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特許7571933高電圧トランジスタ、レベルアップシフト回路、及び半導体装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】高電圧トランジスタ、レベルアップシフト回路、及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20241016BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20241016BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20241016BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01L29/78 301G
H01L29/78 301S
H01L27/088 C
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2023032826
(22)【出願日】2023-03-03
(65)【公開番号】P2024095480
(43)【公開日】2024-07-10
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】111150397
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】599039843
【氏名又は名称】聯華電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】張 維軒
(72)【発明者】
【氏名】蔡 明樺
(72)【発明者】
【氏名】郭 晉佳
【審査官】西村 治郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-038965(JP,A)
【文献】特開2006-245482(JP,A)
【文献】特開2018-046165(JP,A)
【文献】特開2002-222867(JP,A)
【文献】特開2007-294872(JP,A)
【文献】特開2018-073971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 27/088
H01L 21/336
H01L 21/8234
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧トランジスタであって、当該高電圧トランジスタは、
半導体基板内に配置されたウェル領域と、
該ウェル領域の上に配置されたゲート構造体と、
該ゲート構造体と前記ウェル領域との間で垂直方向に配置されたゲート酸化物層であって、該ゲート酸化物層の第1の部分が前記ゲート酸化物層の第2の部分よりも厚く、該第2の部分の厚さが前記第1の部分の厚さの1/8以上である、ゲート酸化物層と、
前記ウェル領域内に配置された第1のドリフト領域及び第2のドリフト領域であって、前記第1のドリフト領域の少なくとも一部及び前記第2のドリフト領域の少なくとも一部が、それぞれ、前記ゲート構造体の水平方向の両側に位置しており、前記第1のドリフト領域は前記ゲート酸化物層の前記第1の部分に隣接して配置され、前記第2のドリフト領域は前記ゲート酸化物層の前記第2の部分に隣接して配置され、前記第1のドリフト領域の導電型は前記第2のドリフト領域の導電型と同じである、第1のドリフト領域及び第2のドリフト領域と、を含
前記第1の部分上に配置された前記ゲート構造体の上面と、前記第2の部分上に配置された前記ゲート構造体の上面とが互いに面一に形成される、
高電圧トランジスタ。
【請求項2】
前記半導体基板内に配置され、前記ウェル領域の下に前記垂直方向に位置するディープウェル領域をさらに含み、該ディープウェル領域の導電型が前記ウェル領域の導電型と相補的であり、前記ディープウェル領域の前記導電型は、前記第1のドリフト領域の前記導電型及び前記第2のドリフト領域の前記導電型と同じである、請求項1に記載の高電圧トランジスタ。
【請求項3】
前記半導体基板内に配置され、前記ウェル領域の下に前記垂直方向に位置するディープウェル領域をさらに含み、該ディープウェル領域の導電型が前記ウェル領域の導電型と同じであり、前記ディープウェル領域の前記導電型は、前記第1のドリフト領域の前記導電型及び前記第2のドリフト領域の前記導電型と相補的である、請求項1に記載の高電圧トランジスタ。
【請求項4】
前記第1のドリフト領域内に配置された第1のドープ領域と、
前記第2のドリフト領域内に配置された第2のドープ領域と、をさらに含み、
前記第1のドープ領域及び前記第2のドープ領域は、それぞれ、前記ゲート構造体の前記水平方向の前記両側に配置され、前記第1のドープ領域の導電型及び前記第2のドープ領域の導電型は、前記第1のドリフト領域の前記導電型及び前記第2のドリフト領域の前記導電型と同じである、請求項1に記載の高電圧トランジスタ。
【請求項5】
前記ゲート酸化物層の前記第2の部分の前記厚さは、前記ゲート酸化物層の前記第1の部分の前記厚さの1/4以上である、請求項1に記載の高電圧トランジスタ。
【請求項6】
前記ゲート酸化物層の前記第1の部分の前記水平方向の長さが、前記ゲート酸化物層の前記第2の部分の前記水平方向の長さより小さい、請求項1に記載の高電圧トランジスタ。
【請求項7】
前記第1のドリフト領域の一部が前記ゲート構造体の下に前記垂直方向に配置され、前記第2のドリフト領域は前記ゲート構造体の下に前記垂直方向に配置されない、請求項1に記載の高電圧トランジスタ。
【請求項8】
前記第2のドリフト領域の一部が前記ゲート構造体の下に前記垂直方向に配置され、前記第1のドリフト領域は前記ゲート構造体の下に前記垂直方向に配置されない、請求項1に記載の高電圧トランジスタ。
【請求項9】
前記ウェル領域内に配置され、前記第1のドリフト領域の下に位置する第3のドリフト領域をさらに含み、前記第3のドリフト領域の下部が前記第2のドリフト領域の下部よりも低い、請求項1に記載の高電圧トランジスタ。
【請求項10】
前記ゲート酸化物層の少なくとも一部が前記半導体基板内に配置され、前記ゲート酸化物層の前記第1の部分の下面及び前記ゲート酸化物層の前記第2の部分の下面が、前記半導体基板の前記垂直方向の上面よりも低い、請求項1に記載の高電圧トランジスタ。
【請求項11】
第1の高電圧トランジスタを含むレベルアップシフト回路であって、
前記第1の高電圧トランジスタは、
半導体基板内に配置された第1のウェル領域と、
該第1のウェル領域の上に配置された第1のゲート構造体と、
該第1のゲート構造体と前記第1のウェル領域との間で垂直方向に配置された第1のゲート酸化物層であって、前記第1のゲート酸化物層の第1の部分が前記第1のゲート酸化物層の第2の部分よりも厚く、該第2の部分の厚さが、前記第1の部分の厚さの1/8以上である、第1のゲート酸化物層と、
前記第1のウェル領域内に配置された第1のドリフト領域及び第2のドリフト領域であって、前記第1のドリフト領域の少なくとも一部及び前記第2のドリフト領域の少なくとも一部が、それぞれ、前記第1のゲート構造体の水平方向の両側に位置しており、前記第1のドリフト領域は、前記第1のゲート酸化物層の前記第1の部分に隣接して配置され、前記第2のドリフト領域は、前記第1のゲート酸化物層の前記第2の部分に隣接して配置され、前記第1のドリフト領域の導電型が、前記第2のドリフト領域の導電型と同じである、第1のドリフト領域及び第2のドリフト領域と、を含み、
前記第1の部分上に配置された前記第1のゲート構造体の上面と、前記第2の部分上に配置された前記第1のゲート構造体の上面とが互いに面一に形成される、
レベルアップシフト回路。
【請求項12】
