第1現像接触面と接触することで第2リフトの高さ位置が変化し、現像カートリッジを所定の位置に位置決めすることができる。
【0015】
前記した画像形成装置において、前記移動カムが前記第1位置から前記第3位置に向かって移動する移動方向において、前記第1ドラム接触面の下流端は、前記第1現像接触面の下流端よりも下流側に位置するように構成してもよい。
【0016】
前記した画像形成装置において、前記移動カムは、第2ドラム離間面と、第2ドラム傾斜面と、第2ドラム接触面と、を有するように構成してもよい。
第2ドラム離間面は、前記第1方向において前記第1ドラム離間面と離れて位置する。
第2ドラム傾斜面は、前記第2ドラム離間面から前記中間転写ベルトに向けて延びる。また、第2ドラム傾斜面は、前記第1方向に対して傾斜するとともに、前記第1方向において前記第1ドラム傾斜面と離れて位置する。
第2ドラム接触面は、前記第2ドラム傾斜面から前記第1方向に延びる。また、第2ドラム接触面は、前記上下方向において前記第2ドラム離間面よりも前記中間転写ベルトに近く、前記第1方向において前記第1ドラム接触面と離れて位置する。
前記第2ドラム傾斜面は、前記第1方向において、前記第2ドラム離間面と前記第2ドラム接触面の間に位置する。
前記第1リフトは、前記移動カムと接触する第2ドラム接触部を備えるように構成してもよい。第2ドラム接触部は、前記第1方向において前記第1ドラム接触部と離れて位置する。
そして、前記移動カムが前記第1位置に位置するとき、前記第2ドラム接触部が、前記第2ドラム離間面に接触する。
また、前記移動カムが前記第1位置から前記第2位置に移動する間に、前記第2ドラム接触部が、前記第2ドラム傾斜面に接触する。
さらに、前記移動カムが前記第2位置および前記第3位置に位置するとき、前記第2ドラム接触部が、前記第2ドラム接触面に接触する。
【0017】
前記した画像形成装置において、前記移動カムは、第2現像離間面と、第2現像傾斜面と、第2現像傾斜面と、を有するように構成してもよい。
第2現像離間面は、前記第1方向において前記第1現像離間面と離れて位置する。
第2現像傾斜面は、前記第2現像離間面から前記中間転写ベルトに向けて延びる。また、第2現像傾斜面は、前記第1方向に対して傾斜するとともに、前記第1方向において前記第1現像傾斜面と離れて位置する。
第2現像接触面は、前記第2現像傾斜面から前記第1方向に延びる。また、第2現像接触面は、前記上下方向において前記第2現像離間面よりも前記中間転写ベルトに近く、前記第1方向において前記第1現像接触面と離れて位置する。
前記第2現像傾斜面は、前記第1方向において、前記第2現像離間面と前記第2現像接触面の間に位置する。
前記第2リフトは、前記移動カムと接触する第2現像接触部を備えるように構成してもよい。第2現像接触部は、前記第1方向において前記第1現像接触部と離れて位置する。
そして、前記移動カムが前記第1位置に位置するとき、前記第2現像接触部が、前記第2現像離間面に接触する。
また、前記移動カムが前記第1位置から前記第3位置に移動する間に、前記第2現像接触部が、前記第2現像傾斜面に接触する。
さらに、前記移動カムが前記第3位置に位置するとき、前記第2現像接触部が、前記第2現像接触面に接触する。
【0018】
これらの構成によれば、第1リフトが2つのドラム接触部を備え、第2リフトが2つの現像接触部を備え、移動カムが2つのドラム接触部と2つの現像接触部を押圧することになるので、ドラムカートリッジおよび現像カートリッジを安定して位置決めすることができる。
【0019】
さらに、前記した画像形成装置において、前記移動カムが前記第1位置から前記第3位置に向かって移動する移動方向において、前記第2ドラム接触面の下流端は、前記第2現像接触面の下流端よりも下流側に位置するように構成してもよい。
【0020】
前記した画像形成装置において、前記第1リフトは、ドラムガイド突起と、現像ガイド突起と、を有するように構成してもよい。
ドラムガイド突起は、前記第1方向に延び、前記ドラムカートリッジをガイドするためのものである。
現像ガイド突起は、前記第1方向に延び、前記現像カートリッジをガイドするためのものである。
そして、前記ドラムカートリッジは、前記ドラムガイド突起にガイドされるドラム溝を有するように構成してもよい。
また、前記現像カートリッジは、前記現像ガイド突起にガイドされる現像溝を有するように構成してもよい。
【0021】
