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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】干渉除去中継器及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/155 20060101AFI20241016BHJP
   H04B 1/10 20060101ALI20241016BHJP
   H04J 3/08 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H04B7/155
H04B1/10 L
H04J3/08 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022505561
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 KR2020010554
(87)【国際公開番号】W WO2021029639
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0099121
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0099508
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517223668
【氏名又は名称】ソリッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ナックウォン
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1963518(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0127989(US,A1)
【文献】特表2008-532459(JP,A)
【文献】特表2012-530446(JP,A)
【文献】特表2010-520718(JP,A)
【文献】特表2013-532447(JP,A)
【文献】特表2010-525718(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0189921(US,A1)
【文献】特開2002-111571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/155
H04B 1/10
H04J 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダウンリンク通信経路とアップリンク通信経路の一部が共有される干渉除去中継器の動作方法であって、
受信信号から同期信号を検出するステップと、
検出された同期信号に基づいて、複数の適応フィルタのうちいずれか一つを選択するステップと、
選択された適応フィルタを用いて、受信信号に含まれている干渉を除去するステップと、を含
前記同期信号を検出するステップは、前記同期信号に基づいて、ダウンリンク通信期間またはアップリンク通信期間を判断するステップを含み、
前記選択するステップでは、
前記アップリンク通信期間では、前記複数の適応フィルタのうち第1適応フィルタを選択し、
前記ダウンリンク通信期間では、前記複数の適応フィルタのうち第2適応フィルタを選択し、
前記ダウンリンク通信経路と前記アップリンク通信経路で共有される経路に、アナログ・デジタルコンバータ及びデジタル・アナログコンバータが設けられる、干渉除去中継器の動作方法。
【請求項2】
前記干渉除去中継器は、
TDD(Time Division Duplex)方式で動作する、請求項1に記載の干渉除去中継器の動作方法。
【請求項3】
前記干渉除去中継器の動作方法は、
前記アップリンク通信期間では、前記第1適応フィルタのみに第1適応フィルタ係数を提供し、
前記ダウンリンク通信期間では、前記第2適応フィルタのみに第2適応フィルタ係数を提供する、請求項に記載の干渉除去中継器の動作方法。
【請求項4】
前記第1適応フィルタ係数と前記第2適応フィルタ係数とは、
互いに異なる値の係数である、請求項に記載の干渉除去中継器の動作方法。
【請求項5】
前記第1適応フィルタ係数は、
前記アップリンク通信期間でのフィードバック特性によって設定され、
前記第2適応フィルタ係数は、
前記ダウンリンク通信期間でのフィードバック特性によって設定される、請求項に記載の干渉除去中継器の動作方法。
【請求項6】
前記干渉除去中継器の動作方法は、
ガード期間では、前記第1適応フィルタ係数と前記第2適応フィルタ係数のうち、前記ガード期間直前の通信期間で使った適応フィルタ係数をそのまま提供する、請求項に記載の干渉除去中継器の動作方法。
【請求項7】
前記同期信号を検出するステップは、
検出された前記同期信号に基づいて、前記受信信号内のフレーム境界を検出するステップと、
前記受信信号からTDDパターン情報を獲得するステップと、を含み、
前記選択するステップは、
前記フレーム境界及び前記TDDパターン情報に基づいて、前記複数の適応フィルタのうちいずれか一つを選択する、請求項1に記載の干渉除去中継器の動作方法。
【請求項8】
ダウンリンク通信経路とアップリンク通信経路の一部が共有される干渉除去中継器であって、
