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特許7571863購買要因推定装置、購買要因推定システム、購買要因推定方法、及び、購買要因推定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】購買要因推定装置、購買要因推定システム、購買要因推定方法、及び、購買要因推定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0203 20230101AFI20241016BHJP
【FI】
G06Q30/0203
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023510030
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2021013866
(87)【国際公開番号】W WO2022208738
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】高本 亮
(72)【発明者】
【氏名】オノロ ルビオ ダニエル
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0171534(US,A1)
【文献】特開2016-126648(JP,A)
【文献】特開2010-134733(JP,A)
【文献】特開2015-133033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の人物に関する人物属性情報と、第1の商品に関する商品属性情報とを取得する取得手段と、
前記第1の人物に関する人物属性情報と前記第1の商品に関する商品属性情報とに基づいて、複数の説明変数を含む推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定する推定手段と、
前記推定モデルにおける複数の説明変数のうち、推定結果への寄与度が大きい説明変数の値を推定理由として生成する推定理由生成手段と、
推定された前記第1の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する出力手段と、
を備え、
前記推定モデルは、第2の人物に関する人物属性情報、第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成される、
購買要因推定装置。
【請求項2】
前記出力手段は、前記推定理由として、前記第1の人物に関する人物属性情報と、前記第1の商品に関する商品属性情報との少なくとも一つを出力する
請求項1に記載の購買要因推定装置。
【請求項3】
前記第1の人物及び前記第2の人物に関する属性情報は、前記第1の人物及び前記第2の人物の年齢、性別、職業、収入、国籍、家族構成、趣味、居住地、体型、飲酒有無、喫煙有無、嗜好、行動履歴、の少なくとも一つを含む、
請求項1又は請求項2に記載の購買要因推定装置。
【請求項4】
前記第1の商品及び前記第2の商品に関する属性情報は、前記第1の商品及び前記第2の商品の商品名、商品識別子、種別、量、価格、外観、製造者、販売者、内容量、栄養成分表示、原材料、発売時期、陳列位置、の少なくとも一つを含む、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記第1の人物の興味度合いが所定の条件を満たすような前記第1の人物に関する属性情報を出力する、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記第1の商品に対する前記第1の人物の視線情報を取得し、
前記推定手段は、前記第1の商品に対する前記第1の人物の視線情報に基づいて、前記推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定し、
前記出力手段は、前記第1の人物の視線情報に基づく前記推定理由を出力する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【請求項7】
前記第1の人物及び前記第2の人物の興味度合いに基づいて、前記第1の人物及び前記第2の人物をグループ化するグループ化手段
をさらに備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【請求項8】
前記第2の人物に関する人物属性情報、前記第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係に基づいて、前記推定モデルを生成する生成手段をさらに備える、
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【請求項9】
前記推定モデルは、前記第2の人物に関する人物属性情報と、前記第2の商品に関する商品属性情報と、前記第2の商品を前記第2の人物が購買したか否かとの関係を学習したモデルである、
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【請求項10】
前記第1の商品及び前記第2の商品は新商品であり、
前記推定モデルは、販売実績が基準以上の商品とともに陳列された前記第2の商品に関して学習したモデルである、
請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【請求項11】
第1の人物に関する人物属性情報と、第1の商品に関する商品属性情報とを取得する取得手段と、
前記第1の人物に関する人物属性情報と前記第1の商品に関する商品属性情報とに基づいて、複数の説明変数を含む推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定する推定手段と、
前記推定モデルにおける複数の説明変数のうち、推定結果への寄与度が大きい説明変数の値を推定理由として生成する推定理由生成手段と、
推定された前記第1の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する出力手段と、
を備え、
前記推定モデルは、第2の人物に関する人物属性情報、第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成される、
