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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】標的特異的なCRISPRバリアント
(51)【国際特許分類】
   C12N 9/16 20060101AFI20241016BHJP
   C12N 15/31 20060101ALI20241016BHJP
   C12N 15/55 20060101ALI20241016BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
C12N9/16 Z
C12N15/31 ZNA
C12N15/55
C12N15/09 110
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022181946
(22)【出願日】2022-11-14
(62)【分割の表示】P 2020500033の分割
【原出願日】2018-07-06
(65)【公開番号】P2023025045
(43)【公開日】2023-02-21
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】62/529,601
(32)【優先日】2017-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/608,722
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516355531
【氏名又は名称】ツールゲン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TOOLGEN INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヤン-フーン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ミン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジューンスン
(72)【発明者】
【氏名】シン、ウンジ
(72)【発明者】
【氏名】リー、カン イン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソクジョン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョンジューン
【審査官】坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/040348(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/089277(WO,A1)
【文献】特表2020-530279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12N 9/00-9/99
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SpCas9(Streptococcus pyogenes Cas9)バリアントであって、
前記SpCas9バリアントは、配列番号1のポリペプチドの少なくとも1つの置換で構成されるアミノ酸配列を含み、
それぞれの置換は、
A203D、N277H、G366S、F539S、I601N、M763I、K890N、D965Y、およびD1127
からなる群から独立して選択され
前記SpCas9バリアントはエンドヌクレアーゼ活性を有し、
前記SpCas9バリアントは、野生型のSpCas9と比較して、オンターゲット部位における高い標的特異性を有し、または、オフターゲット部位における低い標的特異性を有し、
前記SpCas9バリアントの前記アミノ酸配列は、配列番号11のアミノ酸配列を有さない、SpCas9バリアント。
【請求項2】
前記SpCas9バリアントは、配列番号1のポリペプチドの少なくとも2つの置換で構成されるアミノ酸配列を含み、
それぞれの置換は、
A203D、N277H、G366S、F539S、I601N、M763I、K890N、D965Y、F1038Y、T1102P、およびD1127E
からなる群から独立して選択される、
請求項1に記載のSpCas9バリアント。
【請求項3】
前記SpCas9バリアントは、配列番号1のポリペプチドの置換で構成されるアミノ酸配列を含み、
前記置換は、
M763I/F1038Y、D965Y/F1038Y、F539S/F1038Y、F539S/M763I、I601N/D965Y、F539S/K890N、およびM763I/K890N
からなる群から選択される1つである、
請求項2に記載のSpCas9バリアント。
【請求項4】
前記SpCas9バリアントは、配列番号1のポリペプチドの少なくとも3つの置換で構成されるアミノ酸配列を含み、
それぞれの置換は、
A203D、N277H、G366S、F539S、I601N、M763I、K890N、D965Y、F1038Y、T1102P、およびD1127E
からなる群から独立して選択される、
請求項1に記載のSpCas9バリアント。
【請求項5】
前記SpCas9バリアントは、配列番号1のポリペプチドの置換で構成されるアミノ酸配列を含み、
前記置換はF539S/M763I/F1038Yである、
請求項4に記載のSpCas9バリアント。
【請求項6】
前記SpCas9バリアントは、配列番号1のポリペプチドの少なくとも4つの置換で構成されるアミノ酸配列を含み、
それぞれの置換は、
A203D、N277H、G366S、F539S、I601N、M763I、K890N、D965Y、F1038Y、T1102P、およびD1127E
からなる群から独立して選択される、
請求項1に記載のSpCas9バリアント。
【請求項7】
前記SpCas9バリアントは、配列番号1のポリペプチドの置換で構成されるアミノ酸配列を含み、
前記置換は、
F539S/M763I/D965Y/K890NおよびF539S/M763I/K890N/F1038Y
からなる群から選択される1つである、
請求項6に記載のSpCas9バリアント。
【請求項8】
前記SpCas9バリアントは、配列番号1のポリペプチドの少なくとも7つの置換で構成されるアミノ酸配列を含み、
それぞれの置換は、
A203D、N277H、G366S、F539S、I601N、M763I、K890N、D965Y、F1038Y、T1102P、およびD1127E
からなる群から独立して選択される、
請求項1に記載のSpCas9バリアント。
【請求項9】
前記SpCas9バリアントは、配列番号1のポリペプチドの置換で構成されるアミノ酸配列を含み、
前記置換はA203D/N277H/G366S/M763I/F1038Y/T1102P/D1127Eである、
請求項8に記載のSpCas9バリアント。
【請求項10】
前記SpCas9バリアントが、
単離及び精製用のタグ、
デアミナーゼ、及び
メチラーゼ活性、デメチラーゼ活性、転写活性化活性、転写抑制活性、転写放出因子活性、ヒストン修飾活性、RNA切断活性、または核酸結合活性を有する、活性ドメイン
からなる群から選択される1つ以上の機能ドメインをさらに含む、
請求項1から9のいずれか一項に記載のSpCas9バリアント。
【請求項11】
前記機能ドメインが、レポータータンパク質、NLS(核局在化配列もしくはシグナル)、およびNES(核外移行配列もしくはシグナル)から選択される1つである、請求項10に記載のSpCas9バリアント。
【請求項12】
遺伝子改変用組成物であって、
請求項1から9のいずれか一項に記載のSpCas9(Streptococcus pyogenes Cas9)バリアント、又は前記SpCas9バリアントをコードする核酸と、
ガイドRNAまたは前記ガイドRNAをコードする核酸と
を含み、
前記ガイドRNAは、前記SpCas9バリアントとともに複合体を形成し、対象遺伝子を標的とすることができる、組成物。
【請求項13】
前記SpCas9バリアントをコードする前記核酸および前記ガイドRNAをコードする前記核酸が、1または複数のベクターに含まれている、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記ベクターが、プラスミドまたはウイルスベクターである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、ワクシニアウイルスベクター、ポックスウイルスベクターおよび単純ヘルペスウイルスベクターから選択される1つ以上のベクターである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、前記ガイドRNAと前記SpCas9バリアントとの複合体であるリボ核タンパク質(RNP)を含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人為的に改変されたCRISPR/Cas9系に関する。より具体的には、本発明は、標的特異性が向上した、人為的に改変されたCRISPR酵素、ならびにCRISPR酵素を含む、人為的に改変されたCRISPR/Cas9系を使用したゲノムおよび/またはエピゲノムの操作または修飾、ゲノム標的化、ゲノム編集ならびにインビトロ診断などの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
CRISPR-Cas系は、標的遺伝子または核酸と相補的な配列を有するガイドRNA(gRNA)と、標的遺伝子または核酸を切断できるヌクレアーゼであるCRISPR酵素とで構成され、gRNAとRISPR酵素とはCRISPR複合体を形成し、標的遺伝子または核酸は、形成されたCRISPR複合体により切断または修飾される。
【0003】
しかしながら、標的遺伝子または核酸を修飾する効果と同様に、望ましくない非標的遺伝子または核酸の修飾はまだ解決されていない。非標的遺伝子または核酸は、gRNAと部分的に相補的な配列を有する遺伝子部位であり、gRNAとともに部分的に相補的な結合を形成でき、CRISPR複合体は、部分的な相補的結合により、修飾されていない非標的遺伝子または核酸である、対応する遺伝子部位を切断または修飾できる。
【0004】
したがって、CRISPR-Cas系を使用して標的遺伝子または核酸を特異的に修飾する効率を高めるために、または非標的遺伝子もしくは核酸の修飾を引き起こす可能性がある遺伝子結合などの問題を解決するために、CRISPR-Cas系の標的特異性を高めることが重要である。CRISPR-Cas系の標的特異性を高めるために、少量の非標的遺伝子候補を含むgRNAの選択、ならびにCRISPR酵素の活性および/または特異性の調節に関するさまざまな研究が試みられてきた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
(非特許文献0001)Kim,D.et al.Nat Methods 12,237-243,231 p following 243(2015)
【0006】
(非特許文献0002)Tsai,S.Q.et al.Nat Biotechnol 33,187-197(2015)
【0007】
(非特許文献0003)Kim,S.,Kim,D.,Cho,S.W.,Kim,J.& Kim,J.S.Genome Res 24,1012-1019(2014)
【0008】
(非特許文献0004)Cho,S.W.et al.Genome Res 24,132-141(2014)
【0009】
(非特許文献0005)Mali,P.et al.Nat Biotechnol 31,833-838(2013)
【0010】
(非特許文献0006)Ran,F.A.et al.Cell 154,1380-1389(2013)
【0011】
(非特許文献0007)Fu,Y.,Sander,J.D.,Reyon,D.,Cascio,V.M.& Joung,J.K.Nat Biotechnol 32,279-284(2014)
【0012】
(非特許文献0008)Nishimasu,H.et al.Cell 156,935-949(2014)
【0013】
(非特許文献0009)Kleinstiver,B.P.et al.Nature 529,490-495(2016)
【0014】
(非特許文献0010)Slaymaker,I.M.et al.Science 351,84-88(2016)
【0015】
(非特許文献0011)Chen,J.S.et al.Nature(2017)
【0016】
(非特許文献0012)Kleinstiver,B.P.et al.Nat Biotechnol 33,1293-1298(2015)
【0017】
(非特許文献0013)Kleinstiver,B.P.et al.Nature 523,481-485(2015)
【0018】
(非特許文献0014)Chen,Z.& Zhao,H.Nucleic Acids Res 33,e154(2005)
【0019】
(非特許文献0015)Hsu,P.D.et al.Nat Biotechnol 31,827-832(2013)
【0020】
(非特許文献0016)McKenzie,G.J.& Craig,N.L.BMC Microbiol 6,39(2006)
【0021】
(非特許文献0017)Kulcsar,P.I.et al.Genome Biol 18,190(2017)
【0022】
(非特許文献0018)Zhang,D.et al.Genome Biol 18,191(2017)
【0023】
(非特許文献0019)Komor,A.C.,Kim,Y.B.,Packer,M.S.,Zuris,J.A.& Liu,D.R.Nature 533,420-424(2016)
【0024】
(非特許文献0020)Kim,D.,Kim,S.,Park,J.& Kim,J.S.Genome Res 26,406-415(2016)
【0025】
(非特許文献0021)Geissmann,Q.PLoS One 8,e54072
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
一態様では、本発明は、標的特異性が向上した、人為的に改変されたCRISPR酵素を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0027】
この課題を解決するために、本発明は、人為的に改変されたCRISPR酵素に関する。より具体的には、本発明は、標的遺伝子または核酸に対する標的特異性が向上したCas9、および同様のCas9を使用したCRISPR/Cas9系に関する。
【0028】
本発明は、特定の目的のために人為的に改変されたCRISPR酵素を提供する。
【0029】
一態様では、人為的に改変されたCRISPR酵素は、人為的操作を含む、標的特異性が向上したSpCas9バリアント(変異体)であってもよく、人為的操作は、野性型ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)Cas9(野性型SpCas9)の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸の人為的操作(修飾)を含んでいてもよい。
【0030】
野性型SpCas9の第1領域は、gRNAと相互作用する野性型SpCas9の部分、標的配列と相互作用する野性型SpCas9の部分、gRNA標的配列のヘテロ二本鎖と相互作用する野性型SpCas9の部分、およびgRNA標的配列のヘテロ二本鎖のPAM(プロトスペーサー隣接モチーフ)の遠位端と相互作用する野性型SpCas9の部分からなる群から選択される1つ以上の部分であってもよい。
【0031】
ここで、gRNA標的配列ヘテロ二本鎖のPAMの遠位端は、PAMの位置から離れているgRNA標的配列のヘテロ二本鎖の末端で6~10塩基対であってもよい。
【0032】
ここで、PAMは5'-NGG-3'であってもよい。
【0033】
野性型SpCas9の第2領域は、核酸を切断する機能を果たす野性型SpCas9の部分であってもよい。
【0034】
野性型SpCas9の第3領域は、核酸を切断する機能を果たす野性型SpCas9の部分であってもよい。
【0035】
野性型SpCas9の第4領域は、標的遺伝子または核酸中のPAM配列を認識またはPAM配列と相互作用する野性型SpCas9の部分、およびgRNAのヌクレオチド配列の部分と相互作用する野性型SpCas9の部分からなる群から選択される1つ以上の部分であってもよい。
【0036】
野性型SpCas9の第1領域は、野性型SpCas9のRECローブに位置する領域、野性型SpCas9のRECドメイン全体、および野性型SpCas9のRECドメインの部分からなる群から選択される1つ以上の領域であってもよい。
【0037】
野性型SpCas9の第2領域は、野性型SpCas9のNUCローブに位置する領域、野性型SpCas9のRuvCドメイン全体、野性型SpCas9のRuvCドメインの部分、および野性型SpCas9のRuvCドメインの金属依存性核酸切断領域を含む部分からなる群から選択される1つ以上の領域であってもよい。
【0038】
ここで、RuvCドメインの金属依存性核酸切断領域は、RuvCドメイン内の金属と相互作用することにより標的位置で核酸間の結合を切断できる領域であってもよい。
【0039】
野性型SpCas9の第3領域は、野性型SpCas9のNUCローブに位置する領域、野性型SpCas9のHNHドメイン全体、野性型SpCas9のHNHドメインの部分、および野性型SpCas9のHNHドメインの金属依存性核酸切断領域を含む部分からなる群から選択される1つ以上の領域であってもよい。
【0040】
ここで、HNHドメインの前記金属依存性核酸切断領域は、HNHドメイン内の金属と相互作用することにより標的位置で核酸間の結合を切断できる領域であってもよい。
【0041】
野性型SpCas9の前記第4領域は、野性型SpCas9のNUCローブに位置する領域、野性型SpCas9のPIドメイン全体、および野性型SpCas9のPIドメインの部分からなる群から選択される1つ以上の領域であってもよい。
【0042】
第1領域は、野性型SpCas9の196番目の位置のフェニルアラニン(F196)から282番目の位置のイソロイシン(I282)までのアミノ酸配列で構成される領域1-1、野性型SpCas9の316番目の位置のプロリン(P316)から394番目の位置のアスパラギン(N394)までのアミノ酸配列で構成される領域1-2、野性型SpCas9の510番目の位置のリシン(K510)から612番目の位置のアスパラギン(N612)までのアミノ酸配列で構成される領域1-3、および野性型SpCas9の678番目の位置のトレオニン(T678)から698番目の位置のヒスチジン(H698)までのアミノ酸配列で構成される領域1-4からなる群から選択される1つ以上の領域を含んでいてもよい。
【0043】
第1領域は、野性型SpCas9のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697を含んでいてもよい。
【0044】
ここで、第2領域は、野性型SpCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から22番目の位置のトレオニン(T22)までのアミノ酸配列で構成される領域2-1、前記野性型SpCas9の731番目の位置のプロリン(P731)から770番目の位置のトレオニン(T770)までのアミノ酸配列で構成される領域2-2、および前記野性型SpCas9の926番目の位置のグルタミン(Q926)から1040番目の位置のセリン(S1040)までのアミノ酸配列で構成される領域2-3からなる群から選択される1つ以上の領域を含んでいてもよい。
【0045】
第2領域は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039を含んでいてもよい。
【0046】
ここで、第3領域は、野性型SpCas9の775番目の位置のリシン(K775)から900番目の位置のロイシン(L900)までのアミノ酸配列で構成される領域3-1を含んでいてもよい。
【0047】
第3領域は、野性型SpCas9のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、V838、D839、H840、K848、D849、D850、D853、N854、K855、R859、D861、K862、N863、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、A889、K890、L891、R895、K896およびD898を含んでいてもよい。
【0048】
ここで、第4領域は、野性型SpCas9の1099番目の位置のグルタミン酸(E1099)から1139番目の位置のバリン(V1139)までのアミノ酸配列で構成される領域4-1を含んでいてもよい。
【0049】
第4領域は、野性型SpCas9のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138を含んでいてもよい。
【0050】
例示的な実施形態では、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸であってもよい。
【0051】
例示的な実施形態では、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸は、野性型SpCas9のA203、N277、G366、F539、I601、M763、K890、D965、F1038、T1102およびD1127からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸であってもよい。
【0052】
人為的操作は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上の前記アミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0053】
人為的操作は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することであってもよい。
【0054】
ここで、異なるアミノ酸は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸よりも小さい官能基を有するアミノ酸であってもよい。
【0055】
ここで、異なるアミノ酸は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上の前記アミノ酸よりも大きい官能基を有するアミノ酸であってもよい。
【0056】
ここで、異なるアミノ酸は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸よりも高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であってもよい。
【0057】
ここで、異なるアミノ酸は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸よりも低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であってもよい。
【0058】
一態様では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9のA203、N277、G366、F539、I601、M763、K890、D965、F1038、T1102およびD1127からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の人為的操作を含む、特異的なSpCas9(TS-SpCas9)バリアントであってもよい。
【0059】
人為的操作は、野性型SpCas9のA203、N277、G366、F539、I601、M763、K890、D965、F1038、T1102およびD1127からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることまたは異なるアミノ酸で置換することであってもよい。
【0060】
ここで、異なるアミノ酸は、野性型SpCas9のA203、N277、G366、F539、I601、M763、K890、D965、F1038、T1102およびD1127からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸よりも大きいまたは小さい官能基を有するアミノ酸であってもよい。
【0061】
ここで、異なるアミノ酸は、野性型SpCas9のA203、N277、G366、F539、I601、M763、K890、D965、F1038、T1102およびD1127からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸よりも高いまたは低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であってもよい。
【0062】
TS-SpCas9バリアントは、野性型SpCas9のF539の人為的操作を含んでいてもよい。
【0063】
TS-SpCas9バリアントは、野性型SpCas9のM763の人為的操作を含んでいてもよい。
【0064】
TS-SpCas9バリアントは、野性型SpCas9のK890の人為的操作を含んでいてもよい。
【0065】
TS-SpCas9バリアントは、野性型SpCas9のF539/M763(F539およびM763)、F539/K890またはM763/K890の人為的操作を含んでいてもよい。
【0066】
TS-SpCas9バリアントは、野性型SpCas9のF539、M763およびK890の人為的操作を含んでいてもよい。
【0067】
一態様では、人為的に改変されたCRISPRは、TS-SpCas9バリアントを含む融合タンパク質であってもよい。
【0068】
融合タンパク質は、1つ以上の機能ドメインを含んでいてもよい。
【0069】
ここで、機能ドメインは、メチラーゼ活性、デメチラーゼ活性、転写活性化活性、転写抑制活性、転写放出因子活性、ヒストン修飾活性、RNA切断活性または核酸結合活性を有するドメイン、(ペプチドを含む)タンパク質の単離および精製用タグ、レポーター遺伝子、NLS(核局在化配列もしくはシグナル)、NES(核外移行配列もしくはシグナル)、およびデアミナーゼ活性を有するドメインからなる群から選択される1つ以上のドメインであってもよい。
【0070】
一態様では、人為的に改変されたCRISPR酵素は、SpCas9バリアント、TS-SpCas9バリアントおよび/または融合タンパク質をコードする核酸の形態であってもよい。
【0071】
一態様では、核酸はベクターに含まれていてもよい。
【0072】
一態様では、SpCas9バリアント、TS-SpCas9バリアントおよび/もしくは融合タンパク質をコードする核酸;ならび/またはベクターを細胞に導入してもよい。
【0073】
一態様では、gRNAと、SpCas9バリアント、TS-SpCas9バリアントおよび/または融合タンパク質とを使用して、細胞のゲノムを人為的に操作してもよい。
【0074】
gRNAは、細胞のゲノム中に存在する標的遺伝子の標的配列と相補的に結合するヌクレオチド配列を含む核酸であってもよい。
【発明の効果】
【0075】
本発明によれば、人為的に操作されたCRISPR酵素を使用して、標的特異性が向上したCRISPR-Cas系を、ゲノムおよび/もしくはエピゲノムの操作または修飾、ゲノム標的化、ゲノム編集ならびにインビトロ診断に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】SpCas9の第1領域バリアントによる標的遺伝子(DMD遺伝子)の操作効果を表す、インデル(挿入および欠失)頻度(%)を示すグラフである。
【0077】
図2】SpCas9の第1領域バリアントによる標的遺伝子(EMX遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0078】
図3】SpCas9の第1領域バリアントによる標的遺伝子(VEGFA遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0079】
図4】SpCas9の第2領域バリアントによる標的遺伝子(DMD遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
図5】SpCas9の第2領域バリアントによる標的遺伝子(DMD遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0080】
図6】SpCas9の第2領域バリアントによる標的遺伝子(EMX遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
図7】SpCas9の第2領域バリアントによる標的遺伝子(EMX遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0081】
図8】SpCas9の第2領域バリアントによる標的遺伝子(VEGFA遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0082】
図9】SpCas9の第2領域バリアントによる標的遺伝子(HBB03遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0083】
図10】SpCas9の第2領域バリアントによる標的遺伝子(HBB04遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0084】
図11】SpCas9の第3領域バリアントによる標的遺伝子(DMD遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0085】
図12】SpCas9の第4領域バリアントによる標的遺伝子(DMD遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0086】
図13】SpCas9の第4領域バリアントによる標的遺伝子(EMX遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0087】
図14】SpCas9の4つの領域のうち2つの領域に変異を有するSpCas9バリアントによる標的遺伝子(DMD遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0088】
図15】SpCas9の4つの領域のうち2つの領域に変異を有するSpCas9バリアントによる標的遺伝子(EMX遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0089】
図16】SpCas9の4つの領域のうち2つの領域に変異を有するSpCas9バリアントによる標的遺伝子(VEGFA遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0090】
図17】SpCas9の4つの領域のうち2つの領域に変異を有するSpCas9バリアントによる標的遺伝子(HBB03遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0091】
図18】SpCas9の4つの領域のうち2つの領域に変異を有するSpCas9バリアントによる標的遺伝子(HBB04遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0092】
図19】SpCas9の4つの領域のうち3つの領域に変異を有するSpCas9バリアントによる標的遺伝子(DMD遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0093】
図20】SpCas9の4つの領域のうち3つの領域に変異を有するSpCas9バリアントによる標的遺伝子(VEGFA遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0094】
図21】SpCas9の4つの領域のうち3つの領域に変異を有するSpCas9バリアントによる標的遺伝子(HBB03遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0095】
図22】SpCas9の4つの領域のうち3つの領域に変異を有するSpCas9バリアントによる標的遺伝子(HBB04遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【0096】
図23】SpCas9の4つの領域のうち3つの領域に変異を有するSpCas9バリアントによる標的遺伝子(DMD遺伝子)の操作効果を表す、インデル頻度(%)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0097】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により従来理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同一の方法および材料を本発明の実施または試験に使用できるが、適切な方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及されるすべての出版物、特許出願、特許および他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。さらに、材料、方法および例は単なる例示であり、限定することを意図したものではない。
【0098】
本明細書に開示される開示の一態様は、CRISPR酵素に関する。
【0099】
「CRISPR酵素」は、クラスター化された規則的に間隔が空いた短い回文反復配列の繰り返し(CRISPR)-CRISPR関連タンパク質(Cas)系の主要なタンパク質成分であり、ガイドRNA(gRNA)と複合体を形成し、それによってCRISPR-Cas系を形成する。
【0100】
「gRNA」とは、標的遺伝子または核酸に関して、CRISPR複合体、すなわちgRNA-CRISPR酵素複合体を特異的に標的とすることができるRNAを指す。gRNAは、標的配列に特異的なRNAであり、これはCRISPR酵素に結合し、CRISPR酵素を標的遺伝子または核酸に導くことができる。ここで、「標的配列」とは、標的遺伝子または核酸中に存在するヌクレオチド配列であり、具体的には、標的遺伝子または核酸中の標的領域の部分的なヌクレオチド配列である。本明細書で使用される「標的領域」は、標的遺伝子または核酸中のガイド核酸エディタータンパク質により修飾され得る部位である。
【0101】
gRNAは、複数のドメインを含んでいてもよい。各ドメインにより、三次元構造またはgRNAの活性型の鎖内または鎖間の相互作用が起こり得る。
【0102】
gRNAは、一本鎖gRNA(単一RNA分子、単一gRNA、sgRNA)または二本鎖gRNA(複数の、一般的には2つの別個のRNA分子を含む)と呼ばれることもある。
【0103】
例示的な一実施形態では、一本鎖gRNAは、ガイドドメイン、すなわち、標的遺伝子または核酸とともに相補的な結合を形成することができるガイド配列を含むドメイン;第1の相補的ドメイン;リンカードメイン;第1の相補的ドメイン配列に対する相補的配列を有し、第1の相補的ドメイン配列とともに形成し得る第2の相補的ドメイン;近位ドメイン;および任意に5'から3'方向の尾部ドメインを含んでいてもよい。
【0104】
別の実施形態では、二本鎖gRNAは、ガイドドメイン、すなわち、標的遺伝子または核酸とともに相補的な結合を形成することができるガイド配列を含むドメイン、および第1の相補的ドメインを含む第1鎖;ならびに;第1の相補的ドメイン配列に対する相補的配列を有し、第1の相補的ドメイン配列とともに形成し得る第2の相補的ドメイン、近位ドメイン、および任意に5'から3'方向の尾部ドメインを含む第2鎖を含んでいてもよい。
【0105】
ここで、第1鎖はcrRNAと呼ばれることもあり、第2鎖はtracrRNAと呼ばれることもある。crRNAは、ガイドドメインおよび第1の相補的ドメインを含んでいてもよく、tracrRNAは、第2の相補的ドメイン、近位ドメインおよび任意に尾部ドメインを含んでいてもよい。
【0106】
さらに別の実施形態では、一本鎖gRNAは、ガイドドメイン、すなわち、標的遺伝子または核酸とともに相補的な結合を形成することができるガイド配列を含むドメイン;第1の相補的ドメイン;および第1の相補的ドメイン配列に対する相補的配列を有し、第1の相補的ドメイン配列とともに形成し得る5'から3'方向の第2の相補的ドメインを含んでいてもよい。
【0107】
CRISPR酵素は、CRISPR酵素をコードする配列を有する核酸またはポリペプチド(またはタンパク質)であり、代表的には、II型CRISPR酵素またはV型CRISPR酵素が広く使用されている。
【0108】
CRISPR酵素は、II型CRISPR酵素であってもよい。
【0109】
II型CRISPR酵素はCas9であってもよい。
【0110】
ここで、Cas9は、さまざまな微生物、たとえば、Streptococcus pyogenes、Streptococcus thermophilus、Streptococcus sp.、Staphylococcus aureus、Nocardiopsis dassonvillei、Streptomyces pristinaespiralis、Streptomyces viridochromogenes、Streptomyces viridochromogenes、Streptosporangium roseum、Streptosporangium roseum、AlicyclobacHlus acidocaldarius、Bacillus pseudomycoides、Bacillus selenitireducens、Exiguobacterium sibiricum、Lactobacillus delbrueckii、Lactobacillus salivarius、Microscilla marina、Burkholderiales bacterium、Polaromonas naphthalenivorans、Polaromonas sp.、Crocosphaera watsonii、Cyanothece sp.、Microcystis aeruginosa、Synechococcus sp.、Acetohalobium arabaticum、Ammonifex degensii、Caldicelulosiruptor bescii、Candidatus Desulforudis、Clostridium botulinum、Clostridium difficile、Finegoldia magna、Natranaerobius thermophilus、Pelotomaculum thermopropionicum、Acidithiobacillus caldus、Acidithiobacillus ferrooxidans、Allochromatium vinosum、Marinobacter sp.、Nitrosococcus halophilus、Nitrosococcus watsoni、Pseudoalteromonas haloplanktis、Ktedonobacter racemifer、Methanohalobium evestigatum、Anabaena variabilis、Nodularia spumigena、Nostoc sp.、Arthrospira maxima、Arthrospira platensis)、Arthrospira sp.)、Lyngbya sp.、Microcoleus chthonoplastes、Oscillatoria sp.、Petrotoga mobilis、Thermosipho africanusおよびAcaryochloris marinaなどに由来し得る。
【0111】
ここで、Cas9は、天然に存在する微生物から単離され得るか、または組換え法または合成法により非自然的に産生され得る。
【0112】
II型CRISPR酵素の結晶構造は、2種類以上の自然微生物II型CRISPR酵素分子の研究(Jinek et al.,Science,343(6176):1247997,2014)ならびにgRNAと複合させたストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)Cas9(SpCas9)の研究(Nishimasu et al.,Cell,156:935-949,2014;およびAnders et al.,Nature,2014,doi:10.1038/nature13579)に従って決定されていた。
【0113】
II型CRISPR酵素は、2つのローブ、すなわち、認識(REC)ローブとヌクレアーゼ(NUC)ローブとを含み、各ローブはいくつかのドメインを含む。
【0114】
RECローブは、アルギニンリッチなブリッジヘリックス(BH)ドメイン、REC1ドメイン、およびREC2ドメインを含む。
【0115】
ここで、BHドメインは、アルギニンリッチな長いα-ヘリックスの領域であり、REC1ドメインとREC2ドメインとは、gRNAに形成された二本鎖、たとえば、一本鎖gRNA、二本鎖gRNAまたはtracrRNAを認識するのに重要な役割を果たす。
【0116】
NUCローブは、RuvCドメイン、HNHドメインおよびPAM相互作用(PI)ドメインを含む。ここで、RuvCドメインは、RuvC様ドメインを包含し、HNHドメインは、HNH様ドメインを包含する。
【0117】
ここで、RuvCドメインは、II型CRISPR酵素を有する自然界に存在する微生物ファミリーのメンバーと構造的類似性を共有し、一本鎖、たとえば、標的遺伝子または核酸の非相補鎖、すなわち、gRNAとともに相補的な結合を形成しない鎖を切断する。RuvCドメインは、当該技術分野ではRuvC Iドメイン、RuvC IIドメインまたはRuvC IIIドメインを指すこともあり、一般的にはRuvC I、RuvC IIまたはRuvC IIIと呼ばれる。
【0118】
HNHドメインは、HNHエンドヌクレアーゼと構造的類似性を共有し、一本鎖、たとえば、標的核酸分子の相補鎖、すなわち、gRNAとともに相補的な結合を形成する鎖を切断する。HNHドメインは、RuvC IIモチーフとRuvC IIIモチーフとの間に位置している。
【0119】
PIドメインは、標的遺伝子または核酸中の特異的ヌクレオチド配列、すなわち、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を認識するか、またはPAMと相互作用する。ここで、PAMは、II型CRISPR酵素の起源に応じて異なり得る。たとえば、CRISPR酵素がSpCas9である場合、PAMは5'-NGG-3'であってもよく、CRISPR酵素がストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)Cas9(StCas9)である場合、PAMは5'-NNAGAAW-3'(W=AまたはT)であってもよく、CRISPR酵素がスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)Cas9(SaCas9)である場合、PAMは5'-NNGRR-3'(R=AまたはG)であってもよく、CRISPR酵素がナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitides)Cas9(NmCas9)である場合、PAMは5'-NNNNGATT-3'であってもよく、CRISPR酵素がカンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)Cas9(CjCas9)である場合、PAMは5'-NNNVRYAC-3'(V=G、CまたはA、R=AまたはG、Y=CまたはT)であってもよく、ここで、Nは、A、T、GもしくはC;またはA、U、GもしくはCであってもよい。一般的には、PAMは上記酵素の起源に応じて決定されると理解されているが、上記起源に由来する酵素の変異体に関する研究の進展に応じて、PAMは異なり得る。
【0120】
CRISPR酵素は、標的遺伝子または核酸の二本鎖を切断する機能を有するヌクレアーゼまたは制限酵素であってもよい。
【0121】
CRISPR酵素は、完全に活性なCRISPR酵素であってもよい。
【0122】
「完全に活性」とは、野性型CRISPR酵素の機能と同じ機能を有することを指し、そのような状態のCRISPR酵素は、完全に活性なCRISPR酵素と呼ばれる。ここで、「野性型CRISPR酵素の機能」とは、DNAの二本鎖を切断する機能、すなわち、DNAの二本鎖のうちの第1鎖を切断する第1機能およびDNAの二本鎖のうちの第2鎖を切断する第2機能を有する野性型CRISPR酵素の状態を指す。
【0123】
完全に活性なCRISPR酵素は、DNAの二本鎖を切断する野性型CRISPR酵素であってもよい。
【0124】
完全に活性なCRISPR酵素は、DNAの二本鎖を切断する野性型CRISPR酵素を修飾または操作することにより形成されるCRISPR酵素バリアントであってもよい。
【0125】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素のアミノ酸配列の1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換するか、または1つ以上のアミノ酸を除去することにより形成される酵素であってもよい。
【0126】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素のアミノ酸配列に1つ以上のアミノ酸を付加することにより産生される酵素であってもよい。ここで、付加されたアミノ酸は、野性型酵素のN末端もしくはC末端、またはそのアミノ酸配列中に位置してもよい。
【0127】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素と比較して機能が向上した、完全に活性な酵素であってもよい。
【0128】
たとえば、野性型CRISPR酵素の特異的に修飾または改変された形態、すなわちCRISPR酵素バリアントは、切断すべき二本鎖DNAに結合しない状態またはそれとは一定の距離を保って二本鎖DNAを切断し得る。この場合、修飾または改変された形態は、野性型CRISPR酵素と比較して機能的活性が向上した、完全に活性なCRISPR酵素であってもよい。
【0129】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素と比較して機能が低下した、完全に活性なCRISPR酵素であってもよい。
【0130】
たとえば、野性型CRISPR酵素の特異的に修飾または改変された形態、すなわちCRISPR酵素バリアントは、切断すべき二本鎖DNAから一定の距離まで近づいている状態または切断すべきDNAへの特異的結合を形成している状態で二本鎖DNAを切断し得る。ここで、特異的結合は、たとえば、CRISPR酵素バリアントの特定部位のアミノ酸と切断部位のDNAヌクレオチド配列との間の結合であってもよい。この場合、修飾または改変された形態は、野性型CRISPR酵素と比較して機能的活性が低下した、完全に活性なCRISPR酵素であってもよい。
【0131】
CRISPR酵素は、不完全または部分的に活性なCRISPR酵素であってもよい。
【0132】
「不完全または部分的に活性」とは、野性型CRISPR酵素の機能、すなわち、DNAの二本鎖のうちの第1鎖を切断する第1機能およびDNAの二本鎖のうちの第2鎖を切断する第2機能から選択される1つを有する状態を意味する。そのような状態のCRISPR酵素は、不完全または部分的に活性なCRISPR酵素と呼ばれる。さらに、不完全または部分的に活性なCRISPR酵素はニッカーゼと呼ばれることもある。
【0133】
「ニッカーゼ」という用語は、標的遺伝子または核酸の二本鎖のうちの一方の鎖のみを切断するように改変または修飾されたCRISPR酵素を指し、ニッカーゼは、一本鎖、たとえば、標的遺伝子または核酸のgRNAに非相補的または相補的である鎖を切断するヌクレアーゼ活性を有する。したがって、二本鎖を切断するには、2つのニッカーゼのヌクレアーゼ活性が必要である。
【0134】
ニッカーゼは、CRISPR酵素のRuvCドメインによって引き起こされるヌクレアーゼ活性を有し得る。すなわち、ニッカーゼは、CRISPR酵素のHNHドメインによって引き起こされるヌクレアーゼ活性を含み得ず、この目的のために、HNHドメインを操作または修飾してもよい。
【0135】
一例では、CRISPR酵素がII型CRISPR酵素である場合、ニッカーゼは、修飾されたHNHドメインを含むII型CRISPR酵素であってもよい。
【0136】
たとえば、II型CRISPR酵素が野性型SpCas9である場合、ニッカーゼは、野性型SpCas9のアミノ酸配列の840位でのヒスチジンからアラニンへの変異により、HNHドメインのヌクレアーゼ活性が不活性化されたSpCas9バリアントであってもよい。それによって産生されるニッカーゼ、すなわち、SpCas9バリアントは、RuvCドメインによって引き起こされるヌクレアーゼ活性を有しているため、標的遺伝子または核酸の非相補鎖、すなわち、gRNAと相補的に結合しない鎖が切断され得る。
【0137】
別の例では、II型CRISPR酵素が野性型CjCas9である場合、ニッカーゼは、野性型CjCas9のアミノ酸配列の559位でのヒスチジンからアラニンへの変異により、HNHドメインのヌクレアーゼ活性が不活性化されたSpCas9バリアントであってもよい。それによって産生されるニッカーゼ、すなわち、CjCas9バリアントは、RuvCドメインによって引き起こされるヌクレアーゼ活性を有しているため、標的遺伝子または核酸の非相補鎖、すなわち、gRNAと相補的に結合しない鎖が切断され得る。
【0138】
さらに、ニッカーゼは、CRISPR酵素のHNHドメインによって引き起こされるヌクレアーゼ活性を有し得る。すなわち、ニッカーゼは、CRISPR酵素のRuvCドメインによって引き起こされるヌクレアーゼ活性を含み得ず、この目的のために、RuvCドメインを操作または修飾してもよい。
【0139】
一例では、CRISPR酵素がII型CRISPR酵素である場合、ニッカーゼは、修飾されたRuvCドメインを含むII型CRISPR酵素であってもよい。
【0140】
たとえば、II型CRISPR酵素が野性型SpCas9である場合、ニッカーゼは、野性型SpCas9のアミノ酸配列の10位でのアスパラギン酸からアラニンへの変異により、RuvCドメインのヌクレアーゼ活性が不活性化されたSpCas9バリアントであってもよい。それによって産生されるニッカーゼ、すなわち、SpCas9バリアントは、HNHドメインによって引き起こされるヌクレアーゼ活性を有しているため、標的遺伝子または核酸の相補鎖、すなわち、gRNAと相補的に結合している鎖が切断され得る。
【0141】
別の例では、II型CRISPR酵素が野性型CjCas9である場合、ニッカーゼは、野性型CjCas9のアミノ酸配列の8位でのアスパラギン酸からアラニンへの変異により、RuvCドメインのヌクレアーゼ活性が不活性化されたSpCas9バリアントであってもよい。それによって産生されるニッカーゼ、すなわち、CjCas9バリアントは、HNHドメインによって引き起こされるヌクレアーゼ活性を有しているため、標的遺伝子または核酸の相補鎖、すなわち、gRNAと相補的に結合している鎖が切断され得る。
【0142】
CRISPR酵素は、不活性なCRISPR酵素であってもよい。
【0143】
「不活性」とは、野性型CRISPR酵素の機能、すなわち、二本鎖DNAのうちの第1鎖を切断する第1機能および二本鎖DNAのうちの第2鎖を切断する第2機能の両方を失っている状態を意味し得る。そのような状態のCRISPR酵素は、不活性CRISPR酵素と呼ばれる。
【0144】
不活性なCRISPR酵素は、野性型CRISPR酵素のヌクレアーゼ活性を有するドメイン内の変異により、ヌクレアーゼ不活性を有し得る。
【0145】
不活性なCRISPR酵素は、RuvCドメインおよびHNHドメイン内の変異により、ヌクレアーゼ不活性を有し得る。すなわち、不活性なCRISPR酵素は、CRISPR酵素のRuvCドメインおよびHNHドメインによって引き起こされるヌクレアーゼ活性を含み得ず、この目的のために、RuvCドメインおよびHNHドメインを操作または修飾してもよい。
【0146】
一例では、CRISPR酵素がII型CRISPR酵素である場合、不活性なCRISPR酵素は、修飾されたRuvCドメインおよび修飾されたHNHドメインを含むII型CRISPR酵素であってもよい。
【0147】
たとえば、II型CRISPR酵素が野性型SpCas9である場合、不活性なCRISPR酵素は、野性型SpCas9のアミノ酸配列の10位のアスパラギン酸と840位のヒスチジンとの両方のアラニン変異により、RuvCドメインおよびHNHドメインの不活性化されたヌクレアーゼ活性を有するSpCas9バリアントであってもよい。それによって産生される不活性なCRISPR酵素、すなわち、SpCas9バリアントは、RuvCドメインおよびHNHドメインの不活性化されたヌクレアーゼ活性を有しているため、標的遺伝子または核酸の二本鎖のいずれも切断され得ない。
【0148】
別の例では、II型CRISPR酵素が野性型CjCas9である場合、不活性なCRISPR酵素は、野性型CjCas9のアミノ酸配列の8位のアスパラギン酸と559位のヒスチジンとの両方のアラニン変異により、RuvCドメインおよびHNHドメインの不活性化されたヌクレアーゼ活性を有するCjCas9バリアントであってもよい。それによって産生される不活性なCRISPR酵素、すなわち、SpCas9バリアントは、RuvCドメインおよびHNHドメインの不活性化されたヌクレアーゼ活性を有しているため、標的遺伝子または核酸の二本鎖のいずれも切断され得ない。
【0149】
CRISPR酵素は、ヘリカーゼ活性、すなわち、上記のヌクレアーゼ活性に加えて、二本鎖核酸のらせん構造をほどく機能を有し得る。
【0150】
さらに、CRISPR酵素は、完全に活性な、不完全なもしくは部分的に活性な、または不活性なヘリカーゼ活性を有するように修飾されてもよい。
【0151】
本明細書の開示の例示的な実施形態によれば、CRISPR酵素は、人為的に改変されたCRISPR酵素であってもよい。
【0152】
「人為的に改変された(人為的に修飾または操作された)」という用語は、天然に存在する状態ではなく、人為的な修飾により形成された状態を意味する。ここで、人為的修飾は、CRISPR酵素および/またはそのタンパク質をコードする核酸で起こり得る。さらに、人為的修飾は、CRISPR酵素をコードする核酸からタンパク質を産生するプロセス、すなわち、転写、転写後修飾、翻訳および翻訳後修飾を含むプロセス全体で起こる実行可能な人為的操作であるすべての修飾を含む。これ以降、非自然の人為的に改変または修飾されたCRISPR酵素は、人為的なCRISPR酵素またはCRISPR酵素バリアント(CRISPR酵素変異体)と互換的に使用され得る。
【0153】
人為的に改変されたCRISPR酵素は、野性型CRISPR酵素の修飾された機能、すなわち、二本鎖DNAのうちの第1鎖を切断する第1機能および/または二本鎖DNAの第2鎖を切断する第2機能を有するCRISPR酵素バリアントであってもよい。
【0154】
たとえば、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の機能のうちの第1機能が失われた形態であってもよい。
【0155】
あるいは、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の機能のうちの第1機能が向上した形態であってもよい。
【0156】
たとえば、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の機能のうちの第2機能が失われた形態であってもよい。
【0157】
あるいは、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の機能のうちの第2機能が向上した形態であってもよい。
【0158】
たとえば、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素のすべての機能、すなわち、第1機能および第2機能が失われた形態であってもよい。
【0159】
あるいは、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素のすべての機能、すなわち第1機能および第2機能が向上した形態であってもよい。
【0160】
あるいは、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の機能のうち、第1機能が失われ、第2機能が向上した形態であってもよい。
【0161】
あるいは、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の機能のうち、第1機能が向上し、第2機能が失われた形態であってもよい。
【0162】
人為的に改変されたCRISPR酵素は、gRNAとの相互作用によりgRNA-CRISPR酵素複合体を形成し得る。
【0163】
ここで、人為的に改変されたCRISPR酵素は、野性型CRISPR酵素のgRNAと相互作用する機能が修飾されたCRISPR酵素バリアントであってもよい。
【0164】
たとえば、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素と比較して、gRNAとの相互作用が低下した形態であってもよい。
【0165】
あるいは、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素と比較して、gRNAとの相互作用が増加した形態であってもよい。
【0166】
たとえば、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1機能を有する一方、gRNAとの相互作用が低下した形態であってもよい。
【0167】
あるいは、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1機能を有する一方、gRNAとの相互作用が増加した形態であってもよい。
【0168】
たとえば、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第2機能を有する一方、gRNAとの相互作用が低下した形態であってもよい。
【0169】
あるいは、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第2機能を有する一方、gRNAとの相互作用が増加した形態であってもよい。
【0170】
たとえば、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1機能および第2機能を有せず、さらにgRNAとの相互作用が低下した形態であってもよい。
【0171】
あるいは、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1機能および第2機能を有さない一方、gRNAとの相互作用が増加した形態であってもよい。
【0172】
ここで、さまざまなgRNA-CRISPR酵素複合体は、gRNAとCRISPR酵素バリアントとの間の相互作用強度に応じて形成され、CRISPR酵素バリアントによる標的配列へのアクセスまたは切断の機能に違いを有し得る。
【0173】
たとえば、gRNAとの相互作用が低下したCRISPR酵素バリアントにより形成されるgRNA-CRISPR酵素複合体が、gRNAに完全に相補的に結合する標的配列に非常に接近または局在化した場合のみ、標的配列の二本鎖または一本鎖は切断され得る。
【0174】
本明細書に開示される人為的に改変されたCRISPR酵素は、野性型CRISPR酵素のアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸を修飾することにより形成されるCRISPR酵素バリアントであってもよい。
【0175】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素のアミノ酸配列から少なくとも1つのアミノ酸が除去された形態であってもよい。
【0176】
一例では、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の正に荷電したアミノ酸から1つ以上のアミノ酸が除去された形態であってもよい。
【0177】
別の例では、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の負に荷電したアミノ酸から1つ以上のアミノ酸が除去された形態であってもよい。
【0178】
さらに別の例では、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の非荷電アミノ酸(または荷電していないアミノ酸)から1つ以上のアミノ酸が除去された形態であってもよい。
【0179】
さらに別の例では、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の正に荷電したアミノ酸、負に荷電したアミノ酸、および荷電していないアミノ酸から1つ以上のアミノ酸が除去された形態であってもよい。
【0180】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素のアミノ酸配列から選択される少なくとも1つのアミノ酸が異なるアミノ酸で置換された形態であってもよい。
【0181】
ここで、異なるアミノ酸、すなわち、置換するアミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択される1つのアミノ酸であってもよい。
【0182】
ここで、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンをそれ自体として使用してもよいし、メチル化、アセチル化およびリン酸化を含むその化学修飾形態として使用してもよい。
【0183】
一例では、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の正に荷電したアミノ酸から選択される1つ以上のアミノ酸が異なるアミノ酸で置換された形態であってもよい。ここで、異なるアミノ酸は、選択された1つ以上のアミノ酸の立体異性体、他の正に荷電したアミノ酸、負に荷電したアミノ酸、および荷電していないアミノ酸から選択される1つ以上のアミノ酸であってもよい。
【0184】
別の例では、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の負に荷電したアミノ酸のうちの1つ以上のアミノ酸が異なるアミノ酸で置換された形態であってもよい。ここで、異なるアミノ酸は、選択された1つ以上のアミノ酸の立体異性体、正に荷電したアミノ酸、他の負に荷電したアミノ酸、および荷電していないアミノ酸から選択される1つ以上のアミノ酸であってもよい。
【0185】
さらに別の例では、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の荷電していないアミノ酸のうちの1つ以上のアミノ酸が異なるアミノ酸で置換された形態であってもよい。ここで、異なるアミノ酸は、選択された1つ以上のアミノ酸、他の荷電していないアミノ酸、正に荷電したアミノ酸、および負に荷電したアミノ酸の立体異性体から選択される1つ以上のアミノ酸であってもよい。