受信信号から同期信号を検出する同期検出器と、
それぞれがアップリンク通信期間またはダウンリンク通信期間で、受信信号に含まれている干渉を除去するための予測干渉信号を生成する複数の適応フィルタと、
検出された同期信号に基づいて、前記ダウンリンク通信期間または前記アップリンク通信期間を判断し、前記アップリンク通信期間では、前記複数の適応フィルタのうち第1適応フィルタを選択し、前記ダウンリンク通信期間では、前記複数の適応フィルタのうち第2適応フィルタを選択するための選択信号を生成するコントローラと、
前記ダウンリンク通信経路と前記アップリンク通信経路で共有される経路に設けられるアナログ・デジタルコンバータ及びデジタル・アナログコンバータと、を備える、干渉除去中継器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、干渉除去中継器及びその動作方法に係り、さらに詳細には、同期信号に基づいて複数の適応フィルタのうちいずれか一つを選択し、選択された適応フィルタを用いて受信信号に含まれている干渉を除去することができる干渉除去中継器及びその動作方法に関する。
【0002】
本発明は、民軍協力振興院の「TICN無線網で干渉信号除去技術を使った同一周波数再伝送方式の高出力、高効率、低遅延、デュアルモード(WiBro及びTD-LTE)のセルカバレッジ拡張装置の開発事業(民軍課題番号UM17408RD4)」の実行結果による発明である。
【背景技術】
【0003】
RF(Radio Frequency)信号を受信し、受信されたRF信号を増幅して伝達する中継器で、ドナーアンテナとサービスアンテナとの間に十分な離隔距離を確保することができない場合、一方のアンテナの送信信号の一部が他方のアンテナに流れ込む帰還信号によって、受信性能が劣化するか、または発振が生じる恐れがある。
【0004】
ICS(Interference Cancellation System)またはOCR(On-Channel Repeater)とも呼ばれる干渉除去中継器は、デジタル信号処理技術を用いて、受信信号に含まれている帰還信号成分を除去して伝送する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、同期信号に基づいて複数の適応フィルタのうちいずれか一つを選択し、選択された適応フィルタを用いて、受信信号に含まれている干渉を除去することができる干渉除去中継器及びその動作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による干渉除去中継器の動作方法は、受信信号から同期信号を検出するステップと、検出された同期信号に基づいて、複数の適応フィルタのうちいずれか一つを選択するステップと、選択された適応フィルタを用いて、受信信号に含まれている干渉を除去するステップと、を含む。
【0007】
実施形態によって、前記干渉除去中継器は、TDD(Time Division Duplex)方式で動作する。
【0008】
実施形態によって、前記同期信号を検出するステップは、前記同期信号に基づいて、ダウンリンク通信期間またはアップリンク通信期間を判断するステップを含む。
【0009】
実施形態によって、前記選択するステップは、アップリンク通信期間で前記複数の適応フィルタのうち第1適応フィルタを選択し、ダウンリンク通信期間で前記複数の適応フィルタのうち第2適応フィルタを選択する。
【0010】
実施形態によって、前記干渉除去中継器の動作方法は、前記アップリンク通信期間では、前記第1適応フィルタのみに第1適応フィルタ係数を提供し、前記ダウンリンク通信期間では、前記第2適応フィルタのみに第2適応フィルタ係数を提供する。
【0011】
実施形態によって、前記第1適応フィルタ係数と前記第2適応フィルタ係数とは、互いに異なる値の係数でもある。
【0012】
実施形態によって、前記第1適応フィルタ係数は、前記アップリンク通信期間でのフィードバック特性によって設定され、前記第2適応フィルタ係数は、前記ダウンリンク通信期間でのフィードバック特性によって設定される。
【0013】
実施形態によって、前記干渉除去中継器の動作方法は、ガード期間(guard period)では、前記第1適応フィルタと前記第2適応フィルタのうち、前記ガード期間直前の通信期間で使った適応フィルタ係数をそのまま提供する。
【0014】
実施形態によって、前記同期信号を検出するステップは、検出された前記同期信号に基づいて、前記受信信号内のフレーム境界を検出するステップと、前記受信信号からTDDパターン情報を獲得するステップとを含み、前記選択するステップは、前記フレーム境界及び前記TDDパターン情報に基づいて、前記複数の適応フィルタのうちいずれか一つを選択する。
【0015】
本発明の一実施形態による干渉除去中継器は、受信信号から同期信号を検出する同期検出器と、それぞれがアップリンク通信期間またはダウンリンク通信期間で、受信信号に含まれている干渉を除去するための予測干渉信号を生成する複数の適応フィルタと、検出された同期信号に基づいて、前記複数の適応フィルタのうちいずれか一つを選択するための選択信号を生成するコントローラと、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態による方法及び装置は、アップリンク通信の信号伝送経路とダウンリンク通信の信号伝送経路とを大体共有しながらも適応フィルタは別途に運用することで、アップリンク通信とダウンリンク通信との速い転換にも関わらず効果的な干渉除去動作を行える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による通信システムの概念図である。
