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特許7571868マスタ装置、放送システム、マスタ装置の制御方法及びプログラム
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  • 特許-マスタ装置、放送システム、マスタ装置の制御方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】マスタ装置、放送システム、マスタ装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/266 20110101AFI20241016BHJP
【FI】
H04N21/266
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023512603
(86)(22)【出願日】2021-04-08
(86)【国際出願番号】 JP2021014891
(87)【国際公開番号】W WO2022215226
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】本間 康文
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 和昭
(72)【発明者】
【氏名】松浦 二享
(72)【発明者】
【氏名】田上 奈々海
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-120414(JP,A)
【文献】特開2001-008060(JP,A)
【文献】特開2009-278320(JP,A)
【文献】花田 彰, 保坂 岳, 野田 万太郎,データ放送 制作・送出設備の更新,放送技術 8月号,兼六館出版株式会社 西村 瓊江,2011年08月01日,p119-134
【文献】角 健二郎, 山本 修, 相川 満男, 坂 豪造, 手林 新, 宮内 裕二, 鶴岡 秀展,特集 テレビ東京/BSジャパン 新本社の放送設備 ●テレビ東京/BSジャパン 統合マスター,放送技術,兼六館出版株式会社 西村 瓊江,2017年02月01日,p66-81
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の放送局の番組編成データを取得する取得手段と、
前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理する管理手段と、
前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成する生成手段と、
前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する送出手段と、
を備え、
前記生成手段は、前記番組編成データに含まれる番組ごとに、前記番組に対応する動画コンテンツを用いて前記コンテンツを生成する、
マスタ装置。
【請求項2】
前記管理手段は、前記放送局ごとに前記放送局を識別する放送局識別情報を割り当て、前記放送局識別情報と前記番組編成データとを関連付けて管理する、
請求項1に記載のマスタ装置。
【請求項3】
前記取得手段は、広告コンテンツを取得し、
前記生成手段は、前記番組編成データ及び前記広告コンテンツを用いて前記コンテンツを生成する、
請求項1又は2に記載のマスタ装置。
【請求項4】
前記番組編成データは、番組内の広告識別情報を含み、
前記生成手段は、前記番組編成データの広告識別情報に基づいて、前記コンテンツに前記広告コンテンツを挿入する、
請求項に記載のマスタ装置。
【請求項5】
複数の放送局の番組編成データを取得する取得手段と、
前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理する管理手段と、
前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成する生成手段と、
前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する送出手段と、
を備え、
前記取得手段は、広告コンテンツを取得し、
前記生成手段は、前記番組編成データ及び前記広告コンテンツを用いて前記コンテンツを生成する、
マスタ装置。
【請求項6】
前記管理手段は、前記放送局ごとに前記放送局を識別する放送局識別情報を割り当て、前記放送局識別情報と前記番組編成データとを関連付けて管理する、
請求項5に記載のマスタ装置。
【請求項7】
前記番組編成データは、番組内の広告識別情報を含み、
前記生成手段は、前記番組編成データの広告識別情報に基づいて、前記コンテンツに前記広告コンテンツを挿入する、
請求項5に記載のマスタ装置。
【請求項8】
複数の放送局の放送局システムと
マスタ装置と
前記複数の放送局システム及び前記マスタ装置における処理の流れを示す放送業務フローを管理する放送業務管理装置と、を備え、
前記マスタ装置は、
複数の放送局の番組編成データを取得する取得手段と、
前記取得された番組編成データを放送局ごとに管理する管理手段と、
前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成する生成手段と、
前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する送出手段と、を備える、
放送システム。
【請求項9】
複数の放送局の番組編成データを取得し、
前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理し、
前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成し、
前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出さらに、
前記番組編成データに含まれる番組ごとに、前記番組に対応する動画コンテンツを用いて前記コンテンツを生成する、
マスタ装置の制御方法。
【請求項10】
複数の放送局の番組編成データを取得し、
前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理し、
前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成し、