【0186】
さらに別の例では、CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の正に荷電したアミノ酸、負に荷電したアミノ酸、および荷電していないアミノ酸のうちの1つ以上のアミノ酸が異なるアミノ酸で置換された形態であってもよい。ここで、異なるアミノ酸は、選択された1つ以上のアミノ酸の立体異性体、正に荷電したアミノ酸、負に荷電したアミノ酸、および荷電していないアミノ酸から選択される1つ以上のアミノ酸であってもよい。
【0187】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素のアミノ酸配列から少なくとも1つのアミノ酸が置換または除去された形態であってもよい。
【0188】
本明細書に開示される人為的に改変されたCRISPR酵素は、野性型CRISPR酵素のアミノ酸配列に少なくとも1つのアミノ酸を付加することにより形成されるCRISPR酵素バリアントであってもよい。
【0189】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素のアミノ酸配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸が付加された形態であってもよい。
【0190】
あるいは、CRISPR酵素バリアントは、少なくとも1つの機能ドメインが野性型CRISPR酵素のアミノ酸配列に付加された形態であってもよい。
【0191】
ここで、機能ドメインは、1つ以上のアミノ酸で構成されていてもよく、ペプチドまたはポリペプチドであってもよい。
【0192】
ここで、機能ドメインは、野性型CRISPR酵素の本来の機能に加えて、二本鎖DNAの第1鎖を切断する第1機能および二本鎖DNAの第2鎖を切断する第2機能などの追加の機能を有するドメインであってもよい。
【0193】
あるいは、機能ドメインは、野性型CRISPR酵素の本来の機能と同様の、二本鎖DNAの第1鎖を切断する第1機能および二本鎖DNAの第2鎖を切断する第2機能などの機能を有するドメインであってもよい。
【0194】
一例では、機能ドメインは、メチラーゼ活性、デメチラーゼ活性、転写活性化活性、転写抑制活性、転写放出因子活性、ヒストン修飾活性、RNA切断活性または核酸結合活性を有するドメインであってもよい。
【0195】
別の例では、機能ドメインは、(ペプチドを含む)タンパク質の単離および精製用のタグまたはレポーター遺伝子であってもよい。ここで、タグは、ヒスチジン(His)タグ、V5タグ、FLAGタグ、インフルエンザ血球凝集素(HA)タグ、Mycタグ、VSV-Gタグ、チオレドキシン(Trx)タグなどを含み、レポーター遺伝子は、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-ガラクトシダーゼ、β-グルクロニダーゼ、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、HcRed、DsRed、シアン蛍光タンパク質(CFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)および青色蛍光タンパク質(BFP)を含む自家蛍光タンパク質を含むが、本発明はこれらに限定されない。
【0196】
さらに別の例では、機能ドメインはデアミナーゼであってもよい。
【0197】
たとえば、不完全または部分的なCRISPR酵素は、機能ドメインとしてシチジンデアミナーゼをさらに含んでいてもよい。あるいは、不完全または部分的なCRISPR酵素は、機能ドメインとしてアデニンデアミナーゼをさらに含んでいてもよい。
【0198】
さらに別の例では、機能ドメインは、核局在化配列もしくはシグナル(NLS)または核外移行配列もしくはシグナル(NES)であってもよい。
【0199】
たとえば、CRISPR酵素は1つ以上のNLSを含んでいてもよい。ここで、1つ以上のNLSが、CRISPR酵素のN末端またはその近傍に;CRISPR酵素のC末端またはその近傍に;またはその組合せに含まれていてもよい。NLSは、NLSに由来する以下のNLS配列、アミノ酸配列PKKKRKV(配列番号12)を有するSV40ウイルスラージT抗原のNLS;ヌクレオプラスミンからのNLS(たとえば、配列KRPAATKKAGQAKKKK(配列番号13)を有するヌクレオプラスミン双節型NLS);アミノ酸配列PAAKRVKLD(配列番号14)またはRQRRNELKRSP(配列番号15)を有するc-myc NLS;配列NQSSNFGPMKGGNFGGRSSGPYGGGGQYFAKPRNQGGY(配列番号16)を有するhRNPA1 M9 NLS;インポーチン-αからのIBBドメインの配列RMRIZFKNKGKDTAELRRRRVEVSVELRKAKKDEQILKRRNV(配列番号17);筋腫Tタンパク質の配列VSRKRPRP(配列番号18)およびPPKKARED(配列番号19);ヒトP53の配列PQPKKKPL(配列番号20);マウスc-abl IVの配列SALIKKKKKMAP(配列番号21);インフルエンザウイルスNS1の配列DRLRR(配列番号22)および配列PKQKKRK(配列番号23);D型肝炎ウイルス抗原の配列RKLKKKIKKL(配列番号24);マウスMx1タンパク質の配列REKKKFLKRR(配列番号25);ヒトポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの配列KRKGDEVDGVDEVAKKKSKK(配列番号26);またはヒトグルココルチコイドのステロイドホルモン受容体の配列RKCLQAGMNLEARKTKK(配列番号27)であってもよいが、本発明はこれらに限定されない。
【0200】
人為的に改変されたCRISPR酵素は、野性型CRISPR酵素の特定の領域のアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸を修飾することにより形成されるCRISPR酵素バリアントであってもよい。
【0201】
人為的に改変されたCRISPR酵素は、野性型CRISPR酵素の特定の領域に1つ以上のアミノ酸を付加することにより形成されるCRISPR酵素バリアントであってもよい。
【0202】
ここで、野性型CRISPR酵素の特定の領域は、第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域であってもよい。
【0203】
第1領域は、gRNAと相互作用する野性型CRISPR酵素の部分であってもよい。
【0204】
第1領域は、標的配列と相互作用する野性型CRISPR酵素の部分であってもよい。
【0205】
第1領域は、gRNA標的配列ヘテロ二本鎖と相互作用する野性型CRISPR酵素の部分であってもよい。
【0206】
第1領域は、gRNA標的配列ヘテロ二本鎖のPAMの遠位端と相互作用する野性型CRISPR酵素の部分であってもよい。
【0207】
ここで、gRNA標的配列ヘテロ二本鎖のPAMの遠位端とは、PAMの位置から離れているgRNA標的配列ヘテロ二本鎖の末端で6~10塩基対を意味し得、これは、gRNAの6~10塩基の配列およびそれと相補的に結合する標的配列の6~10塩基の配列である。
【0208】
第1領域は、野性型CRISPR酵素のRECローブに位置する領域であってもよい。
【0209】
第1領域は、野性型CRISPR酵素のRECドメインの全体または部分であってもよい。
【0210】
第2領域は、野性型CRISPR酵素の第1機能または第2機能を有する野性型CRISPR酵素の部分であってもよい。
【0211】
第2領域は、野性型CRISPR酵素のNUCローブに位置する領域であってもよい。
【0212】
第2領域は、CRISPR酵素の野性型RuvCドメインの全体または部分であってもよい。
【0213】
第2領域は、CRISPR酵素の野性型RuvCドメインの金属依存性核酸切断領域を含むRuvCドメインの部分であってもよい。
【0214】
ここで、RuvCドメインの金属依存性核酸切断領域とは、RuvCドメイン内の金属と相互作用することにより標的位置で核酸間の結合を切断できる領域を意味し得る。
【0215】
金属依存性核酸切断領域は、金属と相互作用する部分と、標的位置で核酸間の結合を切断できる部分とで構成されていてもよい。
【0216】
第3領域は、野性型CRISPR酵素の第1機能または第2機能を有する野性型CRISPR酵素の部分であってもよい。
【0217】
第3領域は、野性型CRISPR酵素のNUCローブに位置する領域であってもよい。
【0218】
第3領域は、野性型CRISPR酵素のHNHドメインの全体または部分であってもよい。
【0219】
第3領域は、野性型CRISPR酵素のHNHドメインの金属依存性核酸切断領域を含むHNHドメインの部分であってもよい。
【0220】
ここで、HNHドメインの金属依存性核酸切断領域とは、HNHドメイン内の金属と相互作用することにより標的位置で核酸間の結合を切断できる領域を意味し得る。
【0221】
第4領域は、標的遺伝子または核酸中の特定のヌクレオチド配列、すなわちプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を認識できる野性型CRISPR酵素の部分であってもよい。
【0222】
第4領域は、標的遺伝子または核酸中の特定のヌクレオチド配列、すなわちPAMと相互作用する野性型CRISPR酵素の部分であってもよい。
【0223】
第4領域は、gRNAのヌクレオチド配列の部分と相互作用する野性型CRISPR酵素の部分であってもよい。
【0224】
第4領域は、野性型CRISPR酵素のNUCローブに位置する領域であってもよい。
【0225】
第4領域は、野性型CRISPR酵素のPIドメインの全体または部分であってもよい。
【0226】
人為的に改変されたCRISPR酵素は、野性型CRISPR酵素の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域のアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸を修飾することにより形成されるCRISPR酵素バリアントであってもよい。
【0227】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1領域のアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0228】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第2領域のアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0229】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第3領域のアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0230】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第4領域のアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0231】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1領域および第2領域のアミノ酸配列の少なくとも2つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0232】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1領域および第3領域のアミノ酸配列の少なくとも2つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0233】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1領域および第4領域のアミノ酸配列の少なくとも2つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0234】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第2領域および第3領域のアミノ酸配列の少なくとも2つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0235】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第2領域および第4領域のアミノ酸配列の少なくとも2つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0236】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第3領域および第4領域のアミノ酸配列の少なくとも2つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0237】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1領域、第2領域および第3領域のアミノ酸配列の少なくとも3つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、3つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0238】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1領域、第2領域および第4領域のアミノ酸配列の少なくとも3つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、3つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0239】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1領域、第3領域および第4領域のアミノ酸配列の少なくとも3つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、3つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0240】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第2領域、第3領域および第4領域のアミノ酸配列の少なくとも3つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、3つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0241】
CRISPR酵素バリアントは、野性型CRISPR酵素の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域のアミノ酸配列の少なくとも4つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、4つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0242】
CRISPR酵素バリアントは、1つ以上の領域から選択される少なくとも1つのアミノ酸の修飾を含んでいてもよい。
【0243】
ここで、修飾は、選択された1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0244】
ここで、修飾は、選択された1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することであってもよい。
【0245】
一例では、異なるアミノ酸は、選択されたアミノ酸の立体異性体であってもよい。
【0246】
たとえば、修飾は、野性型CRISPR酵素の第1領域に位置するL-グルタミンをD-グルタミンで置換することであってもよい。
【0247】
別の例では、異なるアミノ酸は、選択されたアミノ酸よりも低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であってもよい。
【0248】
たとえば、修飾は、野性型CRISPR酵素の第2領域に位置するフェニルアラニン(ハイドロパシー指数:2.8)を、より低いハイドロパシー指数(-0.4)を有するグリシンで置換することであってもよい。
【0249】
さらに別の例では、異なるアミノ酸は、選択されたアミノ酸よりも高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であってもよい。
【0250】
たとえば、修飾は、野性型CRISPR酵素の第1領域に位置するセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)を、より高いハイドロパシー指数(3.8)を有するロイシンで置換することであってもよい。
【0251】
一例では、異なるアミノ酸は、選択されたアミノ酸の官能基よりも小さい官能基を有するアミノ酸であってもよい。
【0252】
たとえば、修飾、野性型CRISPR酵素の第3領域に位置するバリンを、バリンよりも小さい官能基を有するアラニンで置換することであってもよい。
【0253】
別の例では、異なるアミノ酸は、選択されたアミノ酸の官能基よりも大きい官能基を有するアミノ酸であってもよい。
【0254】
たとえば、修飾は、野性型CRISPR酵素の第2領域に位置するグリシンを、グリシンの官能基よりも大きい官能基を有するヒスチジンで置換することであってもよい。
【0255】
一例では、異なるアミノ酸は、選択されたアミノ酸の疎水性よりも高い疎水性を有するアミノ酸であってもよい。
【0256】
たとえば、修飾は、野性型CRISPR酵素の第1領域に位置するアスパラギン(Kyte-Doolittleの疎水性:-3.5)をトレオニン(Kyte-Doolittleの疎水性:-0.7)で置換することであってもよい。
【0257】
別の例では、異なるアミノ酸は、選択されたアミノ酸の疎水性よりも低い疎水性を有するアミノ酸であってもよい。
【0258】
たとえば、修飾は、野性型CRISPR酵素の第4領域に位置するシステイン(Kyte-Doolittleの疎水性:2.5)をプロリン(Kyte-Doolittleの疎水性:-1.6)で置換することであってもよい。
【0259】
一例では、異なるアミノ酸は、選択されたアミノ酸よりも大きいアミノ酸であってもよい。
【0260】
たとえば、修飾は、野性型CRISPR酵素の第3領域に位置するリシン(分子量(m.w.):146.189)をトリプトファン(m.w.:204.228)で置換することであってもよい。
【0261】
別の例では、異なるアミノ酸は、選択されたアミノ酸よりも小さいアミノ酸であってもよい。
【0262】
たとえば、修飾は、野性型CRISPR酵素の第2領域に位置するフェニルアラニン(分子量(m.w.:165.192)をグルタミン酸(m.w.:147.131)で置換することであってもよい。
【0263】
修飾は、選択された1つ以上のアミノ酸を同数の他のアミノ酸で置換することであってもよい。
【0264】
たとえば、修飾は、野性型CRISPR酵素の第1領域に位置する1つのアラニンを1つのグリシンで置換することであってもよい。あるいは、修飾は、野性型CRISPR酵素の第1領域に位置する1つのアルギニンと第4領域に位置する1つのヒスチジンとを、それぞれ1つのロイシン(第1領域)と1つのセリン(第4領域)とで置換することであってもよい。あるいは、修飾は、野性型CRISPR酵素の第2領域に位置する1つのアルギニンおよび1つのバリンならびに第3領域に位置する1つのロイシンを、それぞれ1つのフェニルアラニン、すなわち合計3つのフェニルアラニンで置換することであってもよい。
【0265】
修飾は、選択された1つ以上のアミノ酸を、異なる数の他のアミノ酸で置換することであってもよい。
【0266】
たとえば、修飾は、野性型CRISPR酵素の第2領域に位置する1つのロイシンを、システイン-アラニン-アラニン、すなわち合計3つのアミノ酸で置換することであってもよい。あるいは、修飾は、野性型CRISPR酵素の第1領域に位置する1つのヒスチジンと、第3領域に位置するアラニン-グルタミンの2つの隣接アミノ酸とを、それぞれメチオニン-バリン(第1領域)とプロリン(第3領域)とで置換することであってもよい。あるいは、修飾は、野性型CRISPR酵素の第1領域に位置する1つのグルタミン酸、第2領域に位置するアラニン-ロイシン-ヒスチジンの3つの隣接アミノ酸および第3領域に位置するトリプトファン-セリンの2つの隣接アミノ酸を、それぞれアラニン(第1領域)、メチオニン-プロリン(第2領域)およびシステイン-アラニン-トレオニン-バリン(第3領域)で置換することであってもよい。
【0267】
人為的に改変されたCRISPR酵素は、野性型CRISPR酵素の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に少なくとも1つのアミノ酸を付加することにより形成されるCRISPR酵素バリアントであってもよい。
【0268】
ここで、付加は、選択された1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に1つ以上のアミノ酸を付加することであってもよい。
【0269】
一例では、付加は、選択された1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に、正電荷を有する1つ以上のアミノ酸を付加することであってもよい。
【0270】
たとえば、付加は、第1領域に位置する選択された1つのアラニンのC末端に1つのアルギニンを付加することであってもよい。あるいは、付加は、第3領域に位置する選択されたグルタミン酸のN末端にヒスチジン-リシンの2つのアミノ酸を付加することであってもよい。
【0271】
別の例では、付加は、選択された1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に、負電荷を有する1つ以上のアミノ酸を付加することであってもよい。
【0272】
たとえば、付加は、第2領域に位置する選択された1つのトレオニンのN末端に1つのアスパラギン酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、第4領域に位置する選択されたヒスチジンのC末端にグルタミン酸-アスパラギン酸-グルタミン酸の3つのアミノ酸を付加することであってもよい。
【0273】
さらに別の例では、付加は、選択された1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に、電荷を有しない1つ以上のアミノ酸を付加することであってもよい。
【0274】
たとえば、付加は、第2領域に位置する選択された1つのシステインのC末端にセリン-バリンの2つのアミノ酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、第3領域に位置する選択されたリシンのN末端にグリシン-プロリン-グルタミン-フェニルアラニン-ロイシンの5つのアミノ酸を付加することであってもよい。
【0275】
別の例では、付加は、選択された1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に、正に荷電したアミノ酸、負に荷電したアミノ酸、および荷電していないアミノ酸から選択される1つ以上のアミノ酸を付加することであってもよい。
【0276】
たとえば、付加は、第1領域に位置する選択された1つのアルギニンのC末端にヒスチジン-アルギニン-グリシン-セリン-アラニン-グルタミン酸の6つのアミノ酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、第4領域に位置する選択された1つのグリシンのN末端にリシン-リシン-アラニン-フェニルアラニン-グルタミン-トレオニン-メチオニン-システイン-アスパラギン酸-セリンの10のアミノ酸を付加することであってもよい。
【0277】
付加は、選択された1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に1つ以上の機能ドメインを付加することであってもよい。
【0278】
ここで、機能ドメインは、野性型CRISPR酵素の本来の機能に加えて、二本鎖DNAの第1鎖を切断する第1機能および二本鎖DNAの第2鎖を切断する第2機能である追加の機能を有するドメインであってもよい。
【0279】
あるいは、機能ドメインは、野性型CRISPR酵素の本来の機能と同様の、二本鎖DNAの第1鎖を切断する第1機能および二本鎖DNAの第2鎖を切断する第2機能などの機能を有するドメインであってもよい。
【0280】
一例では、機能ドメインは、メチラーゼ活性、デメチラーゼ活性、転写活性化活性、転写抑制活性、転写放出因子活性、ヒストン修飾活性、RNA切断活性または核酸結合活性を有するドメインであってもよい。
【0281】
別の例では、機能ドメインは、(ペプチドを含む)タンパク質の単離および精製用のタグまたはレポーター遺伝子であってもよい。ここで、タグは、ヒスチジン(His)タグ、V5タグ、FLAGタグ、インフルエンザ血球凝集素(HA)タグ、Mycタグ、VSV-Gタグ、チオレドキシン(Trx)タグなどを含み、レポーター遺伝子は、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-ガラクトシダーゼ、β-グルクロニダーゼ、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、HcRed、DsRed、シアン蛍光タンパク質(CFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)および青色蛍光タンパク質(BFP)を含む自家蛍光タンパク質を含むが、本発明はこれらに限定されない。
【0282】
さらに別の例では、機能ドメインはデアミナーゼであってもよい。ここで、デアミナーゼはアデニンデアミナーゼおよび/またはシチジンデアミナーゼであってもよい。
【0283】
さらに別の例では、機能ドメインは、核局在化配列もしくはシグナル(NLS)または核外移行配列もしくはシグナル(NES)であってもよい。
【0284】
本明細書に開示される本開示の例示的な一実施形態では、人為的に改変されたCRISPR酵素は、人為的に改変されたCas9であってもよい。
【0285】
人為的に改変されたCas9は、野性型Cas9の特定の領域のアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸を修飾することにより形成されるCas9バリアントであってもよい。
【0286】
人為的に改変されたCas9は、野性型Cas9の特定の領域に少なくとも1つのアミノ酸を付加することにより形成されるCas9バリアントであってもよい。
【0287】
ここで、野性型Cas9の特定の領域は、第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域であってもよい。
【0288】
第1領域は、gRNAと相互作用する野性型Cas9の部分であってもよい。
【0289】
第1領域は、標的配列と相互作用する野性型Cas9の部分であってもよい。
【0290】
第1領域は、gRNA標的配列ヘテロ二本鎖と相互作用する野性型Cas9の部分であってもよい。
【0291】
第1領域は、gRNA標的配列ヘテロ二本鎖のPAMの遠位端と相互作用する野性型Cas9の部分であってもよい。
【0292】
ここで、gRNA標的配列ヘテロ二本鎖のPAMの遠位端とは、PAMの位置から離れているgRNA標的配列ヘテロ二本鎖の末端で6~10塩基対を意味し得、これは、gRNAの6~10塩基の配列およびそれと相補的に結合する標的配列の6~10塩基の配列である。
【0293】
第1領域は、野性型Cas9のRECローブに位置する領域であってもよい。
【0294】
第1領域は、野性型Cas9のRECドメインの全体または部分であってもよい。
【0295】
第1領域は、野性型Cas9のRECドメインのC末端の300のアミノ酸からなる領域であってもよい。
【0296】
第1領域は、野性型Cas9のRECドメインのN末端の220のアミノ酸でからなる領域であってもよい。
【0297】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9(配列番号1)である場合、第1領域は、野性型SpCas9の94番目の位置のアスパラギン酸(D94)から717番目の位置のグリシン(G717)までのアミノ酸配列の全体または部分であってもよい。
【0298】
例示的な一実施形態では、第1領域は、野性型SpCas9の196番目の位置のフェニルアラニン(F196)から282番目の位置のイソロイシン(I282)までのアミノ酸配列(領域1-1、配列番号2)であってもよい。
【0299】
別の例示的な実施形態では、第1領域は、野性型SpCas9の316番目の位置のプロリン(P316)から394番目の位置のアスパラギン(N394)までのアミノ酸配列(領域1-2、配列番号3)であってもよい。
【0300】
さらに別の例示的な実施形態では、第1領域は、野性型SpCas9の510番目の位置のリシン(K510)から612番目の位置のアスパラギン(N612)までのアミノ酸配列(領域1-3、配列番号4)であってもよい。
【0301】
さらに別の例示的な実施形態では、第1領域は、野性型SpCas9の678番目の位置のトレオニン(T678)から698番目の位置のヒスチジン(H698)までのアミノ酸配列(領域1-4、配列番号5)であってもよい。
【0302】
例示的な一実施形態では、第1領域は、野性型SpCas9の196番目の位置のフェニルアラニン(F196)から282番目の位置のイソロイシン(I282)までのアミノ酸配列(領域1-1)、野性型SpCas9の316番目の位置のプロリン(P316)から394番目の位置のアスパラギン(N394)までのアミノ酸配列(領域1-2)、野性型SpCas9の510番目の位置のリシン(K510)から612番目の位置のアスパラギン(N612)までのアミノ酸配列(領域1-3)、および野性型SpCas9の678番目の位置のトレオニン(T678)から698番目の位置のヒスチジン(H698)までのアミノ酸配列(領域1-4)から選択される2つの領域であってもよい。
【0303】
別の例示的な実施形態では、第1領域は、野性型SpCas9の196番目の位置のフェニルアラニン(F196)から282番目の位置のイソロイシン(I282)までのアミノ酸配列(領域1-1)、野性型SpCas9の316番目の位置のプロリン(P316)から394番目の位置のアスパラギン(N394)までのアミノ酸配列(領域1-2)、野性型SpCas9の510番目の位置のリシン(K510)から612番目の位置のアスパラギン(N612)までのアミノ酸配列(領域1-3)、および野性型SpCas9の678番目の位置のトレオニン(T678)から698番目の位置のヒスチジン(H698)までのアミノ酸配列(領域1-4)から選択される3つの領域であってもよい。
【0304】
さらに別の例示的な実施形態では、第1領域は、野性型SpCas9の196番目の位置のフェニルアラニン(F196)から282番目の位置のイソロイシン(I282)までのアミノ酸配列(領域1-1)、野性型SpCas9の316番目の位置のプロリン(P316)から394番目の位置のアスパラギン(N394)までのアミノ酸配列(領域1-2)、野性型SpCas9の510番目の位置のリシン(K510)から612番目の位置のアスパラギン(N612)までのアミノ酸配列(領域1-3)、および野性型SpCas9の678番目の位置のトレオニン(T678)から698番目の位置のヒスチジン(H698)までのアミノ酸配列(領域1-4)であってもよい。
【0305】
別の例では、野性型Cas9が野性型SaCas9である場合、第1領域は、野性型SaCas9の75番目の位置のアスパラギン(N75)から426番目の位置のリシン(K426)までのアミノ酸配列の全体または部分であってもよい。
【0306】
例示的な一実施形態では、第1領域は、野性型SaCas9の207番目の位置のトレオニン(T207)から426番目の位置のリシン(K426)までのアミノ酸配列であってもよい。
【0307】
第2領域は、野性型Cas9の第1機能または第2機能を有する野性型Cas9の部分であってもよい。
【0308】
第2領域は、野性型Cas9のNUCローブに位置する領域であってもよい。
【0309】
第2領域は、野性型Cas9のRuvCドメインの全体または部分であってもよい。
【0310】
第2領域は、野性型Cas9の金属依存性核酸切断領域を含むRuvCドメインの部分であってもよい。
【0311】
ここで、RuvCドメインの金属依存性核酸切断領域とは、RuvCドメイン内の金属と相互作用することにより標的位置で核酸間の結合を切断できる領域を意味し得る。
【0312】
金属依存性核酸切断領域は、金属と相互作用する部分と、標的位置で核酸間の結合を切断できる部分とで構成されていてもよい。
【0313】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、第2領域は、野性型SpCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から59番目の位置のアラニン(A59)までのアミノ酸配列(RuvC I領域)の全体または部分であってもよい。
【0314】
第2領域は、野性型SpCas9の718番目の位置のアスパラギン酸(D718)から774番目の位置のグルタミン(Q774)までのアミノ酸配列(RuvC II領域)の全体または部分であってもよい。
【0315】
第2領域は、野性型SpCas9の909番目の位置のセリン(S909)から1098番目の位置のトレオニン(T1098)までのアミノ酸配列(RuvC III領域)の全体または部分であってもよい。
【0316】
第2領域は、野性型SpCas9のRuvC I領域、RuvC II領域および/またはRuvC III領域であってもよい。
【0317】
例示的な一実施形態では、第2領域は、野性型SpCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から22番目の位置のトレオニン(T22)までのアミノ酸配列(領域2-1、配列番号6)であってもよい。
【0318】
別の例示的な実施形態では、第2領域は、野性型SpCas9の731番目の位置のプロリン(P731)から770番目の位置のトレオニン(T770)までのアミノ酸配列(領域2-2、配列番号7)であってもよい。
【0319】
さらに別の例示的な実施形態では、第2領域は、野性型SpCas9の926番目の位置のグルタミン(Q926)から1040番目の位置のセリン(S1040)までのアミノ酸配列(領域2-3、配列番号8)であってもよい。
【0320】
例示的な実施形態では、第2領域は、野性型SpCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から22番目の位置のトレオニン(T22)までのアミノ酸配列(領域2-1)および野性型SpCas9の731番目の位置のプロリン(P731)から770番目の位置のトレオニン(T770)のアミノ酸配列(領域2-2)であってもよい。
【0321】
別の例示的な実施形態では、第2領域は、野性型SpCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から22番目の位置のトレオニン(T22)までのアミノ酸配列(領域2-1)および野性型SpCas9の926番目の位置のグルタミン(Q926)から1040番目の位置のセリン(S1040)までのアミノ酸配列(領域2-3)であってもよい。
【0322】
さらに別の例示的な実施形態では、第2領域は、野性型SpCas9の731番目の位置のプロリン(P731)から770番目の位置のトレオニン(T770)までのアミノ酸配列(領域2-2)および野性型SpCas9の926番目の位置のグルタミン(Q926)から1040番目の位置のセリン(S1040)までのアミノ酸配列(領域2-3)であってもよい。
【0323】
さらに別の例示的な実施形態では、第2領域は、野性型SpCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から22番目の位置のトレオニン(T22)までのアミノ酸配列(領域2-1)、野性型SpCas9の731番目の位置のプロリン(P731)から770番目の位置のトレオニン(T770)までのアミノ酸配列(領域2-2)、および野性型SpCas9の926番目の位置のグルタミン(Q926)から1040番目の位置のセリン(S1040)までのアミノ酸配列(領域2-3)であってもよい。
【0324】
別の例では、野性型Cas9が野性型SaCas9である場合、第2領域は、野性型SaCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から41番目の位置のバリン(V41)までのアミノ酸配列(RuvC I領域)の全体または部分であってもよい。
【0325】
第2領域は、野性型SaCas9の436番目の位置のイソロイシン(I436)から481番目の位置のグルタミン酸(E481)までのアミノ酸配列(RuvC II領域)の全体または部分であってもよい。
【0326】
第2領域は、野性型SaCas9の651番目の位置のチロシン(Y651)から775番目の位置のバリン(V775)までのアミノ酸配列(RuvC III領域)の全体または部分であってもよい。
【0327】
第2領域は、野性型SaCas9のRuvC I領域、RuvC II領域および/またはRuvC III領域であってもよい。
【0328】
例示的な一実施形態では、第2領域は、野性型SaCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から25番目の位置のトレオニン(T25)までのアミノ酸配列(領域2-1)であってもよい。
【0329】
別の例示的な実施形態では、第2領域は、野性型SaCas9のアミノ酸配列の471番目の位置のプロリン(P471)から481番目の位置のグルタミン酸(E481)までのアミノ酸配列(領域2-2)であってもよい。
【0330】
さらに別の例示的な実施形態では、第2領域は、野性型SaCas9の667番目の位置のアスパラギン(N667)から740番目の位置のセリン(S740)までのアミノ酸配列(領域2-3)であってもよい。
【0331】
第3領域は、その第1機能または第2機能を有する野性型Cas9の部分であってもよい。
【0332】
第3領域は、野性型Cas9のNUCローブに位置する領域であってもよい。
【0333】
第3領域は、野性型Cas9のHNHドメインの全体または部分であってもよい。
【0334】
第3領域は、野性型Cas9の金属依存性核酸切断領域を含むHNHドメインの全体または部分であってもよい。
【0335】
ここで、HNHドメインの金属依存性核酸切断領域とは、HNHドメイン内の金属と相互作用することにより標的位置で核酸を切断できる領域を意味し得る。
【0336】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、第3領域は、野性型SpCas9の775番目の位置のリシン(K775)から908番目の位置のロイシン(L908)までのアミノ酸配列の全体または部分であってもよい。
【0337】
例示的な一実施形態では、第3領域は、野性型SpCas9の775番目の位置のリシン(K775)から900番目の位置のロイシン(L900)までのアミノ酸配列(領域3-1、配列番号9)であってもよい。
【0338】
別の例では、野性型Cas9が野性型SaCas9である場合、第3領域は、野性型SaCas9の521番目の位置のイソロイシン(I521)から629番目の位置のグルタミン酸(E629)までのアミノ酸配列の全体または部分であってもよい。
【0339】
例示的な一実施形態では、第3領域は、野性型SaCas9の523番目の位置のリシン(K523)から627番目の位置のロイシン(L627)までのアミノ酸配列(領域3-1)であってもよい。
【0340】
第4領域は、標的遺伝子または核酸中の特定のヌクレオチド配列、すなわちPAMを認識できる野性型Cas9の一部であってもよい。
【0341】
第4領域は、標的遺伝子または核酸中の特定のヌクレオチド配列、すなわちPAMと相互作用する野性型Cas9の一部であってもよい。
【0342】
第4領域は、gRNAのヌクレオチド配列の一部と相互作用する野性型Cas9の一部であってもよい。
【0343】
第4領域は、野性型Cas9のNUCローブに位置する領域であってもよい。
【0344】
第4領域は、野性型Cas9のPIドメインの全体または部分であってもよい。
【0345】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、第4領域は、野性型SpCas9の1099番目の位置のグルタミン酸(E1099)から1368番目の位置のアスパラギン酸(D1368)までのアミノ酸配列の全体または部分であってもよい。
【0346】
例示的な一実施形態では、第4領域は、野性型SpCas9の1099番目の位置のグルタミン酸(E1099)から1139番目の位置のバリン(V1139)までのアミノ酸配列(領域4-1、配列番号10)であってもよい。
【0347】
別の例では、野性型Cas9が野性型SaCas9である場合、第4領域は、野性型SaCas9の910番目の位置のリシン(K910)から1053番目の位置のグリシン(G1053)までのアミノ酸配列の全体または部分であってもよい。
【0348】
例示的な一実施形態では、第4領域は、野性型SaCas9の910番目の位置のリシン(K910)から970番目の位置のアスパラギン酸(D970)までのアミノ酸配列(領域4-1)であってもよい。
【0349】
人為的に改変されたCas9は、野性型Cas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域のアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸を修飾することにより形成されるCas9バリアントであってもよい。
【0350】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第1領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0351】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0352】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0353】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1の脂肪族またはアミドベースの官能基を有するアミノ酸である、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281およびI282から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0354】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0355】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2の非極性アミノ酸である、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391およびL393からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0356】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0357】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3のK510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588およびI601からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0358】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3の非極性アミノ酸である、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606およびL607からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0359】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0360】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4のN692、M694、Q695およびH698からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0361】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域1-4のI679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0362】
さらに別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、選択された2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に位置してもよい。あるいは、選択された2つ以上のアミノ酸は、同じ領域に位置してもよい。
【0363】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0364】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4のA203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695およびH698からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0365】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3および領域1-4のK510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695およびH698からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0366】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域1-3および領域1-4のL513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0367】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、選択された3つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に位置してもよい。あるいは、選択された3つ以上のアミノ酸は、同じ領域に位置してもよい。あるいは、選択された3つ以上のアミノ酸は、それぞれ同じまたは異なる領域に位置してもよい。
【0368】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0369】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4のA203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695およびH698からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0370】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-3および領域1-4のA203、N277、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695およびH698からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0371】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2、領域1-3および領域1-4のG366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695およびH698からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0372】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第2領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0373】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0374】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0375】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1のI7、G8、L9、D10、I11およびG12からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0376】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域2-1のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20およびI21からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0377】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-2のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0378】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-2のI761、E762、M763、R765、E766およびN767からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0379】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域2-2のP731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763およびA764からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0380】
さらに別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0381】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-3のD965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0382】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域2-3のI927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0383】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1および領域2-2のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、選択された2つ以上のアミノ酸は、それぞれ領域2-1および領域2-2に位置してもよい。
【0384】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1および領域2-2のI7、G8、L9、D10、I11、G12、I761、E762、M763、R765、E766およびN767からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0385】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域2-1および領域2-2のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763およびA764からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0386】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1および領域2-3のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、選択された2つ以上のアミノ酸は、それぞれ領域2-1および領域2-3に位置してもよい。
【0387】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1および領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0388】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域2-1および領域2-3のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0389】
さらに別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-2および2-3のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、選択された2つ以上のアミノ酸は、それぞれ領域2-2および領域2-3に位置してもよい。
【0390】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-2および領域2-3のI761、E762、M763、R765、E766、N767、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0391】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域2-2および領域2-3のP731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0392】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および領域2-3のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、選択された3つ以上のアミノ酸は、それぞれ野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および領域2-3に位置してもよい。
【0393】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、I761、E762、M763、R765、E766、N767、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0394】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および領域2-3のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0395】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第3領域のアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0396】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第3領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0397】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0398】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域3-1のV838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0399】
たとえば、SpCas9バリアントは、荷電アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0400】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第4領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0401】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第4領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0402】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0403】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0404】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第1領域および第2領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0405】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第2領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0406】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1および領域2-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0407】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1および領域2-1のI7、G8、L9、D10、I11、G12、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281およびI282からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0408】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1および領域2-2のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0409】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1および領域2-2のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、I761、E762、M763、R765、E766およびN767からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0410】
さらに別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1および領域2-3のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0411】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1および領域2-3のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0412】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2および領域2-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0413】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2および領域2-1のI7、G8、L9、D10、I11、G12、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391およびL393からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0414】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち野性型SpCas9の領域1-2および領域2-1のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391およびL393からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0415】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2および領域2-2のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0416】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2および領域2-2のP316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、I761、E762、M763、R765、E766およびN767からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0417】