第2の高電圧トランジスタをさらに含み、該第2の高電圧トランジスタは、
前記半導体基板内に配置された第2のウェル領域と、
該第2のウェル領域の上に配置された第2のゲート構造体と、
該第2のゲート構造体と前記第2のウェル領域との間で前記垂直方向に配置された第2のゲート酸化物層と、を含み、
前記第1の高電圧トランジスタは、前記第1のドリフト領域内に配置された第1のドープ領域をさらに含み、該第1のドープ領域は、前記第2の高電圧トランジスタの前記第2のゲート構造体と電気的に接続される、請求項11に記載のレベルアップシフト回路。
【請求項13】
前記第1の高電圧トランジスタは、前記第2のドリフト領域内に配置された第2のドープ領域をさらに含み、前記第1のドープ領域及び前記第2のドープ領域は、それぞれ、前記第1のゲート構造体の前記水平方向の両側に位置しており、前記第1のドープ領域の導電型及び前記第2のドープ領域の導電型は、前記第1のドリフト領域の前記導電型及び前記第2のドリフト領域の前記導電型と同じである、請求項12に記載のレベルアップシフト回路。
【請求項14】
前記第2の高電圧トランジスタは、前記第2のウェル領域内に配置された第3のドリフト領域及び第4のドリフト領域をさらに含み、前記第3のドリフト領域の少なくとも一部及び前記第4のドリフト領域の少なくとも一部が、それぞれ、前記第2のゲート構造体の両側に位置しており、前記第3のドリフト領域の導電型が、前記第4のドリフト領域の導電型と同じである、請求項12に記載のレベルアップシフト回路。
【請求項15】
前記第2のウェル領域の導電型が、前記第3のドリフト領域の前記導電型及び前記第4のドリフト領域の前記導電型と相補的であり、前記第2のウェル領域の前記導電型は前記第1のウェル領域の前記導電型と相補的である、請求項14に記載のレベルアップシフト回路。
【請求項16】
前記第1のウェル領域の導電型が、前記第1のドリフト領域の前記導電型及び前記第2のドリフト領域の前記導電型と相補的である、請求項11に記載のレベルアップシフト回路。
【請求項17】
前記第1のゲート酸化物層の前記第1の部分の前記水平方向の長さが、前記第1のゲート酸化物層の前記第2の部分の前記水平方向の長さより小さい、請求項11に記載のレベルアップシフト回路。
【請求項18】
前記第1のドリフト領域の一部が前記第1のゲート構造体の下に前記垂直方向に配置され、前記第2のドリフト領域は前記第1のゲート構造体の下に前記垂直方向に配置されない、請求項11に記載のレベルアップシフト回路。
【請求項19】
前記第2のドリフト領域の一部が、前記第1のゲート構造体の下に前記垂直方向に配置され、前記第1のドリフト領域は、前記第1のゲート構造体の下に前記垂直方向に配置されない、請求項11に記載のレベルアップシフト回路。
【請求項20】
前記第1のゲート酸化物層の少なくとも一部が前記半導体基板に配置され、前記第1のゲート酸化物層の前記第1の部分の下面及び前記第1のゲート酸化物層の前記第2の部分の下面が、前記半導体基板の前記垂直方向の上面よりも低い、請求項11に記載のレベルアップシフト回路。
【請求項21】
半導体装置であって、当該半導体装置は、
第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを含み、
前記第1のトランジスタは、
半導体基板内に配置された第1のウェル領域と、
該第1のウェル領域の上に配置された第1のゲート構造体と、
該第1のゲート構造体と前記第1のウェル領域との間で垂直方向に配置された第1のゲート酸化物層と、を含み、該第1のゲート酸化物層は、
第1の厚さを有する第1の部分と、
第2の厚さを有する第2の部分と、を含み、前記第1の厚さは前記第2の厚さよりも大きく、
前記第1の部分上に配置された前記第1のゲート構造体の上面と、前記第2の部分上に配置された前記第1のゲート構造体の上面とが互いに面一に形成され、
前記第2のトランジスタは、
前記半導体基板内に配置された第2のウェル領域と、
該第2のウェル領域の上に配置された第2のゲート構造体と、
該第2のゲート構造体と前記第2のウェル領域との間で前記垂直方向に配置された第2のゲート酸化物層と、を含み、前記第2のゲート酸化物層は第3の厚さを有しており、前記第2の厚さは前記第3の厚さより大きい、
半導体装置。
【請求項22】
前記第1のトランジスタは高電圧トランジスタであり、前記第2のトランジスタは低電圧トランジスタである、請求項21に記載の半導体装置。
【請求項23】
前記第1のトランジスタは、前記第1のウェル領域内に配置されたドリフト領域をさらに含み、前記第2のトランジスタは、前記第2のウェル領域内に配置されたドープ領域及び該ドープ領域よりもドーパント濃度の低い低濃度ドープ領域をさらに含み、前記ドリフト領域の深さが、前記低濃度ドープ領域の深さよりも大きい、請求項21に記載の半導体装置。
【請求項24】
前記第1のゲート構造体の構造が前記第2のゲート構造体の構造と異なる、又は前記第1のゲート構造体の材料組成が前記第2のゲート構造体の材料組成と異なる、請求項21に記載の半導体装置。
【請求項25】
前記第1のゲート構造体及び前記第2のゲート構造体は、金属の導電性材料を含む、請求項21に記載の半導体装置。
【請求項26】
前記第1のゲート構造体及び前記第2のゲート構造体は、非金属の導電性材料を含む、請求項21に記載の半導体装置。
【請求項27】
前記第1のゲート構造体は非金属の導電性材料を含み、前記第2のゲート構造体は金属の導電性材料を含む、請求項21に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランジスタ、レベルアップシフト回路、及び半導体装置に関し、より具体的には、ゲート酸化物層の厚さが異なる部分で異なるトランジスタ、及びこのトランジスタを含むレベルアップシフト回路、及びこのトランジスタを含む半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高電圧能力を有するパワーデバイスにおいて、二重拡散MOS(DMOS)トランジスタデバイスが大きな関心を集めている。従来のDMOSトランジスタデバイスは、縦型二重拡散MOS(VDMOS)トランジスタデバイスと横型二重拡散MOS(LDMOS)トランジスタデバイスとに分類される。動作帯域幅が広く、動作効率が高く、平面構造であるため他の集積回路との統合が容易であるという利点を有するLDMOSトランジスタデバイスは、CPU電源、電源管理システム、AC/DCコンバータ、高出力又は高周波数帯域のパワーアンプ、及びレベルシフト回路等の高動作電圧環境で広く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第10,727,300号
【発明の概要】
【0004】
本発明では、高電圧トランジスタ、レベルアップシフト回路、及び半導体装置を提供する。異なる部分で異なる厚さを有するゲート酸化物層を使用して、高電圧トランジスタのしきい値電圧を下げ、ゲート酸化物層の異なる部分の間の厚さ比の関係を制御することにより、特定の回路の動作要件を満たすために、ゲート構造体に高電圧を依然として印加することができる。
【0005】