前記した画像形成装置において、前記現像ガイド突起は、ガイド孔を有し、前記第2リフトは、前記ガイド孔内を移動可能であるように構成してもよい。
【0022】
これによれば、ドラムカートリッジおよび現像カートリッジを第1リフトにより中間転写ベルトに対して移動させて、中間転写ベルトに対する感光ドラムの位置決めが終了した後、現像カートリッジを第2リフトによりドラムカートリッジに対して移動させて、感光ドラムに対する現像ローラの位置決めを行うことができる。
【0023】
前記した画像形成装置は、用紙を排紙するための排紙部であって、前記中間転写ベルトよりも上方に位置する排紙部を備えるように構成してもよい。
【0024】
また、前記した画像形成装置は、用紙を給紙するための給紙部であって、前記移動カムよりも下方に位置する給紙部を備えるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、中間転写ベルトに対するドラムカートリッジの移動による中間転写ベルトと感光ドラムとの接触と、ドラムカートリッジに対する現像カートリッジの移動による感光ドラムと現像ローラとの接触を、モータを使用することなく、ユーザがカバーを開位置から閉位置に位置させる1つの動作によって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す断面図である。
図2】カバー、移動カム、第1リフトを説明する斜視図である。
図3】移動カムの斜視図(a)と、移動カムの断面図(b)である。
図4】第1リフトおよび第2リフトの斜視図(a)と、第1リフトの断面図(b)である。
図5】移動カムが第1位置にあるときの説明図であり、第2方向に直交する面で切断した断面図(a)と、第1方向に直交する面で切断した拡大図(b)である。
図6】移動カムが第2位置にあるときの説明図であり、第2方向に直交する面で切断した断面図(a)と、第1方向に直交する面で切断した拡大図(b)である。
図7】移動カムが第3位置にあるときの説明図であり、第2方向に直交する面で切断した断面図(a)と、第1方向に直交する面で切断した拡大図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本開示の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の全体構成を説明する。
【0028】
図1に示すように、カラープリンタ1は、本体筐体2と、給紙部3と、画像形成部4と、排紙部5と、を備える。給紙部3は、画像形成部4に用紙Pを供給する。画像形成部4は、用紙Pに画像を形成する。排紙部5は、用紙Pを排出する。
【0029】
給紙部3は、本体筐体2内の下部に位置する。給紙部3は、給紙トレイ31と、給紙機構32と、を備える。給紙トレイ31は、本体筐体2に着脱可能である。給紙機構32は、用紙Pを給紙トレイ31から画像形成部4に搬送する。
給紙部3は、後述する移動カム110よりも下方に位置する。
【0030】
画像形成部4は、4つのドラムカートリッジ40と、4つの現像カートリッジ50と、露光装置SUと、転写ユニット60と、定着ユニット70と、を備える。
【0031】
各ドラムカートリッジ40は、感光ドラム41と、図示せぬ帯電器と、ドラムフレームF1を有する。感光ドラム41は、第1方向に延びる第1軸X1について回転可能である。4つのドラムカートリッジ40は、本体筐体2に装着された状態で、第1方向と交差する第2方向に並ぶ。
なお、第1方向は、上下方向に直交する方向であり、第2方向は、第1方向と上下方向に直交する方向である。上下方向は、鉛直方向のことである。
【0032】
各現像カートリッジ50は、現像ローラ51と、現像フレームF2と、を有する。現像フレームF2は、現像剤を収容する。現像ローラ51は、第1方向に延びる第2軸X2について回転可能である。
【0033】
ドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50は、ドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50が本体筐体2に装着された状態において、第2方向に並んでいる。そして、図2に示すように、ドラムカートリッジ40は、第1方向に本体筐体2に着脱可能となっている。同様に、現像カートリッジ50は、第1方向に本体筐体2に着脱可能となっている。各ドラムカートリッジ40は、同じ構造となっている。各現像カートリッジ50は、同じ構造となっている。