さらに別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2および領域2-3のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0418】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2および領域2-3のP316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0419】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3および領域2-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0420】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3および領域2-1のI7、G8、L9、D10、I11、G12、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588およびI601からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0421】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域1-3およびの領域2-1のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606およびL607からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0422】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3および領域2-2のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0423】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3および領域2-2のK510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、I761、E762、M763、R765、E766およびN767からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0424】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域1-3および領域2-2のL513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763およびA764からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0425】
さらに別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3および領域2-3のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0426】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3および領域2-3のK510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0427】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち野性型SpCas9の領域1-3および領域2-3のL513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0428】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4および領域2-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0429】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4および領域2-1のI7、G8、L9、D10、I11、G12、N692、M694、Q695およびH698からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0430】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域1-4および領域2-1のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0431】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4および領域2-2のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0432】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4および領域2-2のN692、M694、Q695、H698、I761、E762、M763、R765、E766およびN767からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0433】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域1-4および領域2-2のI679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763およびA764からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0434】
さらに別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4および領域2-3のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0435】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4および領域2-3のN692、M694、Q695、H698、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を含む形態であってもよい。
【0436】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域1-4および領域2-3のI679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0437】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第2領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0438】
ここで、第1領域は、領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4であってもよい。
【0439】
ここで、第2領域は、領域2-1、領域2-2および領域2-3であってもよい。
【0440】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第2領域のI7、G8、L9、D10、I11、G12、A203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、I761、E762、M763、R765、E766、N767、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0441】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第2領域のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0442】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第1領域および第3領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0443】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第3領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0444】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1および領域3-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0445】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1および領域3-1のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0446】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2および領域3-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0447】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域1-2のP316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391およびL393;ならびに荷電アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0448】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3および領域3-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0449】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3および領域3-1のK510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0450】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域1-3のL513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606およびL607;ならびに荷電アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0451】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4および領域3-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0452】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4および領域3-1のN692、M694、Q695、H698、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0453】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域1-4のI679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697;ならびに荷電アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0454】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第3領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0455】
ここで、第1領域は、領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4であってもよい。
【0456】
ここで、第3領域は領域3-1であってもよい。
【0457】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第3領域のA203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0458】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第3領域のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0459】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第1領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0460】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0461】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1および領域4-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0462】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-1および領域4-1のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0463】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2および領域4-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0464】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-2および領域4-1のP316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0465】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3および領域4-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0466】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-3および領域4-1のK510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0467】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域1-3のL513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606およびL607;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0468】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4および領域4-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0469】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域1-4および領域4-1のN692、M694、Q695、H698、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0470】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち野性型SpCas9の領域1-4のI679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0471】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0472】
ここで、第1領域は、領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4であってもよい。
【0473】
ここで、第4領域は領域4-1であってもよい。
【0474】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第4領域のA203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0475】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域および第4領域のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0476】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第2領域および第3領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0477】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域および第3領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0478】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1および領域3-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0479】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1および領域3-1のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0480】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域2-1のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20およびI21;ならびに荷電アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0481】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-2および領域3-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0482】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-2および領域3-1のI761、E762、M763、R765、E766、N767、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0483】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域2-2のP731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763およびA764;ならびに荷電アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0484】
さらに別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-3および領域3-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0485】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-3および領域3-1のV838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0486】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域2-3のI927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038;ならびに荷電アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0487】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域および第3領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0488】
ここで、第2領域は、領域2-1、領域2-2および領域2-3であってもよい。
【0489】
ここで、第3領域は領域3-1であってもよい。
【0490】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域および第3領域のI7、G8、L9、D10、I11、G12、I761、E762、M763、R765、E766、N767、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、Y981、H982、H983、A984、H985、D965、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0491】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域および第3領域のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0492】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第2領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0493】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0494】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1および領域4-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0495】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-1および領域4-1のI7、G8、L9、D10、I11、G12、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0496】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち野性型SpCas9の領域2-1のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20およびI21;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0497】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-2および領域4-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0498】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-2および領域4-1のI761、E762、M763、R765、E766、N767、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0499】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち野性型SpCas9の領域2-2のP731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763およびA764;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0500】
さらに別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-3および領域4-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0501】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域2-3および領域4-1のD965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038、Y1039、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0502】
たとえば、SpCas9バリアントは、非極性アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域2-3のI927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0503】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0504】
ここで、第2領域は、領域2-1、領域2-2および領域2-3であってもよい。
【0505】
ここで、第4領域は領域4-1であってもよい。
【0506】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域および第4領域のI7、G8、L9、D10、I11、G12、I761、E762、M763、R765、E766、N767、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038、Y1039、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0507】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域および第4領域のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1038、Y1039、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0508】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第3領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0509】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第3領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0510】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域3-1および領域4-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0511】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の領域3-1および領域4-1のV838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0512】
たとえば、SpCas9バリアントは、荷電アミノ酸、すなわち、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0513】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、3つ以上のアミノ酸はそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0514】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型Cas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、3つ以上のアミノ酸はそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0515】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第2領域および第3領域のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0516】
ここで、第1領域は、領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4であってもよい。
【0517】
ここで、第2領域は、領域2-1、領域2-2および領域2-3であってもよい。
【0518】
ここで、第3領域は領域3-1であってもよい。
【0519】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第2領域および第3領域のI7、G8、L9、D10、I11、G12、A203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、I761、E762、M763、R765、E766、N767、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0520】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第2領域および第3領域のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0521】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第2領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0522】
ここで、第1領域は、領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4であってもよい。
【0523】
ここで、第2領域は、領域2-1、領域2-2および領域2-3であってもよい。
【0524】
ここで、第4領域は領域4-1であってもよい。
【0525】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第2領域および第4領域のI7、G8、L9、D10、I11、G12、A203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、I761、E762、M763、R765、E766、N767、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038、Y1039、T1102およびD1127からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0526】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第2領域および第4領域のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0527】
さらに別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第3領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0528】
ここで、第1領域は、領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4であってもよい。
【0529】
ここで、第3領域は領域3-1であってもよい。
【0530】
ここで、第4領域は領域4-1であってもよい。
【0531】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第3領域および第4領域のA203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、T1102およびD1127からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0532】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第3領域および第4領域のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0533】
別の例示的な実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域、第3領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0534】
ここで、第2領域は、領域2-1、領域2-2および領域2-3であってもよい。
【0535】
ここで、第3領域は領域3-1であってもよい。
【0536】
ここで、第4領域は領域4-1であってもよい。
【0537】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域、第3領域および第4領域のI7、G8、L9、D10、I11、G12、I761、E762、M763、R765、E766、N767、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038、Y1039、T1102およびD1127からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0538】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第2領域、第3領域および第4領域のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0539】
Cas9バリアントは、野性型Cas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される4つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。 ここで、4つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0540】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される4つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。ここで、4つ以上のアミノ酸がそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0541】
例示的な一実施形態では、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸が修飾された形態であってもよい。
【0542】
ここで、第1領域は、領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4であってもよい。
【0543】
ここで、第2領域は、領域2-1、領域2-2および領域2-3であってもよい。
【0544】
ここで、第3領域は領域3-1であってもよい。
【0545】
ここで、第4領域は領域4-1であってもよい。
【0546】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域のI7、G8、L9、D10、I11、G12、A203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、I761、E762、M763、R765、E766、N767、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038、Y1039、T1102およびD1127からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0547】
たとえば、SpCas9バリアントは、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸の修飾を伴う形態であってもよい。
【0548】
Cas9バリアントは、1つ以上の領域から選択される少なくとも1つのアミノ酸の修飾を含んでもよい。
【0549】
ここで、修飾は、選択された1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0550】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、修飾は、野性型SpCas9の第1領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0551】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0552】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0553】
修飾は、野性型SpCas9の第2領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0554】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0555】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0556】
修飾は、野性型SpCas9の第3領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0557】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0558】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0559】
修飾は、野性型SpCas9の第4領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0560】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0561】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0562】
修飾は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0563】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3、領域1-4、領域2-1、領域2-2、領域2-3、領域3-1および/または領域4-1のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0564】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を欠失させることであってもよい。
【0565】
ここで、修飾は、選択された1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することであってもよい。
【0566】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、修飾は、野性型SpCas9の第1領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することであってもよい。
【0567】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を立体異性体で置換することであってもよい。
【0568】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のA203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695およびH698からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を立体異性体で置換することであってもよい。 たとえば、野性型SpCas9の510番目の位置のリシン(K510)がL-リシンである場合、修飾は、野性型SpCas9の510番目の位置のリシン(K510)をD-リシンで置換することであってもよい。
【0569】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0570】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、野性型SpCas9の539番目の位置にあるフェニルアラニン(F539、ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換することであってもよい。あるいは、修飾は、野性型SpCas9の601番目の位置のイソロイシン(I601、ハイドロパシー指数:4.5)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換することであってもよい。
【0571】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0572】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のA203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695およびH698からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。 たとえば、修飾は、野性型SpCas9の277番目の位置のアスパラギン(N277、ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するヒスチジン(ハイドロパシー指数:-3.2)で置換することであってもよい。
【0573】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いまたは低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0574】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0575】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のA203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695およびH698からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の539番目の位置のフェニルアラニン(F539)を、相対的に小さい官能基を有するセリンで置換することであってもよい。
【0576】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0577】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。 たとえば、修飾は、野性型SpCas9の203番目の位置のアラニン(A203)を、相対的に大きい官能基を有するアスパラギン酸で置換することであってもよい。 たとえば、修飾は、野性型SpCas9の366番目の位置のグリシン(G366)を、相対的に大きい官能基を有するセリンで置換することであってもよい。
【0578】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きいまたは小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0579】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0580】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。 たとえば、修飾は、野性型SpCas9の539番目の位置のフェニルアラニン(F539、Kyte-Doolittleの疎水性:2.8)および601番目の位置のイソロイシン(I601、Kyte-Doolittleの疎水性:4.5)を、それぞれ相対的にさらに低い疎水性を有するセリン(Kyte-Doolittleの疎水性:-0.8)およびアスパラギン(Kyte-Doolittleの疎水性:-3.5)で置換することであってもよい。
【0581】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0582】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。 たとえば、修飾は、野性型SpCas9の277番目の位置のアスパラギン(N277、Kyte-Doolittleの疎水性:-3.5)および682番目の位置のフェニルアラニン(F682、Kyte-Doolittleの疎水性:2.8)を、それぞれ相対的に高い疎水性を有するヒスチジン(Kyte-Doolittleの疎水性:-3.2)およびバリン(Kyte-Doolittleの疎水性:4.2)で置換することであってもよい。
【0583】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いまたは高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0584】
修飾は、野性型SpCas9の第2領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することであってもよい。
【0585】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を立体異性体で置換することであってもよい。
【0586】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、D10、I11、G12、I761、E762、M763、R765、E766、N767、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を立体異性体で置換することであってもよい。 たとえば、野性型SpCas9の12番目の位置のグリシン(G12)がL-グリシンである場合、修飾は、野性型SpCas9の12番目の位置のグリシン(G12)をD-グリシンで置換することであってもよい。
【0587】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0588】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。 たとえば、修飾は、野性型SpCas9の1038番目の位置のフェニルアラニン(F1038、ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するチロシン(ハイドロパシー指数:-1.3)で置換することであってもよい。
【0589】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0590】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の763番目の位置のメチオニン(M763、ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の965番目の位置のアスパラギン酸(D965、ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するチロシン(ハイドロパシー指数:-1.3)で置換することであってもよい。
【0591】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いまたは低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0592】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0593】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、D10、I11、G12、I761、E762、M763、R765、E766、N767、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の763番目の位置のメチオニン(M763)を、相対的に小さい官能基を有するイソロイシンで置換することであってもよい。
【0594】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0595】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、D10、I11、G12、I761、E762、M763、R765、E766、N767、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の1038番目の位置のフェニルアラニン(F1038)を、相対的に大きい官能基を有するチロシンで置換することであってもよい。
【0596】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きいまたは小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0597】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に疎水性の低いアミノ酸で置換することであってもよい。
【0598】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。 たとえば、修飾は、野性型SpCas9の761番目の位置のイソロイシン(I761、Kyte-Doolittleの疎水性:4.5)および1038番目の位置のフェニルアラニン(F1038、Kyte-Doolittleの疎水性:2.8)を、それぞれ相対的に低い疎水性を有するメチオニン(Kyte-Doolittleの疎水性:1.9)およびチロシン(Kyte-Doolittleの疎水性:-1.3)で置換することであってもよい。
【0599】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に疎水性の高いアミノ酸で置換することであってもよい。
【0600】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037およびF1038からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。 たとえば、修飾は、野性型SpCas9の763番目の位置のメチオニン(M763、Kyte-Doolittleの疎水性:1.9)および932番目の位置のアラニン(A932、Kyte-Doolittleの疎水性:1.8)を、それぞれ相対的に高い疎水性を有するイソロイシン(Kyte-Doolittleの疎水性:4.5)およびシステイン(Kyte-Doolittleの疎水性:2.5)で置換することであってもよい。
【0601】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いまたは高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0602】
修飾は、野性型SpCas9の第3領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することであってもよい。
【0603】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を立体異性体で置換することであってもよい。
【0604】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のV838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を立体異性体で置換することであってもよい。たとえば、野性型SpCas9の853番目の位置のアスパラギン酸(D853)がL-アスパラギン酸である場合、修飾は、野性型SpCas9の853番目の位置のアスパラギン酸(D853)をD-アスパラギン酸で置換することであってもよい。
【0605】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0606】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のV838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の862番目の位置のリシン(K862、ハイドロパシー指数:-3.9)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアルギニン(ハイドロパシー指数:-4.5)で置換することであってもよい。
【0607】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0608】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のV838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の890番目の位置のリシン(K890、ハイドロパシー指数:-3.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換することであってもよい。
【0609】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いまたは低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0610】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0611】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のV838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。 たとえば、修飾は、野性型SpCas9の890番目の位置のリシン(K890)を、相対的に小さい官能基を有するアスパラギンで置換することであってもよい。
【0612】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0613】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のV838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890およびL891からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の863番目の位置のアスパラギン(N863)を、相対的に大きい官能基を有するアルギニンで置換することであってもよい。
【0614】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きいまたは小さい官能基を有するアミノ酸と置換することであってもよい。
【0615】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0616】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の779番目の位置のグルタミン酸(E779、Kyte-Doolittleの疎水性:-3.5)および862番目の位置のリシン(K862、Kyte-Doolittleの疎水性:-3.9)を、それぞれ相対的に高い疎水性を有するリシン(Kyte-Doolittleの疎水性:-3.9)およびアルギニン(Kyte-Doolittleの疎水性:-4.5)で置換することであってもよい。
【0617】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0618】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。 たとえば、修飾は、野性型SpCas9の827番目の位置のグルタミン酸(E827、Kyte-Doolittleの疎水性:-3.5)および890番目の位置のリシン(K890、Kyte-Doolittleの疎水性:-3.9)を、それぞれ相対的に高い疎水性を有するメチオニン(Kyte-Doolittleの疎水性:1.9)およびアスパラギン(Kyte-Doolittleの疎水性:-3.5)で置換することであってもよい。
【0619】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いまたは高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0620】
修飾は、野性型SpCas9の第4領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することであってもよい。
【0621】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を立体異性体で置換することであってもよい。
【0622】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を立体異性体で置換することであってもよい。 たとえば、野性型SpCas9の1127番目の位置にあるアスパラギン酸(D1127)がL-アスパラギン酸である場合、修飾は、野性型SpCas9の1127番目の位置にあるアスパラギン酸(D1127)をD-アスパラギン酸で置換することであってもよい。
【0623】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸と置換することであってもよい。
【0624】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、野性型SpCas9の1102番目の位置のトレオニン(T1102、ハイドロパシー指数:-0.7)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するプロリン(ハイドロパシー指数:-1.6)で置換することであってもよい。
【0625】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸と置換することであってもよい。
【0626】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、野性型SpCas9の1106番目の位置のセリン(S1106、ハイドロパシー指数:-0.8)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するグリシン(ハイドロパシー指数:-0.4)で置換することであってもよい。
【0627】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いまたは低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸と置換することであってもよい。
【0628】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸と置換することであってもよい。
【0629】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の1102番目の位置のトレオニン(T1102)を、相対的に小さい官能基を有するプロリンで置換することであってもよい。
【0630】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸と置換することであってもよい。
【0631】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の1127番目の位置のアスパラギン酸(D1127)を、相対的に大きい官能基を有するグルタミン酸で置換することであってもよい。
【0632】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きいまたは小さい官能基を有するアミノ酸と置換することであってもよい。
【0633】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低い疎水性を有するアミノ酸と置換することであってもよい。
【0634】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の1102番目の位置のトレオニン(T1102、Kyte-Doolittleの疎水性:-0.7)を、相対的に低い疎水性を有するプロリン(Kyte-Doolittleの疎水性:-1.6)で置換することであってもよい。
【0635】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0636】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に疎水性が低いアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の1108番目の位置のグルタミン酸(E1108、Kyte-Doolittleの疎水性:-3.5)を、相対的に低い疎水性を有するメチオニン(Kyte-Doolittleの疎水性:1.9)で置換することであってもよい。
【0637】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いまたは高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0638】
修飾は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することであってもよい。
【0639】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3、領域1-4、領域2-1、領域2-2、領域2-3、領域3-1および/または領域4-1領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ立体異性体で置換することであってもよい。
【0640】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、D10、I11、G12、A203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、I761、E762、M763、R765、E766、N767、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038、Y1039、T1102およびD1127からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ立体異性体で置換することであってもよい。たとえば、野性型SpCas9の8番目の位置のグリシン(G8)がL-グリシンであり、767番目の位置のアスパラギン(N767)がL-アスパラギンである場合、修飾は、野性型SpCas9の8番目の位置のグリシン(G8)と767番目の位置のアスパラギン(N767)とを、それぞれD-グリシンとD-アスパラギンとで置換することであってもよい。
