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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20241016BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H02J3/38 180
H02J3/38 130
H02J3/32
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024021919
(22)【出願日】2024-02-16
【審査請求日】2024-02-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517150009
【氏名又は名称】株式会社MR Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】平林 真人
(72)【発明者】
【氏名】原田 拓
(72)【発明者】
【氏名】福岡 健人
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-123241(JP,A)
【文献】国際公開第2016/067603(WO,A1)
【文献】特開2019-205309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00-5/00
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光パネルに接続される太陽光パネル接続端子と、
蓄電池に接続される蓄電池接続端子と、
商用電力系統に接続される商用電力入力端子と、
宅内の分電盤に交流電力を供給するための交流電力出力端子と、
前記太陽光パネルおよび/または前記蓄電池からの直流電流を交流電流に変換して前記交流電力出力端子に供給するDC/ACインバータと、
前記DC/ACインバータの出力端子と前記交流電力出力端子との間に設けられた第1のリレーと、
前記第1のリレーの出力端子と前記商用電力入力端子との間に設けられた第2のリレーと、
前記商用電力入力端子と前記交流電力出力端子との間に設けられ、前記DC/ACインバータの出力電圧を監視するUVRである第3のリレーと、
前記商用電力系統の電流および/または電圧を検出する検出回路と、
前記DC/ACインバータが出力する電圧および/または電流を制御するとともに、前記第1のリレーおよび前記第2のリレーを制御するコントローラと
を備えた電力供給システムであって
前記コントローラは、
前記検出回路の検出結果と前記DC/ACインバータの出力に応じて、前記第1のリレーおよび前記第2のリレーを制御するように構成され
前記DC/ACインバータの出力電圧に基づいて、前記電力供給システムのハングアップを検出した場合に、前記第3のリレーは、ON状態となり、前記商用電力入力端子を前記交流電力出力端子に接続する
電力供給システム。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記商用電力系統の電流および/または電圧が所定の値以下となった場合には、前記第1のリレーをON状態とし、前記第2のリレーをOFF状態とし、
前記DC/ACインバータの出力が所定の値以下となった場合には、前記第1のリレーをOFF状態とし、前記第2のリレーをON状態とする
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記電力供給システムのハングアップが解消した場合に、前記第3のリレーをリセットしてOFF状態とする
請求項に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光パネルと蓄電池とを備えた電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽光パネルと蓄電池とを備え、日中は光熱費を節約するため、太陽光パネルにより発電された直流電力を交流電力に変換して負荷系統に供給するとともに、昼間の太陽光発電の余った電力で蓄電池を充電して、その電力を夜間に負荷に供給する電力供給システムが提供されている。
【0003】
このような電力供給システムでは、曇天等により太陽光パネルの発電電力量が少ない場合には、発電電力量よりも宅内における電力使用量の方が多くなり、昼間の発電電力を蓄電池に充電するほどの余剰電力が生じ得ない場合がある。さらに、蓄電池に充電される電力が十分でない場合であっても、冷蔵庫等の重要負荷系統については安定的に電力供給を行う必要がある。このような要望に対応するため、従来から太陽電池パネルや蓄電池を用いて宅内電力に安定的に電力供給を行う電力供給システムが提案されている(例えば、特許文献1-7参照)。
【0004】
例えば、特許文献4の電力供給システムにおいては、太陽電池アレイと、太陽電池アレイによる発電電力を充電する蓄電池システム備え、蓄電池システムに宅内の分電盤と重要負荷系統が接続されており、太陽電池アレイで発電した電力を、蓄電池システムを経由して宅内の分電盤または重要負荷系統に供給する電力システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-055059号公報
【文献】特開2014-027849号公報
【文献】特開2014-183716号公報
【文献】特開2014-192986号公報
【文献】特開2014-195401号公報
【文献】特開2017-055565号公報