本発明の一実施形態によれば、高電圧トランジスタが提供される。高電圧トランジスタは、ウェル領域、ゲート構造体、ゲート酸化物層、第1のドリフト領域、及び第2のドリフト領域を含む。ウェル領域は半導体基板内に配置され、ゲート構造体はウェル領域の上に配置され、ゲート酸化物層はゲート構造体とウェル領域との間で垂直方向に配置される。ゲート酸化物層の第1の部分がゲート酸化物層の第2の部分よりも厚く、第2の部分の厚さが第1の部分の厚さの1/8以上である。第1のドリフト領域及び第2のドリフト領域はウェル領域内に配置され、第1のドリフト領域の少なくとも一部及び第2のドリフト領域の少なくとも一部が、それぞれ、ゲート構造体の水平方向の両側(two opposite sides:対向する2辺)に位置する。第1のドリフト領域はゲート酸化物層の第1の部分に隣接して配置され、第2のドリフト領域はゲート酸化物層の第2の部分に隣接して配置され、第1のドリフト領域の導電型は第2のドリフト領域の導電型と同じである。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、レベルアップシフト回路が提供される。レベルアップシフト回路は第1の高電圧トランジスタを含む。第1の高電圧トランジスタは、第1のウェル領域、第1のゲート構造体、第1のゲート酸化物層、第1のドリフト領域、及び第2のドリフト領域を含む。第1のウェル領域は半導体基板内に配置され、第1のゲート構造体は第1のウェル領域の上に配置され、第1のゲート酸化物層は、第1のゲート構造体と第1のウェル領域との間で垂直方向に配置される。第1のゲート酸化物層の第1の部分が第1のゲート酸化物層の第2の部分より厚く、第2の部分の厚さが第1の部分の厚さの1/8以上である。第1のドリフト領域及び第2のドリフト領域は、第1のウェル領域内に配置され、第1のドリフト領域の少なくとも一部及び第2のドリフト領域の少なくとも一部は、それぞれ、第1のゲート構造体の水平方向の両側に位置する。第1のドリフト領域は第1のゲート酸化物層の第1の部分に隣接して配置され、第2のドリフト領域は第1のゲート酸化物層の第2の部分に隣接して配置され、第1のドリフト領域の導電型は第2のドリフト領域の導電型と同じである。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、半導体装置が提供される。半導体装置は、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを含む。第1のトランジスタは、第1のウェル領域、第1のゲート構造体、及び第1のゲート酸化物層を含む。第2のトランジスタは、第2のウェル領域、第2のゲート構造体、及び第2のゲート酸化物層を含む。第1のウェル領域及び第2のウェル領域は半導体基板内に配置され、第1のゲート構造体は第1のウェル領域の上に配置され、第2のゲート構造体は第2のウェル領域の上に配置される。第1のゲート酸化物層は、第1のゲート構造体と第1のウェル領域との間で垂直方向に配置され、第1のゲート酸化物層は第1の部分及び第2の部分を含む。第1の部分は第1の厚さを有しており、第2の部分は第2の厚さを有しており、第1の厚さは第2の厚さより大きい。第2のゲート酸化物層は、第2のゲート構造体と第2のウェル領域との間で垂直方向に配置される。第2のゲート酸化物層は第3の厚さを有しており、第2の厚さは第3の厚さより大きい。
【0008】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者には確実に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る高電圧トランジスタを示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態による高電圧トランジスタを示す上面概略図である。
図3】本発明の第2の実施形態による高電圧トランジスタを示す概略図である。
図4】本発明の第3の実施形態による高電圧トランジスタを示す概略図である。
図5】本発明の第4の実施形態による高電圧トランジスタを示す概略図である。
図6】本発明の第5の実施形態による高電圧トランジスタを示す概略図である。
図7】本発明の第6の実施形態による高電圧トランジスタを示す概略図である。
図8】本発明の第7の実施形態による高電圧トランジスタを示す概略図である。
図9】本発明の第8の実施形態による高電圧トランジスタを示す概略図である。
図10】本発明の一実施形態による半導体装置を示す概略図である。
図11】本発明の第9の実施形態による高電圧トランジスタを示す概略図である。
図12】本発明の一実施形態によるレベルアップシフト回路の概略等価回路図である。
図13】本発明の別の実施形態による高電圧トランジスタを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明について、特定の実施形態及びその特定の特徴に関して特に示し、説明する。本明細書で以下に述べる実施形態は、限定ではなく例示と解釈すべきである。当業者には、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に様々な変更及び修正を加えることができることは容易に明らかであろう。
【0011】
好ましい実施形態をさらに説明する前に、本文全体で使用する特定の用語について以下に説明する。
【0012】
本明細書で使用する「上に(on)」、「の上に(above)」、及び「の上に(over)」という用語は、「上に(on)」が何かに「直接」を意味するだけでなく、「上に(on)」何かを含む(中間の特徴又はそれらの間の層を含んだ状態で)という意味も含むように、最も広い意味で解釈すべきであり、「の上に(above)」又は「の上に(over)」は、何か「の上に(above)」又は「の上に(over)」という意味だけでなく、何か「の上に(over)」又は「の上に(above)」ある(中間の特徴又はそれらの間の層を含まない状態で(つまり、何かに直接))という意味も含むことができる。
【0013】
明細書及び特許請求の範囲で使用する「第1の」、「第2の」等の序数は、請求項の要素を修正するために使用され、それ自体は、請求項が任意の前の序数を有することを暗示したり表したりするものではなく、追加の説明が付随しない限り、あるクレームされた要素と別のクレームされた要素の順序を表すものではなく、製造方法の順序を表すものでもない。これらの序数の使用は、特定の名前を有するクレームされた要素を、同じ名前を有する別のクレームされた要素から明確にするためにのみ使用される。
【0014】
用語「形成する」又は用語「配置する」は、材料の層を基板に適用する動作を説明するために以下で使用する。このような用語は、熱成長、スパッタリング、蒸発、化学蒸着、エピタキシャル成長、及び電気めっき等を含むがこれらに限定されない任意の可能な層形成技術を説明することを意図している。
【0015】
図1を参照されたい。図1は、本発明の第1の実施形態による高電圧トランジスタ101を示す概略図である。図1に示すように、高電圧トランジスタ101は、ウェル領域14A、ゲート構造体GS1、ゲート酸化物層30、第1のドリフト領域(ドリフト領域LD11等)、及び第2のドリフト領域(ドリフト領域LD12等)を含む。ウェル領域14Aは半導体基板10内に配置され、ゲート構造体GS1はウェル領域14Aの上に配置され、ゲート酸化物層30は、ゲート構造体GS1とウェル領域14Aとの間で垂直方向D3に配置される。ゲート酸化物層30の第1の部分P11がゲート酸化物層30の第2の部分P12より厚く、第2の部分P12の厚さTK2が第1の部分P11の厚さTK1の1/8以上である。ドリフト領域LD11及びドリフト領域LD12は、ウェル領域14A内に配置され、ドリフト領域LD11の少なくとも一部及びドリフト領域LD12の少なくとも一部は、それぞれ、ゲート構造体GS1の水平方向D1の両側に位置している。ドリフト領域LD11は、ゲート酸化物層30の第1の部分P11に隣接して配置され、ドリフト領域LD12は、ゲート酸化物層30の第2の部分P12に隣接して配置され、ドリフト領域LD11の導電型が、ドリフト領域LD12の導電型と同じである。ゲート酸化物層30の相対的に薄い第2の部分P12は、高電圧トランジスタ101のしきい値電圧を下げるために使用され、ゲート酸化物層30の第1の部分P11と第2の部分P12との間の厚さ比の関係は、第2の部分P12を薄くし過ぎるのを回避するように制御することができる。