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特許7571944ミル被破砕物収納部、ミル被破砕物収納部蓋、及びミル被破砕物収納部蓋扉
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ミル被破砕物収納部、ミル被破砕物収納部蓋、及びミル被破砕物収納部蓋扉
(51)【国際特許分類】
   A47J 42/04 20060101AFI20241016BHJP
   A47J 43/04 20060101ALI20241016BHJP
   A47J 42/24 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
A47J42/04
A47J43/04
A47J42/24
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024006561
(22)【出願日】2024-01-19
【審査請求日】2024-07-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320012200
【氏名又は名称】今永 大二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100205523
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 浩也
(72)【発明者】
【氏名】今永 大二郎
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特許第6964747(JP,B1)
【文献】特開平9-173222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/04
A47J 43/04
A47J 42/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕部によって破砕される被破砕物を一時的に収納するミル被破砕物収納部及びミル被破砕物収納部蓋であって、
前記ミル被破砕物収納部は、
上部に円筒状の被破砕物投入部と、
前記被破砕物投入部の円周に、円筒中心向かって傾斜する第一傾斜を有し、前記第一傾斜の角度は、5度乃至55度である淵部と、
前記淵部には溝部と、
を備え、
前記ミル被破砕物収納部蓋は、
中央に破砕部を有するシャフトを貫通させる貫通孔と、
天面部と、
前記天面部と成す角度が、前記第一傾斜の角度と同一又は差が5度以内である天面側面部と、
前記天面側面部に前記溝部の数と同数の第一爪部と、
を備え、
前記淵部は、隣り合う前記溝部と前記溝部の中間点を底部として、前記溝部から円周に沿って傾斜する第二傾斜を有し、
前記第二傾斜の角度は、1度乃至45度であって、
前記淵部と前記天面側面部が密着し、前記溝部と前記第一爪部が篏合、及びミル被破砕物蓋を回転することによって、前記淵部の前記第二傾斜の結果、前記第一爪部が前記ミル被破砕物収納部を抑え込み固定する、
ことを特徴とするミル被破砕物収納部及びミル被破砕物収納部蓋。
【請求項2】
前記溝部は、3ヵ所以上備える
ことを特徴とする請求項1に記載のミル被破砕物収納部。
【請求項3】
請求項に記載のミル被破砕物蓋に備えるミル被破砕物蓋扉であって、
扉天面部と、
前記扉天面部と成す角度が、第一傾斜の角度と同一である扉側面部と、
前記扉側面部に第二爪部と、
前記扉天面部の背面にはストッパー部と、
を備え、
前記淵部と前記扉側面部が密着し、前記溝部と前記第二爪部が篏合、及びミル被破砕物蓋扉を回転することによって、前記淵部の前記第二傾斜の結果、前記第二爪部がミル被破砕物収納部を締め付けると同時に、ミル被破砕物収納部蓋扉はミル被破砕物収納部蓋も締め付け、固定されたミル被破砕物収納部蓋の緩みを防ぐことを特徴とするミル被破砕物収納部蓋扉を篏合させた、
請求項1のミル被破砕物収納部蓋。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、コーヒー豆といった豆類、お茶、又は干した小魚といった乾物等の被破砕物を破砕するためのミルに用いられる被破砕物の収納部及びその蓋に関する。
【0002】