前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出し、さらに、
広告コンテンツを取得し、
前記番組編成データ及び前記広告コンテンツを用いて前記コンテンツを生成する、
マスタ装置の制御方法。
【請求項11】
複数の放送局の番組編成データを取得し、
前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理し、
前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成し、
前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出さらに、
前記番組編成データに含まれる番組ごとに、前記番組に対応する動画コンテンツを用いて前記コンテンツを生成する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
複数の放送局の番組編成データを取得し、
前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理し、
前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成し、
前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出し、さらに、
広告コンテンツを取得し、
前記番組編成データ及び前記広告コンテンツを用いて前記コンテンツを生成する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマスタ装置、放送システム、マスタ装置の制御方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
放送局の運営には多額の設備投資や運用経費が必要である。これまでに、放送局は多額の投資による自営設備を構築して運営してきた。例えば、建物を含めないと小規模ローカル局でも数十億円程度の投資が必要である。また、ネット同時配信であっても、コンテンツの制作や送出の設備が必要なため、簡単に参入することはできない。特許文献1では、映像・音声信号素材とコンテンツ素材とからなるデジタル放送番組の番組コンテンツを送出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-267538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、番組コンテンツを送出する送出マスタを複数の放送局で運用できないという課題があった。その場合、例えば、設備の導入コストや運用コストなどから送出マスタを効率的に運用することができない。
本開示では、そのような課題を鑑みることによって、複数の放送局で運用できるマスタ装置、放送システム、マスタ装置の制御方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のマスタ装置は、複数の放送局の番組編成データを取得する取得手段と、前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理する管理手段と、前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成する生成手段と、前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する送出手段と、を備える。
【0006】
本開示の放送システムは、複数の放送局の放送局システムとマスタ装置とを備え、前記マスタ装置は、複数の放送局の番組編成データを取得する取得手段と、前記取得された番組編成データを放送局ごとに管理する管理手段と、前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成する生成手段と、前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する送出手段と、を備える。
【0007】
本開示のマスタ装置の制御方法は、複数の放送局の番組編成データを取得し、前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理し、前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成し、前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する。
【0008】
本開示の非一時的なコンピュータ可読媒体は、複数の放送局の番組編成データを取得し、前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理し、前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成し、前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する、処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納する。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、複数の放送局で運用できるマスタ装置、放送システム、マスタ装置の制御方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係るマスタ装置の構成を示すブロック図である。
図2】第2の実施形態に係る放送システムの構成を示すブロック図である。
図3】第2の実施形態に係る放送局システムの処理を示す模式図である。
図4】第2の実施形態に係るマスタ装置の情報管理方法を示す模式図である。
図5】第2の実施形態に係るマスタ装置の動作を示すフローチャートである。
図6】第2の実施形態に係るマスタ装置に記憶される番組編成データの一例を示すテーブルである。
図7】第2の実施形態に係るマスタ装置に記憶される番組編成データの一例を示すテーブルである。
図8】第3の実施形態に係る放送システムの構成を示すブロック図である。
図9】第3の実施形態に係る放送業務管理装置の動作を示すフローチャートである。