従って、特定の回路(レベルシフト回路等であるが、これに限定されるものではない)の動作要件を満たすために、高電圧をゲート構造体GS1に依然として印加することができ、それに応じて、高電圧トランジスタ101及び/又は高電圧トランジスタ101を含む関連回路の動作性能を改善することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、上記の垂直方向D3は、半導体基板10の厚さ方向とみなすことができる。半導体基板10は、上面10TSと、上面10TSと垂直方向D3に対向する下面10BSとを有することができ、上記のゲート構造体GS1は、半導体基板10の上面10TSの側に配置され得る。垂直方向D3と実質的に直交する水平方向(水平方向D1、水平方向D2、及び垂直方向D3に直交する他の方向)は、半導体基板10の上面10TS及び/又は下面10BSと実質的に平行であり得るが、これに限定されるものではない。本明細書において、半導体基板10の下面10BSと垂直方向D3の相対的に高い位置及び/又は相対的に高い部分との間の距離は、半導体基板10の下面10BSと垂直方向D3の相対的に低い位置及び/又は相対的に低い部分との間の距離よりも大きい。各構成要素の底部又は下部は、この構成要素の頂部又は上部よりも垂直方向D3における半導体基板10の下面10BSにより近くなり得る。特定の構成要素の上に配置された他の構成要素は、垂直方向D3において半導体基板10の下面10BSから相対的に遠いとみなすことができ、特定の構成要素の下に配置された他の構成要素は、垂直方向D3における半導体基板10の下面10BSに相対的に近いとみなすことができる。さらに、本明細書において、特定の構成要素の上面は、この構成要素の垂直方向D3の最上面を含むことができ、特定の構成要素の下面は、この構成要素の垂直方向D3の最下面を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0017】
いくつかの実施形態では、高電圧トランジスタ101は、ディープ(deep)ウェル領域12、絶縁(isolation)構造体20、第1のドープ領域(ドープ領域DR11等)、第2のドープ領域(ドープ領域DR12等)、及びスペーサ構造体SP1をさらに含むことができる。半導体基板10は、シリコン基板、エピタキシャルシリコン基板、シリコンゲルマニウム基板、炭化シリコン基板、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板、又は他の適切な半導体材料から作製した基板を含むことができる。ディープウェル領域12は、半導体基板10内に配置され、ウェル領域14Aの下に垂直方向D3に位置することができ、絶縁構造体20の少なくとも一部が、半導体基板10に配置され、半導体基板10において高電圧トランジスタに対応して位置する領域を規定することができる。ドープ領域DR11はドリフト領域LD11内に配置され得、ドープ領域DR12はドリフト領域LD12内に配置され得、ドープ領域DR11及びドープ領域DR12は、それぞれ、ゲート構造体GS1の水平方向D1の両側に位置し得る。いくつかの実施形態では、ドープ領域DR11及びドープ領域DR12は、高電圧トランジスタ101のソース/ドレインドープ領域であり得、それに応じて、ドープ領域DR11及びドープ領域DR12は、それぞれ、ソース/ドレイン電極の少なくとも一部と見なされ得る。スペーサ構造体SP1は、ゲート構造体GS1の側壁及びゲート酸化物層30の側壁に配置され得、スペーサ構造体SP1は、垂直方向D3においてドープ領域DR11及びドープ領域DR12の上に位置する。いくつかの実施形態では、ディープウェル領域12、ウェル領域14A、ドリフト領域LD11、ドリフト領域LD12、ドープ領域DR11、及びドープ領域DR12は、半導体基板10に対してドーピングプロセス(注入プロセス等)を実行することによって形成されたドープ領域であり得る。ドープ領域DR11の導電型及びドープ領域DR12の導電型は、ドリフト領域LD11の導電型及びドリフト領域LD12の導電型と同じであってよく、ドープ領域DR11及びドープ領域DR12のドーパント濃度は、ドリフト領域LD11及びドリフト領域LD12のドーパント濃度より高くてもよい。いくつかの実施形態では、ドリフト領域LD11及びドリフト領域LD12は、同じプロセスによって同時に形成され得、実質的に同じドーパントを含み得、及び/又は実質的に同じドーパント濃度を有し得、ドープ領域DR11及びドープ領域DR12は、同じプロセスによって同時に形成され得、実質的に同じドーパントを含み、及び/又は実質的に同じドーパント濃度を有し得る。また、ウェル領域14Aの導電型は、ドープ領域DR11、ドープ領域DR12、ドリフト領域LD11、及びドリフト領域LD12の導電型と相補的であってもよく、ディープウェル領域12の導電型は、高電圧トランジスタ101のタイプに応じて、ウェル領域14Aの導電型と相補的又は同一であってもよい。従って、ディープウェル領域12の導電型は、ドープ領域DR11、ドープ領域DR12、ドリフト領域LD11、及びドリフト領域LD12の導電型と同一又は相補的であってもよい。
【0018】
例えば、ディープウェル領域12がディープn型ウェル領域であり、高電圧トランジスタ101がn型トランジスタである場合に、ウェル領域14Aはp型ウェル領域であり得、ドリフト領域LD11及びドリフト領域LD12はn型ドープドリフト領域であり得、ドープ領域DR11及びドープ領域DR12はn型高ドープ領域であり得る。また、ディープウェル領域12がディープn型ウェル領域であり、高電圧トランジスタ101がp型トランジスタである場合に、ウェル領域14Aはn型ウェル領域であり得、ドリフト領域LD11及びドリフト領域LD12はp型ドープドリフト領域であり得、ドープ領域DR11及びドープ領域DR12はp型高濃度ドープ領域であり得る。いくつかの実施形態では、n型ドープ領域を形成するためのn型ドーパントは、リン(P)、砒素(As)、又は他の適切なn型ドーピング材料を含むことができ、p型ドープ領域を形成するためのp型ドーパントは、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、又は他の適切なp型ドーピング材料を含むことができる。また、ドリフト領域LD11の一部及びドリフト領域LD12の一部が、ゲート構造体GS1及びゲート酸化物層30の下に垂直方向D3に配置され得、ドープ領域DR11の一部及びドープ領域DR12の一部が、スペーサ構造体SP1の下に垂直方向D3に配置され得るが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、ゲート構造体GS1及びゲート酸化物層30の下に垂直方向D3に配置されたドリフト領域LD11は、水平方向D1に長さL3を有することができ、これは、ゲート酸化物層30の部分P11の水平方向D1の長さL1以下であり得、ゲート構造体GS1及びゲート酸化物層30の下に垂直方向D3に配置されたドリフト領域LD12は、水平方向D1に長さL4を有することができ、これは、ゲート酸化物層30の第2の部分P12の水平方向D1の長さL2以下であり得るが、これに限定されるものではない。
【0019】