コーヒー豆からコーヒーを抽出するために、ミルによってコーヒー豆を適宜の粒径に破砕する操作が行われている。かかるミルには、プロペラ状の刃を回転させて、打撃によって豆を破砕するブレードグラインダ、内周面に複数の外刃が螺設された筒体内に、外周面に複数の内刃が螺設された円錐台体を挿入させ、外刃と回転する内刃との間に進入する豆を破砕するコニカルカッタ、それぞれ対向面に複数の刃が放射状に螺設された一対の平板を対向配置してなるフラットカッタ、それぞれ外周面に複数の刃が設けられた円簡状のバーを対向配置してなるロールグラインダといった機構のものが開発されている。
【0003】
ミルによってコーヒー豆を適宜の粒径に破砕するための重要な要件として、被破砕物を破砕するための破砕部の位置がずれないよう、破砕する動作中、被破砕物を収納している収納部と破砕部に連結しているシャフトを支える蓋が確実に固定されていることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-173222号公報
【文献】特許6964747号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1及び特許文献2による発明においても、従来のミルでは被破砕物収納部内を綺麗に洗浄・清掃するためには、被破砕物収納部から破砕部を取出さなければならい。破砕部を取り出すには部品などを外す必要があり、元に戻す際は少なくとも破砕部を取出す作業と同様の手間と時間がかかり、再度適宜の粒径に調整する負担もあることが散見された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1発明は、破砕部によって破砕される被破砕物を一時的に収納するミル被破砕物収納部及びミル被破砕物収納部蓋であって、前記ミル被破砕物収納部は、上部に円筒状の被破砕物投入部と、前記被破砕物投入部の円周に、円筒中心向かって傾斜する第一傾斜を有し、前記第一傾斜の角度は、5度乃至55度である淵部と、前記淵部には溝部とを備え、前記ミル被破砕物収納部蓋は、中央に破砕部を有するシャフトを貫通させる貫通孔と、天面部と、前記天面部と成す角度が、前記第一傾斜の角度と同一又は差が5度以内である天面側面部と、前記天面側面部に前記溝部の数と同数の第一爪部を備え、前記淵部は、隣り合う前記溝部と前記溝部の中間点を底部として、前記溝部から傾斜する第二傾斜を有し、前記第二傾斜の角度は、1度乃至45度であって、前記淵部と前記天面側面部が密着し、前記溝部と前記第一爪部が篏合、及びミル被破砕物蓋を回転することによって、前記淵部の前記第二傾斜の結果、前記第一爪部が前記ミル被破砕物収納部を抑え込み固定することを特徴としている。
【0007】
さらに、請求項2発明は前記溝部は3ヵ所以上備えることを特徴としている。
【0008】
加えて、請求項の発明は、請求項に記載のミル被破砕物蓋に備えるミル被破砕物蓋扉であって、扉天面部と、前記扉天面部と成す角度が、第一傾斜の角度と同一である扉側面部と、前記扉側面部に第二爪部と、前記扉天面部の背面にはストッパー部を備え、前記淵部と前記扉側面部が密着し、前記溝部と前記第二爪部が篏合、及びミル被破砕物蓋扉を回転することによって、前記淵部の前記第二傾斜の結果、前記第二爪部がミル被破砕物収納部を締め付けると同時に、ミル被破砕物収納部蓋扉はミル被破砕物収納部蓋も締め付け、固定されたミル被破砕物収納部蓋の緩みを防ぐことを特徴とするミル被破砕物収納部蓋扉を篏合させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至請求項3の発明によれば、手動で動作させたミルでも、被破砕物収納部に収納された被破砕物が破砕中であっても被破砕物収納部と蓋、扉が確実に篏合し、シャフトや破砕部の位置ずれを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るミル1の外観斜視図である。
図2】本発明に係るミル1の断面図であり、被破砕物収納部11に投入されたコーヒー豆CBが、破砕される様子を示す図である。
図3】本発明に係るミル1上部の外観斜視図である。
図4】本発明に係るミル1上部を、被破砕物収納部11、被破砕物収納部蓋12及び被破砕物収納部蓋扉13に分解した外観斜視図である。
図5】本発明に係る被破砕物収納部11の外観斜視図である。
図6】本発明に係る被破砕物収納部11の平面図である。
図7】本発明に係る被破砕物収納部11の淵部112の垂直角度を示した断面図である。