図2図1に示されている中継器の一実施形態によるブロック図である。
図3図2に示されているコントローラの一実施形態によるブロック図である。
図4】TDD基盤の干渉除去中継器でのアップリンク通信及びダウンリンク通信のタイミングを示す図面である。
図5】本発明の一実施形態による干渉除去中継器の動作方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の技術的思想は、多様な変更を加えられ、かつ多様な実施形態を持つことができるところ、特定の実施形態を図面に例示し、これを詳細に説明する。しかし、これは、本発明の技術的思想を特定の実施形態によって限定しようとするものではなく、本発明の技術的思想の範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されねばならない。
【0019】
本発明の技術的思想を説明するに当って、係る公知技術についての具体的な説明が本発明の趣旨を不要に不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で用いられる数字(例えば、第1、第2など)は一つの構成要素を他の構成要素から区分するための識別記号に過ぎない。
【0020】
また、本明細書において、一構成要素が他の構成要素と「連結される」か、または「接続する」などと言及された時には、前記一構成要素が前記他の構成要素と直接連結されるか、または直接接続することもあるが、特に逆の記載が存在しない以上、中間にさらに他の構成要素を介して連結されるか、または接続することもあると理解されねばならない。
【0021】
また、本明細書に記載の「~部」、「~器」、「~子」、「~モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerate Processor Unit)、DSP(Drive Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアやソフトウェアまたはハードウェア及びソフトウェアの結合で具現され、少なくとも一つの機能や動作の処理に必要なデータを保存するメモリと結合される形態で具現されてもよい。
【0022】
そして、本明細書における構成部の区分は、各構成部が担当する主機能別に区分したことに過ぎないということを明らかにする。すなわち、以下で説明する二つ以上の構成部が一つの構成部に合わせられるか、または一つの構成部がさらに細分化した機能別に二つ以上に分化して備えられてもよい。そして、以下で説明する構成部それぞれは、自分の担当する主機能以外にも他の構成部が担当する機能のうち一部または全部の機能をさらに行ってもよく、構成部それぞれが担当する主機能のうち一部の機能が他の構成部によって専担されて行われてもよいということは言うまでもない。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による通信システムの概念図である。
【0024】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による通信システム10は、基地局100、無線通信端末器200、及び中継器300を備える。
【0025】
無線通信端末器200は、多様な移動通信標準によって無線通信を行える装置を意味し、その形態は多様に変形される。
【0026】
中継器300は、基地局100と無線通信端末器200との通信を中継する。
【0027】
実施形態によって、中継器300は、GSM(global system for mobile communication)またはCDMA(code division multiple access)などの2G移動通信網、WCDMA(wideband code division multiple access)またはCDMA2000などの3G移動通信網、HSDPA(high speed downlink packet access)またはHSUPA(high speed uplink packet access)などの3.5G移動通信網、LTE(long term evolution)またはLTE-Advancedなどの4G移動通信網、5G移動通信網(NSA(Non-Stand Alone)またはSA(Stand Alone))、6G移動通信網、またはこれらの組み合わせなどで構成された通信網で通信信号を中継する。
【0028】
中継器300は、基地局100から伝送された通信信号(例えば、基地局信号)を、第1アンテナANT1を通じて受信し、受信された通信信号(例えば、基地局信号)を、第2アンテナANT2を通じて無線通信端末器200に中継する。
【0029】
実施形態によって、通信信号は、無線通信信号(例えば、RF(Radio Frequency)信号)である。
【0030】