ゲート酸化物層30は、シリコン酸化物又は他の適切な酸化物材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲート酸化物層30の第1の部分P11の下面とゲート酸化物層30の第2の部分P12の下面とは実質的に同一平面上にあってもよく、第1の部分P11の上面は、第2の部分P12の垂直方向D3の上面より高くてもよく、第1の部分P11は第2の部分P12と直接接続され得るが、これに限定されるものではない。例えば、第1の部分P11の水平方向D1の両側は、それぞれ、スペーサ構造体SP1及び第2の部分P12と直接接続され得、第2の部分P12の水平方向D1の両側は、それぞれ、第1の部分P11及びスペーサ構造体SP1と直接接続され得る。さらに、ゲート酸化物層30の相対的に薄い第2の部分P12は、しきい値電圧を下げるために使用され得るが、第2の部分P12は、高電圧を扱うべく高電圧トランジスタ101の能力への影響を回避してするために薄くし過ぎることはできない。従って、第2の部分P12の厚さTK2は、第1の部分P11の厚さTK1の1/4以上、第1の部分P11の厚さTK1の1/2以上、第1の部分P11の厚さTK1の3/4以上、又は第1の部分P11の厚さTK1の4/5であってもよい。換言すれば、第2の部分P12の厚さTK2は、いくつかの設計上の考慮事項に従って、第1の部分P11の厚さTK1の1/8から第1の部分P11の厚さTK1の1/4までの範囲、第1の部分P11の厚さTK1の1/8から第1の部分P11の厚さTK1の1/2までの範囲、第1の部分P11の厚さTK1の1/2から第1の部分P11の厚さTK1の3/4までの範囲、第1の部分P11の厚さTKの3/4から第1の部分P11の厚さTK1の4/5までの範囲であってもよく、又は第1の部分P11の厚さTK1の4/5よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、厚さTK1及び厚さTK2は、50ナノメートルから400ナノメートルの範囲であり得るが、これに限定されるものではない。さらに、ゲート酸化物層30の第1の部分P11と第2の部分P12との間の比率関係は、いくつかの設計上の考慮事項に従って変更することができ、第1の部分P11の水平方向D1の長さL1は、それに応じて、第2の部分P12の水平方向D1の長さL2とは実質的に等しいか、又は異なり得る。いくつかの実施形態では、長さL1及び長さL2は、互いに等しくてもよく、ゲート酸化物層30及び/又はゲート構造体GS1の水平方向D1の長さLの1/2に実質的に等しくてもよいが、これに限定されるものではない。
【0020】
いくつかの実施形態では、絶縁構造体20は、酸化物絶縁材料(シリコン酸化物等)又は他の適切な絶縁材料等の絶縁材料の単層又は多層を含むことができる。スペーサ構造体SP1は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、又は他の適切な誘電材料等の誘電材料の単層又は多層を含むことができる。ゲート構造体GS1は、ゲート誘電体層(図示せず)と、ゲート誘電体層に配置されたゲート物質層(図示せず)とを含むことができる。ゲート誘電体層は、高k誘電体材料又は他の適切な誘電体材料を含むことができ、ゲート材料層は、非金属の導電性材料(ドープしたポリシリコン等)又は(作用機能層及びその上に積層された低抵抗率層から構成される)金属ゲート構造体等の金属の導電性材料を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0021】
以下の説明では、本発明の異なる実施形態について詳述する。説明を簡潔にするために、以下の各実施形態における同一の構成要素には同一の記号を付す。実施形態同士の間の差異をより容易に理解できるようにするために、以下の説明では、異なる実施形態の間の相違点について詳細に説明し、同一の特徴については重複して説明しない。
【0022】
図2及び図1を参照されたい。図2は、本発明の一実施形態による高電圧トランジスタを示す上面概略図であり、いくつかの部分(スペーサ構造体及び絶縁構造体等)は図2に示していない。図1及び図2に示すように、いくつかの実施形態では、ゲート酸化物層30の第2の部分P12は、第1の部分P11の水平方向D2の両側に部分的に位置することができ、水平方向D2は水平方向D1と実質的に直交することができ、上述した第2の部分P12の長さL2は、スペーサ構造体SP1と第1の部分P11との間に挟み込まれた第2の部分P12の水平方向D1の長さとみなすことができる。さらに、この実施形態の第2の部分P12が第1の部分P11の水平方向D2の両側に部分的に位置する設計は、いくつかの設計上の考慮事項に従って、本発明の他の実施形態にも適用され得る。
【0023】
図3及び図4を参照されたい。図3は、本発明の第2の実施形態による高電圧トランジスタ102を示す概略図であり、図4は、本発明の第3の実施形態による高電圧トランジスタ103を示す概略図である。図3に示すように、高電圧トランジスタ102において、ゲート酸化物層30の第1の部分P11の水平方向D1の長さL1は、ゲート酸化物層30の第2の部分P12の水平方向D1の長さL2より短くてもよく、長さL1は、ゲート構造体GS1の水平方向D1の長さLの1/2未満であってもよく、長さL2は、長さLの1/2よりも長くてもよい。図4に示すように、高電圧トランジスタ103において、第1の部分P11の長さL1は第2の部分P12の長さL2より長くてもよく、長さL1はゲート構造体GS1の長さLの1/2より長くてもよく、長さL2は長さL1の1/2未満であってもよい。いくつかの実施形態では、水平方向D1において、第2の部分P12の長さL2は、ゲート酸化物層30の下に垂直方向D3に配置されたドリフト領域LD12の長さL4より短くてもよく、ドリフト領域LD12の一部が、ゲート酸化物層30の第1の部分P11の下に垂直方向D3に配置してもよいが、これに限定されるものではない。
【0024】
図5を参照されたい。図5は、本発明の第4の実施形態による高電圧トランジスタ104を示す概略図である。図5に示すように、高電圧トランジスタ104において、ゲート酸化物層30は、第1の部分P11と第2の部分P12との間に配置された第3の部分P13をさらに含み得、第3の部分P13の上面TS3は、第1の部分P11の上面TS1及び第2の部分P12の上面TS2それぞれに接続された傾斜面であってもよく、それに応じて、ゲート構造体GS1に対するゲート酸化物層30の過剰な表面起伏の悪影響を改善することができる。さらに、この実施形態における第3の部分P13は、いくつかの設計上の考慮事項に従って、本発明の他の実施形態にも適用することができる。
【0025】
図6及び図7を参照されたい。図6は、本発明の第5の実施形態による高電圧トランジスタ105を示す概略図である。図7は、本発明の第6の実施形態による高電圧トランジスタ106を示す概略図である。図6に示すように、高電圧トランジスタ105において、ドリフト領域LD11の一部が、ゲート構造体GS1及びゲート酸化物層30の下に垂直方向D3に配置され得、ドリフト領域LD12は、ゲート構造体GS1及びゲート酸化物層30の下に垂直方向D3に配置されない。水平方向D1において、ゲート構造体GS1及びゲート酸化物層30の下に垂直方向D3に配置されたドリフト領域LD11の長さL3は、ゲート酸化物層30の第1の部分P11の水平方向D1の長さL1と実質的に同一であり得る。図7に示すように、高電圧トランジスタ106において、ドリフト領域LD12の一部が、ゲート構造体GS1及びゲート酸化物層30の下に垂直方向D3に配置され得、ドリフト領域LD11は、ゲート構造体GS1及びゲート酸化物層30の下に垂直方向D3に配置されない。水平方向D1において、ゲート構造体GS1及びゲート酸化物層30の下に垂直方向D3に配置されたドリフト領域LD12の長さL4は、ゲート酸化物層30の第2の部分P12の水平方向D1の長さL2と実質的に同一であり得る。換言すれば、ドリフト領域LD11とゲート構造体GS1との間の垂直方向D3のオーバーラップ状態、及びドリフト領域LD12とゲート構造体GS1との間の垂直方向D3のオーバーラップ状態は、いくつかの設計上の考慮事項に従ってさらに修正してもよい。
【0026】