図8】本発明に係る被破砕物収納部11の淵部112の水平角度を示した断面図である。
図9】本発明に係る被破砕物収納部11の淵部112の水平角度を示した底面図である。
図10】本発明に係る被破砕物収納部蓋12の外観斜視図である。
図11】本発明に係る被破砕物収納部蓋12の底面図である。
図12】本発明に係る被破砕物収納部蓋12の天面側面部122の垂直角度を示した断面図である。
図13】本発明に係る被破砕物収納部蓋扉13の外観斜視図である。
図14】本発明に係る被破砕物収納部蓋扉13の扉側面部132の垂直角度を示した側面図である。
図15】本発明に係る被破砕物収納部蓋扉13の扉側面部132に備えられた第二爪部132aの形状を説明した外観図である。
図16】本発明に係る被破砕物収納部蓋扉13のストッパー部134の形状を説明した底面図である。
図17】本発明に係る被破砕物収納部11に被破砕物収納部蓋12を篏合する状態を説明した外観斜視図、平面図及び断面図である。
図18】本発明に係る被破砕物収納部11に被破砕物収納部蓋12を篏合する状態を説明した平面図及び底面図である。
図19】本発明に係る被破砕物収納部11に被破砕物収納部蓋12を篏合する際の締め付け原理を説明した図である。
図20】本発明に係る被破砕物収納部11及び被破砕物収納部蓋12に被破砕物収納部蓋扉13を篏合する状態を説明した平面図及び斜視図である。。
図21】本発明に係る被破砕物収納部11及び被破砕物収納部蓋12に被破砕物収納部蓋扉13を篏合する際の締め付け原理を説明した図である。
図22】本発明に係る被破砕物収納部11及び被破砕物収納部蓋12に被破砕物収納部蓋扉13を篏合する際にストッパー部134が必要な理由を説明した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
図1は本発明に係るミル1の外観斜視図である。ミル1は、コーヒー豆といった豆類、お茶、又は干した小魚といった乾物等の被破砕物Mを一時的に収納する被破砕物収納部11、被破砕物収納部11から落下する被破砕物を破砕する破砕部16からなる。また、図2は本発明に係るミル1の断面図であり、被破砕物収納部11に投入されたコーヒー豆CBが、破砕部16によって破砕される様子を示す図である。
【0013】
図1及び図2に示す通り、被破砕物収納部11は図示のようにドアノブのような円筒状に成形してなってもよいし形状は問わない。貫通孔123をシャフト5の一端側が貫通させてあり、シャフト5の一端には、当該シャフト5を回転させるための回転アーム8の一端を取り付け、回転アーム8の他端には使用者が把持するノブ9が回転自在に取り付けてある。
【0014】
図示の通り、被破砕物収納部11に上部である被破砕物投入部111から破砕物Mであるコーヒー豆CBを投入する。ノブ9を手動で回転させると、破砕部16によって被破砕され、コーヒー豆パウダーCBpとなる。ここで破砕部16は様々な形状が存在するが、ミル1では破砕部16の形状は定めない。
【0015】
被破砕物収納部11から破砕部16を取出すために被破砕物収納部11と被破砕物収納部蓋12が容易に外れる場合、破砕の振動によって破砕物収納部蓋12の位置がずれ、シャフト5、破砕部16も同様にずれ、適宜の粒径に挽くことができないことが懸念される。この懸念を解決するために、本発明である被破砕物収納部11及び被破砕物収納部蓋12、被破砕物収納部蓋扉13の構造を以下で説明する。
【0016】
図3は、本発明に係るミル1上部の外観斜視図、及び図4本発明に係るミル1上部を、被破砕物収納部11、被破砕物収納部蓋12及び被破砕物収納部蓋扉13に分解した外観斜視図である。両図に示す通り、ミル1上部は、被破砕物収納部11、被破砕物収納部蓋12及び被破砕物収納部蓋扉13が篏合状態で形成される。以下、各部の構造について説明する。
【0017】
まず初めに、被破砕物収納部11を説明する。図5は、本発明に係る被破砕物収納部11の外観斜視図、図6は、本発明に係る被破砕物収納部11の平面図、図7は、本発明に係る被破砕物収納部11の淵部112の垂直角度を示した断面図、図8は、本発明に係る被破砕物収納部11の淵部112の水平角度を示した断面図、及び図9は、本発明に係る被破砕物収納部11の淵部112の水平角度を示した底面図である。
【0018】