第1アンテナANT1は、ドナーアンテナと呼ばれ、第2アンテナANT2は、サービスアンテナまたはカバレージアンテナと呼ばれるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
実施形態によって、中継器300は、ICS(Interference Cancellation System)中継器として具現される。
【0032】
図1では、説明の便宜のために、中継器300が一つの基地局100と一つの無線通信端末器200との通信を中継すると示されているが、中継器300は、複数の基地局と複数の無線通信端末器との通信を中継してもよい。他の実施形態によって、中継器300は、基地局100と他の中継器(図示せず)との通信を中継してもよい。
【0033】
中継器300の詳細な構造及び動作については、図2を参照して詳細に説明される。
【0034】
図2は、図1に示されている中継器300の一実施形態によるブロック図である。図3は、図2に示されているコントローラの一実施形態によるブロック図である。図4は、TDD(Time Division Duplex)基盤の干渉除去中継器でのアップリンク通信及びダウンリンク通信のタイミングを示す図面である。
【0035】
図1及び図2を参照すれば、中継器300は、第1アンテナANT1、第2アンテナANT2、第1スイッチング回路310、アナログ・デジタルコンバータ(analog-to-digital Cconverter)312、前置フィルタ314、同期検出器320、コントローラ330、干渉除去パート340、後置フィルタ360、ディレー回路370、及びデジタル・アナログコンバータ(digital-to-analog converter)380を備える。
【0036】
第1アンテナANT1は、無線通信信号Srf(例えば、RF信号)と、第2アンテナANT2から出力されてフィードバックチャンネルを通じてフィードバックされたフィードバック信号Sfbを共に受信する。
【0037】
図2ではダウンリンク通信を基準として図示しているが、アップリンク通信でも通信信号の経路のみ異ならせて同じ方式で動作してもよい。
【0038】
また、図2では、説明の便宜のために、アップリンク通信及びダウンリンク通信で共有する経路上の構成を中心として図示したが、中継器300は、アップリンク通信及びダウンリンク通信で経路を共有しないLNA(Low Noise Amplifier)、PA(Power Amplifier)などの別途の構成をさらに備えてもよい。
【0039】
実施形態によって、中継器300は、TDD方式で動作してもよい。
【0040】
第1スイッチング回路310は、コントローラ330の制御の下で中継器300の内部の受信信号の通信経路をスイッチングする。
【0041】
実施形態によって、第1スイッチング回路310は、ダウンリンク通信で第1アンテナANT1をアナログ・デジタルコンバータ312側に連結し、第2アンテナANT2をデジタル・アナログコンバータ380側に連結する。
【0042】
他の実施形態によって、第1スイッチング回路310は、アップリンク通信で第1アンテナANT1をデジタル・アナログコンバータ380側に連結し、第2アンテナANT2をアナログ・デジタルコンバータ312側に連結してもよい。
【0043】
第1アンテナANT1を通じて受信された受信信号Siは、第1スイッチング回路310を経てアナログ・デジタルコンバータ312に入力される。
【0044】
アナログ・デジタルコンバータ312は、入力された受信信号Siをアナログ・デジタル変換して、デジタル変換された受信信号Sxを出力する。
【0045】
本明細書で「デジタル信号」は、その形態とは関係なくデジタル化された信号を幅広く意味し、複素ベースバンドデジタル信号を含む概念を意味する。
【0046】
前置フィルタ314は、中継器300の第1アンテナを通じて入力された受信信号Siが干渉除去パート340に伝達されるまでの、あらゆるフィルタの特性及び遅延を示す等価回路を意味する。
【0047】
前置フィルタ314を経た受信信号Sdは、干渉除去パート340の減算器350に入力される。
【0048】
同期検出器320は、受信信号、例えば、アナログ・デジタル変換された受信信号Sxから同期信号を検出する。
【0049】
同期検出器320が同期信号を検出する方式は、多様に具現することができる。
【0050】
実施形態によって、同期検出器320は、受信信号SxからPSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)、SS(Synchronization Signal)/PBCH(Physical Broadcast Channel)、DMRS(Demodulation Reference Signal)、及びCP(Cyclic Prefix)のうち少なくともいずれか一つを検出することで、同期情報を検出する。
【0051】
同期検出器320は、検出された同期情報をコントローラ330に提供する。
【0052】
コントローラ330は、同期検出器320から提供された同期情報と、受信信号(例えば、第1スイッチング回路310から伝送された受信信号Si)を用いて、ダウンリンク通信期間またはアップリンク通信期間を判断する。
【0053】
コントローラ330は、判断結果によって、第1スイッチング回路310、デジタル信号プロセッサ342、第2スイッチング回路344、複数の適応フィルタ346-1及び346-2、及び第3スイッチング回路348を制御するための制御信号を生成する。