図8を参照されたい。図8は、本発明の第7の実施形態による高電圧トランジスタ107を示す概略図である。図8に示すように、高電圧トランジスタ107は、ウェル領域14A内に配置され、ドリフト領域LD11の下に位置する第3のドリフト領域(ドリフト領域LD3等)をさらに含んでもよい。ドリフト領域LD3は、特にドリフト領域LD11及びドリフト領域LD12が同じプロセスによって同時に形成される場合に、ドープ領域DR11に対応して位置するドリフト領域の範囲を調整するために使用され得るが、これに限定されるものではない。従って、ドリフト領域LD3の導電型がドリフト領域LD11の導電型と同じであり、ドリフト領域LD3のドーパント濃度は、設計上の考慮事項に従って、ドリフト領域LD11のドーパント濃度と同じでも異なっていてもよい。また、ドリフト領域LD3の下面(下面BS3等)は、垂直方向D3におけるドリフト領域LD12の下面(下面BS2等)及びドリフト領域LD11の下面(下面BS1等)よりも低くてもよく、水平方向D1において、ゲート構造体GS1及びゲート酸化物層30の下に垂直方向D3の配置されたドリフト領域LD3の長さL5は、ゲート構造体GS1及びゲート酸化物層30の下に垂直方向D3に配置されたドリフト領域LD11の長さL3より大きくてもよい。この実施形態のドリフト領域LD3は、いくつかの設計上の考慮事項に従って、本発明の他の実施形態にも適用できることに留意されたい。
【0027】
図9を参照されたい。図9は、本発明の第8の実施形態による高電圧トランジスタ108を示す概略図である。図9に示すように、高電圧トランジスタ108は、ドープ領域DR11及びドープ領域DR12にそれぞれ配置されたシリサイド層SA1及びシリサイド層SA2をさらに含み得、シリサイド層SA1及びシリサイド層SA2は、スペーサ構造体SP1から距離(距離DS1及び距離DS2等)だけ分離され得る。換言すれば、シリサイド層SA1及びシリサイド層SA2は、スペーサ構造体SP1と直接接続しなくてもよく、シリサイド層SA1とスペーサ構造体SP1との間の距離DS1及びシリサイド層SA2とスペーサ構造体SP1との間の距離DS2は、高電圧トランジスタの動作中の電界分布を調整するためのいくつかの設計上の考慮事項に従ってさらに修正され得る。従って、距離DS1は、距離DS2と実質的に同じであっても異なっていてもよい。さらに、シリサイド層SA1及びシリサイド層SA2は、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、又は他の適切な金属シリサイド材料等の金属シリサイドを含むことができる。この実施形態のシリサイド層は、いくつかの設計上の考慮事項に従って、本発明の他の実施形態にも適用できることに留意されたい。
【0028】
図10を参照されたい。図10は、本発明の一実施形態による半導体装置を示す概略図である。図10に示すように、半導体装置は、第1のトランジスタ(トランジスタ109等)及び第2のトランジスタ(トランジスタ110等)を含むことができる。トランジスタ109は、第1のウェル領域(ウェル領域14A等)、第1のゲート構造体(ゲート構造体GS1等)、及び第1のゲート酸化物層(ゲート酸化物層30等)を含むことができ、トランジスタ110は、第2のウェル領域(ウェル領域14C等)、第2のゲート構造体(ゲート構造体GS3等)、及び第2のゲート酸化物層(ゲート酸化物層34等)を含むことができる。ウェル領域14A及びウェル領域14Cは半導体基板10内に配置され、ゲート構造体GS1はウェル領域14Aの上に配置され、ゲート構造体GS3はウェル領域14Cの上に配置される。ゲート酸化物層30は、ゲート構造体GS1とウェル領域14Aとの間で垂直方向D3に配置され、ゲート酸化物層30は、第1の部分P11及び第2の部分P12を含む。第1の部分P11は第1の厚さ(厚さTK1等)を有しており、第2の部分P12は第2の厚さ(厚さTK2等)を有しており、厚さTK1は厚さTK2よりも大きい。ゲート酸化物層34は、ゲート構造体GS3とウェル領域14Cとの間で垂直方向D3に配置され、ゲート酸化物層34は第3の厚さ(厚さTK3等)を有しており、厚さTK2は厚さTK3よりも大きい。
【0029】
いくつかの実施形態では、トランジスタ109は、上述のドリフト領域LD11、ドリフト領域LD12、ドープ領域DR11、ドープ領域DR12、及びスペーサ構造体SP1をさらに含むことができる。ドリフト領域LD11及びドリフト領域LD12はウェル領域14A内に配置され、ドリフト領域LD11の少なくとも一部及びドリフト領域LD12の少なくとも一部は、それぞれ、ゲート構造体GS1の水平方向の両側に配置される。ドープ領域DR11はドリフト領域LD11内に配置され得、ドープ領域DR12はドリフト領域LD12内に配置され得、ドープ領域DR11及びドープ領域DR12は、それぞれ、ゲート構造体GS1の水平方向の両側に配置される。また、トランジスタ109において、ゲート酸化物層30の少なくとも一部が半導体基板10内に配置され得、ゲート酸化物層30の第1の部分P11の下面BS4及びゲート酸化物層30の第2の部分P12の下面BS5は、垂直方向D3における半導体基板10の上面10TS及び/又はドープ領域DR11及びドープ領域DR12の上面より低くてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、トランジスタ110は、低濃度ドープ領域LD31、低濃度ドープ領域LD32、ドープ領域DR31、ドープ領域DR32、及びスペーサ構造体SP3をさらに含むことができる。低濃度ドープ領域LD31及び低濃度ドープ領域LD32は、ウェル領域14C内に配置され、ゲート構造体GS3の両側にそれぞれ位置する。ドープ領域DR31及び低濃度ドープ領域DR32は、低濃度ドープ領域LD31及び低濃度ドープ領域LD32内にそれぞれ配置され、スペーサ構造体SP3は、ゲート構造体GS3の側壁に配置される。いくつかの実施形態では、スペーサ構造体SP3は、垂直方向D3においてドープ領域DR31の一部及びドープ領域DR32の一部と重なってもよく、又はいくつかの設計上の考慮事項に従って、垂直方向D3においてドープ領域DR31及びドープ領域DR32と重ならなくてもよい。いくつかの実施形態では、低濃度ドープ領域LD31の導電型、低濃度ドープ領域LD32の導電型、ドープ領域DR31の導電型、及びドープ領域DR32の導電型は、互いに同一であり得る。ドープ領域DR31及びドープ領域DR32のドーパント濃度は、低濃度ドープ領域LD31及び低濃度ドープ領域LD32のドーパント濃度より高くてもよく、ウェル領域14Cの導電型は、低濃度ドープ領域LD31、低濃度ドープ領域LD32、ドープ領域DR31、及びドープ領域DR32の導電型と相補的であってもよい。さらに、ドリフト領域LD11及び/又はドリフト領域LD12の深さ(深さDP1等)は、低濃度ドープ領域LD31及び/又は低濃度ドープ領域LD32の深さ(深さDP2等)よりも大きくてもよいが、これに限定されるものではない。上記特定領域の深さは、この領域の垂直方向D3の最下部と半導体基板10の上面10TSとの間の垂直方向D3の距離として規定することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、ゲート構造体GS3の構造は、ゲート構造体GS1の構造と同じであっても異なっていてもよく、及び/又はゲート構造体GS3の材料組成は、いくつかの設計上の考慮事項に従って、ゲート構造体GS1の材料組成と同じであっても異なっていてもよい。スペーサ構造体SP3の構造は、スペーサ構造体SP1の構造と同じであっても異なっていてもよく、及び/又はスペーサ構造体SP3の材料組成は、設計上の考慮事項に従って、スペーサ構造体SP1の材料組成と同じであっても異なっていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ゲート構造体GS1(ゲート構造体GS1内のゲート材料層等)とゲート構造体GS3(ゲート構造体GS3内のゲート材料層等)との両方が、金属の導電性材料又は非金属の導電性材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲート構造体GS1は非金属の導電性材料を含むことができ、ゲート構造体GS3は金属の導電性材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、トランジスタ109は中電圧(MV)トランジスタ又は高電圧トランジスタであってもよく、トランジスタは低電圧トランジスタであってもよいが、これに限定されるものではない。また、図10に示すトランジスタ109は、本発明の他の実施形態の高電圧トランジスタ(上述の図1及び図3~9の高電圧トランジスタ等であるが、これらに限定されない)に置き換えることもできる。換言すると、いくつかの実施形態では、半導体装置は、トランジスタ110と、上記図1及び図3図9の高電圧トランジスタのうちの少なくとも1つ及び/又は本発明の別の実施形態の高電圧トランジスタとを含むことができる。