図5に示す通り、被破砕物収納部11は円筒形であり、被破砕物Mを投入する被破砕物投入部111は環状である。被破砕物投入部111周辺には淵部112が備えられ、図7の断面図が示すように淵部112断面は台形状となり、被破砕物投入部111中央部に向かって傾斜(以下、当該垂直方向の角度を「第一傾斜r1」という)を有している。第一傾斜r1の角度は、5度乃至55であることが好ましく、さらに好ましくは25度乃至35度である。
【0019】
図6乃至図9に示す通り、淵部112には、3ヵ所以上の溝部112a乃至112cが設けられてもよい。溝部112a乃至112cは、後述する第一爪部122a乃至122cと篏合する溝であり、第一爪部122a乃至122cと篏合可能であれば、大きさは問わない。
【0020】
溝部112a乃至112cの位置は、第一爪部122a乃至122cと篏合できる範囲であれば、位置は特に問わないが、図6及び図9に示す通り、等分に配置されることが好ましい。
【0021】
図8及び図9に示す通り、淵部112の高さ112hは定めないが、溝部112a及び112bの中間点112t1を底部として、溝部112a及び112bから矢印に示すように円周に沿って傾斜する傾斜(以下、当該水平方向の角度を「第二傾斜r2」という)を有している。溝部112bと溝部112c間の中心点112t2、及び溝部112cと溝部112a間の中心点112t3でも、同じ形状としてもよい。

【0022】
第二傾斜r2の角度は、1度乃至45度であることが好ましく、さらに好ましくは25度乃至35度である。後述するように、第二傾斜r2によって、溝部112a乃至112cと、後述する第一爪部122a乃至122cとの篏合が締め付けられ、強固な篏合となる。
【0023】
次に、被破砕物収納部蓋12について説明する。図10は、本発明に係る被破砕物収納部蓋12の外観斜視図、図11は、本発明に係る被破砕物収納部蓋12の底面図、及び図12は、本発明に係る被破砕物収納部蓋12の天面側面部122の垂直角度を示した断面図である。
【0024】
図10及び図11に示す通り、被破砕物収納部蓋12は、被破砕物収納部11の被破砕物投入部の蓋をする役割であって、天面部121、天面側面部122、及び天面側面部122に溝部112a乃至112cの数と同数の第一爪部122a乃至122cから成り、底面図では、中心角180度以上の扇形状である。被破砕物収納部蓋12の中央位置には、シャフト5の一端側を貫通させるために、開設した貫通孔123を設けてもよい。
【0025】
図12に示す通り、天面部121と天面側面部122が成す角度r3は前述した淵部112の第一傾斜r1と等しく、又はr1とr3の差は5度以内であることが好ましい。r1とr3の近似により、淵部112と天面側面部122が密着する。
【0026】
図10乃至図12に示す通り、天面側面部122には、3ヵ所以上の第一爪部122a乃至122cが設けられてもよい。第一爪部122a乃至122cは、溝部112a乃至112cと篏合する爪であり、溝部112a乃至112cと篏合可能であれば、大きさは問わない。
【0027】
第一爪部122a乃至122cの位置は、淵部112と篏合できる範囲であれば、位置は特に問わないが、図10及び図11に示す通り、等分に配置されることが好ましい。また、第一爪部122a乃至122cの高さ122hは、淵部112と篏合できる範囲であれば問わないが、密着性を考慮した場合、淵部112の高さ112hより数mm長いことが好ましい。
【0028】
続いて、被破砕物収納部蓋扉13を説明する。図13は、本発明に係る被破砕物収納部蓋扉13の外観斜視図、図14は、本発明に係る被破砕物収納部蓋扉13の扉側面部132の垂直角度を示した側面図、図15は、本発明に係る被破砕物収納部蓋扉13の扉側面部132に備えられた第二爪部132aの形状を説明した外観図、及び図16は、本発明に係る被破砕物収納部蓋扉13のストッパー部134の形状を説明した底面図である。
【0029】
図13図15及び図16に示す通り、被破砕物収納部蓋扉13は、被破砕物M投入後に被破砕物収納部蓋12を閉じる役割であって、扉天面部131及び扉側面部132から成り、平面図では、半環状形である。被破砕物収納部蓋扉13を扱う際に用いる扉突起部133、破砕中に被破砕物収納部蓋12の締め付けが緩むことを防ぐ目的でストッパー部134を設けてもよい。
【0030】