【文献】特開2018-011476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献4の電力供給システムでは、分電盤に系統電源と蓄電池システムの間に設けられ、停電時に開放されるブレーカと、重要負荷系統と分電盤および蓄電池システムとの間に設けられ、通常時に分電盤と蓄電池システムを接続して、停電時に蓄電池システムと重要負荷系統とを接続するための非常時切替スイッチが必要となるため、電力供給システムの構成が複雑になり、停電時にユーザが切替スイッチを切り替えなければならないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、宅内の負荷系統に対して安定的に電力供給を行う電力供給システムを簡易な構成で実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る電力供給システムは、太陽光パネルに接続される太陽光パネル接続端子と、蓄電池に接続される蓄電池接続端子と、商用電力系統に接続される商用電力入力端子と、宅内の分電盤に交流電力を供給するための交流電力出力端子と、前記太陽光パネルおよび/または前記蓄電池からの直流電流を交流電流に変換して前記交流電力出力端子に供給するDC/ACインバータと、前記DC/ACインバータの出力端子と前記交流電力出力端子との間に設けられた第1のリレーと、前記第1のリレーの出力端子と前記商用電力入力端子との間に設けられた第2のリレーと、前記商用電力系統の電流および/または電圧を検出する検出回路と、前記DC/ACインバータが出力する電圧および/または電流を制御するとともに、前記第1のリレーおよび前記第2のリレーを制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記検出回路の検出結果と前記DC/ACインバータの出力に応じて、前記第1のリレーおよび前記第2のリレーを制御するように構成される。
【0009】
本発明に係る電力供給システムの構成例では、前記コントローラは、前記商用電力系統の電流および/または電圧が所定の値以下となった場合には、前記第1のリレーをON状態とし、前記第2のリレーをOFF状態とし、前記DC/ACインバータの出力が所定の値以下となった場合には、前記第1のリレーをOFF状態とし、前記第2のリレーをON状態とする。追記された事項については、後半の実施例に記載した事項と重複するため記載しませんでした。また、この段落は、請求項2に対応するものです。
【0010】
本発明に係る電力供給システムの構成例では、前記商用電力入力端子と前記交流電力出力端子との間に設けられ、前記DC/ACインバータの出力電圧を監視するUVRである第3のリレーを備え、前記DC/ACインバータの出力電圧に基づいて、前記電力供給システムのハングアップを検出した場合に、前記第3のリレーは、ON状態となり、前記商用電力入力端子を前記交流電力出力端子に接続する。
【0011】
本発明に係る電力供給システムの構成例では、前記コントローラは、前記電力供給システムのハングアップが解消した場合に、前記第3のリレーをリセットしてOFF状態とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電力供給システムでは、太陽光パネルと蓄電池が接続される接続端子と、商用電力系統からの交流電力を入力するための入力端子と、宅内の負荷系統に交流電力を出力するための出力端子とを備え、電力供給システム内のリレーを制御することによって、商用電力系統からの電力と太陽光パネルや蓄電池からの電力を選択的に宅内の負荷系統に供給するように構成されているので、宅内の負荷系統に対して安定的に電力供給を行う電力供給システムを簡易な構成で実現することが可能となり、全負荷型の電力供給システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る電力供給システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電力供給システムの構成(太陽光発電時)を示す図である。
図3図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力供給システムの構成(太陽光発電時)を示す図である。
図4図4は、本発明の第2の実施の形態に係る電力供給システムの構成(商用電力系統からの電力供給時)を示す図である。
図5図5は、本発明の第2の実施の形態に係る電力供給システムの構成(商用電力系統からの電力供給時)を示す図である。
図6図6は、本発明の第3の実施の形態に係る電力供給システムの構成(電力供給システム障害時)を示す図である。
図7図7は、本発明の第3の実施の形態に係る電力供給システムの構成(電力供給システム復旧時)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<電力供給システムの構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る電力供給システムの構成を示す図である。
【0015】
本発明の実施の形態に係る電力供給システム10は、太陽光パネル20に接続される太陽光パネル接続端子104と、蓄電池30に接続される蓄電池接続端子105と、商用電力系統に接続される商用電力入力端子106と、宅内の分電盤に交流電力を供給するための交流電力出力端子107(単相三線、V0-N-V1の中点を有する100V-N-100V)と、太陽光パネル20および/または蓄電池30からの直流電流を交流電流に変換して交流電力出力端子に供給するDC/ACインバータ110と、DC/ACインバータ110の出力端子と交流電力出力端子107との間に設けられた第1のリレー111と、第1のリレー111の出力端子と商用電力入力端子106との間に設けられた第2のリレー112と、商用電力系統の電流および/または電圧を検出する検出回路(CT/VT)40と、DC/ACインバータ110が出力する交流電力を制御するとともに、電力供給システム内のリレー(111、112)およびスイッチ114等を制御するコントローラ101とを備える。