購買要因推定システム。
【請求項12】
情報処理装置によって、
第1の人物に関する人物属性情報と、第1の商品に関する商品属性情報とを取得し、
前記第1の人物に関する人物属性情報と前記第1の商品に関する商品属性情報とに基づいて、複数の説明変数を含む推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定し、
前記推定モデルにおける複数の説明変数のうち、推定結果への寄与度が大きい説明変数の値を推定理由として生成し、
推定された前記第1の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する、
方法であって、
前記推定モデルは、第2の人物に関する人物属性情報、第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成される、
購買要因推定方法。
【請求項13】
第1の人物に関する人物属性情報と、第1の商品に関する商品属性情報とを取得する取得処理と、
前記第1の人物に関する人物属性情報と前記第1の商品に関する商品属性情報とに基づいて、複数の説明変数を含む推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定する推定処理と、
前記推定モデルにおける複数の説明変数のうち、推定結果への寄与度が大きい説明変数の値を推定理由として生成する推定理由生成処理と、
推定された前記第1の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記推定モデルは、第2の人物に関する人物属性情報、第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成される、
購買要因推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購買要因推定装置、購買要因推定システム、購買要因推定方法、及び、購買要因推定プログラムが格納された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
商品を顧客に販売する事業者にとって、例えば、どのような属性の人がどのような属性の商品に興味を示すのかを分析することは、事業戦略を策定する上で非常に重要である。したがって、そのような分析を支援する技術が期待されている。
【0003】
このような技術に関連する技術として、特許文献1には、商品属性に対してユーザが有する各商品間の嗜好度合いを推定する推定装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、利用者にとって魅力的な商品を特定する特定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2020/170287号
【文献】特開2016-004551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に開示された技術では、顧客が商品を購入した要因を推定することはできない。
【0007】
本発明の主たる目的は、商品の購買要因を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る購買要因推定装置は、第1の人物に関する人物属性情報と、第1の商品に関する商品属性情報とを取得する取得手段と、前記第1の人物に関する人物属性情報と前記第1の商品に関する商品属性情報とに基づいて、推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定する推定手段と、推定された前記第1の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する出力手段と、を備え、前記推定モデルは、第2の人物に関する人物属性情報、第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成される。
【0009】
上記目的を達成する他の見地において、本発明の一態様に係る購買要因推定方法は、情報処理装置によって、第1の人物に関する人物属性情報と、第1の商品に関する商品属性情報とを取得し、前記第1の人物に関する人物属性情報と前記第1の商品に関する商品属性情報とに基づいて、推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定し、推定された前記第1の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する出力する、方法であって、前記推定モデルは、第2の人物に関する人物属性情報、第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成される。
【0010】
また、上記目的を達成する更なる見地において、本発明の一態様に係る購買要因推定プログラムは、第1の人物に関する人物属性情報と、第1の商品に関する商品属性情報とを取得する取得処理と、前記第1の人物に関する人物属性情報と前記第1の商品に関する商品属性情報とに基づいて、推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定する推定処理と、推定された前記第1の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する出力処理と、をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記推定モデルは、第2の人物に関する人物属性情報、第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成される。
【0011】
更に、本発明は、係る購買要因推定プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、顧客が商品を購買した要因を特定できるので、商品の販売拡大に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る購買要因推定装置10の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る視線情報103が示す、商品棚に陳列された商品に対する人物の視線の動きを例示する図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る推定モデル120に含まれるグラフを例示する図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る購買要因推定装置10が推定モデル120を生成する(機械学習を行う)動作を示すフローチャートである。
