(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】充電ボックス
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241016BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20241016BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L53/16
(21)【出願番号】P 2023188336
(22)【出願日】2023-11-02
【審査請求日】2023-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 宏樹
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-212133(JP,A)
【文献】特開2020-092056(JP,A)
【文献】特開2013-045637(JP,A)
【文献】特開2011-238534(JP,A)
【文献】特開2014-118693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 53/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームに取り付けられ、外部給電装置から受電可能な充電ボックスであって、
筐体の外方に露出する第1壁に設けられ、前記外部給電装置のコネクタと連結可能な受電部と、
制御信号を受けて、前記受電部に前記コネクタをロックさせるロック部と、
前記筐体内に設けられ、前記ロック部によるロックを解除する解除部と、
緩められるように前記第1壁に取り付けられた締結部材と、
長手方向の一端部が前記解除部に連結され、他端部が前記締結部材に連結されたワイヤと、
を備え、
前記締結部材は、回転する際に前記ワイヤの前記他端部に対して空転する空転機構を有し、
前記ワイヤは、緩めた前記締結部材が前記筐体から離れる方向に移動する際に、前記ロックを解除するように前記解除部を動作させる、
充電ボックス。
【請求項2】
前記締結部材は、前記第1壁を貫通する貫通穴に取り付けられており、
前記ワイヤの前記他端部は、前記締結部材の先端部に連結されており、
前記ワイヤは、緩めた前記締結部材に引っ張られて前記貫通穴を通過する際に、前記ロックを解除するように前記解除部を動作させる、
請求項1に記載の充電ボックス。
【請求項3】
前記解除部は、変位可能なレバーを有し、
前記ワイヤの前記一端部は、前記レバーに連結されている、
請求項1に記載の充電ボックス。
【請求項4】
前記ワイヤの前記他端部には、球体が設けられ、
前記球体は、前記締結部材の先端の空洞部に回転自在に挿入されている、
請求項1に記載の充電ボックス。
【請求項5】
前記締結部材の先端には、前記球体が前記空洞部から外れることを規制する規制部が設けられている、
請求項4に記載の充電ボックス。
【請求項6】
前記解除部は、前記筐体内において前記第1壁の裏面に隣接する位置に設けられ、
前記解除部よりも前記裏面から離れた位置に設けられ、前記ワイヤの前記一端部側を前記裏面の法線方向に沿って延在させるガイド部を更に備える、
請求項1に記載の充電ボックス。
【請求項7】
前記ガイド部は、前記ワイヤが挿通する中空部を有する、
請求項6に記載の充電ボックス。
【請求項8】
前記ワイヤは、金属製である、
請求項1に記載の充電ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から給電可能な車両の充電ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、充電ガンを接続することでバッテリーを充電する充電ボックスが設けられている(特許文献1を参照)。充電ボックスには、安全性の観点から、充電中に充電ガンが外れないようにロックするロック部が設けられており、ロック部は制御装置から制御信号を受けて動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、充電中に例えば落雷等を発生すると、ロック部に制御装置から制御信号が適切に送信されないため、ロック部を解除することができない。