【0641】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3、領域1-4、領域2-1、領域2-2、領域2-3、領域3-1および/または領域4-1領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に小さいハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0642】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、D10、I11、G12、A203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、I761、E762、M763、R765、E766、N767、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038、Y1039、T1102およびD1127からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に小さいハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、野性型SpCas9の203番目の位置のアラニン(A203、ハイドロパシー指数:1.8)と539番目の位置のフェニルアラニン(F539、ハイドロパシー指数:2.8)とを、それぞれ相対的に高いハイドロパシー指数を有するアスパラギン酸(ハイドロパシー指数:-3.5)とセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)とで置換することであってもよい。
【0643】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に小さいハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、野性型SpCas9の601番目の位置のイソロイシン(I601、ハイドロパシー指数:4.5)と1102番目の位置のトレオニン(T1102、ハイドロパシー指数:-0.7)とを、それぞれ相対的に小さいハイドロパシー指数を有するアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)とプロリン(ハイドロパシー指数:-1.6)とで置換することであってもよい。
【0644】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3、領域1-4、領域2-1、領域2-2、領域2-3、領域3-1および/または領域4-1領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0645】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、D10、I11、G12、A203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、I761、E762、M763、R765、E766、N767、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038、Y1039、T1102およびD1127からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、野性型SpCas9の277番目の位置のアスパラギン(N277、ハイドロパシー指数:-3.5)と840番目の位置のヒスチジン(H840、ハイドロパシー指数:-3.2)とを、それぞれ相対的に小さいハイドロパシー指数を有するヒスチジン(ハイドロパシー指数:-3.2)とアラニン(ハイドロパシー指数:1.8)とで置換することであってもよい。
【0646】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。 たとえば、野性型SpCas9の763番目の位置のメチオニン(M763、ハイドロパシー指数:1.9)と890番目の位置のリシン(K890、ハイドロパシー指数:-3.9)とを、それぞれ相対的に高いハイドロパシー指数を有するイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)とアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)とで置換することであってもよい。
【0647】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3、領域1-4、領域2-1、領域2-2、領域2-3、領域3-1および/または領域4-1領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に高いまたは低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0648】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、D10、I11、G12、A203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、I761、E762、M763、R765、E766、N767、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038、Y1039、T1102およびD1127からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸の、それぞれ相対的に高いまたは低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、野性型SpCas9の10番目の位置のアスパラギン酸(D10、ハイドロパシー指数:-3.5)と840番目の位置のヒスチジン(H840、ハイドロパシー指数:-3.2)とを、それぞれ相対的に高いハイドロパシー指数を有するアラニン(ハイドロパシー指数:1.8)で置換し、野性型SpCas9の539番目の位置のフェニルアラニン(F539、ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に小さいハイドロパシー指数を有するセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換することであってもよい。
【0649】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に高いまたは低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、野性型SpCas9の763番目の位置のメチオニン(M763、ハイドロパシー指数:1.9)と890番目の位置のリシン(K890、ハイドロパシー指数:-3.9)とを、それぞれ相対的に高いハイドロパシー指数を有するアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換し、野性型SpCas9の539番目の位置のフェニルアラニン(F539、ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に小さいハイドロパシー指数を有するセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換することであってもよい。
【0650】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3、領域1-4、領域2-1、領域2-2、領域2-3、領域3-1および/または領域4-1領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0651】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、D10、I11、G12、A203、N277、G366、K510、Y515、F539、G582、V583、E584、D585、N588、I601、N692、M694、Q695、H698、I761、E762、M763、R765、E766、N767、V838、D839、H840、D853、N854、K855、K862、N863、R864、A889、K890、L891、D965、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、Y1036、F1037、F1038、Y1039、T1102およびD1127からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の539番目の位置のフェニルアラニン(F539)、763番目の位置のメチオニン(M763)および1102番目の位置のトレオニン(T1102)を、相対的に小さい官能基を有するセリン、イソロイシンおよびプロリンで置換することであってもよい。
【0652】
さらに別の例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3、領域1-4、領域2-1、領域2-2、領域2-3、領域3-1および/または領域4-1領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0653】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の601番目の位置のイソロイシン(I601)、1038番目の位置のフェニルアラニン(F1038)および1127番目の位置のアスパラギン酸(D1127)を、それぞれ相対的に大きい官能基を有するアスパラギン、チロシンおよびグルタミン酸で置換することであってもよい。
【0654】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3、領域1-4、領域2-1、領域2-2、領域2-3、領域3-1および/または領域4-1領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に大きいまたは小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0655】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、相対的に大きいまたは小さい官能基を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の539番目の位置のフェニルアラニン(F539)、763番目の位置のメチオニン(M763)および890番目の位置のリシン(K890)を、それぞれ相対的に小さい官能基を有するセリン、イソロイシンおよびアスパラギンで置換し、601番目の位置のイソロイシン(I601)と1038番目の位置のフェニルアラニン(F1038)とを、それぞれ相対的に大きい官能基を有するアスパラギンとチロシンとで置換することであってもよい。
【0656】
例示的な一実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3、領域1-4、領域2-1、領域2-2、領域2-3、領域3-1および/または領域4-1領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に低い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0657】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に低い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の539番目の位置のフェニルアラニン(F539、Kyte-Doolittleの疎水性:2.8)、601番目の位置のイソロイシン(I601、Kyte-Doolittleの疎水性:4.5)および1102番目の位置のトレオニン(T1102、Kyte-Doolittleの疎水性:-0.7)を、それぞれ相対的に低い疎水性を有するセリン(Kyte-Doolittleの疎水性:-0.8)、アスパラギン(Kyte-Doolittleの疎水性:-3.5)およびプロリン(Kyte-Doolittleの疎水性:-1.6)で置換することであってもよい。
【0658】
別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3、領域1-4、領域2-1、領域2-2、領域2-3、領域3-1および/または領域4-1領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に低い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0659】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、野性型SpCas9の10番目の位置のアスパラギン酸(D10、Kyte-Doolittleの疎水性:-3.5)、763番目の位置のメチオニン(M763、Kyte-Doolittleの疎水性:1.9)、840番目の位置のヒスチジン(H840、Kyte-Doolittleの疎水性:-3.2)および890番目の位置のリシン(K890、Kyte-Doolittleの疎水性:-3.9)を、それぞれ相対的に高い疎水性を有するアラニン(Kyte-Doolittleの疎水性:1.8)、イソロイシン(Kyte-Doolittleの疎水性:4.5)、アラニン(Kyte-Doolittleの疎水性:1.8)およびアスパラギン(Kyte-Doolittleの疎水性:-3.5)で置換することであってもよい。
【0660】
さらに別の例示的な実施形態では、修飾は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3、領域1-4、領域2-1、領域2-2、領域2-3、領域3-1および/または領域4-1領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に低いまたは高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0661】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、それぞれ相対的に低いまたは高い疎水性を有するアミノ酸で置換することであってもよい。たとえば、修飾は、野性型SpCas9の763番目のメチオニン(M763、Kyte-Doolittleの疎水性:1.9)と890番目位置のリシン(K890、Kyte-Doolittleの疎水性:-3.9)とを、それぞれ相対的に高い疎水性を有するイソロイシン(Kyte-Doolittleの疎水性:4.5)とアスパラギン(Kyte-Doolittleの疎水性:-3.5)とで置換し、野性型SpCas9の539番目の位置のフェニルアラニン(F539、Kyte-Doolittleの疎水性:2.8)を、相対的に低い疎水性を有するセリン(Kyte-Doolittleの疎水性:-0.8)で置換することであってもよい。
【0662】
修飾は、選択された1つ以上のアミノ酸を同数の他のアミノ酸で置換することであってもよい。
【0663】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9の第1領域に位置する1つのイソロイシンを1つのアスパラギンで置換することであってもよい。あるいは、修飾は、野性型SpCas9の第1領域に位置する1つのフェニルアラニンと第3領域に位置する1つのリシンとを、それぞれ1つのセリン(第1領域)および1つのアスパラギン(第3領域)とで置換することであってもよい。あるいは、修飾は、野性型SpCas9の第2領域に位置する1つのメチオニンおよび1つのフェニルアラニンならびに第3領域に位置する1つのリシンを、それぞれ1つのイソロイシン、1つのチロシン(第2領域)および1つのアスパラギン(第3領域)で置換することあってもよい。
【0664】
修飾は、選択された1つ以上のアミノ酸を異なる数の他のアミノ酸で置換することであってもよい。
【0665】
たとえば、修飾は、野性型SpCas9の第2領域に位置する1つのトレオニンを、システイン-アラニン-アラニン、すなわち合計3つのアミノ酸で置換することであってもよい。あるいは、修飾は、野性型SpCas9の第1領域に位置する1つのグルタミンと、第3領域に位置するグリシンセリン-セリンの2つの隣接アミノ酸とを、それぞれメチオニン-バリン(第1領域)とプロリン(第3領域)とで置換することであってもよい。あるいは、修飾は、野性型SpCas9の第1領域に位置する1つのセリン、第2領域に位置するリシン-リシン-チロシンの3つの隣接アミノ酸および第3領域に位置するセリン-イソロイシンの2つの隣接アミノ酸を、それぞれアラニン(第1領域)、メチオニン-プロリン(第2領域)およびシステイン-アラニン-トレオニン-バリン(第3領域)で置換することであってもよい。
【0666】
人為的に改変されたCas9は、野性型Cas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に少なくとも1つのアミノ酸が付加されたCas9バリアントであってもよい。
【0667】
ここで、付加は、選択された1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に1つ以上のアミノ酸を付加することであってもよい。
【0668】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、付加は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域に存在するN末端および/またはC末端位置に1つ以上のアミノ酸を付加することであってもよい。
【0669】
例示的な一実施形態では、付加は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に1つ以上の正に荷電したアミノ酸を付加することであってもよい。
【0670】
たとえば、付加は、野性型SpCas9の領域1-1に位置する選択された1つのアラニンのC末端に1つのアルギニンを付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域2-2に位置する選択されたグルタミン酸のN末端にアルギニン-リシンの2つのアミノ酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域3-1に位置する選択されたロイシンのN末端にアルギニン-ヒスチジンの2つのアミノ酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域3-1に位置する選択されたロイシンのC末端にリシン-ヒスチジンの2つのアミノ酸を付加し、野性型SpCas9の領域4-1に位置する選択されたチロシンのC末端に1つのリシンを付加することであってもよい。
【0671】
別の例示的な実施形態では、付加は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に1つ以上の負に荷電したアミノ酸を付加することであってもよい。
【0672】
たとえば、付加は、野性型SpCas9の領域1-2に位置する選択された1つのグリシンのN末端に1つのアスパラギン酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域2-3に位置する選択されたメチオニンのC末端にグルタミン酸-アスパラギン酸-グルタミン酸の3つのアミノ酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域3-1に位置する選択されたイソロイシンのN末端にグルタミン酸-グルタミン酸の2つのアミノ酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域1-1に位置する選択されたフェニルアラニンのC末端にグルタミン酸-アスパラギン酸の2つのアミノ酸を付加し、野性型SpCas9の領域2-1に位置する選択されたグルタミンのN末端に1つのアスパラギン酸を付加することであってもよい。
【0673】
さらに別の例示的な実施形態では、付加は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域に存在するN末端および/またはC末端位置に1つ以上の荷電していないアミノ酸を付加することであってもよい。
【0674】
たとえば、付加は、野性型SpCas9の領域1-1に位置する選択された1つのフェニルアラニンのC末端にセリン-バリンの2つのアミノ酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域2-1に位置する選択されたヒスチジンのN末端にグリシン-プロリン-グルタミン-フェニルアラニン-ロイシンの5つのアミノ酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域3-1に位置する選択されたアスパラギンのN末端にアラニン-アラニンの2つのアミノ酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域1-1に位置する選択されたアスパラギン酸のC末端にフェニルアラニン-ロイシンの2つのアミノ酸を付加し、野性型SpCas9の領域1-2に位置する選択されたグルタミンのN末端に1つのセリンを付加することであってもよい。
【0675】
別の例示的な実施形態では、付加は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に、正に荷電したアミノ酸、負に荷電したアミノ酸および荷電していないアミノ酸から選択される1つ以上のアミノ酸を付加することであってもよい。
【0676】
たとえば、付加は、野性型SpCas9の領域1-2に位置する選択された1つのアルギニンのC末端にヒスチジン-アルギニン-グリシン-セリン-アラニン-グルタミン酸の6つのアミノ酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域3-1に位置する選択されたグリシンのN末端にリシン-リシン-アラニン-フェニルアラニン-グルタミン-トレオニン-メチオニン-システイン-アスパラギン酸-セリンの10のアミノ酸を付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域2-1に位置する選択されたメチオニンのC末端にフェニルアラニン-ヒスチジンの2つのアミノ酸を付加し、野性型SpCas9の領域2-3に位置する選択されたグルタミンのN末端に1つのリシンを付加することであってもよい。あるいは、付加は、野性型SpCas9の領域1-1に位置する選択されたリシンのC末端にアスパラギン酸-セリンの2つのアミノ酸を付加し、野性型SpCas9の領域2-2に位置する選択されたトレオニンのN末端にグルタミン-トレオニン-メチオニン-システイン-アスパラギン酸-リシンの6つのアミノ酸を付加し、野性型SpCas9の領域4-1に位置する選択されたグルタミンのC末端にアルギニン-グリシンの2つのアミノ酸を付加することであってもよい
【0677】
ここで、付加は、選択された1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に1つ以上の機能ドメインを付加することであってもよい。
【0678】
機能ドメインは、野性型Cas9の本来の機能に加えて、追加の機能、すなわち、二本鎖DNAの第1鎖を切断する第1機能および二本鎖DNAの第2鎖を切断する第2機能を有するドメインであってもよい。
【0679】
あるいは、機能ドメインは、野性型Cas9の本来の機能、すなわち、二本鎖DNAの第1鎖を切断する第1機能および/または二本鎖DNAの第2鎖を切断する第2機能と同様の機能を有するドメインであってもよい。
【0680】
機能ドメインに関連する説明は、上記と同様である。
【0681】
一例では、野性型Cas9が野性型SpCas9である場合、付加は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域に存在する1つ以上のアミノ酸のN末端および/またはC末端位置に1つ以上の機能ドメインを付加することであってもよい。
【0682】
本明細書に開示される本開示の例示的な一実施形態では、人為的に改変されたCas9は、標的特異的なCas9であってもよい。
【0683】
「標的特異的なCas9(TS-Cas9)」とは、野性型Cas9と比較して、標的特異性を相対的に高めるための、人為的操作により産生されたCas9バリアントを指す。
【0684】
ここで、「標的特異性」とは、Cas9がgRNAとの相互作用によりgRNA-Cas9複合体を形成するにあたり、gRNA-Cas9複合体が標的遺伝子または核酸、すなわちCas9を使用して操作される対象(核酸)に接近または局在化したときに、Cas9がgRNAと相補的に結合する標的配列に特異的に作用することを意味する。ここで、gRNAとの完全に相補的な結合(100%)の標的配列は「オンターゲット」と呼ばれ、gRNAとの不完全な相補的な結合(100%未満)、すなわち1つ以上の相補的でない結合を有する標的配列は「オフターゲット」と呼ばれる。
【0685】
標的特異性は、gRNAと標的配列との間の相補的結合の程度に応じて異なり成る。
【0686】
一例では、gRNAと相補的に結合する標的配列がオンターゲットである場合、すなわち、gRNAと標的配列との間の相補的結合が完全な相補的結合(100%)である場合、標的特異性は最高レベルにある。
【0687】
別の例では、gRNAと相補的に結合する標的配列がオフターゲットである場合、すなわち、gRNAと標的配列との間の相補的結合が100%未満であり、それらの間に1つ以上の非相補的結合を含む場合、標的特異性は、オンターゲットの特異性よりも低く、非相補的結合の数が多いほど、標的特異性は低くなる。
【0688】
たとえば、gRNAと標的配列との間の相補的結合が完全な相補的結合(100%)である場合、標的特異性は100%であり、gRNAと標的配列との間に1つの非相補的結合がある場合、すなわち、gRNAと標的配列との間の相補的結合が不完全な相補的結合(95%)である場合、標的特異性は95%であってもよい。さらに、gRNAと標的配列との間に4つの非相補的結合がある場合、すなわち、gRNAと標的配列との間の相補的結合が不完全な相補的結合(80%)である場合、標的特異性は80%であってもよい。
【0689】
さらに別の例では、gRNAと相補的に結合する標的配列がオフターゲットである場合、すなわち、gRNAと標的配列との間の相補的結合の程度が100%未満であり、すなわち、1つ以上の非相補的結合がある場合、標的特異性は、非相補的結合の位置に応じて異なり得る。
【0690】
たとえば、gRNAと標的配列との間に1つの非相補的結合があり、非相補的結合が標的配列に隣接するPAMにより接近すると、標的特異性は、非相補的結合がPAMの位置から離れている場合よりも低くなり得る。
【0691】
標的特異性は、標的配列と相補的に結合するgRNAとCas9との相互作用の程度に応じて異なり得る。
【0692】
一例では、標的配列と相補的に結合するgRNAとCas9との相互作用が低下し得る場合、gRNAと標的配列との間の非相補的結合の数が少ないほど、標的特異性は高くなる。
【0693】
たとえば、標的配列と相補的に結合するgRNAとCas9との相互作用が低下する場合、gRNAと標的配列との間に非相補的な結合が1つある場合の標的特異性は、gRNAと標的配列との間に3つの非相補的な結合がある場合よりも高くなる。
【0694】
別の例では、標的配列に相補的に結合するgRNAとCas9との相互作用が低下する場合、Cas9は、gRNAと標的配列との間の相補的結合が完全な相補的結合(100%)の場合にのみ標的特異性を有し得る。
【0695】
たとえば、標的配列と相補的に結合するgRNAとCas9との相互作用が低下する場合、標的配列がオンターゲットである場合にのみ、Cas9は標的特異性を有し得る。
【0696】
標的特異性は、gRNAと相補的に結合する標的配列とCas9との間の相互作用の程度に応じて異なり得る。
【0697】
一例では、gRNAと相補的に結合する標的配列とCas9との間の相互作用が低下する場合、gRNAと標的配列との間の非相補的結合の数が少なくなるほど、標的特異性は高くなる。
【0698】
たとえば、gRNAと相補的に結合する標的配列とCas9との間の相互作用が低下する場合、gRNAと標的配列との間に4つの非相補的な結合がある場合と比較して、2つの非相補的な結合がそれらの間にある場合、標的特異性は相対的に高まり得る。
【0699】
別の例では、gRNAと相補的に結合する標的配列とCas9との間の相互作用が低下する場合、gRNAと標的配列との間の相補的結合が完全な相補的結合(100%)である場合にのみ、Cas9は標的特異性を有し得る。
【0700】
たとえば、gRNAと相補的に結合する標的配列とCas9との間の相互作用が低下する場合、標的配列がオンターゲットである場合のみ、Cas9は標的特異性を有し得る。
【0701】
標的特異的なCas9は、オンターゲットを操作するCas9バリアントであってもよい。
【0702】
ここで、操作は、Cas9バリアントを使用してオンターゲットのヌクレオチド配列を切断すること、または1つ以上のヌクレオチドがオンターゲットのヌクレオチド配列から欠失および/または挿入され得るようにオンターゲットのヌクレオチド配列を修飾することであってもよい。
【0703】
標的特異的なCas9は、野性型Cas9の標的特異性と同じまたはそれよりも高い、オンターゲットに対する標的特異性を有するCas9バリアントであってもよい。
【0704】
標的特異的なCas9は、オフターゲットを操作しないCas9バリアントであってもよい。
【0705】
ここで、操作は、Cas9バリアントを使用してオフターゲットのヌクレオチド配列を切断すること、または1つ以上のヌクレオチドがオフターゲットのヌクレオチド配列から欠失および/または挿入され得るようにオフターゲットのヌクレオチド配列を修飾することであってもよい。
【0706】
標的特異的なCas9は、野性型Cas9と比較して、オンターゲットに対する標的特異性が低下したCas9バリアントであってもよい。
【0707】
標的特異的なCas9は、野性型Cas9と比較して、オンターゲットに対する標的特異性が同じであり、オフターゲットに対する標的特異性がより低いCas9バリアントであってもよい。
【0708】
標的特異的なCas9は、野性型Cas9と比較して、オフターゲッに対する標的特異性が同じであり、オンターゲットに対する標的特異性がより高いCas9バリアントであってもよい。
【0709】
標的特異的なCas9は、野性型Cas9と比較して、オンターゲットに対する標的特異性がより高く、オフターゲットに対する標的特異性がより低いCas9バリアントであってもよい。
【0710】
標的特異的なCas9は、野性型Cas9と比較して、オンターゲットに対する標的特異性がより低く、オフターゲットに対する標的特異性がより低いCas9バリアントであってもよい。
【0711】
本明細書に開示される本開示の例示的な一実施形態では、標的特異的なCas9は標的特異的なSpCas9であってもよい。
【0712】
「標的特異的なSpCas9(TS-SpCas9)」とは、野性型SpCas9と比較して、標的特異性を相対的に高めるための、人為的操作により産生されたSpCas9バリアントを指す。
【0713】
TS-SpCas9は、オンターゲットを操作するSpCas9バリアントであってもよい。
【0714】
ここで、操作は、SpCas9バリアントを使用してオンターゲットのヌクレオチド配列を切断すること、または1つ以上のヌクレオチドがオンターゲットのヌクレオチド配列から欠失および/または挿入され得るようにオンターゲットのヌクレオチド配列を修飾することであってもよい。
【0715】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9と比較して、オンターゲットに対する標的特異性が同じまたはより高いSpCas9バリアントであってもよい。
【0716】
TS-SpCas9は、オフターゲットを操作しないSpCas9バリアントであってもよい。
【0717】
ここで、操作は、SpCas9バリアントを使用してオフターゲットのヌクレオチド配列を切断すること、または1つ以上のヌクレオチドがオフターゲットのヌクレオチド配列から欠失および/または挿入され得るようにオフターゲットのヌクレオチド配列を修飾することであってもよい。
【0718】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9と比較して、オフターゲットに対する標的特異性が低下したSpCas9バリアントであってもよい。
【0719】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9と比較して、オンターゲットに対する標的特異性が同じであり、オフターゲットに対する標的特異性がより低いSpCas9バリアントであってもよい。
【0720】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9と比較して、オフターゲットに対する標的特異性が同じであり、オンターゲットに対する標的特異性がより高いSpCas9バリアントであってもよい。
【0721】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9と比較して、オンターゲットに対する標的特異性がより高く、オフターゲットに対する標的特異性がより低いSpCas9バリアントであってもよい。
【0722】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9と比較して、オンターゲットに対する標的特異性がより低く、オフターゲットに対する標的特異性がより低いSpCas9バリアントであってもよい。
【0723】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域のアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸が修飾されたSpCas9バリアントであってもよい。
【0724】
第1領域は、野性型SpCas9の196番目の位置のフェニルアラニン(F196)から282番目の位置のイソロイシン(I282)までのアミノ酸配列(領域1-1)であってもよい。
【0725】
第1領域は、野性型SpCas9の316番目の位置のプロリン(P316)から394番目の位置のアスパラギン(N394)までのアミノ酸配列(領域1-2)であってもよい。
【0726】
第1領域は、野性型SpCas9の510番目の位置のリシン(K510)から612番目の位置のアスパラギン(N612)までのアミノ酸配列(領域1-3)であってもよい。
【0727】
第1領域は、野性型SpCas9の678番目の位置のトレオニン(T678)から698番目の位置のヒスチジン(H698)までのアミノ酸配列(領域1-4)であってもよい。
【0728】
第1領域は、野性型SpCas9の196番目の位置のフェニルアラニン(F196)から282番目の位置のイソロイシン(I282)までのアミノ酸配列(領域1-1)、316番目の位置のプロリン(P316)から394番目の位置のアスパラギン(N394)までのアミノ酸配列(領域1-2)、510番目の位置のリシン(K510)から612番目の位置のアスパラギン(N612)までのアミノ酸配列(領域1-3)、および678番目の位置のトレオニン(T678)から698番目の位置のヒスチジン(H698)までのアミノ酸配列(領域1-4)から選択される2つの領域であってもよい。
【0729】
第1領域は、野性型SpCas9の196番目の位置のフェニルアラニン(F196)から282番目の位置のイソロイシン(I282)までのアミノ酸配列(領域1-1)、316番目の位置のプロリン(P316)から394番目の位置のアスパラギン(N394)までのアミノ酸配列(領域1-2)、510番目の位置のリシン(K510)から612番目の位置のアスパラギン(N612)までのアミノ酸配列(領域1-3)、および678番目の位置のトレオニン(T678)から698番目の位置のヒスチジン(H698)までのアミノ酸配列(領域1-4)から選択される3つの領域であってもよい。
【0730】
第1領域は、野性型SpCas9の196番目の位置のフェニルアラニン(F196)から282番目の位置のイソロイシン(I282)までのアミノ酸配列(領域1-1)、316番目の位置のプロリン(P316)から394番目の位置のアスパラギン(N394)までのアミノ酸配列(領域1-2)、510番目の位置のリシン(K510)から612番目の位置のアスパラギン(N612)までのアミノ酸配列(領域1-3)、および678番目の位置のトレオニン(T678)から698番目の位置のヒスチジン(H698)までのアミノ酸配列(領域1-4)であってもよい。
【0731】
第2領域は、野性型SpCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から22番目の位置のトレオニン(T22)までのアミノ酸配列(領域2-1)であってもよい。
【0732】
第2領域は、野性型SpCas9の731番目の位置のプロリン(P731)から770番目の位置のトレオニン(T770)までのアミノ酸配列(領域2-2)であってもよい。
【0733】
第2領域は、野性型SpCas9の926番目の位置のグルタミン(Q926)から1040番目の位置のセリン(S1040)までのアミノ酸配列(領域2-3)であってもよい。
【0734】
第2領域は、野性型SpCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から22番目の位置のトレオニン(T22)までのアミノ酸配列(領域2-1)および731番目の位置のプロリン(P731)から770番目の位置のトレオニン(T770)までのアミノ酸配列(領域2-2)であってもよい。
【0735】
第2領域は、野性型SpCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から22番目の位置のトレオニン(T22)までのアミノ酸配列(領域2-1)および926番目の位置のグルタミン(Q926)から1040番目の位置のセリン(S1040)のアミノ酸配列(領域2-3)であってもよい。
【0736】
第2領域は、野性型SpCas9の731番目の位置のプロリン(P731)から770番目の位置のトレオニン(T770)までのアミノ酸配列(領域2-2)および926番目の位置のグルタミン(Q926)から1040番目の位置のセリン(S1040)までのアミノ酸配列(領域2-3)であってもよい。
【0737】
第2領域は、野性型SpCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から22番目の位置のトレオニン(T22)までのアミノ酸配列(領域2-1)、731番目の位置のプロリン(P731)から770番目の位置のトレオニン(T770)までのアミノ酸配列(領域2-2)および926番目の位置のグルタミン(Q926)から1040番目の位置のセリン(S1040)までのアミノ酸配列(領域2-3)であってもよい。
【0738】
第3領域は、野性型SpCas9の775番目の位置のリシン(K775)から900番目の位置のロイシン(L900)までのアミノ酸配列(領域3-1)であってもよい。
【0739】
第4領域は、野性型SpCas9の1099番目のグルタミン酸(E1099)から1139番目のバリン(V1139)までのアミノ酸配列(領域4-1)であってもよい。
【0740】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0741】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0742】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281およびI282からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0743】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-2のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0744】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-2のP316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391およびL393からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0745】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0746】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のK510、L513、L514、Y515、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、E584、D585、F587、N588、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606およびL607から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0747】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0748】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-4のI679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、N692、F693、M694、Q695、L696、I697およびH698からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0749】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1および領域1-2のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0750】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1および領域1-2のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391およびL393からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0751】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1および領域1-3のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0752】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1および領域1-3のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、K510、L513、L514、Y515、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、E584、D585、F587、N588、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606およびL607からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0753】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1および領域1-4のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0754】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1および領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、N692、F693、M694、Q695、L696、I697およびH698からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0755】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-2および領域1-3のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0756】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-2および領域1-3のP316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、K510、L513、L514、Y515、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、E584、D585、F587、N588、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606およびL607からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0757】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-2および領域1-4のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0758】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-2および領域1-4のP316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、N692、F693、M694、Q695、L696、I697およびH698からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0759】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3および領域1-4のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0760】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3および領域1-4のK510、L513、L514、Y515、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、E584、D585、F587、N588、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、N692、F693、M694、Q695、L696、I697およびH698からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0761】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2および領域1-3のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0762】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2および領域1-3のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、K510、L513、L514、Y515、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、E584、D585、F587、N588、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606およびL607からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0763】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2および領域1-4のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0764】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2および領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、N692、F693、M694、Q695、L696、I697およびH698からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0765】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-3および領域1-4のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0766】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-3および領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、K510、L513、L514、Y515、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、E584、D585、F587、N588、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、N692、F693、M694、Q695、L696、I697およびH698からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0767】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-2、領域1-3および領域1-4のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0768】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-2、領域1-3および領域1-4のP316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、K510、L513、L514、Y515、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、E584、D585、F587、N588、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、N692、F693、M694、Q695、L696、I697およびH698からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0769】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4のアミノ酸配列から選択される4つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0770】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、K510、L513、L514、Y515、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、E584、D585、F587、N588、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、N692、F693、M694、Q695、L696、I697およびH698からなる群から選択される4つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0771】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203;N277;G366;F539;またはI601を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0772】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277(A203およびN277);A203/G366;A203/F539;またはA203/I601を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0773】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のN277/G366;N277/F539;またはN277/I601を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0774】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のG366/F539;G366/I601;またはF539/I601を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0775】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366;A203/N277/F539;A203/N277/I601;A203/G366/F539;A203/G366/I601;A203/F539/I601;N277/G366/F539;N277/G366/I601;またはG366/F539/I601を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0776】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539;A203/N277/G366/I601;A203/N277/F539/I601;A203/G366/F539/I601;またはN277/G366/F539/I601を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0777】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539/I601を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0778】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第2領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0779】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0780】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20およびI21からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0781】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0782】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2のP731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766およびN767からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0783】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0784】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-3のI927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0785】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1および領域2-2のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0786】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1および領域2-2のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766およびN767からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0787】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1および領域2-3のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0788】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1および領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0789】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2および領域2-3のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0790】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2および領域2-3のP731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0791】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および領域2-3のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0792】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0793】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763;D965;またはF1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0794】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763/D965;M763/F1038;またはD965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0795】