【0034】
露光装置SUは、各ドラムカートリッジ40の下に位置する。露光装置SUは、レーザ光を各感光ドラム41に出射する。
【0035】
転写ユニット60は、4つの感光ドラム41と後述する排紙トレイ21との間に位置する。転写ユニット60は、駆動ローラ61と、従動ローラ62と、中間転写ベルト63と、4つの1次転写ローラ64と、2次転写ローラ65と、を備える。
【0036】
中間転写ベルト63は、無端状のベルトである。中間転写ベルト63は、ドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50が本体筐体2に装着された状態において、ドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50の上方に位置する。
【0037】
1次転写ローラ64は、中間転写ベルト63の内側に位置する。1次転写ローラ64と感光ドラム41は、中間転写ベルト63を挟む。
【0038】
2次転写ローラ65は、中間転写ベルト63の外側に位置する。2次転写ローラ65と駆動ローラ61は、中間転写ベルト63を挟む。
【0039】
定着ユニット70は、中間転写ベルト63の上に位置する。定着ユニット70は、加熱ローラ71と、加圧ローラ72と、を備える。加圧ローラ72は、加熱ローラ71に押圧される。
【0040】
排紙部5は、本体筐体2の上部に位置する。排紙部5は、中間転写ベルト63の上方に位置する。排紙部5は、排出ローラ9と、排紙トレイ21と、を備える。排出ローラ9は、用紙Pを排紙トレイ21に向けて搬送する。
【0041】
カラープリンタ1では、まず帯電器が、感光ドラム41の表面を帯電させる。その後、露光装置SUが、感光ドラム41の表面を露光する。これにより、感光ドラム41上に静電潜像が形成される。
【0042】
次いで、現像ローラ51が、感光ドラム41上の静電潜像に現像剤を供給する。これにより、感光ドラム41上に現像剤像が形成される。そして、感光ドラム41上の現像剤像は、中間転写ベルト63上に転写される。
【0043】
用紙Pが中間転写ベルト63と2次転写ローラ65の間を通過するときに、中間転写ベルト63上の現像剤像は、用紙P上に転写される。その後、用紙P上の現像剤像は、定着ユニット70で定着される。次いで、用紙Pは、排出ローラ9によって排紙トレイ21に排出される。
【0044】
本体筐体2は、開口22Aを有する。開口22Aは、ドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50を第1方向に着脱する際に、各ドラムカートリッジ40および各現像カートリッジ50が通過することを許容する。
【0045】
図2に示すように、カラープリンタ1はカバーCを有する。カバーCは、開口22Aを開閉するための部材である。カバーCは、カバーCの下端の両側の回転軸C1を中心に回動する。回転軸C1は、本体筐体2の軸受(図示せず)に挿入される。カバーCは、開口22Aを開く開位置(図2に示す位置)と開口22Aを閉じる閉位置(図示せず)との間を移動可能である。
カバーCは、一方の側部にアーム保持部C2を有している。アーム保持部C2は、後述するアーム152の円柱突起156が挿入される長穴C3を有する。
【0046】
ドラムカートリッジ40は、ドラムフレームF1に感光ドラム41が回転可能に支持されている。また、ドラムカートリッジ40は、ドラムフレームF1の底部に、第1方向に延びるドラム溝42を有している。ドラム溝42は、後述するドラムガイド突起133にガイドされる。
【0047】
現像カートリッジ50は、現像フレームF2に現像ローラ51が回転可能に支持されている。また、現像カートリッジ50は、現像フレームF2の底部に第1方向に延びる現像溝52を有している。現像溝52は、後述する現像ガイド突起134にガイドされる。
なお、現像カートリッジ50の上下方向の大きさは、ドラムカートリッジ40の上下方向の大きさよりも小さい。より詳細には、ドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50が本体筐体2に装着された状態において、現像カートリッジ50は、感光ドラム41よりも低い位置に現像ローラ51が位置するような大きさを有している。
【0048】
本体筐体2は、移動カム110と、第1リフト130と、第2リフト140(図4参照)と、を備えている。