図5】本発明の第1の実施形態に係る出力部14が推定結果を表示画面200に表示する態様を例示する図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る購買要因推定装置10が推定対象商品に対する推定対象人物の興味度合いを推定する動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の第1の実施形態の変形例に係る購買要因推定システム10Aの構成を示すブロック図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る購買要因推定装置30の構成を示すブロック図である。
図9】本発明の各実施形態に係る購買要因推定装置を実現可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る購買要因推定装置10の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る購買要因推定装置10は、推定対象の人物(顧客)の属性に関する情報、及び、推定対象の商品の属性に関する情報に基づいて、当該商品に対する当該人物の興味度合いを推定し、その推定理由(即ち購買要因)を出力する装置である。
【0016】
購買要因推定装置10には、管理端末装置20が通信可能に接続されている。管理端末装置20は、購買要因推定装置10を使用するユーザが、購買要因推定装置10に対して情報を入力したり、購買要因推定装置10から出力された情報を確認したりする際に使用する、例えばパーソナルコンピュータ、その他の情報処理装置である。管理端末装置20は、購買要因推定装置10から出力された、対象商品に対する対象人物の興味度合いの推定結果及びその推定理由等を表示する表示画面200を備えている。
【0017】
購買要因推定装置10は、取得部11、生成部12、推定部13、出力部14、グループ化部15、及び、推定理由生成部16を備えている。取得部11、生成部12、推定部13、出力部14、及びグループ化部15は、順に、取得手段、生成手段、推定手段、出力手段、及びグループ化手段の一例である。
【0018】
次に、本実施形態に係る購買要因推定装置10が、対象商品に対する対象人物の興味度合いを推定するための推定モデル120を機械学習によって生成あるいは更新する動作と、生成あるいは更新した推定モデル120を用いて対象商品に対する対象人物の興味度合いを推定する動作とのそれぞれについて順番に説明する。
【0019】
<推定モデル120を生成(更新)する動作>
まず、本実施形態に係る購買要因推定装置10が、対象商品に対する対象人物の興味度合いを推定するための推定モデル120を機械学習によって生成あるいは更新する動作について説明する。
【0020】
取得部11は、推定モデル120の生成あるいは更新に使用する学習用の入力情報として、例えば外部のコンピュータ装置あるいはデータベース等(図示せず)に登録されている、人物属性情報101、商品属性情報102、視線情報103、及び、購買実績情報104を取得する。
【0021】
人物属性情報101は、当該データベース等に登録されている学習対象の人物(第2の人物)に関する属性を表す情報である。人物属性情報101は、当該人物に関する、例えば、年齢、性別、職業、収入、国籍、家族構成、趣味、居住地、体型、飲酒有無、喫煙有無、嗜好、行動履歴、の少なくとも一つを含む。職業は、例えば、ホワイトカラーあるいはブルーカラーを含む。家族構成は、例えば、同居人の有無(一人暮らしか否か)、既婚者か否か、子供の有無等を表す。体型は、例えば、体重、BMI(Body Mass Index)の数値、太っているか痩せているか等を表す。尚、人物属性情報101に含まれる項目は、上述の項目に限定されない。
【0022】
商品属性情報102は、当該データベース等に登録されている学習対象の商品(第2の商品)に関する属性を表す情報である。商品属性情報102は、当該商品に関する、例えば、商品名、商品識別子、種別、量、価格、外観、製造者、販売者、内容量、栄養成分、原材料、発売時期、商品棚における陳列位置、の少なくとも一つを含む。尚、商品属性情報102に含まれる項目は、これらに限定されない。
【0023】
視線情報103は、例えば、学習対象の人物の、商品棚に陳列された学習対象の商品に対する視線の動きや視線の滞在時間など(視認パターン)を表す情報である。例えば、視線情報は、視認時間と、視認回数と、視認率などであるが、視線に関する情報であればこれらに限定されないとのうちの少なくとも一つを含む。視線情報103は、後述する通り、学習対象の商品に対する学習対象の人物の興味度合い(興味の高さ)を推定する際に基準として使用可能な情報である。
【0024】
図2は、本実施形態に係る視線情報103が示す、商品棚に陳列された学習対象の商品に対する学習対象の人物の視線の動きを例示する図である。図2に記載する紙面縦方向の1乃至8、及び紙面横方向のA乃至Hは、商品棚における商品の位置を2次元座標により表すために商品棚に付与した値である。尚、以降の説明では、例えば、座標A1に陳列された商品を商品A1と称することとする。
【0025】
図2に例示する視線情報103によれば、学習対象の人物は、まず商品A3を5秒間見た後、視線を商品D4に移動している。当該人物は、次に商品D4を3秒間見た後、視線を商品B5に移動している。当該人物は、その次に商品B5を2秒間見た後、視線を商品F2に移動している。当該人物は、その次に商品F2を7秒間見た後、視線を商品G7に移動している。当該人物は、その次に商品G7を4秒間見ている。
【0026】
上述した視線情報103は、例えば、商品棚の付近に設置された、商品棚を見ている人物の目の動きを撮像可能な監視カメラによって撮像された画像が示す人物の目の動きから、その人物の視線を推定する既存の技術を用いることによって取得可能である。当該既存の技術では、例えば、商品棚と監視カメラと人物との位置関係を取得可能な監視カメラによる画像から、人物の視点の位置を推定する。