さらに別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763/D965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0796】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第3領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0797】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0798】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、V838、D839、H840、K848、D849、D850、D853、N854、K855、R859、D861、K862、N863、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、A889、K890、L891、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0799】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のK890を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0800】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第4領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0801】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0802】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0803】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のT1102またはD1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0804】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のT1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0805】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域および第2領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0806】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0807】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびにそれぞれ野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2または領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0808】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/M763;A203/D965;A203/F1038;A203/M763/D965;A203/M763/F1038;A203/D965/F1038;A203/M763/D965/F1038;N277/M763;N277/D965;N277/F1038;N277/M763/D965;N277/M763/F1038;N277/D965/F1038;N277/M763/D965/F1038;G366/M763;G366/D965;G366/F1038;G366/M763/D965;G366/M763/F1038;G366/D965/F1038;G366/M763/D965/F1038;F539/M763;F539/D965;F539/F1038;F539/M763/D965;F539/M763/F1038;F539/D965/F1038;F539/M763/D965/F1038;I601/M763;I601/D965;I601/F1038;I601/M763/D965;I601/M763/F1038;I601/D965/F1038;またはI601/M763/D965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0809】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/M763;A203/N277/D965; A203/N277/F1038;A203/N277/M763/D965;A203/N277/M763/F1038;A203/N277/D965/F1038;A203/N277/M763/D965/F1038;A203/G366/M763;A203/G366/D965;A203/G366/F1038;A203/G366/M763/D965;A203/G366/M763/F1038;A203/G366/D965/F1038;A203/G366/M763/D965/F1038;A203/F539/M763;A203/F539/D965;A203/F539/F1038;A203/F539/M763/D965;A203/F539/M763/F1038;A203/F539/D965/F1038;A203/F539/M763/D965/F1038;A203/I601/M763;A203/I601/D965;A203/I601/F1038;A203/I601/M763/D965;A203/I601/M763/F1038;A203/I601/D965/F1038;A203/I601/M763/D965/F1038;N277/G366/M763;N277/G366/D965;N277/G366/F1038;N277/G366/M763/D965;N277/G366/M763/F1038;N277/G366/D965/F1038;N277/G366/M763/D965/F1038;N277/F539/M763;N277/F539/D965;N277/F539/F1038;N277/F539/M763/D965;N277/F539/M763/F1038;N277/F539/D965/F1038;N277/F539/M763/D965/F1038;N277/I601/M763;N277/I601/D965;N277/I601/F1038;N277/I601/M763/D965;N277/I601/M763/F1038;N277/I601/D965/F1038;N277/I601/M763/D965/F1038;G366/F539/M763;G366/F539/D965;G366/F539/F1038;G366/F539/M763/D965;G366/F539/M763/F1038;G366/F539/D965/F1038;G366/F539/M763/D965/F1038;G366/I601/M763;G366/I601/D965;G366/I601/F1038;G366/I601/M763/D965;G366/I601/M763/F1038;G366/I601/D965/F1038;G366/I601/M763/D965/F1038;F539/I601/M763;F539/I601/D965;F539/I601/F1038;F539/I601/M763/D965;F539/I601/M763/F1038;F539/I601/D965/F1038;またはF539/I601/M763/D965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0810】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/M763;A203/N277/G366/D965;A203/N277/G366/F1038;A203/N277/G366/M763/D965;A203/N277/G366/M763/F1038;A203/N277/G366/D965/F1038;A203/N277/G366/M763/D965/F1038;A203/N277/F539/M763;A203/N277/F539/D965;A203/N277/F539/F1038;A203/N277/F539/M763/D965;A203/N277/F539/M763/F1038;A203/N277/F539/D965/F1038;A203/N277/F539/M763/D965/F1038;A203/N277/I601/M763;A203/N277/I601/D965;A203/N277/I601/F1038;A203/N277/I601/M763/D965;A203/N277/I601/M763/F1038;A203/N277/I601/D965/F1038;A203/N277/I601/M763/D965/F1038;A203/G366/F539/M763;A203/G366/F539/D965;A203/G366/F539/F1038;A203/G366/F539/M763/D965;A203/G366/F539/M763/F1038;A203/G366/F539/D965/F1038;A203/G366/F539/M763/D965/F1038;A203/G366/I601/M763;A203/G366/I601/D965;A203/G366/I601/F1038;A203/G366/I601/M763/D965;A203/G366/I601/M763/F1038;A203/G366/I601/D965/F1038;A203/G366/I601/M763/D965/F1038;A203/F539/I601/M763;A203/F539/I601/D965;A203/F539/I601/F1038;A203/F539/I601/M763/D965;A203/F539/I601/M763/F1038;A203/F539/I601/D965/F1038;A203/F539/I601/M763/D965/F1038;N277/G366/F539/M763;N277/G366/F539/D965;N277/G366/F539/F1038;N277/G366/F539/M763/D965;N277/G366/F539/M763/F1038;N277/G366/F539/D965/F1038;N277/G366/I601/M763/D965;N277/G366/I601/M763/F1038;N277/G366/I601/D965/F1038;N277/G366/I601/M763/D965/F1038;G366/F539/I601/M763;G366/F539/I601/D965;G366/F539/I601/F1038;G366/F539/I601/M763/D965;G366/F539/I601/M763/F1038;G366/F539/I601/D965/F1038;またはG366/F539/I601/M763/D965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0811】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539/M763;A203/N277/G366/F539/D965;A203/N277/G366/F539/F1038;A203/N277/G366/F539/M763/D965;A203/N277/G366/F539/M763/F1038;A203/N277/G366/F539/D965/F1038;A203/N277/G366/F539/M763/D965/F1038;A203/N277/G366/I601/M763;A203/N277/G366/I601/D965;A203/N277/G366/I601/F1038;A203/N277/G366/I601/M763/D965;A203/N277/G366/I601/M763/F1038;A203/N277/G366/I601/D965/F1038;A203/N277/G366/I601/M763/D965/F1038;N277/G366/F539/I601/M763;N277/G366/F539/I601/D965;N277/G366/F539/I601/F1038;N277/G366/F539/I601/M763/D965;N277/G366/F539/I601/M763/F1038;N277/G366/F539/I601/D965/F1038;N277/G366/F539/I601/M763/D965/F1038;A203/N277/G366/F539/I601/M763;A203/N277/G366/F539/I601/D965;A203/N277/G366/F539/I601/F1038;A203/N277/G366/F539/I601/M763/D965;A203/N277/G366/F539/I601/M763/F1038;A203/N277/G366/F539/I601/D965/F1038;またはA203/N277/G366/F539/I601/M763/D965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0812】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域および第3領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0813】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0814】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、V838、D839、H840、K848、D849、D850、D853、N854、K855、R859、D861、K862、N863、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、A889、K890、L891、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0815】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/K890;N277/K890;G366/K890;F539/K890;またはI601/K890を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0816】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/K890;A203/G366/K890;A203/F539/K890;A203/I601/K890;N277/G366/K890;N277/F539/K890;N277/I601/K890;G366/F539/K890;G366/I601/K890;またはF539/I601/K890を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0817】
さらに別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/K890;A203/N277/F539/K890;A203/N277/I601/K890;A203/G366/F539/K890;A203/G366/I601/K890;A203/F539/I601/K890;N277/G366/F539/K890;N277/G366/I601/K890;またはG366/F539/I601/K890を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0818】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539/K890;A203/N277/G366/I601/K890;またはN277/G366/F539/I601/K890を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0819】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539/I601/K890を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0820】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0821】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0822】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0823】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/T1102;N277/T1102;G366/T1102;F539/T1102;I601/T1102;A203/D1127;N277/D1127;G366/D1127;F539/D1127;I601/D1127;A203/T1102/D1127;N277/T1102/D1127;G366/T1102/D1127;F539/T1102/D1127;またはI601/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0824】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/T1102;A203/G366/T1102;A203/F539/T1102;A203/I601/T1102;N277/G366/T1102;N277/F539/T1102;N277/I601/T1102;G366/F539/T1102;G366/I601/T1102;F539/I601/T1102;A203/N277/D1127;A203/G366/D1127;A203/F539/D1127;A203/I601/D1127;N277/G366/D1127;N277/F539/D1127;N277/I601/D1127;G366/F539/D1127;G366/I601/D1127;F539/I601/D1127;A203/N277/T1102/D1127;A203/G366/T1102/D1127;A203/F539/T1102/D1127;A203/I601/T1102/D1127;N277/G366/T1102/D1127;N277/F539/T1102/D1127;N277/I601/T1102/D1127;G366/F539/T1102/D1127;G366/I601/T1102/D1127;またはF539/I601/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0825】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/T1102;A203/N277/F539/T1102;A203/N277/I601/T1102;A203/G366/F539/T1102;A203/G366/I601/T1102;A203/F539/I601/T1102;N277/G366/F539/T1102;N277/G366/I601/T1102;G366/F539/I601/T1102;A203/N277/G366/D1127;A203/N277/F539/D1127;A203/N277/I601/D1127;A203/G366/F539/D1127;A203/G366/I601/D1127;A203/F539/I601/D1127;N277/G366/F539/D1127;N277/G366/I601/D1127;G366/F539/I601/D1127;A203/N277/G366/T1102/D1127;A203/N277/F539/T1102/D1127;A203/N277/I601/T1102/D1127;A203/G366/F539/T1102/D1127;A203/G366/I601/T1102/D1127;A203/F539/I601/T1102/D1127;N277/G366/F539/T1102/D1127;N277/G366/I601/T1102/D1127;またはG366/F539/I601/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0826】
例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539/T1102;A203/N277/G366/I601/T1102;N277/G366/F539/I601/T1102;A203/N277/G366/F539/D1127;A203/N277/G366/I601/D1127;N277/G366/F539/I601/D1127;A203/N277/G366/F539/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/T1102/D1127;またはN277/G366/F539/I601/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0827】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539/I601/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/D1127;またはA203/N277/G366/F539/I601/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0828】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第2領域および第3領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0829】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0830】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、V838、D839、H840、K848、D849、D850、D853、N854、K855、R859、D861、K862、N863、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、A889、K890、L891、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0831】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763/K890;K890/D965;またはK890/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0832】
別の一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763/K890/D965;M763/K890/F1038;またはK890/D965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0833】
さらに別の一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763/K890/D965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0834】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第2領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0835】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0836】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0837】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763/T1102;D965/T1102;F1038/T1102;M763/D1127;D965/D1127;F1038/D1127;M763/T1102/D1127;D965/T1102/D1127;またはF1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0838】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763/D965/T1102;M763/F1038/T1102;D965/F1038/T1102;M763/D965/D1127;M763/F1038/D1127;D965/F1038/D1127;M763/D965/T1102/D1127;M763/F1038/T1102/D1127;またはD965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0839】
さらに別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763/D965/F1038/T1102;M763/D965/F1038/D1127;またはM763/D965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0840】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第3領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0841】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0842】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0843】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のK890/T1102;K890/D1127;またはK890/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0844】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域および第3領域のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、3つ以上のアミノ酸はそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0845】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0846】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、V838、D839、H840、K848、D849、D850、D853、N854、K855、R859、D861、K862、N863、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、A889、K890、L891、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0847】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/M763/K890;A203/K890/D965;A203/K890/F1038;A203/M763/K890/D965;A203/M763/K890/F1038;A203/K890/D965/F1038;A203/M763/K890/D965/F1038;N277/M763/K890;N277/K890/D965;N277/K890/F1038;N277/M763/K890/D965;N277/M763/K890/F1038;N277/K890/D965/F1038;N277/M763//K890D965/F1038;G366/M763/K890;G366/K890/D965;G366/K890/F1038;G366/M763/K890/D965;G366/M763/K890/F1038;G366/K890/D965/F1038;G366/M763/K890/D965/F1038;F539/M763/K890;F539/K890/D965;F539/K890/F1038;F539/M763/K890/D965;F539/M763/K890/F1038;F539/K890/D965/F1038;F539/M763/K890/D965/F1038;I601/M763/K890;I601/K890/D965;I601/K890/F1038;I601/M763/K890/D965;I601/M763/K890/F1038;I601/K890/D965/F1038;またはI601/M763/K890/D965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0848】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/M763/K890;A203/N277/K890/D965;A203/N277/K890/F1038;A203/N277/M763/K890/D965;A203/N277/M763/K890/F1038;A203/N277/K890/D965/F1038;A203/N277/M763/K890/D965/F1038;A203/G366/M763/K890;A203/G366/K890/D965;A203/G366/K890/F1038;A203/G366/M763/K890/D965;A203/G366/M763/K890/F1038;A203/G366/K890/D965/F1038;A203/G366/M763/K890/D965/F1038;A203/F539/M763/K890;A203/F539/K890/D965;A203/F539/K890/F1038;A203/F539/M763/K890/D965;A203/F539/M763/K890/F1038;A203/F539/K890/D965/F1038;A203/F539/M763/K890/D965/F1038;A203/I601/M763/K890;A203/I601/K890/D965;A203/I601/K890/F1038;A203/I601/M763/K890/D965;A203/I601/M763/K890/F1038;A203/I601/K890/D965/F1038;A203/I601/M763/K890/D965/F1038;N277/G366/M763/K890;N277/G366/K890/D965;N277/G366/K890/F1038;N277/G366/M763/K890/D965;N277/G366/M763/K890/F1038;N277/G366/K890/D965/F1038;N277/G366/M763/K890/D965/F1038;N277/F539/M763/K890;N277/F539/K890/D965;N277/F539/K890/F1038;N277/F539/M763/K890/D965;N277/F539/M763/K890/F1038;N277/F539/K890/D965/F1038;N277/F539/M763/K890/D965/F1038;N277/I601/M763/K890;N277/I601/K890/D965;N277/I601/K890/F1038;N277/I601/M763/K890/D965;N277/I601/M763/K890/F1038;N277/I601/K890/D965/F1038;N277/I601/M763/K890/D965/F1038;G366/F539/M763/K890;G366/F539/K890/D965;G366/F539/K890/F1038;G366/F539/M763/K890/D965;G366/F539/M763/K890/F1038;G366/F539/K890/D965/F1038;G366/F539/M763/K890/D965/F1038;G366/I601/M763/K890;G366/I601/K890/D965;G366/I601/K890/F1038;G366/I601/M763/K890/D965;G366/I601/M763/K890/F1038;G366/I601/K890/D965/F1038;G366/I601/M763/K890/D965/F1038;F539/I601/M763/K890;F539/I601/K890/D965;F539/I601/K890/F1038;F539/I601/M763/K890/D965;F539/I601/M763/K890/F1038;F539/I601/K890/D965/F1038;またはF539/I601/M763/K890/D965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0849】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/M763/K890;A203/N277/G366/K890/D965;A203/N277/G366/K890/F1038;A203/N277/G366/M763/K890/D965;A203/N277/G366/M763/K890/F1038;A203/N277/G366/K890/D965/F1038;A203/N277/G366/M763/K890/D965/F1038;A203/N277/F539/M763/K890;A203/N277/F539/K890/D965;A203/N277/F539/K890/F1038;A203/N277/F539/M763/K890/D965;A203/N277/F539/M763/K890/F1038;A203/N277/F539/K890/D965/F1038;A203/N277/F539/M763/K890/D965/F1038;A203/N277/I601/M763/K890;A203/N277/I601/K890/D965;A203/N277/I601/K890/F1038;A203/N277/I601/M763/K890/D965;A203/N277/I601/M763/K890/F1038;A203/N277/I601/K890/D965/F1038;A203/N277/I601/M763/K890/D965/F1038;A203/G366/F539/M763/K890;A203/G366/F539/K890/D965;A203/G366/F539/K890/F1038;A203/G366/F539/M763/K890/D965;A203/G366/F539/M763/K890/F1038;A203/G366/F539/K890/D965/F1038;A203/G366/F539/M763/K890/D965/F1038;A203/G366/I601/M763/K890;A203/G366/I601/K890/D965;A203/G366/I601/K890/F1038;A203/G366/I601/M763/K890/D965;A203/G366/I601/M763/K890/F1038;A203/G366/I601/K890/D965/F1038;A203/G366/I601/M763/K890/D965/F1038;A203/F539/I601/M763/K890;A203/F539/I601/K890/D965;A203/F539/I601/K890/F1038;A203/F539/I601/M763/K890/D965;A203/F539/I601/M763/K890/F1038;A203/F539/I601/K890/D965/F1038;A203/F539/I601/M763/K890/D965/F1038;N277/G366/F539/M763/K890;N277/G366/F539/K890/D965;N277/G366/F539/K890/F1038;N277/G366/F539/M763/K890/D965;N277/G366/F539/M763/K890/F1038;N277/G366/F539/K890/D965/F1038;N277/G366/F539/M763/K890/D965/F1038;N277/G366/I601/M763/K890;N277/G366/I601/K890/D965;N277/G366/I601/K890/F1038;N277/G366/I601/M763/K890/D965;N277/G366/I601/M763/K890/F1038;N277/G366/I601/K890/D965/F1038;N277/G366/I601/M763/K890/D965/F1038;G366/F539/I601/M763/K890;G366/F539/I601/K890/D965;G366/F539/I601/K890/F1038;G366/F539/I601/M763/K890/D965;G366/F539/I601/M763/K890/F1038;G366/F539/I601/K890/D965/F1038;またはG366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0850】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539/M763/K890;A203/N277/G366/F539/K890/D965;A203/N277/G366/F539/K890/F1038;A203/N277/G366/F539/M763/K890/D965;A203/N277/G366/F539/M763/K890/F1038;A203/N277/G366/F539/K890/D965/F1038;A203/N277/G366/F539/M763/K890/D965/F1038;A203/N277/G366/I601/M763/K890;A203/N277/G366/I601/K890/D965;A203/N277/G366/I601/K890/F1038;A203/N277/G366/I601/M763/K890/D965;A203/N277/G366/I601/M763/K890/F1038;A203/N277/G366/I601/K890/D965/F1038;A203/N277/G366/I601/M763/K890/D965/F1038;N277/G366/F539/I601/M763/K890;N277/G366/F539/I601/K890/D965;N277/G366/F539/I601/K890/F1038;N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965;N277/G366/F539/I601/M763/K890/F1038;N277/G366/F539/I601/K890/D965/F1038;N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890;A203/N277/G366/F539/I601/K890/D965;A203/N277/G366/F539/I601/K890/F1038;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/F1038;A203/N277/G366/F539/I601/K890/D965/F1038;またはA203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0851】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、3つ以上のアミノ酸はそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0852】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0853】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0854】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/M763/T1102;A203//D965T1102;A203//F1038T1102;A203/M763/D965/T1102;A203/M763/F1038/T1102;A203/D965/F1038/T1102;A203/M763/D965/F1038/T1102;N277/M763/T1102;N277/D965/T1102;N277/F1038/T1102;N277/M763/D965/T1102;N277/M763/F1038/T1102;N277/D965/F1038/T1102;N277/M763/D965/F1038/T1102;G366/M763/T1102;G366/D965/T1102;G366/F1038/T1102;G366/M763/D965/T1102;G366/M763/F1038/T1102;G366/D965/F1038/T1102;G366/M763/D965/F1038/T1102;F539/M763/T1102;F539/D965/T1102;F539/F1038/T1102;F539/M763/D965/T1102;F539/M763/F1038/T1102;F539/D965/F1038/T1102;F539/M763/D965/F1038/T1102;I601/M763/T1102;I601/D965/T1102;I601/F1038/T1102;I601/M763/D965/T1102;I601/M763/F1038/T1102;I601/D965/F1038/T1102;I601/M763/D965/F1038/T1102;A203/M763/D1127;A203/D965/D1127;A203/F1038/D1127;A203/M763/D965/D1127;A203/M763/F1038/D1127;A203/D965/F1038/D1127;A203/M763/D965/F1038/D1127;N277/M763/D1127;N277/D965/D1127;N277/F1038/D1127;N277/M763/D965/D1127;N277/M763/F1038/D1127;N277/D965/F1038/D1127;N277/M763/D965/F1038/D1127;G366/M763/D1127;G366/D965/D1127;G366/F1038/D1127;G366/M763/D965/D1127;G366/M763/F1038/D1127;G366/D965/F1038/D1127;G366/M763/D965/F1038/D1127;F539/M763/D1127;F539/D965/D1127;F539/F1038/D1127;F539/M763/D965/D1127;F539/M763/F1038/D1127;F539/D965/F1038/D1127;F539/M763/D965/F1038/D1127;I601/M763/D1127;I601/D965/D1127;I601/F1038/D1127;I601/M763/D965/D1127;I601/M763/F1038D1127;I601/D965/F1038/D1127;またはI601/M763/D965/F1038/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0855】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/M763/T1102/D1127;A203/D965/T1102/D1127;A203/F1038/T1102/D1127;A203/M763/D965/T1102/D1127;A203/M763/F1038/T1102/D1127;A203/D965/F1038/T1102/D1127;A203/M763/D965/F1038/T1102/D1127;N277/M763/T1102/D1127;N277/D965/T1102/D1127;N277/F1038/T1102/D1127;N277/M763/D965/T1102/D1127;N277/M763/F1038/T1102/D1127;N277/D965/F1038/T1102/D1127;N277/M763/D965/F1038/T1102/D1127;G366/M763/T1102/D1127;G366/D965/T1102/D1127;G366/F1038/T1102/D1127;G366/M763/D965/T1102/D1127;G366/M763/F1038/T1102/D1127;G366/D965/F1038/T1102/D1127;G366/M763/D965/F1038/T1102/D1127;F539/M763/T1102/D1127;F539/D965/T1102/D1127;F539/F1038/T1102/D1127;F539/M763/D965/T1102/D1127;F539/M763/F1038/T1102/D1127;F539/D965/F1038/T1102/D1127;F539/M763/D965/F1038/T1102/D1127;I601/M763/T1102/D1127;I601/D965/T1102/D1127;I601/F1038/T1102/D1127;I601/M763/D965/T1102/D1127;I601/M763/F1038T1102/D1127;I601/D965/F1038/T1102/D1127;またはI601/M763/D965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0856】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/M763/T1102;A203/N277/D965/T1102;A203/N277/F1038/T1102;A203/N277/M763/D965/T1102;A203/N277/M763/F1038/T1102;A203/N277/D965/F1038/T1102;A203/N277/M763/D965/F1038/T1102;A203/G366/M763/T1102;A203/G366/D965/T1102;A203/G366/F1038/T1102;A203/G366/M763/D965/T1102;A203/G366/M763/F1038/T1102;A203/G366/D965/F1038/T1102;A203/G366/M763/D965/F1038/T1102;A203/F539/M763/T1102;A203/F539/D965/T1102;A203/F539/F1038/T1102;A203/F539/M763/D965/T1102;A203/F539/M763/F1038/T1102;A203/F539/D965/F1038/T1102;A203/F539/M763/D965/F1038/T1102;A203/I601/M763/T1102;A203/I601/D965/T1102;A203/I601/F1038/T1102;A203/I601/M763/D965/T1102;A203/I601/M763/F1038/T1102;A203/I601/D965/F1038/T1102;A203/I601/M763/D965/F1038/T1102;N277/G366/M763/T1102;N277/G366/D965/T1102;N277/G366/F1038/T1102;N277/G366/M763/D965/T1102;N277/G366/M763/F1038/T1102;N277/G366/D965/F1038/T1102;N277/G366/M763/D965/F1038/T1102;N277/F539/M763/T1102;N277/F539/D965/T1102;N277/F539/F1038/T1102;N277/F539/M763/D965/T1102;N277/F539/M763/F1038/T1102;N277/F539/D965/F1038/T1102;N277/F539/M763/D965/F1038/T1102;N277/I601/M763/T1102;N277/I601/D965/T1102;N277/I601/F1038/T1102;N277/I601/M763/D965/T1102;N277/I601/M763/F1038/T1102;N277/I601/D965/F1038/T1102;N277/I601/M763/D965/F1038/T1102;G366/F539/M763/T1102;G366/F539/D965/T1102;G366/F539/F1038/T1102;G366/F539/M763/D965/T1102;G366/F539/M763/F1038/T1102;G366/F539/D965/F1038/T1102;G366/F539/M763/D965/F1038/T1102;G366/I601/M763/T1102;G366/I601/D965/T1102;G366/I601/F1038/T1102;G366/I601/M763/D965/T1102;G366/I601/M763/F1038/T1102;G366/I601/D965/F1038/T1102;G366/I601/M763/D965/F1038/T1102;F539/I601/M763/T1102;F539/I601/D965/T1102;F539/I601/F1038/T1102;F539/I601/M763/D965/T1102;F539/I601/M763/F1038/T1102;F539/I601/D965/F1038/T1102;F539/I601/M763/D965/F1038/T1102;A203/N277/M763/D1127;A203/N277/D965/D1127;A203/N277/F1038/D1127;A203/N277/M763/D965/D1127;A203/N277/M763/F1038/D1127;A203/N277/D965/F1038/D1127;A203/N277/M763/D965/F1038/D1127;A203/G366/M763/D1127;A203/G366/D965/D1127;A203/G366/F1038/D1127;A203/G366/M763/D965/D1127;A203/G366/M763/F1038/D1127;A203/G366/D965/F1038/D1127;A203/G366/M763/D965/F1038/D1127;A203/F539/M763/D1127;A203/F539/D965/D1127;A203/F539/F1038/D1127;A203/F539/M763/D965/D1127;A203/F539/M763/F1038/D1127;A203/F539/D965/F1038/D1127;A203/F539/M763/D965/F1038/D1127;A203/I601/M763/D1127;A203/I601/D965/D1127;A203/I601/F1038/D1127;A203/I601/M763/D965/D1127;A203/I601/M763/F1038/D1127;A203/I601/D965/F1038/D1127;A203/I601/M763/D965/F1038/D1127;N277/G366/M763/D1127;N277/G366/D965/D1127;N277/G366/F1038/D1127;N277/G366/M763/D965/D1127;N277/G366/M763/F1038/D1127;N277/G366/D965/F1038/D1127;N277/G366/M763/D965/F1038/D1127;N277/F539/M763/D1127;N277/F539/D965/D1127;N277/F539/F1038/D1127;N277/F539/M763/D965/D1127;N277/F539/M763/F1038/D1127;N277/F539/D965/F1038/D1127;N277/F539/M763/D965/F1038/D1127;N277/I601/M763/D1127;N277/I601/D965/D1127;N277/I601/F1038/D1127;N277/I601/M763/D965/D1127;N277/I601/M763/F1038/D1127;N277/I601/D965/F1038/D1127;N277/I601/M763/D965/F1038/D1127;G366/F539/M763/D1127;G366/F539/D965/D1127;G366/F539/F1038/D1127;G366/F539/M763/D965/D1127;G366/F539/M763/F1038/D1127;G366/F539/D965/F1038/D1127;G366/F539/M763/D965/F1038/D1127;G366/I601/M763/D1127;G366/I601/D965/D1127;G366/I601/F1038/D1127;G366/I601/M763/D965/D1127;G366/I601/M763/F1038/D1127;G366/I601/D965/F1038/D1127;G366/I601/M763/D965/F1038/D1127;F539/I601/M763/D1127;F539/I601/D965/D1127;F539/I601/F1038/D1127;F539/I601/M763/D965/D1127;F539/I601/M763/F1038/D1127;F539/I601/D965/F1038/D1127;またはF539/I601/M763/D965/F1038/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0857】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/M763/T1102/D1127;A203/N277/D965/T1102/D1127;A203/N277/F1038/T1102/D1127;A203/N277/M763/D965/T1102/D1127;A203/N277/M763/F1038/T1102/D1127;A203/N277/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/M763/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/M763/T1102/D1127;A203/G366/D965/T1102/D1127;A203/G366/F1038/T1102/D1127;A203/G366/M763/D965/T1102/D1127;A203/G366/M763/F1038/T1102/D1127;A203/G366/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/M763/D965/F1038/T1102/D1127;A203/F539/M763/T1102/D1127;A203/F539/D965/T1102/D1127;A203/F539/F1038/T1102/D1127;A203/F539/M763/D965/T1102/D1127;A203/F539/M763/F1038/T1102/D1127;A203/F539/D965/F1038/T1102/D1127;A203/F539/M763/D965/F1038/T1102/D1127;A203/I601/M763/T1102/D1127;A203/I601/D965/T1102/D1127;A203/I601/F1038/T1102/D1127;A203/I601/M763/D965/T1102/D1127;A203/I601/M763/F1038/T1102/D1127;A203/I601/D965/F1038/T1102/D1127;A203/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/M763/T1102/D1127;N277/G366/D965/T1102/D1127;N277/G366/F1038/T1102/D1127;N277/G366/M763/D965/T1102/D1127;N277/G366/M763/F1038/T1102/D1127;N277/G366/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/M763/D965/F1038/T1102/D1127;N277/F539/M763/T1102/D1127;N277/F539/D965/T1102/D1127;N277/F539/F1038/T1102/D1127;N277/F539/M763/D965/T1102/D1127;N277/F539/M763/F1038/T1102/D1127;N277/F539/D965/F1038/T1102/D1127;N277/F539/M763/D965/F1038/T1102/D1127;N277/I601/M763/T1102/D1127;N277/I601/D965/T1102/D1127;N277/I601/F1038/T1102/D1127;N277/I601/M763/D965/T1102/D1127;N277/I601/M763/F1038/T1102/D1127;N277/I601/D965/F1038/T1102/D1127;N277/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127;G366/F539/M763/T1102/D1127;G366/F539/D965/T1102/D1127;G366/F539/F1038/T1102/D1127;G366/F539/M763/D965/T1102/D1127;G366/F539/M763/F1038/T1102/D1127;G366/F539/D965/F1038/T1102/D1127;G366/F539/M763/D965/F1038/T1102/D1127;G366/I601/M763/T1102/D1127;G366/I601/D965/T1102/D1127;G366/I601/F1038/T1102/D1127;G366/I601/M763/D965/T1102/D1127;G366/I601/M763/F1038/T1102/D1127;G366/I601/D965/F1038/T1102/D1127;G366/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127;F539/I601/M763/T1102/D1127;F539/I601/D965/T1102/D1127;F539/I601/F1038/T1102/D1127;F539/I601/M763/D965/T1102/D1127;F539/I601/M763/F1038/T1102/D1127;F539/I601/D965/F1038/T1102/D1127;またはF539/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0858】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/M763/T1102;A203/N277/G366/D965/T1102;A203/N277/G366/F1038/T1102;A203/N277/G366/M763/D965/T1102;A203/N277/G366/M763/F1038/T1102;A203/N277/G366/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/M763/D965/F1038/T1102;A203/N277/F539/M763/T1102;A203/N277/F539/D965/T1102;A203/N277/F539/F1038/T1102;A203/N277/F539/M763/D965/T1102;A203/N277/F539/M763/F1038/T1102;A203/N277/F539/D965/F1038/T1102;A203/N277/F539/M763/D965/F1038/T1102;A203/N277/I601/M763/T1102;A203/N277/I601/D965/T1102;A203/N277/I601/F1038/T1102;A203/N277/I601/M763/D965/T1102;A203/N277/I601/M763/F1038/T1102;A203/N277/I601/D965/F1038/T1102;A203/N277/I601/M763/D965/F1038/T1102;A203/G366/F539/M763/T1102;A203/G366/F539/D965/T1102;A203/G366/F539/F1038/T1102;A203/G366/F539/M763/D965/T1102;A203/G366/F539/M763/F1038/T1102;A203/G366/F539/D965/F1038/T1102;A203/G366/F539/M763/D965/F1038/T1102;A203/G366/I601/M763/T1102;A203/G366/I601/D965/T1102;A203/G366/I601/F1038/T1102;A203/G366/I601/M763/D965/T1102;A203/G366/I601/M763/F1038/T1102;A203/G366/I601/D965/F1038/T1102;A203/G366/I601/M763/D965/F1038/T1102;A203/F539/I601/M763/T1102;A203/F539/I601/D965/T1102;A203/F539/I601/F1038/T1102;A203/F539/I601/M763/D965/T1102;A203/F539/I601/M763/F1038/T1102;A203/F539/I601/D965/F1038/T1102;A203/F539/I601/M763/D965/F1038/T1102;N277/G366/F539/M763/T1102;N277/G366/F539/D965/T1102;N277/G366/F539/F1038/T1102;N277/G366/F539/M763/D965/T1102;N277/G366/F539/M763/F1038/T1102;N277/G366/F539/D965/F1038/T1102;N277/G366/F539/M763/D965/F1038/T1102;N277/G366/I601/M763/T1102;N277/G366/I601/D965/T1102;N277/G366/I601/F1038/T1102;N277/G366/I601/M763/D965/T1102;N277/G366/I601/M763/F1038/T1102;N277/G366/I601/D965/F1038/T1102;N277/G366/I601/M763/D965/F1038/T1102;G366/F539/I601/M763/T1102;G366/F539/I601/D965/T1102;G366/F539/I601/F1038/T1102;G366/F539/I601/M763/D965/T1102;G366/F539/I601/M763/F1038/T1102;G366/F539/I601/D965/F1038/T1102;G366/F539/I601/M763/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/M763/D1127;A203/N277/G366/D965/D1127;A203/N277/G366/F1038/D1127;A203/N277/G366/M763/D965/D1127;A203/N277/G366/M763/F1038/D1127;A203/N277/G366/D965/F1038/D1127;A203/N277/G366/M763/D965/F1038/D1127;A203/N277/F539/M763/D1127;A203/N277/F539/D965/D1127;A203/N277/F539/F1038/D1127;A203/N277/F539/M763/D965/D1127;A203/N277/F539/M763/F1038/D1127;A203/N277/F539/D965/F1038/D1127;A203/N277/F539/M763/D965/F1038/D1127;A203/N277/I601/M763/D1127;A203/N277/I601/D965/D1127;A203/N277/I601/F1038/D1127;A203/N277/I601/M763/D965/D1127;A203/N277/I601/M763/F1038/D1127;A203/N277/I601/D965/F1038/D1127;A203/N277/I601/M763/D965/F1038/D1127;A203/G366/F539/M763/D1127;A203/G366/F539/D965/D1127;A203/G366/F539/F1038/D1127;A203/G366/F539/M763/D965/D1127;A203/G366/F539/M763/F1038/D1127;A203/G366/F539/D965/F1038/D1127;A203/G366/F539/M763/D965/F1038/D1127;A203/G366/I601/M763/D1127;A203/G366/I601/D965/D1127;A203/G366/I601/F1038/D1127;A203/G366/I601/M763/D965/D1127;A203/G366/I601/M763/F1038/D1127;A203/G366/I601/D965/F1038/D1127;A203/G366/I601/M763/D965/F1038/D1127;A203/F539/I601/M763/D1127;A203/F539/I601/D965/D1127;A203/F539/I601/F1038/D1127;A203/F539/I601/M763/D965/D1127;A203/F539/I601/M763/F1038/D1127;A203/F539/I601/D965/F1038/D1127;A203/F539/I601/M763/D965/F1038/D1127;N277/G366/F539/M763/D1127;N277/G366/F539/D965/D1127;N277/G366/F539/F1038/D1127;N277/G366/F539/M763/D965/D1127;N277/G366/F539/M763/F1038/D1127;N277/G366/F539/D965/F1038/D1127;N277/G366/F539/M763/D965/F1038/D1127;N277/G366/I601/M763/D1127;N277/G366/I601/D965/D1127;N277/G366/I601/F1038/D1127;N277/G366/I601/M763/D965/D1127;N277/G366/I601/M763/F1038/D1127;N277/G366/I601/D965/F1038/D1127;N277/G366/I601/M763/D965/F1038