(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ハイブリッドゲート電界効果トランジスタ、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造する方法、及びスイッチ回路
(51)【国際特許分類】
H01L 21/337 20060101AFI20241016BHJP
H01L 29/808 20060101ALI20241016BHJP
H01L 21/338 20060101ALI20241016BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20241016BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01L29/80 C
H01L29/80 H
H01L29/80 F
(21)【出願番号】P 2023509537
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 CN2021110379
(87)【国際公開番号】W WO2022033360
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202010795268.4
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ゥルイホーン
(72)【発明者】
【氏名】ホワーン,ボーニーン
(72)【発明者】
【氏名】スゥン,ホゥイ
(72)【発明者】
【氏名】ジアーン,チイムオン
(72)【発明者】
【氏名】バオ,チイローン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジービン
【審査官】恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-017071(JP,A)
【文献】特開2016-143843(JP,A)
【文献】特開2020-017551(JP,A)
【文献】国際公開第2018/230136(WO,A1)
【文献】特開2020-053585(JP,A)
【文献】特開2013-004967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 21/337
H01L 21/338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル層と、該チャネル層と積層されたソース、ドレイン、及びゲート構造と、を有するハイブリッドゲート電界効果トランジスタであって、前記ソース、前記ドレイン、及び前記ゲート構造が同じ層内に配置されており、
前記ゲート構造は、同じ層内に配置された第1構造層及び第2構造層を有し、該第2構造層は該第1構造層に巻き付いており、
該第1構造層は、円柱状、角柱状、又は楕円柱状であり、該第1構造層はN型窒化ガリウム層又は真性窒化ガリウム層であり、該第2構造層はP型窒化ガリウム層であり、
当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは更にゲートメタル層を有し、該ゲートメタル層は、少なくとも前記第1構造層とオーミック接触している、
ハイブリッドゲート電界効果トランジスタ。
【請求項2】
前記チャネル層は、積層された窒化ガリウム層と窒化アルミニウムガリウムバリア層とを有し、
前記ソース、前記ドレイン、及び前記ゲート構造は、前記窒化アルミニウムガリウムバリア層上に配置されている、請求項1に記載のハイブリッドゲート電界効果トランジスタ。
【請求項3】
当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは更に、基板と、該基板上に配置されたバッファ層とを有し、
前記窒化ガリウム層は前記バッファ層上に形成されている、
請求項2に記載のハイブリッドゲート電界効果トランジスタ。
【請求項4】
前記基板の材料は、シリコン、サファイア、炭化ケイ素、又は窒化ガリウム材料とすることができる、請求項3に記載のハイブリッドゲート電界効果トランジスタ。
【請求項5】
当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは更にパッシベーション層を有し、該パッシベーション層と前記窒化アルミニウムガリウムバリア層とが積層されており、
前記ソース、前記ドレイン、及び前記ゲート構造は、前記パッシベーション層を貫通して前記パッシベーション層の外に露出している、
請求項2乃至4のいずれか一項に記載のハイブリッドゲート電界効果トランジスタ。
【請求項6】
前記ゲートメタル層は前記第2構造層とショットキー接触している、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載のハイブリッドゲート電界効果トランジスタ。
【請求項7】
ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの製造方法であって、
チャネル層上に第1構造層及び第2構造層を形成する工程であって、該第1構造層及び該第2構造層が同じ層内に配置され、該第2構造層が該第1構造層に巻き付き、
該第1構造層は、円柱状、角柱状、又は楕円柱状であり、該第1構造層はN型窒化ガリウム層又は真性窒化ガリウム層であり、該第2構造層はP型窒化ガリウム層であり、該第1構造層と該第2構造層とでゲート構造を形成する、工程と、
前記チャネル層上にソース及びドレインを形成する工程と、
を有する製造方法。
【請求項8】
チャネル層上に第1構造層及び第2構造層を形成する工程は具体的に、
前記チャネル層上にエッチング層を形成し、
前記エッチング層内に環状の孔をエッチングし、
前記環状の孔内に前記第2構造層を形成し、
前記エッチング層内に貫通孔をエッチングし、前記第2構造層の内壁が該貫通孔の側壁であり、
前記貫通孔内に前記第1構造層を形成し、前記第2構造層が前記第1構造層に巻き付き、
前記エッチング層の残存部分をエッチング除去する、
ことである、請求項
7に記載の製造方法。
【請求項9】
チャネル層上に第1構造層及び第2構造層を形成する工程は具体的に、
前記チャネル層上にエッチング層を形成し、
前記エッチング層内に貫通孔をエッチングし、
前記貫通孔内に前記第1構造層を形成し、
前記エッチング層内に環状の孔をエッチングし、該環状の孔の外に前記第1構造層の外側壁が露出され、
前記環状の孔内に前記第2構造層を形成し、前記第2構造層が前記第1構造層に巻き付き、
前記エッチング層の残存部分をエッチング除去する、
ことである、請求項
7に記載の製造方法。
【請求項10】
チャネル層上に第1構造層及び第2構造層を形成する工程は具体的に、
前記チャネル層上に、前記第1構造層の材料と同じ材料を持つ材料層を形成し、
前記材料層をエッチングして前記第1構造層を形成し、
イオン注入により前記第2構造層を形成し、前記第2構造層が前記第1構造層に巻き付く、
ことである、請求項
7に記載の製造方法。
【請求項11】
チャネル層上に第1構造層及び第2構造層を形成する工程は具体的に、
前記チャネル層上に、前記第2構造層の材料と同じ材料を持つ材料層を形成し、
前記材料層をエッチングして前記第2構造層を形成し、
イオン注入により前記第1構造層を形成し、前記第2構造層が前記第1構造層に巻き付く、
ことである、請求項
7に記載の製造方法。
【請求項12】
基板上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に前記チャネル層を形成する工程と、