図10】第3の実施形態に係る放送業務管理装置に記憶される放送業務フローの一例を示すテーブルである。
図11】第4の実施形態に係る放送システムの構成を示すブロック図である。
図12】本実施形態に係るコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
また、「コンテンツ」とは、例えば映像、音声付ストリーミング動画番組又はVOD(Video On Demand)動画番組のことを示す。本開示では、「コンテンツ」は、主にストリーミング動画番組を示す。
【0012】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて第1の実施形態に係るマスタ装置11の構成を説明する。
マスタ装置11は、取得手段111、管理手段112、生成手段113及び送出手段114を備える。取得手段111は、複数の放送局の番組編成データを取得する。管理手段112は、取得された番組編成データを放送局ごとに管理する。生成手段113は、管理された番組編成データを用いて放送局ごとのコンテンツを生成する。送出手段114は、生成されたコンテンツを、コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する。
【0013】
第1の実施形態に係るマスタ装置11は、放送局ごとに、番組編成データの管理やコンテンツの生成を実行できる。したがって、マスタ装置11は、複数の放送局で運用されることができ、例えば、設備の導入コストや運用コストの低減を図ることができる。また、複数の放送局が参加するとスケールメリットが期待できる。
【0014】
(第2の実施形態)
まず、図2を用いて、第2の実施形態に係る放送システム200の構成を説明する。放送システム200は、送出マスタシステム1、番組割付データサーバ(番組割付処理装置)2、広告割付データサーバ(広告割付処理装置)3、送出データサーバ4、CMバンク(広告蓄積装置)5、本編サーバ(本編処理装置)6、本編バンク7及び端末8を備える。
【0015】
送出マスタシステム1は、マスタ装置11、エンコーダ12、オリジンサーバ13及びアーカイブ14を備え、クラウド上の仮想空間に設置される。
マスタ装置11は、取得手段111、管理手段112、生成手段113及び送出手段114を備える。
【0016】
取得手段111は、送出データサーバ5から放送局の番組編成データを取得する。番組編成データは、番組をどの時間帯で編成するかを示す情報であり、例えば放送する番組のスケジュールを示す番組表である。番組編成データには、番組枠が存在し、番組が挿入される番組枠と番組枠との間には、広告が挿入される広告枠が存在する。また、番組枠内では、本編が挿入される本編枠が存在し、本編枠と本編枠の間に広告枠が存在する。また、取得手段111は、本編ファイルを本編バンク7から取得する。また、取得手段111は、広告コンテンツをCMバンク5から取得する。
【0017】
管理手段112は、取得された番組編成データを放送局ごとに管理する。管理手段112は、放送局ごとに放送局を識別する放送局識別情報(以下、放送局ID(Identical Factor))を割り当て、放送局IDと番組編成データとを関連付けて図4で後述する共通データサーバ22において管理する。なお、放送局IDは、放送局に限られず、個人のIDとしてもよい。
【0018】
生成手段113は、管理された番組編成データを用いて放送局ごとのコンテンツを生成する。具体的には、生成手段113は、番組編成データに従って、本編バンク7から取得された本編データを組み合わせることによって、番組コンテンツを生成する。生成手段113は、生成した番組コンテンツをエンコーダ12に供給する。
【0019】
エンコーダ12は、CMバンク5から取得した広告コンテンツとマスタ装置11から取得した番組コンテンツとを用いて視聴者に送出するコンテンツを生成する。具体的には、エンコーダ12は、番組コンテンツに含まれる広告の枠に対応する広告コンテンツをコンテンツに挿入する。そして、エンコーダ12は、コンテンツのデータ形式の変更や圧縮など符号化し、符号化されたコンテンツをオリジンサーバ13に供給する。
【0020】
オリジンサーバ13は、符号化されたコンテンツをエンコーダ12から取得する。オリジンサーバ13は、インターネットなどのネットワークを介し、コンテンツを視聴者の端末8へ送出する。オリジンサーバ13は、例えば、コンテンツを端末8にストリーミングによって送出する。また、オリジンサーバ13は、取得したコンテンツを記憶していてもよい。
アーカイブ14は、マスタ装置11から取得したコンテンツを記憶する。記憶されたコンテンツは、例えばVODサービスに用いられる。
【0021】
なお、マスタ装置11は、エンコーダ12、オリジンサーバ13、アーカイブ14の機能を有していてもよい。例えば、取得手段111は、広告コンテンツをCMバンク5から取得してもよい。また、生成手段113は、番組編成データ及び取得した広告コンテンツを用いてコンテンツを生成してもよい。具体的には、生成手段113は、番組編成データの広告識別情報に基づいて、コンテンツに広告コンテンツを挿入してもよい。また、送出手段114は、端末8から視聴する放送局を示す視聴放送局情報を取得し、視聴放送局情報に対応するコンテンツを、エンコーダ12に供給し、端末8へストリーミングによって送出してもよい。
【0022】
また、送出マスタシステム1は、クラウド上の仮想空間で管理されている。そのため、送出マスタシステム1は放送局ごとに運用できる。本実施形態では、放送システム200は、送出マスタシステム1を含む放送局システム2000を放送局ごとに管理する。具体的には、後述する図3で示す。また、送出マスタシステム1の全ての機能がクラウド上で動作するようにしてもよいし、一部の機能がクラウド上で動作し、残りは物理サーバ上で動作するようにしてもよい。
【0023】
番組割付データサーバ2は、番組編成データを生成し、送出データサーバ4に供給する。ここで、番組割付データサーバ2は、番組編成データの本編枠に後述する本編ファイルを割り付けする。つまり、番組割付データサーバ2は、番組編成データの本編枠と後述する本編ファイルを識別する本編識別情報とを対応付けする。また、番組割付データサーバ2は、広告割付データサーバ3から取得した広告割付情報を用いて、番組編成データにおける番組の広告枠に後述する広告コンテンツを割り付けする。つまり、番組割付データサーバ2は、番組編成データの番組の広告枠と広告コンテンツを識別する広告識別情報とを対応付けする。この結果得られた本編枠と広告枠とで構成されたファイルを本編ファイルと呼ぶ。