【0054】
図3を共に参照すれば、コントローラ330は、フレーム境界検出器332、TDDパターン識別器334、及び制御信号生成器336を備える。
【0055】
フレーム境界検出器332は、同期検出器320から検出された同期情報に基づいて、フレーム境界を検出する。
【0056】
図4を共に参照すれば、フレーム境界検出器332は、同期検出器320から検出された同期情報(例えば、SYNC1)に基づいて、受信信号内のフレーム境界(該フレームの開始点)を検出する。
【0057】
実施形態によって、フレーム境界検出器332は、同期情報(例えば、SYNC1)とフレーム境界との一定の相関関係に基づいて、フレーム境界を検出する。
【0058】
フレーム境界検出器332は、検出されたフレーム境界に関する情報をTDDパターン識別器334に伝達する。
【0059】
TDDパターン識別器334は、フレーム境界検出器332から伝達されたフレーム境界に関する情報と、受信信号(例えば、第1スイッチング回路310から伝達されたSi)からTDDパターン情報を獲得する。
【0060】
実施形態によって、TDDパターン識別器334は、受信信号(例えば、Si)の電力変化に基づいて、受信信号のTDDパターンを分析及び識別してもよい。
【0061】
本明細書で「TDDパターン」は、ダウンリンク通信期間及びアップリンク通信期間が変更されるタイミング情報を含むパターンを意味する。
【0062】
図4を参照すれば、TDDパターン識別器334は、フレーム境界に関する情報を通じてフレームの開始点を判断し、フレームの開始点から受信信号(例えば、Si)の電力変化によって、第1ダウンリンク通信期間DL1、第1アップリンク通信期間UL1、第2ダウンリンク通信期間DL2、第2アップリンク通信期間UL2などを区分する。
【0063】
実施形態によって、TDDパターン識別器334は、多様な方式を通じて、ダウンリンク通信期間とアップリンク通信期間とを区分してTDDパターンを識別する。
【0064】
実施形態によって、TDDパターン識別器334は、ダウンリンク通信期間(例えば、DL1)とアップリンク通信期間(例えば、UL1)との間の期間をガード期間(例えば、GP1)と判断し、アップリンク通信期間(例えば、UL1)とダウンリンク通信期間(例えば、DL2)との間の期間をアップリンク・ダウンリンク・トランジション・ギャップ(例えば、TG1)と判断してもよい。他の実施形態によって、TDDパターン識別器334は、前記とは逆に判断してもよい。
【0065】
図3を参照すれば、制御信号生成器336は、フレーム境界検出器332から出力されたフレーム境界に関する情報と、TDDパターン識別器334から出力されたTDDパターン情報に基づいて制御信号を生成する。
【0066】
実施形態によって、制御信号生成器336は、第1スイッチング回路310、デジタル信号プロセッサ342、第2スイッチング回路344、複数の適応フィルタ346-1及び346-2、及び第3スイッチング回路348それぞれに相応する制御信号を別途に生成してもよい。
【0067】
実施形態によって、制御信号生成器336は、検出された同期信号に基づいて、第1スイッチング回路310、第2スイッチング回路344、及び第3スイッチング回路346それぞれの信号伝送経路をスイッチングするための制御信号を生成してもよい。
【0068】
実施形態によって、制御信号生成器336は、検出された同期信号に基づいて、複数の適応フィルタ346-1及び346-2のうちいずれか一つを選択するための制御信号(すなわち、選択信号)を生成し、複数の適応フィルタ346-1及び346-2は、制御信号によって選択的に動作する。
【0069】
実施形態によって、制御信号生成器336は、検出された同期信号に基づいて、デジタル信号プロセッサ342を制御するための制御信号を生成する。
【0070】
図2に戻って、干渉除去パート340は、デジタル信号プロセッサ342、第2スイッチング回路344、複数の適応フィルタ346-1及び346-2、第3スイッチング回路348、及び減算器350を備える。
【0071】
デジタル信号プロセッサ342は、干渉除去された通信信号Se及び遅延された出力信号Sfを用いて、複数の適応フィルタ346-1及び346-2で使う適応フィルタ係数WuまたはWdを生成して出力する。
【0072】
実施形態によって、デジタル信号プロセッサ342は、コントローラ330の制御によって、アップリンク通信期間では、第1適応フィルタ346-1に提供する第1適応フィルタ係数Wuのみを生成し、ダウンリンク通信期間では、第2適応フィルタ346-2に提供する第2適応フィルタ係数Wdのみを生成する。
【0073】
実施形態によって、第1適応フィルタ係数Wuは、アップリンク通信期間でのフィードバック特性(例えば、アップリンク通信経路の全体利得)によって設定され、第2適応フィルタ係数Wdは、ダウンリンク通信期間でのフィードバック特性(例えば、ダウンリンク通信経路の全体利得)によって設定される。
【0074】
実施形態によって、第1適応フィルタ係数Wuと第2適応フィルタ係数Wdとは、互いに異なる値の係数でもある。
【0075】