また、充電ボックス内には手動で解除する解除部が設けられているが、充電ボックスを分解しないと解除部を操作することができない。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、充電ボックスにおけるコネクタのロックを容易に解除できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様においては、車体フレームに取り付けられ、外部給電装置から受電可能な充電ボックスであって、筐体の外方に露出する第1壁に設けられ、前記外部給電装置のコネクタと連結可能な受電部と、制御信号を受けて、前記受電部に前記コネクタをロックさせるロック部と、前記筐体内に設けられ、前記ロック部によるロックを解除する解除部と、緩められるように前記第1壁に取り付けられた締結部材と、長手方向の一端部が前記解除部に連結され、他端部が前記締結部材に連結されたワイヤと、を備え、前記締結部材は、回転する際に前記ワイヤの前記他端部に対して空転する空転機構を有し、前記ワイヤは、緩めた前記締結部材が前記筐体から離れる方向に移動する際に、前記ロックを解除するように前記解除部を動作させる、充電ボックスを提供する。
【0007】
また、前記締結部材は、前記第1壁を貫通する貫通穴に取り付けられており、前記ワイヤの前記他端部は、前記締結部材の先端部に連結されており、前記ワイヤは、緩めた前記締結部材に引っ張られて前記貫通穴を通過する際に、前記ロックを解除するように前記解除部を動作させることとしてもよい。
【0008】
また、前記解除部は、変位可能なレバーを有し、前記ワイヤの前記一端部は、前記レバーに連結されていることとしてもよい。
【0009】
また、前記ワイヤの前記他端部には、球体が設けられ、前記球体は、前記締結部材の先端の空洞部に回転自在に挿入されていることとしてもよい。
【0010】
また、前記締結部材の先端には、前記球体が前記空洞部から外れることを規制する規制部が設けられていることとしてもよい。
【0011】
また、前記解除部は、前記筐体内において前記第1壁の裏面に隣接する位置に設けられ、前記解除部よりも前記裏面から離れた位置に設けられ、前記ワイヤの前記一端部側を前記裏面の法線方向に沿って延在させるガイド部を更に備えることとしてもよい。
【0012】
また、前記ガイド部は、前記ワイヤが挿通する中空部を有することとしてもよい。
また、前記ワイヤは、金属製であることとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、充電ボックスにおけるコネクタのロックを容易に解除できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】充電ガン100が装着された充電ボックス1を示す模式図である。
【
図3】充電ボックス1内のロック部30及び解除部40を示す模式図である。
【
図4】締結部材50及びワイヤ60を示す模式図である。
【
図6】充電ガン100が装着された状態で、ドライバ150で締結部材50を回転させる態様を説明するための模式図である。
【
図7】締結部材50を引いた際の解除部40の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<充電ボックスの構成>
図1は、充電ガン100が装着された充電ボックス1を示す模式図である。
図2は、充電ボックス1の正面図である。
図3は、充電ボックス1内のロック部及び解除部を示す模式図である。
図4は、締結部材50及びワイヤ60を示す模式図である。
図5は、空転機構70の一例を示す模式図である。なお、
図3では、説明の便宜上、充電ボックス1の一部が示されている。
【0016】
充電ボックス1は、外部給電装置から受電するための装置である。具体的には、充電ボックス1は、外部給電装置のコネクタを介して受電した電気を、バッテリーに充電する。充電ボックス1は、バッテリーにケーブルを介して連結されている。充電ボックス1は、トラック等のフレーム構造の車両の車体フレームに取り付けられている。このため、充電ボックス1は外部に露出している。
【0017】
充電ボックス1は、
図1~
図3に示すように、筐体10と、受電部20と、ロック部30と、解除部40と、締結部材50と、ワイヤ60を有する。
【0018】
筐体10は、箱状に形成されている。筐体10は、車体フレームにブラケットを介して固定されている。筐体10は、