【0024】
広告割付データサーバ3は、広告割付情報を生成し、広告割付情報をCMバンク5に供給する。広告割付情報は、番組の広告枠に対してどのような広告コンテンツを割り付けるのかを示す情報である。また、広告割付データサーバ3は、番組割付データサーバ2に広告割付情報を供給する。
送出データサーバ4は、番組割付データサーバ2から番組編成データを取得し、番組編成データを記憶する。そして、送出データサーバ4は、番組編成データを送出マスタシステム1に供給する。
CMバンク5は、広告コンテンツを記憶し、広告コンテンツを送出マスタシステム1に供給する。広告コンテンツとは、番組の前後や番組の途中に挿入され、視聴者に配信される広告のコンテンツを示す。
【0025】
本編サーバ6は、本編ファイルを生成し、本編バンク7に供給する。本編ファイルは、例えば、放送局や個人の制作者によって制作された動画コンテンツによって生成される。
本編バンク7は、本編ファイルを記憶し、記憶された本編ファイルを送出マスタシステム1に供給する。
【0026】
端末8は、スマートフォン、タブレットなどの移動型端末やTV及びPC(Personal Computer)などの固定型の端末である。端末8は、ストリーミングによって送出マスタシステム1のオリジンサーバ13からコンテンツを取得する。例えば、端末8は、専用のアプリケーションを備え、アプリケーションが起動されるとコンテンツを配信可能な放送局一覧を出力し、ユーザによって放送局が選択されると、放送局に対応するコンテンツをオリジンサーバ13から取得し、ディスプレイに出力する。
【0027】
続いて、図3を用いて、第2の実施形態に係る放送局システム2000の処理について説明する。
図3に示すように、放送システム200では、送出マスタシステム1をクラウド上の仮想空間で管理することによって、視聴者にコンテンツを送出するための放送局システム2000を放送局ごとに管理する。具体的には、放送システム200は、放送局システム2000(放送局システム2000a~放送局システム2000n)を放送局ごと(放送局A~放送局N)に管理する。例えば、放送システム200は、放送局A、放送局B、放送局Nを管理する場合、放送局Aに対応する放送局システム2000a、放送局Bに対応する放送局システム2000b、放送局Nに対応する放送局システム2000nを備える。そして、放送システム200では、放送局システム2000は、放送局ごとに端末8に対して放送局に対応するコンテンツを送出する。
【0028】
また、放送システム200において、放送局システム2000の制御にはそれぞれの放送局に対応する局専用端末21(局専用端末21a~局専用端末21n)が用いられる。例えば、放送局システム2000aの制御には、放送局A専用の局専用端末21aが用いられる。放送局システム2000bの制御には、放送局B専用の局専用端末21bが用いられる。放送局システム2000nの制御には、放送局N専用の局専用端末21nが用いられる。ここで、放送局システム2000の制御のためのアクセスは、放送局に対応する局専用端末21以外の端末ではアクセスできない。
【0029】
つまり、放送システム200では、放送局システム2000によって放送局ごとに異なったコンテンツの送出などを実行できる。また、放送システム200では、局専用端末21によって放送局ごとに放送局システム2000の制御を実行できる。
【0030】
続いて、図4を用いて、第2の実施形態に係るマスタ装置11の情報管理方法を説明する。
図4に示すように、共通データサーバ22は、放送局共通のデータサーバであり、クラウド上の仮想空間に設置される。共通データサーバ22は、データの処理やデータの記憶ができるエリア(放送局Aエリア~放送局Fエリア)を放送局ごと(放送局A~放送局F)に有する。当該エリアは、セキュリティで保護されている。共通データサーバ22は、例えば、番組編成データなどを放送局ごとに放送局に対応するエリアに記憶する。
【0031】
放送局に対応するマスタ装置11は、共通データサーバ22における自放送局のエリアと通信する。例えば、放送局Aに対応するマスタ装置11aは、共通データサーバ22の放送局Aエリアと通信する。放送局Bに対応するマスタ装置11b~放送局Fに対応するマスタ装置11fに関しても同様である。ここで、マスタ装置11は、共通データサーバ22における自放送局のエリアから例えば番組編成データなどのデータを取得する。
【0032】
また、放送局に対応する局専用端末21(局専用端末21a~局専用端末21f)は、共通データサーバ22の自放送局のエリアにのみアクセスできる。つまり、放送局に対応する局専用端末21は、共通データサーバ22の自放送局のエリアのデータを閲覧又は処理することができるが、他の放送局のエリアのデータを閲覧又は処理することができない。例えば、放送局Aに対応する局専用端末21aは、共通データサーバ22の放送局Aエリアにアクセスできる。放送局Bに対応する局専用端末21b~放送局Fに対応する局専用端末21fに関しても同様である。
なお、共通データサーバ22では、放送局間での共通仕様に加え、各放送局のエリアにおいて放送局独自仕様となるカスタマイズをおこなってもよい。
【0033】
続いて、図5を用いて、第2の実施形態に係る放送システム200の動作を説明する。
まず、マスタ装置11の取得手段111は、管理手段112から番組編成データを取得する(ステップS101)。ここで、取得手段111は、取得元に応じて放送局IDを特定する。管理手段112は、図6又は図7の一例に示すように、放送局ごとに放送局IDを割り当て、放送局IDと番組編成データとを関連付けて管理している。
【0034】
次に、取得手段111は、本編バンク7から本編ファイルを取得する(ステップS102)。なお、取得手段111は、取得元に応じて放送局IDを特定する。管理手段112は、本編バンク7から取得した本編ファイルを、放送局IDを紐づけて放送局ごとに管理していてもよい。その場合、取得手段111は、管理手段112から本編ファイルを取得してもよい。
【0035】