移動カム110は、ドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50が本体筐体2に装着された状態において、ドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50の下方に位置する。
移動カム110は、板状の部材である。移動カム110は、カバーCの開位置から閉位置への移動に伴い、第1方向に移動可能である。詳細には、移動カム110は、アーム152を介して、カバーCの開閉に連動して第1方向に移動可能である。
図3に示すように、移動カム110は、上面111と、移動カム110の側面に位置する円柱突起112を有する。移動カム110は、本体筐体2のガイド部22B(図5参照)の上面を摺動する。
【0049】
図2に示すように、アーム152は、一端部152Aと他端部152Bを有している。
アーム152の一端部152Aは、移動カム110の円柱突起112を回転可能に支持する貫通穴154を有している。アーム152の他端部152Bは、円柱突起156を有している。円柱突起156は、アーム保持部C2の長穴C3に挿入されている。
【0050】
図3に示すように、移動カム110は、第1方向に離れた一組のドラム離間面114と、一組のドラム傾斜面116と、一組のドラム接触面118とを備えている。一組のドラム離間面114と、一組のドラム傾斜面116と、一組のドラム接触面118は、移動カム110の上面111に位置する。
一組のドラム離間面114は、開口22Aに近い第1ドラム離間面114Aと、第1ドラム離間面114Aよりも開口22Aから離れて位置する第2ドラム離間面114Bを含む。第1ドラム離間面114Aおよび第2ドラム離間面114Bは、第1方向に延びている。第2ドラム離間面114Bは、第1方向において第1ドラム離間面114Aと離れて位置する。
一組のドラム傾斜面116は、開口22Aに近い第1ドラム傾斜面116Aと、第1ドラム傾斜面116Aよりも開口22Aから離れて位置する第2ドラム傾斜面116Bを含む。第1ドラム傾斜面116Aは、第1ドラム離間面114Aから中間転写ベルト63に向けて延びている。第1ドラム傾斜面116Aは、第1方向に対して傾斜している。第2ドラム傾斜面116Bは、第1方向において第1ドラム傾斜面116Aと離れて位置している。第2ドラム傾斜面116Bは、第2ドラム離間面114Bから中間転写ベルト63に向けて延びている。また、第2ドラム傾斜面116Bは、第1方向に対して傾斜している。
第1ドラム傾斜面116Aは、第1方向において、第1ドラム離間面114Aと後述する第1ドラム接触面118Aの間に位置している。同様に、第2ドラム傾斜面116Bは、第1方向において、第2ドラム離間面114Bと後述する第2ドラム接触面118Bの間に位置している。
なお、第1ドラム離間面114Aと第1ドラム傾斜面116Aの接続部分115Aは湾曲面に形成され、後述する第1ドラム接触部135Aが第1ドラム離間面114Aと第1ドラム傾斜面116Aの間を円滑に移動できるようになっている。同様に、第2ドラム離間面114Bと第2ドラム傾斜面116Bの接続部分115Bは湾曲面に形成され、後述する第2ドラム接触部135Bが第2ドラム離間面114Bと第2ドラム傾斜面116Bの間を円滑に移動できるようになっている。
一組のドラム接触面118は、開口22Aに近い第1ドラム接触面118Aと、第1ドラム接触面118Aよりも開口22Aから離れて位置する第2ドラム接触面118Bを含む。第1ドラム接触面118Aは、第1ドラム傾斜面116Aから第1方向に延びている。第1ドラム接触面118Aは、上下方向において第1ドラム離間面114Aよりも中間転写ベルト63に近い。第2ドラム接触面118Bは、第1方向において第1ドラム接触面118Aと離れて位置している。第2ドラム接触面118Bは、第2ドラム傾斜面116Bから第1方向に延びている。また、第2ドラム接触面118Bは、上下方向において第2ドラム離間面114Bよりも中間転写ベルト63に近い。
なお、第1ドラム傾斜面116Aと第1ドラム接触面118Aの接続部分117Aは湾曲面に形成され、後述する第1ドラム接触部135Aが第1ドラム傾斜面116Aと第1ドラム接触面118Aの間を円滑に移動できるようになっている。同様に、第2ドラム傾斜面116Bと第2ドラム接触面118Bの接続部分117Bは湾曲面に形成され、後述する第2ドラム接触部135Bが第2ドラム傾斜面116Bと第2ドラム接触面118Bの間を円滑に移動できるようになっている。