【0016】
本発明の実施の形態に係る電力供給システムは、太陽光パネル20および/または蓄電池30からの直流電流を交流電流に変換して交流電力出力端子に供給するDC/ACインバータ110を備えている。DC/ACインバータ110は、Nを中点とするV0-N-V1(単相、100V-N-100V)の交流電力を交流電力出力端子107に供給する。
【0017】
例えば、一般的な低圧売電用(出力10kW以下)の電力供給システムは、出力値100V-N-100Vの交流電力を出力する。この場合、DC/ACインバータ110において、2つのDC-AC100Vインバータを直列に接続して、直列に接続された2つのインバータの接続点を交流電力の中点(N)とすれば、トランスを用いることなく、Nを中点とするV0-N-V1が100V-N-100Vの交流電力を交流電力出力端子に供給することができる。
【0018】
図1において、電力供給システムと商用電力系統の間に配置されているブレーカ50、電力供給システムと負荷系統の間に配置されているブレーカ60は、過電流の防止と取付工事及び保守時の安全性を確保するためのブレーカである。ブレーカとしては、ELB(Earth Leakage Circuit Breaker)、MCB(Molded Case Circuit Breaker)のどちらを用いてもよい。
【0019】
MPPT108、DC/DCコンバータ109は、太陽光パネル20及び蓄電池30の直流電力を、DC/ACインバータ110の入力に適した直流電力に変換する機能を有する。MPPT(Maximum Power Point Tracking)108は、太陽光パネル20の出力電力を最大化することができる。
【0020】
DC/DCコンバータ109は、双方向インバータであり、太陽光パネル20やDC/ACインバータ110からの直流電力を、蓄電池30の入力に適した直流電力に変換することもできる。この機能は、太陽光パネル20や商用電力系統からの電力を蓄電池30に充電する際に使用される。
【0021】
コントローラ101は、DC/ACインバータ110が出力する電圧および/または電流を制御するとともに、電力供給システム10内のリレーを制御することによって、商用電力系統からの電力と太陽光パネル20や蓄電池30からの電力を選択的に負荷系統(宅内の分電盤)に供給するように構成されている。
【0022】
第1のリレー111は、DC/ACインバータ110の出力端子と交流電力出力端子107との間に設けられており、DC/ACインバータ110の出力電力を負荷系統に供給するためのリレーである。
【0023】
第2のリレー112は、第1のリレー111の出力端子と商用電力入力端子106との間に設けられており、商用電力系統から供給された電力を負荷系統に供給するためのリレーである。
【0024】
コントローラ101は、検出回路40の検出結果とDC/ACインバータ110の出力情報に応じて、第1のリレー111および第2のリレー112を制御するように構成されている。検出回路40の検出結果は、電力供給システム10のI/F103を介して提供される。
【0025】
例えば、検出回路40の検出結果により、商用電力系統の電流および/または電圧が所定の値以下(例えば、電圧が90V)となった場合には、コントローラ101は、第1のリレー111を「ON状態」、第2のリレー112を「OFF状態」にして、太陽光パネル20から供給される直流電流を交流電流に変換し、交流電力出力端子107を介して負荷系統(宅内の分電盤)に供給する。商用電力系統に停電等が生じた場合には、それを検出回路40で検出することにより、負荷系統(宅内の分電盤)への電力の供給を商用電力系統からDC/ACインバータ110に自動的に切り替えることができる。
【0026】
このとき太陽光発電により余剰電力があれば、蓄電池30を充電することもできる。夜間や悪天候の時など、太陽光パネル20によって十分な発電ができなくても、蓄電池30から供給される直流電力を交流電力に変換して負荷系統(宅内の分電盤)に供給することができる。
【0027】
一方、夜間や悪天候の時など、太陽光パネル20によって十分な発電ができず、蓄電池30からも十分な電力を供給できない場合には、コントローラ101は、第1のリレー111を「OFF状態」、第2のリレー112を「ON状態」にして、商用電力系統の電力を負荷系統(宅内の分電盤)に供給することができる。これにより、宅内負荷系統に対して安定的に電力供給を行うことができる。
【0028】
また、電力供給システムは、商用電力入力端子と交流電力出力端子との間に設けられ、DC/ACインバータ110の出力電圧を監視するUVR(Under Voltage Relay)である第3のリレー113を備えてもよい。
【0029】
第3のリレー113は、DC/ACインバータ110の出力電圧に基づいて、電力供給装置のハングアップを検出した場合に「ON状態」となり、商用電力入力端子を交流電力出力端子に接続することができるので、電力供給システムに障害が発生してハングアップ状態となった場合でも、商用電力系統の電力を負荷系統(宅内の分電盤)に供給することが可能となる。
【0030】
以上述べたように、本実施の形態の電力供給システム10によれば、宅内の分電盤に対して安定的に電力供給を行うことが可能な電力供給システムを簡易な構成で実現することが可能となる。
【0031】
<第1の実施の形態>
<太陽光パネル/蓄電池からの電力供給時:図2図3