【0027】
視線情報103が表す、学習対象の人物が学習対象の商品を見た順番及び時間は、当該人物の当該商品に対する興味度合いを表している。例えば、一般的には、ある人物が見た順番が早い商品、あるいは、当該人物が見た時間が長い商品は、当該人物にとって興味が高い商品であると考えられる。例えば図2に例示する視線情報103によれば、人物が最初に5秒間見た商品A3、及び、当該人物が7秒間見た商品F2は、他の商品と比べて、当該人物にとって興味が高い商品であると推定される。
【0028】
購買実績情報104は、学習対象の人物が学習対象の商品を購入したか否かを表す情報である。ある人物がある商品を購入した場合、当該商品は、当該人物にとって興味が高い商品であると言える。したがって、購買実績情報104も上述した視線情報103と同様に、学習対象の商品に対する学習対象の人物の興味度合いを表す情報である。
【0029】
生成部12は、上述した学習対象の人物に関する人物属性情報101、学習対象の商品に関する商品属性情報102、当該商品に対する当該人物の視線情報103、及び、当該人物による当該商品の購買実績情報104に基づく学習を行うことによって、推定モデル120を生成あるいは更新する。
【0030】
図3は、本実施形態に係る推定モデル120に含まれる、ある人物のある商品に対する興味度合いを表すグラフを例示する図である。
【0031】
図3において、円により表されるノードA乃至C等は人物を表し、ノードX乃至Z等は商品を表す。ノードA乃至C等は、人物属性情報101が表す各人物の属性を含み、ノードX乃至Z等は、商品属性情報102が表す各商品の属性を含む。
【0032】
図3において、人物のノードと商品のノードとを接続する線(エッジ)は、人物の商品に対する興味度合いを表す。例えば、人物Aの商品Xに対する興味度合いは、関数fAX(x,x,・・・,x)として表され、人物Cの商品Zに対する興味度合いは、関数fCZ(x,x,・・・,x)として表される。但し、nは任意の自然数であり、x(iは1乃至nのいずれかの自然数)は、ある人物のある商品に対する興味度合いを推定する際に用いるn個の説明変数である。説明変数xは、人物及び商品の属性に関連する変数である。尚、以降の説明では、説明変数xをまとめて説明変数xと称する場合がある。また、関数fAX及び関数fcz等をまとめて関数fと称する場合がある。
【0033】
生成部12は、取得部11によって取得された、人物属性情報101、商品属性情報102、視線情報103、及び、購買実績情報104に基づいて、説明変数xを決定する。生成部12は、視線情報103及び購買実績情報104によって表される、人物の商品に対する興味度合いをラベルとして学習することによって、推定モデル120を生成あるいは更新する。
【0034】
例えば、人物属性情報101が、図3における人物Aに関して肥満であることを表し、商品属性情報102が、商品Xに関してダイエットに効果がある成分を含むダイエット関連商品であることを表すこととする。そして、視線情報103が、人物Aが商品棚の前で商品Xを長い時間見ていたことを表し、購買実績情報104が、人物Aが商品Xを購入した実績を表すこととする。この場合、生成部12は、人物が肥満であり商品がダイエット関連商品であることを説明変数xとして決定し、その説明変数xを含む関数fAXを生成あるいは更新する。
【0035】
生成部12は、視線情報103及び購買実績情報104が表す、肥満である人物がダイエット関連商品に対する興味が高いことを示す事例が増加するのに伴い、人物が肥満であり商品がダイエット関連商品であることの説明変数xの寄与度が大きくなるように、関数fAXを含む関数fを更新する。但し寄与度は、人物の商品に対する興味度合いを推定する際の重み付けを示す指標である。
【0036】
図3に例示する人物A乃至C等の個々は、一人の人物ではなく、例えば商品に対する興味度合いの傾向が類似する複数の人物を含むグループであってもよい。図1に示すグループ化部15は、学習対象人物の商品に対する興味度合いに基づいて、興味度合いの傾向が類似する複数の人物をグループ化する(クラスタリングを行う)。グループ化部15は、例えば、人物属性情報101が示す属性が類似する複数の人物をグループ化してもよい。
【0037】
グループ化部15は、上述の通りに人物をグループ化した結果を生成部12に通知する。生成部12は、グループ化部15によるグループ化した結果に基づいて、推定モデル120に含まれる複数の人物を、1つのグループとして管理してもよい。
【0038】
次に図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係る購買要因推定装置10が推定モデル120を生成する(機械学習を行う)動作(処理)について詳細に説明する。
【0039】
取得部11は、学習対象に関する、人物属性情報101、商品属性情報102、視線情報103、購買実績情報104を、外部から取得する(ステップS101)。生成部12は、視線情報103及び購買実績情報104によって表される、ある属性の人物のある属性の商品に対する興味度合いを求める(ステップS102)。
【0040】
生成部12は、求めた興味度合いに基づいて、ある属性の人物のある属性の商品に対する興味度合いを推定する際に用いる説明変数xを決定する(ステップS103)。生成部12は、取得部11によって取得された上述の情報に基づいて、ある属性の人物のある属性の商品に対する興味度合いを説明変数xにより表す関数fを生成あるいは更新することによって、推定モデル120を生成あるいは更新し(ステップS104)、全体の処理は終了する。
【0041】
<推定対象の商品に対する推定対象の人物の興味度合いを推定する動作>
次に、本実施形態に係る購買要因推定装置10が、上述の通りに生成あるいは更新した推定モデル120を用いて、推定対象の商品(第1の商品)に対する推定対象の人物(第1の人物)の興味度合いを推定する動作について説明する。
【0042】
取得部11は、推定対象の人物に関する人物属性情報101、及び、推定対象の商品に関する商品属性情報102を、外部の装置から取得する。
【0043】