を更に有する請求項
7乃至
11のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項13】
メインボードと、該メインボード上に配置された請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のハイブリッドゲート電界効果トランジスタと、を有するスイッチ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、通信技術の分野に関し、特に、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタ、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造する方法、及びスイッチ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
回路スイッチの素子として様々な状況で電界効果トランジスタが広く使用されている。GaN(窒化ガリウム)系材料を用いた電界効果トランジスタは、材料の特性により、高い移動度及び高い化学的安定性を持ち、より高周波のスイッチとして使用されることができる。
【0003】
GaN電界効果トランジスタは、チャネルの2次元電子ガスのオン/オフを制御することによってオン/オフ切り換えされる。GaN電界効果トランジスタは通常2つのタイプに分けられる。1つは、デプレッションモード電界効果トランジスタとも呼ばれるノーマリーオン電界効果トランジスタであり、もう1つは、エンハンスメントモード電界効果トランジスタとも呼ばれるノーマリーオフ電界効果トランジスタである。しかし、電力消費システムの安全性のために、スイッチデバイスは通常、ノーマリーオフであることを要求される。現在、ノーマリーオフデバイスを実現するための幾つかの手法がある。
【0004】
従来技術で提供されるGaN電界効果トランジスタは、ソース、ドレイン、ゲート構造と、ゲートメタル層とを含む。使用時に、ゲートメタル層を用いてゲート構造に電力が供給され、ゲート構造を用いてソースとドレインとの導通が制御される。しかしながら、ゲートメタル層は通常、ゲート構造とショットキー接触しており、ショットキージャンクションは長期の熱電子衝撃によって機能しなくなることがある。これは、低い信頼性のGaN電界効果トランジスタをもたらす。
【発明の概要】
【0005】
この出願は、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性を向上させるような、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタ、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造する方法、及びスイッチ回路を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタが提供される。当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは、スイッチ回路に適用され、該スイッチ回路のメインデバイスとして使用され、該スイッチ回路のスイッチオン及びスイッチオフを制御するように構成される。当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは、チャネル層と該チャネル層と積層されたソース、ドレイン、及びゲート構造とを含む。ソース、ドレイン、及びゲート構造は同じ層内に配置され、ゲート構造がソースとドレインとの間に位置する。この出願において、ゲート構造は、2つの材料から製造されたハイブリッドゲート構造である。具体的には、ゲート構造は第1構造層及び第2構造層を含む。第1構造層及び第2構造層は同じ層内に配置され、第1構造層及び第2構造層が別々にチャネル層に接続される。さらに、第2構造層は配置時に第1構造層に巻き付く。第1構造層はゲート構造の中央に位置し、第2構造層はゲート構造の外縁に位置する。この出願において、第1構造層はN型窒化ガリウム層又は真性窒化ガリウム層であり、第2構造層はP型窒化ガリウム層である。当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは更にゲートメタル層を含む。ゲートメタル層は、チャネル層に面しない側であるゲート構造の一方側に配置され、ゲートメタル層は第1構造層とオーミック接触し得る。以上の説明から分かることには、このハイブリッドゲート構造をゲート構造として用いる方式では、ゲート構造が2つの異なる材料を用いて製造され、ハイブリッドゲートの中央に位置する材料がゲートメタル層とオーミック接触して、ゲートメタル層とゲート構造との間の接続の信頼性を向上させ、それにより当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性を向上させ得る。
【0007】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、チャネル層は、積層された窒化ガリウム層と窒化アルミニウムガリウムバリア層とを含み、ソース、ドレイン、及びゲート構造は、窒化アルミニウムガリウムバリア層上に配置される。窒化ガリウム層と窒化アルミニウムガリウムバリア層とを用いることにより、窒化ガリウム層と窒化アルミニウムガリウムバリア層との間にチャネルが形成される。
【0008】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、基板と該基板上に配置されたバッファ層とが更に含められる。窒化ガリウム層は該バッファ層上に形成される。バッファ層を配設することにより、窒化ガリウム層を基板上に担持することができる。
【0009】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、基板の材料は、シリコン、サファイア、炭化ケイ素、又は窒化ガリウム材料とすることができる。基板は異なる材料を用いて製造され得る。
【0010】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、パッシベーション層が更に含められ、該パッシベーション層と窒化アルミニウムガリウムバリア層とが積層され、ソース、ドレイン、及びゲート構造は、パッシベーション層を貫通してパッシベーション層の外に露出する。パッシベーション層を用いることにより、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの構造層が保護される。
【0011】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、第1構造層は、円柱状、角柱状、又は楕円柱状である。第1構造層の形状は様々に選択され得る。
【0012】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、少なくとも1つの第1構造層が存在し得る。例えば、1つ、2つ、3つ、又はそれより多くの第1構造層が存在し得る。
【0013】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、複数の第1構造層が存在する場合、該複数の第1構造層は、一列に、アレイ状に、又は他の配置方式で配置され得る。
【0014】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、ゲートメタル層は第2構造層とショットキー接触する、ゲートメタル層は、ゲート構造の第1構造層及び第2構造層に2つの異なる接続方式でそれぞれ接続される。