図14に示す通り、扉天面部131と扉側面部132が成す角度r4は前述した淵部112の第一傾斜r1と等しく、又はr1とr4の差は5度以内であることが好ましい。r1とr4の近似により、淵部112と扉側面部132が密着する。
【0031】
図14及び図16に示す通り、扉側面部132には、第二爪部支柱132bに支えられた第二爪部132aを設ける。第二爪部支柱132bの高さ132hは、淵部112と篏合できる範囲であれば問わないが、密着性を考慮した場合、淵部112の高さ112hより数mm長いことが好ましい。
【0032】
第二爪部支柱132bに支えられた第二爪部132aの位置は特に問わないが、図13図15及び図16に示す通り、被破砕物収納部蓋扉13の中心に配置されることが好ましい。
【0033】
図示の通り扉突起部133は、扉天面部に設けられ、被破砕物収納部蓋扉13の開閉時に把持する。扉突起部133は図示の通り、突起していればよく形状も位置も問わない。扉突起部133は設けなくても良い。
【0034】
図示の通り、破砕中に被破砕物収納部蓋12の締め付けが緩むことを防ぐ目的で扉天面部131の扉背面部135にはストッパー部134を設けてもよい。ストッパー部134の役割は後述する。
<実施形態>
【0035】
次に、ミル1を手動で操作した際、被破砕物収納部蓋が破砕の振動によって緩むことを防ぐ構造、つまり被破砕物収納部11、被破砕物収納部蓋12、及び被破砕物収納部蓋扉13が強固に締め付けられる構造を示す。
【0036】
図17は、本発明に係る被破砕物収納部11に被破砕物収納部蓋12を篏合する状態を説明した外観斜視図、平面図及び断面図である。
【0037】
図17a)の通り、被破砕物収納部11の淵部112に備える溝部112a乃至112cと、被破砕物収納部蓋12に備える第一爪部122a乃至122cを篏合させる。
【0038】
図17b)は、篏合後の平面図であり、図17c)は断面図である。図示の通り、被破砕物収納部蓋12を被破砕物収納部11に篏合させると、被破砕物収納部11と被破砕物収納部蓋12に同じ角度の傾斜r1、r3を有することで、お互いが密着し、被破砕物収納部11と被破砕物収納部蓋12の中心が一致し、水平も保持することが可能となる。
【0039】
図18は、本発明に係る被破砕物収納部11に被破砕物収納部蓋12を篏合する状態を説明した平面図及び底面図である。
【0040】
図18a)の通り、被破砕物収納部11の淵部112に備える溝部112a乃至112cと、被破砕物収納部蓋12に備える第一爪部122a乃至122cを篏合後は、矢印の方向に締め付けを行う
【0041】
締め付け後は、図18b)に示す通りとなり、図18c)に示すとおり、被破砕物収納部蓋12に備える第一爪部122a乃至122cで、被破砕物収納部11を締め付ける。
【0042】
図19は、本発明に係る被破砕物収納部11に被破砕物収納部蓋12を篏合する際の締め付け原理を説明した図である。
【0043】
図19a)は、被破砕物収納部蓋12に備える第一爪部122aを、被破砕物収納部11の淵部112に備える溝部112aに嵌め込んだ状態図の図である。
【0044】
図19b)は、被破砕物収納部蓋12を回転させた図である。被破砕物収納部蓋12が右回転すると、第一爪部122aは、被破砕物収納部11の淵部112の傾斜r2に当たる。さらに回転を進めると、被破砕物収納部11の淵部112の傾斜r2があることで、負荷が増し、締め付け強度が増す。
【0045】
図20は、本発明に係る被破砕物収納部11及び被破砕物収納部蓋12に被破砕物収納部蓋扉13を篏合する状態を説明した平面図及び斜視図である。
【0046】
図20a)は、本発明に係る被破砕物収納部11に被破砕物収納部蓋12を篏合された状態を平面図で示している。図18b)で示したように、被破砕物収納部蓋12を回転させることによって、被破砕物収納部11の淵部112に備える溝部112bが現れている。
【0047】
図20b)に示すように、被破砕物収納部11の淵部112に備える溝部112bに、被破砕物収納部蓋扉13の第二爪部132aを嵌め込む。
【0048】
図21は、本発明に係る被破砕物収納部11及び被破砕物収納部蓋12に被破砕物収納部蓋扉13を篏合する際の締め付け原理を説明した図である。
【0049】