図1に示すように、本体部12と、蓋部14a、14bと、筒部16を有する。
【0019】
本体部12は、ここでは直方体の形状を成している。本体部12の内部には、ロック部30及び解除部40等が配置されている。本体部12の前壁13に、充電ガン100と連結可能な受電部20が設けられている。前壁13は、
図1に示すように、筐体10の外方に露出可能となっている。
【0020】
蓋部14a、14bは、開閉可能な蓋である。蓋部14a、14bは、閉じている際には受電部20の充電口を覆っている。蓋部14a、14bが開いた状態で、外部給電装置のコネクタである充電ガン100が受電部20の充電口に連結される。蓋部14a、14bの各々は、ヒンジを中心に開閉する。
【0021】
筒部16は、蓋部14a、14bを囲むように筒状に形成されている。筒部16の軸方向の一端部(
図1に示す前後方向の前端部)が、開口になっている。充電ガン100は、当該開口から挿入される。筒部16の軸方向の他端部が、本体部12の前壁13に連結している。なお、
図1では省略されているが、筒部16の開口を閉塞又は開放可能な扉が設けられている。充電しない場合には、筒部16が扉によって閉塞されている。
【0022】
受電部20は、外部給電装置から受電を受ける。受電部20は、充電ガン100と連結可能な充電口を有する。受電部20は、充電口が充電ガン100と連結した状態で外部給電装置から受電を受ける。受電部20は、筐体10の前壁13の中央に位置している。
【0023】
ロック部30は、受電部20に充電ガン100をロックさせる。ロック部30は、ロックさせる制御信号としてのロック指令を受けて、受電部20に充電ガン100をロックさせる。ロック部30は、
図3に示すように筐体10内に設けられている。ロック部30は、前壁13から見て受電部20とは反対の位置に、設けられている。具体的には、ロック部30は、筐体10の前壁13の裏面13bに接するように設けられている。
【0024】
ロック部30は、内部にモータやギヤを含むアクチュエータ35を有する。アクチュエータ35は、ロック指令を受けて、例えばモータを動作させて係合部材を充電ガン100に係合させることで、充電ガン100を受電部20にロックさせる。また、アクチュエータ35は、ロックを解除させる制御信号として解除指令を受けて、係合部材の充電ガン100に対する係合を解除することで、充電ガン100のロックを解除させる。ロック部30は、ここでは車両のECU(Electronic Control Unit)から制御信号(ロック指令、解除指令)を受ける。
【0025】
解除部40は、ロック部30による充電ガン100のロックを解除する。解除部40は、
図3に示すように筐体10内に設けられている。充電中に例えば落雷が発生した場合には、ECUからロック部30に解除指令を送信することができない。このような場合に、作業者が解除部40を操作して、充電ガン100のロックを解除する。
【0026】
解除部40は、変位可能な解除レバー45を有する。解除部40は、筐体10内において前壁13の裏面13bに隣接する位置に設けられている。解除部40は、作業者が手動で操作するように設けられている。具体的には、作業者は、解除レバー45を前壁13の裏面13bから遠ざかる方向(別言すれば、筐体10内の中央側)に引っ張ることで、ロック部30による充電ガン100のロックを解除できる。
【0027】
締結部材50は、緩められるように前壁13に取り付けられている。ここでは、締結部材50は、前壁13の前面13aと裏面13bの間を貫通する貫通穴13cに取り付けられている。締結部材50は、ここではネジである。締結部材50は、
図4に示すように、ネジ部52と、先端部54と、ワッシャ56を有する。
【0028】
ネジ部52には、雄ネジが形成されている。締結部材50は、ネジ部52が前壁13の貫通穴13cに形成された雌ネジと螺合することで前壁13に固定されている。作業者は、ドライバを用いて、締結部材50を回転させて緩めることで、締結部材50を前壁13から取り外すことができる。
【0029】
先端部54は、軸方向においてネジ部52より先端側の軸部である。先端部54は、筐体10内に位置している。先端部54は、ワイヤ60と連結されている。先端部54の外周面には、ネジが形成されていない。先端部54の直径は、ネジ部52の直径よりも小さい。先端部54には、後述するが、締結部材50を回転させる際に締結部材50がワイヤ60に対して空転するための空転機構70が設けられている。