【0015】
第2の態様によれば、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造する方法が提供される。当該方法は、
チャネル層上に第1構造層及び第2構造層を形成する工程であって、該第1構造層及び該第2構造層が同じ層内に配置され、該第2構造層が該第1構造層に巻き付き、該第1構造層と該第2構造層とでゲート構造を形成する、工程と、
チャネル層上にソース及びドレインを形成する工程と、
を含む。
【0016】
以上の説明から分かることには、このハイブリッドゲート構造をゲート構造として用いる方式では、ゲート構造が2つの異なる材料を用いて製造され、ハイブリッドゲートの中央に位置する材料がゲートメタル層とオーミック接触して、ゲートメタル層とゲート構造との間の接続の信頼性を向上させ、それにより当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性を向上させ得る。
【0017】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、チャネル層上に第1構造層及び第2構造層を形成する工程は具体的に、チャネル層上にエッチング層を形成し、エッチング層内に環状の孔をエッチングし、環状の孔内に第2構造層を形成し、エッチング層内に貫通孔をエッチングし、第2構造層の内壁が該貫通孔の側壁であり、貫通孔内に第1構造層を形成し、第2構造層が第1構造層に巻き付き、エッチング層の残存部分をエッチング除去する、ことである。ゲート構造がエッチング方式で形成される。
【0018】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、チャネル層上に第1構造層及び第2構造層を形成する工程は具体的に、チャネル層上にエッチング層を形成し、エッチング層内に貫通孔をエッチングし、貫通孔内に第1構造層を形成し、エッチング層内に環状の孔をエッチングし、該環状の孔の外に第1構造層の外側壁が露出され、環状の孔内に第2構造層を形成し、第2構造層が第1構造層に巻き付き、エッチング層の残存部分をエッチング除去する、ことである。ゲート構造がエッチング方式で形成される。
【0019】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、チャネル層上に第1構造層及び第2構造層を形成する工程は具体的に、チャネル層上に、第1構造層の材料と同じ材料を持つ材料層を形成し、材料層をエッチングして第1構造層を形成し、イオン注入により第2構造層を形成し、第2構造層が第1構造層に巻き付く、ことである。ゲート構造がイオン注入の方式で形成される。
【0020】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、チャネル層上に第1構造層及び第2構造層を形成する工程は具体的に、チャネル層上に、第2構造層の材料と同じ材料を持つ材料層を形成し、材料層をエッチングして第2構造層を形成し、イオン注入により第1構造層を形成し、第2構造層が第1構造層に巻き付く、ことである。ゲート構造がイオン注入の方式で形成される。
【0021】
特定の実装可能な一ソリューションにおいて、当該方法は更に、基板上にバッファ層を形成する工程と、バッファ層上にチャネル層を形成する工程と、を含む。
【0022】
第3の態様によれば、スイッチ回路が提供される。当該スイッチ回路は、メインボードと、該メインボード上に配置された、上述の実装のうちのいずれかの実装に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタと、を含む。以上の説明から分かることには、このハイブリッドゲート構造をゲート構造として用いる方式では、ゲート構造が2つの異なる材料を用いて製造され、ハイブリッドゲートの中央に位置する材料がゲートメタル層とオーミック接触して、ゲートメタル層とゲート構造との間の接続の信頼性を向上させ、それにより当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性を向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタの構造の概略図である。
【
図2】この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタのゲート構造の上面図である。
【
図3】この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタのゲート構造の他の上面図である。
【
図4】この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタのゲート構造の他の上面図である。
【
図5a】
図5a-
図5gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するためのフローチャートである。
【
図5b】
図5a-
図5gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するためのフローチャートである。
【
図5c】
図5a-
図5gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するためのフローチャートである。
【
図5d】
図5a-
図5gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するためのフローチャートである。
【
図5e】
図5a-
図5gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するためのフローチャートである。
【
図5f】
図5a-
図5gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するためのフローチャートである。
【
図5g】
図5a-
図5gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するためのフローチャートである。
【
図6a】
図6a-
図6gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するための他のフローチャートである。
【
図6b】
図6a-
図6gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するための他のフローチャートである。
【
図6c】
図6a-
図6gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するための他のフローチャートである。
【
図6d】
図6a-
図6gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するための他のフローチャートである。
【
図6e】
図6a-
図6gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するための他のフローチャートである。
【
図6f】
図6a-
図6gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するための他のフローチャートである。
【
図6g】
図6a-
図6gは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するための他のフローチャートである。
【
図7a】
図7a-