【0051】
また、移動カム110は、第1方向に離れた一組の現像離間面124と、一組の現像傾斜面126と、一組の現像接触面128と備えている。一組の現像離間面124と、一組の現像傾斜面126と、一組の現像接触面128は、移動カム110の上面111に位置する。
一組の現像離間面124は、一組のドラム離間面114に対応している。一組の現像離間面124は、一組のドラム離間面114よりも低い位置に形成されている。
一組の現像傾斜面126は、一組のドラム傾斜面116に対応している。一組の現像傾斜面126は、一組のドラム傾斜面116よりも低い位置に形成されている。
一組の現像接触面128は、一組のドラム接触面118に対応している。
一組の現像離間面124と、一組の現像傾斜面126と、一組の現像接触面128は、第2方向に離れて、それぞれ、4箇所ある。
【0052】
一組の現像離間面124は、開口22Aに近い第1現像離間面124Aと、第1現像離間面124Aよりも開口22Aから離れて位置する第2現像離間面124Bを含む。第1現像離間面124Aおよび第2現像離間面124Bは、第1方向に延びている。第2現像離間面124Bは、第1方向において第1現像離間面124Aと離れて位置する。
一組の現像傾斜面126は、開口22Aに近い第1現像傾斜面126Aと、第1現像傾斜面126Aよりも開口22Aから離れて位置する第2現像傾斜面126Bを含む。第1現像傾斜面126Aは、第1現像離間面124Aから中間転写ベルト63に向けて延びている。第1現像傾斜面126Aは、第1方向に対して傾斜している。第2現像傾斜面126Bは、第1方向において第1現像傾斜面126Aと離れて位置している。第2現像傾斜面126Bは、第2現像離間面124Bから中間転写ベルト63に向けて延びている。また、第2現像傾斜面126Bは、第1方向に対して傾斜している。
第1現像傾斜面126Aは、第1方向において、第1現像離間面124Aと後述する第1現像接触面128Aの間に位置している。同様に、第2現像傾斜面126Bは、第1方向において、第2現像離間面124Bと後述する第2現像接触面128Bの間に位置している。
一組の現像接触面128は、開口22Aに近い第1現像接触面128Aと、第1現像接触面128Aよりも開口22Aから離れて位置する第2現像接触面128Bを含む。第1現像接触面128Aは、第1現像傾斜面126Aから第1方向に延びている。第1現像接触面128Aは、上下方向において第1現像離間面124Aよりも中間転写ベルト63に近い。第2現像接触面128Bは、第1方向において第1現像接触面128Aと離れて位置している。第2現像接触面128Bは、第2現像傾斜面126Bから第1方向に延びている。また、第2現像接触面128Bは、上下方向において第2現像離間面124Bよりも中間転写ベルト63に近い。
第1現像接触面128Aは、第1ドラム接触面118Aと同一面であり、第2現像接触面128Bは、第2ドラム接触面118Bと同一面である。
なお、現像離間面124と現像傾斜面126の接続部分と、現像傾斜面126と現像接触面128の接続部分を湾曲面に形成してもよい。
【0053】
図4に示すように、第1リフト130は、移動カム110と係合して、ドラムカートリッジ40を上方に移動させる部材である。第1リフト130は、上面131と下面132を有している。4つのドラムガイド突起133と、4つの現像ガイド突起134は、第1リフト130の上面131に位置する。また、第1リフト130は、移動カム110の上面111と接触する第1ドラム接触部135Aおよび第2ドラム接触部135Bを備えている。第2ドラム接触部135Bは、第1方向において第1ドラム接触部135Aと離れて位置する。より詳細には、第1方向における第1ドラム接触部135Aと第2ドラム接触部135Bの間の距離は、例えば、第1方向における第1ドラム傾斜面116Aと第2ドラム傾斜面116Bの間の距離と同じである。
各ドラムガイド突起133は、第1方向に延び、ドラムカートリッジ40をガイドするためのものである。
各現像ガイド突起134は、第1方向に延び、現像カートリッジ50をガイドするためのものである。各現像ガイド突起134の上下方向の高さは、各ドラムガイド突起133の上下方向の高さよりも低い。