次に、生成手段113は、番組編成データと本編ファイルとを用いて番組コンテンツを生成する(ステップS103)。具体的には、生成手段113は、番組編成データの本編枠に紐づけられた本編識別情報に従って本編ファイルを組み合わせ、番組コンテンツを生成する。
次に、取得手段111は、CMバンク5から広告コンテンツを取得する(ステップS104)。
【0036】
次に、生成手段113は、番組コンテンツと広告コンテンツとを用いてコンテンツを生成する(ステップS105)。具体的には、番組コンテンツでは、広告識別情報が紐づけられた広告枠は、番組と番組との間に存在する。番組コンテンツの番組内では、広告識別情報が紐づけられた広告枠は、本編と本編との間に存在する。生成手段113は、番組コンテンツに対して広告識別情報に対応する広告コンテンツを挿入することでコンテンツを生成する。
【0037】
次に、送出手段114は、生成されたコンテンツを端末8に送出する(ステップS106)。具体的には、送出手段114は、端末8から視聴する放送局を示す視聴放送局情報を取得し、視聴放送局情報に対応するコンテンツを、端末8へストリーミングによって送出する。
【0038】
続いて、図6を用いて、第2の実施形態に係るマスタ装置11によって管理される番組編成データの一例を説明する。
図6に示すように、マスタ装置11の管理手段112は、放送局ごとに番組編成データを例えばデータテーブルによって管理する。当該テーブルは、放送局IDの項目、番組編成表の項目、備考の項目を含む。放送局IDの項目には、放送局の識別情報が格納される。番組編成表の項目には、番組の番組識別情報又はスポット広告の広告識別情報が格納される。例えば、番組編成表の項目には、視聴者に送出される順番に番組の番組識別情報又はスポット広告の広告識別情報が格納される。備考の項目には、番組又はスポット広告の備考情報が格納されている。備考情報は、再生時間や番組名や広告名などの情報である。データテーブルでは、放送局IDの項目には番組編成表の項目が紐づけられており、番組編成表の項目には備考の項目が紐づけられている。
【0039】
図6に示す一例は次のことを示している。放送局Aの番組編成データは、59分間の番組A、1分間のスポット広告、59分間の番組B、1分間のスポット広告を順に送出する構成であることを示している。
なお、管理手段112におけるデータ管理は、放送局ごとに独立していれば、放送局IDは不要である。
【0040】
続いて、図7を用いて、第2の実施形態に係るマスタ装置11によって管理される番組編成データの一例を説明する。図7では、図6に示す番組A内における編成についての一例である。
図7に示すように、マスタ装置11の管理手段112は、番組編成データを放送局ごとに例えばデータテーブルに管理する。当該テーブルは、放送局IDの項目、コンテンツIDの項目、RAP_TIMEの項目、識別情報の項目、備考の項目を含む。放送局IDの項目には、放送局の識別情報が格納されている。コンテンツIDの項目には、例えば、UMID(Unique Material IDentifier)などの番組の番組識別情報が格納されている。RAP_TIMEの項目は、コンテンツの素材の再生開始時間を示す情報が格納されている。識別情報の項目には、コンテンツの素材である本編の本編識別情報又は提供広告の広告識別情報が格納されている。備考の項目には、素材の備考情報が格納されている。備考情報は、再生時間や素材名や広告名などの情報である。ここで、放送局IDの項目には、コンテンツIDの項目が紐づけられている。コンテンツIDの項目には、RAP_TIMEの項目、識別情報の項目及び備考の項目が紐づけられている。
【0041】
図6に示す一例は次のことを示している。放送局Aの番組Aでは、00(時)00(分)00(秒)に29分の本編(前半)が開始する。00(時)29(分)00(秒)に1分の広告(提供広告)が開始する。00(時)30(分)00(秒)に28分の本編(後半)が開始する。00(時)58(分)00(秒)に1分の広告が開始する。00(時)59(分)00(秒)に番組Aが終了する。
なお、管理手段112におけるデータ管理は、放送局ごとに独立していれば、放送局IDは不要である。
【0042】
第2の実施形態に係る放送システム200は、放送局ごとに、番組編成データなどの管理やコンテンツの生成を実行できる。したがって、放送システム200は、放送局システム2000のように概念的に並列に配置されれば、複数の放送局で運用されることができ、例えば、設備の導入コストや運用コストの低減を図ることができる。また、複数の放送局が参加するとスケールメリットが期待できる。
【0043】
放送システム200は、放送局IDを番組編成データに付与する。よって、放送システム200は、データが放送局毎に独立し、当該データの管理を容易に行うことができる。
放送システム200は、番組編成データにおいて図6に示す番組全体の編成データと、図7に示す番組内の編成データとを共に管理する。放送システム200は、スポット広告の枠と提供広告の枠の区別がなくなり、スポット広告を提供広告の枠に挿入することも可能になる。
【0044】
続いて、図8を用いて、第3の実施形態に係る放送システム300の構成を説明する。
放送システム300は、第2の実施形態に係る放送システム200と比較して、次の構成を備える。放送システム300は、放送業務管理装置31をさらに備える。
また、放送システム300では、放送システム200と比較して、本編サーバ6、本編バンク7及び放送業務管理装置31がさらに、クラウド上の仮想空間で管理されている。ここで、放送局システム3000は、図3に示す放送局システム2000に本編サーバ6、本編バンク7及び放送業務管理装置31をさらに備える放送局システム30000を放送局ごとに管理する。放送局システム30000は、本編ファイルを生成する機能、コンテンツの生成又は送出する機能を放送局ごとに運用管理する。
【0045】
放送業務管理装置31は、放送業務フローを放送局ごとに管理する。放送業務フローは、放送局システム30000及びマスタ装置11の処理の流れを示す。例えば、放送業務フローは、番組などのコンテンツの生成状況などの処理ごとの進捗情報を管理したものである。具体的には、放送業務管理装置31は、番組編成データに従って放送業務フローを生成する。放送業務管理装置31は、生成された放送業務フローを放送局ごとに管理する。また、放送業務管理装置31は、放送業務フローにおける進捗情報に基づいて、放送局システム30000及びマスタ装置11の処理を放送局ごとに制御する。