図7dは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するためのフローチャートである。
【
図7b】
図7a-
図7dは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するためのフローチャートである。
【
図7c】
図7a-
図7dは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するためのフローチャートである。
【
図7d】
図7a-
図7dは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するためのフローチャートである。
【
図8a】
図8a-
図8dは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するための他のフローチャートである。
【
図8b】
図8a-
図8dは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するための他のフローチャートである。
【
図8c】
図8a-
図8dは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するための他のフローチャートである。
【
図8d】
図8a-
図8dは、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造するための他のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して、この出願の実施形態を更に説明する。
【0025】
先ず、この出願の実施形態で提供されるハイブリッドゲート電界効果トランジスタを説明する。電界効果トランジスタは、回路スイッチの素子として様々な状況で広く使用されている。GaN(窒化ガリウム)系材料を用いた電界効果トランジスタは、材料の特性により、高い移動度及び高い化学的安定性を持ち、より高周波のスイッチとして使用されることができ、それ故に、高周波回路スイッチにおいて広く使用されている。
【0026】
GaN電界効果トランジスタは、チャネルの2次元電子ガスのオン/オフを制御することによってオン/オフ切り換えされる。GaN電界効果トランジスタは通常2つのタイプに分けられる。1つは、デプレッションモード電界効果トランジスタとも呼ばれるノーマリーオン電界効果トランジスタであり、もう1つは、エンハンスメントモード電界効果トランジスタとも呼ばれるノーマリーオフ電界効果トランジスタである。しかし、電力消費システムの安全性のために、スイッチデバイスは通常、ノーマリーオフであることを要求される。現在、ノーマリーオフデバイスを実現するための幾つかの手法がある。しかしながら、現在のGaN電界効果トランジスタでは通常、ゲートメタルとゲート構造とがショットキージャンクションの方式で接続されているが、ショットキージャンクションは長期の熱電子衝撃によって機能しなくなることがある。これは、低い信頼性をもたらす。これに鑑み、この出願の一実施形態は、電界効果トランジスタの信頼性を向上させるために使用されるハイブリッドゲート電界効果トランジスタを提供する。以下、具体的な添付図面及び実施形態を参照して、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタを詳細に説明する。
【0027】
図1は、この出願の一実施形態に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタの構造層の概略図である。この出願のこの実施形態で提供されるハイブリッドゲート電界効果トランジスタは、積層された複数の構造層を含む。説明を容易にするため、
図1に示すハイブリッドゲート電界効果トランジスタの配置の向きを基準の向きとする。当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは、aの向きに順に配置された、基板10、バッファ層20、チャネル層30、ソース40、ドレイン50、及び構造層60を含む。以下、上記構造層を、具体的な添付図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
基板10は、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの基礎となるコンポーネントであり、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの様々な機能層を担持するように構成される。具体的に配置されるとき、基板10が特定の支持強度を持つことを条件として、基板10は様々な材料を用いて製造され得る。例えば、基板10は、例えばシリコン、サファイア、炭化ケイ素、又は窒化ガリウムなどの様々な材料を用いて製造された構造層とし得る。基板10は、様々な材料を用いて製造され得る。
【0029】
オプションのソリューションとして、基板10には矩形の構造層が選択され得る。しかし、理解されるべきことには、この出願のこの実施形態で提供される基板10の形状は、矩形構造に限定されず、基板10が当該ハイブリッドゲートフィールド効果トランジスタの他の機能層を担持するのに十分な面積を持つことを条件として、代わりに例えば楕円形又は多角形などの他の異なる形状であってもよい。
【0030】
基板10上に更にバッファ層20が配設され、バッファ層20は具体的に、例えば化学気相成長及びエピタキシャル成長などのプロセスを用いることによって、基板10の表面に形成され得る。バッファ層20は、オプションの構造層として使用される。バッファ層20は配置中に要求されるように配設され得る。例えば、基板10がチャネル層30を直接担持することができる場合、バッファ層20は配設されなくてもよく、基板10上に直にチャネル層30が形成され得る。チャネル層30の材料が基板10の材料と相容れないものであり、基板10上に直にチャネル層30を形成することはできない場合、基板10をチャネル層30から隔離するためにバッファ層20が配設される。この場合、バッファ層20はチャネル層30のキャリア層として使用される。バッファ層20がチャネル層30を担持する場合、一方では、バッファ層20はチャネルを担持するための構造層として用いられることができ、他方では、バッファ層20は特有の弾性変形性能を更に持つ。バッファ層20の表面に配置されたチャネル層30は、バッファ層20を用いて保護されることができ、その結果、この出願のこの実施形態で提供されるハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性及び安全性が向上される。
【0031】
オプションのソリューションとして、バッファ層20は、例えば傾斜窒化アルミニウムガリウム、超格子、及び低温窒化アルミニウムなどの様々な材料を用いて製造された構造層とし得る。当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタが具体的に製造されるとき、バッファ層20を製造するために、要求に基づいて異なる材料が選択され得る。
【0032】
チャネル層30は、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの機能層であり、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの2次元電子ガスを形成するように構成される。オプションのソリューションとして、チャネル層30は、aの向きに積み重ねられた窒化ガリウム層32と窒化アルミニウムガリウムバリア層31とを含む。窒化ガリウム層32と窒化アルミニウムガリウムバリア層31の間の接触面にチャネルが形成され、窒化ガリウム層32と窒化アルミニウムガリウムバリア層31との間の接触面に2次元電子ガスが位置する。