/D1127;G366/F539/I601/M763/D1127;G366/F539/I601/D965/D1127;G366/F539/I601/F1038/D1127;G366/F539/I601/M763/D965/D1127;G366/F539/I601/M763/F1038/D1127;G366/F539/I601/D965/F1038/D1127;またはG366/F539/I601/M763/D965/F1038/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0859】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/M763/T1102/D1127;A203/N277/G366/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/M763/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/M763/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/M763/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/F539/M763/T1102/D1127;A203/N277/F539/D965/T1102/D1127;A203/N277/F539/F1038/T1102/D1127;A203/N277/F539/M763/D965/T1102/D1127;A203/N277/F539/M763/F1038/T1102/D1127;A203/N277/F539/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/F539/M763/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/I601/M763/T1102/D1127;A203/N277/I601/D965/T1102/D1127;A203/N277/I601/F1038/T1102/D1127;A203/N277/I601/M763/D965/T1102/D1127;A203/N277/I601/M763/F1038/T1102/D1127;A203/N277/I601/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/F539/M763/T1102/D1127;A203/G366/F539/D965/T1102/D1127;A203/G366/F539/F1038/T1102/D1127;A203/G366/F539/M763/D965/T1102/D1127;A203/G366/F539/M763/F1038/T1102/D1127;A203/G366/F539/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/F539/M763/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/I601/M763/T1102/D1127;A203/G366/I601/D965/T1102/D1127;A203/G366/I601/F1038/T1102/D1127;A203/G366/I601/M763/D965/T1102/D1127;A203/G366/I601/M763/F1038/T1102/D1127;A203/G366/I601/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127;A203/F539/I601/M763/T1102/D1127;A203/F539/I601/D965/T1102/D1127;A203/F539/I601/F1038/T1102/D1127;A203/F539/I601/M763/D965/T1102/D1127;A203/F539/I601/M763/F1038/T1102/D1127;A203/F539/I601/D965/F1038/T1102/D1127;A203/F539/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/M763/T1102/D1127;N277/G366/F539/D965/T1102/D1127;N277/G366/F539/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/M763/D965/T1102/D1127;N277/G366/F539/M763/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/M763/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/I601/M763/T1102/D1127;N277/G366/I601/D965/T1102/D1127;N277/G366/I601/F1038/T1102/D1127;N277/G366/I601/M763/D965/T1102/D1127;N277/G366/I601/M763/F1038/T1102/D1127;N277/G366/I601/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127;G366/F539/I601/M763/T1102/D1127;G366/F539/I601/D965/T1102/D1127;G366/F539/I601/F1038/T1102/D1127;G366/F539/I601/M763/D965/T1102/D1127;G366/F539/I601/M763/F1038/T1102/D1127;G366/F539/I601/D965/F1038/T1102/D1127;またはG366/F539/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0860】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539/M763/T1102;A203/N277/G366/F539/D965/T1102;A203/N277/G366/F539/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/M763/D965/T1102;A203/N277/G366/F539/M763/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/M763/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/I601/M763/T1102;A203/N277/G366/I601/D965/T1102;A203/N277/G366/I601/F1038/T1102;A203/N277/G366/I601/M763/D965/T1102;A203/N277/G366/I601/M763/F1038/T1102;A203/N277/G366/I601/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/I601/M763/D965/F1038/T1102;N277/G366/F539/I601/M763/T1102;N277/G366/F539/I601/D965/T1102;N277/G366/F539/I601/F1038/T1102;N277/G366/F539/I601/M763/D965/T1102;N277/G366/F539/I601/M763/F1038/T1102;N277/G366/F539/I601/D965/F1038/T1102;N277/G366/F539/I601/M763/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/M763/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/D965/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/M763/D965/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/M763/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/M763/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/M763/D1127;A203/N277/G366/F539/D965/D1127;A203/N277/G366/F539/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/D965/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/D965/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/D965/F1038/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/D1127;A203/N277/G366/I601/D965/D1127;A203/N277/G366/I601/F1038/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/D965/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/F1038/D1127;A203/N277/G366/I601/D965/F1038/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/D965/F1038/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/D1127;N277/G366/F539/I601/D965/D1127;N277/G366/F539/I601/F1038/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/D965/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/F1038/D1127;N277/G366/F539/I601/D965/F1038/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/D965/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/D965/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/D965/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/D965/F1038/D1127;またはA203/N277/G366/F539/I601/M763/D965/F1038/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0861】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539/M763/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/D965/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/D965/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/D965/F1038/T1102/D1127;またはA203/N277/G366/F539/I601/M763/D965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0862】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第2領域、第3領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、3つ以上のアミノ酸はそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0863】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0864】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0865】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763/K890/T1102;K890/D965/T1102;K890/F1038/T1102;M763/K890/D1127;K890/D965/D1127;K890/F1038/D1127;M763/K890/T1102/D1127;K890/D965/T1102/D1127;またはK890/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0866】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763/K890/D965/T1102;M763/K890/F1038/T1102;K890/D965/F1038/T1102;M763/K890/D965/D1127;M763/K890/F1038/D1127;K890/D965/F1038/D1127;M763/K890/D965/T1102/D1127;M763/K890/F1038/T1102/D1127;またはK890/D965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0867】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763/K890/D965/F1038/T1102;M763/K890/D965/F1038/D1127またはM763/K890/D965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0868】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域のアミノ酸配列から選択される3つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、3つ以上のアミノ酸はそれぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0869】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;野性型SpCas9の領域3-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0870】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸;ならびに野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0871】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/M763/K890/T1102;A203/K890/D965/T1102;A203/K890/F1038/T1102;A203/M763/K890/D965/T1102;A203/M763/K890/F1038/T1102;A203/K890/D965/F1038/T1102;A203/M763/K890/D965/F1038/T1102;N277/M763/K890/T1102;N277/K890/D965/T1102;N277/K890/F1038/T1102;N277/M763/K890/D965/T1102;N277/M763/K890/F1038/T1102;N277/K890/D965/F1038/T1102;N277/M763//K890D965/F1038/T1102;G366/M763/K890/T1102;G366/K890/D965/T1102;G366/K890/F1038/T1102;G366/M763/K890/D965/T1102;G366/M763/K890/F1038/T1102;G366/K890/D965/F1038/T1102;G366/M763/K890/D965/F1038/T1102;F539/M763/K890/T1102;F539/K890/D965/T1102;F539/K890/F1038/T1102;F539/M763/K890/D965/T1102;F539/M763/K890/F1038/T1102;F539/K890/D965/F1038/T1102;F539/M763/K890/D965/F1038/T1102;I601/M763/K890/T1102;I601/K890/D965/T1102;I601/K890/F1038/T1102;I601/M763/K890/D965/T1102;I601/M763/K890/F1038/T1102;I601/K890/D965/F1038/T1102;I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/M763/K890/D1127;A203/K890/D965/D1127;A203/K890/F1038/D1127;A203/M763/K890/D965/D1127;A203/M763/K890/F1038/D1127;A203/K890/D965/F1038/D1127;A203/M763/K890/D965/F1038/D1127;N277/M763/K890/D1127;N277/K890/D965/D1127;N277/K890/F1038/D1127;N277/M763/K890/D965/D1127;N277/M763/K890/F1038/D1127;N277/K890/D965/F1038/D1127;N277/M763//K890D965/F1038/D1127;G366/M763/K890/D1127;G366/K890/D965/D1127;G366/K890/F1038/D1127;G366/M763/K890/D965/D1127;G366/M763/K890/F1038/D1127;G366/K890/D965/F1038/D1127;G366/M763/K890/D965/F1038/D1127;F539/M763/K890/D1127;F539/K890/D965/D1127;F539/K890/F1038/D1127;F539/M763/K890/D965/D1127;F539/M763/K890/F1038/D1127;F539/K890/D965/F1038/D1127;F539/M763/K890/D965/F1038/D1127;I601/M763/K890/D1127;I601/K890/D965/D1127;I601/K890/F1038/D1127;I601/M763/K890/D965/D1127;I601/M763/K890/F1038/D1127;I601/K890/D965/F1038/D1127;またはI601/M763/K890/D965/F1038/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0872】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/M763/K890/T1102/D1127;A203/K890/D965/T1102/D1127;A203/K890/F1038/T1102/D1127;A203/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/M763/K890/T1102/D1127;N277/K890/D965/T1102/D1127;N277/K890/F1038/T1102/D1127;N277/M763/K890/D965/T1102/D1127;N277/M763/K890/F1038/T1102/D1127;N277/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/M763//K890D965/F1038/T1102/D1127;G366/M763/K890/T1102/D1127;G366/K890/D965/T1102/D1127;G366/K890/F1038/T1102/D1127;G366/M763/K890/D965/T1102/D1127;G366/M763/K890/F1038/T1102/D1127;G366/K890/D965/F1038/T1102/D1127;G366/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;F539/M763/K890/T1102/D1127;F539/K890/D965/T1102/D1127;F539/K890/F1038/T1102/D1127;F539/M763/K890/D965/T1102/D1127;F539/M763/K890/F1038/T1102/D1127;F539/K890/D965/F1038/T1102/D1127;F539/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;I601/M763/K890/T1102/D1127;I601/K890/D965/T1102/D1127;I601/K890/F1038/T1102/D1127;I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;またはI601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0873】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/M763/K890/T1102;A203/N277/K890/D965/T1102;A203/N277/K890/F1038/T1102;A203/N277/M763/K890/D965/T1102;A203/N277/M763/K890/F1038/T1102;A203/N277/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/G366/M763/K890/T1102;A203/G366/K890/D965/T1102;A203/G366/K890/F1038/T1102;A203/G366/M763/K890/D965/T1102;A203/G366/M763/K890/F1038/T1102;A203/G366/K890/D965/F1038/T1102;A203/G366/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/F539/M763/K890/T1102;A203/F539/K890/D965/T1102;A203/F539/K890/F1038/T1102;A203/F539/M763/K890/D965/T1102;A203/F539/M763/K890/F1038/T1102;A203/F539/K890/D965/F1038/T1102;A203/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/I601/M763/K890/T1102;A203/I601/K890/D965/T1102;A203/I601/K890/F1038/T1102;A203/I601/M763/K890/D965/T1102;A203/I601/M763/K890/F1038/T1102;A203/I601/K890/D965/F1038/T1102;A203/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;N277/G366/M763/K890/T1102;N277/G366/K890/D965/T1102;N277/G366/K890/F1038/T1102;N277/G366/M763/K890/D965/T1102;N277/G366/M763/K890/F1038/T1102;N277/G366/K890/D965/F1038/T1102;N277/G366/M763/K890/D965/F1038/T1102;N277/F539/M763/K890/T1102;N277/F539/K890/D965/T1102;N277/F539/K890/F1038/T1102;N277/F539/M763/K890/D965/T1102;N277/F539/M763/K890/F1038/T1102;N277/F539/K890/D965/F1038/T1102;N277/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102;N277/I601/M763/K890/T1102;N277/I601/K890/D965/T1102;N277/I601/K890/F1038/T1102;N277/I601/M763/K890/D965/T1102;N277/I601/M763/K890/F1038/T1102;N277/I601/K890/D965/F1038/T1102;N277/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;G366/F539/M763/K890/T1102;G366/F539/K890/D965/T1102;G366/F539/K890/F1038/T1102;G366/F539/M763/K890/D965/T1102;G366/F539/M763/K890/F1038/T1102;G366/F539/K890/D965/F1038/T1102;G366/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102;G366/I601/M763/K890/T1102;G366/I601/K890/D965/T1102;G366/I601/K890/F1038/T1102;G366/I601/M763/K890/D965/T1102;G366/I601/M763/K890/F1038/T1102;G366/I601/K890/D965/F1038/T1102;G366/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;F539/I601/M763/K890/T1102;F539/I601/K890/D965/T1102;F539/I601/K890/F1038/T1102;F539/I601/M763/K890/D965/T1102;F539/I601/M763/K890/F1038/T1102;F539/I601/K890/D965/F1038/T1102;F539/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/M763/K890/D1127;A203/N277/K890/D965/D1127;A203/N277/K890/F1038/D1127;A203/N277/M763/K890/D965/D1127;A203/N277/M763/K890/F1038/D1127;A203/N277/K890/D965/F1038/D1127;A203/N277/M763/K890/D965/F1038/D1127;A203/G366/M763/K890/D1127;A203/G366/K890/D965/D1127;A203/G366/K890/F1038/D1127;A203/G366/M763/K890/D965/D1127;A203/G366/M763/K890/F1038/D1127;A203/G366/K890/D965/F1038/D1127;A203/G366/M763/K890/D965/F1038/D1127;A203/F539/M763/K890/D1127;A203/F539/K890/D965/D1127;A203/F539/K890/F1038/D1127;A203/F539/M763/K890/D965/D1127;A203/F539/M763/K890/F1038/D1127;A203/F539/K890/D965/F1038/D1127;A203/F539/M763/K890/D965/F1038/D1127;A203/I601/M763/K890/D1127;A203/I601/K890/D965/D1127;A203/I601/K890/F1038/D1127;A203/I601/M763/K890/D965/D1127;A203/I601/M763/K890/F1038/D1127;A203/I601/K890/D965/F1038/D1127;A203/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127;N277/G366/M763/K890/D1127;N277/G366/K890/D965/D1127;N277/G366/K890/F1038/D1127;N277/G366/M763/K890/D965/D1127;N277/G366/M763/K890/F1038/D1127;N277/G366/K890/D965/F1038/D1127;N277/G366/M763/K890/D965/F1038/D1127;N277/F539/M763/K890/D1127;N277/F539/K890/D965/D1127;N277/F539/K890/F1038/D1127;N277/F539/M763/K890/D965/D1127;N277/F539/M763/K890/F1038/D1127;N277/F539/K890/D965/F1038/D1127;N277/F539/M763/K890/D965/F1038/D1127;N277/I601/M763/K890/D1127;N277/I601/K890/D965/D1127;N277/I601/K890/F1038/D1127;N277/I601/M763/K890/D965/D1127;N277/I601/M763/K890/F1038/D1127;N277/I601/K890/D965/F1038/D1127;N277/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127;G366/F539/M763/K890/D1127;G366/F539/K890/D965/D1127;G366/F539/K890/F1038/D1127;G366/F539/M763/K890/D965/D1127;G366/F539/M763/K890/F1038/D1127;G366/F539/K890/D965/F1038/D1127;G366/F539/M763/K890/D965/F1038/D1127;G366/I601/M763/K890/D1127;G366/I601/K890/D965/D1127;G366/I601/K890/F1038/D1127;G366/I601/M763/K890/D965/D1127;G366/I601/M763/K890/F1038/D1127;G366/I601/K890/D965/F1038/D1127;G366/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127;F539/I601/M763/K890/D1127;F539/I601/K890/D965/D1127;F539/I601/K890/F1038/D1127;F539/I601/M763/K890/D965/D1127;F539/I601/M763/K890/F1038/D1127;F539/I601/K890/D965/F1038/D1127;またはF539/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0874】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/M763/K890/T1102/D1127;A203/N277/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/M763/K890/T1102/D1127;A203/G366/K890/D965/T1102/D1127;A203/G366/K890/F1038/T1102/D1127;A203/G366/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/G366/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/G366/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/F539/M763/K890/T1102/D1127;A203/F539/K890/D965/T1102/D1127;A203/F539/K890/F1038/T1102/D1127;A203/F539/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/F539/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/F539/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/I601/M763/K890/T1102/D1127;A203/I601/K890/D965/T1102/D1127;A203/I601/K890/F1038/T1102/D1127;A203/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/M763/K890/T1102/D1127;N277/G366/K890/D965/T1102/D1127;N277/G366/K890/F1038/T1102/D1127;N277/G366/M763/K890/D965/T1102/D1127;N277/G366/M763/K890/F1038/T1102/D1127;N277/G366/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/F539/M763/K890/T1102/D1127;N277/F539/K890/D965/T1102/D1127;N277/F539/K890/F1038/T1102/D1127;N277/F539/M763/K890/D965/T1102/D1127;N277/F539/M763/K890/F1038/T1102/D1127;N277/F539/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/I601/M763/K890/T1102/D1127;N277/I601/K890/D965/T1102/D1127;N277/I601/K890/F1038/T1102/D1127;N277/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;N277/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;N277/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;G366/F539/M763/K890/T1102/D1127;G366/F539/K890/D965/T1102/D1127;G366/F539/K890/F1038/T1102/D1127;G366/F539/M763/K890/D965/T1102/D1127;G366/F539/M763/K890/F1038/T1102/D1127;G366/F539/K890/D965/F1038/T1102/D1127;G366/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;G366/I601/M763/K890/T1102/D1127;G366/I601/K890/D965/T1102/D1127;G366/I601/K890/F1038/T1102/D1127;G366/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;G366/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;G366/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;G366/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;F539/I601/M763/K890/T1102/D1127;F539/I601/K890/D965/T1102/D1127;F539/I601/K890/F1038/T1102/D1127;F539/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;F539/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;F539/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;またはF539/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0875】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/M763/K890/T1102;A203/N277/G366/K890/D965/T1102;A203/N277/G366/K890/F1038/T1102;A203/N277/G366/M763/K890/D965/T1102;A203/N277/G366/M763/K890/F1038/T1102;A203/N277/G366/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/F539/M763/K890/T1102;A203/N277/F539/K890/D965/T1102;A203/N277/F539/K890/F1038/T1102;A203/N277/F539/M763/K890/D965/T1102;A203/N277/F539/M763/K890/F1038/T1102;A203/N277/F539/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/I601/M763/K890/T1102;A203/N277/I601/K890/D965/T1102;A203/N277/I601/K890/F1038/T1102;A203/N277/I601/M763/K890/D965/T1102;A203/N277/I601/M763/K890/F1038/T1102;A203/N277/I601/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/G366/F539/M763/K890/T1102;A203/G366/F539/K890/D965/T1102;A203/G366/F539/K890/F1038/T1102;A203/G366/F539/M763/K890/D965/T1102;A203/G366/F539/M763/K890/F1038/T1102;A203/G366/F539/K890/D965/F1038/T1102;A203/G366/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/G366/I601/M763/K890/T1102;A203/G366/I601/K890/D965/T1102;A203/G366/I601/K890/F1038/T1102;A203/G366/I601/M763/K890/D965/T1102;A203/G366/I601/M763/K890/F1038/T1102;A203/G366/I601/K890/D965/F1038/T1102;A203/G366/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/F539/I601/M763/K890/T1102;A203/F539/I601/K890/D965/T1102;A203/F539/I601/K890/F1038/T1102;A203/F539/I601/M763/K890/D965/T1102;A203/F539/I601/M763/K890/F1038/T1102;A203/F539/I601/K890/D965/F1038/T1102;A203/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;N277/G366/F539/M763/K890/T1102;N277/G366/F539/K890/D965/T1102;N277/G366/F539/K890/F1038/T1102;N277/G366/F539/M763/K890/D965/T1102;N277/G366/F539/M763/K890/F1038/T1102;N277/G366/F539/K890/D965/F1038/T1102;N277/G366/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102;N277/G366/I601/M763/K890/T1102;N277/G366/I601/K890/D965/T1102;N277/G366/I601/K890/F1038/T1102;N277/G366/I601/M763/K890/D965/T1102;N277/G366/I601/M763/K890/F1038/T1102;N277/G366/I601/K890/D965/F1038/T1102;N277/G366/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;G366/F539/I601/M763/K890/T1102;G366/F539/I601/K890/D965/T1102;G366/F539/I601/K890/F1038/T1102;G366/F539/I601/M763/K890/D965/T1102;G366/F539/I601/M763/K890/F1038/T1102;G366/F539/I601/K890/D965/F1038/T1102;G366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/M763/K890/D1127;A203/N277/G366/K890/D965/D1127;A203/N277/G366/K890/F1038/D1127;A203/N277/G366/M763/K890/D965/D1127;A203/N277/G366/M763/K890/F1038/D1127;A203/N277/G366/K890/D965/F1038/D1127;A203/N277/G366/M763/K890/D965/F1038/D1127;A203/N277/F539/M763/K890/D1127;A203/N277/F539/K890/D965/D1127;A203/N277/F539/K890/F1038/D1127;A203/N277/F539/M763/K890/D965/D1127;A203/N277/F539/M763/K890/F1038/D1127;A203/N277/F539/K890/D965/F1038/D1127;A203/N277/F539/M763/K890/D965/F1038/D1127;A203/N277/I601/M763/K890/D1127;A203/N277/I601/K890/D965/D1127;A203/N277/I601/K890/F1038/D1127;A203/N277/I601/M763/K890/D965/D1127;A203/N277/I601/M763/K890/F1038/D1127;A203/N277/I601/K890/D965/F1038/D1127;A203/N277/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127;A203/G366/F539/M763/K890/D1127;A203/G366/F539/K890/D965/D1127;A203/G366/F539/K890/F1038/D1127;A203/G366/F539/M763/K890/D965/D1127;A203/G366/F539/M763/K890/F1038/D1127;A203/G366/F539/K890/D965/F1038/D1127;A203/G366/F539/M763/K890/D965/F1038/D1127;A203/G366/I601/M763/K890/D1127;A203/G366/I601/K890/D965/D1127;A203/G366/I601/K890/F1038/D1127;A203/G366/I601/M763/K890/D965/D1127;A203/G366/I601/M763/K890/F1038/D1127;A203/G366/I601/K890/D965/F1038/D1127;A203/G366/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127;A203/F539/I601/M763/K890/D1127;A203/F539/I601/K890/D965/D1127;A203/F539/I601/K890/F1038/D1127;A203/F539/I601/M763/K890/D965/D1127;A203/F539/I601/M763/K890/F1038/D1127;A203/F539/I601/K890/D965/F1038/D1127;A203/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127;N277/G366/F539/M763/K890/D1127;N277/G366/F539/K890/D965/D1127;N277/G366/F539/K890/F1038/D1127;N277/G366/F539/M763/K890/D965/D1127;N277/G366/F539/M763/K890/F1038/D1127;N277/G366/F539/K890/D965/F1038/D1127;N277/G366/F539/M763/K890/D965/F1038/D1127;N277/G366/I601/M763/K890/D1127;N277/G366/I601/K890/D965/D1127;N277/G366/I601/K890/F1038/D1127;N277/G366/I601/M763/K890/D965/D1127;N277/G366/I601/M763/K890/F1038/D1127;N277/G366/I601/K890/D965/F1038/D1127;N277/G366/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127;G366/F539/I601/M763/K890/D1127;G366/F539/I601/K890/D965/D1127;G366/F539/I601/K890/F1038/D1127;G366/F539/I601/M763/K890/D965/D1127;G366/F539/I601/M763/K890/F1038/D1127;G366/F539/I601/K890/D965/F1038/D1127;またはG366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0876】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/M763/K890/T1102/D1127;A203/N277/G366/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/F539/M763/K890/T1102/D1127;A203/N277/F539/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/F539/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/F539/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/F539/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/F539/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/I601/M763/K890/T1102/D1127;A203/N277/I601/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/I601/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/F539/M763/K890/T1102/D1127;A203/G366/F539/K890/D965/T1102/D1127;A203/G366/F539/K890/F1038/T1102/D1127;A203/G366/F539/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/G366/F539/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/G366/F539/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/I601/M763/K890/T1102/D1127;A203/G366/I601/K890/D965/T1102/D1127;A203/G366/I601/K890/F1038/T1102/D1127;A203/G366/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/G366/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/G366/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/G366/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/F539/I601/M763/K890/T1102/D1127;A203/F539/I601/K890/D965/T1102/D1127;A203/F539/I601/K890/F1038/T1102/D1127;A203/F539/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/F539/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/F539/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/M763/K890/T1102/D1127;N277/G366/F539/K890/D965/T1102/D1127;N277/G366/F539/K890/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/M763/K890/D965/T1102/D1127;N277/G366/F539/M763/K890/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/I601/M763/K890/T1102/D1127;N277/G366/I601/K890/D965/T1102/D1127;N277/G366/I601/K890/F1038/T1102/D1127;N277/G366/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;N277/G366/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;N277/G366/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;G366/F539/I601/M763/K890/T1102/D1127;G366/F539/I601/K890/D965/T1102/D1127;G366/F539/I601/K890/F1038/T1102/D1127;G366/F539/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;G366/F539/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;G366/F539/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;またはG366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0877】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539/M763/K890/T1102;A203/N277/G366/F539/K890/D965/T1102;A203/N277/G366/F539/K890/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/M763/K890/D965/T1102;A203/N277/G366/F539/M763/K890/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/I601/M763/K890/T1102;A203/N277/G366/I601/K890/D965/T1102;A203/N277/G366/I601/K890/F1038/T1102;A203/N277/G366/I601/M763/K890/D965/T1102;A203/N277/G366/I601/M763/K890/F1038/T1102;A203/N277/G366/I601/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;N277/G366/F539/I601/M763/K890/T1102;N277/G366/F539/I601/K890/D965/T1102;N277/G366/F539/I601/K890/F1038/T1102;N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/T1102;N277/G366/F539/I601/M763/K890/F1038/T1102;N277/G366/F539/I601/K890/D965/F1038/T1102;N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/K890/D965/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/K890/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102;A203/N277/G366/F539/M763/K890/D1127;A203/N277/G366/F539/K890/D965/D1127;A203/N277/G366/F539/K890/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/K890/D965/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/K890/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/K890/D965/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/K890/D965/F1038/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/K890/D1127;A203/N277/G366/I601/K890/D965/D1127;A203/N277/G366/I601/K890/F1038/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/K890/D965/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/K890/F1038/D1127;A203/N277/G366/I601/K890/D965/F1038/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/K890/D1127;N277/G366/F539/I601/K890/D965/D1127;N277/G366/F539/I601/K890/F1038/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/K890/F1038/D1127;N277/G366/F539/I601/K890/D965/F1038/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/K890/D965/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/K890/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/F1038/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/K890/D965/F1038/D1127;またはA203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0878】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のA203/N277/G366/F539/M763/K890/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/K890/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/K890/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/K890/D965/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/K890/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/F1038/T1102/D1127;A203/N277/G366/F539/I601/K890/D965/F1038/T1102/D1127;またはA203/N277/G366/F539/I601/M763/K890/D965/F1038/T1102/D1127を修飾することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0879】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を除去することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0880】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697;野性型SpCas9の第2領域のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039;野性型SpCas9の第3領域のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、V838、D839、H840、K848、D849、D850、D853、N854、K855、R859、D861、K862、N863、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、A889、K890、L891、R895、K896およびD898;ならびに/または野性型SpCas9の第4領域のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を除去することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0881】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0882】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0883】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0884】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0885】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばアスパラギン酸(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0886】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-2のG366(ハイドロパシー指数:-0.4)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0887】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-2のG366(ハイドロパシー指数:-0.4)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0888】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0889】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0890】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のI601(ハイドロパシー指数:4.5)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0891】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のI601(ハイドロパシー指数:4.5)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0892】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のA203(ハイドロパシー指数:1.8)、F539(ハイドロパシー指数:2.8)およびI601(ハイドロパシー指数:4.5)を、それぞれ相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0893】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばアスパラギン酸(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換し、野性型SpCas9の領域1-2のG366(ハイドロパシー指数:-0.4)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換し、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換し、野性型SpCas9の領域1-3のI601(ハイドロパシー指数:4.5)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0894】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0895】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のN277(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばアラニン、システイン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0896】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のN277(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばヒスチジン(ハイドロパシー指数:-3.2)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0897】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、相対的に低いまたは高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0898】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のA203(ハイドロパシー指数:1.8)、N277(ハイドロパシー指数:-3.5)、G366(ハイドロパシー指数:-0.4)、F539(ハイドロパシー指数:2.8)およびI601(ハイドロパシー指数:4.5)を、それぞれ相対的に低いまたは高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0899】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン酸(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換し、野性型SpCas9の領域1-1のN277(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるヒスチジン(ハイドロパシー指数:-3.2)で置換し、野性型SpCas9の領域1-2のG366(ハイドロパシー指数:-0.4)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換し、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換し、野性型SpCas9の領域1-3のI601(ハイドロパシー指数:4.5)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0900】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0901】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸であるアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0902】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸であるアスパラギンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0903】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0904】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0905】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203を相対的に大きい官能基を有するアミノ酸であるアスパラギン酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0906】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、相対的に小さいまたは大きい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0907】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1、領域1-2、領域1-3および/または領域1-4のA203、N277、G366、F539およびI601を、相対的に小さいまたは大きい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0908】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203およびN277、領域1-2のG366、ならびに領域1-3のI601を、それぞれ相対的に大きい官能基を有するアミノ酸であるアスパラギン酸、ヒスチジン、セリンおよびアスパラギンで置換し、領域1-3のF539を、相対的に小さい官能基を有するセリンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0909】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第2領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0910】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3にI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することであってもよい。