【0031】
図11及び図1を参照されたい。図11は、本発明の第9の実施形態による高電圧トランジスタ111を示す概略図である。図11に示すように、高電圧トランジスタ111は、ウェル領域14B、ドリフト領域LD21、ドリフト領域LD22、ドープ領域DR21、ドープ領域DR22、ゲート構造体GS2、ゲート酸化物層32、及びスペーサ構造体SP2を含むことができる。ウェル領域14Bは半導体基板10内に配置され、ゲート構造体GS2はウェル領域14Bの上に配置され、ゲート酸化物層32は、ゲート構造体GS2とウェル領域14Bとの間で垂直方向D3に配置される。ドリフト領域LD21及びドリフト領域LD22は、ウェル領域14B内に配置され、ゲート構造体GS2の両側にそれぞれ位置しており、ドープ領域DR21及びドープ領域DR22は、ドリフト領域LD21及びドリフトLD22にそれぞれ配置され、スペーサ構造体SP2は、ゲート構造体GS2の側壁及びゲート酸化物層32の側壁に配置される。ゲート酸化物層32の第1の部分P21は、ゲート酸化物の第2の部分P22よりも厚い。第2の部分P22の厚さは、第1の部分P21の厚さTKの1/8以上、第1の部分P21の厚さの1/4以上、第1の部分P21の厚さの1/2以上、第1の部分P21の厚さの3/4以上、又は第1の部分P21の厚さの4/5であってもよい。ドリフト領域LD21は、ゲート酸化物層32の第1の部分P21に隣接して配置され、ドリフト領域LD22は、ゲート酸化物層32の第2の部分P22に隣接して配置される。ドリフト領域LD21の導電型、ドリフト領域LD22の導電型、ドープ領域DR21の導電型、及びドープ領域DR22の導電型は互いに同一であってもよく、ドープ領域DR21及びドープ領域DR22のドーパント濃度は、ドリフト領域LD21及びドリフト領域LD22のドーパント濃度より高くてもよい。ウェル領域14Bの導電型は、ドリフト領域LD21、ドリフト領域LD22、ドープ領域DR21、及びドープ領域DR22の導電型と相補的であってもよく、ウェル領域14Bの導電型は、ディープウェル領域12の導電型と同一であってもよい。図11及び図1に示すように、いくつかの実施形態では、ゲート酸化物層32、ゲート構造体GS2、及びスペーサ構造体SP2の構造及び/又は材料組成は、それぞれ、ゲート酸化物層30、ゲート構造体GS1、及びスペーサ構造体SP1の構造及び/又は材料組成と同一又は同様であってもよいが、ウェル領域14Bの導電型は、ウェル領域14Aの導電型と相補的である。高電圧トランジスタ111及び高電圧トランジスタ101は、それぞれp型高電圧トランジスタ及びn型高電圧トランジスタ等、半導体基板10に配置された異なるタイプの高電圧トランジスタであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0032】
図12図13、及び図1を参照されたい。図12は、本発明の一実施形態によるレベルアップシフト回路の概略等価回路図である。図13は、本発明の別の実施形態による高電圧トランジスタ112を示す概略図である。図12に示すように、この実施形態のレベルアップシフト回路は、トランジスタT1、トランジスタT2、トランジスタT3、トランジスタT4、トランジスタT5、トランジスタT6、トランジスタT7、トランジスタT8、トランジスタT9、及びトランジスタT10を含むことができる。いくつかの実施形態では、トランジスタT1、トランジスタT3、トランジスタT5、トランジスタT7、及びトランジスタT9はn型トランジスタであり得、トランジスタT2、トランジスタT4、トランジスタT6、トランジスタT8、及びトランジスタT10はp型トランジスタであり得る。また、トランジスタT1、トランジスタT3、トランジスタT5はn型高電圧トランジスタであり得、トランジスタT2、トランジスタT4、及びトランジスタT6はp型高電圧トランジスタであり得る。トランジスタT7のゲート電極G7及びトランジスタT8のゲート電極G8は第1の端子INに電気的に接続され得、トランジスタT8のソース/ドレイン電極SD81及びトランジスタT10のソース/ドレイン電極SD101はデバイス電圧VDDに電気的に接続され得、トランジスタT1のソース/ドレイン電極SD12、トランジスタT3のソース/ドレイン電極SD32、トランジスタT5のソース/ドレイン電極SD52、トランジスタT7のソース/ドレイン電極SD72、及びトランジスタT9のソース/ドレイン電極SD92は、基準電圧VSSに電気的に接続され得る。トランジスタT7のソース/ドレイン電極SD71、トランジスタT8のソース/ドレイン電極SD82、トランジスタT9のゲート電極G9及びソース/ドレイン電極SD91、トランジスタT10のゲート電極G10及びソース/ドレイン電極SD102、トランジスタT1のゲート電極G1、及びトランジスタT3のゲート電極G3は、互いに電気的に接続され得る。トランジスタT2のゲート電極G2、トランジスタT1のソース/ドレイン電極SD11、及びソース/ドレイン電極SD42は、互いに電気的に接続され得る。トランジスタT2のソース/ドレイン電極SD22、トランジスタT3のソース/ドレイン電極SD31、トランジスタT4のゲート電極G4、トランジスタT5のゲート電極G5、及びトランジスタT6のゲート電極G6は、互いに電気的に接続され得る。トランジスタT2のソース/ドレイン電極SD21、トランジスタT4のソース/ドレイン電極SD41、及びトランジスタT6のソース/ドレイン電極SD61は、デバイス電圧VDDQに電気的に接続され得る。トランジスタT5のソース/ドレイン電極SD51、及びトランジスタT6のソース/ドレイン電極SD62は、第2の端子OUTに電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、デバイス電圧VDDQの電位は、デバイス電圧VDDの電位よりも高く、第1の端子INから入力される信号の電位は、この実施形態のレベルアップシフト回路によって第2の端子OUTから上げられて出力されてもよい。
【0033】