【0033】
チャネル層30が具体的に配設されるとき、窒化ガリウム層32は、バッファ層20上に配置され、例えば、エッチング又はイオン注入などのプロセスを用いてバッファ層20上に直接形成され得る。基板10がチャネル層30を直接担持する場合、窒化ガリウム層32は、例えばエッチング又はイオン注入などのプロセスを用いて基板10上に直接製造され得る。窒化アルミニウムガリウムバリア層31は、基板10に面しない側の窒化ガリウム層32の表面上に配置される。製造において、窒化アルミニウムガリウムバリア層31も、例えばエッチング又はイオン注入などの上述のプロセスを用いて製造され得る。
【0034】
上述の構造に加えて、チャネル層30は別の構造を用いてもよい。例えば、チャネル層30は、窒化ガリウム層、窒化アルミニウムガリウムバリア層、及び該窒化ガリウム層と該窒化アルミニウムガリウムバリア層との間に位置する窒化アルミニウム層を含む三層構造を含む。チャネルも3層構造を用いて形成され得る。
【0035】
ソース・ドレイン層は、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの機能層であり、ソース40、ドレイン50、及びゲート構造層60を含む。
図1に示すように、ソース40、ゲート構造層60、及びドレイン50は、チャネル層30上の同じ層内に配置され、チャネル層30に電気的に接続される。ソース40及びドレイン50は別々に外部回路に接続するように構成され、ゲート構造層60はチャネルの開閉を制御するように構成される。ゲート構造層60がチャネルを導通に制御するとき、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは閉状態となり、ソース40及びドレイン50に接続された回路が導通することができる。ゲート構造層60がチャネルを切断に制御するとき、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは切断状態となり、ソース40及びドレイン50に接続された回路が切断される。
【0036】
ゲート構造層60、ソース40、及びドレイン50は別々に窒化アルミニウムガリウムバリア層31に接続され、窒化アルミニウムガリウムバリア層31を用いてソース40及びドレイン50がチャネルと連通し得る。ゲート構造層60は窒化アルミニウムガリウムバリア層31を用いてチャネルに接続され、チャネル内にある電子を空乏化させ得る。ゲート構造層60がチャネルを導通に制御するとき、チャネル内に電子が位置し、チャネルのそれら電子を用いてソース40とドレイン50が導通し得る。ゲート構造層60がチャネルを切断に制御するとき、ゲート構造層60によって電子が空乏化され、チャネル内に自由電子が存在せず、ソース40とドレイン50が切断される。
【0037】
ソース40、ドレイン50、及びゲート構造層60が具体的に配設されるとき、ゲート構造層60は、ソース40とドレイン50との間に置かれてソース40をドレイン50から離隔させる。理解されるべきことには、ゲート構造層60、ドレイン50、及びソース40が具体的に配設されるとき、ゲート構造層60とソース40及びドレイン50との間の電気絶縁を確実にするために、ゲート構造層60とソース40及びドレイン50との間に隙間が空けられる。
【0038】
この出願のこの実施形態で提供されるゲート構造層60はハイブリッドゲート構造を用いており、該ハイブリッドゲート構造は2つの材料で形成される。例えば、ゲート構造層60は第1構造層62と第2構造層61とを含む。第1構造層62及び第2構造層61は同じ層内に配置され、第1構造層62及び第2構造層61は別々にチャネル層30に接続される。この出願のこの実施形態において、第1構造層62及び第2構造層61は相異なる材料を用いて製造される。第1構造層62はN型窒化ガリウム層又は真性窒化ガリウム層であり、第2構造層61はP型窒化ガリウム層である。該ハイブリッドゲート構造は、以下の材料で構成されることができ、すなわち、P型窒化ガリウム+N型窒化ガリウム、又はP型窒化ガリウム+真性窒化ガリウムで構成されることができる。具体的な製造において、該ハイブリッドゲート構造を製造するために、要求に基づいていずれかの組み合わせが選択され得る。
【0039】
当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは更にゲートメタル層70を含む。ゲートメタル層70は、ゲート構造層60に接続するように構成されるとともに、チャネルの開閉を制御するためにゲート構造層60に制御電圧を印加するように構成される。
【0040】
なおも
図1を参照するに、ゲートメタル層70は、ゲート構造層60と積層され、チャネル層30に面しない側のゲート構造層60の表面上に位置する。説明を容易にするため、チャネル層30に面しない側のゲート構造層60の表面をゲート構造層60の頂面と称する。ゲート構造層60の頂面で、第1構造層62が第2構造層61の外に露出され、すなわち、ゲート構造層60の上面は、第1構造層62の表面と第2構造層61の表面とで構成される。ゲート構造層60がゲートメタルに接続されるとき、ゲート構造層60の頂面は、ゲート構造層60がゲートメタル層70に接続される表面である。ゲート構造層60に接続されるとき、ゲートメタル層70は、少なくとも第1構造層62とオーミック接触する。ゲートメタル層70は、例えば銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、又は金などの一般的な導電性金属材料を用いて製造され得る。第1構造層62がN型窒化ガリウム層又は真性窒化ガリウム層を用いる場合、ゲートメタル層70は、例えばN型窒化ガリウム層又は真性窒化ガリウム層などの半導体材料と直接オーミック接触し得る。金属と半導体との間にオーミック接触を形成することは、接触点に純粋な抵抗が形成されることを意味し、該抵抗が小さいほど良く、コンポーネントが動作するとき、電圧の大部分が、接触面にではなく活性領域に印加されるようになる。さらに、オーミック接触は長期の熱電子衝撃を持たず、信頼性が高い。ゲートメタル層70とゲート構造層60との間にオーミック接触を用いることにより、ゲートメタル層70とゲート構造層60との間の接続の信頼性が向上し、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性が更に向上する。
【0041】
ゲートメタル層70は、少なくとも第1構造層62とオーミック接触しており、これらに限定されないが、以下の2つの特定の接続方式を含む。
【0042】
(1)ゲートメタル層70が第1構造層62のみとオーミック接触する。ゲートメタル層70と第1構造層62との間のオーミック接触は、ゲートメタル層70の電流がより良好に第1構造層62に与えられることを可能にする。
【0043】
(2)ゲートメタル層70が第1構造層62とオーミック接触するとともに、ゲートメタル層70が第2構造層61とショットキー接触する。ゲートメタル層70がゲート構造層60の第1構造層62及び第2構造層61にそれぞれ異なる2つの接続方式で接続される。ゲートメタル層70が相異なる方式で第1構造層62及び第2構造層61と別々に接触して電気接続を実現するものの、ショットキー接触の抵抗は高いため、電圧は依然としてオーミック接触を通じてゲート構造層60に印加される。
【0044】