推定部13は、取得部11により取得された人物属性情報101、及び、商品属性情報102に基づいて、推定モデル120を用いて、推定対象の商品に対する推定対象の人物の興味度合いを推定する。
【0044】
興味度合いは、対象商品に対する顧客の興味を示す情報である。例えば、興味度合いは、興味の有無、対象商品に対する興味のレベル(例えば、興味の高中低の3段階)、購買するか否か、などを含む。また、興味度合いは、10段階等による評価やパーセンテージなどで表される数値であってもよい。
【0045】
例えば、推定対象の人物が図3に例示する人物Aであり、推定対象の商品が商品Xであることとする。この場合、推定部13は、人物属性情報101が表す人物Aの属性、及び、商品属性情報102が表す商品Xの属性から、図3に例示する関数fAXに含まれる説明変数xの値を特定し、特定した説明変数xの値と関数fAXとを用いて、商品Xに対する人物Aの興味度合いを推定する。
【0046】
推定部13は、推定対象の商品に対する推定対象の人物の興味度合いを推定した結果を、出力部14に通知する。推定理由生成部16は、その推定部13による推定の推定理由を生成し、生成した推定理由を、出力部14に通知する。推定理由は、例えば、上述した興味度合いの推定において、寄与度が大きい説明変数xの値を表す。個々の説明変数xの寄与度は、関数fにおいて、例えば説明変数xの係数として表され、寄与度が大きいほど当該係数の値も大きな値となる。推定理由生成部16は、機械学習により構築された推定モデルを用いた推定における推定理由を、例えば、説明可能なAI(Artificial Intelligence)に関する既存の技術を用いることによって取得可能である。
【0047】
出力部14は、推定部13から通知された推定対象の商品に対する推定対象の人物の興味度合いを推定した結果、及び、推定理由生成部16から通知されたその推定理由を、管理端末装置20に出力する。出力部14は、興味度合いの推定結果及びその推定理由を、ファイルとして出力してもよい。管理端末装置20は、出力部14から出力された情報を、表示画面200に表示する。
【0048】
図5は、本実施形態に係る出力部14から出力された、推定対象の商品に対する推定対象の人物の興味度合いを推定した結果及びその推定理由が表示画面200に表示される態様を例示する図である。
【0049】
図5に示す例では、管理端末装置20は、推定部13による推定結果として、商品Xに対する人物Aの興味は高いことを表示画面200に表示している。そして、管理端末装置20は、その推定理由として、
「1.人物Aの肥満度は高く、商品Xはダイエットに効果がある成分を含む。」、
「2.人物Aは新商品へ関心が高く、商品Xは1か月前に発売された新商品である。」、
「3.人物Aは20代であり、商品Xは若い世代への人気が高い。」、
ということを表示画面200に表示している。管理端末装置20は、例えば、寄与度が大きい説明変数xに関する推定理由から順番に表示画面200に表示するようにしてもよい。
【0050】
また、図5に示す例では、管理端末装置20は、推定部13による推定結果として、商品Xに対する人物Bの興味は低いこと、及びその推定理由を、表示画面200に表示している。
【0051】
また、推定対象の商品に対する推定対象の人物の興味度合いを推定した結果及びその推定理由が表示画面200に表示される態様は、図5に例示するような文章による箇条書きに限定されない。管理端末装置20は、例えば、推定理由ごとの寄与度の大きさを、図3に例示するような図を用いて表示してもよいし、あるいは、棒グラフや円グラフ等を用いて表示してもよい。
【0052】
また、推定部13は、推定モデル120において、ある推定対象の商品に対する興味度合いが所定の条件(例えば閾値以上である等)を満たすような1以上の人物を特定し、特定した人物の属性情報を抽出してもよい。そして、管理端末装置20は、推定部13によって上述の通りに抽出された人物の属性情報を、表示画面200に表示してもよい。例えば、商品Xに対する人物の興味の高さが、図5に例示するような状況である場合、管理端末装置20は、例えば、「商品Xに対する興味が高い人物は、肥満度が高い人物、新商品への関心が高い人物、年齢が20代である人物である。」ということを、表示画面200に表示する。
【0053】
また、生成部12が、グループ化部15によるグループ化した結果に基づいて、推定モデル120に含まれる複数の人物を、1つのグループとして管理している場合、推定部13は、例えば推定対象の人物が含まれるグループを特定することによって、当該人物の興味度合いを推定してもよい。推定部13は、当該人物に関する人物属性情報101に基づいて、当該人物がどのグループに含まれるのかを特定可能である。あるいは、取得部11が、推定対象のグループに関する人物属性情報101を取得した場合、推定部13は、個人ではなくグループを単位とした、推定対象の商品に対する興味度合の推定を行ってもよい。
【0054】
また、取得部11が推定対象の人物に関する視線情報103を外部の装置から取得することにより、推定部13は、取得された視線情報103と推定モデル120とを用いて、推定対象の商品に対する当該人物の興味度合いを推定してもよい。尚、この場合、生成部12は、視線情報103に関連する説明変数xを含む推定モデル120を生成あるいは更新することとする。この場合、出力部14は、商品Xに対する人物Aの興味が高いことの推定理由として、例えば、「人物Aは商品棚の前で商品Xを10秒間見ていた。」ということ表示画面200に表示する。
【0055】
次に図6のフローチャートを参照して、本実施形態に係る購買要因推定装置10が推定対象商品に対する推定対象人物の興味度合いを推定する動作(処理)について詳細に説明する。
【0056】
取得部11は、推定対象に関する、人物属性情報101、及び、商品属性情報102を取得する(ステップS201)。推定部13は、取得部11によって取得された人物属性情報101及び商品属性情報102、及び、推定モデル120に基づいて、推定対象商品に対する推定対象人物の興味度合いを推定する(ステップS202)。推定理由生成部130は、当該興味度合いの推定理由を生成する(ステップS203)。出力部14は、推定部13による推定対象商品に対する推定対象人物の興味度合いの推定結果及びその推定理由を、管理端末装置20に出力し(ステップS204)、全体の処理は終了する。