【0911】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の2-2領域のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるシステイン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9であってもよい。
【0912】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0913】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-3のD965(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸、たとえばアラニン、システイン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0914】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の2-3のD965(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるチロシン(ハイドロパシー指数:-1.3)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0915】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のM763(ハイドロパシー指数:1.9)およびD965(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0916】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換し、野性型SpCas9の2-3領域のD965(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるチロシン(ハイドロパシー指数:-1.3)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0917】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0918】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-3のF1037および/またはF1038を、相対的に低い官能基を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0919】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-3のF1038(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるチロシン(ハイドロパシー指数:-1.3)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0920】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-3のF1037(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアルギニン(ハイドロパシー指数:-4.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0921】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、相対的に低いまたは高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0922】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-1、領域2-2および/または領域2-3のM763(ハイドロパシー指数:1.9)、D965(ハイドロパシー指数:-3.5)およびF1038(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いまたは高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0923】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換し、野性型SpCas9の2-3領域のD965(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるチロシン(ハイドロパシー指数:-1.3)で置換し、野性型SpCas9の2-3領域のF1038(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるチロシン(ハイドロパシー指数:-1.3)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0924】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第3領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0925】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、V838、D839、H840、K848、D849、D850、D853、N854、K855、R859、D861、K862、N863、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、A889、K890、L891、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0926】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK890(ハイドロパシー指数:-3.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0927】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK890(ハイドロパシー指数:-3.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0928】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、V838、D839、H840、K848、D849、D850、D853、N854、K855、R859、D861、K862、N863、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、A889、K890、L891、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を非荷電アミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0929】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0930】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるグルタミンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0931】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアスパラギンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0932】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、V838、D839、H840、K848、D849、D850、D853、N854、K855、R859、D861、K862、N863、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、A889、K890、L891、R895、K896およびD898からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0933】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK890および/またはK896を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸であるアラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、セリン、トレオニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0934】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸であるアスパラギン酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0935】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK896を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸であるアスパラギンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0936】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第4領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0937】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0938】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、リシン、プロリン、セリン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0939】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102(ハイドロパシー指数:-0.7)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するプロリン(ハイドロパシー指数:-1.6)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってよもよい。
【0940】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0941】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のS1106を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、システイン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0942】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のS1106(ハイドロパシー指数:-0.8)を、相対的に高いハイドロパシー指数であるグリシン(ハイドロパシー指数:-0.4)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってよもよい。
【0943】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0944】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102およびS1136を、相対的に低いまたは高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0945】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102(ハイドロパシー指数:-0.7)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するプロリン(ハイドロパシー指数:-1.6)で置換し、野性型SpCas9のS1106(ハイドロパシー指数:-0.8)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するグリシン(ハイドロパシー指数:-0.4)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0946】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0947】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に小さい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0948】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に小さい官能基を有するプロリンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0949】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0950】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のD1127を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0951】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のD1127を、相対的に大きい官能基を有するグルタミン酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0952】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸を、相対的に小さいまたは大きい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0953】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102およびD1127を、相対的に小さいまたは大きい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0954】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に小さい官能基を有するプロリンで置換し、野性型SpCas9の領域4-1のD1127を、相対的に大きい官能基を有するグルタミン酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0955】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域、第2領域、第3領域および/または第4領域のアミノ酸配列から選択される2つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、2つ以上のアミノ酸は、それぞれ異なる領域に存在してもよい。
【0956】
ここで、異なる領域で選択された1つ以上のアミノ酸の置換に関する説明は、上記と同じである。
【0957】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;および野性型SpCas9の第2領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、それぞれ異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0958】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)および/またはA764(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるシステイン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0959】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0960】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のI601(ハイドロパシー指数:4.5)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域2-3のD965(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、システイン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0961】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のI601(ハイドロパシー指数:4.5)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換し、野性型SpCas9の領域2-3のD965(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるチロシン(ハイドロパシー指数:-1.3)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0962】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のA764(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるイソロイシン、ロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0963】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン酸(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0964】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;および野性型SpCas9の第3領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、それぞれ異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0965】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0966】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアスパラギンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0967】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539および/またはI601を、極性アミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、リシン、セリン、トレオニンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890(ハイドロパシー指数:-3.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0968】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539およびI601を、それぞれ極性アミノ酸であるトレオニンおよびグルタミン酸で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890(ハイドロパシー指数:-3.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0969】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;および野性型SpCas9の第4領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、それぞれ異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0970】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、リシン、プロリン、セリン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0971】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン酸(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102(ハイドロパシー指数:-0.7)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するプロリン(ハイドロパシー指数:-1.6)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0972】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のD1127を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0973】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のD1127を、相対的に大きい官能基を有するグルタミン酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0974】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第2領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;および野性型SpCas9の第3領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、それぞれ異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0975】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)および/またはA764(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるシステイン、イソロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0976】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアスパラギンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0977】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-3のF1037および/またはF1038を、極性アミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、リシン、セリン、トレオニンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890(ハイドロパシー指数:-3.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0978】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-3のF1038を、極性アミノ酸であるチロシンで置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890(ハイドロパシー指数:-3.9)を、高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0979】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)および/またはA764(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるシステイン、イソロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域2-3のF1037および/またはF1038を、極性アミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、リシン、セリン、トレオニンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0980】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換し、野性型SpCas9の領域2-3のF1038を、極性アミノ酸であるチロシンで置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアスパラギンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0981】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第2領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;および野性型SpCas9の第4領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、それぞれ異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0982】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)および/またはA764(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるシステイン、イソロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、リシン、プロリン、セリン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0983】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102(ハイドロパシー指数:-0.7)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するプロリン(ハイドロパシー指数:-1.6)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0984】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-3のF1037および/またはF1038を、極性アミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、リシン、セリン、トレオニンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のD1127を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0985】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域2-3のF1038を、極性アミノ酸であるチロシンで置換し、野性型SpCas9の領域4-1のD1127を、相対的に大きい官能基を有するグルタミン酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0986】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第3領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;および野性型SpCas9の第4領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸を、それぞれ異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0987】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、リシン、プロリン、セリン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0988】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアスパラギンで置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102(ハイドロパシー指数:-0.7)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するプロリン(ハイドロパシー指数:-1.6)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0989】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK890(ハイドロパシー指数:-3.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のD1127を、相対的に大きい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0990】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域3-1のK890(ハイドロパシー指数:-3.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のD1127を、相対的に大きい官能基を有するグルタミン酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0991】
TS-SpCas9は、野性型SpCas9の第1領域のアミノ酸配列から選択される1つ以上のアミノ酸;野性型SpCas9の第2領域のアミノ酸配列において選択される1つ以上のアミノ酸;および/または野性型SpCas9の第3領域のアミノ酸配列において選択される1つ以上のアミノ酸を、それぞれ異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0992】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)および/またはA764(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるシステイン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890(ハイドロパシー指数:-3.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0993】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539(ハイドロパシー指数:2.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるセリン(ハイドロパシー指数:-0.8)で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890(ハイドロパシー指数:-3.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0994】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539および/またはI601を、極性アミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、リシン、セリン、トレオニンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、それぞれ非荷電アミノ酸であるアラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、リシン、プロリン、セリン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0995】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539を、極性アミノ酸であるセリンで置換し、野性型SpCas9の領域2-3のF1038を、極性アミノ酸であるチロシンで置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアスパラギンで置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるプロリン(ハイドロパシー指数:-1.6)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0996】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のI601を、極性アミノ酸であるグルタミン酸で置換し、野性型SpCas9の領域2-3のF1038を、極性アミノ酸であるチロシンで置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアスパラギンで置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるプロリン(ハイドロパシー指数:-1.6)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0997】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539とI601とを、それぞれ極性アミノ酸であるセリンとアスパラギンとで置換し、野性型SpCas9の領域2-3のF1038を、極性アミノ酸であるチロシンで置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアスパラギンで置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるプロリン(ハイドロパシー指数:-1.6)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0998】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539および/またはI601を、それぞれ極性アミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、リシン、セリン、トレオニンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)および/またはA764(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるシステイン、イソロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【0999】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のI601を、極性アミノ酸であるアスパラギンで置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアスパラギンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1000】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のF539とI6901とを、それぞれ極性アミノ酸であるセリンとアスパラギンとで置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアスパラギンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1001】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)および/またはA764(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるシステイン、イソロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を、非荷電アミノ酸であるアラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1002】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203(ハイドロパシー指数:1.8)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン酸(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換し、野性型SpCas9の領域2-3のF1038を、非荷電アミノ酸であるアスパラギンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1003】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のI601(ハイドロパシー指数:4.5)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域2-3のD965(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアラニン、システイン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、リシン、プロリン、セリン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1004】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-3のI601(ハイドロパシー指数:4.5)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるアスパラギン(ハイドロパシー指数:-3.5)で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763(ハイドロパシー指数:1.9)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるイソロイシン(ハイドロパシー指数:4.5)で置換し、野性型SpCas9の領域2-3のD965(ハイドロパシー指数:-3.5)を、相対的に高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるチロシン(ハイドロパシー指数:-1.3)で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102(ハイドロパシー指数:-0.7)を、相対的に低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸であるプロリン(ハイドロパシー指数:-1.6)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1005】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203およびN277、領域1-2のG366、ならびに領域1-3のF539およびI601からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さいまたは大きい官能基を有するアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763、領域2-3のD956およびF1038からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さいまたは大きい官能基を有するアミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を非荷電アミノ酸で置換し、野性型SpCas9の領域4-1のT1102およびD1127からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を、相対的に小さいまたは大きい官能基を有するアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1006】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-2のG366、領域1-3のF539およびI601を、それぞれセリン(相対的に大きい官能基を有するアミノ酸)、セリン(相対的に小さい官能基を有するアミノ酸)およびアスパラギン(相対的に大きい官能基を有するアミノ酸)で置換し、領域2-2のM763および領域2-3のF1038を、それぞれイソロイシン(相対的に小さい官能基を有するアミノ酸)およびチロシン(相対的に大きい官能基を有するアミノ酸)で置換し、領域3-1のK890を非荷電アスパラギンで置換し、領域4-1のD1127を、相対的に大きい官能基を有するグルタミン酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1007】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9の領域1-1のA203およびN277、1-2のG366、領域1-3のF539およびI601を、それぞれアスパラギン酸(相対的に大きい官能基を有するアミノ酸)、ヒスチジン(相対的に大きい官能基を有するアミノ酸)、セリン(相対的に大きい官能基を有するアミノ酸)、セリン(相対的に小さい官能基を有するアミノ酸)およびアスパラギン(相対的に大きい官能基を有するアミノ酸)で置換し、野性型SpCas9の領域2-2のM763ならびに領域2-3のD956およびF1038を、それぞれイソロイシン(相対的に小さい官能基を有するアミノ酸)、チロシン(相対的に大きい官能基を有するアミノ酸)およびチロシン(相対的に大きい官能基を有するアミノ酸)で置換し、野性型SpCas9の領域3-1のK890を非荷電アスパラギンで置換し、領域4-1のT1102およびD1127を、それぞれプロリン(相対的に小さい官能基を有するアミノ酸)およびグルタミン酸(相対的に大きい官能基を有するアミノ酸)で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1008】
本明細書に開示されるTS-SpCas9の例として、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のF539、M763および/またはK890を異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1009】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のF539を、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1010】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のF539をセリンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、F539をセリンに置換することにより形成されるTS-SpCas9(F539S)は、野性型SpCas9と比較して、SpCas9(F539S)のRECドメインとgRNAの標的配列および/またはPAMの遠位端との間の相互作用が変化し得るSpCas9バリアントであってもよい。
【1011】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763を、システイン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択される1つのアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1012】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763をイソロイシンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、M763をイソロイシンに置換することにより形成されるTS-SpCas9(M763I)は、野性型SpCas9と比較して、SpCas9(M763I)のRuvCドメインと金属との間の相互作用が変化し得るSpCas9バリアントであってもよい。
【1013】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のK890を、アラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1014】
たとえば、SpCas9は、野性型SpCas9のK890をアスパラギンで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、K890をアスパラギンで置換することにより形成されるTS-SpCas9(K890N)は、野性型SpCas9と比較して、SpCas9(K890N)のHNHドメインと金属との間の相互作用が変更されたSpCas9バリアントであってもよい。
【1015】
別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のF539とM763とを、それぞれ元のアミノ酸とは異なるアミノ酸とで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1016】
ここで、元のアミノ酸とは異なるアミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択されるアミノ酸であってもよい。
【1017】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のF539とM763とを、それぞれセリンとイソロイシンとで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、F539とM763とが、それぞれセリンとイソロイシンとで置換されたTS-SpCas9(F539S、M763I)は、野性型SpCas9と比較して、SpCas9(F539S、M763I)のRECドメインとgRNAの標的配列および/またはPAMの遠位端との間の相互作用ならびにSpCas9(F539S、M763I)のRuvCドメインと金属との間の相互作用が変更されたSpCas9バリアントであってもよい。
【1018】
さらに別の例示的な実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のF539およびK890を、元のアミノ酸とは異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1019】
ここで、元のアミノ酸とは異なるアミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択されるアミノ酸であってもよい。
【1020】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のF539とK890とを、それぞれセリンとアスパラギンとで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、F539とK890とを、それぞれセリンとアスパラギンとで置換することにより形成されるTS-SpCas9(F539S、K890N)は、野性型SpCas9と比較して、SpCas9(F539S、K890N)のRECドメインとgRNAの標的配列および/またはPAMの遠位端との間の相互作用ならびにSpCas9(F539S、K890N)のHNHドメインと金属との間の相互作用が変更されたSpCas9バリアントであってもよい。
【1021】
別の例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763およびK890を元のアミノ酸とは異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1022】
ここで、元のアミノ酸とは異なるアミノ酸は、アラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択されるアミノ酸であってもよい。
【1023】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のM763とK890とを、それぞれイソロイシンとアスパラギンとで置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。ここで、M763とK890とを、それぞれイソロイシンとアスパラギンとで置換することにより形成されるTS-SpCas9(M763I、K890N)は、野性型SpCas9と比較して、SpCas9(M763I、K890N)のRuvCドメインと金属との間の相互作用ならびにSpCas9(M763I、K890N)のHNHドメインと金属との間の相互作用が変更されたSpCas9バリアントであってもよい。
【1024】
例示的な一実施形態では、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のF539、M763およびK890を、元のアミノ酸とは異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1025】
ここで、元のアミノ酸とは異なるアミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択されるアミノ酸であってもよい。
【1026】
たとえば、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のF539、M763およびK890を、セリン、イソロイシンおよびアスパラギンで置換することにより形成されるSpCas9バリアント(配列番号11)であってもよい。ここで、F539、M763およびK890を、それぞれセリン、イソロイシンおよびアスパラギンで置換することにより形成されるTS-SpCas9(F539S、M763I、K890N)は、野性型SpCas9と比較して、SpCas9(F539S、M763I、K890N)のRECドメインとgRNAの標的配列および/またはPAMの遠位端との間の相互作用、ならびにSpCas9(F539S、M763I、K890N)のRuvCドメインと金属との間の相互作用、ならびにSpCas9(F539S、M763I、K890N)のHNHドメインと金属との間の相互作用が変更されたSpCas9バリアントであってもよい。
【1027】
本明細書に開示される本開示の例示的な一実施形態では、人為的に改変されたCas9は融合タンパク質であってもよい。
【1028】
融合タンパク質は、標的特異的なCas9と1つ以上の機能ドメインとを含む人為的に産生されたタンパク質であってもよい。
【1029】
標的特異的なCas9の説明は上記で提供されている。
【1030】
機能ドメインの説明は上記で提供されている。
【1031】
たとえば、融合タンパク質は、TS-SpCas9およびデアミナーゼを含む人為的に産生されたタンパク質であってもよい。
【1032】
ここで、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のD10、F539、M763およびK890を、それぞれ元のアミノ酸とは異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1033】
あるいは、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のF539、M763、H840およびK890を、それぞれ元のアミノ酸とは異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1034】
あるいは、TS-SpCas9は、野性型SpCas9のD10、F539、M763、H840およびK890を、それぞれ元のアミノ酸とは異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアントであってもよい。
【1035】
ここで、デアミナーゼは、アデニンデアミナーゼおよび/またはシチジンデアミナーゼであってもよい。
【1036】
ここで、融合タンパク質は、デアミナーゼがTS-SpCas9のN末端に融合された形態で人為的に産生されたタンパク質であってもよい。
【1037】
あるいは、融合タンパク質は、デアミナーゼがTS-SpCas9のC末端に融合された形態で人為的に産生されたタンパク質であってもよい。
【1038】
あるいは、融合タンパク質は、同じまたは異なるデアミナーゼが、それぞれTS-SpCas9のN末端およびC末端に融合された形態で人為的に産生されたタンパク質であってもよい。
【1039】
本明細書に開示されるCRISPR酵素、人為的に改変されたCRISPR酵素、CRISPR酵素バリアント、Cas9、人為的に改変されたCas9、Cas9バリアントまたは標的特異的なCas9は、ポリペプチドまたはタンパク質であってもよい。
【1040】
本明細書に開示されるCRISPR酵素、人為的に改変されたCRISPR酵素、CRISPR酵素バリアント、Cas9、人為的に改変されたCas9、Cas9バリアントまたは標的特異的なCas9は、ポリペプチドまたはタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸であってもよい。
【1041】
CRISPR酵素、人為的に改変されたCRISPR酵素、CRISPR酵素バリアント、Cas9、人為的に改変されたCas9、Cas9バリアント、または標的特異的なCas9は、導入される対象に対してコドン最適化されてもよい。
【1042】
「コドン最適化」という用語は、天然配列の少なくとも1つのコドンを、宿主細胞においてより高頻度または最も高頻度で使用されるコドンにより置き換える一方、天然アミノ酸配列を維持することにより核酸配列を修飾して宿主細胞内での発現を向上させるためのプロセスを指す。さまざまな種は、特定のアミノ酸の特定のコドンについて特定のバイアスを有し、コドンバイアス(生物間のコドン使用頻度の差)は、mRNAの翻訳の効率と相関することが多く、このことは、翻訳されるコドンの特性と特定のtRNA分子の入手可能性に依存すると考えられる。細胞内で選択されるtRNAの優位性は、一般的にペプチド合成において最も高頻度で使用されるコドンを反映している。したがって、遺伝子は、所与の生物中の最適な遺伝子発現のためにコドン最適化に基づき個別に調整され得る。
【1043】
ポリペプチドまたはタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸は、非ベクターの形態であってもよい。
【1044】
非ベクターは、裸のDNA、DNA複合体またはmRNAであってもよい。
【1045】
ポリペプチドまたはタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸は、ベクターに含まれてもよい。
【1046】