【0046】
続いて、図9を用いて、第3の実施形態に係る放送システム300の動作を説明する。
まず、放送業務管理装置31は、マスタ装置11から番組編成データを取得する(ステップS201)。次に、放送業務管理装置31は、取得した番組編成データに従って、放送業務フローを生成する(ステップS202)。放送業務フローの情報は、後述する図10に示すテーブルで管理される。
【0047】
次に、放送業務管理装置31は、業務開始指示を行う(ステップS203)。ここで、放送業務管理装置31は、放送業務フローに従って、放送局システム30000及びマスタ装置11の処理を放送局ごとに制御する。例えば、放送業務管理装置31は、放送局Aにおいて番組などのコンテンツの登録が完了していない場合、登録が完了していない番組などのコンテンツを含むコンテンツを放送局Aにおいて放送しないようにマスタ装置11を制御する。そして、業務が終了した後、放送業務管理装置31は、業務終了指示を行う(ステップS204)。なお、放送業務管理装置31は、ステップS204の処理の後、ステップS203の処理に戻り、放送業務フローを更新、変更、削除等をしてもよい。
【0048】
続いて、図10を用いて、第3の実施形態に係る放送業務管理装置31に記憶される放送業務フローの一例を説明する。
放送業務管理装置31は、放送業務フローを放送局ごとに例えばデータテーブルに記憶する。ここで、当該放送業務フローは、放送局システムにおける番組などのコンテンツの生成処理の進捗情報を示す。当該テーブルは、放送局IDの項目、番組の項目、締め切りの項目、素材登録の項目、データ登録の項目を含む。放送局IDの項目には、放送局の識別情報が格納される。番組の項目には、番組の識別情報が格納される。締め切りの項目には、番組の納品の締め切りに関する情報が格納される。素材登録の項目には、番組の素材の登録が済んでいるか否かの情報(済または未)が格納される。データ登録の項目には、素材のデータの登録が済んでいるか否かの情報(済または未)が格納される。
【0049】
図10に示す一例は次のことを示している。放送局Aの放送業務フローは、番組Aの放送業務フローと番組Bの放送業務フローとが管理されている。番組Aの放送業務フローでは、番組Aにおける納品の締め切りが2日前であり、番組Aにおける素材の登録が済んでおり、番組Aにおける素材のデータの登録が済んでいることを示している。また、番組Bの放送業務フローでは、番組Bにおける納品の締め切りが2日前であり、番組Bの素材の登録が済んでおらず、番組Bにおける素材のデータの登録が済んでいないことを示している。なお、放送業務フローにおける番組の納品の締め切りは2日に限られず、各々設定できる。また、放送業務管理装置31は、素材登録及びデータ登録双方が済んだ場合、マスタ装置11を制御し、コンテンツを放送可能としてもよい。
【0050】
放送システム300は、クラウド上の仮想空間に設置された連携管理システム30を備える。したがって、放送システム300は、放送業務フロー等の管理機能、本編ファイルを生成する機能、コンテンツを生成する機能をクラウド化することによって、当該機能の放送局ごとの運用を可能とし、さらに効率的に運用できる。
また、放送システム300は、放送業務管理装置31を有し、放送業務フローの生成又は管理を行う。したがって、放送システム300は、番組生成からコンテンツの送出までの放送業務フローまでを一括で管理し実施することができる。
【0051】
続いて、図11を用いて、第4の実施形態に係る放送システム400の構成を説明する。放送システム400は、第2の実施形態に係る放送システム200と比較して、視聴データ収集装置41、広告割付生成装置42、番組編成生成装置43及び本編生成装置44をさらに備える。また、放送システム400では、放送システム200と比較して、視聴データ収集装置41、広告割付生成装置42、番組編成生成装置43及び本編生成装置44がさらに、クラウド上の仮想空間で管理されている。ここで、放送局システム4000は、図3に示す放送局システム2000に本編サーバ6、本編バンク7、視聴データ収集装置41、広告割付生成装置42、番組編成生成装置43及び本編生成装置44をさらに備える放送局システム40000を放送局ごとに管理する。放送局システム40000は、広告割付を行う機能、番組編成データを生成する機能、本編ファイルを生成する機能、コンテンツを生成又は送出する機能を放送局ごとに運用管理する。
【0052】
視聴データ収集装置41は、視聴者の視聴関連データを端末8から収集する。視聴関連データは、例えば、視聴履歴データまたは視聴者属性データである。視聴属性データは、視聴者の性別、生年、居住地等の属性データである。視聴履歴データは、視聴者が閲覧したコンテンツのジャンルや視聴者のコンテンツの閲覧時間における履歴データを示す。また、視聴関連データは、視聴履歴データまたは視聴者属性データに関連する視聴者行動データである。視聴者行動データは、視聴者の購入行動など行動を示すデータである。
【0053】
広告割付生成装置42は、視聴関連データを視聴データ収集装置41から取得する。広告割付生成装置42は、視聴関連データに基づいて視聴者の視聴傾向または嗜好を分析し、分析結果である視聴分析データを生成する。また、広告割付生成装置42は、番組に広告を割り付けるための条件である広告割付条件データと広告コンテンツとを記憶手段から取得する。広告割付条件データは、広告コンテンツの視聴時間、広告コンテンツを挿入する番組のジャンル、または、広告コンテンツ(商品名)等のスポンサーの要件である。広告割付生成装置42は、視聴分析データと広告割付条件データと広告コンテンツに基づいて、広告割付情報を自動で生成する。具体的には、広告割付生成装置42は、広告割付条件データに基づいて割り付ける広告の候補を選択し、視聴関連データに基づいて選択した広告の候補から割り付ける広告を決定する。例えば、広告割付生成装置42は、番組に対してアクセスの多い視聴者層に対して、当該視聴者層向けの製品の広告を提供し、かつ広告の提供主の影響力の強い地域によって提供する製品の広告を変更する。そして、広告割付生成装置42は、生成された広告割付情報を広告割付データサーバ3又は番組編成生成装置43に供給する。
【0054】