図12及び図1に示すように、いくつかの実施形態では、レベルアップシフト回路内のトランジスタT1及びトランジスタT3の構造は、高電圧トランジスタ101の構造と同じであってもよい。換言すると、2つの高電圧トランジスタ101は、レベルアップシフト回路内のトランジスタT1及びトランジスタT3として使用することができ、レベルアップシフト回路は、第1の高電圧トランジスタ(高電圧トランジスタ101等)を含む回路とみなすことができる。高電圧トランジスタ101は、第1のウェル領域(ウェル領域14A等)、第1のゲート構造体(ゲート構造体GS1等)、第1のゲート酸化物層(ゲート酸化物層30等)、第1のドリフト領域(ドリフト領域LD11等)、第2のドリフト領域(ドリフト領域LD12等)、第1のドープ領域(ドープ領域DR11等)、及び第2のドープ領域(ドープ領域DR12等)を含むことができる。ウェル領域14Aは半導体基板10内に配置され、ゲート構造体GS1はウェル領域14Aの上に配置され、ゲート酸化物層30は、ゲート構造体GS1とウェル領域14Aとの間で垂直方向D3に配置される。ゲート酸化物層30の第1の部分P11は、ゲート酸化物層30の第2の部分P12よりも厚く、第2の部分P12の厚さTK2は、第1の部分P11の厚さTK1の1/8以上である。ドリフト領域LD11及びドリフト領域LD12はウェル領域14Aに配置され、ドリフト領域LD11の少なくとも一部及びドリフト領域LD12の少なくとも一部は、それぞれ、ゲート構造体GS1の水平方向D1の両側に位置している。ドリフト領域LD11は、ゲート酸化物層30の第1の部分P11に隣接して配置され、ドリフト領域LD12は、ゲート酸化物層30の第2の部分P12に隣接して配置され、ドリフト領域LD11の導電型は、ドリフト領域LD12の導電型と同じである。ゲート酸化物層30の相対的に薄い第2の部分P12は、高電圧トランジスタ101のしきい値電圧を下げるために使用してもよく、ゲート酸化物層30の第1の部分P11と第2の部分P12との間の厚さ比の関係は、第2の部分P12を薄くし過ぎるのを回避するように制御され、それに応じて、高電圧動作のために高電圧が依然としてゲート構造体GS1に印加され得る。高電圧トランジスタ101は、レベルアップシフト回路のトランジスタT1及びトランジスタT3として使用され得、デバイス電圧VDDが低下したときにトランジスタT1及びトランジスタT3を駆動できなくなる状況を改善し、それに応じてレベルアップシフト回路の動作性能を改善することができる。
【0034】
図13に示すように、高電圧トランジスタ112は、ウェル領域14D、ドリフト領域LD41、ドリフト領域LD42、ドープ領域DR41、ドープ領域DR42、ゲート構造体GS4、ゲート酸化物層36、及びスペーサ構造体SP4を含むことができる。ウェル領域14Dは半導体基板10内に配置され、ゲート構造体GS4はウェル領域14Dの上に配置され、ゲート酸化物層36は、ゲート構造体GS4とウェル領域14Dとの間で垂直方向D3に配置される。ドリフト領域LD41及びドリフト領域LD42はウェル領域14D内に配置され、ドリフト領域LD41の少なくとも一部及びドリフト領域LD42の少なくとも一部は、それぞれ、ゲート構造体GS4の両側に配置される。ドープ領域DR41及びドープ領域DR42は、それぞれ、ドリフト領域LD41及びドリフト領域LD42内に配置され、スペーサ構造体SP4は、ゲート構造体GS4の側壁及びゲート酸化物層36の側壁に配置される。ゲート酸化物層36の厚さが、上記の図1及び図3図10に示したゲート酸化物層30の第2の部分P12の厚さより大きくてもよい。ドリフト領域LD41の導電型、ドリフト領域LD42の導電型、ドープ領域DR41の導電型、及びドープ領域DR42の導電型は互いに同一であってもよく、ドープ領域DR41及びドープ領域DR42におけるドーパント濃度は、ドリフト領域LD41及びドリフト領域LD42のドーパント濃度より高くてもよい。ウェル領域14Dの導電型は、ドリフト領域LD41、ドリフト領域LD42、ドープ領域DR41、及びドープ領域DR42の導電型と相補的であってもよく、ウェル領域14Dの導電型は、ディープウェル領域12の導電型と同一であってもよく、又は相補的であってもよい。図13及び図1に示すように、いくつかの実施形態では、ゲート酸化物層36、ゲート構造体GS4、及びスペーサ構造体SP4の構造及び/又は材料組成は、それぞれ、ゲート酸化物層30、ゲート構造体GS1、及びスペーサ構造体SP1の構造及び/又は材料組成と同一又は同様であってもよく、高電圧トランジスタ112のゲート酸化物層36は、単一の厚さのみを有してもよいが、これに限定されるものではない。
【0035】
図12図13、及び図1に示すように、いくつかの実施形態では、レベルアップシフト回路内のトランジスタT2及びトランジスタT4の構造は、高電圧トランジスタ112の構造と同じであってもよい。換言すると、2つの高電圧トランジスタ112が、レベルアップシフト回路内のトランジスタT2及びトランジスタT4として使用され得、それに応じて、レベルアップシフト回路は、第2の高電圧トランジスタ(高電圧トランジスタ112等)を含む回路とみなすことができ、電圧トランジスタ112は、第2のウェル領域(ウェル領域14D等)、第2のゲート構造体(ゲート構造体GS4等)、第2のゲート酸化物層(ゲート酸化物層36等)、第3のドリフト領域(ドリフト領域LD41等)、及び第4のドリフト領域(ドリフト領域LD42等)を含む。高電圧トランジスタ101及び高電圧トランジスタ112がそれぞれレベルアップシフト回路内のトランジスタT1及びトランジスタT2として使用される場合に、高電圧トランジスタ101のゲート構造体GS1、ドープ領域DR11、及びドープ領域DR12は、それぞれ、トランジスタT1におけるゲート電極G1の少なくとも一部、ソース/ドレイン電極SD11の少なくとも一部、及びソース/ドレイン電極SD12の少なくとも一部とみなすことができ、高電圧トランジスタ112のゲート構造体GS4、ドープ領域DR41、及びドープ領域DR42は、それぞれ、トランジスタT2におけるゲート電極G2の少なくとも一部、ソース/ドレイン電極SD21の少なくとも一部、及びソース/ドレイン電極SD22の少なくとも一部とみなすことができる。従って、高電圧トランジスタ101のドープ領域DR11は、高電圧トランジスタ112のゲート構造体GS4と電気的に接続することができ、高電圧トランジスタ112のウェル領域14Dの導電型は、高電圧トランジスタ101のウェル領域14Aの導電型と相補的であり得る。
【0036】
本発明における高電圧トランジスタを含むレベルアップシフト回路の構造は、図12に示した状態に限定されず、本発明の高電圧トランジスタは、他の適切なレベルアップシフト回路又は他の機能の回路に適用することもできることに留意されたい。さらに、いくつかの実施形態では、図1及び図3図10に示される高電圧トランジスタは、レベルアップシフト回路のトランジスタT1及びトランジスタT3として使用することができ、レベルアップシフト回路は、図1及び図3~10の少なくとも1つのトランジスタを含む回路とみなすことができる。レベルアップシフト回路内のトランジスタT2、トランジスタT4、トランジスタT5、及びトランジスタT6の構造は、図13の高電圧トランジスタ112の構造と同一又は同様であってもよい。そして、レベルアップシフト回路内のトランジスタT7、トランジスタT8、トランジスタT9、及びトランジスタT10の構造は、図10のトランジスタ110の構造と同一又は同様であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0037】
以上の説明をまとめると、本発明の高電圧トランジスタ、レベルアップシフト回路、及び半導体装置によれば、異なる部分で厚さの異なるゲート酸化物層を使用してしきい値を下げることができ、ゲート酸化物層の異なる部分の間の厚さ比の関係を制御することにより、特定の回路の動作要件を満たすために、高電圧を依然としてゲート構造体に印加することができる。従って、高電圧トランジスタをレベルアップシフト回路に使用した場合に、駆動電圧が低下したときに高電圧トランジスタを駆動できない状態が改善され得、それに応じて、レベルアップシフト回路の動作性能が改善され得る。
【0038】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、装置及び方法の多数の修正及び変更を行うことができることを容易に理解するであろう。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
図1
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図13