ここで、ポリペプチドまたはタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸は、1つのベクターに含まれていても、分割されていくつかのベクターに含まれていてもよい。
【1047】
ベクターはプラスミドであってもよい。
【1048】
ベクターは、ウイルスベクターでも非ウイルスベクターであってもよい。
【1049】
ベクターは、1つ以上の調節/制御コンポーネントを含んでいてもよい。
【1050】
ここで、調節/制御コンポーネントは、プロモーター、エンハンサー、イントロン、ポリアデニル化シグナル、コザックコンセンサス配列、内部リボソーム進入部位(IRES)、スプライスアクセプターおよび/または2A配列を含んでいてもよい。
【1051】
プロモーターは、RNAポリメラーゼIIによって認識されるプロモーターであってもよい。
【1052】
プロモーターは、RNAポリメラーゼIIIによって認識されるプロモーターであってもよい。
【1053】
プロモーターは、誘導性プロモーターであってもよい。
【1054】
プロモーターは、対象特異的なプロモーターであってもよい。
【1055】
プロモーターは、ウイルス性または非ウイルス性プロモーターであってもよい。
【1056】
プロモーターは、制御領域(すなわち、ガイド核酸またはエディタータンパク質をコードする核酸配列)に応じて適切なプロモーターを使用してもよい。
【1057】
たとえば、CRISPR酵素に有用なプロモーターは、CMV、EF-1a、EFS、MSCV、PGKまたはCAGプロモーターであってもよい。
【1058】
ベクターは、ウイルスベクターまたは組換えウイルスベクターであってもよい。
【1059】
ウイルスは、DNAウイルスまたはRNAウイルスであってもよい。
【1060】
ここで、DNAウイルスは、二本鎖DNA(dsDNA)ウイルスまたは一本鎖DNA(ssDNA)ウイルスであってもよい。
【1061】
ここで、RNAウイルスは、一本鎖RNA(ssRNA)ウイルスであってもよい。
【1062】
ウイルスは、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ワクシニアウイルス、ポックスウイルスまたは単純ヘルペスウイルスであってもよいが、本発明はこれらに限定されない。
【1063】
一般的に、ウイルスは宿主(たとえば細胞)に感染し得、それによってウイルスの遺伝情報をコードする核酸を宿主に導入するか、または遺伝情報をコードする核酸を宿主ゲノムに挿入する。そのような特徴を有するウイルスを使用して、ガイド核酸および/またはエディタータンパク質を対象に導入することができる。ウイルスを使用して導入されたガイド核酸および/またはエディタータンパク質は、対象(たとえば細胞)内で一時的に発現され得る。あるいは、ウイルスを使用して導入されたガイド核酸および/またはエディタータンパク質は、長期間にわたって(たとえば、1、2もしくは3週間、1、2、3、6もしくは9か月、1年もしくは2年、または恒久的に)対象(たとえば細胞)内で連続的に発現され得る。
【1064】
ウイルスのパッケージング容量は、ウイルスの種類に応じて、少なくとも2~50kbで異なり得る。パッケージング容量に応じて、CRISPR酵素のみを含むウイルスベクター、またはCRISPR酵素とgRNAとを含むウイルスベクターを設計することができる。あるいは、CRISPR酵素、gRNAおよび追加のコンポーネントを含むウイルスベクターを設計することができる。
【1065】
一例では、CRISPR酵素をコードする核酸は、組換えレンチウイルスベクターに含まれていてもよい。
【1066】
別の例では、CRISPR酵素をコードする核酸は、組換えアデノウイルスベクターに含まれていてもよい。
【1067】
さらに別の例では、CRISPR酵素をコードする核酸は、組換えAAVベクターに含まれていてもよい。
【1068】
さらに別の例では、CRISPR酵素をコードする核酸は、ハイブリッドベクター、たとえば、本明細書に開示されるウイルスのうちの1つ以上のハイブリッドベクターに含まれていてもよい。
【1069】
本明細書に開示される例示的な一実施形態では、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントを使用するために、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントをコードする核酸を発現させ得る。発現は様々な方法で実施できる。たとえば、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントをコードする核酸は、クローニングおよび/または発現のために原核細胞または真核細胞への形質導入用の中間ウイルスにクローニングできる。CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントを産生するためのCRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントをコードする核酸の保存または操作のために、中間ベクターは、通常、プラスミド、シャトルベクターまたは昆虫ベクターなどの原核生物ベクターである。さらに、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントの核酸は、植物細胞、動物細胞、好ましくは哺乳類細胞もしくはヒト細胞、真菌細胞、細菌細胞、または原生動物細胞に導入するための発現ベクターにクローニングできる。
【1070】
発現を達成するために、通常、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントをコードする配列は、転写を指示するプロモーターを含む発現ベクターにサブクローニングされる。改変されたタンパク質を発現するための細菌発現系は、たとえば、大腸菌(E.coli)、枯草菌(Bacillus sp.)およびサルモネラ菌(Salmonella sp.)から得ることができる。発現系のキットが市販されている。哺乳類、酵母および昆虫細胞用の真核細胞発現系が、当該技術分野で広く知られており、市販もされている。
【1071】
核酸発現を指示するために使用されるプロモーターは、特定の用途に依存する。たとえば、典型的に強力な構成的プロモーターを使用して、融合タンパク質を発現および増殖させる。対照的に、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントが遺伝子調節のために生体に導入される場合、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントの特定の用途に応じて、構成的または誘導性プロモーターを使用してもよい。さらに、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントを導入するための好ましいプロモーターは、弱いプロモーター、たとえば、HSV TKまたは同様の活性を有するプロモーターであってもよい。プロモーターはまた、転写活性化応答エレメント、たとえば、低酸素応答エレメント、Gal4応答エレメント、lac阻害剤応答エレメント、ならびに小分子制御系、たとえば、テトラサイクリン制御系およびRU-486系を含んでいてもよい。
【1072】
プロモーターに加えて、発現ベクターは、通常、原核細胞または真核細胞などの宿主細胞での核酸発現に必要な追加のエレメントを含む転写ユニットまたは発現カセットを含む。したがって、典型的な発現カセットは、たとえば、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントをコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーター、ならびにたとえば、転写物の効果的なポリアデニル化、転写終結、リボソーム結合部位または翻訳終結に必要なランダムシグナルを含んでいてもよい。カセットの追加のエレメントは、たとえば、エンハンサーおよびスプライスされた異種イントロンシグナルを含んでいてもよい。
【1073】
遺伝情報を細胞に伝達するための特定の発現ベクターは、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントの使用の必要性、たとえば、植物、動物、細菌、真菌、原生動物などでの発現に関して選択される。標準的な細菌発現ベクターは、プラスミド、たとえば、pBR322ベースのプラスミド、pSKFおよびpET23D、ならびに市販のタグ融合発現系、たとえば、GSTおよびLacZを含む。
【1074】
真核細胞ウイルスに由来する調節エレメントを含む発現ベクターは、真核生物発現ベクター、たとえば、SV40ベクター、乳頭腫ウイルスベクター、またはエプスタインバーウイルスに由来するベクターで頻繁に使用される。他の例示的な真核生物ベクターは、pMSG、pAV009/A+、pMTO10/A+、pMAMneo-5、バキュロウイルス、pDSVE、およびSV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、または真核細胞内での発現に有効であることが示されている他のプロモーターの指示下でタンパク質発現を可能にする他のベクターを含む。
【1075】
CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントを発現するためのベクターは、ガイドRNAの発現を誘導するためのRNA Pol IIIプロモーター、たとえば、H1、U6または7SKプロモーターを含んでいてもよい。そのようなヒトプロモーターにより、プラスミドトランスフェクション後の哺乳類細胞内でのCRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントの発現が可能になる。
【1076】
いくつかの発現系は、安定的にトランスフェクトされた細胞株を選択するためのマーカー、たとえば、チミジンキナーゼ、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、およびジヒドロ葉酸還元酵素を有する。たとえば、昆虫細胞におけるポリヘドリンプロモーターまたは他の強力なバキュロウイルスプロモーターの指示下でgRNAをコードする配列に加えてバキュロウイルスベクターを使用する高収率発現系も適している。
【1077】
通常、発現ベクターに含まれるエレメントは、大腸菌で機能するレプリコン、組換えプラスミドを含む細菌の選択を可能にする抗生物質耐性をコードする遺伝子、および組換え配列の挿入を可能にするプラスミドの非必須領域のユニークな制限部位も含む。
【1078】
大量のタンパク質を発現する細菌、哺乳類、酵母または昆虫の細胞株は、標準的なトランスフェクション法を使用して産生され、標準的な技術を使用して精製される(たとえば、Colley et al.,1989,J.Biol.Chem.,264:17619-22;Guide to Protein Purification,in Methods in Enzymology,vol.182(Deutscher,ed.,1990)を参照)。真核細胞および原核細胞の形質転換は、標準的な手法に従って実施される(たとえば、Morrison,1977,J.Bacteriol.132:349-351;Clark-Curtiss & Curtiss,Methods in Enzymology 101:347-362(Wu et al.,eds,1983)を参照)。
【1079】
外来ヌクレオチド配列を宿主細胞に導入するための任意の既知の手順を使用してもよい。これらの手順には、リン酸カルシウムトランスフェクション、ポリブレン、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、ヌクレオフェクション、リポソーム、マイクロインジェクション、裸のDNA、プラスミドベクター、ウイルスベクター、エピソームおよび組込み型ベクター、およびクローンゲノムDNA、cDNA、合成DNAまたは他の外来遺伝物質を宿主細胞に導入するための他の広く知られている方法が含まれる。本明細書で使用される特定の遺伝子操作手順は、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントを発現できる宿主細胞に少なくとも1つの遺伝子を首尾よく導入する必要がある。
【1080】
本明細書に開示される例示的な一実施形態では、CRISPR酵素バリアントおよび/またはCas9バリアントを発現することができるベクターと、このベクターを含む細胞とが提供され得る。
【実施例
【1081】
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
【1082】
実施例は、本発明をさらに詳細に説明するために提供しているに過ぎず、本発明の範囲が以下の実施例に限定されないことは当業者には明らかであろう。
例1.Cas9バリアント
1.Cas9バリアントライブラリー
【1083】
SpCas9バリアントライブラリーを、3つの独立したプロトコルを使用して構築した。第1のライブラリーでは、Cas9ライブラリープラスミドをXL1-Redコンピテントセル(Agilent)に形質転換し、ベンダーのマニュアルの指示に従って培養した。第2と第3のライブラリーに関しては、Genemorph II(Agilent)およびDiversify PCRランダム変異誘発キット(Clontech)を使用して、ギブソン・アッセンブリー用に設計されたプライマーを用いた低エラー率(0~5つの突然変異/kb)の条件下で、Cas9ライブラリープラスミド配列からのWT-SpCas9全体で、エラープローンPCRを実施した。その後、PCR産物をゲル精製した。精製されたランダムに突然変異誘発されたライブラリーとCas9ライブラリープラスミドの骨格とをギブソン・アッセンブリーにより組み立てた。組み立てられたライブラリーをEnduraTMエレクトロコンピテントセル(Lucigen)に形質転換し、クロラムフェニコールLBプレート(12.5μg/mL)で37℃にて一晩インキュベートした。形質転換細胞を培養した後、Midiプレップキット(NucleoBond Xtra Midi EF、Macherey-Nagel)を使用して各ライブラリーを単離および精製した。得られたライブラリーは、標的特異的Cas9スクリーニング法(国際公開第2017217768号)とマルチ標的システムとを使用してスクリーニングし、それによって標的特異的なCas9バリアントを選択した。
2-1.標的特異的なCas9バリアントをコードするプラスミド
【1084】
野性型SpCas9(p3s-Cas9HC;Addgeneプラスミド#43945)をコードするプラスミドを購入し、標的特異的なSpCas9バリアントを産生するために使用した。標的特異的なSpCas9バリアントの構築物は、所望の部位変異およびp3s-Cas9HCプラスミド骨格を含む核酸配列のギブソン・アッセンブリーにより産生した。すべての構築物をサンガーシーケンシングにより確認した。
2-2.標的特異的なCas9バリアントをコードするプラスミド
【1085】
野性型SpCas9(p3s-Cas9HC;Addgeneプラスミド#43945)をコードするプラスミドを購入し、標的特異的なSpCas9バリアントを産生するために使用した。標的特異的なSpCas9バリアントを産生するために、部位特異的変異誘発キットを使用して、野性型SpCas9エンコードプラスミドで部位変異を含む構築物を生成した。すべての構築物をサンガーシーケンシングにより確認した。
例2.Cas9バリアントの標的遺伝子操作効果
[実験方法]
1.細胞培養およびトランスフェクション条件
【1086】
HEK293T細胞(ATCC、CRL-11268)を、10%FBS(ウシ胎児血清)および1%抗生物質を補足したDMEM培地で維持した。Cas9バリアントによる遺伝子操作のために、HEK293T細胞をトランスフェクション前にコンフルエンシーが70~80%になるまで48ウェルプレートに播種した。Lipofectamine 2000(Invitrogen)を使用して、Cas9バリアント発現プラスミド(250ng)およびsgRNA発現プラスミド(250ng)を細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの72時間後に、DNeasy Blood&Tissue Kit(Qiagen)を使用してゲノムDNAを単離および抽出した。
2.ゲノムDNAのインビトロ切断
【1087】
DNeasy Blood&Tissue Kit(Qiagen)を使用して、ゲノムDNAをHEK293T細胞から精製した。ゲノムDNA(10μg)を、Cas9またはSniper1タンパク質(100nM)および4つのsgRNA(各75nM)とともに、反応体積1mLでバッファー(100mM NaCl、50mM Tris-HCl、10mM MgCl2、100μg/mL BSA、pH7.9)中37℃で8時間インキュベートした。消化されたゲノムDNAをRNase A(50μg/mL)で処理してsgRNAを分解し、DNeasy Blood&Tissue Kit(Qiagen)を用いて再度精製した。
3.全ゲノムおよびdigenomeシーケンシング
【1088】
Covarisシステム(Life Technologies)を使用してゲノムDNA(1μg)を400~500bpの範囲に断片化し、End Repair Mix(Thermo Fischer)を使用して断片の両端を平滑末端化した。ライブラリーを構築するために、断片化されたDNAをアダプターとライゲーションし、その後、MacrogenにおいてHiSeq X Ten Sequencer(Illumina)を使用して全ゲノムシーケンシングに供した。全ゲノムシーケンシングは、30~40倍のシーケンス深度で実施した。Digenome 1.0プログラムを使用して、DNA切断部位を同定した。
4.標的化ディープシーケンシング
【1089】
標的部位と潜在的なオフターゲット部位とを、標的化ディープシーケンシングにより分析した。ディープシーケンシングライブラリーをPCRにより産生した。TruSeq HT Dual Indexプライマーを使用して、各サンプルにラベルを付けた。プールされたライブラリーを、MiniSeqを使用してペアエンドシーケンシングに供した。
[実験結果]
【1090】
この例では、SpCas9バリアントの標的遺伝子操作効果を確認するために、さまざまな遺伝子を標的として使用して、標的遺伝子に応じたSpCas9バリアントのインデル(%)効果を確認した。ここで、SpCas9バリアントの効果を各領域で確認した。
1.SpCas9の第1領域バリアント
【1091】
実験では、SpCas9の第1領域のA203、N277、G366、F539およびI601を、それぞれ異なるアミノ酸で置換することにより形成される合計5つのSpCas9バリアント(A203D、N277H、G366S、F539SおよびI601N)を使用した。
【1092】
その結果、DMD遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CTTTCTACCTACTGAGTCTG(配列番号28)/非標的配列:CTTTCTACCTACcGAGTCTG(配列番号29)、標的配列とは異なる配列は小文字で示される)、すべてのSpCas9バリアントについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度は増加し、オフターゲット部位でのインデル頻度は減少し、これは、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率が低かったということである(図1)。特に、A203D、F539SおよびI601Nの場合、オンターゲット部位でのインデル頻度は、野性型SpCas9のインデル頻度と類似しているが、オフターゲット部位でのインデル頻度は、野性型SpCas9と比較して一定レベル未満に低下することが確認された。
【1093】
さらに、EMX遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:GAGTCCGAGCAGAAGAAGAA(配列番号30)/非標的配列:GAGTtaGAGCAGAAGAAGAA(配列番号31)、すべてのSpCas9バリアントについて、野性型SpCas9と比較して、インデル頻度はオンターゲット部位で増加し、オフターゲット部位で減少し、これは、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率が低かったということである(図2)。特に、G366Sの場合、オフターゲット部位でのインデル頻度は、野性型SpCas9のインデル頻度と類似しているが、オンターゲット部位でのインデル頻度は、野性型SpCas9のインデル頻度よりも高いことが確認された。さらに、F539SおよびI601Nの場合、オフターゲット部位でのインデル頻度は、ほとんど示されないか、野性型SpCas9の半分にまで低下していることが確認された。
【1094】
VEGFA遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:GGTGAGTGAGTGTGTGCGTG(配列番号32)/非標的配列:GGTGAGTGAGTGTGTGtGTG(配列番号33))、すべてのSpCas9バリアントについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度は増加するか、または野性型SpCas9のインデル頻度と類似していた(図3)。特に、F539Sの場合、オフターゲット部位でのインデル頻度は、野性型SpCas9のインデル頻度と類似していたが、オンターゲット部位でのインデル頻度は、野性型SpCas9のインデル頻度よりも10%以上高かった。
【1095】
上記の結果から、SpCas9の第1領域のA203、N277、G366、F539およびI601を異なるアミノ酸で置換することにより形成される合計5つのSpCas9バリアントが、野性型SpCas9と比較して標的特異性が改善されていることが確認できる。
2.SpCas9の第2領域バリアント
【1096】
実験では、SpCas9の第2領域のM763、D965およびF1038を異なるアミノ酸で置換することにより形成される3つのSpCas9バリアント(M763I、D965YおよびF1038Y)ならびにSpCas9の第2領域のM763/F1038とD965/F1038とを異なるアミノ酸で置換することにより形成される2つのSpCas9バリアント(M763I/F1038YおよびD965Y/F1038Y)を使用した。
【1097】
その結果、DMD遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CTTTCTACCTACTGAGTCTG(配列番号28)/非標的配列:CTTTCTACCTACcGAGTCTG(配列番号29))、すべてのSpCas9バリアントについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度は増加し、オフターゲット部位でのインデル頻度は減少するか、またはオフターゲット部位でのインデル頻度は、オンターゲット部位でのインデル頻度よりも低かった(図4)。特に、M763Iの場合、オフターゲット部位でのインデル頻度は、野性型SpCas9のインデル頻度と類似しているが、オンターゲット部位でのインデル頻度は、野性型SpCas9のインデル頻度よりも高いことが確認された。さらに、M763I/F1038YおよびD965Y/F1038Yの場合、オンターゲット部位でのインデル頻度は、野性型SpCas9のインデル頻度よりわずかに低いが、オフターゲット部位でのインデル頻度はほとんど示されず、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率は、野性型SpCas9の頻度よりも低いことが確認された。したがって、野性型SpCas9と比較して、SpCas9バリアントは標的特異性を有することが確認された(図5)。
【1098】
さらに、EMX遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:GAGTCCGAGCAGAAGAAGAA(配列番号30)/非標的配列:GAGTtaGAGCAGAAGAAGAA(配列番号31))、M763Iについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度はわずかに低下したが、オフターゲット部位でのインデル頻度はほとんど示されず、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率は低かった。したがって、M763Iは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有する(図6)。さらに、M763I/F1038YおよびD965Y/F1038Yの場合、オフターゲット部位でのインデル頻度はほとんど示されず、オンターゲット部位でのインデル頻度は、野性型SpCas9と比較して、同等または有意に高かった(図7)。
【1099】
VEGFA遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:GGTGAGTGAGTGTGTGCGTG(配列番号32)/非標的配列:GGTGAGTGAGTGTGTGtGTG(配列番号33))、M763Iについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度は類似していたが、オフターゲット部位でのインデル頻度はほとんど示されず、したがって、M763Iの場合、野性型SpCas9と比較して、これは、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率が低いということであり、したがって、M763Iは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有することが確認された(図8)。
【1100】
HBB03遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CACGTTCACCTTGCCCCACA(配列番号34)/非標的配列:CACGTTCACtTTGCCCCACA(配列番号35))、M763I/F1038YおよびD965Y/F1038Yについて、野性型SpCas9と比較して、オフターゲット部位でのインデル頻度は半分以下に減少するが、オンターゲット部位でのインデル頻度は増加またはわずかに減少することが確認された(図9)。
【1101】
HBB04遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CCACGTTCACCTTGCCCCAC(配列番号36)/非標的配列:CCACaTTCACCTTGCCCCAC(配列番号37))、M763I/F1038YおよびD965Y/F1038Yについて、野性型SpCas9と比較して、オフターゲット部位でのインデル頻度はほとんど示されず、オンターゲット部位でのインデル頻度は増加または類似することが確認された(図10)。
【1102】
上記の結果から、SpCas9の第2領域のM763、D965およびF1038を異なるアミノ酸で置換することにより形成される3つのSpCas9バリアント(M763I、D965YおよびF1038Y)ならびにSpCas9の第2領域のM763/F1038およびD965/F1038を異なるアミノ酸で置換することにより形成される2つのSpCas9バリアント(M763I/F1038YおよびD965Y/F1038Y)は、野性型SpCas9と比較して標的特異性が向上したことを確認できる。
3.SpCas9の第3領域バリアント
【1103】
実験では、SpCas9の第3領域のK890を異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアント(K890N)を使用した。
【1104】
その結果、DMD遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CTTTCTACCTACTGAGTCTG(配列番号28)/非標的配列:CTTTCTACCTACcGAGTCTG(配列番号29))、K890Nについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度は類似しているが、オフターゲット部位でのインデル頻度はわずかに減少することが確認された(図11)。
【1105】
上記の結果から、SpCas9の第3領域のK890を異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアント(K890N)は、野性型SpCas9と比較して、類似またはわずかに増加した標的特異性を示すことが確認できる。
4.SpCas9の第4領域バリアント
【1106】
実験では、SpCas9の第4領域のT1102とD1127とを異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアント(T1102PおよびD1127E)を使用した。
【1107】
その結果、DMD遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CTTTCTACCTACTGAGTCTG(配列番号28)/非標的配列:CTTTCTACCTACcGAGTCTG(配列番号29))、T1102Pについて、野性型SpCas9と比較して、オフターゲット部位でのインデル頻度はほとんど示されず、D1127Eについては、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度は類似しているが、オフターゲット部位でのインデル頻度は減少することが確認された(図12)。
【1108】
さらに、EMX遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:GAGTCCGAGCAGAAGAAGAA(配列番号30)/非標的配列:GAGTtaGAGCAGAAGAAGAA(配列番号31))、T1102とD1127はいずれも、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位で同様のインデル頻度を示したが、オフターゲット部位ではインデル頻度をほとんど示さなかった(図13)。
【1109】
上記の結果から、SpCas9の第4領域のT1102とD1127とを異なるアミノ酸で置換することにより形成されるSpCas9バリアント(T1102PおよびD1127E)は、野性型SpCas9と比較して、類似またはわずかに向上した標的特異性を示すことが確認できる。
5.2つの領域に変異を有するSpCas9バリアント
【1110】
実験では、SpCas9の4つの領域のうち2つの領域に変異を有するSpCas9バリアントを使用する。ここで、SpCas9バリアントとして、第1と第2領域に変異を有するF539S/F1038Y、F539S/M763I、I601N/D965YおよびF539S/M763I/F1038Y;第1と第3領域に変異を有するF539S/K890N;ならびに第2と第3領域に変異を有するM763I/K890Nを使用した。
【1111】
その結果、DMD遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CTTTCTACCTACTGAGTCTG(配列番号28)/非標的配列:CTTTCTACCTACcGAGTCTG(配列番号29))、F539S/F1038YおよびF539S/M763I/F1038Yについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度は減少したが、オフターゲット部位でのインデル頻度は約70~80%減少し、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率は低いことが確認された。したがって、F539S/F1038YおよびF539S/M763I/F1038Yは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有することが確認された(図14)。
【1112】
さらに、EMX遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:GAGTCCGAGCAGAAGAAGAA(配列番号30)/非標的配列:GAGTtaGAGCAGAAGAAGAA(配列番号31))、F539S/F1038Yについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度はわずかに減少したが、オフターゲット部位でのインデル頻度はほとんど示されず、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率は低かった。したがって、F539S/F1038Yは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有することが確認された(図15)。
【1113】
VEGFA遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:GGTGAGTGAGTGTGTGCGTG(配列番号32)/非標的配列:GGTGAGTGAGTGTGTGtGTG(配列番号33))、F539S/M763Iについて、野性型SpCas9と比較して、オフターゲット部位でのインデル頻度は類似しているが、オンターゲット部位でのインデル頻度は有意に増加することが確認された(図16)。
【1114】
HBB03遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CACGTTCACCTTGCCCCACA(配列番号34)/非標的配列:CACGTTCACtTTGCCCCACA(配列番号35))、F539S/K890NおよびF539S/M763I/F1038Yについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度はわずかに減少するが、オフターゲット部位でのインデル頻度は70%以上減少し、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度は低いことが確認された。したがって、F539S/K890NおよびF539S/M763I/F1038Yは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有することが確認された(図17)。さらに、M763I/K890Nの場合、野性型SpCas9と比較して、オフターゲット部位でのインデル頻度はわずかに増加するが、オンターゲット部位でのインデル頻度は約30~40%増加し、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率は低いことが確認された。したがって、M763I/K890Nは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有することが確認された(図17)。
【1115】
HBB04遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CCACGTTCACCTTGCCCCAC(配列番号36)/非標的配列:CCACaTTCACCTTGCCCCAC(配列番号37))、F539S/K890NおよびF539S/F1038Yについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度は類似または増加し、オフターゲット部位でのインデル頻度はほとんど示されないことが確認された(図18)。さらに、M763I/K890Nの場合、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度はわずかに増加し、オフターゲット部位でのインデル頻度は約30%減少することが確認された(図18)。
【1116】
上記の結果から、SpCas9の4つの領域のうち2つの領域に変異を有するSpCas9バリアント(F539S/K890N、F539S/F1038Y、F539S/M763I、I601N/D965Y、M763I/K890NおよびF539S/M763I/F1038Y)は、野性型SpCas9と比較して標的特異性が向上したことを確認できる。
6.3つ以上の領域に変異を有するSpCas9バリアント
【1117】
実験では、SpCas9の4つの領域のうち3つ以上の領域に変異を有するSpCas9バリアントを使用した。ここで、SpCas9バリアントとして、第1、第2および第3領域に変異を有するF539S/M763I/K890N、F539S/M763I/D965Y/K890N、およびF539S/M763I/K890N/F1038Y;ならびに第1、第2および第4領域に変異を有するA203D/N277H/G366S/M763I/F1038Y/T1102P/D1127Eを使用した。
【1118】
その結果、DMD遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CTTTCTACCTACTGAGTCTG(配列番号28)/非標的配列:CTTTCTACCTACcGAGTCTG(配列番号29))、F539S/M763I/K890NおよびF539S/M763I/K890N/F1038Yについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度はわずかに減少するが、オフターゲット部位でのインデル頻度は半分以下に減少し、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率は低いことが確認された。したがって、F539S/M763I/K890NおよびF539S/M763I/K890N/F1038Yは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有することが確認された(図19)。さらに、A203D/N277H/G366S/M763I/F1038Y/T1102P/D1127Eの場合、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度はわずかに減少するが、オフターゲット部位でのインデル頻度は約60~70%減少し、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率は低かった。したがって、A203D/N277H/G366S/M763I/F1038Y/T1102P/D1127Eは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有することが確認された(図23)。
【1119】
VEGFA遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:GGTGAGTGAGTGTGTGCGTG(配列番号32)/非標的配列:GGTGAGTGAGTGTGTGtGTG(配列番号33))、F539S/M763I/K890Nについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度はわずかに減少するが、オフターゲット部位でのインデル頻度は半分に減少し、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率は低いことが確認された。したがって、F539S/M763I/K890Nは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有することが確認された(図20)。
【1120】
HBB03遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CACGTTCACCTTGCCCCACA(配列番号34)/非標的配列:CACGTTCACtTTGCCCCACA(配列番号35))、F539S/M763I/K890Nについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度は増加するが、オフターゲット部位でのインデル頻度は減少し、F539S/M763I/K890N/F1038Yについては、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度はわずかに減少するが、オフターゲット部位でのインデル頻度は約70%以上減少し、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率は低いことが確認された。したがって、F539S/M763I/K890NおよびF539S/M763I/K890N/F1038Yは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有することが確認された(図21)。さらに、F539S/M763I/D965Y/K890Nの場合、野性型SpCas9と比較して、オフターゲット部位でのインデル頻度はわずかに増加するが、オンターゲット部位でのインデル頻度は約10~20%増加し、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率は低いことが確認された。したがって、F539S/M763I/D965Y/K890Nは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有することが確認できる(図21)。
【1121】
HBB04遺伝子を標的遺伝子として使用した場合(標的配列:CCACGTTCACCTTGCCCCAC(配列番号36)/非標的配列:CCACaTTCACCTTGCCCCAC(配列番号37))、F539S/M763I/K890Nについて、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度は増加し、オフターゲット部位でのインデル頻度は有意に減少し、F539S/M763I/D965Y/K890Nについては、オンターゲット部位でのインデル頻度は類似するが、オフターゲット部位でのインデル頻度は約10~20%減少することが確認された(図22)。さらに、F539S/M763I/K890N/F1038Yの場合、野性型SpCas9と比較して、オンターゲット部位でのインデル頻度は約40%減少し、オフターゲット部位でのインデル頻度はほとんど示されず、したがって、オンターゲット部位の値に基づくオフターゲット部位でのインデル頻度の比率は、野性型SpCas9と比較して、低いことが確認された。したがって、F539S/M763I/K890Nは、野性型SpCas9と比較して標的特異性を有することが確認された(図22)。
【1122】
上記の結果から、SpCas9の4つの領域のうち3つ以上の領域に変異を有するSpCas9バリアント(F539S/M763I/K890N、F539S/M763I/D965Y/K890N、F539S/M763I/K890N/F1038YおよびA203D/N277H/G366S/M763I/F1038Y/T1102P/D1127E)は、野性型SpCas9と比較して、標的特異性が向上したことを確認できる。
【1123】
上記の結果から、SpCas9の4つの領域から選択される1つ以上のアミノ酸に変異を有するSpCas9バリアントは、野性型SpCas9と比較して標的特異性が向上したことが確認された。
【産業上の利用可能性】
【1124】
本発明において、人為的に改変されたCRISPR酵素を使用して標的特異性が向上したCRISPR-Cas系は、ゲノムおよび/またはエピゲノム操作または修飾、ゲノム標的化、ゲノム編集ならびにインビトロ診断などで使用できる。
[項目1]
人為的操作を含む、標的特異性が向上したSpCas9バリアントであって、上記人為的操作は、野性型ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)Cas9(SpCas9)の第1領域、第2領域、第3領域および第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上のアミノ酸の人為的操作を含む、SpCas9バリアント。
[項目2]
上記野性型SpCas9の上記第1領域が、gRNAと相互作用する上記野性型SpCas9の部分、標的配列と相互作用する上記野性型SpCas9の部分、gRNA標的配列のヘテロ二本鎖と相互作用する上記野性型SpCas9の部分、および上記gRNA標的配列のヘテロ二本鎖のPAM(プロトスペーサー隣接モチーフ)の遠位端と相互作用する上記野性型SpCas9の部分からなる群から選択される1つ以上の部分である、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目3]
上記gRNA標的配列のヘテロ二本鎖の上記PAMの遠位端が、上記PAMの位置から離れている上記gRNA標的配列のヘテロ二本鎖の末端で6~10塩基対である、
項目2に記載のSpCas9バリアント。
[項目4]
上記PAMが5'-NGG-3'である、
項目3に記載のSpCas9バリアント。
[項目5]
上記野性型SpCas9の上記第2領域および上記第3領域が、核酸を切断する機能を果たす上記野性型SpCas9の部分である、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目6]
上記野性型SpCas9の上記第4領域が、標的遺伝子または核酸中のPAM配列を認識または標的遺伝子または核酸中のPAM配列と相互作用する上記野性型SpCas9の部分、およびgRNAのヌクレオチド配列の部分と相互作用する上記野性型SpCas9の部分からなる群から選択される1つ以上の部分である、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目7]
上記野性型SpCas9の上記第1領域が、上記野性型SpCas9のRECローブに位置する領域、上記野性型SpCas9のRECドメイン全体、および上記野性型SpCas9のRECドメインの部分からなる群から選択される1つ以上の領域である、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目8]
上記野性型SpCas9の上記第2領域が、上記野性型SpCas9のNUCローブに位置する領域、上記野性型SpCas9のRuvCドメイン全体、上記野性型SpCas9のRuvCドメインの部分、および上記野性型SpCas9のRuvCドメインの金属依存性核酸切断領域を含む部分からなる群から選択される1つ以上の領域である、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目9]
上記RuvCドメインの上記金属依存性核酸切断領域が、上記RuvCドメイン内の金属と相互作用することにより標的位置で核酸間の結合を切断できる領域である、
項目8に記載のSpCas9バリアント。
[項目10]
上記野性型SpCas9の上記第3領域が、上記野性型SpCas9のNUCローブに位置する領域、上記野性型SpCas9のHNHドメイン全体、上記野性型SpCas9のHNHドメインの部分、および上記野性型SpCas9のHNHドメインの金属依存性核酸切断領域を含む部分からなる群から選択される1つ以上の領域である、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目11]
上記HNHドメインの上記金属依存性核酸切断領域が、上記HNHドメイン内の金属と相互作用することにより標的位置で核酸間の結合を切断できる領域である、
項目10に記載のSpCas9バリアント。
[項目12]
上記野性型SpCas9の上記第4領域が、上記野性型SpCas9のNUCローブに位置する領域、上記野性型SpCas9のPIドメイン全体、および上記野性型SpCas9のPIドメインの部分からなる群から選択される1つ以上の領域である、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目13]
上記第1領域が、上記野性型SpCas9の196番目の位置のフェニルアラニン(F196)から282番目の位置のイソロイシン(I282)までのアミノ酸配列で構成される領域1-1、上記野性型SpCas9の316番目の位置のプロリン(P316)から394番目の位置のアスパラギン(N394)までのアミノ酸配列で構成される領域1-2、上記野性型SpCas9の510番目の位置のリシン(K510)から612番目の位置のアスパラギン(N612)までのアミノ酸配列で構成される領域1-3、および上記野性型SpCas9の678番目の位置のトレオニン(T678)から698番目の位置のヒスチジン(H698)までのアミノ酸配列で構成される領域1-4からなる群から選択される1つ以上の領域を含む、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目14]
上記第1領域が、上記野性型SpCas9のN199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696およびI697を含む、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目15]
上記第2領域が、上記野性型SpCas9の1番目の位置のメチオニン(M1)から22番目の位置のトレオニン(T22)までのアミノ酸配列で構成される領域2-1、上記野性型SpCas9の731番目の位置のプロリン(P731)から770番目の位置のトレオニン(T770)までのアミノ酸配列で構成される領域2-2、および上記野性型SpCas9の926番目の位置のグルタミン(Q926)から1040番目の位置のセリン(S1040)までのアミノ酸配列で構成される領域2-3からなる群から選択される1つ以上の領域を含む、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目16]
上記第2領域が、上記野性型SpCas9のI7、G8、L9、D10、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、E762、M763、A764、R765、E766、N767、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、Y981、H982、H983、A984、H985、D986、A987、Y988、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、Y1036、F1037、F1038およびY1039を含む、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目17]
上記第3領域が、上記野性型SpCas9の775番目の位置のリシン(K775)から900番目の位置のロイシン(L900)までのアミノ酸配列で構成される領域3-1を含む、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目18]
上記第3領域が、上記野性型SpCas9のK775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、V838、D839、H840、K848、D849、D850、D853、N854、K855、R859、D861、K862、N863、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、A889、K890、L891、R895、K896およびD898を含む、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目19]
上記第4領域が、上記野性型SpCas9の1099番目の位置のグルタミン酸(E1099)から1139番目の位置のバリン(V1139)までのアミノ酸配列で構成される領域4-1を含む、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目20]
上記第4領域が、上記野性型SpCas9のT1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138を含む、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目21]
上記野性型SpCas9の上記第1領域、上記第2領域、上記第3領域および上記第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上の上記アミノ酸が、上記野性型SpCas9のI7、G8、L9、I11、G12、V16、G17、W18、A19、V20、I21、N199、I201、N202、A203、G205、V206、A208、A210、I211、L212、A214、L216、L222、N224、L225、I226、A227、Q228、L229、G231、N235、G236、L237、G239、N240、L241、I242、A243、L244、L246、G247、L248、N251、N255、L258、A259、A262、L264、Q265、L266、L275、N277、L278、L279、A280、Q281、I282、P316、L317、A319、M321、I322、L332、L334、L335、A337、L338、V339、L343、P344、I350、F351、F352、G358、A360、G361、I363、G365、G366、A367、F372、F375、I376、P378、I379、L380、M383、G385、L389、L390、V391、L393、L513、L514、F518、V520、L524、V527、V530、G533、M534、P537、A538、F539、L540、G542、A547、I548、V549、L551、L552、F553、V559、V561、L564、F569、I572、C574、F575、V578、I580、G582、V583、F587、A589、L591、G592、L597、L598、I600、I601、F606、L607、I679、L680、F682、L683、G687、F688、A689、F693、M694、L696、I697、P731、A732、I733、G736、I737、L738、V741、V743、V744、L747、V748、V750、M751、G752、P756、I759、V760、I761、M763、A764、K775、R778、E779、R780、K782、R783、E785、E786、K789、E790、K797、E798、H799、E802、E809、K810、R820、D821、D825、E827、D829、R832、D835、D837、D839、H840、K848、D849、D850、D853、K855、R859、D861、K862、R864、K866、D868、E873、E874、K877、K878、K880、R884、K890、R895、K896、D898、I927、V931、A932、I934、L935、M939、L949、I950、V953、V955、I956、L958、L962、V963、D965、F966、F970、F972、V975、I978、A984、A987、L989、A991、V992、V993、G994、A996、L997、I998、P1002、L1004、F1008、V1009、G1011、V1015、V1018、M1021、I1022、A1023、I1029、G1030、A1032、A1034、F1037、F1038、T1102、S1106、E1108、S1116、D1117、D1125、D1127、D1135、S1136およびT1138からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸である、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目22]
上記野性型SpCas9の上記第1領域、上記第2領域、上記第3領域および上記第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上の上記アミノ酸が、上記野性型SpCas9のA203、N277、G366、F539、I601、M763、K890、D965、F1038、T1102およびD1127からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸である、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目23]
上記人為的操作が、上記野性型SpCas9の上記第1領域、上記第2領域、上記第3領域および上記第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上の上記アミノ酸を欠失させることである、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目24]
上記人為的操作が、上記野性型SpCas9の上記第1領域、上記第2領域、上記第3領域および上記第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上の上記アミノ酸を異なるアミノ酸で置換することである、
項目1に記載のSpCas9バリアント。
[項目25]
上記異なるアミノ酸が、上記野性型SpCas9の上記第1領域、上記第2領域、上記第3領域および上記第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上の上記アミノ酸よりも小さい官能基を有するアミノ酸である、
項目24に記載のSpCas9バリアント。
[項目26]
上記異なるアミノ酸が、上記野性型SpCas9の上記第1領域、上記第2領域、上記第3領域および上記第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上の上記アミノ酸よりも大きい官能基を有するアミノ酸である、
項目24に記載のSpCas9バリアント。
[項目27]
上記異なるアミノ酸が、上記野性型SpCas9の上記第1領域、上記第2領域、上記第3領域および上記第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上の上記アミノ酸よりも高いハイドロパシー指数を有するアミノ酸である、
項目24に記載のSpCas9バリアント。
[項目28]
上記異なるアミノ酸が、上記野性型SpCas9の上記第1領域、上記第2領域、上記第3領域および上記第4領域から選択される1つ以上の領域に存在する1つ以上の上記アミノ酸よりも低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸である、
項目24に記載のSpCas9バリアント。
[項目29]
項目1に記載のSpCas9バリアントである標的特異的なSpCas9(TS-SpCas9)バリアントであって、野性型SpCas9のA203、N277、G366、F539、I601、M763、K890、D965、F1038、T1102およびD1127からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の人為的操作を含む、標的特異的なSpCas9(TS-SpCas9)バリアント。
[項目30]
上記人為的操作が、上記野性型SpCas9のA203、N277、G366、F539、I601、M763、K890、D965、F1038、T1102およびD1127からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を欠失させることまたは異なるアミノ酸で置換することである、
項目29に記載の標的特異的なSpCas9(TS-SpCas9)バリアント。
[項目31]
上記異なるアミノ酸が、上記野性型SpCas9のA203、N277、G366、F539、I601、M763、K890、D965、F1038、T1102およびD1127からなる群から選択される1つ以上の上記アミノ酸よりも大きいまたは小さい官能基を有するアミノ酸である、
項目30に記載の標的特異的なSpCas9(TS-SpCas9)バリアント。
[項目32]
上記異なるアミノ酸が、上記野性型SpCas9のA203、N277、G366、F539、I601、M763、K890、D965、F1038、T1102およびD1127からなる群から選択される1つ以上の上記アミノ酸よりも高いまたは低いハイドロパシー指数を有するアミノ酸である、
項目30に記載の標的特異的なSpCas9(TS-SpCas9)バリアント。
[項目33]
上記TS-SpCas9バリアントが、上記野性型SpCas9のF539の人為的操作を含む、
項目29に記載の標的特異的なSpCas9(TS-SpCas9)バリアント。
[項目34]
上記TS-SpCas9バリアントが、上記野性型SpCas9のM763の人為的操作を含む、
項目29に記載の標的特異的なSpCas9(TS-SpCas9)バリアント。
[項目35]
上記TS-SpCas9バリアントが、上記野性型SpCas9のK890の人為的操作を含む、
項目29に記載の標的特異的なSpCas9(TS-SpCas9)バリアント。
[項目36]
上記TS-SpCas9バリアントが、上記野性型SpCas9のF539/M763(F539およびM763)、F539/K890またはM763/K890の人為的操作を含む、
項目29に記載の標的特異的なSpCas9(TS-SpCas9)バリアント。
[項目37]
上記TS-SpCas9バリアントが、上記野性型SpCas9のF539、M763およびK890の人為的操作を含む、
項目29に記載の標的特異的なSpCas9(TS-SpCas9)バリアント。
[項目38]
項目29に記載のTS-SpCas9バリアントを含む融合タンパク質。
[項目39]
上記融合タンパク質が1つ以上の機能ドメインを含む、
項目38に記載の融合タンパク質。
[項目40]
上記機能ドメインが、メチラーゼ活性、デメチラーゼ活性、転写活性化活性、転写抑制活性、転写放出因子活性、ヒストン修飾活性、RNA切断活性または核酸結合活性を有するドメイン、(ペプチドを含む)タンパク質の単離および精製用タグ、レポーター遺伝子、NLS(核局在化配列もしくはシグナル)、NES(核外移行配列またはシグナル)、およびデアミナーゼからなる群から選択される1つ以上のドメインである、
項目38に記載の融合タンパク質。
[項目41]
項目1に記載のSpCas9バリアント、項目29に記載のTS-SpCas9バリアント、または項目38に記載の融合タンパク質をコードする核酸。
[項目42]
項目41に記載の核酸を含むベクター。
[項目43]
項目41に記載の核酸または項目42に記載のベクターを含む細胞。
[項目44]
gRNAと、項目1に記載のSpCas9バリアント、項目29に記載のTS-SpCas9または項目38に記載の融合タンパク質とを使用して、細胞のゲノムを人為的に操作する方法。
[項目45]
上記gRNAが、上記細胞のゲノム中に存在する標的遺伝子の標的配列に相補的に結合するヌクレオチド配列を含む核酸である、
項目44に記載の細胞のゲノムを人為的に操作する方法。
【配列表フリーテキスト】
【1125】
例示的な一実施形態による野性型SpCas9のアミノ酸配列、各領域のアミノ酸配列、および標的特異的なSpCas9バリアントのアミノ酸配列
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16
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図22
図23
【配列表】
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