【0057】
本実施形態に係る購買要因推定装置10は、顧客が商品を購買した要因を特定できるので、商品の販売拡大に寄与することができる。その理由は、購買要因推定装置10は、人物属性情報101及び商品属性情報102と、視線情報103によって表される商品に対する人物の興味度合いとの関係を学習した推定モデル120を用いて、推定対象の興味度合いを推定し、その推定理由を出力するからである。
【0058】
以下に、本実施形態に係る購買要因推定装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0059】
例えば新商品等の販売を拡大するための戦略策定において、どのような属性の人が新商品に興味を示すのかに加えて、その購買に大きく寄与する要因を分析することは、非常に重要である。しかしながら、顧客が商品を購買した要因を特定することは困難であり、商品の販売拡大に支障をきたす場合がある。
【0060】
このような問題に対して、本実施形態に係る購買要因推定装置10は、取得部11と、推定部13と、出力部14と、を備え、例えば図1乃至図6を参照して上述した通り動作する。即ち、取得部11は、推定対象の人物(第1の人物)に関する人物属性情報101と、推定対象の商品(第1の商品)に関する商品属性情報102とを取得する。推定部13は、当該推定対象の人物に関する人物属性情報101と当該推定対象の商品に関する商品属性情報102とに基づいて、推定モデル120を用いて、当該推定対象の商品に対する当該推定対象の人物の興味度合いを推定する。出力部14は、推定された当該推定対象の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する。そして、推定モデル120は、学習対象の人物(第2の人物)に関する人物属性情報101、学習対象の商品(第2の商品)に関する商品属性情報102、及び当該学習対象の商品に対する当該学習対象の人物の視線情報103と、当該学習対象の商品に対する当該学習対象の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成されたモデルである。
【0061】
即ち、本実施形態に係る購買要因推定装置10は、人物属性情報101及び商品属性情報102と、視線情報103によって表される商品に対する人物の興味度合いとの関係を学習した推定モデル120を用いて、推定対象の商品に対する推定対象の人物の興味度合いを推定し、その推定理由を出力する。これにより、購買要因推定装置10は、顧客が商品を購買した要因を特定できるので、商品の販売拡大に寄与することができる。
【0062】
また、本実施形態に係る購買要因推定装置10は、推定対象の人物の興味度合いが所定の条件を満たすような推定対象の人物に関する属性情報を出力する。これにより、購買要因推定装置10は、どのような属性の人物が対象商品に対して高い興味を持っているのかを、わかりやすくユーザに提示することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る購買要因推定装置10は、学習対象及び推定対象の人物の商品に対する興味度合いに基づいて、学習対象及び推定対象の人物をグループ化する(クラスタリングを行う)機能を備える。これにより、購買要因推定装置10は、商品に対する興味度合いの特性が類似する人物をまとめて扱うので、購買要因の推定を効率的に行うことができる。
【0064】
また、本実施形態に係る購買要因推定装置10の学習対象及び推定対象の商品は、新商品であってもよい。そして、推定モデル120は、販売実績が基準(例えば閾値)以上である売れ筋の競合商品とともに商品棚に陳列された学習対象の商品に関して学習したモデルでもよい。この場合、購買要因推定装置10は、新商品が売れ筋の競合商品とともに商品棚に陳列された状態において、消費者(人物)の視線情報103を用いて、新商品に対する消費者の興味度合いを学習する。これにより、購買要因推定装置10は、当該新商品を開発した企業による、売れ筋の競合商品に対する新商品の競争力の分析を、適切に支援することができる。
【0065】
また、上述した本実施形態に係る購買要因推定装置10によって実現される機能は、複数の情報処理装置によって構成されたシステムによって実現されてもよい。
【0066】
図7は、本実施形態の変形例に係る購買要因推定システム10Aの構成を示すブロック図である。購買要因推定システム10Aの機能は、上述した購買要因推定装置10と同等である。購買要因推定システム10Aは、それぞれが情報処理装置である、取得装置11A、生成装置12A、推定装置13A、出力装置14A、グループ化装置15A、及び、推定理由生成装置16Aを備える。取得装置11A、生成装置12A、推定装置13A、出力装置14A、グループ化装置15A、及び、推定理由生成装置16Aは、順に、上述した取得部11、生成部12、推定部13、出力部14、グループ化部15、及び、推定理由生成部16と同等の機能を備える。取得装置11A、生成装置12A、推定装置13A、出力装置14A、グループ化装置15A、及び、推定理由生成装置16Aは、互いに通信可能に接続されている。
【0067】
また、購買要因推定システム10Aの構成は、購買要因推定装置10の個々の構成要素に相当する情報処理装置を備える構成に限定されない。購買要因推定システム10Aは、例えば、購買要因推定装置10の複数の構成要素を1つの情報処理装置として備えてもよい。
【0068】
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態に係る購買要因推定装置30の構成を示すブロック図である。購買要因推定装置30は、取得部31、推定部32、及び、出力部33を備える。但し、取得部31、推定部32、出力部33は、順に、取得手段、推定手段、出力手段の一例である。
【0069】
取得部31は、第1の人物(推定対象の人物)に関する人物属性情報301と、第1の商品(推定対象の商品)に関する商品属性情報302とを取得する。人物属性情報301は、例えば、第1の実施形態に係る推定対象の人物に関する人物属性情報101と同様な情報である。商品属性情報302は、例えば、第1の実施形態に係る推定対象の商品に関する商品属性情報102と同様な情報である。取得部31は、例えば、第1の実施形態に係る取得部11と同様に動作する。