【0030】
ワッシャ56は、防水性を有するシールワッシャである。ワッシャ56は、伸縮可能な材質から成る。ワッシャ56は、締結部材50を締める際に、締結部材50の頭部58と前壁13に圧縮される。このようにワッシャ56が圧縮されることで、前壁13の貫通穴13cを介して筐体10内に水が浸入することを防止できる。
【0031】
ワイヤ60は、
図3に示すように、解除部40の解除レバー45と締結部材50の先端部54とを連結している。ワイヤ60は、ワイヤ部62と、一端部64と、他端部66を有する。
【0032】
ワイヤ部62は、金属製である。例えば、ワイヤ60は、引張強度、耐摩擦性、ロバスト性の観点から、ステンレス製となっている。ただし、これに限定されず、ワイヤ60は、合成繊維であるナイロンやポリプロピレン製であってもよい。
【0033】
ワイヤ60の長手方向の一端部64は、解除部40に連結され、ワイヤ60の長手方向の他端部66は、締結部材50に連結されている。具体的には、ワイヤ60の一端部64は、解除部40の解除レバー45に連結されており(
図3参照)、ワイヤ60の他端部66は、締結部材50の先端部54に連結されている(
図5参照)。ワイヤ60は、締結部材50が前壁に取り付けられている際には、筐体10内に位置する。
【0034】
ワイヤ60の一端部64には、
図4に示すように球体64aが設けられている。一端部64は、解除レバー45に固定されている。他端部66側からワイヤ部62を引くと、一端部64と固定された解除レバー45が引っ張られて、ロックが解除される。なお、一端部64には球体64aが設けられていなくてもよい。
【0035】
ワイヤ60の他端部66には、
図5に示すように球体66aが設けられている。球体66aは、球体64aと同じ大きさである。球体66aは、締結部材50の先端部54に挿入されている。具体的には、球体66aは、先端部54に設けられた空転機構70に挿入されている。
【0036】
空転機構70は、締結部材50を回転する際に、締結部材50がワイヤ60の他端部66(球体66a)に対して空転する機構である。具体的には、作業者が締結部材50を緩めたり締めたりする際に、空転機構70は、締結部材50を他端部66に対して空転させる。これにより、締結部材50の回転に伴いワイヤがねじれることを防止できる。空転機構70は、
図5に示すように、空洞部72と、規制部74を有する。
【0037】
空洞部72は、締結部材50の先端部54に形成されている。空洞部72は、先端部54の先端面から所定深さだけ凹ませた凹部となっている。空洞部72内に、ワイヤ60の他端部66の球体66aが挿入されている。空洞部72の直径は、ワイヤ60の他端部66の球体66aの直径よりも大きい。このため、球体66aは、空洞部72内で回転自在である。
【0038】
図6は、充電ガン100が装着された状態で、ドライバ150で締結部材50を回転させる態様を説明するための模式図である。前述したように充電中に落雷が発生してECUからロック部30に制御信号(ロックの解除指令)を送信できない場合には、作業者は、ロックを手動で解除すべく、締結部材50をドライバ150で緩める。すなわち、作業者は、ドライバ150で締結部材50を回転させる。
【0039】
本実施形態とは異なりワイヤ60が締結部材50に固定されている場合には、作業者が締結部材50をドライバ150で回転する(例えば、締結部材50を締めたり、締結部材50を緩めたりする)際に、回転力がワイヤ60のワイヤ部62に伝達されることで、ワイヤ部62がねじれてしまう。特に、ワイヤ部62が金属製である場合には、ワイヤ部62のねじれが発生しやすい。
これに対して、本実施形態の場合には、作業者が締結部材50をドライバ150で回転する際に、球体66aが空洞部72内で回転自在であるため、締結部材50の回転力がワイヤ部62に伝達されず、ワイヤ60のワイヤ部62がねじれてしまうことを防止できる。本実施形態のようにワイヤ部62が金属製である場合には、ワイヤ部62のねじれを防止できる効果が一層有効に発揮される。
【0040】