当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは更にパッシベーション層80を含み、パッシベーション層80は、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの各機能層を保護するように構成される。配置において、パッシベーション層80と窒化アルミニウムガリウムバリア層31とが積層される。理解されるべきことには、ソース40、ドレイン50、及びゲート構造層60を外部回路及び制御回路に接続できることを確保するために、上述の構造を配設するときに、ソース40、ドレイン50、及びゲート構造層60はパッシベーション層80を貫通してパッシベーション層80の外に露出される。ソース40、ドレイン50、及びゲート構造層60の露出した部分が、外部回路及び制御回路への接続に使用され得る。
【0045】
オプションのソリューションにおいて、パッシベーション層80は、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸窒化シリコン、又は他の一般的な材料を用いて製造され得る。
【0046】
理解されるべきことには、パッシベーション層80は当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタのオプションの構造層である。当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの適用環境が比較的安全である場合、パッシベーション層80は配設されなくてもよい。
【0047】
第1構造層62及び第2構造層61が具体的に製造されるとき、第1構造層62はゲート構造層60の中央に位置し、第2構造層61はゲート構造層60の外縁に位置し、第2構造層61が第1構造層62に巻き付く。しかしながら、第1構造層62は異なる形状及び構造を用いてもよい。以下、第1構造層62及び第2構造層61の具体的な構造形態を、添付の図面を参照して説明する。
【0048】
図2は、ゲート構造層の上面図を示している。第2構造層61が第1構造層62に巻き付いており、第1構造層62はゲート構造層60の中央に位置し、第2構造層61はゲート構造層60の外縁に位置する。2つの第1構造層62が存在しており、各第1構造層62は長方形構造である。2つの第1構造層62が具体的に配設されるとき、2つの第1構造層62は間隔を空けられ、各第1構造層62が第2構造層61によって取り囲まれる。
【0049】
図3は、他のゲート構造層の上面図を示している。第2構造層61が第1構造層62に巻き付いており、第1構造層62はゲート構造層60の中央に位置し、第2構造層61はゲート構造層60の外縁に位置する。2つの第1構造層62が存在しており、各第1構造層62は円形構造である。2つの第1構造層62が具体的に配設されるとき、2つの第1構造層62は間隔を空けられ、各第1構造層62が第2構造層61によって取り囲まれる。
【0050】
図4は、他のゲート構造層60の上面図を示している。第2構造層61が第1構造層62に巻き付いており、第1構造層62はゲート構造層60の中央に位置し、第2構造層61はゲート構造層60の外縁に位置する。2つの第1構造層62が存在しており、それら第1構造層62のうち一方は円形状であり、それら第1構造層62のうち他方は長方形状である。2つの第1構造層62が具体的に配設されるとき、2つの第1構造層62は間隔を空けられ、各第1構造層62が第2構造層61によって取り囲まれる。
【0051】
図2、
図3、及び
図4から分かることには、この出願のこの実施形態で提供される第1構造層62は、異なる断面形状の柱状構造を用い得る。
図2、
図3、及び
図4は、第1構造層62の幾つかの特定の断面形状を具体的に例示しているにすぎない。この出願のこの実施形態で提供される第1構造層62の断面には代わりに他の形状が選択されてもよい。これはここで特に限定されることではない。
【0052】
理解されるべきことには、この出願のこの実施形態において、第1構造層62の数は限定されるものではない。
図2、
図3、又は
図4に示した2つの第1構造層62に加えて、例えば1つ、3つ、又は4つなど、異なる数の第1構造層62が用いられてもよい。具体的に、第1構造層62の数は要求に基づいて設定され得る。
【0053】
また、複数の第1構造層62が用いられる場合、それら第1構造層62の配置は、この出願のこの実施形態において特に限定されるものではない。第1構造層62は、例えば一列配置、アレイ配置、三角形配置、X字形配置、又は円形配置など、様々な配置方式で配置され得る。ゲートメタル層70とのオーミック接触が達成されることを確保しさえすればよい。
【0054】
オプションのソリューションにおいて、ゲート構造60の断面積に対する第1構造層62の断面積の割合は5%と50%との間である。例えば、ゲート構造60の断面積に対する第1構造層62の断面積の割合は、5%、10%、15%、25%、30%、35%、50%、又はこれらに類するもののうちのいずれかの割合とし得る。理解されるべきことには、複数の第1構造層62が存在する場合、第1構造層62の断面積は、それら全ての第1構造層62の断面積の和を指す。
【0055】
以上の説明から分かることには、この出願のこの実施形態で提供されるハイブリッドゲート電界効果トランジスタでは、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタのゲート構造層60が、第1構造層62と第2構造層61とを用いて形成される。斯くして、ゲートメタル層70をゲート構造層60に比較的小さい抵抗のオーミック接触方式で接続することができ、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性を向上させる。
【0056】
この出願のこの実施形態で提供されるハイブリッドゲート電界効果トランジスタの理解を容易にするため、以下、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造する方法を、添付の図面を参照して詳細に説明する。この出願の実施形態において、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタは、複数の異なる製造方法を用いて製造されることができ、それらを以下にて1つずつ説明する。
【0057】
先ず、
図5a-
図5gは、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造する特定の一方法を示している。当該方法は以下の工程を含む。
【0058】
工程001: チャネル層上にエッチング層を形成する。
【0059】
図5aを参照するに、基板10、バッファ層20、窒化ガリウム層32、及び窒化アルミニウムガリウムバリア層31が、例えばエピタキシャル成長及び堆積などのプロセスを用いた積層を通じて形成される。窒化アルミニウムガリウムバリア層31上にエッチング層100が形成されるとき、エッチング層100は例えばコーティング又は堆積などの手法で窒化アルミニウムガリウムバリア層31上に直接形成され得る。理解されるべきことには、エッチング層100の厚さはゲート構造層60の厚さ以上にされるべきである。
【0060】
工程002: エッチング層内に環状の孔をエッチングする。
【0061】
図5bを参照するに、エッチングプロセスを用いてエッチング層100内に環状の孔101が形成され、環状の孔101がエッチング層100を貫通することで、環状の孔101内で窒化アルミニウムガリウムバリア層31が露出される。環状の孔101の形状は第2構造層61の形状と一致し、環状の孔101内に第2構造層61を形成するのに使用される。また、環状の孔101の中の物理構造(残存エッチング層100)の形状は第1構造層62の形状と一致し、第1構造層62のために空間を残して第2構造層61を形成する。