【0070】
推定部32は、当該第1の人物に関する人物属性情報301と当該第1の商品に関する商品属性情報302とに基づいて、推定モデル320を用いて、当該第1の商品に対する当該第1の人物の興味度合い331を推定する。推定モデル320は、例えば、第1の実施形態に係る推定モデル120と同様なモデルである。推定部32は、例えば、第1の実施形態に係る推定部13と同様に動作する。
【0071】
出力部33は、推定された当該第1の人物の興味度合い331とその推定理由332とを出力する。出力部33は、例えば、第1の実施形態に係る出力部14と同様に動作する。
【0072】
推定モデル320は、第2の人物(学習対象の人物)に関する人物属性情報321、第2の商品(学習対象の商品)に関する商品属性情報322、及び当該第2の商品に対する当該第2の人物の視線情報323と、当該第2の商品に対する当該第2の人物の興味度合い324と、の関係を学習して生成される。人物属性情報321は、例えば、第1の実施形態に係る学習対象の人物に関する人物属性情報101と同様な情報である。商品属性情報322は、例えば、第1の実施形態に係る学習対象の商品に関する商品属性情報102と同様な情報である。視線情報323は、例えば、第1の実施形態に係る学習対象の人物に関する視線情報103と同様な情報である。興味度合い324は、例えば、第1の実施形態と同様に、視線情報323から求められる。推定モデル320は、例えば、第1の実施形態に係る生成部12が推定モデル120を生成するのと同様な手順によって生成される。
【0073】
本実施形態に係る購買要因推定装置30は、顧客が商品を購買した要因を特定できるので、商品の販売拡大に寄与することができる。その理由は、購買要因推定装置30は、人物属性情報321及び商品属性情報322と、視線情報323によって表される商品に対する人物の興味度合い324との関係を学習した推定モデル320を用いて、推定対象の興味度合い331を推定し、その推定理由332を出力するからである。
【0074】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において図1に示した購買要因推定装置10、あるいは、図7に示した購買要因推定装置30における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、図1及び図7において、少なくとも、下記構成は、ソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・取得部11及び31、
・生成部12、
・推定部13及び32、
・出力部14及び33、
・グループ化部15、
・推定理由生成部16。
【0075】
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、図9を参照して説明する。
【0076】
図9は、本発明の第1の実施形態に係る購買要因推定装置10あるいは第2の実施形態に係る購買要因推定装置30を実現可能な情報処理装置900(コンピュータシステム)の構成を例示的に説明する図である。即ち、図9は、図1及び図7に示した購買要因推定装置10及び30を実現可能な少なくとも1つのコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。
【0077】
図8に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えているが、下記のうちの一部の構成要素を備えない場合もある。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・外部装置との通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD-ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニターやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
【0078】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。情報処理装置900は、CPU901に加えてGPU(Graphical_Processing_Unit)(不図示)を備えてもよい。
【0079】
そして、上述した実施形態を例に説明した本発明は、図9に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(図1及び図7)における上述した構成、或いはフローチャート(図4及び図6)の機能である。本発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0080】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD-ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0081】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0082】
尚、上述した各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。しかしながら、上述した各実施形態により例示的に説明した本発明は、以下には限られない。
【0083】
(付記1)
第1の人物に関する人物属性情報と、第1の商品に関する商品属性情報とを取得する取得手段と、
前記第1の人物に関する人物属性情報と前記第1の商品に関する商品属性情報とに基づいて、推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定する推定手段と、
推定された前記第1の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する出力手段と、
を備え、
前記推定モデルは、第2の人物に関する人物属性情報、第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成される、
購買要因推定装置。
【0084】
(付記2)