図21a)に示すように、被破砕物収納部蓋扉13の第二爪部132aを被破砕物収納部11の淵部112に備える溝部112bに篏合させ、被破砕物収納部蓋扉13を左に回転させて、被破砕物収納部11に締め付けた図である。回転方向は、被破砕物収納部蓋12と逆であるが、被破砕物収納部蓋扉13を被破砕物収納部11に固定させる原理は、被破砕物収納部蓋12と被破砕物収納部11を固定させる原理と同様である。つまり、被破砕物収納部蓋扉13は、被破砕物収納部蓋12の締め付け回転方向と逆回転で、被破砕物収納部11を締め付ける。
【0050】
図21b)は、被破砕物収納部蓋扉13と、被破砕物収納部蓋12、被破砕物収納部11が固定された状態を底面方向から見た底面図である。被破砕物収納部蓋扉13は、被破砕物収納部11を締め付けると同時に、被破砕物収納部11の淵部112に備える傾斜r1によって被破砕物収納部蓋扉13にある第二爪部支柱132bが、貫通孔123に向かって進み、被破砕物収納部蓋12を締め付ける。この原理によって、被破砕物収納部蓋扉13は、被破砕物収納部蓋12と被破砕物収納部11の両方を締め付け、被破砕物収納部蓋12はより強固に固定される。
【0051】
図22は、本発明に係る被破砕物収納部11及び被破砕物収納部蓋12に被破砕物収納部蓋扉13を篏合する際にストッパー部134が必要な理由を説明した断面図である。
【0052】
図22a)は、被破砕物収納部蓋扉13と被破砕物収納部蓋12、被破砕物収納部11が固定されている状態を示す図である。被破砕物収納部蓋12が被破砕物収納部蓋扉13の締め付け方向と同じ左回転をすると、被破砕物収納部蓋12と被破砕物収納部11の締め付けが緩むため、これを防ぐために、ストッパー部134を備える。
【0053】
図22b)も、被破砕物収納部蓋扉13と被破砕物収納部蓋12、被破砕物収納部11が固定されている状態を示す図である。ストッパー部134は、被破砕物収納部蓋12に接している。この状態で被破砕物収納部蓋12に左回転の力が働くと、ストッパー部134にも同様の力が加わり、被破砕物収納部蓋扉13に左方向の力が働く。
【0054】
被破砕物収納部蓋扉13の特性により、被破砕物収納部蓋扉13が左回転すると、被破砕物収納部蓋12と被破砕物収納部11を締め付ける。この原理により、被破砕物収納部蓋12に左回転の力が働いても被破砕物収納部蓋扉13の締め付けが働き、被破砕物収納部蓋12は左回転できない。
【0055】
以上の動作によって、被破砕物収納部蓋扉13と被破砕物収納部蓋12、被破砕物収納部11が固定されている状態では、被破砕物収納部蓋12が緩むことはなく、手動で動作させた状態で、被破砕物収納部11に収納された被破砕物Mを破砕中であっても被破砕物収納部蓋扉13と被破砕物収納部蓋12、被破砕物収納部11が確実に篏合し、破砕物収納部蓋12とシャフト5、破砕部16の位置がずれないため適宜の粒径で均一に挽くことができる。
【符号の説明】
【0056】
1 ミル
5 シャフト
8 回転用アーム
9 ノブ
11 被破砕物収納部
12 被破砕物収納部蓋
13 被破砕物収納部蓋扉
16 破砕部
111 被破砕物投入部
112 淵部
121 天面部
122 天面側面部
123 貫通孔
131 扉天面部
132 扉側面部
133 扉突起部
134 ストッパー部
135 扉背面部
112a 溝部a
112b 溝部b
112c 溝部c
122a 第一爪部a
122b 第一爪部b
122c 第一爪部c
132a 第二爪部
132b 第二爪部支柱
112t1 溝部ab中心
112t2 溝部bc中心
112t3 溝部ca中心
【要約】      (修正有)
【課題】被破砕物収納部に収納された被破砕物が破砕中であっても被破砕物収納部と蓋、扉が確実に篏合し、シャフトや破砕部の位置ずれを防ぐことができるミルを提供する。
【解決手段】円筒状の被破砕物投入部111と、前記被破砕物投入部の円周に淵部112とを備え、前記淵部には3ヵ所以上の溝部と円筒中心向かって傾斜する第一傾斜を有し、各々の前記溝部を頂点とし、隣り合う前記溝部間の中心点に向かって傾斜する第二傾斜を有することによって、ミル被破砕物収納部内から容易に破砕部を取出せる構造となる。また、適宜の粒径に調整した状態を維持したまま破砕部を取出すことが可能であるため、破砕部を取出すごとに適宜の粒径に調整する負担もない。破砕中においても被破砕物収納部と被破砕物収納部蓋12、被破砕物収納部蓋扉13が確実に嵌合し、破砕部の位置がずれないため適宜の粒径で均一に挽くことが可能となる。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22