【0062】
工程003: 環状の孔内に第2構造層を形成する。
【0063】
図5cを参照するに、例えばエピタキシャル成長及び堆積などの手法で環状の孔101内に第2構造層61が形成される。形成された第2構造層61は窒化アルミニウムガリウムバリア層31と接触する。
【0064】
工程004: エッチング層内に貫通孔をエッチングする。
【0065】
図5dを参照するに、第2構造層61の周辺のエッチング層100がエッチング除去され、第2構造層61の中に位置するエッチング層のみが保持される。
図5eを参照するに、新たなエッチング層200が形成される。新たに形成されたエッチング層200は、第2構造層61と元のエッチング層
100の残存構造とを覆う。新たに形成されたエッチング層200にエッチングを行って貫通孔201を形成する。貫通孔201は第2構造層61の中に位置する。また、第2構造層61の内側壁が貫通孔201の側壁として使用され、窒化アルミニウムガリウムバリア層31の頂面が貫通孔201の底壁として使用される。
【0066】
工程005: 貫通孔内に第1構造層を形成する。
【0067】
図5fを参照するに、例えばエピタキシャル成長又は堆積などの手法で貫通孔内に第1構造層62が形成される。第1構造層62は第2構造層61及び窒化アルミニウムガリウムバリア層31と別々に接触する。
【0068】
また、第1構造層62が形成されるとき、新たに形成されたエッチング層が第2構造層61を覆っているため、形成される第1構造層62は第2構造層61を覆わない。製造後、第1構造層62と第2構造層61が同じ層内に配置されており、第2構造層61が第1構造層62に巻き付いている。
【0069】
第1構造層62が形成された後、エッチング層の残りの部分がエッチング除去されて、第1構造層62と第2構造層61とを含むゲート構造層60が露出される。
【0070】
工程006: チャネル層上に別の層構造を形成する。
【0071】
図5gを参照するに、チャネル層30上にソース40及びドレイン50が形成される。具体的には、ソース40及びドレイン50は、例えば堆積又はエピタキシャル成長などのプロセスを用いて窒化アルミニウムガリウムバリア層31上に形成され得る。
【0072】
先ず、パッシベーション層80が用意され、ソース40、ドレイン50、及びゲートメタル層70に対応する貫通孔を形成するようにパッシベーション層80がエッチングされ、そして、それら貫通孔内にそれぞれソース40、ドレイン50、及びゲートメタル層70が形成される。形成されたゲートメタル層70は第1構造層62とオーミック接触するとともに、第2構造層61とショットキー接触する。
【0073】
上述の製造プロセスから分かることには、エッチングと堆積のプロセスを用いてゲート構造層60が形成され得る。また、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタのゲート構造層60は、ゲートメタル層70をゲート構造層60に小さい抵抗のオーミック接触方式で接続することができるように第1構造層62及び第2構造層61を用いて形成され、それにより当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性が向上される。
【0074】
図6a-
図6gは、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造する他の特定の一方法を示している。当該方法は以下の工程を含む。
【0075】
工程001: チャネル層上にエッチング層を形成する。
【0076】
図6aを参照するに、基板10、バッファ層20、窒化ガリウム層32、及び窒化アルミニウムガリウムバリア層31が、例えばエピタキシャル成長及び堆積などのプロセスを用いた積層を通じて形成される。窒化アルミニウムガリウムバリア層31上にエッチング層100が形成されるとき、エッチング層100は例えばコーティング又は堆積などの手法で窒化アルミニウムガリウムバリア層31上に直接形成され得る。理解されるべきことには、エッチング層100の厚さはゲート構造層60の厚さ以上にされるべきである。
【0077】
工程002: エッチング層内に貫通孔をエッチングする。
【0078】
図6bを参照するに、エッチングプロセスを用いてエッチング層100内に貫通孔103が形成され、貫通孔103がエッチング層100を貫通することで、貫通孔103内で窒化アルミニウムガリウムバリア層31が露出される。貫通孔103の形状は第1構造層62の形状と一致し、残ったエッチング層100が、貫通孔103内に第1構造層62を形成するのに使用される。
【0079】
工程003: 貫通孔内に第1構造層を形成する。
【0080】
図6cを参照するに、例えばエピタキシャル成長及び堆積などの手法で貫通孔103内に第1構造層62が形成される。形成された第1構造層62は窒化アルミニウムガリウムバリア層31と接触する。
【0081】
工程004: エッチング層内に環状の孔をエッチングする。
【0082】
図6dを参照するに、環状の孔104を形成するように第1構造層62の周辺のエッチング層100がエッチング除去される。環状の孔104の中で第1構造層62の外側壁が露出され、それ故に、後に製造される第2構造層61が第1構造層62と接触することができる。
【0083】
工程005: 環状の孔内に第2構造層を形成する。
【0084】
図6eを参照するに、第2構造層61は例えばエピタキシャル成長又は堆積などの手法で環状の孔104内に形成される。第2構造層61は、第1構造層62及び窒化アルミニウムガリウムバリア層31と別々に接触する。
【0085】
図6fを参照するに、第2構造層61が形成された後、エッチング層100の残りの部分がエッチング除去されて、第1構造層62と第2構造層61とを含むゲート構造層60が露出される。
【0086】
工程006: チャネル層上に別の層構造を形成する。
【0087】
図6gを参照するに、チャネル層30上にソース40及びドレイン50が形成される。具体的には、ソース40及びドレイン50は、例えば堆積又はエピタキシャル成長などのプロセスを用いて窒化アルミニウムガリウムバリア層31上に形成され得る。
【0088】
先ず、パッシベーション層80が用意され、ソース40、ドレイン50、及びゲートメタル層70に対応する貫通孔103を形成するようにパッシベーション層80がエッチングされ、そして、それら貫通孔103内にそれぞれソース40、ドレイン50、及びゲートメタル層70が形成される。形成されたゲートメタル層70は第1構造層62とオーミック接触するとともに、第2構造層61とショットキー接触する。
【0089】
上述の製造プロセスから分かることには、エッチングと堆積のプロセスを用いてゲート構造層60が形成され得る。また、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタのゲート構造層60は、ゲートメタル層70をゲート構造層60に小さい抵抗のオーミック接触方式で接続することができるように第1構造層62及び第2構造層61を用いて形成され、それにより当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性が向上される。
【0090】
図7a-
図7dは、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造する他の特定の一方法を示している。当該方法は以下の工程を含む。
【0091】