番組編成生成装置43は、視聴関連データを視聴データ収集装置41から取得する。番組編成生成装置43は、視聴関連データを分析し、視聴者の視聴傾向または嗜好を示す視聴分析データを生成する。また、番組編成生成装置43は、放送局の番組編成の方針を示す編成方針データと番組データとを記憶手段から取得する。番組編成生成装置43は、視聴分析データと編成方針データと視聴分析データと番組データとに基づいて、番組編成データを自動で生成する。具体的には、番組編成生成装置43は、編成方針データに基づいて番組の候補を選択し、視聴関連データに基づいて選択した番組の候補から番組編成データに含める番組を決定する。例えば、番組編成生成装置43は、所定の視聴者層のアクセスの多い時間帯に当該視聴者層のアクセスが多い番組を編成した番組編成データを生成し、かつ放送局の編成方針にも対応した番組編成データを生成する。そして、番組編成生成装置43は、生成した番組編成データを番組割付データサーバ2に供給する。なお、番組編成生成装置43は、広告割付生成装置42が生成した広告割付情報を番組編成データに反映してもよい。つまり、番組編成生成装置43は、番組編成データに含まれる広告枠に広告の識別情報を割り付けた状態にしてもよい。
【0055】
本編生成装置44は、視聴関連データを視聴データ収集装置41から取得する。本編生成装置44は、視聴関連データを分析し、視聴者の視聴傾向または嗜好を示す視聴分析データを生成する。また、本編生成装置44は、本編生成条件データを記憶手段から取得する。本編生成条件データは、放送局等の番組制作部門の要件、本編番組のジャンル、または、本編番組の長さを含む。また、本編生成装置44は、複数の動画コンテンツを記憶手段(不図示)から取得する。本編生成装置44は、視聴分析データと本編生成条件データに基づいて、動画コンテンツを結合することで、結合された動画コンテンツを含み、視聴者へ送出する本編ファイルを自動で生成する。具体的には、本編生成装置44は、本編生成条件データに基づいて結合する動画コンテンツの候補を選択し、視聴関連データに基づいて選択した動画コンテンツの候補から結合する動画コンテンツを決定する。例えば、本編生成装置44は、視聴者の視聴傾向または嗜好にあった動画コンテンツを生成し、かつ放送局や本編制作者の要件にも対応した動画コンテンツを生成する。そして、本編生成装置44は、生成された本編ファイルを本編サーバ6に供給する。
【0056】
マスタ装置11は、生成された番組編成データ又は生成された本編ファイルを、放送局IDなどを用いて放送局ごとに管理する。マスタ装置11は、生成された本編ファイルと生成された番組編成データとを用いて放送局ごとのコンテンツを生成する。そして、マスタ装置11は、コンテンツに広告コンテンツを挿入することによってコンテンツを生成する。
【0057】
第4の実施形態に係る放送システム400は、クラウド上の仮想空間に設置された連携管理システム40を備える。したがって、放送システム400は、広告割付を行う機能、番組編成データを生成する機能、本編ファイルを生成する機能など、コンテンツを生成又は送出する機能を全てクラウド化することによって、放送局ごとの運用が可能とし、当該機能を効率的に運用できる。
【0058】
また、放送システム400は、コンテンツの視聴者の情報を分析した結果等を用いて生成した広告割付情報、番組編成データ、本編ファイルを用いてコンテンツを生成する。したがって、放送システム400は、視聴者に対してより効果的なコンテンツを視聴者に送出できる。また、放送システム400は、スポンサーや放送局の要件等を用いて生成した広告割付情報、番組編成データ、本編ファイルを用いてコンテンツを生成する。したがって、放送システム400は、放送局など放送の送出元の意向を踏まえたコンテンツを視聴者に送出できる。
【0059】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、放送システム400は、第3に実施形態に係る放送業務管理装置31をさらに備えていてもよい。放送システム400では、放送業務管理装置31がクラウド上の仮想空間で管理されていてもよい。そして、放送局システム4000は、放送業務管理装置31をさらに放送局システム40000に備えていてもよい。
<ハードウェア構成>
続いて、図12を用いて、マスタ装置11、放送システム200、放送システム300及び放送システム400を構成する各装置(例:マスタ装置11)に係るコンピュータ1000のハードウェア構成例を説明する。図12においてコンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002とを有している。プロセッサ1001は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1001は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ1002は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1002は、プロセッサ1001から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1001は、図示されていないI/Oインターフェースを介してメモリ1002にアクセスしてもよい。
【0060】
また、上述の実施形態における各装置は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。上述の実施形態における各装置の機能(処理)を、コンピュータにより実現してもよい。例えば、メモリ1002に実施形態における方法を行うためのプログラムを格納し、各機能を、メモリ1002に格納されたプログラムをプロセッサ1001で実行することにより実現してもよい。
【0061】
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random Access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0062】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数の放送局の番組編成データを取得する取得手段と、
前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理する管理手段と、