また、各現像ガイド突起134は、ガイド孔136を有している。ガイド孔136は、第1方向に延び、第2リフト140を挿入するための貫通口である。図4(b)に示すように、ガイド孔136は、第1部分136Aと第2部分136Bを含む。第1部分136Aは、現像ガイド突起134を上下に貫通する開口部である。第2部分136Bは、第1部分136Aと連通して、第1ドラム接触部135Aおよび第2ドラム接触部135Bを上下に貫通する開口部である。なお、第1リフト130は、ガイド孔136の内部に支持面137を有している。支持面137は、ガイド孔136に挿入された第2リフト140の抜け止めとして機能する、
なお、図5(b)に示すように、第1リフト130、移動カム110およびガイド部22Bは、露光装置SUからのレーザ光が通過するための開口を有する。
【0054】
第2リフト140は、移動カム110と係合して、現像カートリッジ50を上方に移動させる部材である。第2リフト140は、ガイド孔136に挿入される。第2リフト140は、第1方向に延びる本体部141と、本体部141から下方に延びる第1現像接触部142および第2現像接触部144を備える。本体部141は、組み付け時に支持面137で支持される。第1現像接触部142および第2現像接触部144は、ガイド孔136の第2部分136Bを通って移動カム110の上面111と接触する。第2現像接触部144は、第1方向において第1現像接触部142と離れて位置する。第2リフト140は、ガイド孔136内を上下に移動可能である。
第2リフト140は、第1現像接触部142および第2現像接触部144の下端部が、第1ドラム接触部135Aおよび第2ドラム接触部135Bの下端から下方に突出している(図5参照)。
【0055】
図2および図5から図7を参照して、ドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50の装着と、現像ローラ51および感光ドラム41の位置決め方法について説明する。
図2に示すように、カバーCを開位置に位置させて開口22Aを露出させた状態で、ドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50を本体筐体2に装着する。ドラムカートリッジ40は、第1リフト130のドラムガイド突起133にドラム溝42が嵌った状態で、第1リフト130の上面131に沿って第1方向に挿入される。同様に、現像カートリッジ50は、第1リフト130の現像ガイド突起134に現像溝52が嵌った状態で、第1リフト130の上面131に沿って第1方向に挿入される。
【0056】
図5に示すように、カバーCが開位置に位置するとき、移動カム110は、第1位置に位置する。
より詳細には、移動カム110が第1位置に位置するとき、第1ドラム接触部135Aが、第1ドラム離間面114Aに接触し、第2ドラム接触部135Bが、第2ドラム離間面114Bに接触する。このとき、第1リフト130は下降位置にあり、ドラムカートリッジ40は、感光ドラム41が中間転写ベルト63から離間している。また、移動カム110が第1位置に位置するとき、第1現像接触部142が、第1現像離間面124Aに接触し、第2現像接触部144が、第2現像離間面124Bに接触する。このとき、第2リフト140は、第1リフト130の上面から突出しないので、現像カートリッジ50は、現像ローラ51が感光ドラム41から離間している。
つまり、カバーCが開位置に位置するとき、移動カム110は第1位置に位置し、感光ドラム41が中間転写ベルト63から離間し、現像ローラ51が感光ドラム41から離間している。
【0057】
図6に示すように、カバーCが開位置から閉位置に移動する間に、移動カム110は、第2位置に位置する。
より詳細には、カバーCを開位置から閉位置に向けて移動すると、アーム152により、移動カム110が第1方向に沿って開口22Aから離れるように移動する。そして、移動カム110が第1位置から第2位置に移動する間に、第1ドラム接触部135Aが、第1ドラム傾斜面116Aに接触し、第2ドラム接触部135Bが、第2ドラム傾斜面116Bに接触する。これにより、第1リフト130は、中間転写ベルト63に向けて上昇していく。また、移動カム110が第1位置から第2位置に移動する間に、第1現像接触部142は第1現像傾斜面126Aに接触し、第2現像接触部144が、第2現像傾斜面126Bに接触する。これにより、第2リフト140が、第1リフト130と共に中間転写ベルト63に向けて上昇していく。