図2、3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力供給システムの構成(太陽光発電時)を示す図である。
【0032】
図2に示すように、電力供給システム10は、検出回路40の検出結果により、商用電力系統の電流および/または電圧が所定の値以下(例えば、電圧が90V)となった場合には、第1のリレー111を「ON状態」、第2のリレー112を「OFF」状態にして、商用電力系統から負荷系統を切り離し、太陽光パネル20で発電した直流電力をDC/ACインバータ110によって交流電力に変換して、負荷系統(宅内の分電盤)に供給する。
【0033】
また、夜間や悪天候の時など、太陽光パネル20によって十分な発電ができない場合でも、蓄電池30が十分に充電されている場合には、DC/DCコンバータを介して蓄電池30から供給される直流電力をDC/ACインバータ110によって交流電力に変換して、負荷系統に供給することもできる。
【0034】
図3に示すように、太陽光発電により余剰電力があれば、太陽光パネル20で発電した直流電力を交流電力に変換して、負荷系統(宅内の分電盤)に供給しながら、太陽光発電による余剰電力をDC/DCコンバータを介して蓄電池30を充電することもできる。
【0035】
<第2の実施の形態>
<商用電力系統からの電力供給時:図4図5
夜間や悪天候の時など、太陽光パネル20によって十分な発電ができず、かつ、蓄電池が十分に充電されていない場合には、図4に示すように、第1のリレー111を「OFF状態」とし、第2のリレー112を「ON状態」として、商用電力系統から負荷系統に電力を供給することができる。これにより、重要負荷系統に対して安定的に電力供給を行うことができる。ここで、実際の装置では、リレーの切替時間が長いとフリッカー等を起こす原因となるため、リレーの切替時間が重要となる。理論上は、50Hzの場合は、20msec以内で切替が行われればよいが、実際には、10msec程度の切替時間で切替が行われるのが望ましい。
【0036】
この場合、図4に示すように、太陽光パネル20により発電された電力を蓄電池30に充電するようにしてもよい。また、図5に示すように、第1のリレー111を「ON状態」にして、商用電力系統から供給される電力を蓄電池30に充電するようにしてもよい。
【0037】
<第3の実施の形態>
<電力供給システム障害時:図6図7
コントローラ101の故障など、電力供給システム10に何らかのトラブルが発生し、電力供給システム10がハングアップして電力供給に関わる制御ができなくなると、負荷系統に電力を供給できなくなり、DC/ACインバータ110の出力電圧、すなわち交流電力出力端子107の端子間電圧が「0V」になる。
【0038】
このような場合に備えて、電力供給システム10は、図6に示すように、商用電力入力端子と交流電力出力端子との間に設けられた第3のリレー113を備えてもよい。第3のリレー113は、DC/ACインバータ110の出力電圧を監視して、電力供給システムのハングアップを検出した場合に「ON状態」となるUVRである。
【0039】
第3のリレー113は、DC/ACインバータ110の出力電圧が「0V」になり、電力供給システム10のハングアップを検出した場合に「ON状態」となり、商用電力入力端子106を交流電力出力端子107に接続することができるので、電力供給システム10に障害が発生してハングアップ状態となった場合でも、商用電力系統の電力を負荷系統(宅内の分電盤)に供給することが可能となる。電力供給システム10を介して負荷系統に商用電力系統からの電力を供給することは「パススルー」と呼ばれる。
【0040】
このように、昼夜を問わず、電力供給システム10がハングアップした際には、人の手を介さずに自動的に商用電力系統への切り替えが行われて、負荷系統に商用電力系統からの電力を供給することができるので、電力供給システム10がハングアップした場合に負荷系統に電力を供給できなくなる事態を回避することが可能となる。
【0041】
また、図7に示すように、電力供給システム10が正常な状態に回復して、ハングアップ状態が解消した場合には、コントローラ101は、第3のリレー113をリセットして「OFF状態」とすることで、負荷系統への電力の供給の制御ができる状態に復旧することができる。
【0042】
この場合、太陽光パネル20や蓄電池30により供給される電力量が負荷系統の需要に対して十分な電力量である場合には、図2で説明したように、第1のリレー111を「ON状態」とし、第2のリレー112を「OFF状態」として、太陽光パネル20や蓄電池30により供給される電力を負荷系統に供給すればよい。
【0043】
一方、太陽光パネル20や蓄電池により供給される電力量が負荷系統の需要に対して不足している場合には、図4で説明したように、第1のリレー111を「OFF状態」とし、第2のリレー112を「ON状態」として、商用電力系統から供給される電力を負荷系統に供給すればよい。
【符号の説明】
【0044】
10…電力供給システム、20…太陽光パネル、30…蓄電池、40…検出回路(CT/VT)、50、60…ブレーカ。
【要約】
【課題】宅内の分電盤に対して安定的に電力供給を行う電力供給システムを簡易な構成で実現する。
【解決手段】本発明の電力供給システム10は、太陽光パネル20と蓄電池30が接続される接続端子と、商用電力系統に接続される入力端子と、宅内の分電盤に交流電力を供給するための出力端子とを備え、電力供給システム10内のリレーを制御することによって、商用電力系統からの電力と太陽光パネル20や蓄電池30からの電力を選択的に宅内の分電盤に供給するように構成されている。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7