工程001: チャネル層上に、第2構造層と同じ材料を有する材料層を形成する。
【0092】
図7aを参照するに、基板10、バッファ層20、窒化ガリウム層32、及び窒化アルミニウムガリウムバリア層31が、例えばエピタキシャル成長及び堆積などのプロセスを用いた積層を通じて形成される。窒化アルミニウムガリウムバリア層31上に材料層300が形成されるとき、材料層300は例えばエピタキシャル成長又は堆積などの手法で窒化アルミニウムガリウムバリア層31上に直接形成され得る。理解されるべきことには、材料層300の厚さはゲート構造層60の厚さ以上にされるべきである。
【0093】
工程002: 材料層をエッチングして第2構造層を形成する。
【0094】
図7bを参照するに、材料層300をエッチングすることにより、ゲート構造層60と同じサイズを持つ第2構造層61が形成される。
【0095】
工程003: イオン注入を通じて第1構造層を形成する。
【0096】
図7cを参照するに、第2構造層61にカウンターイオンを注入する手法で第1構造層62が形成され、カウンターイオンが注入された第2構造層61の部分が第1構造層62として使用され、カウンターイオンが注入されていない部分がゲート構造層60の第2構造層61として使用される。第2構造層61は第1構造層62に巻き付いており、形成される第1構造層62の形状については、
図2-
図4における関連する説明を参照されたい。
【0097】
工程004: チャネル層上に別の層構造を形成する。
【0098】
図7dを参照するに、チャネル層30上にソース40及びドレイン50が形成される。具体的には、ソース40及びドレイン50は、例えば堆積又はエピタキシャル成長などのプロセスを用いて窒化アルミニウムガリウムバリア層31上に形成され得る。
【0099】
先ず、パッシベーション層80が用意され、ソース40、ドレイン50、及びゲートメタル層70に対応する貫通孔を形成するようにパッシベーション層80がエッチングされ、そして、それら貫通孔内にそれぞれソース40、ドレイン50、及びゲートメタル層70が形成される。形成されたゲートメタル層70は第1構造層62とオーミック接触するとともに、第2構造層61とショットキー接触する。
【0100】
上述の製造プロセスから分かることには、イオン注入プロセスを用いてゲート構造層60が形成され得る。また、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタのゲート構造層60は、ゲートメタル層70をゲート構造層60に小さい抵抗のオーミック接触方式で接続することができるように第1構造層62及び第2構造層61を用いて形成され、それにより当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性が向上される。
【0101】
図8a-
図8dは、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタを製造する他の特定の一方法を示している。当該方法は以下の工程を含む。
【0102】
工程001: チャネル層上に、第2構造層と同じ材料を有する材料層を形成する。
【0103】
図8aを参照するに、基板10、バッファ層20、窒化ガリウム層32、及び窒化アルミニウムガリウムバリア層31が、例えばエピタキシャル成長及び堆積などのプロセスを用いた積層を通じて形成される。窒化アルミニウムガリウムバリア層31上に材料層400が形成されるとき、材料層400は例えばエピタキシャル成長又は堆積などの手法で窒化アルミニウムガリウムバリア層31上に直接形成され得る。理解されるべきことには、材料層400の厚さはゲート構造層60の厚さ以上にされるべきである。
【0104】
工程002: 材料層をエッチングして第1構造層を形成する。
【0105】
図8bを参照するに、材料層400をエッチングすることにより、ゲート構造層60と同じサイズを持つ第1構造層62が形成される。
【0106】
工程003: イオン注入を通じて第2構造層を形成する。
【0107】
図8cを参照するに、第1構造層62にカウンターイオンを注入する手法で第2構造層61が形成され、カウンターイオンが注入された第1構造層62の部分が第2構造層61として使用され、カウンターイオンが注入されていない部分がゲート構造層60の第1構造層62として使用される。第2構造層61は第1構造層62に巻き付いており、形成される第1構造層62の形状については、
図2-
図4における関連する説明を参照されたい。
【0108】
工程004: チャネル層上に別の層構造を形成する。
【0109】
図8dを参照するに、チャネル層30上にソース40及びドレイン50が形成される。具体的には、ソース40及びドレイン50は、例えば堆積又はエピタキシャル成長などのプロセスを用いて窒化アルミニウムガリウムバリア層31上に形成され得る。
【0110】
先ず、パッシベーション層80が用意され、ソース40、ドレイン50、及びゲートメタル層70に対応する貫通孔を形成するようにパッシベーション層80がエッチングされ、そして、それら貫通孔内にそれぞれソース40、ドレイン50、及びゲートメタル層70が形成される。形成されたゲートメタル層70は第1構造層62とオーミック接触するとともに、第2構造層61とショットキー接触する。
【0111】
上述の製造プロセスから分かることには、イオン注入プロセスを用いてゲート構造層60が形成され得る。また、当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタのゲート構造層60は、ゲートメタル層70をゲート構造層60に小さい抵抗のオーミック接触方式で接続することができるように第1構造層62及び第2構造層61を用いて形成され、それにより当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性が向上される。
【0112】
以上の説明から分かることには、この出願の実施形態で提供されるハイブリッドゲート電界効果トランジスタは複数の異なる手法で製造され得る。また、形成されるハイブリッドゲート電界効果トランジスタにおいて、ハイブリッドゲート電界効果トランジスタのゲート構造層60は、ゲートメタル層70をゲート構造層60に小さい抵抗のオーミック接触方式で接続することができるように第1構造層62及び第2構造層61を用いて形成され、それにより当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性が向上される。
【0113】
この出願の一実施形態は更にスイッチ回路を提供する。当該スイッチ回路は、AC-DC変換回路、高電圧変換回路、又はハーフブリッジ整流回路内のスイッチ回路とし得る。当該スイッチ回路は、メインボードと、該メインボード上に配置された、上述の実装のうちのいずれかの実装に従ったハイブリッドゲート電界効果トランジスタと、を含む。以上の説明から分かることには、このハイブリッドゲート構造をゲート構造層60として用いる方式では、ゲート構造層60が2つの異なる材料を用いて製造され、ハイブリッドゲートの中央に位置する材料がゲートメタル層70とオーミック接触して、ゲートメタル層70とゲート構造層60との間の接続の信頼性を向上させ、それにより当該ハイブリッドゲート電界効果トランジスタの信頼性を向上させ得る。
【0114】
明らかなことには、当業者は、この出願の精神及び範囲から逸脱することなく、この出願に対して様々な変更及び変形を為すことができる。この出願は、以下の請求項及びそれらと均等な技術によって定められる保護範囲に入る限り、この出願に対するそれらの変更及び変形に及ぶことを意図している。