第2スイッチング回路344は、コントローラ330の制御に相応してスイッチングされた経路によって、デジタル信号プロセッサ342から出力される第1適応フィルタ係数Wuまたは第2適応フィルタ係数Wdを、選択的に第1適応フィルタ346-1または第2適応フィルタ346-2に伝達する。
【0076】
複数の適応フィルタ346-1及び346-2は、コントローラ330の制御によって、アップリンク通信期間またはダウンリンク通信期間それぞれで選択的に動作する。
【0077】
実施形態によって、アップリンク通信期間では、第1適応フィルタ346-1が動作して第1予測干渉信号Yuを出力し、ダウンリンク通信期間では、第2適応フィルタ346-2が動作して第2予測干渉信号Ydを出力する。
【0078】
実施形態によって、複数の適応フィルタ346-1及び346-2それぞれは、FIR(Finite Impulse Response)フィルタで具現される。
【0079】
第3スイッチング回路348は、コントローラ330の制御によって、アップリンク通信期間またはダウンリンク通信期間で互いに異なる信号経路を選択する。
【0080】
実施形態によって、第3スイッチング回路348は、アップリンク通信期間では、第1適応フィルタ346-1から出力された第1予測干渉信号Yuを減算器350に伝達し、ダウンリンク通信期間では、第2適応フィルタ346-2から出力された第2予測干渉信号Ydを減算器350に伝達する。
【0081】
減算器350は、前置フィルタ314を経た受信信号Sdから第1予測干渉信号Yuまたは第2予測干渉信号Ydを減算して、干渉除去された通信信号Seを出力する。
【0082】
実施形態によって、干渉除去パート340は、一つのプロセッサ320で具現されてもよい。例えば、プロセッサ320は、ASIC(Appication Specific Integrated Circuits)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの形態のプロセッサで具現される。
【0083】
後置フィルタ360は、干渉除去パート340の以後から出力された通信信号がデジタル・アナログコンバータ380に伝達されるまでの、あらゆるフィルタの特性及び遅延を示す等価回路を意味する。
【0084】
後置フィルタ360から出力された出力信号Soは、デジタル・アナログコンバータ380によってデジタル・アナログ変換されて、第2アンテナANT2を通じて無線通信信号(例えば、RF信号)に送信される。
【0085】
実施形態によって、アップリンク通信期間では、後置フィルタ360から出力された出力信号Soは、デジタル・アナログコンバータ380によってデジタル・アナログ変換されて、第1アンテナANT1を通じて無線通信信号(例えば、RF信号)に送信されてもよい。
【0086】
後置フィルタ360から出力された出力信号Soは、ディレー回路370を通じて遅延され、遅延された出力信号Sfに出力される。ディレー回路370から出力された遅延された出力信号Sfは、デジタル信号プロセッサ342に入力される。
【0087】
図5は、本発明の一実施形態による干渉除去中継器の動作方法のフローチャートである。
【0088】
図1ないし図5を参照すれば、本発明の実施形態による干渉除去中継器300は、受信信号から同期信号を検出する(S510)。
【0089】
実施形態によって、中継器300は、受信信号から同期信号を検出し、検出された同期信号によってアップリンク通信期間とダウンリンク通信期間とを判断する。
【0090】
実施形態によって、中継器300は、アップリンク通信期間とダウンリンク通信期間との間に存在するガード期間またはアップリンク・ダウンリンク・トランジション・ギャップ期間を判断することもある。
【0091】
中継器300は、検出された同期信号に基づいて、複数の適応フィルタのうちいずれか一つを選択する(S520)。
【0092】
実施形態によって、中継器300は、検出された同期信号に基づいて、アップリンク通信期間とダウンリンク通信期間とを判断し、アップリンク通信期間では第1適応フィルタ(例えば、346-1)を選択し、ダウンリンク通信期間では第2適応フィルタ(例えば、346-2)を選択する。
【0093】
実施形態によって、中継器300は、検出された同期信号に基づいて、アップリンク通信期間とダウンリンク通信期間とを判断して、アップリンク通信期間では、第1適応フィルタ(例えば、346-1)のみに第1適応フィルタ係数Wuを提供し、ダウンリンク通信期間では、第2適応フィルタ(例えば、346-2)のみに第2適応フィルタ係数Wdを提供する。
【0094】
他の実施形態によって、中継器300は、ガード期間(例えば、図4のGP1)では、ガード期間(例えば、GP1)の直前の通信期間(例えば、DL1)で使った適応フィルタ係数をそのまま提供することもある。
【0095】
中継器300は、選択された適応フィルタを用いて、受信信号に含まれている干渉を除去する(S530)。
【0096】
実施形態によって、中継器300は、選択された適応フィルタ(例えば、346-1または346-2)から出力される予測干渉信号(例えば、YuまたはYd)を受信信号(例えば、Sd)から減算して干渉を除去することもある。
【0097】
以上、本発明を望ましい実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想及び範囲内で当業者によって様々な変形及び変更ができる。
図1
図2
図3
図4
図5