規制部74は、球体66aが空洞部72から外れることを規制する。規制部74は、先端部54の先端に形成されている。具体的には、規制部74は、空洞部72の内径を小さくするように、先端部54の先端から中央側に曲げた形状となっている。これにより、作業者が締結部材50を引いた際に、球体66aが規制部74に引っ掛かるため、球体66aが空洞部72から外れない。この結果、作業者が締結部材50を手前に移動した際に、ワイヤ部62も同様に手前に向かって移動する。
【0041】
上記では、空転機構70が、球体66aが回転自在な空洞部72と、規制部74とを有することとしたが、これに限定されない。締結部材50を回転する際に締結部材50がワイヤ60に対して空転可能であれば、空転機構70は他の構造であってもよい。
【0042】
上記の締結部材50及びワイヤ60を有することによって、作業者は、筐体10を分解しなくてもロックを解除することができる。ワイヤ60は、緩めた締結部材50が筐体10から離れる方向に移動する際に、解除レバー45を引っ張ることにより、ロックを解除するように解除部40を動作させる。
【0043】
図7は、締結部材50を引いた際の解除部40の状態を示す模式図である。作業者は、ここでは緩めた締結部材50の頭部58が磁力で吸着しているドライバ150を筐体10から離れる方向(手前)に引くことで、締結部材50も筐体10から離れる方向に移動する。そして、締結部材50の移動に伴い、締結部材50に連結されたワイヤ60も手前に移動する。ワイヤ60が、締結部材50に引っ張られて前壁13の貫通穴13cを通過する際に、解除レバー45を引っ張ることで、ロックを解除するように解除部40を動作させることになる。このように、作業者は、ワイヤ60を介して解除レバー45に連結された締結部材50を緩めて引くことで、ロックを解除することができる。
【0044】
解除部40には、
図7に示すように、ワイヤ60の一端部64側の位置をガイドするガイド部47が設けられている。ガイド部47は、ワイヤ60の一端部64側を前壁13の裏面13bの法線方向に沿って延在させる。ガイド部47は、解除レバー45よりも前壁13の裏面13bから離れた位置に設けられている。そして、ガイド部47は、ワイヤ60のワイヤ部62が挿通する中空部を有する。
上記のガイド部47を設けることで、筐体10内のワイヤ60のワイヤ部62がガイド部47で折り返した姿勢を保持しやすくなる。このため、締結部材50を引く際に、ワイヤ部62も貫通穴13cを通過しやすくなるため、解除レバー45を引っ張りやすくなる。
【0045】
<本実施形態における効果>
上述した実施形態の充電ボックス1において、締結部材50は、回転する際にワイヤ60の他端部66に対して空転する空転機構70を有する。そして、ワイヤ60は、緩めた締結部材50が筐体10から離れる方向に移動する際に、ロックを解除するように解除部40を動作させる。
上記の構成の場合には、作業者が締結部材50を緩める際に、締結部材50に連結されたワイヤ60がねじれることを防止できる。そして、作業者が、ワイヤ60がねじれていない状態で締結部材50を手前に引くことで、ワイヤ60が解除部40を動作させてロックを適切に解除できる。この結果、作業者は、筐体10を分解することなく、充電ガン100のロックを手動で解除できる。
【0046】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0047】
1 充電ボックス
10 筐体
13 前壁
13c 貫通穴
20 受電部
30 ロック部
40 解除部
45 解除レバー
47 ガイド部
50 締結部材
54 先端部
60 ワイヤ
66a 球体
70 空転機構
72 空洞部
74 規制部
100 充電ガン
【要約】
【課題】充電ボックスにおけるコネクタのロックを容易に解除できるようにする。
【解決手段】充電ボックスは、筐体10の外方に露出する前壁13に設けられ、外部給電装置のコネクタと連結可能な受電部20と、制御信号を受けて受電部20にコネクタをロックさせるロック部30と、筐体10内に設けられ、ロック部30によるロックを解除する解除部40と、緩められるように前壁13に取り付けられた締結部材50と、長手方向の一端部が解除部40に連結され、他端部が締結部材50に連結されたワイヤ60を備える。締結部材50は、回転する際にワイヤ60の他端部に対して空転する空転機構を有し、ワイヤ60は、緩めた締結部材50が筐体10から離れる方向に移動する際に、ロックを解除するように解除部40を動作させる。
【選択図】
図3