前記出力手段は、前記推定理由として、前記第1の人物に関する人物属性情報と、前記第1の商品に関する商品属性情報との少なくとも一つを出力する
付記1に記載の購買要因推定装置。
【0085】
(付記3)
前記第1及び第2の人物に関する属性情報は、前記第1及び第2の人物の年齢、性別、職業、収入、国籍、家族構成、趣味、居住地、体型、飲酒有無、喫煙有無、嗜好、行動履歴、の少なくとも一つを含む、
付記1又は付記2に記載の購買要因推定装置。
【0086】
(付記4)
前記第1及び第2の商品に関する属性情報は、前記第1及び第2の商品の商品名、商品識別子、種別、量、価格、外観、製造者、販売者、内容量、栄養成分表示、原材料、発売時期、陳列位置、の少なくとも一つを含む、
付記1から付記3のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【0087】
(付記5)
前記出力手段は、前記第1の人物の興味度合いが所定の条件を満たすような前記第1の人物に関する属性情報を出力する、
付記1乃至付記4のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【0088】
(付記6)
前記取得手段は、前記第1の商品に対する前記第1の人物の視線情報を取得し、
前記推定手段は、前記第1の商品に対する前記第1の人物の視線情報に基づいて、前記推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定し、
前記出力手段は、前記第1の人物の視線情報に基づく前記推定理由を出力する、
付記1乃至付記5のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【0089】
(付記7)
前記第1及び第2の人物の興味度合いに基づいて、前記第1及び第2の人物をグループ化するグループ化手段
をさらに備える付記1乃至付記6のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【0090】
(付記8)
前記第2の人物に関する人物属性情報、前記第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係に基づいて、前記推定モデルを生成する生成手段をさらに備える、
付記1乃至付記7のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【0091】
(付記9)
前記推定モデルは、前記第2の人物に関する人物属性情報と、前記第2の商品に関する商品属性情報と、前記第2の商品を前記第2の人物が購買したか否かとの関係を学習したモデルである。
【0092】
付記1乃至付記8のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【0093】
(付記10)
前記第1及び第2の商品は新商品であり、
前記推定モデルは、販売実績が基準以上の商品とともに陳列された前記第2の商品に関して学習したモデルである、
付記1乃至付記9のいずれか一項に記載の購買要因推定装置。
【0094】
(付記11)
第1の人物に関する人物属性情報と、第1の商品に関する商品属性情報とを取得する取得手段と、
前記第1の人物に関する人物属性情報と前記第1の商品に関する商品属性情報とに基づいて、推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定する推定手段と、
推定された前記第1の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する出力手段と、
を備え、
前記推定モデルは、第2の人物に関する人物属性情報、第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成される、
購買要因推定システム 。
【0095】
(付記12)
情報処理装置によって、
第1の人物に関する人物属性情報と、第1の商品に関する商品属性情報とを取得し、
前記第1の人物に関する人物属性情報と前記第1の商品に関する商品属性情報とに基づいて、推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定し、
推定された前記第1の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する出力する、
方法であって、
前記推定モデルは、第2の人物に関する人物属性情報、第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成される、
購買要因推定方法 。
【0096】
(付記13)
第1の人物に関する人物属性情報と、第1の商品に関する商品属性情報とを取得する取得処理と、
前記第1の人物に関する人物属性情報と前記第1の商品に関する商品属性情報とに基づいて、推定モデルを用いて、前記第1の商品に対する前記第1の人物の興味度合いを推定する推定処理と、
推定された前記第1の人物の興味度合いとその推定理由とを出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記推定モデルは、第2の人物に関する人物属性情報、第2の商品に関する商品属性情報、及び前記第2の商品に対する前記第2の人物の視線情報と、前記第2の商品に対する前記第2の人物の興味度合いと、の関係を学習して生成される、
購買要因推定プログラムが格納された記録媒体 。
【符号の説明】
【0097】
10 購買要因推定装置
10A 購買要因推定システム
101 人物属性情報
102 商品属性情報
103 視線情報
104 購買実績情報
11 取得部
11A 取得装置
12 生成部
12A 生成装置
120 推定モデル
13 推定部 13A 推定装置
14 出力部
14A 出力装置
15 グループ化部
15A グループ化装置
16 推定理由生成部
16A 推定理由生成装置
20 管理端末装置
200 表示画面
30 購買要因推定装置
301 人物属性情報
302 商品属性情報
31 取得部
32 推定部
320 推定モデル
321 人物属性情報
322 商品属性情報
323 視線情報
324 興味度合い
33 出力部
331 興味度合い
332 推定理由
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9