前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成する生成手段と、
前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する送出手段と、
を備える、
マスタ装置。
(付記2)
前記管理手段は、前記放送局ごとに前記放送局を識別する放送局識別情報を割り当て、前記放送局識別情報と前記番組編成データとを関連付けて管理する、
付記1に記載のマスタ装置。
(付記3)
前記取得手段は、前記複数の放送局の番組編成データを取得し、
前記管理手段は、前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理する、
付記1または2に記載のマスタ装置。
(付記4)
前記生成手段は、前記番組編成データに含まれる番組ごとに、前記番組に対応する番組編成データを用いて前記コンテンツを生成する、
付記3に記載のマスタ装置。
(付記5)
前記取得手段は、広告コンテンツを取得し、
前記生成手段は、前記番組編成データ及び前記広告コンテンツを用いて前記コンテンツを生成する、
付記1乃至4のいずれか一項に記載のマスタ装置。
(付記6)
前記番組編成データは、番組内の広告識別情報を含み、
前記生成手段は、前記番組編成データの広告識別情報に基づいて、前記コンテンツに前記広告コンテンツを挿入する、
付記5に記載のマスタ装置。
(付記7)
前記送出手段は、前記端末装置から視聴する前記放送局を示す視聴放送局情報を取得し、前記視聴放送局情報に対応する前記コンテンツを、前記端末装置へ送出する、
付記1乃至6のいずれか一項に記載のマスタ装置。
(付記8)
前記マスタ装置は、クラウド上の仮想環境に配置されている、
付記1乃至7のいずれか一項に記載のマスタ装置。
(付記9)
複数の放送局の放送局システムとマスタ装置とを備え、
前記マスタ装置は、
複数の放送局の番組編成データを取得する取得手段と、
前記取得された番組編成データを放送局ごとに管理する管理手段と、
前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成する生成手段と、
前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する送出手段と、を備える、
放送システム。
(付記10)
前記複数の放送局システム及び前記マスタ装置における処理の流れを示す放送業務フローを管理する放送業務管理装置を備える、
付記9に記載の放送システム。
(付記11)
前記放送業務フローは、前記処理ごとの進捗情報を含む、
付記10に記載の放送システム。
(付記12)
前記放送業務管理装置は、前記進捗情報に基づいて、前記複数の放送局システム及び前記マスタ装置の処理を制御する、
付記11に記載の放送システム。
(付記13)
前記放送業務フローは、前記複数の放送局システムにおける前記コンテンツの生成処理の進捗情報を含む、
付記10乃至12のいずれか一項に記載の放送システム。
(付記14)
前記複数の放送局システムは、前記コンテンツに含まれる動画コンテンツの生成処理を実行する本編処理装置を含む、
付記13に記載の放送システム。
(付記15)
前記マスタ装置及び前記本編処理装置は、クラウド上の仮想環境に配置されている、
付記14に記載の放送システム。
(付記16)
前記複数の放送局システムは、前記番組編成データを生成する番組割付処理装置、前記番組編成データに広告コンテンツを割り付けする広告割付処理装置、前記コンテンツに挿入する広告コンテンツを蓄積する広告蓄積装置を含む、
付記9乃至15のいずれか一項に記載の放送システム。
(付記17)
前記番組割付処理装置、広告割付処理装置、前記広告蓄積装置は、クラウド上の仮想環境に配置されている、
付記16に記載の放送システム。
(付記18)
前記複数の放送局システムは、視聴者の情報に基づいて前記番組編成データを生成する番組編成生成装置、前記視聴者の情報に基づいて前記番組編成データに広告コンテンツを割り付けする広告割付生成装置、または、前記視聴者の情報に基づいて前記コンテンツに含まれる動画コンテンツの生成処理を実行する本編生成装置を含む、
付記9乃至17のいずれか一項に記載の放送システム。
(付記19)
前記番組編成生成装置、前記広告割付生成装置、前記本編生成装置は、クラウド上の仮想環境に配置されている、
付記18に記載の放送システム。
(付記20)
複数の放送局の番組編成データを取得し、
前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理し、
前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成し、
前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する、
マスタ装置の制御方法。
(付記21)
複数の放送局の番組編成データを取得し、
前記取得された番組編成データを前記放送局ごとに管理し、
前記管理された番組編成データを用いて前記放送局ごとのコンテンツを生成し、
前記生成されたコンテンツを、前記コンテンツに対応する放送局を視聴する端末装置へ送出する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0063】
1 送出マスタシステム
2 番組割付データサーバ(番組割付処理装置)
3 広告割付データサーバ(広告割付処理装置)
4 送出データサーバ
5 CMバンク(広告蓄積装置)
6 本編サーバ(本編処理装置)
7 本編バンク
8 端末
11 マスタ装置
12 エンコーダ
13 オリジンサーバ
14 アーカイブ
21 局専用端末
22 共通データサーバ
31 放送業務管理装置
41 視聴データ収集装置
42 広告割付生成装置
43 番組編成生成装置
44 本編生成装置
111 取得手段
112 管理手段
113 生成手段
114 送出手段
200 放送システム
300 放送システム
400 放送システム
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
2000 放送局システム
3000 放送局システム
4000 放送局システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12