【0058】
カバーCが閉位置に向けてさらに移動すると、移動カム110が第1方向にさらに移動して第2位置に位置する。
移動カム110が第2位置に位置するとき、第1ドラム接触部135Aが、第1ドラム接触面118Aに接触し、第2ドラム接触部135Bが、第2ドラム接触面118Bに接触する。このとき、第1リフト130は、上昇位置にあり、第1リフト130に支持されたドラムカートリッジ40は、感光ドラム41が中間転写ベルト63に接触する。
また、移動カム110が第2位置に位置するとき、第1現像接触部142は第1現像傾斜面126Aに接触したままであり、第2現像接触部144は第2現像傾斜面126Bに接触したままである。換言すると、移動カム110が第1位置から第3位置に移動する間に、第1現像接触部142が、第1現像傾斜面126Aに接触し、第2現像接触部144が、第2現像傾斜面126Bに接触する。このとき、第2リフト140は、第1リフト130の上面から突出しないので、現像カートリッジ50は、現像ローラ51が感光ドラム41から離間したままである。
つまり、移動カム110が第2位置に位置するとき、感光ドラム41が、中間転写ベルト63と接触し、現像ローラ51が、感光ドラム41から離間している。
【0059】
図7に示すように、カバーCが閉位置に位置するとき、移動カム110は、第3位置に位置する。
より詳細には、移動カム110が第3位置に位置するとき、第1ドラム接触部135Aが、第1ドラム接触面118Aに接触し、第2ドラム接触部135Bが、第2ドラム接触面118Bに接触する。このとき、第1リフト130は、上昇位置にあり、第1リフト130に支持されたドラムカートリッジ40は、感光ドラム41が中間転写ベルト63に接触したままである。また、移動カム110が第3位置に位置するとき、第1現像接触部142が、第1現像接触面128Aに接触し、第2現像接触部144が、第2現像接触面128Bに接触する。このとき、第2リフト140は、ガイド孔136から上方に突出し、現像カートリッジ50は、第2リフト140に押圧されて、ドラムカートリッジ40に対して上昇する。そして、現像ローラ51が感光ドラム41と接触する。
つまり、移動カム110が第3位置に位置するとき、感光ドラム41が、中間転写ベルト63と接触し、現像ローラ51が、感光ドラム41と接触する。
【0060】
なお、図3(b)に示すように、移動カム110が第1位置から第3位置に向かって移動する移動方向において、第1ドラム接触面118Aの下流端は、第1現像接触面128Aの下流端よりも下流側に位置する。同様に、移動カム110が第1位置から第3位置に向かって移動する移動方向において、第2ドラム接触面118Bの下流端は、第2現像接触面128Bの下流端よりも下流側に位置する。
【0061】
このような構成によると、先に第1ドラム接触部135Aおよび第2ドラム接触部135Bが第1ドラム接触面118Aおよび第2ドラム接触面118Bに乗り上げ、その後、第1現像接触部142および第2現像接触部144が第1現像接触面128Aおよび第2現像接触面128Bに乗り上げることになるので、感光ドラム41が中間転写ベルト63と接触してから、現像ローラ51が感光ドラム41と接触することになる。
なお、第1ドラム接触面118Aの下流端と第1現像接触面128Aの下流端との距離、および第2ドラム接触面118Bの下流端と第2現像接触面128Bの下流端との距離を変更することで、感光ドラム41と中間転写ベルト63が接触してから、現像ローラ51と感光ドラム41が接触するタイミングを変更することができる。
【0062】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
中間転写ベルト63に対するドラムカートリッジ40の移動による中間転写ベルト63と感光ドラム41との接触と、ドラムカートリッジ40に対する現像カートリッジ50の移動による感光ドラム41と現像ローラ51との接触を、モータを使用することなく、ユーザがカバーCを開位置から閉位置に位置させる1つの動作によって実現することができる。
【0063】
カバーCの開閉に連動して移動カム110が移動すると、第1リフト130の第1ドラム接触部135Aが、第1ドラム離間面114A、第1ドラム傾斜面116Aまたは第1ドラム接触面118Aと接触することで第1リフト130の高さ位置が変化し、ドラムカートリッジ40を所定の位置に位置決めすることができる。
【0064】
カバーCの開閉に連動して移動カム110が移動すると、第2リフト140の第1現像接触部142が、第1現像離間面124A、第1現像傾斜面126Aまたは第1現像接触面128Aと接触することで第2リフト140の高さ位置が変化し、現像カートリッジ50を所定の位置に位置決めすることができる。
【0065】
第1リフト130が2つのドラム接触部135A,135Bを備え、第2リフトが2つの現像接触部142,144を備え、移動カム110が2つのドラム接触部135A,135Bと2つの現像接触部142,144を押圧することになるので、ドラムカートリッジおよび現像カートリッジを安定して位置決めすることができる。
【0066】
現像ガイド突起134がガイド孔136を有し、第2リフト140がガイド孔136内を移動可能であるので、ドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50を第1リフト130により中間転写ベルト63に対して移動させて、中間転写ベルト63に対する感光ドラム41の位置決めが終了した後、現像カートリッジ50を第2リフト140によりドラムカートリッジ40に対して移動させて、感光ドラム41に対する現像ローラ51の位置決めを行うことができる。
【0067】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述した実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0068】
上述の実施形態では、カバーの閉動作に連動して、第1リフト130がドラムカートリッジ40および現像カートリッジ50を中間転写ベルト63に向けて上昇させ、第2リフト140が現像カートリッジ50をさらに上昇させる構成としたが、本開示はこのような構成に限定されない。
例えば、移動カム110の上面111と係合してドラムカートリッジ40を上方に移動させるドラムリフトと、移動カム110の上面111と係合して現像カートリッジ50を上方に移動させる現像リフトが、独立して別々に移動可能な構成としてもよい。
このような構成において、ドラムリフトの上面にドラムガイド突起が位置し、現像リフトの上面に現像ガイド突起が位置していてもよい。
【0069】
上述の実施形態では、第1リフト130がドラムガイド突起133と現像ガイド突起134を有し、ドラムカートリッジ40がドラム溝42を有し、現像カートリッジ50が現像溝52を有していたが、本開示はこのような構成に限定されない。例えば、ドラムガイド突起133に代えてドラムガイド溝を、ドラム溝42に代えてドラム突起を採用してもよい。同様に、現像ガイド突起134に代えて現像ガイド溝を、現像溝52に代えて現像突起を採用してもよい。また、これらを任意に組み合わせてもよい。
【0070】
上述の実施形態では、移動カム110は、ドラム離間面114、ドラム傾斜面116、ドラム接触面118、現像離間面124、現像傾斜面126、現像接触面128を、それぞれ一組(2つ)ずつ有し、第1リフト130は、第1ドラム接触部135Aと第2ドラム接触部135Bを備え、第2リフト140は、第1現像接触部142および第2現像接触部144を備えているが、本開示はこのような構成に限定されず、任意の数であってもよい。
例えば、移動カム110は、それぞれ1つずつのドラム離間面114、ドラム傾斜面116、ドラム接触面118、現像離間面124、現像傾斜面126、現像接触面128を有し、第1リフト130は、1つのドラム接触部のみを、第2リフト140は、1つの現像接触部のみを備える構成とすることもできる。
また、移動カム110は、現像離間面を有さない構成とすることもできる。
【0071】
上述の実施形態では、カラープリンタ1に本開示を適用したが、本開示はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えばモノクロのプリンタ、複写機、複合機などに本開示を適用してもよい。
【0072】
上述した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 カラープリンタ
2 本体筐体
22A 開口
C カバー
40 ドラムカートリッジ
41 感光ドラム
50 現像カートリッジ
51 現像ローラ
63 中間転写ベルト
110 移動カム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7